説明

重力鉄道用トンネル構造

【課題】重力鉄道のトンネルの建設費を従来のものより少なくする。
【解決手段】トンネルを通常のトンネルのように最初から最後まで同じ大きさで造るのではなく、列車がその場所を通過するスピードを考え、遅い上部の部分ではかなり小さく、だんだん大きくし、最高速度が出る最下部の水平ラインで最大になるようなトンネル構造にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は鉄道の一種である重力鉄道用のトンネルの構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
重力鉄道のトンネルは、車両の断面積との兼ね合いで、その太さをどうするかということしか考えていなかった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
トンネル工事には莫大な費用がかかるため、同じ性能なら出来るだけその建設費を縮小したいものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
トンネルを通常のトンネルのように最初から最後まで同じ太さで、造るのではなく、列車がその場所を通過するスピードを考え、遅い上部の部分では、かなり小さく、だんだん大きくし、最高速度が出る、最下部の水平ラインで最大になるように造る。
【発明の効果】
【0005】
建設コストが安価になることが最大の効果である。駅付近、下降はじめの部分は時速数十キロと速度が緩やかなので、トンネルの径は小さくとも、空気抵抗はあまり大きくない。時速数百キロというような高速になる下部ではトンネルの太さがかなり大きくなるので、この部分の空気抵抗が和らぐ。トンネル内の空気の動きは複雑であるが、トンネルが太いほど、走行抵抗が少ない。太く造る部分が、建設しやすい、水平、またはそれに近い勾配の部分ということも、経費削減につながる。
このようなことをするのは重力鉄道では、走る部分の深さによって、一律に列車のスピードがきまっているからである。これが通常のトンネルとは大きく異なる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
駅からすぐ入る部分では、列車進行方向に垂直な断面積が、トンネルは列車の2〜3倍程度で、そこからだんだん太くなり、最下部では5〜6倍程度まで大きくする。これは、必ずしも連続的に広げなければならないということではない。建設のやりやすさによって、数段階に分けて広げていっても、効果としてはそれほど劣るものではない。列車に対するこの断面積の比にはここではあまり意味を持たない。なぜなら、同じトンネルを走るにしても、列車をごく小型のものにしたら、列車対トンネルの断面積の比は大きく異なってしまうからである。ここで問題にしているものは、トンネル自体の太さの変化である。
このトンネルの太さを大きくする比率でも、一概には数字を挙げることはできない。なぜならそれは建設するトンネルの掘り込み深さによっても、大きく異なるからである。たとえば時速360kmにもなってしまう、500mの深さのものでは、始まりの部分は同じでも、最下部では、時速160km程度の、掘り込み深さ100mのものよりも、大きくしたほうが良いことはあきらかであるからである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地下に造るジェットコースター形式の鉄道用のトンネルに於いて、その断面積が、上部駅付近は小さく、徐々に大きくなり下部水平部で最大なっていること特徴とする重力鉄道用のトンネル構造。

【公開番号】特開2009−197571(P2009−197571A)
【公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−76655(P2008−76655)
【出願日】平成20年2月25日(2008.2.25)
【出願人】(599003198)
【Fターム(参考)】