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重合体吸着剤及び製造方法
説明

重合体吸着剤及び製造方法

【課題】メディア及び高圧逆相液体クロマトグラフィー(RPC)における使用に好適な剛性ポリマーマトリックスを提供する選択された多孔度及び透過性特性を有する新規なマクロポーラスポリマーの提供。
【解決手段】(a)50から100重量%のポリビニル芳香族モノマー及び(b)0から50重量%のモノ不飽和ビニル芳香族モノマーのマクロポーラスポリマーであって、(i)特定の全多孔度;(ii)特定のオペレイショナルなメソポロシティー;(iii)特定の平均粒子直径;(iv)特定の表面積;(v)10バール圧において700から1,800未満の流れ抵抗値及び60バール圧において1,500から7,000未満の流れ抵抗値;及び(vi)ポリマーについて75から150グラムインシュリン/リッターである総インシュリン容量及びポリマーについて60から150グラムインシュリン/リッターである動的インシュリン容量を有する、ポリマー。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メディア及び高圧逆相液体クロマトグラフィー(RPC)における使用に好適な剛性ポリマーマトリックスを提供する選択された多孔度及び透過性特性を有する新規なマクロポーラスポリマーに関する。そのポリマーは、長期間の使用の間で圧力の増加の無い大規模クロマトグラフィーカラムの固定相として特に有用である。
【背景技術】
【0002】
RPCに有用な固定相は、特に(生体分子の分離精製に要求されるような)高性能分取モードにおいて、クロマトグラフィーカラム内部で発生した高い操作圧力に耐えるために機械的に剛性でなければならない。シリカマトリックスは、過去においてこれらの用途に一般的に使用され、満足すべき機械的剛性を有している。しかし、シリカマトリックスは、高pH条件下で稼動されることができず、そのことが幅広い範囲の生体分子を分離するための使用が厳しく制限されている。この要因は、クロマトグラフィー操作者が利用可能できる選択肢を狭め、シリカメディアの製品寿命(それらは厳しい条件下で清浄化できないのでより早く劣化する)に悪影響を及ぼし、結果的に商業的生産プロセス全体の経済性をより悪いものとしている。
【0003】
一方、有機ポリマーを基剤とした固定相は、非常に広範囲なpH条件に亘り典型的に稼動されることができるが、生体分子の分離に広く利用に供される。クロマトグラフィーの操作者は、高いpHでのプロセスを進める選択肢を有し、それはある種の分子用の分離メディアについての溶解度、選択性及び容量等の改善された特性のような利点を提示することができる。加えて、重合体樹脂は、高pH条件下で良好に清浄化されることができ、従って、カラム有効期限を改善し、結局はプロセス経済を改良する。しかしながら、現在の重合体固定相は、高性能生体分子の分離に使用される高圧条件でのメディアにおいて幾分圧縮性である。この圧縮性は分離プロセスにとって有害である。何故なら運転可能な流量の範囲を制限し、カラム内のポリマー床の完全性を低下させることができるからである。例えば、下記の文献は、「ウォール効果(wall effects)」がポリマー圧縮を最小化することが知られている、高速分析操作の代表的カラム条件(0.5cm未満のカラム内径)で使用されるポリマーを開示している。しかし、これらの文献はウォール効果がないことによるポリマー圧縮からの追加の圧力増大が予期される、大規模な高速の市販のクロマトグラフィーカラムでの操作を開示してはいない:ロイド、L.L及びワーナー、F.P.,独特な高速マクロポーラス樹脂の分取高性能液体クロマトグラフィー、J.Chromatography、512巻、365〜376ページ(1990);ロイド、L.L.,高性能液体クロマトグラフィーにおける固定相としての剛性マクロポーラスコポリマー、レビュー、J.Chromatography、544巻、、201〜217ページ、(1991)。
【0004】
非溶媒の存在下でジビニルベンゼン(DVB)含有モノマー混合物のサスペンション重合から生成された慣用のマクロポーラスコポリマーは、広範囲の細孔径分布及び表面積を有するポリマーを与える。例えば、米国特許第4,686,269号は、モノマーの総重量を基準として50から300%の有機補助溶剤を用いて、モノマーを重合して0.5から50ミクロンの平均粒子直径を有し、及び少なくとも60%のポリビニル芳香族モノマーを含有する、分析規模での液体クロマトグラフィーカラム(内径が0.8cm)に使用されるポリマーの調製法を開示するが、その文献は、製造規模でのクロマトグラフィーカラム、即ち、2から100cm、典型的には5から80cmの内径を有するものにおいて一般的な、高圧使用条件下で圧縮しない剛性ポリマーマトリックスを提供する、選択された多孔度及び透過特性を有するポリマーの調製法は開示していない。
【0005】
ポリマーの圧縮性は、分離メディアを通過する流れの抑制に変換され、クロマトグラフィー系における追加の背圧を生じさせ、最終的にはサイクル時間の長期化をもたらす。有意な圧縮を生ぜず、即ち、典型的なRPCプロセス条件下で発生した高操作圧力に対するメディアとして耐えることができる重合体固定相が必要となる。加えて、固定相は、また、望ましいクロマトグラフィー性能を生じさせるために、ある種の標的生体分子に関する満足すべき物質移動及び容量特性を有することが不可欠である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第4,686,269号明細書
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】ロイド、L.L及びワーナー、F.P.,独特な高速マクロポーラス樹脂の分取高性能液体クロマトグラフィー、J.Chromatography、512巻、365〜376ページ(1990);
【非特許文献2】ロイド、L.L.,高性能液体クロマトグラフィーにおける固定相としての剛性マクロポーラスコポリマー、レビュー、J.Chromatography、544巻、、201〜217ページ、(1991)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明で目的とする課題は、RPC過程において同時に満足すべき圧力及び流れ特性を提供しながら、生体分子の分離精製に好適なマクロポーラスポリマー固定相を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、(a)50から100重量%の1以上のポリビニル芳香族モノマー及び(b)0から50重量%の1以上のモノ不飽和ビニル芳香族モノマーの重合されたモノマー単位を含むマクロポーラスポリマーであって、
(i)1グラム当たり0.7から2立方センチメートルの全多孔度;
(ii)1グラム当たり0.7から1.9立方センチメートルのオペレイショナルなメソポロシティー(operational mesoporosity);
(iii)2から600ミクロンの平均粒子直径;
(iv)1グラム当たり200から1500平方メートルの表面積;
(v)10バール圧において700から1,800未満の流れ抵抗値及び60バール圧において1,500から7,000未満の流れ抵抗値;及び
(vi)ポリマーについて75から150グラムインシュリン/リッターである総インシュリン容量及びポリマーについて60から150グラムインシュリン/リッターである動的インシュリン容量(dynamic insulin capacity)を有する、ポリマーを提供する。
【0010】
好ましい態様において、本発明は、ポリマーが,
(a)1グラム当たり400から1000平方メートルの表面積;
(b)1グラム当たり0.9から1.4立方センチメートルのオペレイショナルなメソポロシティー;
(c)10から75ミクロンの平均粒子直径;
(d)10バール圧において700から1,500未満の流れ抵抗値及び60バール圧において1,500から5,000未満の流れ抵抗値;及び
(e)ポリマーについて90から150グラムインシュリン/リッターである総インシュリン容量及びポリマーについて75から150グラムインシュリン/リッターである動的インシュリン容量を有する、上述のマクロポーラスポリマーを提供する。
【0011】
本発明は、また、水性サスペンションにおいて、疎水性ポローゲン及び親水性ポローゲンを含む100から170パーセントのポローゲン混合物及び0.5から10%のフリーラジカル重合開始剤の存在下で、0から50パーセントのモノビニル芳香族モノマー及び50から100パーセントのポリビニル芳香族モノマーを重合することを含むマクロポーラスポリマーのを調製する方法(全てのパーセント量はモノマーの総重量を基準としている)であって、(a)親水性ポローゲンは、疎水性ポローゲンに対して1.2/1より大で3/1までの重量比で存在し;及び(b)親水性ポロ−ゲンは、1以上の(C〜C10)アルカノールから選択され、疎水性ポローゲンは、1以上の(C〜C10)芳香族炭化水素及び(C〜C12)飽和炭化水素から選択される、方法を提供する。
【0012】
本発明は、更に、混合された生体分子の水性溶液を、2から100センチメートルの内径を有する液体クロマトグラフィーカラム中で上述のマクロポーラスポリマーと接触させる混合された生体分子水性溶液の精製方法であって、カラムが10から100バールの圧力で操作される、方法を提供する。
【0013】
我々は、高圧逆相液体クロマトグラフィーによる生体分子の大規模分離精製に有用な新規なマクロポーラスポリマーが、選択された多孔度及び透過特性を有して製造され得ることを見出した。特に、我々は、特定の重合条件下でモノマー相に対して特定割合の特定のポロ−ゲン溶媒の使用が意外にも本発明の剛性ポリマーマトリックスを提供することを見出した。新規なマクロポーラスポリマーは、標的生体分子用に良好な処理量及び容量(動的及び平衡)を維持しながら、有意の圧縮及び圧力の増加をもたらすことなく、高圧RPCにおいて使用されることができる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本明細書を通して使用されるように、明らかな別段の指示がない限り、次の用語は次の意味を有する。
【0015】
用語「アルキル(メタ)アクリレート」は、相当するアクリレート又はメタクリレートエステルのいずれかを意味する;同様に、用語「メタクリル」は、アクリル酸又はメタクリル酸及びエステル又はアミド等の相当する誘導体を意味する。全てのパーセンテージは、特に断らない限り、関与するポリマー又は組成物の総重量を基準にして重量%で表される。用語「コポリマー」は、位置異性体を含む異なるモノマーの2以上の単位を含有するポリマー組成物を意味する。ここでは、次の略語が使用される:g=グラム;ppm=重量/容量による百万分率、cm=センチメートル、mm=ミリメートル、ml=ミリリッター、L=リッター。特に断らない限り、掲げられた範囲は、両端の値を含み及び組み合わせ可能であり、温度は摂氏度(℃)である。
【0016】
RPC固定相として有用なマクロポーラスポリマーは、既存の物資と比較して増加した構造剛性を有し、ポリマーを商業規模での製造プロセスにおける使用に適したものとしている。増加した構造剛性は、選ばれた重合条件を使用することによるポリマーマトリックスの構造の変更によって達成された。
【0017】
ポリマーマトリックスの多孔度を変更することは、本発明のマクロポーラスポリマーを調製するうえで重要である。大きな生体分子を分離するうえで有効であるためには、好ましくは固定相が、マトリックス中への、およびマトリックスからの迅速な分子の拡散を可能にする、開放された多孔性構造を有することである。更に高水準の多孔度が大きな表面積を許容し、これが標的分子用のマトリックスの高容量を提供する。最も新しい、市販の重合体RPC固定相は、これらの規準を中心に設計されているようであり、低圧条件のもとで(典型的には、1バールから10バール未満まで及び好ましくは1から5バールまで;1バール圧=10パスカル又は10Pa)使用される。本発明のマクロポーラスポリマーは増加したポリマー剛性を有し、同時に標的分子に関する高容量及び迅速な粒子内拡散を確保した。
【0018】
本発明のマクロポーラスポリマーは、内径が2から100、好ましくは5から80、より好ましくは10から50センチメートルの液体クロマトグラフィーカラムにおいて、マクロポーラスポリマーと水性溶液とを接触させて水性溶液に溶解させた生体分子混合物を精製するのに有用であり、ここでそのカラムは、10から100バール及び好ましくは20から80バールで操作される。典型的には、分取規模のRPCは、20から80バール圧において10から50cmクロマトグラフィーカラム内で遂行される。
【0019】
選択された重合条件は、本発明のマクロポーラスポリマーを調製するうえで重要な因子を表す。モノマー相に対する混合されたポローゲンの選ばれた比率並びに疎水性ポローゲンに対する親水性ポローゲンの比率は、本発明のマクロポーラスポリマーを提供すると信じられるキーパラメーターである。
【0020】
理論に拘束されることを望むものではないが、本発明の場合には、ポリマーマトリックス密度が変更され、全ポリマーの単位容積当たりより多くの固体ポリマーを許容し、それによりマトリックス剛性が増加し、結果的に標的分子についての容量の増加を伴うと考えられる。モノマーに対するポローゲン量、及び疎水性対親水性ポローゲン種のバランスの特定の選択は、同時に改善されたマトリックス剛性を提供しながら、標的分子(この場合、生体分子)の結合に好ましい仕様で孔径分布を与えるものと考えられる。
【0021】
本発明の架橋したマクロポーラスコポリマーは、2から600ミクロン(μm)の平均粒子直径を有する典型的な球状コポリマービーズである。高性能逆相液体クロマトグラフィー(たとえば、直径が2から100cmのカラムにおいて)による生体分子の分離精製に有用なポリマーは、典型的には2から150、好ましくは5から100、より好ましくは10から75、最も好ましくは10から30μmの平均粒子直径を有する。大規模吸着プロセス(直径が数メートルまでのカラム又は醗酵ブロス等)による生体分子の分離精製に有用なポリマーは、典型的には150より大から600まで、好ましくは200から500、より好ましくは250から400μmの平均粒子直径を有している。
【0022】
本発明のマクロポーラスポリマーは、典型的にはサスペンション重合により生成され、1グラム当たり200から1500、好ましくは300から1200、更に好ましくは400から1000平方メートル(m/g)の表面積を有する。マクロポーラスポリマーは、好ましくは米国特許第4、382、124号に記載されたもの、例えば、その多孔度がポローゲン(「相エキステンダー」又は「沈殿剤」として知られる)、即ちそのポリマーに対して非溶媒で、そのモノマーに対して溶媒であるもの、の存在下でサスペンション重合によりコポリマービーズ中に導入されているものである。慣用のマクロポーラスポリマーは米国特許第4、382、124号に従い調製されたもので、典型的には広範囲のポロ−ゲン種、モノマー相に対するポローゲン濃度、モノマー種類、架橋モノマー種、架橋剤濃度、重合開始剤及び開始剤濃度の使用が包含される。しかしながら、本発明は、ある種の選ばれた種類のポローゲンを使用し、モノマー相に対して特定の濃度で使用し、特定のモノマー及び選択された架橋度、選択された重合開始剤濃度で調製されたマクロポーラスポリマーが、高性能逆相液体クロマトグラフィーによる生体分子の分離精製において改善された性能を示す剛性ポリマー構造を意外にも有するという発見に基づいている。
【0023】
本発明に有用なマクロポーラスポリマーの調製に用いられることができる好ましいポリビニル芳香族モノマーには、例えば、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン、ジビニルトルエン、ジビニルナフタレン、ジビニルアントラセン及びジビニルキシレンから選択される1以上のモノマーが含まれる:上記架橋剤のそれぞれの様々な位置異性体のいかなるものも好適であり;好ましくは、ポリビニル芳香族モノマーはジビニルベンゼンである。典型的には、マクロポーラスポリマーは50から100%、好ましくは65から100%、より好ましくは75から100%のポリビニル芳香族モノマー単位を含む。
【0024】
任意に、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、グリシジルメタクリレート、ジエチレングリコールジビニルエーテル及びトリビニルシクロヘキサン等の脂肪族架橋性モノマーは、また、ポリビニル芳香族架橋剤に加えて用いられることができる。使用されるとき、脂肪族架橋性モノマーは、典型的にはマクロポーラスポリマーの重合単位として、マクロポーラスコポリマーを形成するのに使用される全モノマー重量を基準にして0から20%、好ましくは0から10%、さらに好ましくは0から5%である。
【0025】
本発明に有用なマクロポーラスコポリマーの調製に使用され得る好適なモノ不飽和ビニル芳香族モノマーには、例えば、スチレン、α‐メチルスチレン、(C〜C)アルキル置換スチレン、ハロ置換スチレン(ジブロモスチレン及びトリブロモスチレン)、ビニルナフタレン及びビニルアントラセンが含まれ;好ましくは、モノ不飽和ビニル芳香族モノマーは、1以上のスチレン及び(C〜C)アルキル置換スチレンから選択される。好適な(C〜C)アルキル置換スチレンの中には、例えば、エチルビニルベンゼン、ビニルトルエン、ジエチルスチレン、エチルメチルスチレン及びジメチルスチレンが含まれ;上記ビニル芳香族モノマー中でそれぞれの種々のいかなる位置異性体も好適であると理解される;好ましくはモノ不飽和ビニル芳香族モノマーはエチルビニルベンゼンである。典型的には、マクロポーラスポリマーは、0から50%、好ましくは0から35%及びより好ましくは0から25%のモノ不飽和ビニル芳香族モノマー単位を含む。
【0026】
任意に、脂肪族不飽和モノマーのような非芳香族ビニルモノマー、例えば、塩化ビニル、アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸及び(メタ)アクリル酸のアルキルエステル(アルキル(メタ)アクリレート)等は、また、ビニル芳香族モノマーに加えて使用されることができる。使用に際して、マクロポーラスコポリマーを形成するのに使用される全モノマー重量を基準にして非芳香族ビニルモノマーは、典型的には、マクロポーラスコポリマーの重合単位として、0から20%、好ましくは0から10%、より好ましくは0から5%である。
【0027】
好ましいマクロポーラスポリマーは、1以上のジビニルベンゼンコポリマー、スチレン‐ジビニルベンゼンコポリマー、ジビニルベンゼン‐エチルビニルベンゼンコポリマー及びスチレン‐エチルビニルベンゼン‐ジビニルベンゼンコポリマーから選択され;より好ましくは、ジビニルベンゼン‐エチルビニルベンゼン及びスチレン‐エチルビニルベンゼン‐ジビニルベンゼンポリマーである。
【0028】
本発明のマクロポーラスポリマーを調製するために有用なポローゲンには、(C〜C10)芳香族炭化水素及び(C〜C12)飽和炭化水素等の疎水性ポローゲン;(C〜C10)アルカノール及びポリアルキレングリコール等の親水性ポローゲンが含まれる。好適な(C〜C10)芳香族炭化水素には、例えば、1以上のトルエン、エチルベンゼン、オルトキシレン、メタキシレン及びパラキシレンが含まれ;上記それぞれの炭化水素について種々の如何なる位置異性体も好ましいと理解される。好ましくは、その芳香族炭化水素は、トルエン又はキシレン又はキシレンの混合物又はトルエン及びキシレンの混合物である。好適な(C〜C12)飽和炭化水素には、例えば、1以上のヘキサン、ヘプタン及びイソオクタンが含まれ;好ましくは、飽和炭化水素は、イソオクタンである。好ましい(C〜C10)アルカノールには、例えば、1以上のイソブチルアルコール、tert‐アミルアルコール、n‐アミルアルコール、イソアミルアルコール、メチルイソブチルカルビノール(4‐メチル‐2‐ペンタノール)、ヘキサノール及びオクタノールが含まれ;好ましくはそのアルカノールは、メチルイソブチルカルビノール及びオクタノール等の1以上の(C〜C)アルカノールから選択される。好ましくは、ポローゲン混合物は、1以上の(C〜C)アルカノールから選択される親水性ポローゲン及び1以上の(C〜C10)芳香族炭化水素から選択される疎水性ポローゲンである。
【0029】
典型的には、本発明のポリマーの調製に使用されるポローゲンの総量は、モノマーの重量を基準にして100から170%、好ましくは110から160%、より好ましくは115〜150%、最も好ましくは120から140%である。170%より上のポロ−ゲン濃度において、ポリマーは充填されたカラム中で高圧条件において不良な流れ抵抗値(高圧縮性)を有し;100%より低いポロ−ゲン濃度において、ポリマーは、(カラム貫通試験でのインシュリン容量によって測定されるような)不良なクロマトグラフィー特性を有する。加えて、本発明のポリマーを調製するのに使用されるポローゲンは、疎水性溶媒(「疎水性ポローゲン」)及びより疎水性でない溶媒(「親水性」ポローゲン)を含む混合溶媒系に基づいている。親水性ポローゲンは、多少制限された水溶解度(例えば、0.5から5%)を有しており、疎水性ポローゲン(10から100ppm、またはそれ以下の典型的水溶解度)より多く水溶性である。
【0030】
典型的には、親水性ポローゲン対疎水性ポローゲンの比は1.2/1より大で3/1までであり、好ましくは1.3/1から2.7/1、より好ましくは1.4/1から2.5/1,最も好ましくは1.6/1から2.4/1である。約1.2/1以下の親水性/疎水性比において、許容可能な流れ抵抗性能を有するポリマーは、また、減少したクロマトグラフィー性能(インシュリン容量試験における物質移動アクセスの制限によって測定された)を有する。3/1を超える親水性/疎水性ポローゲン比においては、ポリマーは、減少した全体容量性能(カラムフローテスト過程での吸着されるインシュリンの量の減少により測定)を有するであろう。典型的には、混合ポローゲンは、(C〜C10)芳香族炭化水素及び(C〜C10)アルカノールを含み、好ましい混合ポローゲンは、キシレン及びメチルイソブチルカルビノールを含む。
【0031】
本発明のポリマーを調製するのに有用な重合開始剤には、ペルオキシド、ヒドロペルオキシド、及び関連開始剤等のモノマー可溶性開始剤が含まれ、;例えば、ベンゾイルペルオキシド、tert‐ブチルヒドロペルオキシド、キュメンペルオキシド、テトラリンペルオキシド、アセチルペルオキシド、カプロイルペルオキシド、tert‐ブチルペルオクトエート(tert‐ブチルペルオキシ‐2‐エチルヘキサノエートとしても知られる)、tert‐アミルペルオクトエート、tert‐ブチルペルベンゾエート、tert‐ブチルジペルフタレート、ジシクロヘキシルペルオキシジカーボネート、ジ(4‐tert‐ブチルシクロヘキシル)ペルオキシジカーボネート及びメチルエチルケトンペルオキシドがある。また、アゾジイソブチロニトリル、アゾジイソブチルアミド、2,2’‐アゾ‐ビス(2,4‐ジメチルバレロニトリル)、アゾ‐ビス(α‐メチル‐ブチロニトリル)及びジメチル、ジエチル、又はジブチルアゾ‐ビス(メチルバレレート)のようなアゾ開始剤も有用である。好ましいペルオキシド開始剤はベンゾイルペルオキシドのようなジアシルペルオキシド及びtert‐ブチルペルオクトエート及びtert‐ブチルペルベンゾエートのようなペルオキシエステルである;より好ましくは、開始剤はベンゾイルペルオキシドである。好適なペルオキシド開始剤の使用濃度は、ビニルモノマーの総重量を基準にして0.5%から10%、好ましくは1から9%、より好ましくは2から7%、最も好ましくは3から5%である。最も好ましくは、フリーラジカル開始剤はモノマーの総重量を基準にして2から7%で存在し、1以上のジアシルペルオキシド及びペルオキシエステルから選択される。
【0032】
本発明のマクロポーラスポリマーを調製するために有用な分散剤及び沈殿防止剤は、ヒドロキシアルキルセルロース骨格、1から24の炭素原子を含有する疎水性アルキル側鎖、及びヒドロキシアルキルセルロース骨格のそれぞれの繰り返し単位を置換する平均で1から8、好ましくは1から5のエチレンオキサイド基を有する非イオン性界面活性剤であって、該アルキル側鎖は、ヒドロキシアルキルセルロース骨格の100繰り返し単位当たり0.1から10のアルキル基の量で存在するものである。ヒドロキシアルキルセルロースにおけるアルキル基は、1から24の炭素を含むことができ、直鎖、分岐鎖又は環状であり得る。より好ましくは、100無水グルコース単位当たり0.1から10の(C16)アルキル側鎖、及びそれぞれの無水グルコース単位を置換する約2.5から4のエチレンオキサイド基を含有するヒドロキシエチルセルロースである。分散剤の典型的な使用濃度は、全水性相重量を基準にして約0.01から約4%である。
【0033】
本発明のマクロポーラスポリマーを作るのに有用な他の分散剤及び沈殿防止剤は、親水性骨格を含有するポリマーであり、それらは、2相の界面においてそれらの親油性部分をモノマー相に及びそれらの親水性部分を水性相に配向することができる。これらの重合体分散剤には、セルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール及び澱粉等が含まれる。分散剤の混合物もまた用いることができる。これらの他の分散剤は、それらが幾分より大量の凝集した物質又はそうでなければ望ましくない物質を生成する傾向にあるので、あまり好ましくはない傾向にある。
【0034】
典型的なマクロポーラスコポリマーの調製は、例えば、懸濁助剤(分散剤、保護コロイド及びバッファー等)を含有する連続水性相溶液の調製の後で、50から100%のポリビニル芳香族モノマー、フリーラジカル開始剤及びモノマー混合物1部当たり1から1.7部の混合ポローゲン(疎水性及び親水性ポローゲン)を含有するモノマー混合物を混合させることを含むことができる。それから、モノマー/混合ポローゲン配合物は、昇温下(典型的には40から120℃、好ましくは60から100℃;例えば、1から20時間、好ましくは3から15時間の間)で重合され、ポローゲンは、次に種々の手段で結果物であるポリマービーズから除去される;例えば、トルエン、キシレン、及び(C〜C10)アルコールは、蒸留又は溶剤洗浄によって除去され、ポリアルキレングリコールは、水洗により除去される。結果として生ずるマクロポーラスコポリマーは、それから脱水そして乾燥等の慣用の手段で分離される。
【0035】
マクロポーラスポリマーの調製は、ポリマー表面の、重合過程で使用される分散剤及び沈殿防止剤の残留物を浄化する酵素処理を、任意に含むことができる。酵素処理は、典型的には重合過程で、重合に引き続いて又はポリマーの分離後にマクローポーラスポリマーを酵素物質(1以上のセルロース分解酵素及び蛋白質加水分解酵素(proteolytic enzyme)から選択される)と接触させることを含む。日本特許出願昭61‐141704号及び昭57‐98504号が、ポリマー樹脂の調製過程での酵素使用の更なる一般的及び具体的詳細に関して参照されることができる。好適な酵素には、例として、セルロースをベースとした分散剤系用のβ‐1,4‐グルカン‐4‐グルカノヒドラーゼ、β‐1,4‐グルカン‐4‐グルカンヒドラーゼ、β‐1,4‐グルカン‐4‐グルコヒドラーゼ、β‐1,4‐グルカン‐4‐セロビオヒドラーゼ等のセルロース分解酵素;ゼラチンをベースとした分散剤系用ウロキナーゼ、エラスターゼ及びエンテロキナーゼ等の蛋白質加水分解酵素が挙げられる。典型的には、ポリマーに対して使用される酵素量は、ポリマーの全重量を基準にして2から35%、好ましくは5から25%、より好ましくは10から20%である。
【0036】
本発明のマクロポーラスポリマーは特に充填されたクロマトグラフィーカラム用途に有用であり、そこではポリマーの多孔度及び機械的強度は、長期間での使用で圧力の増大なしに、高い処理量で生体分子の高性能分離精製での使用を可能とする。
【0037】
任意に、マクローポーラスポリマーは、コーティングされることができ、または慣用のスルホン化、クロロメチル化及びアミン化等の公知の手段により、様々な慣用のイオン化官能基(カルボン酸基等の弱酸官能基;第一級、第二級又は第三級アミン官能基等の弱塩基官能基;スルホン酸基等の強酸官能基;塩化第四級アンモニウム基又は水酸化第四級アンモニウム基等の強塩基官能基)で後官能化されることができる。
【0038】
本発明のマクロポーラスポリマーは、向上された剛性ポリマー構造及び重合過程でポリマーに導入された選択された多孔度の結果である、改善された透過性(低流れ抵抗)を特徴としている。透過率(K)は、ダルシー法(Darcy’sLaw)(式1)によりカラムに発生した背圧と関連づけられる:
【0039】
【数1】

【0040】
ここで:μ=粘度(ミリパスカル・秒又はセンチポイズ)
V=線速度(cm/時)
ΔP=圧力降下(バール)
dp=ポリマーの平均粒子直径(ミクロン)
【0041】
上記の変数の単位は、それらの一般的な形式で表現されている;式1を無次元数にするためには単位の変換が必要であると理解される。ポリマーがより剛性(即ち、圧縮性の少ない)であればあるほど、ポリマーの透過性は大きくなり、任意の溶媒粘度、線速度及び粒子直径の組み合わせにおいて、より低い背圧を与える。カラムクロマトグラフィー分離精製への適用にとって典型的な層流条件下で、カラム内の背圧は、また、カルマン‐コーゼニー(Carman‐Kozeny)式(式2)で表わされることができる:
【0042】
【数2】

【0043】
ここで:ε=粒子間空隙容量(cm/cm
【0044】
G.グイオコン、S.ゴーシャンシラジ及びA.カッティの「分取及び非線形クロマトグラフィーの基本」;アカデミックプレス(1994)及びW.L.マックカーベ、J.C.スミス及びP.ハリオットの「ケミカルエンジニアリングにおけるユニット操作」;マクロウヒル(1985)のような文献が、ダルシー法及びカルマン‐コーゼニー式(式1及び2)についての更なる一般的及び具体的詳細のために参照される。
【0045】
式1と2を組み合わせることにより、クロマトグラフィーカラムにおける透過率(又は流れ抵抗)がポリマー樹脂床の粒子間空隙容積(即ち、ポリマー粒子間の容積)に関連することが示される;εは、ポリマー床の単位容積当たりの空隙容積として表される。この関係は、式3で表される。
【0046】
【数3】

【0047】
本発明の目的のために、我々はポリマーの特徴的な「流れ抵抗」値を透過率の逆数と定義する。特徴的な「流れ抵抗」値は、中〜高圧条件下でのメディアの下でいかに良好な特性を示すかの指標である:低い流れ抵抗値は、低い圧縮率を表し、高い流れ抵抗値は、不良な圧縮率を表す。
【0048】
追加的に、ダルシー法に従い、透過率又は流れ抵抗のいずれかを表すには、一般に粒子サイズ効果(式1のd)が含まれる。本発明の目的の一つは、粒子サイズ効果とは独立して、増加したポリマー剛性によって改善された流れ抵抗を提供することである。ポリマーに関して粒子サイズを減少しただけでは、式1及び2で与えられるように、より高い背圧を生じる。
【0049】
典型的には、本発明のマクロポーラスポリマーは、10バール(中間圧力)の操作圧力において700から1,800未満、好ましくは700から1,500未満、より好ましくは1,300未満の流れ抵抗値(即ち、1/K)を有する。高圧操作(60バールで代表されるような)において、マクロポーラスポリマーは、1,500から7,000未満、好ましくは1,500から5,000未満、より好ましくは4,500未満の流れ抵抗値を有する。RPCにおける使用に好適なマクロポーラスポリマーは、(i)10バール圧の圧力において1,800未満の流れ抵抗値及び(ii)60バール圧において7,000未満の流れ抵抗値を有する。上で示した限界より大きな流れ抵抗値を有するポリマーは、市販のRPCカラムに見出される中〜高圧における圧縮に対する十分な抵抗を提供せず、結果として操作過程での処理量の減少とカラム圧の増大を生ずる。
【0050】
本発明のマクロポーラスポリマーは、ポリマーを製造するのに使用されるポローゲンの種類及び比率によって生成される、選ばれた多孔度及び粒子直径分布によって特徴付けられる。多孔度は、ミクロメレティックス(Micromeretics)(商標)ASAP‐2400窒素ポロシメーターを使用して測定される。IUPAC命名法に従う多孔度は次の通りである。
ミクロポロシティー=20オングストローム単位未満の細孔
メソポロシティー=20から500オングストローム単位の間の細孔
マクロポロシティー=500オングストローム単位より大の細孔
【0051】
本発明の目的のために、「オペレイショナルな」ミクロポロシティーは、50オングストローム単位未満の直径を有する細孔と定義され、「オペレイショナルな」メソポロシティーは、50から500オングストローム単位の間の直径を有する細孔と定義される。ここで使用される「オペレイショナルな」多孔度とIUPAC命名法に従い定義される多孔度との間の僅かな相違は、50オングストローム単位が本発明のマクロポーラスポリマーにおいて目的の生体分子の収着に適応させるため(20オングストローム単位と比較して)、より好適で、より適切なカットオフ点であるという事実によるものである。
【0052】
本発明のマクロポーラスポリマーは、0.7から2の、好ましくは0.9から1.8、より好ましくは1.0から1.7cm/gの全多孔度を有する。典型的には、マクロポーラスポリマーは、0.7から1.9、好ましくは0.8から1.7、より好ましくは0.9から1.4cm/gのオペレイショナルなメソポロシティーを有する。典型的には、マクロポーラスポリマーは、0から0.5、好ましくは0から0.3、より好ましくは0から0.2、最も好ましくは0から0.1cm/g未満のオペレイショナルなミクロポロシティーを有する。典型的には、マクロポーラスポリマーは、0から0.6、好ましくは0から0.5、より好ましくは0から0.3cm/gのマクロポロシティーを有する。約0.6cm/gより大きいマクロポロシティー値は、全容量の点に関して、標的とする分子サイズ及び形状の生体分子用ポリマーの作業容量を減じる。
【0053】
インシュリン容量は、同じようなサイズ及び分子形態の生体分子の大規模分離精製用に好適なメディアとしての、ポリマーマトリックスの能力の指標として使用される。本発明のマクロポーラスポリマーは、典型的には60から150g/L、好ましくは70から150g/L、より好ましくは75から150g/Lの動的インシュリン容量を有する。典型的には、マクロポーラスポリマーは、75から150g/L、好ましくは80から150g/L、より好ましくは90から150g/Lの総インシュリン容量を有する。動的容量は、如何に早くポリマーマトリックスが生体分子を捕らえるかの尺度であり、ポリマーに吸着(sorb)した全インシュリンに対して1%の漏れが生じるブレークスルーポイントにおいてのインシュリン容量であると定義される。インシュリン容量はg/L、すなわちポリマー樹脂1リットル当たりのインシュリンのグラムで定義される。生体分子の高性能、大規模分取クロマトグラフィーにおける使用に好適な本発明のマクロポーラスポリマーは、典型的には、動的及び合計インシュリン容量の値として、それぞれ60および75g/L、好ましくはそれぞれが70および80g/L、より好ましくはそれぞれが75およびから90g/Lの値を有する。
【0054】
所定の生体分子(例えば、インシュリン)用のポリマー樹脂の全容量は、それが精製操作過程でカラムにロードされることができる特定の分子の量に関連するので重要である。精製プロセス(カラム処理量、溶媒使用、労力又はサイクル時間)にとって重要な基本的な経済要因は、直接にカラムにロードされる質量に関係している。
【0055】
ポリマー樹脂の動的容量は、それが特定分子に対するポリマーの物質移動効率に関係しているが故に重要であり、それは精製を行うことのできる時間を記述する。低い動的容量は、そのポリマーが高速精製プロセスには適してないことを示している。
【0056】
本発明の幾つかの態様は、次の実施例に詳細に述べられている。全ての比率,部及びパーセンテージは、特に断らない限り重量で表されており、使用される全ての試薬は、特に断らない限り市販の良質のものである。実施例及び表に使用される略語は相当する記述と共に下記に挙げられている。
【0057】
MIBC=メチルイソブチルカルビノール(4‐メチル‐2‐ペンタノール)
DVB=ジビニルベンゼン(メタ/パラ異性体の混合物)
EVB=エチルビニルベンゼン(メタ/パラ異性体の混合物)
BPO=ベンゾイルペルオキシド
rpm=分当たりの回転数
v/v=容積/容積
w/v=重量/容積
μ=ミクロン
nm=ナノメートル
g/L=グラム/リッター
cm/g=立法センチメートル/グラム
μl=マイクロリッター
NA=分析せず
【0058】
実施例1
本実施例は、本発明のマクロポーラスポリマーの調製を例示している。有機モノマー相は、次の成分を配合することにより1リッタービーカー中で調製された:180gのジビニルベンゼン混合物(80%DVB/20%EVB)、73gオルトキシレン、147gMIBC及び10.6gBPO(75%純度、25%水分)。これらの量は、122%混合ポローゲン(全モノマー基準)、2.0の親水性ポローゲン/疎水性ポローゲン比率及び4.5%のフリーラジカル開始剤、BPO(全モノマー基準)に相当する。この混合物は、窒素雰囲気下で20分撹拌された。
【0059】
コンデンサー、機械撹拌機、熱電対及び窒素取り入れ口を備えた2リッターの四つ口反応フラスコにおいて、次のものを一緒に撹拌して水溶液が調製された:783gの脱イオン水、5.0gのカルミナール(Culminal、商標)MHEC‐8000(メチルヒドロキシエチルセルロース、ハーキュレスケミカルカンパニーより入手可能、20℃で2%水溶液について8,000ミリパスカル・秒(mPa・s=センチポイズ、cP)の粘度)、0.158gのラウリル硫酸ナトリウム、2.94gの50%水酸化ナトリウム(水溶液)及び3.13gのホウ酸。溶液は、250rpmで撹拌しながら温度を80℃まで迅速に増加させ、そこで1時間持続させた。溶液は、それから反応容器を空冷して周囲温度まで30分間で冷却された。固体反応物を完全に溶解させた後、撹拌を止め、有機層(上で作成)が反応フラスコに加えられた。
【0060】
反応混合物(有機及び水性相が配合されたもの)は、室温において20分、300rpmで撹拌され、それから47分に亘り80℃に加熱された。反応混合物は、反応物を重合するため80℃で12時間保持された。反応混合物は、それから撹拌機が装備された圧力容器に移され、100℃で5時間残存反応物を変換して重合を終了するため加熱された。
【0061】
重合反応が終了した後で、反応混合物の温度は、撹拌しながら50℃に調整された。水性/ポリマー混合物の水性相のpHは、約3gのホウ酸を加え、引き続き最終pHに至るまで10%硫酸(水溶液)をゆっくりと加えることにより5.0に調整された。全部で25.0gのβ‐1,4‐グルカン‐4‐グルカンヒドラーゼ(セルラーゼ(Cellulase)(商標)4000、バーレーリサーチ、Inc.より入手可能)が、酵素粉末を反応容器に4回に分けた等重量の充填で、24時間に亘り散布しながら水性/ポリマー混合物に添加された。温度は、酵素処理の間50℃に維持された。水性/ポリマー混合物の水性相のpHは、50%水酸化ナトリウム(水溶液)で12.0に調整され、温度は90℃に上昇させ、そこで2時間維持された。水性/ポリマー混合物は、室温に冷却され、フラスコから除去され、1リッターのクロマトグラフィーカラムに置かれた。水性相は、ポリマーからろ過され、それからポリマー充填床は2リッターの脱イオン水で洗浄され、引き続き3.5リッターのアセトンで洗浄され、最終的に7リッターの脱イオン水で洗浄された。水湿潤ポリマーは、それから100℃の温度で2.5mm(0.1インチ)水銀真空下で16時間の間乾燥された。
【0062】
ポリマー1‐4乃至1‐11は、ポローゲン%、MIBC/キシレン比及びBPO%が表1で要約されているように変更された以外は上で提供された記述に従い調製され;ポリマー試料1‐6は、上で提供された記述通りである。サフィックス「C」を伴い表1において示される全てのポリマーは、本発明の目的にための比較例である。ポリマー試料1‐5乃至1‐9は、本発明のマクロポーラスポリマーの代表例である。ポリマー試料1‐12C、1‐13C及び1‐14Cは、上記に従い調製されるポリマー試料と共に評価される商業的に入手可能なクロマトグラフ等級のポリビニル芳香族ポリマーである。
【0063】
市販のポリマー1‐12Cは、アメルシャムファルマシアカンパニー、英国、リトルシャルフォント、ウプサラからソアース(Source、商標)30RPC樹脂として得られる30μmの粒子サイズのポリ(スチレン‐ジビニルベンゼン)物質である。市販のポリマー1‐13Cは、アメルシャムファルマシアカンパニー、英国、リトルシャルフォント、ウプサラからソアース(Source、商標)15RPCとして得られる15μmの粒子サイズのポリ(スチレン‐ジビニルベンゼン)物質である。市販のポリマー1‐14Cは、ポリマーラブLtd.,英国、シロップシャイアーからPLRP‐S300として得られる15μmの粒子サイズのポリ(スチレン‐ジビニルベンゼン)物質である。
【0064】
実施例2
この実施例は、インシュリン結合容量についての本発明のマクロポーラスポリマーの評価を記載している。約5ml容積の試料は、小規模の試験カラム(内径1.0cm×長さ6.3cm)に充填され、水溶液からウシインシュリンの前端吸着(front adsorption)を評価した;この試験は、ポリマーマトリックスが、典型的な使用条件下で標的プローブ分子(例えば、インシュリン)についての迅速な、効率的な物質移動及び高容量を可能にするか否かを測定するために設計された。加えて、約20mlの試料は、大規模試験カラム(内径1.0cm×長さ25cm)に充填され、インシュリンの分別/分離が遂行された;この試験は、ポリマーマトリックスが典型的なプロセス条件下で満足な性能を提供したことを確認するために行われた。
【0065】
5グラムの乾燥ポリマー樹脂(断らない限り実施例1に従い調製された)は、35mlの20%エタノール/水(v/v)と共に混合され、少なくとも2時間周囲温度で静置された。ポリマースラリーは、それから150cm/時の線速度で20%v/vエタノール/水溶液中においてフロー充填によりオムニフィット(Omnifit、商標)ガラスカラム(ミリポアCorp.から入手可能の大きさ:長さ6.3cm×内径10mm)中に充填された。カラム充填物の品質は、40cm/時の線速度で20%v/vエタノール/水溶離剤を流しながら、カラム中に脱イオン水の塩化ナトリウム1%溶液の50μLのパルスで注入することにより確認された。カラムの効率(プレート/メートル)及び不均一はヒュウレットパッカードケムステーション(商標)ソフトウェアーを使用して計算された。許容可能なカラム充填物パラメーター用の目標値は、0.8から1.8の不均一を有し、最小で5,000プレート/メートルであった。
【0066】
水1リッター当たり5グラムの濃度のウシインシュリン溶液(シグマケミカルCoから入手可能)が調製された。全部で200mlのこの溶液を150cm/時の線速度でポンプによりカラムに送り、291nmの波長で設定されたUV分光光度検出器(ABIアナリティカル社、クラトス部門より入手可能なスペクトロフロー(商標)783)が流出液におけるウシインシュリンをモニターするために使用された。
【0067】
ポリマー樹脂の動的容量(g/L)は、UV‐レスポンス曲線中の、ポリマー樹脂に収着される合計インシュリン量に対して1%のインシュリンブレークスルーポイントにおいてポリマー樹脂に収着されるインシュリン量を記録することにより得られる。樹脂の全容量(g/L)は、UV分光光度計により流入溶液及び流出溶液のインシュリン濃度を測定し、それから質量バランスを計算することにより決定される。結果は、実施例3での記載中に要約されている。
【0068】
実施例3
本実施例は、本発明のマクロポーラスポリマーについてそれらの透過率特性、即ち、圧縮抵抗性の評価法を記載している。ポリマーは、それらの「流れ抵抗」又は1/K値(式3を参照)によって特徴付けられる。
【0069】
工業用高圧液体クロマトグラフィーにおいては、直接樹脂に力(圧力)を及ぼすピストンを装備しているカラムを使用することが一般的である。クロマトグラフィーサイクルを通して最大予想流れ圧力に等しいか又はより大きい圧力でピストンを床に圧縮させておくことが望ましい。本発明のポリマーの透過率特性を試験するために、ポリマー樹脂は、プロクロム(ProChrom、商標)ダイナミックアクシャルコンプレッションカラム(モデルLC.50)に充填され、最初に10バール圧、それから60バールの圧縮圧に設定されたピストンで圧縮された。この試験の目的は、それぞれのサンプルの透過率特性(圧縮抵抗)をキャラクタリゼーションすることであった。以下詳述する。
【0070】
およそ100gの乾燥ポリマー樹脂(およそ500mlの湿潤樹脂に相当)は、700mlの20%エタノール/水溶液(v/v)に加えられ、少なくとも2時間周囲温度で静置された。このポリマー試料は、撹拌されてスラリー状にされ、5cm(内径)×54cm(長さ)プロクロムダイナミックアクシャルコンプレッションL.C.50316Lステンレス鋼カラム(プロクロムS.A.,フランス製)に流入された。ピストンアセンブリー(作動油圧に変換された外部空気圧によって運転される)が作動され、変動圧をポリマー樹脂床に適用する。ピストンは、約10バールの液圧を与えるよう最初に設定される;樹脂床はピストンがもはや動かなくなったとき充填されたと考えられる。床の高さは、それから測定された。20%エタノール/水(v/v)溶液10mlの流れが床を平衡化するために30分間樹脂床を通過させられた。
【0071】
一般に、ポリビニル芳香族ポリマー床の粒子間空隙容積(又は透過率)を測定するため、移動相は、プローブ分子の適合性に関しては、ポリビニル芳香族ポリマーの疎水性表面とプローブ分子との相互作用を除去し又は減少させるよう選択されなければならない。線状ポリスチレン、ブルーデキストラン及びポリエチレングリコール等の慣用のプローブ分子が使用されてもよいが、非極性移動相(テトラヒドロフラン及びトルエン等)の使用が必要とされる。下記に記載される方法で使用されるプローブ分子は、しかしながら非極性溶媒の使用を必要とせず、任意の水性‐有機溶媒系、例えば、20%エタノールにおいて使用されることができる。
【0072】
カラム中の全空隙容積(粒子内及び粒子間双方)を測定するために、1%塩化ナトリウム(20%水性エタノール中のw/v)2mlが系中に注入された。塩は伝導率検知器によって検出された。粒子間空隙容積だけを測定するためには0.1〜0.9μmのイオン荷電エマルションポリマー(ionically charged emulsion polymer)又は微粉砕されたイオン荷電ポリマー(例えば、弱酸官能基(カルボキシレート基)、強酸官能基(スルホネート)、又は塩化第四級アンモニウム基等のイオン化可能な官能基を有する架橋ポリスチレン)を1%含有する20%エタノール溶液(水性)が、床を通して流れる20%エタノール(水性)の流れに注入された。粒子は、280nmに設定されたUV検知器により検出された。イオン荷電ポリマープローブ粒子の大きさのため、粒子は、本発明のポリマー樹脂の細孔を貫通しなかった。イオン荷電ポリマープローブ粒子の表面性質のため(これらの粒子は芳香族構造及び表面全体にわたって分布する高濃度のイオノゲン基(ionogenic group)を有していた)、本発明ポリマー樹脂に対する疎水性引力/保持力(hydrophobic attention/retention)が防止された。
【0073】
ポリマー床の全空隙容積(塩プローブ溶離容積)が決定され、ポリマー粒子の外部の空隙容積と合計された(イオン荷電エマルション又は粉砕ポリマー溶離容積)。これらの値は、測定された床容積と一緒に式2及び3におけるεを計算するのに使用された。10バールにおいて試験の後に、同一の評価が60バールにおいて遂行された。
【0074】
表1は、本発明(ポリマー1‐5乃至1‐9)及び種々の比較ポリマー(サフィックスCを有するポリマー)のマクロポーラスポリマーの流れ抵抗及びインシュリン容量特質を要約する。表中のポリマーの詳細な記載及びそれらの相当する同定に関し、実施例1の記載が参照される。表1の記載には、ポリマーを調製するためにポローゲンパーセント(全モノマー基準)、親水性ポローゲン/疎水性ポローゲン比率(MIBC/キシレン)及び使用されるフリーラジカル開始剤%(全モノマー基準);中間圧及び高圧においてg/Lでのインシュリン容量及び流れ抵抗値;与えられたポリマー試料のインシュリン容量及び流れ抵抗について個々の値の後の括弧内の記載は、表1で示されるインシュリン容量及び流れ抵抗値を生じさせるために試験され、共に平均化された同一プロセス(同一ポローゲンパーセント、親水性ポローゲン/疎水性ポローゲン比率及びBPO%)に従い調製された異なるポリマーの数を示している。表2は選ばれた試料の追加のポリマー特性(表面積、多孔度)を提供する。
【0075】
比較ポリマー1‐1Cは、高すぎるポローゲン濃度が高圧における不満足な圧縮率を示し、一方で1‐10C及び1‐11Cのポリマーは低すぎるポローゲン濃度が、満足した圧縮率(低流れ抵抗)を提供するが、著しく低いインシュリン容量を提供することを示している。比較ポリマー1‐1C、1‐2C及び1‐3Cはポローゲンパーセント濃度を低減することは流れ抵抗特性を改善する傾向があることを示す;しかしながら、流れ抵抗性能は、高圧操作については不満足であり、加えて、低ポロ−ゲン濃度及び低MIBC/キシレン比(比較ポリマー1‐4C)の組み合わせについては動的インシュリン容量が不満足となることを示している。
【0076】
ポリマー1‐5乃至1‐9は、本発明のポリマーを調製するのに使用されるポローゲンパーセント及び親水性ポローゲン/疎水性ポローゲン比パラメーターを均衡させることにより提供される、高いインシュリン容量及び(高圧における)低い流れ抵抗の予期しない組み合わせの代表例である。
【0077】
市販のポリマー試料1‐12C及び1‐13Cは、双方とも受け入れられない圧縮率特性を示すが、ポリマー1‐12Cは、適当なインシュリン容量性能を提供する。市販のポリマー1‐14Cはぎりぎりの許容可能な圧縮性能を提供するが、インシュリン容積は、許容値よりかなり下である。
【0078】
【表1】

【0079】
【表2】

【0080】
実施例4
本実施例は、酵素処理をした場合及び酵素処理をしない場合における、本発明のマクロポーラスポリマーを調製することの効果を記載している。酵素処理は、ポリマーの表面汚染(例えば、イオン性又は荷電物質)から生じるビーズ間の望ましくない引力のために使用過程で時折おきる、ポリマーの凝集又は集塊を最小限にする。酵素処理を使用する利点は、結果として生じる球状ポリマー粒子が凝集せず、即ち、粒子がお互いに接着して集塊を形成しないことである。酵素処理はポリマービーズ表面から(重合過程で使用される)分散剤及び沈殿防止剤の痕跡を浄化及び除去し、その結果、カラム内で自由に流れ、均一に詰まるポリマービーズを提供し、延いては使用過程での最小の床容積及び低い圧力降下特性に通じるものであると信じられる。
【0081】
実施例1に記載されたのと同様に調製されたマクロポーラスポリマーの五つの異なる試料は次のように処理された:4部分(4A〜4D)がセルラーゼ(下記に記載)で処理され、1試料(4E)は、セルラーゼで処理されなかった;試料は、それらの沈降特性が評価された。それぞれのポリマー樹脂の試料は、(約25mlの湿潤分散容積に相当する3.5g乾燥物)25mlのメスシリンダー中で計量された。それぞれのシリンダーに20%エタノール(水性)の20mlが添加された。それからシリンダーは、ガラス棒で撹拌されスラリーを提供し、混合物は16時間又は一晩沈降させられた。試料は次いでガラス棒で完全に混合するまで再度撹拌された。試料を混合後、ガラス棒は除去され、20%エタノール(水性)で洗浄され、シリンダー内の合計容積を25.0mlに調整した。約0.5mlの20%エタノールが、それぞれの試料を洗浄し、調整するために使用された。試料は、それから4日間観察され、沈降した床容積(樹脂)が、時間の関数として記録された。結果は、表3に要約されている。
【0082】
ポリマー4Aの酵素処理(高温硬化の前):約250mlのスラリー化された樹脂(150mlの樹脂を含有する)が、コンデンサー、機械的撹拌機、熱電対及び窒素取り入れ口を装備した2リッターの、四つ口フラスコに添加された。100mlの脱イオン水がスラリーに加えられ、pHがホウ酸を使用して5.0に調整され、それから28gのセルラーゼ(商標)4000(ポリマーにつき19%)がスラリーに添加された。混合物は、37℃に加熱され、3時間撹拌された。反応混合物は、それから撹拌機が装備された圧力容器に移され、100℃で5時間加熱された。水性/ポリマー混合物は、室温まで冷却され、フラスコから除去され、1リッターのクロマトグラフィーカラムに置かれた。水性相は、ポリマーからろ過され、それからポリマー充填床は7リッターの脱イオン水で洗浄され、引き続き3.5リッターのアセトンで洗浄され、最終的に7リッターの脱イオン水で洗浄された。水湿潤ポリマーは、それから100℃の温度において2.5mm水銀真空下で16時間の間乾燥された。
【0083】
ポリマー4Bの酵素処理(高温硬化の後、溶媒洗浄の前):約250mlのスラリー化された樹脂(150mlの樹脂を含有する)が、撹拌機が装備された圧力容器に移され、100℃で5時間加熱された。水性/ポリマー混合物は、室温まで冷却され、コンデンサー、機械的撹拌機、熱電対及び窒素取り入れ口を装備した2リッターの、四つ口フラスコに移動された。100mlの脱イオン水がスラリーに加えられ、pHがホウ酸を使用して5.0に調整され、それから28gのセルラーゼ4000(ポリマーにつき19%)がスラリーに添加された。混合物は、37℃に加熱され、3時間撹拌された。反応混合物は、それからフラスコから除去され、1リッターのクロマトグラフィーカラム内に置かれた。水性相は、ポリマーからろ過され、それからポリマー充填床は7リッターの脱イオン水で洗浄され、引き続き3.5リッターのアセトンで洗浄され、最終的に7リッターの脱イオン水で洗浄された。水湿潤ポリマーは、それから100℃の温度おいて2.5mm水銀真空下で16時間の間乾燥された。
【0084】
ポリマー4Cの酵素処理(高温硬化の後、溶媒洗浄の後、溶媒再洗浄の前):約250mlのスラリー化された樹脂(150mlの樹脂を含有する)が、撹拌機が装備された圧力容器に移され、100℃で5時間加熱された。水性/ポリマー混合物は、室温まで冷却され、フラスコから除去され、1リッターのクロマトグラフィーカラム内に置かれた。水性相は、ポリマーからろ過され、それからポリマー充填床は7リッターの脱イオン水で洗浄され、引き続き3.5リッターのアセトンで洗浄され、最終的に7リッターの脱イオン水で洗浄された。その混合物は、コンデンサー、機械的撹拌機、熱電対及び窒素取り入れ口を装備した2リッターの、四つ口フラスコに移された。100mlの脱イオン水がスラリーに加えられ、pHがホウ酸を使用して5.0に調整され、それから28gのセルラーゼ4000(ポリマーにつき19%)がスラリーに添加された。その混合物は、37℃に加熱され、3時間撹拌された。反応混合物は、それからフラスコから除去され、1リッターのクロマトグラフィーカラム内に置かれた。水性相は、ポリマーからろ過され、それからポリマー充填床は7リッターの脱イオン水で洗浄され、引き続き3.5リッターのアセトンで洗浄され、最終的に7リッターの脱イオン水で洗浄された。水湿潤ポリマーは、それから100℃の温度において2.5mm水銀真空下で16時間の間乾燥された。
【0085】
ポリマー4Dの酵素処理(高温硬化の後、溶媒洗浄の後、ポリマーを乾燥後、溶媒再洗浄の後):約250mlのスラリー化された樹脂(150mlの樹脂を含有する)が、撹拌機が装備された圧力容器に移され、100℃で5時間加熱された。水性の/ポリマー混合物は、室温まで冷却され、フラスコから除去され、1リッターのクロマトグラフィーカラム内に置かれた。水性相は、ポリマーからろ過され、それからポリマー充填床は7リッターの脱イオン水で洗浄され、引き続き3.5リッターのアセトンで洗浄され、最終的に7リッターの脱イオン水で洗浄された。水湿潤ポリマーは、それから100℃の温度において2.5mm水銀真空下で16時間の間乾燥された。乾燥試料は、コンデンサー、機械的撹拌機、熱電対及び窒素取り入れ口を装備した2リッターの、四つ口フラスコに移された。100mlの脱イオン水がスラリーに加えられ、pHがホウ酸を使用して5.0に調整され、それから28gのセルラーゼ4000(ポリマーにつき19%)がスラリーに添加された。その混合物は、37℃に加熱され、3時間撹拌された。反応混合物は、それからフラスコから除去され、1リッターのクロマトグラフィーカラム内に置かれた。水性相は、ポリマーからろ過され、それからポリマー充填床は7リッターの脱イオン水で洗浄され、引き続き3.5リッターのアセトンで洗浄され、最終的に7リッターの脱イオン水で洗浄された。水湿潤ポリマーは、それから100℃の温度において2.5mm水銀真空下で16時間の間乾燥された。
【0086】
ポリマー4Eの処理(酵素無し):約250mlのスラリー化された樹脂(150mlの樹脂を含有する)が、撹拌機が装備された圧力容器に移され、100℃で5時間加熱された。水性/ポリマー混合物は、室温まで冷却され、フラスコから除去され、1リッターのクロマトグラフィーカラム内に置かれた。水性相は、ポリマーからろ過され、それからポリマー充填床は7リッターの脱イオン水で洗浄され、引き続き3.5リッターのアセトンで洗浄され、最終的に7リッターの脱イオン水で洗浄された。水湿潤ポリマーは、それから100℃の温度において2.5mm水銀真空下で16時間の間乾燥された。
【0087】
表3の結果は、本発明のマクロポーラスポリマーがポリマー粒子の集塊又は凝集を最小限にするため様々な方法で酵素処理されてもよいことを証明する。18時間の沈降後において、処理ポリマー(4A‐4D)の容積は小さく、当初の分散された容積の94%である未処理ポリマーと比較して、各サンプルは当初の分散された容積の60%を表していることから証明される。
【0088】
【表3】

【0089】
同様に、酵素処理及び酵素無処理ポリマー樹脂の試料が、調製され、カラム操作に使用された場合の圧力降下特性について評価された。それぞれの樹脂スラリーの約1200ml(約550mlのポリマー樹脂を含む)が6.2cmのアミコン(商標)バンテージカラム(Vantage column)内に配置された。545mlの樹脂床が形成され、レイニン(Rainin、商標)HPLXポンプを使用して50ml/分(178cm/時)でUSP(米国薬局方)等級の水、3床容積で洗浄され、引き続き65%アセトン/35%USP等級水の混合物で洗浄され、それから最終的に50ml/分において99.5%アセトンで洗浄された。圧力は、0から6.9×10Pa(1平方インチ当たり1000psi又はポンド)のレンジのアッシュクロフト(Ashcroft)(商標)圧力試験計器で測定された。セルラーゼ処理された試料は、未処理試料(1.4×10Pa又は200psi)に比較して、カラム断面で減少した圧力降下である(1.4×10Pa又は20psi)を有していた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)50から100重量%の1以上のポリビニル芳香族モノマー及び(b)0から50重量%の1以上のモノ不飽和ビニル芳香族モノマーの重合されたモノマー単位を含むマクロポーラスポリマーであって、
(i)1グラム当たり0.7から2立方センチメートルの全多孔度;
(ii)1グラム当たり0.7から1.9立方センチメートルのオペレイショナルなメソポロシティー;
(iii)2から600ミクロンの平均粒子直径;
(iv)1グラム当たり200から1500平方メートルの表面積;
(v)10バール圧において700から1,800未満の流れ抵抗値及び60バール圧において1,500から7,000未満の流れ抵抗値;及び
(vi)ポリマーについて75から150グラムインシュリン/リッターである総インシュリン容量及びポリマーについて60から150グラムインシュリン/リッターである動的インシュリン容量を有する、ポリマー。
【請求項2】
ポリビニル芳香族モノマーが、1以上のジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン、ジビニルトルエン、ジビニルナフタレン、ジビニルアントラセン及びジビニルキシレンから選択される請求項1に記載のポリマー。
【請求項3】
モノ不飽和ビニル芳香族モノマーが、1以上のスチレン及び(C〜C)アルキル置換スチレンから選択される請求項1に記載のポリマー。
【請求項4】
ポリマーが,
(a)1グラム当たり400から1000平方メートルの表面積;
(b)1グラム当たり0.9から1.4立方センチメートルのオペレイショナルなメソポロシティー;
(c)10から75ミクロンの平均粒子直径;
(d)10バール圧において700から1,500未満の流れ抵抗値及び60バール圧において1,500から5,000未満の流れ抵抗値;及び
(e)ポリマーについて90から150グラムインシュリン/リッターである総インシュリン容量及びポリマーについて75から150グラムインシュリン/リッターである動的インシュリン容量を有する請求項1に記載のポリマー。
【請求項5】
(a)75から100重量%の1以上のポリビニル芳香族モノマー及び(b)0から25重量%の1以上のモノ不飽和ビニル芳香族モノマーの重合されたモノマー単位を含む請求項1に記載のポリマー。
【請求項6】
ポリマーが、1以上のジビニルベンゼンコポリマー、スチレン‐ジビニルベンゼンコポリマー、ジビニルベンゼン‐エチルビニルベンゼンコポリマー及びスチレン‐エチルビニルベンゼン‐ジビニルベンゼンコポリマーから選択される請求項1に記載のポリマー。
【請求項7】
混合された生体分子の水性溶液を、2から100センチメートルの内径を有する液体クロマトグラフィーカラム中で請求項1のマクロポーラスポリマーと接触させる混合された生体分子水性溶液の精製方法であって、カラムが10から100バールの圧力で操作される、方法。

【公開番号】特開2012−247437(P2012−247437A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−196376(P2012−196376)
【出願日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【分割の表示】特願2001−244111(P2001−244111)の分割
【原出願日】平成13年8月10日(2001.8.10)
【出願人】(590002035)ローム アンド ハース カンパニー (524)
【氏名又は名称原語表記】ROHM AND HAAS COMPANY
【Fターム(参考)】