説明

重合体組成物、該重合体組成物の製造方法、該重合体組成物を基材とする物品及びこれらの物品の使用

本発明は、遠赤外領域の放射線の放射及び/又は吸収特性を有する添加剤を使用することを含む重合体組成物に関し、また、この組成物を使用して製造された物品に関するものでもある。また、本発明は、これらの添加剤を含有する糸及び重合体組成物の製造方法、及びこれらの糸を使用して製造された織物又はニットなどの織物物品、並びにそれらの使用に関するものでもある。特に、該組成物は、2μm〜20μmの波長範囲の赤外領域における放射線を吸収/放射する能力を有する有機添加剤又は無機充填剤と、重合体物質とを含み、ここで、該無機充填剤は酸化物、硫酸塩、炭酸塩、燐酸塩及び珪酸塩から選択される少なくとも1種のものであることができ、また、該無機充填剤は2μm未満の平均粒度を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遠赤外領域における放射線の放射及び/又は吸収特性を有する添加剤を使用することを含む重合体組成物に関し、また、この組成物を使用して製造された物品に関するものでもある。
【0002】
特に、本発明は、赤外領域内、2μm〜20μmの波長範囲の放射線の放射特性を有する添加剤を含む重合体組成物に関し、また、この組成物を使用して製造された物品に関するものでもある。また、本発明は、これらの添加剤を含有するポリアミド組成物及び糸の製造方法に関するものであり、さらに、織物物品のような物品、例えばこれらの糸を使用して製造された繊維又はニットに関し、またこれらの物品の使用に関するものでもある。
【背景技術】
【0003】
2μm〜20μmの波長を有する赤外領域における放射線と生物組織との相互作用は、20年間にわたって科学者の注目を集めてきた。公開された研究によれば、この範囲の赤外線放射は、血液の微小循環の増加、筋痙攣の減少、細胞代謝の増加などのような生物刺激をもたらす。提案された機構の一つによれば、生物組織の細胞は、放射による共鳴過程によって刺激を受け、血液循環の増加及びヒト骨格筋内における乳酸濃度の減少をもたらす(Niwa外1993:Niwa,Y.;Iizawa,O.;Ishimoto,K.;Jiang,X.;Kanoh,T.;「Electromagnetic Wave Emitting products and “Kikoh” Potentiate Human Leukocyte Functions」;International Journal of Biometeorology No.37,p.133−138,1993;Perez及びMartinez 1995;Perez,A.C.N.,Martinez,A.J.A.,「Fibra de Photon Plantino.」,Saint Jean de Compostelle,1993,p.7−71)。また、他の効果、例えば末梢血流の増加及び体温の上昇も文献に記載されている。
【0004】
ここ数年にわたり、上で考慮した範囲内の赤外線を放射する材料を織物用途に使用することを特許請求する特許が公開された。一般に、この用途は、熱吸収効果(米国特許第5053275号)及び抗菌効果(米国特許第6316102号)を目的とし、また、チタン金属粒子の使用(米国特許第7201945号)又は酸化物、カーバイド、硫酸塩及び珪酸塩無機充填剤の組成物の使用に関わる。これらの特許で言及された材料は、水溶液の手段によって適用され(チタン金属の場合)、或いは所定のタイプの重合体樹脂と混合され及びそれで処理され、そして織物表面上に被覆によって付着する(欧州特許第1792724号)。これらの表面適用は、特に樹脂被覆の状態では、良好な耐摩耗性及び耐洗濯性を与えないだけでなく、肌との接触時の心地よさも与えない。いくつかの特許は、この問題を、これらの材料を重合体基材に取り入れ、そして押出、延伸及びテクスチャリング法によりフィラメントを製造することによって解決しようとしている(米国特許第4999243号、米国特許第5880044号、WO2007/055432)。しかし、高レベルの酸化物及び硬度の高いカーバイドを使用することは、熱可塑性成分を用いて糸を製造するのには適していない。というのは、これらのものは、機械部品を即座に劣化させるからである。また、知見された解決策にも欠点がある:所定のカーバイドの着色及び処理の有効性に乏しい(フィラメントが頻繁に破断する)ことにより、糸の機械的性質が悪化する。
【0005】
欧州特許第1094136号で提案された選択肢は、白色伝導性粒子と、赤外線放射性白色酸化物と、熱可塑性樹脂との組成物を、低レベルの酸化物を有するフィラメントの製造のために使用することに関する。しかしながら、この組成物は、硬度の非常に高い酸化物(8.0Mohs)を有し、また、一般に繊維状粉の形態にある、通気性繊維として分類され得るチタン酸カリウムを使用すると、取り扱いが困難になり、しかも健康面及び衛生面で不利益となる。
【0006】
さらに、「セルライト」(ガイノイド型リポジストロフィー)を有する人については特に、皮膚を刺激する化粧品が常に求められている。実際に、「セルライト」は、通常、皮下に存在する脂肪細胞中における脂肪性物質と関連があるが、これは、皮下組織のゆがみをもたらすと共に、有名な「みかん肌」の原因となる。そのため、セルライトを減少させるための解決策が常に求められている。これは、個人の快適な暮らしと健康を促進させるためである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第5053275号明細書
【特許文献2】米国特許第6316102号明細書
【特許文献3】米国特許第7201945号明細書
【特許文献4】欧州特許第1792724号明細書
【特許文献5】米国特許第4999243号明細書
【特許文献6】米国特許第5880044号明細書
【特許文献7】国際公開第2007/055432号パンフレット
【特許文献8】欧州特許第1094136号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
この目的のために、本発明において、赤外領域での放射及び/又は吸収特性を有する添加剤が別の生物組織(これは皮膚である)とも相互作用することを見出した。事実、これらの添加剤は、セルライトを減少させ、さらには除去することを可能にするため、格別に有利である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、赤外線吸収性及び/又は赤外線放射性添加剤(2μm〜20μmの波長範囲で吸収及び/又は放射する)の特性及び使用量によって、無機充填剤及び糸を処理することの困難さに関する上記問題を解決し、快適さ、健康、微小循環の改善、微小循環、良好な熱均質性及び筋肉疲労の低減を付与する糸及び織物物品の製造を可能にする、重合体組成物の製造法に関する。
【0010】
本発明の主な目的は、紫外線放射及び/又は吸収特性を有する添加剤を重合体マトリックスに導入することによって、良好な熱均質性及び筋肉疲労の減少だけでなく良好な皮膚の弾性も付与するように血液微小循環刺激特性を有する、産業上の観点から容易に取り扱うことができる糸、繊維、フィラメント及び物品を得ることである。これらの物品は、特にセルライトを減少させることを可能にする。
【0011】
本発明は、重合体に導入される無機充填剤及び/又は有機添加剤を、良好な熱均質性及び良好な皮膚の弾性を付与することのできる赤外線放射特性と、個人に快適さ及び健康を付与するように筋肉疲労減少のための生物刺激とを与えるために使用することに関し、また、これらの重合体組成物を使用して特に繊維、糸及び物品を得るための方法に関するものでもある。使用される重合体は、特にポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン(及びその共重合体)などの、溶融紡糸により紡糸されるものや、ポリアクリル重合体、ポリアクリレート及びその共重合体などの溶液により紡糸されるもの、並びに酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、ビスコースなどのようなセルロース誘導体である。添加剤は、当業者に知られている任意の方法に従って重合体に導入できる。好ましくは、この導入は、重合体合成段階で又は紡糸段階で、無機充填剤及び/又は有機添加剤を溶融重合体中又は溶液中で直接混合させることによって、或いはマスターバッチによって実施されるが、ここで、2つの導入方法の組合せを使用することが好適であると考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は皮膚の弾性を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明に従う組成物は、2μm〜20μmの波長範囲で赤外線を放射及び/又は吸収する能力を有する有機添加剤又は無機充填剤の混合物と重合体とを含む。
【0014】
本発明に従う組成物は、次の10の周波数範囲内で10個を超える多数の赤外線吸収ピークを示す:3.00±0.30μm、6.20±0.50μm、8.00±0.25μm、8.50±0.25μm、9.00±0.25μm、9.50±0.25μm、10.00±0.25μm、10.50±0.25μm、11.00±0.25μm、14.60±2.10μm。ここで、これら10の周波数範囲のうち少なくとも7範囲において、少なくとも1個のピークが存在する。
【0015】
該組成物の赤外線吸収スペクトルは、当業者に知られている任意の方法で決定できる。可能な方法の一つは、4cm-1の解像度を有するBruker Equinox55装置を使用することである。この場合には、得られたスペクトルは、ZnSe結晶を使用したATR(減衰全反射)の形態にある。
【0016】
有利には、無機充填剤は、2μm未満の平均粒度を有する、酸化物、硫酸塩、炭酸塩、燐酸塩及び珪酸塩から選択される少なくとも1種のものである。
【0017】
本発明によれば、2μm〜20μmの波長範囲の赤外線を放射する添加剤を含む重合体組成物を提供する。該重合体は、ポリエステル、ポリオレフィン、セルロースエステルを主成分とする重合体、例えば酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、レーヨン、ビスコース及び同種の重合体、アクリル重合体及びアクリル共重合体、ポリアミド、ポリヘキサメチレンアジパミド(PA66)若しくはポリカプロアミド(PA6)又はその任意の割合の共重合体、或いは上で列挙した任意の重合体のブレンドよりなる群から選択できる。一実施形態によれば、該重合体組成物の熱可塑性マトリックスを構成する熱可塑性重合体は、ポリアミド6、ポリアミド66及びポリアミド6/ポリアミド66の任意の割合の共重合体から選択されるポリアミドを主成分とする。
【0018】
血液微小循環の改善、良好な熱均質性、良好な皮膚の弾性及び筋肉疲労の減少を付与する生物刺激特性を有する、例えば糸、繊維及びフィラメントの製造に使用できる添加剤であって、これらを含有する物品の使用者、特にセルライトを有する使用者の快適さ及び健康を良好にするものが開発された。これらの物品は、セルライトを減少させるのを可能にする。
【0019】
特に、本発明は、まず、上記効果を得るための、重合体組成物における添加剤混合物の使用であって、該混合物が、酸化物群(二酸化チタン、二酸化珪素、酸化マグネシウム)、硫酸塩群(硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸ストロンチウム)、炭酸塩群(炭酸カルシウム又は炭酸ナトリウム)、珪酸塩群(アクチノライト、トルマリン、セルペンチン、カオリン及び他のアルミノ珪酸塩)及び燐酸塩群(燐酸ジルコニウム、アパタイト及び他の見込まれる燐酸塩又はそれらの混合物)から選択される少なくとも1種の無機充填剤を含むことを特徴とするものに関する。
【0020】
有機添加剤は、オルガノアルコキシシラン、例えばジメチルジエトキシシラン又はメチルトリエトキシシランなどの、珪素を含有する有機化合物であることができる。有機添加剤は、例えば、アルキル金属エステル、アルキル金属キレート、アルキル金属アクリレート、金属エステルキレート、金属アルコレート、アルミニウムイソプロピレート、アルミニウムs−ブチレート又はジルコニウムテトラアセチルアセトネート、好ましくはアルミニウムイソプロピレート、アルミニウムs−ブチレート又はジルコニウムテトラアセチルアセトネートなどの有機金属化合物であることもできる。
【0021】
2μm〜20μmの波長範囲の赤外線吸収剤及び/又は赤外線放射剤と併用される無機充填剤は、2μm未満、好ましくは1μm未満、有利には0.5μm未満のサイズを有する粒子の形態である。これらの粒子は、有利には、導入される成分に対してこれらを挿入するように、或いは重合体基材との相溶性を良好にするように、上記範囲内での赤外線の吸収及び/又は放射特性を妨げることなく被覆できる。
【0022】
2種の無機充填剤又は3種の無機充填剤の混合物が好ましく、特に3成分混合物は、二酸化チタン、硫酸バリウム、二酸化珪素及び珪酸塩群の充填剤を含むものから選択できる。
【0023】
特に、該混合物は、任意の割合の混合物として3種の無機充填剤、例えば二酸化チタン/二酸化珪素/トルマリン;二酸化チタン/二酸化珪素/硫酸バリウム;及び二酸化チタン/硫酸バリウム/トルマリンよりなる群から選択されるものを含む。好ましくは、二酸化チタン/硫酸バリウム/トルマリンが使用される。
【0024】
本発明によれば、上記無機充填剤の混合物は、重合体組成物において、2μm〜20μmの範囲の赤外線を放射する添加剤として、糸、繊維、フィラメント及び織物物品の製造のために使用される。
【0025】
本発明の特定の実施形態の一つによれば、該添加剤は、該重合体組成物の総質量に対して9.0%未満の添加剤、好ましくは6.0%未満、有利には4.5重量%未満の量で存在する。同様に、本発明の別の特定の実施形態によれば、重合体組成物の総重量に対する無機充填剤混合物の重量割合は、1.0%を超え、好ましくは1.5%以上、さらに好ましくは2.5%以上である。
【0026】
また、重合体組成物は、抗菌剤又は静菌剤、防炎剤、紫外線に対する安定剤及び当業者に知られている他の薬剤を含有することもできる。
【0027】
本発明によれば、上記のような任意の割合の添加剤混合物を使用することが可能である。例えば、限定されないが、3成分混合物の無機充填剤は、本発明の使用において、有利には80:10:10〜10:30:60の範囲の割合、特に50:25:25の割合で実現されるであろう。
【0028】
本発明の別の主題は、上で定義した遠赤外線吸収性又は放射性無機充填剤の混合物を用いて重合体組成物を製造するための方法である。充填剤又は添加剤は、当業者に知られている任意の方法に従って重合体組成物に導入できる。好ましくは、該導入は、重合体合成段階の間に実施し、又はフィラメント紡糸段階の間に重合体との直接混合によって実施し、又はマスターバッチの状態で粒子を濃縮させることによって実施し、その後紡糸段階の間に該重合体物質で所定の濃度にまで希釈する。
【0029】
無機充填剤又は有機添加剤は、上記導入方法の1つ以上に従って別々に添加できる。
【0030】
マスターバッチは、その総質量に対して、有利には10重量%〜65重量%、好ましくは15%〜35%、さらに好ましくは15%〜25%の無機充填剤の量で調製される。
【0031】
また、本発明は、本発明の無機充填剤又は有機添加剤の混合物を使用した組成物を用いて得られた物品、特に糸、繊維及びフィラメントに関するものでもある。
【0032】
溶融紡糸によって得られる糸、繊維及びフィラメントの場合には、添加剤が添加された熱可塑性組成物は、無機充填剤又は有機添加剤を混合装置の手段によって、例えば紡糸装置の上流で溶融重合体に導入することによって得られる。連続マルチフィラメント糸、モノフィラメント、短繊維及び長繊維又はそれらの混合物を、添加剤が添加された熱可塑性組成物の紡糸により得ることができる。本発明で提供される重合体組成物を使用して得られた糸、繊維及びフィラメントは、当業者に知られている全ての織物加工、例えば押出、延伸、テクスチャリング、染色、仕上げなどを施すことが可能である。
【0033】
また、本発明は、上記糸、繊維及びフィラメントから得られた物品に関するものでもある。物品は、単一の種類の糸、繊維若しくはフィラメント又は異なる種類の糸、繊維若しくはフィラメントの混合物から得られ得る。
【0034】
用語「物品」とは、特に、織物、ニット及び不織布を意味するものとする。該物品は、本発明で説明した重合体組成物から得られた少なくとも1種類の糸、フィラメント又は繊維から構成できる。
【0035】
物品は、上記組成物から得られたフィルム又は粉末であることができる。このフィルム又は粉末は、当業者に知られている任意の方法に従って得ることができる。
【0036】
また、本発明は、上記組成物を基材とする上記物品、特に織物の、生物組織、特に生体機能が活発な個人の生物組織を刺激するための使用に関するものでもある。有利には、該生物組織は、皮膚、特にセルライトを有する人の皮膚である。本発明の特定の実施形態の一つによれば、本発明は、人におけるセルライトを減少させるための当該使用に関するものである。
【0037】
有利には、本発明は、血液微小循環を刺激するための当該使用に関する。
【0038】
本発明の重合体組成物及び本発明の物品に関して上記した全てが本発明の使用についても当てはまる。
【0039】
例示として提供する次の実施例は、本発明の利点をさらに明らかにするであろう。
【実施例】
【0040】

以下の例1〜6の試料を90%蟻酸水溶液中で測定して43の相対粘度(RV)を有するポリアミド66で調製した。赤外線放射性充填剤のポリアミド66への取り込みを、マスターバッチを得るために粉末状の無機充填剤と粉砕重合体とを20重量%の無機充填剤の割合で混合させることによって実施した。この混合物を押出し、冷却し、そして顆粒にした。このようにして得られたマスターバッチを紡糸段階の間にポリアミド66に導入した。溶融重合体組成物を280℃〜300℃の温度(ダイ中で測定)で紡糸し、空冷し(20℃、65%の相対湿度)、そして4200m/分の速度で巻き取って連続マルチフィラメント糸を得た。環状の断面を有する68本のフィラメントから構成されるマルチフィラメント糸をその後織り込んだ。最終製品中におけるフィラメントのタイターは、1.2dtexである。このようにして得られた糸を、丸編み機を使用することによってバミューダパンツ及びTシャツを製造するためのニットの製造に使用した。このようにして得られたTシャツは175g/m2の表面密度し、バミューダパンツは305g/m2の表面密度を有し、かつ、スパンデックスを12%含有する。その後、これらの物品を使用して該組成物の有効性を評価した。
【0041】
例1
1.5%のTiO2及び0.5%のBaSO4を含有するポリアミド66の糸の試料を先の説明に従って調製した。身体活動プロトコール(ブルース法に従うトレッドミル上でのエルゴメーター試験)の適用を受けた15名のアスリートの2つのグループの体温変化(体幹及び下肢)を比較した。この試験を3日のコースで実施した:
・1日目に、綿Tシャツ及びポリエステルバミューダパンツを含む服装一式を着たアスリート(これはコントロール群として知られる)にブルース法を受けさせ、最大時間(t)(所定の心拍数又は動脈圧の限界(個人の年齢によって予め規定される)に到達するまで又はアスリートが疲労のため停止を求めるまでの身体活動期間と定義される)を決める;
・2日目に、アスリートは、いかなる身体活動も行わなかった;
・3日目に、Tシャツ及びバミューダパンツを含む服装一式を着た同じアスリートに時間(t)が到達するまでブルース法を受けさせた(これを試料群という);
・評価した試料:綿と1.5%のTiO2と0.5%のBaSO4とを含有するポリアミド66。
【0042】
体温を、該方法の適用前後にサーモグラフィー技術(Raytec Fluke TiSO熱画像装置)により測定し、そして熱変動指数ΔT/ΔT1を評価した。
【0043】
熱変動指数を身体活動プロトコールを実施する前(初期温度)及び実施した後(最終温度)の平均温度を比較することによって得た:
ΔT=ΔT2−ΔT1
ここで、
ΔT1=Tfc−Tic(コントロール群の平均最終Tfc温度と初期Tic温度との引き算)、
及び
ΔT2=Tfe−Tie(コントロール群の平均最終Tfe温度と初期Tie温度との引き算)である。
【0044】
以下の表1は、A群(綿から作られたTシャツ及びバミューダパンツを着たアスリート)とB群(1.5%のTiO2及び0.5%のBaSO4を含有するPA66から作られたTシャツ及びバミューダパンツを着たアスリート)とについての体幹及び下腿の外側部領域で得られた熱変動指数ΔT/ΔT1をまとめている。
【0045】
【表1】

【0046】
得られた指数は、A群と比較したB群の温度の評価を示しているが、これは、添加剤を添加したポリアミドから作られた物品を使用した場合に血液循環が増加することを示唆している。
【0047】
例2
1.5%のTiO2及び0.5%のBaSO4を含有するポリアミド66の糸の試料を先の説明に従って調製し、そして1.5%のTiO2を含有するポリアミド糸の試料と比較した。身体活動プロトコール(ブルース法に従うエルゴメータートレッドミル試験)の適用を受けた15名のアスリートの2つの群の体温変化(体幹及び下肢)を比較した。この試験と温度測定例1に記載したとおりに実施した。
【0048】
熱的不均一指数(h)を、身体活動プロトコールの適用後に、上記領域での温度測定値の偏差の変動を算出することによって得た:
h=(d2−d1)/d1
ここで、
d1=コントロール群の温度の標準偏差、及び
d2=サンプル群の温度の標準偏差である。
【0049】
以下の表2は、C群(1.5%のTiO2を含有するポリアミド66の糸から作られたTシャツ及びバミューダパンツを着たアスリート)及びD群(1.5%のTiO2及び0.5%のBaSO4を含有するポリアミド66の糸から作られたTシャツ及びバミューダパンツを着たアスリート)についての体幹下部及び下腿の外側部領域で得られた熱的不均一指数(h)をまとめている。
【0050】
【表2】

【0051】
上記表2の結果は、D群(熱的不均一指数が小さい)について均一性が大きいことを示しており、これは体温均一性を促進する添加剤の影響を実証するものである。
【0052】
例3
1.5%のTiO2、0.5%のBaSO4及び0.2%のトルマリンを含有するポリアミド66の糸の試料を先の説明に従って調製した。15名のアスリートの2つの群の血中乳酸(L)濃度を、ブルース法に従うエルゴメータートレッドミル試験を含む身体活動プロトコールの適用前後で評価した。乳酸濃度(mmol/L)をストリップ試験分析(Roche Diagnostica Brazil社製のAccutrendラクテート装置)により得た。
【0053】
この試験を例1に記載した工程に従って、ポリエステル及び1.5%のTiO2、0.5%のBaSO4及び0.2%のトルマリンを含有するポリアミド66の試料で実施し、そして乳酸変動指数ΔL/ΔL1を算出した:
ΔL=ΔL2−ΔL1
ここで、
ΔL1=Lfc−Lic(コントロール群の最終乳酸Lfc濃度と初期乳酸Lic濃度との引き算)、
及び
ΔL2=Lfe−Lie(サンプル群の最終乳酸Lfe濃度と初期乳酸Lic濃度との引き算)。
【0054】
以下の表3は、E群(ポリエステルから作られたTシャツ及びバミューダパンツを着たアスリート)及びF群(1.5%のTiO2、0.5%のBaSO4及び0.2%のトルマリンを含有するPA66から作られたTシャツ及びバミューダパンツを着たアスリート)について得られた乳酸濃度偏差指数ΔL/ΔL1を示している。
【0055】
【表3】

【0056】
これらの結果は、E群と比較してF群で5%を超える血中乳酸濃度の減少を示している。血中乳酸レベルは、筋肉疲労に直接関連する。
【0057】
例4
1.5%のTiO2、0.5%のBaSO4及び0.2%のトルマリンを含有するポリアミド66の糸の試料を先の説明に従って調製し、1.5%のTiO2を含有するポリアミドの糸の試料と比較した。身体活動プロトコール(6.5km/時の一定速度及び30分にわたる6%の勾配でのエルゴメータートレッドミル試験)の適用を受けた15名のアスリートの群の体幹下部及び下腿の外側部領域の熱変動を比較のために評価した。この試験を3日のコースで実施した:
・1日目に、1.5%のTiO2、0.5%のBaSO4及び0.2%のトルマリンを含有するポリアミド66の糸で製造されたバミューダパンツを着たアスリートに上記プロトコールを受けさせた;
・2日目に、アスリートはいかなる身体活動も行わなかった;
・3日目に、1.5%のTiO2を含有するポリアミド66の糸で製造されたバミューダパンツを着たアスリートにプロトコールを受けさせた。
【0058】
体温を、該方法の適用前後にサーモグラフィ技術(Raytec Fluke TiSO熱画像装置)により測定し、熱的不均一指数を評価した。
【0059】
熱的不均一指数(h)を、身体活動プロトコールの適用前後に上記領域における温度測定値の偏差の変動を算出することによって得た:
h=(d2−d1)/d1
ここで、
d1=身体活動プロトコールの適用前の温度の標準偏差、及び
d2=身体活動プロトコールの適用後の温度の標準偏差である。
【0060】
【表4】

【0061】
上記表4の結果は、TiO2、BaSO4及びトルマリンを含有するポリアミド66の試料について均一性が大きい(熱的不均一指数が小さい)ことを示しており、体温均一性を促進させる添加剤の影響を実証するものである。
【0062】
血液循環の増加、血中乳酸レベルの減少及び良好な熱均質性は、筋肉疲労の減少と関連がある。つまり、上記例で与えた結果は、本発明で規定する遠赤外線放射性無機充填剤又は有機添加剤を使用することによって添加剤添加されたポリアミドの糸で製造された物品の使用に関連して筋肉疲労が減少することを示す。
【0063】
例5及び6
1.5%のTiO2を含有するポリアミド66の糸の試料(例5)、及び1.5%のTiO2、0.5%のBaSO4及び0.2%のトルマリンを含有するポリアミド66の糸の試料(例6)を先の説明に従って調製した。
【0064】
皮膚の熱均一性
一方の脚部が例5の糸を使用して製造され、他方の脚部が例6の糸を使用して製造されたバミューダパンツを60日間にわたり1日当たり6時間着用した15名のボランティアの群の皮膚の熱変動(大腿及び臀部の外側、前部及び後部を含む領域について)測定した。15名のボランティアは、Nurnberger−Muller scaleでセルライトI度又はII度を示す(文献:Nurnberger F、Muller G.So−called Cellulite:an invented disease.J Dermatol Surg Oncol 1978;4:221−229)。
【0065】
体温をサーモグラフィー技術(Raytec Fluke TiSO熱画像装置)により60日前後に測定した。
【0066】
熱的不均一指数(h)を、バミューダパンツを60日間着用する前又は着用後に、上記領域での温度の標準偏差間の比を算出することによって得た:
h=X2/X1
ここで、
1=60日の前における上記領域での温度の標準偏差(15名のボランティアについての標準偏差の平均)、及び
2=60日後における上記領域での温度の標準偏差(15名のボランティアについての標準偏差の平均)。
【0067】
以下の表5は、1.5%のTiO2を含有するポリアミド66の糸及び1.5%のTiO2、0.5%のBaSO4及び0.2%のトルマリンを含有するポリアミド66について得られた熱的不均一指数(h)をまとめている。
【0068】
【表5】

【0069】
上記表5の結果は、1.5%のTiO2、0.5%のBaSO4及び0.2%のトルマリンを含有するポリアミド66の糸についてのバミューダパンツの着用後の熱的不均一性が33%減少し、1.5%のTiO2を含有するポリアミド66の糸についてのバミューダパンツを着用した後に熱的不均一性が16%減少したことを示している。これらの結果は、体温均一性を促進させる添加剤の影響を示している。
【0070】
皮膚の弾性
身体の熱変動に加えて、ボランティアの同じ群の皮膚弾性の変動(大腿及び臀部の外側、前部及び後部を含む領域での)も60日前後に測定する。
【0071】
皮膚の弾性を、吸引方法の原理を使用する、CK Electronic GmbH社が販売するCutometer(商標)MPA580装置を用いて測定した。この装置内に陰圧が創り出され、皮膚がプローブの開口に吸い込まれる。プローブの内部で、このプローブの食い込み深さが測定される。もはや陰圧を加えないときに皮膚がその初期の位置に戻る能力(弾性)を測定し、これを曲線で表す(図1参照)。
【0072】
皮膚の弾性は比R=Ur/Ueに相当し、Ur及びUeの値は、図1で示した値に相当する。
【0073】
弾性の変動FはF=[(Rf−Ri)/Ri]×100に相当し、ここで、Riは60日前の弾性に相当し、Rfは60日後の弾性である。
【0074】
以下の表6は、1.5%のTiO2を含有するポリアミド66の糸(例5)と、1.5%のTiO2、0.5%のBaSO4及び0.2%のトルマリンを含有するポリアミド66の糸(例6)とについて得られた弾性の変動をまとめている
【0075】
【表6】

【0076】
上記表6の結果は、1.5%のTiO2、0.5%のBaSO4及び0.2%のトルマリンを含有するポリアミド66の糸について、1.5%のTiO2を含有するポリアミド66の糸と比較して弾性が有意に増加することを示している。これらの結果は、皮膚の弾性の増加、すなわちセルライトの減少を促進する化合物の影響を示している。
【0077】
皮膚の弾性の増加及び良好な熱均一性は、さらなる快適さ及び健康に関連し、また、セルライトの減少にも関連する。つまり、上記例で与えた結果は、本発明で規定する遠赤外線放射性無機充填剤又は有機添加剤を使用することによって添加剤添加されたポリアミドの糸で製造された物品を使用することに関連して快適さ及び健康が改善することを示す。
【0078】
抗菌活性
抗菌活性は、基準法JIS L1902:2002に従ってスタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)ATCC 6538P及びクレブシエラ・ニューモニエ(Klebsiella pneumoniae)ATCC 4352細菌で1.5%のTiO2、0.5%のBaSO4及び0.2%のトルマリンを含有するポリアミド66の糸(例6)について測定する:
【0079】
該活性を、添加剤を有しない綿の糸とも比較する。
【0080】
これらの試験を0.4gの編み表面で実施する。
【0081】
これらの試料の異なる表面を同数の細菌と接触させ、37℃で18時間インキュベートする。時間t=0及びt=18時間で、細菌数を計数する。
【0082】
細菌がコントロール試料中で適切に増殖していることを確認した後に、各種試料への接種直後の平均活性細菌数及び各種試料への接種18時間後の平均活性細菌数を、各試料についてCFU(コロニー形成単位)で決定する。
【0083】
次いで、コントロール試料(添加剤なしの綿糸)への接種18時間後の平均活性細菌数の対数と試料(例6のポリアミド66糸)への接種18時間後の平均活性細菌数の対数との差に相当する比静菌作用Sを測定する。
【0084】
これらの結果を表7に示す。
【0085】
【表7】

【0086】
上記表7の結果は、1.5%のTiO2、0.5%のBaSO4及び0.2%のトルマリンを含有するポリアミド66の糸の静菌作用が良好であることを示している。これらの結果は、皮膚と接触する物品、特に織物物品に関して非常に有益である。
【0087】
例7及び8
以下の例の試料を90%蟻酸水溶液中で測定して43の相対粘度(RV)を有するポリアミド66で調製した。TiO2及びトルマリンのポリアミド66への取り込みを、ポリアミド66重合プロセス中にこれらの充填剤をTiO2の20%水性懸濁液及びトルマリンの39%水性懸濁液の状態で導入することによって実施する。BaSO4のポリアミド66への取り込みを、マスターバッチを得るために粉末状の無機充填剤とポリアミド66とを20重量%のBaSO4の割合で混合させることによって実施した。この混合物を押出し、冷却し、そして顆粒にした。このようにして得られたマスターバッチを紡糸段階の間にポリアミド66に導入した。溶融重合体組成物を280℃〜300℃の温度(ダイ中で測定)で紡糸し、空冷し(20℃、65%の相対湿度)、そして4200m/分の速度で巻き取って連続マルチフィラメント糸を得た。環状の断面を有する68本のフィラメントから構成されるマルチフィラメント糸をその後織り込んだ。最終製品中におけるフィラメントのタイターは、1.2dtexである。このようにして得られた糸を、丸編み機を使用することによってバミューダパンツを製造するためのニットの製造において使用した。このようにして得られたバミューダパンツは305g/m2の表面密度を有し、かつ、スパンデックスを12%含有する。その後、これらの物品を使用して該組成物の有効性を評価した。
【0088】
1.5%のTiO2を含有するポリアミド66の糸の試料(例7)及び1.5%のTiO2、0.5%のBaSO4及び0.2%のトルマリンを含有するポリアミド66の糸の試料(例8)を先の説明に従って調製した。
【0089】
皮膚に近い部位での血液微小循環を、パワードップラー法を使用して超音波で評価した。ドップラー効果は、移動する血球に反映される超音波の周波数の変化である。
【0090】
試験を、一方の脚部が例8の糸を使用して製造され(右足)、かつ、他方の脚部が例7の糸を使用して製造された(左足)バミューダパンツを60日間にわたって1日当たり6時間着用した15名のボランティア(23±4kg/m2の肥満度指数を有する)の群について実施した。
【0091】
パワードップラー法は、評価される領域における血流の速度/強さに直接的に相関し得る、ドップラー信号の振幅を測定する。
【0092】
得られた結果を95%信頼区間で処理した。
【0093】
ドップラー信号の増加D%を時間t0(初期)〜t60(60日後)の間で測定する。
【0094】
これは、次式に相当する:
【数1】

式中、Dはドップラー信号であり、nは15である(ボランティアの数)。
【0095】
【表8】

【0096】
これら2つの例について血液微小循環の増加が認められる。
【0097】
1.5%のTiO2、0.5%のBaSO4及び0.2%のトルマリンを含有するポリアミド66の糸を使用して製造されたニットは、1.5%のTiO2を含有するポリアミド66の糸を使用して製造されたニットよりも約3倍良好である。
【0098】
ここで示された結果から、血液微小循環の増加は、本発明で説明した、遠赤外範囲で吸収/放射する無機又は有機充填剤で変性されたポリアミドを使用して製造されたニットの使用に関連するものであることが示される。
【0099】
例8の組成物は、次の紫外線吸収特性を有する:
・周波数範囲3.00±0.30μmにおけるピーク数:2
・周波数範囲6.20±0.50μmにおけるピーク数:2
・周波数範囲8.00±0.25μmにおけるピーク数:1
・周波数範囲8.50±0.25μmにおけるピーク数:1
・周波数範囲9.00±0.25μmにおけるピーク数:0
・周波数範囲9.50±0.25μmにおけるピーク数:1
・周波数範囲10.00±0.25μmにおけるピーク数:0
・周波数範囲10.50±0.25μmにおけるピーク数:2
・周波数範囲11.00±0.25μmにおけるピーク数:0
・周波数範囲14.60±2.10μmにおけるピーク数:3。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
重合体組成物であって、2μm〜20μmの波長範囲で赤外線を放射及び/又は吸収する能力を有する有機添加剤及び無機充填剤から選択される少なくとも2種の添加剤の混合物と重合体とを含み、ここで、該組成物は、次の10の周波数範囲:3.00±0.30μm、6.20±0.50μm、8.00±0.25μm、8.50±0.25μm、9.00±0.25μm、9.50±0.25μm、10.00±0.25μm、10.50±0.25μm、11.00±0.25μm、14.60±2.10μm
で10個を超える多数の赤外線吸収ピークを有し、ここで、これら10の周波数範囲の少なくとも7範囲において少なくとも1個のピークが存在することを特徴とする重合体組成物。
【請求項2】
前記無機充填剤が、酸化物、硫酸塩、炭酸塩、燐酸塩及び珪酸塩から選択され、かつ、2μm未満の平均粒度を有し、前記有機添加剤が珪素を含有する有機化合物又は有機金属化合物から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の重合体組成物。
【請求項3】
前記重合体がポリエステル、ポリオレフィン、酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、レーヨン、ビスコースなどのセルロース重合体、アクリル重合体及びアクリル共重合体並びにポリアミド66若しくはポリアミド6といった通常のポリアミド、又はそれらの共重合体又はそれらのブレンドから選択されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の重合体組成物。
【請求項4】
前記重合体がポリアミドを主成分とするものであることを特徴とする、請求項3に記載の重合体組成物。
【請求項5】
前記重合体組成物のマトリックスを構成する重合体がポリアミド6、ポリアミド66及びポリアミド6/ポリアミド66共重合体から選択されるポリアミドであることを特徴とする、請求項4に記載の重合体組成物。
【請求項6】
前記重合体組成物の前記無機充填剤が1.0μm未満の粒度を有することを特徴とする、請求項1に記載の重合体組成物。
【請求項7】
前記重合体組成物の前記無機充填剤が0.5μm未満の粒度を有することを特徴とする、請求項6に記載の重合体組成物。
【請求項8】
前記酸化物が二酸化チタン、二酸化珪素及び酸化マグネシウムから選択されることを特徴とする、請求項1に記載の重合体組成物。
【請求項9】
前記硫酸塩が硫酸バリウム、硫酸カルシウム及び硫酸ストロンチウムから選択されることを特徴とする、請求項1に記載の重合体組成物。
【請求項10】
前記炭酸塩が炭酸カルシウム及び炭酸ナトリウムから選択されることを特徴とする、請求項1に記載の重合体組成物。
【請求項11】
前記珪酸塩がアクチノライト、トルマリン、セルペンチン、カオリン及び他のアルミノ珪酸塩から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の重合体組成物。
【請求項12】
前記燐酸塩が燐酸ジルコニウム、アパタイト又はそれらの混合物から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の重合体組成物。
【請求項13】
前記無機充填剤が二酸化チタン、硫酸バリウム及び珪酸塩群の充填剤から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の重合体組成物。
【請求項14】
二酸化チタン、硫酸バリウム及びトルマリンから選択される少なくとも2種の無機充填剤を含むことを特徴とする、請求項13に記載の重合体組成物。
【請求項15】
3種の無機充填剤を含むことを特徴とする、請求項1に記載の重合体組成物。
【請求項16】
前記3種の充填剤の重量割合が80:10:10〜10:30:60であることを特徴とする、請求項15に記載の重合体組成物。
【請求項17】
前記3種の無機充填剤の混合物が二酸化チタン/硫酸バリウム/トルマリン混合物であることを特徴とする、請求項15又は16に記載の重合体組成物。
【請求項18】
前記重合体組成物の総重量に対する前記無機充填剤混合物の重量割合が1.0%を超える、好ましくは1.5%以上、さらに好ましくは2.5%以上であることを特徴とする、請求項1に記載の重合体組成物。
【請求項19】
前記重合体組成物の総重量に対する前記無機充填剤混合物の重量割合が9%未満、好ましくは6%未満、有利には4.5%未満であることを特徴とする、請求項1に記載の重合体組成物。
【請求項20】
前記無機充填剤又は有機添加剤を重合体合成段階の間に導入し、又はフィラメント紡糸段階の間に重合体との直接混合によって導入し、又はマスターバッチの状態で粒子を濃縮させる(ここで、該マスターバッチをその後紡糸段階の間に該重合体物質で所定の濃度にまで希釈することが可能である)ことによって導入することを特徴とする請求項1〜19のいずれかに記載の重合体組成物の製造方法。
【請求項21】
前記マスターバッチが10重量%〜65重量%の無機充填剤、好ましくは15重量%〜35重量%の無機充填剤、さらに好ましくは15重量%〜25重量%の無機充填剤を含むことを特徴とする、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
糸、繊維若しくはフィラメント又はその混合物の形態の織物物品、織物、不織布又はニット、又はフィルム若しくは粉末であることを特徴とする、請求項1〜19のいずれかに記載の重合体組成物を基材とする物品。
【請求項23】
請求項1〜19のいずれかに記載の重合体組成物を基材とする物品の、生物組織を刺激するための使用。
【請求項24】
前記生物組織が皮膚であることを特徴とする、請求項23に記載の使用。
【請求項25】
セルライトを有する人の皮膚であることを特徴とする、請求項24に記載の使用。
【請求項26】
人のセルライトを減少させるための請求項25に記載の使用。
【請求項27】
織物物品であることを特徴とする、請求項1〜19のいずれかに記載の使用。
【請求項28】
血液微小循環を刺激するための請求項23に記載の使用。
【請求項29】
前記物品が請求項22に記載の物品であることを特徴とする、請求項23〜28のいずれかに記載の使用。

【図1】
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【公表番号】特表2011−506668(P2011−506668A)
【公表日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−537533(P2010−537533)
【出願日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際出願番号】PCT/IB2008/003429
【国際公開番号】WO2009/077834
【国際公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【出願人】(509221319)ロディア・ポリアミダ・エ・エスペシアリダデス・リミターダ (9)
【氏名又は名称原語表記】RHODIA POLIAMIDA E ESPECIALIDADES LTDA
【住所又は居所原語表記】Av.Maria Coelho Aguiar,215,Bloco B−1 andar,Parte 1−Jardim Sao Luiz,Sao Paulo−SP BRAZIL
【Fターム(参考)】