説明

重合性ナフトエ酸フェニル化合物

【課題】 本発明の課題は、大きな屈折率異方性を有し、重合性液晶組成物を構成した場合に高い保存安定性と高い配向性を有する重合性化合物及び当該重合性化合物を含有する重合性液晶組成物を提供することである。更に、当該重合性液晶組成物を重合させることで得られる重合体及び当該重合体を用いた光学異方体を提供することである。
【解決手段】 一般式(I)で表される重合性化合物を提供し、当該化合物を構成部材とする重合性液晶組成物、更に、当該重合性液晶組成物を重合させることにより得られる重合体及び当該重合体を用いた光学異方体を提供する。
【化1】

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は重合性化合物、当該化合物を含有する重合性組成物及び当該重合性組成物を用いた光学異方体に関する。
【背景技術】
【0002】
重合性化合物は種々のフィルムに使用される。例えば、重合性化合物を液晶状態で配列させた後、重合させることにより、均一な配向を有するフィルムを作製することが可能である。このようにして作製したフィルムは、液晶ディスプレイに必要な偏光板、位相差板などに使用することができる。また、重合性化合物はコレステリック構造を有するフィルムの作製にも使用できる。多くの場合、要求される光学特性、重合速度、溶解性、融点、ガラス転移温度、フィルムの透明性、機械的強度、表面硬度、耐熱性及び耐光性を満たすために、2種類以上の重合性化合物からなる組成物が使用される。その際、使用する重合性化合物には、他の特性に悪影響を及ぼすことなく、組成物に良好な物性をもたらすことが求められる。特に、コレステリック構造を有するフィルムの作製を目的とする場合、広い温度範囲でネマチック相又はコレステリック相として存在でき、かつ高いネマチック相又はコレステリック相液晶配向性を有する重合性化合物が必要である。また、大きな屈折率異方性を有する組成物を調製するためには、大きな屈折率異方性を有する重合性化合物が求められている。更に組成物を扱う際に組成物から特定の成分が析出すると組成比が変化してしまうため、保存安定性の高い重合性化合物が必要である。
【0003】
当該コレステリック構造を有するフィルムをディスプレイ等の輝度向上フィルムとして使用する場合、ヘイズ値が小さく、ムラの無い均一なコレステリック構造を有することが求められる。そのため、上記特性に加え、配向性の高い重合性化合物の開発が望まれている。しかしながらこれまで開発されてきた重合性化合物(特許文献1〜特許文献3)は、屈折率異方性が大きいが、保存安定性が低く、配向性が低いといった問題があった。そのため、これらの重合性化合物を含有する組成物をPET上塗布し乾燥させて得られる光学異方体はヘイズ値が大きくなったり、ムラが生じたりするため、均一な配向を有するフィルムを作成することが困難であった。一方、特許文献4及び特許文献5には、トラン骨格を導入することにより屈折率異方性を大きくした重合性化合物が記載されているが、該文献中には保存安定性や配向性に関する記載はなかった。また、特許文献6及び特許文献7には、ナフタレン構造を有する重合性化合物についての記載があるが、保存安定性及びヘイズ値に関しての詳細は記載されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−88291号公報
【特許文献2】特開2008−195762号公報
【特許文献3】特開平2−238087号公報
【特許文献4】特開2002−265421号公報
【特許文献5】EP1786887B1号公報
【特許文献6】特開2008−179654号公報
【特許文献7】特開2007−119415号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、大きな屈折率異方性を有し、重合性組成物を構成した場合に高い保存安定性と高い配向性を有する重合性化合物及び当該重合性化合物を含有する重合性組成物を提供することである。更に、当該重合性組成物を重合させることで得られる重合体及び当該重合体を用いた光学異方体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願発明者らは重合性化合物における種々の置換基の検討を行った結果、特定の構造を有する重合性化合物が上記課題を解決できることを見出し本願発明を完成するに至った。
本発明は、一般式(I)
【0007】
【化1】

【0008】
(式中、Pは下記の式(P−1)から式(P−15)で表される重合性基
【0009】
【化2】

【0010】
から選ばれる置換基を表し、Sは1個の−CH−若しくは隣接していない2個以上の−CH−が各々独立して−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CO−S−、−S−CO−、−O−CO−O−、−CO−NH−、−NH−CO−に置き換えられても良い炭素原子数1から20のアルキレン基又は単結合を表し、Xは各々独立して−O−、−S−、−OCH−、−CHO−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CO−S−、−S−CO−、−O−CO−O−、−CO−NH−、−NH−CO−、−SCH−、−CHS−、−CFO−、−OCF−、−CFS−、−SCF−、−CHCH−、−CHCF−、−CFCH−、−CFCF−、−CH=CH−COO−、−CH=CH−OCO−、−COO−CH=CH−、−OCO−CH=CH−、−COO−CHCH−、−OCO−CHCH−、−CHCH−COO−、−CHCH−OCO−、−COO−CH−、−OCO−CH−、−CH−COO−、−CH−OCO−、−CY=CY−、−C≡C−又は単結合を表し(式中、Y及びYは各々独立して水素原子、炭素原子数1から12のアルキル基、フッ素原子、塩素原子又はシアノ基を表す。)、
からLは各々独立して水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、ニトロ基、炭素原子数1から7のアルキル基、炭素原子数1から7のアルコキシ基又は炭素原子数1から7のアルカノイル基を表すが、該アルキル基、アルコキシ基又はアルカノイル基中に存在する1個以上の水素原子はフッ素原子又は塩素原子により置き換えられても良く、MからMは各々独立して水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、ニトロ基、炭素原子数1から7のアルキル基、炭素原子数1から7のアルコキシ基、炭素原子数1から7のアルカノイル基又は−X−S−P(式中、X、S及びPは各々前記X、S及びPと同様の意味を表すが、各々同一の基であっても異なった基でもよい。)を表すが、該アルキル基、アルコキシ基又はアルカノイル基中に存在する1個以上の水素原子はフッ素原子又は塩素原子により置き換えられても良く、MからMの全てが同一に水素原子となることはなく、A、A及びAは各々独立して1,4−フェニレン基、ナフタレン−2,6−ジイル基、1,4−シクロへキシレン基、1,4−シクロヘキセニレン基、1,4−ビシクロ[2.2.2]オクチレン基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、ピリジン−2,6−ジイル基、ピリミジン−2,5−ジイル基又は1,3−ジオキサン−2,5−ジイル基を表すが、これらの基は無置換であっても良く、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、ニトロ基、炭素原子数1から7のアルキル基、炭素原子数1から7のアルコキシ基又は炭素原子数1から7のアルカノイル基によって置換されていても良く、これらのアルキル基、アルコキシ基又はアルカノイル基は1個以上の水素原子がフッ素原子若しくは塩素原子により置き換えられても良く、A及び/又はAが複数存在する場合それらは同一であっても異なっていても良く、Z、Z及びZは各々独立して−OCH−、−CHO−、−COO−、−OCO−、−CO−S−、−S−CO−、−CO−NH−、−NH−CO−、−SCH−、−CHS−、−CFO−、−OCF−、−CFS−、−SCF−、−CHCH−、−CHCF−、−CFCH−、−CFCF−、−CH=CH−COO−、−CH=CH−OCO−、−COO−CH=CH−、−OCO−CH=CH−、−COO−CHCH−、−OCO−CHCH−、−CHCH−COO−、−CHCH−OCO−、−COO−CH−、−OCO−CH−、−CH−COO−、−CH−OCO−、−CY=CY−、−C≡C−又は単結合を表すが(式中、Y及びYは各々独立して水素原子、炭素原子数1から12のアルキル基、フッ素原子、塩素原子又はシアノ基を表す。)、Z、Z及びZが複数存在する場合それらは同一であっても異なっていてもよく、Zは−OCH−、−CHO−、−COO−、−OCO−、−CO−S−、−S−CO−、−CO−NH−、−NH−CO−、−SCH−、−CHS−、−CFO−、−OCF−、−CFS−、−SCF−、−CHCH−、−CHCF−、−CFCH−、−CFCF−、−CH=CH−COO−、−CH=CH−OCO−、−COO−CH=CH−、−OCO−CH=CH−、−COO−CHCH−、−OCO−CHCH−、−CHCH−COO−、−CHCH−OCO−、−COO−CH−、−OCO−CH−、−CH−COO−、−CH−OCO−、−CY=CY−又は単結合を表し(式中、Y及びYは各々独立して水素原子、炭素原子数1から12のアルキル基、フッ素原子、塩素原子又はシアノ基を表す。)、Rはフッ素原子、塩素原子、シアノ基、炭素原子数1から12のアルキル基又は−X−S−P(式中、X、S及びPは各々前記X、S及びPと同様の意味を表すが、各々同一の基であっても異なった基でもよい。)を表すが、該アルキル基中に存在する1個以上の水素原子はフッ素原子、塩素原子、シアノ基により置き換えられても良く、また、該アルキル基中の1個の−CH−若しくは隣接していない2個以上の−CH−が各々独立して−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CO−S−、−S−CO−、−O−CO−O−、−CO−NH−、−NH−CO−、−CH=CH−、−CH=CF−、−CF=CH−又は−C≡C−によって置き換えられても良く、m及びmは各々独立して0又は1を表すが、Rが−X−S−Pを表しm=0、m=0を表す場合、Aはナフタレン−2,6−ジイル基以外の基を表し、S及びSのうち一方のみが単結合を表すことは無い。)で表される重合性化合物及び当該化合物を用いた重合性液晶組成物を提供する。
【発明の効果】
【0011】
本願発明の重合性化合物は、屈折率異方性が大きく、高い保存安定性を示すことから重合性組成物の構成部材として有用である。又、本願発明の重合性化合物を含有する組成物を用いた光学異方体は、高い配向性を有することから、光学フィルム等の用途に有用である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
一般式(I)において、
Pは式(P−1)から式(P−15)で表される重合性基を表し、これらの重合性基はラジカル重合、ラジカル付加重合、カチオン重合及びアニオン重合により硬化する。特に重合方法として紫外線重合を行う場合には、式(P−1)、式(P−2)、式(P−3)、式(P−4)、式(P−5)、式(P−7)、式(P−11)、式(P−13)又は式(P−15)が好ましく、式(P−1)、式(P−2)、式(P−7)、式(P−11)又は式(P−13)がより好ましく、式(P−1)又は式(P−2)が特に好ましい。
【0013】
は1個の−CH−若しくは隣接していない2個以上の−CH−が各々独立して−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CO−S−、−S−CO−、−O−CO−O−、−CO−NH−、−NH−CO−に置き換えられても良い炭素原子数1から20のアルキレン基又は単結合を表すが、液晶性及び他の成分との相溶性の観点から炭素原子数2から8のアルキレン基が特に好ましい。
【0014】
は−O−、−S−、−OCH−、−CHO−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CO−S−、−S−CO−、−O−CO−O−、−CO−NH−、−NH−CO−、−SCH−、−CHS−、−CFO−、−OCF−、−CFS−、−SCF−、−CHCH−、−CHCF−、−CFCH−、−CFCF−、−CH=CH−COO−、−CH=CH−OCO−、−COO−CH=CH−、−OCO−CH=CH−、−COO−CHCH−、−OCO−CHCH−、−CHCH−COO−、−CHCH−OCO−、−COO−CH−、−OCO−CH−、−CH−COO−、−CH−OCO−、−CY=CY−、−C≡C−又は単結合を表すが(式中、Y及びYは各々独立して水素原子、炭素原子数1から12のアルキル基、フッ素原子、塩素原子又はシアノ基を表す。)、−O−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−COO−、−CH=CH−OCO−、−COO−CH=CH−、−OCO−CH=CH−、−COO−CHCH−、−OCO−CHCH−、−CHCH−COO−、−CHCH−OCO−、−COO−CH−、−OCO−CH−、−CH−COO−、−CH−OCO−又は単結合が好ましく、特に−O−が好ましい。
【0015】
からLは各々独立して水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、ニトロ基、炭素原子数1から7のアルキル基、炭素原子数1から7のアルコキシ基又は炭素原子数1から7のアルカノイル基を表し、アルキル基、アルコキシ基又はアルカノイル基中に存在する1個以上の水素原子はフッ素原子又は塩素原子により置き換えられても良いが、水素原子、フッ素原子又は塩素原子が好ましく、L、L、L及びLが水素原子を表し、L及びLが水素原子、フッ素原子又は塩素原子を表す組み合わせが好ましく、特に製造の簡便さの観点からLからLの全てが水素原子を表す組み合わせが好ましい。
【0016】
からMは各々独立して水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、ニトロ基、炭素原子数1から7のアルキル基、炭素原子数1から7のアルコキシ基、炭素原子数1から7のアルカノイル基又は−X−S−P(式中、X、S及びPは各々前記X、S及びPと同様の意味を表すが、各々同一の基であっても異なった基でもよい。)を表すが、該アルキル基、アルコキシ基又はアルカノイル基中に存在する1個以上の水素原子はフッ素原子又は塩素原子により置き換えられても良く、MからMの全てが同一に水素原子ではないが、MからMのいずれか1個がフッ素原子、塩素原子、シアノ基、ニトロ基又は1個以上の水素原子がフッ素原子若しくは塩素原子により置き換えられても良い炭素原子数1から7のアルキル基、アルコキシ基、アルカノイル基又は−X−S−P(式中、X、S及びPは各々前記X、S及びPと同様の意味を表すが、各々同一の基であっても異なった基でもよい。)を表し、残りの3個が水素原子を表す組み合わせが好ましいが、−X−S−Pを表す場合、Pは式(P−1)、式(P−2)、式(P−3)、式(P−4)、式(P−5)、式(P−7)、式(P−11)、式(P−13)又は式(P−15)が好ましく、式(P−1)、式(P−2)、式(P−7)、式(P−11)又は式(P−13)がより好ましく、式(P−1)又は式(P−2)が特に好ましく、Sは液晶性及び他の成分との相溶性の観点から炭素原子数2から8のアルキレン基が好ましく、Xは−O−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−COO−、−CH=CH−OCO−、−COO−CH=CH−、−OCO−CH=CH−、−COO−CHCH−、−OCO−CHCH−、−CHCH−COO−、−CHCH−OCO−、−COO−CH−、−OCO−CH−、−CH−COO−、−CH−OCO−又は単結合が好ましく、特に−O−が好ましいが、MからMはMがフッ素原子、塩素原子、シアノ基、メチル基又はメトキシ基を表し、MからMが水素原子を表す組み合わせが特に好ましい。
【0017】
、A及びAは各々独立して1,4−フェニレン基、ナフタレン−2,6−ジイル基、1,4−シクロへキシレン基、1,4−シクロヘキセニレン基、1,4−ビシクロ[2.2.2]オクチレン基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、ピリジン−2,6−ジイル基、ピリミジン−2,5−ジイル基、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル基を表すが、これらの基は無置換であっても良く、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、ニトロ基、炭素原子数1から7のアルキル基、炭素原子数1から7のアルコキシ基又は炭素原子数1から7のアルカノイル基によって置換されていても良く、これらのアルキル基、アルコキシ基又はアルカノイル基は1個以上の水素原子がフッ素原子又は塩素原子により置き換えられても良く、A及び/又はAが複数存在する場合それらは同一であっても異なっていてもよいが、無置換であるか或いはフッ素原子、塩素原子、炭素原子数1から4のアルキル基又は炭素原子数1から4のアルコキシ基によって置換された1,4−フェニレン基、ナフタレン−2,6−ジイル基、1,4−シクロへキシレン基、1,4−シクロヘキセニレン基、1,4−ビシクロ[2.2.2]オクチレン基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、ピリジン−2,6−ジイル基、ピリミジン−2,5−ジイル基、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル基が好ましく、無置換であるか或いはフッ素原子、塩素原子、炭素原子数1から4のアルキル基又は炭素原子数1から4のアルコキシ基によって置換された1,4−フェニレン基、ナフタレン−2,6−ジイル基又は1,4−シクロへキシレン基が好ましく、無置換であるか或いはフッ素原子、塩素原子、CH基若しくはCHO基によって置換された1,4−フェニレン基若しくはナフタレン−2,6−ジイル基、又は無置換の1,4−シクロヘキシレン基が特に好ましい。
【0018】
、Z及びZは各々独立して−OCH−、−CHO−、−COO−、−OCO−、−CO−S−、−S−CO−、−CO−NH−、−NH−CO−、−SCH−、−CHS−、−CFO−、−OCF−、−CFS−、−SCF−、−CHCH−、−CHCF−、−CFCH−、−CFCF−、−CH=CH−COO−、−CH=CH−OCO−、−COO−CH=CH−、−OCO−CH=CH−、−COO−CHCH−、−OCO−CHCH−、−CHCH−COO−、−CHCH−OCO−、−COO−CH−、−OCO−CH−、−CH−COO−、−CH−OCO−、−CY=CY−、−C≡C−又は単結合を表すが(式中、Y及びYは各々独立して水素原子、炭素原子数1から12のアルキル基、フッ素原子、塩素原子又はシアノ基を表す。)、−COO−、−OCO−、−CH=CH−COO−、−CH=CH−OCO−、−COO−CH=CH−、−OCO−CH=CH−、−COO−CHCH−、−OCO−CHCH−、−CHCH−COO−、−CHCH−OCO−、−COO−CH−、−OCO−CH−、−CH−COO−、−CH−OCO−、−C≡C−又は単結合が好ましく、−COO−、−OCO−、−CH=CH−COO−、−CH=CH−OCO−、−COO−CH=CH−、−OCO−CH=CH−又は単結合が特に好ましい。
【0019】
は−OCH−、−CHO−、−COO−、−OCO−、−CO−S−、−S−CO−、−CO−NH−、−NH−CO−、−SCH−、−CHS−、−CFO−、−OCF−、−CFS−、−SCF−、−CHCH−、−CHCF−、−CFCH−、−CFCF−、−CH=CH−COO−、−CH=CH−OCO−、−COO−CH=CH−、−OCO−CH=CH−、−COO−CHCH−、−OCO−CHCH−、−CHCH−COO−、−CHCH−OCO−、−COO−CH−、−OCO−CH−、−CH−COO−、−CH−OCO−、−CY=CY−又は単結合を表すが(式中、Y及びYは各々独立して水素原子、炭素原子数1から12のアルキル基、フッ素原子、塩素原子又はシアノ基を表す。)、−COO−、−OCO−、−CH=CH−COO−、−CH=CH−OCO−、−COO−CH=CH−、−OCO−CH=CH−、−COO−CHCH−、−OCO−CHCH−、−CHCH−COO−、−CHCH−OCO−、−COO−CH−、−OCO−CH−、−CH−COO−、−CH−OCO−又は単結合が好ましく、液晶性及び他の成分との相溶性あるいは基板への親和性の観点からは、−COO−、−OCO−、−CH=CH−COO−、−CH=CH−OCO−、−COO−CH=CH−、−OCO−CH=CH−又は単結合が特に好ましい。
【0020】
Rはフッ素原子、塩素原子、シアノ基、炭素原子数1から12のアルキル基又は−X−S−P(式中、X、S及びPは各々前記X、S及びPと同様の意味を表すが、各々同一の基であっても異なった基でもよい。)を表すが、該アルキル基中に存在する1個以上の水素原子はフッ素原子、塩素原子、シアノ基により置き換えられても良く、また、該アルキル基中の1個の−CH−若しくは隣接していない2個以上の−CH−が各々独立して−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CO−S−、−S−CO−、−O−CO−O−、−CO−NH−、−NH−CO−、−CH=CH−、−CH=CF−、−CF=CH−又はC≡C−によって置き換えられても良いが、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、炭素原子数1から12のアルキル基又は−X−S−P(式中、X、S及びPは各々前記X、S及びPと同様の意味を表すが、各々同一の基であっても異なった基でもよい。)を表し、該アルキル基中の1個の−CH−若しくは隣接していない2個以上の−CH−が各々独立して−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−によって置き換えられても良い場合が好ましいが、−X−S−Pを表す場合、Pは式(P−1)、式(P−2)、式(P−3)、式(P−4)、式(P−5)、式(P−7)、式(P−11)、式(P−13)又は式(P−15)が好ましく、式(P−1)、式(P−2)、式(P−7)、式(P−11)又は式(P−13)がより好ましく、式(P−1)又は式(P−2)が特に好ましく、Sは液晶性及び他の成分との相溶性の観点から炭素原子数2から8のアルキレン基が好ましく、Xは−O−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−COO−、−CH=CH−OCO−、−COO−CH=CH−、−OCO−CH=CH−、−COO−CHCH−、−OCO−CHCH−、−CHCH−COO−、−CHCH−OCO−、−COO−CH−、−OCO−CH−、−CH−COO−、−CH−OCO−又は単結合が好ましく、特に−O−が好ましいが、Rはフッ素原子、塩素原子、シアノ基又は炭素原子数1から8のアルキル基が特に好ましい。
【0021】
及びmは各々独立して0又は1を表すが、mが0、mが0又は1の組み合わせが好ましく、mが0、mが0の組み合わせが特に好ましい。
【0022】
但し、Rが−X−S−Pを表し、m=0、m=0を表す場合、Aはナフタレン−2,6−ジイル基以外の基を表し、S及びSのうち一方のみが単結合を表すことは無い。この場合、Aは無置換であるか或いはフッ素原子、塩素原子、炭素原子数1から4のアルキル基又は炭素原子数1から4のアルコキシ基によって置換された1,4−フェニレン基、1,4−シクロへキシレン基、1,4−シクロヘキセニレン基、1,4−ビシクロ[2.2.2]オクチレン基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、ピリジン−2,6−ジイル基、ピリミジン−2,5−ジイル基、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル基が好ましく、無置換であるか或いはフッ素原子、塩素原子、炭素原子数1から4のアルキル基又は炭素原子数1から4のアルコキシ基によって置換された1,4−フェニレン基又は1,4−シクロへキシレン基が好ましく、無置換であるか或いはフッ素原子、塩素原子、CH基若しくはCHO基によって置換された1,4−フェニレン基又は無置換の1,4−シクロヘキシレン基が特に好ましい。
【0023】
また、Rが−X−S−Pを表し、m=1、m=0又はm=0、m=1の場合、S及びSのうち一方のみが単結合を表すことは無い。またこの場合、Z、Z及びZのうち少なくとも一つは各々独立して−CO−S−、−S−CO−、−CO−NH−、−NH−CO−、−SCH−、−CHS−、−CFO−、−OCF−、−CFS−、−SCF−、−CHCH−、−CHCF−、−CFCH−、−CFCF−、−CH=CH−COO−、−CH=CH−OCO−、−COO−CH=CH−、−OCO−CH=CH−、−COO−CHCH−、−OCO−CHCH−、−CHCH−COO−、−CHCH−OCO−、−COO−CH−、−OCO−CH−、−CH−COO−、−CH−OCO−、−CY=CY−(式中、Y及びYは各々独立して水素原子、炭素原子数1から12のアルキル基、フッ素原子、塩素原子又はシアノ基を表す。)又は単結合を表すのが好ましく、−CO−S−、−S−CO−、−CO−NH−、−NH−CO−、−SCH−、−CHS−、−CFO−、−OCF−、−CFS−、−SCF−、−CHCH−、−CHCF−、−CFCH−、−CFCF−、−COO−CHCH−、−OCO−CHCH−、−CHCH−COO−、−CHCH−OCO−、−COO−CH−、−OCO−CH−、−CH−COO−、−CH−OCO−又は−CY=CY−(式中、Y及びYは各々独立して水素原子、炭素原子数1から12のアルキル基、フッ素原子、塩素原子又はシアノ基を表す。)を表すのがより好ましく、−CO−S−、−S−CO−、−CO−NH−、−NH−CO−、−SCH−、−CHS−、−CFS−、−SCF−又は−CY=CY−(式中、Y及びYは各々独立して水素原子、炭素原子数1から12のアルキル基、フッ素原子、塩素原子又はシアノ基を表すが、Y及びYは同時に水素原子を表すことは無い。)を表すのが特に好ましい。
【0024】
一般式(I)で表される化合物としては、下記の式(I−1)から式(I−47)で表される化合物が好ましい。
【0025】
【化3】

【0026】
【化4】

【0027】
【化5】

【0028】
【化6】

【0029】
【化7】

【0030】
【化8】

【0031】
【化9】

【0032】
【化10】

【0033】
【化11】

【0034】
【化12】

【0035】
【化13】

【0036】
本願発明の化合物は以下の製法で製造することができる。
(製法1)下記化合物(S7)の合成
【0037】
【化14】

【0038】
ヒドロキシカルボン酸(S1)のヒドロキシ基に保護基を導入する。保護基PGとしては、合成過程において安定に官能基を保護することができ、脱離が容易である基であれば特に制限はないが、例えば、GREENE’S PROTECTIVE GROUPS IN ORGANIG SYNTHESIS(Fourth Edition)、PETER G.M.WUTS、THEODORA W.GREENE共著、A John Wiley & Sons,Inc.,Publicationに記載されている保護基が使用可能である。保護基PGにより保護されたヒドロキシ基を有するカルボン酸(S2)をフェノール誘導体(S3)と縮合させることによりエステル(S4)とする。縮合は、例えば、硫酸、塩酸、硝酸、酢酸、ギ酸、トリフルオロ酢酸、p−トルエンスルホン酸等の酸触媒又はN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド、N,N’−ジイソプロピルカルボジイミド、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩等のカルボジイミド系縮合剤を用いて行うことができる。また、光延反応やカルボン酸ハライドを経由する方法も可能である。続いて、例えば上記文献に記載の方法により保護基PGを脱離させることにより得られる中間体(S5)をカルボン酸(S6)と縮合させ、目的物(S7)を合成することができる。
(製法2)下記化合物(S12)の合成
【0039】
【化15】

【0040】
ヒドロキシカルボン酸(S8)のヒドロキシ基に保護基を導入する。保護基PGにより保護されたヒドロキシ基を有するカルボン酸(S9)をフェノール誘導体(S3)と縮合させることによりエステル(S10)とする。続いて、保護基PGを脱離させることにより得られる中間体(S11)をカルボン酸(S6)と縮合させ、目的物(S12)を合成することができる。
(製法3)下記化合物(S19)の合成
【0041】
【化16】

【0042】
ヒドロキノン(S13)の一方のヒドロキシ基に保護基を導入する。保護基PGにより保護されたヒドロキシ基を有するヒドロキノン(S14)をカルボン酸(S15)と縮合させることによりエステル(S16)とする。続いて、保護基PGを脱離させることにより得られる中間体(S17)をカルボン酸(S18)と縮合させ、目的物(S19)を合成することができる。
(製法4)下記化合物(S23)の合成
【0043】
【化17】

【0044】
保護基PGにより保護されたヒドロキシ基を有するヒドロキノン(S14)をカルボン酸(S20)と縮合させることによりエステル(S21)とする。続いて、保護基PGを脱離させることにより得られる中間体(S22)をカルボン酸(S6)と縮合させ、目的物(S23)を合成することができる。
【0045】
本願発明の化合物は、ネマチック液晶組成物、スメクチック液晶組成物、キラルスメクチック液晶組成物及びコレステリック液晶組成物に使用することが好ましいが、コレステリック液晶組成物に使用することが特に好ましい。本願発明の重合性化合物を用いる液晶組成物において本願発明以外の化合物を添加しても構わない。
【0046】
本願発明の重合性化合物と混合して使用される他の重合性化合物としては、具体的には一般式(II)
【0047】
【化18】

【0048】
(式中、R11及びR12は各々独立して一般式(I)におけるPと同じ意味を表し、S11及びS12は各々独立して単結合又は炭素原子数1〜18個のアルキレン基を表すが、1個の−CH−又は隣接していない2個以上の−CH−は酸素原子、−COO−、−OCO−、−OCOO−に置き換えられても良く、L11、L12及びL13はお互い独立して、単結合、−O−、−S−、−OCH−、−CHO−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CO−S−、−S−CO−、−O−CO−O−、−OCOOCH−、−CHOCOO−、−CO−NR13−、−NR13−CO−、−SCH−、−CHS−、−CH=N−、−SCH−、−CHS−、−CH=CH−COO−、−CH=CH−OCO−、−COO−CH=CH−、−OCO−CH=CH−、−COO−CHCH−、−OCO−CHCH−、−CHCH−COO−、−CHCH−OCO−、−COO−CH−、−OCO−CH−、−CH−COO−、−CH−OCO−、−CF−、−CFO−、−OCF−、−CHCH−、−CFCH−、−CHCF−、−CFCF−、−CY11=CY12−又は−C≡C−を表し(式中、R13は炭素原子数1〜4のアルキル基を表し、Y11及びY12は各々独立して水素原子、炭素原子数1から12のアルキル基、フッ素原子、塩素原子又はシアノ基を表す。)、M11及びM12はお互い独立して、1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキシレン基、ピリジン−2,5−ジイル基、ピリミジン−2,5−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基、テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基又は1,3−ジオキサン−2,5−ジイル基を表すが、M11及びM12はお互い独立して無置換であるか又はアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン化アルコキシ基、ハロゲノ基、シアノ基又はニトロ基に置換されていても良く、l11は0、1、2又は3を表し、l11が2又は3を表す場合、2個あるいは3個存在するL12及び/又はM12は同一であっても異なっていても良い化合物が好ましく、L11、L12及びL13がお互い独立して、単結合、−O−、−COO−又は−OCO−を表し、M11、及びM12がお互い独立して、1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキシレン基、ピリジン−2,5−ジイル基、ピリミジン−2,5−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基を表す。)で表される化合物が好ましい。
【0049】
更に、一般式(II)のR11及びR12がアクリル基又はメタクリル基であるのが好ましい。具体的には、一般式(III)
【0050】
【化19】

【0051】
(式中、S及びSは各々独立して炭素原子数2から18のアルキレン基、X及びXは各々独立して−O−、−COO−、−OCO−又は単結合を表し、Z及びZは各々独立して−COO−又は−OCO−を表し、A、A及びAは各々独立して無置換の或いはフッ素原子、塩素原子、炭素原子数1から4のアルキル基又は炭素原子数1から4のアルコキシ基によって置換された1,4−フェニレン基を表す。)で表される化合物が好ましく、下記式(III−1)から式(III−8)で表される化合物が特に好ましい。
【0052】
【化20】

【0053】
(式中、Sは一般式(III)におけるSと同じ意味を表し、Sは一般式(III)におけるSと同じ意味を表す。)上記式(III−1)から式(III−8)において、S及びSが各々独立して炭素原子数3から6のアルキレン基である化合物がさらに好ましい。
【0054】
また、一般式(IV)
【0055】
【化21】

【0056】
(式中、S及びSは各々独立して炭素原子数2から18のアルキレン基、X及びXは各々独立して−O−、−COO−、−OCO−又は単結合を表し、Zは−COO−又は−OCO−を表し、A、A10及びA11は各々独立して無置換の或いはフッ素原子、塩素原子、炭素原子数1から4のアルキル基又は炭素原子数1から4のアルコキシ基によって置換された1,4−フェニレン基を表す。)で表される化合物が好ましく、下記式(IV−1)から式(IV−8)で表される化合物が特に好ましい。
【0057】
【化22】

【0058】
(式中、Sは一般式(IV)におけるSと同じ意味を表し、Sは一般式(IV)におけるSと同じ意味を表す。)上記式(IV−1)から式(IV−8)において、耐熱性及び耐久性の観点から、式(IV−2)、式(IV−5)、式(IV−6)、式(IV−7)及び式(IV−8)で表される化合物が好ましく、式(IV−2)で表される化合物がさらに好ましく、S及びSが各々独立して炭素原子数3から6のアルキレン基である化合物が特に好ましい。
【0059】
この他、好ましい2官能重合性化合物としては下記一般式(V−1)から式(V−4)で表される化合物が挙げられる。
【0060】
【化23】

【0061】
(式中、S及びSは各々独立して炭素原子数2から18のアルキレン基を表す。)上記式(V−1)から式(V−4)において、式(V−2)及び式(V−3)で表される化合物が好ましく、S及びSが各々独立して炭素原子数3から6のアルキレン基である化合物が特に好ましい。
【0062】
本願発明の化合物をコレステリック液晶組成物に使用する場合、重合性キラル化合物の添加量は、0.1〜40質量%であることが好ましい。また、本願発明の化合物を含有する重合性液晶組成物には、当該組成物の液晶性を損なわない程度に、液晶性を示さない重合性化合物を添加することも可能である。具体的には、この技術分野で高分子形成性モノマーあるいは高分子形成性オリゴマーとして認識される化合物であれば特に制限なく使用可能である。
【0063】
また、本願発明の化合物を含有する重合性液晶組成物に添加する光重合開始剤の濃度は、0.1〜10質量%であることが好ましく、0.2〜5質量%であることがさらに好ましい。光重合開始剤としては、ベンゾインエーテル類、ベンゾフェノン類、アセトフェノン類、ベンジルケタール類、アシルフォスフィンオキサイド等が使用可能である。
【0064】
また、本願発明の化合物を含有する重合性液晶組成物には、その保存安定性を向上させるために、安定剤を添加することもできる。安定剤としては、例えば、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノアルキルエーテル類、第三ブチルカテコール類、ピロガロール類、チオフェノール類、ニトロ化合物類、β−ナフチルアミン類、β−ナフトール類、ニトロソ化合物等が挙げられる。安定剤を使用する場合の添加量は、液晶組成物に対して0.005〜1質量%であることが好ましく、0.02〜0.5質量%であることがさらに好ましい。
【0065】
また、本願発明の化合物を含有する重合性液晶組成物をフィルム類、光学素子類、機能性顔料類、医薬品類、化粧品類、コーティング剤類、合成樹脂類等の用途に利用する場合には、その目的に応じて金属、金属錯体、染料、顔料、色素、蛍光材料、燐光材料、界面活性剤、レベリング剤、チキソ剤、ゲル化剤、多糖類、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、抗酸化剤、イオン交換樹脂、酸化チタン等の金属酸化物等を添加することもできる。
【0066】
本願発明の化合物を含有する重合性液晶組成物を重合することにより得られるポリマーは種々の用途に利用できる。例えば、本願発明の化合物を含有する重合性液晶組成物を、配向させずに重合することにより得られるポリマーは、光散乱板、偏光解消板、モアレ縞防止板として利用可能である。また、配向させた後に重合することにより得られるポリマーは、光学異方性を有しており有用である。このような光学異方体は、例えば、本願発明の化合物を含有する重合性液晶組成物を、布等でラビング処理した基板、有機薄膜を形成した基板又はSiOを斜方蒸着した配向膜を有する基板に担持させるか、基板間に挟持させた後、当該重合性液晶組成物を重合することによって製造することができる。
【0067】
重合性液晶組成物を基板上に担持させる際の方法としては、スピンコーティング、ダイコーティング、エクストルージョンコーティング、ロールコーティング、ワイヤーバーコーティング、グラビアコーティング、スプレーコーティング、ディッピング、プリント法等を挙げることができる。またコーティングの際、重合性液晶組成物に有機溶媒を添加しても良い。有機溶媒としては、炭化水素系溶媒、ハロゲン化炭化水素系溶媒、エーテル系溶媒、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒、エステル系溶媒、非プロトン性溶媒等を使用することができるが、例えば炭化水素系溶媒としてはトルエン又はヘキサンを、ハロゲン化炭化水素系溶媒としては塩化メチレンを、エーテル系溶媒としてはテトラヒドロフラン、アセトキシ−2−エトキシエタン又はプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを、アルコール系溶媒としてはメタノール、エタノール又はイソプロパノールを、ケトン系溶媒としてはアセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、γ−ブチルラクトン又はN−メチルピロリジノン類を、エステル系溶媒としては酢酸エチル又はセロソルブを、非プロトン性溶媒としてはジメチルホルムアミド又はアセトニトリルを挙げることができる。これらは単独でも、組み合わせて用いても良く、その蒸気圧と重合性液晶組成物の溶解性を考慮し、適宜選択すれば良い。添加した有機溶媒を揮発させる方法としては、自然乾燥、加熱乾燥、減圧乾燥、減圧加熱乾燥を用いることができる。重合性液晶材料の塗布性をさらに向上させるためには、基板上にポリイミド薄膜等の中間層を設けることや、重合性液晶材料にレベリング剤を添加する事も有効である。基板上にポリイミド薄膜等の中間層を設ける方法は、重合性液晶材料を重合することにより得られるポリマーと基板との密着性を向上させるために有効である。
【0068】
上記以外の配向処理としては、液晶材料の流動配向の利用、電場又は磁場の利用を挙げることができる。これらの配向手段は単独で用いても、また組み合わせて用いても良い。さらに、ラビングに代わる配向処理方法として、光配向法を用いることもできる。基板の形状としては、平板の他に、曲面を構成部分として有していても良い。基板を構成する材料は、有機材料、無機材料を問わずに用いることができる。基板の材料となる有機材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリアミド、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリアリレート、ポリスルホン、トリアセチルセルロース、セルロース、ポリエーテルエーテルケトン等が挙げられ、また、無機材料としては、例えば、シリコン、ガラス、方解石等が挙げられる。
【0069】
本願発明の化合物を含有する重合性液晶組成物を重合させる際、迅速に重合が進行することが望ましいため、紫外線又は電子線等の活性エネルギー線を照射することにより重合させる方法が好ましい。紫外線を使用する場合、偏光光源を用いても良く、非偏光光源を用いても良い。また、液晶組成物を2枚の基板間に挟持させて状態で重合を行う場合、少なくとも照射面側の基板は活性エネルギー線に対して適当な透明性を有していなければならない。また、光照射時にマスクを用いて特定の部分のみを重合させた後、電場や磁場又は温度等の条件を変化させることにより、未重合部分の配向状態を変化させて、さらに活性エネルギー線を照射して重合させるという手段を用いても良い。また、照射時の温度は、本発明の重合性液晶組成物の液晶状態が保持される温度範囲内であることが好ましい。特に、光重合によって光学異方体を製造しようとする場合には、意図しない熱重合の誘起を避ける意味からも可能な限り室温に近い温度、即ち、典型的には25℃での温度で重合させることが好ましい。活性エネルギー線の強度は、0.1mW/cm〜2W/cmが好ましい。強度が0.1mW/cm以下の場合、光重合を完了させるのに多大な時間が必要になり生産性が悪化してしまい、2W/cm以上の場合、重合性液晶化合物又は重合性液晶組成物が劣化してしまう危険がある。
【0070】
重合によって得られた当該光学異方体は、初期の特性変化を軽減し、安定的な特性発現を図ることを目的として熱処理を施すこともできる。熱処理の温度は50〜250℃の範囲であることが好ましく、熱処理時間は30秒〜12時間の範囲であることが好ましい。
【0071】
このような方法によって製造される当該光学異方体は、基板から剥離して単体で用いても、剥離せずに用いても良い。また、得られた光学異方体を積層しても、他の基板に貼り合わせて用いてもよい。
【実施例】
【0072】
以下、実施例を挙げて本発明を更に記述するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また、以下の実施例及び比較例の組成物における「%」は『質量%』を意味する。
(実施例1) 式(I−1)で表される化合物の製造
【0073】
【化24】

【0074】
撹拌装置、冷却器及び温度計を備えた反応容器に4−ヒドロキシ−3−メトキシ安息香酸(式(A−1)で表される化合物) 200g(1.2モル)、酢酸700mL、無水酢酸133g(1.3モル)、硫酸3gを加え、60℃に加熱し9時間反応させた。反応液に水1Lを加え氷冷しながら2時間撹拌した後、析出した固体を濾過した。得られた固体を水1Lで2度分散洗浄した。固体を乾燥させることにより式(A−2)で表される化合物 203gを得た。
【0075】
撹拌装置及び温度計を備えた反応容器に式(A−2)で表される化合物 25.0g(0.12モル)、2,4−ジメチルフェノール 13.2g(0.11モル)、N,N−ジメチルアミノピリジン(DMAP) 0.7g(5.4ミリモル)、ジクロロメタン 125mLを加え、氷冷しながら撹拌した。反応液の温度を15℃以下に保ちながらN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド(DIC) 16.4g(0.13モル)を滴下した。滴下終了後、室温で5時間撹拌し反応させた。反応液を濾過し析出物を除去した後、溶媒を留去した。得られた固形物をジクロロメタンに溶解させ、カラムクロマトグラフィー(精製剤:シリカゲル 33g、溶離液:ジクロロメタン 264mL)により精製した後、溶媒を留去した。得られた固形物をメタノール 102mLで分散洗浄した後、乾燥させることにより式(A−3)で表される化合物 29.0gを得た。
【0076】
撹拌装置及び温度計を備えた反応容器に式(A−3)で表される化合物 29.0g(0.092モル)、トルエン 87mL及びテトラヒドロフラン 87mLを加えた。撹拌しながらブチルアミン 10.1g(0.14モル)を滴下した。滴下終了後、室温で一晩撹拌した。5%塩酸 100mLで中和し分液した後、有機層を食塩水100mLで2回洗浄した。溶媒を留去し、得られたオイル状物質をメタノール 90mL及び水 90mLの混合溶媒から再結晶した。得られた固体を乾燥させることにより式(A−4)で表される化合物 20.1gを得た。
【0077】
撹拌装置、還流装置及び温度計を備えた反応装置に6−ヒドロキシー2−ナフトエ酸 190g(1.0モル)、炭酸カリウム 350g(0.25モル)、3−クロロプロパノール 190g(2.0モル)、テトラブチルアンモニウムブロミド 16g(50ミリモル)を加えエタノール 1500mL及び水 50mLに懸濁させた。78℃で24時間加熱還流させた。水酸化カリウム 120gを水 600mLに溶解させた水溶液を滴下した。60℃で1時間撹拌した。エタノールを留去した後、5%塩酸を少しずつ加え反応液を酸性にした。結晶を濾過し、再結晶により精製を行い、式(A−5−2)で表される化合物 239.4gを得た。
【0078】
撹拌装置、温度計及びディーンスターク装置を備えた反応容器に式(A−5−2)で表される化合物 230g(0.93モル)、3−クロロプロピオン酸 213g(2.0モル)p−トルエンスルホン酸一水和物 8.9g(0.047モル)を加えトルエン 1600mLに溶解させた。110℃で2時間水を除去しながら加熱還流させた。室温まで冷却しテトラヒドロフラン 1600mL及び水 1000mLを加え分液処理した。有機層を食塩水で洗浄した後、溶媒を留去した。得られた粗体をメタノール及び水の混合溶媒で3回分散洗浄することにより式(Aー5−3)で表される化合物 289g(0.86モル)を得た。
【0079】
撹拌装置、温度計及び還流装置を備えた反応容器に式(Aー5−3)で表される化合物 289g(0.86モル)を加えテトラヒドロフラン 1450mLに溶解させた。トリエチルアミン 260g(2.56モル)を反応液の温度が15℃を超えないよう徐々に滴下した。66℃で6時間加熱還流させた後、室温まで放冷し10%塩酸 750mLを加えた。分液処理した後、有機層を食塩水で洗浄し、溶媒を留去した。テトラヒドロフラン及びヘキサンの混合溶媒で再結晶を行うことにより式(A−5)で表される化合物 250gを得た。
【0080】
撹拌装置及び温度計を備えた反応容器に式(A−4)で表される化合物 20.1g(0.074モル)、6−(3−アクリロイルオキシ−プロピルオキシ)−2−ナフトエ酸(式(A−5)で表される化合物) 24.4g(0.081モル)、N,N−ジメチルアミノピリジン 0.45g(3.7ミリモル)及びジクロロメタン 122mLを加え、氷冷しながら撹拌した。反応液の温度を15℃以下に保ちながらN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド 11.2g(0.089モル)を滴下した。滴下終了後、室温で6時間撹拌し反応させた。反応液を濾過し析出物を除去した後、溶媒を留去した。得られた固形物をジクロロメタンに溶解させ、カラムクロマトグラフィー(精製剤:シリカゲル 41g、溶離液:ジクロロメタン 328mL)により精製した後、溶媒を留去した。得られた固形物をジクロロメタン 41mL及びメタノール 123mLの混合溶媒から2回再結晶させた後、乾燥させることにより式(I−1)で表される化合物 32.7gを得た。
(式(I−1)で表される化合物の物性値)
H NMR(CDCl)δ 2.21(s,3H),2.27(quin,2H),2.35(s,3H),3.92(s,3H),4.24(t,2H),4.43(t,2H),5.85(dd,1H),6.15(dd,1H),6.43(dd,1H),7.01〜7.10(m,3H),7.20〜7.24(m,2H),7.34(d,1H),7.81〜7.95(m,4H),8.17(dd,1H),8.74(s,1H)ppm.
13C NMR(CDCl)δ 16.2,20.9,28.6,56.2,61.3,64.5,106.5,114.0,120.0,121.6,123.2,123.3,123.9,126.3,127.0,127.5,127.9,128.2,128.3,129.8,131.0,131.1,131.8,132.0,135.7,137.6,144.6,147.3,151.6,159.1,164.4,164.6,166.2ppm.
LRMS(EI)m/z 554(100).
(実施例2) 式(I−3)で表される化合物の製造
【0081】
【化25】

【0082】
撹拌装置及び温度計を備えた反応容器に式(A−2)で表される化合物 30.0g(0.14モル)、p−クレゾール 14.0g(0.13モル)、N,N−ジメチルアミノピリジン 0.8g(6.5ミリモル)、ジクロロメタン 150mLを加え、氷冷しながら撹拌した。反応液の温度を15℃以下に保ちながらN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド 19.7g(0.16モル)を滴下した。滴下終了後、室温で8時間撹拌し反応させた。反応液を濾過し析出物を除去した後、溶媒を留去した。得られた固形物をジクロロメタンに溶解させ、カラムクロマトグラフィー(精製剤:シリカゲル 39g、溶離液:ジクロロメタン 312mL)により精製した後、溶媒を留去した。得られた固形物をメタノール 117mLで分散洗浄した後、乾燥させることにより式(B−1)で表される化合物 35.8gを得た。
【0083】
撹拌装置及び温度計を備えた反応容器に式(B−1)で表される化合物 35.8g(0.12モル)、トルエン 107mL及びテトラヒドロフラン 107mLを加えた。撹拌しながらブチルアミン 13.1g(0.18モル)を滴下した。滴下終了後、室温で一晩撹拌した。5%塩酸 200mLで中和し分液した後、有機層を食塩水200mLで2回洗浄した。溶媒を留去し、得られたオイル状物質をメタノール 120mL及び水 120mLの混合溶媒から再結晶した。得られた固体を乾燥させることにより式(B−2)で表される化合物 30.1gを得た。
【0084】
撹拌装置及び温度計を備えた反応容器に式(B−2)で表される化合物 30.1g(0.12モル)、6−(3−アクリロイルオキシ−プロピルオキシ)−2−ナフトエ酸 38.7g(0.13モル)、N,N−ジメチルアミノピリジン 0.71g(5.8ミリモル)及びジクロロメタン 193mLを加え、氷冷しながら撹拌した。反応液の温度を15℃以下に保ちながらN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド 17.7g(0.14モル)を滴下した。滴下終了後、室温で5時間撹拌し反応させた。反応液を濾過し析出物を除去した後、溶媒を留去した。得られた固形物をジクロロメタンに溶解させ、カラムクロマトグラフィー(精製剤:シリカゲル 63g、溶離液:ジクロロメタン 504mL)により精製した後、溶媒を留去した。得られた固形物をジクロロメタン 63mL及びメタノール 189mLの混合溶媒から2回再結晶させた後、乾燥させることにより式(I−3)で表される化合物 51.6gを得た。
(式(I−3)で表される化合物の物性値)
H NMR(CDCl)δ 2.27(quin,2H),2.39(s,3H),3.91(s,3H),4.24(t,2H),4.42(t,2H),5.85(dd,1H),6.15(dd,1H),6.43(dd,1H),7.10(d,2H),7.19〜7.26(m,4H),7.33(d,1H),7.81〜7.84(m,2H),7.89〜7.93(m,2H),8.17(dd,1H),8.73(s,1H)ppm.
13C NMR(CDCl)δ 20.9,28.6,56.2,61.3,64.6,76.7,77.0,77.2,77.3,106.5,113.9,115.5,120.0,121.4,123.2,123.2,123.3,123.9,126.4,127.1,128.0,128.3,130.0,131.0,131.2,132.0,135.6,137.6,144.6,148.7,151.5,159.1,164.5,164.8,166.2ppm.
LRMS(EI)m/z 540(100).
(実施例3) 式(I−7)で表される化合物の製造
【0085】
【化26】

【0086】
実施例2においてp−クレゾールに換えて4−エチルフェノールを用いる以外は同様にして式(I−7)で表される化合物を製造した。
(式(I−7)で表される化合物の物性値)
H NMR(CDCl)δ 1.27(t,3H),2.27(quin,2H),2.69(q,2H),3.91(s,3H),4.24(t,2H),4.43(t,2H),5.85(dd,1H),6.15(dd,1H),6.44(dd,1H),7.14(d,2H),7.20〜7.27(m,4H),7.33,(d,1H),7.81〜7.85(m,2H),7.91(td,2H),8.17(dd,1H),8.73(1H)ppm.
13C NMR(CDCl)δ 15.6,28.3,28.6,56.2,61.3,64.6,106.5,114.0,120.0,121.4,123.2,123.4,123.9,126.4,127.1,128.0,128.3,128.9,131.0,131.2,132.0,137.6,141.9,144.6,148.8,151.5,159.1,164.5,164.8,166.2ppm.
LRMS(EI)m/z 554(100).
(実施例4) 式(I−8)で表される化合物の製造
【0087】
【化27】

【0088】
撹拌装置、冷却器及び温度計を備えた反応容器に3−クロロ−4−ヒドロキシ安息香酸0.5水和物(式(D−1)で表される化合物) 105g(0.58モル)、酢酸350mL、無水酢酸65.0g(0.64モル)及び硫酸1.5gを加え、60℃に加熱し8時間反応させた。反応液に水1Lを加え氷冷しながら1時間撹拌した後、析出した固体を濾過した。得られた固体を水1Lで2度分散洗浄した。固体を乾燥させることにより式(D−2)で表される化合物 120.6gを得た。
【0089】
撹拌装置及び温度計を備えた反応容器に式(D−2)で表される化合物 25.0g(0.12モル)、p−クレゾール 11.4g(0.11モル)、N,N−ジメチルアミノピリジン 0.6g(5.2ミリモル)及びジクロロメタン 125mLを加え、氷冷しながら撹拌した。反応液の温度を15℃以下に保ちながらN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド 15.9g(0.13モル)を滴下した。滴下終了後、室温で5時間撹拌し反応させた。反応液を濾過し析出物を除去した後、溶媒を留去した。得られた固形物をジクロロメタンに溶解させ、カラムクロマトグラフィー(精製剤:シリカゲル 32g、溶離液:ジクロロメタン 256mL)により精製した後、溶媒を留去した。得られた固形物をメタノール 96mLで分散洗浄した後、乾燥させることにより式(D−3)で表される化合物 28.5gを得た。
【0090】
撹拌装置及び温度計を備えた反応容器に式(D−3)で表される化合物 28.5g(0.094モル)、トルエン 86mL及びテトラヒドロフラン 86mLを加えた。撹拌しながらブチルアミン 10.3g(0.14モル)を滴下した。滴下終了後、室温で一晩撹拌した。5%塩酸 150mLで中和し分液した後、有機層を食塩水150mLで2回洗浄した。溶媒を留去し、得られたオイル状物質をメタノール 74mL及び水 74mLの混合溶媒から再結晶した。得られた固体を乾燥させることにより式(D−4)で表される化合物 23.8gを得た。
【0091】
撹拌装置及び温度計を備えた反応容器に式(D−4)で表される化合物 23.8g(0.091モル)、6−(3−アクリロイルオキシ−プロピルオキシ)−2−ナフトエ酸 29.9g(0.099モル)、N,N−ジメチルアミノピリジン 0.55g(4.5ミリモル)及びジクロロメタン 150mLを加え、氷冷しながら撹拌した。反応液の温度を15℃以下に保ちながらN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド 13.7g(0.11モル)を滴下した。滴下終了後、室温で6時間撹拌し反応させた。反応液を濾過し析出物を除去した後、溶媒を留去した。得られた固形物をジクロロメタンに溶解させ、カラムクロマトグラフィー(精製剤:シリカゲル 49g、溶離液:ジクロロメタン 392mL)により精製した後、溶媒を留去した。得られた固形物をジクロロメタン 49mL及びメタノール 147mLの混合溶媒から2回再結晶させた後、乾燥させることにより式(I−8)で表される化合物 40.5gを得た。
(式(I−8)で表される化合物の物性値)
H NMR(CDCl)δ 2.25(quin,2H),2.38(s,3H),4.24(t,2H),4.43(t,2H),5.86(dd,1H),6.15(dd,1H),6.44(dd,1H),7.11(d,2H),7.20〜7.26(m,4H),7.49(d,1H),7.83(d,1H),7.91(d,1H),8.18(m,2H),8.36(m,1H),8.76(s,1H)ppm.
13C NMR(CDCl)δ 20.9,28.6,61.3,64.6,106.5,120.2,121.2,123.3,124.2,126.2,127.3,127.8,127.9,128.3,128.6,129.8,130.1,131.0,131.2,132.3,135.8,137.8,148.5,151.6,159.3,163.7,164.0,166.2ppm.
LRMS(EI)m/z 544(100),546(30).
(実施例5) 式(I−15)で表される化合物の製造
【0092】
【化28】

【0093】
実施例2においてp−クレゾールに換えて6−プロピル−2−ナフトールを用いる以外は同様にして式(I−15)で表される化合物を製造した。
(式(I−15)で表される化合物の物性値)
H NMR(CDCl)δ 1.27(t,3H),1.66(m,2H),2.27(quin,2H),2.66(t,2H),3.91(s,3H),4.24(t,2H),4.43(t,2H),5.85(dd,1H),6.15(dd,1H),6.44(dd,1H),7.14(d,2H),7.20〜7.27(m,4H),7.30〜7.45,(m,3H),7.81〜7.90(m,4H),8.17(dd,1H),8.73(1H)ppm.
13C NMR(CDCl)δ 13.6,25.2,30.3,38.4,56.0,63.1,68.5,105.5,108.9,116.1,117.4,119.7,122.3,122.8,125.5,125.8,126.1,126.4,127.0,128.0,128.4,128.4,128.6,128.8,129.2,130.3,130.4,130.8,132.5,132.8,136.1,143.9,152.1,154.8,160.1,164.0,164.0,165.0ppm.
LRMS(EI)m/z 618(100).
(実施例6) 式(I−16)で表される化合物の製造
【0094】
【化29】

【0095】
実施例2においてp−クレゾールに換えてトランス−4−プロピルシクロヘキサノールを用いる以外は同様にして式(I−16)で表される化合物を製造した。
(式(I−16)で表される化合物の物性値)
H NMR(CDCl)δ 1.27〜1.43(m,12H),2.27〜2.35(m,6H),3.91(s,3H),4.02(quin,1H),4.24(t,2H),4.43(t,2H),5.85(dd,1H),6.15(dd,1H),6.44(dd,1H),7.14(d,2H),7.20(d,1H),7.81〜7.85(m,2H),7.91(td,2H),8.17(dd,1H),8.73(1H)ppm.
13C NMR(CDCl)δ 14.3,20.9,25.8,25.8,29.2,29.2,30.3,32.0,36.9,56.0,63.1,68.5,72.3,105.5,115.7,119.7,122.3,122.4,125.8,126.1,127.0,128.0,128.8,128.8,130.3,130.4,130.8,136.1,143.0,154.8,160.1,165.0,164.0,167.0ppm.
LRMS(EI)m/z 574(100).
(実施例7) 式(I−17)で表される化合物の製造
【0096】
【化30】

【0097】
撹拌装置、冷却器及び温度計を備えた反応容器に4−ヒドロキシ−3−メトキシ桂皮酸(式(G−1)で表される化合物) 100g(0.52モル)、酢酸350mL、無水酢酸57.8g(0.57モル)及び硫酸1.5gを加え、60℃に加熱し10時間反応させた。反応液に水1Lを加え氷冷しながら1時間撹拌した後、析出した固体を濾過した。得られた固体を水1Lで2度分散洗浄した。固体を乾燥させることにより式(G−2)で表される化合物 111gを得た。
【0098】
撹拌装置及び温度計を備えた反応容器に式(G−2)で表される化合物 25.0g(0.106モル)、p−クレゾール 10.4g(0.096モル)、N,N−ジメチルアミノピリジン 0.6g(4.8ミリモル)及びジクロロメタン 125mLを加え、氷冷しながら撹拌した。反応液の温度を15℃以下に保ちながらN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド 14.6g(0.12モル)を滴下した。滴下終了後、室温で5時間撹拌し反応させた。反応液を濾過し析出物を除去した後、溶媒を留去した。得られた固形物をジクロロメタンに溶解させ、カラムクロマトグラフィー(精製剤:シリカゲル 31g、溶離液:ジクロロメタン 248mL)により精製した後、溶媒を留去した。得られた固形物をメタノール 124mLで分散洗浄した後、乾燥させることにより式(G−3)で表される化合物 26.7gを得た。
【0099】
撹拌装置及び温度計を備えた反応容器に式(G−3)で表される化合物 26.7g(0.082モル)、トルエン 80mL及びテトラヒドロフラン 80mLを加えた。撹拌しながらブチルアミン 9.0g(0.12モル)を滴下した。滴下終了後、室温で一晩撹拌した。5%塩酸 180mLで中和し分液した後、有機層を食塩水180mLで2回洗浄した。溶媒を留去し、得られたオイル状物質をメタノール 70mL及び水 70mLの混合溶媒から再結晶した。得られた固体を乾燥させることにより式(G−4)で表される化合物 22.6gを得た。
【0100】
撹拌装置及び温度計を備えた反応容器に式(G−4)で表される化合物 22.6g(0.079モル)、6−(3−アクリロイルオキシ−プロピルオキシ)−2−ナフトエ酸 26.2g(0.087モル)、N,N−ジメチルアミノピリジン 0.49g(4.0ミリモル)及びジクロロメタン 131mLを加え、氷冷しながら撹拌した。反応液の温度を15℃以下に保ちながらN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド 12.0g(0.095モル)を滴下した。滴下終了後、室温で6時間撹拌し反応させた。反応液を濾過し析出物を除去した後、溶媒を留去した。得られた固形物をジクロロメタンに溶解させ、カラムクロマトグラフィー(精製剤:シリカゲル 45g、溶離液:ジクロロメタン 360mL)により精製した後、溶媒を留去した。得られた固形物をジクロロメタン 45mL及びメタノール 135mLの混合溶媒から2回再結晶させた後、乾燥させることにより式(I−17)で表される化合物 36.9gを得た。
(式(I−17)で表される化合物の物性値)
H NMR(CDCl)δ 1.99(quin,2H),2.35(s,3H),3.73(s,3H),4.04(t,2H),4.15(t,2H),5.80(dd,1H),6.05(dd,1H),6.43(dd,1H),6.39(d,1H),6.88(d,1H),6.93(d,1H),6.95(d,2H),6.97(s,1H),6.99(d,1H),7.03(d,2H),7.04(d,1H),7.60(d,1H),7.64(d,1H),7.75(d,1H),8.20(d,1H),8.52(s,1H)ppm.
13C NMR(CDCl)δ 20.9,30.3,56.0,63.1,68.5,105.5,112.2,115.7,118.9,119.7,122.3,122.4,122.4,127.0,125.8,126.1,128.0,128.6,129.6,129.6,130.3,130.4,130.8,132.7,134.5,136.1,137.9,145.6,150.1,154.8,160.1,162.0,164.0,165.0ppm.
LRMS(EI)m/z 566(100).
(実施例8) 式(I−13)で表される化合物の製造
【0101】
【化31】

【0102】
撹拌装置及び温度計を備えた反応容器に式(A−2)で表される化合物 30.0g(0.14モル)、4−シアノ−3−フルオロフェノール 17.8g(0.13モル)、N,N−ジメチルアミノピリジン 0.8g(6.5ミリモル)及びジクロロメタン 150mLを加え、氷冷しながら撹拌した。反応液の温度を15℃以下に保ちながらN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド 19.7g(0.16モル)を滴下した。滴下終了後、室温で5時間撹拌し反応させた。反応液を濾過し析出物を除去した後、溶媒を留去した。得られた固形物をジクロロメタンに溶解させ、カラムクロマトグラフィー(精製剤:シリカゲル 31g、溶離液:ジクロロメタン 248mL)により精製した後、溶媒を留去した。得られた固形物をメタノール 124mLで分散洗浄した後、乾燥させることにより式(H−1)で表される化合物 39.0gを得た。
【0103】
撹拌装置及び温度計を備えた反応容器に式(H−1)で表される化合物 39.0g(0.12モル)、トルエン 80mL及びテトラヒドロフラン 80mLを加えた。撹拌しながらブチルアミン 13.0g(0.18モル)を滴下した。滴下終了後、室温で一晩撹拌した。5%塩酸 180mLで中和し分液した後、有機層を食塩水180mLで2回洗浄した。溶媒を留去し、フラッシュカラムクロマトグラフィー(精製剤:シリカゲル、溶離液:ジクロロメタン)により精製した。得られた固体を乾燥させることにより式(H−2)で表される化合物 18.3gを得た。
【0104】
撹拌装置及び温度計を備えた反応容器に式(H−2)で表される化合物 18.3g(0.064モル)、6−(3−アクリロイルオキシ−プロピルオキシ)−2−ナフトエ酸 21.0g(0.071モル)、N,N−ジメチルアミノピリジン 0.4g(3.2ミリモル)及びジクロロメタン 105mLを加え、氷冷しながら撹拌した。反応液の温度を15℃以下に保ちながらN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド 9.7g(0.077モル)を滴下した。滴下終了後、室温で6時間撹拌し反応させた。反応液を濾過し析出物を除去した後、溶媒を留去した。得られた固形物をジクロロメタンに溶解させ、カラムクロマトグラフィー(精製剤:シリカゲル 40g、溶離液:ジクロロメタン 360mL)により精製した後、溶媒を留去した。得られた固形物をジクロロメタン 45mL及びメタノール 135mLの混合溶媒から2回再結晶させた後、乾燥させることにより式(I−13)で表される化合物 30.5gを得た。
(式(I−13)で表される化合物の物性値)
H NMR(CDCl)δ 1.99(quin,2H),3.73(s,3H),4.04(t,2H),4.15(t,2H),5.80(dd,1H),6.05(dd,1H),6.43(dd,1H),6.97(s,1H),7.04(s,1H),7.04(d,1H),7.10(d,1H),7.19(d,1H),7.56(d,1H),7.60(d,1H),7.72(s,1H),7.75(d,1H),7.77(d,1H),8.20(d,1H),8.52(s,1H)ppm.
13C NMR(CDCl)δ 30.3,56.0,63.1,68.5,96.3,105.5,109.1,116.1,116.5,117.7,119.7,122.3,122.8,125.8,126.1,127.0,128.0,128.4,128.6,130.3,130.4,130.8,134.0,136.1,143.9,154.8,159.0,160.1,164.0,164.0,165.0,166.0ppm.
LRMS(EI)m/z 569(100).
(実施例9)式(I−14)で表される化合物の製造
【0105】
【化32】

【0106】
撹拌装置、冷却器及び温度計を備えた反応容器に2−フルオロ−4−ヒドロキシ安息香酸(式(J−1)で表される化合物) 50.0g(0.32モル)、酢酸150mL、無水酢酸39.2g(0.38モル)及び硫酸2.5gを加え、60℃に加熱し10時間反応させた。反応液に水1Lを加え氷冷しながら1時間撹拌した後、析出した固体を濾過した。得られた固体を水1Lで2度分散洗浄した。固体を乾燥させることにより式(J−2)で表される化合物 60.9gを得た。
【0107】
撹拌装置及び温度計を備えた反応容器に式(J−2)で表される化合物 60.9g(0.31モル)、4−フルオロフェノール 31.3g(0.28モル)、N,N−ジメチルアミノピリジン 1.7g(14ミリモル)及びジクロロメタン 300mLを加え、氷冷しながら撹拌した。反応液の温度を15℃以下に保ちながらN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド 42.3g(0.34モル)を滴下した。滴下終了後、室温で5時間撹拌し反応させた。反応液を濾過し析出物を除去した後、溶媒を留去した。得られた固形物をジクロロメタンに溶解させ、カラムクロマトグラフィー(精製剤:シリカゲル 100g、溶離液:ジクロロメタン 1L)により精製した後、溶媒を留去した。得られた固形物をメタノール 240mLで分散洗浄した後、乾燥させることにより式(J−3)で表される化合物 81.5gを得た。
【0108】
撹拌装置及び温度計を備えた反応容器に式(J−3)で表される化合物 81.5g(0.28モル)、トルエン 240mL及びテトラヒドロフラン 240mLを加えた。撹拌しながらブチルアミン 30.6g(0.42モル)を滴下した。滴下終了後、室温で一晩撹拌した。5%塩酸 240mLで中和し分液した後、有機層を食塩水480mLで2回洗浄した。溶媒を留去し、フラッシュカラムクロマトグラフィー(精製剤:シリカゲル、溶離液:ジクロロメタン)により精製した。得られた固体を乾燥させることにより式(J−4)で表される化合物 25.1gを得た。
【0109】
実施例1の式(A−5)で表される化合物の製造方法と同様の方法により、式(J−5)で表される化合物を製造した。
【0110】
撹拌装置及び温度計を備えた反応容器に式(J−4)で表される化合物 25.1g(0.10モル)、6−(6−アクリロイルオキシヘキシロキシ)−2−ナフトエ酸 37.7g(0.11モル)、N,N−ジメチルアミノピリジン 0.61g(5.0ミリモル)及びジクロロメタン 180mLを加え、氷冷しながら撹拌した。反応液の温度を15℃以下に保ちながらN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド 15.1g(0.12モル)を滴下した。滴下終了後、室温で6時間撹拌し反応させた。反応液を濾過し析出物を除去した後、溶媒を留去した。得られた固形物をジクロロメタンに溶解させ、カラムクロマトグラフィー(精製剤:シリカゲル 60g、溶離液:ジクロロメタン 600mL)により精製した後、溶媒を留去した。得られた固形物をジクロロメタン 60mL及びメタノール 120mLの混合溶媒から2回再結晶させた後、乾燥させることにより式(I−14)で表される化合物 50.6gを得た。
(式(I−14)で表される化合物の物性値)
H NMR(CDCl)δ 1.29(quin,4H),1.57(quin,2H),1.71(quin,2H),4.04(t,2H),4.15(t,2H),5.80(dd,1H),6.05(dd,1H),6.43(dd,1H),6.97(s,1H),7.04(m,3H),7.13(d,2H),7.28(d,1H),7.60(d,1H),7.75(d,1H),7.92(s,1H),7.98(d,1H),8.20(d,1H),8.52(s,1H)ppm.
13C NMR(CDCl)δ 26.3,26.5,30.0,30.6,66.8,72.3,105.5,115.9,115.9,117.5,119.7,122.9,123.0,123.0,125.8,126.1,126.1,127.0,128.0,128.6,129.0,130.3,130.4,130.8,136.1,145.3,148.7,154.9,158.9,160.1,164.0,164.0,165.0ppm.
LRMS(EI)m/z 574(100).
(実施例10)
式(I−2)で表される化合物の製造
【0111】
【化33】

【0112】
実施例9において、4−フルオロフェノールをp−クレゾールに置き換える以外は同様の方法によって式(I−2)で表される化合物を製造した。
(式(I−2)で表される化合物の物性値)
H NMR(CDCl)δ 1.43(m,4H),1.62(t,2H),1.76(t,2H),2.34(s,3H),3.97(t,2H),4.16(t,2H),5.59(dd,1H),6.05(dd,1H),6.27(dd,1H),7.23(d,1H),7.25(d,2H),7.30(d,2H),7.39(s,1H),7.50(d,1H),7.87(d,1H),7.88(d,1H),7.93(d,1H),8.06(d,1H),8.32(d,1H),8.64(s,1H)ppm.
13C NMR(CDCl)δ 21.3,25.6,25.8,29.0,29.6,65.3,68.7,108.2,117.8,118.8,121.5,121.5,123.1,126.3,126.3,126.4,127.1,128.2,128.2,128.6,129.4,129.4,130.1,130.9,131.3,135.2,141.0,142.8,146.4,153.7,158.0,165.2,165.2,166.5ppm.
LRMS(EI)m/z 570(100).
(実施例11)
式(I−4)で表される化合物の製造
【0113】
【化34】

【0114】
実施例1の式(A−5)で表される化合物の製造方法と同様の方法により、式(I−4−1)で表される化合物を製造した。
【0115】
実施例2において、式(A−5)で表される化合物を式(I−4−1)で表される化合物に置き換える以外は同様の方法によって式(I−4)で表される化合物を製造した。(式(I−4)で表される化合物の物性値)
H NMR(CDCl)δ 2.11(quin,2H),2.34(s,3H),3.83(s,3H),4.20(d,2H),4.39(d,2H),5.59(dd,1H),6.05(dd,1H),6.27(dd,1H),7.03(d,1H),7.25(d,2H),7.30(d,2H),7.41(d,1H),7.58(d,1H),7.84(s,1H),7.85(d,1H),7.99(d,1H),8.16(d,1H),8.49(d,1H)ppm.
13C NMR(CDCl)δ 21.3,28.4,55.8,61.6,64.9,113.7,120.2,120.5,121.5,121.5,123.0,124.4,120.6,126.4,127.3,127.3,128.0,128.2,129.4,129.4,130.2,131.3,131.6,135.2,137.0,143.6,144.0,146.4,151.5,165.2,165.2,166.5ppm.
LRMS(EI)m/z 558(100).
(実施例12)
式(I−5)で表される化合物の製造
【0116】
【化35】

【0117】
撹拌装置及び温度計を備えた反応容器に式(D−4)で表される化合物 25.0g(0.095モル)、4−アセトキシ安息香酸 17.1g(0.095モル)、N,N−ジメチルアミノピリジン 0.6g(5.2ミリモル)及びジクロロメタン 125mLを加え、氷冷しながら撹拌した。反応液の温度を15℃以下に保ちながらN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド 14.4g(0.11モル)を滴下した。滴下終了後、室温で5時間撹拌し反応させた。反応液を濾過し析出物を除去した後、溶媒を留去した。得られた固形物をジクロロメタンに溶解させ、カラムクロマトグラフィー(精製剤:シリカゲル 32g、溶離液:ジクロロメタン 256mL)により精製した後、溶媒を留去した。得られた固形物をメタノール 96mLで分散洗浄した後、乾燥させることにより式(K−1)で表される化合物 32.3gを得た。
【0118】
撹拌装置及び温度計を備えた反応容器に式(K−1)で表される化合物 32.3g(0.076モル)、トルエン 64mL及びテトラヒドロフラン 64mLを加えた。撹拌しながらブチルアミン 6.68g(0.091モル)を滴下した。滴下終了後、室温で一晩撹拌した。5%塩酸 150mLで中和し分液した後、有機層を食塩水150mLで2回洗浄した。溶媒を留去し、得られたオイル状物質をメタノール 64mL及び水 64mLの混合溶媒から再結晶した。得られた固体を乾燥させることにより式(K−2)で表される化合物 28.3gを得た。
【0119】
撹拌装置及び温度計を備えた反応容器に式(K−2)で表される化合物 28.3g(0.074モル)、式(A−5)で表される化合物 22.2g(0.074モル)、N,N−ジメチルアミノピリジン 0.55g(4.5ミリモル)及びジクロロメタン 150mLを加え、氷冷しながら撹拌した。反応液の温度を15℃以下に保ちながらN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド 13.7g(0.11モル)を滴下した。滴下終了後、室温で6時間撹拌し反応させた。反応液を濾過し析出物を除去した後、溶媒を留去した。得られた固形物をジクロロメタンに溶解させ、カラムクロマトグラフィー(精製剤:シリカゲル 49g、溶離液:ジクロロメタン 392mL)により精製した後、溶媒を留去した。得られた固形物をジクロロメタン 49mL及びメタノール 147mLの混合溶媒から2回再結晶させた後、乾燥させることにより式(I−5)で表される化合物 39.3gを得た。
(式(I−5)で表される化合物の物性値)
H NMR(CDCl)δ 2.11(quin,2H),2.34(s,3H),4.20(t,2H),4.39(t,2H),5.59(dd,1H),6.05(dd,1H),6.27(dd,1H),7.23(d,1H),7.25(d,2H),7.30(d,2H),7.39(s,1H),7.46(d,1H),7.52(d,2H),7.88(d,1H),7.93(d,1H),8.17(d,1H),8.21(s,1H),8.32(d,1H),8.64(s,1H)ppm.
13C NMR(CDCl)δ 21.3,28.4,61.6,64.9,108.2,117.8,121.5,121.5,121.5,121.5,122.9,126.3,126.4,127.0,127.1,128.2,128.2,128.4,128.8,129.4,129.4,129.8,130.1,130.7,130.7,130.9,131.3,132.0,135.2,141.0,146.4,152.6,154.6,158.0,165.2,165.2,165.2,166.5ppm.
LRMS(EI)m/z 665(100),667(30).
(実施例13)
式(I−6)で表される化合物の製造
【0120】
【化36】

【0121】
実施例1の式(A−5)で表される化合物の製造方法と同様の方法により、式(L−5)で表される化合物を製造した。
【0122】
実施例12において、3−クロロ−4−ヒドロキシ安息香酸を4−ヒドロキシ安息香酸に、p−クレゾールをtrans−4−プロピルシクロヘキサノールに、4−アセトキシ安息香酸を3−フルオロ−4−アセトキシ安息香酸に、式(A−5)で表される化合物を式(L−5)で表される化合物に置き換える以外は同様の方法によって式(I−6)で表される化合物を製造した。
(式(I−6)で表される化合物の物性値)
H NMR(CDCl)δ 0.90(t,3H),1.25(q,2H),1.43−1.99(m,18H),2.00(quin,2H),2.87(quin,2H),3.21(dd,1H),3.37(t,2H),3.46(dd,1H),3.91(quin,1H),4.39(d,2H),7.23(d,1H),7.39(s,1H),7.48(d,2H),7.50(d,1H),7.87(d,1H),7.88(d,1H),7.93(d,1H),8.06(d,1H),8.14(d,2H),8.32(d,1H),8.64(s,1H)ppm.
13C NMR(CDCl)δ 14.4,20.5,21.3,25.8,29.0,29.4,29.7,29.7,31.0,31.0,32.3,34.7,37.1,52.0,62.0,65.0,69.0,70.9,77.9,108.2,117.8,118.8,121.5,121.5,123.1,126.3,126.3,126.4,126.9,127.1,128.2,128.6,130.1,130.3,130.3,130.9,141.0,142.8,153.7,153.7,158.0,165.2,165.2,165.9ppm.
LRMS(EI)m/z 738(100).
(実施例14)
式(I−19)で表される化合物の製造
【0123】
【化37】

【0124】
撹拌装置を備えたフラスコにクロロヒドロキノン 20.0g(0.14モル)、p−トルエンスルホン酸ピリジニウム 1.74g(6.9ミリモル)を加え、ジクロロメタン60mLに溶解させた。氷冷しながら3,4−ジヒドロ−2H−ピラン 17.5g(0.17モル)を滴下した。反応終了後、カラムクロマトグラフィーにより精製を行い、式(M−1)で表される化合物20.5gを得た。
【0125】
温度計及び撹拌装置を備えたフラスコに式(M−1)で表される化合物20.5g(0.090モル)、4−プロピルベンジルアルコール 13.5g(0.090モル)、トリフェニルホスフィン 28.3g(0.11モル)を加え、ジクロロメタン80mLに溶解させた。氷冷しながらアゾジカルボン酸ジイソプロピル 21.8g(0.11モル)を15℃を超えないよう滴下した。室温で5時間撹拌させた後、カラムクロマトグラフィーによって精製を行い、式(M−2)で表される化合物 28.6gを得た。
【0126】
フラスコに式(M−2)で表される化合物 28.6g(0.079モル)を加えテトラヒドロフラン 50mL及びメタノール 50mLに溶解させた。濃塩酸 0.5mLを加え室温で10時間撹拌した。分液処理を行った後、カラムクロマトグラフィーにより精製を行い、式(M−3)で表される化合物 21.6gを得た。
【0127】
実施例1の式(A−5)で表される化合物の製造方法と同様の方法により、式(M−4)で表される化合物を製造した。
【0128】
撹拌装置及び温度計を備えた反応容器に式(M−3)で表される化合物 21.6g(0.078モル)、式(M−4)で表される化合物 24.9g(0.078モル)、N,N−ジメチルアミノピリジン 0.55g(4.5ミリモル)及びジクロロメタン 150mLを加え、氷冷しながら撹拌した。反応液の温度を15℃以下に保ちながらN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド 11.9g(0.094モル)を滴下した。滴下終了後、室温で6時間撹拌し反応させた。反応液を濾過し析出物を除去した後、溶媒を留去した。得られた固形物をジクロロメタンに溶解させ、カラムクロマトグラフィーにより精製した後、ジクロロメタン及びメタノールの混合溶媒から2回再結晶させた後、乾燥させることにより式(I−19)で表される化合物 36.1gを得た。
(式(I−19)で表される化合物の物性値)
H NMR(CDCl)δ 0.90(t,3H),1.65(sextet,2H),2.11(quin,2H),2.62(t,2H),4.20(t,2H),4.39(t,2H),5.16(s,2H),5.59(dd,1H),6.05(dd,1H),6.27(dd,1H),7.00(d,1H),7.03(d,1H),7.14(d,1H),7.18(d,2H),7.38(d,2H),7.46(d,1H),7.58(d,1H),7.99(d,1H),8.16(d,1H),8.49(d,1H)ppm.
13C NMR(CDCl)δ 13.7,24.1,28.4,37.9,61.6,64.9,70.3,116.1,120.2,120.5,120.7,123.0,123.4,126.0,126.4,127.2,127.2,127.3,127.3,128.2,128.3,128.3,130.2,131.3,131.6,134.0,137.0,140.9,144.0,145.0,151.4,165.2,166.5ppm.
LRMS(EI)m/z 577(100),579(30).
(実施例15)
式(I−28)で表される化合物の製造
【0129】
【化38】

【0130】
温度計及び撹拌装置を備えた反応容器に4−アセトキシ安息香酸 10.0g(0.056モル)、メチルヒドロキノン 3.45g(0.028モル)、N,N−ジメチルアミノピリジン 0.34g(2.8ミリモル)及びジクロロメタン 150mLを加え、氷冷しながら撹拌した。反応液の温度を15℃以下に保ちながらN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド 7.71g(0.061モル)を滴下した。滴下終了後、室温で6時間撹拌し反応させた。反応液を濾過し析出物を除去した後、溶媒を留去した。得られた固形物をジクロロメタンに溶解させ、カラムクロマトグラフィーにより精製した後、ジクロロメタン及びメタノールの混合溶媒から2回再結晶させた後、乾燥させることにより式(N−1)で表される化合物 9.96gを得た。
【0131】
撹拌装置及び温度計を備えた反応容器に式(N−1)で表される化合物 9.96g(0.022モル)、トルエン 50mL及びテトラヒドロフラン 50mLを加えた。撹拌しながらブチルアミン 3.57g(0.061モル)を滴下した。滴下終了後、室温で一晩撹拌した。5%塩酸で中和し分液した後、カラムクロマトグラフィーにより精製した。得られた固体を乾燥させることにより式(N−2)で表される化合物 9.61gを得た。
【0132】
撹拌装置及び温度計を備えた反応容器に式(N−2)で表される化合物 9.61g(0.026モル)、式(A−5)で表される化合物 15.8g(0.053モル)、N,N−ジメチルアミノピリジン 0.32g(2.6ミリモル)及びジクロロメタン 100mLを加え、氷冷しながら撹拌した。反応液の温度を15℃以下に保ちながらN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド 7.32g(0.058モル)を滴下した。滴下終了後、室温で6時間撹拌し反応させた。反応液を濾過し析出物を除去した後、溶媒を留去した。得られた固形物をジクロロメタンに溶解させ、カラムクロマトグラフィーにより精製した後、ジクロロメタン及びメタノールの混合溶媒から2回再結晶させた後、乾燥させることにより式(I−28)で表される化合物 19.6gを得た。
(式(I−28)で表される化合物の物性値)
H NMR(CDCl)δ 2.11(quin,4H),2.15(s,3H),4.20(t,4H),4.39(t,4H),5.59(dd,2H),6.05(dd,2H),6.27(dd,2H),7.23(d,2H),7.25(d,1H),7.39(s,2H),7.42(d,1H),7.46(d,1H),7.52(d,4H),7.88(d,2H),7.93(d,2H),8.29(d,4H),8.32(d,2H)ppm.
13C NMR(CDCl)δ 15.3,28.4,61.6,64.9,108.2,117.8,119.0,121.5,121.5,121.9,123.6,126.3,126.4,127.0,127.1,128.2,128.2,130.1,130.7,130.9,131.1,131.3,141.0,147.1,150.2,154.6,158.0,165.2,165.2,166.5ppm.
LRMS(EI)m/z 928(100).
(実施例16)
式(I−30)で表される化合物の製造
【0133】
【化39】

【0134】
温度計及び撹拌装置を備えた反応容器に式(N−2)で表される化合物 15.0g(0.041モル)、2−アセトキシ−6−ナフトエ酸 19.0g(0.082モル)、N,N−ジメチルアミノピリジン 0.50g(4.1ミリモル)及びジクロロメタン 150mLを加え、氷冷しながら撹拌した。反応液の温度を15℃以下に保ちながらN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド 11.4g(0.091モル)を滴下した。滴下終了後、室温で6時間撹拌し反応させた。反応液を濾過し析出物を除去した後、溶媒を留去した。得られた固形物をジクロロメタンに溶解させ、カラムクロマトグラフィーにより精製した後、ジクロロメタン及びメタノールの混合溶媒から2回再結晶させた後、乾燥させることにより式(AA−1)で表される化合物 26.0gを得た。
【0135】
撹拌装置及び温度計を備えた反応容器に式(AA−1)で表される化合物 26.0g(0.033モル)、トルエン 50mL及びテトラヒドロフラン 50mLを加えた。撹拌しながらブチルアミン 6.62g(0.091モル)を滴下した。滴下終了後、室温で一晩撹拌した。5%塩酸で中和し分液した後、カラムクロマトグラフィーにより精製した。得られた固体を乾燥させることにより式(AA−2)で表される化合物 27.6gを得た。
【0136】
撹拌装置及び温度計を備えた反応容器に式(AA−2)で表される化合物 27.6g(0.039モル)、トリエチルアミン 5.1g(0.086モル)を加えジクロロメタン 100mLに懸濁させた。氷冷しながら塩化アクリロイル 7.43g(0.082モル)を反応温度が15℃を超えないよう滴下した。室温で5時間撹拌した後、5%塩酸及び食塩水で分液処理した。カラムクロマトグラフィーにより精製した後、ジクロロメタン及びメタノールの混合溶媒から2回再結晶を行い、式(I−30)で表される化合物 31.2gを得た。
(式(I−30)で表される化合物の物性値)
H NMR(CDCl)δ 2.15(s,3H),5.59(dd,2H),6.05(dd,2H),6.27(dd,2H),7.23(d,2H),7.25(d,1H),7.39(s,2H),7.42(d,1H),7.46(d,1H),7.52(d,4H),7.88(d,2H),7.93(d,2H),8.29(d,4H),8.32(d,2H)ppm.
13C NMR(CDCl)δ 15.3,108.2,117.8,119.0,121.5,121.5,121.9,123.6,126.3,126.4,127.0,127.1,128.2,128.2,130.1,130.7,130.9,131.1,131.3,141.0,147.1,150.2,154.6,158.0,165.2,165.2,166.5ppm.
LRMS(EI)m/z 939(100).
(実施例17)
式(I−42)で表される化合物の製造
【0137】
【化40】

【0138】
撹拌装置を備えたフラスコに3−クロロ−4−ヒドロキシベンズアルデヒド 20.0g(0.13モル)、p−トルエンスルホン酸ピリジニウム 1.74g(6.9ミリモル)を加え、ジクロロメタン80mLに溶解させた。氷冷しながら3,4−ジヒドロ−2H−ピラン 17.5g(0.17モル)を滴下した。反応終了後、カラムクロマトグラフィーにより精製を行い、式(AB−1)で表される化合物30.1gを得た。
【0139】
撹拌装置及び温度計を備えた反応容器にトリフェニルホスフィン 36.1g(0.14モル)、tert−ブトキシカリウム 15.5g(0.14モル)を加えテトラヒドロフラン 100mLに懸濁させた。−20℃に冷却しながら4−ブロモベンジルブロミド 31.3g(0.13モル)のテトラヒドロフラン溶液を滴下した。−20℃で1時間撹拌した後、式(AB−1)で表される化合物30.1g(0.13モル)のテトラヒドロフラン溶液を滴下した。さらに−20℃で1時間撹拌した後、室温で5時間撹拌した。カラムクロマトグラフィーにより精製を行い、式(AB−2)で表される化合物 39.4gを得た。
【0140】
耐圧反応容器に式(AB−2)で表される化合物 39.4g(0.10モル)、テトラヒドロフラン 200mL、2.5%パラジウム担持フィブロイン 1.9gを加え、水素雰囲気(0.5MPa)で6時間反応させた。触媒を濾過した後、カラムクロマトグラフィーにより精製を行い、式(AB−3)で表される化合物 35.7gを得た。
【0141】
加熱装置、温度計及び撹拌装置を備えた反応容器に式(AB−3)で表される化合物 35.7g(0.090モル)、ヨウ化銅(I)0.34g(1.8ミリモル)、トリメチルシリルアセチレン 13.3g(0.14モル)を加え、トリエチルアミン 35mL及びN,N−ジメチルホルムアミド 105mLに溶解させた。反応容器を窒素ガス雰囲気にした後、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0) 1.04g(0.90ミリモル)を加え、90℃で10時間加熱撹拌した。トルエン及び水を加え分液処理した後、カラムクロマトグラフィーにより精製を行い、式(AB−4)で表される化合物 24.2gを得た。
【0142】
撹拌装置を備えた反応容器に式(AB−4)で表される化合物 24.2g(0.059モル)を加え、メタノール150mLに溶解させた。炭酸カリウム 12.1g(0.088モル)を加え、室温で10時間撹拌した。5%塩酸及び酢酸エチルを加え分液処理した後、カラムクロマトグラフィーにより精製を行い、式(AB−5)で表される化合物 19.4gを得た。
【0143】
加熱装置、温度計及び撹拌装置を備えた反応容器に式(AB−5)で表される化合物 19.4g(0.057モル)、ヨウ化銅(I)0.22g(1.1ミリモル)、6−ブロモ−2−ナフトール 12.7g(0.057モル)を加え、トリエチルアミン 20mL及びN,N−ジメチルホルムアミド 60mLに溶解させた。反応容器を窒素ガス雰囲気にした後、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0) 0.66g(0.57ミリモル)を加え、90℃で10時間加熱撹拌した。トルエン及び水を加え分液処理した後、カラムクロマトグラフィーにより精製を行い、式(AB−6)で表される化合物 13.7gを得た。
【0144】
撹拌装置及び温度計を備えた反応容器に式(AB−6)で表される化合物 13.7g(0.028モル)、トリエチルアミン 3.7g(0.037モル)を加えジクロロメタン 80mLに懸濁させた。氷冷しながら塩化アクリロイル 3.1g(0.034モル)を反応温度が15℃を超えないよう滴下した。室温で5時間撹拌した後、5%塩酸及び食塩水で分液処理した。カラムクロマトグラフィーにより精製した後、ジクロロメタン及びメタノールの混合溶媒から2回再結晶を行い、式(AB−7)で表される化合物 14.5gを得た。
【0145】
フラスコに式(AB−7)で表される化合物 14.5g(0.027モル)を加えテトラヒドロフラン 50mL及びメタノール 50mLに溶解させた。濃塩酸 0.5mLを加え室温で10時間撹拌した。分液処理を行った後、カラムクロマトグラフィーにより精製を行い、式(AB−8)で表される化合物 12.0gを得た。
【0146】
撹拌装置及び温度計を備えた反応容器に式(AB−8)で表される化合物 12.0g(0.026モル)、4−アセトキシ−3−メトキシ安息香酸 5.56g(0.026モル)、N,N−ジメチルアミノピリジン 0.32g(2.6ミリモル)及びジクロロメタン 50mLを加え、氷冷しながら撹拌した。反応液の温度を15℃以下に保ちながらN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド 4.0g(0.032モル)を滴下した。滴下終了後、室温で6時間撹拌し反応させた。反応液を濾過し析出物を除去した後、溶媒を留去した。得られた固形物をジクロロメタンに溶解させ、カラムクロマトグラフィーにより精製した後、ジクロロメタン及びメタノールの混合溶媒から2回再結晶させた後、乾燥させることにより式(AB−9)で表される化合物 13.7gを得た。
【0147】
撹拌装置及び温度計を備えた反応容器に式(AB−9)で表される化合物 13.7g(0.021モル)、トルエン 30mL及びテトラヒドロフラン 30mLを加えた。撹拌しながらブチルアミン 2.32g(0.032モル)を滴下した。滴下終了後、室温で一晩撹拌した。5%塩酸 100mLで中和し分液した後、有機層を食塩水で洗浄した。アセトン/ヘキサン混合溶媒で再結晶を行い、得られた固体を乾燥させることにより式(AB−10)で表される化合物 11.1gを得た。
【0148】
撹拌装置及び温度計を備えた反応容器に式(AB−10)で表される化合物 11.1g(0.018モル)、式(A−5)で表される化合物 5.53g(0.018モル)、N,N−ジメチルアミノピリジン 0.22g(1.8ミリモル)及びジクロロメタン 100mLを加え、氷冷しながら撹拌した。反応液の温度を15℃以下に保ちながらN,N’−ジイソプロピルカルボジイミド 2.8g(0.022モル)を滴下した。滴下終了後、室温で6時間撹拌し反応させた。反応液を濾過し析出物を除去した後、溶媒を留去した。カラムクロマトグラフィーにより精製した後、ジクロロメタン及びメタノールの混合溶媒から2回再結晶させた後、乾燥させることにより式(I−42)で表される化合物 13.0gを得た。
(式(I−42)で表される化合物の物性値)
H NMR(CDCl)δ 2.11(quin,2H),2.82(t,4H),3.83(s,3H),4.20(t,2H),4.39(t,2H),5.50(dd,1H),5.59(dd,1H),6.03(dd,1H),6.05(dd,1H),6.10(dd,1H),6.27(dd,1H),7.16(d,1H),7.23(d,1H),7.24(d,1H),7.25(d,2H),7.39(s,1H),7.40(d,1H),7.41(d,1H),7.54(d,2H),7.55(d,1H),7.56(s,1H),7.63(d,1H),7.84(s,1H),7.85(d,1H),7.88(d,1H),7.93(d,1H),7.95(d,1H),8.29(d,1H),8.32(d,1H),8.64(s,1H)ppm.
13C NMR(CDCl)δ 28.4,36.9,37.4,55.8,61.6,64.9,89.7,93.3,108.2,109.5,113.7,117.3,117.6,117.8,119.9,122.9,123.0,124.4,126.0,126.3,126.4,127.1,127.3,127.5,128.0,128.2,128.2,128.7,129.7,129.8,129.8,129.8,129.9,130.0,130.1,130.9,131.3,131.5,132.2,132.2,134.1,134.4,137.6,141.0,141.8,143.6,144.6,151.5,153.4,158.0,164.3,165.2,165.2,166.5ppm.
LRMS(EI)m/z 885(100),887(30).
(実施例18)
式(I−46)で表される化合物の製造
【0149】
【化41】

【0150】
実施例8において、式(A−2)で表される化合物を4−アセトキシ−2−クロロ安息香酸に、4−シアノ−3−フルオロフェノールを2,4−ジメチルフェノールに置き換えた以外は同様の方法によって式(I−46)で表される化合物を製造した。
(式(I−46)で表される化合物の物性値)
H NMR(CDCl)δ 2.11(quin,2H),2.15(s,3H),2.34(s,3H),4.20(t,2H),4.39(t,2H),5.59(dd,1H),6.05(dd,1H),6.27(dd,1H),7.11(d,1H),7.13(d,1H),7.17(s,1H)7.23(d,1H),7.39(s,1H)7.40(d,1H),7.72(s,1H),7.88(d,1H),7.93(d,1H),8.23(d,1H),8.32(d,1H),8.64(s,1H)ppm.
13C NMR(CDCl)δ 15.6,21.6,28.4,61.6,64.9,108.2,117.8,119.6,122.3,122.9,126.3,126.4,126.4,127.1,128.2,128.2,128.6,130.1,130.4,130.9,131.3,131.3,132.1,135.1,135.4,141.0,147.3,157.9,158.0,165.2,165.2,166.5ppm.
LRMS(EI)m/z 559(100),561(30).
(実施例18)
式(I−48)で表される化合物の製造
【0151】
【化42】

【0152】
実施例1の式(A−5)で表される化合物の製造方法と同様の方法により、式(AC−1)で表される化合物を製造した。
【0153】
実施例1において、式(A−5)で表される化合物を式(AC−1)で表される化合物に置き換えた以外は同様の方法によって、式(I−48)で表される化合物を製造した。
(式(I−48)で表される化合物の物性値)
H NMR(CDCl)δ 2.01(s,3H),2.21(s,3H),2.27(quin,2H),2.35(s,3H),3.92(s,3H),4.24(t,2H),4.43(t,2H),5.85(dd,1H),6.15(dd,1H),6.43(dd,1H),7.01〜7.10(m,3H),7.20〜7.24(m,2H),7.34(d,1H),7.81〜7.95(m,4H),8.17(dd,1H),8.74(s,1H)ppm.
13C NMR(CDCl)δ 16.2,17.9,20.9,28.6,56.2,61.3,64.5,106.5,114.0,120.0,121.6,123.2,123.3,123.9,126.3,127.0,127.5,127.9,128.2,128.3,129.8,131.0,131.1,131.8,132.0,135.7,137.6,144.6,147.3,151.6,159.1,164.4,164.6,166.2ppm.
LRMS(EI)m/z 568(100).
(実施例19)
式(I−49)で表される化合物の製造
【0154】
【化43】

【0155】
実施例1の式(A−5)で表される化合物の製造方法と同様の方法により、式(AD−1)で表される化合物を製造した。
【0156】
実施例10において、式(I−2−1)で表される化合物を式(AD−1)で表される化合物に置き換えた以外は同様の方法によって、式(I−49)で表される化合物を製造した。
(式(I−49)で表される化合物の物性値)
H NMR(CDCl)δ 1.43(m,4H),1.62(t,2H),1.76(t,2H),2.01(s,3H),2.34(s,3H),3.97(t,2H),4.16(t,2H),5.59(dd,1H),6.05(dd,1H),6.27(dd,1H),7.23(d,1H),7.25(d,2H),7.30(d,2H),7.39(s,1H),7.50(d,1H),7.87(d,1H),7.88(d,1H),7.93(d,1H),8.06(d,1H),8.32(d,1H),8.64(s,1H)ppm.
13C NMR(CDCl)δ 17.9,21.3,25.6,25.8,29.0,29.6,65.3,68.7,108.2,117.8,118.8,121.5,121.5,123.1,126.3,126.3,126.4,127.1,128.2,128.2,128.6,129.4,129.4,130.1,130.9,131.3,135.2,141.0,142.8,146.4,153.7,158.0,165.2,165.2,166.5ppm.
LRMS(EI)m/z 584(100).
(実施例20)
式(I−52)で表される化合物の製造
【0157】
【化44】

【0158】
実施例12において、式(A−5)で表される化合物を式(AC−1)で表される化合物に置き換えた以外は同様の方法によって、式(I−52)で表される化合物を製造した。
(式(I−52)で表される化合物の物性値)
H NMR(CDCl)δ 2.01(s,3H),2.11(quin,2H),2.34(s,3H),4.20(t,2H),4.39(t,2H),5.59(dd,1H),6.05(dd,1H),6.27(dd,1H),7.23(d,1H),7.25(d,2H),7.30(d,2H),7.39(s,1H),7.46(d,1H),7.52(d,2H),7.88(d,1H),7.93(d,1H),8.17(d,1H),8.21(s,1H),8.32(d,1H),8.64(s,1H)ppm.
13C NMR(CDCl)δ 17.9,21.3,28.4,61.6,64.9,108.2,117.8,121.5,121.5,121.5,121.5,122.9,126.3,126.4,127.0,127.1,128.2,128.2,128.4,128.8,129.4,129.4,129.8,130.1,130.7,130.7,130.9,131.3,132.0,135.2,141.0,146.4,152.6,154.6,158.0,165.2,165.2,165.2,166.5ppm.
LRMS(EI)m/z 678(100),680(30).
(実施例21、比較例1)
実施例1から実施例4に記載の本願発明の式(I−1)、式(I−3)、式(I−7)及び式(I−8)で表される化合物及び当技術分野において高い屈折率異方性を有する事が知られている特開2008−88291号公報記載の比較化合物1、特開2008−195762号公報記載の比較化合物2、特開平2−238087号公報記載の比較化合物3及びEP1786887B1号公報に記載の比較化合物4、特開2008−179654号公報記載の比較化合物5、特開2007−119415号公報記載の比較化合物6の物性値を下記表1に記載した。
【0159】
【化45】

【0160】
【表1】

【0161】
本願発明の式(I−1)、式(I−3)、式(I−7)及び式(I−8)で表される化合物はいずれも広い温度域においてネマチック液晶相を示すことから、組成物に添加することにより組成物の液晶相を安定化する効果が期待される。比較化合物2は単体では昇温過程において液晶相を示さないことから、組成物に添加すると組成物の液晶相温度域が狭くなるといったデメリットがある。
【0162】
また、当該化合物の保存安定性を評価するために、化合物VI(30%)、化合物VII(30%)、化合物VIII(30%)及び化合物IX(10%)からなる母体液晶に対して当該化合物を10%から60%まで5%刻みで添加した重合性液晶組成物を各々調製した。調製した重合性液晶組成物を25℃で10時間放置した後、結晶の析出が起こらない当該化合物の最大添加濃度を上記表1に記載した。本願発明の式(I−1)、式(I−3)、式(I−7)及び式(I−8)で表される化合物はいずれも比較化合物1から比較化合物6のいずれの化合物と比較しても結晶の析出が起こらない当該化合物の最大添加濃度は高く、従って高い保存安定性を示すことがわかった。
【0163】
【化46】

【0164】
本願発明の式(I−1)、式(I−3)、式(I−7)、式(I−8)、式(I−28)、式(I−30)、式(I−48)及び式(I−52)で表される化合物及び比較化合物1から比較化合物6を含む重合性液晶組成物を下記表2及び3のように調製した。
【0165】
【表2】

【0166】
【表3】

【0167】
本願発明の式(I−1)、式(I−3)、式(I−7)及び式(I−8)で表される化合物を含有する本願組成物1から本願組成物4は、いずれも広い温度域でキラルネマチック液晶相を示し、また高い屈折率異方性を有することが分かる。
【0168】
【表4】

【0169】
次に、本願組成物1から本願組成物8及び比較組成物1から比較組成物6のそれぞれの重合性液晶組成物98%に光重合開始剤イルガキュア907(チバスペシャリティーケミカル社製)を2%添加した後シクロヘキサノンに溶解させ、ポリイミド付きガラスにスピンコートし、これに高圧水銀ランプを用いて4mW/cmの紫外線を120秒間照射し、本願重合体1から本願重合体8及び比較重合体1から比較重合体6を得た。得られた重合体のヘイズ値と外観を評価した。ヘイズ値は下記式
ヘイズ(%)=Td/Tt×100
(式中、Tdは拡散透過率、Ttは全光線透過率を表す。)で表され、測定にはヘイズ測定装置(日本電色工業株式会社製NHD2000)を用い、基板上5カ所について測定を行い、その平均をとった。また、目視によって重合体上にムラ等が無く全体に均一であれば◎、ムラが見られる場合はムラの程度によって△又は×とした。本願発明の式(I−1)、式(I−3)、式(I−7)、式(I−8)、式(I−28)、式(I−30)、式(I−48)及び式(I−52)で表される化合物を含有する本願重合体1から本願重合体8においては、いずれもヘイズ値が低く、ムラも無く均一な重合体が得られた。一方、比較重合体1及び比較重合体3においては、ヘイズ値が高く、重合体上に白い筋状のムラが生じており不均一な重合体が得られた。比較重合体2、比較重合体4、比較重合体5及び比較重合体6においては重合体上に白い筋状のムラが若干生じた。
【0170】
このように、本願発明の化合物はいずれも屈折率異方性が大きく、比較化合物に対して保存安定性が高いことが分かる。また、本願発明の化合物を含有する重合性液晶組成物を重合させた場合、ヘイズ値が低くムラも無いことから、本願発明の化合物は高い配向性を有することが分かる。従って、コレステリック構造を有する光学フィルム等の用途に有用である。
【0171】
【表5】

※外観:◎ 良好、△ 若干ムラ有り、× ムラ多い

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I)
【化1】

(式中、Pは下記の式(P−1)から式(P−15)で表される重合性基
【化2】

から選ばれる置換基を表し、Sは1個の−CH−若しくは隣接していない2個以上の−CH−が各々独立して−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CO−S−、−S−CO−、−O−CO−O−、−CO−NH−、−NH−CO−に置き換えられても良い炭素原子数1から20のアルキレン基又は単結合を表し、Xは各々独立して−O−、−S−、−OCH−、−CHO−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CO−S−、−S−CO−、−O−CO−O−、−CO−NH−、−NH−CO−、−SCH−、−CHS−、−CFO−、−OCF−、−CFS−、−SCF−、−CHCH−、−CHCF−、−CFCH−、−CFCF−、−CH=CH−COO−、−CH=CH−OCO−、−COO−CH=CH−、−OCO−CH=CH−、−COO−CHCH−、−OCO−CHCH−、−CHCH−COO−、−CHCH−OCO−、−COO−CH−、−OCO−CH−、−CH−COO−、−CH−OCO−、−CY=CY−、−C≡C−又は単結合を表し(式中、Y及びYは各々独立して水素原子、炭素原子数1から12のアルキル基、フッ素原子、塩素原子又はシアノ基を表す。)、
からLは各々独立して水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、ニトロ基、炭素原子数1から7のアルキル基、炭素原子数1から7のアルコキシ基又は炭素原子数1から7のアルカノイル基を表すが、該アルキル基、アルコキシ基又はアルカノイル基中に存在する1個以上の水素原子はフッ素原子又は塩素原子により置き換えられても良く、MからMは各々独立して水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、ニトロ基、炭素原子数1から7のアルキル基、炭素原子数1から7のアルコキシ基、炭素原子数1から7のアルカノイル基又は−X−S−P(式中、X、S及びPは各々前記X、S及びPと同様の意味を表すが、各々同一の基であっても異なった基でもよい。)を表すが、該アルキル基、アルコキシ基又はアルカノイル基中に存在する1個以上の水素原子はフッ素原子又は塩素原子により置き換えられても良く、MからMの全てが同一に水素原子となることはなく、A、A及びAは各々独立して1,4−フェニレン基、ナフタレン−2,6−ジイル基、1,4−シクロへキシレン基、1,4−シクロヘキセニレン基、1,4−ビシクロ[2.2.2]オクチレン基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、ピリジン−2,6−ジイル基、ピリミジン−2,5−ジイル基又は1,3−ジオキサン−2,5−ジイル基を表すが、これらの基は無置換であっても良く、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、ニトロ基、炭素原子数1から7のアルキル基、炭素原子数1から7のアルコキシ基又は炭素原子数1から7のアルカノイル基によって置換されていても良く、これらのアルキル基、アルコキシ基又はアルカノイル基は1個以上の水素原子がフッ素原子若しくは塩素原子により置き換えられても良く、A及び/又はAが複数存在する場合それらは同一であっても異なっていても良く、Z、Z及びZは各々独立して−OCH−、−CHO−、−COO−、−OCO−、−CO−S−、−S−CO−、−CO−NH−、−NH−CO−、−SCH−、−CHS−、−CFO−、−OCF−、−CFS−、−SCF−、−CHCH−、−CHCF−、−CFCH−、−CFCF−、−CH=CH−COO−、−CH=CH−OCO−、−COO−CH=CH−、−OCO−CH=CH−、−COO−CHCH−、−OCO−CHCH−、−CHCH−COO−、−CHCH−OCO−、−COO−CH−、−OCO−CH−、−CH−COO−、−CH−OCO−、−CY=CY−、−C≡C−又は単結合を表すが(式中、Y及びYは各々独立して水素原子、炭素原子数1から12のアルキル基、フッ素原子、塩素原子又はシアノ基を表す。)、Z、Z及びZが複数存在する場合それらは同一であっても異なっていてもよく、Zは−OCH−、−CHO−、−COO−、−OCO−、−CO−S−、−S−CO−、−CO−NH−、−NH−CO−、−SCH−、−CHS−、−CFO−、−OCF−、−CFS−、−SCF−、−CHCH−、−CHCF−、−CFCH−、−CFCF−、−CH=CH−COO−、−CH=CH−OCO−、−COO−CH=CH−、−OCO−CH=CH−、−COO−CHCH−、−OCO−CHCH−、−CHCH−COO−、−CHCH−OCO−、−COO−CH−、−OCO−CH−、−CH−COO−、−CH−OCO−、−CY=CY−又は単結合を表し(式中、Y及びYは各々独立して水素原子、炭素原子数1から12のアルキル基、フッ素原子、塩素原子又はシアノ基を表す。)、Rはフッ素原子、塩素原子、シアノ基、炭素原子数1から12のアルキル基、又は−X−S−P(式中、X、S及びPは各々前記X、S及びPと同様の意味を表すが、各々同一の基であっても異なった基でもよい。)を表すが、該アルキル基中に存在する1個以上の水素原子はフッ素原子、塩素原子、シアノ基により置き換えられても良く、また、該アルキル基中の1個の−CH−若しくは隣接していない2個以上の−CH−が各々独立して−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CO−S−、−S−CO−、−O−CO−O−、−CO−NH−、−NH−CO−、−CH=CH−、−CH=CF−、−CF=CH−又は−C≡C−によって置き換えられても良く、m及びmは各々独立して0又は1を表すが、Rが−X−S−Pを表し、m=0、m=0を表す場合、Aはナフタレン−2,6−ジイル基以外の基を表し、S及びSのうち一方のみが単結合を表すことは無い。)で表される重合性化合物。
【請求項2】
一般式(I)において、MからMのいずれか1個がフッ素原子、塩素原子、シアノ基、ニトロ基、炭素原子数1から7のアルキル基、炭素原子数1から7のアルコキシ基又は炭素原子数1から7のアルカノイル基であって、該アルキル基、アルコキシ基又はアルカノイル基中に存在する1個以上の水素原子はフッ素原子又は塩素原子により置き換えられても良い基を表し、残りの3個が水素原子を表す請求項1に記載の重合性化合物。
【請求項3】
一般式(I)において、LからLが水素原子、フッ素原子又は塩素原子を表す請求項1又は2に記載の重合性化合物。
【請求項4】
一般式(I)において、Z、Z及びZが各々独立して−COO−、−OCO−、−CH=CH−COO−、−CH=CH−OCO−、−COO−CH=CH−、−OCO−CH=CH−、−COO−CHCH−、−OCO−CHCH−、−CHCH−COO−、−CHCH−OCO−、−COO−CH−、−OCO−CH−、−CH−COO−、−CH−OCO−、−C≡C−又は単結合を表す請求項1から3のいずれか一項に記載の重合性化合物。
【請求項5】
一般式(I)において、Zが−COO−、−OCO−、−CH=CH−COO−、−CH=CH−OCO−、−COO−CH=CH−、−OCO−CH=CH−、−COO−CHCH−、−OCO−CHCH−、−CHCH−COO−、−CHCH−OCO−、−COO−CH−、−OCO−CH−、−CH−COO−、−CH−OCO−又は単結合を表す請求項1から4のいずれか一項に記載の重合性化合物。
【請求項6】
一般式(I)において、Z及びZが各々独立して−COO−、−OCO−、−CH=CH−COO−、−CH=CH−OCO−、−COO−CH=CH−、−OCO−CH=CH−又は単結合を表す請求項1から5のいずれか一項に記載の重合性化合物。
【請求項7】
一般式(I)において、Mがフッ素原子、塩素原子、シアノ基、メチル基又はメトキシ基を表し、MからMが水素原子を表す請求項1から6のいずれか一項に記載の重合性化合物。
【請求項8】
一般式(I)において、mが0を表す請求項1から7のいずれか一項に記載の重合性化合物。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載の重合性化合物を含有する重合性液晶組成物。
【請求項10】
請求項9記載の重合性液晶組成物を重合させることにより得られる重合体。
【請求項11】
請求項10記載の重合体を用いた光学異方体。

【公開番号】特開2012−214756(P2012−214756A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−73766(P2012−73766)
【出願日】平成24年3月28日(2012.3.28)
【出願人】(000002886)DIC株式会社 (2,597)
【Fターム(参考)】