説明

重合性組成物、その硬化物、硬化物の製造方法、およびハードコート物品

【課題】数十nm〜数μmと薄膜なハードコート層を形成できる重合性組成物、その硬化物、硬化物の製造方法、およびハードコート物品の提供。
【解決手段】下記一般式(I)または一般式(II)で表される化合物を含む重合性組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、重合性組成物、その硬化物、硬化物の製造方法、およびハードコート物品に関する。特に、大気下等の酸素存在下であっても、厚み数十nm〜数μmという薄膜ハードコートを形成できる重合性組成物、それを硬化してなる硬化物、及びハードコートされた物品に関するものであり、コーティング材料、塗料、及び各種成形材料等として好適に用いられるものに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、プラスチック材料は自動車や家電業界をはじめとして、多くの産業界で大量に使用されている。このようにプラスチック材料が大量に使われる理由は、軽量で安価、光学特性等透明性を持つ、加工性に優れる等理由による。しかし、これらプラスチック材料は、ガラスや金属等に比較して軟らかいために表面に傷が付き易いという欠点を有している。そのため、プラスチック材料の表面にハードコート処理を施し、その耐磨耗性や耐擦傷性、および表面硬度を向上させる試みがなされてきた。
【0003】
プラスチック材料にハードコート処理を行うにあたり、プラスチック材料の優れた機械特性を損なわずに表面の傷つき性を改善するには、ハードコート層の厚みを数十nm〜数μm程度に薄くすることが望ましい。ハードコート層は、概して堅いが脆い傾向があり、その厚みが厚い場合には、ハードコート処理されたプラスチック材料の耐衝撃性等の機械特性が損なわれてしまう。
【0004】
そのため、ハードコート層を数十nm〜数μm程度に薄くする試みがなされているが、広く使用されているアクリレート/メタクリレート系ハードコート用材料は、硬化時に溶存酸素の影響を受け易く、特に、薄膜硬化に対しては酸素の影響を大きく受けることから、大気下での硬化には大きな課題があった。この様な酸素の影響に対し、雰囲気を不活性ガスで置換する方法や、上層に酸素遮断層を設けてから硬化させる方法、カチオン重合系ハードコート材を使用する方法等が提案されている。
【0005】
雰囲気を不活性ガスで置換する方法は、幅広フィルムや大型成形品の硬化には設備全体を不活性ガスで置換する必要があるため、維持コストが膨大になる課題がある。上層に酸素遮断層を設ける方法は表面硬度が低下してしまう等、得られるハードコート物品の性能に影響するためにその使用は大きく制限される。そして、エポキシ系材料等を使用するカチオン重合系ハードコート材は水分の影響を非常に受け易く、製造現場の湿度制御を厳密に行う必要があり、不活性ガスを使用する方法以上に維持コストが必要となる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記現状に鑑み、大気下など酸素雰囲気であっても、数十nm〜数μmと薄膜なハードコート層を形成できる重合性組成物、その硬化物、硬化方法、及びハードコートされた物品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、これらの欠点を解決すべく鋭意検討した結果、特定の重合性化合物を用いることにより上記目的が達成されることを見出し、本発明を完成するに至った。本発明の上記目的は下記の手段により解決された。
<1> 下記一般式(I)または一般式(II)で表される化合物を含む重合性組成物。
【0008】
【化1】

【0009】
(一般式中、QはCNまたはCOXで表される基であり、Xは、ヒドロキシ基、置換オキシ基、置換チオ基、アミノ基、置換アミノ基、ヘテロ環基(但し、ヘテロ原子で連結している)、ハロゲン原子を表す。Xは置換オキシ基、置換アミノ基、ヘテロ環基(但し、ヘテロ原子で連結している)又はハロゲン原子を表す。Z又はZは、連結原子がヘテロ原子であって、部分構造として下記一般式(III)で表される2価基を含む連結基である。Ra、Rb、Rc、及びRdは各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基又は有機残基を表す。また、RaとRb、XとRaあるいはRb、QとRaあるいはRb、が互いに結合して環状構造を形成しても良い。nは2〜6の整数をあらわす。)
【0010】
【化2】

【0011】
<2> さらに、少なくとも1つのSH基を有するチオール化合物を含有することを特徴とする<1>に記載の重合性組成物。
<3> 前記チオール化合物がSH基を2つ以上有するチオール化合物であることを特徴とする<2>に記載の重合性組成物。
<4> 前記チオール化合物を1質量%〜25質量%含有することを特徴とする<2>又は<3>に記載の重合性組成物。
<5> さらに重合開始剤を含有することを特徴とする<1>〜<4>のいずれかに記載の重合性組成物。
<6> 前記重合開始剤が光重合開始剤であって0.1質量%〜15質量%含有することを特徴とする<5>に記載の重合性組成物。
<7> さらに無機フィラーを含有することを特徴とする<1>〜<6>のいずれかに記載の重合性組成物。
<8> 前記無機フィラーを0.5質量%〜80質量%含有することを特徴とする<7>に記載の重合性組成物。
<9> <1>〜<8>のいずれかに記載の重合性組成物を硬化してなる硬化物。
<10> <1>〜<8>のいずれかに記載の重合性組成物に、250nm〜800nmの波長の光を照射して硬化することを特徴とする硬化物の製造方法。
<11> <9>の硬化物をその表面に配置してなることを特徴とするハードコート物品。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、大気下などの酸素雰囲気下においても、数十nm〜数μmと薄膜なハードコート層を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明をさらに詳しく説明する。
【0014】
[重合性化合物]
本発明の重合性組成物は、一般式(I)又は一般式(II)で表される構造を有する化合物を含有する。一般式(I)又は一般式(II)で示される構造は、1価あるいは2価以上の置換基となっていてもよいし、一般式(I)又は一般式(II)におけるRa、Rb、Rc、Rd、X、Xが全て末端基を表して、それ自身で1つの化合物となっていてもよい。一般式(I)又は一般式(II)で示される構造が1価あるいは2価以上の置換基となっている場合には、一般式(I)又は一般式(II)におけるRa、Rb、Rc、Rd、X、及びXのうち少なくとも1つが、1つ以上の結合手を有する。更に、X、Xがn個の連結可能な部位を有する連結基となって、その末端に一般式(I)又は一般式(II)で示される基をn個連結していても良い(nは2以上の整数)(多量体)。さらに、X、Xのうち少なくとも1つで、重合体鎖に結合していてもよい。即ち、重合体鎖の側鎖に一般式(I)又は一般式(II)で表される構造が存在する形態を取っていてもよい。
【0015】
一般式(II)において、QはCNまたはCOXで表される基である。これらは必要に応じて適宜選択することができる。一般式(II)においてnが2〜6の整数であり、ここでQがCNまたはCOX単独とは限定されず、CNおよびCOXが併用されていても良い。その場合、各々のCN基やCOX基の組合せは任意である。
【0016】
ここで、重合体鎖としては後述の線状有機高分子重合体が挙げられる。具体的には、ポリウレタン、ノボラック、ポリビニルアルコール等のようなビニル系高分子、ポリヒドロシスチレン、ポリスチレン、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリ(メタ)アクリル酸アミド、ポリアセタール等が挙げられる。これら重合体はホモポリマーでも、コポリマー(共重合体)でもよい。該一般式(I)又は一般式(II)において、X、Xは、ヘテロ原子又はハロゲン原子を表すが、それらが末端基になってもよいし、また連結基となり、他の置換基(ここで置換基としては、上述の如く、一般式(I)又は一般式(II)の構造や重合体鎖も含む)に連結されてもよい。ヘテロ原子としては、好ましくは非金属原子であり、具体的には酸素原子、イオウ原子、窒素原子、リン原子が挙げられる。
【0017】
ハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、フッ素原子等が挙げられる。Xとして好ましくは、ハロゲン原子、あるいはXが連結基となり、そこに他の置換基が連結されている基として、ヒドロキシル基、置換オキシ基、メルカプト基、置換チオ基、アミノ基、置換アミノ基、スルホ基、スルホナト基、置換スルフィニル基、置換スルホニル基、ホスホノ基、置換ホスホノ基、ホスホナト基、置換ホスホナト基、ニトロ基、又はヘテロ環基(但し、ヘテロ原子で連結している)を表す。Xとして好ましくは、ハロゲン原子、あるいはXが連結基となり、そこに他の置換基が連結されている基として、ヒドロキシル基、置換オキシ基、メルカプト基、置換チオ基、アミノ基、置換アミノ基、又はヘテロ環基(但し、ヘテロ原子で連結している)を表す。
【0018】
Ra、Rb、Rc、及びRdは各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、あるいは有機残基を表す。該有機残基は、好ましくは、置換基を有していても良くかつ不飽和結合を含んでいても良い炭化水素基、置換オキシ基、置換チオ基、置換アミノ基、置換カルボニル基、又はカルボキシラート基である。RaとRb、XとRaあるいはRb、QとRaあるいはRbが互いに結合して環状構造を形成しても良い。nは2〜6の整数であり、好ましくはnは3〜6の整数である。
【0019】
又はZは、連結原子がヘテロ原子であって、部分構造として一般式(III)で表される2価基を含む連結基である。ZとZのn個の連結部ヘテロ原子は酸素原子、イオウ原子、窒素原子、リン原子のいずれかであり、好ましくは、連結した状態で置換オキシ基、置換チオ基、アミノ基、置換アミノ基、ヘテロ環基(但し、ヘテロ原子で連結している)を形成する。より好ましくは、Z又はZは、一般式(III)構造を複数有する連結基である。また、Zのn個の連結部は、さらに部分構造として−OCO−基を有するのが好ましい。
とZの最も好ましい具体例は後記の「具体例」中に記載した連結基構造が挙げられる。
【0020】
次に、X、X、Ra、Rb、Rc、及びRdにおける各置換基について説明する。
前記置換基を有していても良くかつ不飽和結合を含んでいても良い炭化水素基としては、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、アルケニル基、置換アルケニル基、及びアルキニル基及び置換アルキニル基が挙げられる。
【0021】
アルキル基としては炭素原子数が1から20までの直鎖状、分岐状、または環状のアルキル基をあげることができ、その具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、エイコシル基、イソプロピル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1−メチルブチル基、イソヘキシル基、2−エチルヘキシル基、2−メチルヘキシル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、及び2−ノルボルニル基を挙げることができる。これらの中では、炭素原子数1から12までの直鎖状、炭素原子数3から12までの分岐状、ならびに炭素原子数5から10までの環状のアルキル基がより好ましい。
【0022】
置換アルキル基は置換基とアルキレン基との結合により構成され、その置換基としては、水素を除く一価の非金属原子団が用いられ、好ましい例としては、ハロゲン原子(−F、−Br、−Cl、−I)、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリーロキシ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルジチオ基、アリールジチオ基、アミノ基、N−アルキルアミノ基、N,N−ジアルキルアミノ基、N−アリールアミノ基、N,N−ジアリールアミノ基、N−アルキル−N−アリールアミノ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、N−アルキルカルバモイルオキシ基、N−アリールカルバモイルオキシ基、N,N−ジアルキルカルバモイルオキシ基、N,N−ジアリールカルバモイルオキシ基、N−アルキル−N−アリールカルバモイルオキシ基、アルキルスルホキシ基、アリールスルホキシ基、アシルチオ基、アシルアミノ基、N−アルキルアシルアミノ基、N−アリールアシルアミノ基、ウレイド基、N’−アルキルウレイド基、N’,N’−ジアルキルウレイド基、N’−アリールウレイド基、N’,N’−ジアリールウレイド基、N’−アルキル−N’−アリールウレイド基、N−アルキルウレイド基、N−アリールウレイド基、N’−アルキル−N−アルキルウレイド基、N’−アルキル−N−アリールウレイド基、N’,N’−ジアルキル−N−アルキルウレイド基、N’,N’−ジアルキル−N−アリールウレイド基、N’−アリール−N−アルキルウレイド基、N’−アリール−N−アリールウレイド基、N’,N’−ジアリール−N−アルキルウレイド基、N’,N’−ジアリール−N−アリールウレイド基、N’−アルキル−N’−アリール−N−アルキルウレイド基、N’−アルキル−N’−アリール−N−アリールウレイド基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリーロキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アリーロキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アリーロキシカルボニルアミノ基、ホルミル基、アシル基、カルボキシル基及びその共役塩基基(以下、カルボキシラートと称す)、
【0023】
アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、カルバモイル基、N−アルキルカルバモイル基、N,N−ジアルキルカルバモイル基、N−アリールカルバモイル基、N,N−ジアリールカルバモイル基、N−アルキル−N−アリールカルバモイル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルホ基(−SOH)及びその共役塩基基(以下、スルホナト基と称す)、アルコキシスルホニル基、アリーロキシスルホニル基、スルフィナモイル基、N−アルキルスルフィナモイル基、N,N−ジアルキルスルフィナモイル基、N−アリールスルフィナモイル基、N,N−ジアリールスルフィナモイル基、N−アルキル−N−アリールスルフィナモイル基、スルファモイル基、N−アルキルスルファモイル基、N,N−ジアルキルスルファモイル基、N−アリールスルファモイル基、N,N−ジアリールスルファモイル基、N−アルキル−N−アリールスルファモイル基、N−アシルスルファモイル基及びその共役塩基基、N−アルキルスルホニルスルファモイル基(−SONHSO(alkyl))及びその共役塩基基、N−アリールスルホニルスルファモイル基(−SONHSO(allyl))及びその共役塩基基、N−アルキルスルホニルカルバモイル基(−CONHSO(alkyl))及びその共役塩基基、N−アリールスルホニルカルバモイル基(−CONHSO(allyl))及びその共役塩基基、アルコキシシリル基(−Si(O−alkyl))、
【0024】
アリーロキシシリル基(−Si(O−allyl))、ヒドロキシシリル基(−Si(OH))及びその共役塩基基、ホスホノ基(−PO)及びその共役塩基基(以下、ホスホナト基と称す)、ジアルキルホスホノ基(−PO(alkyl))、ジアリールホスホノ基(−PO(aryl))、アルキルアリールホスホノ基(−PO(alkyl)(aryl))、モノアルキルホスホノ基(−POH(alkyl))及びその共役塩基基(以後、アルキルホスホナト基と称す)、モノアリールホスホノ基(−POH(aryl))及びその共役塩基基(以後、アリールホスホナト基と称す)、ホスホノオキシ基(−OPO)及びその共役塩基基(以後、ホスホナトオキシ基と称す)、ジアルキルホスホノオキシ基(−OPO(alkyl))、ジアリールホスホノオキシ基(−OPO(aryl))、アルキルアリールホスホノオキシ基(−OPO(alkyl)(aryl))、モノアルキルホスホノオキシ基(−OPOH(alkyl))及びその共役塩基基(以後、アルキルホスホナトオキシ基と称す)、モノアリールホスホノオキシ基(−OPOH(aryl))及びその共役塩基基(以後、アリールホスホナトオキシ基と称す)、シアノ基、ニトロ基、アリール基、アルケニル基、及びアルキニル基が挙げられる。
【0025】
これらの置換基における、アルキル基の具体例としては、前述のアルキル基があげられ、アリール基の具体例としては、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、クメニル基、フルオロフェニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、クロロメチルフェニル基、ヒドロキシフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、フェノキシフェニル基、アセトキシフェニル基、ベンゾイロキシフェニル基、メチルチオフェニル基、フェニルチオフェニル基、メチルアミノフェニル基、ジメチルアミノフェニル基、アセチルアミノフェニル基、カルボキシフェニル基、メトキシカルボニルフェニル基、エトキシカルボニルフェニル基、フェノキシカルボニルフェニル基、N−フェニルカルバモイルフェニル基、フェニル基、ニトロフェニル基、シアノフェニル基、スルホフェニル基、スルホナトフェニル基、ホスホノフェニル基、及びホスホナトフェニル基などを挙げることができる。また、アルケニル基の例としては、ビニル基、1−プロペニル基、1−ブテニル基、シンナミル基、及び2−クロロ−1−エテニル基等があげられ、アルキニル基の例としては、エチニル基、1−プロピニル基、1−ブチニル基、トリメチルシリルエチニル基、及びフェニルエチニル基等が挙げられる。
【0026】
上述のアシル基(RCO−)としては、Rが水素原子及び上記のアルキル基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基をあげることができる。一方、置換アルキル基におけるアルキレン基としては前述の炭素数1から20までのアルキル基上の水素原子のいずれか1つを除し、2価の有機残基としたものをあげることができ、好ましくは炭素原子数1から12までの直鎖状、炭素原子数3から12までの分岐状ならびに炭素原子数5から10までの環状のアルキレン基をあげることができる。
【0027】
好ましい置換アルキル基の具体例としては、クロロメチル基、ブロモメチル基、2−クロロエチル基、トリフルオロメチル基、メトキシメチル基、メトキシエトキシエチル基、アリルオキシメチル基、フェノキシメチル基、メチルチオメチル基、トリルチオメチル基、エチルアミノエチル基、ジエチルアミノプロピル基、モルホリノプロピル基、アセチルオキシメチル基、ベンゾイルオキシメチル基、N−シクロヘキシルカルバモイルオキシエチル基、N−フェニルカルバモイルオキシエチル基、アセチルアミノエチル基、N−メチルベンゾイルアミノプロピル基、2−オキソエチル基、2−オキソプロピル基、カルボキシプロピル基、メトキシカルボニルエチル基、メトキシカルボニルメチル基、メトキシカルボニルブチル基、エトキシカルボニルメチル基、ブトキシカルボニルメチル基、アリルオキシカルボニルメチル基、ベンジルオキシカルボニルメチル基、メトキシカルボニルフェニルメチル基、
【0028】
トリクロロメチルカルボニルメチル基、アリルオキシカルボニルブチル基、クロロフェノキシカルボニルメチル基、カルバモイルメチル基、N−メチルカルバモイルエチル基、N,N−ジプロピルカルバモイルメチル基、N−(メトキシフェニル)カルバモイルエチル基、N−メチル−N−(スルホフェニル)カルバモイルメチル基、スルホプロピル基、スルホブチル基、スルホナトブチル基、スルファモイルブチル基、N−エチルスルファモイルメチル基、N,N−ジプロピルスルファモイルプロピル基、N−トリルスルファモイルプロピル基、N−メチル−N−(ホスホノフェニル)スルファモイルオクチル基、ホスホノブチル基、ホスホナトヘキシル基、ジエチルホスホノブチル基、ジフェニルホスホノプロピル基、メチルホスホノブチル基、メチルホスホナトブチル基、トリルホスホノヘキシル基、トリルホスホナトヘキシル基、ホスホノオキシプロピル基、ホスホナトオキシブチル基、ベンジル基、フェネチル基、α−メチルベンジル基、1−メチル−1−フェニルエチル基、p−メチルベンジル基、シンナミル基、アリル基、1−プロペニルメチル基、2−ブテニル基、2−メチルアリル基、2−メチルプロペニルメチル基、2−プロピニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基、等をあげることができる。
【0029】
アリール基としては1個から3個のベンゼン環が縮合環を形成したもの、ベンゼン環と5員不飽和環が縮合環を形成したものをあげることができ、具体例としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、インデニル基、アセナブテニル基、フルオレニル基、をあげることができ、これらのなかでは、フェニル基、ナフチル基がより好ましい。
【0030】
置換アリール基は、置換基がアリール基に結合したものであり、前述のアリール基の環形成炭素原子上に置換基として、水素を除く一価の非金属原子団を有するものが用いられる。好ましい置換基の例としては前述のアルキル基、置換アルキル基、ならびに、先に置換アルキル基における置換基として示したものをあげることができる。これらの、置換アリール基の好ましい具体例としては、ビフェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、クメニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、フルオロフェニル基、クロロメチルフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、ヒドロキシフェニル基、メトキシフェニル基、メトキシエトキシフェニル基、アリルオキシフェニル基、フェノキシフェニル基、メチルチオフェニル基、トリルチオフェニル基、フェニルチオフェニル基、エチルアミノフェニル基、ジエチルアミノフェニル基、モルホリノフェニル基、アセチルオキシフェニル基、ベンゾイルオキシフェニル基、N−シクロヘキシルカルバモイルオキシフェニル基、N−フェニルカルバモイルオキシフェニル基、アセチルアミノフェニル基、N−メチルベンゾイルアミノフェニル基、
【0031】
カルボキシフェニル基、メトキシカルボニルフェニル基、アリルオキシカルボニルフェニル基、クロロフェノキシカルボニルフェニル基、カルバモイルフェニル基、N−メチルカルバモイルフェニル基、N,N−ジプロピルカルバモイルフェニル基、N−(メトキシフェニル)カルバモイルフェニル基、N−メチル−N−(スルホフェニル)カルバモイルフェニル基、スルホフェニル基、スルホナトフェニル基、スルファモイルフェニル基、N−エチルスルファモイルフェニル基、N,N−ジプロピルスルファモイルフェニル基、N−トリルスルファモイルフェニル基、N−メチル−N−(ホスホノフェニル)スルファモイルフェニル基、ホスホノフェニル基、ホスホナトフェニル基、ジエチルホスホノフェニル基、ジフェニルホスホノフェニル基、メチルホスホノフェニル基、メチルホスホナトフェニル基、トリルホスホノフェニル基、トリルホスホナトフェニル基、アリル基、1−プロペニルメチル基、2−ブテニル基、2−メチルアリルフェニル基、2−メチルプロペニルフェニル基、2−プロピニルフェニル基、2−ブチニルフェニル基、及び3−ブチニルフェニル基等を挙げることができる。
【0032】
アルケニル基としては、上述のものを挙げることができる。置換アルケニル基は、置換基がアルケニル基の水素原子と置き換わり結合したものであり、この置換基としては、上述の置換アルキル基における置換基が用いられ、一方アルケニル基は上述のアルケニル基を用いることができる。
【0033】
アルキニル基としては、上述のものを挙げることができる。置換アルキニル基は、置換基がアルキニル基の水素原子と置き換わり、結合したものであり、この置換基としては、上述の置換アルキル基における置換基が用いられ、一方アルキニル基は上述のアルキニル基を用いることができる。
【0034】
以下に、本発明の一般式(I)又は一般式(II)で表される化合物の例を示すが、本発明はこれらの化合物に限定されるものではない。
【0035】
【化3】

【0036】
【化4】

【0037】
【化5】

【0038】
【化6】

【0039】
[チオール化合物]
本発明の重合性組成物は、チオール化合物を含有するのが好ましい。
本発明の重合性組成物に用いることができるチオール化合物は、分子内に1つ以上のメルカプト基を有する化合物であれば、どの様なものでも特に限定されるものではない。好ましくは、得られる硬化物の耐傷つき性に優れることから、SH基を2以上有する多官能チオールがより好ましい。
【0040】
チオール化合物の具体例として、例えば、メルカプト酢酸、2−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプトプロピオン酸、メルカプトプロピオン酸メチル、メルカプトプロピオン酸オクチル、メルカプトプロピオン酸メトキシブチル、メルカプトプロピオン酸トリデシル、チオグリコール酸、チオグリコール酸アンモニウム、チオグリコール酸モノエタノールアミン、チオグリコール酸ソーダ、チオグリコール酸メチル、チオグリコール酸オクチル、チオグリコール酸メトキシブチル、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、2−メルカプト− 4(3H)−キナゾリン、β−メルカプトナフタレン等の単官能チオール化合物、1,2−エタンジチオール、l,3−プロパンジチオール、1,4−ブタンジチオール、1,6−へキサンジチオール、1,8−オクタンジチオール、1,2−シクロヘキサンジチオール、デカンジチオール、エチレングリコールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオプロピオネレート、エチレングリコールビスチオグリコレート、1,4−ブタンジオールビスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート、ジペンタエリスリトールヘキサチオプロピオネート、その他多価アルコールとメルカプトプロピオン酸とのエステル、トリメルカプトプロピオン酸トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、1,4−ジメチルメルカプトベンゼン、2、4、6−トリメルカプト−s−トリアジン、2−(N,N−ジブチルアミノ)−4,6−ジメルカプト−s−トリアジン等の多官能チオール化合物が挙げられる。これらチオール系単量体は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0041】
チオール化合物を使用する際の好ましい配合量は、大気中での硬化性と得られる硬化物の表面硬度が共に優れることから、重合性組成物中に1質量%〜25質量%であり、より好ましくは3質量%〜20質量%、さらに好ましくは5質量%〜15質量%である。
【0042】
[重合開始剤]
本発明の重合性組成物は、重合開始剤を含有するのが好ましい。重合開始剤は光重合開始剤であっても熱重合開始剤であっても良い。
本発明の重合性組成物は、光重合開始剤あるいは熱重合開始剤の存在下で、光照射または加熱により硬化させることができる。硬化物を形成するにあたって、光重合開始剤及び熱開始剤を併用することも可能である。
【0043】
まず、本発明に用いることができる光重合開始剤について説明する。光重合開始剤としては、アセトフェノン類、ベンゾイン類、ベンゾフェノン類、ホスフィンオキシド類、ケタール類、アントラキノン類、チオキサントン類、アゾ化合物、過酸化物類(特開2001−139663号等)、2,3−ジアルキルジオン化合物類、ジスルフィド化合物類、フルオロアミン化合物類、芳香族スルホニウム類、ロフィンダイマー類、オニウム塩類、ボレート塩類、活性エステル類、活性ハロゲン類、無機錯体、及びクマリン類などが挙げられる。
【0044】
アセトフェノン類の例には、2,2−ジメトキシアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアセトフェノン、1−ヒドロキシ−ジメチルフェニルケトン、1−ヒドロキシ−ジメチル−p−イソプロピルフェニルケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−4−メチルチオ−2−モルフォリノプロピオフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、が含まれる。
【0045】
ベンゾイン類の例には、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルジメチルケタール、ベンゾインベンゼンスルホン酸エステル、ベンゾイントルエンスルホン酸エステル、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテルおよびベンゾインイソプロピルエーテルが含まれる。ベンゾフェノン類の例には、ベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、2,4−ジクロロベンゾフェノン、4,4−ジクロロベンゾフェノンおよびp−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジメチルアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、3,3’、4、4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノンなどが含まれる。
【0046】
ボレート塩としては、例えば、特許第2764769号、特開2002−116539号等の各公報、および、Kunz,MartIn“Rad Tech’98.ProceedIng AprIl 19頁〜22頁,1998年,ChIcago”等に記載される有機ホウ酸塩記載される化合物があげられる。例えば、前記特開2002−116539号明細書の段落番号[0022]〜[0027]記載の化合物が挙げられる。またその他の有機ホウ素化合物としては、特開平6−348011号公報、特開平7−128785号公報、特開平7−140589号公報、特開平7−306527号公報、特開平7−292014号公報等の有機ホウ素遷移金属配位錯体等が具体例として挙げられ、具体例にはカチオン性色素とのイオンコンプレックス類が挙げられる。
【0047】
ホスフィンオキシド類の例には、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシドが含まれる。
【0048】
活性エステル類の例には1、2−オクタンジオン、1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)]、スルホン酸エステル類、環状活性エステル化合物などが含まれる。具体的には特開2000−80068記載の実施例記載化合物1〜21が特に好ましい。
【0049】
オニウム塩類の例には、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、芳香族スルホニウム塩が挙げられる。
【0050】
活性ハロゲン類としては、具体的には、若林 等の“Bull Chem.Soc Japan“42巻、2924頁(1969年)、米国特許第3,905,815号明細書、特開平5−27830号、M.P.Hutt“Jurnal of HeterocyclIc ChemIstry”1巻(3号),(1970年)等に記載の化合物が挙げられ、特に、トリハロメチル基が置換したオキサゾール化合物:s−トリアジン化合物が挙げられる。より好適には、少なくとも一つのモノ、ジまたはトリハロゲン置換メチル基がs−トリアジン環に結合したs−トリアジン誘導体が挙げられる。具体的な例にはS−トリアジンやオキサチアゾール化合物が知られており、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−s−トリアジン、2−(p−スチリルフェニル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−s−トリアジン、2−(3−Br−4−ジ(エチル酢酸エステル)アミノ)フェニル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−s−トリアジン、2−トリハロメチル−5−(p−メトキシフェニル)−1,3,4−オキサジアゾールが含まれる。具体的には特開昭58−15503のp14〜p30、特開昭55−77742のp6〜p10、特公昭60−27673のp287記載のNo.1〜No.8、特開昭60−239736のp443〜p444のNo.1〜No.17、US−4701399のNo.1〜19などの化合物が特に好ましい。
【0051】
無機錯体の例にはビス(η 5 −2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウムが挙げられる。
【0052】
クマリン類の例には3−ケトクマリンが挙げられる。
これらの開始剤は単独でも混合して用いても良い。
【0053】
その他、「最新UV硬化技術」、(株)技術情報協会、1991年、p.159、及び、「紫外線硬化システム」、加藤清視著、平成元年、総合技術センター発行、p.65〜148にも種々の例が記載されており本発明に有用である。
【0054】
市販の光重合開始剤としては、日本化薬(株)製のKAYACURE(DETX−S,BP−100,BDMK,CTX,BMS,2−EAQ,ABQ,CPTX,EPD,ITX,QTX,BTC,MCAなど)、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製のイルガキュア(651,184,500,819,907,369,1173,1870,2959,4265,4263など)、サートマー社製のEsacure(KIP100F,KB1,EB3,BP,X33,KT046,KT37,KIP150,TZT)等およびそれらの組合せが好ましい例として挙げられる。
【0055】
これらの光重合開始剤は、本発明の重合性組成物中に、0.1質量%〜15質量%の範囲で使用することが好ましく、より好ましくは1質量%〜10質量%の範囲である。
【0056】
光重合開始剤に加えて、光増感剤を用いてもよい。光増感剤の具体例として、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン、ミヒラーケトンおよびチオキサントン、などを挙げることができる。更にアジド化合物、チオ尿素化合物、メルカプト化合物などの助剤を1種以上組み合わせて用いてもよい。市販の光増感剤としては、日本化薬(株)製のKAYACURE(DMBI,EPA)などが挙げられる。
【0057】
本発明に用いることができる熱重合開始剤としては、有機あるいは無機過酸化物、有機アゾ及びジアゾ化合物等を用いることができる。具体的には、有機過酸化物として過酸化ベンゾイル、過酸化ハロゲンベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酸化アセチル、過酸化ジブチル、クメンヒドロぺルオキシド、ブチルヒドロぺルオキシド、無機過酸化物として、過酸化水素、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム等、アゾ化合物として2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(プロピオニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)等、ジアゾ化合物としてジアゾアミノベンゼン、p−ニトロベンゼンジアゾニウム等が挙げられる。
【0058】
これら熱重合開始剤を使用する際の好ましい使用量は、配合する各々の開始剤によって異なるために一概には言えないが、重合性組成物中に、0.1質量%〜10質量%であり、より好ましくは0.3質量%〜8質量%、さらに好ましくは0.5質量%〜5質量%である。これら範囲にあった場合、得られる硬化物の表面硬度が優れる様になる。
【0059】
[無機フィラー]
本発明の重合性組成物には、表面硬度をさらに向上させたり、反射率、散乱性などの他の光学特性等を向上させる目的のため、各種無機フィラーを併用するのが好ましい。
【0060】
用いることができる無機フィラーとしては、珪素、ジルコニウム、チタン、アルミニウム、インジウム、亜鉛、錫、アンチモンのうちより選ばれる少なくとも一つ金属の酸化物、具体例としては、ZrO、TiO、Al、In、ZnO、SnO、Sb、及びITO等が挙げられる。その他BaSO、CaCO、タルクおよびカオリンなどが含まれる。
【0061】
本発明に使用する無機フィラーの形状は特に制限されないが、硬化物の機械特性や光学特性に異方性が出難くなるため、針状や板状よりも球状であることが好ましい。無機フィラーが球状であった場合にその粒径は、分散媒体中でなるべく微細化されていることが好ましく、質量平均粒径は1nm〜200nm、好ましくは5nm〜150nm、さらに好ましくは10nm〜100nm、特に好ましくは10nm〜80nmである。無機フィラーを100nm以下に微細化することで、透明性を損なわない硬化物を形成することができる。無機フィラーの粒子径は、光散乱法や電子顕微鏡写真により測定できる。
【0062】
無機フィラーの比表面積は、10m/g〜400m/gであることが好ましく、20m/g〜200m/gであることがさらに好ましく、30m/g〜150m/gであることが最も好ましい。
【0063】
本発明に使用する無機フィラーは分散媒体中に分散物として使用する層の塗布液に添加することが好ましい。
【0064】
無機フィラーの分散媒体は、沸点が60℃〜170℃の液体を用いることが好ましい。
分散媒体の例には、水、アルコール(例、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、ベンジルアルコール)、ケトン(例、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン)、エステル(例、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、蟻酸メチル、蟻酸エチル、蟻酸プロピル、蟻酸ブチル)、脂肪族炭化水素(例、ヘキサン、シクロヘキサン)、ハロゲン化炭化水素(例、メチレンクロライド、クロロホルム、四塩化炭素)、芳香族炭化水素(例、ベンゼン、トルエン、キシレン)、アミド(例、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、n−メチルピロリドン)、エーテル(例、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラハイドロフラン)、エーテルアルコール(例、1−メトキシ−2−プロパノール)が含まれる。トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンおよびブタノールが特に好ましい。特に好ましい分散媒体は、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンである。
【0065】
無機フィラーは、分散機を用いて分散する。分散機の例には、サンドグラインダーミル(例、ピン付きビーズミル)、高速インペラーミル、ペッブルミル、ローラーミル、アトライターおよびコロイドミルが含まれる。サンドグラインダーミルおよび高速インペラーミルが特に好ましい。また、予備分散処理を実施してもよい。予備分散処理に用いる分散機の例には、ボールミル、三本ロールミル、ニーダーおよびエクストルーダーが含まれる。
【0066】
本発明を構成する層をより高屈折率化する目的に対しては、屈折率の高い無機フィラーを用いることが好ましい。この場合の無機フィラーとしては、屈折率の観点から、特にZrO、TiO好ましく用いられる。ハードコート層の高屈折率化に対してはZrOが、高屈折率層、中屈折率層用の粒子としてはTiOの微粒子が最も好ましい。このTiO粒子としては、コバルト、アルミニウム、ジルコニウムから選ばれる少なくとも1つの元素を含有するTiOを主成分とする無機フィラーが特に好ましい。主成分とは、粒子を構成する成分の中で最も含有量(質量%)が多い成分を意味する。
【0067】
本発明におけるTiOを主成分とする粒子は、屈折率が1.90〜2.80であることが好ましく、2.10〜2.80であることがさらに好ましく、2.20〜2.80であることが最も好ましい。
TiOを主成分とする粒子の一次粒子の質量平均径は1nm〜200nmであることが好ましく、より好ましくは1nm〜150nm、さらに好ましくは1nm〜100nm、特に好ましくは1nm〜80nmである。
【0068】
TiOを主成分とする粒子の結晶構造は、ルチル、ルチル/アナターゼの混晶、アナターゼ、アモルファス構造が主成分であることが好ましく、特にルチル構造が主成分であることが好ましい。主成分とは、粒子を構成する成分の中で最も含有量(質量%)が多い成分を意味する。
【0069】
TiOを主成分とする粒子に、Co(コバルト)、Al(アルミニウム)及びZr(ジルコニウム)から選ばれる少なくとも1つの元素を含有することで、TiOが有する光触媒活性を抑えることができ、本発明のフィルムの耐候性を改良することができる。
特に、好ましい元素はCo(コバルト)である。また、2種類以上を併用することも好ましい。
【0070】
本発明のTiOを主成分とする無機フィラーは、表面処理により特開2001−166104号公報記載のごとく、コア/シェル構造を有していても良い。
【0071】
また、本発明の組成物に無機フィラーを含有する場合においては、樹脂成分と無機フィラーとの相互作用を向上させるために、無機フィラーの表面をシランカップリング剤で処理されることもある。上記シランカップリング剤としては、例えば、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。これらのシラン化合物は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。このような構造のシランカップリング剤として用いることにより、本発明のシール剤は、基板等との接着性を向上させることができる。
【0072】
これら無機フィラーの好ましい配合量は、重合性組成物中に0.5質量%〜80質量%、より好ましくは2質量%〜70質量%、さらに好ましくは10質量%〜60質量%である。
【0073】
[その他の重合性モノマー、オリゴマー]
本発明の重合性組成物には、必要に応じて他の重合性モノマーやオリゴマーを併用することも可能である。他の重合性モノマーやオリゴマーとしては、少なくとも1個の、より好ましくは2個から6個の付加重合可能なエチレン基を有する、常圧下で100℃以上の沸点を持つエチレン性不飽和基を持つ化合物であることが好ましい。
【0074】
少なくとも1個の付加重合可能なエチレン性不飽和基をもち、沸点が常圧で100℃以上の化合物としては、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、等の単官能のアクリレートやメタアクリレート;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリ(アクリロイロキシエチル)イソシアヌレート、グリセリンやトリメチロールエタン等の多官能アルコールにエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを付加させた後(メタ)アクリレート化したもの、特公昭48−41708号、特公昭50−6034号、特開昭51−37193号各公報に記載されているようなウレタンアクリレート類、特開昭48−64183号、特公昭49−43191号、特公昭52−30490号各公報に記載されているポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸の反応生成物であるエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタアクリレートを挙げることが出来る。更に、日本接着協会誌Vol.20、No.7、300〜308頁に光硬化性モノマー及びオリゴマーとして紹介されているものも使用できる。
【0075】
[その他の添加剤]
その他、本発明の組成物には必要に応じて、無機フィラーを均一に分散させる分散剤や界面活性剤、粘度調整のための反応性希釈剤、チクソトロピー性を調整する揺変剤、消泡剤、レベリング剤、重合禁止剤、汚れを防止する目的でフッ素系やシリコーン系の防汚剤、静電気による帯電を防止する帯電防止剤、その他添加剤等を含有してもよい。
【0076】
[組成物の調製]
この様にして得られた重合性組成物の調製は、例えば、前記重合性化合物、チオール化合物、光重合開始剤、無機フィラー等の各成分を、適当な混合装置、例えばホモミキサーなどを用いて、適当な溶媒に溶解すると共に、混合することによって調製することが出来る。
【0077】
用いることのできる溶媒としては特に限定することはないが、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノールなどのアルコール類、メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステル類、トルエン、キシレンなどの芳香族化合物、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類などを挙げることが出来る。その濃度は、重合性化合物やチオール化合物、無機フィラー、光開始剤等のトータル固形分に対して10質量%〜80質量%程度とされる。
【0078】
[硬化物の形成]
得られた重合性組成物を、目的とする基材表面に塗工し、好ましくはオーブン等で加熱して溶媒を除去した後、250nm〜800nmの活性エネルギー線を照射するか、もしくは50℃〜150℃で熱処理することによって樹脂成分を重合し、ハードコート膜を形成することが出来る。
本発明において、紫外線照射により硬化させる場合、紫外線の発生源としては特に限定されないが、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、LED、レーザー等の公知の光源を使用することができる。
【0079】
本発明における重合性組成物の基材への塗工方式は、例えば、ロールコート、グラビアコート、ナイフコート、ディップコート、スプレーコート、スピンコート、バーコート、スロットコート、カーテンコート、スクリーン印刷等の従来の塗工方式により塗工することができる。この時形成する被膜の膜厚は通常数nm〜100μm程度であり、本発明が目的とする薄膜ハードコート層の形成には好ましくは数10nm〜10μmである。数nm未満では充分な表面硬度は得られず、また100μmより厚い場合には得られるハードコート物品の機械強度が低下し、クラックが入りやすくなる。
【0080】
本発明において、硬化紫外線の発生源としては特に限定されないが、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、LED、レーザー等の公知の光源を使用することができる。
本発明のハードコート用組成物を塗工する基材としては、特に制限はないが、擦傷により外観が損なわれる外装用のプラスチックフィルムや板及び、擦傷により透明性が低下する液晶表示素子、有機EL素子用基板などの光学用途で特に好適に用いられる。例を挙げると、ABS樹脂、アクリル樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリスチレン樹脂などである。
【0081】
この様にして得られた本発明のハードコート物品は、車両用外装や内装部品、家電外装部品、パソコン筐体、携帯電話筐体、液晶等のディスプレイ、事務用品、建築用内装部材や外装部材、家具、各種インテリア部材、アクセサリー、玩具、スポーツ用品、包装部材、レジャー用品等として利用することが可能である。
【実施例】
【0082】
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<合成例1> 重合性化合物(A−1)の調製
攪拌装置と冷却管、滴下漏斗を備えた三口フラスコに、塩化チオニル198gを取り、氷冷した。ピリジン0.5mLを加え、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸シクロヘキシル(a)250gを、内容液の温度が15℃を超えない様に注意しながら2時間かけて滴下した。引き続き室温にて7時間攪拌した後、氷450gを入れたビーカーに上記反応液を注ぎ、さらに30分間攪拌を継続した。これを分液漏斗に移し水400mLにて4回水洗した。100mLトルエンを入れた後に三角フラスコに分液し、無水硫酸マグネシウムで乾燥、濾過、重合禁止剤として4−アセトアミドTEMPOを0.54g加え、減圧蒸留(9.1mmHg、120℃)し、2−(クロロメチル)アクリル酸シクロヘキシル(b)157g(収率57%)を得た。
【0083】
【化7】

【0084】
攪拌装置と滴下漏斗を備えた三口フラスコに、2,2’−チオジグリコール酸(c)11.3gを取り、酢酸エチル150mLを加えた。氷冷下、トリエチルアミン15.2gを加え、続いて上記2−(クロロメチル)アクリル酸シクロヘキシル(b)29.0gを、反応液が10℃を超えないよう注意して15分かけて滴下した。引き続き室温で3時間撹拌した後、内容物を分液漏斗に移し、水150mLで2回、飽和重曹水150mLで2回、飽和食塩水150mLで1回洗浄した。油層を硫酸マグネシウムで乾燥、ろ過後、重合禁止剤として4−ヒドロキシTEMPOを0.034g加え減圧濃縮した。得られた粗体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=85:15)で精製し、重合性化合物(A−1)を30.7g得た(収率89%)。
【0085】
H−NMR(DMSO−d6):δ1.20〜1.50(12H),1.78(4H),1.65(4H),3.53(4H),4.78(6H),5.94(2H),6.27(2H).
【0086】
【化8】

【0087】
<合成例2>重合性化合物(A−2)の調製
【0088】
【化9】

【0089】
合成例1記載の例において、2−(クロロメチル)アクリル酸シクロヘキシル(b)を2−(クロロメチル)アクリル酸メチル(d)18.5gに変更した以外は同様にして反応を行い、重合性化合物(A−2)を得た。
【0090】
<合成例3>重合性化合物(A−3)の調製
【0091】
【化10】

【0092】
合成例1記載の例において、用いる2,2‘−チオジグリコール酸(c)を(エチレンジチオ)二6酢酸(e)15.8gに変更した以外は同様にして反応を行い、重合性化合物(A−3)を得た。
【0093】
<合成例4>重合性化合物(A−4)の調製
合成例1記載の例において、用いる2,2‘−チオジグリコール酸(c)を2−カルボキシメチルスルファニルコハク酸(f)15.6gに変更した以外は同様にして反応を行い、重合性化合物(A−4)を得た。
【0094】
【化11】

【0095】
・チオール化合物
(B−1)ブタンジオールビスチオグリコレート(淀化学社製)
(B−2)ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート(堺化学社製)
(B−3)ペンタエリスリトール テトラキス(3−メルカプトブチレート)(昭和電工社製、商品名;カレンズMT)
【0096】
・無機フィラー
(C−1)コロイダルシリカ(日産化学社製、商品名;MEK−ST)
・その他、添加剤等
(D−1)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン(シランカップリング剤、信越化学工業社製、商品名;KBM−5103)
(D−2)ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(ダイセル・サイテック社製、DPHA)
【0097】
・光重合開始剤
(E−1)2−ヒドロキシー2−シクロヘキシルアセトフェノン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名;イルガキュア184)
【0098】
<実施例1〜10、比較例1〜3>
上記重合性化合物、チオール化合物、無機フィラー、光重合開始剤、その他の添加剤等をMEK溶媒中でトータル固形分20質量%となる様に調合し、攪拌した後に液状の組成物とした。調合組成は表1に示した。表中の数値は質量比である。
【0099】
・RT(リアルタイム)−IR重合率
シリコン基板上に上記組成物を塗布後、100℃で1分間加熱して溶媒を除去し、未硬化の組成物膜を得た。これら各試料の重合率を、FT−IRにてモノマーの二重結合の消失、すなわち、1400cm−1〜1430cm−1における吸収の減少を追跡することによって測定した。FT−IR装置はNICOLET6700(サーモエレクトロン社製、商品名)、また、光源にはHOYA CANDEO OPTRONICS社製EXECURE3000(水銀キセノンランプ)、365nmバンドパスフィルターを使用し、365nmでの照射強度24mW/cm、照射時間120秒(3.6J/cm)の条件で行った。
【0100】
RT−IR装置内の雰囲気を完全窒素雰囲気、または大気下にて行うことによって、各雰囲気での120秒間照射後の到達重合率を求めた。
【0101】
・鉛筆硬度
大気中で硬化させたシリコン基板にコーティングされた部材を対象物に、JIS K5400に準拠して荷重1kgfの条件で測定を行った。
【0102】
得られた結果を表1に示した。
【0103】
【表1】

【0104】
<実施例11〜17>
実施例1で調製した組成物(MEK溶液)を、表2に示したプラスチック材料(フィルム状)に塗布し、前述した条件と同様に光硬化させることによって、ハードコート膜を得た。
【0105】
【表2】

【0106】
以上、実施例1〜17で得られた結果より、実施例1〜10の本発明のハードコート用組成物は、重合時の酸素阻害を受け易い薄膜条件において、大気中などの酸素雰囲気下でも容易に硬化し、得られた膜の硬度は2H〜4Hと高い鉛筆硬度を示した。また、実施例1の重合性組成物を用いて表2に示す種々のプラスチック樹脂上に形成したハードコート膜も、プラスチック樹脂基材によって差はあるが、高い鉛筆硬度を示した。
【0107】
また、例えば、実施例6に対して実施例1,7を比較して明らかなように、本発明の組成物には、シリカ等の無機フィラーを配合することによって、さらに鉛筆硬度を高められる。
【0108】
また、例えば、実施例1,10に対して実施例7〜9を比較して明らかなように、チオール化合物を併用することによって、大気中での重合率をさらに高めることが可能である。ただし、チオール化合物を併用することによって、硬化物の鉛筆硬度が若干ながら低下する傾向にある。
【0109】
一方、比較例1〜3の本発明の重合性化合物を含まず、アクリル樹脂D−2を用いた樹脂組成物は、大気下での重合率が低く、得られた硬化物の鉛筆硬度が低かった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(I)または一般式(II)で表される化合物を含む重合性組成物。
【化1】


(一般式中、QはCNまたはCOXで表される基であり、Xは、ヒドロキシ基、置換オキシ基、置換チオ基、アミノ基、置換アミノ基、ヘテロ環基(但し、ヘテロ原子で連結している)、ハロゲン原子を表す。Xは置換オキシ基、置換アミノ基、ヘテロ環基(但し、ヘテロ原子で連結している)又はハロゲン原子を表す。Z又はZは、連結原子がヘテロ原子であって、部分構造として下記一般式(III)で表される2価基を含む連結基である。Ra、Rb、Rc、Rdは各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基又は有機残基を表す。また、RaとRb、XとRaあるいはRb、QとRaあるいはRb、が互いに結合して環状構造を形成しても良い。nは2〜6の整数をあらわす。)
【化2】

【請求項2】
さらに、少なくとも1つのSH基を有するチオール化合物を含有することを特徴とする請求項1に記載の重合性組成物。
【請求項3】
前記チオール化合物がSH基を2つ以上有するチオール化合物であることを特徴とする請求項2に記載の重合性組成物。
【請求項4】
前記チオール化合物を1質量%〜25質量%含有することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の重合性組成物。
【請求項5】
さらに重合開始剤を含有することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の重合性組成物。
【請求項6】
前記重合開始剤が光重合開始剤であって0.1質量%〜15質量%含有することを特徴とする請求項5に記載の重合性組成物。
【請求項7】
さらに無機フィラーを含有することを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の重合性組成物。
【請求項8】
前記無機フィラーを0.5質量%〜80質量%含有することを特徴とする請求項7に記載の重合性組成物。
【請求項9】
請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の重合性組成物を硬化してなる硬化物。
【請求項10】
請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の重合性組成物に、250nm〜800nmの波長の光を照射して硬化することを特徴とする硬化物の製造方法。
【請求項11】
請求項9の硬化物をその表面に配置してなることを特徴とするハードコート物品。

【公開番号】特開2009−235119(P2009−235119A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−79006(P2008−79006)
【出願日】平成20年3月25日(2008.3.25)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】