説明

重畳電界の二次電池と太陽電池

【課題】充電時間が短縮され、放電電流が増大する二次蓄電池、および光変換効率が向上する太陽電池を提供する。
【解決手段】二次蓄電池は、外部電極箔1、絶縁層2,2’、格子状電極箔3、陰極活物質4、セパレター5、固体高分子電解質6、陽極活物質7で構成される。格子状電極箔3の外側に絶縁層2,2’を介して外部電極箔1を設け、そこに充電器から分岐した直流静電圧を課してそれらの充電電界E1に外部重畳静電界E2を重畳させ、二次蓄電池の正、負イオンや正孔と電子等の移動度を高める。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】

【産業上の利用分野】
【0001】
二次電池の急速充放電と太陽電池の変換効率の向上等に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の二次電池の充電の時間短縮には、また太陽電池の発電効率の向上にはイオン、電子の移動度の向上をもたらす内部電界の強化を考えていなかつた。
【発明が解決しようと課題】
【003】
現在最高性能の充電器でも充電所要時間が20〜30分かかつていてガソリンの注入に比べてあまりにも長すぎ、また太陽電池の発電効率の向上も限界に近かずきつつある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
二次電池や太陽電池等で従来の両電極の外側に更に絶縁した外部電極を新しく設け、そこに別の直流静電圧を課して従来の内部電界に重畳強化させ、それらの正孔と電子の移動度を高めてそれらの充電時間の短縮、放電電流の増大等の能力を向上させる。この場合重畳する外部電界が電池内部に透過出来るように内部両電極を格子状に窓を開けておく。
「A」二次電池を充電する場合、その所要時間を大幅に短縮する為に、充電電圧による従来の電界(E1)に電界を更に増大させる為に、それらの両電極箔の外側に絶縁層(2)を挟んだ新しい両電極箔(1)を設けその電界(E2)を(E1)に重畳させる。(図1)これには従来の二次電池の正負両電極箔(3)を電界が透過する様に格子状に窓を開けそれらの外側に絶縁層(2)を設け、そのうえそれらの外側に新たに電極箔(1)を重ね、更にそれらの外側に絶縁層(2’)を設け、この新たな両最外層電極箔(1)に別電源または充電器から分岐した直流静電圧を印加し、充電電界による電解質内のイオン等の移動に更に外部から直流電界を重畳させてそのイオン等の移動速度を大幅に高め充電時間を短縮する。これらの格子状電極とそれらの開口部の絶縁層は、それぞれ格子状陰電極箔はグラファイト等の陰極活物質(4)、格子状の陽電極箔はリチウム超イオン伝導体等の陽極活物質(7)と接着一体化している。これら両格子箔内部はセパレーターを挟んで固体高分子電解質のLiBH4*LiIやLi2S等を満たす。また放電時には最外層電極箔(1)の極性を反転させて放電電流を増大させ電気自動車等の速度を加速させる。またこの様にするとこの二次電池を充電させる高速充電器もかなり安価なものとなる。上記の他、現在開発中のハイブリツド・キャパシター等にも採用出来る。
「B」各種の太陽電池のうち発電効率の向上を目指すシリコン太陽電池の例について述べる。(図2)その構造を示すとp型、n型半導体の接触でそれらの境界付近に生じる内部電界に更に外部から新たに加速電界を印加して重畳強化させ、太陽光により発生した電子,正孔が一部電池内に滞留して総てを取り出す事が出来ずに熱となりエネルギーが失われている。これを移動速度を増大させて改善する。この発電効率の向上には最外部に無反射コーテング(8)が施され、外部から課電が出来ようにした新たな透明電極層(9)を設け、その内部に上部電極(11)を絶縁する為の透明絶縁層(10)を設ける。その内部は従来の太陽電池の構成と同じにn型シリコン層(12)、p型シリコン層(13)、下部電極(14)および基盤(15)の順で構成する。
【作用】
【0005】
リチユウムイオン二次電池等の製造時には従来の両電極を電界を透す格子状の窓あきの電極にしてそれらの外側に絶縁層を設け、更にそれらの外側に新たに電極箔を載せ、そのうえそれらの外側に絶縁層を設ける。この様に電池を新型の構造にして最外層電極に新たに内部電界に重畳させる為の直流静電圧か充電電源から分岐した直流静電圧を印加する。太陽電池でも新たに最外層に無反射コーテングを施した透明電極層(9)を新たに設け、その内部に透明絶縁層(10)で櫛の歯状の窓あき電極を絶縁する。この新たな透明電極層(9)に直流静電圧を課し従来の内部電界にその電界を重畳強化させる。
【効果】
【0006】
二次電池をこの様な構造にすると充電器とそれから分岐した直流静電圧を印加するだけで充電を最短時間で行う事が出来る。放電時には同様に逆電圧を加えて放電電流を増大させ、電気自動車の速度を急速に加速させる事も出来る。またこの高速充電器もかなり安価なものとなる。太陽電池でもこの重畳電界によりイオン、電子の移動度を向上させてそれらの滞留による熱エネルギー損失を減少させ発電効率を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
[図1]、[図2]は平板またはロール巻き(省略)での本新型二次蓄電池の側面図と本新型太陽電池の側面図を示す。
【符号の説明】
【0008】
「A」
1 −+外部電極箔 2 2,2’絶縁層 3 −+内部電界を透す格子状電極箔
4 陰極活物質(グラファイト等) 5 セパレーター 6 固体高分子電解質
(3LiBH4*LiI,Li2S等)7 陽極活物質
(リチウム超イオン伝導体(LiCoO2、LiMn2O4等)
E1 充電電界 E2 外部重畳静電界
「B」
8 無反射コーテング 9 透明電極層 10 透明絶縁層 11 上部電極
12 P型シリコン 13 N型シリコン 14 下部電極 15 基盤
【図1】

【図2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
二次電池,ハイブリツド・キャパシターや太陽電池等で従来の正負両電極の外側に更に絶縁した外部電極を設け、そこに別の直流静電圧を課電してそれらの内部電界を重畳強化させ、それらの正、負イオン、や正孔、電子等の移動度を高め、それらの充電の時間短縮、放電電流の増大や発電効率等の能力を向上させる。この場合に外部電界が電池内部に透過するように内部両電極を格子状にして窓を開けておく。
「A」二次電池等を充電する場合、その所要時間を大幅に短縮する為に、充電電圧による電界(E1)に内部電界を更に増大させる為に、それらの両電極箔の外側に絶縁層(2)を挟んで新しい両電極箔(1)を設けその電界(E2)を(E1)に重畳させる。これには従来の二次電池の正負両電極箔(3)を電界が透過する様に格子状の窓を開けそれらの外側に絶縁層(2)を設け、そのうえそれらの外側に新たに電極箔(1)を重ね、更にそれらの外側に絶縁層(2’)を設け、新設の両最外電極箔(1)に別電源または充電器から分岐した直流電圧を印加し、充電電界による電解質内のイオン等の移動に更に外部から直流静電界を重畳させてそのイオン等の移動速度を大幅に高め充電時間を短縮させる。これらの格子状電極とそれらの開口部の絶縁層は、それぞれ格子状陰電極箔はグラファイト等の陰極活物質(4)、格子状の陽電極箔はリチウム超イオン伝導体等の陽極活物質(7)と接着一体化している。これら両格子箔間にはセパレーターを挟んで固体高分子電解質のLiBH4*LiIやLi2S等を満たす。また放電時には最外層電極箔(1)の極性を反転させて放電電流を増大させ電気自動車等の速度を加速させる。上記の他に現在開発中のハイブリツド・キャパシター等にも採用出来る。
「B」各種の太陽電池のうち一例としてシリコン太陽電池の発電効率の向上について述べる。その構造を示すとp型、n型半導体の接触境界付近に生じる内部電界に更に外部から加速電界を重畳させ、太陽光により発生した電子,正孔の一部が電池内に滞留して熱となりエネルギーが失われるのを移動速度を速めてこれを防ぐ。この発電効率の向上には新たに最外部に無反射コーテング(8)を施し、外部から課電が出来ようにした透明電極層(9)を設け、その内部に上部電極(11)を絶縁する為に透明絶縁層(10)を設ける。さらにその内部を従来の太陽電池の構造と同じにn型シリコン層(12)、p型シリコン層(13)、下部電極(14)および基盤(15)等の順で構成する。
「選択図」 図1、2

【公開番号】特開2011−34942(P2011−34942A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−192542(P2009−192542)
【出願日】平成21年8月2日(2009.8.2)
【出願人】(596046233)
【Fターム(参考)】