説明

重要物管理装置

【課題】低コストで重要物を管理できるとともに、アクセスの効率向上とスペースの有効利用とを両立可能な重要物管理装置の提供。
【解決手段】被管理物の保管を行う保管手段を管理種別毎に有するユニット3(A)〜3(C)を複数備え、これらユニット3(A)〜3(C)がネットワーク12で接続されて複数のフロア6,8,10上に分散して設置されており、情報が入力される入力手段と、入力手段に入力された使用者識別情報に基づいて使用者を特定する使用者特定手段と、使用者特定手段の特定結果に基づいて保管手段に対する被管理物の持ち出しおよび返却の可否を制御する制御手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、重要物を保管する重要物管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
金融機関等においては、建屋に専用の金庫室を設け、この金庫室に重要物を保管するのが一般的であり、その中には、金庫室を移動可能な金庫函体で覆う技術がある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特公昭61−30116号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、専用の金庫室を建屋に構築するには、高額な設置コストが必要となってしまう。
【0005】
また、重要物には、例えば現金や小切手等のように金庫室へのアクセス(持ち出し・返却)の頻度が高いものもあれば、逆に極めてアクセスの頻度が低く、例えば使用済みの古い通帳等のように便宜上の保管だけを目的とするものもある。このような様々な管理種別の重要物を一カ所の金庫室内で保管すると、アクセスの効率向上とスペースの有効利用とを両立できないという課題が生じる。つまり、例えば、アクセスし難い場所に金庫室が設置された場合、アクセス頻度が高いものへのアクセスが面倒となり、効率が低下してしまう。逆に、アクセスし易い場所に金庫室が設置された場合、便宜上の保管だけを目的とする重要物の保管スペースが金庫室内でデッドスペース化してしまい、アクセスし易い良好なスペースを有効利用できないという課題が生じる。
【0006】
したがって、本発明は、低コストで重要物を管理できるとともに、アクセスの効率向上とスペースの有効利用とを両立可能な重要物管理装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、被管理物の保管を行う保管手段を管理種別毎に有するユニットを複数備え、これらユニットがネットワークで接続されて複数のフロア上に分散して設置されており、情報が入力される入力手段と、該入力手段に入力された使用者識別情報に基づいて使用者を特定する使用者特定手段と、該使用者特定手段の特定結果に基づいて前記保管手段に対する前記被管理物の持ち出しおよび返却の可否を制御する制御手段と、を備えている。
【0008】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、前記入力手段に入力された前記被管理物の被管理物識別情報に基づいて該被管理物が保管されている前記保管手段を検索する検索手段と、該検索手段による検索結果を表示する表示手段と、を備えることを特徴とする。
【0009】
請求項3に係る発明は、請求項2に係る発明において、前記入力手段および前記表示手段が、複数の前記ユニットそれぞれに設けられており、前記検索手段は、前記入力手段に入力された前記被管理物の被管理物識別情報に基づいて、該被管理物が保管されている前記保管手段を複数の前記ユニットに対し検索し、前記検索手段による検索結果を、当該検索結果の基になる前記被管理物の被管理物識別情報が入力された前記入力手段を有する前記ユニットに設けられた前記表示手段に表示させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に係る発明は、被管理物の保管を行う保管手段を管理種別毎に有するユニットを複数備え、これらユニットがネットワークで接続されて複数のフロア上に分散して設置される。そして、入力手段に使用者識別情報が入力されると、使用者特定手段が使用者を特定し、この特定結果に基づいて制御手段が保管手段に対する被管理物の持ち出しおよび返却の可否を制御する。このように、保管手段を管理種別毎に有してフロア上に設置されることにより、金庫室の代わりに重要物を管理することができるため、専用の金庫室を建屋に構築する場合と比べて、コストを大幅に低減することができる。また、保管手段を管理種別毎に有する複数のユニットが複数のフロア上に分散して設置されるため、アクセスし易いフロアとアクセスし難いフロアとに分散して重要物を保管できる。よって、アクセスの効率向上とスペースの有効利用とを両立可能となる。
【0011】
請求項2に係る発明によれば、検索手段が、入力手段に入力された被管理物の被管理物識別情報に基づいて、この被管理物が保管されている保管手段を検索することになり、この検索手段による検索結果を表示手段に表示させることになる。したがって、被管理物を保管している保管手段を容易に捜すことができ、所望の被管理物を保管している保管手段に容易にアクセスすることができる。
【0012】
請求項3に係る発明によれば、検索手段が、入力手段に入力された被管理物の被管理物識別情報に基づいて、この被管理物が保管されている保管手段を複数のユニットに対し検索することになり、この検索手段による検索結果を、当該検索結果の基になる被管理物の被管理物識別情報が入力された入力手段を有するユニットに設けられた表示手段に表示させることになる。したがって、いずれのユニットの入力手段への入力で検索を行っても、複数のユニットにわたって被管理物を保管している保管手段を検索できることになり、その検索結果をアクセスしたユニットの表示手段で確認することができる。よって、被管理物を保管している保管手段を確実に捜すことができ、所望の被管理物を保管している保管手段にさらに容易にアクセスすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態に係る重要物管理装置の各フロアの設置状態を示す平面図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る重要物管理装置のメインユニットを示す正面図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る重要物管理装置のメインユニットおよび被管理物を示すブロック図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る重要物管理装置のサブユニットを示す正面図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る重要物管理装置のサブユニットおよび被管理物を示すブロック図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る重要物管理装置の別のサブユニットを示す正面図である。
【図7】本発明の一実施形態に係る重要物管理装置の別のサブユニットおよび被管理物を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の一実施形態に係る重要物管理装置を図面を参照して以下に説明する。
本実施形態に係る重要物管理装置は、図1に示すように、金融機関の建屋2にいずれも別途設置される複数のメインユニット3(A)、サブユニット3(B)およびサブユニット3(C)で構成されるものである。
【0015】
メインユニット3(A)は、金融機関店舗の例えば1階の職員と顧客とが行き来する職員/顧客共用スペース5に設置されるもので、具体的には職員/顧客共用スペースのうちの顧客の行き来が制限される職員用の執務スペースのフロア6上に設置されている。この職員/顧客共用スペース5は顧客および職員が両方居ることから、顧客応対を主たる業務としている金融機関店舗において職員が最もアクセスし易いフロアとなっている。メインユニット3(A)には、アクセス頻度が高く重要度ランクが高い重要物が保管される。
【0016】
サブユニット3(B)は、金融機関店舗の例えば2階の職員のみが立ち入り可能な職員スペース7のフロア8上に設置されている。この職員スペース7は、職員/顧客共用スペース5から離れているため、顧客応対を主たる業務としている金融機関店舗において職員がアクセスし難いフロアとなっている。サブユニット3(B)には、アクセス頻度が低く重要度ランクが高い重要物が保管される。
【0017】
サブユニット3(C)は、金融機関店舗の例えば地下2階にあって職員のみが立ち入り可能であり且つ職員もほとんど立ち入ることがない倉庫スペース9のフロア10上に設置されている。この倉庫スペース9も、職員/顧客共用スペース5から離れているため、顧客応対を主たる業務としている金融機関店舗において職員がアクセスし難いフロアとなっている。サブユニット3(C)には、さらにアクセス頻度が低く、重要度ランクも比較的高くない重要物が保管される。
【0018】
つまり、本実施形態に係る重要物管理装置は、複数のユニット3(A)〜3(C)が複数のフロア5,7,9上に分散して設置されて構成されている。これらのユニット3(A)〜3(C)はLAN等のネットワーク12で相互に通信可能に接続されている。
【0019】
メインユニット3(A)は、図2に示すように、オープン型のものであり、コンポーネント化された複数個の耐火構造の保管体21が選択的に組み合わせられて構成される装置本体22(A)を備えている。保管体21は、図3に示す被管理物23の保管を行うもので、管理種別毎に設けられている。図2に示すように、保管体21には、大小異なる二つの大きさのものがあり、大きいものには、縦長および横長の二種類がある。
【0020】
具体的に、装置本体22(A)は、前面側に引き出される引き出し式であって図3に示す被管理物23としての比較的新しい通帳23(a)を収納する保管部(保管手段)24(a)が上下に二段設けられた小の保管体21(a)と、前面側に引き出される引き出し式であって被管理物23としての大束紙幣23(b1)、小束紙幣23(b2)および棒金23(b3)を収納する保管部(保管手段)24(b)が上下に二段設けられた横長の大の保管体21(b)と、前面側に引き出される引き出し式であって被管理物23としての硬貨収納袋23(c)を収納する保管部(保管手段)24(c)が上下に二段設けられた横長の大の保管体21(c)とを有している。
【0021】
また、装置本体22(A)は、個々に対応する被管理物23としての鍵23(d)を保持する保管部(保管手段)24(d)が前面側に複数設けられた小の保管体21(d)と、前面側に引き出される引き出し式であって個々に対応する被管理物23としてのIDカード23(e)を収納する保管部(保管手段)24(e)が複数設けられた小の保管体21(e)と、前面側に引かれて揺動する片側扉式であって、図示略の鍵を保持する鍵保持部が複数設けられた被管理物23としての鍵管理機23(f)を収納する保管部(保管手段)24(f)が一カ所のみ設けられた縦長の大の保管体21(f)と、前面側に引き出される引き出し式であって被管理物23としての小切手23(g)を収納する保管部(保管手段)24(g)が上下に二段設けられた小の保管体21(g)とを有している。鍵管理機23(f)に保持される鍵は、例えば現金処理機の起動用および各部開閉用等のものである。
【0022】
また、装置本体22(A)は、前面側に引かれて揺動する片側扉式の保管部(保管手段)24(h)が一カ所のみ設けられた小の保管体21(h)と、前面側に引かれて揺動する両側扉式の保管部(保管手段)24(i)が一カ所のみ設けられた小の保管体21(i)と、前面側に引かれて揺動する扉式および前面側に引き出される引き出し式の二種類の保管部(保管手段)24(j)が組み合わされた小の保管体21(j)と、前面側に引かれて揺動する片側扉式の保管部(保管手段)24(k)が一カ所のみ設けられた縦長の大の保管体21(k)と、前面側に引き出される引き出し式の保管部(保管手段)24(l)が上下に二段設けられた縦長の大の保管体21(l)とを有している。
【0023】
ここで、小の保管体21は、正面視正方形をなしており、大の保管体21は、小の保管体21と奥行きは同じであるものの、その一つが、小の保管体21を複数、具体的には二つ組み合わせたものと正面視が同じ大きさとなっている。よって、大の縦長の保管体21に対して同じ高さ範囲に二つの小の保管体21を上下に配置するとこれらの高さが一致することになり、大の横長の保管体21に対して同じ幅範囲に二つの小の保管体21を左右に配置するとこれらの幅が一致することになる。保管体21は、少なくとも大小異なる二つの大きさのものがあれば良く、例えば、大小異なる三つ以上の大きさのものがあっても良い。大小異なる三つの大きさの保管体21がある場合、大の保管体21を小の保管体21の三つを並べた大きさとし、中の保管体21を小の保管体21の二つを並べた大きさとしたり、大の保管体21を小の保管体21の四つを並べた大きさとし、中の保管体21を小の保管体21の二つを並べた大きさとしたりすることができる。
【0024】
各保管部24には、それぞれを閉状態でロックする電磁式の図3に示すロック機構27が設けられており、このロック機構27は、ロック解除信号が入力されると保管部24を開放可能にロックを解除する一方、ロック信号が入力されると保管部24を閉状態でロックする。また、各保管部24には、それぞれの開閉状態を検出する開閉検知センサ28が設けられている。
【0025】
また、各被管理物23には、それぞれ個別のICタグ29が貼付されている。ICタグ29には、貼付先の被管理物23の、通帳、大束紙幣、小束紙幣、棒金、硬貨収納袋、鍵、IDカード、鍵管理機および小切手等の管理種別を含んでそれぞれを識別するための被管理物識別情報が記憶されている。
【0026】
各保管部24には、それぞれ、各保管部24内にあるICタグ29のみから被管理物識別情報を読み出すICタグリーダ30が設けられている。つまり、このICタグリーダ30は、被管理物23に設けられたICタグ29の被管理物識別情報の読み出しの有無により、保管体21の各保管部24の個々の被管理物23の保管の有無および特定を行う。なお、被管理物識別情報は、被管理物23の上記した管理種別を示す管理種別情報と、被管理物の個別の識別情報とを含んでいる。
【0027】
具体的に、通帳23(a)にはICタグ29(a)が貼付されており、通帳23(a)を保管する保管体21(a)の各保管部24(a)には、それぞれロック機構27(a)、開閉検知センサ28(a)およびICタグリーダ30(a)が設けられている。同様に、大束紙幣23(b1)にはICタグ29(b1)が、小束紙幣23(b2)にはICタグ29(b2)が、棒金23(b3)にはICタグ29(b3)が貼付されており、これらを保管する各保管部24(b)には、それぞれロック機構27(b)、開閉検知センサ28(b)およびICタグリーダ30(b)が設けられている。同様に、硬貨収納袋23(c)にはICタグ29(c)が貼付されており、硬貨収納袋23(c)を保管する各保管部24(c)には、それぞれロック機構27(c)、開閉検知センサ28(c)およびICタグリーダ30(c)が設けられている。
【0028】
鍵23(d)にはICタグ29(d)が貼付されており、鍵23(d)を保管する各保管部24(d)には、それぞれ鍵23(d)を装着状態である閉状態でロックするロック機構27(d)、装着状態である閉状態にあるか取り外し可能な開状態にあるかを検知する開閉検知センサ28(d)およびICタグリーダ30(d)が設けられている。
【0029】
IDカード23(e)にはICタグ29(e)が貼付されており、IDカード23(e)を保管する各保管部24(e)には、それぞれロック機構27(e)、開閉検知センサ28(e)およびICタグリーダ30(e)が設けられている。鍵管理機23(f)にはICタグ29(f)が貼付されており、鍵管理機23(f)を保管する保管部24(f)には、ロック機構27(f)、開閉検知センサ28(f)およびICタグリーダ30(f)が設けられている。小切手23(g)には、ICタグ29(g)が貼付されており、小切手23(g)を保管する保管部24(g)には、ロック機構27(g)、開閉検知センサ28(g)およびICタグリーダ30(g)が設けられている。
【0030】
同様にして、保管体21(h)の保管部24(h)には、それぞれロック機構27(h)、開閉検知センサ28(h)およびICタグリーダ30(h)が設けられ、保管部24(h)に保管される被管理物23(h)には、ICタグ29(h)が貼付されている。保管体21(i)の保管部24(i)には、それぞれロック機構27(i)、開閉検知センサ28(i)およびICタグリーダ30(i)が設けられ、保管部24(i)に保管される被管理物23(i)には、ICタグ29(i)が貼付されている。保管体21(j)の保管部24(j)には、それぞれロック機構27(j)、開閉検知センサ28(j)およびICタグリーダ30(j)が設けられ、保管部24(j)に保管される被管理物23(j)には、ICタグ29(j)が貼付されている。保管体21(k)の保管部24(k)には、それぞれロック機構27(k)、開閉検知センサ28(k)およびICタグリーダ30(k)が設けられ、保管部24(k)に保管される被管理物23(k)には、ICタグ29(k)が貼付されている。保管体21(l)の保管部24(l)には、それぞれロック機構27(l)、開閉検知センサ28(l)およびICタグリーダ30(l)が設けられ、保管部24(l)に保管される被管理物23(l)には、ICタグ29(l)が貼付されている。
【0031】
また、メインユニット3(A)は、図2に示すように、前面側に使用者により情報の入力が行われる操作部(入力手段)35(A)および使用者に表示を行う表示部(表示手段)36(A)を有し、図3に示すように、メインユニット3(A)を制御する制御部(使用者特定手段,制御手段,検索手段)37(A)と、制御プログラム等を記憶するROM38(A)と、管理データ等を記憶するRAM39(A)と、ネットワーク12を介してサブユニット3(B),3(C)と通信を行う通信部40(A)とを有する図2に示す制御装置41(A)を有している。この制御装置41(A)は、操作部35(A)、表示部36(A)、制御部37(A)、ROM38(A)およびRAM39(A)を含んでコンポーネント化されており、小の保管体21と正面視で同じ大きさをなしている。そして、メインユニット3(A)は、この制御装置41(A)に複数個の保管体21が選択的に組み合わせられて構成されるようになっている。
【0032】
また、メインユニット3(A)は、小の保管体21と同じ大きさにコンポーネント化されたフリー空間形成体45を有している。ここで、メインユニット3(A)は、上記した制御装置41(A)に複数個の保管体21が選択的に組み合わせられて全体として正面視が矩形状をなすことになり、その際に、制御装置41(A)も保管体21も配置されない部分を埋めるようにフリー空間形成体45が配置される。フリー空間形成体45は枠状をなしており、内側が空間となっている。フリー空間形成体45が配置されたスペースには、これと交換する形で、後に保管体21を追加可能となっている。
【0033】
そして、制御装置41(A)と、複数個の保管体21およびフリー空間形成体45の適宜のものとが、前面を揃えた状態で、隣り合うもの同士が図示略の連結具で連結されることで、正面視矩形状をなす装置本体22(A)が組み上がることになる。
【0034】
具体的に、図2に示す装置本体22(A)には、通帳23(a)を収納する小の保管体21(a)が正面から見て左側の上側に上下二段に設けられており、その下側に縦長の大の保管体21(l)が一つ設けられている。また、これら保管体21(a)および保管体21(l)の右隣に、縦長の大の保管体21(k)が上下二段に設けられ、これらの右隣に、上側から順に、制御装置41(A)、フリー空間形成体45、小の保管体21(g)、小の保管体21(h)が設けられている。また、これらの右隣に、上側から順に、小の保管体21(d)、小の保管体21(e)、小の保管体21(j)、小の保管体21(i)が設けられ、これらの右隣に、上側から順に、小の保管体21(d)、小の保管体21(e)、横長の大の保管体21(b)、横長の大の保管体21(c)が設けられている。小の保管体21(d)、小の保管体21(e)の右隣であって、横長の大の保管体21(b)の上側に、縦長の大の保管体21(f)が設けられている。
【0035】
さらに、この装置本体22(A)の後側には、各保管体21と制御装置41(A)とを通信可能に接続する通信ケーブル等を配索するための図1に示す配索スペース形成カバー47(A)が図示略の連結具で取り付けられるおり、これにより、メインユニット3(A)が構成されている。なお、高さおよび横幅の異なる配索スペース形成カバー47が複数種類準備されることになり、いずれかの配索スペース形成カバー47と正面視の大きさが合うように、制御装置41と、複数個の保管体21とを組み合わせ、必要によりフリー空間形成体45をも組み合わせる。例えば、図2に示す、小の保管体21四つ分の高さおよび小の保管体21六つ分の幅を有する装置本体22(A)の背面を覆う、小の保管体21四つ分の高さおよび小の保管体21の六つ分の幅を有する図1に示す配索スペース形成カバー47(A)の他に、例えば、小の保管体21四つ分の高さおよび小の保管体21の五つ分の幅を有する幅を有する配索スペース形成カバー47、小の保管体21四つ分の高さおよび小の保管体21の四つ分の幅を有する幅を有する配索スペース形成カバー47、小の保管体21四つ分の高さおよび小の保管体21の三つ分の幅を有する幅を有する配索スペース形成カバー47、小の保管体21三つ分の高さおよび小の保管体21の六つ分の幅を有する幅を有する配索スペース形成カバー47等を、必要に応じて準備する。
【0036】
上記のようにして組み立てられたメインユニット3(A)が配索スペース形成カバー47(A)を壁に近接させて職員/顧客共用スペース5のフロア6上に設置されることになり、これにより、メインユニット3(A)の制御装置41(A)の前面および複数個の保管体21の前面が職員/顧客共用スペース5の室内側に向いて設置されることになる。なお、メインユニット3(A)は必要により下部に転動ロック付きのキャスタ48が取り付けられることになり、フロア6上での移設が可能になっている。
【0037】
このようなメインユニット3(A)においては、使用に当たって、使用者が操作部35(A)に、使用者ID番号の入力や使用者IDカードの走査により、使用者識別情報を入力することになる。使用者識別情報が入力されると、制御部37(A)は、RAM39(A)と照らし合わせてこの入力された使用者識別情報と一致する使用者識別情報がRAM39(A)に記憶されているか否かを判断する。制御部37(A)は、入力された使用者識別情報と一致する使用者識別情報がRAM39(A)に記憶されていなければ、入力された使用者識別情報が適正でない旨を表示部36(A)に表示させる。
【0038】
制御部37(A)は、入力された使用者識別情報と一致する使用者識別情報がRAM39(A)に記憶されていれば、使用者がこの使用者識別情報を有する使用者であることを特定することになり、この特定された使用者識別情報に関連付けてRAM39(A)に記憶されている持ち出しおよび返却可能な被管理物23の種別情報を読み出し、これら種別情報の中から、使用者に持ち出すあるいは返却する被管理物23の種別情報の選択入力および被管理物識別情報の入力を促す表示を表示部36(A)に表示させる。ここで、この使用者識別情報に関連してRAM39(A)に記憶された持ち出しあるいは返却可能な被管理物23の種別情報は、例えば使用者識別情報が一般職員である場合と管理職員である場合と等で異なる。
【0039】
上記の表示にしたがって、使用者が持ち出すあるいは返却する被管理物23の種別情報の選択入力、持ち出すか返却するかの選択入力、および被管理物識別情報の入力を操作部35(A)に行うと、制御部37(A)は、保管体21の保管部24のうち被管理物識別情報を有する被管理物23を保管している保管部24に対し被管理物23の持ち出しおよび返却を許可し、そのロック機構27にロック解除信号を出力してロックを解除する。つまり、制御部37(A)は、操作部35(A)に入力された使用者の特定結果である使用者識別情報と、被管理物識別情報とに基づいて保管体21の保管部24に対する被管理物23の持ち出しおよび返却の可否を制御する。
【0040】
ロックが解除された保管体21の保管部24に対して、使用者がこれを開放して、被管理物23の持ち出しあるいは返却を行い、これを閉じる。すると、この保管部24に設けられた開閉検知センサ28がこの保管部24が閉状態になったことを検知することになり、これにより、制御部37(A)は、この保管部24に設けられたロック機構27にロック信号を出力して保管体21の保管部24をロックする。
【0041】
そして、上記のようにして保管体21の保管部24の開閉が行われると、制御部37(A)は、開閉が行われた保管部24に対してICタグリーダ30でICタグ29から被管理物識別情報を読み取り、この保管部24の保管部識別情報に関連付けて、これらの被管理物識別情報を含む保管部24内の被管理物23の残存状況情報を日時情報および使用者識別情報とともにRAM39(A)に記憶する。
【0042】
制御部37(A)は、この残存状況情報と、RAM39(A)に記憶されている今回の開閉の直前の保管部24内の被管理物23の残存状況情報とから、開閉された保管部24の被管理物23のメインユニット3(A)外への持ち出しおよびメインユニット3(A)への返却の判定を行い、持ち出されあるいは返却された被管理物23の被管理物識別情報が、この持ち出しあるいは返却に対して操作部35(A)に入力された被管理物識別情報と一致し且つ持ち出しおよび返却の選択入力と一致するか、否かを判定する。一致すれば、制御部37(A)は、正常と判断して、持ち出されたあるいは返却された被管理物識別情報と、持ち出されたか返却されたかの区別と、日時情報と、使用者識別情報とを、RAM39(A)に記憶するとともに表示部36(A)に表示させる。他方、一致しなければ、異常と判断して、同様の情報をRAM39(A)に記憶するとともに表示部36(A)に表示させ、さらに表示部36(A)にアラーム表示を表示させる。
【0043】
以上のようにして、制御部37(A)はメインユニット3(A)での被管理物23の出し入れの管理を行うことになり、RAM39(A)には、メインユニット3(A)に設けられたすべての保管部24の保管部識別情報毎に、残存する被管理物23の被管理物識別情報を含む残存状況情報が記憶されることになる。
【0044】
サブユニット3(B)も、メインユニット3(A)と同様、図4に示すように、複数個の保管体21が組み合わせられて構成される装置本体22(B)を備えている。
【0045】
装置本体22(B)は、前面側に引き出される引き出し式であって被管理物23としての図5に示す融資債券類の証書23(m)を収納する保管部(保管手段)24(m)が上下に二段設けられた小の保管体21(m)が複数設けられている。保管体21(m)の各保管部24(m)には、それぞれ、メインユニット3(A)と同様のロック機構27(m)および開閉検知センサ28(m)が設けられている。
【0046】
また、被管理物23としての融資債券類の証書23(m)には、証書の管理種別を含んでそれぞれを識別するための被管理物識別情報が記憶されたICタグ29(m)が貼付されており、各保管部24(m)には、それぞれ、各保管部24(m)内にあるICタグ29(m)のみから被管理物識別情報を読み出すICタグリーダ30(m)が設けられている。
【0047】
また、サブユニット3(B)は、メインユニット3(A)と同様の、操作部(入力手段)35(B)、表示部(表示手段)36(B)、制御部(使用者特定手段,制御手段,検索手段)37(B)、ROM38(B)およびRAM39(B)と、ネットワーク12を介してメインユニット3(A)およびサブユニット3(C)と通信を行う通信部40(B)とを有する図4に示す制御装置41(B)を有している。
【0048】
ここで、サブユニット3(B)も、上記した制御装置41(B)に複数個の保管体21が選択的に組み合わせられて全体として正面視が矩形状の装置本体22(B)が組み上がることになる。さらに、この装置本体22(B)の後側には、通信ケーブル等を配索するための図1に示す配索スペース形成カバー47(B)が取り付けられることでサブユニット3(B)が構成されている。このようにして組み立てられたサブユニット3(B)が配索スペース形成カバー47(B)を壁に近接させて、職員スペース7のフロア8上に設置されることになる。サブユニット3(B)にも下部に転動ロック付きのキャスタ48が取り付けられている。
【0049】
このようなサブユニット3(B)においても、メインユニット3(A)と同様、使用に当たって、操作部35(B)に使用者識別情報が入力されると、制御部37(B)は、この入力された使用者識別情報と一致する使用者識別情報がRAM39(B)に記憶されていれば、使用者がこの使用者識別情報を有する使用者であることを特定することになる。そして、この特定された使用者識別情報に関連付けてRAM39(B)に記憶されている持ち出しあるいは返却可能な被管理物23の種別情報が証書23(m)の種別情報を含んでいる場合に、持ち出すあるいは返却する証書23(m)の種別情報の選択入力および被管理物識別情報の入力を操作部35(B)が行われると、制御部37(B)は、この入力された被管理物識別情報を有する証書23(m)を収納している保管体21(m)の保管部24(m)に対し持ち出しおよび返却を許可し、そのロック機構27(m)にロック解除信号を出力してロックを解除する。つまり、制御部37(B)も、操作部35(B)に入力された使用者の特定結果である使用者識別情報と、被管理物識別情報とに基づいて保管体21(m)の保管部24(m)に対する被管理物23である証書23(m)の持ち出しおよび返却の可否を制御する。
【0050】
ロックが解除された保管体21(m)の保管部24(m)に対して、使用者がこれを開放して、証書(m)の持ち出しあるいは返却を行い、これを閉じる。すると、この保管部24(m)に設けられた開閉検知センサ28(m)がこの保管部24(m)が閉状態になったことを検知することになり、これにより、制御部37(B)は、この保管部24(m)に設けられたロック機構27(m)でこの保管部24(m)をロックする。
【0051】
そして、上記のようにして保管部24(m)の開閉が行われると、制御部37(B)は、開閉が行われた保管部24(m)に対してICタグリーダ30(m)でICタグ29(m)から被管理物識別情報を読み取り、この保管部24(m)の保管部識別情報に関連付けて、この被管理物識別情報を含む保管部24(m)内の証書23(m)の残存状況情報を日時情報および使用者識別情報とともにRAM39(B)に記憶する。
【0052】
制御部37(B)は、この残存状況情報と、RAM39(B)に記憶されている今回の開閉の直前のこの保管部24(m)内の証書(m)の残存状況情報とから、開閉された保管部24(m)の証書(m)のサブユニット3(B)外への持ち出しおよびサブユニット3(B)への返却の判定を行い、持ち出されたあるいは返却された証書(m)の被管理物識別情報が、この持ち出しあるいは返却に対して操作部35(B)に入力された被管理物識別情報と一致し且つ持ち出しおよび返却の選択入力と一致するか、否かを判定する。一致すれば、制御部37(B)は、正常と判断して、持ち出されたあるいは返却された被管理物識別情報と、持ち出されたか、返却されたかの区別と、日時情報と、使用者識別情報とを、RAM39(B)に記憶するとともに表示部36(B)に表示させる。他方、一致しなければ、異常と判断して、同様の情報をRAM39(B)に記憶するとともに表示部36(B)に表示させ、さらに表示部36(B)にアラーム表示を表示させる。
【0053】
以上のようにして、制御部37(B)はサブユニット3(B)での被管理物23(m)の出し入れの管理を行うことになり、RAM39(B)には、サブユニット3(B)に設けられたすべての保管部24の保管部識別情報毎に、残存する被管理物23(m)の被管理物識別情報を含む残存状況情報が記憶されることになる。
【0054】
サブユニット3(C)も、サブユニット3(B)と同様、図6に示すように、複数個の保管体21が選択的に組み合わせられて構成される装置本体22(C)を備えている。サブユニット3(C)には、例えば行政機関からの監査等がない限りはアクセスする機会が発生しない被管理物23が収納される。
【0055】
具体的に、装置本体22(C)は、前面側に引き出される引き出し式であって被管理物23としての使用済みの古い図7に示す通帳23(n)を収納する保管部(保管手段)24(n)が上下に二段設けられた小の保管体21(n)と、前面側に引き出される引き出し式であって被管理物23としての古い図7に示す取引ジャーナル23(o)を収納する保管部(保管手段)24(o)が上下に二段設けられた小の保管体21(o)とがそれぞれ複数設けられている。
【0056】
保管体21(n)の各保管部24(n)には、それぞれ、サブユニット3(B)と同様のロック機構27(n)と開閉検知センサ28(n)とが設けられている。また、被管理物23としての古い通帳23(n)には、古い通帳23(n)の管理種別を含んでそれぞれを識別するための被管理物識別情報が記憶されたICタグ29(n)が貼付されており、各保管部24(n)には、それぞれ、各保管部24(n)内にあるICタグ29(n)のみから被管理物識別情報を読み出すICタグリーダ30(n)が設けられている。
【0057】
保管体21(o)の各保管部24(o)には、それぞれ、上記と同様のロック機構27(o)と開閉検知センサ28(o)とが設けられている。また、被管理物23としての古い取引ジャーナル23(o)には、古い取引ジャーナル23(o)の管理種別を含んでそれぞれを識別するための被管理物識別情報が記憶されたICタグ29(o)が貼付されており、各保管部24(o)には、それぞれ、各保管部24(o)内にあるICタグ29(o)のみから被管理物識別情報を読み出すICタグリーダ30(o)が設けられている。
【0058】
また、サブユニット3(C)は、サブユニット3(B)と同様の、操作部(入力手段)35(C)、表示部(表示手段)36(C)、制御部(使用者特定手段,制御手段,検索手段)37(C)、ROM38(C)およびRAM39(C)と、ネットワーク12を介してメインユニット3(A)およびサブユニット3(B)と通信を行う通信部40(C)とを有する図6に示す制御装置41(C)を有している。
【0059】
ここで、サブユニット3(C)も、上記した制御装置41(C)に複数個の保管体21(n),21(o)が選択的に組み合わせられて全体として正面視が矩形状の装置本体22(C)が組み上がることになる。さらに、この装置本体22(C)の後側には、通信ケーブル等を配索するための図1に示す配索スペース形成カバー47(C)が取り付けられており、これによりサブユニット3(C)が構成されている。サブユニット3(C)は、配索スペース形成カバー47(C)を壁に近接させて、倉庫スペース9のフロア10上に設置されることになる。サブユニット3(C)にも下部に転動ロック付きのキャスタ48が取り付けられている。
【0060】
このようなサブユニット3(C)においても、サブユニット3(B)と同様、使用に当たって、操作部35(C)に使用者識別情報が入力されると、制御部37(C)は、この使用者識別情報と一致する使用者識別情報がRAM39(C)に記憶されていれば、使用者がこの使用者識別情報を有する使用者であることを特定することになる。そして、この特定された使用者識別情報に関連付けてRAM39(C)に記憶されている持ち出しあるいは返却可能な被管理物23の種別情報が、通帳23(n)あるいは取引ジャーナル23(o)の種別情報を含んでいる場合に、持ち出すあるいは返却する通帳23(n)あるいは取引ジャーナル23(o)の種別情報の選択入力と、被管理物識別情報との入力が操作部35(C)に行われると、制御部37(C)は、この入力された被管理物識別情報を有する通帳23(n)あるいは取引ジャーナル23(o)を収納している保管体21の保管部24に対し持ち出しおよび返却を許可し、そのロック機構27にロック解除信号を出力してロックを解除する。つまり、制御部37(C)も、操作部35(C)に入力された使用者の特定結果である使用者識別情報および被管理物識別情報に基づいて保管体21の保管部24に対する被管理物23の持ち出しおよび返却の可否を制御する。
【0061】
ロックが解除された保管体21の保管部24に対して、使用者がこれを開放して、被管理物23の持ち出しあるいは返却を行い、これを閉じる。すると、この保管部24に設けられた開閉検知センサ28がこの保管部24が閉状態になったことを検知することになり、これにより、制御部37(C)は、この保管部24に設けられたロック機構27でこの保管部24をロックする。
【0062】
そして、上記のようにして保管部24の開閉が行われると、制御部37(C)は、開閉が行われた保管部24に対してICタグリーダ30でICタグ29から被管理物識別情報を読み取り、この保管部24の保管部識別情報に関連付けて、これらの被管理物識別情報を含む保管部24内の被管理物23の残存状況情報を日時情報および使用者識別情報とともにRAM39(C)に記憶する。
【0063】
制御部37(C)は、この残存状況情報と、RAM39(C)に記憶されている今回の開閉の直前のこの保管部24内の被管理物23の残存状況情報とから、開閉された保管部24の被管理物23のサブユニット3(C)外への持ち出しおよびサブユニット3(C)への返却の判定を行い、持ち出されたあるいは返却された被管理物23の被管理物識別情報が、この持ち出しあるいは返却に対して操作部35(C)に入力された被管理物識別情報と一致し且つ持ち出しおよび返却の選択入力と一致するか、否かを判定する。一致すれば、制御部37(C)は、正常と判断して、持ち出されたあるいは返却された被管理物識別情報と、持ち出されたか返却されたかの区別と、日時情報と、使用者識別情報とを、RAM39(C)に記憶するとともに表示部36(C)に表示させる。他方、一致しなければ、異常と判断して、同様の情報をRAM39(C)に記憶するとともに表示部36(C)に表示させ、さらに表示部36(C)にアラーム表示を表示させる。
【0064】
以上のようにして、制御部37(C)はサブユニット3(C)での被管理物23の出し入れの管理を行うことになり、RAM39(C)には、サブユニット3(C)に設けられたすべての保管部24の保管部識別情報毎に、残存する被管理物23の被管理物識別情報を含む残存状況情報が記憶されることになる。
【0065】
ここで、メインユニット3(A)においては、操作部35(A)へ任意のタイミングで別途の第1検索操作入力が行われ、操作部35(A)へ被管理物23の被管理物識別情報が入力されると、制御部37(A)は、RAM39(A)〜39(C)に記憶された上記の最新の残存状況情報から、操作部35(A)に入力された被管理物識別情報を有する残存状況情報を検索し、この残存状況情報に含まれている保管部24の、ユニットの識別情報を含む保管部識別情報を表示部36(A)に表示させるようになっている。つまり、制御部37(A)は、操作部35(A)に入力された被管理物23の被管理物識別情報に基づいてこの被管理物23が保管されている保管部24をメインユニット3(A)、サブユニット3(B)およびサブユニット3(C)に対し検索することになり、この検索結果を、この検索結果の基になる被管理物23の被管理物識別情報が入力された操作部35(A)を有するメインユニット3(A)に設けられた表示部36(A)に表示させる。なお、各ユニット3(A)〜3(C)には、図示は略すが、使用者が視認可能な位置にユニット識別番号が表記され、各保管部24にも閉状態で使用者が視認可能な位置に保管部識別番号が表記されており、表示部36(A)に表示させる検索結果は、入力された被管理物23が保管されているユニット識別番号と保管部識別番号となる。
【0066】
また、操作部35(A)へ任意のタイミングでの別途の第2検索操作入力が行われ、操作部35(A)へ保管部24のユニットの識別情報を含む保管部識別情報(ユニット識別番号および保管部識別番号)が入力されると、制御部37(A)は、RAM39(A)〜39(C)に記憶された上記の最新の残存状況情報から、操作部35(A)に入力された保管部識別情報を有する残存状況情報を検索し、この残存状況情報に含まれているすべての被管理物識別情報を表示部36(A)に表示させるようになっている。つまり、指定された保管部24内に保管対象となる被管理物23の被管理物識別情報をすべて表示部36(A)に表示させる。そして、この表示の際には、保管部24内の残存状況、つまり被管理物23の保管有無の区別情報も併せて表示させるようになっている。
【0067】
サブユニット3(B)においても、操作部35(B)へ任意のタイミングで別途の第1検索操作入力が行われ、操作部35(B)へ被管理物23の被管理物識別情報が入力されると、制御部37(B)は、RAM39(A)〜39(C)に記憶された上記の最新の残存状況情報から、操作部35(B)に入力された被管理物識別情報を有する残存状況情報を検索し、この残存状況情報に含まれている保管部24の、ユニットの識別情報を含む保管部識別情報を表示部36(B)に表示させるようになっている。つまり、制御部37(B)は、操作部35(B)に入力された被管理物23の被管理物識別情報に基づいてこの被管理物23が保管されている保管部24を、メインユニット3(A)、サブユニット3(B)およびサブユニット3(C)に対し検索することになり、この検索結果を、この検索結果の基になる被管理物23の被管理物識別情報が入力された操作部35(B)を有するサブユニット3(B)に設けられた表示部36(B)に上記と同様に表示させる。
【0068】
また、操作部35(B)へ任意のタイミングで別途の第2検索操作入力が行われ、操作部35(B)へ保管部24のユニットの識別情報を含む保管部識別情報が入力されると、制御部37(B)は、RAM39(A)〜39(C)に記憶された上記の最新の残存状況情報から、操作部35(B)に入力された保管部識別情報を有する残存状況情報を検索し、この残存状況情報に含まれているすべての被管理物識別情報を表示部36(B)に表示させるようになっている。
【0069】
サブユニット3(C)においても、操作部35(C)へ任意のタイミングで別途の第1検索操作入力が行われ、操作部35(C)へ被管理物23の被管理物識別情報が入力されると、制御部37(C)は、RAM39(A)〜39(C)に記憶された上記の最新の残存状況情報から、操作部35(C)に入力された被管理物識別情報を有する残存状況情報を検索し、この残存状況情報に含まれている保管部24の、ユニットの識別情報を含む保管部識別情報を表示部36(C)に表示させるようになっている。つまり、制御部37(C)は、操作部35(C)に入力された被管理物23の被管理物識別情報に基づいてこの被管理物23が保管されている保管部24をメインユニット3(A)、サブユニット3(B)およびサブユニット3(C)に対し検索することになり、この検索結果を、この検索結果の基になる被管理物23の被管理物識別情報が入力された操作部35(C)を有するサブユニット3(C)に設けられた表示部36(C)に上記と同様に表示させる。
【0070】
また、操作部35(C)へ任意のタイミングで別途の第2検索操作入力が行われ、操作部35(C)へ保管部24のユニットの識別情報を含む保管部識別情報が入力されると、制御部37(C)は、RAM39(A)〜39(C)に記憶された上記の最新の残存状況情報から、操作部35(C)に入力された保管部識別情報を有する残存状況情報を検索し、この残存状況情報に含まれているすべての被管理物識別情報を表示部36(C)に表示させるようになっている。
【0071】
具体的に、メインユニット3(A)で検索を行う場合、メインユニット3(A)の操作部35(A)へ、被管理物識別情報の指定操作入力が行われると、制御部37(A)は、まず、メインユニット3(A)のRAM39(A)に記憶された最新の残存状況情報から、操作部35(A)に入力された被管理物識別情報を有する残存状況情報を検索し、入力された被管理物識別情報を有する残存状況情報があれば、この残存状況情報に含まれている保管部24の、ユニットの識別情報を含む保管部識別情報を表示部36(A)のみに表示させるようになっている。
【0072】
他方、RAM39(A)に記憶された最新の残存状況情報に、入力された被管理物識別情報を有する残存状況情報がなければ、ネットワーク12を介して通信して、サブユニット3(B)のRAM39(B)に記憶された最新の残存状況情報から、入力された被管理物識別情報を有する残存状況情報を検索し、入力された被管理物識別情報を有する残存状況情報があれば、この残存状況情報に含まれている保管部24の、ユニットの識別情報を含む保管部識別情報を表示部36(A)のみに表示させるようになっている。
【0073】
また、RAM39(B)に記憶された最新の残存状況情報に、入力された被管理物識別情報を有する残存状況情報がなければ、ネットワーク12を介して通信して、サブユニット3(C)のRAM39(C)に記憶された最新の残存状況情報から、入力された被管理物識別情報を有する残存状況情報を検索し、入力された被管理物識別情報を有する残存状況情報があれば、この残存状況情報に含まれている保管部24の、ユニットの識別情報を含む保管部識別情報を表示部36(A)のみに表示させるようになっている。なお、RAM39(C)の最新の残存状況情報にも、入力された被管理物識別情報を有する残存状況情報がなければ、入力された被管理物識別情報が見つからない旨を表示部36(A)のみに表示させるようになっている。
【0074】
サブユニット3(B)で検索を行う場合、サブユニット3(B)の操作部35(B)へ、被管理物識別情報の指定操作入力が行われると、制御部37(B)は、まず、サブユニット3(B)のRAM39(B)に記憶された最新の残存状況情報から、操作部35(B)に入力された被管理物識別情報を有する残存状況情報を検索し、入力された被管理物識別情報を有する残存状況情報があれば、この残存状況情報に含まれている保管部24の、ユニットの識別情報を含む保管部識別情報を表示部36(B)のみに表示させるようになっている。
【0075】
他方、RAM39(B)に記憶された最新の残存状況情報に、入力された被管理物識別情報を有する残存状況情報がなければ、ネットワーク12を介して通信して、メインユニット3(A)のRAM39(A)に記憶された最新の残存状況情報から、入力された被管理物識別情報を有する残存状況情報を検索し、入力された被管理物識別情報を有する残存状況情報があれば、この残存状況情報に含まれている保管部24の、ユニットの識別情報を含む保管部識別情報を表示部36(B)のみに表示させるようになっている。
【0076】
また、RAM39(A)に記憶された最新の残存状況情報に、入力された被管理物識別情報を有する残存状況情報がなければ、ネットワーク12を介して通信して、サブユニット3(C)のRAM39(C)に記憶された最新の残存状況情報から、入力された被管理物識別情報を有する残存状況情報を検索し、入力された被管理物識別情報を有する残存状況情報があれば、この残存状況情報に含まれている保管部24の、ユニットの識別情報を含む保管部識別情報を表示部36(B)のみに表示させるようになっている。なお、RAM39(C)の最新の残存状況情報にも、入力された被管理物識別情報を有する残存状況情報がなければ、入力された被管理物識別情報が見つからない旨を表示部36(B)のみに表示させるようになっている。
【0077】
サブユニット3(C)で検索を行う場合、サブユニット3(C)の操作部35(C)へ、被管理物識別情報の指定操作入力が行われると、制御部37(C)は、まず、サブユニット3(C)のRAM39(C)に記憶された最新の残存状況情報から、操作部35(C)に入力された被管理物識別情報を有する残存状況情報を検索し、入力された被管理物識別情報を有する残存状況情報があれば、この残存状況情報に含まれている保管部24の、ユニットの識別情報を含む保管部識別情報を表示部36(C)のみに表示させるようになっている。
【0078】
他方、RAM39(C)に記憶された最新の残存状況情報に、入力された被管理物識別情報を有する残存状況情報がなければ、ネットワーク12を介して通信して、メインユニット3(A)のRAM39(A)に記憶された最新の残存状況情報から、入力された被管理物識別情報を有する残存状況情報を検索し、入力された被管理物識別情報を有する残存状況情報があれば、この残存状況情報に含まれている保管部24の、ユニットの識別情報を含む保管部識別情報を表示部36(C)のみに表示させるようになっている。
【0079】
また、RAM39(A)に記憶された最新の残存状況情報に、入力された被管理物識別情報を有する残存状況情報がなければ、ネットワーク12を介して通信して、サブユニット3(B)のRAM39(B)に記憶された最新の残存状況情報から、入力された被管理物識別情報を有する残存状況情報を検索し、入力された被管理物識別情報を有する残存状況情報があれば、この残存状況情報に含まれている保管部24の、ユニットの識別情報を含む保管部識別情報を表示部36(C)のみに表示させるようになっている。なお、RAM39(B)の最新の残存状況情報にも、入力された被管理物識別情報を有する残存状況情報がなければ、入力された被管理物識別情報が見つからない旨を表示部36(C)のみに表示させるようになっている。
【0080】
以上に述べた本実施形態の重要物管理装置によれば、被管理物23の保管を行う保管部24を管理種別毎に有する複数のユニット3(A)〜3(C)を備え、これらユニット3(A)〜3(C)がネットワーク12で接続されて複数のフロア6,8,10上に分散して設置される。そして、複数のユニット3(A)〜3(C)に設けられた操作部35(A)〜35(C)に使用者識別情報が入力されると、制御部37(A)〜37(C)は、使用者を特定し、この特定結果に基づいて保管部24に対する被管理物23の持ち出しおよび返却の可否を制御する。このように、保管部24を管理種別毎に有してフロア6,8,10上に設置されることにより、金庫室の代わりに重要物を管理することができるため、専用の金庫室を建屋に構築する場合と比べて、コストを大幅に低減することができる。
【0081】
また、保管部24を管理種別毎に有する複数のユニット3(A)〜3(C)が複数のフロア6,8,10上に分散して設置されるため、アクセスし易いフロアとアクセスし難いフロアとに分散して重要物を保管できる。よって、アクセスし易い職員/顧客共用スペース5にアクセス頻度の高い重要物を保管し、アクセスし難い職員スペース7にアクセス頻度の低い重要物を保管することで、アクセスの効率向上とスペースの有効利用とを両立可能となる。つまり、アクセスし易い職員/顧客共用スペース5にアクセス頻度の高い重要物のみを保管することで、アクセスの効率向上を図るとともに、職員/顧客共用スペース5に必要な設置スペースを減らして顧客サービス用のスペースを大きくできる。
【0082】
また、制御部37(A)〜37(C)が、操作部35(A)〜35(C)に入力された被管理物23の被管理物識別情報に基づいて、この被管理物23が保管されている保管部24を検索することになり、この制御部37(A)〜37(C)による検索結果を、表示部36(A)〜36(C)に表示させることになる。したがって、被管理物23を保管している保管部24を容易に捜すことができ、所望の被管理物23を保管している保管部24に容易にアクセスすることができる。
【0083】
また、制御部37(A)〜37(C)が、操作部35(A)〜35(C)に入力された被管理物23の被管理物識別情報に基づいて、この被管理物23が保管されている保管部24を複数のユニット3(A)〜3(C)に対し検索することになり、この制御部37(A)〜37(C)による検索結果を、当該検索結果の基になる被管理物23の被管理物識別情報が入力された操作部35(A)〜35(C)を有するユニット3(A)〜3(C)に設けられた表示部36(A)〜36(C)に表示させることになる。したがって、いずれのユニット3(A)〜3(C)の操作部35(A)〜35(C)への入力で検索を行っても、複数のユニット3(A)〜3(C)にわたって被管理物23を収納している保管部24を検索できることになり、その検索結果をアクセスしたユニット3(A)〜3(C)の表示部36(A)〜36(C)で確認することができる。よって、所望の被管理物23を保管している保管部24を確実に捜すことができ、所望の被管理物23を保管している保管部24にさらに容易にアクセスすることができる。
【0084】
なお、以上の実施形態においては、被管理物23それぞれにICタグ29を設け、保管部24にICタグリーダ30を設ける場合を例にとり説明したが、被管理物23それぞれに被管理物識別情報を識別可能なバーコードを設け、持ち出しおよび返却の度にバーコードリーダでこのバーコードを読み取って、持ち出しおよび返却の区別とともにRAM39に記憶させて管理するようにしても良い。
【0085】
また、以上の実施形態においては、メインユニット3(A)、サブユニット3(B)およびサブユニット3(C)のすべてにわたって被管理物識別情報を検索可能としたが、メインユニット3(A)およびサブユニット3(B)の二つだけで被管理物識別情報を検索可能としても良く、この場合、サブユニット3(C)の制御部35(C)から検索機能をなくすことができる。さらに、少なくともメインユニット3(A)のみ、その中に保管している被管理物の被管理物識別情報を検索可能としても良く、少なくともメインユニット3(A)のみ、その中に保管している被管理物の被管理物識別情報と他のユニット3(B),3(C)に保管している被管理物の被管理物識別情報とを検索可能としても良い。
【0086】
また、以上の実施形態においては、すべての制御部35(A)〜35(C)に検索機能を有する場合を例にとり説明したが、制御部35(A)〜(C)には検索機能をなくし、ネットワーク12上に検索手段を設けても良い。
【0087】
加えて、上記メインユニット3(A)、サブユニット3(B)およびサブユニット3(C)に管理PCをネットワーク12を介して接続させて、すべてのユニット3(A)〜3(C)のRAM39(A)〜39(C)に記憶された保管部識別情報毎の被管理物識別情報等、上記した内容の表示を管理PCで表示可能としても良い。
【符号の説明】
【0088】
6,8,10 フロア
23 被管理物
24 保管部(保管手段)
35(A)〜35(C) 操作部(入力手段)
36(A)〜36(C) 表示部(表示手段)
37(A)〜37(C) 制御部(使用者特定手段,制御手段,検索手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被管理物の保管を行う保管手段を管理種別毎に有するユニットを複数備え、
これらユニットがネットワークで接続されて複数のフロア上に分散して設置されており、
情報が入力される入力手段と、
該入力手段に入力された使用者識別情報に基づいて使用者を特定する使用者特定手段と、
該使用者特定手段の特定結果に基づいて前記保管手段に対する前記被管理物の持ち出しおよび返却の可否を制御する制御手段と、
を備えた重要物管理装置。
【請求項2】
前記入力手段に入力された前記被管理物の被管理物識別情報に基づいて該被管理物が保管されている前記保管手段を検索する検索手段と、
該検索手段による検索結果を表示する表示手段と、を備えることを特徴とする請求項1記載の重要物管理装置。
【請求項3】
前記入力手段および前記表示手段が、複数の前記ユニットそれぞれに設けられており、
前記検索手段は、前記入力手段に入力された前記被管理物の被管理物識別情報に基づいて、該被管理物が保管されている前記保管手段を複数の前記ユニットに対し検索し、
前記検索手段による検索結果を、当該検索結果の基になる前記被管理物の被管理物識別情報が入力された前記入力手段を有する前記ユニットに設けられた前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項2記載の重要物管理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−112096(P2012−112096A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−259213(P2010−259213)
【出願日】平成22年11月19日(2010.11.19)
【出願人】(000116079)ローレルバンクマシン株式会社 (82)
【Fターム(参考)】