説明

重要物管理装置

【課題】貸与する物品の管理を厳正に行うことのできる物品保管装置を提供する。
【解決手段】施錠装置を備え、物品を収納する複数の収納庫と、各物品を識別するための物品情報と、物品を収納する収納庫とを対応付けて記憶した物品管理テーブルと、物品に付された記録媒体から物品情報を取得する物品情報取得部と、物品を収納庫に入庫する際に、物品情報取得部により物品情報が取得された場合、当該取得された物品情報と対応付けて物品管理テーブルに記憶されている収納庫の施錠装置を開錠制御する制御部とを有する物品保管装置とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品を保管する物品保管装置に関するものであり、特に、利用者の貸与する物品を保管する重要物管理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、利用者に貸与するための物品を収納した複数の収納庫を備えた物品保管装置と、各収納庫における物品の在庫管理や各収納庫の施錠及び開錠を行うデータセンターとを備えた物品のレンタルシステムが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
このシステムでは、利用者が物品の貸与を受けようとする場合、利用者は物品保管装置の前で、自身の携帯端末によりデータセンターにアクセスして、利用者本人の認証を行い、その後、借り受けたい物品の識別番号をデータセンターへ送信する。そして、データセンターは、利用者から物品の識別番号を受信すると、その物品が収納されている収納庫を開錠して、物品を利用者に貸与可能とする。
【0004】
一方、利用者が物品を返却する場合、利用者は、自身の携帯端末によりデータセンターにアクセスして、本人認証を行った後、データセンターから物品を返却する収納庫の識別番号の通知を受け、利用者は物品保管装置の前で、その識別番号をデータセンターへ送信する。
【0005】
データセンターは、利用者から収納庫の識別番号を受信すると、その識別番号に対応した収納庫を開錠して、物品の返却を可能とする。そして、このシステムでは、利用者が物品を収納庫へ返却して扉を閉めると収納庫が施錠され物品の返却が完了するように構成されていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−157399号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記従来のシステムでは、利用者が借り受けた物品と異なる物品を誤って収納庫へ返却して収納庫の扉を閉めた場合であっても、物品の返却が完了してしまうため、貸与する物品の管理を厳正に行えない恐れがあった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そこで、本発明では、物品の保管を行う保管手段を種別毎に有する重要物管理装置であって、入力された識別情報に基づいて利用者を特定する利用者特定手段と、前記利用者特定手段の特定結果に基づいて前記保管手段に対する前記物品の持ち出しおよび返却の可否を制御する制御手段と、前記保管手段の前記物品の保管の有無を判定する判定手段と、前記判定手段による判定結果を表示する表示手段とを備えることを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、種別毎の前記保管手段が、少なくとも大小異なる二つの大きさのものがあり、複数個の大きさの異なる保管手段が選択的に組み合わせられて構成されることを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、前記利用者特定手段、前記制御手段および前記表示手段を含む管理部を備え、前記管理部に複数個の前記保管手段が選択的に組み合わせられて構成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明では、物品の保管を行う保管手段を種別毎に有する重要物管理装置であって、入力された識別情報に基づいて利用者を特定する利用者特定手段と、前記利用者特定手段の特定結果に基づいて前記保管手段に対する前記物品の持ち出しおよび返却の可否を制御する制御手段と、前記保管手段の前記物品の保管の有無を判定する判定手段と、前記判定手段による判定結果を表示する表示手段とを備えるよう構成したので、利用者の特定結果に基づいて物品の持ち出しおよび返却の可否を制御しつつ、物品の保管の有無を表示することができ、その結果、物品の管理を厳正に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本実施形態に係る物品保管装置を示す斜視図である。
【図2】本実施形態に係る物品保管装置の構成を示す機能ブロック図である。
【図3】記憶部に記憶している各種テーブルを概念的に示す説明図である。
【図4】物品保管装置の動作中に表示操作部に表示される画面の一例を示す説明図である。
【図5】物品保管装置の動作中に表示操作部に表示される画面の一例を示す説明図である。
【図6】物品保管装置の動作中に表示操作部に表示される画面の一例を示す説明図である。
【図7】物品保管装置の動作中に表示操作部に表示される画面の一例を示す説明図である。
【図8】物品保管装置の動作中に表示操作部に表示される画面の一例を示す説明図である。
【図9】物品保管装置の制御部が実行する処理を示すフローチャートである。
【図10】物品保管装置の制御部が実行する処理を示すフローチャートである。
【図11】物品保管装置の制御部が実行する処理を示すフローチャートである。
【図12】物品保管装置の制御部が実行する処理を示すフローチャートである。
【図13】物品保管装置の制御部が実行する処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本実施形態に係る物品保管装置は、会社の備品保管室等に配設され、社員等の利用者に貸出すための物品を収納させて保管しておく装置であり、特に、保管する物品を厳正に管理することができるように構成された装置である。
【0014】
以下、本発明に係る物品保管装置の一実施形態について、図面を参照して具体的に説明する。ここでは、利用者に対して貸出すための物品を保管する物品保管装置に対して本発明を適用した場合を例に挙げて説明するが、本発明は、貸出し用の物品に限らず任意の物品を保管する物品保管装置に対して適用することができるものである。
【0015】
まず、図1を参照して、本実施形態に係る物品保管装置の外観について説明する。図1は、本実施形態に係る物品保管装置を示す斜視図である。図1に示すように、本実施形態に係る物品保管装置1は、縦長箱形状の筺体の両側部に物品を収納する収納部2を備え、これら収納部2を挟んだ筺体の中央部に、当該物品保管装置1の動作及び収納部2内に収納した物品の管理を行う管理部3を備えている。
【0016】
各収納部2は、最上層と最下層とに比較的大型の物品を収納可能な大型収納庫2aを備え、これら上下の大型収納庫2aの間の中間層に、大型収納庫2aよりも収納容量が小さな複数の標準収納庫2bを備えている。以下、これら大型収納庫2aと標準収納庫2bとを総称して、単に「収納庫2x」という。なお、図1に示す各収納庫2xの収納容量やレイアウトは、一例に過ぎず任意に変更することができる。
【0017】
管理部3は、物品保管装置1の利用者を顔認証するための顔認証用撮像部4と、物品保管装置1の操作手順や収納庫2xに収納している物品に関する情報等を画面上に表示すると共に、利用者が表示中の画面上における所定位置に触れることによって、物品保管装置1に各種機能を実行させるタッチパネル機能を有する表示操作部5とを備えている。
【0018】
また、管理部3は、利用者をICカードにより認証するためのICカードリーダ6と、物品に貼付されたバーコードからその物品に関する情報を読み取るバーコードリーダ7と、物品を撮像するための物品用撮像部8とを備えている。また、物品用撮像部8の下方には、郵便物収納部9(図2参照)を備えている。図1中の符号9aは、郵便物収納部9に郵便物を投入するための郵便物投入口、符号9bは、郵便物収納部9から郵便物を取り出す際に開閉する扉である。
【0019】
また、この管理部3は、郵便物収納部9の下方に、物品保管装置1全体の動作を統括制御する後述の制御部10(図2参照)を備えている。なお、図1中の符号10aは、制御部10の設定やメンテナンスを行う際に開閉する扉、符号10bは、扉10aを開錠及び施錠する鍵孔である。
【0020】
この物品保管装置1は、利用者による表示操作部5の操作に基づいて、制御部10が収納庫2xの施錠及び開錠を行う。
【0021】
ここで、図2を参照して、物品保管装置1の構成について説明する。図2は、本実施形態に係る物品保管装置1の構成を示す機能ブロック図である。図2に示すように、物品保管装置1は、収納部2と管理部3とを備えている。
【0022】
収納部2は、複数の収納庫2xを備えている。各収納庫2xは、それぞれ物品を収納可能な収納領域を有するとボックスと、制御部10による制御に従って各収納庫2xの開錠及び施錠を行う施錠装置としての電子キー2dと、各収納庫2x内部に物品が収納されているか否かを検知するセンサ2eとを備えている。
【0023】
このセンサ2eは、収納された物品の形状及び色彩を検知するフォトセンサと、物品の重量を検知する重量センサとを備えている。
【0024】
管理部3は、表示操作部5、スピーカ16a、バーコードリーダ7、ICカードリーダ6、顔認証用撮像部4、物品用撮像部8、制御部10、記憶部20、郵便物収納部9を備えている。
【0025】
表示操作部5は、タッチパネル機能を備えた液晶表示装置により構成している。この表示操作部5は、制御部10による表示制御に従って、物品保管装置1の操作手順や収納庫2xに収納している物品に関する情報、記憶部20に記憶している後述の各種テーブル内の情報等を画面上に表示する。また、この表示操作部5は、利用者が表示中の画面上における所定位置に触れる操作を行うと、その操作に応じた操作信号を制御部10へ出力する。
【0026】
スピーカ16aは、制御部10による制御に基づいて、利用者に対して様々な報知音や報知アナウンスを出音する。
【0027】
バーコードリーダ7は、物品に添付されている記録媒体としてのバーコードからその物品に関する物品情報として、その物品の種類(物品名及びその物品を識別するための情報)、その物品を利用可能な利用者に関する利用者情報等を読み取って制御部10へ出力する。なお、バーコードには、予め物品の種類、その物品を利用可能な利用者に関する利用者情報等を記録させている。本実施形態では、このバーコードリーダ7が、物品に付された記録媒体から物品情報を取得する物品情報取得部として機能する。
【0028】
ここで、物品を利用可能な利用者とは、その物品を借受けて使用する権限を有する利用者のことである。本実施形態では、物品保管装置1を利用する各利用者に対し、予め各利用者を識別するための利用者情報として、それぞれ固有の利用者情報を割当てるようにしている。
【0029】
また、本実施形態では、社内で所定の権限を有する管理職の社員に対して、利用者No.0001〜0020までの利用者情報のうちのいずれか一つを割り当てる一方、所定の権限を有さない一般の社員に対して、利用者No.0021〜0100までの利用者情報のうちのいずれか一つを割当てるようにしている。
【0030】
記憶部20は、書き換え可能な不揮発メモリにより構成しており、物品管理テーブル21、利用者管理テーブル22、期限管理テーブル23、予約管理テーブル24、認証用データベース25、物品画像データ26、音声データベース27等を記憶している。なお、ここでは、図示を省略しているが、この記憶部20には、表示操作部5に表示させるための各種画像データも記憶している。
【0031】
ここで、図3を参照して、記憶部20に記憶している各種テーブルについて説明する。図3は、記憶部20に記憶している各種テーブルを概念的に示す説明図である。なお、図3(a)は、物品管理テーブル21、図3(b)は、利用者管理テーブル22、図3(c)は、期限管理テーブル23、図3(d)は、予約管理テーブル24を示す説明図である。
【0032】
図3(a)に示すように、物品管理テーブル21は、各収納庫2xに割当てられた識別番号としてのボックスNoと、そのボックスNoに対応する収納庫2xに収納されている物品の物品情報とを対応付けて記憶している。この物品管理テーブル21における物品情報のCAは、デジタルカメラ、PCは、パソコン(パーソナルコンピュータ)を示している。
【0033】
また、図3(b)に示すように、利用者管理テーブル22は、物品が収納されている各収納庫2xのボックスNoと、そのボックスNoに対応する収納庫2x及びその収納庫2xに収納されている物品を利用可能な利用者の利用者情報とを対応付けて記憶している。
【0034】
また、図3(c)に示すように、期限管理テーブル23は、収納庫2xから出庫(貸出された)物品の物品情報と、その物品の返却期限と、その物品を出庫した利用者(貸与者)の利用者情報とを対応付けて記憶している。
【0035】
また、図3(d)に示すように、予約管理テーブル24は、出庫中(貸出し中)の物品の中で、貸出しが予約された物品(以下、「予約物品」という。)の物品情報と、予約物品が所定の収納庫2xに存在するか否かを示すフラグと、予約物品を予約した利用者(以下、「予約者」という。)の利用者情報とを対応付けて記憶している。なお、本実施形態では、予約物品が所定の収納庫2xに存在している場合(返却済みの場合)に、フラグとして「1」を記憶させ、予約物品が所定の収納庫2xに存在していない場合(貸出し中の場合)に、フラグとして、「0」を記憶させる。
【0036】
また、記憶部20に記憶している認証用データベース25には、本実施形態の物品保管装置1の利用者の顔を予め撮像した画像データと、その利用者の利用者情報と、その利用者の連絡先(E−Mailアドレス)とを対応付けて、各利用者毎に記憶している。
【0037】
また、記憶部20に記憶している音声データベース27には、スピーカ16aから出音するための各種音声データが記憶されている。また、記憶部20には、物品画像データ26として、物品用撮像部8により物品を予め撮像した画像データが、その物品の物品情報とを対応付けて記憶されている。
【0038】
制御部10は、物品保管装置1全体の動作を統括制御するコンピュータにより構成しており、図示しないCPU(Central Processing Unit)が、ROM(Read Only Memory)から所定の制御プログラムを読み出しRAM(Random Access Memory)を作業領域として使用して実行することにより動作する施開錠制御部11、計時部12、物品判定部13、記憶制御部14、表示操作制御部15、出音制御部16、認証部17、通信部18を備えている。
【0039】
計時部12は、現在日時を計時する時計により構成している。また、物品判定部13は、各収納庫2xに設けられているセンサ2eから入力される検知信号に基づいて、各収納庫2xに入庫された物品の形状、色彩、重量に関する情報を取得して物品を判定すると共に、センサ2eによる検知結果と記憶部20に記憶されている物品の画像データ及び該画像データと対応して記憶されている物品情報とから入庫された物品の物品情報を判定する。さらに、この物品判定部13は、入庫された物品の物品情報とバーコードリーダ7により読取った物品情報とに基づいて、収納庫2xに入庫された物品が、その収納庫2xに収納されるべき所定の物品か否かを判定する処理部である。
【0040】
表示操作制御部15は、利用者による表示操作部5の操作に基づいて、状況に応じた画像データを記憶部20から読み出して、表示操作部5に表示させる処理部である。この表示操作制御部15の制御により表示操作部5に表示される画面については、後に詳述する。また、この表示操作制御部15は、利用者による表示操作部5の操作に応じた操作信号を施開錠制御部11、記憶制御部14に出力する。
【0041】
出音制御部16は、当該物品保管装置1の動作状態に応じて、記憶部20の音声データベース27から所定の音声データを読み出して、スピーカ16aから出音させる処理部である。
【0042】
認証部17は、顔認証用撮像部4により撮像された利用者の顔画像データ、又は、ICカードリーダ6から入力された利用者の利用者情報、又は、これらの両方から利用者の本人認証を行う処理部である。
【0043】
この認証部17は、顔認証用撮像部4から利用者の顔画像データが入力された場合に、その顔画像データと記憶部20の認証用データベース25に記憶されている顔画像データとを照合することによって利用者の本人認証を行い、ICカードリーダ6から利用者の利用者情報が入力された場合には、その利用者情報と記憶部20に記憶されている利用者の利用者情報とを照合して利用者の本人認証を行う。
【0044】
そして、この認証部17は、顔画像データによる本人認証に成功した場合には、その顔画像データと対応付けて認証用データベース25に記憶されている利用者情報を今回の利用者の利用者情報として取得し、ICカードによる本人認証に成功した場合には、そのICカードから読取った利用者情報を今回の利用者の利用者情報として取得する。
【0045】
このように、本実施形態では、この認証部17が当該物品保管装置1の利用者を識別するための利用者情報を取得する利用者情報取得部として機能する。
【0046】
記憶制御部14は、記憶部20への各種データの書き込み、及び記憶部20からの各種データの読み出しを行う処理部である。
【0047】
通信部18は、所定の通信回線を介して、各利用者の端末(例えば、パソコンや携帯電話等)へ情報を送信する通信装置により構成しており、返却期限情報送信部18aと、入庫情報送信部18bとを備えている。
【0048】
返却期限情報送信部18aは、期限管理テーブル23に記憶されている利用者情報に対応する利用者の端末へ、その利用者が出庫した物品の返却期限に関する情報を所定の通信手段によって送信する処理部である。
【0049】
本実施形態において、この返却期限情報送信部18aは、計時部12により計時された日時が、期限管理テーブル23に記憶されている返却期限になったときに、その返却期限に対応する物品を出庫した利用者の端末へ返却期限情報を記載したE−Mailを送信する。なお、E−Mailを送信する日時は、返却期限当日に限定するものではなく、返却期限の前日や、返却期限を過ぎたとき等、任意に変更してもよい。
【0050】
入庫情報送信部18bは、予約物品が所定の収納庫2xに入庫された場合に、その予約物品に関して、予約管理テーブル24に記憶されている利用者情報に対応する利用者の端末へ、予約物品が出庫(貸出し)可能な状態になったことを示す情報(入庫情報)を所定の通信手段によって送信する処理部である。本実施形態では、この入庫情報についても、E−Mailによって入庫情報送信部18aが利用者の端末へ送信する。
【0051】
施開錠制御部11は、利用者による表示操作部5の操作に応じた操作信号に基づいて、各収納庫2xの電子キー2dを施錠制御及び開錠制御する処理部である。
【0052】
ここで、上記のように構成した物品保管装置1の動作について、動作中に表示操作部5に表示される画面の一例を参照しながら説明する。図4〜図8は、物品保管装置1の動作中に表示操作部5に表示される画面の一例を示す説明図である。
【0053】
ここでは、まず物品保管装置1に貸出し用の物品を収納して登録する場合について説明する。この物品保管装置1では、待機状態において、図4(a)に示すように、表示操作制御部15が表示操作部5の表示領域に、利用者の認証方法を選択させる待機画面を表示させる。本実施形態では、利用者が顔認証、ICカード認証、顔認証+ICカード認証の中から所望の認証方法を選択できるようにしている。
【0054】
ここで、利用者が顔認証を選択した場合、顔認証用撮像部4が撮像した利用者の顔画像の顔画像データを認証部17へ出力する。認証部17は、顔認証用撮像部4から入力された利用者の顔画像データと、記憶部20の認証用データベース25に記憶されている顔画像データとを照合することによって、利用者の本人認証を行う。
【0055】
このとき、認証部17による本人認証の結果、利用者に該当する顔画像データが存在しなかった場合、認証部17はその旨を示す信号を表示操作制御部15へ出力する。そして、表示操作制御部15は、この信号が入力されると、本人認証を行った利用者が物品保管装置1に登録されていない旨を示す情報を表示操作部5に表示させる。
【0056】
一方、認証部17による本人認証の結果、利用者に該当する顔画像データが存在した場合、認証部17は、その旨を示す信号を表示操作制御部15へ出力する。表示操作制御部15は、この信号が入力されると、図4(b)に示す処理選択表示を表示操作部5に表示させる。
【0057】
本実施形態では、この処理選択表示によって、物品の「登録」、「貸出し」、「返却」、「予約」のうちのいずれか一つを利用者に選択させる。ここで、利用者が「登録」を選択すると、表示操作制御部15は、図4(c)に示すように、利用者に対してバーコード認証を促すバーコード入力表示を表示操作部5に表示させる。本実施形態では、この表示操作部5が、物品の入庫の際に、利用者に対して物品情報取得部による物品情報の取得を促す報知を行う報知部として機能する。
【0058】
そして、利用者がこれから収納する物品に貼付されているバーコードをバーコードリーダ7にかざすと、バーコードリーダ7は、バーコードからその物品の物品名、物品情報(物品の識別情報)、その物品を利用可能な利用者の利用者情報を示すデータを読取って、表示操作制御部15と記憶制御部14とに出力する。
【0059】
その後、表示操作制御部15は、図5(a)に示すように、利用者に物品を収納する収納庫2xを選択させるボックス選択表示を表示操作部5に表示させる。このとき表示操作制御部15は、現時点で物品が登録されていない収納庫を強調表示させる。
【0060】
そして、利用者が表示操作部5のテンキーの表示部分を操作して、所望の収納庫2xを選択し、その後、画面右下の決定ボタンの表示位置に触れて決定操作を行うと、表示操作制御部15は、図5(b)に示すように、バーコードリーダ7により読取った物品に関する情報と、利用者が選択したボックス番号とを示す入力結果表示を表示操作部5に表示させる。
【0061】
図5(b)に示す例では、2008/07/01に、ボックスNo.02の収納庫2xへデジタルカメラが収納され、このデジタルカメラの利用者が利用者情報No.0001〜No.0100の利用者、つまり一般の社員及び管理職の社員の全社員である場合の入力結果表示を示している。
【0062】
そして、入力結果表示右下の決定ボタンの表示位置に触れて決定操作を行うと、その操作に基づいて施開錠制御部11がボックスNo.02の収納庫2xの電子キー2dを開錠制御する。
【0063】
その後、利用者が物品を開錠された収納庫2xへ収納して、その収納庫2xの扉を閉めると、施開錠制御部11がボックスNo.02の収納庫2xの電子キー2dを施錠制御する。
【0064】
その後、記憶制御部14は、今回バーコードリーダ7により読取った情報と、利用者により入力されたボックスNoとを記憶部20に記憶させることによって、物品管理テーブル21及び利用者管理テーブル22の記憶内容を更新する。
【0065】
続いて、表示操作制御部15は、図5(c)に示すように、利用者に物品の登録を継続するか否かを選択させる処理継続選択表示を表示操作部5に表示させる。
【0066】
ここで、利用者が「継続する」を選択する操作を行った場合、表示操作制御部15は、図4(c)に示すバーコード入力表示を表示操作部5に表示させ、「継続しない」を選択する操作を行った場合、図4(a)に示す待機画面表示を表示操作部5に表示させる。
【0067】
次に、利用者が処理選択表示(図4(b)参照)において、「貸出し」を選択した場合の物品保管装置1の動作について説明する。
【0068】
利用者が処理選択表示から「貸出し」を選択した場合に、表示操作制御部15は、図6(a)に示すように、物品管理テーブル21及び利用者管理テーブル22に記憶している情報に基づいて、現在貸出し可能な物品の一覧である貸出し可能物品一覧表示を表示操作部5に表示させる。
【0069】
図6(a)では、本人認証の際に取得された利用者情報がNo.0001〜No.0020(管理職の社員の利用者情報)であった場合の一例を示している。このように、管理職の社員が貸出し操作を行った場合には、現在出庫可能な全ての物品、その物品を利用可能な利用者の利用者情報、その物品が収納されている収納庫2xのボックスNoが一覧形式で表示される。
【0070】
このように、本実施形態の物品保管装置1では、現時点で貸出し可能な物品を一覧表示するため、利用者は、容易に借受けたい物品を探し出すことができるため、利便性が向上する。
【0071】
そして、利用者は、貸出し可能物品一覧表示の画面右下の選択移動ボタンと決定ボタンの表示位置を操作して、所望の物品が収納されている収納庫2xを選択して決定する。
【0072】
一方、本人認証の際に取得された利用者情報がNo.0021〜No.0100(一般の社員の利用者情報)であった場合、表示操作制御部15は、物品管理テーブル21及び利用者管理テーブル22に記憶している情報に基づいて、図6(b)に示す貸出し可能物品一覧表示を表示操作部5に表示させる。
【0073】
この図6(b)に示すように、本実施形態の物品保管装置1では、一般の社員が貸出し操作を行った場合、管理職の社員にしか利用権限のないパソコン(2)を除いて、現在貸出し可能な物品の一覧を表示させる。
【0074】
このように、本実施形態の物品保管装置1では、認証部17により取得した利用者情報に対応した利用者が利用可能な収納庫2x、その収納庫2x内の物品、利用可能な利用者の利用者情報だけを一覧するので、利用権限を有する利用者しか利用できない収納庫2x及び物品が、利用権限のない利用者に貸出されることを防止することができ、これにより、厳正に物品を管理することができる。
【0075】
その後、利用者は、貸出し可能物品一覧表示の画面右下の選択移動ボタンと決定ボタンの表示位置を操作して、所望の物品が収納されている収納庫2xを選択して決定する。
【0076】
このように、本実施形態では、表示操作部5が、利用者が収納庫2xから物品を出庫する際に、利用者情報取得部により利用者情報が取得された場合、当該取得された利用者情報に対応付けて利用者管理テーブル22に記憶されている収納庫2xを利用者に選択させる選択部として機能する。
【0077】
利用者によって収納庫2xが選択されると、施開錠制御部11が選択された収納庫2xの電子キー2dを開錠制御し、表示操作制御部15が、図6(c)に示すように、物品の返却日を入力させる画面を表示操作部5に表示させる。
【0078】
そして、利用者が所望の物品を収納庫2xから取出し、表示操作部5を操作して返却日を入力して決定操作を行うと、施開錠制御部11は、電子キー2dを施錠制御する。
【0079】
電子キー2dの施錠後、通信部18の返却期限情報送信部18aは、今回入力された返却日を今回出庫された物品に関する返却期限情報の送信日として予約する処理を行う。その後、記憶制御部14は、利用者によって入力された返却日、今回出庫された物品の物品情報、今回物品を出庫した利用者の利用者情報をそれぞれ対応付けて期限管理テーブル23に記憶させる。
【0080】
最後に、表示操作制御部15は、図5(c)に示した処理継続選択表示を表示操作部5に表示させ、「継続する」が選択された場合に、内容が更新された貸出し可能物品一覧表示を表示操作部5に表示させ、「継続しない」が選択された場合に、図4(a)に示す待機画面を表示操作部5に表示させる。
【0081】
その後、返却期限情報送信部18aは、計時部12が計時した日時が、期限管理テーブル23に記憶されている日時になった場合に、該当する利用者情報に対応する利用者の端末へE−Mailにより返却期限情報を送信する。これにより、物品を出庫した利用者による物品の返却忘れを防止することができる。
【0082】
次に、利用者が処理選択表示(図4(b)参照)において、「返却」を選択した場合の物品保管装置1の動作について説明する。
【0083】
利用者が処理選択表示から「返却」を選択した場合に、表示操作制御部15は、図7(a)に示すように、利用者に対してバーコード認証を促すバーコード入力表示を表示操作部5に表示させる。本実施形態では、この表示操作部5が、物品の入庫の際に、利用者に対して物品情報取得部による物品情報の取得を促す報知を行う報知部として機能する。
【0084】
このように本実施形態の物品保管装置1では、表示操作部5によって、物品を返却する利用者に対して、バーコードリーダ7による物品情報の読み取りを促す報知を行うため、利用者が誤って別の物品を持参した場合に、そのことを利用者へ容易に気づかせることができる。
【0085】
そして、利用者が持参した物品に貼付されているバーコードをバーコードリーダ7にかざすと、バーコードリーダ7は、バーコードからその物品の物品名、物品情報(物品の識別情報)を示すデータを読取って、表示操作制御部15と記憶制御部14とに出力する。
【0086】
表示操作制御部15は、図7(b)に示すように、バーコードから読取った物品情報に基づいて、物品管理テーブル21及び期限管理テーブル23を参照し、物品名と、その物品の返却期限、その物品を出庫した利用者の利用者情報、その物品を返却すべき収納庫2xのボックスNoを入力結果表示として表示操作部5へ表示させる。
【0087】
その後、利用者が入力結果表示右下の確認ボタンの表示位置を操作すると、施開錠制御部11は、入力結果表示において選択された収納庫2xの電子キー2dを開錠制御する。
【0088】
このように、本実施形態の物品保管装置1では、物品を収納庫2xに収納して返却する際に、バーコードリーダ7により読取った物品情報と対応付けて物品管理テーブル21に記憶されている収納庫2xを開錠するため、物品を返却して収納する際に、その物品を収納すべき所定の収納庫が開錠されるため、確実に物品を所定の収納庫に収納させることができ、物品の管理を厳正に行うことができる。
【0089】
そして、利用者が返却する物品を開錠された収納庫2xへ収納すると、物品判定部13は、フォトセンサにより検知した物品の形状及び色彩と、予め記憶部20に記憶しておいた物品画像データとを照合して、入庫された物品の種別及びその物品情報を判定し、判定した物品情報とバーコードリーダ7により読取った物品情報とから、その物品が貸出した物品と同一物品であるか否かの判定を行う。このとき、物品判定部13は、重量センサによる検知結果に基づいて、収納庫2xに物品が入庫されたか否かの判定も行う。
【0090】
なお、重量センサを更に有効に利用するために、予め物品の物品情報と、その物品の重量に関する情報とを対応付けて記憶部20に記憶させておき、重量センサにより検知した重量と物品の形状及び色彩と、記憶部20に記憶させておいた物品の重量に関する情報と物品画像データとに基づいて、物品の種別及び物品情報を判定してから、入庫された物品が貸出した物品と同一物品であるか否かの判定を行うように物品判定部13を構成してもよい。
【0091】
かかる構成とすれば、収納庫2xへ収納された物品がその収納庫に収納されるべき物品であるか否かをより確実に判定することができる。
【0092】
そして、この物品判定部13による判定の結果、入庫された物品と貸出した物品とが同一物品でなかった場合、表示操作制御部15は、図7(c)に示すように、入庫された物品と貸出した物品とが同一物品でなかった旨を示す警告表示を表示操作部5に表示させる。
【0093】
このように、本実施形態の物品保管装置1では、物品を返却した際に、実際に収納庫2xへ入庫した物品から判定した物品情報と、バーコードリーダ7によりバーコードから読取った物品情報とに基づいて、その収納庫2xに入庫した物品と、その収納庫2xから出庫した物品とが一致していなかった場合に、その旨を利用者に報知することができるため、利用者が物品に対応した収納庫へ、故意に別の物品を収納することを抑制することができるので、物品の管理を厳正に行うことができる。
【0094】
その後、利用者が警告表示右下の確認ボタンの表示位置を操作した後、収納庫2xの扉が閉塞されたことを検知すると、施開錠制御部11は、その扉の電子キー2dを施錠制御する。
【0095】
そして、記憶制御部14は、所定の収納庫2xに所定の物品が返却された場合に、当該返却された物品に関する情報を期限管理テーブル23から削除する。このとき、この返却された物品が予約物品であった場合、予約管理テーブル24におけるこの物品の在庫状態を示すフラグとして、「1」を記憶させる。
【0096】
その後、表示操作制御部15は、図5(c)に示した処理継続選択表示を表示操作部5に表示させ、「継続する」が選択された場合に、図7(a)に示したバーコード入力表示を表示操作部5に表示させ、「継続しない」が選択された場合に、図4(a)に示す待機画面を表示操作部5に表示させる。
【0097】
次に、利用者が処理選択表示(図4(b)参照)において、「予約」を選択した場合の物品保管装置1の動作について説明する。
【0098】
利用者が処理選択表示から「予約」を選択した場合に、表示操作制御部15は、図8(a)に示すように、現時点で貸し出し中の物品の一覧を示す予約可能物品一覧表示を表示操作部5に表示させる。
【0099】
そして、利用者が予約可能物品一覧表示右下の選択移動ボタンと決定ボタンの表示位置を操作して、所望の物品が収納されている収納庫2xを選択して決定すると、表示操作制御部15は、図8(b)に示すように、予約が完了したこと、予約物品の物品名、予約物品が入庫する予定日、さらに、予約物品の入庫後にその旨を示す入庫情報が連絡メールとして送信されること等が記載された予約確認表示を表示操作部5に表示させる。
【0100】
その後、利用者が予約確認表示右下の確認ボタンの表示位置を確認操作すると、記憶制御部14は、今回の予約内容を予約管理テーブル24に記憶させると共に、通信部18の入庫情報送信部18bに対して、今回予約された予約物品に関する入庫情報の送信を予約する入庫情報送信予約処理を行う。
【0101】
その後、表示操作制御部15は、図5(c)に示した処理継続選択表示を表示操作部5に表示させ、「継続する」が選択された場合に、図8(a)に示した、内容が変更された現時点で貸し出し中の物品の一覧を示す予約可能物品一覧表示を表示操作部5に表示させ、「継続しない」が選択された場合に、図4(a)に示す待機画面を表示操作部5に表示させる。
【0102】
また、入庫情報の送信予約を受付けた入庫情報送信部18bは、所定周期で予約管理テーブル24を参照し、予約物品に関する在庫状態を示すフラグが「0」から「1」に変化した予約物品の予約者に対して、入庫情報を記載した連絡メールを送信する。
【0103】
これにより、利用者は、予約物品が出庫可能な状態になったことを通信回線を介して受信できるので、予約物品の在庫状態を確認するために度々物品保管装置へ足を運ぶ必要がなく、利用者にとっての使い勝手が向上する。
【0104】
次に、利用者が物品の登録、借受け、返却、予約を行う際に、物品保管装置1の制御部10が実行する処理について、図9〜図13を参照して説明する。図9〜図13は、本実施形態に係る物品保管装置1の制御部10が実行する処理を示すフローチャートである。
【0105】
物品保管装置1の制御部10は、電源が投入されると、図9に示すように、表示操作部5に待機画面表示(図4(a)参照)を表示させ(ステップS101)、その後、利用者により認証方法が選択されたか否かの判定を行う(ステップS102)。
【0106】
このステップS102において、制御部10は、認証方法が選択されたと判定した場合(ステップS102:Yes)、処理をステップS103へ移し、認証方法が選択されなかったと判定した場合(ステップS102:No)、処理をステップS101へ移す。
【0107】
ステップS103において、制御部10は、利用者により選択された認証方法により、利用者が認証されたか否かを判定し、認証されたと判定した場合(ステップS103:Yes)、処理をステップS104へ移し、認証されなかったと判定した場合(ステップS103:No)、処理をステップS101へ移す。
【0108】
ステップS104において、制御部10は、利用者に処理を選択させる処理選択表示(図4(b)参照)を表示操作部5に表示させ、その後、利用者により処理が選択されたか否かの判定を行い(ステップS105)、処理が選択されたと判定した場合(ステップS105:Yes)、処理をステップS106へ移し、処理が選択されなかったと判定した場合(ステップS105:No)、処理が選択されるまで処理選択表示を表示させる(ステップS104)。
【0109】
ステップS106において、制御部10は、選択された処理が物品を初期登録(最初に入庫する際の登録)を行うための登録処理であるか否かの判定を行い、登録処理であると判定した場合(ステップS106:Yes)、登録処理を行い(ステップS107)、その後、処理を終了する。この登録処理については後に図10を参照して詳述する。一方、制御部10は、選択された処理が登録処理でないと判定した場合(ステップS106:No)、処理をステップS108へ移す。
【0110】
ステップS108において、制御部10は、選択された処理が物品を利用者へ貸出すための貸出し処理であるか否かを判定し、貸出し処理であると判定した場合(ステップS108:Yes)、貸出し処理を行い(ステップS109)、その後、処理を終了する。この取出し処理については、後に図11を参照して詳述する。一方、制御部10は、選択された処理が貸出し処理でないと判定した場合(ステップS108:No)、処理をステップS110へ移す。
【0111】
ステップS110において、制御部10は、選択された処理が利用者から返却される物品を受付ける返却処理であるか否かを判定し、返却処理であると判定した場合(ステップS110:Yes)、返却処理を行い(ステップS111)、その後、処理を終了する。この返却処理については、後に図12を参照して詳述する。一方、制御部10は、選択された処理が返却処理でないと判定した場合(ステップS110:No)、制御部10は、利用者から物品貸出しの予約を受付ける予約処理を行い(ステップS112)、その後、処理を終了する。この予約処理については、後に図13を参照して詳述する。
【0112】
そして、制御部10は、登録処理(ステップS107)、貸出し処理(ステップS109)、返却処理(ステップS111)、予約処理(ステップS112)の各処理を終了した後、再度ステップS101から順に処理を開始する。
【0113】
次に、ステップS107で実行される登録処理について説明する。図10に示すように、この登録処理が開始されると制御部10は、バーコード入力を促すバーコード入力表示(図4(c)参照)を表示操作部5に表示させ(ステップS201)、バーコード入力の確認後、これから物品を入庫する収納庫2xのボックスNoの選択を促すボックス選択表示(図5(a)参照)を表示操作部5に表示させて(ステップS202)、処理をステップS203へ移す。
【0114】
ステップS203において、制御部10は、ボックスNoが入力されたか否かの判定を行い、ボックスNoが入力されたと判定した場合(ステップS203:Yes)、処理をステップS204へ移す一方、ボックスNoが入力されていないと判定した場合(ステップS203:No)。ボックスNoが入力されるまでボックスNo入力表示を継続する(ステップS202)。
【0115】
ステップS204において、制御部10は、バーコードリーダ7により取得した情報と表示操作部5から入力された情報を入力結果表示(図5(b)参照)として表示操作部5に表示させ、その後、利用者による決定操作があったか否かの判定を行う(ステップS205)。
【0116】
ステップS205において、制御部10は、決定操作があったと判定した場合(ステップS205:Yes)、ステップS203で入力されたボックスNoに対応する収納庫2xの電子キー2dを開錠制御して(ステップS206)、処理をステップS207へ移す。一方、制御部10は、決定操作がなかったと判定した場合(ステップS205:No)、決定操作があるまでステップS205の判定処理を繰り返す。
【0117】
ステップS207において、制御部10は、センサ2eからの信号に基づき物品の収納(入庫)を確認したか否かの判定を行い、物品の収納が確認された場合(ステップS207:Yes)、処理をステップS208へ移す一方、物品の収納が確認されない場合(ステップS207:No)、物品の収納が確認されるまでステップS207の判定処理を繰り返す。
【0118】
ステップS208において、制御部10は、ステップS206で開錠制御した電子キー2dを施錠制御した後、ステップS204で表示した内容を物品管理テーブル21及び利用者管理テーブル22に記憶させるテーブル更新処理を行い(ステップS209)、その後、処理継続選択表示(図5(c)参照)を表示操作部5に表示させる(ステップS210)。
【0119】
続いて、制御部10は、利用者による継続操作があったか否かの判定を行い(ステップS211)、継続操作があったと判定した場合(ステップS211:Yes)、処理をステップS201へ移す一方、継続操作がなかったと判定した場合、すなわち、利用者が継続しない意思を示す操作を行った場合(ステップS211:No)、処理を終了する。
【0120】
次に、ステップS109で実行される貸出し処理について説明する。図11に示すように、この貸出し処理が開始されると制御部10は、貸出し可能物品一覧(図6(a)、図6(b)参照)を表示操作部5に表示させ(ステップS301)、利用者による物品選択操作があったか否かの判定を行う(ステップS302)。
【0121】
そして、制御部10は、物品選択操作があったと判定した場合(ステップS302:Yes)、返却日入力表示(図6(c)参照)を表示操作部5に表示させ(ステップS303)、その後、処理をステップS304へ移す。一方、制御部10は、物品選択操作がなかった場合(ステップS302:No)、物品選択操作があるまで、ステップS302の判定処理を繰り返す。
【0122】
ステップS304において、制御部10は、利用者による返却日の入力があったか否かの判定を行い、返却日の入力があったと判定した場合(ステップS304:Yes)、処理をステップS305へ移す一方、返却日の入力がなかった場合(ステップS304:No)、返却日の入力があるまでステップS304の判定処理を繰り返す。
【0123】
ステップS305において、制御部10は、利用者による決定操作があったか否かの判定を行い、決定操作があったと判定した場合(ステップS305:Yes)、ステップS302で選択された物品が収納されている収納庫2xの電子キー2dを開錠制御して(ステップS306)、その後、処理をステップS307へ移す。一方、制御部10は、決定操作がなかった場合(ステップS305:No)、決定操作があるまでステップS305の判定処理を繰り返す。
【0124】
ステップS307において、制御部10は、センサ2eからの信号に基づき物品の貸出しを確認したか否かを判定し、物品の貸出しを確認したと判定した場合(ステップS307:Yes)、ステップS306で開錠制御した電子キー2dを施錠制御し(ステップS308)、その後、処理をステップS309へ移す。一方、制御部10は、物品の貸出しを確認しない場合(ステップS307:No)、物品の貸出しを確認するまでステップS307の判定処理を繰り返す。
【0125】
続いて、ステップS309において、制御部10では、通信部18に対して、返却期限情報の送信を予約する返却期限情報送信予約処理が行われ、その後、制御部10は、ステップS302で選択された物品の物品情報、その物品を貸し出した利用者の利用者情報、ステップS304で入力された返却日を期限管理テーブル23に記憶させるテーブル更新処理を行い(ステップS310)、処理をステップS311へ移す。
【0126】
ステップS311において、制御部10は、処理継続選択表示(図5(c)参照)を表示操作部5に表示させ、その後、継続操作があったか否かの判定を行う(ステップS312)。
【0127】
そして、制御部10は、継続操作があったと判定した場合(ステップS312:Yes)、処理をステップS301へ移す一方、継続操作がなかったと判定した場合、すなわち、利用者が継続しない意思を示す操作を行った場合(ステップS312:No)、処理を終了する。
【0128】
次に、ステップS111で実行される返却処理について説明する。図12に示すように、この返却処理が開始されると制御部10は、バーコード入力表示(図7(a)参照)を表示操作部5に表示させ(ステップS401)、バーコード入力の確認後、バーコードリーダ7により取得した情報を基に、物品管理テーブル21及び期限管理テーブル23を参照して、バーコードから取得した物品の物品名、返却期限、使用者、返却すべき収納庫のボックスNoが記載された入力結果表示(図7(b)参照)を表示操作部5に表示させる(ステップS402)。
【0129】
その後、制御部10は、利用者による確認操作があったか否かの判定を行い(ステップS403)、確認操作があったと判定した場合(ステップS403:Yes)、ステップS402で表示したボックスNoに対応する収納庫2xの電子キー2dを開錠制御し(ステップS404)、処理をステップS405へ移す。一方、制御部10は、利用者による確認操作がない場合(ステップS403:No)、確認操作があるまでステップS403の判定処理を繰り返す。
【0130】
ステップS405において、制御部10は、利用者へ貸し出した貸出し品と、収納庫2xへ入庫された入庫品とが一致したか否かの判定を行い、貸出し品と入庫品とが一致したと判定した場合(ステップS405:Yes)、処理をステップ408へ移し、貸出し品と入庫品とが一致していないと判定した場合(ステップS405:No)、処理をステップS406へ移す。
【0131】
ステップS406において、制御部10は、貸出し品と入庫品とが一致していなことを示す警告表示を表示操作部5に表示させ、その後、利用者による確認操作があったか否かを判定し(ステップS407)、確認操作があったと判定した場合(ステップS407:Yes)、処理をステップS408へ移し、確認操作がない場合(ステップS407:No)、確認操作があるまでステップS407の判定処理を繰り返す。
【0132】
ステップS408において、制御部10は、ステップS404で電子キー2dを開錠制御した扉の閉鎖を確認したか否かの判定を行い、閉鎖を確認したと判定した場合(ステップS408:Yes)、処理をステップS409へ移し、閉鎖を確認していない場合(ステップS408:No)、閉鎖を確認するまでステップS408の判定処理を繰り返す。
【0133】
ステップS409において、制御部10は、ステップS404で開錠した電子キー2dを施錠制御した後、今回返却された物品に関する情報を期限管理テーブル23から削除すると共に、その物品が予約物品であった場合には、その物品が入庫したことを示すフラグ「1」を予約管理テーブル24に記憶させるテーブル更新処理を行う(ステップS410)。
【0134】
その後、制御部10は、処理継続選択表示(図5(c)参照)を表示操作部5に表示させ(ステップS411)、継続操作があったか否かを判定し(ステップS412)、継続操作があったと判定した場合(ステップS412:Yes)、処理をステップS401へ移す一方、継続操作がなかったと判定した場合、すなわち、利用者が継続しない意思を示す操作を行った場合(ステップS412:No)、処理を終了する。
【0135】
次に、ステップS112で実行される予約処理について説明する。図13に示すように、この予約処理が開始されると制御部10は、予約可能物品一覧表示(図8(a)参照)を表示操作部5に表示させる(ステップS501)。
【0136】
続いて、制御部10は、利用者による予約物品選択があったか否かの判定を行い(ステップS502)、予約物品選択があったと判定した場合(ステップS502:Yes)、予約確認表示(図8(b)参照)を表示操作部5に表示させて(ステップS503)、処理をステップS504へ移す。一方、制御部10は、予約物品選択がないと判定した場合(ステップS502:No)、予約物品選択があるまでステップS502の判定処理を繰り返す。
【0137】
ステップS504において、制御部10は、利用者による確認操作があったか否かの判定を行い、確認操作があったと判定した場合(ステップS504:Yes)、処理をステップS505へ移す一方、確認操作がないと判定した場合(ステップS504:No)、確認操作があるまでステップS504の判定処理を繰り返す。
【0138】
ステップS505において、制御部10では、通信部18に対して、ステップS502で選択された予約物品に関する入庫情報送信予約処理が行われ、その後、制御部10は、処理継続選択表示(図5(c)参照)を表示操作部5に表示させ(ステップS506)、継続操作があったか否かを判定し(ステップS507)、継続操作があったと判定した場合(ステップS507:Yes)、処理をステップS501へ移す一方、継続操作がなかったと判定した場合、すなわち、利用者が継続しない意思を示す操作を行った場合(ステップS507:No)、処理を終了する。
【0139】
このように、本実施形態の物品保管装置1は、物品を最初に入庫して登録する際に、物品に関する情報を記録させたバーコードから、その物品の物品情報(物品を識別するための固有の情報)や、その物品を利用可能な利用者(その物品の使用権限を有する利用者)の利用者情報(利用者を識別するための固有の情報)等を取得して記憶部20で記憶管理する。
【0140】
そして、この物品保管装置1では、利用者に貸し出した物品の返却を受ける際に、利用者に対して、前記バーコードによる物品情報の入力を促し、入力された物品情報に対応する物品を収納すべき所定の収納庫2xだけを開錠するので、所定の収納庫2xへ入庫されるべき所定の物品が入庫されることになり、貸与用の物品を厳正に管理することができる。
【0141】
また、本実施形態では、予め撮像した物品の画像と、その物品の物品情報とを記憶部20に記憶させておくこととしたが、物品を最初に物品保管装置1に収納して登録する登録処理に、物品用撮像部8により物品の画像を撮像して、その画像データと物品情報とを対応付けて記憶部20に記憶させる処理を加えてもよい。
【0142】
そして、各入力結果表示、貸出し可能物品一覧表示、警告表示、予約可能物品一覧表示等を表示操作部5に表示させる際に、その画面中の物品情報に対応させて、その物品の画像を表示させるように構成してもよい。
【0143】
かかる構成とすれば、利用者が物品を登録する際、借り受ける物品を選択する際、物品を返却する際、誤って別の物品を持参して収納した際等に、各物品を物品情報だけでなく、その物品の画像からも確認することができるので、物品の借り間違いや返し間違いの発生を抑制することができる。
【符号の説明】
【0144】
1 物品保管装置
2 収納部
2x 収納庫
2d 電子キー
2e センサ
3 管理部
4 顔認証用撮像部
5 表示操作部
6 ICカードリーダ
7 バーコードリーダ
10 制御部
11 施開錠制御部
13 物品判定部
14 記憶制御部
15 表示操作制御部
17 認証部
18 通信部
18a 返却期限情報送信部
18b 入庫情報送信部
20 記憶部
21 物品管理テーブル
22 利用者管理テーブル
23 期限管理テーブル
24 予約管理テーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品の保管を行う保管手段を種別毎に有する重要物管理装置であって、
入力された識別情報に基づいて利用者を特定する利用者特定手段と、
前記利用者特定手段の特定結果に基づいて前記保管手段に対する前記物品の持ち出しおよび返却の可否を制御する制御手段と、
前記保管手段の前記物品の保管の有無を判定する判定手段と、
前記判定手段による判定結果を表示する表示手段と
を備えたことを特徴とする重要物管理装置。
【請求項2】
種別毎の前記保管手段は、少なくとも大小異なる二つの大きさのものがあり、複数個の大きさの異なる保管手段が選択的に組み合わせられて構成されることを特徴とする請求項1に記載の重要物管理装置。
【請求項3】
前記利用者特定手段、前記制御手段および前記表示手段を含む管理部を備え、前記管理部に複数個の前記保管手段が選択的に組み合わせられて構成されることを特徴とする請求項1または2に記載の重要物管理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−236079(P2012−236079A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−181184(P2012−181184)
【出願日】平成24年8月17日(2012.8.17)
【分割の表示】特願2008−286328(P2008−286328)の分割
【原出願日】平成20年11月7日(2008.11.7)
【出願人】(000001432)グローリー株式会社 (1,344)
【Fターム(参考)】