説明

重質炭化水素類の水素化分解用触媒の製造方法および重質炭化水素類の水素化分解方法

【課題】歩留まりが高く、かつ省エネルギーであり、しかも工程の簡略化を可能とした重質炭化水素類の水素化分解用触媒の製造方法、およびこの製造方法によって得られた触媒を用いた重質炭化水素類の水素化分解方法を提供すること。
【解決手段】低品位炭に金属および/または金属化合物を担持させ、これを窒素雰囲気下で400℃以上、900℃未満の温度範囲で加熱焼成して炭化処理することにより、多孔質炭からなる触媒を得ること。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、重質炭化水素類の水素化分解用触媒の製造方法、およびその水素化分解用触媒を用いて重質油類等を水素化分解する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、石油製品の軽質化傾向に伴い、常圧蒸留残油、減圧蒸留残油、接触分解残油等の重質油、あるいはオイルサンド油、オイルシェール油等の超重質油を、水素化分解して軽質留分に転換し、その軽質留分を有効利用する方法がある。
【0003】
なお、上掲の重質油・超重質油としては、たとえば、カナダで産出されるアサバスカオイルサンドビチューメン、コールドレイクオイルサンドビチューメン、ブラジルで産出されるマリム、ベネゼエラで産出されるオリノコタール、セロネグロ、ズアタ、バッチャケロ、ボスカン、メキシコで産出されるマヤの油種があげられる。
【0004】
前記重質油類の水素化分解は、触媒の添加が必須であり、その触媒としては、不活性な担体に水素化能を有する金属を担持させたものが用いられる。そして、重質油類に、この触媒から供給される水素を付加することにより、重質油類を軽質油へと転換することができるのである。
【0005】
水素化分解用触媒の製造方法としては、特許文献1に、灰分が3重量%未満の褐炭を、不活性または還元性ガス雰囲気下で400〜800℃に加熱して乾留し、得られた乾留炭を炭酸ガスもしくは水蒸気雰囲気下で750〜1200℃に加熱して活性化(賦活化)し、得られた多孔質の炭素材に、Feなどの金属を担持させて水素還元した後、さらに硫化処理して重質炭化水素類接触水素化分解用触媒とする方法が開示されている。
【特許文献1】特開平06−165935号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の触媒は、褐炭を乾燥・乾留した後、水蒸気賦活する方法により製造されるため、歩留が低く、原料コストが高くなる他、資源の無駄遣いとなる。さらに、水蒸気賦活は、高温プロセス(750〜1200℃)であるため、大量のエネルギーが不可欠となる。加えて、褐炭は含水量が多いため、乾留の前に乾燥を必要とし、金属担持後の乾燥を含めて、合計2度の乾燥が不可欠であり、触媒の製造工程が煩雑である点に問題がある。
【0007】
そこで、本発明は、上記問題点を鑑みて開発されたものであり、歩留まりが高く、かつ省エネルギーであり、しかも工程の簡略化を可能とした重質炭化水素類の水素化分解用触媒の製造方法、およびこの製造方法によって得られた触媒を用いた重質炭化水素類の水素化分解方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の上記目的を実現するため鋭意検討を重ねた結果、本発明は、低品位炭に金属および/または金属化合物を担持させ、これを窒素雰囲気下で400℃以上、900℃未満の温度範囲で加熱焼成して炭化処理することにより、多孔質炭からなる触媒を得ることを特徴とする重質炭化水素類の水素化分解用触媒の製造方法を提案する。
【0009】
なお、炭化処理した前記低品位炭を、水素雰囲気下で300〜600℃の温度で還元し、さらに水素と硫化水素の混合ガスで硫化処理すること、前記低品位炭は、褐炭、泥炭、亜炭または亜瀝青炭であること、前記金属は、鉄であること、前記金属および/または金属化合物の担持量は、乾燥時の前記低品位炭重量に対して、0.5〜10質量%であること、および前記多孔質炭の比表面積は、300〜1500m/gであることが好ましい解決手段を提供できる。
【0010】
また、本発明は、重質炭化水素類を、上記の方法によって得られる水素化分解用触媒の存在下で水素化分解させることを特徴とする重質炭化水素類の水素化分解方法を提案する。
【発明の効果】
【0011】
上記のように構成される本発明によれば、重質炭化水素類の水素化分解用触媒を、簡単な工程の採用により製造することができ、設備を小型化することができると共に、省エネルギーを実現することができ、さらに歩留まりを向上させることができるという効果が期待できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の実施の形態を詳細に説明する。
本発明では、重質炭化水素類の水素化分解用触媒の製造工程を簡略化させたところに特徴があり、その工程は、低品位炭に金属および/または金属化合物(以下、「金属類」という)を担持させた後、加熱焼成して炭化処理することを第1の特徴とする。
【0013】
ここで、原料として用いる低品位炭としては、酸素原子含有量の多い泥炭、褐炭、亜炭、一部の亜瀝青炭などを使用することができる。なかでも、埋蔵されている状態で多数の孔隙を有する、即ち、多孔質な褐炭を用いることが好ましい。なお、褐炭としては、豪州産のヤルーン炭、ロイヤン炭、あるいは灰分を5質量%未満に脱灰したモーエル炭が好適である。
【0014】
また、金属類としては、鉄、コバルト、ニッケル等を用いることができ、とくに費用、取り扱いのし易さの点から鉄を用いることが好ましい。また、金属化合物としては、鉄、コバルト、ニッケル等の硝酸塩、塩酸塩、硫酸塩、酢酸塩等を用いることができる。
【0015】
本発明の重質炭化水素類の水素化分解用触媒の製造方法は、まず、原料となる低品位炭に金属類を担持させることからなる。金属類の低品位炭への担持は、褐炭などの低品位炭が、最初から細孔を有し、その細孔の中に水が保有された状態にある場合が多いため、金属化合物の水溶液を用いて、一般的に知られる含浸法により行うことができる。
【0016】
なお、低品位炭に金属類を担持させる理由としては、重質炭化水素類を水素化分解した際に発生する炭化水素ラジカルを安定化させ、軽質留分へと効率よく転換させるためである。
即ち、重質炭化水素類は、分解されて軽質留分に転化される過程において、重質炭化水素類を構成する比較的分子量の大きな炭化水素の結合が切断され、それに伴って炭化水素ラジカルを発生する。この炭化水素ラジカルは、反応性が高く、連鎖的な反応を引き起こしてお互いに結合し、最終的には重縮合反応を引き起こしてコークとなってしまう。とりわけ、アスファルテンを多く含む超重質油の分解においては、その重縮合反応の進行傾向が強くなってしまい、軽質留分への転換が阻害されてしまう。
【0017】
これに対し、低品位炭に担持させる金属類は、炭化水素ラジカルへの水素の添加を促進し、炭化水素ラジカルを安定化させる働きを有する。また、低品位炭は、加熱処理により多孔質化し、炭化水素ラジカルを緩やかに吸着する性質がある。そのため、重質炭化水素類を水素化分解する際に、金属類を担持させた多孔質の低品位炭を触媒として存在させておくと、該低品位炭上に吸着された炭化水素ラジカルが、担持させた金属類によって水素を添加されて安定化して低品位炭上から脱離し、炭化水素ラジカルの連鎖的な重縮合反応を抑制すると共に、重質炭化水素類を、軽質留分へと効率良く転換することができるのである。
【0018】
金属類の担持量は、低品位炭重量(乾燥時)に対して0.5〜10質量%程度とすることが好ましい。これは、担持量が10質量%を超えると、金属類の分散が悪くなり、該金属類と重質炭化水素類に含まれる硫黄分との接触が悪化して、硫化金属の生成量はプラトーとなり、水素化分解反応時に、活性種となる硫化金属が十分に発現できなくなる。
また、金属類の担持量が0.5質量%未満の場合には、本発明の水素化分解用触媒に吸着された炭化水素ラジカルへの水素添加の促進効果が不足し、超重質油の場合には、重縮合によってコークの生成が多くなってしまう。
【0019】
なお、水素化分解反応時の、炭化水素ラジカルへの水素添加は、圧力の調整によって促進することができるが、この方法は、経済性が悪くなるため、担持量によって調整することが好ましい。
【0020】
低品位炭表面への金属類の担持は、低品位炭を未乾燥の状態で行っても、一旦乾燥させた後に行っても良く、省エネルギーの点から、未乾燥の状態で行うことが好ましい。なお、低品位炭の乾燥方法としては、とくに限定されないが、炭素質で形成される細孔をできる限り潰さないように乾燥する。このため、超臨界乾燥、凍結乾燥を用いることが好ましい。すなわち、通常の熱風乾燥では、褐炭、亜炭、泥炭などの原料中に細孔を有する褐炭類を乾燥させると、細孔中に埋蔵する水の毛管力によって褐炭が収縮し、細孔構造が破壊されてしまうおそれがあるが、超臨界乾燥の場合には、乾燥時に気−液界面が出現しない乾燥方法であるため、細孔構造を残したまま水分が取り除くことができるためである。また、若干細孔構造が消失するが、流動床方式の高速乾燥も適用可能である。
【0021】
次に、上記のようにして金属類を担持させた低品位炭を、窒素雰囲気中にて加熱焼成して炭化処理することにより多孔質化させる。このようにして、好適な細孔分布となるように、細孔径を制御(即ち、比表面積300〜1500m2/g程度)することにより、多孔質炭からなる本発明の水素化分解用触媒を製造することができる。
【0022】
なお、加熱焼成温度は、400℃以上とくに好ましくは、500℃以上である。これは、一般に重質油・超重質油の水素化分解温度が350〜450℃であるためであり、この温度よりも50℃程度高めの温度で焼成することにより、多孔質炭の熱安定性を高めることができる。また、加熱焼成温度の上限は、900℃未満、とくに好ましくは、800℃以下とする。これは、加熱焼成温度が高すぎると、比表面積が低下するためである。また、焼成炉としては、固定床炉、トンネル炉、ロータリーキルン炉、流動床炉などを用いることができる。
【0023】
また、前記水素化分解用触媒の比表面積は、窒素ガスを用いるBET法によって測定される比表面積が300〜1500m/g程度、好ましくは600〜1200m/gの多孔質体であることが好ましい。これは、この比表面積が小さすぎると、金属類の分散状態が悪くなるためである。一方、低品位炭の比表面積が大きすぎると、細孔径が小さくなり、分子サイズの大きい重質炭化水素類/重質炭化水素類ラジカルが、金属類が担持された細孔内に侵入できなくなるためである。
【0024】
また、本発明では、水素化分解用触媒の触媒金属種を活性化させるため、炭化処理後の低品位炭を水素雰囲気下で300〜600℃の温度で還元し、さらに水素と硫化水素の混合ガスを用いて硫化処理してもよい。
なお、この活性化処理は、通常の水素化分解用触媒において必須の処理とされているが、本発明においては、水素化分解用触媒が、重質炭化水素類を水素化分解処理する際に、触媒金属種が、重質炭化水素類中の硫黄分と反応して硫化され、活性化されるため、必ずしも必要な処理ではない。
【0025】
上記のようにして製造した本発明の重質炭化水素類分解用触媒を用いて重質炭化水素類を水素化分解する方法としては、たとえば固定床(充填層)、移動床、懸濁床(スラリー床)、沸騰床などの反応形式を用いて、重質炭化水素類と共に重質炭化水素類分解触媒を装入し、水素ガス含有雰囲気下で300〜500℃程度に加熱することにより行うことができる。とくに懸濁床や沸騰床のような完全混合槽タイプによって行うことが好適である。
【0026】
この時、重質炭化水素類の炭化水素結合は、加熱によって切断され、それに伴って炭化水素ラジカルが発生する。この炭化水素ラジカルは、重質炭化水素類分解用触媒に吸着されると共に、触媒に担持されている金属類から水素を添加されて安定化し、触媒から脱離し、重質炭化水素類が軽質留分へと効率よく分解するのである。
【0027】
懸濁床形式の場合、重質油類に対する水素化分解用触媒の添加量は、質量比で重質油類:触媒=99:1〜60:40の範囲であることが好ましく、より好ましくは97:3〜80:20の範囲、さらに好ましくは95:5〜90:10の範囲である。これは、触媒の量が、40質量%を超えると、安定に送液できないと共に、経済性も悪くなるためである。
【0028】
なお、重質炭化水素類とは、石油系重質油や石炭系重質油である。石油系重質油とは、石油精製に関連する重質油および超重質油であり、重質油は、たとえば、原油、石油系の常圧蒸留残油、減圧蒸留残油、接触分解残油等の残油等あるいはオイルサンド油、オイルシェール油等であり、超重質油は、たとえば、メキシコに産するマヤ、カナダに産するアサバスカオイルサンドビチューメン、コールドレイクオイルサンドビチューメン、ベネゼエラに産するオリノコタール、セロネグロ、ズアタ、バッチャケロ、ボスカン、ブラジルに産するマリム等の油種である。また、石炭系重質油とは、コークス炉から発生するコールタールの蒸留で分留される重質留分のことであり、たとえばクレオソート油、アントラセン油、ピッチなどである。さらに、石炭の液化で得られる液化油の重質留分もある。
【実施例】
【0029】
以下に実施例を挙げて、本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
まず、以下の実施例1〜3および比較例2の水素化分解用触媒を製造した。
(実施例1)
揮発分:40〜50質量%である褐炭(成分組成:炭素67.1質量%、水素4.3質量%、窒素0.9質量%、硫黄0.2質量%、酸素27.0質量%、灰分:0.5質量%)を、水分が付着したまま硝酸鉄水溶液に3時間浸漬し、Feを5質量%担持させた後、濾過して得られた固形物を凍結乾燥した。その後、内径60mmの石英製ロータリーキルン中に配置して、窒素ガス流通下で室温から5℃/分で600℃まで昇温し、600℃で60分保持して炭素化し、多孔質炭からなる触媒を得た。得られた触媒の性状を表1に示す。
(実施例2)
揮発分:40〜50質量%である褐炭(成分組成:炭素67.1質量%、水素4.3質量%、窒素0.9質量%、硫黄0.2質量%、酸素27.0質量%、灰分:0.5質量%)を、水分が付着したまま硝酸鉄水溶液に3時間浸漬し、Feを5質量%担持させた後、濾過して得られた固形物を凍結乾燥した。その後、内径60mmの石英製ロータリーキルン中に配置して、窒素ガス流通下で室温から5℃/分で600℃まで昇温し、600℃で60分保持して炭素化し、多孔質の炭素担体を得た。この多孔質炭素担体を窒素雰囲気下で400℃、1時間加熱した後、水素雰囲気下で450℃、1時間還元し、さらに水素と硫化水素の混合ガス(1:0.25)で450℃、30分予備硫化して多孔質炭からなる触媒を得た。得られた触媒の性状を表1に示す。
【0030】
(実施例3)
実施例1と同じ褐炭を、水分が付着したまま硝酸鉄水溶液に3時間浸漬し、Feを5質量%担持させた後、これを500℃の炉温に保った流動床式焼成炉に供給して乾燥した後、500℃の高温加熱によって炭素化し、多孔質の炭素担体を得た。この多孔質炭素担体を、実施例2と同様に、窒素雰囲気下で400℃、1時間加熱した後、水素雰囲気下で450℃、1時間還元し、さらに水素と硫化水素の混合ガス(1:0.25)で450℃、30分予備硫化して多孔質炭からなる触媒を得た。得られた触媒の性状を表1に示す。
【0031】
(比較例1)
従来技術(特許文献1)の方法に従って水素化分解用触媒を製造した。すなわち、実施例1と同じ褐炭を、内径60mmの石英製ロータリーキルン中に配置して、窒素ガス流通下で室温から5℃/分で600℃まで昇温し、600℃で60分保持乾留し、乾留炭を得た。得られた乾留炭を、二酸化炭素雰囲気下で600℃から10℃/分で、800℃まで昇温した後、60分保持して活性化(多孔質化)させ、多孔質の炭素担体を得た。この多孔質炭素担体を、1規定硝酸鉄水溶液に3時間浸漬し、Feを5質量%担持させた後、乾燥し、実施例1と同様に窒素雰囲気下で400℃、1時間加熱した後、水素雰囲気下で450℃、1時間還元し、さらに水素と硫化水素の混合ガス(1:0.25)で450℃、30分予備硫化し、多孔質炭からなる触媒を得た。得られた触媒の性状を表1に示す。
【0032】
(比較例2)
実施例1と同じ褐炭を、水分が付着したまま硝酸鉄水溶液に3時間浸漬し、Feを5質量%担持させた後、これを内径60mmの石英製ロータリーキルン中に配置して、窒素ガス流通下で室温から5℃/分で900℃まで昇温し、900℃で60分保持して炭素化し、多孔質の炭素担体を得た。この多孔質炭素担体を窒素雰囲気下で400℃、1時間加熱した後、水素雰囲気下で450℃、1時間還元し、さらに水素と硫化水素の混合ガス(1:0.25)で450℃、30分予備硫化して多孔質炭からなる触媒を得た。得られた触媒の性状を表1に示す。
【0033】
【表1】

【0034】
次に、上記のようにして製造された触媒を用いて、減圧残油の分解を行った。
減圧残油30gと上記触媒5gを100mlの電磁攪拌式オートクレーブを用いるガス流通式の反応器に投入した後、反応温度450℃、反応時間60分、水素圧力0.98MPa(100Kg/cmG)で反応させた。各水素化分解用触媒の歩留まりを、表2に示した。また、得られたガス状炭化水素を、ガスクロマトグラフィーを用いて、また留出油を、蒸留ガスクロマトグラフィーを用いて分析し、その結果を表3に示した。なお、トルエン不溶分は、コークとした。
【0035】
【表2】

【0036】
【表3】

【0037】
その結果、実施例1〜3はいずれも、歩留まりが50質量%以上であり、比較例1および2と比べて歩留まりが向上していた。また、実施例1〜3の触媒性能は、従来技術である比較例とほぼ同等であり、触媒性能を落とすことなく、触媒製造工程を簡略化することができることが確認できた。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明は、鉄鋼の他、火力発電や石油精製、化学工業などの分野で利用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
低品位炭に金属および/または金属化合物を担持させ、これを窒素雰囲気下で400℃以上、900℃未満の温度範囲で加熱焼成して炭化処理することにより、多孔質炭からなる触媒を得ることを特徴とする重質炭化水素類の水素化分解用触媒の製造方法。
【請求項2】
炭化処理した前記低品位炭を、水素雰囲気下で300〜600℃の温度で還元し、さらに水素と硫化水素の混合ガスで硫化処理することを特徴とする請求項1に記載の重質炭化水素類の水素化分解用触媒の製造方法。
【請求項3】
前記低品位炭は、褐炭、泥炭、亜炭または亜瀝青炭であることを特徴とする請求項1または2に記載の重質炭化水素類の水素化分解用触媒の製造方法。
【請求項4】
前記金属は、鉄であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の重質炭化水素類の水素化分解用触媒の製造方法。
【請求項5】
前記金属および/または金属化合物の担持量は、乾燥時の前記低品位炭重量に対して、0.5〜10質量%であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の重質炭化水素類の水素化分解用触媒の製造方法の製造方法。
【請求項6】
前記多孔質炭の比表面積は、300〜1500m/gであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の重質炭化水素類の水素化分解用触媒の製造方法。。
【請求項7】
重質炭化水素類を、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法によって得られる水素化分解用触媒の存在下で水素化分解させることを特徴とする重質炭化水素類の水素化分解方法。

【公開番号】特開2009−11893(P2009−11893A)
【公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−173972(P2007−173972)
【出願日】平成19年7月2日(2007.7.2)
【出願人】(591006298)JFEテクノリサーチ株式会社 (52)
【出願人】(591067794)JFEケミカル株式会社 (220)
【Fターム(参考)】