説明

野球又はソフトボール用プロテクター

【課題】身体に対する良好なフィット性を効果的に高める。
【解決手段】上半身に対する装着状態において胸腹部の前面を被覆する胸腹部用パッド部1と、脇腹部を被覆可能な脇腹部用パッド部2と、上半身を囲い込み拘束する状態で上半身に対する装着を可能にする装着部材3とが備えられ、上半身に対する装着状態において装着部材の引張作用により胸腹部用パッド部1と脇腹部用パット部2との境界部4が屈曲する状態で脇腹部用パット部2が脇腹部を被覆するように装着部材3が脇腹部用パット部2に接続されているとともに、胸腹部用パット部1と脇腹部用パット部2との境界部4には、表面と裏面とに亘って貫通する貫通部5が形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、野球又はソフトボール用プロテクターに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、この種の胸腹部プロテクターでは、上半身に対する装着状態において胸腹部の前面を被覆する胸腹部用パッド部と、脇腹部を被覆可能な脇腹部用パッド部と、上半身を囲い込み拘束する状態で上半身に対する装着を可能にする装着部材とが備えられ、上半身に対する装着状態において前記装着部材の引張作用により前記胸腹部用パッド部と前記脇腹部用パット部との境界部が屈曲する状態で脇腹部用パット部が脇腹部を被覆するように装着部材が脇腹部用パット部に接続されている。
【0003】
そして、従来では、胸腹部用パット部と脇腹部用パット部とが一体物のパット部材から構成されているとともに、当該パット部材の全面が、発泡樹脂製の略平板上の芯材とナイロン生地や布生地等からなる表面材と裏面材から、ボール等の衝撃力を十分に吸収し得る穴や空隙のない中実な構造で構成されていた(例えば、下記特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2003−180904号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、上記従来のプロテクターでは、前記パット部材の全面が穴や空隙のない中実な構造で構成されているため、胸腹部用パッド部と脇腹部用パット部との境界部の屈曲抵抗が大きく、そのことで、上半身に対する装着状態における境界部の屈曲度合いが不十分になって、運動性能に大きく影響する身体へのフィット性が十分には得られない問題があった。
【0006】
本発明は、上述の実情に鑑みて為されたものであって、その主たる課題は、胸腹部用パット部と脇腹部用パット部と境界部の合理的な改良により、身体に対する良好なフィット性を得ることのできる野球又はソフトボール用プロテクターを提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1特徴構成は、野球又はソフトボール用プロテクターに係り、その特徴は、
上半身に対する装着状態において胸腹部の前面を被覆する胸腹部用パッド部と、脇腹部を被覆可能な脇腹部用パッド部と、上半身を囲い込み拘束する状態で上半身に対する装着を可能にする装着部材とが備えられ、
上半身に対する装着状態において前記装着部材の引張作用により前記胸腹部用パッド部と前記脇腹部用パット部との境界部が屈曲する状態で脇腹部用パット部が脇腹部を被覆するように装着部材が脇腹部用パット部に接続されているとともに、
前記胸腹部用パット部と前記脇腹部用パット部との境界部には、表面と裏面とに亘って貫通する貫通部が形成されている点にある。
【0008】
上記構成によれば、前記胸腹部用パット部と前記脇腹部用パット部との境界部には、表面と裏面とに亘って貫通する貫通部が形成されているから、胸腹部用パット部と脇腹部用パット部の境界部を除く部分はプレー中の衝撃を十分に緩衝し得る構造で構成しながらも、前記貫通部を形成した分だけ素材体積を削減して材料コストの低廉化を図る形態で境界部の屈曲抵抗を減少させることができ、これにより、装着時の身体に対するフィット性を効率的に高めることができる。
【0009】
しかも、前記貫通部を通して身体側空間と外気側空間とを連通させることができるから、通常のユニフォームの上から更に装着することに対する装着時の快適性(通気性や動き易さ)も高めることができる。
【0010】
本発明の第2特徴構成は、第1特徴構成の実施に好適な構成であり、その特徴は、
前記貫通部が、前記胸腹部用パット部と前記脇腹部用パット部との境界線上に延設されたスリットから構成されている点にある。
【0011】
上記構成によれば、前記スリットの前記境界線上への延設によって境界部の屈曲抵抗を一層効率的に減少させることができるとともに、前記貫通部を通しての身体側空間と外気側空間との連通面積を広くすることができて、装着時の快適性(通気性や動き易さ)も一層高めることができる。
【0012】
本発明の第3特徴構成は、第1又は第2特徴構成の実施に好適な構成であり、その特徴は、
前記胸腹部用パット部を構成する胸腹部用パット部材と、前記脇腹部用パット部を構成する脇腹部用パット部材とを上下方向で分かれた複数箇所で連結することにより、それら連結箇所どうしの間に前記貫通部が形成されるように構成されている点にある。
【0013】
上記構成によれば、胸腹部用パット部材と脇腹部用パット部材との連結構造を活用する形態で前記貫通部を形成することができるから、胸腹部用パット部材と脇腹部用パット部材とを直接或いは中実な連結部材等で連結したのち、その連結部に貫通部を貫通形成する場合に比べ、製造コストの低廉化と製造工程数の削減化を図ることができる。
【0014】
本発明の第4特徴構成は、第3特徴構成の実施に好適な構成であり、その特徴は、
前記胸腹部用パット部材と前記脇腹部用パット部材の対向辺部どうしが、脇腹部用パット部材の対向辺部が胸腹部用パット部材の対向辺部の裏側に位置する重合姿勢で固着されている点にある。
【0015】
つまり、例えば、脇腹部用パット部材の対向辺部が胸腹部用パット部材の対向辺部の表側に位置する重合姿勢で固着されている場合では、装着時における装着部材の引張作用で前記境界部が屈曲する際に、胸腹部用パット部材の対向辺部の全体で脇腹部用パット部材の対向辺部の全体が裏側から押圧支持されることになる。
【0016】
これに対し、脇腹部用パット部材の対向辺部が胸腹部用パット部材の対向辺部の裏側に位置する重合姿勢で固着されている上記構成であれば、装着時における装着部材の引張作用で前記境界部が屈曲する際に、胸腹部用パット部材の対向辺部の一部(すなわち、複数の固着箇所)で脇腹部用パット部材の対向辺部の一部が表側から引張支持されるだけで済むから、その分、境界部の屈曲抵抗をさらに減少させることができる。
【0017】
本発明の第5特徴構成は、第3又は第4特徴構成の実施に好適な構成であり、その特徴は、
前記胸腹部用パット部材と前記脇腹部用パット部材との間には、前記貫通部としての多数の孔を有するメッシュ状の生地が前記連結箇所どうしの間を跨ぐ状態で架設されている点にある。
【0018】
上記構成によれば、前記メッシュ状生地の架設によって、前記胸腹部用パット部材と前記脇腹部用パット部材との連結部を補強する形態で前記連結箇所どうしの間に前記貫通部を形成することができる。
【0019】
また、連結箇所どうしの間から身体が大きく露出する場合に比べ、見栄えをよくすることができるとともに、メッシュ生地の素材分だけ身体防護性能も高めることができる。
【0020】
本発明の第6特徴構成は、第1特徴構成の実施に好適な構成であり、その特徴は、
前記胸腹部用パット部を構成する胸腹部用パット部材と、前記脇腹部用パット部を構成する脇腹部用パット部材とが、前記貫通部としての多数の孔を有するメッシュ状の生地を介して互いに離間した状態で連結されている点にある。
【0021】
上記構成によれば、胸腹部用パット部材と脇腹部用パット部材との連結構造を活用する形態で前記貫通部を形成することができるから、胸腹部用パット部材と脇腹部用パット部材とを直接或いは中実な連結部材等で連結したのち、その連結部に貫通部を貫通形成する場合に比べ、製造コストの低廉化と製造工程数の削減化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
[第1実施形態]
図1〜図5は、野球やソフトボールにおいて、主としてキャッチャーが使用するプロテクターを示し、このプロテクターには、上半身に対する装着状態において胸腹部の前面を被覆する略盾状の胸腹部用パッド部材1(胸腹部用パット部の一例)と、脇腹部を被覆可能な左右一対の略ヒレ状の脇腹部用パッド部材2(脇腹用パット部の一例)と、上半身を囲い込み拘束する状態で上半身に対する装着を可能にする装着用の装着部材3とが備えられている。
【0023】
また、脇腹部用パット部材2には、上半身に対する装着状態において前記装着部材3の引張作用により境界部4(本例では、胸腹部用パット部材1と脇腹部用パット部材2の連結部)が屈曲する状態で脇腹部用パット部材2が脇腹部を被覆するように装着部材3が接続されているとともに、前記境界部4には、表面と裏面とに亘って貫通する貫通部5が設けられている。
【0024】
図1、図2に示すように、前記装着部材4は、首掛け用又は肩掛け用の掛けベルト6と、胴廻し用の廻しベルト7と、掛けベルト6と廻しベルト7の中間部どうしを連結する連結ベルト8とから構成されている。
【0025】
前記掛けベルト6は、伸縮性素材からなる長寸法の主ベルト部材6Aと、胸腹部パット部材1の両肩部1aの各々にリベット(連結手段の一例)で連結された短寸法の受けベルト部材6Bとから構成されている。前記主ベルト部材6Aと受けベルト部材6Bとの間には、主ベルト部材6Aと受けベルト部材6Bとの脱着操作を可能にするサイドリリース型のワンタッチバックル6D(脱着操作自在な連結手段の一例)が設けられている。
【0026】
前記ワンタッチバックル6Dは、互いに係脱自在な雄型係止体6dと雌型係止体6eとから構成されている。前記雄型係止体6dは、前記主ベルト部材6Aの両端部の夫々に取り付けられているとともに、前記雌型係止体6eは、前記受けベルト部材6Bの先端部の夫々に取り付けられている。
【0027】
前記廻しベルト7は、伸縮性素材からなる前記掛けベルト6よりもやや幅広の長寸法のベルト主部材7Aと、脇腹部用パット部材2夫々における外方側(プロテクター幅方向の外方側)の縁辺部2aにリベット(連結手段の一例)で連結された短寸法の受けベルト部材7Bとから構成されている。前記主ベルト部材6Aと受けベルト部材6Bとの間には、前記ワンタッチバックル6Dと同じ仕様のワンタッチバックル7Dが設けられている。
【0028】
前記ワンタッチバックル7Dの雄型係止体7dは、前記主ベルト部材7Aの両端部の夫々に取り付けられているとともに、ワンタッチバックル7Dの雌型係止体7eは、前記受けベルト7Bの先端部の夫々に取り付けられている。
【0029】
前記連結ベルト8は、非伸縮性素材から構成されている。当該連結ベルト8の下部には、前記廻しベルト7を挿通保持可能な皮革製の下部接続部材(図示しない)と、下部接続部材取り付け用及びベルト長さ調節用の送りカン8aとが設けられている。そして、連結ベルト8の上端部は、前記掛けベルト6の中間部に連結糸(連結手段の一例)で連結されているとともに、連結ベルト8の下端部は、前記下部接続部材8aを介して廻しベルト7の中間部に接続されている。
【0030】
また、掛けベルト6と連結ベルト8の連結部位には、掛けベルト6の中間部及び連結ベルト8の上部を内挿状態で拘束する上側姿勢保持部材10が設けられているとともに、廻しベルト7と連結ベルト8の接続部位には、廻しベルト7の中間部及び連結ベルト8の下部を内挿状態で拘束する下側姿勢保持部材11が設けられている。
【0031】
前記胸腹部用パット部材1は、キャッチャーの上半身のうちの両肩部から胸腹部の前面を被覆可能な形状、具体的には、正面視において上部よりも下部が細幅になる略逆台形状に構成されているとともに、キャッチャーの肩部に対応する部位1aの各々には、上碗部を被覆する上腕部保護体12が縫着されている。
【0032】
前記脇腹部用パット部2は、キャッチャーの上半身のうちの脇腹部のほぼ全域を被覆可能な形態、具体的には、正面視において外方側に向かって収斂する横向き三角形状に構成されている。
【0033】
前記胸腹部用パット部材1、上腕部保護体12、脇腹部用パット部材2の各々は、発泡樹脂製の芯材をナイロン生地や布生地等からなる表面材と裏面材とで挟み込む状態で被覆して構成されている。
【0034】
なお、胸腹部用パット部材1の表面部及び裏面部には、屈曲し易くするための複数の外向き傾斜の複数の傾斜縦溝部1dと横方向に沿う横溝部1eが窪み形成されているとともに、脇腹部用パット部2の表面部及び裏面部には、屈曲し易くするための上下方向に沿う複数の縦溝部2dが窪み形成されている。
【0035】
そして、胸腹部用パット部材1の下部の縁辺部1b(対向辺部の一例)と脇腹部用パット部材2の内方側(プロテクターの中央側)の縁辺部2b(対向辺部の一例)とが、後述する連結箇所4aどうしの間にスリット13が形成されるように、脇腹部用パット部材2の内方側縁辺部2bが胸腹部用パット部材1の下部縁辺部1bの裏側に位置する重合姿勢において上下方向で分かれた複数(本例では3つ)の連結箇所4b(具体的には、辺長手方向の複数の連結箇所)で連結糸14(連結手段の一例)によって連結されている。
【0036】
更に、前記胸腹部用パット部材1と前記脇腹部用パット部材2との間には、前記貫通部5としての多数の孔15aを有するメッシュ状の生地からなる帯状部材15が前記連結箇所4aどうしの間を跨ぐ状態で架設されている。
【0037】
具体的には、前記帯状部材15の一側の縁辺部15bが、前記胸腹部用パット部材1の下部縁辺部1bの隣接部位に連結糸16(固定手段の一例)で固定されているとともに、前記帯状部材15の他側の縁辺部15dが、前記脇腹部用パット部材2の内方側縁辺部2bの隣接部位に連結糸16で固定されている。
【0038】
以上、要するに、本実施形態では、前記貫通部5が、メッシュ状の生地からなる帯状部材15に備えられた多数の孔15aから構成されている。
【0039】
[第2実施形態]
前述の第1実施形態では、前記貫通部5が、メッシュ状の生地からなる帯状部材15に備えられた多数の孔15aから構成されている場合を例に示したが、これに限るものではない。
【0040】
本第2実施形態では、図6、図7に示すように、前記胸腹部用パット部材1と前記脇腹部用パット部材2との間には、前記貫通部5としての多数の孔15aを有するメッシュ状の生地からなる帯状部材15が架設されておらず、前記貫通部5が、前記スリット13から構成されている。
【0041】
つまり、本第2実施形態では、前記貫通部5が、前記胸腹部用パット部材1と前記脇腹部用パット部材2との境界線上に延設されたスリット13から構成されている。
【0042】
また、前記胸腹部用パット部材1と、前記脇腹部用パット部材2とを上下方向で分かれた複数箇所で連結することにより、それら連結箇所4aどうしの間に前記貫通部5の一例であるスリット13が形成されるように構成されている。
【0043】
なお、その他の構成は、第1実施形態で説明した構成と同一であるから、同一の構成箇所には、第1実施形態と同一の番号を付記してそれの説明は省略する。
【0044】
[第3実施形態]
前述の第1実施形態では、前記胸腹部用パット部材1と前記脇腹部用パット部材2とを連結手段で連結するとともに、胸腹部用パット部材1と前記脇腹部用パット部材2との間に前記貫通部5としての多数の孔15aを有するメッシュ状の生地が架設されている場合を例に示したが、例えば、前記胸腹部用パット部材1と前記脇腹部用パット部材2とが前記メッシュ状の生地でもって連結されていてもよい。
【0045】
すなわち、本第3実施形態では、図8、図9に示すように、前記胸腹部用パット部材1と前記脇腹部用パット部材2とが、前記貫通部5としての多数の孔15aを有するメッシュ状の生地を介して互いに離間した状態で連結されている。
【0046】
具体的には、前記胸腹部用パット部材1の下部の縁辺部1bと前記脇腹部用パット部材2の内方側(プロテクターの中央側)の縁辺部2bとをメッシュ状の生地からなる帯状部材15の略帯幅分だけ離間させた状態で、前記帯状部材15の一側の縁辺部15bが、前記胸腹部用パット部材1の下部縁辺部1bに連結糸16(連結手段の一例)で連結されているとともに、前記帯状部材15の他側の縁辺部15dが、前記脇腹部用パット部材2の内方側縁辺部2bに連結糸16で連結されている。
【0047】
なお、その他の構成は、第1実施形態で説明した構成と同一であるから、同一の構成箇所には、第1実施形態と同一の番号を付記してそれの説明は省略する。
【0048】
[その他の実施形態]
(1)前述の第1、第2実施形態では、プロテクターが、胸腹部用パット部を構成する胸腹部用パット部材1と脇腹部用パット部を構成する脇腹部用パット部材2との連結体から構成されている場合を例に示したが、胸腹部用パット部と脇腹部用パット部とを有する一体物のパット部材から構成されていてもよい。
【0049】
その場合、一体物の前記パット部材における胸腹部用パット部と脇腹部用パット部との境界部に前記貫通部(例えば、孔やスリットなど)を貫通形成すればよい。
【0050】
(2)胸腹部用パット部材1と脇腹部用パット部材2とを連結する連結手段及びメッシュ状の生地を連結する連結手段の具体的構成は、前述の各実施形態で示した連結糸に限らず、接着剤や接着テープ、金属製又はプラスチック製等の固定連結具(例えば、リベット)等の種々のものであってよい。
【0051】
(3)前述の各実施形態では、胸腹部用パット部2が三角形状である場合を例に示したが、丸形状や四角形状等であってもよい。
【0052】
(4)前述の角実施形態では、前記掛けベルト6や前記廻しベルト7が脱着自在に構成されている場合を例に示したが、必ずしも脱着自在に構成されている必要はない。
【0053】
(5)前記装着部材3は、前述の各実施形態で示した掛けベルト6と廻しベルト7と連結ベルト8とからなる構成に限らず、種々の構成を採用することができる。例えば、連結ベルト6のない掛けベルト6と廻しベルト7とからなる構成であってもよく、或いは、胸腹部用パット部の肩部1aと脇腹用パット部の外方側縁辺部2aとの間に縦方向(或いは、斜め方向)に架設された平行(或いは、X字状)の一対のベルトからなる構成であってもよい。また、例えば、ベルト状ではなく背面の一部領域を覆う板状やマット状の廻し部材からなる構成などであってもよい。
【0054】
(6)前述の第1、第2実施形態では、前記胸腹部用パット部材1と前記脇腹部用パット部材2とが上下方向で分かれた複数箇所で連結されている例として、胸腹部用パット部材1と脇腹部用パット部材2との境界線上で分かれた複数箇所で連結されている場合を例に示したが、垂直方向で分かれた複数箇所や垂直から45度以下の角度で傾斜した方向で分かれた複数箇所で連結されていてもよい。
【0055】
(7)前述の各実施形態では、キャッチャー用のプロテクターを例に示したが、審判用或いは内野手用或いは外野手用のプロテクターなどであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】第1実施形態のプロテクターの正面図
【図2】第1実施形態のプロテクターの背面図
【図3】第1実施形態のプロテクターの使用状態を示す斜視図
【図4】(a)第1実施形態の境界部(パット部材どうしの境界部)における連結箇所の横断面図、(b)第1実施形態の境界部における連結箇所どうしの間の横断面図
【図5】第1実施形態のプロテクターの要部の斜視図
【図6】(a)第2実施形態の境界部における連結箇所の横断面図、(b)第2実施形態の境界部における連結箇所どうしの間の横断面図
【図7】第2実施形態のプロテクターの要部の斜視図
【図8】第3実施形態の境界部の横断面図
【図9】第3実施形態のプロテクターの要部の斜視図
【符号の説明】
【0057】
1 胸腹部用パッド部
2 脇腹部用パッド部
3 装着部材
4 境界部
5 貫通部
13 スリット
15 メッシュ状生地
15a 孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上半身に対する装着状態において胸腹部の前面を被覆する胸腹部用パッド部と、脇腹部を被覆可能な脇腹部用パッド部と、上半身を囲い込み拘束する状態で上半身に対する装着を可能にする装着部材とが備えられ、
上半身に対する装着状態において前記装着部材の引張作用により前記胸腹部用パッド部と前記脇腹部用パット部との境界部が屈曲する状態で脇腹部用パット部が脇腹部を被覆するように装着部材が脇腹部用パット部に接続されているとともに、
前記胸腹部用パット部と前記脇腹部用パット部との境界部には、表面と裏面とに亘って貫通する貫通部が形成されている野球又はソフトボール用プロテクター。
【請求項2】
前記貫通部が、前記胸腹部用パット部と前記脇腹部用パット部との境界線上に延設されたスリットから構成されている請求項1記載の野球又はソフトボール用プロテクター。
【請求項3】
前記胸腹部用パット部を構成する胸腹部用パット部材と、前記脇腹部用パット部を構成する脇腹部用パット部材とを上下方向で分かれた複数箇所で連結することにより、それら連結箇所どうしの間に前記貫通部が形成されるように構成されている請求項1又は2記載の野球又はソフトボール用プロテクター。
【請求項4】
前記胸腹部用パット部材と前記脇腹部用パット部材の対向辺部どうしが、脇腹部用パット部材の対向辺部が胸腹部用パット部材の対向辺部の裏側に位置する重合姿勢で固着されている請求項3記載の野球又はソフトボール用プロテクター。
【請求項5】
前記胸腹部用パット部材と前記脇腹部用パット部材との間には、前記貫通部としての多数の孔を有するメッシュ状の生地が前記連結箇所どうしの間を跨ぐ状態で架設されている請求項3又は4記載の野球又はソフトボール用プロテクター。
【請求項6】
前記胸腹部用パット部を構成する胸腹部用パット部材と、前記脇腹部用パット部を構成する脇腹部用パット部材とが、前記貫通部としての多数の孔を有するメッシュ状の生地を介して互いに離間した状態で連結されている請求項1記載の野球又はソフトボール用プロテクター。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−11975(P2010−11975A)
【公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−173796(P2008−173796)
【出願日】平成20年7月2日(2008.7.2)
【出願人】(000108258)ゼット株式会社 (36)