説明

野球用グローブ

【課題】球技者の捕球操作に対する操作性の低下を極力抑止しながらも捕球用ウエブの損傷を効果的に抑止し得る野球用グローブを提供する。
【解決手段】親指挿入部1と人差指挿入部2との間に配設される皮革製の捕球用ウエブ6に、捕球用ウエブ6の指長方向長さよりも小さな指長方向長さの樹脂製の補強体7が配設されているとともに、補強体7には、捕球用ウエブ6に取り付けるための固定紐8cを挿通する挿通部15が形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、野球やソフトボールなどで使用される野球用グローブに関し、特に、親指挿入部と人差指挿入部との間に配設された捕球用ウエブの損傷を抑止する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の野球用グローブとしては、捕球用ウエブの全部を有色透明プラスチック等の樹脂で形成することで、一般的な皮革製の捕球用ウエブに比べて捕球用ウエブの強度を向上させたものが知られている。(下記特許文献1参照)
【特許文献1】実公昭58−45747号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、捕球用ウエブの全部を有色透明プラスチック等の樹脂で形成する上記の如き従来の野球用グローブでは、皮革製の捕球用ウエブに比べて捕球用ウエブの変形性能が全体的に低下してしまい、そのことで、例えば、転動する捕球対象物に対する迎球姿勢(つまり、捕球用ウエブの手先側部位を接地させて捕球用ウエブを手掌側に屈曲させた姿勢)や捕球対象物が捕球部位(詳しくは、捕球用ウエブの手首側部位を中心とする一定の領域部位)に収まった状態から捕球対象物を包み込むように親指挿入部と人差指挿入部の先端どうしを接触させた捕球姿勢などへの姿勢変更が行い難くなって、球技者の捕球操作に対する操作性が大幅に低下してしまう問題があった。
【0004】
この実情に鑑み、本発明の主たる課題は、球技者の捕球操作に対する操作性の低下を極力抑止しながらも捕球用ウエブの損傷を効果的に抑止し得る野球用グローブを提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1特徴構成は野球用グローブに係り、その特徴は、
親指挿入部と人差指挿入部との間に配設される皮革製の捕球用ウエブに、捕球用ウエブの指長方向長さよりも小さな指長方向長さの樹脂製の補強体が配設されているとともに、
前記補強体には、前記捕球用ウエブに取り付けるための固定紐を挿通する挿通部が形成されている点にある。
【0006】
つまり、上記特徴構成によれば、捕球部位を構成する捕球用ウエブに部分的に配設するから、先述の従来構造に比べ、球技者の捕球操作に対する操作性の低下を極力抑止しながらも捕球用ウエブの強度を効果的に向上させることができ、しかも、捕球対象物の受止衝撃力により捕球用ウエブに取り付けるための固定紐に引張力が作用することから、その引張力により捕球用ウエブの固定紐挿通部位に生じる局部的な押圧力によって捕球用ウエブの固定紐挿通部位に損傷が生じ易くなるのに対し、補強体に形成の挿通部をもって捕球用ウエブの固定紐挿通部位を構成する、或いは、補強体に形成の挿通部でもって前記引張力による固定紐の移動を規制して捕球用ウエブの固定紐挿通部位に生じる押圧力を低減することができ、これらのことから、捕球対象物の受止衝撃力による捕球用ウエブの損傷を効果的に抑止することができる。
【0007】
本発明の第2特徴構成は、第1特徴構成の実施に好適な実施形態を特定するものであり、その特徴は、
前記挿通部が、前記捕球用ウエブに形成された紐通し穴に内挿可能な筒状に形成されている点にある。
【0008】
つまり、上記特徴構成によれば、筒状の挿通部が捕球用ウエブに形成された紐通し穴と固定紐との間に介在する状態で、紐通し穴と固定紐との接触を防止することができるから、固定紐に作用する引張力により紐通し穴に生じる押圧力を一層効果的に低減することができる。
【0009】
また、補強体を捕球用ウエブに取り付けるとき、紐通し穴に対する筒状挿通部の内挿により捕球用ウエブに対する補強体の位置決めを容易且つ正確に行うことができて、製作時間の短縮化と製作手間の低減化とを図りながらも製作精度を効果的に向上させることができる。
【0010】
本発明の第3特徴構成は、第2特徴構成の実施に好適な実施形態を特定するものであり、その特徴は、
前記補強体には、前記挿通部が複数形成されている点にある。
【0011】
つまり、上記特徴構成によれば、捕球用ウエブの複数の紐通し穴に対する複数の筒状挿通部の内挿により捕球用ウエブに対する補強体の姿勢決めを容易且つ正確に行うことができて、製作時間の短縮化と製作手間の低減化とを図りながらも製作精度を一層効果的に向上させることができる。
【0012】
本発明の第4特徴構成は、第2又は第3特徴構成の実施に好適な実施形態を特定するものであり、その特徴は、
前記紐通し穴が前記捕球用ウエブの手甲側皮革に形成され、前記補強体が前記捕球用ウエブを構成する手甲側皮革の手掌側面に配設されているとともに、
前記挿通部が、前記手甲側皮革の厚さと同一、又は、それよりも大きな筒高さに形成されている点にある。
【0013】
つまり、上記特徴構成によれば、補強体を捕球用ウエブに取り付けた状態において、樹脂製の補強体によって捕球用ウエブの手甲側皮革に形成された紐通し穴の手掌側角部を被覆する状態で手掌側角部に対する固定紐の接触を確実に防止することができるとともに、捕球用ウエブの紐通し穴に内挿された補強体の筒状挿通部の上端を捕球用ウエブの手甲側皮革の手甲側面と面一にする、又は、それよりも手甲側に突出させることができて、その上端部分により手甲側角部に対する固定紐の接触を効果的に抑止することができ、これにより、固定紐に作用する引張力により紐通し穴に生じる押圧力をさらに効果的に低減することができる。
【0014】
本発明の第5特徴構成は、第1〜第4特徴構成のいずれかの実施に好適な実施形態を特定するものであり、その特徴は、
前記補強体が、皮革よりも弾性復元力の大きな樹脂から構成されている点にある。
【0015】
つまり、上記特徴構成によれば、野球用グローブにおいては手を拡げた姿勢が待機姿勢(つまり、野球用グローブを装着して捕球対象物を待つ姿勢)となるのに対し、補強体の弾性復元力でもって捕球用ウエブを待機姿勢に付勢することができるから、その付勢力の分だけ待機姿勢の保持や捕球姿勢から待機姿勢への姿勢変更を行い易くすることができて、この点で、球技者の捕球操作に対する操作性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図1〜図4は、野球やソフトボールにおいて球技者の利き手と反対の手(本例では左手)に装着して捕球具として使用される野球用グローブを示し、この野球用グローブは、親指挿入部1、人差指挿入部2、中指挿入部3、薬指挿入部4、小指挿入部5を備える皮革製のグローブ本体Aと、親指挿入部1と人差指挿入部2との間に配設される皮革製の捕球用ウエブ6とから構成されている。
【0017】
前記捕球用ウエブ6は、手先側に向かって徐々に拡がった正面視逆台形状に形成され、その手先側先端部を前記グローブ本体Aの各指挿入部1、2、3、4、5を連結する第1固定紐8aにより親指挿入部1、人差指挿入部2の各先端部位に対し固定されているとともに、手首側末端部を第3固定紐8cにより親指挿入部1、人差指挿入部2の各中間部位及びそれら各指挿入部1、2の間の股間部位に固定され、更に中間部を第2固定紐8bにより親指挿入部1、人差指挿入部2の各中間部位に固定されている。
【0018】
図3、図4に示すように、前記捕球用ウエブ6は、ウエブ形成用皮革の手先側及び手首側の両側を手甲側に折り曲げて、手先側端部と手甲側端部を重ね合わせた状態で、手甲側皮革6A(つまり、ウエブ形成皮革の手甲側部)と手掌側皮革6B(つまり、ウエブ形成皮革の手掌側部)とを手首側から順に第1縫着部n1、第2縫着部n2、第3縫着部n3、第4縫着部n4、第5縫着部n5の5箇所で縫着して構成されており、捕球用ウエブ6の内部に、第3固定紐8cを挿入するための第3挿入部11a、11b、第2固定紐8bを挿入するための第2挿入部10a、10b、10c、第1固定紐8aを挿入するための第1挿入部9aの複数個(本例では6つ)の挿入部が手首側から順に区画形成されている。
【0019】
なお、第2縫着部n2では、手甲側皮革6Aにおける手先側端部と手首側端部との積層部と手掌側皮革6Bとが縫着されている。
【0020】
手甲側皮革6Aの前記第3挿入部11aに対面する部分には、第3固定紐8cを挿通する複数の第3紐通し穴14aが形成され、第3挿入部11bに対面する部分には、第3固定紐8cを挿通する複数の第3紐通し穴14bが形成されているとともに、手甲側皮革6Aの前記第2挿入部10a、10b、10cに対面する各部分には、第2固定紐8bを挿通する複数の小孔状の第2紐通し穴13が各々形成されている。
【0021】
また、前記第1挿入部9aに対面する手甲側外皮6A及び手掌側外皮6Bの各部分には、第1固定紐8aを手甲側から手掌側に亘って貫通させる複数の小孔状の第1紐通し穴12が各々形成されている。
【0022】
なお、前記第3紐通し穴14aは小孔状に形成されているとともに、第3紐通し穴14bは指長方向を長手方向とする面取り長方形状に形成されている。
【0023】
6aは、捕球用ウエブ6の手先側部位の変形性能を確保するために手甲側外皮6Aに指並設方向に間隔を空けて形成された一対の切り込みである。
【0024】
そして、前記捕球用ウエブ6には、捕球用ウエブ6の指長方向長さLwよりも小さな指長方向長さLの樹脂製(本例では、合成樹脂製)の略板状の補強体7が配設されている。
【0025】
つまり、捕球部位Cを構成する捕球用ウエブ6に対し補強体7を部分的に配設することで、球技者の捕球操作に対する操作性の低下を極力抑止しながらも捕球用ウエブ6の強度を効果的に向上させる。
【0026】
前記補強体7は、皮革よりも大きな弾性復元力を備える樹脂をもって、捕球用ウエブ6の指並設方向長さよりも若干小さな指並設方向長さと、捕球対象物Bの直径Lbよりも小さな指長方向長さLとを有する正面視長方形の板状に構成されている。
【0027】
そのため、野球用グローブにおいては手を拡げた図1、図2に示す姿勢が待機姿勢(つまり、野球用グローブを装着して捕球対象物Bを待つときの姿勢)となるのに対し、補強体7の弾性復元力でもって捕球用ウエブ6を前記待機姿勢に付勢することができて、待機姿勢の保持や捕球姿勢から待機姿勢への姿勢変更を行い易くすることができる。
【0028】
また、補強体7の指長方向長さLを捕球対象物Bの直径Lbよりも小さく構成することで、捕球時において、補強体7を配置した部位と捕球対象物Bの受止衝撃力に対する変形量の大きな皮革で形成された部位との双方に対し同時的に捕球対象物Bを接触させることができて、捕球対象物Bが変形量の小さな補強体7配置部位のみと接触して弾かれてしまうなどの不具合を効果的に抑止することができる。
【0029】
前記補強体7の指長方向中間部には、前記各固定紐8a〜8cを挿通する複数の挿通部(本例では、第3固定紐8cを挿通する指長方向を長手方向とした面取り長方形状の複数の挿通部)15が、親指挿入部1側から指並設方向に沿って均等又は略均等間隔で分散形成されており、詳しくは、指並設方向外側の小幅の一対の外側挿通部15aと、指並設方向中央側のやや大幅の一対の中央側挿通部15bの4つの挿通部15が指並設方向中央線Tに対し対称となる配置で形成されている。
【0030】
前記挿通部15は、前記捕球用ウエブ6に形成された第3紐通し穴14bに内挿可能な筒状、具体的には、捕球用ウエブ6の第3紐通し穴14bに対し手掌側から内接状態で嵌合可能な筒状に形成され、手甲側皮革6Aの厚さdよりも大きな突出長さ(筒高さ)Hで補強体7の手甲側面に突出されている。
【0031】
つまり、捕球対象物Bの受止衝撃力による第3固定紐8cの移動範囲を補強体7の挿通部15をもって規制することで、第3固定紐8cに作用する引張力により第3紐通し穴14bに生じる局部的な押圧力を効果的に低減することができ、しかも、捕球用ウエブ6に形成された第3紐通し穴14bと第3固定紐8cとの間に介在する状態で第3紐通し穴14bと第3固定紐8cとの接触を挿通部15により抑止することで、第3固定紐8cに作用する引張力により第3紐通し穴14bに生じる局部的な押圧力を一層効果的に低減することができる。
【0032】
そして、補強体7は、補強用ウエブ6の第3挿通部11bの内部において各挿通部15が対応する補強用ウエブ6の第3紐通し穴14bに嵌り込む状態で手甲側皮革6Aの手掌側面に対し第3紐通し穴14bの外縁周りの環状の縫着部16で縫着することにより、捕球時に捕球対象物Bが接触する捕球部位Cの端部を除く中間部に配置される状態で捕球用ウエブ6の内部の手首側部位に取り付けられている。
【0033】
そのため、樹脂製の補強体7によって手甲側皮革6Aに形成された第3紐通し穴14bの手掌側角部をL字状に被覆する状態で手掌側角部に対する第3固定紐8cの接触を確実に防止することができるとともに、捕球用ウエブ6の第3紐通し穴14bに内挿された筒状挿通部15の上端を手甲側皮革6Aの手甲側に突出させて、その突出部分により手甲側角部に対する第3固定紐8cの接触も効果的に抑止することができる。
【0034】
しかも、補強体7を捕球用ウエブ6に取り付けるとき、複数の第3紐通し穴14bに対し筒状挿通部15を嵌合させることにより、捕球用ウエブに対する補強体の位置決め及び姿勢決めを容易且つ正確に行うことができる。
【0035】
さらに、捕球用ウエブ6の手先側部位を接地させて捕球用ウエブ6を手掌側に屈曲させた前記迎球姿勢に姿勢変更する際の変形量や、捕球対象物Bが捕球部位Cに収まった状態から捕球対象物Bを包み込むように親指挿入部1と人差指挿入部2の先端部位どうしを、捕球用ウエブ6を屈曲させながら接触させた捕球姿勢に姿勢変更する際の変形量が大きくなる捕球用ウエブ6の手先側部位を適度な変形性能を備えたウエブ形成用皮革で構成することで、球技者の捕球操作に対する操作性の低下を抑止しながらも、捕球部位Cの中間部に位置する捕球用ウエブ6の手首側部位に対して補強体7を配設することで、捕球用ウエブ6の強度を効果的に向上させることができる。
【0036】
また、捕球対象物Bを捕球する捕球部位Cにおける皮革製の端部の皮革特有の大きな変形をもって、捕球対象物Bを捕球部位Cで包み込む形態で捕球対象物Bをしっかりと受け止めることがでながらも、捕球時において捕球対象物Bの受止衝撃力が大きな捕球部位Cの中間部の強度を補強体7により効果的に向上させることができる。
【0037】
そしてまた、捕球対象物Bと接触する捕球用ウエブ6の手掌側面を捕球に適した弾力を備えたウエブ形成用皮革(詳しくは、手掌側皮革6B)で形成することで、捕球対象物Bが補強体7に直接接触して弾かれてしまうなどの不具合を効果的に抑止することができる。
【0038】
前記補強体7の外周縁部7aは、その手掌側面が外周縁側ほど手甲側に位置するテーパー面を形成する形態で、外周縁側ほと薄くなる形状に形成されている。
【0039】
そのため、第3挿入部11bの内面に段差が生じることを抑止することができて、その段差に原因して第2挿入部11bに対する第3固定紐8cの挿入操作が行い難くなったり、第3固定紐8cの所望位置への配置操作が行い難くなったりするなどの不具合を抑止することができる。
【0040】
なお、グローブ本体Aを構成する皮革や捕球用ウエブ6を形成するウエブ形成皮革は、天然皮革、合成皮革のどちらであってもよい。
【0041】
[その他の実施形態]
〔1〕捕球用ウエブ6の形態は、従来から種々のものが存在するが、何れの形態の捕球用ウエブに本発明を適用してもよい。
【0042】
〔2〕補強体7を成形する樹脂としては、種々の合成樹脂、合成ゴム、天然ゴムなどを採用できる。
【0043】
〔3〕補強体7の形状(つまり、外形や大きさ)などの具体的構成は、前述の実施形態で示した如き構成に限られるものではなく、種々の構成変更が可能である。
【0044】
〔4〕前述の実施形態では、補強体7を捕球用ウエブ6の手首側部位に配設する場合を例に示したが、これに限らず、手首側部位の手先側に位置する手先側部位に配設してもよい。
【0045】
〔5〕前述の実施形態では、補強体7を捕球用ウエブ6の手掌側面よりも手甲側に設ける構成を例に示したが、手掌側面よりも手掌側に設けてもよい。
【0046】
〔6〕前述の実施形態では、補強体7を捕球用ウエブ6の内部に配設する場合を例に示したが、捕球用ウエブ6の外部に配設してもよい。
【0047】
また、上述の如く、補強体7を捕球用ウエブ6の外部に配設する場合において、補強体7を捕球用ウエブ6の一部に代えて設けてもよい。
【0048】
〔7〕前述の実施形態では、補強体7に挿通部15を複数個形成する場合を例に示したが、挿通部15を1個だけ形成してもよい。
【0049】
〔8〕前述の実施形態では、補強用ウエブ6に補強体7を1個配設する場合を例に示したが、補強体7を複数個配設してもよい。
【0050】
〔9〕前述の実施形態では、補強体7の挿通部15を前記捕球用ウエブ6に形成された第3紐通し穴14bに内挿可能な筒状に形成する場合を例に示したが、捕球用ウエブに対する補強体7の配設位置に応じ、第1紐通し穴12、第2紐通し穴13、第3紐通し穴14aに内装可能な筒状に形成してもよい。
【0051】
〔10〕前述の実施形態では、補強体7の挿通部15を指並設方向に沿って1列に配設する場合を例に示したが、指並設方向に沿って複数列に配設したりしてもよく、捕球用ウエブ6の形状や補強体7により補強する部位等に応じ適宜に変更すればよい。
【0052】
〔11〕前述の実施形態では、補強体7を捕球用ウエブ6に対し縫着により取り付ける場合を例に示したが、これに限らず、例えば、接着剤による接着や貼着テープによる貼着などにより取り付けてもよい。
【0053】
〔12〕前述の実施形態では、補強体7の挿通部15の筒高さHを補強用ウエブ6の手甲側皮革6Aの厚さdよりも大きく形成する場合を例に示したが、手甲側皮革6Aの厚さdと同一に形成してもよく、或いは、手甲側皮革6Aの厚さdよりも小さく形成してもよい。
【0054】
〔13〕前述の実施形態では、補強体7の挿通部15を円筒状に形成する場合を例に示したが、角筒状などに形成してもよい。また、筒状に形成することなく単に挿通孔を貫通形成して挿通部15を構成したりしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明に係る野球用グローブの手甲側外観図
【図2】本発明に係る野球用グローブの手掌側外観図
【図3】本発明に係る野球用グローブの要部分解斜視図
【図4】図3のA−A線断面図
【符号の説明】
【0056】
1 親指挿入部
2 人差指挿入部
6 捕球用ウエブ
6A 手甲側皮革
6B 手掌側皮革
7 補強体
8a〜8c 固定紐
12、13、14a、14b 紐通し穴
15 挿通部
d 手甲側皮革の厚さ
H 補強体の筒高さ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
親指挿入部と人差指挿入部との間に配設される皮革製の捕球用ウエブに、捕球用ウエブの指長方向長さよりも小さな指長方向長さの樹脂製の補強体が配設されているとともに、
前記補強体には、前記捕球用ウエブに取り付けるための固定紐を挿通する挿通部が形成されている野球用グローブ。
【請求項2】
前記挿通部が、前記捕球用ウエブに形成された紐通し穴に内挿可能な筒状に形成されている請求項1記載の野球用グローブ。
【請求項3】
前記補強体には、前記挿通部が複数形成されている請求項2記載の野球用グローブ。
【請求項4】
前記紐通し穴が前記捕球用ウエブの手甲側皮革に形成され、前記補強体が前記捕球用ウエブを構成する手甲側皮革の手掌側面に配設されているとともに、
前記挿通部が、前記手甲側皮革の厚さと同一、又は、それよりも大きな筒高さに形成されている請求項2又は3記載の野球用グローブ。
【請求項5】
前記補強体が、皮革よりも弾性復元力の大きな樹脂から構成されている請求項1〜4のいずれか1項に記載の野球用グローブ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−113805(P2008−113805A)
【公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−299070(P2006−299070)
【出願日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【出願人】(000108258)ゼット株式会社 (36)