説明

野球用機械式ティー

【課題】打撃練習用の機械式ティーを提供する。
【解決手段】機械式ティーは実際の試合の状況をシミュレートするためにさまざまな高さ、コース、スピード、および角度でボールを打者に差し出してもよい。また、可変ポジションである伸縮式ポスト104を有する垂直スタンド102を備え、打撃用にボールを吊るして保持するための吸着カップ108を端部に有する可撓管106を支えてもよい。あるいは、モータと吸引するための真空ポンプ構造を有し、ボールを打者に自動的に送り出してもよい。また、垂直スタンド102は加えて空気圧縮機と打撃用に空気圧によってボールを上方へトスする或いは押し出すための付属品とを有してもよい。さらには、ストライクゾーン110内のさまざまなおよび/またはランダムな位置へボールを動かす或いはトスしてもよい。可搬式スタンドがボールをさまざまな位置へ上昇させるための数個の伸縮ピストンを有してもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は打撃と打撃指導の補助器具に関する。本発明は特に選手の体使いと技術を向上させる装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の打撃補助器具としては、例えば特許文献1〜5に開示されている打撃補助器具等のように、ボールを垂直に吊るすものがある。いくつかの従来の装置としては、例えば特許文献6〜8に開示されている装置等のように、圧縮空気を利用してボールを上昇させる方法を用いるものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許公報第5,228,683号
【特許文献2】米国特許公報第3,940,132号
【特許文献3】米国特許公報第6,296,582号
【特許文献4】米国特許公報第5,882,270号
【特許文献5】米国特許公報第7,828,679号
【特許文献6】米国特許公報第5,228,683号
【特許文献7】米国特許公報第6,296,582号
【特許文献8】米国特許公報第5,882,270号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、一般に、従来の打撃補助器具はさまざまな欠陥に悩まされることがある。例えば、ある従来の打撃補助器具は静止位置でボールを保持するものがある。別の従来の打撃補助器具はボールを同じ高さに保持する或いは同じ高さまで送り出すものがある。結果的に、打者は同じ位置のボール、例えば野球ボール等を連続的に打ち続けるものがある。このことは打者の成長を妨げになると思われる。従来のティーのまた別の問題点としては、ひとスイング毎に手作業でボールを置き直す必要があるものがある。従来の打撃補助器具は別の点でも、構造的に足りないものがあるか、或いは、効果がないものがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願の実施例は、打撃練習用の機械式ティーを含む、打撃練習補助器具に関する。前記機械式ティーは、実際の試合に即してシミュレーションするために、打者にさまざまな高さ、コース、スピード、および/または、角度でボールを差し出す。前記機械式ティーは、野球ボール、テニスボール、ソフトボール、野球のプラスチックボール、ウィックル(登録商標)ボール、練習ボール、ゴムボール、および/または、他のタイプのボールで使用されてもよい。前記機械式ティーは、可撓管を支える可変ポジションである伸縮式ポストを有する垂直スタンドを備えていてもよい。前記機械式ティーの前記垂直スタンドはモータと前記可撓管へ吸引力を与えるための真空ポンプ構造を備えていてもよい。前記可撓管は、打撃用に、ボールを垂直にそして吊るして保持するために一端に吸着カップを有していてもよい。前記機械式ティーはまた、自動的に打者にボールを送り出してもよい。加えて或いは代わりとして、前記垂直スタンドは空気圧縮機と、打撃用に空気圧によってボールを上方へトスする或いは押し出すための付属品と、を有してもよい。前記機械式ティーは、ボールをさまざまなそしてランダムな場所に吊るすおよび/またはトスしてもよい。別の実施例において、前記機械式ティーは個々のボールを異なるそしてランダムな高さに上昇させるための数個の伸縮ピストンを有する可搬式スタンドであってもよい。
【0006】
一の態様において、1つの打撃練習装置が提供される。当該打撃練習装置は垂直スタンドと、前記垂直スタンドから上方へ伸びるように構成される可変ポジションである伸縮式ポストと、前記垂直スタンドに内蔵される電子制御装置と、を備えていてもよい。前記電子制御装置は前記伸縮式ポストを前記垂直スタンドの、(1)端から端まで横方向に、(2)端から端まで縦方向に、および/または、(3)上下に動かすように構成されていてもよい。当該打撃練習装置は前記垂直スタンドに内蔵される真空ポンプを備えていてもよい。前記真空ポンプは吸引力を発生させるように構成されてもよい。当該打撃練習装置は、前記伸縮式ポストによって垂直におよび水平に支えられる吸引配管を備えていてもよい。使用時に前記真空ポンプによってかけられる吸引力がボールを垂直に支えられるように、前記吸引配管は一端が前記真空ポンプに取り付けられ、他端には吸着カップを有してもよい。前記電子制御装置は、三次元のストライクゾーンを通過させてボールを動かすために、ボールを垂直に保持する吸引配管を支える前記伸縮式ポストを誘導してもよい。試合の状況を模して、三次元のストライクゾーン内のさまざまなそしてランダムな位置のボールを打つための打者の視認に対する反応を鍛えるために使用される間、ボールはさまざまな高さ、コース、スピード、および/または、角度で三次元のストライクゾーンを通過して動かされてもよい。当該三次元のストライクゾーンはルールブックによって定められるものであるかもしれない。
【0007】
別の態様において、1つの打撃練習装置が提供される。当該打撃練習装置は垂直スタンドと、前記垂直スタンドから上方へ伸びるように構成される可変ポジションである伸縮式ポストと、前記垂直スタンドに内蔵される電子制御装置と、を備えていてもよい。前記電子制御装置は前記伸縮式ポストを前記垂直スタンドの、(1)端から端まで横方向に、および、(2)端から端まで縦方向に動かすように構成されていてもよい。当該打撃練習装置は前記垂直スタンドに内蔵される真空ポンプを備えていてもよい。前記真空ポンプは吸引力を発生させるように構成されていてもよい。当該打撃練習装置は、前記伸縮式ポストによって垂直におよび水平に支えられる吸引配管を備えていてもよい。使用時に前記真空ポンプによってかけられる吸引力がボールを垂直に支えられるように、前記吸引配管は一端が前記真空ポンプに取り付けられ、他端には吸着カップを有していてもよい。前記電子制御装置は、試合の状況を模して、三次元のストライクゾーン内のさまざまなそしてランダムな位置のボールを打つための打者の視認に対する反応を鍛えるために使用される間、さまざまな高さ、コース、スピード、および/または、角度で三次元のストライクゾーンを通過させてボールを動かすために、ボールを垂直に保持する吸引配管を支える前記伸縮式ポストを誘導してもよい。
【0008】
上述のそしてそれ以外の特徴や長所は、当業者には、以下の詳細な説明、図面、および添付の請求項から正当に評価され、理解されるだろう。
【0009】
ここで、図面を用いて好適な実施例を示す。一方で、その精神或いは本質的な特性から逸脱することなく本発明を別の形態で具体化できることが理解される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】三次元のストライクゾーンを通過してさまざまなおよび/またはランダムな位置へボールを動かすように構成される打撃練習補助器具の一例を示す。
【図2】三次元のストライクゾーン内のさまざまなおよび/またはランダムな位置へボールを上昇させるように構成される打撃練習補助器具の一例を示す。
【図3】さまざまなおよび/またはランダムな位置へボールを上昇させるように構成される伸縮ピストンを有する打撃練習補助器具の一例を示す。
【図4】打撃練習補助器具を用いた、試合での打撃に即したシミュレーション方法の一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本願の実施例は、実際の試合での打撃に即したシミュレーションを行うことができる打撃練習補助器具に関する。打撃練習用の機械式ティー或いはスタンドは、さまざまなおよび/またはランダムな高さ、コース、スピード、および/または、角度で三次元のストライクゾーン内にボールを、打者に対して差し出すものである。前記機械式ティーは、野球ボール、テニスボール、ソフトボール、野球のプラスチックボール、ウィックル(登録商標)ボール、および/または、他のタイプのボールで使用されてもよい。
【0012】
一の態様において、前記機械式ティーは、可撓管を支える可変ポジションである伸縮式ポストを有する垂直スタンドを備えていてもよい。前記機械式ティーはモータと前記可撓管の一端へ吸引力を与えるための真空ポンプ構造とを備えていてもよい。前記可撓管は、打撃用としてボールを吊るすやり方で保持するために他端に吸着カップを有していてもよい。
【0013】
前記可変ポジションである伸縮式ポストは、電子制御装置或いは別の処理装置によって制御されてもよい。前記電子制御装はさまざまなモータと、歯車と、リンケージと、および、前記可変ポジションである伸縮式ポストに、三次元のストライクゾーンの通過中にその内側で、吊るされたボールを次々に上下にそして端から端まで動かす形で動きを与える他の部品と、を制御してもよい。前記電子制御装は前記伸縮式ポストを、ひいては吊るされたボールを、ストライクゾーンを通過してさまざまなおよび/またはランダムな場所へ動かすようにプログラムされていてもよい。前記電子制御装は、ボールがストライクゾーンに入り通過するときに、ランダムに、或いは事前に決められたように、のどちらかで、高さ、コース、スピード、および/または、角度を変えるようにプログラムされていてもよい。
【0014】
別の態様において、前記機械式ティーは、打撃のために空気圧によってボールを、トスする或いは上へ押し出すための付属品を有する垂直スタンドを備えていてもよい。前記機械式ティーは、空気圧を用いてボールを管から送り出すことによって、自動的に打者にボールを差し出してもよい。例えば、前記垂直スタンドは、正圧を発生させる空気ポンプおよび/または空気圧縮機を備えていてもよい。ボールは円筒管内に機械仕掛けで動かされ、そして、前記管内でボールに圧力が掛けられてもよい。前記管は、湾曲した出口端を有するか、上方に曲げられているか、或いはまた、三次元のストライクゾーン内にボールを上昇させるように構成されていてもよい。数個のボールが手作業でボールを置き直すことなく、前記機械式ティーによって自動的にトスされてもよい。
【0015】
別の実施例において、前記機械式ティーは数個の伸縮ピストンを有する可搬式スタンドを備えていてもよい。それぞれの伸縮ピストンは円筒状の本体を有し、例えば空気ポンプや空気圧縮機によって発生した空気圧を用いる等によって、ボールを垂直に上昇させるように構成されていてもよい。それぞれの伸縮ピストンは電子制御装置によって個別に制御されてもよい。前記電子制御装置は各前記伸縮ピストンにボールを1つずつさまざまな或いは異なる高さにそれぞれ上昇させるように誘導してもよい。
【0016】
各前記伸縮ピストンは、伸縮ピストンの配置として、例えば直線状に、円形状に、正方形状に、三角形状に、或いは別の形状に配列され設置されてもよい。前記電子制御装置は、どの伸縮ピストンが次のボールを投球するかをランダムに選択、および/または、次のボールを次の伸縮ピストンがどのような高さおよび/またはコースに投球するかをランダムに選択してもよい。
【0017】
好適な実施例において、打撃練習装置が提供される。当該打撃練習装置は垂直スタンドと、前記垂直スタンドから上方へ伸びるように構成される可変ポジションである伸縮式ポストと、前記垂直スタンドに内蔵される電子制御装置と、を備えていてもよい。前記電子制御装置は前記伸縮式ポストを前記垂直スタンドの、(1)端から端まで横方向に、(2)端から端まで縦方向に、および/または、(3)上下に動かすように構成されていてもよい。当該打撃練習装置は前記垂直スタンドに内蔵される真空ポンプを備えていてもよい。前記真空ポンプは吸引力を発生させるように構成されていてもよい。当該打撃練習装置は前記伸縮式ポストに垂直にそして水平に支えられる吸引配管を備え、また、前記吸引配管は一端が前記真空ポンプに取り付けられ、他端には吸着カップを有してもよい。使用中には前記真空ポンプによってかけられる吸引力がボールを垂直に支える。前記電子制御装置は、三次元のストライクゾーンを通過させてボールを動かすために、ボールを垂直に保持する吸引配管を支える前記伸縮式ポストを誘導してもよい。試合の状況を模して、そして、三次元のストライクゾーン内のさまざまなおよび/またはランダムな位置のボールを打つための打者の視認に対する反応を鍛えるために使用される間、ボールはさまざまな高さ、コース、スピード、および/または、角度(前記電子制御装置によって予めプログムされるか或いはランダムに選択されてもよい)で三次元のストライクゾーンを通過して動かされてもよい。
【0018】
三次元のストライクゾーンはルールブックによって定められるものである。三次元のストライクゾーンは直方体形状部を有する。前記直方体形状部は規定サイズのホームベースの長さと幅をそれぞれに反映した長さと幅を有する。
【0019】
例えば、ホームプレートは正五角形ではない五角形である。ホームプレートのピッチャーに面する前側は約17インチ幅であり、ストライクゾーンの幅を規定する。ホームプレートは約8.5インチ長の平行な両辺を有し、当該両辺は競技場の両ファールラインに接触する。ホームプレートはまた、両ファールラインに沿う約12インチ長の2辺を有し、2本のファールラインの交点と接触する。
【0020】
使用中に前記機械式ティーから、吊るされたボールが打たれた後、前記吸引配管が2番目のボールを垂直に保持できるように、ボールは、例えば自動ボール供給装置等を用いて、自動的に2番目のボールで置き直されてもよい。前記電子制御装置は、その後、2番目のボールをさまざまな高さ、コース、スピード、および/または、角度で三次元のストライクゾーンを通過してランダムに動かすように構成され或いはプログラムされていてもよい。変化する高さ、コース、スピード、および/または、角度は、前記電子制御装置によってランダムに決定される、或いは予め決定されていてもよい。1番目のボールが三次元のストライクゾーンを通過して動かされるときの、変化する高さ、コース、スピード、および/または、角度は、2番目や後に続くボールが三次元のストライクゾーンを通過して動かされるときの、変化する高さ、コース、スピード、および/または、角度とは異なっているかもしれない。
【実施例1】
【0021】
生理学的練習
本実施例は、神経学的な視点から野球に取り組もうとし、生理学的練習を提供しようとする。本願の各実施例は、打者のスイングの軌道が、与えられたスイングの軌道、ボールが常に正確に同じ位置に置き直される従来の野球用のティーを使用する反復練習によって無意識に生じるかもしれない“固定された位置に対する”スイングの軌道よりもむしろ、投げられた野球ボールを捉えるためにより柔軟な軌道になるように、視認に対する反応を鍛える。
【0022】
一般的に、従来の野球用のティーの主要な目的は、その発明以来ずっと、正しい打撃フォームで連続的に取り組むことと同様に、打者への指導の補助としての活用だった。今現在野球で見られる一般的な打撃ティーは、Tボールリトルリーグの子供たち、メジャーリーグのプロ野球選手にまで活用されている。野球におけるティー練習の主要な目的は、ボールをバットのヘッドで捉える(「機能(function)」)ことができるように、打者の視認に対する反応を鍛える点で補助し、打球の角度が上がり、生じたインパクトがライナー性の打球に変じることができるように、正しいグリップと腕の伸び(「型」)でバットを振り切ることである。バットがボールの上側を捉えれば、ゴロになるだろう。或いは、バットがボールの下側を捉えれば、大抵ポップフライになるだろう。野球において全ての打者はゴロアウトとフライアウトを避けたいと思っている。
【0023】
ティーを活用することの第2の目的は、視認に対する反応を鍛えるために、指導し継続することである。該視認に対する反応は本明細書では「機能」とも記載する。バットのヘッドがボールの芯を捉える(「機能」)時でさえ、すばらしいミートをヒットにつなげるために、打者には正しいグリップと腕の伸び(「型」)が求められる。
【0024】
野球においてより良い打者になることに関する中心的な考え方は、すべてのスポーツと同様に、反復練習を通じてのものである。それが真実であるかもしれない一方で、ティー練習に関する反復は両刃の剣であるかもしれないと信じられている。こんにち使用されているありふれた野球用のティーは、型に関する目的を達成する一方で、機能に関しては、打者に対する補助と成果を制限するかもしれない。本実施例の機械式ティーの進歩は、ただちに型と機能の間の溝を埋め、それによって、より良い打者が育ち、あらゆるレベルで野球の能力の質を向上させるはずである。
【0025】
最も一般的で、幅広く使用されている野球用のティーは、その頂点に野球ボールを載せる丈夫なプラスチックで構成される筒である。前記筒は、ボールが打者の身長によって決まるストライクゾーン内に位置するように、上下の調整ができる。ルールブックに定義される通り、建前としては球審が忠実に守るべきであるストライクゾーンは、打者の身長に応じて上下に動くものである。
【0026】
打者がティーを活用する時、野球ボールはティーの頂点に置かれ、打者はバットを振る。しかしながら、打者は同じ高さの野球ボールを打ち続けるかもしれない。このような連続した反復は、脳内の特定の経路を何度も繰り返して活性化させ、それによって、ティーに載せられた1つの特定の位置の野球ボールに対する打撃スイングに特化した筋肉の動作を起こす。繰り返される筋肉の動作は、時として「筋肉の記憶」と呼ばれるそれ自身の記憶を残し、それによって視認に対する反応とは無関係に振る舞うかもしれない、と信じられている。実際の野球の試合では、ティーに載せられた野球ボールと同じ高さに投球が来る可能性は極めて低い。したがって、打者の視認に対する反応がボールをバットのヘッドで捉えるために柔軟である必要がある時に、ティー練習の反復が時として作動し、そして、スイングは無意識のうちに打者の腕の筋肉の動きを、何百回となく行われたスイングコース、すなわちティーに載せられた野球ボールの高さへのスイングの動きに引きずられてしまうかもしれない。それによってスイングと失敗が生じ、そして、それ故にストライクを取られる。
【0027】
本実施例の異なる機械式ティーのデザインは、同じ位置の野球ボールを繰り返し打つことを防ぐかもしれない。前記機械式ティーのデザインは、機械式のアーム、機械式の伸縮ピストン、および/または、空気推進システムがボールをランダムにストライクゾーン内の何千もの異なる位置に送り出すことができるようにプログラム可能な電子制御装置を備えていてもよい。
【0028】
効果的に試合に近い状況を模する最良の打撃補助器具かもしれない本実施例は、打者に異なる各位置のボールにスイングさせることによって、視認に対する反応を鍛えるかもしれない。加えて、スイングが繰り返されるであろう一方で、打球にラインドライブがかかること(「型」)、反復が腕の動きをどれか1つの特定の位置に対するものに固定する筋肉の記憶を引き起こさないかもしれないこと(「機能」)、その結果、このやり方による三振の減少を保証する。機械式ティーの本実施例は、打者が各スイング後にボールを置き直す必要なしに連続して練習できるように、ボール供給装置が付属していてもよい。
【実施例2】
【0029】
ボール三次元移動型機械式ティー
本実施例は、異なる位置の野球ボールを打つことのできる打撃補助器具に関する。図1は三次元のストライクゾーンを通過してさまざまなおよび/またはランダムな位置へボールを動かすように構成される打撃練習補助器具100の一例を示す。前記打撃練習補助器具100は、垂直スタンド102、伸縮式ポスト104、可撓管106、および吸着カップ108を備えていてもよい。前記打撃練習補助器具100は、追加の、より少ない、或いは、代替の部品を備えていてもよい。
【0030】
図1に示すように、前記打撃練習補助器具100は、伸縮式ポスト104を有する垂直スタンド102を備えていてもよい。前記伸縮式ポスト104は二次元或いは三次元の移動ができるよう構成されていてもよい。例えば、前記伸縮式ポスト104は三次元のストライクゾーン110に対して端から端まで水平におよび/または端から端まで垂直に、および/または、前記垂直スタンド102に対して上へ下へと垂直に移動可能に構成されていてもよい。前記伸縮式ポスト104の移動は、前記垂直スタンド102に付随する電子制御装置によって制御され、或いは、誘導されてもよい。
【0031】
前記伸縮式ポスト104は一端に吸着カップ108を有する可撓管106を支えていてもよい。前記垂直スタンド102の内部には、モータと、吸引圧或いは真空圧を生じる真空ポンプとを備えていてもよい。前記真空圧は、前記吸着カップ108を有する端部で吸引するために、前記可撓管106の他端に掛けられてもよい。
【0032】
前記吸着カップ108はボールに合致するサイズであってもよい。前記可撓管106は、前記ボールを三次元のストライクゾーン内に垂直に保持するために、前記吸着カップ108へ吸引力を伝えてもよい。使用中に、打者は前記吸着カップ108によって垂直に支えられたボールにバットを振っているかもしれない。そして、前記ボールは前記伸縮式ポスト104の移動によって上下にそして左右に動いてもよい。
【0033】
前記伸縮式ポスト104の垂直アーム112は前記垂直スタンド102から上方へ垂直に伸びていてもよい。前記垂直アーム112は一般的に垂直に或いは上下方向に伸びていてもよい。前記垂直アーム112は、例えば90°の角度等で、前記伸縮式ポスト104の水平アーム114につながる。前記水平アーム114は、三次元のストライクゾーンと打者のスイングのための空間を作るように、前記垂直アーム112と前記垂直スタンド102の位置から離れるように水平に伸びていてもよい。
【0034】
前記可撓管106は前記垂直アーム112と前記水平アーム114に、例えば結束バンドや他の締め具等によって取り付けられていてもよい。前記可撓管106は前記水平アーム114および/または前記伸縮式ポスト104の端部から垂直にぶら下がっていてもよい。前記可撓管106は、前記吸着カップ108を用いて吊られているボールを、ボールの動きに関して自由度を持つように遊離したやり方で、三次元のストライクゾーン内にぶら下げることを可能にしてもよい。
【0035】
前記電子制御装置は書き込み可能なメモリを有する処理装置を備えていてもよい。前記処理装置および/またはメモリには、前記伸縮式ポスト104、ひいては吊られているボールの動きを誘導する命令が組み込まれていてもよい。前記電子制御装置は、前記電子制御装置がモータ、歯車、リンケージ、および/または、全て或いは前記伸縮式ポスト104の部品、例えば前記垂直アーム112や前記水平アーム114等を動かす他の機械部品を操作することを可能にする電子機器と配線を備えていてもよい。前記伸縮式ポスト104を動かす前記電子制御装置に制御される前記機械部品は、前記垂直スタンド102に内蔵され、および/または、前記伸縮式ポスト104に取り付けられてもよい。
【0036】
前記電子制御装置が前記伸縮式ポスト104を動かしてもよい。例えば、前記電子制御装置は前記垂直アーム112の動きを、前記垂直スタンド102の上下に或いは内外に誘導してもよい。その結果、使用中にボールはストライクゾーン内で垂直に動かされてもよい。
【0037】
前記電子制御装置はまた前記伸縮式ポスト104を回転させてもよい。前記電子制御装置は前記水平アーム114の動きを、端から端まで或いはグルグルと誘導してもよい。前記水平アーム114は前記垂直スタンド102の周囲を、完全な円を描いて或いは360°動かされてもよい。加えて或いは代わりに、前記水平アーム114は、車のウインドワイパーのような、動きの範囲を行ったり来たりして動かされてもよい。例えば、上から見て、前記水平アーム114は90°にわたり或いは打者に対して別の範囲を行ったり来たりして動かされてもよい。その結果、使用時にボールはストライクゾーン内で水平に動かされてもよい。
【0038】
前記水平アーム114は長さを拡張可能であってもよい。前記水平アーム114は、ストライクゾーン内でボールを、打者に近づくか或いは遠ざかるかのどちらかに動かすために、伸縮してもよい。前記電子制御装置はさまざまなモータか、歯車か、リンケージか、或いは、前記水平アーム114の長さを制御する前記伸縮式ポスト104内の他の部品か、を誘導してもよい。前記電子制御装置は、ボールに追加の動きを与えるために、ボールがストライクゾーン内を動かされる間に前記水平アーム114の長さを伸縮させてもよい。前記電子制御装置は、ストライクゾーンを通過してボールを動かす間に前記水平アーム114の長さを変化させるスピードを変化させてもよい。
【0039】
既述のように、前記電子制御装置は前記伸縮式ポスト104、ひいては前記吸着カップ108を用いて吊られているボールを左右におよび/または上下に三次元のストライクゾーンを通過して動かすようにプログラムされていてもよい。前記電子制御装置はさまざまなスピードでそれぞれの高さおよびコースに前記伸縮式ポスト104を動かしてもよい。前記伸縮式ポスト104の振れ動作と前記可撓管106の自由度が使用中に吊られているボールの動きの自由さを与えてもよい。
【0040】
例えば、ボールが左右に振られているスピードの増加が、前記吸着カップ108を有する前記可撓管106の端部とボールを、前記垂直スタンド102から離れるように(そして打者に向かうように、ただしストライクゾーン内で)水平に、そして、ボールに影響を与えている遠心力によってストライクゾーン内で垂直に上方へ動かしてもよい。ボールが左右に振られているスピードの減少が、前記吸着カップ108を有する前記可撓管106の端部とボールを、前記垂直スタンド102に向かうように(そして打者から離れるように、しかしストライクゾーン内で)水平に、そして、ボールに影響を与えている重力によってストライクゾーン内で垂直に下方へ動かしてもよい。
【0041】
前記水平アーム114の左右のスピードおよび/または動きと、前記垂直アーム112の上下のスピード、動きおよび/または高さと、を制御することによって、前記電子制御装置はさまざまな高さ、コース、スピード、および/または、角度でストライクゾーンを通過するボールの動きを制御してもよい。前記電子制御装置はまた、前記水平アーム114および/または前記垂直アーム112をランダムなやり方で動かしてもよい。前記水平アーム114のスピードと方向は変化してもよい。前記水平アーム114はストライクゾーンを通過しつつ行ったり来たりして、或いは、前記垂直スタンド102の周りを360°回転して振られてもよい。同時に、前記垂直スタンド102は、ボールがストライクゾーンを通過して動かされる間に、上下に動かされてもよい。
【0042】
ボールの方向とスピードを変化させる前記電子制御装置は試合での打撃の状況、例えば速球、カーブ、スライダー、チェンジアップ、別の球種等をシミュレートしてもよい。前記電子制御装置はランダムに様々なタイプの投球、例えば、チェンジアップ或いは半速球に続けて、別のスピードの速球を続けて、それからカーブをシミュレートする等を、シミュレートしてもよい。
【0043】
前記垂直スタンド102は運搬用ハンドル116および/または1つ以上の据え付け用金具118を有していてもよい。前記垂直スタンド102のそれぞれの側面には専用の据え付け用金具118が備えられていてもよい。各前記据え付け用金具118は前記垂直スタンド102を直立状態で垂直に支えるために使用される間は下ろされてもよい。各前記据え付け用金具118は非使用時には、保管を容易にするために、上げられて前記垂直スタンド102の本体に寄り掛かってもよい。前記垂直スタンド102は、さまざまな部品、例えば、電子制御装置、モータ、真空ポンプ、空気ポンプ或いは空気圧縮機、他の部品等に電力を供給するための標準的な電気プラグを有する120Vのコンセントを備えていてもよい。
【0044】
前記垂直スタンド102は約2から5フィートの間の高さである。前記伸縮式ポスト104は、長さが可変で、約2から10フィートの間の高さの垂直アーム112を有していてもよい。前記伸縮式ポスト104は、長さが可変で、約2から10フィートの間の長さの水平アーム114を有していてもよい。別の寸法の部品が使用されていてもよい。
【0045】
本実施例はまた自動ボール供給装置を備えていてもよい。図1に示すように、練習補助器具100はボール供給装置122を備えていてもよい。前記ボール供給装置122は前記垂直スタンド102に取り付けられていてもよい。前記ボール供給装置122は1個以上のボールを、例えば円筒管等に格納してもよい。前記ボール供給装置122は、前記吸着カップ108がボールにたどりつくときに、次のボールをボールの装填位置へと動かしてもよい。
【0046】
進行中のボールが打たれた後、前記吸着カップ108は吸着部を露出させられて、周囲に吸引力を掛けていてもよい。その時点で、前記垂直スタンド102の前記電子制御装置は、前記吸引力が次のボールを持ち上げるように、次のボールを前記吸着カップ108の付近に、或いは、前記吸着カップ108を次のボールの付近に、自動的に動かすよう構成されていてもよい。前記垂直スタンド102の前記電子制御装置はそれから、本明細書で述べているように前記伸縮式ポスト104の動きを誘導することによって、ストライクゾーンを通過させて次のボールを動かしてもよい。
【0047】
使用中に、前記電子制御装置は、進行中のボールが打たれて、前記可撓管の前記端部が周囲に露出され、空気を吸引することによって、前記可撓管内の前記吸引力が変化することを感知してもよい。或いは、前記電子制御装置は、前記伸縮式ポスト104の端部にかかる重量が減少する或いは変化することを感知してもよい。ボールの置き直しが必要になることを感知する他の手段が使用されてもよい。
【0048】
前記電子制御装置が進行中のボールが打たれたことを検知した時点で、前記電子制御装置は、前記吸着カップ108に最も近い前記水平アーム114の端部を前記垂直スタンド102の基部に向かって、そして、前記ボール供給装置122の上端を横切って、下方へ動かす或いは曲げてもよい。同時に、前記垂直アーム112もまた、例えば、最大伸長位置へ動かされる等、再配置されてもよい。或いは代わりに、長さが可変な水平アーム114が、前記吸着カップ108を水平に動かすために、前記垂直スタンドに向かって、そして、前記ボール供給装置122の上端を横切って、内側へ収納されてもよい。結果として、前記吸着カップ108は、前記垂直スタンドの前記基部に向かって、次のボールにたどりつくことができるボール装填位置へ自動的に動かされてもよい。
【0049】
前記ボール供給装置122は次のボールが前記吸着カップ108によって吊られるように、前記吸着カップ108によって行使される吸引力が次のボールを持ち上げる場所に次のボールを供給するように設置されてもよい。その後、前記水平アーム114は上昇させられ、振られ、或いは伸張されて、次のボールがストライクゾーン内で吊られる水平位置へと戻ってもよい。前記電子制御装置はそれから再び、ストライクゾーンを通過させて、次のボールをさまざまなおよび/またはランダムな、高さ、コース、スピード、および/または、角度で動かすために、前記水平アーム114および/または前記垂直アーム112を動かし始めてもよい。
【実施例3】
【0050】
ボール垂直上昇型機械式ティー
別の態様において、垂直スタンドは前記垂直スタンドの付属垂直発射装置として構成されるオプションのチューブ状ボール供給装置或いは発射装置を備えていてもよい。前記チューブ状ボール供給装置或いは発射装置は空気配管と連通していてもよい。前記チューブ状ボール供給装置或いは発射装置は、野球ボール或いは他のボールを受け入れるための円形投入口を有してもよい。ボールが前記チューブ状ボール供給装置或いは発射装置に供給された時点で、空気圧がボールをチューブの出口まで下がらせてもよい。前記出口はボールを通常垂直方向へ、そして仮想的なストライクゾーンへ上方に誘導してもよい。打者は空気制御された上昇動作を用いて垂直上昇させられるボールをスイングしてもよい。
【0051】
前記垂直スタンドは制御モジュールを取り付けられ、或いは内蔵されてさえいてもよい。前記制御モジュールは電子制御装置、モータ、真空ポンプ、空気ポンプ或いは空気圧縮機、および/または、他の部品を備えていてもよい。前記制御モジュールは外部電源コードを有していてもよい。前記垂直スタンドは前記ボール供給装置或いは発射装置を取り付けられていてもよい。前記ボール供給装置はボールが通過できる内径の円筒部を備えていてもよい。前記ボール供給装置の一端において、空気配管或いはチューブアタッチメントが前記制御モジュール/垂直スタンドから正の空気圧を与えられていてもよい。
【0052】
前記ボール供給装置の他端において、円筒状端部が打者に投球を送り出すための開口部を有していてもよい。空気圧がボールを、前記ボール供給装置を通過して、ランダムに選択された三次元のストライクゾーン内の場所に送り出してもよい。
【0053】
図2は三次元のストライクゾーン内のさまざまなおよび/またはランダムな位置へボールを放り出すように構成される打撃練習補助器具200の一例を示す。前記打撃練習補助器具200は、垂直スタンド202と、制御モジュール204と、電源コンセント206と、空気配管208と、ボール供給装置210と、を備えていてもよい。前記打撃練習補助器具200は、追加の、より少ない、或いは、代替の部品を備えていてもよい。
【0054】
前記垂直スタンド202は既述の図1の前記垂直スタンドのように、類似の、付加的な、より少ない、或いは代替の機能性を備えていてもよい。前記垂直スタンド202には制御モジュール204が取り付けられていてもよい。前記制御モジュール204は、モータ、真空ポンプ、空気ポンプ或いは空気圧縮機、および/または、電子制御装置を備えていてもよい。前記モータと真空ポンプは吸引力を与えてもよい。前記空気ポンプ或いは空気圧縮構造は正圧を与えてもよい。前記制御モジュール204は、120V電源コンセント206を用いて、外部電源によって電力を供給されてもよい。或いは代わりに、制御モジュール204は、例えばバッテリ等によって、内部で電力を供給されてもよい。
【0055】
前記ボール供給装置210は円筒形状を有していてもよい。前記ボール供給装置210は隙間か或いは発射されるボールにフィットする干渉物を有するサイズであってもよい。1つの実施例において、前記ボール供給装置210は標準サイズの野球ボールでの使用のために寸法決めされている。別のタイプのボール、例えば本明細書の別の場所に記載されているボールが使用されてもよい。
【0056】
使用中に、前記空気配管208は、前記制御モジュール204内の前記空気ポンプ或いは空気圧縮機によって発生させられた正圧を、前記ボール供給装置210の前記円筒部へ与えてもよい。ボールが前記ボール供給装置或いは発射装置に、例えば投入口214を介して、供給された後、正圧がボールを、前記ボール供給装置210の全長を通過して、前記ボール供給装置210の他端の出口216から外へ押し進める。前記出口216は、ボールを上向きに、三次元のストライクゾーン212内へ押しだすために形成されるか或いは曲げられていてもよい。或いは代わりに、前記出口216は、ボールを前記ストライクゾーン212内へ誘導するために、上方へ角度を付けられていてもよい。
【0057】
前記電子制御装置はストライクゾーン212内でのボールの位置調整を制御してもよい。前記電子制御装置は、前記ボール供給装置210へ送られ、次の投球に使用される空気圧を変えてもよい。前記電子制御装置はまた、ランダムな或いはプログラムされた方法のどちらか一方で、個々の投球或いはボールに使用される空気圧を変えてもよい。前記ボール供給装置210に掛けられる正圧をランダムに変化させることによって、次の投球の前記ストライクゾーン212内での高さをランダムに変化させることは、試合での打撃に即してシミュレートすることの手助けとなるかもしれない。
【実施例4】
【0058】
伸縮ピストン使用型機械式ティー
別の実施例において、垂直スタンドは数個の伸縮ピストンを備えていてもよい。それぞれの前記ピストンは、空気圧を用いて、ボール、例えば野球ボールや他のボール等を垂直におよび/または角度をつけてストライクゾーン内に上昇させるように構成されていてもよい。それぞれの前記ピストンは、打者が上昇前にボールの来る位置を知ることができないように、それぞれのボールを異なる高さおよび/またはコースに上昇させるようにセットされてもよい。
【0059】
前記電子制御装置は前記数個のピストンの内のどのピストンが次にボールを放り上げるかをランダムに選択してもよい。前記電子制御装置はまた、空気圧および/または選択された前記ピストンが放り上げる高さ、方向および/またはスピードも選択してもよい。前記ピストンの放り上げる順序、およびそれぞれの前記ピストンの放り上げる位置は、ランダムに或いは事前に決められたように変化させられてもよい。例えば、前記垂直スタンドは、使用者が、(前記ピストンが一列に並んでいる場合)連続して或いはランダムのどちらで投球されるか、および/または、投球されるボールの高さおよび/またはコースを、一定にするのか、変化させるのか、或いはランダムにするのかを、選択することができる1つ以上の制御ボタンを備えていてもよい。使用者が選択可能な、異なる投球の順序を詳述する多数の投球ルーチンが記憶装置にプログラムされ、保存されていてもよい。
【0060】
図3はさまざまなおよび/またはランダムな選択された高さへボールを放り上げるように構成される伸縮ピストンを有する打撃練習補助器具300の一例を示す。前記打撃練習補助器具300は垂直スタンド302と数個の伸縮ピストン304を備えていてもよい。前記打撃練習補助器具300は、追加の、より少ない、或いは、代替の部品を備えていてもよい。
【0061】
前記垂直スタンド302は、ピストンの並びを形成するさまざまな構成で数個の伸縮ピストン304を内蔵していてもよい。図3では一列に並んだ数個の伸縮ピストン304を示す。或いは代わりに、前記各ピストンは、正方形、円形、三角形、或いは他の形状を成していてもよい。
【0062】
前記垂直スタンド302は、制御モジュール、例えば図1および図2について、既に説明した制御モジュール等を内蔵していてもよい。前記制御モジュールは、プログラム可能な電子制御装置、モータ、真空ポンプ、空気ポンプ或いは空気圧縮機、および/または、他の部品を備えていてもよい。前記電子制御装置は、それぞれのボールが三次元のストライクゾーン306内に放り上げられる高さおよび/または角度を変化させるように構成されていてもよい。前記電子制御装置は、前記数個の伸縮ピストン304の内のどの一つから次のボールがトスされるかをランダムに決定し、どんな高さおよび/または角度で次のボールがトスされるかをランダムに決定してもよい。
【0063】
前記電子制御装置は、前記伸縮ピストン304にボールが装填される後に、それぞれの前記伸縮ピストン304に掛けられる空気圧の量を変化させることによって、それぞれのボールが放り上げられる高さを変化させてもよい。前記空気圧は、前記垂直スタンド302に内蔵される空気ポンプ或いは空気圧縮構造によって発生させられてもよい。加えて、それぞれの前記伸縮ピストン304は円筒形チューブを備えていてもよい。前記円筒形チューブはボールが放り上げられる角度と位置を変更するために、前記電子制御装置によって再配置可能であってもよい。
【0064】
前記電子制御装置はボールのパラメータ、例えばボールの種別、投球の高さ、投球の角度、および/またはボールのスピード等をランダムに変化させてもよい。或いは代わりに、前記電子制御装置はメモリに保存された、プログラム化された投球ルーチンを有していてもよい。前記投球ルーチンは前記電子制御装置によって自動的に選択されるか、或いは使用者が選択可能であってもよい。
【実施例5】
【0065】
使用法
図4は、打撃練習補助器具を用いて、試合での打撃に即してシミュレーションする方法400の一例を示す。前記方法400は、伸縮式ポストを用いてボールをぶら下げるステップ402と、前記伸縮式ポストを自動的に動かすステップ404と、前記伸縮式ポストをランダムで垂直に動かすステップ406と、前記伸縮式ポストをランダムで水平に動かすステップ408と、打った後にボールを自動的に置き直すステップ410と、を備えていてもよい。前記方法は、追加の、より少ない、或いは、代替のステップを備えていてもよい。
【0066】
前記方法400は、伸縮式ポストを用いてボールをぶら下げるステップ402を備えていてもよい。前記伸縮式ポストは、例えば可撓管を介して等で、前記ボールに吸引力を掛けていてもよい。前記可撓管は、前記伸縮式ポストのフレーム部から十分な長さ下に吊るされて、或いは、ぶら下げられていてもよい。例えば、前記可撓管は前記伸縮式ポストの水平アーム部より下に約12から60インチ位伸びてもよい。
【0067】
前記方法400は、前記伸縮式ポストを自動的に動かすステップ404を備えていてもよい。例えば、前記伸縮式ポストは電子制御装置によって誘導されてもよい。前記電子制御装置はさまざまなモータと、歯車と、リンケージと、バネと、ラッチと、アームと、および、前記伸縮式ポストの動きを与える他の部品と、を制御してもよい。前記電子制御装置は、前記ボールが、例えば、吸着カップを用いる等によって、前記可撓管の端部にぶら下げられ、そして、三次元のストライクゾーンを通過して、さまざまな高さ、コース、スピード、および/または、角度で動かされるような方法で、前記伸縮式ポストを動かしてもよい。前記電子制御装置は、垂直スタンドに対して、かつ、ストライクゾーン内に、端から端へ水平に、上下に垂直に、そして、内角と外角に水平に前記伸縮式ポストを動かしてもよい。結果として、吊られたボールはストライクゾーン内にあらゆる方向で動かされてもよい。
【0068】
前記方法400は、前記伸縮式ポストをランダムで垂直に動かすステップ406を備えていてもよい。前記電子制御装置は前記伸縮式ポストの高さを制御するための機械部品の動きを誘導してもよい。例えば、前記電子制御装置はモータ、或いは前記伸縮式ポストの垂直アームを上げるおよび/または下げる他の部品を誘導してもよい。前記電子制御装置は、ストライクゾーンを通過するボールの水平方向の動きを誘導するときに、前記伸縮式ポストの前記垂直アームを上げおよび/または下げてもよい。結果として、浮き上がる、落ちる、および/または角度の付いた投球をシミュレートし打者に投げ込んでもよい。
【0069】
前記方法400は、前記伸縮式ポストをランダムで水平に動かすステップ408を備えていてもよい。前記電子制御装置は前記伸縮式ポストの水平位置を制御するための機械部品の動きを誘導してもよい。例えば、前記電子制御装置はモータ、或いは打者と前記垂直スタンドに対して前後に或いはグルグルと前記伸縮式ポストの水平アーム部を動かす他の部品を誘導してもよい。前記電子制御装置は、ボールを打者に近づくか或いは遠ざかるかのどちらかでストライクゾーンに飛び込ませるための拡張可能な水平アームを伸縮させるように構成されてもよい。
【0070】
前記電子制御装置は、ストライクゾーンを通過するボールの垂直方向の動きを誘導するときに、前記伸縮式ポストの前記水平アーム部を水平に動かしてもよい。前記電子制御装置は、ボールがストライクゾーンを水平に通過するときのスピードの制御として、前記水平アームの動きのスピードを調整してもよい。
【0071】
前記電子制御装置はさまざまな投球をシミュレートするために、前記伸縮式ポストひいてはボールを垂直と水平の両方でストライクゾーンを通過するように、ストライクゾーン内で動かしてもよい。前記電子制御装置は、同じ或いは異なるスピードで、ボールを垂直に動かしかつ水平に動かしてもよい。例えば、前記電子制御装置がストライクゾーン内でボールを垂直に動かすスピードが、前記電子制御装置がストライクゾーン内でボールを水平に動かすスピードよりも遅いか、或いは逆でもよい。
【0072】
前記方法400は、打った後にボールを自動的に置き直すステップ410を備えていてもよい。準備されたボールが打たれた後に、前記電子制御装置が、ボールが置き直される必要があることを感知してもよい。前記電子制御装置は、前記伸縮式ポストを前記可撓管の端部の前記吸引力によって、ボール供給装置から次のボールが持ち上げられる位置へ動かしてもよい。前記吸引力によって前記次のボールを前記可撓管の端部から吊るしてもよい。その後で、前記電子制御装置が前記次のボールを、さまざまにおよび/またはランダムに、決められた高さ、コース、スピード、および/または、角度でストライクゾーン内に動かしてもよい。前記方法は打たれたボールを受け止めるためのネットの使用もまた含んでもよい。
【0073】
前記電子制御装置は本明細書で検討するように機能性を提供してもよい。前記電子制御装置は、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、特定用途集積回路(ASIC)、個別論理素子、本明細書で説明するように作動する別のタイプの回路の集合体として実現されてもよい。前記電子制御装置は中央処理装置(CPU)と、メモリと、記憶装置と、情報入力装置と、表示装置と、を備えていてもよい。前記電子制御装置は便宜的に提供されたものであり、本システムの範囲を限定するものではない。前記電子制御装置は追加の、より少ない、或いは、代替の部品を有していてもよい。
【0074】
プログラムが前記メモリ、記憶装置、或いは別の記憶手段(例えば、着脱式ハードディスク、RAM)上に存在してもよい。前記プログラムは、前記CPUに実行される1つ以上のシークエンスの実行コード或いはコード化された命令を含んでいてもよい。前記プログラムは前記記憶装置、ネットワーク、或いはリムーバブル・メディアからメモリ内にロードされてもよい。前記CPUは前記プログラムの1つ以上のシークエンスの命令を実行してもよい。前記プログラムは本明細書で検討するように機能性を提供してもよい。当業者が理解できるように、前記プログラムはさまざまなプログラミング言語、例えばC、C++、ジャバ、オブジェクト指向言語、或いは他の言語で書かれていてもよい。
【0075】
本発明はそこに帰する精神或いは本質から逸脱することなく別の形で具体化されてもよい。それに応じて、発明の範囲を指し示すような既述の明細書よりもむしろ、後述の請求項に関連すべきである。また、本明細書に記載される配置図はさまざまな実施例の構造の一般的な意味解釈を提供することを目的としている。そして、それらは本明細書に記載される構成を活用する装置或いはシステムの全ての要素と特徴の完璧な記述の代わりになることを目的としてはいない。既述の記載を検討することで、当業者の目には多くの他の配置が明らかであろう。構造的なそして論理的な代用や変更が、本開示の範囲から逸脱することなく作り出されるかもしれないように、別の配置が活用され、そしてそれによって導き出されてもよい。各図面はまた再現描写であるに過ぎず、縮尺通りに描かれてはいないかもしれない。図面に関するある比率は誇張されているかもしれない。一方で、別の比率は最小化されているかもしれない。その結果、明細書と図面は限定的意味よりはむしろ説明的意味と見なされるべきでる。
【0076】
したがって、具体的な配置が本明細書に図解され記述されているとはいえ、同じ目的を達成することを意図する配置のどれでもが示された特定の配置を代用してもよいと認識されるべきである。この開示は、本発明のさまざまな実施例と配置の、ありとあらゆる適応とバリエーションを網羅することを目的とする。既述の配置の組み合わせ、および本明細書に明確には記載されていない別の配置は、既述の記載を検討することで、当業者の目には明らかであろう。よって、本開示がこの発明を実行するために熟考された最良の形態として開示された特定の配置に制限されることではなく、本発明が添付の請求項の範囲内に含まれる実施例と配置を全て包含することを目的としている。
【0077】
読む者が技術的開示の本質を速やかに突き止められる要約を要求する米国特許規則セクション1.72(b)に従って、本開示の要約を提供する。要約は請求項の範囲或いは意味を説明したり制限したりするために使用されないことを理解したうえで提出する。
【符号の説明】
【0078】
100 打撃練習補助器具(打撃練習装置)
102 垂直スタンド
104 伸縮式ポスト
106 可撓管(吸引配管)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
垂直スタンドと、
前記垂直スタンドから上方へ伸びるように構成される伸縮式ポストと、
前記伸縮式ポストを前記垂直スタンドの、
(1) 端から端まで横方向に、
(2) 端から端まで縦方向に、および、
(3) 上下に、
動かすように構成される前記垂直スタンドに内蔵される電子制御装置と、
吸引力を発生させるように構成される、前記垂直スタンドに内蔵される真空ポンプと、
使用時に前記真空ポンプの発生させる吸引力がボールを支えられるように、一端を前記真空ポンプに取り付けられ、他端に吸着カップを有し、前記伸縮式ポストによって垂直におよび水平に支えられる吸引配管と、
を備える打撃練習装置において、
前記電子制御装置が、試合中の状況を模して、ルールブックによって定められる三次元のストライクゾーン内のさまざまなそしてランダムな位置の前記ボールを打つための打者の視認に対する反射動作を鍛えるための使用時に、前記ボールをさまざまな高さで前記三次元のストライクゾーンを通過して動かすために、前記ボールを垂直に保持する前記吸引配管を支える前記伸縮式ポストを誘導することを特徴とする打撃練習装置。
【請求項2】
前記ボールが野球ボールであることを特徴とする請求項1に記載の打撃練習装置。
【請求項3】
前記三次元のストライクゾーンが直方体形状部を有し、当該直方体形状部が、標準サイズのホームプレートの長方形部の長さおよび幅をそれぞれ反映する、長さおよび幅の寸法を有することを特徴とする請求項1に記載の打撃練習装置。
【請求項4】
前記ボールを打った後に、自動ボール供給装置を用いて前記ボールを第2のボールに置き換えて、前記吸引配管が前記第2のボールを垂直に保持するようにし、前記電子制御装置は、その後に前記第2のボールを前記三次元のストライクゾーンを通過してランダムに動かすよう構成されることを特徴とする請求項1に記載の打撃練習装置。
【請求項5】
前記ボールがテニスボールであることを特徴とする請求項1に記載の打撃練習装置。
【請求項6】
前記垂直スタンドが圧縮空気型上昇装置に正圧を与えるよう構成される圧縮機をさらに内蔵することを特徴とする請求項1に記載の打撃練習装置。
【請求項7】
前記電子制御装置は前記ボールを、前記三次元のストライクゾーンを通過して、2つより多くの球種をシミュレートする方法で動かすことを特徴とする請求項1に記載の打撃練習装置。
【請求項8】
垂直スタンドと、
前記垂直スタンドから上方へ伸びるように構成される伸縮式ポストと、
前記伸縮式ポストを前記垂直スタンドの、
(1) 端から端まで横方向に、および、
(2) 端から端まで縦方向に、
動かすように構成される前記垂直スタンドに内蔵される電子制御装置と、
吸引力を発生させるように構成される、前記垂直スタンドに内蔵される真空ポンプと、
使用時に前記真空ポンプの発生させる吸引力がボールを支えられるように、一端を前記真空ポンプに取り付けられ、他端に吸着カップを有し、前記伸縮式ポストによって垂直におよび水平に支えられる吸引配管と、
を備える打撃練習装置において、
前記電子制御装置が、試合中の状況を模して、三次元のストライクゾーン内のさまざまなそしてランダムな位置の前記ボールを打つための打者の視認に対する反射動作を鍛えるための使用時に、前記ボールをさまざまな高さで前記三次元のストライクゾーンを通過して動かすために、前記ボールを垂直に保持する前記吸引配管を支える前記伸縮式ポストを誘導することを特徴とする打撃練習装置。
【請求項9】
前記三次元のストライクゾーンがルールブックによって定められたものであることを特徴とする請求項8に記載の打撃練習装置。
【請求項10】
前記三次元のストライクゾーンが直方体であり、当該直方体の長さおよび幅の寸法が、標準サイズのホームプレートの長方形部の長さおよび幅をそれぞれ反映することを特徴とする請求項8に記載の打撃練習装置。
【請求項11】
前記ボールが野球ボールであることを特徴とする請求項8に記載の打撃練習装置。
【請求項12】
前記ボールを打った後に、自動ボール供給装置を用いて前記ボールを第2のボールに置き換えて、前記吸引配管が前記第2のボールを垂直に保持するようにし、前記電子制御装置は、その後に前記第2のボールを前記三次元のストライクゾーンを通過してランダムに動かすよう構成されることを特徴とする請求項8に記載の打撃練習装置。
【請求項13】
前記垂直スタンドが圧縮空気型上昇装置に正圧を与えるよう構成される圧縮機をさらに内蔵することを特徴とする請求項8に記載の打撃練習装置。
【請求項14】
前記電子制御装置は前記ボールを、前記三次元のストライクゾーンを通過してさまざまな高さ、スピード、および角度でランダムに動かすことを特徴とする請求項8に記載の打撃練習装置。
【請求項15】
垂直スタンドと、
前記垂直スタンドから上方へ伸びるように構成される伸縮式ポストと、
前記伸縮式ポストを前記垂直スタンドの、
(1) 端から端まで横方向に、および、
(2) 上下に、
動かすように構成される前記垂直スタンドに内蔵される電子制御装置と、
吸引力を発生させるように構成される、前記垂直スタンドに内蔵される真空ポンプと、
使用時に前記真空ポンプの発生させる吸引力がボールを支えられるように、一端を前記真空ポンプに取り付けられ、他端に吸着カップを有し、前記伸縮式ポストによって垂直におよび水平に支えられる吸引配管と、
を備える打撃練習装置において、
前記電子制御装置が、試合中の状況を模して、さまざまなそしてランダムな位置の前記ボールを打つための打者の視認に対する反射動作を鍛えるための使用時に、前記ボールをさまざまな高さで前記三次元のストライクゾーンを通過して動かすために、前記ボールを垂直に保持する前記吸引配管を支える前記伸縮式ポストを誘導することを特徴とする打撃練習装置。
【請求項16】
前記三次元のストライクゾーンがルールブックによって定められたものであることを特徴とする請求項15に記載の打撃練習装置。
【請求項17】
前記三次元のストライクゾーンが直方体であり、当該直方体の長さおよび幅の寸法が、標準サイズのホームプレートの長方形部の長さおよび幅をそれぞれ反映することを特徴とする請求項15に記載の打撃練習装置。
【請求項18】
前記ボールが野球ボールであることを特徴とする請求項15に記載の打撃練習装置。
【請求項19】
前記ボールを打った後に、自動ボール供給装置を用いて前記ボールを第2のボールに置き換えて、前記吸引配管が前記第2のボールを垂直に保持するようにし、前記電子制御装置は、その後に前記第2のボールを前記三次元のストライクゾーンを通過してランダムに動かすよう構成されることを特徴とする請求項15に記載の打撃練習装置。
【請求項20】
前記電子制御装置は前記ボールを、前記三次元のストライクゾーンを通過してランダムな高さとスピードで動かすことを特徴とする請求項15に記載の打撃練習装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−99517(P2013−99517A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−216004(P2012−216004)
【出願日】平成24年9月28日(2012.9.28)
【出願人】(512252560)
【出願人】(512252571)