説明

野菜、皿等の食材食器洗浄、殺菌、脱臭方法及び洗浄、殺菌、脱臭装置

【課題】野菜や他の食材とその食器具類、その過程で使用される搬送用の籠やケージ類等の洗浄、殺菌、脱臭方法及び洗浄、殺菌、脱臭装置を提供する。
【解決手段】搬送駆動源の回転方向を正逆いずれかにより、被洗浄殺菌物を水面近傍または、一定の水深を維持して殺菌する工程を選択できるようにし、殺菌を行う場合に、pH5〜6の極めて塩酸添加量に敏感な範囲で、安全に高い殺菌効果を上げるために、炭酸ガスを加える工程を有し、下側からは、エアー及び殺菌水の水流で、食材の周りの溶液に攪拌作用を与え、その外側へ向かって汚れを排出するようにし、水面上方からは激しい噴射水流を殺菌水面に当て、発生する気泡郡や攪拌作用、叩き振動により被洗浄物に付着した髪の毛などの異物及び虫も取り除き、また浮く野菜はネットコンベアーの下側に沈めて搬送し一定時間間隔で振動を与え付着した炭酸ガスの気泡を剥離させてより殺菌を確実におこなうことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、次亜塩素酸、又は二酸化塩素を次亜塩素酸塩や亜塩素酸塩の水溶液に塩酸、硫酸、などの無機酸や酢酸、乳酸、クエン酸等の有機酸の水溶液の少なくとも、いずれか一つの酸性水溶液を加えて生成した殺菌水を用い、野菜等の食材の殺菌する工程において、殺菌水を次亜塩素酸などの特徴であるpH6からpH5の間の最も殺菌力が高い領域で使用するのが望ましいが、しかしこのpH領域はpH管理が極めて困難であるとともに、極端に酸性に偏ると塩素ガスの発生もあり危険でもある。そのため、このpH範囲での使用できなかったという次亜塩素酸利用技術の問題点を解決し、ウイルスやO157等の危険な感染型病原体に対する食材の安全を確保し、しかも大量の食材を、短時間に高いレベルの殺菌状態にするために成されたもので、炭酸ガスの添加により、高濃度の次亜塩素酸による殺菌がでも、一般の食材加工現場でも安全に使用できる技術に関するものである。
【0002】
レタスやキャベツ等の水中に沈む葉物野菜などに適した方法で、水面近傍に維持して搬送しながら、前記殺菌水を水面上方から水面に激しく噴射する噴射洗浄を行いながら同時に次亜塩素酸により殺菌する方法と、キュウリやピーマン等の浮く野菜などに適した方法で、水面から一定の深さの水深を保持して、高濃度の次亜塩素酸、例えば1500ppm、の強力な殺菌力と炭酸ガスの発泡化作用を用いて、浸漬による水圧浸透作用を加えて洗浄と殺菌をおこなう方法において、
被洗浄殺菌物を殺菌水の水面近傍や所定の水深位置に保持しながら搬送させて、洗浄、殺菌をおこなうことによって、発泡化による洗浄作用や、噴射水流の持つ流体的特長と次亜塩素酸のpHを安定させる炭酸ガスによるpH緩衝作用を用いて、洗浄効果と殺菌力を最大限に、活かす、洗浄殺菌技術に関するものでる。
【0003】
又、同時に食材の表面に付着した、小さな虫、髪の毛、ごみなどや、野菜類の表面にある水をはじく皮膜物質中に住み着いた細菌等をより効率良く除去して洗浄をおこなう方法に関するものである。
【0004】
なおかつ炭酸ガスを溶解することで起こる、pH5〜6近辺のpH安定化作用(pH緩衝作用、以下は緩衝作用と言う)を併用することにより、高濃度(3000ppmぐらい)までの次亜塩素酸水溶液を安全に使用できることや、炭酸水の発泡の性質や水面を激しく水で叩く事で大量の泡が生まれる性質を利用し、小さな気泡の生成と消滅から起こる振動攪拌作用、微弱な超音波振動の発生や、大量の泡による物理的な洗浄作用等を利用して、殺菌水が食材の表面に絶え間なく作用し易くし、洗浄と殺菌効率を高めることや殺菌工程後の脱臭を目的とした、洗浄、殺菌、脱臭方法及びその装置に関する。
【背景技術】
【0005】
従来から、次亜塩素酸ナトリウムや亜塩素酸ナトリウムの希釈液を被洗浄殺菌物にシャワー状に墳射して殺菌を行うか、または、浸漬して殺菌することは知られている又、これらの液はアルカリ性で酸化力が弱いため、これらに酸を作用させて、極めて高い酸化力の次亜塩素酸や二酸化塩素を生じさせると殺菌力が増大する事も学問的には知られていた。しかし、前記希釈液に酸を作用させてpH5〜6にすると、塩素ガスや二酸化塩素ガスの発生によって危険であるいう性質があり、高濃度(1000ppm以上)の次亜塩素酸ナトリウム水溶液を酸性のpH5.5にするような量の酸を加える機構をもった洗浄、殺菌機械の商品開発はなされなかった。ほとんどがpH6〜7程度で次亜塩素酸ナトリウム、又は次亜塩素酸濃度が200ppm以下の範囲を利用しようとする目的のものであった。
【0006】
これは次亜塩素酸水溶液のpHが4をきると塩素ガスが発生して人体に危険な作業と成るからであり、しかもこのpH領域では少しの量の酸でも、急激にpHが下がり管理が難しく、1000ppm以上もの高濃度になれば成る程、この塩素ガス発生が増大し、危険度も増大するためである。
しかし、次亜塩素酸の殺菌力はpH5.5で最高となる特徴があるため、この領域で使用したいというニーズがあった、しかも悪いことに、有機物と反応して殺菌が進むと塩酸分が生成されて、pHが初期以上にどんどん下がると言う危険な特徴も在ったため、この領域では使わないという背景があった。
【0007】
又、従来は次亜塩素酸ナトリウム又は亜塩素酸ナトリウムの水溶液を数個の浸漬槽に入れその中に野菜等の食材を浸漬して、水洗浄の槽と殺菌水の槽を直線ライン状に配置してバケット式に食材を移送して殺菌を行う野菜洗浄機に次亜塩素酸ナトリウム200ppmを使い約8分の殺菌工程で処理することが良く知られていたが、細菌類の多様化と10の8乗以上の汚染した野菜の輸入も当たり前になったため、この方式には限界が現れていた。
【0008】
又、これらの装置の、殺菌洗浄槽内の下部よりエアーを殺菌水中で噴射して、気泡による攪拌効果を利用した殺菌装置は、多くの商品が市販されているが、野菜などが世界中から輸入されるようになって、新たな問題として、生育地域の気候の違いからくる、表面の生成膜の違いや微生物の多い少ないという違いが、従来技術では極めて短い時間内、例えば30秒内に均一な10の二乗レベルの菌数に野菜を殺菌できないと言う問題が生じていた。
しかも、24時間の生産方式の中で大量の野菜を1分以内で、10の二乗レベルの一般細菌数に安定的に処理したいと言うニーズがある。
【0009】
又、搬送コンベアーなどの上に食材を載せ電動式のコンベアー移動時に上下側方向や左右側方向から激しくシャワー状にオゾン含有水を噴射して食材を殺菌する方法はすでに知られている。しかし、被洗浄殺菌物を水面近傍に保持して水面上方から水面を激しく泡立てるような洗浄と殺菌を同時に行う方が効果的であるが、その方法は本発明者の一人が公開した以下の非特許文献による方法である。
【非特許文献1】 本発明者の一人である岡崎 龍夫が出願した、特願2002−77260号公報に紹介されたものはいくつかの改良すべき点があった。例えば、その発明者は、この時点では、1000ppm以上の高濃度の次亜塩素酸を使用することが非常な危険を伴うと言う考えから、1000ppm以上の高濃度次亜塩素酸を使用する想定は成されなかった。 また、この時点では、炭酸ガス溶解が前記高濃度の次亜塩素酸水溶液でその濃度が1000ppm以上でもpHを安定化する緩衝作用として使えるものであると理解していなかった。単に殺菌水を炭酸水で希釈し、発泡化作用を利用することが主であったが、殺菌工程中に炭酸濃度が減少してしまうため、本発明においては、循環して噴射洗浄する過程で絶えず炭酸ガスを補充する点も含まれている。 またその他にも、本出願に記載した技術が得られていなかった。例えば、所定の水深を維持して殺菌を行う方法も、兼ね備えた野菜洗浄殺菌装置として開示されていなかった。
【0010】
【非特許文献2】 たとえば、特願昭55−73090号広報参照。広報から分かるように従来の殺菌方法はシャワー状の噴射によるもので、次亜塩素酸ナトリウムの希釈水かオゾン水かによる違いだけであった。
【0011】
あるいは、食材を塩素系殺菌水の中で下側より殺菌水の噴射流によって浮沈並びに回転をさせて殺菌洗浄させながら上部にある移送手段によって出口側に所要の殺菌時間をかけながら洗浄殺菌を行うものであった。
【非特許文献3】 例えば、特願平6−164720号広報参照。広報から分かるように従来技術は、殺菌水の単純な水流を利用して、食材に接触させるだけのものであった。
【0012】
あるいは、次亜塩素酸を使用する殺菌工程において重炭酸塩ナトリウム水溶液を混合して緩衝作用を利用する洗浄殺菌装置は知られている。
【非特許文献4】 例えば、特開2002−241209号広報参照。広報から分かるように従来技術は、重炭酸塩ナトリウムと塩酸を絶え間なく、大量に必要とし、しかも、塩化ナトリウムが副生成物として殺菌水中に、高濃度に生成されるため産業用には適さないものであった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
野菜の殺菌には、近年、次亜塩素酸水溶液による殺菌を行う機械が市場に販売されてきた。しかし、次亜塩素酸濃度としては80ppm〜130ppm程度でpH6〜7の範囲が利用されていた。これは次亜塩素酸水溶液のpHが4以下になると塩素ガス化が発生して人体に危険な作業と成るからであり、高濃度になれば成る程、この塩素ガスの発生が増大し、危険度も増大するためである。しかし、次亜塩素酸の殺菌力はpH5.5で最高となる特徴があり、この領域で使用したいというニーズがあったが、悪いことに、殺菌が進むと次亜塩素酸は有機物と反応して塩酸分が生成されて、pHが初期以上にどんどん下がると言う危険な特徴も在って、このpH領域で高濃度例えば1000ppm以上の次亜塩素酸水溶液は怖くて使えないと言う課題があった。
【0014】
また、前述のような機械は、一般的に、殺菌水中で被洗浄殺菌物に噴射水流を当てて攪拌作用を利用するか、殺菌洗浄槽の底からエアーを供給して気泡による攪拌効果を利用するものである。また虫取りなどのために、被洗浄殺菌物に直接、殺菌水の噴射水激を当てるだけの装置である。こうしたものは、食材、食器等の表面の極めて薄い臨界膜(被洗浄殺菌物の微細な表面空間に生まれる、動き難い水の層)を部分的に剥離できても、臨海膜を全体的に剥離し、常に新しい殺菌水を均一に食材表面に、有効に接触させて殺菌をおこなうことができないという課題があった。
【0015】
このため、一般細菌数を10の二乗レベルに下げるには、長い時間が必要であった、長時間殺菌水に浸漬しておくと次亜塩素酸ナトリウムが200ppmでもpH9近くのアルカリ性であるため、食材が痛み、商品性が損なわれた。又、アルカリ性の薬剤は水でなかなか洗い落ちないという欠点があるため、洗浄用の水を大量に消費し、生産性も悪くコスト競争の激しい市場での、これからのカット野菜生産設備としては使用したくないと言う課題があった。
【0016】
又、従来の殺菌方法では、食材の表面に付着した異物、例えば、小さな虫やごみ、そして細かい髪の毛などは殺菌と別に新たな洗浄除去工程が必要であった。
【0017】
その上、殺菌効果においては野菜などの表面に形成された植物の保護層のさまざまな隙間、例えば豆類の溝に入っている細菌などは、今までの殺菌水の攪拌やシャワー状の噴射流だけでは、なかなか取れなかった。このため、初期の細菌数が10の8乗ぐらいあると、10の4乗レベル以下には下がりにくい状況で、 特にキュウリ殺菌は、10の二乗レベルにするのは絶望的であった。 キュウリ等は表面に在るイボイボの穴の中は海綿状の障害物や毛のようなものが生えていて、殺菌水が弾かれてしまい、殺菌が出来ないため、漬物業界などでは洗濯機のような機械に殺菌水とキュウリを入れて、互いにこすり合わせてイボイボを除去しながら殺菌していため、大量に短時間で処理することが出来ないと言う課題があった。
【0018】
又、次亜塩素酸ナトリウムは、200ppm以上の濃度になると微妙に塩素臭が残り、強いアルカリ性のためヌルが付着し、加えて、水で除去しにくいため、水洗浄に時間が掛かると言う問題があった、其ればかりか何度も水洗いが必要であるから水不足の現代では大量の水を消費することは環境上適さないという問題もあった。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明はこのような点を考慮してなされたものであり、請求項1記載の次亜塩素酸塩には次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カルシウムを含み、亜塩素酸塩とは市場で安定化二酸化塩素と呼ばれる亜塩素酸ナトリウムを云う。高濃度の次亜塩素酸による殺菌も二酸化塩素(亜塩素酸ナトリウム)を使用して殺菌する場合も共に、pH範囲がpH5〜6の範囲が殺菌力の強いpH範囲で、本発明は安定した殺菌工程が維持できることを目的としてなされた。
【0020】
また、高濃度の次亜塩素酸や二酸化塩素による殺菌を安全に行えるようにpHを安定させて、キュウリなどのように殺菌が難しい野菜類でも、殺菌後のデータとして一般細菌数が10の二乗レベルの値でコンスタントに維持できるようにし、また短時間、例えば、現行では8分かかるが1分以内で大量の野菜を、いためる事なく殺菌処理を行う目的でなされた。
【0021】
また、食材表面にできて、なかなか移動しない水溶液の臨界膜(被洗浄殺菌物の微細な表面空間に生まれる、動き難い水の層)を剥離して常に新しい殺菌水が入れ替わり入れ替わり接触するようにするため、水面上方から水面に激しくシャワー状の噴射水流を与えて水面の振動と大量の泡を生成させることで、泡や攪拌作用による様々な洗浄効果を利用して虫や髪の毛も同時に除去し、同時に殺菌効率を高めて殺菌する目的でなされ、しかも炭酸ガスが蒸散する殺菌洗浄工程が行われる空間を外部空間と遮断し、加えて入り口と出口をウオーターカーテンなどで遮断することによりこの空間が炭酸ガスの溶解機構として機能するという一石二鳥の効果を得るようにした。
【0022】
また、浮きもの野菜、例えばキュウリ、ピーマン、ナスなどの野菜に関してはイボイボやシワの溝等に殺菌水が浸透するように水面近傍ではなく、一定の深さの水深、例えば水面下約30センチ程度に被洗浄殺菌物を維持して、キュウリ、ナス、ピーマン等の被洗浄殺菌物に激しい水流を与えて被洗浄殺菌物の周りの殺菌水が絶えず新しい液に入れ替わるようにして均一な殺菌ができるようにするか、
又は、キュウリ、ナス、ピーマン等の被洗浄殺菌物は水面下で搬送するネットコンベアーを支える、両側のガイドロラーが一定間隔でガタン、ガタンと上下に振動して、被洗浄殺菌物の周りに析出した炭酸ガスの気泡群が剥離される時に殺菌水が剥離した空間に浸透する作用を利用して、洗浄効果を高める方法のどちらかを目的に合わせて選べるようにした。
【0023】
特に、次亜塩素酸ナトリウムの水溶液はアルカリ性であるが、pH調整により酸性になると酸化力は80倍も向上することが知られていた、しかし、この場合、酸化力が増強されると同時に、酸化反応速度も極めて早くなる。
この時、酸化が起こった表面で、殺菌剤の消失した部位に、H+イオンとCL−イオン及び極めて薄い水の層が出来る、本発明はこの薄い水の層を取り除いて、新しい殺菌材が常に、接触できるようにして、バラツキのない、殺菌力を得ることができる。同時に、小さな虫や髪の毛等の付着物を取り除く洗浄殺菌と、炭酸ガスの溶解によるpH緩衝作用や炭酸ガスとして蒸散する時の発泡作用を利用して、塩素臭の脱臭もでき、高濃度次亜塩素酸、例えば1500ppmのような濃度でも安全な殺菌洗浄方法及び装置を提供することができる。
【0024】
殺菌水中に沈む野菜等の食材の場合は、食材表面に水激による洗浄作用と水中からの攪拌作用を与え、泡による吸着作用を利用し、虫や細かい異物を殺菌液の上澄みと一緒に排水除去できるようにした虫の除去と、常に新しい殺菌水を直接食材表面に激しい洗浄作用と共に接触させて、泡の消滅による超音波発生作用や泡の剥離時の攪拌作用を同時に得られるようにすることにより、被洗浄殺菌物の商品性を最大限に高めることができる。
【0025】
更に、炭酸ガスの気泡化の現象により、被洗浄殺菌物の表面に於ける、微細な空間において、極めて細かい、気泡を発生できるようにし、炭酸水の発泡作用と剥離作用を利用するもので、炭酸水を利用して、水激による洗浄作用と水中に攪拌作用を与え、また、この時、発生する泡の、消滅による、超音波発生作用から出る微弱な、超音波振動で、極めて、小さな空間にも、炭酸ガスの気泡化作用を利用できるようにして、洗浄、殺菌、脱臭を、さらに強力にする方法及び装置を提供するものである。
【0026】
これらとは反対に、浮く野菜、例えばキュウリ、ピーマン、ナス等は浮いてしまうためどうしても水面から露出する部分が多く、殺菌効果にバラツキが生まれる。しかも、キュウリのように穴や溝が在りその奥に潜んだ細菌まで殺菌水が届かないと言うような場合に殺菌水が所要の場所まで浸透するために、少し水圧が必要に成る。この場合、搬送コンベアーを逆転して被洗浄殺菌物をコンベアー上の仕切り板により送り込みながらリング状のコンベアーの下側部分で搬送すると、浮く野菜の浮き上がる力はコンベアーで浮かないように抑えられて一定の深さで維持されながら、殺菌水中を移動する。この時、コンベアーと被洗浄殺菌物の下側にガイド板があると確実に順送りできるので、より好ましい。
【0027】
この時の被洗浄殺菌物の前記の問題箇所に、殺菌水の浸透が起きる。またキュウリなどの場合では穴の部分に水をはじく性質があるため、この表面部分は短時間で殺菌する必要が在る。これには高濃度の酸化力が必要であり、次亜塩素酸濃度が例えば3000ppm程度が好ましいが、あまり高濃度では経済性がわるいので1500ppm程度でも十分効果が得られる。また静かにコンベアーで搬送させながら表面に発生した炭酸ガスの泡をコンベアーに一定間隔で軽い衝撃振動を与えて泡を剥離させ、この泡の剥離現象により、元々表面に付着していた細かい気泡が除去され、さらに水圧による浸透作用を利用して、短時間で目的の殺菌部位まで殺菌水を浸透できるようにした。
【0028】
さらに、食材を殺菌水中あるいは炭酸水中の水面近傍において殺菌あるいは洗浄、脱臭を行う殺菌洗浄槽内の、リング状の搬送コンバーの輪の内側から上方に吹き上げる水流を作るか又は、リング状搬送コンベアーの下側から、上方に吹き上げる水流を作り、排水口部へ泡及び異物を排出できるようにし、殺菌水の循環管路で殺菌洗浄槽内から循環ポンプ吸入取入れ口までの間にヘアキャチャーや細かいメッシュの異物捕捉用網を取り外し自在に取り付、泡などに吸着した虫、その他の異物を捕捉除去するようにした。
【0029】
又、高濃度殺菌水を使用する場合は、殺菌処理工程の後工程においては、脱臭処理が被殺菌洗浄物の商品価値を上げるために重要である。炭酸水を激しくシャワー状に噴射して洗浄することにより、炭酸水の発泡作用とガス化による気化作用で塩素臭などを吹き飛ばして、殺菌水の残留塩素臭を取り除くことができる洗浄、殺菌、脱臭装置を提供できる。
【0030】
本装置の1つの機能において説明すると、食品添加として認められた次亜塩素酸ナトリウムの希釈液中にpH緩衝作用として炭酸ガスを溶解させて300ppm以上の炭酸を生成させてpHを下げることができるため、塩酸などの酸を使用せず炭酸ガスだけでpHを調整できるようにする技術を備えている。
なお、溶解した炭酸ガスが蒸散しても液中には、薬液中にあるナトリウムと反応して重炭酸塩を作るため元のアルカリpH値までは戻らず、また、炭酸ガス濃度を高くしても、pH4以下になることは無く、安全性からの利点がある。
【0031】
しかも、蒸散した炭酸ガスを逃がさない遮断空間を形成して、この遮断空間で細かい噴射ノズルにより作られた微粒子が炭酸ガスを再吸収できるようにしてあるため、炭酸ガスの消費が極めて少ない。また、別に炭酸溶解用のタンク装置を使用せずに、この遮断空間だけで炭酸ガスを溶解させて炭酸含有殺菌水として利用することもできる。
しかも、高濃度の炭酸水が食材表面に当った時に発生する、発泡ガス化作用と無数の泡による発泡洗浄作用を利用し、小さな虫や髪の毛などの、より効果的な吸着除去と泡の消滅による振動や剥離洗浄作用と超音波洗浄作用による、被洗浄殺菌物の臨界膜を形成する水の膜を除去することを兼ね備えた洗浄、殺菌、脱臭方法及び装置を提供するものである。
【0032】
又、洗浄、脱臭に使用される炭酸水の生成は、タンク内に炭酸ガスを圧力充填して、その炭酸ガスの中にシャワー状に水を噴射して微細な水粒子として炭酸ガスを吸収させるのが望ましいが、殺菌水の生成工程において次亜塩素酸ナトリウム溶液と塩酸溶液と水を使用するため、重炭酸ナトリウムの水溶液をチュウブで送り出す方式のリングポンプなどを利用して定量的に殺菌水の生成過程で添加して、その重炭酸ナトリウムと塩酸と反応させて炭酸を生成させ、高濃度炭酸を生成させる方法も在るが、NaCL(食塩分)が大量に増加するため金属を腐食させたり、味に影響したりするので、この問題に影響を受けない分野にのみ好ましい方法である。この場合は通常の塩酸添加量よりも炭酸生成時に反応して消費される塩酸分だけ多くの塩酸が必要となり実際の生産現場には適さない。
【0033】
コンベアーなどの搬送機構ではない、被洗浄殺菌物の搬送方法としては、前記被洗浄殺菌素材の下側に、パイプ類や箱状部材を配置して、その水面側に噴射孔を多数設け、こうした噴射孔から殺菌水の噴射水流に載せて搬送する方法もある。この場合は、循環した殺菌水を吹き上げて水流を発生させると同時にエアーも攪拌作用として噴出すようにして攪拌や、水流で洗浄しながら被洗浄殺菌素材を搬送するような機構にしても良い。
【0034】
また、前記被洗浄殺菌素材を搬送する機構において、前記、水流により水面近傍の位置に保ちながら、搬送するようにした機構を備え、さらに水面近傍に水車式のような軸や羽根部を支え、その軸部から噴射水流を吐出させる回転羽を配置して、回転羽根には、被洗浄殺菌物が傷付かないよう軟質の素材を使用する構造にして被洗浄殺菌物を歯車のように順送りして、殺菌時間にむらが出ないようにして搬送しても良い、また、この場合は前記回転部材を逆転させる事により該回転部材の下側を搬送経路として利用できるため一定の水深で殺菌洗浄を行う浮き物野菜にも適している。
【発明の効果】
【0035】
本発明は近年、市場において野菜などの食材その他、食器や搬送用ケース類などの殺菌は、極めて高い殺菌精度が要求されるようになってきた。しかし、これと相反して、汚染状態が悪化した食材が輸入されるようになっている。本方法及び装置は、これらの相反する問題を解決することができる。
特に野菜類などにおいて、中国はもとより、メキシコからも輸入されており、気候環境、衛生環境の違いは、野菜類の表面に形成される植物の分泌物や虫の量や異物の硬さ、溶けにくさ、などを異にしている。このため、従来の方法のように、殺菌槽に一定量の野菜を入れ下部からのエアーによる攪拌程度では、対応できなくなってきた。
【0036】
又、食材の周りから激しく噴射水をかけて、虫取りを行う方法も殺菌水で行えば殺菌も同時に行えるが、この方法も、影の部分ができるため、殺菌効果に位置的バラツキが生じ、近未来の殺菌方法として様々な高度な市場要望に対応できない、又現在多くの殺菌作業の現場で使用されている殺菌作業基準は次亜塩素酸ナトリウムによる殺菌で在り、この点でも殺菌が目的の効果が得られなくなってきている。しかし、本発明によりその全てが解決する。
【0037】
又、コンビニエンスストアーの普及により、24時間食品を供給する社会になったが、コスト競争はますます激しく、できるだけ夜中の生産は避け、しかも競争に打ち勝つ新鮮さを維持したい状況にある。又、食中毒は、なんとしても防がなければ成らない状況にある。そのためには、指標として、どうしても、一般菌数で衛生管理をしなければならないため、一般細菌数を常に10の二乗レベルに下げるように管理する必要がある。
【0038】
例えば、野菜などは、出荷時の一般菌数を10の二乗レベルに安定して押えることができれば画期的な衛生管理となる。菌数は倍、倍に増えるため、2次曲線のY軸値がゼロに近い所では、長くX軸から離れないように、初期値が少なければ、少ないほど、野菜の新鮮さは長く保持される。しかも、大量に処理をしてコストを下げる必要がある。しかし、従来はこれらを、同時に達成する、高度な処理技術がなかった。
【0039】
葉物野菜のように水に沈む野菜においては水面近傍に食材を位置させて、激しく水激を与えることにより、水面に多量の気泡郡が生成され、この気泡に虫を吸着させて、容易に取り除くことが出来る。又、気泡が消滅する時や被洗浄殺菌物から剥離する時に微弱な超音波や浸透作用が発生し、これが、洗浄物の表面の、微細空間にできる水の臨界膜を物理的に破壊して、極めて高いレベルの殺菌及び洗浄力を、作り出す、こうした複合作用により、これまでの問題が解決する。また、浮く野菜においては殺菌水中に一定深さに沈めながら殺菌するため、両者の殺菌上の問題も1台の装置で解消されて、市場に、より安く、より新鮮な食材が、流通できる。
【0040】
また、高速な殺菌と大量の処理は、従来の次亜塩素酸ナトリウム使用の殺菌方法では不可能で、現在多く市場で利用されている130ppm程度ではなく、高濃度、例えば1500ppm程度の次亜塩素酸を利用できればこの問題が解決する。次亜塩素酸はpH5から6の範囲での管理が難しく少しの塩酸量でもpH3まで急激に下がり塩素ガスの発生が激しく起こり、作業者に危険で使用が出来なかった。
【0041】
これが炭酸ガスを高濃度に溶解させる安価な方法と装置が開発できたため、水素イオン濃度が高い次亜塩素酸水溶液のpH緩衝作用が得られ、これらの利用が可能に成り、大量の野菜を極めて短時間で高いレベルの殺菌ができるようになった。例えば、市場にある機械で8分程、時間を要した殺菌処理時間が、本発明では30秒で十分可能になり、しかも、最も難しいキュウリに於いても一般細菌数が10の二乗レベルに常に維持されるという結果をえている。
【0042】
又、今まで炭酸水の発泡作用を利用して洗浄、脱臭をおこなう技術は、食材関係に全く利用されていなかった。これは、炭酸水を殺菌水と共に、連続的に濃度維持が可能な循環式で生成する方法が開発されていなかったからである。塩素臭の除去などは、炭酸水のほうが効果的で、さらにカット野菜では、植物特有の炭酸ガスを液中から吸収する性質があり、野菜の鮮度を上げる効果が在る。
食品の味、香り共に、壊さないため、炭酸水を使用するべきであるが、従来はオゾンを利用して、脱臭をおこなうことが、行なわれている。しかし、オゾンは作業者の多くに頭痛をもたらし、健康に有害である。こうした脱臭にも炭酸水の持つ発泡作用が、食品製造産業の問題を広範囲に解決する。
【0043】
これらの全てが一体的に解決できるよう本装置は、単に次亜塩素酸ナトリウム水溶液だけに炭酸ガスを溶解させて、pHの5〜6の間酸性に保ち、炭酸ガスだけによる安全な次亜塩素酸含有殺菌水を生成できる方法及び機構でもあるため、洗浄、殺菌、脱臭方法及び、本発明による殺菌装置は、食品業界はもとより、医療や清掃業界の洗浄、殺菌、脱臭に役立つものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0044】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1乃至図25は本発明による洗浄、殺菌、脱臭方法の実施例の全体及びその一部を示す図である。
【実施例1】
【0045】
図1は本発明の代表的な実施例の一つを示す。
殺菌水の水面近傍で殺菌処理をおこなうことを特徴とする水激攪拌洗浄殺菌装置1は、食材の投入口2より、例えば、野菜などでは、表面にできるだけ、隠れた部分がないようにしてから投入し、食材は樹脂製のネットコンベアー17の上で、殺菌水面15のところで、食材が沈むか沈まないかの位置に保持されながら、上部空間側から、さまざまな角度を有する噴射ノズル部14から、激しく噴射される殺菌水の中を、所定の速度で図1の右側から左側へ、搬送流下流側に送られていく。
尚、食材の入り口と出口にはウオーターカーテンが配置されているため、蒸散した炭酸ガスが外部に逃げないように成っている。
この時、噴射ノズル部14により洗浄殺菌が行われる密閉空間Cが炭酸ガスの蒸散により、高濃度に炭酸ガスが充満した空間となり、この空間に細かい粒子の噴射を行うと炭酸ガスが再吸収されて炭酸ガスの循環利用が殺菌洗浄と同時に行えるようになっている。
【0046】
供給管10から殺菌水が電働バルブ9を介して炭酸ガス充填タンクに送られ炭酸ガスを添加しながら、噴射ノズル部14への配管8および下部にある噴射管16と18に供給される。噴射ノズル部14など複数のノズルから噴射した殺菌水で水面15と被洗浄殺菌物7を共に激し水激で叩くようにして洗浄し、同時に殺菌水が良く被洗浄殺菌物7の全部分にからまるようにする。
空間Cは前後がウオーターカーテン5により外部空間と遮断されているため、この噴射により液面上部の密閉空間Cに蒸散した炭酸ガスが徐々に高濃度に成って行く。
この時、空間Cには上部に空気が溜まるため初期に上部から空気を排出できるように一定時間だけ、電磁弁などで上部から外部への連通空間を、開放しておくのが良い。
【0047】
この時、発生した気泡24は図3(図3は図1の水面近傍を拡大したものである)に記載したように剥離された虫や異物をくるみ、下からの水流27例えば、噴射管16からの水流及び/又は、空気供給管(図示せず)からの空気流によって中央部から両側の排水用トレイ41(図2に図示)に吸収され、アジャスター59を通って排出される。この時、図示はしないが、リング状のネットコンベアー17の内側位置にバブリング用の空気排出管を設けて気泡の上昇による攪拌効果を利用するように成っている。
【0048】
又、噴射された殺菌水はタンク28に溜り、下側からポンプ11により吸引され、炭酸ガス充填タンクにて炭酸ガスを再度添加した後、再び噴射ノズル部14と殺菌タンク28のネットコンベアー17の下側から上昇流として被洗浄殺菌物7に向かって噴射する噴射管16および18に加圧給水する。ポンプ11,の給水側に、フィルター35がそれぞれ装着されている。また、ノズル部14への加圧給水は炭酸ガス充填タンクを介さずにポンプ11から直接行われても良い。
【0049】
この時、ネットコンベアー17は、殺菌水の上面より高い位置に被洗浄殺菌物7が来るような高さとし、単に水激洗浄と殺菌を行う場合、又は被洗浄殺菌物7の大きさが異なるため水面近傍の位置を調整する必要がある場合は、殺菌水面15の高さ調整は、排水トレイ41を上下させることによって行われる。また、この部分にヘアーキャッチャーを装備しても良い、この上下作動はアジャスター59の中でOリングにより、液密におこなえるようになっている。
図2のA−A矢視図はノズル部14や噴射管16および18から噴射される殺菌水の対流により捕捉アミ42での重いゴミの捕捉と虫や髪の毛などの軽いごみが気泡に付着して排水トレイ41より排水除去される流れを示す図である。
【0050】
又、図3は、ネットコンベアー17の上下可動帯の間に回転式羽根21を設置し、その回転により、下側から点線矢印27のように吹き上がってくる殺菌水流を、より加速して、ネットコンベアー17を通して被洗浄殺菌物7に当て、非洗浄物7を裏返にしたりもする説明図である。この場合、回転方向は一定方向だけではなく任意に選択できるようにすることが好ましい。又、U字状の突起物である支え具23はネットコンベアー17上にくし状に複数配列され被洗浄殺菌物7が水流によってからまないようにする順送り用の支え具である。図2にも示すように、支え具23はくし状に配列されている。これらの、ネットコンベアー17や、くし状の順送り用の支え具23は樹脂製か又は、耐薬品性のフッソゴム等のように次亜塩素酸に耐える素材が好ましい。
【0051】
また、くし状の順送り用の支え具23の代わりに、ネットコンベアー17上にネットコンベアー17と直角に交差する形で30mm程度の高さに樹脂リブを設け、これに例えば、軟質の塩化ビニール材やポリエチレンなどの耐薬品性の強い樹脂材を取り付けて、柔らかく被洗浄殺菌物を順送りする区分け壁として用いるようになっていると、前記くし状の順送り用の支え具23より安くて好ましい。
また、被洗浄殺菌物7は洗浄、殺菌後、渡し用コンベアー36によって、脱臭処理工程に移動される。温度の低いチラー水を高濃度炭酸水するのが好ましい。この時、渡し板37は、くし状になっていて支え具23が被洗浄殺菌物7を渡し用コンベアー36に渡し易くなっている。
【0052】
渡し用コンベアーから送られた食材は炭酸水が、上側のさまざまな角度から噴射される、炭酸用ネットコンベアー39の上で前記殺菌処理と同じく800ppm程度の炭酸水の水面近傍において発泡作用や水激作用と攪拌振動作用、超音波洗浄作用により、塩素系の殺菌処理による塩素臭を、発散させて匂いのない製品を得るものである。この時、炭酸水の濃度は温度により炭酸ガスの発泡率が異なるが、一般的には洗浄殺菌に使用される水温は約10℃程度のため炭酸濃度は500ppm程度でも十分脱臭効果がある。
【0053】
図1において、ネットコンベアー17と渡し用コンベアー36によって、被洗浄殺菌素材を次工程に搬送するようになっているが、1つのコンベアーの一部が折れ曲がるようにして、被洗浄殺菌素材を水面下の位置から洗浄殺菌工程外に取り出すようにしても良い、また、洗浄殺菌工程が1000ppm以上の次亜塩素酸水溶液を使用する場合は次工程で炭酸水による脱臭洗浄工程が必要で在り、ネットコンベアー17の材質は特にSUS316材より耐蝕性が優れた、食塩入り高濃度次亜塩素酸ナトリウムや次亜塩素酸に、耐える樹脂製または樹脂製被服のものが好ましい。
【0054】
図3にはネットコンベアー17の一例として図1のネットコンベアー17の一部を拡大して図示をしたもので、被洗浄殺菌物をムラなく搬送するための請求項21及び22に記したに分割壁部材として役立つ支え具23がコンベアー上にコンベアーベルトと直角に設けられている。図示したものは、樹脂棒材をU字形状に曲げたものがたくさん櫛状に直立してコンベアーベルトと一体的に装着してあるが、これに限らず、一定の高さで硬い樹脂製の板でも良く、これに軟質の樹脂板を固定して高さを補う形式のものでも良い。
【0055】
次に図2について説明する。これは水激攪拌洗浄殺菌装置1のA−A断面図である。殺菌タンク28の底部中央部よりポンプ11によって殺菌水が吸引されフィルター43によって濾過され、再び噴射管16から上方向に向かって上昇流として加圧送水される。又、ネットコンベアー上側の空間から、激しい噴射水激を受け泡だった流れは、両サイドの排水用トレイ41から外部に排水される。この状態で重いものは対流に乗って回動しながら捕捉アミ42に溜り、水流は捕捉アミ42の下側から再びポンプ11に吸引される。
【0056】
また図1において炭酸タンク34および殺菌水タンク28からポンプ29及び11によって吸引しフィルター13及び35により濾過され、それぞれ炭酸水生成タンク30に送られる。ここは、上部から例えば2kg/cm2の高圧炭酸ガスが供給され、水位計や電気制御と、水位保持機構により炭酸水生成タンク30内が一定の圧力と水位に保たれるようになっている。又、炭酸ガス空間が大気圧以下に下がらないように保たれるよう減圧弁、直動式リリーフバルブ等の圧力制御弁31によって保たれている。
【実施例2】
【0057】
図4は請求項23に記載した装置の実施例である。
大型のバケットコンベアー50による洗浄、殺菌、脱臭装置である。バケット52が個々のバケットに、大量の食材を上部で通常の搬送コンベアー51から受け入れ、下側に回動して、各バケットが殺菌水の水面53近傍に食材が位置するように、搬送されている。戻り用の戻り管64を介して循環ポンプ(図示せず)から供給された殺菌水の強力な噴出水流54により攪拌洗浄しながら下側から食材に吹き上げる、この時同時に、エアーをタンク62の底側から噴射しても良い。又、上部からは、激しい噴射水激55により攪拌振動及び発泡作用により汚れを除去する。
【0058】
この時、食材がバケットから飛び出さないように、図7のようにカバーがかぶさるようになっている。これによって食材のバケットからのこぼれ防止ができ、大量の噴射水流によっても食材がこぼれないようになっている。又、A−A区間でバケット58の底部ネットは食材を受け入れやすいように、カバーが両端で立ち上がり図8のようになっている。このような機構を用いると、短時間で大量の洗浄、殺菌、脱臭処理を可能にするものである。このときの、上方からの、噴射水激はその量も多く水流の太さも大きく、この上方からの水流にエアーを混入させて噴射水激を与えると、さらに強力な洗浄が可能になる。
【0059】
図5は食材の洗浄、殺菌後のバケットコンベアー50の被洗浄殺菌物7の次工程への排出部を拡大したものである。
又、食材56は搬送コンベアー51から供給されるが、供給方法には制限されず、被洗浄殺菌物7を単純に均一にする、連続的な送り込み方式の搬送コンベアー51である。
【0060】
図6及び図7はA−A間とB−B間にバケットの底のアミ部分と両サイドのこぼれ防止板57の位置を示す。図8はバケットの底アミ58が、搬入コンベアー51から食材を受け取る時の状態A−A間でどのようになっているかを示している。又、図4におけるアジャスター59によって水面の上下位置調整をおこない、その上流側で、細かいメッシュの捕捉網63による、虫や異物の捕捉をおこなうと良い。新しい殺菌水は供給管60から供給される、
【0061】
次にこのような構成からなる本実施の形態の洗浄、殺菌、脱臭作用について説明する。 殺菌水の水面に激しい水激を加えると、水面は波立つばかりでなく、水激によって多量の気泡24(図3に図示)を生成する、又、水激は水面下にも激しい攪拌作用と、水面を叩くことから生まれる振動作用を与え、これらが、食材に同時に働き、洗浄と殺菌の2工程が同時におこなわれる。古来より洗濯などでは、棒で叩く方法が知られているが、水激によって食材と水面を叩く方法は極めて高い洗浄効果をもたらす。このため、水激作用は噴射ノズルを出来るだけ水面に近づける方法が良い、また水流中にエアーを吹き込むと水激力が強化される。また、噴射ノズル位置が被洗浄殺菌物の大きさにより任意に高さ調整ができるものが良い、このための機構を図9及び図15、図16などには具備している。ただし、図9にはその機構を図示せず。
【0062】
又、この時、発生する大量の泡は大小無数の形状となり、その消滅と発生により生まれる微弱な超音波や振動波が食材の表面に付着した水の臨界膜を除去して、細菌や、虫、異物などを殺菌水と良く反応させながら、効率的に除去する。一般にこうして発生する気泡は、消滅時に微弱な超音波が発生する事が知られている。
【0063】
この時、噴射水激25は斜めから与えており。真上から与えるよりも気泡が大量に発生する。又、発生する気泡郡は、真上から与える噴射水激26は水面を激しく叩くため、水面下に振動波として伝達する。又、噴射水激の水流の太さと強さを変えることを合せ用いることにより、今までに、なかった洗浄と殺菌の効果が得られる。尚、この水流の中にエアーを混合させて一層強力な状態にしても良い。また、水面下部から気泡が上昇してくると段々と気泡は大きくなる、この気泡を上方から激しく水激で叩きながら破壊すると、その破裂衝撃作用が被洗浄殺菌物の洗浄効果をより強力にする。こうした機構を図1、や図9、等の装置に組み込むと更に好ましい。
【0064】
又、水温が10℃でも炭酸水は炭酸濃度が2000ppm以上になると発泡化現象が何もしなくも起こりやすく、家庭の炭酸飲料やビールなどは4000ppm以上であるが炭酸が抜けても、しばらくの間、炭酸ガスの泡が出続ける発泡作用は広く知られているのと同じである。この発泡作用が次亜塩素酸や二酸化塩素などによる殺菌後の塩素臭を吹き飛ばして食味、食感の良い製品の生産に役立つものである。
【0065】
しかし、高濃度炭酸水を手軽に大量に得るのが難しかった。それは、従来、水中に炭酸ガスを吹き込む方式であったためで、一定の濃度が必要な飲料水には良いが、野菜洗浄工程には向かなかった、また、連続的に大量に使う業界がなかったため、このためこの様な技術ノウハウが開発されなかった。
新しい方法として、今までの水中に炭酸ガスを吹き込む方式とは逆に、2kg/cm2程度の炭酸ガス空間に、シャワー状に噴霧して吸収効率を高め、この処理を循環式でおこなうことにより、炭酸水による発泡脱臭処理が、容易におこなえるようにしたものである。
また、炭酸ガスの消費量を押さえるためには、炭酸ガス圧力を1センチメートル平方当たり0.5キログラム以下まで下げても十分に炭酸水を生成できる。
【0066】
又、この炭酸水による脱臭処理を、炭酸水の水面近傍の位置に保たれた食材に対して、激しい噴射水激を加えておこなうと、大量の気泡が発生する。炭酸濃度が低くても十分な発泡作用がえられる。また、この状態に於ける、水面の直ぐ下は、激しい攪拌作用と振動が伝わり、低濃度の炭酸水でも、通常の洗浄水より、この発泡作用により被洗浄殺菌物7の表面で、小さな気泡となり、洗浄と脱臭効果が高くなる。ここでは、水面近傍に被洗浄殺菌物7を保持して塩素臭の除去を行うようにしたが、単に炭酸水のシャワーを被洗浄殺菌物7に当てて洗浄しても発泡効果により脱臭を容易に行うことが可能である。他の効果として、野菜などの植物は水中の炭酸ガスを吸収できるため、パリパリ感が増大して野菜品質の向上を見られる。
【実施例3】
【0067】
図9は請求項1に関連する方法、及び請求項13に関連する装置であるが、洗浄殺菌を行う工程から発生する炭酸ガスを再利用する機構として、前記工程部分の入り口と出口共に、のれん式の遮断を供えた炭酸ガス回収機構を備えた、殺菌炭酸洗浄化システム100の実施例を示す。本システム図は殺菌水生成装置122で供給原水配管102から供給される水道水又は井水が次亜塩素酸濃度200ppm程度に調整されて、洗浄機タンク104に供給され、更に給水手動バルブ103で、原水が供給され濃度調整されるように成っている。また、殺菌水は濃度の減少分に応じて殺菌水タンク123から供給される。
【0068】
所定の水位に達すると虫取り部126などにオーバーフローして回収管127に入り、U字配管部105を通る、U字配管部は装置内の、空気や炭酸ガスが、外部に逃げないように、水により遮断するためのもので、この部分に水をためてガスが機械外部に逃げないようにしてある。
【0069】
水路は次に、異物除去器106に入り、小さな虫や土、ゴミ、などが濾過されて、循環ポンプ107に入り、循環水供給路109により一方は最終の洗い工程に供給され、配置してある数個の噴射ユニット118から激しく噴射されて洗浄と殺菌が行われる。
【0070】
他方は回収水路系111を通って、荒取供給管113を通って、入り口部の荒取り工程に数個の噴射ユニット118から被洗浄殺菌素材131に激しく吹き付けられる、また、噴射水流は水面に激突して、攪拌と振動波や多量の泡を生成する。この激しい洗浄作用がゴミや微細な塵などを取り除く。
【0071】
この時、被洗浄殺菌素材131をささえる、水面より下にあるコンベアーの上面より下に、噴射管129が配置され、図3に示した回転羽根21の代わりに噴射管が多数取り付けられている。これにより、下側からも攪拌と洗浄と殺菌の効果が加えられるようにしてある。
【0072】
循環水供給路109に循環ポンプ107から加圧供給される流量と荒取供給管113に供給される流量との、2つに、分岐供給されるトータル量、とは別に、他方、回収水路系111にある、炭酸槽給水バルブ112を開けると、高圧ポンプ115から第一炭酸生成タンク116の上部空間に噴射される。この空間には高圧炭酸ボンベ121から供給された炭酸ガスが充満している。また、排水時にタンク内の炭酸ガスが、炭酸水と一緒に排出されないように、タンの下部には、一定の水位で、生成された炭酸水が貯留されている。
【0073】
この炭酸水は第二炭酸生成タンク116−Aの上部高圧炭酸ガス空間に再び噴霧される、この時、噴射圧は第一炭酸生成タンク116が第二炭酸生成タンク116−Aより高圧にしてあっても良いし、また、連結の途中にポンプを配置して再度加圧しても良い。ここでは、二段にして、炭酸ガスの溶存量が、より高い濃度になるように成っている。通常は一段でも良いが、直列に生成タンク116を2基取り付けなくても2基を並列に配管して流量を大きく取れるようにしても良い。
【0074】
高濃度の炭酸水に調整されて、炭酸水供給路117から高圧状態で、殺菌洗浄管135に送られ、多数の噴射ユニット118下部の水面134と被洗浄殺菌物131に激しく噴射されて、炭酸ガスの発泡作用の洗浄力が加えられながら殺菌も行なわれる。また、この高濃度の炭酸水は噴射管129に供給されても良い(図示せず)。この時、被洗浄殺菌物131を水面近傍に維持して搬送するネットコンベアー124は駆動源ごと搬送洗浄物と水面の調整が出来るよう、上下に高さ調整が出来るように構成されている。
【0075】
また、炭酸水の持つpH領域が、ちょうど、次亜塩素酸溶液において、強力な殺菌力が発生するpH5〜6の領域と、重なっているため生産工程上、安定したpH管理が行なえるものであり、炭酸ガスは水中で炭酸を生成しpH5〜6の間で強力な緩衝作用を生み出すため、安定した殺菌洗浄が行なえる。この時、井水の使用で原水のアルカリ性が強くpH8近くある場合などでも、殺菌水生成装置122の他に希塩酸添加による原水pH調整装置の必要がない。
【0076】
殺菌洗浄室157は炭酸水が噴射されて気化した炭酸ガスが、出来るだけ、炭酸空気分離装置101により、再利用できるために、SUS316や樹脂製などの耐蝕性素材により囲われていて、密閉空間となっている。この機構においては、被洗浄殺菌素材131の入り口部と出口部に、開閉膜159が、各々に装着されている。
【0077】
一連式搬送コンベアーの両側には被洗浄殺菌物131が気泡に包まれた、虫やゴミと一緒に両側の排水部136に流れ込まないように、コンベアーの両側に水を通す、何枚ものガイド板152(図15に図示)があり、さらにコンベアーが駆動ローラにより回転する部分で互いにぶつかりあわない構造になっている。
【実施例4】
【0078】
図10においては請求項24に関する装置に付いて水流式搬送手段を示す。
これは、水面134近傍の被洗浄殺菌物131を下側から、被戦場殺菌物を支えながら搬送するものである。ネットコンベアー17やバケットコンベアー50などを使用しないで、水流により被洗浄殺菌物131を浮かせながら、水面134近傍での洗浄殺菌を行なうようにしたもので、水流コンベアー素子140(図13に図示)の外側に噴出し方向管119が在り、その内側で、噴出しパイプ119−Aが回転自在に装着されていて、水流コンベアー素子140が搬送方向に対して直角方向に多数ほぼ平行に設置されている。その上方向の一部がスリット状に開口している。被洗浄殺菌物131は殺菌水の流れ132に浮かせられて大きな矢印の方向に搬送される。図11は非洗浄物が沈まないように、洗浄物の下に水流の通過できる穴またはスリットを有する支え板130が設けられている機構を示す。
【0079】
噴出し方向管119の中には図13に示すように長穴142が全周に開口している、噴出しパイプ119−Aが、各々の噴出し方向管119の中に挿入されている。この噴出しパイプ119−Aの中に炭酸水と成っている次亜塩素酸濃度が約1000ppmから2000ppm程度の高濃度殺菌水が圧力送水されている。
【0080】
このように図10〜図13は水流コンベアー140の運転状態を示す。被洗浄殺菌物131の搬送は、内側の噴出しパイプ119−Aが、パイプ内に図示した矢印のように回転すると、噴出し方向管119の、外側の水流は矢印132のように被洗浄殺菌物131に働き、下から吹き上げながら搬送の作用を生み、大きな矢印の方向に被洗浄殺菌物131を下から支えながら送り出す。もちろん、噴出しパイプ119−Aは被洗浄殺菌物131を下から支えながら大きな矢印方向に送り出せれば回転自在でなくてもよい。
【0081】
また、噴出し方向管119を上下できるようにしておくことが好ましく、被洗浄殺菌物131の大きさが変化しても、水面から所定の位置において搬送することができるので、被洗浄殺菌物131の大きさが異なる場合でも、水面近傍においてのみ得られる洗浄効果が期待できる。
【実施例5】
【0082】
図11は図10において示されたような、水流コンベアー素子140を多数併設した、水流式搬送手段において、被洗浄殺菌物131が沈まずに確実に送られるように支え板130を搬送の補助機能として装備しているものの実施例である。
【実施例6】
【0083】
図14においては、請求項25の機構を示した搬送手段の一部であり、水面近傍の位置で搬送する機構又は所定の水面下の深度を保持して搬送する機構が、羽根車等の回転部材を平行に配置し、該回転部材の軸部又は羽部の噴射孔から水流を噴射させる回転式噴射水流発生具よる構造の図である。被洗浄殺菌物を水面近傍に維持する上下位置調節が自在なガイドネット板17があり、水流により矢印方向(左方向)に搬送できるように、下側からは噴射管16より水流及び気泡が噴出され、回転羽根21の回転により矢印方向(左方向)への水流を作る構造となっている。
【0084】
このガイド軸として羽根車軸21があり、この内側から炭酸を含有する殺菌水が、きり欠き21−Bから噴射され、さらに回転羽根21−Aが回転することにより被洗浄殺菌物131を矢印の方向(左方向)に搬送する流れを作る。
【0085】
水に沈む野菜の場合はガイド板22−Aでガイドされながら回転羽根21−Aの回転を逆にすることで破線の矢印の方向(左方向)に被洗浄殺菌物131(7)を搬送する。
【0086】
図14を有する洗浄殺菌機においても図9の殺菌洗浄室157のように炭酸水が噴射されて気化した炭酸ガスが、出来るだけ、炭酸空気分離装置101により、再利用できるように、SUS316や樹脂製などの耐蝕性素材により殺菌洗浄室157が囲われた密閉空間で、被洗浄殺菌物7(131)の入り口部と出口部に、図9のように開閉膜159が、各々に装着されていると好ましい。
【実施例7】
【0087】
図15は本発明のもう一つの代表的な具体例に付いて示す。
水流方式やバケット方式の搬送手段でないネットコンベアー方式の搬送手段を有するものに関する、高濃度次亜塩素酸や亜塩素酸による、野菜などの殺菌洗浄及び脱臭機構を有する連続式食材洗浄殺菌脱臭装置160を示す。
本装置の殺菌洗浄を行う部分が液面上の密閉空間Cにおいて外部と遮断できるように被洗浄殺菌物の入り口部と出口部にウオーターカーテン5が整流器6から作られるよう殺菌水を供給する管路172に設けられたバルブ172−2で流量を調製できるようにしてあり、密閉空間Cの他の部分は炭酸ガスが外部に逃げないように密閉カバー(全体を図示せず)で覆われて密閉空間Cを形成している。
この密閉カバーの上部には外部に空気を排出するバルブ(図示せず)が配置され、運転初期に残留する空気を、重い炭酸ガスが下部から溜まっていき上部から空気が抜けるように、自動、手動何れでも選択できるよう、電気的にコントロールできる構成になっている。この密閉空間Cに蓄積され濃度が高くなった炭酸ガスが殺菌洗浄の噴射ノズルから出る液粒子や激しい水激により液面から発生する霧等を介して次亜塩素酸塩の水溶液や次亜塩素酸水溶液に再吸収されて、炭酸ガスの消費を減らすように構成されている。亜塩素酸塩の水溶液を使用する場合も同様である。
【0088】
樹脂製のネットコンベアー167の上面側の水平部分が、殺菌洗浄槽166内に葉物野菜などのように水に沈む性質の被洗浄殺菌物131を水面近傍に保持しながら搬送できるように水面より沈んだ位置に配置され、その両側に水が通すり抜けられる、何枚ものガイド側板152があり、コンベアーが駆動ローラにより回転する部分で互いにぶつかりあわないようになっている。
【0089】
但し、ゴミや虫、髪の毛などの除去は、ガイド側板152より上を水面に浮いたゴミ等が乗り越える状態で搬送し、その過程で上方からの水激で、図9で図示すような形で、排水部136や虫取り部126に流れ出すようにして、取り除ける機構を有している。また、この排水過程でヘアーキャッチャーを流路内に装備するのが良い。この時、野菜が流失しないように防御網などをガイド側板152の内側に位置して取りつけるとより好ましい。
【0090】
また、葉物野菜などの大きさと投入量により水面から被洗浄殺菌素材131が露出しないようにネットコンベアー167の高さを調節できるように、上下動モータ180の回転がタイミングベルト183を介して伝わる4本の上下送りネジ176の回転により、2個の上下移動ローラ179の両端に配置された4箇所の雌ネジ178が上下に移動され、その結果ネットコンベアー167を上下に調整できるようになっている。
【0091】
上下送りネジ176は複数の噴射ノズル14が前後左右に規則的に多数配置されたノズル集合管175を上下に高さ調整ができるように、集合管雌ネジ177に管上下モータ181の回転がタイミングベルト184を介して伝達され、上下動モータ180が停止している時に、集合管目ネジ177を回転させ、これに設置されているノズル集合管175を上下して水面からの高さを調整できるようになっている。この時、上下移動ローラ179と同時に動かしたい場合は、上下動モータ180と管上下モータ181を減速機付のパルスモータなどで構成し、両者の回転を予めシーケンサーなどにプログラムし、それぞれの高さを数値として、操作パネルなどから、任意に設定すれば自動的に所定の高さに成るようにしても良い。
【0092】
また、この連続式食材洗浄殺菌脱臭装置160のネットコンベアー167はコンベアー上面に垂直でコンベアーの進む方向に直行するように複数の区切り板168が、被洗浄殺菌物131がムラ無く搬送される目的で設置されている。この区切り板168の根元部分は硬い樹脂で構成し全高さの半分以上が軟質の樹脂が取り付けるように形成し、柔らかく下部搬送板166を擦る様に動かしても良い。
【0093】
ネットコンベアー167は回転速度を任意に変更できるように制御系が構成さており、しかも、回転方向を正逆いずれも選択可能になっていて上面側では葉物野菜などの水に沈む物で、ネットコンベアー167の下側には気泡管169と殺菌水噴射管16が交互に配置され、気泡管169からは、Aから気化した炭酸ガスを吸引する炭酸ガスブロアーから供給される炭酸ガスを含んだ空気が噴出する。これにより、気化した炭酸ガスを再度殺菌水中に溶かし込むことができ、炭酸ガスの消費を抑えることができる。また、さらに下部にある噴射管16からも殺菌水流が噴出して気泡と水流でゴミなどが側面と下流側にある、排水トレイ41(図示せず)や排水管路201に流れ込むようにしてあり、この状態で水面近傍に被洗浄殺菌物131を保持して搬送するようになっている。搬送中に水面上方から水面に向かって、激しい水激を与え、これにより水中から上がってきた気泡を激しくたたいて破裂させ、振動波を発生させてより洗浄効果を高める。この時水面では、水激により発生する大量の泡と水の攪拌や振動で、洗浄効果がより高められながら、葉物野菜などの洗浄殺菌が行われる、この時、大量の霧が発生し、また噴射時に生成される殺菌水の微粒子と共に密閉空間Cに溜まった炭酸ガスが再吸収される。
【0094】
反対にキュウリ、トマト、ナス、ピーマンなどのように水に浮きやすい野菜はネットコンベアー167の回転方向を逆にして被洗浄殺菌物131をネットコンベアー167の下側に送り込み、水面より高い水圧がかかるようにして、例えばキュウリなどのイボイボやへたの中に殺菌水が浸透して短時間で殺菌が出来るようにしてある。 また、この時、一定の水圧と噴射管16からの強い水流が被洗浄殺菌物131近傍での殺菌水の攪拌作用を与え、殺菌と洗浄効果を高めるように成っている。
【0095】
殺菌水は循環タンク200からストレーナー170でゴミを濾過され、殺菌循環ポンプ171により管路172を通り噴射管16へ供給されるとともに、水面上方から水面に向かって噴射する噴射ノズル14のノズル集合管175に供給される。殺菌洗浄槽165での洗浄殺菌工程の後に、殺菌洗浄槽166の下流にある排水管路201とサイドに在る排水トレイ41(図2に示すような形であるが図示せず)から排水され循環タンク200に戻る。また、殺菌洗浄槽の底の沈殿物を排出するため、ドレンバルブ203を適当な排水調整状態で開いておいても良い。これらの排水は虫取りアミ202で濾過されて循環タンク200に入る、この虫取りアミ202は簡単に外せて外で洗浄できるように循環タンク200の上に濾過アミの外周がパイプで加工された物が置いてあるだけにしてある。
【0096】
被洗浄殺菌物131の投入箇所には薄型ネットコンベアー191があり、葉物野菜においてはこの上で野菜を均一に並べながらネットコンベアー167に平均して乗るようにして投入する。また、浮く野菜の場合は薄型ネットコンベアー191を取り外すことにより殺菌洗浄槽166の手前側に生まれたスペースから野菜を投入する。投入された野菜はネットコンベアー167の下側を通って、殺菌洗浄工程が終了する。前記、葉物野菜はネットコンベアー167の搬出側の傾斜部に送られて上部から通常は1000ppm程度の炭酸含有水で殺菌水と、その塩素臭の洗い落し工程が行われながら搬出されるのが好ましい。
【0097】
葉物野菜は炭酸タンク195から炭酸ポンプ192により噴射ノズル189と188に高圧で送り出された大量の炭酸水でネットコンベアー167から剥がされて下の薄型ネットコンベアー191に落ちて、噴射ノズル190からの炭酸含有水で再度洗われて、綺麗に塩素臭が取り除かれる。この時、噴射ノズル187や188からでた炭酸水はトレイ194で受けられて配水管194−aを通り、再び炭酸タンク195に戻るようになっている。炭酸タンク195内の炭酸水は絶えず供給されて一定の水位でオーバーフローするようになっているのが好ましい。
【0098】
また、野菜などでも、モヤシや刻んだねぎ、にんじん、ごぼうの千切り等また、ラッキョウや梅、などのように流れて行き、排水に逃げてしまうような物はこれ等を編み籠や外からの洗浄力が作用できるような多数の窓が在るケージなどに入れて籠やケージごと殺菌するのが望ましい。この時は被洗浄殺菌物131の投入口の薄型ネットコンベアー191を変更できるようにそれぞれの被洗浄殺菌物131により入り口と出口をオプション装置として設計し取り付けるのがさらに好ましい。
【0099】
また、連続式食材洗浄殺菌脱臭装置160で使用される殺菌水は、次亜塩素酸水溶液からなる殺菌水であり、その生成工程はタンクに一定量の水を加えてから所定の濃度に成るように12%の次亜塩素酸ナトリウムを定量ポンプで添加し、希釈次亜塩素酸ナトリウム液を生成してから、次に所定の量の希塩酸を定量ポンプで一定量タンクに水と共に添加して、希釈された水溶液にして、これを前記、希釈次亜塩素酸ナトリウム液に混合攪拌して循環タンク200に供給する方法が塩素ガスの発生がないため、望ましい。 また、井戸水を使用する食材の洗浄工程が一般には多いため、井戸水のpHがよく弱アルカリ(pH8.6程度)の場合が多いため、塩酸でpH調整が必要であるが、この場合、塩酸の消費が水道水の利用時より多く必要に成る。しかし、この方式であれば塩酸定量ポンプの吐水量を多く成るように設定するだけで良い。
【0100】
また、本装置に於いては、炭酸ガスが充満した圧力タンクである炭酸水生成タンク30内で、シャワー状の噴射により炭酸ガスを溶解させると液中に軽く1000ppm程度の炭酸を生成する。炭酸水生成タンク30や密閉空間C内で液中に生成される炭酸が、100ppm以上炭酸を含有していると、pH6〜5の範囲で水素イオン濃度に対する緩衝性が明らかに判る程発現する、これを実験でグラフ化するために、重炭酸ナトリウムと塩酸を用いて炭酸を液中に生成させて高濃度の緩衝性を示す実験を行い、グラフ化したものが、図24と図25である。炭酸含有の殺菌水は 極めて高い濃度の次亜塩素酸水溶液、例えば4800ppmによる殺菌水が安定してpH5〜6の範囲で利用できることを確認した。本出願の発明者は図9に示した第一炭酸生成タンク116や第二炭酸生成タンク116−Aなどを使用して、炭酸含有の殺菌水の生成を行い次亜塩素酸のpH5.5周辺の急激な変化を防止する緩衝作用にも用いている、これにより、高濃度の次亜塩素酸例えば2000ppm程度の殺菌作業工程の安全を確保している。
【0101】
重炭酸ナトリウムの場合、重炭酸ナトリウムの消費量が炭酸濃度に比例して増大し、炭酸生成に必要な塩酸量も当然増大する。重炭酸ナトリウムから炭酸を生成する場合は塩酸の供給のために新たに定量ポンプが必要になり、また、これら全てのコントロールに制御部分が高価で煩雑になる、また炭酸生成と同時に沢山の塩化ナトリウムが生成するため、高濃度の次亜塩素酸殺菌水を使用する殺菌洗浄工程においては、重炭酸ナトリウム水溶液をpH緩衝剤として実際の作業現場で使用するのは難しい。
そこで本発明者は副生成物の塩化ナトリウムができないで、しかも、食品添加物の法律的に問題が無く、しかも安全に高濃度の殺菌水を生成し、野菜、皿等の食材食器洗浄、殺菌、脱臭方法として、又、洗浄、殺菌、脱臭装置の構造として、炭酸ガスを圧力充填した空間に殺菌水あるいは水をシャワー状に噴射して殺菌水あるいは水に炭酸を含有させる方法および装置、又は、密閉空間Cで炭酸ガスを逃がさないようにして再吸収できる方法および装置にした。また、炭酸ガスを圧力充填したタンクを設けずに、前記密閉空間Cだけで炭酸ガスを溶解させることができるので、この密閉空間Cだけで装置を形成することが安全性およびコスト的に最も好ましい。
【0102】
図16に於いては、振動による気泡剥離機構を有する装置の説明である。
図15に示す装置のネットコンベアー167の下側より水流及び空気噴射を行う代わりに、炭酸ガスの気泡が一定の大きさに成長したとき、ネットコンベアー167に衝撃的な振動を与え、被洗浄殺菌物131から気泡を剥離させて気泡体積が移動してできる空間に、瞬間的に殺菌水が浸透する作用を利用し、キュウリのイボの中まで、殺菌水を浸透させて殺菌効率を高めるものであり、図15と同じように交互に配置された噴射管16及び気泡管169の下部にストッパー206を設け、ネットコンベアー131の内側にある突起207と一定時間ごとにぶつかってネットコンベアーに衝撃的な振動が発生するようにしたものである。
【0103】
図17は請求項3および5に関する野菜、皿等の食材食器殺菌洗浄方法および請求項16に関する野菜、皿等の食材食器殺菌洗浄装置の具体例について示す。炭酸水生成タンク300(30は図1での使用番号、図9においては第一炭酸生成タンク116や第二炭酸生成タンク116−Aである)は上部より炭酸ガスが供給されるように炭酸ガスボンベ311より手動バルブ及び減圧弁327を介して、炭酸ガスが供給されている。この時の圧力は、ほぼ1センチメートル平方当り3キロ以下で十分である。好ましくは1.5キロ以内が余分なガス化が防げ、しかも送水圧が残り経済効率が良い。単に余分なガス化を防ぐ場合は1キログラム以下の炭酸ガス圧で良い。
【0104】
炭酸水生成タンク300内には原水及び食材食器殺菌洗浄装置からポンプ329により管路320及び321を通り323と324に分岐して希釈用の管路306と307から噴射ノズル308により2つの噴射口から激しく衝突して炭酸ガス空間で細かいシャワー上の粒子となって拡散し、炭酸ガスを溶解して所望の炭酸濃度を達成するものである。
【0105】
この時、HCL水溶液は定量ポンプ314により管路323に圧力供給され、また、アルカリ性の殺菌水溶液NaCLOは定量ポンプ313により管路324に供給されて炭酸水生成タンク300(30は図1での使用番号、図9においては第一炭酸生成タンク116や第二炭酸生成タンク116−Aである)で前記2液の混合と炭酸ガスの吸収がなされた後、減圧弁325を介し供給管路326から連続式食材洗浄殺菌脱臭装置160の循環タンク200に供給される。この時、該循環タンク200の槽内の水位が不足する場合は、これを検知するセンサーから信号を得て、原水が原水供給管310から逆止弁310−Aを通り、制御部(図示せず)からの信号により開閉を制御される電動バルブ309(電磁弁又は、電動ボールバルブ等)で水量を調整しながら給水される。
【0106】
また、炭酸水生成タンク300(30は図1での使用番号)内の水位は検出管301に配置した水位センサー302、303−A、303−B、303−C、303−D、304、305、により、検出した信号を制御部に電気信号として送って、前記炭酸水生成タンク300内の水位を電動バルブ328(電磁弁又は、電動ボールバルブ等)により制御して行う。さらに、噴射ノズル308のノズル位置とタンク300内の水面高さを、噴射ノズル位置を中心に、水面高さを上下に変動させながら炭酸ガス空間340内の圧力を一定に維持した状態で炭酸ガス濃度を自在に調整できるようになっている。すなわち、噴霧された殺菌水や原水の微小粒子が炭酸ガスと接触する表面積を変更することにより、粒子に吸収される炭酸ガスの濃度を調整できるようになっている。
これにより炭酸水生成タンク300内が高い圧力に維持できるため、排水に高い送水圧力を維持した状態で、炭酸濃度を調整できるように成っている。
【0107】
さらに詳しく説明すると、炭酸水生成タンク300の水位が噴射ノズル308より下部に位置するように制御すると、激しい噴射衝突によるシャワー状態が炭酸ガス空間で激しい攪拌状態を作り出すため、炭酸ガスの吸収が多く、また、水面が噴射ノズル308より上部に位置するように制御すると、水面の盛り上がり攪拌流が起こるが炭酸ガスと接触する面積がシャワー状の粒子表面積よりも少ないため炭酸ガスの吸収が少ない。
【0108】
この両者の状態を所定の時間間隔で繰り返すと炭酸ガスの吸収効率を所望の値に制御でき、炭酸水生成タンク300内を高い炭酸ガス圧に維持しても、自由に炭酸ガス濃度を調整することができる。すなわち、例えば、1センチメートル平方当り3キログラムの圧力を掛けても余分な炭酸ガスが気泡となって炭酸水生成タンク300の外に流失しないで、しかも噴射洗浄に必要な送水圧力を保つことができる。
また、図17においては、HCL水溶液とNaCLO水溶液の混合を噴射ノズル308による2液の衝突により行っている。
【0109】
図18はHCL水溶液とNaCLO水溶液の混合を管路312において行い、混合後に噴射ノズル308にて炭酸ガス空間340へ衝突噴射する機構を図示したものである。この場合も炭酸ガス空間340内で溶解する炭酸ガスの効率は図17の形態と同等である。
【0110】
図19は請求項4項に記載した野菜、皿等の食材食器殺菌洗浄方法および請求項15項に記載した野菜、皿等の食材食器殺菌洗浄装置に関する具体例を示す。
炭酸ガスボンベ311から炭酸水生成タンク300の上部に炭酸ガスが供給され、下部より次亜塩素酸ナトリウム溶液が定量ポンプ313により原水流量に比例して原水供給用の管路321に供給され逆止弁330を通り、混合管312に入り数枚の邪魔板331により均一に混合されて噴射ノズル308に在る対抗する2つの噴射口から噴射されてシャワー状の細かい水粒子となり、炭酸ガス空間332に拡散する。
【0111】
また、炭酸水生成タンク300(30は図1での使用番号)内の水位は検出管301に配置した水位センサー302、303−A、303−B、303−C、303−D、304、305、により、検出した信号を制御部に電気信号として送って、前記炭酸水生成タンク300内の水位を電動バルブ328(電磁弁又は、電動ボールバルブ等)により制御して行う。さらに、噴射ノズル308のノズル位置とタンク300内の水面高さを、噴射ノズル位置を中心に、水面高さを上下に変動させながら炭酸ガス空間340内の圧力を一定に維持した状態で炭酸ガス濃度を自在に調整できるようになっている。すなわち、噴霧された殺菌水や原水の微小粒子が炭酸ガスと接触する表面積を変更することにより、粒子に吸収される炭酸ガスの濃度を調整できるようになっている。
【0112】
図20についてユニット式炭酸水生成タンク70を示す。炭酸水生成タンク300(30)は配管用の塩化ビニール製の安価な機材で構成され、上下両端は液密に接着された外側にネジ加工が施されたもので上部からは炭酸ガスが供給できるように先端部に管用ネジ加工がある、液面を上下に変化させる調整できる範囲の位置に多数のノズル口339が階層状に多数配置されている。
【0113】
炭酸水生成タンク300部材の外側にやはり配管用のT型継ぎ手70−Aに第2タンクパイプ307が上下に接着されている。
接着された第2タンクパイプ307の上下両端はシールリング70−1とOリング70−3により炭酸水生成タンク300との間に第2タンク338を形成している。次亜塩素酸ナトリウム水溶液が供給管路321からT型継ぎ手335を介して管路70−2を通り第2タンクに供給され、ノズル口339から圧力噴射される。
【0114】
該ノズル口339は互いに噴射流が衝突して細かい液粒子に成るように成っている。ノズル口339はノズル自体に噴霧化機能を有する物を使用しても良い。このように構成されたユニット式炭酸水生成タンク70は先端部にあるネジにより、連通管332に接着されたT型配管継ぎ手331に接着されたブッシュ管310の内側ネジと接合されている。さらに、パッキン341で液密に密着させることにより、ユニット式炭酸水生成タンク70が簡単に液密状態を確保できるとともに簡単に着脱ができるように成っている。
【0115】
図21及び図22は図20に示す炭酸水生成タンク300のタンク壁に階層状に配置されたノズルの形状を示すノズル断面図である。ノズル339は先端に2つの互いに衝突する噴射流が形成できるように在る角度で交差する噴射口の軸泉を有している。
ノズル341はノズル内部に回転流を生成するリブ341−2を有するコマ部材341−1が在り、先端部に円錐形の形状が先端部に小径の噴射口があり液が回転しながらこの噴射口から霧上に生成されるように成っている、噴射された霧の大きな粒子が外径部分に集まるため、これ等と衝突して粒子を破砕するために櫛状突起341−3が数本用意されている。これ等のノズルが階層状に炭酸水生成タンク300の壁に多数配置してある。
【0116】
図23は、図20に示したユニット式炭酸水生成タンク装置70が下部において並列に連通管332とT型継ぎ手331により連通され、上部からは各々に圧力ホース334を介して、炭酸ガス供給機構70−Bにより所定の圧力が維持されるように炭酸ガスが供給されている多連式炭酸水生成装置200の実施の形態を示す図である。図23にある希釈水は前記原水と同義の意味である。水位検知管301の上部にはエアー抜きバルブ305があり、バルブ305を開いて給水すると、水によりタンク内の空気が炭酸ガス分配管333を介してバルブ305からおいだされるように配置されている。
【0109】
図24においては次亜塩素酸生成時における、殺菌水のpH変化図であり、測定して得た値の折れ線グラフを示す。
黒四角印の折れ線は、次亜塩素酸ナトリウムと重炭酸ナトリウムを含む水溶液に塩酸を混入したときのpH値を示し、▲印は単に次亜塩素酸ナトリウムに塩酸を混入したときのpH値を示す。この実験に使用した各成分は次の通りである。
(1) 水道水 250ml
(2) 次亜塩素酸ナトリウム(濃度12%) 0.4ml
(3) 塩酸(濃度7.2%)
(4) 重炭酸ナトリウム0.3g
において塩酸7.2%液を0.1mlずつ添加してpHの変化を測定した、
【0110】
図24は次亜塩素酸ナトリウムに塩酸だけを添加した場合と重炭酸ナトリウムも添加した場合のpH5〜6の間に緩やかな中和曲線が見られる。即ち、塩酸量が増加しても重炭酸ナトリウムと塩酸により炭酸を生成させたタイプは、明らかに、pH値が緩やかに下がっている。このことから、炭酸ガスの溶解から炭酸を生成させる事により、次亜塩素酸水溶液の殺菌水を高い濃度で使用する場合においても安定したpH管理が出来ることを示している。また、これは同時に塩素ガスの発生がない安全な高濃度次亜塩素酸殺菌水の利用を可能にすることを示している。
【0111】
図25において次亜塩素酸生成時における、次亜塩素酸ナトリウム4800ppmにおける、殺菌水のpH変化図で、測定して得た値の折れ線グラフを示す。▲黒四角▼印の折れ線は、次亜塩素酸ナトリウムと重炭酸ナトリウムを含む水溶液に塩酸を混入したときのpH値を示し、▲印は単に次亜塩素酸ナトリウムに塩酸を混入したときのpH値を示す。この実験に使用した各成分は次の通りである。
(1) 水道水 240ml
(2) 次亜塩素酸ナトリウム(濃度12%) 10ml
(3) 塩酸(濃度7.6%)
(4) 重炭酸ナトリウム0.3g
において塩酸7.6%液を1mlずつ添加してpHの変化を測定した、
【0112】
図25からも判るように、次亜塩素酸ナトリウム濃度が約4800ppmの濃度においても明らかにpH7近辺からpH4位まで緩衝効果が識別できる。
【産業上の利用可能性】
【0113】
炭酸水による洗浄は、高濃度炭酸水が安価で簡単に、しかも、副生成物を生じないで連続生成出来る技術が、なかったため、食品業界には、全く使われず、その特徴が利用されなかった。また、殺菌水が使用される現場は食品工場が多く、本機械から炭酸水だけを別に取り出し、食品製造のさまざまな分野に利用することも出来る。
【0116】
例えば、洗浄水や浸漬水として利用する場合、高濃度の炭酸水はpHが6〜5と酸性になるため、アルカリ洗浄の欠点でも在る、旨みの溶出がない。食品の洗浄において、旨味を溶出させないので、製造ラインなどにおいても、洗浄用や浸漬水(戻し用の水)として、広く利用されるようになると考える。また、食品ばかりでなく、医療においては洗浄と殺菌は同時に、要求される課題であり、しかも、炭酸水のpH6〜5の範囲に極めて安定したpH緩衝作用があるため、次亜塩素酸の安全でしかも安定的効果が得られる使用が可能である。
【0117】
また、次亜塩素酸の有効なpH領域と炭酸のpH緩衝領域が重なっており、次亜塩素酸の最大酸化有効範囲が維持しやすくなる。医療分野では殺菌が重要な課題で在り、この利用を発展させる上で、次亜塩素酸殺菌水に炭酸ガス含有水あるいは炭酸ガスを注入して使用することは、極めて有効な技術であり、次亜塩素酸の利用範囲が、さまざまな医療分野にも拡大するものと考えている。又、エステ美容のような美容の分野にも、拡大するものと考えている。
【図面の簡単な説明】
【0118】
【図1】本発明第一の実施形態を示し洗浄、殺菌、脱臭装置の基本的な通常運転を示す
【図2】本発明における図−1のA−A矢視図を示し洗浄、殺菌、脱臭装置の通常運転を示す
【図3】食材と噴射との位置関係及び、下側からの水流加速機構とその運転を示す
【図4】バケット型搬送システムによる洗浄、殺菌装置の運転形態を示す
【図5】図−4に示した完成品の搬出装置を拡大し、搬出機構の詳細を示す。
【図6】図−4に示す装置に利用されている、バケットのA−A区間の開口機構を示す。
【図7】同じく、バケットのB−B区間における閉機構を示す。
【図8】同じく、バケットの底部及び前後のネットがA−A区間においてどのような位置の状態にあるかを示す。
【図9】本発明第二の実施形態を示し、周辺機器を組み込んだ、殺菌炭酸洗浄化システムの全体構成システムの、基本的な通常運転を示す
【図10】水面近傍の洗浄殺菌に使われる、水流による搬送機構の詳細を示す。
【図11】水流による搬送機構に順送りガイドコンベアーを併設した搬送手段の詳細を示す。
【図12】水流コンベアーの詳細を示す。
【図13】水流コンベアーの詳細を示す。
【図14】図14は水流コンベアーの回転羽根を有する水流搬送機構の詳細を示す。
【図15】図15は高濃度次亜塩素酸や亜塩素酸による野菜などの殺菌洗浄及び脱臭機構する連続式食材洗浄殺菌脱臭装置160を示す。
【図16】図16は浮く野菜洗浄において、付着した炭酸ガス気泡を一定時間ごとに被洗浄殺菌物から剥離させる機構を持つ連続式食材洗浄殺菌脱臭装置160を示す。
【図17】炭酸ガス充填タンク内でアルカリ性殺菌水溶液とpH調整用の酸性水溶液を衝突させて2液の混合と炭酸ガスの溶解とを同時に行う機構を示す。
【図18】炭酸ガス充填タンク内でアルカリ性殺菌水溶液とpH調整用の酸性水溶液を混合させながら炭酸ガス空間に2箇所のノズルから互いに衝突させるように噴射してシャワー状で炭酸ガスの溶解を行う機構を示す。
【図19】図19アルカリ性殺菌溶液を希釈水で希釈した殺菌水を炭酸ガス充填タンク内で衝突噴射して、炭酸ガスの溶解を行う機構を示す。
【図20】図20はユニット式炭酸水生成タンク70を示す。
【図21】図21は炭酸水生成タンク300のタンク壁に階層状に配置されたノズルの形状を示すノズル断面図である
【図22】図22は炭酸水生成タンク300のタンク壁に階層状に配置された他の形式のノズルの形状を示すノズル断面図である
【図23】図23は多連式炭酸水生成装置200の実施の形態を示す。
【図24】図24は重炭酸ナトリウムを添加して殺菌水を生成する場合の殺菌水のpH変化を示すグラフである。
【図25】図25は4800ppmの次亜塩素酸ナトリウムに対する重炭酸ナトリウムのpHバッファ効果を示すグラフである。
【符号の説明】
【0116】
水激攪拌洗浄殺菌装置1 : 食材の投入口2 :被洗浄物7、131 : ネットコンベアー17、167 : 供給管10,60 : ポンプ11,12,33、128 : 噴射ノズル部14、187、188、189、190 : 殺菌水面15 : 電働バルブ9 : 噴射管16、18 : ガイドネット板17 : 給水管20 : 回転羽根21 : 回転羽根車軸21−A :切欠き21−B : 支え具23 : 気泡24 : 噴射水激25、26 : 下からの水流27 : 殺菌水タンク28 : 炭酸水生成タンク30、300 : 圧力制御弁31 : 排水用トレイ41 : アジャスター37、59 : 渡し用コンベアー36 : ネットコンベアー17、39、124、167 : タンク28 : フィルター13、35、43 : 噴射管16 : 排水用トレイ41 : 捕捉アミ42、63 : 炭酸タンク34 : ポンプ29 : バケットコンベアー50 : 搬送コンベアー51 : 水面53 : 戻り管63 : 噴出水流54 : タンク62 : 噴射水激55 : バケット58 : 底アミ58 : 供給管60 : 噴射水激25 : 殺菌炭酸洗浄化システム3 : 殺菌炭酸洗浄化システム100 : 炭酸空気分離装置101 : 回収水路系111 : 炭酸槽給水バルブ112 : 第一炭酸生成タンク116 : 第二炭酸生成タンク116−A : 高圧炭酸ボンベ121 : 殺菌水生成装置122 : 供給原水配管102 : 洗浄機タンク104 : 給水手動バルブ103 :殺菌水タンク123 : 虫取り部126 : 回収管127 : U字配管部105 : 異物除去器106 : 循環ポンプ107、171 : 循環水供給路109 : 荒取供給管113 : 噴射ユニット118 : : 炭酸槽給水バルブ112 : 炭酸槽給水バルブ112 : 高圧ポンプ115 : 噴出し方向管119 : 噴出しパイプ119−A : 排水部136: 水流コンベアー素子140 : 支え板130 : ガイド側板152 :下側ガイド板166、22−A : 調整角度155 : 殺菌洗浄室157 : ジャッキ部158 : 開閉膜159 : 連続式食材洗浄殺菌脱臭装置160 : 殺菌洗浄槽165 : 第一炭酸生成タンク116、 : 第二炭酸生成タンク116−A、 : 上下移動ローラ179 : 目ネジ178 : 上下動モータ180 : タイミングベルト183、184 : 上下送りネジ176 : ノズル集合管175 : 集合管目ネジ177 : 管上下モータ181 : 区切り板168 : 下部搬送板166 : 気泡管169 : 排水管路201 : 循環タンク200 : ストレーナー170 : ドレンバルブ203 : 薄型ネットコンベアー191 : 炭酸ポンプ192 : トレイ194 : 管路 : 172、193 配水管194−a : 炭酸タンク195 : 炭酸水生成タンク300 :炭酸ガスボンベ311 : 減圧弁327、325 : ポンプ329 : 管路320、321、323、324、306、307 : 噴射ノズル308 : 定量ポンプ314、313 : 供給管路326 : 食材洗浄殺菌脱臭装置160 : 循環タンク200 : 原水供給管310 : 逆止弁310−A、330、 : 電動バルブ309、328 : 水位センサー302、303、303−A、303−B、303−C、303−D、304、305 : 混合管312、 : 攪拌管312、 : 密閉空間C、 : 整流器6、 : 管路172、 : バルブ172−2、 : 炭酸ガス空間340、 : T型継ぎ手70−A、335、 : 供給管路321 : 第2タンクパイプ307、 : T型継ぎ手70−A、 : 第2タンクパイプ307、 : 第2タンク338、 : 多連式炭酸水生成装置200、 : ユニット式炭酸水生成タンク装置70 : ノズル339、 : ノズル341、

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次亜塩素酸塩又は亜塩素酸塩のアルカリ性水溶液に塩酸等の無機酸及び/又は、酢酸、乳酸等の食品添加物用の酸性水溶液を混合し、次亜塩素酸及び亜塩素酸の濃度が50ppmから3000ppmの殺菌水を生成する混合工程を有し、前記殺菌水の溶存炭酸ガス濃度を20ppmから2000ppmにする炭酸ガス溶解工程を有し、前記殺菌水をポンプ循環により水面上方からは水面に向かってシャワー状に噴射する噴射殺菌工程を有し、水中においては、水流及び/又は、空気流による攪拌工程有し、前記野菜、皿等の食材あるいは食器を水面近傍に保持する搬送工程を有することを特徴とする野菜、皿等の食材食器殺菌洗浄方法。
【請求項2】
次亜塩素酸塩又は亜塩素酸塩のアルカリ性水溶液に塩酸等の無機酸及び/又は、酢酸、乳酸等の食品添加物用の酸性水溶液を混合し、次亜塩素酸及び亜塩素酸の濃度が50ppmから3000ppmの殺菌水を生成する混合工程を有し、前記殺菌水の溶存炭酸ガス濃度を20ppmから2000ppmにする炭酸ガス溶解工程を有し、前記殺菌水をポンプ循環により水面上方からは水面に向かってシャワー状に噴射する噴射殺菌工程を有し、水中においては、水流及び/又は、空気流による攪拌工程又は、振動による気泡剥離工程を有し、前記野菜、皿等の食材あるいは食器を水面近傍に保持する搬送工程、及び/又は、所定の水面下の深度に保持する搬送工程のいずれか一方を選択可能にしたことを特徴とする野菜、皿等の食材食器殺菌洗浄方法。
【請求項3】
次亜塩素酸塩又は亜塩素酸塩のアルカリ性水溶液に塩酸等の無機酸及び/又は、酢酸、乳酸等の食品添加物用の酸性水溶液を混合し、次亜塩素酸及び亜塩素酸の濃度が50ppmから3000ppmの殺菌水を生成する混合工程及び、炭酸ガス濃度を20ppmから2000ppmにする炭酸ガス溶解工程が、炭酸ガス充填タンク内において行われる工程であることを特徴とする請求項1乃至2いずれかに記載の野菜、皿等の食材食器殺菌洗浄方法。
【請求項4】
次亜塩素酸塩又は亜塩素酸塩の食品添加用の殺菌剤を原水で均一に希釈混合し、次亜塩素酸ナトリウム及び亜塩素酸ナトリウムの濃度が50ppmから3000ppmの殺菌水を生成する混合工程を有し、炭酸ガス濃度を20ppmから2000ppmにする炭酸ガス溶解工程が、炭酸ガス充填タンク内において行われ、pH5〜pH8の次亜塩素酸又は亜塩素酸含有殺菌水を生成する溶解工程であることを特徴とする野菜、皿等の食材食器殺菌洗浄方法。
【請求項5】
殺菌水を生成する前記混合工程と前記炭酸ガス溶解工程が、前記炭酸ガス充填タンク内におけるノズル噴射機構により、前記アルカリ性水溶液と前記酸性水溶液を噴射衝突させる工程で同時に行われるか、あるいは、前記炭酸ガス充填タンク内の管路又は流路において、噴射部又は散水部より上流側で前記アルカリ性水溶液と前記酸性水溶液、又は原水との混合工程を有し、生成された前記濃度の殺菌水を炭酸ガス空間に向けて前記噴射部、又は散水部、又は霧化用ノズルを介して噴射又は散水する炭酸ガス溶解工程であることを特徴とする請求項3及び4に記載の野菜、皿等の食材食器殺菌洗浄方法。
【請求項6】
前記炭酸ガスの溶解工程のいずれもが、炭酸ガス充填空間の圧力を0気圧(大気圧)〜10気圧以下の任意の値に変化させるか、又は該炭酸ガス充填空間と液面下の間で任意に変動する位置に前記噴射部、又は前記散水部、又は霧化部、及び/又はこれ等の一部が位置するように、前記タンク内の水位を自在に変化させて行う、炭酸ガス溶解濃度の濃度調整工程を有する殺菌水生成方法であることを特徴とする請求項1及び5のいずれかに記載の野菜、皿等の食材食器殺菌洗浄方法。
【請求項7】
洗浄殺菌工程の行われる場所の水面上部空間を水面等により外気と空間的に遮断した遮断空間を有し、該遮断空間に被洗浄物が自在に出入りできるように、該遮断空間の入り口部と出口部にウオーターカーテンを有し、及び/又は、被洗浄物を水中に潜らせて該遮断空間内に搬送する搬送工程を有し、これにより被洗浄物の搬送可能な前記遮断空間を形成し、液中から蒸散した炭酸ガスが該遮断空間から外部に逃げない状態で、前記殺菌水を液面上方から液面に噴射又は散水することにより、前記殺菌水による洗浄殺菌工程と前記炭酸ガスの再溶解工程を同時に行う事を特徴とする請求項1乃至6いずれかに記載の野菜、皿等の食材食器殺菌洗浄方法。
【請求項8】
洗浄殺菌工程の行われる場所の水面上部空間を水面等により外気と空間的に遮断した遮断空間を有し、該遮断空間に被洗浄物が自在に出入りできるように、該遮断空間の入り口部と出口部にウオーターカーテンを有し、及び/又は、被洗浄物を水中に潜らせて該遮断空間内に搬送する搬送工程を有し、これにより被洗浄物の搬送可能な前記遮断空間を形成し、該遮断空間に炭酸ガス供給装置からほぼ大気圧で炭酸ガスを供給する工程を有し、該供給される炭酸ガスおよび液中から蒸散した炭酸ガスが該遮断空間から外部に逃げない状態で、前記殺菌水を液面上方から液面に噴射又は散水することにより、前記殺菌水による洗浄殺菌工程と前記炭酸ガスの溶解工程を前記遮断空間内で同時に行う事を特徴とする請求項1乃至6いずれかに記載の野菜、皿等の食材食器殺菌洗浄方法。
【請求項9】
前記搬送機構が、回転駆動源によるネットコンベア搬送機構で在り、前記回転駆動源の回転方向を変更することにより、前記の水面近傍あるいは所定の水面下の深度のいずれか一方の搬送工程を選択できることを特徴とする請求項2乃至8のいずれかに記載の野菜、皿等の食材食器殺菌洗浄方法。
【請求項10】
前記ネットコンベア機構においてコンベアの搬送速度を請求項9記載の2つの搬送工程で、それぞれ異なる速度で任意に設定できることを特徴とする請求項9に記載の野菜、皿等の食材食器殺菌洗浄方法。
【請求項11】
前記野菜、皿等の食材や食器を水面近傍に保持して搬送する工程又は、所定の水面下の深度に保持して搬送する工程が水面からの位置を所定の範囲で自在に設定変更できることを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の野菜、皿等の食材食器殺菌洗浄方法。
【請求項12】
前記野菜、皿等の食材食器殺菌洗浄工程の後に炭酸ガス濃度が100ppm以上2000ppm未満の炭酸含有洗浄水で洗浄する塩素臭及び殺菌水の除去工程を有することを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載の野菜、皿等の食材食器殺菌洗浄及び脱臭方法。
【請求項13】
前記殺菌水として生成される次亜塩素酸及び亜塩素酸の濃度が50ppmから3000ppmである殺菌水中に炭酸ガスを添加して炭酸ガス濃度が20ppmから2000ppmの殺菌水を生成する機構を有し、該殺菌水をポンプ循環により水面上方から水面に向かってシャワー状に噴射する噴射殺菌洗浄機構と、水中において水流、及び/又は、空気流による攪拌殺菌洗浄機構を有し、前記野菜、皿等の食材を水面近傍に保持する搬送機構を有することを特徴とする野菜、皿等の食材食器殺菌洗浄装置。
【請求項14】
前記殺菌水として生成される次亜塩素酸及び亜塩素酸の濃度が50ppmから3000ppmである殺菌水を生成する機構と炭酸ガスを添加して炭酸濃度が20ppmから2000ppmの殺菌水を生成する機構を有し、該殺菌水をポンプ循環により水面上方から水面に向かってシャワー状に噴射する噴射洗浄殺菌機構と、水中において水流、及び/又は、空気流による攪拌洗浄機構又は、振動による気泡剥離機構を有し、前記野菜、皿等の食材を水面近傍に保持する搬送機構、及び/又は、所定の水面下の深度に保持する搬送機構を有することを特徴とする野菜、皿等の食材食器殺菌洗浄装置。
【請求項15】
次亜塩素酸ナトリウム及び亜塩素酸ナトリウムを原水で希釈して濃度が50ppmから3000ppmの殺菌水を生成する機構を有し、互いに衝突する噴射流を持つ噴射ノズルか、噴射ノズルを対抗配置してそれぞれの噴射流を衝突させる構造か、霧状の噴霧を生成するノズルを階層状に配置した構造を、炭酸ガス充填タンク内に有することにより、前記殺菌水に炭酸ガスを添加して炭酸濃度を20ppmから2000ppmにする機構を有し、生成された炭酸ガス含有殺菌水を、ポンプ循環により水面上方から水面に向かってシャワー状に噴射する噴射散水機構と、水中において水流及び/又は、空気流による攪拌洗浄機構又は、振動による気泡剥離機構を有し、前記野菜、皿等の食材を水面近傍に保持する搬送機構、及び/又は、所定の水面下の深度に保持する搬送機構を有することを特徴とする野菜、皿等の食材食器殺菌洗浄装置。
【請求項16】
前記次亜塩素酸ナトリウム又は亜塩素酸ナトリウムのアルカリ性水溶液と塩酸、酢酸又は乳酸等の酸性水溶液を混合して殺菌水を生成する機構が、前記炭酸ガス充填タンク内に前記アルカリ性水溶液の噴射ノズルと前記酸性水溶液の噴射ノズルを有し、前記アルカリ性水溶液と前記酸性水溶液を噴射衝突させる機構で同時に行われるか、前記充填タンク内の噴射部又は散水部の上流側で、且つ、前記充填タンク内の管路又は流路内で前期アルカリ性水溶液と前期酸性水溶液を混合し、該混合液を互いに衝突させる噴射流を持つ噴射ノズルか、噴射ノズルを対抗配置してそれぞれの噴射流を衝突させる構造か、霧状の噴霧を生成するノズルを階層状に配置した構造を、炭酸ガス充填タンク内に有することにより、前記殺菌水を生成することを特徴とする請求項13乃至14いずれかに記載の野菜、皿等の食材食器殺菌洗浄装置。
【請求項17】
前記殺菌水に炭酸ガスを添加し炭酸濃度を20ppmから2000ppmの濃度にする溶解機構が0気圧(大気圧)〜10気圧以下で炭酸ガスを充填した炭酸ガス充填タンク内の液面の変動を検知する少なくとも2つ以上の水位センサーを有し、該信号を受けてバルブ類を制御する電気制御部を有し、該信号により前記タンクへの給水を制御する電動開閉バルブや流量調整バルブやポンプ等と排水流量を制御する流量調整バルブや電動開閉バルブを有し、前記噴射ノズル部、及び階層状に配置した噴射ノズル又は噴霧ノズルの幾つかが、タンク内の液面上部の炭酸ガス空間から液面下部に水没する任意の位置に液面を制御することにより、炭酸ガスの溶解量を自在に調整できるようにしたことを特徴とする請求項13乃至16いずれかに記載の野菜、皿等の食材食器殺菌洗浄装置。
【請求項18】
洗浄殺菌工程の行われる場所の水面上部空間を水面等により外気と空間的に遮断した遮断空間を有し、該遮断空間に被洗浄物が自在に出入りできるように、該遮断空間の入り口部と出口部にウオーターカーテンを有し、及び/又は、被洗浄物を水中に潜らせて該遮断空間内に搬送する搬送機構を有し、これにより被洗浄物の搬送可能な前記遮断空間を形成し、液中から蒸散した炭酸ガスが該遮断空間から外部に逃げない状態で、前記殺菌水を液面上方から液面に噴射又は散水する噴射又は散水機構を有し、前記殺菌水による洗浄殺菌と前記炭酸ガスの再溶解を同時に行う事を特徴とする請求項13乃至17いずれかに記載の野菜、皿等の食材食器殺菌洗浄装置。
【請求項19】
洗浄殺菌工程の行われる場所の水面上部空間を水面等により外気と空間的に遮断した遮断空間を有し、該遮断空間に被洗浄物が自在に出入りできるように、該遮断空間の入り口部と出口部にウオーターカーテンを有し、及び/又は、被洗浄物を水中に潜らせて該遮断空間内に搬送する搬送機構を有し、これにより被洗浄物の搬送可能な前記遮断空間を形成し、該遮断空間に炭酸ガス供給装置からほぼ大気圧で炭酸ガスを供給する機構を有し、該供給される炭酸ガスおよび液中から蒸散した炭酸ガスが該遮断空間から外部に逃げない状態で、前記殺菌水を液面上方から液面に噴射又は散水する噴射又は散水機構を有し、前記殺菌水による洗浄殺菌と前記炭酸ガスの溶解を同時に行う事を特徴とする請求項13乃至17いずれかに記載の野菜、皿等の食材食器殺菌洗浄装置。
【請求項20】
前記搬送機構が、回転駆動源によるネットコンベア搬送機構で在り、前記回転駆動源の回転方向を変更することにより、前記の水面近傍、あるいは所定の水面下の深度のいずれか1つの搬送機構を選択できることを特徴とする請求項14及び19いずれかに記載の野菜等の食材殺菌洗浄装置。
【請求項21】
前記搬送機構が、回転駆動源によるネットコンベア搬送機構で在り、コンベア上に所定の高さの分割壁部材が一定区間ごとに、コンベアの搬送方向に対して直角で、コンベア面とは垂直に、コンベア上に配置され、上下方向には水流通過が容易な樹脂製ネットコンベアであることを特徴とする請求項13乃至20のいずれかに記載の野菜、皿等の食材食器の殺菌洗浄装置。
【請求項22】
前記搬送機構が、回転駆動源によるリング状のコンベアベルトで在り、該コンベアベルトの下側にコンベアベルトに平行なすべり搬送板が配設され前記回転駆動源の回転方向を変更して所定の水面下の深度を保持する搬送工程を選択したとき、被殺菌物をコンベア上のコンベア面と垂直に配置された分割壁部材と前記すべり搬送板とにより、被殺菌物を送り出しながら搬送することを特徴とする請求項14乃至21のいずれか1項に記載の野菜、皿等の食材食器の殺菌洗浄装置。
【請求項23】
前記野菜、皿等の食材食器である被殺菌物を水面近傍で搬送する機構及び又は所定の水深で搬送する機構が籠式の吊り下げ搬送機構又はコンベア上の編み籠に前記被殺菌物入れて行う搬送機構であることを特徴とする請求項13乃至19のいずれかに記載の野菜、皿等の食材食器の殺菌洗浄装置。
【請求項24】
被洗浄殺菌物を水面近傍で搬送する機構が上部位置に多数の噴射孔を有する噴射管を搬送方向と直角に多数併設した噴射水流発生具であり、又所定の水深を保持して搬送する機構においては被殺菌物を浮き上がらないようにする搬送板を有しており、該搬送板側に又は該搬送板の下側の下部位置に多数の噴射孔を有する噴射管を搬送方向と直角に多数併設した噴射水流発生具により前記被洗浄殺菌物を、水面近傍の位置で搬送する機構又は所定の水深を保持して搬送する機構を噴射水流の切り替えにより選択できることを特徴とする請求項13乃至19のいずれかに記載の野菜、皿等の食材食器の殺菌洗浄装置。
【請求項25】
前記水面近傍の位置で搬送する機構又は所定の水面下の深度を保持して搬送する機構が、羽根車等の回転部材を各々平行に配置し、該回転部材の軸部又は羽部の噴射孔から水流を噴射させる回転式噴射水流発機構であり、前記被洗浄殺菌素材の水面近傍の位置での搬送と所定の水深を保持して搬送が回転部材の回転方向を逆転することで選択できることを特徴とする請求項13乃至19のいずれかに記載の野菜、皿等の食材食器殺菌洗浄装置。
【請求項26】
前記野菜、皿等の食材食器殺菌洗浄機構の後に炭酸濃度が100ppm以上2000ppm未満の炭酸含有洗浄水で被洗浄物を浸漬洗浄又は上下方向及び/又は左右方向からのシャワー噴射洗浄による塩素臭及び殺菌水の除去機構を有し、装置本体、又は別体型の装置として前記殺菌処理工程の後工程に配置することを特徴とする請求項13乃至25に記載の野菜皿等の食材食器の殺菌、洗浄、脱臭装置。
【請求項27】
食材や食器などの被洗浄物を、前記殺菌水中あるいは前記炭酸水中において殺菌あるいは洗浄や脱臭を行うための水流、及び/又は、空気噴射を作る機構を備え、該水流、及び/又は、空気噴射は浸漬槽内の搬送機構の下部側から吹き上げられ、測面排水口又は前後の排水口部へ泡及び異物が排出できるように、対流を起こし上部において泡などに吸着した虫や軽い異物を捕捉除去し、また、下部において重い砂や異物などを補足する機構を有し、少なくても前記機構いずれか一つを有することを、特徴とする請求項13乃至26のいずれかに記載の、野菜、皿等の食材食器殺菌洗浄装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2006−67993(P2006−67993A)
【公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−325710(P2004−325710)
【出願日】平成16年10月12日(2004.10.12)
【出願人】(000122483)
【出願人】(500235386)ヴィータ株式会社 (29)
【Fターム(参考)】