説明

野菜における重金属および硝酸塩の含有量を低減するために用いられる葉面複合ケイ素肥料とその調製方法

本発明は、複合葉面ケイ素肥料を提供し、当該肥料がモリブデン−二酸化ケイ素複合コロイド溶液であり、コロイド溶液に含有される二酸化ケイ素の質量分率が10〜25%であり、モリブデンイオンの質量分率が0.05〜5.5%であり、30〜60℃で活性ケイ酸およびアルカリ性モリブデンイオン溶液を均一に混合し、撹拌しながら反応させることによって得られる。また、当該葉面ケイ素肥料が希土類−モリブデン−二酸化ケイ素複合コロイド溶液であってもよく、この際、コロイド溶液に含有されている二酸化ケイ素の質量分率が10〜25%であり、モリブデンイオンの質量分率が0.05〜5.5%であり、希土類イオンの質量分率が0.1〜7.5%である。本発明の複合葉面ケイ素肥料は、野菜における重金属および硝酸塩の含有量を低減することができる。また、本発明に係る方法の利点は、プロセスが簡単であり、反応条件がマイルドであり、および大規模生産に適することである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は環境保護分野に属し、化学肥料およびその調製方法に係り、具体的には、野菜における重金属および硝酸塩の含有量を低減することに用いられる肥料およびその調製方法に係る。
【背景技術】
【0002】
野菜は人間の日常生活に必要な副食品であり、その品質は人体の健康に直接関係している。都市化、工業化の進展に伴って、野菜畑特に都市の周辺の野菜畑の土壌汚染問題が日増しに深刻になっている。土壌の環境汚染が野菜の産量に影響を与えるだけでなく、野菜の品質に影響を与えて、農産品の輸出を「緑の障壁」に制限されるようにし、さらに食物連鎖を通じて人体健康に危害を及ぼす。そのうち、規格外の重金属、硝酸塩および亜硝酸塩が野菜の品質を影響する主な要因である。
【0003】
中国の土壌重金属汚染の問題がすでに日増しに深刻化になっており、人間の身体の健康を大きく脅かしている。統計によると、現在中国で、汚染されている耕地面積がほぼ1.5億ムーに近づいており、汚水灌漑により汚染された耕地が3250万ムーで、固体廃棄物が放置されているため使えなくなっている耕地が200万ムーで、合計耕地総面積の約1/10以上になっており、多くは経済が比較的発達する地区に集中している。毎年土壌汚染により減少された糧食産量が1200万トンにも達しており、直接経済損失が200億元に上っている。野菜が人間の日常生活における不可欠な副食品であり、非常に重要な経済作物でもある。野菜が重金属に対して一定の集積能力をある程度持っており、体内に累積する重金属が食物連鎖を通じて人体に入った後、人類の身体の健康に潜在的な危害を及ぼす。
【0004】
ケイ素肥料の施用は、水稲などの植物の、マンガン、鉄、カドミウム、アルミニウムなどの重金属の毒性に対する耐性が向上され、水稲などの植物の、これらの重金属に対する吸収堆積を低減することができることは、最近の研究によって発表され、広範な学術上の興味を引き起こした。しかし、ケイ素肥料を土壌に直接施すと、ケイ素肥料の溶解性が比較的悪く、または土壌コロイドに吸着されやすいことによって、その有効性が悪くなる。そのため、ケイ素肥料が金属毒性を緩和することについて、盆栽テストの効果より、大きい田畑の効果のほうが顕著に小さい。例えば、土壌にケイ素肥料を施すことはパクチョイの、Pb、Crなどの重金属に対する吸収および堆積を抑制することもできるが、その効率が比較的低く、100 mg・kg−1カドミウム汚染土壌に500 mg・kg−1の酸化ケイ素を施すことは、パクチョイの地上部の生物量を16.9%増加させ、葉身におけるカドミウム含有量を17.8%低減させることができるのみであり、そのムー毎の施用コストは100元以上になっている。酸化ケイ素コロイド溶液は顆粒が細かい、比表面積が大きい、分散度がよい、付着性が強いなどの特徴を有し、植物に吸収されやすい。我々の従来研究は、葉面肥料施用が高い利用率、速い吸収などの特徴を有することを証明し、また水稲葉面に対して酸化ケイ素コロイド溶液を噴射・施用することは、金属に対する水稲の耐性を向上し、穀粒へのCd、Pbなどの重金属の転送を抑制できることも実証した。しかしながら、葉面ケイ酸施用によって野菜における重金属の吸収堆積を抑制することの報告は今まではなかった。我々の従来の特許技術「水稲が重金属を吸収することを抑制できる希土類複合ケイ酸コロイド溶液」(ZL200610036994.8)により、研究開発された複合ケイ酸コロイド溶液は水稲に対して開発されたものであり、その葉面噴射・施用が水稲における重金属の吸収堆積に対して比較的よい抑制効果を有するが、野菜の多くは双子葉植物であり、ケイ酸に対する吸収利用が単子葉植物の水稲と大きく異なっているため、野菜における重金属の吸収抑制に用いられるケイ酸コロイド溶液およびその葉面施用技術は水稲と大きく異なっている。野菜における重金属の吸収の抑制に対する葉面肥料はなかった。
【0005】
また、多くの土壌汚染が複合汚染に属するため、重金属汚染以外に、硝酸塩もよくある汚染物である。化学肥料の大量の施用、特に窒素肥料(例えば尿素、硫酸アンモニウムなど)の施用量が大き過ぎるため、野菜の硝酸塩汚染が厳しくなる。野菜が硝酸塩を集積しやすく、通常、硝酸塩の堆積の順は、葉菜類>根菜類>鱗茎野菜類>ウリ科果物類>豆類>ナス科果菜類である。中国の一部地区の葉菜類野菜の硝酸塩汚染が非常に深刻であり、例えばシンセンのある市場で採集したホウレンソウ、パクチョ、ミルクパクチョ、空芯菜、サイシン5種の野菜の硝酸塩含有量がいずれも3100mg/kgより大きく、硝酸塩汚染が激しい野菜となる。窒素肥料またはその他の硝酸塩肥料が野菜に施用された後、野菜の体内に集積され、本来硝酸塩は毒性が大きくないが、人体内で亜硝酸塩に転換する可能性があり、亜硝酸塩化合物は強烈な発がん性を有する。亜硝酸塩は血液においてヘモグロビンと結合することができ、メトヘモグロビンを生成し、ヘモグロビンを酸素と正常に結合および分離できなくなり、それによって、酸素を輸送する能力を失わせ、酷い時には呼吸中枢麻痺、窒息して死亡に至る。一方、亜硝酸塩はニトロサミンの前駆体であり、ニトロサミンは人体に対して発がん性、催奇形性、催突然変異性などの危害を有し、さらに消化システムの発がんを誘発する。
【0006】
工農業の非常に速い発展および農薬、化学肥料の大量な施用に伴って、農地は重金属−硝酸塩複合汚染の特徴がますます多くて表しており、特に施設農業土壌において、野菜の高産量・安定産量を追求するため、野菜の栽培するときに農薬化学肥料が大量に施用され、且つ長年連続的に続けられ、それによって、土壌における硝酸塩および重金属の大量堆積になる。現在、土壌の重金属汚染に対する整備措置は大体、工程整備、生物整備、農業措置整備、化学整備などを有する。工程整備は主に厳重な汚染土壌に対する整備で、軽度汚染土壌に対しては主に生物整備などの方法を用いる。これらの方法は大規模な土壌汚染整備を行い、ほぼ投資が大きいが効果が小さい。一方、野菜における硝酸塩の制御の主な措置は窒素肥料の施用量を制御することにあるが、窒素肥料の施用を減少した後ある程度に野菜の産量の減少に至る。野菜の産量と品質との間に矛盾が発生した場合、農民は往々にして産量のみを重視する。適当な野菜種類をスクリーニングし、野菜の生長過程における水分、光照射、温度などの条件を調節することによっても、野菜体内の硝酸塩の累積を制御することができるが、効果が往々として理想的ではない。且つ従来の野菜汚染の制御装置において、野菜の重金属汚染または硝酸塩汚染を単一に対する防止・制御装置のみを有し、野菜における重金属および硝酸塩の複合汚染の制御技術はまだ報告されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】中国特許出願第ZL200610036994.8号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、従来技術の不足に対して、汎用することができ、且つ野菜における重金属および硝酸塩の吸収および堆積を制御・低減できる複合肥料を提供することにある。
【0009】
本発明の他の目的は、当該肥料の調製方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の前記目的は以下の技術的な解決手段によって実現される。
【0011】
植物自身の、重金属に対する耐性の向上することを介して、重金属および硝酸塩に対する吸収を低減することは、土壌の予防治療において新しい構想であり、経済的または安全的な手段である。本発明はまさに前記観点から始め、モリブデン元素を酸化ケイ素コロイド溶液に複合させることによって、硝酸塩の毒性に対する農作物の耐性を向上させ、硝酸塩に対する野菜などの農作物の吸収堆積を低減させることができる;二酸化ケイ素を用いることによって、重金属に対する植物の耐性を向上させ、希土類元素を用いることによって、酸化ケイ素コロイド溶液の、作物における重金属の吸収を抑制する効果をさらに増強する。
【0012】
まず、本発明は、野菜における重金属および硝酸塩の吸収および堆積を同時に抑制できる複合葉面肥料を提供し、当該複合葉面肥料がモリブデン−二酸化ケイ素複合コロイド溶液であり、当該コロイド溶液に含有される二酸化ケイ素の質量分率が10〜25%であり、モリブデンイオンの質量分率が0.05〜5.5%である。本発明は、モリブデン元素を酸化ケイ素コロイド溶液に複合させることが、硝酸塩の毒性に対する農作物の耐性を大幅に向上でき、同時に重金属の吸収に対しても良好な抑制作用を有することを見出した。
【0013】
当該複合葉面肥料の更なる最適化として、本発明は、好ましい複合葉面肥料である、希土類−モリブデン−酸化ケイ素複合コロイド溶液をさらに提供し、当該コロイド溶液に二酸化ケイ素、モリブデンイオンおよび希土類イオンが含有され、質量分率は、二酸化ケイ素が10〜25%、モリブデンイオンが0.05〜5.5%、および希土類イオンが0.1〜7.5%であり、より好ましい含有量は、二酸化ケイ素が15〜20%、モリブデンイオンが0.1〜1.5%、および希土類イオンが0.5〜2.5%である。
【0014】
本発明は酸化ケイ素コロイド溶液に希土類およびモリブデン元素を複合させ、野菜における重金属および硝酸塩の複合汚染制御に用いることは、新たなチャレンジである;重金属および硝酸塩に対する野菜の吸収を抑制できるだけでなく、同時に当該抑制率がさらに向上された。
【0015】
また、本発明は、野菜における重金属および硝酸塩の含有量を低減するために用いられる複合葉面肥料の調製方法を提供し、当該調製方法は、野菜における重金属/硝酸塩の含有量を有効に制御できる葉面肥料を得るには重要な意義を持つ。
【0016】
本発明に係るモリブデン−二酸化ケイ素複合コロイド溶液の調製方法は、以下のステップを含む:
1.活性ケイ酸溶液およびアルカリ性含モリブデンイオン溶液をそれぞれ調製するステップ;
2.ステップ1の活性ケイ酸溶液およびアルカリ性含モリブデンイオン溶液を30〜60℃で混合し、撹拌しながら反応させ、モリブデン−ケイ素複合コロイド溶液を得るステップ。
【0017】
前記アルカリ性含モリブデンイオン溶液は、アルカリ金属モリブデン酸塩溶液(例えばモリブデン酸ナトリウム、モリブデン酸カリウム)またはモリブデン酸アンモニウム溶液であり、好ましくはモリブデン酸アンモニウム溶液である。
【0018】
具体的な好ましい実施形態において、モリブデン−二酸化ケイ素複合コロイド溶液の調製方法は以下の通りである:
1.複合コロイド溶液前駆体溶液(活性ケイ酸溶液、希土類塩溶液およびアルカリ性モリブデン酸アンモニウム溶液)の調製
1.1 活性ケイ酸の調製
水ガラスを原料とし、SiOの重量濃度が20%〜40%、好ましくは25%〜30%である溶液を調製する。素型強酸性陽イオン交換樹脂を用いて調製された溶液を酸化処理する。一定の速度で多段樹脂交換カラムを通過させ、カラム出口の収集液のpH値を1〜3、好ましくは1.5〜2.5に制御し、活性ケイ酸溶液を得ることができる。
【0019】
1.2 アルカリ性モリブデン酸アンモニウム溶液の調製
モリブデン酸アンモニウムを原料とし、Moの重量濃度が0.1〜10%、好ましくは0.5〜5%である溶液を調製し、アルカリ性試薬を用いて溶液のpHを9〜13、好ましくは10〜12に調節する。アルカリ性試薬として、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア水などが用いられるが、好ましくはアンモニア水を用いる。
【0020】
2.モリブデン−ケイ素複合コロイド溶液の調製
ステップ1.1で得られた活性ケイ酸溶液をマイクロ波(または水浴)において30℃〜60℃、好ましくは35℃〜45℃で撹拌しながら加熱し、ステップ1.2で得られたアルカリ性モリブデン酸アンモニウム溶液を適宜な速度で、前記活性ケイ酸溶液のpH値が7.5〜8.5になるまで滴下し、制御された温度下で撹拌しながら2〜3時間反応させ、安定および透明な弱アルカリ性のモリブデン−ケイ素複合コロイド溶液を得ることができる。
【0021】
本発明に係る希土類−モリブデン−酸化ケイ素複合コロイド溶液の調製方法は、以下のステップを含む:
1.活性ケイ酸溶液、希土類塩溶液およびアルカリ性含モリブデンイオン溶液をそれぞれ調製するステップ;
2.ステップ1の活性ケイ酸溶液および希土類塩溶液を30〜60℃で混合し、アルカリを加え、撹拌しながら反応させ、希土類−ケイ素複合コロイド溶液を得るステップ;
3.ステップ1の活性ケイ酸溶液およびアルカリ性含モリブデンイオン溶液を30〜60℃で混合し、撹拌しながら反応させ、モリブデン−ケイ素複合コロイド溶液を得るステップ;
4.ステップ2で得られた希土類−モリブデン−酸化ケイ素複合コロイド溶液およびステップ3で得られたモリブデン−ケイ素複合コロイド溶液を混合し、30〜90℃で撹拌し、その後透析することによって、希土類−モリブデン−酸化ケイ素複合コロイド溶液を得るステップ。
【0022】
前記アルカリ性含モリブデンイオン溶液は、アルカリ金属モリブデン酸塩溶液(例えばモリブデン酸ナトリウム、モリブデン酸カリウム)またはモリブデン酸アンモニウム溶液であり、好ましくはモリブデン酸アンモニウム溶液である。
【0023】
具体的な好ましい実施形態において、希土類−モリブデン−酸化ケイ素複合コロイド溶液の調製方法は以下の通りである:
1.複合コロイド溶液前駆体溶液(活性ケイ酸溶液、希土類塩溶液およびアルカリ性モリブデン酸アンモニウム溶液)の調製
1.1 活性ケイ酸の調製
水ガラスを原料とし、SiOの重量濃度が20%〜40%、好ましくは25%〜30%である溶液を調製する。素型強酸性陽イオン交換樹脂を用いて調製された溶液を酸化処理する。一定の速度で多段樹脂交換カラムを通過させ、カラム出口の収集液のpH値を1〜3、好ましくは1.5〜2.5に制御し、活性ケイ酸溶液を得ることができる。
【0024】
1.2 アルカリ性モリブデン酸アンモニウム溶液の調製
モリブデン酸アンモニウムを原料とし、Moの重量濃度が0.1〜10%、好ましくは0.5〜5%である溶液を調製し、アルカリ性試薬を用いて溶液のpHを9〜13、好ましくは10〜12に調節する。アルカリ性試薬として、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア水などが用いられるが、好ましくはアンモニア水を使用する。
【0025】
1.3 希土類塩溶液の調製
希土類硝酸塩を原料とし、希土類元素がランタン(La)、セリウム(Ce)、ネオジム(Nd)およびユーロピウム(Eu)などであってもよく、希土類硝酸塩は前記元素の1種または複数種の混合物であってもよい。それを純水中に加え、完全に溶解するまで撹拌し、希土類元素の重量濃度が0.5〜15%、好ましくは1.0〜5.0%である溶液を調製する。
【0026】
2.モリブデン−ケイ素複合コロイド溶液の調製
ステップ1.1で得られた活性ケイ酸溶液をマイクロ波(または水浴)において30℃〜60℃、好ましくは35℃〜45℃で撹拌しながら加熱し、ステップ1.2で得られたアルカリ性モリブデン酸アンモニウム溶液を適宜な速度で、前記活性ケイ酸溶液のpH値が7.5〜8.5になるまで滴下し、制御された温度下で撹拌しながら2〜3時間反応させ、安定および透明な弱アルカリ性のモリブデン−ケイ素複合コロイド溶液を得ることができる。
【0027】
3.希土類−ケイ素複合コロイド溶液の調製
ステップ1.1で得られた活性ケイ酸溶液をマイクロ波(または水浴)において30℃〜60℃、好ましくは35℃〜45℃で撹拌しながら加熱し、ステップ1.3に得られた希土類溶液を適宜な速度でその中に滴下し、同時に所定量のアルカリ性試薬を、前記溶液のpH値が7.5〜8.5になるまで加える。アルカリ性試薬として、水酸化カリウム、アンモニア水、水酸化ナトリウムなどが用いられるが、好ましくはアンモニア水を用いる。制御された温度下で撹拌しながら2〜3時間反応させることによって、安定および透明な弱アルカリ性の希土類−ケイ素複合コロイド溶液を得ることができる。
【0028】
4.希土類−モリブデン−酸化ケイ素複合コロイド溶液の調製
ステップ2およびステップ3で得られたコロイド溶液を所定の割合に基づいて混合し、マイクロ波(または水浴)において30℃〜90℃、好ましくは35℃〜55℃で撹拌しながら加熱し、2時間以上撹拌する。さらに自制の透析装置によって透析を行い、特殊な構造および機能を有する希土類−モリブデン−酸化ケイ素複合コロイド溶液を得る。
【0029】
コロイド溶液におけるSiO濃度を10〜25%、好ましくは15〜20%に制御し、モリブデンイオン含有量を0.05〜5.5%、好ましくは0.1〜1.5%に制御し、希土類イオン含有量を0.1〜7.5%、好ましくは0.5〜2.5%に制御する。前記調製方法によって、得られたコロイド溶液のpH値が約7であり、6.5〜8の範囲内に属する。
【発明の効果】
【0030】
従来の技術に比べると、本発明は以下の有益な効果を有する。
【0031】
(1)本発明は、二酸化ケイ素コロイド溶液に対してモリブデン元素複合を行い、野菜汚染の制御における酸化ケイ素の応用範囲を広く開拓し、それに野菜における硝酸塩の吸収堆積を抑制する機能を持たせる。
【0032】
(2)本発明は、二酸化ケイ素コロイド溶液に対して希土類元素複合を行い、野菜における二酸化ケイ素コロイド溶液の使用機能を増加し、それの高い比表面積および強烈な吸着能力は重金属が経膜して植物細胞内に進入することを顕著に抑制することができ、それによって野菜における重金属毒性を緩和し、および野菜における重金属の吸収堆積を低減し、希土類−モリブデン−酸化ケイ素複合コロイド溶液の、重金属−硝酸塩複合汚染を防止する能力をさらに増強することができる。
【0033】
(3)本発明により提供される希土類−モリブデン−二酸化ケイ素複合コロイド溶液は、コロイド溶液体系のpH値が約7で、粒子径が一般的に約50nmであり、コロイド溶液の安定性が高く、濃度が高く、均一・透明で、長期放置または水で希釈された後絮状沈殿は発生せず、比表面積も顕著に下げない。
【0034】
(4)本発明により得られる希土類−モリブデン−二酸化ケイ素複合コロイド溶液は、pHが中性になっており、Naイオンなど毒性イオンの含有量が比較的少なく、適当に希釈した後野菜の表面に直接噴射・施用することができる。
【0035】
(5)本発明の希土類−モリブデン−二酸化ケイ素複合コロイド溶液は、重金属および硝酸塩の複合汚染に対する野菜の抵抗を向上する能力を有し、野菜における重金属および硝酸塩の堆積量を綜合的に制御することができ、それによって、合格の農産品を生産する効能を達する。
【0036】
(6)本発明により提供される調製方法は、比較的低い温度および常圧下で行われ、条件が穏やかで、プロセスが簡単で、操作しやすいため、大規模な生産が容易である。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】異なる酸化ケイ素複合コロイド溶液の光透過率スペクトルである。
【図2】異なる酸化ケイ素複合コロイド溶液の粒子径分布図である。
【図3】レタス地上部の生物量新鮮重に対する異なるセリウム−ケイ素複合コロイド溶液処理の影響を示すグラフであり、そこで、n=3、CKは脱イオン水を噴霧する対照群を示し、百分率はケイ素原子に占めるセリウム原子の百分率であり、誤差線は標準偏差であり、同一の字母は有意差無しを示す。
【図4】レタス地上部のヒ素含有量に対する異なるセリウム−ケイ素複合コロイド溶液処理の影響を示すグラフであり、そこで、n=3、CKは脱イオン水を噴霧する対照群を示し、百分率はケイ素原子に占めるセリウム原子の百分率であり、誤差線は標準差であり、同一のアルファベットは有意差無しを示す。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下は具体的な実施例を通じて本発明の技術的解決手段をさらに説明する。
【実施例】
【0039】
実施例1
セリウム−ケイ素複合コロイド溶液の調製
SiO/NaOモル比が2であるケイ酸ナトリウムを選んで、45%濃度のケイ酸ナトリウム溶液500mlを調製し、45℃温度下で3時間磁力撹拌し、100ml(湿体積)の水素型強酸性陽イオン多段樹脂交換カラムを均一速度で通過させ、カラムの出口の収集液のpH値を2に制御し、活性ケイ酸溶液(A)を得る。3.124 gのCe(NOを量り取り、100mlの純水に加え、完全に溶解させるまで撹拌し、硝酸セリウム溶液(B)を得る。溶液(A)を水浴中に撹拌しながら45℃まで加熱し、均一の速度で溶液(B)中に滴下し、その後、pHが8.5になるまで10%のアンモニア水を加え、制御された温度下で撹拌しながら3時間反応させることによって、安定・透明・弱アルカリ性のセリウム−ケイ素複合コロイド溶液(その光透過率は図1におけるセリウム−ケイ素複合コロイド溶液のスペクトルを参照し、粒子径は図2におけるセリウム−ケイ素複合コロイド溶液の分布を参照する)を得ることができる。
【0040】
実施例2
モリブデン−ケイ素複合コロイド溶液の調製
活性ケイ酸(A)の調製方法は実施例1と同様である。含有量10%のヘプタモリブデン酸アンモニウム溶液を調製し、溶液のpHが11にまでに濃アンモニアを加えて、アルカリ性モリブデン酸アンモニウム溶液(B)を得る。溶液(A)を水浴中で撹拌しながら45℃まで加熱し、均一な速度で溶液(B)に滴下し、pHが8.5になったら、滴下を停止し、制御された温度下で撹拌ながら3時間反応させることによって、安定・透明・弱アルカリ性のモリブデン−ケイ素複合コロイド溶液(その光透過率は図1におけるモリブデン−ケイ素複合コロイド溶液のスペクトルを参照し、粒子径は図2におけるモリブデン−ケイ素複合コロイド溶液の分布を参照する)を得ることができる。
【0041】
実施例3
セリウム−モリブデン−ケイ素複合コロイド溶液の調製
実施例1および実施例2で得られたコロイド溶液を一定の割合で混合させ、45℃水浴中3時間撹拌する。さらに自制の透析装置によって透析された後、特定構造および機能を有するpHが約7である希土類−モリブデン−酸化ケイ素複合コロイド溶液(その光透過率は図1におけるセリウム−モリブデン−ケイ素複合コロイド溶液のスペクトルを参照し、粒子径は図2におけるセリウム−モリブデン−ケイ素複合コロイド溶液の分布を参照する)を得る。
【0042】
実施例4
葉面にセリウム−ケイ素複合コロイド溶液を噴射・施用することによるカラシナにおけるヒ素害毒に対する緩和作用
試験用土壌は、広東省汕頭市澄海区塩鴻鎮蓮花山タングステン鉱区ヒ素汚染菜園土から選ばれ、当該土壌は埴壌土(中壤土)であり、ヒ素含有量が174mg・kg−1である。各鉢に1.5kgの土壌を装入して、レタスを直接撒いて30日後にその葉面にセリウム−ケイ素複合コロイド溶液を噴射・施用し処理を行う。以下のように合計10つの処理を設けた:それぞれの濃度が2、5、10mmol・L−1である二酸化ケイ素コロイド溶液(ケイ素コロイド溶液は我々の特許(ZL200610036994.8)(それぞれ2Si、5Si、10Siで標識する)に記載の方法で調製された)の単独噴射・施用;濃度が2mmol・L−1である硝酸セリウム(2Ceで標識する)の単独噴射・施用;およびセリウム複合量が1%、2%、10%、20%、25%である5mmol・L−1のセリウム−ケイ素複合コロイド溶液(それぞれ1%Ce−Si、2%Ce−Si、10%Ce−Si、20%Ce−Si、25%Ce−Siで標識する、ここの百分比はケイ素原子に占めるセリウム原子の百分比を指す)の噴射・施用。液体が滴下するまで限度として、成長した植物体の葉身にスプレーで均一に噴霧し、対照(CK)は、等量の脱イオン水を噴霧する。各処理は3回繰り返し、各鉢にコロイド溶液をトータル200mL噴射・施用する。噴射・施用した後の7日目に当該野菜を収穫し、総計2ヶ月生長し(このレタスの成長期が58日である)、地上部を収穫し、新鮮物質量、乾燥物質量、葉緑素およびヒ素含有量を測定する。
【0043】
葉面に異なる濃度のケイ素コロイド溶液および異なる複合比のセリウム−ケイ素複合コロイド溶液を噴射・施用することによって、いずれもレタスにおけるヒ素害毒を緩和できることは結果から示唆された。コロイド溶液を噴射・施用した後、レタスの葉身が顕著に肥大且つ光沢になった。微量セリウム複合の酸化ケイ素コロイド溶液を葉面に噴射・施用することは、ケイ素コロイド溶液によるレタスにおけるヒ素害毒を緩和する効果をさらに向上することができる。セリウム−ケイ素複合コロイド溶液を葉面に噴射・施用することは、レタスの生長を顕著に促進し、地上部の生物量(図3)を向上することができる。その中で、2%Ce−Siで処理されたレタスの地上部の生物量が最も高く、単株の乾燥重量が7.1gに達しており、対照(CK)の1.6倍となった。セリウム−ケイ素複合コロイド溶液を葉面に噴射・施用したレタスの生物量は、酸化ケイ素複合コロイド溶液を単独噴射・施用したものより高く、5Si、1%Ce−Si、10%Ce−Si、20%Ce−Si、25%Ce−Siで処理した場合のレタスの地上部の生物量が、対照よりそれぞれ26.4%、48.4%、44.1%、37.1%、37.2%増加した。また、各種の酸化セリウム−酸化ケイ素複合コロイド溶液を葉面に噴射・施用して処理を行うことは、いずれもレタスの地上部のAs含有量を顕著に低減することができ、低減幅が23.5%〜48.6%(図4に示す)に達した。そのうち、2%Ce−Siで処理した場合のレタスの地上部のヒ素含有量が最も低く、5.68 mg・kg−1であり、対照の48.6%である。
【0044】
実施例5
葉面にモリブデン−ケイ素複合コロイド溶液を噴射・施用することによる野菜における硝酸塩害毒に対する緩和作用
試験は、広東省増城農場に配置され、当該農場は、野菜生産基地であり、窒素肥料の施用量が比較的に大きい。試験対象野菜として、パクチョイ、サイシン、カラシナおよびレタスが用いられた。野菜定植後の20日間後に、葉面にモリブデン−ケイ素複合コロイド溶液を噴射・施用する処理を行う:5mmol・L−1(5Siで標記する)の二酸化ケイ素コロイド溶液(ケイ素コロイド溶液は我々の特許(ZL200610036994.8)に記載の方法で調製された)の単独噴射・施用;5mmol・L−1(5Moで標記する)のモリブデン酸アンモニウム溶液の単独噴射・施用;およびモリブデン複合量が0.5%、1.0%、2.0%、2.5%、5%である5mmol・L−1のモリブデン−ケイ素複合コロイド溶液(それぞれ、0.5%Mo−Si、1%Mo−Si、2%Mo−Si、2.5%Mo−Si、5%Mo−Siで標記する、ここの百分比はケイ素原子に占めるモリブデン原子の百分比を指す)の噴射・施用。葉面に水滴が付着する且つ葉面から水滴が落下しないようになるまで朝晩1回ずつ計2回噴射・施用する。水を対照(CK)とし、その他の畑管理は通常の畑日常管理と同様である。収穫後、地上部における硝酸塩含有量を測定する。エリア面積が20mで、3回繰り返し、群をランダムに分けて組み合わせる。
【0045】
結果から、葉面にケイ素コロイド溶液、モリブデン酸アンモニウム、モリブデン−ケイ素複合コロイド溶液を噴射・施用することによって、パクチョイ、サイシン、カラシナおよびレタスの地上部における硝酸塩の含有量を著しく低減できることが示唆された。野菜における硝酸塩の吸収を抑制する効果において、Mo−Si複合コロイド溶液を葉面に噴射・施用する場合は、5mmol・L−1の二酸化ケイ素コロイド溶液を単独噴射・施用する場合より優れ、野菜地上部の硝酸塩含有量を13.3%〜62.3%に低減できた。また、モリブデン複合量が1%を超えるMo−Si複合コロイド溶液を噴射・施用する場合の野菜地上部の硝酸塩含有量は、5mmol・L−1のモリブデン酸アンモニウムを単独噴射・施用する場合より著しく少なかった。すべての処理において、葉面に2.5%モリブデン複合量のMo−Si複合コロイド溶液を噴射・施用する際の野菜地上部の硝酸塩含有量が最も低く、パクチョイ、サイシン、カラシナおよびレタスの地上部における硝酸塩含有量がそれぞれ1221mg・kg−1、1247mg・kg−1、986mg・kg−1および870mg・kg−1であり、対照よりそれぞれ67.7%、60.1%、46.6%および38.7%低下し、いずれも野菜硝酸塩含有量の衛生標準の3クラス標準(<1440mg・kg−1)に達しており、すなわち、熟煮後食べられる。
【0046】
【表1】

【0047】
実施例6
葉面にセリウム−モリブデン−ケイ素複合コロイド溶液を噴射・施用することによる野菜における重金属、硝酸塩複合汚染に対する緩和作用
試験は、広東省広州番禺東昇農場に配置され、当該農場は野菜生産基地であり、土壌がCdに軽度に汚染され、Cdの含有量が0.872mg・kg−1である。試験対象野菜としてサイシンが用いられた。野菜定植後の20日間後に、葉面にセリウム−モリブデン−ケイ素複合コロイド溶液を噴射・施用する処理を行う:Siで標記する二酸化ケイ素コロイド溶液(ケイ素コロイド溶液は我々の特許(ZL200610036994.8)に記載の方法で調製された)の単独噴射・施用;モリブデン複合量が2.5%であるモリブデン−ケイ素複合コロイド溶液(Mo−Siで標記する)の噴射・施用;セリウム複合量が2%であるセリウム−ケイ素複合コロイド溶液(Ce-Siで標記する)の噴射・施用;セリウム複合量、モリブデン複合量がそれぞれ2.0%、2.5%であるセリウム−モリブデン−ケイ素複合コロイド溶液(Ce−Mo−Siで標記する)の噴射・施用。葉面に水滴が付着する且つ葉面から水滴が落下しないようになるまで、朝晩1回ずつ計2回噴射・施用する。水を対照(CK)とし、その他の畑管理は通常の畑日常管理と同様である。収穫後、地上部における硝酸塩含有量を測定する。エリア面積が20mで、3回繰り返し、群をランダムに分けて組み合わせる。
【0048】
結果から、葉面に各種のコロイド溶液を噴射・施用することによって、顕著にサイシンの生長を促進することができ、各処理のサイシンのムー産量が対照より10.8%〜26.8%増加したことが示唆された。各種のコロイド溶液を葉面に噴射・施用して処理されたサイシンの地上部のCd含有量が顕著に低下され、その低減幅が52.9%〜60.0%にも達した。各種のコロイド溶液を葉面に噴射・施用して処理することによって、サイシンの地上部における硝酸塩含有量も顕著に低下することができ、その低減幅が12.2%〜66.5%にも達した。そのうち、Ce−Siコロイド溶液を噴射・施用した場合は、サイシンにおける重金属Cdの吸収を抑制する効果が、酸化ケイ素コロイド溶液を単独に噴射・施用する場合より優れ、またMo−Siコロイド溶液を噴射・施用した場合は、サイシンにおける硝酸塩の蓄積を抑制する効果が、ケイ素コロイド溶液を単独に噴射・施用する場合より優れ、またCe−Mo−Si複合コロイド溶液を噴射・施用した場合は、サイシンにおける重金属、硝酸塩に対する予防治療効果において最も好ましい。対照と比較すると、Ce−Mo−Si複合コロイド溶液を噴射・施用する場合は、サイシンに対して平均ムー産量が26.8%に増加され、地上部における重金属が65.2%減少され、硝酸塩含有量が66.5%減少され、サイシンの地上部におけるCdおよび硝酸塩含有量は共に食品衛生標準に達する。
【0049】
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
モリブデン−二酸化ケイ素複合コロイド溶液である複合葉面肥料であって、前記コロイド溶液に含有される二酸化ケイ素の質量分率が10〜25%であり、モリブデンイオンの質量分率が0.05〜5.5%であることを特徴とする野菜における重金属および硝酸塩の含有量を低減するために用いられる複合葉面ケイ素肥料。
【請求項2】
希土類−モリブデン−二酸化ケイ素複合コロイド溶液である複合葉面肥料であって、前記コロイド溶液に含有される二酸化ケイ素の質量分率が10〜25%であり、モリブデンイオンの質量分率が0.05〜5.5%であり、希土類イオンの質量分率が0.1〜7.5%であることを特徴とする野菜における重金属および硝酸塩の含有量を低減するために用いられる複合葉面ケイ素肥料。
【請求項3】
前記コロイド溶液に含有される二酸化ケイ素の質量分率が15〜20%であり、モリブデンイオンの質量分率が0.1〜1.5%であり、希土類イオンの質量分率が0.5〜2.5%であり、前記コロイド溶液のpH値が6.5〜8.0であることを特徴とする請求項2に記載の野菜における重金属および硝酸塩の含有量を低減するために用いられる複合葉面ケイ素肥料。
【請求項4】
(1)活性ケイ酸溶液およびアルカリ性含モリブデンイオン溶液をそれぞれ調製するステップ;と
(2)ステップ(1)の活性ケイ酸溶液およびアルカリ性含モリブデンイオン溶液を30〜60℃で混合し、撹拌しながら反応させ、モリブデン−ケイ素複合コロイド溶液を得るステップと、
を含むことを特徴とし、前記アルカリ性含モリブデンイオン溶液がアルカリ金属モリブデン酸塩溶液またはモリブデン酸アンモニウム溶液である、請求項1に記載の野菜における重金属および硝酸塩の含有量を低減するために用いられる複合葉面ケイ素肥料の調製方法。
【請求項5】
ステップ(1)に記載の前記活性ケイ酸溶液における二酸化ケイ素の質量分率が20〜40%であり、前記アルカリ性モリブデン酸アンモニウム溶液におけるモリブデン元素の質量分率が0.1〜10%であることを特徴とする請求項4に記載の調製方法。
【請求項6】
ステップ(1)に記載の前記活性ケイ酸溶液のpH値が1〜3であり、アルカリ性モリブデン酸アンモニウム溶液のpH値が9〜13であることを特徴とする請求項5に記載の調製方法。
【請求項7】
下記ステップ:
(1)活性ケイ酸溶液、希土類塩溶液およびアルカリ性含モリブデンイオン溶液をそれぞれ調製するステップ;と
(2)ステップ(1)の活性ケイ酸溶液およびアルカリ性モリブデン酸アンモニウム溶液を30〜60℃で混合し、撹拌しながら反応させ、モリブデン−ケイ素複合コロイド溶液を得るステップ;と
(3)ステップ(1)の活性ケイ酸溶液および希土類塩溶液を30〜60℃で混合し、アルカリを加え、撹拌しながら反応させ、希土類−ケイ素複合コロイド溶液を得るステップ;と
(4)ステップ(2)で得られたモリブデン−ケイ素複合コロイド溶液およびステップ(3)で得られた希土類−ケイ素複合コロイド溶液を混合し、30〜90℃で撹拌し、その後透析することによって、希土類−モリブデン−酸化ケイ素複合コロイド溶液を得るステップと、
を含むことを特徴とし、前記アルカリ性含モリブデンイオン溶液がアルカリ金属モリブデン酸塩溶液またはモリブデン酸アンモニウム溶液である、請求項2に記載の野菜における重金属および硝酸塩の含有量を低減するために用いられる複合葉面ケイ素肥料の調製方法。
【請求項8】
ステップ(1)に記載の前記活性ケイ酸溶液における二酸化ケイ素の質量分率が20〜40%であり、前記アルカリ性モリブデン酸アンモニウム溶液におけるモリブデン元素の質量分率が0.1〜10%であり、前記希土類塩溶液における希土類元素の質量分率が0.5〜15%であることを特徴とする請求項7に記載の調製方法。
【請求項9】
ステップ(1)に記載の前記活性ケイ酸溶液のpH値が1〜3であり、アルカリ性モリブデン酸アンモニウム溶液のpH値が9〜13であり、希土類塩がセリウム硝酸塩、ランタン硝酸塩、ネオジム硝酸塩およびユーロピウム硝酸塩からなる群から選択される1種または複数種の混合物であることを特徴とする請求項8に記載の調製方法。
【請求項10】
前記ステップ(2)で得られたモリブデン−ケイ素複合コロイド溶液および前記ステップ(3)で得られた希土類−ケイ素複合コロイド溶液のpH値を共に7.5〜8.5に制御し、ステップ(2)および(3)に記載の反応時間が2〜3時間であり、ステップ(4)に記載の加熱撹拌時間が2時間以上であることを特徴とする請求項9に記載の調製方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2013−508256(P2013−508256A)
【公表日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−535604(P2012−535604)
【出願日】平成22年8月3日(2010.8.3)
【国際出願番号】PCT/CN2010/075656
【国際公開番号】WO2011/134211
【国際公開日】平成23年11月3日(2011.11.3)
【出願人】(512046464)広東省生態環境与土壌研究所 (1)
【Fターム(参考)】