説明

野菜収穫機

【課題】野菜を保持しつつ搬送する搬送部材を簡単な構造で補強し、搬送部材の大きな変形を防止することができる野菜収穫機を提供する。
【解決手段】野菜搬送部30は駆動スプロケット35、従動スプロケット37、搬送チェーン43、搬送部材とを有し、前記搬送部材は搬送チェーンに対して外周側に設けられる複数の第一搬送部材44と、隣接する第一搬送部材との間で搬送チェーンに対して内周側に延出して設けられる複数の第二搬送部材48とを含み、前記第一搬送部材は軸部材45と該軸部材の外周を覆うとともに該軸部材に対して回転可能に設けられるカラー46とを含み、該カラーは軸部材の軸方向に複数に分割され、前記一対の従動スプロケットを支持する従動軸38上に前記搬送部材と当接して支持し補強する少なくとも一つの支持ローラ41を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機体を進行させながら畝上の引き抜き後の野菜を収穫する自走式の野菜収穫機に関する。さらに詳しくは、搬送装置に具備される搬送部材の変形を防止する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、野菜収穫機として、畝から引き抜き後の玉葱等の野菜を収穫するものが知られている。例えば、特許文献1により公知となっている。
【0003】
特許文献1の技術では、野菜収穫機は、前部に配置した掻き込み部によって掻き込まれた野菜を保持しつつ搬送装置により後方へ搬送し、後部でコンテナに収容する。図12に示すように、この搬送装置534は、第一搬送部材544・544・・・、第二搬送部材548・548・・・等からなり、第一搬送部材544と第二搬送部材548との間に野菜を保持可能に構成される。前記第一搬送部材544は、軸部材545とカラー部材546とからなり、カラー部材546の中空部分に軸部材545を挿入し、カラー部材546が軸部材545に対して回転可能に構成される。このため、畝上から掻き込まれた野菜が第一搬送部材544上に直接落下したとしても、カラー部材546の回転により落下によるショックを和らげることができ、搬送中の野菜の傷つきを防止できる。
【0004】
また、図12に示すように、カラー部材546は左右方向略中央部で分割される。これにより、野菜の落下による衝撃や重みにより第一搬送部材544が部分的に変形したとしても、カラー部材546を軸部材545に対して回転可能に保つことができるという利点がある。しかしながら、カラー部材546が分割される左右方向略中央部の強度が小さく、接地して石等と接触した際の衝撃で、第一搬送部材544(より厳密には、軸部材545)が屈曲し変形しやすいという問題がある。また、第二搬送部材548は、第一搬送部材544よりも外径が小さいためさらに強度が小さく、石等と接触した際の衝撃で屈曲し変形しやすいという問題がある。
【特許文献1】特開2007−61012号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、叙上の事情に鑑みて、野菜収穫機の搬送装置に具備されて野菜を保持しつつ搬送する搬送部材の大きな変形を防止することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1においては、走行装置と、野菜掻き込み部と、前記野菜掻き込み部によって掻き込まれた野菜を受け取って所望の位置まで搬送する野菜搬送部と、を具備し、前記野菜搬送部は、左右一対の駆動スプロケットと、左右一対の従動スプロケットと、前記左右一対の駆動スプロケット及び左右一対の従動スプロケットに巻回される左右一対の無端体と、前記左右一対の無端体の間に横架するように設けられて野菜を保持しつつ搬送する搬送部材と、を有し、前記搬送部材は、前記無端体に対して外周側に設けられる複数の第一搬送部材と、該第一搬送部材と隣接する第一搬送部材との間で前記無端体に対して内周側に延出して設けられる複数の第二搬送部材とを含み、前記第一搬送部材は、軸部材と、該軸部材の外周を覆うとともに該軸部材に対して回転可能に設けられるカラーとを含み、前記カラーは、前記軸部材の軸方向に複数に分割されており、前記左右一対の従動スプロケットを支持する従動軸上に、前記搬送部材と当接して支持し補強する少なくとも一つの支持ローラを設けた野菜収穫機である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、野菜収穫機において、野菜を保持しつつ搬送する搬送部材を簡単な構造で補強し、搬送部材の大きな変形を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
次に、本発明の実施の形態を説明する。図1は野菜収穫機の全体構成を示す斜視図、図2は同じく平面図、図3は同じく右側面図である。図4は野菜搬送部に具備される搬送装置の構成を示す説明図、図5は搬送装置に具備される第二搬送部材の一部断面図、図6は第一実施形態に係る支持ローラの一部断面説明図である。図7は第一実施形態の別実施例であり、支持ローラをギア型に構成した場合の搬送装置の構成を示す断面説明図である。図8は第二実施形態に係る支持ローラの一部断面説明図、図9は第二実施形態に係る搬送装置の構成を示す断面説明図である。図10は第三実施形態に係る支持ローラ及び搬送部材の一部断面説明図である。図11は第四実施形態に係る搬送装置の断面説明図である。図12は従来の野菜収穫機に具備される搬送装置の構成を示す説明図である。
【0009】
以下では、図1を参照して、野菜収穫機1の全体的な構成について説明する。なお、以下では本実施形態の野菜収穫機1によって収穫される野菜を玉葱として説明するが、本発明はこれに特に限定するものではなく、例えばじゃがいもや人参等、畝から引き抜かれて畝上に置かれている野菜であればよい。また、以下の説明においては、図1に示した矢印Aの方向を野菜収穫機1の進行方向、つまり前方向として、前後左右方向を規定するものとする。
【0010】
野菜収穫機1は、畝上に置かれた玉葱を回収し、コンテナ61・61・・・に収納するために使用される収穫機である。図1に示すように、野菜収穫機1は、主として機体フレーム2、エンジン(不図示)、クローラ走行装置3・3、操縦部4、野菜掻き込み部10、野菜搬送部30、コンテナ搬送部60を具備する。野菜掻き込み部10は野菜収穫機1の最前部に配置され、野菜掻き込み部10の下方に野菜搬送部30の前部が連設される。そして、野菜搬送部30は、前低後高に形設され、その最後部の下方にコンテナ搬送部60が連設される。
【0011】
畝から引き抜かれて畝上に置かれている玉葱は、野菜掻き込み部10により掻き込まれて野菜搬送部30に受け渡され、野菜搬送部30にて後方へ保持・搬送される。野菜搬送部30の終端まで搬送された玉葱は、落下シュート50を経て、コンテナ搬送部60のコンテナ搬送台62上にセットされるコンテナ61中へ収容される。
【0012】
以下では、図1から図7を参照して、野菜収穫機1の全体的な構成について説明する。
【0013】
機体フレーム2は、野菜収穫機1の主たる構造体となるものである。図1に示すように、機体フレーム2は、長手方向を前後方向として、複数の板材により構成される略箱状の部材である。
【0014】
前記エンジンは、野菜収穫機1が駆動するための動力を発生する動力源である。前記エンジンは、機体フレーム2に搭載される。
【0015】
左右一対のクローラ走行装置3・3は、機体フレーム2を支持し、野菜収穫機1を走行可能とするものである。クローラ走行装置3・3は機体フレーム2の下部に具備され、前記エンジンの動力により駆動される。
【0016】
操縦部4は、複数のレバー等を備え、オペレータによって野菜収穫機1の操縦が行われる部位である。図2及び図3に示すように、操縦部4は、機体フレーム2の最後部に具備される。操縦部4では、適宜のレバー操作等によってクローラ走行装置3・3及び作業部(野菜掻き込み部10及び野菜搬送部30)を別個に駆動できるように構成される。
【0017】
野菜掻き込み部10は、畝上に置かれている玉葱を掻き込んで野菜搬送部30に受け渡すための部位である。図3に示すように、野菜掻き込み部10は、左右一対の支持アーム11・11、掻き込み駆動ケース14、掻き込み装置15等を具備する。
【0018】
支持アーム11・11は、掻き込み装置15を支持する部材である。支持アーム11・11は、掻き込み装置15を挟んで両側に左右一対に具備される。支持アーム11の後端部は、回動支持部12にて、搬送駆動ケース31の後端部に枢支される。また、支持アーム11と搬送駆動ケース31の間には油圧シリンダ13が枢結されており、油圧シリンダ13を動作させることによって、掻き込み装置15の野菜搬送部30に対する相対高さを調整できる構成となっている。支持アーム11の前端部には、掻き込み装置15の駆動軸16が横架される。
【0019】
掻き込み駆動ケース14は、掻き込み装置15の動力伝達機構を内装するものである。掻き込み駆動ケース14は、左側の支持アーム11に並設される。掻き込み駆動ケース14には、掻き込み装置15の前記動力伝達機構が内装され、該動力伝達機構から動力を受けて駆動軸16が回転駆動される。
【0020】
掻き込み装置15は、畝上の玉葱を搬送装置34上に案内するための装置である。掻き込み装置15は、支持アーム11・11の前端部に回転運動可能に支持される。図1及び図3に示すように、掻き込み装置15は、主として駆動軸16、回転輪17、回転輪18、掻き込み体20・20・・・を具備する。
【0021】
回転輪17・18は駆動軸16に固定され、回転輪17・18の間に横架された支持軸・21・21・・・には掻き込み体20・20・・・が回転可能に取り付けられる。この掻き込み体20・20・・・は、左右方向を長手とする長方形の形状とされる。こうして、支持軸21・21・・・に取り付けられた掻き込み体20・20・・・は、駆動軸16を中心として回転することができる。
【0022】
このような構成により、掻き込み装置15を畝上に近づけた際に、野菜収穫機1の右側面から見て時計回りに掻き込み体20・20・・・を回転運動させることで、畝上に置かれた玉葱を掻き込み、連設される野菜搬送部30に案内することができる。
【0023】
野菜搬送部30は、野菜掻き込み部10から受け渡された玉葱を落下シュート50の上方まで搬送するための部位である。野菜搬送部30は、主として左右一対の搬送駆動ケース31・31及び搬送装置34を具備する。
【0024】
搬送駆動ケース31・31は、搬送装置34の動力伝達機構を内装するものである。図3に示すように、搬送駆動ケース31・31は、搬送装置34の両側に左右一対に並設される。搬送駆動ケース31の外側後端部は、回動支持部33にて回動支持板23の一端に枢支される。回動支持板23の他端は、機体フレーム2の支柱に連結される。また、搬送駆動ケース31と機体フレーム2の間には油圧シリンダ32が枢結されており、油圧シリンダ32を動作させることによって、搬送駆動ケース31の機体フレーム2に対する相対高さを調整できる構成となっている。
【0025】
図4に示すように、搬送装置34は、主として左右一対の駆動スプロケット35・35、駆動軸36、左右一対の従動スプロケット37・37、従動軸38、無端帯として構成される左右一対の搬送チェーン43・43、該搬送チェーン43・43の間に横架される搬送部材、搬送ガイド49・49を具備する。前記搬送部材は第一搬送部材44・44・・・と第二搬送部材48・48・・・が交互に左右一対の搬送チェーン43・43の間に架設され、無端体の野菜搬送面が構成される。玉葱は、第一搬送部材44・44・・・及び第二搬送部材48・48・・・の間に保持されて搬送される。
【0026】
駆動スプロケット35・35、従動スプロケット37・37、及び搬送チェーン43・43は、搬送駆動ケース31・31に内装される。駆動スプロケット35・35は搬送駆動ケース31・31の後部に左右一対に具備され、従動スプロケット37・37は搬送駆動ケース31・31の前部に左右一対に具備される。
【0027】
駆動軸36の左右両端部には駆動スプロケット35・35が固設される。駆動軸36の両端は、搬送駆動ケース31・31の後部に挿入されて軸受けを介して支持される。このようにして、駆動スプロケット35・35は駆動軸36に対して相対回転不能に設けられる。
【0028】
従動軸38の左右両端部には従動スプロケット37・37が軸受けを介して支持される。従動軸38の両端は、搬送駆動ケース31・31の前部に挿入されて固設される。このようにして、従動スプロケット37・37は従動軸38に対して相対回転可能に設けられる。なお、従動軸38に具備される支持ローラ41の構成については後に詳述する。
【0029】
搬送チェーン43・43は、駆動スプロケット35・35と従動スプロケット37・37に巻回され、左右一対に具備される。このように構成することより、駆動スプロケット35・35が図示せぬ駆動装置により回転駆動されると、搬送チェーン43・43が搬送方向に回転駆動される。
【0030】
第一搬送部材44・44・・・及び第二搬送部材48・48・・・は、前記搬送チェーン43・43の間に交互に配置するように横架して、所定間隔をあけて平行に並べることですだれ状の搬送面(以下、野菜搬送面というものとする)が形成されるように構成される。こうして、駆動スプロケット35・35を回転駆動することにより搬送チェーン43・43が回転駆動され、第一搬送部材44・44・・・及び第二搬送部材48・48・・・を搬送方向に向かって移動させることができるように構成される。
【0031】
図4に示すように、第一搬送部材44・44・・・と、第二搬送部材48・48・・・を、交互に配置して構成される無端帯の前記野菜搬送面の上方には、該野菜搬送面の傾きに沿わせるようにして、二本の棒状の搬送ガイド49・49が具備される。搬送ガイド49・49の下端は駆動ケース31・31の内側に固定され、上端部は前記野菜搬送面の上側終端部に配置される。左右の搬送ガイド49・49は、平面視において略「八」字が形成されるように配置される。このように構成することにより、搬送装置34の下部において左右方向に幅広く載置された玉葱は、上方に搬送されるにしたがって搬送ガイド49・49によってガイドされ、搬送装置34の終端部においては、前記野菜搬送面の左右中央側に集められる。このように構成することにより、玉葱の流れを搬送装置34の左右幅の範囲内に集束させることができ、コンテナ61の中に確実に収容することができる。
【0032】
搬送装置34の終端部の下方後方には落下シュート50が配置されており、搬送装置34の終端部まで搬送された玉葱は、落下シュート50の上方まで受け継がれた後、落下シュート50の内部を通過して、コンテナ搬送台62に設置されたコンテナ61内に投入される。落下シュート50の内部にはゴム状の弾性体により構成されるクッションが貼付されており、これにより、玉葱を落下衝撃による損傷から守ることができる。
【0033】
コンテナ搬送部60は、落下シュート50から受け渡された玉葱をコンテナ61に収容したり、空のコンテナ61を落下シュート50の下方に搬送したりするための部位である。図2に示すように、コンテナ搬送部60は、コンテナ搬送台62とコンテナ台63から構成される。
【0034】
コンテナ搬送台62は、落下シュート50から受け渡された玉葱を収容するコンテナ61を設置するための部位である。コンテナ搬送台62は、機体フレーム2の後方に具備される。
【0035】
コンテナ台63は、コンテナ搬送台62に隣接して右側に具備される。コンテナ台63には、空のコンテナ61・61・・・が待機しており、コンテナ台63からコンテナ搬送台62へ空のコンテナ61が供給されるように構成される。
【0036】
次に、本実施形態において前記搬送部材の変形を防止する構成について説明する。図6に示すように、左右一対の前記従動スプロケット37・37を支持する前記従動軸38上には、第二搬送部材48と当接して変形を防止するための支持ローラ41が少なくとも一つ具備される。
【0037】
支持ローラ41は、搬送チェーン43・43により従動軸38の回りに送られてきた第二搬送部材48・48・・・を、該第二搬送部材48・48・・・の左右略中央部で支持する、円筒状の部材である。支持ローラ41は、従動軸38の左右略中央部に具備される。より詳細には、従動軸38の左右略中央部の外周に面取りを施し、支持ローラ41の左右略中央から半径方向にネジ孔を軸心に向けて開口し、該ネジ孔に止めネジ42を螺装してその先端を前記面取り部分に当接させて従動軸38上に支持ローラ41を固設する。支持ローラ41の内径は従動軸38を嵌挿できるように該従動軸38の外径に略一致させ、支持ローラ41の外径は、従動軸38回りで回転するときの第二搬送部材48・48・・・の左右中央部の内側外周の半径に略一致させている。支持ローラ41の左右幅は、第二搬送部材48・48・・・を適切に支持し得る長さに構成する。なお、本実施形態では支持ローラ41を従動軸38上において左右略中央部に一つ設けているが、二つ以上左右均等に配置して、複数の箇所で第二搬送部材48・48・・・が支持される構成とすることも可能である。また、支持ローラ41は従動軸38に対して回転可能に取り付けることもできる。
【0038】
本実施形態では支持ローラ41を具備することで、第二搬送部材48・48・・・を左右略中央部で支持し、補強することができる。このように構成することにより、第二搬送部材48・48・・・の屈曲・変形を防止することが可能である。さらに、支持ローラ41が具備されることにより、従動軸38の左右略中央部においては、第二搬送部材48・48・・・と従動軸38との間の隙間が埋められ、強度が最も小さい左右略中央部への石等の噛み込みを防止することができる。
【0039】
特に、平畝上に栽培した玉葱は、2条で栽培されることが多いため、左右両刃輪のサブソイラ等で掘り起こされる平畝の両端部の土壌は軟らかくなっているが、平畝の左右中央部はサブソイラが届かず土壌が硬くなっている。本実施形態のように、従動軸38の左右略中央部に支持ローラ41を配置することにより当該部分が平畝の中央部に突っ込んでも支持ローラ41により補強されているため、第二搬送部材48・48・・・は屈曲・変形しにくい。さらに、支持ローラ41を従動軸38上に複数設けることで、第二搬送部材48・48・・・を複数箇所で支持することができるので、さらに屈曲・変形し難くすることが可能となる。
【0040】
本実施形態では、支持ローラ41の形状を円筒状として説明したが、別実施例として、これを図7に示すような断面視略ギア型の形状とすることも可能である。つまり、支持ローラ41は、周回する搬送チェーン43・43の外周側に位置する第一搬送部材44・44・・・が当接可能な大径部41aと、周回する搬送チェーン43・43の内周側に位置する第二搬送部材48・48・・・が当接可能な溝部41bとが、所定間隔(つまり、第一搬送部材44と第二搬送部材48との間隔)をおいて交互に外周に形成されている。この場合には、搬送チェーン43・43により従動軸38の回りに送られてきた第二搬送部材48・48・・・が、ギア型の溝部41b・41b・・・に係合して支持され、ギア型の大径部41a・41a・・・が、従動軸38の回りに送られてきた第一搬送部材44・44・・・と当接して支持される。こうして、第一搬送部材44・44・・・と第二搬送部材48・48・・・とを、一つの支持ローラ41で同時に支持して屈曲・変形を防止することが可能となる。
【0041】
また、本実施形態では、支持ローラ41が止めネジ42により従動軸38に固設されるものとして説明したが、本発明はこれに限らず、溶接等の手段により従動軸38に固設したり、或いは支持ローラ41の両側にリングまたはピン等を配置して回転可能に係止する構成であってもよい。
【0042】
次に、図4及び図5を参照して、第一搬送部材44・44・・・の詳細な構成について説明する。搬送装置34に具備される複数の第一搬送部材44・44・・・は、いずれも略同一の構成のものであるので、以下第一搬送部材44・44・・・のうちの一本につき説明する。
【0043】
第一搬送部材44は直線状の部材である。図4に示すように、第一搬送部材44は、搬送チェーン43・43に等間隔に横架される。図5に示すように、第一搬送部材44は、主として軸部材45、第一カラー46、第二カラー47を具備する。
【0044】
軸部材45は、第一搬送部材44の主たる構造体となるものである。軸部材45の両端は、搬送チェーン43・43に連結される。
【0045】
第一カラー46及び第二カラー47は、円筒状の部材である。第一カラー46の内径は、軸部材45の外径よりも僅かに大きく、軸部材45に対して回転可能に構成される。第一カラー46の左右幅は第一搬送部材44の左右幅よりも僅かに短く、軸部材45に第一カラー46を左右二分割して並べて挿入した状態で具備される。第二カラー47の内径は、第一カラー46の当接部46a(後に詳述する)の外径よりも僅かに大きく、第一カラー46に対して回転可能に構成される。第二カラー47は、第一カラー46の分割部分の外周を覆うように構成される。
【0046】
第一カラー46の機体左右中央側の端部には、他の主体となる部分46bの外径よりも小さくした当接部46aが形成されている。該当接部46aの外径は第二カラー47の内径よりも僅かに小さくなるように構成される。また、当接部46a以外の部分46bの外径は、第二カラー47の内径よりも僅かに大きくなるように構成される。そして、左右の当接部46a・46a上に第二カラー47が回転自在に外嵌される。このように構成することにより、第二カラー47を第一カラー46の左右中央部に保持し、第二カラー47が常に、第一カラー46の分割部分の外周を覆うようにすることができる。なお、第二カラー47は、鉄等の硬い素材で構成される。
【0047】
本実施形態では、第二カラー47を具備することで、従来では軸部材45がむき出しになっていた第一カラー46の分割部分が第二カラー47で覆われ、補強される。このように構成することにより、第一搬送部材44の屈曲・変形を防止することが可能である。
【0048】
ここで、第二カラー47は鉄等の素材で構成されるものとして説明したが、本実施形態はこれに限らず、塩化ビニル、合成樹脂等の素材から構成されるものであってもよい。つまり、石等との接触に耐え得る強度を有する素材であればよい。
【0049】
また、第一カラー46及び第二カラー47は軸部材45に対して回転可能である。このため、搬送中の玉葱が第一搬送部材44の上に落下した場合でも、第一カラー46及び第二カラー47の回転により落下によるショックが和らげられ、玉葱の損傷を防ぐことができる。
【0050】
本実施形態では、第一カラー46は軸部材45の軸方向に二つに等分割されたものとして説明したが、本発明はこれに限らず、第一カラー46を二つ以上に分割したものとしてもよい。この場合には、当該分割部分の各々に第二カラー47を具備する構成とする。
【0051】
次に、図4及び図6を参照して、第二搬送部材48・48・・・の詳細な構成について説明する。搬送装置に具備される複数の第二搬送部材48・48・・・は、いずれも略同一の構成のものであるので、以下第二搬送部材48・48・・・のうちの一本につき説明する。
【0052】
図6に示すように、第二搬送部材48は、左右方向中央部側が内周側に凹むように延設して形成される。つまり、平面視(正面視)で長手方向に凹凸を有する形状となっている。搬送チェーン43・43に取り付けられる両端部を凸部48a・48aとし、該凸部48a・48a以外の部分を玉葱の搬送面に対して略垂直に窪ませた凹部48bとして形成される。つまり、第二搬送部材48は、搬送チェーン43・43との連結部近傍以外の部分を凹部48bが占めるように構成される。
【0053】
前記野菜搬送面の上面において、第二搬送部材48の凹部48bと、その前後の第一搬送部材44・44の位置関係は、前記凹部48bが、第一搬送部材44・44よりも下方に配置される。そして、凹部48bと第一搬送部材44により、側面視において三角形状の載置スペース(図11に点線で示した。以下、載置スペースというものとする)が形成される。該載置スペースに玉葱が挟まれ、搬送方向に向かって移動される構成となっている。前記載置スペースの左右幅や深さは、第一搬送部材44・44・・・と第二搬送部材48・48・・・の配列間隔、及び、凹部48bの窪みの深さにより決定されるものであるから、収穫される玉葱のサイズに合わせて、適宜、前記配列間隔や窪みの深さを設計変更することにより、最適化することができる。
【0054】
また、前記野菜搬送面に玉葱が載せられると、前記載置スペースに玉葱が自然に収まるため、玉葱を安定した状態で保持しつつ搬送することができる。また、一つの前記載置スペースにつき左右方向に複数の玉葱を載せて搬送することができ、大量の玉葱を一度に搬送することができる。さらに、凸部48aにより、玉葱の左右方向への移動が規制されるため、搬送中の玉葱が搬送チェーン43・43と接触して損傷するのを防止することができる。
【0055】
次に、図8及び図9を参照して、第二実施形態に係る野菜収穫機1について説明する。野菜収穫機1が前述の第一実施形態に係る野菜収穫機1と異なる点は、(1)支持ローラ241が従動軸38に対して回転可能に構成される点と、(2)支持ローラ241に複数の羽根体270・270・・・が具備される点である。なお、以下では、野菜収穫機1と略同一の構成の部材には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0056】
支持ローラ241は、搬送チェーン43・43により従動軸38の回りに送られてきた第二搬送部材48・48・・・を、該第二搬送部材48・48・・・の左右略中央部で支持する、円筒状の部材である。図8に示すように、支持ローラ241は、従動軸38の左右略中央部に転がり軸受け250を介して回転可能に具備される。より詳細には、転がり軸受け250の内輪251は固定カラー260の中央部に固定され、該固定カラー260を介して従動軸38の左右略中央部に固定される。固定カラー260の両端部は従動軸38に嵌挿して、ボルト261及びナット262によって従動軸38に締結固定される。一方、転がり軸受け250の外輪252は支持ローラ241の内側に固定される。こうして、支持ローラ241は転がり軸受け250を介して従動軸38に外嵌される。このような構成により、支持ローラ241は従動軸38に対して回転可能となっている。支持ローラ241の外径は、従動軸38回りで回転するときの第二搬送部材48・48・・・の左右中央部の内側外周の半径に略一致させている。支持ローラ241の左右幅は、第二搬送部材48・48・・・を適切に支持し得る長さに構成する。なお、本実施形態では支持ローラ241を従動軸38上において左右略中央部に一つ設けているが、二つ以上左右均等に配置して、複数の箇所で第二搬送部材48・48・・・が支持される構成とすることも可能である。
【0057】
図9に示すように、支持ローラ241の外周には、羽根体270・270・・・が等間隔に具備される。本実施形態においては、三つの羽根体270・270・270が一つの支持ローラ241に放射状に植設される。三つの羽根体270・270・270は、いずれも略同一の構成のものであるので、以下羽根体270・270・270のうちの一つにつき説明する。羽根体270は、外径部271と切欠部272と傾斜部273を有する略台形状の非対称な形状の部材である。
【0058】
羽根体270の外径部271は、前記羽根体270の最外側円周部に相当し、搬送チェーン43・43により従動軸38の回りに送られてきた第一搬送部材44・44・・・を、該第一搬送部材44・44・・・の左右略中央部で支持する。羽根体270の外径は、従動軸38回りで回転するときの第一搬送部材44・44・・・の左右中央部の内側外周の半径に略一致させている。羽根体270の左右幅は、第一搬送部材44・44・・・を適切に支持し得る長さに構成される。
【0059】
羽根体270の切欠部272は、搬送チェーン43・43の回転方向下流側の支持ローラ241への取付基部側に位置し、搬送チェーン43・43により従動軸38の回りに送られてきた第二搬送部材48・48・・・が当接する部位である。該第二搬送部材48・48・・・が切欠部272に嵌り込むことによって、羽根体270が第二搬送部材48・48・・・により押され、支持ローラ241の回転が誘導される。
【0060】
羽根体270の傾斜部273は、緩やかな傾斜を有する部位であり、切欠部272のある側と反対側に設けられる。搬送チェーン43・43により従動軸38の回りに送られてきた第二搬送部材48・48・・・が前記切欠部272に嵌り込んで支持ローラ241が回転されると、その下流側の第二搬送部材48はその下流側の羽根体270の傾斜部273に当接する。すると、前記第二搬送部材48は傾斜部273の傾斜に沿ってスムーズに搬送チェーン43・43の駆動方向上流側へ移動される。よって、第二搬送部材48の傾斜部273への接触が要因となって羽根体270の回転が妨げられることはなく、また第二搬送部材48が外径部271に乗り上げられることもなく、支持ローラ241は従動軸38回りにスムーズに回転運動し続けることができる。
【0061】
本実施形態では、複数の羽根体270・270・・・を備えた支持ローラ241が従動軸38に具備されることで、第一搬送部材44・44・・・と第二搬送部材48・48・・・とを同時に支持して屈曲・変形を防止することが可能となる。
【0062】
また、支持ローラ241は従動軸38に対して回転可能に構成されるので、支持ローラ241の回転運動に連動して従動軸38が回転されることがない。そのため、従動軸38の外周に畝上の雑草等が絡み付くのを防止でき、メンテナンスの手間が省ける。
【0063】
次に、図10を参照して、第三実施形態に係る野菜収穫機1について説明する。野菜収穫機1が前述の第二実施形態に係る野菜収穫機1と異なる点は、(1)支持ローラ341に羽根体270・270・・・が具備されていない点と、(2)支持ローラ341が第一搬送部材44・44・・・と当接する点と、(3)第二搬送部材348が支持ローラ341と当接する部分(本実施形態においては左右略中央部)に凸形状の支持部348cが形成される点である。なお、以下では、野菜収穫機1及び野菜収穫機1と略同一の構成の部材には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0064】
支持ローラ341は、搬送チェーン43・43により従動軸38の回りに送られてきた第一搬送部材44・44・・・を、該第一搬送部材44・44・・・の左右略中央部で支持する、円筒状の部材である。図10に示すように、従動軸38回りで回転するときの第一搬送部材44・44・・・の左右中央部の内側外周の半径は、支持ローラ341の外径と略一致させている。支持ローラ341は、従動軸38の左右略中央部に転がり軸受け250を介して回転可能に具備される。
【0065】
第二搬送部材348は、前述の第二搬送部材48と同様に、内周側に凹むように形成される。つまり、平面視(正面視)で長手方向に凹凸を有する形状となっている。搬送チェーン43・43に取り付けられる両端部を凸部48aとし、該凸部48a以外の大部分を玉葱の搬送面に対して略垂直に窪ませた凹部348bとして形成される。つまり、第二搬送部材348は、搬送チェーン43・43との連結部近傍以外の大部分を凹部348bが占めるように構成される。第二搬送部材348にはさらに、凹部348bの左右略中央部に凸形状の支持部348cが形成される。従動軸38回りで回転するときの第二搬送部材348・348・・・の支持部348c・348c・・・の内側外周の半径は、支持ローラ341の外径と略一致させている。
【0066】
本実施形態では支持ローラ341を具備することで、第一搬送部材44・44・・・及び第二搬送部材348・348・・・を左右略中央部で支持し、補強することができる。このように構成することにより、第一搬送部材44・44・・・及び第二搬送部材348・348・・・の双方の屈曲・変形を防止することが可能である。さらに、支持ローラ341が具備されることにより、従動軸38の左右略中央部においては、搬送部材(第一搬送部材44及び第二搬送部材348)と従動軸38との間の隙間が埋められ、強度が最も小さい左右略中央部への石等の噛み込みを防止することができる。
【0067】
また、支持ローラ341は従動軸38に対して回転可能に構成されるので、支持ローラ341の回転運動に連動して従動軸38が回転されることがない。そのため、従動軸38の外周に畝上の雑草等が絡み付くのを防止でき、メンテナンスの手間が省ける。
【0068】
次に、図11を参照して、第四実施形態に係る野菜収穫機1について説明する。野菜収穫機1が前述の第一実施形態に係る野菜収穫機1と異なる主要な点は、(1)固定板401・401・・・を具備する点と、(2)支持ローラ41を具備しない点である。なお、以下では、野菜収穫機1と略同一の構成の部材には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0069】
野菜収穫機1に具備される複数の固定板401・401・・・は、いずれも略同一の構成のものであるので、以下固定板401・401・・・のうちの一つにつき説明する。同様に、第一搬送部材44・44・・・及び第二搬送部材48・48・・・についてもそれぞれ一本につき説明する。
【0070】
図11に示すように、固定板401は、第一搬送部材44の第二カラー47と第二搬送部材48とを連結する部材である。野菜収穫機1には、交互に配置される第一搬送部材44及び第二搬送部材48の間に固定板401が具備され、第一搬送部材44の第二カラー47とその搬送方向下流側(または搬送方向上流側)の第二搬送部材48の間にそれぞれ横架される。固定板401は、鉄等の硬い素材で構成される略板状の部材である。固定板401の一端は第二カラー47の左右略中央部に固設され、他端は第二搬送部材48の左右略中央部に支持板402を介して固定される。
【0071】
より詳細には、第二搬送部材48の左右略中央部に軸心方向に対して直角方向に支持板402が周回する内方向に突設される。支持板402にはネジ孔またはピン孔である貫通孔402hが開口され、または、ピンが側方に突設されている。一方、固定板401の他端には長孔で構成した挿通孔401hが設けられ、該挿通孔401hにカラー部材(不図示)を介装してボルト等の締結部材403を挿入し締結する。または、挿通孔401hにカラー部材(不図示)を介装してピンを挿入する。或いは、ピンを固定板401から突設して、支持板402に長孔の貫通孔402hを開口する構成とすることもできる。
【0072】
こうして、固定板401の一端が溶接等により第一搬送部材44の左右略中央部に固設され、固定板401の他端が、挿通孔401hの範囲内で摺動可能に第二搬送部材48の左右略中央部に連結される。よって、第一搬送部材44及び第二搬送部材48が駆動軸36または従動軸38の回りを周回するときに、第一搬送部材44と第二搬送部材48の間の間隔が伸びても前記搬送部材の移動に支障がないようにしている。このとき、固定板401は第一搬送部材44と第二搬送部材48により形成される前記載置スペース内に入らないように取り付けられ、玉葱が固定板401との接触によって傷つけられないようにしている。
【0073】
本実施形態では、第二カラー47を具備することで、従来では軸部材45がむき出しになっていた第一カラー46の分割部分が第二カラー47で覆われ、補強される。さらに、固定板401を具備することで、第一搬送部材44及び第二搬送部材48の最も強度の小さい部分である左右略中央部が補強される。このように構成することにより、第一搬送部材44及び第二搬送部材48の双方の屈曲・変形を防止することが可能である。
【0074】
ここで、固定板401は鉄等の素材で構成されるものとして説明したが、本実施形態はこれに限らず、合成樹脂等、第一搬送部材44及び第二搬送部材48を有効に補強し得る強度を有する素材であればよい。なお、本実施形態においては、固定板401の一端は第二カラー47の左右略中央部に固設され、他端は第二搬送部材48の左右略中央部に支持板402を介して固定されるものとして説明したが、本発明はこれに特に限らず、例えば、固定板401の一端が第二カラー47の左右略中央部に支持板402を介して固定され、固定板401の他端が第二搬送部材48の左右略中央部に固設される構成であっても構わない。
【0075】
また、本実施形態の固定板401は、隣り合う第一搬送部材44の第二カラー47と第二搬送部材48の間に一つずつ具備されるものとして説明したが、本発明はこれに特に限定するものでなく、二つ以上具備される構成としてもよい。つまり、隣接する第一搬送部材44の第二カラー47と第二搬送部材48の間に、固定板401が二つ以上具備される構成としてもよく、さらには第二カラー47を二つ以上設けて第二搬送部材48との間に固定板401を架設する構成であってもよい。この場合、従動軸38上に前述の支持ローラ41を配置することが可能となり、固定板401と支持ローラ41とを併用することによってさらに補強することができて、第一搬送部材44及び第二搬送部材48の屈曲・変形を防止することが可能となる。また、固定板401の取り付け位置を支持ローラ41を避けた位置に配置することも可能である。
【0076】
本実施形態では、第一カラー46は軸部材45に対して回転可能である。このため、搬送中の玉葱が第一搬送部材44の上に落下した場合でも、第一カラー46の回転により落下によるショックが和らげられ、玉葱の損傷を防ぐことができる。一方、本実施形態では第二カラー47は固定板401に固設されているため、第二カラー47の回転は制限される点で、第一実施形態とは相違する。
【0077】
以上のように、第一実施形態に係る野菜収穫機1は、走行装置であるクローラ走行装置3・3と、野菜掻き込み部10と、前記野菜掻き込み部10によって掻き込まれた野菜を受け取って所望の位置まで搬送する野菜搬送部30と、を具備し、前記野菜搬送部30は、左右一対の駆動スプロケット35・35と、左右一対の従動スプロケット37・37と、前記左右一対の駆動スプロケット35・35及び左右一対の従動スプロケット37・37に巻回される左右一対の無端体としての搬送チェーン43・43と、前記左右一対の搬送チェーン43・43の間に横架するように設けられ、野菜を保持しつつ搬送する搬送部材と、を有し、前記搬送部材は、前記搬送チェーン43・43に対して外周側に設けられる複数の第一搬送部材44・44・・・と、該第一搬送部材44・44・・・と隣接する第一搬送部材44・44・・・との間で前記搬送チェーン43・43に対して内周側に延出して設けられる複数の第二搬送部材48・48・・・とを含み、前記第一搬送部材44・44・・・は、軸部材45・45・・・と、該軸部材45・45・・・の外周を覆うとともに該軸部材45・45・・・に対して回転可能に設けられる第一カラー46・46・・・とを含み、前記第一カラー46・46・・・は、前記軸部材45・45・・・の軸方向に複数に分割され、その分割部分の外周を覆うとともに該第一カラー46・46・・・に対して回転可能に設けられる第二カラー47・47・・・が取り付けられる構成とすることにより、第一搬送部材44・44・・・を簡単な構造で補強したものである。即ち、第二カラー47を具備することで、従来では軸部材45がむき出しになっていた第一カラー46の分割部分が第二カラー47で覆われ、補強される。このように構成することにより、第一搬送部材44の屈曲・変形を防止することが可能である。
【0078】
また、第四実施形態に係る野菜収穫機1は、前記第一搬送部材44・44・・・と第二搬送部材48・48・・・とは、交互に配置され、前記第一搬送部材44・44・・・の第二カラー47・47・・・と、該第二カラー47・47・・・に隣接する何れか一つの第二搬送部材48・48・・・とを固定板401・401・・・で連結する構成とすることにより、第一搬送部材44・44・・・及び第二搬送部材48・48・・・を簡単な構造で補強したものである。即ち、第二カラー47を具備することで、従来では軸部材45がむき出しになっていた第一カラー46の分割部分が第二カラー47で覆われ、補強される。さらに、固定板401を具備することで、第一搬送部材44及び第二搬送部材48の双方の最も強度の小さい部分である左右略中央部が補強される。
【0079】
また、第一実施形態に係る野菜収穫機1は、走行装置であるクローラ走行装置3・3と、野菜掻き込み部10と、前記野菜掻き込み部10によって掻き込まれた野菜を受け取って所望の位置まで搬送する野菜搬送部30と、を具備し、前記野菜搬送部30は、左右一対の駆動スプロケット35・35と、左右一対の従動スプロケット37・37と、前記左右一対の駆動スプロケット35・35及び左右一対の従動スプロケット37・37に巻回される左右一対の無端体としての搬送チェーン43・43と、前記左右一対の搬送チェーン43・43の間に横架するように設けられ、野菜を保持しつつ搬送する搬送部材と、を有し、前記搬送部材は、前記搬送チェーン43・43に対して外周側に設けられる複数の第一搬送部材44・44・・・と、該第一搬送部材44・44・・・と隣接する第一搬送部材44・44・・・との間で前記搬送チェーン43・43に対して内周側に延出して設けられる複数の第二搬送部材48・48・・・とを含み、前記左右一対の従動スプロケット37・37を支持する従動軸38上に、前記搬送部材(第一搬送部材44・44・・・及び/または第二搬送部材48・48・・・)と当接して支持し補強する少なくとも一つの支持ローラ41を設ける構成とすることにより、前記搬送部材(第一搬送部材44・44・・・及び/または第二搬送部材48・48・・・)を簡単な構造で補強したものである。即ち、支持ローラ41を具備することで、前記搬送部材(第一搬送部材44・44・・・及び/または第二搬送部材48・48・・・)を支持し、補強することができる。このように構成することにより、第一搬送部材44・44・・・及び/または第二搬送部材48・48・・・の屈曲・変形を防止することが可能である。さらに、支持ローラ41が従動軸38上の左右略中央部に一つ具備されることにより、第一搬送部材44・44・・・及び/または第二搬送部材48・48・・・と従動軸38の間の隙間が埋められ、強度が最も小さい左右略中央部への石等の噛み込みを防止することができる。或いは支持ローラ41を従動軸38上に二つ以上設けることで、第一搬送部材44・44・・・及び/または第二搬送部材48・48・・・が支持される間隔が狭くなり、さらに屈曲・変形し難くなる。
【0080】
また、第三実施形態に係る野菜収穫機1は、前記支持ローラ341は、前記第二搬送部材348・348・・・と当接可能に構成することにより、第二搬送部材348・348・・・を簡単な構造で補強したものである。即ち、支持ローラ341を具備することで、一つの部材で第二搬送部材348・348・・・を支持し、補強することができる。このように構成することにより、第二搬送部材348・348・・・の屈曲・変形を防止することが可能である。さらに、支持ローラ341が従動軸38上の左右略中央部に一つ具備されることにより、従動軸38の左右略中央部においては、第一搬送部材44及び第二搬送部材348と従動軸38との間の隙間が埋められ、強度が最も小さい左右略中央部への石等の噛み込みを防止することができる。或いは、支持ローラ41を従動軸38上に二つ以上設けることで、第二搬送部材348・348・・・が支持される間隔が狭くなり、さらに屈曲・変形し難くなる。或いは、本実施形態のように、支持ローラ341を第一搬送部材44・44・・・とも当接可能に構成することにより、第一搬送部材44・44・・・と第二搬送部材348・348・・・の双方の屈曲・変形を防止することも可能である。また、支持ローラ341は従動軸38に対して回転可能に構成されるので、支持ローラ341の回転運動に連動して従動軸38が回転されることがない。そのため、従動軸38の外周に畝上の雑草等が絡み付くのを防止でき、メンテナンスの手間が省ける。
【0081】
また、第二実施形態に係る野菜収穫機1は、前記支持ローラ241は、前記第一搬送部材44・44・・・と当接可能に構成した羽根体270・270・・・を備える構成とすることにより、第一搬送部材44・44・・・及び第二搬送部材48・48・・・を簡単な構造で補強したものである。即ち、複数の羽根体270・270・・・を備えた支持ローラ241が従動軸38に具備されることで、第一搬送部材44・44・・・と第二搬送部材48・48・・・の双方を支持して屈曲・変形を防止することが可能となる。
また、支持ローラ241は従動軸38に対して回転可能に構成されるので、支持ローラ241の回転運動に連動して従動軸38が回転されることがない。そのため、従動軸38の外周に畝上の雑草等が絡み付くのを防止でき、メンテナンスの手間が省ける。
【0082】
また、第一実施形態の別実施例に係る野菜収穫機1は、前記支持ローラ41は、前記第一搬送部材44・44・・・と当接可能な大径部41a・41a・・・と、前記第二搬送部材48・48・・・と当接可能な溝部41b・41b・・・とを有する構成とすることにより、第一搬送部材44・44・・・及び第二搬送部材48・48・・・を簡単な構造で補強したものである。即ち、支持ローラ41を具備することで、第一搬送部材44・44・・・及び第二搬送部材48・48・・・を支持し、補強することができる。このように構成することにより、第一搬送部材44・44・・・及び第二搬送部材48・48・・・の双方の屈曲・変形を一つの部材(支持ローラ41)によって同時に防止することが可能である。さらに、支持ローラ41が従動軸38上の左右略中央部に一つ具備されることにより、従動軸38の左右略中央部においては、第一搬送部材44及び第二搬送部材48と従動軸38との間の隙間が埋められ、強度が最も小さい左右中央部への石等の噛み込みを防止することができる。或いは、支持ローラ41を従動軸38上に二つ以上設けることで、第一搬送部材44・44・・・及び第二搬送部材48・48・・・が支持される間隔が狭くなり、さらに屈曲・変形し難くなる。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】野菜収穫機の全体構成を示す斜視図である。
【図2】同じく平面図である。
【図3】同じく右側面図である。
【図4】野菜搬送部に具備される搬送装置の構成を示す説明図である。
【図5】搬送装置に具備される第二搬送部材の一部断面図である。
【図6】第一実施形態に係る支持ローラの一部断面説明図である。
【図7】第一実施形態に係る支持ローラをギア型に構成した場合の、搬送装置の構成を示す断面説明図である。
【図8】第二実施形態に係る支持ローラの一部断面説明図である。
【図9】第二実施形態に係る搬送装置の構成を示す断面説明図である。
【図10】第三実施形態に係る支持ローラ及び搬送部材の一部断面説明図である。
【図11】第四実施形態に係る搬送装置の断面説明図である。
【図12】従来の野菜収穫機に具備される搬送装置の構成を示す説明図である。
【符号の説明】
【0084】
1 野菜収穫機
3 クローラ走行装置
10 野菜掻き込み部
30 野菜搬送部
34 搬送装置
35 駆動スプロケット
36 駆動軸
37 従動スプロケット
38 従動軸
41 支持ローラ
41a 大径部(支持ローラの一部)
41b 溝部(支持ローラの一部)
43 搬送チェーン
44 第一搬送部材
45 軸部材
46 第一カラー
47 第二カラー
48 第二搬送部材
241 支持ローラ
270 羽根体
271 外径部(羽根体の一部)
272 切欠部(羽根体の一部)
273 傾斜部(羽根体の一部)
401 固定板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行装置と、野菜掻き込み部と、前記野菜掻き込み部によって掻き込まれた野菜を受け取って所望の位置まで搬送する野菜搬送部と、を具備し、前記野菜搬送部は、左右一対の駆動スプロケットと、左右一対の従動スプロケットと、前記左右一対の駆動スプロケット及び左右一対の従動スプロケットに巻回される左右一対の無端体と、前記左右一対の無端体の間に横架するように設けられて野菜を保持しつつ搬送する搬送部材と、を有し、前記搬送部材は、前記無端体に対して外周側に設けられる複数の第一搬送部材と、該第一搬送部材と隣接する第一搬送部材との間で前記無端体に対して内周側に延出して設けられる複数の第二搬送部材とを含み、前記第一搬送部材は、軸部材と、該軸部材の外周を覆うとともに該軸部材に対して回転可能に設けられるカラーとを含み、前記カラーは、前記軸部材の軸方向に複数に分割されており、前記左右一対の従動スプロケットを支持する従動軸上に、前記搬送部材と当接して支持し補強する少なくとも一つの支持ローラを設けたことを特徴とする野菜収穫機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−249643(P2012−249643A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−215302(P2012−215302)
【出願日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【分割の表示】特願2008−231902(P2008−231902)の分割
【原出願日】平成20年9月10日(2008.9.10)
【出願人】(391025914)八鹿鉄工株式会社 (131)
【Fターム(参考)】