説明

量子点−金属酸化物複合体、量子点−金属酸化物複合体の製造方法及び量子点−金属酸化物複合体を含む発光装置

【課題】量子点−金属酸化物複合体、量子点−金属酸化物複合体の製造方法及び量子点−金属酸化物複合体を含む発光装置の提供。
【解決手段】量子点及び前記量子点と3次元ネットワークを成す金属酸化物を含む量子点−金属酸化物複合体であって、前記量子点は、Si系ナノ結晶、CdSe等のII−VI族系化合物半導体ナノ結晶、GaN等のIII−V族系化合物半導体ナノ結晶、SbTe等のIV−VI族系化合物半導体ナノ結晶であり、前記金属酸化物はSi、TiあるいはAlの酸化物である。該複合体は、量子点の表面をアミノアルコール等で処理し、さらに金属酸化物と反応させ3次元ネットワークが形成された量子点−金属酸化物複合体であり、発光装置の波長変換部として使用される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、量子点−金属酸化物複合体、量子点−金属酸化物複合体の製造方法及び量子点−金属酸化物複合体を含む発光装置に関するもので、より詳しくは、発光波長帯の変化無く光学的に安定し発光性能が向上した量子点を含む量子点−金属酸化物複合体、量子点−金属酸化物複合体の製造方法及び量子点−金属酸化物複合体を含む発光装置を提供する。
【背景技術】
【0002】
量子点はナノサイズの半導体物質であって、量子制限(quantum confinement)効果を奏する物質である。量子点は、通常の蛍光体より強い光を狭い波長帯で発生させる。量子点の発光は伝導帯から価伝導帯へと浮いた状態の電子が転移することで発生するが、同じ物質の場合にも粒子の大きさによって波長が変わる特性をを表す。量子点の大きさが小さくなるほど短い波長の光を発光するため大きさを調節して所望の波長領域の光を得ることができる。
【0003】
量子点は励起波長(excitation wavelength)を任意で選択しても発光するため、様々な種類の量子点が存在するとき、一つの波長で励起させ様々な色の光を一度に観察することができる。また、量子点は伝導帯の底振動状態から価伝導帯の底振動状態にのみ転移するため発光波長はほとんど単色光である。
【0004】
量子点は10nm以下の直径を有する半導体物質のナノ結晶である。量子点としてナノ結晶を合成する方法としては、MOCVD(metal organic chemical vapor deposition)やMBE(molecular beamepitaxy)のような気相蒸着法で量子点を製造したり、有機溶媒に前駆体物質を入れて結晶を成長させる化学的湿式方法が利用される。
【0005】
化学的湿式方法は、結晶が成長するまで有機溶媒が自然に量子点の結晶表面に配位されて分散剤の役割をするようにすることにより、結晶の成長を調節する方法で、MOCVDまたはMBEのような気相蒸着法より容易かつ安価な工程を通じてナノ結晶の大きさと形態の均一度を調節することができるという長所を有する。
【0006】
化学的湿式工程で製造された量子点は原液のまま使用せず貯蔵、または使用時の便宜のため図1のように量子点10の周辺に所定のリガンド20を配位させる。量子点のリガンドとして使用される物質には、例えば、トリオクチルホスフィンオキサイド(trioctylphosphine oxide、TOPO)がある。
【0007】
このようなリガンド20が配位された量子点10を発光装置に使用する場合には、樹脂などの封止物質に添加することにより、所望の波長領域の単色光を安定して発光することができる。しかし、リガンドが他の物質に容易に解けたり結合する問題点があり、LEDの発光の面では依然として発光効率の増大が求められている。従って、さらに安定して発光性能も向上した量子点を利用することができる方法の開発が求められる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上述の問題点を解決するためのもので、本発明の目的は、発光波長帯の変化無く光学的に安定し、発光性能が向上した量子点を含む量子点−金属酸化物複合体及び量子点−金属酸化物複合体の製造方法を提供することにある。
【0009】
また、本発明の他の側面は量子点−金属酸化物を利用して信頼性が向上した発光装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
以上のような目的を達成するための本発明の一側面による量子点−金属酸化物複合体は量子点及び量子点と3次元ネットワークを成す金属酸化物を含む。
【0011】
量子点はSi系ナノ結晶、II−VI族系化合物半導体ナノ結晶、III−V族系化合物半導体ナノ結晶,IV−VI族系化合物半導体ナノ結晶及びこれらの混合物のいずれか一つのナノ結晶を含むことができる。このうち、II−VI族系化合物半導体ナノ結晶はCdS、CdSe、CdTe、ZnS、ZnSe、ZnTe、HgS、HgSe、HgTe、CdSeS、CdSeTe、CdSTe、ZnSeS、ZnSeTe、ZnSTe、HgSeS、HgSeTe、HgSTe、CdZnS、CdZnSe、CdZnTe、CdHgS、CdHgSe、CdHgTe、HgZnS、HgZnSe、HggZnTe、CdZnSeS、CdZnSeTe、CdZnSTe、CdHgSeS、CdHgSeTe、CdHgSTe、HgZnSeS、HgZnSeTe及びHgZnSTeで構成された群から選択されることができ、III−V族系化合物半導体ナノ結晶は、GaN、GaP、GaAs、AlN、AlP、AlAs、InN、InP、InAs、GaNP、GaNAs、GaPAs、AlNP、AlNAs、AlPAs、InNP、InNAs、InPAs、GaAlNP、GaAlNAs、GaAlPAs、GaInNP、GaInNAs、GaInPAs、InAlNP、InAlNAs、及びInAlPAsで構成された群から選択されることができ,IV−VI族系化合物半導体ナノ結晶は、SbTeであることができる。
【0012】
量子点と3次元ネットワークを成す金属酸化物は、SiO、TiO、Al、及びこれらの混合物で構成された群から選択されることができる。
【0013】
本発明の他の側面によると、量子点の表面をアミノ−アルコールまたはオクチルアミンモディファイドポリで処理する処理段階と、及び処理された量子点を金属酸化物と反応させる反応段階と、を含む3次元ネットワークが形成された量子点−金属酸化物複合体の製造方法が提供される。反応段階は処理された量子点と金属酸化物を混合する混合段階と、及び混合段階で生成された混合物を加熱する加熱段階と、を含むことが好ましい。
【0014】
本発明のさらに他の側面によると、発光源と、及び発光源の発光方向の上部に形成され、発光源から放射される光を吸収して発光する量子点及び量子点と3次元ネットワークを成す金属酸化物を含む量子点−金属酸化物複合体を含む波長変換部と、を含む発光装置が提供される。発光源は発光ダイオード及びレーザダイオード中いずれか一つであることができる。
【0015】
波長変換部は複数で備えられることができるが、複数の波長変換部中少なくとも2以上の層は相互異なる波長変換量子点を含むことが好ましい。従って、発光源は青色光を発光し、複数の波長変換部中いずれか一つの第1波長変換部は赤色光を放出し、複数の波長変換部中第1波長変換部とは異なる第2波長変換部は緑色光を放出して発光装置が白色を発光することができる。
【0016】
発光装置は発光源が実装される底面及び反射部が形成された側面を含む溝部と、及び溝部を支持し、発光源と電気的に連結されたリードフレームが形成された支持部と、をさらに含むことができる。溝部は封止物質で封止されることができるが、封止物質はエポキシ、シリコン、アクリル系高分子、ガラス、カーボネート系高分子及びこれらの混合物の少なくともいずれか一つであることができる。この際、波長変換部は発光源が実装された溝部内に形成されることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明による量子点−金属酸化物複合体は無機物である金属酸化物との安定したネットワークで量子点が囲われるようになるため、不利な外部環境と量子点が遮断され光学的安定性が上昇するという効果がある。従って、量子点の発光性能に優れるという効果がある。
【0018】
また、本発明による量子点−金属酸化物複合体の製造方法に従って量子点−金属酸化物複合体を形成すると、量子点の大きさや種類に関係無く量子点を含む複合体を形成することができるため、様々な分野に便利に使用することができ、使用する量子点の濃度調節を通して複合体内の量子点の濃度を決定して高濃度の量子点複合体を形成することができる。
【0019】
なお、本発明による量子点−金属酸化物複合体を発光源から発光された光の波長変換部として使用して白色発光装置の製作が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】従来技術において量子点の表面にリガンドが配位された状態を図示した図面である。
【図2a】本発明の実施例に従って量子点−金属酸化物複合体を表した図面である。
【図2b】本発明の実施例に従って量子点−金属酸化物複合体を表した図面である。
【図3a】本発明の実施例による量子点の表面がアミノ−アルコール及びオクチルアミンモディファイドポリでそれぞれ処理された状態を図示した図面である。
【図3b】本発明の実施例による量子点の表面がアミノ−アルコール及びオクチルアミンモディファイドポリでそれぞれ処理された状態を図示した図面である。
【図4】本発明の一実施例による発光装置である。
【図5】本発明の他の実施例による発光装置である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付の図面を参照して本発明の実施形態を説明する。しかし、本発明の実施形態は様々な他の形態に変形することができ、本発明の範囲が以下に説明する実施形態に限定されるのではない。本発明の実施形態は当業界において通常の知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。また、本明細書に添付された図面の構成要素は説明の便宜のため拡大または縮小して図示されることがある。
【0022】
本発明による量子点−金属酸化物複合体は、量子点及び量子点と3次元ネットワークを成す金属酸化物を含む。
【0023】
量子点は、前述のようにナノサイズの発光体であって、半導体ナノ結晶であることができる。量子点としては、Si系ナノ結晶、II−VI族系化合物半導体ナノ結晶、III−V族系化合物半導体ナノ結晶,IV−VI族系化合物半導体ナノ結晶を例として挙げられるが、本発明において量子点としてはこれらのそれぞれを単独で使用するか、これらの混合物を使用することができる。
【0024】
このうち、II−VI族系化合物半導体ナノ結晶は、例えば、CdS、CdSe、CdTe、ZnS、ZnSe、ZnTe、HgS、HgSe、HgTe、CdSeS、CdSeTe、CdSTe、ZnSeS、ZnSeTe、ZnSTe、HgSeS、HgSeTe、HgSTe、CdZnS、CdZnSe、CdZnTe、CdHgS、CdHgSe、CdHgTe、HgZnS、HgZnSe、HggZnTe、CdZnSeS、CdZnSeTe、CdZnSTe、CdHgSeS、CdHgSeTe、CdHgSTe、HgZnSeS、HgZnSeTeまたはHgZnSTeがあるが、必ずこれに限定されるものではない。
【0025】
また、III−V族系化合物半導体ナノ結晶は、例えば、GaN、GaP、GaAs、AlN、AlP、AlAs、InN、InP、InAs、GaNP、GaNAs、GaPAs、AlNP、AlNAs、AlPAs、InNP、InNAs、InPAs、GaAlNP、GaAlNAs、GaAlPAs、GaInNP、GaInNAs、GaInPAs、InAlNP、InAlNAs、または InAlPAsがあるが、必ずこれに限定されるものではない。また、IV−VI族系化合物半導体ナノ結晶は、SbTeがあるが、必ずこれに限定されるものではない。
【0026】
量子点と3次元ネットワークを成す金属酸化物は、SiO、TiO、Al、及びこれらの混合物で構成された群から選択されることができるが、必ずこれに限定されるものではない。
【0027】
図2aは、本発明の一実施例によるアミノ−アルコール(amino−alcohol)処理した量子点を利用して形成された量子点−金属酸化物複合体を表した図面である。量子点と金属酸化物は図2aのように3次元ネットワークを形成する。量子点の周辺には所定の官能基を有する分子が付着しているが、これが金属酸化物の酸素と結合を形成して3次元ネットワークを形成する。
【0028】
図2bは、本発明の他の実施例によるオクチルアミンモディファイドポリ(Octylamine modified poly)処理した量子点を利用して形成された量子点−金属酸化物複合体を表した図面である。ここで、オクチルアミンモディファイドポリは、例えば、オクチルアミンを付けたPAA、すなわち、アクリル酸(acrylic acid)である。しかし、本発明はこれに限定されず、量子点−金属酸化物複合体を形成することのできる官能基を有するリガンドであれば如何なる形態でも使用することができる。
【0029】
図2aと同様に、量子点と金属酸化物は、図2bのように3次元ネットワークを形成する。量子点に配位されたリガンドの周辺には上記リガンドを囲いながら所定の官能基を有する分子が付着しているが、これらが金属酸化物の酸素と結合を形成して3次元ネットワークを形成する。
【0030】
図2a及び図2bのように、量子点−金属酸化物複合体を利用した3次元ネットワークを形成する場合、量子点が単純にリガンドが配位されている状態ではなく、金属酸化物の内部に強固に固定されている状態のような効果を有する。従って、量子点は無機物である金属酸化物で囲われるようになり、外部環境から保護されるため光学的安定性が向上する。
【0031】
本発明の他の側面によると、量子点をアミノ−アルコールまたはオクチルアミンモディファイドポリで処理する処理段階と、及び処理された量子点を金属酸化物と反応させる反応段階と、を含む3次元ネットワークが形成された量子点−金属酸化物複合体の製造方法が提供される。反応段階は、処理された量子点と金属酸化物を混合する混合段階と、及び混合段階で生成された混合物を加熱する加熱段階と、を含むことが好ましい。
【0032】
図3a及び図3bでは量子点の周囲に所定の官能基を有する分子が位置して金属酸化物と結合した状態を表した図面である。
【0033】
先ず、図3aは本発明の一実施例に従って量子点の表面をアミノ−アルコール(amino−alcohol)処理した状態を図示した図面である。図3aのように3次元ネットワークを形成するためには量子点と金属酸化物が直接結合するよりは、量子点のリガンドをアミノ−アルコール処理を通してアミン基及び水酸基を有する分子で置換した後、図2aのように金属酸化物との3次元ネットワークを形成させる。ここで、アミン基の場合、量子点の光学的な特徴を向上するための官能基で、水酸基は金属酸化物との3次元ネットワークのための官能基である。
【0034】
具体的に、量子点と金属酸化物を反応させ量子点−金属酸化物複合体を製造するため、先ず、量子点をアミノ−アルコールで処理する場合、量子点に結合されているリガンドをアミン基及び水酸基を有する物質と反応させ量子点の表面をアミノ−アルコール処理する。それによって量子点の近所はアミン基が位置し、アミン基の反対側、すなわち外部方向には水酸基が位置する図3aのような量子点を得ることができる。このように表面処理された量子点はエタノールのようなアルコール溶液に溶解される。
【0035】
その後、アミノ−アルコール処理された量子点を金属酸化物と混合する。金属酸化物としては、例えば、その前駆体としてTi(OBu)を使用することができる。金属酸化物と混合すると、3次元ネットワーク形成のために混合物を加熱して量子点−金属酸化物複合体を得る。
【0036】
図3bは、本発明の一実施例に従って量子点がオクチルアミンモディファイドポリ(octylamine modified poly)で処理された状態を図示した図面である。図3bのように3次元ネットワークを形成するためには量子点と金属酸化物が直接結合するよりは、量子点のリガンドをカルボキシ基(R−COOH)を有する分子で囲んだ後、図2bのように金属酸化物との3次元ネットワークを形成させる。
【0037】
図4は本発明の一実施例による発光装置である。本発明によると、発光源140と、及び発光源の発光方向の上部に形成され、発光源140から放射される光を吸収して発光する量子点及び量子点と3次元ネットワークを成す金属酸化物を含む量子点−金属酸化物複合体を含む波長変換部160と、を含む発光装置が提供される。
【0038】
図4を参照すると、本発明による発光装置100において発光源140は、発光源140が実装される底面及び反射部120が形成された側面を含む溝部、及び溝部を支持し、発光源140と電気的に連結されたリードフレーム130が形成された支持部110と、をさらに含むことができる。リードフレーム130は2つ形成され互いに電気的に分離される。
【0039】
発光源140は、発光ダイオード及びレーザダイオード中いずれか一つであることができる。発光源140としては青色LEDを使用することができるが、青色LEDとしては420乃至480nmの青色光を発するガリウム窒化物系LEDを使用することができる。支持部110にはリードフレーム130がワイヤを通じて発光源140と接続するようになる。発光源140上には発光源140を封止する封止物質150が満たされている。封止物質はエポキシ、シリコン、アクリル系高分子、ガラス、カーボネート系高分子及びこれらの混合物のうち少なくともいずれか一つであることができる。
【0040】
この際、発光源140が実装された後、溝部が封止物質150で満たされる前に発光源140上に波長変換部160が形成される。波長変換部160は発光装置100から得ようとする光の波長によって適切な量子点を含む量子点−金属酸化物複合体を含むことができる。本図面において、波長変換部160は層(layer)状に形成されているが、発光源140の表面を覆う形態で具現されることもでき、発光源140から発光された光が入射して波長変換部160で波長変換されることができれば如何なる形態でも位置することができる。
【0041】
この際、発光源140が青色光を発光し、波長変換部160の量子点−金属酸化物複合体において量子点が黄色光を発光すると、発光装置100は白色光を発光することができる。
【0042】
図5は、本発明の他の実施例による発光装置である。図5に図示された発光装置200において、波長変換部が2層260、270で具現されたことを除いては図4において支持部210、リードフレーム230、反射部220、発光源240及び封止物質250の機能は同一であるため同じ説明は省略する。
【0043】
本発明の一実施例の発光装置200において波長変換部は、複数で具備されることができる。複数の波長変換部中、図5において発光源240にもっと近接したものを第1波長変換部260とし、他の一つを第2波長変換部270とする。
【0044】
複数の波長変換部のうち少なくとも2以上の層は相互異なる波長変換量子点を含むことが好ましい。従って、第1波長変換部260と第2波長変換部270は相互異なる波長変換が可能な量子点を含む量子点−金属酸化物複合体を含むことが好ましい。例えば、発光源240は青色光を発光し、第1波長変換部260は赤色光を放出し、第2波長変換部270は緑色光を放出すると、発光装置が最終的に白色を発光することができる。
【0045】
または、図5において波長変換部が2層で構成された例を図示したが、例えば、波長変換部は3層で構成されることができる。すなわち、発光源は紫外線を発光し、3層の波長変換部がそれぞれ青色、緑色及び赤色を発光する場合にも発光装置が最終的に白色を発光することができる。なお、白色発光装置を構成するため波長変換部にいずれか一色相の波長変換量子点を使用する代わりに、封止物質に蛍光体を追加して量子点−金属酸化物複合体を含む波長変換部層とともに使用することができる。
【0046】
図4及び図5では発光装置がそれぞれパッケージ形態に図示されているが、必ずしもこのような形態に限定されるのではなく、例えば、ランプ型発光装置であることができる。
【0047】
本発明は上述の実施形態及び添付の図面により限定されず、添付の請求範囲により限定し、請求範囲に記載された本発明の技術的思想を外れない範囲内で様々な形態の置換、変形及び変更が可能ということは当技術分野の通常の知識を有する者に自明である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
量子点及び前記量子点と3次元ネットワークを成す金属酸化物を含む量子点−金属酸化物複合体。
【請求項2】
前記量子点は、Si系ナノ結晶、II−VI族系化合物半導体ナノ結晶、III−V族系化合物半導体ナノ結晶、IV−VI族系化合物半導体ナノ結晶及びこれらの化合物のいずれか一つのナノ結晶を含むことを特徴とする請求項1に記載の量子点−金属酸化物複合体。
【請求項3】
前記II−VI族系化合物半導体ナノ結晶は、CdS、CdSe、CdTe、ZnS、ZnSe、ZnTe、HgS、HgSe、HgTe、CdSeS、CdSeTe、CdSTe、ZnSeS、ZnSeTe、ZnSTe、HgSeS、HgSeTe、HgSTe、CdZnS、CdZnSe、CdZnTe、CdHgS、CdHgSe、CdHgTe、HgZnS、HgZnSe、HggZnTe、CdZnSeS、CdZnSeTe、CdZnSTe、CdHgSeS、CdHgSeTe、CdHgSTe、HgZnSeS、HgZnSeTe及びHgZnSTeで構成された群から選択されたいずれか一つであることを特徴とする請求項2に記載の量子点−金属酸化物複合体。
【請求項4】
前記III−V族系化合物半導体ナノ結晶は、GaN、GaP、GaAs、AlN、AlP、AlAs、InN、InP、InAs、GaNP、GaNAs、GaPAs、AlNP、AlNAs、AlPAs、InNP、InNAs、InPAs、GaAlNP、GaAlNAs、GaAlPAs、GaInNP、GaInNAs、GaInPAs、InAlNP、InAlNAs、及びInAlPAsで構成された群から選択されたいずれか一つであることを特徴とする請求項2に記載の量子点−金属酸化物複合体。
【請求項5】
前記IV−VI族系化合物半導体ナノ結晶は、SbTeであることを特徴とする請求項2に記載の量子点−金属酸化物複合体。
【請求項6】
前記金属酸化物は、SiO、TiO、Al、及びこれらの混合物で構成された群から選択されたいずれか一つであることを特徴とする請求項1に記載の量子点−金属酸化物複合体。
【請求項7】
量子点の表面をアミノ−アルコールまたはオクチルアミンモディファイドポリで処理する処理段階と、
前記処理された量子点を金属酸化物と反応させる反応段階と、を含む3次元ネットワークが形成された量子点−金属酸化物複合体の製造方法。
【請求項8】
前記反応段階は、
前記処理された量子点と金属酸化物を混合する混合段階と、
前記混合段階からの混合物を加熱する加熱段階と、
を含むことを特徴とする請求項7に記載の3次元ネットワークが形成された量子点−金属酸化物複合体の製造方法。
【請求項9】
発光源と、
前記発光源の発光方向の上部に形成され、前記発光源から放射される光を吸収して発光する量子点及び前記量子点と3次元ネットワークを成す金属酸化物を含む量子点−金属酸化物複合体を含む波長変換部と、
を含む発光装置。
【請求項10】
前記量子点は、Si系ナノ結晶、II−VI族系化合物半導体ナノ結晶、III−V族系化合物半導体ナノ結晶、IV−VI族系化合物半導体ナノ結晶及びこれらの化合物のいずれか一つのナノ結晶を含むことを特徴とする請求項9に記載の発光装置。
【請求項11】
前記II−VI族系化合物半導体ナノ結晶は、CdS、CdSe、CdTe、ZnS、ZnSe、ZnTe、HgS、HgSe、HgTe、CdSeS、CdSeTe、CdSTe、ZnSeS、ZnSeTe、ZnSTe、HgSeS、HgSeTe、HgSTe、CdZnS、CdZnSe、CdZnTe、CdHgS、CdHgSe、CdHgTe、HgZnS、HgZnSe、HggZnTe、CdZnSeS、CdZnSeTe、CdZnSTe、CdHgSeS、CdHgSeTe、CdHgSTe、HgZnSeS、HgZnSeTe及びHgZnSTeで構成された群から選択されたいずれか一つであることを特徴とする請求項9に記載の発光装置。
【請求項12】
前記III−V族系化合物半導体ナノ結晶は、GaN、GaP、GaAs、AlN、AlP、AlAs、InN、InP、InAs、GaNP、GaNAs、GaPAs、AlNP、AlNAs、AlPAs、InNP、InNAs、InPAs、GaAlNP、GaAlNAs、GaAlPAs、GaInNP、GaInNAs、GaInPAs、InAlNP、InAlNAs、及びInAlPAsで構成された群から選択されたいずれか一つであることを特徴とする請求項9に記載の発光装置。
【請求項13】
前記IV−VI族系化合物半導体ナノ結晶は、SbTeであることを特徴とする請求項9に記載の発光装置。
【請求項14】
前記金属酸化物は、SiO、TiO、Al、及びこれらの混合物で構成された群から選択されたいずれか一つであることを請求項9に記載の特徴とする発光装置。
【請求項15】
前記発光源は、発光ダイオード及びレーザダイオード中いずれか一つであることを特徴とする請求項9に記載の発光装置。
【請求項16】
前記波長変換部は複数であることを特徴とする請求項9に記載の発光装置。
【請求項17】
前記複数の波長変換部中少なくとも2以上の層は、前記発光素子から発光された光を相互異なる波長に変換できる量子点を含むことを特徴とする請求項16に記載の発光装置。
【請求項18】
前記発光源は青色光を発光し、
前記複数の波長変換部中いずれか一つの第1波長変換部は赤色光を放出し、
前記複数の波長変換部中前記第1波長変換部とは異なる第2波長変換部は緑色光を放出することを特徴とする請求項16に記載の発光装置。
【請求項19】
前記発光源が実装される底面及び反射部が形成された側面を含む溝部と、
前記溝部を支持し、前記発光源と電気的に連結されたリードフレームが形成された支持部と
をさらに含むことを特徴とする請求項9に記載の発光装置。
【請求項20】
前記溝部は封止物質で封止されたことを特徴とする請求項19に記載の発光装置。
【請求項21】
前記封止物質は、エポキシ、シリコン、アクリル系高分子、ガラス、カーボネート系高分子及びこれらの混合物の少なくともいずれか一つであることを特徴とする請求項20に記載の発光装置。
【請求項22】
前記波長変換部は、前記発光源が実装された溝部内に形成されたことを特徴とする請求項19に記載の発光装置。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図3a】
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【図3b】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−90356(P2010−90356A)
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−98754(P2009−98754)
【出願日】平成21年4月15日(2009.4.15)
【出願人】(591003770)三星電機株式会社 (982)
【Fターム(参考)】