説明

量子点波長変換体、量子点波長変換体の製造方法及び量子点波長変換体を含む発光装置

【課題】発光波長帯の変化無く光学的に安定し発光性能が向上した量子点を含む量子点波長変換体を得る。
【解決手段】量子点波長変換体100は、励起光を波長変換して波長変換光を発生させる量子点111及び上記量子点を分散させる分散媒質112を含む波長変換部110と、波長変換部を密封する密封部材120と、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、量子点波長変換体、量子点波長変換体の製造方法及び量子点波長変換体を含む発光装置に関するもので、より詳しくは、発光波長帯の変化無く光学的に安定し発光性能が向上した量子点を含む量子点波長変換体、量子点波長変換体の製造方法及び量子点波長変換体を利用してより簡単に発光波長と発光強さの調節が可能な発光装置を提供することにある。
【背景技術】
【0002】
量子点はナノサイズの半導体物質であって、量子制限(quantum confinement)効果を示す物質である。量子点は通常の蛍光体より強い光を狭い波長帯で発生させる。量子点の発光は伝導帯から価電子帯に浮いた状態の電子が転移することで発生するが、同じ物質の場合にも粒子の大きさによって波長が変わる特性を示す。量子点の大きさが小さくなるほど短い波長の光を発光するため、大きさを調節して所望の波長領域の光を得ることができる。
【0003】
量子点は励起波長(excitation wavelength)を任意で選択しても発光するため、種々の量子点が存在するとき一つの波長に励起させても複数の色の光を一度に観察することができる。また、量子点は伝導帯の底振動状態から価電子帯の底振動状態にのみ転移するため発光波長がほぼ単色光である。
【0004】
量子点は、約10nm以下の直径を有する半導体物質のナノ結晶である。量子点としてナノ結晶を合成する方法としては、MOCVD(metal organic chemical vapor deposition)やMBE(molecular beamepitaxy)のような気相蒸着法で量子点を製造するか、有機溶媒に前駆体物質を入れて結晶を成長させる化学的湿式方法が用いられる。
【0005】
化学的湿式方法は、結晶が成長するとき有機溶媒が自然に量子点の結晶表面に配位され分散剤の役割をするようにして結晶の成長を調節する方法で、MOCVDまたはMBEのような気相蒸着法より簡単かつ安価な工程を通じてナノ結晶のサイズと形態の均一度を調節することができる長所を有する。
【0006】
化学的湿式工程で製造された量子点は原液をそのまま使用せず、貯蔵または使用時の便宜のため量子点の周辺に所定のリガンドを配位させる。量子点のリガンドとして使用される物質には、例えば、トリオクチルホスフィンオキシド(trioctylphosphine oxide、TOPO)がある。このような量子点を発光装置に使用する場合には、樹脂などの封止物質に添加する前に、量子点はリガンドを除去するための精製過程を通らなければならない。
【0007】
量子点を精製すると、発光性の減少、表面リガンドの除去による溶液内の沈殿または表面酸化現象による発光波長帯の変更のような副作用が発生するようになる。このような問題点を解決すべく、量子点を有機物でキャッピング(capping)したり、量子点を量子点のバンドギャップより大きい物質で表面を覆う方法が開発された。
【0008】
しかし、量子点自体を有機物でキャッピングしたり、バンドギャップがより大きい他の物質で覆う方法は、工程や費用の面でその効用性に問題が提起された。従って、さらに安定して発光性能も向上した量子点を利用することができる方法の開発が求められた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は上述の問題点を解決するためのもので、本発明の目的は、発光波長帯の変化無く光学的に安定し発光性能が向上した量子点を含む量子点波長変換体及びその製造方法を提供することにある。
【0010】
本発明の他の側面は、量子点波長変換体を利用してより簡単に発光波長と発光強さの調節が可能な発光装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
以上のような目的を達成すべく、本発明の一側面による量子点波長変換体は、励起光を波長変換して波長変換光を発生させる量子点及び量子点を分散させる分散媒質を含む波長変換部と、波長変換部を密封する密封部材と、を含む。
【0012】
量子点は、Si系ナノ結晶、II−VI族系化合物半導体ナノ結晶、III−V族系化合物半導体ナノ結晶、IV−VI族系化合物半導体ナノ結晶及びこれらの混合物のうちいずれか一つのナノ結晶を含むことができる。このうち、II−VI族系化合物半導体ナノ結晶は、CdS、CdSe、CdTe、ZnS、ZnSe、ZnTe、HgS、HgSe、HgTe、CdSeS、CdSeTe、CdSTe、ZnSeS、ZnSeTe、ZnSTe、HgSeS、HgSeTe、HgSTe、CdZnS、CdZnSe、CdZnTe、CdHgS、CdHgSe、CdHgTe、HgZnS、HgZnSe、HggZnTe、CdZnSeS、CdZnSeTe、CdZnSTe、CdHgSeS、CdHgSeTe、CdHgSTe、HgZnSeS、HgZnSeTe及びHgZnSTeで構成された群から選択されることができ、III−V族系化合物半導体ナノ結晶は、GaN、GaP、GaAs、AlN、AlP、AlAs、InN、InP、InAs、GaNP、GaNAs、GaPAs、AlNP、AlNAs、AlPAs、InNP、InNAs、InPAs、GaAlNP、GaAlNAs、GaAlPAs、GaInNP、GaInNAs、GaInPAs、InAlNP、InAlNAs、及びInAlPAsで構成された群から選択されることができ、IV−VI族系化合物半導体ナノ結晶はSbTeであることができる。
【0013】
本発明において分散媒質は液体状態で、例えば、分散媒質はエポキシ樹脂またはシリコーン(silicone)であることができる。波長変換部を密封する密封部材は、例えば、シリコーン(silicone)であることができる。
【0014】
本発明の他の側面によると、分散媒質に励起光を波長変換して波長変換光を発生させる量子点を分散させて波長変換部を用意する段階と、波長変換部を密封部材で密封する段階と、を含む量子点波長変換体の製造方法が提供される。ここで、密封する段階は、第1密封シート及び第2密封シートを用意して積層する段階と、第1及び第2密封シートの間に波長変換部を注入する段階と、第1及び第2密封シートの波長変換部の周囲を加熱して熱粘着させる段階と、を含むことができる。
【0015】
本発明のさらに他の側面によると、発光源と、発光源の発光方向の上部に形成され、励起光を波長変換して波長変換光を発生させる量子点及び量子点を分散させる分散媒質を含む波長変換部及び波長変換部を密封する密封部材を含む量子点波長変換体と、を含む発光装置が提供される。発光源は発光ダイオード及びレーザダイオードのうちいずれか一つであることができる。
【0016】
量子点波長変換体は複数で備えられることができるが、複数の量子点波長変換体のうち少なくとも2以上の層は相違する波長変換量子点を含むことが好ましい。従って、発光源は青色光を発光し、複数の量子点波長変換体のうちいずれか一つの第1量子点波長変換体は赤色光を放出し、複数の波長変換部のうち 第1量子点波長変換体とは異なる第2量子点波長変換体は緑色光を放出して発光装置が白色を発光することができる。
【0017】
発光装置は、発光源が実装される底面及び反射部が形成された側面を含む溝部と、溝部を支持し、発光源と電気的に連結された電極部が形成された支持部と、をさらに含むことができる。溝部は封止物質で封止されることができるが、封止物質は、エポキシ、シリコーン、アクリル系高分子、ガラス、カーボネート系高分子及びこれらの混合物のうち少なくとも一つであることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明による量子点波長変換体は、量子点が精製されず原液状態で密封されるため別途の生成過程が不要で、リガンドの精製時の表面酸化による発光波長帯の変化を抑制することができる。
【0019】
量子点波長変換体の製造方法に従って量子点波長変換体を形成すると、量子点の大きさや種類に関係無く量子点を含むパック形態の波長変換体を形成することができるため、簡単な工程で製造して様々な分野に便利に使用できるという効果がある。また、使用する量子点の濃度の調節を通して複合体内の量子点の濃度を決定して高濃度の量子点複合体を形成することができる。
【0020】
尚、量子点波長変換体を発光源から発光された光の波長変換体として使用して白色発光装置の製作が容易である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の一実施例による量子点波長変換体を図示した図面である。
【図2a】本発明の一実施例による量子点波長変換体の製造方法の説明に提供される図面である。
【図2b】本発明の一実施例による量子点波長変換体の製造方法の説明に提供される図面である。
【図2c】本発明の一実施例による量子点波長変換体の製造方法の説明に提供される図面である。
【図3】本発明の一実施例による量子点波長変換体を含む発光装置を図示した図面である。
【図4】本発明の一実施例による量子点波長変換体を含む発光装置を図示した図面である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、添付の図面を参照して本発明の実施形態を説明する。しかし、本発明の実施形態は様々な他の形態に変形されることができ、本発明の範囲が以下に説明する実施形態に限定されるのではない。本発明の実施形態は当業界において通常の知識を有する者に本発明をより完全に説明するため提供される。また、本明細書に添付された図面の構成要素は説明の便宜のため拡大または縮小して図示されたことを考慮されたい。
【0023】
図1は、本発明の一実施例による量子点波長変換体を図示した図面である。本発明の一実施例による量子点波長変換体100は、励起光を波長変換して波長変換光を発生させる量子点111及び量子点を分散させる分散媒質112を含む波長変換部110と、波長変換部110を密封する密封部材120と、を含む。
【0024】
量子点波長変換体100は、外部から入射した光(以下、入射光と称す)が量子点111に到達すると、量子点111で波長変換された光(以下、波長変換光と称す)を発光する。従って、量子点波長変換体100は量子点によって光の波長を変換させる機能をする装置である。以下、入射光のうち量子点111の発光波長より短い波長を有する光を励起光という。
【0025】
量子点111は、前述のように、ナノサイズの発光体であって、半導体ナノ結晶であることができる。量子点としては、Si系ナノ結晶、II−VI族系化合物半導体ナノ結晶、III−V族系化合物半導体ナノ結晶、IV−VI族系化合物半導体ナノ結晶を例として挙げられるが、本発明において量子点はこれらそれぞれを単独で使用するか、これらの混合物を使用することができる。
【0026】
このうち、II−VI族系化合物半導体ナノ結晶は、例えば、CdS、CdSe、CdTe、ZnS、ZnSe、ZnTe、HgS、HgSe、HgTe、CdSeS、CdSeTe、CdSTe、ZnSeS、ZnSeTe、ZnSTe、HgSeS、HgSeTe、HgSTe、CdZnS、CdZnSe、CdZnTe、CdHgS、CdHgSe、CdHgTe、HgZnS、HgZnSe、HggZnTe、CdZnSeS、CdZnSeTe、CdZnSTe、CdHgSeS、CdHgSeTe、CdHgSTe、HgZnSeS、HgZnSeTeまたはHgZnSTeがあるが、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0027】
また、III−V族系化合物半導体ナノ結晶は、例えば、GaN、GaP、GaAs、AlN、AlP、AlAs、InN、InP、InAs、GaNP、GaNAs、GaPAs、AlNP、AlNAs、AlPAs、InNP、InNAs、InPAs、GaAlNP、GaAlNAs、GaAlPAs、GaInNP、GaInNAs、GaInPAs、InAlNP、InAlNAs、またはInAlPAsがあるが、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0028】
尚、IV−VI族系化合物半導体ナノ結晶は、例えば、SbTeであることができるが、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0029】
本発明において、分散媒質112には量子点111が分散されている。分散媒質112は液体状態であることができる。分散媒質112が液体状態の場合、量子点111と混合され密封部材120によって密封されると、例えば、プラスチックパックに液体が入った状態と類似するようになり、その形状に制約を受けなくなるため使用や管理が容易である。分散媒質112は、例えば、エポキシ樹脂またはシリコーン(silicone)であることができる。量子点波長変換体100は励起光を受けて波長変換光を発光しなければならないため、分散媒質112は励起光などによって変色や変質しない材質であることが好ましい。
【0030】
波長変換部を密封する密封部材120は、量子点が分散された波長変換部110によって腐食しない種類の高分子パックを利用することができる。または密封部材120はシリコーン(silicone)を使用することができる。高分子樹脂は加熱して粘着が可能であるため、これを利用するとシート状態の高分子樹脂を密封材として熱粘着方法で波長変換部110が内部に位置するパックを形成することができる。量子点波長変換体100の製造方法については以下の図2を参照してさらに説明する。
【0031】
量子点111は合成後、精製過程無く原液状態で分散媒質112に分散され密封部材120によって密封される。従って、量子点111は精製過程での発光性の減少や発光波長帯の変更のような問題点無く高い水準の発光性能を表す。
【0032】
図2a乃至図2cは、本発明の一実施例による量子点波長変換体の製造方法の説明に提供される図面である。
【0033】
本発明の他の側面によると、分散媒質212に量子点211を分散させて波長変換部210を用意する段階と、波長変換部210を密封部材221、222で密封する段階と、を含む量子点波長変換体の製造方法が提供される。
【0034】
波長変換部210を密封部材で密封することは多様な方法があり得る。本発明の一実施例によると、用意された波長変換部210を密封する段階は、先ず、第1密封シート221及び第2密封シート222を用意して積層する(図2a参照)。この際、第1密封シート221及び第2密封シート222は積層されているだけで、接着されている状態ではないことが好ましい。
【0035】
その次に、積層された第1密封シート221及び第2密封シート222の間に、波長変換部210を注入する(図2b参照)。第1密封シート221及び第2密封シート222は接着されていないため波長変換部110を注入した後、波長変換部210が位置する領域の周囲領域230を加熱して熱粘着させる(図2c参照)。従って、第1密封シート221及び第2密封シート222の間に波長変換部210が位置し、波長変換部210は密封されて量子点波長変換体200が製造される。
【0036】
本発明の他の側面によると、発光源及び量子点波長変換体を含む発光装置が提供される。図3は、本発明の一実施例による量子点波長変換体を含む発光装置を図示した図面である。
【0037】
本発明によると、発光源340と、発光源340の発光方向の上部に形成され、量子点361及び量子点361を分散させる分散媒質362を含む波長変換部及び波長変換部を密封する密封部材363を含む量子点波長変換体360と、を含む発光装置300が提供される。
【0038】
図3を参照すると、本発明による発光装置300において発光源340は、発光源340が実装される底面及び反射部320が形成された側面を含む溝部、及び溝部を支持し、発光源340と電気的に連結された電極部330が形成された支持部310をさらに含むことができる。電極部330は極性が相違する2つに形成され電気的に分離される。
【0039】
発光源340は、発光ダイオード及びレーザダイオードのうちいずれか一つであることができる。発光源340は量子点波長変換体360の量子点361の発光波長より短い波長を有する光を発光することが好ましい。発光源340としては、例えば、青色LEDを使用することができるが、青色LEDとしては420乃至480nmの青色光を発するガリウム窒化物系LEDを使用することができる。
【0040】
支持部310には端子電極330が形成され、ワイヤを通じて発光源340と接続するようになる。発光源340上には発光源340を封止する封止物質が満たされて形成された第1封止部351が備えられる。また、量子点波長変換体360が第1封止部351上に位置すると、これを保護及び固定するため第2封止部352をさらに形成することができる。封止物質は、エポキシ、シリコーン、アクリル系高分子、ガラス、カーボネート系高分子及びこれらの混合物のうち少なくとも一つであることができる。
【0041】
量子点波長変換体360は、発光装置300から得ようとする光の波長によって適切な量子点を含むことができる。本図面において、量子点波長変換体360は第1封止部351上に置かれている形態で図示されているが、第1封止部351無く発光源340の表面を覆う形態で具現されることもでき、発光源340から発光された光が入射して波長変換できれば、いかなる形態で位置しても良い。
【0042】
この際、発光源340が青色光を発光し、量子点波長変換体360の量子点361が黄色光を発光すると発光装置300は白色光を発光することができる。
【0043】
図4は、本発明の一実施例による量子点波長変換体を含む発光装置を図示した図面である。本実施例では、発光装置400が2つの量子点波長変換体である第1量子点波長変換体460及び第2量子点波長変換体470を備える。図4に図示された発光装置400において、量子点波長変換体が2つに具現されたことを除いては図4で説明した支持部410、電極部430、反射部420、発光源440、及び封止物質の機能は同一であるため、同じ説明は省略する。
【0044】
本発明の一実施例の発光装置400において、量子点波長変換体は複数で備えられることができる。複数の量子点波長変換体のうち、図4において、発光源440の方に、より近接したものを第1量子点波長変換体460とし、他の一つを第2量子点波長変換体470とする。発光源440を実装すると、これを第1封止部451で封止し、その上に第1量子点波長変換体460を位置させ、これを第2封止部452で封止し、その上に第2量子点波長変換体470を位置させ、これを第3封止部453で封止する。2つ以上の量子点波長変換体を含む発光装置は、白色または多様な発光を得ることがより容易である。
【0045】
複数の量子点波長変換体のうち少なくとも2以上の層は、相違する波長変換量子点を含むことが好ましい。従って、第1量子点波長変換体460と第2量子点波長変換体470は、相違する波長変換が可能な第1量子点461及び第2量子点471を含むことができる。例えば、発光源440は青色光を発光し、第1量子点波長変換体460は赤色光を放出し、第2量子点波長変換体470は緑色光を放出すると発光装置が最終的に白色を発光することができる。これとは異なって、発光源440、第1量子点波長変換体460、及び第2量子点波長変換体470はそれぞれ青色、赤色及び緑色のうちいずれか一つの色相を発光して最終的に白色を発光するようにすることができる。また、第1量子点波長変換体460及び第2量子点波長変換体470はそれぞれ相違する発光波長帯を有する複数の量子点を含むことができる。
【0046】
または、図4では量子点波長変換体を2つ備えた発光装置が図示されたが、例えば、量子点波長変換体を3つ含むことができる。従って、本実施例と異なる例において、発光源は紫外線を発光し、3つの量子点波長変換体がそれぞれ青色、緑色及び赤色を発光する場合にも発光装置が最終的に白色を発光することができる。尚、白色発光装置を構成するため量子点波長変換体にいずれか一つの色相の波長変換量子点を使用する代わりに、封止部に蛍光体を追加して量子点波長変換体と共に使用することができる。
【0047】
図3及び図4では発光装置がそれぞれパッケージ形態に図示されているが、必ずしもこのような形態に限定されるのではなく、例えば、ランプ型発光装置であることができる。
【0048】
本発明は上述の実施形態及び添付の図面によって限定されず、添付の請求範囲によって限定し、請求範囲に記載された本発明の技術的思想を外れない範囲内で多様な形態の置換、変形及び変更が可能ということは当技術分野の通常の知識を有している者に自明である。
【符号の説明】
【0049】
100 量子点波長変換体
110 波長変換部
111 量子点
112 分散媒質
120 密封部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
励起光を波長変換して波長変換光を発生させる量子点及び前記量子点を分散させる分散媒質を含む波長変換部と、
前記波長変換部を密封する密封部材と、
を含む量子点波長変換体。
【請求項2】
前記量子点は、Si系ナノ結晶、II−VI族系化合物半導体ナノ結晶、III−V族系化合物半導体ナノ結晶、IV−VI族系化合物半導体ナノ結晶及びこれらの混合物のうちいずれか一つのナノ結晶を含むことを特徴とする請求項1に記載の量子点波長変換体。
【請求項3】
前記II−VI族系化合物半導体ナノ結晶は、CdS、CdSe、CdTe、ZnS、ZnSe、ZnTe、HgS、HgSe、HgTe、CdSeS、CdSeTe、CdSTe、ZnSeS、ZnSeTe、ZnSTe、HgSeS、HgSeTe、HgSTe、CdZnS、CdZnSe、CdZnTe、CdHgS、CdHgSe、CdHgTe、HgZnS、HgZnSe、HggZnTe、CdZnSeS、CdZnSeTe、CdZnSTe、CdHgSeS、CdHgSeTe、CdHgSTe、HgZnSeS、HgZnSeTe及びHgZnSTeで構成された群から選択されたいずれか一つであることを特徴とする請求項2に記載の量子点波長変換体。
【請求項4】
前記III−V族系化合物半導体ナノ結晶は、GaN、GaP、GaAs、AlN、AlP、AlAs、InN、InP、InAs、GaNP、GaNAs、GaPAs、AlNP、AlNAs、AlPAs、InNP、InNAs、InPAs、GaAlNP、GaAlNAs、GaAlPAs、GaInNP、GaInNAs、GaInPAs、InAlNP、InAlNAs、及びInAlPAsで構成された群から選択されたいずれか一つであることを特徴とする請求項2に記載の量子点波長変換体。
【請求項5】
前記IV−VI族系化合物半導体ナノ結晶は、SbTeであることを特徴とする請求項2に記載の量子点波長変換体。
【請求項6】
前記分散媒質は、液体状態であることを特徴とする請求項1に記載の量子点波長変換体。
【請求項7】
前記分散媒質は、エポキシ樹脂またはシリコーン(silicone)であることを特徴とする請求項1に記載の量子点波長変換体。
【請求項8】
前記密封部材は、シリコーン(silicone)を含むことを特徴とする請求項1に記載の量子点波長変換体。
【請求項9】
分散媒質に励起光を波長変換して波長変換光を発生させる量子点を分散させて波長変換部を用意する段階と、
前記波長変換部を密封部材で密封する段階と、
を含む量子点波長変換体の製造方法。
【請求項10】
前記密封する段階は、
第1密封シート及び第2密封シートを用意して積層する段階と、
前記第1及び第2密封シートの間に前記波長変換部を注入する段階と、
前記第1及び第2密封シートの波長変換部の周囲を加熱して熱粘着させる段階と、
を含むことを特徴とする請求項9に記載の量子点波長変換体の製造方法。
【請求項11】
発光源と、
前記発光源の発光方向の上部に形成され、励起光を波長変換して波長変換光を発生させる量子点及び前記量子点を分散させる分散媒質を含む波長変換部及び前記波長変換部を密封する密封部材を含む量子点波長変換体と、
を含む発光装置。
【請求項12】
前記発光源は、発光ダイオード及びレーザダイオードのうちいずれか一つであることを特徴とする請求項11に記載の発光装置。
【請求項13】
前記量子点波長変換体は、複数であることを特徴とする請求項12に記載の発光装置。
【請求項14】
前記複数の量子点波長変換体のうち少なくとも2以上の層は、前記発光源から発光された光を相違する波長に変換することができる量子点を含むことを特徴とする請求項13に記載の発光装置。
【請求項15】
前記発光源は青色光を発光し、
前記複数の波長変換部のうちいずれか一つの第1量子点波長変換体は赤色光を放出し、
前記複数の波長変換部のうち前記第1量子点波長変換体とは異なる第2量子点波長変換体は緑色光を放出することを特徴とする請求項13に記載の発光装置。
【請求項16】
前記発光源が実装される底面及び反射部が形成された側面を含む溝部と、
前記溝部を支持し、前記発光源と電気的に連結された電極部が形成された支持部と、
をさらに含むことを特徴とする請求項11に記載の発光装置。
【請求項17】
前記溝部は、封止物質で封止されたことを特徴とする請求項16に記載の発光装置。
【請求項18】
前記封止物質は、エポキシ、シリコーン、アクリル系高分子、ガラス、カーボネート系高分子及びこれらの混合物のうち少なくとも一つであることを特徴とする請求項17に記載の発光装置。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図2c】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−258469(P2010−258469A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−146175(P2010−146175)
【出願日】平成22年6月28日(2010.6.28)
【分割の表示】特願2009−45793(P2009−45793)の分割
【原出願日】平成21年2月27日(2009.2.27)
【出願人】(591003770)三星電機株式会社 (982)
【Fターム(参考)】