説明

金型の分解装置

【課題】 密接状態の金型の分解を有効に行うことができ、構成の簡素化を図り経済的な金型の分解装置を提供する。
【解決手段】 水平昇降板20の両端部に金型の略幅間隔をあけてピストンロッド22,22部を下方に向けてアクチュエータ23、23が支持され、該それぞれのアクチュエータ23、23のロッドカバー24、24の内側対向部には重ね合わされた金型の両端部間に形成された空間25、25に挿入位置する水平ブラケット26、26が突出させられてなり、好ましくは、前記アクチュエータ23、23の間隔を前記水平昇降板20上において調整自在に構成してなる金型の分解装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金型の分解装置に関し、詳しくは、密接状態の金型に有効な金型の分解装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のゴム用トランスファー成形装置における成形状態及び金型の分解方法の一例を図2(A)、(B)、(C)に示す。
【0003】
同図において、1はポット下型、2はポット上型、3は上熱盤、4はヘッド、5は中型、6は下型、7はスライド板、8は下熱盤、9は可動盤、10はピストン、11は金型分解装置部である。
【0004】
同図(A)は、成形状態を示し、前記ポット下型1に供給されたゴム材料が前記ポット上型2によって前記中型5及び下型6内に注入され、同時に前記上熱盤3及び下熱盤8によって加熱されて成形が行われている状態である。
【0005】
同図(B)、(C)は、前記金型分解方法の一例を示し、同図(B)は前記成形完了後、ピストン10の下降に合わせて、可動盤9、下熱盤8、スライド板7、下型6、中型5、ポット下型1及び金型分解装置部11が同時に下降させられた状態である。
【0006】
同図において、前記ポット下型1とポット上型2との間は、その間にゴム材料が介在して密接状態であり分解が困難である。そこで、従来は、前記ポット下型1と前記ポット上型2の分解にロックピン等の治具とアクチュエータを使用し、一方の型の両側をロックピン等で固定し他方の型の両側をアクチュエータで均等に上下動させて分解することが一般に行われていた。このことは前記中型5と下型との分解も同様であった。
【0007】
前記方法により、前記ポット下型1と前記ポット上型2の分解が行われると、同図(C)に示すように、前記ポット上型2は上熱盤3側に残り、前記ポット下型1は、前記中型5、前記下型6、前記スライド板7、前記下加熱盤7とともに 前記金型分解装置部11に移されて分解が行われていた。
【0008】
前記ポット下型1、前記中型5、前記下型6等の分解は、成形装置前方の金型分解装置で行い(実開平7−023512号公報)、あるいは手作業により行われて成形品が取り出されるものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】実開平7−23512号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
前記ロックピン等の治具とアクチュエータからなる金型の分割は、それらを個々に準備し、個々の位置に装置しなければ成らず装置の複雑化を招き、さらに不経済でもあった。本発明は、前記の事情に鑑み、密接状態の金型の分解に有効であり、構成の簡素化を図り且つ経済的な金型の分解装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記目的を達成するために、本発明に金型の分解装置は、水平昇降板の両端部に金型の略幅間隔をあけてピストンロッド部を下方に向けてアクチュエータが支持され、該それぞれのアクチュエータのロッドカバーの内側対向部には重ね合わされた金型の両端部間の空間内に挿入位置する水平ブラケットが突出させられてなることを特徴とする。
【0012】
前記構成によれば、前記水平昇降板の昇降及び/あるいは前記アクチュエータを駆動させて、前記水平ブラケットの高さを、予め、重ね合わされた金型の両端部間の空間内に位置するように調整し、その後、前記重ね合わされた金型を前記水平ブラケット方向に移動させれば、該水平ブラケットが前記重ね合わされた金型の両端部間の空間内に位置する。
【0013】
その後、前記それぞれのアクチュエータを駆動してピストンロッドを進出させると、該それぞれのアクチュエータのピストンロッドの先端が下方の金型の両端部の上面部に当接する。
【0014】
さらに、前記それぞれのアクチュエータの駆動を続けると、該それぞれのアクチュエータのロッドカバーに設けられた水平ブラケットが上方の金型の両端部の下面部に当接する。
【0015】
さらに、前記それぞれのアクチュエータの駆動を続けると、前記水平ブラケットと前記ピストンロッド先端との間隔があけられて前記上方の金型及び水平昇降板が前記下方の金型に対して持ち上げられた状態となって前記重ね合わされた金型が分解されるものである。
【0016】
本発明の実施の一形態は、前記水平昇降板上における前記アクチュエータの間隔を調整自在としたことを特徴とする。このように構成すると、重ね合わされた金型の大きさ(幅)が異なる場合にも前記両アクチュエータの間隔を調整して金型の分解装置として使用することができ好適である。なお、本発明は、金型に限らず、密接状態にある物体間の分解に利用することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、金型が密接状態にある場合であっても分解を迅速且つ有効に行うことができる。また、構成の簡素化を図り経済的である効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施の形態に係る金型分解装置部の正面図である。
【図2】従来に成形状態及び金型分解装置を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、本発明の実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。図1において、1はポット下型、2はポット上型、5は中型、6は下型である。
【0020】
本発明では、前記積み重ねられた型の上方に水平昇降板20が設けられる。該水平昇降板20は、その両端部がガイドロッド21、21に上下動自在に支持されている。
【0021】
さらに、前記水平昇降板20の両端部には、別に、図示しないが、前記水平昇降板20の上下位置を調整するシリンダのピストンロッドが連結されている。なお、前記図示しないシリンダは、後に述べる金型の分解時においては前記水平昇降板20及び後述するアクチュエータ23、23の上下動を阻止することなく該水平昇降板20及び前記アクチュエータ23、23が上昇させられることを許容するように構成されている。
【0022】
前記水平昇降板20の両端部には、重ね合わされた前記ポット下型1及びポット上型2の略幅間隔をあけてピストンロッド22、22部を下方に向けてアクチュエータ23、23が支持される。
【0023】
さらに、前記アクチュエータ23、23のロッドカバー24、24の内側対向部には、前記重ね合わされた前記ポット下型1及びポット上型2の両端部間に形成された空間25、25内に挿入位置する水平ブラケット26、26が突出させられる。
【0024】
なお、前記水平ブラケット26、26は、前記重ね合わされた前記ポット下型1及びポット上型2の両端部間に形成された空間25、25内に隙間をあけてゆるく挿入する厚さであってよい。
【0025】
前記構成の金型の分解装置では、前記図示しないシリンダによって、前記水平昇降板20、前記アクチュエータ23、23が上下動させられ、該アクチュエータ23、23の前記ロッドカバー24、24に設けられた前記水平ブラケット26、26の高さが、前記重ね合わされた前記ポット下型1及びポット上型2の両端部間に形成された空間25、25と同じ高さになるように調整される。
【0026】
その後、前記重ね合わされた前記ポット下型1及びポット上型2が金型分解装置部の前記水平ブラケット26、26側に移動させられる。その結果、前記水平ブラケット26、26が前記重ね合わされた前部記ポット下型1及びポット上型2の両端部間に形成された空間25、25内に位置する。
【0027】
その後、前記アクチュエータ23、23を駆動させてピストンロッド22、22を進出させると、該ピストンロッド22、22の先端が前記ポット下型1の両端部の上面Dに当接する。
【0028】
さらに、前記アクチュエータ23、23の駆動を続けると、該アクチュエータ23、23のロッドカバー24、24に設けられた水平ブラケット26、26がポット上型2の両端部の下面Eに当接する。
【0029】
さらに、前記アクチュエータ23,23の駆動を続けると、前記水平ブラケット26、26と前記ピストンロッド22、22先端との間隔があけられて前記ポット上型2が前記アクチュエータ23、23及び前記水平昇降板20とともに前記ポット下型1に対して持ち上げられた状態となって該ポット下型1と前記ポット上型2が分解されるものである。
【0030】
なお、前記水平昇降板20上における前記アクチュエータ23、23の間隔を調整自在に構成すると、重ね合わされた金型の大きさ(幅)が異なる場合にも前記アクチュエータ23、23の間隔を調整して分解に使用することができ好適である。
【符号の説明】
【0031】
1 ポット下型
2 ポット上型
20 水平昇降板
22 ピストンロッド(アクチュエータ)
23 アクチュエータ
24 ロッドカバー
25 空間
26 水平ブラケット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水平昇降板の両端部に金型の略幅間隔をあけてピストンロッド部を下方に向けてアクチュエータが支持され、該それぞれのアクチュエータのロッドカバーの内側対向部には重ね合わされた金型の両端部間に形成された空間に挿入位置する水平ブラケットが突出させられてなることを特徴とする金型の分解装置。
【請求項2】
前記水平昇降板上に置ける前記両アクチュエータの間隔を調整自在に構成したことを特徴とする請求項1に記載の金型の分解装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−93111(P2011−93111A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−246448(P2009−246448)
【出願日】平成21年10月27日(2009.10.27)
【出願人】(509319111)株式会社ショージ (2)
【Fターム(参考)】