説明

金属アルコキシド、金属アルコキシドを製造するための装置、それに関連した方法およびその使用

化合物、金属アルコキシド誘導体の合成、および該誘導体を合成するための方法、ならびに難燃剤としての使用のための金属アルコキシド誘導体が記載される。第13族金属三水酸化物をアルコールと反応させることにより、難燃特性を有する第13族金属アルコキシドを調製することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、参照のために全開示が本明細書に組み込まれている、2007年11月26日に出願した米国仮出願第60/990,149号の優先権を主張するものである。また、本出願の主題は、参照のためにその全内容が本明細書に組み込まれている、2007年5月3日に出願した米国仮出願第60/924,214号、および2007年5月10日に出願した米国仮出願第60/917,171号の優先権を主張する、2008年5月2日出願のPCT/US2008/005624に関連する。
【0002】
本発明は、概して、化合物、金属アルコキシド誘導体の合成、および該誘導体を合成するための方法、ならびに難燃剤としての使用のための金属アルコキシド誘導体に関する。詳細には、本発明は、金属アルコキシドおよびそれから生成される化合物の合成に関する反応装置ならびにその使用方法に関する。
【背景技術】
【0003】
金属アルコキシドは、例えば化学気相堆積(CVD)による金属および金属酸化物フィルム堆積の前駆体として、またプラスチックおよびコーティングにおける難燃添加剤として有用である。現在、ハロゲン含有難燃組成物の使用を廃止する規制指令が存在する。金属アルコキシドはまた、有機反応の触媒としても有用であることが知られている。対応する金属アルコキシドおよび酸副生成物を形成するいくつかの金属化合物とアルコールとの間の反応が知られている。しかしながら、現在の技術は、生成された酸を中和するために大量の塩基を必要とし、ならびに/または反応および最終生成物の精製を行うための複数のプロセスステップを使用する。さらに、現在の方法は、バッチ式または半バッチ式処理に制限され、したがって反応平衡が反応の程度を制限し得る。効率的な収率で大量の金属アルコキシドを生成するためのシステムおよび方法が必要とされている。さらに、難燃特性を有する新たな材料が必要とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国仮出願第60/990,149号
【特許文献2】PCT/US2008/005624
【特許文献3】米国仮出願第60/924,214号
【特許文献4】米国仮出願第60/917,171号
【特許文献5】JP11012524A2
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の態様は、第1の量の金属化合物と第1の量のアルコールを反応−蒸留ゾーンにおいて接触させ、前記接触の結果として、前記金属化合物と前記アルコールとの反応から金属アルコキシドを形成するステップと、
前記接触と同時に、前記反応−蒸留ゾーンの蒸気相から反応生成物を取り出すステップと、
前記接触と同時に、前記反応−蒸留ゾーンの液相から反応生成物を取り出すステップと、
前記接触と同時に、前記反応−蒸留ゾーンに第2の量の前記金属化合物および第2の量の前記アルコールを導入するステップと、を含む合成方法に関する。
【0006】
本発明の第2の態様は、
耐腐食性材料を含む反応器本体であって、中空内部を有する反応器本体と、
前記反応器本体の前記中空内部内に配置されたローターであって、回転して前記反応本体内の反応成分を混合するように構成されたローターと、
前記中空内部内に配置された凝縮器と、
前記反応器本体の外表面上に配置された温度調整デバイスと、を備える反応装置に関する。
【0007】
本発明の第3の態様は、
耐酸性反応器本体を備える反応器であって、前記反応器本体は、第1の入口ポート、第1の出口ポート、第2の出口ポート、および中空内部を有し、前記中空内部はその中に配置された反応−蒸留ゾーンを有し、前記反応−蒸留ゾーンは蒸気相および液相を含む、反応器と、
前記第1の入口ポートから進入する反応物質のストリームであって、前記反応物質は金属化合物およびアルコールを含む、ストリームと、
前記第1の出口ポートから出る蒸気相生成物のストリームであって、前記蒸気相生成物は、前記金属化合物と前記アルコールとの反応から得られる、ストリームと、
前記第2の出口ポートから出る液相生成物のストリームであって、前記液相生成物は、前記金属化合物と前記アルコールとの反応から得られる、ストリームと、を備える反応システムに関する。
【0008】
本発明の第4の態様は、
その中に配置された反応−蒸留ゾーンを有する中空内部を有する耐酸性反応器本体を備える反応装置であって、前記反応−蒸留ゾーンは、少なくとも2種の反応物質間の反応の蒸気相および液相を含み、前記反応器本体は、前記反応−蒸留ゾーンと接触した少なくとも1つの入口ポート、前記蒸気相と接触した第1の出口ポート、および前記液相と接触した第2の出口ポートを有する、反応装置と、
前記少なくとも1つの入口ポートに動作可能に接続された第1の供給槽であって、前記少なくとも2種の反応物質を前記反応−蒸留ゾーンに連続的に導入するように構成された供給槽と、
前記第1の出口ポートに動作可能に接続された蒸気相取出デバイスであって、前記反応の反応生成物を前記蒸気相から取り出すように構成された蒸気相取出デバイスと、
前記第2の出口ポートに動作可能に接続された抽出デバイスであって、反応生成物を前記液相から取り出すように構成された抽出デバイスと、を備える反応システムに関する。
【0009】
本発明の第5の態様は、式M(OR)(式中、xは1から4の整数であり、Mは第13族金属であり、Rは独立して水素、置換アルキル基、非置換アルキル基、置換アリール基、非置換アリール基、および/またはこれらの組合せを含む)の金属アルコキシド添加剤を含む難燃組成物に関する。
【0010】
本発明の特徴は、添付の特許請求の範囲に記載される。しかしながら、本発明自体は、付随する図面と併せて読むと、以下の例示的実施形態の詳細な説明を参照することにより最も良く理解される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施形態による反応装置の図である。
【図2】本発明の実施形態による金属アルコキシドの連続生成のための方法を含むフローチャートの図である。
【図3】本発明の実施形態による反応システムの図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明のある特定の実施形態を示し詳細に説明するが、添付の特許請求の範囲から逸脱せずに様々な変更および修正を行うことができることを理解されたい。本発明の範囲は、構成するコンポーネントの数、その材料、その形状、その相対的配置等に制限されることはなく、単に実施形態の例として開示される。本発明の特徴および利点は付随する図面に詳細に示されているが、図面を通して、同様の参照番号は同様の要素を指す。図面は本発明を例示することを意図しているが、図面は必ずしも縮尺通りではない。
【0013】
全般的に、本明細書において使用される場合、「置換(された)」は、それが含有する水素原子への1個または複数の結合が非水素原子または非炭素原子への結合により置き換えられている、以下に定義されるようなアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクリル、またはヘテロシクリルアルキル基(例えばアルキル基)を指す。置換された基はまた、炭素(複数可)または水素(複数可)原子への1個または複数の結合が、二重結合または三重結合を含むヘテロ原子への1個または複数の結合により置き換えられている基を含む。したがって、別段の指定がない限り、置換された基は、1個または複数の置換基で置換される。いくつかの実施形態において、置換された基は、1個、2個、3個、4個、5個、または6個の置換基で置換されている。置換基の例には、ハロゲン(すなわちF、Cl、Br、およびI);ヒドロキシル;アルコキシ、アルケノキシ、ヘテロシクリルオキシ、およびヘテロシクリルアルコキシ基;カルボニル(オキソ);カルボキシル;エステル;エーテル;ウレタン;アルコキシアミン;チオール;スルフィド;スルホキシド;スルホン;スルホニル;スルホンアミド;アミン;N−オキシド;イソシアネート;シアネート;チオシアネート;ニトロ基;ニトリル(すなわちCN)等が含まれる。
【0014】
また、置換シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリルおよびヘテロアリール基等の置換された環基は、水素原子への結合が炭素原子への結合で置き換えられた環および縮合環系を含む。したがって、置換シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリルおよびヘテロアリール基はまた、以下で定義されるような置換または非置換アルキルまたはアルケニル基で置換され得る。
【0015】
アルキル基は、1個から約20個の炭素原子、またはいくつかの実施形態では1個から8個、1個から6個、もしくは1個から4個の炭素原子を有する、直鎖および分岐アルキル基を含む。アルキル基は、さらに、以下で定義されるようなシクロアルキル基を含む。直鎖アルキル基の例には、1個から8個の炭素原子を有するもの、例えばメチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、およびn−オクチル基等が含まれる。分岐アルキル基の例には、イソプロピル、iso−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ネオペンチル、イソペンチル、および2,2−ジメチルプロピル基が含まれるが、これらに限定されない。代表的な置換アルキル基は、上に列挙されたもの等の置換基で1回または複数回置換されていてもよい。
【0016】
アルケニル基は、上に定義されたような直鎖および分岐鎖およびシクロアルキル基を含むが、ただし2個の炭素原子間に少なくとも1個の二重結合が存在する。したがって、アルケニル基は、いくつかの実施形態においては2個から約12個の炭素原子を有し、他の実施形態においては2個から10個の炭素原子を有し、他の実施形態においては2個から8個の炭素原子を有する。例には、特に、ビニル、アリル、−CH=CH(CH)、−CH=C(CH、−C(CH)=CH、−C(CH)=CH(CH)、−C(CHCH)=CH、シクロヘキセニル、シクロペンテニル、シクロヘキサジエニル、ブタジエニル、ペンタジエニル、およびヘキサジエニルが含まれるが、これらに限定されない。代表的な置換アルケニル基は、一置換または2回以上置換されていてもよく、例えば、上に列挙されたもの等の置換基で一置換、二置換または三置換されていてもよいが、これらに限定されない。
【0017】
シクロアルキル基は、環状アルキル基、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、およびシクロオクチル基等であるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態においては、シクロアルキル基は3個から8個の環員を有し、他の実施形態においては、環炭素原子の数は、3個から5個、3個から6個、または3個から7個の範囲である。シクロアルキル基はさらに、単環式、二環式および多環式環系を含む。置換シクロアルキル基は、上に定義されたような非水素および非炭素基で1回または複数回置換されていてもよい。しかしながら、置換シクロアルキル基はまた、上に定義されたような直鎖または分岐鎖アルキル基で置換された環も含む。代表的な置換シクロアルキル基は、一置換または2回以上置換されていてもよく、例えば、上に列挙されたもの等の置換基で置換されていてもよい2,2−、2,3−、2,4−、2,5−または2,6−二置換シクロヘキシル基等であるが、これらに限定されない。
【0018】
シクロアルキルアルキル基は、アルキル基の水素または炭素結合が上に定義されたようなシクロアルキル基への結合で置き換えられた、上で定義されたようなアルキル基である。いくつかの実施形態において、シクロアルキルアルキル基は、4個から20個の炭素原子、4個から16個の炭素原子、および典型的には4個から10個の炭素原子を有する。置換シクロアルキルアルキル基は、基のアルキル部分、シクロアルキル部分またはアルキル部分とシクロアルキル部分の両方で置換されていてもよい。代表的な置換シクロアルキルアルキル基は、一置換または2回以上置換されていてもよく、例えば、上に列挙されたもの等の置換基で一置換、二置換または三置換されていてもよいが、これらに限定されない。
【0019】
アリール基は、ヘテロ原子を含有しない環状芳香族炭化水素である。アリール基は、単環式、二環式および多環式環系を含む。したがって、アリール基は、フェニル、アズレニル、ヘプタレニル、ビフェニレニル、インダセニル、フルオレニル、フェナントレニル、トリフェニレニル、ピレニル、ナフタセニル、クリセニル、ビフェニル、アントラセニル、インデニル、インダニル、ペンタレニル、およびナフチル基を含むが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、アリール基は6〜14個の炭素を、また他の実施形態において、6個から12個、またはさらに6〜10個の炭素原子を基の環部分に含有する。
【0020】
「アリール基」という語句は、縮合芳香族−脂肪族環系(例えばインダニル、テトラヒドロナフチル等)等の縮合環を含有する基を含むが、環員の1つに結合したアルキルまたはハロ基等の他の基を有するアリール基は含まない。むしろ、トリル等の基は置換アリール基と呼ばれる。代表的な置換アリール基は、一置換または2回以上置換されていてもよい。例えば、一置換アリール基は、上に列挙されたもの等の置換基で置換されていてもよい、2−、3−、4−、5−、または6−置換フェニルまたはナフチル基を含むが、これらに限定されない。
【0021】
アラルキル基は、アルキル基の水素または炭素結合が上に定義されたようなアリール基への結合で置き換えられた、上で定義されたようなアルキル基である。いくつかの実施形態において、アラルキル基は、7個から20個の炭素原子、7個から14個の炭素原子または7個から10個の炭素原子を含有する。置換アラルキル基は、基のアルキル部分、アリール部分またはアルキル部分とアリール部分の両方で置換されていてもよい。代表的なアラルキル基には、ベンジルおよびフェネチル基、ならびに4−エチル−インダニル等の縮合(シクロアルキルアリール)アルキル基が含まれるが、これらに限定されない。代表的な置換アラルキル基は、上に列挙されたもの等の置換基で1回または複数回置換されていてもよい。
【0022】
ヘテロシクリル基は、3個以上の環員を含有し、そのうちの1個または複数が、これらに限定されないが、N、O、およびS等のヘテロ原子である芳香環(ヘテロアリールとも呼ばれる)および非芳香環化合物を含む。いくつかの実施形態において、ヘテロシクリル基は3個から20個の環員を含み、他のそのような基は、3個から6個、3個から10個、3個から12個、または3個から15個の環員を有する。ヘテロシクリル基は、不飽和、部分飽和および飽和環系、例えばイミダゾリル、イミダゾリニルおよびイミダゾリジニル基等を包含する。しかしながら、「ヘテロシクリル基」という語句は、環員の1つに結合したアルキル、オキソまたはハロ基等の他の基を有するヘテロシクリル基を含まない。むしろ、これらは「置換ヘテロシクリル基」と呼ばれる。ヘテロシクリル基は、アジリジニル、アゼチジニル、ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、チアゾリジニル、テトラヒドロチオフェニル、テトラヒドロフラニル、ジオキソリル、フラニル、チオフェニル、ピロリル、ピロリニル、イミダゾリル、イミダゾリニル、ピラゾリル、ピラゾリニル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、チアゾリニル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、オキサジアゾリル、ピペリジル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、オキサチアン、ジオキシル、ジチアニル、ピラニル、ピリジル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニル、トリアジニル、ジヒドロピリジル、ジヒドロジチイニル、ジヒドロジチオニル、ホモピペラジニル、キヌクリジル、インドリル、インドリニル、イソインドリル、アザインドリル(ピロロピリジル)、インダゾリル、インドリジニル、ベンゾトリアゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、ベンズチアゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンゾオキサジニル、ベンゾジチイニル、ベンゾオキサチイニル、ベンゾチアジニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾ[1,3]ジオキソリル、ピラゾロピリジル、イミダゾピリジル(アザベンズイミダゾリル)、トリアゾロピリジル、イソオキサゾロピリジル、プリニル、キサンチニル、アデニニル、グアニニル、キノリニル、イソキノリニル、キノリジニル、キノキサリニル、キナゾリニル、シンノリニル、フタラジニル、ナフチリジニル、プテリジニル、チアナフタレニル、ジヒドロベンゾチアジニル、ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロインドリル、ジヒドロベンゾジオキシニル、テトラヒドロインドリル、テトラヒドロインダゾリル、テトラヒドロベンズイミダゾリル、テトラヒドロベンゾトリアゾリル、テトラヒドロピロロピリジル、テトラヒドロピラゾロピリジル、テトラヒドロイミダゾピリジル、テトラヒドロトリアゾロピリジル、およびテトラヒドロキノリニル基を含むが、これらに限定されない。代表的な置換ヘテロシクリル基は、一置換または2回以上置換されていてもよく、例えば、上に列挙されたもの等の様々な置換基で2−、3−、4−、5−もしくは6−置換された、または二置換されたピリジルまたはモルホリニル基等であるが、これらに限定されない。
【0023】
ヘテロシクリルアルキル基は、アルキル基の水素または炭素結合が上に定義されたようなヘテロシクリル基への結合で置き換えられた、上で定義されたようなアルキル基である。置換ヘテロシクリルアルキル基は、基のアルキル部分、ヘテロシクリル部分またはアルキル部分とヘテロシクリル部分の両方において置換されていてもよい。代表的なヘテロシクリルアルキル基には、4−エチル−モルホリニル、4−プロピルモルホリニル、フラン−2−イルメチル、フラン−3−イルメチル、ピリジン−3−イルメチル、テトラヒドロフラン−2−イルエチル、およびインドール−2−イルプロピルが含まれるが、これらに限定されない。代表的な置換ヘテロシクリルアルキル基は、上に列挙されたもの等の置換基で1回または複数回置換されていてもよい。
【0024】
アルコキシ基は、水素原子への結合が上に定義されたような置換または非置換アルキル基の炭素原子への結合で置き換えられたヒドロキシル基(−OH)である。直鎖アルコキシ基の例には、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペントキシ、ヘキソキシ等が含まれるが、これらに限定されない。分岐アルコキシ基の例には、イソプロポキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、イソペントキシ、イソヘキソキシ等が含まれるが、これらに限定されない。シクロアルコキシ基の例には、シクロプロピルオキシ、シクロブチルオキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ等が含まれるが、これらに限定されない。代表的な置換アルコキシ基は、上に列挙されたもの等の置換基で1回または複数回置換されていてもよい。
【0025】
図1は、反応装置1の図である。反応装置1は、反応蒸留に好適となり得、また反応蒸留システムと言うことができる。反応装置1は、モーターおよび/または歯車もしくはプーリーシステムと動作可能に結合して駆動滑車10およびそれに取り付けられたコンポーネントを回転軸5の周りに回転させるように構成され得る、駆動滑車10または歯車を備えることができる。駆動滑車10は、時計回り、反時計回り、またはこれらの組合せで回転することができ、例えば、時計回りおよび反時計回りの回転の間で前後に振動することができる。装置1は、駆動滑車10に動作可能に接続された駆動シャフト20を備えることができ、駆動シャフト20は、駆動滑車10の回転と連動して回転することができる。駆動シャフト20は駆動滑車10の一体部分であってもよく、例えば駆動滑車10および駆動シャフト20は一体部材を形成する。駆動滑車10および駆動シャフト20は、互いに動作可能に接続された別個の部品であってもよい。
【0026】
駆動シャフト20は、駆動シャフト20に剛性および強度を提供するように構成された材料または材料の組合せを含むことができ、剛性および強度は、片持ち動作および負荷下での回転中の駆動シャフト20への疲労を克服するのに十分となり得る。駆動シャフトは、金属、プラスチック、ガラス充填プラスチック等の充填プラスチック、カーボングラファイト、またはこれらの組合せを含むことができる。駆動シャフト材料は、反応装置1における反応の環境、例えば強い酸性、塩基性、酸化性、還元性等に対する適切な耐腐食性を提供するように選択することができる。例えば、駆動シャフト20は、ポリマーおよびステンレススチールのコアを備える外側のカバーまたは外装を備えることができ、コアがポリマーに剛性および強度を提供し得る。一実施形態において、駆動シャフト20は、ステンレススチールを含むことができ、ステンレススチールはHCl等の酸による腐食に対する耐性と、剛性および強度との両方を提供し得る。駆動シャフト20の表面は、駆動シャフト20の接液面を適合化するように構成された適切な材料で被覆または封入されていてもよい。そのような適切な材料は、フッ素化ポリオレフィン、例えばポリ(テトラフルオロエチレン)(PTFE)、ポリ(ビニリデンフルオリド)(PVDF)、またはパーフルオロエラストマー(FFKM)等を含み得る。
【0027】
反応装置1は、それを通して駆動シャフト20が動作可能に配置され得る軸受箱30を備えることができる。軸受箱30は、駆動シャフト20のその軸周りの回転を可能としながら駆動シャフト20を直立位置に保持するように構成され得る。軸受箱30は、反応装置1内で真空が維持され得るように駆動シャフト20の周りに気密シールを提供するように構成され得る。軸受箱30は、反応装置1内の気密シールと耐腐食性との両方を提供する適切なシールを備えることができる。例えば、軸受箱30は、PTFEまたは他の好適な材料を含むパッキンおよびリップシールを備えることができる。軸受箱30は、抵抗の度合いを低減して駆動シャフト20の滑らかな回転を可能とするために転がり軸受または玉軸受等の軸受を備えることができる。軸受箱は、一体部品設計であってもよく、または反応装置1内の真空を維持しながら駆動シャフト20に必要な支持および回転を提供するような様式で互いに取り付けられシールされる複数の部品を備えてもよい。軸受箱30は、駆動シャフト20の回転に関連した力を支持するために十分な強度を有する材料を含んでもよい。軸受箱30は、反応装置1に存在し得る溶媒、酸、および/または塩基に対する耐腐食性を有する材料または材料の組合せを含んでもよい。例えば、軸受箱30は、PTFE等のポリマーを含んでもよい。軸受箱30は、追加的な強度を提供し得る充填ポリマー、例えばガラス充填PTFEを含んでもよい。一実施形態において、軸受箱30は、25%ガラス充填PTFEを含んでもよい。
【0028】
反応装置1は、それに駆動シャフト20および軸受箱30を通過させることができるクランプリング40を備えることができる。クランプリング40は、フランジクランプ130と組み合わせて、反応装置1の反応器本体70を、反応装置1を支持するように機能し得る隔壁120または等価のデバイスに固定または装着するように構成され得る。クランプリング40およびフランジクランプ130は、ねじ、ボルト、バネクランプ、または当技術分野で知られた他の締付デバイス等の締付具230で固定または締め付けることができる。クランプリング40およびフランジクランプ130は、強い塩基、溶媒、酸、またはこれらの組合せに対し耐性を有する材料を含み得る。一実施形態において、クランプリング40およびフランジクランプ130は、ステンレススチールを含む。
【0029】
反応装置1は、反応器本体70の1つの端部上に配置された上部シール50を備えることができる。シールは、反応器本体70の端部上の表面と、隔壁120にクランプされたシールプレート220上の接合表面との間に配置され得る。反応器本体の端部の表面およびシールプレート220の接合表面は、上部シール50を載置し気密シールを可能とする溝等の、上部シール50を収納する輪郭または構成を備えることができる。シールプレートは、反応器本体の端部における対応するネジ構成への螺入を可能とするネジ構成を備えることができる。シールは、反応装置1の端部をシールして反応装置1の内側に真空を確立させ、および/または反応装置内に不活性ガスを導入するように構成され得る。上部シール50は、Oリング、Vリング、ガスケット等を含み得る。上部シールは、VITON等のフッ素化エラストマー等のエラストマーを含み得る。上部シールは、HCl等の酸に耐性を有する、PTFE等の材料を含み得る。
【0030】
反応器本体70は、本質的に円筒形であってもよく、中空内部73を備えることができる。反応器本体70は、複数のポートおよび/または開口を備えることができ、例えば、それを通して、反応材料を中空内部73に導入することができ、生成物材料を中空内部から取り出すことができ、冷却剤ラインの出入等が可能である。例えば、反応器本体70は、少なくとも1つの供給ポート140を備えることができ、そこで、例えば、所定量のまたは所定速度の反応物質を計測し分配するように構成された計量デバイス(例えば定量ポンプ等)を介して反応物質を導入することができ、ポートは約1.5リットル/時間(l/h)を超える速度で反応器本体内に反応物質を受け入れるように構成され得る。反応器本体70は、少なくとも1つの蒸気排出ポート60を備えることができ、そこで蒸気相の反応生成物を反応装置1から取り出し、例えば凝縮器を通して単離することができる。したがって、反応装置は、使用者により適切とみなされるような複数の供給ポートおよび/または排出ポートを備えることができる。
【0031】
反応器本体70は、強酸、強塩基、溶媒、またはこれらの組合せによる腐食に対する耐性を有する耐腐食性材料を含み得る。例えば、反応器本体70は、耐酸性材料または材料の組合せ、例えばガラスまたはガラスライニングスチール等を含むことができ、材料はHCl等の強酸に対する耐性を有し得る。耐腐食性材料の正確な選択は、使用者による反応装置1内で行われる反応に依存し得る。
【0032】
反応器本体70は、反応器本体70の開いた端部を取外し可能に覆いシールするように構成された端部キャップ240をさらに備えることができる。端部キャップ240は、上部シール50を有する反応器本体70の端部とは反対の反応器70の端部上に配置され得る。例えば、端部キャップ240は、反応器本体70の下端部上に配置され得る。端部キャップ240は、下部シール190を使用して反応器本体70の端部にシールすることができ、下部シール190は、酸、塩基および溶媒に対する耐性等、上部シール220に関して上述されたもの等の特性および構成を有することができる。端部キャップ240は、下部シール190と組み合わせて気密シールを提供し、反応器本体70の排気を可能とし得る。下部シール190および上部シール220は、反応器本体70内で真空または部分真空、例えば約266.6パスカル(Pa)(約2Torr)から約101.3キロパスカル(kPa)(約760Torr)の圧力が維持され得るように構成され得る。端部キャップ240および反応器本体70の対応する接合端部は、それぞれ、上部シール50に関して上述したような、下部シール190を保持するための表面を備えることができる。端部キャップ240および下部シール190は、端部キャップ240および下部シール90を反応器本体70の対応する端部に保持および支持するように構成されたクランプアセンブリ90を使用して、反応器本体70の対応する接合端部に固定され得る。クランプアセンブリ90は、例えば、シールプレート220に関して上述したようなフランジクランプと組み合わせてクランプリングを備えることができる。
【0033】
端部キャップ240は、反応器本体70に関して上述されたもの等の材料を含み得る。端部キャップ240は、それを通して液体生成物等の反応生成物を反応装置1から取り出すことができる少なくとも1つの生成物排出ポート200等、複数の開口を備えることができる。端部キャップ240は、それを通してHCl等の凝縮された反応生成物を反応装置1から取り出すことができる少なくとも1つの凝縮物排出ポート100を備えることができる。
【0034】
反応装置1は、反応器本体70の中空内部73の一部の中に配置されそれを通って延在し、反応器本体70の中空内部73内の材料に対し凝縮表面を提供するように構成された内部凝縮器180を備えることができる。内部凝縮器180は、端部キャップ240に可逆的に取り付けられてもよく、または端部キャップ240と一体であってもよい。内部凝縮器180は、それを通して冷却剤を導入することができる入口ポート110およびそれを通して冷却剤が出ることができる出口ポート210を備えることができ、冷却剤は反応器本体70の内部から隔離される。内部凝縮器180は、反応器本体内で生成物を凝縮するのに必要とされ得る温度範囲を許容するために必要とされる異なる冷却剤を使用するように構成され得る。内部凝縮器180は、反応器本体70に関して上述されたもの等の、強酸、強塩基、溶媒等による腐食に対し耐性を有する材料または材料の組合せを含み得る。
【0035】
反応装置1は、反応器本体の外側表面上に配置された少なくとも1つの温度調整デバイス80を備えることができる。温度調整デバイスは、反応器本体および/または反応器本体70内の反応材料の温度を、約0℃から約250℃、例えば約70℃から約90℃の温度範囲内に調整するように構成され得る。少なくとも1つの温度調整デバイス80は、反応器本体70を加熱することが可能であってもよく、加熱バンド、加熱ブランケットもしくはジャケット等、またはこれらの組合せを備えてもよい。少なくとも1つの温度調整デバイス80は、少なくとも1つの温度調整デバイス80および反応器本体70の温度を測定および調整するように構成された、適切な恒温制御器および/または熱電対を備えることができる。一実施形態において、少なくとも1つの温度調整デバイスは、複数の電気加熱要素(バンド等)を備えることができ、複数の加熱要素80の各加熱要素は、個々に適切な恒温制御器で構成されてもよく、各加熱バンドにより覆われた各領域を特定の温度まで独立して加熱することを可能とし得る。例えば、反応器本体70の下端部の加熱バンドは、反応器本体70のより高い端部の加熱バンドよりも高い温度であってもよく、これにより反応器本体70の長さに沿った温度勾配を提供し得る。
【0036】
反応装置は、反応器本体70の内部に配置され、駆動シャフト軸5の周りの駆動シャフト20の回転によりローター150が回転するように駆動シャフト20に動作可能に取り付けられたローター150を備えることができる。ローター150は、駆動シャフト20の回転軸5と同一線上の回転軸を備えることができる。ローター150は、反応中に回転して反応器本体70内の反応成分(反応物質、生成物、溶媒等)を混合するように構成され得る。駆動滑車100、駆動シャフト20、およびローター150は、ローターが約50rpm(回転数/分)から約400rpmの速度で回転され得るように構成され得る。ローター150は、ローター150に動作可能に接続された、またはローター150と一体となった少なくとも1つの通気孔170またはスロットをさらに備えることができ、少なくとも1つの通気孔170は、ローター150を通した材料の流れを可能として混合を補助するように構成され得る。少なくとも1つの通気孔170は、反応器本体70の内壁から反応器本体70内部の中心に向かう放射伝熱プロファイルを最小限化するような角度であってもよい。ローター150は、少なくとも1つの自由に動くワイパー要素160を支持するように構成され得、またそれを備えることができ、ワイパー要素は、ローターと反応器本体の内壁との間に配置され得る。ワイパー要素160は、反応器本体70の内壁から固体材料を拭き取るかまたはその他の様式で除去するように構成され得、固体材料は例えば反応からの沈殿物として形成し得る。ローターは、一体部材を含んでもよく、または2つ以上の部品を含んでもよい。一体部品設計は、ローター150の均衡のとれた回転を提供し得る。複数部品設計は、製造コストの低減および設計変更の柔軟性を提供し得る。ローター150、通気孔170、およびワイパー160は、上述のもの等の耐腐食性材料を含み得る。例えば、ローターは、25%ガラス充填PTFEを含み得る。
【0037】
図2は、例えば金属化合物とアルコールとの反応による金属アルコキシドの連続生成のための方法を含むフローチャートの図である。ステップ310は、例えば金属化合物の水溶液およびアルコールを、上述され図1に示された反応装置1等の反応装置の反応−蒸留ゾーンに導入することにより、ある量の反応物質が連続的に反応−蒸留ゾーンに導入、射出、またはその他の様式で入れられる反応蒸留段階を含む。金属対アルコール比は、反応−蒸留ゾーンに導入される量を独立して制御することにより制御され得る。金属対アルコールの比は、一般に約1対1から約1対6の範囲内、例えば1対2である。金属化合物は、金属化合物とアルコールとが反応して金属アルコキシド化合物を形成するような本明細書に記載の条件等の条件下でアルコールと接触させることができる。
【0038】
反応−蒸留ゾーンという用語は、本明細書において使用される場合、反応装置内の反応物質、溶媒、および生成物の蒸留および凝縮と同時に化学反応が生じている反応装置内の面積または体積を含み得る。反応−蒸留ゾーンは、1種または複数種の反応成分(反応物質、生成物、溶媒等)が蒸気相に存在し得る明確な蒸気相、および1種または複数種の反応成分が液相に存在し得る(例えば溶液中に溶解しているか、または液体内に沈殿固体として存在する)明確な液相を含み得る。反応装置内の条件は、例えば反応器本体およびその中の反応成分の加熱を維持することにより、明確な蒸気相および液相が同時に存在するように維持され得る。
【0039】
反応の間、ある量の反応物質を(例えば図1の供給ポート140から)約1.5L/hr以上の速度で反応装置に連続的に導入する一方で、反応生成物を同時に反応装置から取り出すまたは引き出すことができる。反応生成物は、反応−蒸留ゾーンの蒸気相、反応−蒸留ゾーンの液相、またはこれらの組合せから取り出すことができる。反応投入物(例えば金属化合物の水溶液およびアルコール反応物質等)は、反応装置の第1の供給ポートから反応−蒸留ゾーンに導入することができ、一方アルコール等の個々の反応物質は、反応ゾーンの頂部近くに位置する供給ポート等の第2の供給ポートから導入することができる。
【0040】
金属化合物は、金属塩(金属ハロゲン化物等)、金属水酸化物、金属酸化物、金属アルコキシド、またはこれらの組合せを含み得る。例えば、金属化合物は、オキシ塩化チタンTiOClを含み得る。これらの金属のハロゲン化物は、フッ化物、塩化物、臭化物およびヨウ化物を含み得る。金属化合物の金属は、1種または複数種の遷移金属を含み得る。本明細書において使用される金属化合物の範囲内の金属の例には、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、ハフニウム、タンタル、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金、金、およびランタニド系列の元素(例えばセシウム、サマリウム、ガドリニウム、ジスプロシウム、エルビウム、ネオジム等)が含まれる。金属化合物は、上述の金属の1種または複数種を含み得る。金属は、二価、三価、四価、五価、または六価金属を含み得る。
【0041】
ある特定の半金属化合物(例えば半金属塩、酸化物、水酸化物、アルコキシド等)は、アルコールとの反応により、上述の金属化合物として反応してアルコキシドを形成させ得る特性を有し得ることが理解される。例えば、IUPAC(International Union of Pure and Applied Chemistry:国際純正および応用化学連合)周期表の第13族から第16族の半金属、例えばホウ素および/またはアルミニウム等は、本明細書に記載の金属化合物として反応し得る化合物として本開示の範囲内に含まれることが意図される。
【0042】
アルコールは、金属化合物と反応し得るCからC20一価アルコールまたは2個以上のOH基を有する多価アルコール(ポリオール)のいずれも含み得る。アルコールは、芳香族アルコールまたは脂肪族アルコールを含み得る。アルコールは、エチレングリコール、グリセロール、メトキシプロパノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、エリスリトール、ソルビトール、糖、スターチ等を含み得るが、これらに限定されない。
【0043】
難燃金属アルコキシド添加剤および組成物の合成における使用に好適なアルコールは、一般式:
【0044】

(式中、Rは、典型的には約2個から約30個の炭素原子、好ましくは約2個から約20個の炭素原子、より好ましくは約2個から約10個の炭素原子を有するが、炭素原子の数はこれらの範囲外であってもよい、アルキル基(直鎖、分岐、飽和、不飽和、環状、および置換アルキル基を含み、酸素、窒素、硫黄、ケイ素、リン等のヘテロ原子がアルキル基内に存在し得る);典型的には約6個から約30個の炭素原子、好ましくは約6個から約20個の炭素原子、より好ましくは約6個から約12個の炭素原子を有するが、炭素原子の数はこれらの範囲外であってもよい、アリール基(置換アリール基を含む);典型的には約7個から約30個の炭素原子、好ましくは約7個から約20個の炭素原子、より好ましくは約7個から約14個の炭素原子を有するが、炭素原子の数はこれらの範囲外であってもよい、ベンジル等のアリールアルキル基(置換アリールアルキル基を含む);典型的には約7個から約30個の炭素原子、好ましくは約7個から約20個の炭素原子、より好ましくは約7個から約12個の炭素原子を有するが、炭素原子の数はこれらの範囲外であってもよい、アルキルアリール基(置換アルキルアリール基を含む);典型的には約2個から約30個の炭素原子、好ましくは約2個から約20個の炭素原子、より好ましくは約2個から約12個の炭素原子を有するが、炭素原子の数はこれらの範囲外であってもよい、アルコキシ基(置換アルコキシ基を含み、酸素、窒素、硫黄、ケイ素、リン等のヘテロ原子がアルコキシ基内に存在し得る);典型的には約3個から約60個の反復アルキレンオキシ単位、好ましくは約3個から約30個の反復アルキレンオキシ単位、より好ましくは約3個から約20個の反復アルキレンオキシ単位を有するが、反復アルキレンオキシ単位の数はこれらの範囲外であってもよい、ポリエチレンオキシ基、ポリプロピレンオキシ基、ポリブチレンオキシ基等のポリアルキレンオキシ基(置換ポリアルキレンオキシ基を含む)であり、置換アルキル、アリール、アリールアルキル、アルキルアリール、アルコキシおよびポリアルキレンオキシ基上の置換基は、(これらに限定されないが)ヒドロキシ基、アミン基、ピリジン基、エーテル基、エステル基、アミド基、カルボニル基、これらの混合物等であってもよく、2個以上の置換基が互いに連結して環を形成してもよい)のアルコールを含むが、これらに限定されない。
【0045】
いくつかの実施形態において、アルコールは、置換アルキル基、置換シクロアルキル基、置換シクロアルキルアルキル基、置換ヘテロシクリル基、置換ヘテロシクリルアルキル基、またはこれらの組合せを有するポリオールを含む。
【0046】
難燃環状金属アルコキシド添加剤および組成物の合成における使用に好適なアルコールは、一般式:
【0047】

のポリオールを含むが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、アルコールはアルカノールアミンを含む。難燃金属アルコキシド添加剤および組成物の合成における使用に好適なアルカノールアミンは、一般式:
【0048】

(式中、Ra、Rb、Rc、Rd、Re、およびRfは、それぞれ、互いに独立して、水素原子、典型的には1個から約22個の炭素原子、好ましくは1個から約12個の炭素原子、より好ましくは1個から約6個の炭素原子を有するが、炭素原子の数はこれらの範囲外であってもよい、アルキル基(直鎖、分岐、飽和、不飽和、環状、および置換アルキル基を含み、酸素、窒素、硫黄、ケイ素、リン等のヘテロ原子がアルキル基内に存在し得る);典型的には約6個から約22個の炭素原子、好ましくは約6個から約15個の炭素原子、より好ましくは約6個から約10個の炭素原子を有するが、炭素原子の数はこれらの範囲外であってもよい、アリール基(置換アリール基を含む);典型的には約7個から約22個の炭素原子、好ましくは約7個から約15個の炭素原子、より好ましくは約7個から約12個の炭素原子を有するが、炭素原子の数はこれらの範囲外であってもよい、ベンジル等のアリールアルキル基(置換アリールアルキル基を含む);典型的には約7個から約22個の炭素原子、好ましくは約7個から約15個の炭素原子、より好ましくは約7個から約12個の炭素原子を有するが、炭素原子の数はこれらの範囲外であってもよい、アルキルアリール基(置換アルキルアリール基を含む);典型的には1個から約22個の炭素原子、好ましくは1個から約15個の炭素原子、より好ましくは1個から約12個の炭素原子を有するが、炭素原子の数はこれらの範囲外であってもよい、アルコキシ基(置換アルコキシ基を含み、酸素、窒素、硫黄、ケイ素、リン等のヘテロ原子がアルコキシ基内に存在し得る);典型的には約3個から約60個の反復アルキレンオキシ単位、好ましくは約3個から約30個の反復アルキレンオキシ単位、より好ましくは約3個から約10個の反復アルキレンオキシ単位を有するが、反復アルキレンオキシ単位の数はこれらの範囲外であってもよい、ポリエチレンオキシ基、ポリプロピレンオキシ基、ポリブチレンオキシ基等のポリアルキレンオキシ基(置換ポリアルキレンオキシ基を含み、酸素、窒素、硫黄、ケイ素、リン等のヘテロ原子がポリアルキレンオキシ基内に存在し得る);ヒドロキシ基、アミン基、ピリジン基、エーテル基、エステル基、アミド基、カルボニル基、これらの混合物等であってもよく、Ra、Rb、Rc、Rd、Re、および/またはRfは、互いに連結して環を形成してもよく、置換アルキル、アリール、アリールアルキル、アルキルアリール、アルコキシ、およびポリアルキレンオキシ基上の置換基は、(これらに限定されないが)ヒドロキシ基、アミン基、ピリジン基、エーテル基、エステル基、アミド基、カルボニル基、これらの混合物等であってもよく、2個以上の置換基が互いに連結して環を形成してもよい)のアルカノールアミンを含むが、これらに限定されない。例えば、Ra、Rb、Rc、Rd、Re、および/またはRfがそれ自体であるか、またはエーテル基で置換されている場合、これらの基は、式:
【0049】

(式中、Rgは上記RaからRfとして定義される)の基であってもよい。これらの一般式内の材料の例には、
【0050】

等が含まれる。
【0051】
特に、難燃金属アルコキシド添加剤および組成物の合成における使用に好適なアルコール、ポリオール、およびアルカノールアミンは、グリセロール、ソルビトール、キシリトール、マンニトール、グリセロールオキシグリセロール、1,3−プロパンジオール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、グリセリンラウレート、ジ−N−ブチルエタノールアミン、β分岐アルコール、サリチルアミド、ラクトアミド、および/またはこれらの組合せを含むが、これらに限定されない。
【0052】
いくつかの実施形態において、アルコールは、100℃を超える沸点を有してもよい。いくつかの実施形態において、アルコールは、100℃を超える沸点を有してもよく、アルコールは水との共沸混合物を形成しない。いくつかの実施形態において、アルコールは、100℃を超える沸点を有してもよく、アルコールは水およびHClとの三元共沸混合物を形成しない。本明細書において使用される場合、アルコールは「高沸点」を有してもよく、「高沸点」という語句は、大気圧下で50℃、60℃、70℃、80℃、90℃、100℃、120℃、140℃、160℃、180℃、または200℃を超える沸点を有する材料を含む。いくつかの実施形態において、高沸点材料は、大気圧下で約200℃から約600℃の沸点を有する。
【0053】
金属化合物とアルコールとの反応は、以下により説明される反応を含み得る。
【0054】

【0055】
式中、xおよびyは1から4の整数であり、nは1から8の整数であり、Mは上述のもの等の金属である。RおよびR’は、それぞれ独立して、水素、置換アルキル基、非置換アルキル基、置換アリール基、非置換アリール基、またはこれらの組合せを含み得る。例えば、RおよびR’は、それぞれ独立して、置換または非置換エチル基、プロピル基、ブチル基等であってもよい。
【0056】
本明細書に記載のような、上記金属化合物のアルコールとの反応(アルコールはポリオールである)は、以下により説明され得る。
【0057】

式中、xは1から約8までの整数である。基Rは、ヒドロキシル基を含まない上述のような基を含んでもよく、例えばHO−R−OHはエチレングリコール、プロピレングリコール等を含む。いくつかの実施形態において、基Rは、少なくとも1個のヒドロキシル基を含んでもよく、例えばHO−R−OHはグリセロール、エリスリトール、ソルビトール等を含む。
【0058】
反応Vにおける化合物M−Alkは、金属アルコキシドを含んでもよく、金属アルコキシドは、以下のうちの1つにより説明され得る。
【0059】

【0060】
いくつかの実施形態において、金属化合物反応物質は、金属アルコキシドを含んでもよく、金属アルコキシド反応物質は、ポリオールと反応して異なる金属アルコキシド生成物、例えば以下により表される構造を有するもの等を形成することができる。
【0061】

【0062】
本明細書に記載のような金属アルコキシド生成物は、錯体、クラスタ錯体、異性体混合物、ナノ寸法の金属アルコキシド材料、またはこれらの組合せを含んでもよい。ナノ寸法金属アルコキシド材料は、金属アルコキシド生成物のナノ粒子を含んでもよく、ナノ粒子は制御加水分解により生成され得る。ナノ粒子は、形成後に焼結されてもよい。このようにして生成されたナノ粒子は、有機溶液、懸濁液および複合材の成分として使用し得る。
【0063】
反応−蒸留ゾーンからある量の反応生成物を連続的に引き出すと同時に、ある量の反応物質を導入するとともにある量の反応物質を反応−蒸留ゾーンで接触させることができ、したがって連続的な反応生成プロセスが形成され得る。金属アルコキシド化合物等の溶解した反応生成物、アルコール、酸副生成物等を含有する液相から液体を引き出す等、反応生成物を反応−蒸留ゾーンから連続的に引き出すことができる。水および酸等の反応生成物は、反応−蒸留ゾーンから、例えば蒸気相から連続的に引き出すことができる。このように、金属化合物がアルコールと反応すると同時に生成物を反応−蒸留ゾーンから取り出す、例えば酸生成物を蒸気相から取り出すことができる。したがって、反応中、反応装置は、反応−蒸留ゾーンに進入する反応物質のストリーム、反応−蒸留ゾーンの蒸気相から出る生成物のストリーム、および反応−蒸留ゾーンの液相から出る生成物のストリームを同時に含み得る。
【0064】
上記反応の反応生成物は、無機酸、有機酸、二酸化炭素、酸化硫黄、酸化窒素、有機アルコール、またはこれらの組合せを含み得る。蒸気相から取り出された水蒸気は、凝縮により捕捉され反応−蒸留ゾーンに戻すことができる。液相から取り出された反応生成物は、中和処理して酸残渣を中和することができ、洗浄して過剰のアルコールを除去し、金属アルコキシド生成物を単離することができる(下記参照)。
【0065】
上記式I(式中、Mは第13族金属もしくは半金属である)の金属アルコキシド反応生成物(または一般に第13族エステルと呼ばれる)は、難燃剤および/または難燃添加剤として有用であることが判明している。
【0066】
難燃剤および/または難燃添加剤として有用な好適な第13族金属アルコキシドは、一般式:
【0067】

(式中、Mは、ホウ素、アルミニウム、および/またはこれらの混合物であり、R、R、およびRは、それぞれ、互いに独立して、水素基、典型的には約2個から約30個の炭素原子、好ましくは約2個から約20個の炭素原子、より好ましくは約2個から約12個の炭素原子を有するが、炭素原子の数はこれらの範囲外であってもよい、アルキル基(直鎖、分岐、飽和、不飽和、環状、および置換アルキル基を含み、酸素、窒素、硫黄、ケイ素、リン等のヘテロ原子がアルキル基内に存在し得る);典型的には約6個から約24個の炭素原子、好ましくは約6個から約15個の炭素原子、より好ましくは約6個から約12個の炭素原子を有するが、炭素原子の数はこれらの範囲外であってもよい、アリール基(置換アリール基を含む);典型的には約7個から約25個の炭素原子、好ましくは約7個から約16個の炭素原子、より好ましくは約7個から約13個の炭素原子を有するが、炭素原子の数はこれらの範囲外であってもよい、ベンジル等のアリールアルキル基(置換アリールアルキル基を含む);典型的には約7個から約25個の炭素原子、好ましくは約7個から約16個の炭素原子、より好ましくは約7個から約13個の炭素原子を有するが、炭素原子の数はこれらの範囲外であってもよい、アルキルアリール基(置換アルキルアリール基を含む);典型的には約2個から約30個の炭素原子、好ましくは約2個から約20個の炭素原子、より好ましくは約2個から約12個の炭素原子を有するが、炭素原子の数はこれらの範囲外であってもよい、アルコキシ基(置換アルコキシ基を含み、酸素、窒素、硫黄、ケイ素、リン等のヘテロ原子がアルコキシ基内に存在し得る);典型的には約2個から約60個の反復アルキレンオキシ単位、好ましくは約2個から約30個の反復アルキレンオキシ単位、より好ましくは約2個から約20個の反復アルキレンオキシ単位を有するが、反復アルキレンオキシ単位の数はこれらの範囲外であってもよい、ポリエチレンオキシ基、ポリプロピレンオキシ基、ポリブチレンオキシ基等のポリアルキレンオキシ基(置換ポリアルキレンオキシ基を含む)であり、置換アルキル、アリール、アリールアルキル、アルキルアリール、アルコキシおよびポリアルキレンオキシ基上の置換基は、(これらに限定されないが)ヒドロキシ基、アミン基、ピリジン基、エーテル基、エステル基、アミド基、カルボニル基、これらの混合物等であってもよく、2個以上の置換基が互いに連結して環を形成してもよく、R、R、および/またはRは、互いに連結して脂肪族環または芳香環を形成してもよい)、および一般式:
【0068】

(式中、RおよびRは、それぞれ、互いに独立して、典型的には約2個から約30個の炭素原子、好ましくは約2個から約20個の炭素原子、より好ましくは約2個から約12個の炭素原子を有するが、炭素原子の数はこれらの範囲外であってもよい、アルキル基(直鎖、分岐、飽和、不飽和、環状、および置換アルキル基を含み、酸素、窒素、硫黄、ケイ素、リン等のヘテロ原子がアルキル基内に存在し得る);典型的には約6個から約24個の炭素原子、好ましくは約6個から約15個の炭素原子、より好ましくは約6個から約12個の炭素原子を有するが、炭素原子の数はこれらの範囲外であってもよい、アリール基(置換アリール基を含む);典型的には約7個から約25個の炭素原子、好ましくは約7個から約16個の炭素原子、より好ましくは約7個から約13個の炭素原子を有するが、炭素原子の数はこれらの範囲外であってもよい、ベンジル等のアリールアルキル基(置換アリールアルキル基を含む);典型的には約7個から約25個の炭素原子、好ましくは約7個から約16個の炭素原子、より好ましくは約7個から約13個の炭素原子を有するが、炭素原子の数はこれらの範囲外であってもよい、アルキルアリール基(置換アルキルアリール基を含む);典型的には約2個から約30個の炭素原子、好ましくは約2個から約20個の炭素原子、より好ましくは約2個から約12個の炭素原子を有するが、炭素原子の数はこれらの範囲外であってもよい、アルコキシ基(置換アルコキシ基を含み、酸素、窒素、硫黄、ケイ素、リン等のヘテロ原子がアルコキシ基内に存在し得る);典型的には約3個から約60個の反復アルキレンオキシ単位、好ましくは約3個から約30個の反復アルキレンオキシ単位、より好ましくは約3個から約20個の反復アルキレンオキシ単位を有するが、反復アルキレンオキシ単位の数はこれらの範囲外であってもよい、ポリエチレンオキシ基、ポリプロピレンオキシ基、ポリブチレンオキシ基等のポリアルキレンオキシ基(置換ポリアルキレンオキシ基を含み、酸素、窒素、硫黄、ケイ素、リン等のヘテロ原子がポリアルキレンオキシ基内に存在し得る)であり、RおよびRは、互いに連結して環を形成してもよく、R、R、R、R、R10およびR11は、それぞれ、互いに独立して、水素原子、典型的には1個から約22個の炭素原子、好ましくは1個から約12個の炭素原子、より好ましくは1個から約6個の炭素原子を有するが、炭素原子の数はこれらの範囲外であってもよい、アルキル基(直鎖、分岐、飽和、不飽和、環状、および置換アルキル基を含み、酸素、窒素、硫黄、ケイ素、リン等のヘテロ原子がアルキル基内に存在し得る)、典型的には約6個から約22個の炭素原子、好ましくは約6個から約15個の炭素原子、より好ましくは約6個から約10個の炭素原子を有するが、炭素原子の数はこれらの範囲外であってもよい、アリール基(置換アリール基を含む);典型的には約7個から約22個の炭素原子、好ましくは約7個から約15個の炭素原子、より好ましくは約7個から約12個の炭素原子を有するが、炭素原子の数はこれらの範囲外であってもよい、ベンジル等のアリールアルキル基(置換アリールアルキル基を含む)、典型的には約7個から約22個の炭素原子、好ましくは約7個から約15個の炭素原子、より好ましくは約7個から約12個の炭素原子を有するが、炭素原子の数はこれらの範囲外であってもよい、アルキルアリール基(置換アルキルアリール基を含む)、典型的には1個から約22個の炭素原子、好ましくは1個から約12個の炭素原子、より好ましくは1個から約7個の炭素原子を有するが、炭素原子の数はこれらの範囲外であってもよい、アルコキシ基(置換アルコキシ基を含み、酸素、窒素、硫黄、ケイ素、リン等のヘテロ原子がアルコキシ基内に存在し得る)、典型的には約3個から約30個の反復アルキレンオキシ単位、好ましくは約3個から約20個の反復アルキレンオキシ単位、より好ましくは約3個から約10個の反復アルキレンオキシ単位を有するが、反復アルキレンオキシ単位の数はこれらの範囲外であってもよい、ポリエチレンオキシ基、ポリプロピレンオキシ基、ポリブチレンオキシ基等のポリアルキレンオキシ基(置換ポリアルキレンオキシ基を含み、酸素、窒素、硫黄、ケイ素、リン等のヘテロ原子がポリアルキレンオキシ基内に存在し得る)、ヒドロキシ基、アミン基、ピリジン基、エーテル基、エステル基、アミド基、カルボニル基、これらの混合物等であり、R、R、R、R、R10、およびR11のうちの1つまたは複数は、環炭素原子が別のR基または別の環炭素原子への二重結合または三重結合を有する場合は存在しなくてもよく(例えば、Rが=Oカルボニル基である場合、Rは存在しない)、R12およびR13は、それぞれ、互いに独立して、水素原子、典型的には1個から約30個の炭素原子、好ましくは1個から約20個の炭素原子、より好ましくは1個から約12個の炭素原子を有するが、炭素原子の数はこれらの範囲外であってもよい、アルキル基(直鎖、分岐、飽和、不飽和、環状、および置換アルキル基を含み、酸素、窒素、硫黄、ケイ素、リン等のヘテロ原子がアルキル基内に存在し得る)、典型的には約6個から約24個の炭素原子、好ましくは約6個から約15個の炭素原子、より好ましくは約6個から約12個の炭素原子を有するが、炭素原子の数はこれらの範囲外であってもよい、アリール基(置換アリール基を含む)、典型的には約7個から約25個の炭素原子、好ましくは約7個から約16個の炭素原子、より好ましくは約7個から約13個の炭素原子を有するが、炭素原子の数はこれらの範囲外であってもよい、ベンジル等のアリールアルキル基(置換アリールアルキル基を含む)、典型的には約7個から約25個の炭素原子、好ましくは約7個から約16個の炭素原子、より好ましくは約7個から約13個の炭素原子を有するが、炭素原子の数はこれらの範囲外であってもよい、アルキルアリール基(置換アルキルアリール基を含む)、典型的には1個から約30個の炭素原子、好ましくは1個から約20個の炭素原子、より好ましくは1個から約12個の炭素原子を有するが、炭素原子の数はこれらの範囲外であってもよい、アルコキシ基(置換アルコキシ基を含み、酸素、窒素、硫黄、ケイ素、リン等のヘテロ原子がアルコキシ基内に存在し得る)、典型的には約2個から約60個の反復アルキレンオキシ単位、好ましくは約2個から約30個の反復アルキレンオキシ単位、より好ましくは約2個から約20個の反復アルキレンオキシ単位を有するが、反復アルキレンオキシ単位の数はこれらの範囲外であってもよい、ポリエチレンオキシ基、ポリプロピレンオキシ基、ポリブチレンオキシ基等のポリアルキレンオキシ基(置換ポリアルキレンオキシ基を含み、酸素、窒素、硫黄、ケイ素、リン等のヘテロ原子がポリアルキレンオキシ基内に存在し得る)であり、R、R、R、R、R10、R11、R12、および/またはR13は、互いに連結して環を形成してもよく、置換アルキル、アリール、アリールアルキル、アルキルアリール、アルコキシ、およびポリアルキレンオキシ基上の置換基は、(これらに限定されないが)ヒドロキシ基、アミン基、ピリジン基、エーテル基、エステル基、アミド基、カルボニル基、これらの混合物等であってもよく、2個以上の置換基が互いに連結して環を形成してもよい)の第13族金属アルコキシドを含むが、これらに限定されない。
【0069】
特に、難燃剤および/または難燃添加剤として有用な好適な第13族金属アルコキシドは、式
【0070】

のヒドロキシアルミニウムグリセロレートおよび関連した異性体、式:
【0071】

のグリセロールのホウ酸エステル、式:
【0072】

のソルビトールのホウ酸エステルおよび関連した異性体、式:
【0073】

のエリスリトールのホウ酸エステルおよび関連した異性体、式:
【0074】

のペンタエリスリトールのホウ酸エステルおよび関連した異性体、式:
【0075】

のキシリトールのホウ酸エステルおよび関連した異性体、式:
【0076】

のグリセロールのアルミン酸エステルおよび関連した異性体、ならびに/またはこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。
【0077】
上記のようなモノマー性第13族エステルに加え、第13族エステルのポリマーおよびコポリマーもまた難燃剤および/または難燃添加剤として有用であることが判明している。第13族エステルのコポリマーは、ポリエステルを形成するための既知の方法による等、任意の既知の方法により調製することができる。例えば、以下のように、その上に2個の1級または2級アルコール基を有するモノマー性第13族エステル化合物を、二塩基酸、例えば一般式HOOC−−R−−COOH(式中、Rは、典型的には約8個から約82個の炭素原子を有するが、炭素原子の数はこの範囲外であってもよいアルキレン基である)のもの等と縮合させて水を取り出し、コポリマーを形成することができる。
【0078】

式中、nは反復モノマー単位の数を表す整数である。同様に、以下のように、その上に2個のアセチル基を有する第13族エステルを、二塩基酸、例えば一般式HOOC−−R−−COOH(式中、Rは、典型的には約2個から約22個の炭素原子を有するが、炭素原子の数はこの範囲外であってもよいアルキレン基である)のもの等と反応させ、加熱して酢酸を取り出し、コポリマーを形成することができる。
【0079】

式中、nは反復モノマー単位の数を表す整数である。同様に、以下のように、その上に2個の1級または2級アルコール基を有するモノマー性第13族エステルを、ジエステル、例えば一般式HCOOC−−R−−COOH(式中、Rは、典型的には約2個から約22個の炭素原子を有するが、炭素原子の数はこの範囲外であってもよいアルキレン基である)のもの等と反応させ、加熱してメタノールを取り出し、コポリマーを形成することができる。
【0080】

式中、nは反復モノマー単位の数を表す整数である。さらに、その上に2個の1級または2級アルコール基を有するモノマー性第13族エステル化合物をポリエステルと反応させ、第13族エステルのランダムモノマー単位をポリエステル内に組み込むことができる。例えば、以下のように、ポリエチレンテレフタレートおよびジグリセロールボレートを加熱することによりエチレングリコールを取り出し、ランダムコポリエステルの形成をもたらすことができる。
【0081】

式中、aおよびbは反復モノマー単位の数を表す整数である。ホウ酸エステルポリマーはまた、例えば、JP11012524A2に開示されており、この開示は参照により本明細書にその全体が組み込まれる。難燃剤および/または難燃添加剤としての使用に好適なホウ酸エステル化合物は、モノマー性ホウ酸エステル由来の少なくともいくつかの反復モノマー単位を有するポリマーを含む。
【0082】
第13族エステル化合物はまた、ホウ酸を、所望のエステル化合物をもたらす1級もしくは2級アルコールまたはアルカノールアミンと混合し、混合物を加熱してその反応から生成する水を除去することにより調製することができる。
【0083】
第13族エステルは、難燃組成物中に効果的な量で存在し、典型的には難燃組成物の少なくとも約0.001重量パーセント、好ましくは難燃組成物の少なくとも約5重量パーセント、より好ましくは難燃組成物の少なくとも約10重量パーセントで、および典型的には難燃組成物の約50重量パーセント以下、好ましくは難燃組成物の約40重量パーセント以下、より好ましくは難燃組成物の約30重量パーセント以下の量で存在する。
【0084】
本発明の難燃組成物には、本発明の範囲外となることなく本発明の難燃特性を改善または低下し得るその他の添加剤および着色剤が配合され得る。例えば、金属酸化物セラミック(ガラス、顔料等)の添加が、炭化物担持表面の形成および改善された熱放散により、プラスチックおよびコーティングの全体的な難燃特性を改善することが周知である。本発明の範囲外となることなく、本発明の難燃剤から得られる作用機序の最大化の結果、いくつかの相乗的改善が生じ得る。
【0085】
本発明の難燃添加剤はまた、炎中で膨張してより良い熱遮蔽および緩やかな放熱速度を提供する非ハロゲン耐炎性ポリマー材料を作製するために、ポリプロピレン、ナイロン、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリルコポリマー、およびブタジエン−スチレン−アクリロニトリルターポリマー等の熱可塑性物質、またはポリウレタンおよびエポキシ等の熱硬化性ポリマーに添加することができる。存在する熱可塑性または熱硬化性材料の重量パーセントは、典型的には、少なくとも約50重量パーセントおよび約97重量パーセント以下、好ましくは約70重量パーセント以上、より好ましくは約90重量パーセント以下の材料である。最終的な難燃熱可塑性または熱硬化性ポリマーは、薄膜コーティング、鋳造部品、射出成形部品、ブロー成形部品、押出ペレット、または、本発明の範囲外となることなく、市販のプラスチック/ポリマー処理の他の任意の一般的様式の形態をとり得る。
【0086】
加水分解に安定な第13族エステルは、任意の安定化剤が存在することなく、本発明の難燃組成物中に使用することができる。水との接触時にホウ酸エステルがホウ酸および対応するアルコールに分解されるように、ホウ酸エステルが加水分解に不安定である場合、本発明の難燃組成物は、アミン安定化剤をさらに含有することができる。好適なアミン安定化剤は、一般式:
【0087】

(式中、R1、R2、およびR3は、それぞれ、互いに独立して、水素、典型的には1個から約22個の炭素原子、好ましくは1個から約12個の炭素原子、より好ましくは1個から約7個の炭素原子を有するが、炭素原子の数はこれらの範囲外であってもよい、アルキル基(直鎖、分岐、飽和、不飽和、環状、および置換アルキル基を含み、酸素、窒素、硫黄、ケイ素、リン等のヘテロ原子がアルキル基内に存在し得る);典型的には約6個から約30個の炭素原子、好ましくは約6個から約15個の炭素原子、より好ましくは約6個から約12個の炭素原子を有するが、炭素原子の数はこれらの範囲外であってもよい、アリール基(置換アリール基を含む);典型的には約7個から約30個の炭素原子、好ましくは約7個から約15個の炭素原子、より好ましくは約7個から約12個の炭素原子を有するが、炭素原子の数はこれらの範囲外であってもよい、ベンジル等のアリールアルキル基(置換アリールアルキル基を含む);典型的には約7個から約30個の炭素原子、好ましくは約7個から約15個の炭素原子、より好ましくは約7個から約12個の炭素原子を有するが、炭素原子の数はこれらの範囲外であってもよい、アルキルアリール基(置換アルキルアリール基を含む);典型的には1個から約22個の炭素原子、好ましくは1個から約12個の炭素原子、より好ましくは1個から約7個の炭素原子を有するが、炭素原子の数はこれらの範囲外であってもよい、アルコキシ基(置換アルコキシ基を含み、酸素、窒素、硫黄、ケイ素、リン等のヘテロ原子がアルコキシ基内に存在し得る);典型的には約3個から約60個の反復アルキレンオキシ単位、好ましくは約3個から約30個の反復アルキレンオキシ単位、より好ましくは約3個から約20個の反復アルキレンオキシ単位を有するが、反復アルキレンオキシ単位の数はこれらの範囲外であってもよい、ポリエチレンオキシ基、ポリプロピレンオキシ基、ポリブチレンオキシ基等のポリアルキレンオキシ基(置換ポリアルキレンオキシ基を含む)であってもよく、R1、R2、および/またはR3は、互いに連結して環を形成してもよく、置換アルキル、アリール、アリールアルキル、アルキルアリール、アルコキシおよびポリアルキレンオキシ基上の置換基は、(これらに限定されないが)ヒドロキシ基、アミン基、ピリジン基、エーテル基、エステル基、アミド基、カルボニル基、これらの混合物等であってもよく、2個以上の置換基が互いに連結して環を形成してもよく、R1、R2、およびR3のうちの少なくとも1つは水素ではない)のアミンを含むが、これらに限定されない。いくつかの場合において、第3級アミンが好ましいが、第2級および第1級アミンも使用することができる。
【0088】
特に、好適なアミン化合物は、モノエタノールアミン、ジエチルアミン、ジエチルアミンジエタノールアミン、N,N−ジブチルエタノールアミン、2−ヒドロキシエチルピリジン、3−ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチルピリジン、2−ヒドロキシメチルピリジン、1−(2−ヒドロキシエチルピロリジン)、(4−(2−ジエチルアミン、ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンプロパンスルホン酸)、トリエタノールアミン、トリエタノールアミンエトキシレート等、およびこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。
【0089】
存在する場合、アミンは、難燃組成物中に任意の所望のまたは効果的な量で、典型的には難燃組成物の少なくとも約1重量パーセント、好ましくは難燃組成物の少なくとも約2重量パーセント、より好ましくは難燃組成物の少なくとも約5重量パーセント、および典型的には難燃組成物の約10重量パーセント以下で存在する。
【0090】
アミン安定化剤を必要としない加水分解に安定なホウ酸エステルは、第13族原子に配位結合した窒素原子を有するもの、例えば一般式:
【0091】

(式中、R基は、上に示されたように定義される)のものを含むが、これらに限定されない。具体的実施形態において、第13族原子に配位結合した窒素原子は、ともに3個以上の炭素原子を有する、好ましくは4個以上の炭素原子を有するアルキル基である、他の2つの置換基(例えば上記式の材料の場合R12およびR13)を有する。そのような第13族エステルの好適な例には、
【0092】

等が含まれるが、これらに限定されない。加水分解に安定なホウ酸エステルはまた、一般式:
【0093】

(式中、R’およびR’’は、それぞれ、互いに独立して、典型的には1個から約22個の炭素原子、好ましくは1個から約12個の炭素原子、より好ましくは1個から約7個の炭素原子を有するが、炭素原子の数はこれらの範囲外であってもよい、アルキル基(直鎖、分岐、飽和、不飽和、環状、および置換アルキル基を含み、酸素、窒素、硫黄、ケイ素、リン等のヘテロ原子がアルキル基内に存在し得る);典型的には約6個から約30個の炭素原子、好ましくは約6個から約15個の炭素原子、より好ましくは約6個から約12個の炭素原子を有するが、炭素原子の数はこれらの範囲外であってもよい、アリール基(置換アリール基を含む);典型的には約7個から約30個の炭素原子、好ましくは約7個から約15個の炭素原子、より好ましくは約7個から約12個の炭素原子を有するが、炭素原子の数はこれらの範囲外であってもよい、ベンジル等のアリールアルキル基(置換アリールアルキル基を含む);典型的には約7個から約30個の炭素原子、好ましくは約7個から約15個の炭素原子、より好ましくは約7個から約12個の炭素原子を有するが、炭素原子の数はこれらの範囲外であってもよい、アルキルアリール基(置換アルキルアリール基を含む);典型的には1個から約22個の炭素原子、好ましくは1個から約12個の炭素原子、より好ましくは1個から約7個の炭素原子を有するが、炭素原子の数はこれらの範囲外であってもよい、アルコキシ基(置換アルコキシ基を含み、酸素、窒素、硫黄、ケイ素、リン等のヘテロ原子がアルコキシ基内に存在し得る);典型的には約3個から約60個の反復アルキレンオキシ単位、好ましくは約3個から約30個の反復アルキレンオキシ単位、より好ましくは約3個から約20個の反復アルキレンオキシ単位を有するが、反復アルキレンオキシ単位の数はこれらの範囲外であってもよい、ポリエチレンオキシ基、ポリプロピレンオキシ基、ポリブチレンオキシ基等のポリアルキレンオキシ基(置換ポリアルキレンオキシ基を含む)であり、R’およびR’’は、互いに連結して環を形成してもよく、置換アルキル、アリール、アリールアルキル、アルキルアリール、アルコキシおよびポリアルキレンオキシ基上の置換基は、(これらに限定されないが)ヒドロキシ基、アミン基、アンモニウム基、ピリジン基、ピリジニウム基、エーテル基、エステル基、アミド基、カルボニル基、これらの混合物等であってもよく、2個以上の置換基が互いに連結して環を形成してもよい)のβ分岐アルコールから得られるものを含む。
【0094】
β分岐アルコールから調製されるホウ酸エステルは、一般式:
【0095】

(式中、R’およびR’’は、β分岐アルコールに関して上に定義された通りである)のものを含む。
【0096】
本発明に好適なβ分岐アルコールから調製されるホウ酸エステルのいくつかの例には、式:
【0097】

のイソブチルアルコールのホウ酸エステル、式:
【0098】

のイソブチルアルコールおよびN,N−ジブチルアミノエタノールのヘテロホウ酸エステル、式:
【0099】

(式中、m、n、およびpは、それぞれ、互いに独立して、反復プロピレンオキシド単位の数を表す整数である)のポリプロピレングリコールのホウ酸エステル、プロピレングリコール/エチレングリコールコポリマーのホウ酸エステル等が含まれるが、これらに限定されない。
【0100】
反応中、図1のローター150は約50rpmから約400rpmで回転することができ、反応器本体の温度は約0℃から約25℃に維持することができる。反応器本体内の圧力は、約266.6Pa(約2Torr)から約101.3kPa(約760Torr)に維持することができる。
【0101】
ステップ321において、反応−蒸留ゾーンからの蒸留物(例えばHCl等の酸生成物)のストリームを、例えば適切な蒸留装置による蒸留を介して反応−蒸留ゾーンの蒸気相から取り出すことができ、第2のステップにおいて回収することができる。
【0102】
ステップ320は、塩基および溶媒を反応−蒸留ゾーンから引き出された反応生成物と混合して、残留酸生成物を中和して反応物からいかなる残留アルコールも洗い流すことができる、残渣中和段階を含む。好適な塩基は、OHを含まない塩基、例えば、これらに限定されないが、アルカリ金属アルコキシド、アルカリ土類金属アルコキシド、ならびに、第1級アミン、第2級アミン、第3級アミン、およびヘテロシクリルアルキルアミンを含むがこれらに限定されないアミンを含む。好適なアミンは、トリエチルアミン、ジイソプロピルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、およびtert−ブチルメチルアミンから選択され得るが、これらに限定されない。
【0103】
ステップ330において、残留金属塩を取り出すことができ、このステップからの有用な金属塩を反応蒸留プロセスに再循環させることができる。
【0104】
ステップ340は、例えば貧溶媒の添加により金属アルコキシド生成物を沈殿させることができる、沈殿および中和段階を含む。ステップ340からの金属アルコキシド生成物の単離後、回収された貧溶媒を、ステップ323におけるプロセスに再循環させることができる。そのような貧溶媒は、いくつかの非極性溶媒のうちの任意の1つ、またはそれらの任意の2種以上の混合物であってもよい。例えば、貧溶媒は、アセトン、ペンタン、ヘキサンもしくはオクタン等のアルカン、ベンゼン、トルエン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、メチル−2−ペンタノン、メチルtert−ブチルエーテル、メチルエチルケトン、および/またはこれらの任意の2種以上の混合物を含むが、これらに限定されない。
【0105】
ステップ350は、金属アルコキシド生成物を溶媒で濯いで残りの未反応の反応物質、反応溶媒、および/または副生成物残渣を除去することができる、濯ぎ段階を含む。ステップ323において、ステップ350からの溶媒を回収し、プロセスに再循環させることができる。
【0106】
ステップ360は、最終生成物を乾燥させて残留溶媒を除去することができる乾燥段階を含む。
【0107】
図3は、反応システム400の図である。反応システム400は、金属化合物を連続的に反応させて、上述のもの等の金属アルコキシドを形成するために使用することができる。反応システム400は、アルコール供給槽405および金属化合物供給槽410を備えることができ、それぞれ、上述され図1に示された反応装置等の反応装置100に動作可能に接続される。アルコール供給槽405は、上述のアルコール等のアルコールを反応装置100に送達するように構成され得る。金属化合物供給槽410は、上述のもの等の金属化合物を反応装置100に送達するように構成され得る。金属化合物は、例えば、アルコール溶液内に送達され得る。本明細書に記載の供給槽は、それぞれ、制御および測定された量および速度で正確に材料を分配するために、当技術分野において知られる適切な計量デバイスおよび関連した周辺デバイスを備えることができる。
【0108】
反応システム400は、反応装置100に動作可能に接続され、反応装置の反応−蒸留ゾーンの蒸気相から反応生成物を連続的に取り出すように構成された蒸気相取出デバイス415を備えることができる。例えば、蒸気相取出デバイス415は、蒸気相から取り出されている酸および水生成物を凝縮するように構成された、適切な導管および少なくとも1つの凝縮器を備えることができる。蒸気相取出デバイス415は、HCl等の強酸に対する耐性を有する材料、例えばPTFE、ステンレススチールおよび本明細書に記載のその他同様の好適な材料を含むことができる。
【0109】
反応システム400は、反応装置100に動作可能に直列接続された混合サイト425を備えることができる。混合サイトは、反応装置100から引き出された生成物を受容し、引き出された生成物溶液を粘度調整剤と混合することができる。粘度調整剤は、生成物溶液が反応システムを通って移動する際のその流動を改善するために生成物溶液に添加することができる。粘度調整剤は、混合サイト425に接続された粘度調整剤供給槽420から添加することができる。混合サイトは、生成物および粘度調整剤が十分混合されるように構成されたデバイスを備えることができる。そのようなデバイスは、例えば、2種の生成物が進入する槽、引き出された生成物を保持するラインに粘度調整剤を直接導入する直列型噴射器、引き出された生成物と粘度調整剤との混合物が通過する管もしくは通路内の一連の邪魔板等の静的混合デバイス、電動ブレンダ等の動的混合デバイス、またはこれらの組合せを含み得る。
【0110】
反応システム400は、反応装置100に動作可能に直列接続された沈殿/中和槽440および/またはその間のコンポーネントを備えることができ、沈殿/中和槽440は、そこから引き出された反応生成物を受容することができる。沈殿/中和槽440は、沈殿/中和槽440に溶媒を送達するように構成された溶媒供給槽430、および/または沈殿/中和槽に塩基を送達するように構成された塩基供給槽445に動作可能に接続され得る。したがって、沈殿/中和槽440を使用して、引き出された生成物溶液から残留アルコールを洗い流し、引き出された生成物溶液中の残留酸生成物を中和することができる。また、沈殿/中和槽440を使用して、適切な溶媒を用いて溶液から金属アルコキシド生成物を沈殿させることができる。
【0111】
反応システム400は、沈殿槽440に動作可能に直列接続されたデカンタもしくは濾過槽455および/またはその間のコンポーネントを備えることができ、濾過槽455は、そこから引き出された反応生成物を受容することができる。濾過槽455は、沈殿槽内に導入された塩基を濾過除去するように構成することができ、濾過された塩基は、塩基供給槽445に接続された塩基回収システム450に送達され得る。濾過された塩基は、次いで塩基供給槽445に戻されて再利用され得る。
【0112】
反応システム400は、反応装置100に動作可能に直列接続された高せん断混合器465および/またはその間のコンポーネントを備えることができ、高せん断混合器465は、そこから引き出された反応生成物を受容することができる。貧溶媒供給槽460は、高せん断混合器465に動作可能に接続することができ、貧溶媒を高せん断混合器465に送達するように構成することができる。高せん断混合器は、ローター/静止ステータ混合器または加圧射出システム等、高せん断混合が可能なデバイスを含み得る。このように、高せん断混合器は、引き出された生成物を貧溶媒と混合し、図2のステップ340において上述されたような金属アルコキシド生成物を沈殿させることができる。
【0113】
粉末単離ユニット475は、高せん断混合器465に動作可能に直列接続することができ、粉末単離ユニット475は、高せん断混合器465からの貧溶媒および沈殿した金属アルコキシドを含む混合物を受容することができる。粉末単離ユニットは、貧溶媒から固体沈殿物を分離するように構成されたデバイス、例えば噴霧乾燥器、流動層乾燥器、薄膜蒸発器、沈殿濾過ユニット等、またはこれらの組合せを備えることができる。粉末単離ユニット475は、貧溶媒から金属アルコキシド生成物を分離することができ、貧溶媒は、粉末単離ユニット475に動作可能に接続された貧溶媒回収システム470を介して回収され得る。回収された貧溶媒は、貧溶媒供給システム460に戻されて再利用され得る。
【0114】
反応システムは、反応装置100に動作可能に直列接続された固体洗浄槽485および/またはその間のコンポーネントを備えることができ、固体洗浄槽485は、そこから引き出された反応生成物を受容することができる。固体洗浄槽485は、例えば残留溶媒または副生成物を除去するための固体生成物の洗浄に好適なデバイスを備えることができる。固体生成物は、固体洗浄槽に動作可能に接続され、固体洗浄層485に溶媒を送達するように構成された溶媒供給槽480から送達された溶媒で洗浄され得る。
【0115】
反応システム400は、反応装置100に動作可能に直列接続された生成物単離ユニット495および/またはその間のコンポーネントを備えることができ、生成物単離ユニット495は、そこから反応生成物を受容することができ、固体粉末生成物を回収および乾燥するように機能する。生成物単離ユニット495は、固体沈殿物から溶媒を分離するように構成されたデバイス、例えば噴霧乾燥器、流動層乾燥器、薄膜蒸発器、沈殿−濾過ユニット等、またはこれらの組合せを備えることができる。生成物単離ユニット495から回収された溶媒は、生成物単離ユニット495に動作可能に接続された溶媒回収システム490を介して回収することができ、回収された溶媒は、固体洗浄槽485に接続された溶媒供給槽480に戻すことができる。
【0116】
以下の限定されない実施例は、本発明のある特定の態様を例示する。
【実施例1】
【0117】
オキシ塩化チタン(TiOCl、400グラム(g))、グリセロール(400g)および水(蒸留水、400g)の溶液を、定量ポンプにより連続的に1.75リットル/分(L/min)の速度で反応蒸留ゾーンに供給した。約98.2kPa(約29″Hg)での減圧下で加熱(約80℃)することにより、本質的に水および約20%から約30%の塩酸を含有する蒸気相が生成されたが、これを連続的に引き出して蒸気凝縮により回収した。粘凋性の液相生成物を反応器から連続的に引き出し、これを処理して残留酸および過剰グリセロールを除去した。得られた遊離白色粉末生成物は約340gの重量であった。生成物の分析は、元素分析、H−および13C−NMRにより確認すると、チタニルグリセロレートと一致した。
【実施例2】
【0118】
水和酢酸亜鉛(Zn(CHCO*4HO、400g)、グリセロール(400g)および水(蒸留水、400g)の溶液を、定量ポンプにより連続的に1.75L/minの速度で反応蒸留ゾーンに供給する。減圧下での加熱により、まず水蒸気が、次いで酢酸蒸気が発生するが、これらを連続的に引き出して蒸気凝縮により回収する。粘凋性の液相生成物を反応器から連続的に引き出し、これを処理して残留酸および過剰グリセロールを除去する。得られる遊離白色粉末生成物を分析すると、亜鉛(II)グリセロレートと一致する。
【実施例3】
【0119】
水和酢酸マンガン(Mn(CHCO*2HO、400g)、グリセロール(400g)および水(蒸留水、400g)の溶液を、定量ポンプにより連続的に1.75L/minの速度で反応蒸留ゾーンに供給する。減圧下での加熱により、まず水蒸気が、次いで酢酸蒸気が発生するが、これらを連続的に引き出して蒸気凝縮により回収する。粘凋性の液相生成物を反応器から連続的に引き出し、これを処理して残留酸および過剰グリセロールを除去する。得られるピンク色粉末生成物を分析すると、マンガン(II)グリセロレートと一致する。
【実施例4】
【0120】
水和酢酸コバルト(Co(CHCO*4HO、400g)、グリセロール(400g)および水(蒸留水、400g)の溶液を、定量ポンプにより連続的に1.75L/minの速度で反応蒸留ゾーンに供給する。減圧下での加熱により、まず水蒸気が、次いで酢酸蒸気が発生するが、これらを連続的に引き出して蒸気凝縮により回収する。粘凋性の液相生成物を反応器から連続的に引き出し、これを処理して残留酸および過剰グリセロールを除去する。得られる藤色粉末生成物を分析すると、コバルト(II)グリセロレートと一致する。
【実施例5】
【0121】
ゲーサイト(α−FeO(OH)、400g)、グリセロール(400g)および水(蒸留水、400g)の溶液を、定量ポンプにより連続的に1.75L/minの速度で反応蒸留ゾーンに供給する。減圧下での加熱により水蒸気が発生するが、これを連続的に引き出して蒸気凝縮により回収する。粘凋性の液相生成物を反応器から連続的に引き出し、これを処理して過剰グリセロールを除去する。得られる薄緑色生成物を分析すると、鉄グリセロレートと一致する。
【実施例6】
【0122】
ホウ酸(B(OH)、400g)、グリセロール(400g)および水(蒸留水、400g)の溶液を、定量ポンプにより連続的に1.75L/minの速度で反応蒸留ゾーンに供給する。減圧下での加熱により、水蒸気が発生するが、これを連続的に引き出して蒸気凝縮により回収する。粘凋性の液相生成物を反応器から連続的に引き出し、これを処理して過剰グリセロールを除去する。得られる白色生成物を分析すると、ジグリセリルボレートと一致する。
【実施例7】
【0123】
塩化銅(CuCl、400g)、グリセロール(400g)および水(蒸留水、400g)の溶液を、定量ポンプにより連続的に1.75L/minの速度で反応蒸留ゾーンに供給する。減圧下での加熱により、酸性蒸気ストリームが発生するが、これを連続的に引き出して蒸気凝縮により回収する。粘凋性の液相生成物を反応器から連続的に引き出し、これを処理して残留酸および過剰グリセロールを除去する。得られる薄緑色生成物を分析すると、銅(II)グリセロレートと一致する。
【実施例8】
【0124】
炭酸銀(AgCO、400g)、グリセロール(400g)および水(蒸留水、400g)の懸濁液を、定量ポンプにより連続的に1.75L/minの速度で反応蒸留ゾーンに供給する。減圧下での加熱により蒸気ストリームが発生するが、これを連続的に引き出して凝縮により回収する。粘凋性の混合相生成物を反応器から連続的に引き出し、これを処理して過剰グリセロールを除去する。得られる暗褐色生成物を分析すると、銀グリセロレートと一致する。
【実施例9】
【0125】
塩化ジルコニル(ZrOCl、400g)、グリセロール(400g)および水(蒸留水、400g)の溶液を、定量ポンプにより連続的に1.75L/minの速度で反応蒸留ゾーンに供給する。減圧下での加熱により、酸性蒸気ストリームが発生するが、これを連続的に引き出して蒸気凝縮により回収する。粘凋性の液相生成物を反応器から連続的に引き出し、これを処理して残留酸および過剰グリセロールを除去する。得られる白色生成物を分析すると、ジルコニルグリセロレートと一致する。
【実施例10】
【0126】
塩化ニッケル(NiCl、400g)、グリセロール(400g)および水(蒸留水、400g)の溶液を、定量ポンプにより連続的に1.75L/minの速度で反応蒸留ゾーンに供給する。減圧下での加熱により、酸性蒸気ストリームが発生するが、これを連続的に引き出して蒸気凝縮により回収する。粘凋性の液相生成物を反応器から連続的に引き出し、これを処理して残留酸および過剰グリセロールを除去する。得られる薄緑色生成物を分析すると、ニッケル(II)グリセロレートと一致する。
【実施例11】
【0127】
塩化コバルト(CoCl、400g)、グリセロール(400g)および水(蒸留水、400g)の溶液を、定量ポンプにより連続的に1.75L/minの速度で反応蒸留ゾーンに供給する。減圧下での加熱により、酸性蒸気ストリームが発生するが、これを連続的に引き出して蒸気凝縮により回収する。粘凋性の液相生成物を反応器から連続的に引き出し、これを処理して残留酸および過剰グリセロールを除去する。得られる赤紫色生成物を分析すると、コバルト(II)グリセロレートと一致する。
【実施例12】
【0128】
オキシ塩化チタン(TiOCl、400g)、グリセロール(400g)および水(蒸留水、400g)の溶液を、定量ポンプにより連続的に1.75L/minの速度で反応蒸留ゾーンに供給する。約98.2kPa(約29″Hg)の減圧下で加熱(約80℃)することにより、水および塩酸を含有する蒸気相が生成されるが、これを連続的に引き出して蒸気凝縮により回収する。粘凋性の液相生成物を反応器から連続的に引き出し、次いで周囲圧力で水(脱イオン水、400g)と加熱(約80℃)する。減圧下での凝縮後、粘凋性の液相生成物を中和して残留酸を除去し、次いで洗浄して過剰グリセロールを除去することができる。得られる白色遊離粉末は、エタノール溶液中での動的光散乱により分析すると、3nmから100nmのサイズの粒子を含み、チタングリセロレートと一致する。
【実施例13】
【0129】
塩化クロム(III)(CrCl、400g)、グリセロール(400g)および水(蒸留水、400g)の溶液を、定量ポンプにより連続的に1.75L/minの速度で反応蒸留ゾーンに供給する。減圧下での加熱により、酸性蒸気ストリームが発生するが、これを連続的に引き出して蒸気凝縮により回収する。緑色の粘凋性の液相生成物を反応器から連続的に引き出し、これを処理して残留酸および過剰グリセロールを除去する。得られる緑色生成物を分析すると、クロム(III)グリセロレートと一致する。
【0130】
実施例14〜19において、第13族金属アルコキシド難燃剤は、特定のアルコール/ポリオールと第13族(ホウ素)三水酸化物との間の反応蒸留により連続的に合成される。触媒は添加せず、熱および真空を使用して反応器から連続的に水を除去する。
【実施例14】
【0131】
N,N−ジブチルエタノールアミングリセロールボレート難燃剤を、以下のように調製する。ホウ酸(10.3グラム)、グリセロール(15.3グラム)およびN,N−ジブチルエタノールアミン(28.9グラム)を、やや真空下で160℃に加熱されたワイプフィルム反応器内に供給し、副生成物である水(約9グラム)を連続的に除去する。最終生成物は、N,N−ジブチルエタノールアミン/グリセロールボレートの茶色粘凋性液体生成物として反応器から溶出する。
【実施例15】
【0132】
N,N−ジブチルエタノールアミンソルビトールボレート難燃剤を、以下のように調製する。ホウ酸(10.3グラム)、ソルビトール(30.4グラム)およびN,N−ジブチルエタノールアミン(28.9グラム)を、やや真空下で160℃に加熱されたワイプフィルム反応器内に供給し、副生成物である水(約9グラム)を連続的に除去する。最終生成物は、N,N−ジブチルエタノールアミン/ソルビトールボレートの黄色樹脂性生成物として反応器から溶出する。
【実施例16】
【0133】
サリチルアミド/グリセロールボレート難燃剤を、以下のように調製する。ホウ酸(10.3グラム)、グリセロール(15.3グラム)およびサリチルアミド(22.9グラム)を、やや真空下で160℃に加熱されたワイプフィルム反応器内に供給し、副生成物である水(約9グラム)を反応ゾーンから連続的に除去する。最終生成物は、サリチルアミド/グリセロールボレートの黄色樹脂性生成物として反応器から溶出する。
【実施例17】
【0134】
サリチルアミド/ソルビトールボレート難燃剤を、以下のように調製する。ホウ酸(10.3グラム)、ソルビトール(30.4グラム)およびサリチルアミド(22.9グラム)を、やや真空下で160℃に加熱されたワイプフィルム反応器内に供給し、副生成物である水(約9グラム)を連続的に除去する。最終生成物は、サリチルアミド/ソルビトールボレートの黄色樹脂性生成物として反応器から溶出する。
【実施例18】
【0135】
N,N−ジブチルエタノールアミン/トリエチレングリコールモノブチルエーテルボレート難燃剤を、以下のように調製する。ホウ酸(10.3グラム)、トリエチレングリコールモノブチルエーテル(Fluka社製、64.1グラム)およびN,N−ジブチルエタノールアミン(28.9グラム)を、やや真空下で160℃に加熱されたワイプフィルム反応器内に供給し、副生成物である水(約9グラム)を連続的に除去する。最終生成物は、N,N−ジブチルエタノールアミン/トリエチレングリコールモノブチルエーテルボレートの茶色液体生成物として反応器から溶出する。
【実施例19】
【0136】
N,N−ジブチルエタノールアミン/ポリ(プロピレングリコール)モノブチルエーテルボレート難燃剤を、以下のように調製する。ホウ酸(10.3グラム)、ポリ(プロピレングリコール)モノブチルエーテル(Aldrich社製、平均M=340、113.3グラム)およびN,N−ジブチルエタノールアミン(28.9グラム)を、やや真空下で160℃に加熱されたワイプフィルム反応器内に供給し、副生成物である水(約9グラム)を連続的に除去する。最終生成物は、N,N−ジブチルエタノールアミン/ポリ(プロピレングリコール)モノブチルエーテルボレートの茶色液体生成物として反応器から溶出する。
【0137】
実施例20〜34において、第13族金属アルコキシド難燃剤は、特定のアルコール/ポリオールと第13族(ホウ素またはアルミニウム)三水酸化物との間の反応蒸留により連続的に合成された。触媒は添加せず、熱および真空を使用して反応器から連続的に水を除去する。
【実施例20】
【0138】
ジグリセロールボレート難燃剤を、以下のように調製した。ホウ酸(10.3グラム)およびグリセロール(30.6グラム)を、やや真空下で160℃に加熱されたワイプフィルム反応器内に供給し、副生成物である水(約9グラム)を連続的に除去する。最終生成物は、ジグリセロールボレートの透明粘凋性液体生成物(約30グラム)として反応器から溶出した(元素分析計算、C:37.54、H:6.83、B:5.63;分析、C:36.77、H:6.68、B:5.88)。
【実施例21】
【0139】
ジエリスリトールヒドロキシボレート難燃剤を、以下のように調製した。ホウ酸(10.3グラム)およびエリスリトール(15.3グラム)を250ミリリットル丸底フラスコに加えた。反応物をやや真空下で160℃に加熱し、副生成物である水(約9グラム)を連続的に除去した。反応器から取り出された最終生成物は、ジエリスリトールヒドロキシボレートの透明粘凋性液体生成物であった(元素分析計算、C:35.58、H:7.09、B:4.00;分析、C:35.43、H:7.11、B:3.98)。
【実施例22】
【0140】
ジソルビトールヒドロキシボレート難燃剤を、以下のように調製した。ホウ酸(10.3グラム)およびソルビトール(15.3グラム)を250ミリリットル丸底フラスコに加えた。反応物をやや真空下で160℃に加熱し、副生成物である水(約9グラム)を連続的に除去した。反応器から取り出された最終生成物は、ジソルビトールヒドロキシボレートの透明粘凋性液体生成物であった(元素分析計算、C:36.94、H:6.98、B:2.77;分析、C:38.58、H:6.98、B:2.78)。
【実施例23】
【0141】
ジキシリトールヒドロキシボレート難燃剤を、以下のように調製した。ホウ酸(25.6グラム)およびキシリトール(124.7グラム)を250ミリリットル丸底フラスコに加えた。反応物をやや真空下で160℃に加熱し、副生成物である水を連続的に除去した。反応器から取り出された最終生成物は、ジキシリトールヒドロキシボレートの透明粘凋性液体生成物であった(元素分析計算、C:36.39、H:7.02、B:3.28;分析、C:38.04、H:6.72、B:3.28)。
【実施例24】
【0142】
ジペンタエリスリトールヒドロキシボレート難燃剤を、以下のように調製した。ホウ酸(10.3グラム)およびペンタエリスリトール(15.3グラム)を250ミリリットル丸底フラスコに加えた。反応物をやや真空下で160℃に加熱し、副生成物である水(約9グラム)を連続的に除去した。反応器から取り出された最終生成物は、ジペンタエリスリトールヒドロキシボレートの透明粘凋性液体生成物であった(元素分析計算、C:40.29、H:7.78、B:3.63;分析、C:42.29、H:7.64、B:3.42)。
【実施例25】
【0143】
ヒドロキシアルミニウムグリセロレート難燃剤を、以下のように調製した。三水酸化アルミニウム(51.08グラム)およびグリセリン(242.78グラム)を1リットル丸底フラスコに加えた。反応物をやや真空下で200℃まで1時間加熱し、副生成物である水を連続的に除去した。反応器から取り出された最終生成物は、ヒドロキシアルミニウムグリセロレートの粘凋性の白色懸濁液であった。任意選択で、濾過により固体を回収することができる。(元素分析計算、C:26.88、H:5.26、Al:20.13;分析、C:22.58、H:5.02、Al:20.0)。赤外スペクトルを添付する。
【実施例26】
【0144】
ジグルコシルヒドロキシボレート難燃剤を、以下のように調製した。ホウ酸(5.01グラム)およびD−グルコース(30.49グラム)を50ミリリットル丸底フラスコに加えた。反応物をやや真空下で160℃に加熱し、副生成物である水を連続的に除去した。反応器から取り出された最終生成物は、ジグルコシルヒドロキシボレートのガラス状固体生成物であった(元素分析計算、C:37.33、H:6.00、B:2.80;分析、C:39.15、H:5.71、B:2.21)。赤外スペクトルを添付する。
【実施例27】
【0145】
((2R,3R,4S,5R)−3,4,5−トリヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−2−イル)メチル((2S,3S,4R,5S)−3,4,5−トリヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−2−イル)メチル水素ボレート難燃剤を以下のように調製した。ホウ酸(4.99グラム)およびD−(−)−フルクトース(30.48グラム)を50ミリリットル丸底フラスコに加えた。反応物をやや真空下で160℃に加熱し、副生成物である水を連続的に除去した。反応器から取り出された最終生成物は、((2R,3R,4S,5R)−3,4,5−トリヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−2−イル)メチル((2S,3S,4R,5S)−3,4,5−トリヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−2−イル)メチル水素ボレートのガラス状固体生成物であった(元素分析計算、C:37.33、H:6.00、B:2.80;分析、C:40.56、H:5.48、B:2.44)。赤外スペクトルを添付する。
【実施例28】
【0146】
3:2リボース:ボレート難燃複合体を、以下のように調製した。ホウ酸(5.0グラム)およびD−(−)−リボース(24.24グラム)を50ミリリットル丸底フラスコに加えた。反応物をやや真空下で95℃に加熱し、副生成物である水を連続的に除去した。反応器から取り出された最終生成物は、透明ガラス状固体生成物であった(元素分析計算、C:35.89、H:5.62、B:4.31;分析、C:36.66、H:5.14、B:4.55)。
【実施例29】
【0147】
環状トリエタノールアミンボレート難燃組成物を、以下のように調製した。ホウ酸(10.11グラム)およびトリエタノールアミン(25.03グラム)を50ミリリットル丸底フラスコに加えた。反応物をやや真空下で80℃に加熱し、副生成物である水を連続的に除去した。反応器から取り出された最終生成物は、4,6,11−トリオキサ−1−アザ−5−ボラビシクロ[3.3.3]ウンデカンの微細な白色の吸湿性固体生成物であった。(元素分析計算、C:45.91、H:7.71、N:8.92、B:6.89;分析、C:45.80、H:7.70、N:8.86、B:5.36)。
【実施例30】
【0148】
イソオクチルアルコール/ヘキシレングリコールアルミン酸エステル難燃剤を、以下のように調製する。三水酸化アルミニウム(10.0グラム)、イソオクチルアルコール(5.84グラム)およびヘキシレングリコール(20.1グラム)を、やや真空下で160℃に加熱されたワイプフィルム反応器内に供給し、副生成物である水を連続的に除去する。反応器滞留時間は、最終アルミニウム生成物が、本質的にアルミニウム1モルあたり0.35モルのイソオクチルアルコールを含むモル比で反応器から溶出するように調節する。
【実施例31】
【0149】
トリデシルアルコール/ヘキシレングリコールアルミン酸エステル難燃剤を、以下のように調製する。三水酸化アルミニウム(10.0グラム)、トリデシルアルコール(6.42グラム)およびヘキシレングリコール(20.9グラム)を、やや真空下で160℃に加熱されたワイプフィルム反応器内に供給し、副生成物である水を連続的に除去する。反応器滞留時間は、最終アルミニウム生成物が、本質的にアルミニウム1モルあたり0.25モルのトリデシルアルコールを含むモル比で反応器から溶出するように調節する。
【実施例32】
【0150】
ヘキシルアルコール/ヘキシレングリコールアルミン酸エステル難燃剤を、以下のように調製する。三水酸化アルミニウム(10.0グラム)、ヘキシルアルコール(1.64グラム)およびヘキシレングリコール(21.8グラム)を、やや真空下で130℃に加熱されたワイプフィルム反応器内に供給し、副生成物である水を連続的に除去する。反応器滞留時間は、最終アルミニウム生成物が、本質的にアルミニウム1モルあたり0.125モルのヘキシルアルコールを含むモル比で反応器から溶出するように調節する。
【実施例33】
【0151】
調合
Theysohn社製TSK21mm二軸押出機を使用して、第13族難燃組成物を以下のマトリックス中に配合した。
マトリックス 難燃剤 %充填
高衝撃ポリスチレン(HIPS) 実施例25 5.25
高密度ポリエチレン(HDPE) 実施例25 5.25
ポリブチレンテレフタレート(PBT) 実施例25 2.0
ポリエチレンテレフタレート(PET) 実施例25 2.0
アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS) 実施例25 5.25
ナイロン6(N6) 実施例25 2.0
ナイロン6(N6) 実施例20 1.7
【0152】
押出機の温度および供給速度は、供給元の指針に従い設定した。比較結果のために、ナイロン6の対照ペレットを難燃添加剤なしで回収した。次いでペレットを射出成形し、ASTM−D2863−08のI型寸法に従う酸素指数レベル試験棒を調製した。
【実施例34】
【0153】
難燃性能
実施例33の難燃添加剤を含有する射出成形品に対し、酸素指数レベル試験を行った。各ポリマーマトリックスの酸素指数レベルは、難燃添加剤を含有しない対照射出成形部品よりもある程度高かった。例えば、実施例20に従い調製された難燃添加剤を1.7重量%の充填率で含有するナイロン6の上記押出部品は、22%のO濃度を有する難燃添加剤なしで処理されたナイロン6の対照品と比較して、25%O濃度の測定LOI(酸素指数レベル)を示した。
【0154】
本発明の実施形態の上記説明は、例示および説明を目的として示されたものである。網羅的であること、および開示された厳密な形態に本発明を制限することは意図されず、多くの修正および変形が可能であることが明らかである。当業者に明らかとなり得るそのような修正および変形は、上述の発明の範囲内に含まれることが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の量の金属化合物と第1の量のアルコールを反応−蒸留ゾーンにおいて接触させ、前記接触の結果として、前記金属化合物と前記アルコールとの反応から金属アルコキシドを形成するステップと、
前記接触と同時に、前記反応−蒸留ゾーンの蒸気相から反応生成物を取り出すステップと、
前記接触と同時に、前記反応−蒸留ゾーンの液相から反応生成物を取り出すステップと、
前記接触と同時に、前記反応−蒸留ゾーンに第2の量の前記金属化合物および第2の量の前記アルコールを導入するステップと、
を含む合成方法。
【請求項2】
前記接触が連続的である、請求項1に記載の合成方法。
【請求項3】
前記金属化合物が金属三水酸化物であり、前記金属が、ホウ素、アルミニウムおよび/またはこれらの組合せからなる群から選択される、請求項2に記載の合成方法。
【請求項4】
前記アルコールが、グリセロール、ソルビトール、キシリトール、マンニトール、グリセロールオキシグリセロール、1,3−プロパンジオール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、グリセリンラウレート、ジ−N−ブチルエタノールアミン、β分岐アルコール、サリチルアミド、ラクトアミド、および/またはこれらの組合せからなる群から選択される、請求項1に記載の合成方法。
【請求項5】
前記金属が遷移金属である、請求項1に記載の合成方法。
【請求項6】
前記遷移金属が、チタン、亜鉛、マンガン、コバルト、ゲーサイト、銅、銀、ジルコニウム、ニッケル、クロムおよび/またはこれらの組合せからなる群から選択される、請求項5に記載の合成方法。
【請求項7】
1対1から約1対6の範囲内の金属対アルコール比を有する、請求項1に記載の合成方法。
【請求項8】
金属対アルコール比が約1対2である、請求項7に記載の合成方法。
【請求項9】
耐腐食性材料を含む反応器本体であって、中空内部を有する反応器本体と、
前記反応器本体の前記中空内部内に配置されたローターであって、回転して前記反応本体内の反応成分を混合するように構成されたローターと、
前記中空内部内に配置された凝縮器と、
前記反応器本体の外表面上に配置された温度調整デバイスと、
を備える反応装置。
【請求項10】
反応器本体内の温度を約0℃から約250℃の温度範囲内に調整するための少なくとも1つの温度調整デバイスをさらに備える、請求項9に記載の反応装置。
【請求項11】
前記耐腐食性材料が、スチールおよび/またはガラスライニングスチールを含む、請求項9に記載の反応装置。
【請求項12】
前記ローターが耐腐食性材料を含む、請求項9に記載の反応装置。
【請求項13】
前記耐腐食性材料が、スチール、ガラスライニングスチールおよび/または25%ガラス充填PTFEからなる群から選択される、請求項12に記載の反応装置。
【請求項14】
耐酸性反応器本体を備える反応器であって、前記反応器本体は、第1の入口ポート、第1の出口ポート、第2の出口ポート、および中空内部を有し、前記中空内部はその中に配置された反応−蒸留ゾーンを有し、前記反応−蒸留ゾーンは蒸気相および液相を含む、反応器と、
前記第1の入口ポートから進入する反応物質のストリームであって、前記反応物質は金属化合物およびアルコールを含む、ストリームと、
前記第1の出口ポートから出る蒸気相生成物のストリームであって、前記蒸気相生成物は、前記金属化合物と前記アルコールとの反応から得られる、ストリームと、
前記第2の出口ポートから出る液相生成物のストリームであって、前記液相生成物は、前記金属化合物と前記アルコールとの反応から得られる、ストリームと、
を備える反応システム。
【請求項15】
その中に反応−蒸留ゾーンを有する中空内部を有する耐酸性反応器本体を備える反応装置であって、前記反応−蒸留ゾーンは、少なくとも2種の反応物質間の反応の蒸気相および液相を含み、前記反応器本体は、前記反応−蒸留ゾーンと接触した少なくとも1つの入口ポート、前記蒸気相と接触した第1の出口ポート、および前記液相と接触した第2の出口ポートを有する、反応装置と、
前記少なくとも1つの入口ポートに動作可能に接続された第1の供給槽であって、前記少なくとも2種の反応物質を前記反応−蒸留ゾーンに連続的に導入するように構成された供給槽と、
前記第1の出口ポートに動作可能に接続された蒸気相取出デバイスであって、前記反応の反応生成物を前記蒸気相から取り出すように構成された蒸気相取出デバイスと、
前記第2の出口ポートに動作可能に接続された抽出デバイスであって、反応生成物を前記液相から取り出すように構成された抽出デバイスと、
を備える反応システム。
【請求項16】
式M(OR)(式中、xは1から4の整数であり、Mは第13族金属であり、Rは独立して水素、置換アルキル基、非置換アルキル基、置換アリール基、非置換アリール基、および/またはこれらの組合せを含む)の金属アルコキシド添加剤を含む難燃組成物。
【請求項17】
Mが、ホウ素、アルミニウムおよび/またはこれらの混合物からなる群から選択される、請求項16に記載の難燃組成物。
【請求項18】
アミン安定化剤をさらに含む、請求項16に記載の難燃組成物。
【請求項19】
アミン安定化剤の量が、難燃組成物の約10重量%未満である、請求項18に記載の難燃組成物。
【請求項20】
金属アルコキシド添加剤が、難燃組成物の少なくとも約0.001重量パーセントの量である、請求項16に記載の難燃組成物。
【請求項21】
金属アルコキシド添加剤が、難燃組成物の少なくとも約5重量%の量である、請求項20に記載の難燃組成物。
【請求項22】
金属アルコキシド添加剤が、難燃組成物の少なくとも約10重量%の量である、請求項21に記載の難燃組成物。
【請求項23】
金属アルコキシド添加剤が、難燃組成物の約50重量%未満の量である、請求項16に記載の難燃組成物。
【請求項24】
金属アルコキシド添加剤が、難燃組成物の約40重量%未満の量である、請求項23に記載の難燃組成物。
【請求項25】
金属アルコキシド添加剤が、難燃組成物の約30重量%未満の量である、請求項24に記載の難燃組成物。
【請求項26】
金属アルコキシド添加剤がヒドロキシアルミニウムグリセロレートである、請求項16に記載の難燃組成物。
【請求項27】
金属アルコキシド添加剤がジグリセロールボレートである、請求項16に記載の難燃組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2011−504880(P2011−504880A)
【公表日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−534997(P2010−534997)
【出願日】平成20年11月5日(2008.11.5)
【国際出願番号】PCT/US2008/082380
【国際公開番号】WO2009/070420
【国際公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【出願人】(510144443)オーテラ インコーポレイテッド. (2)
【Fターム(参考)】