説明

金属イオンを吸着したシリカおよびその製造方法

【課題】金属イオンを吸着したシリカおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】金属イオンを吸着したシリカは、過硫酸塩で修飾された金属イオンを吸着したシリカである。この製造方法は、以下のステップを含む。まず、シリカおよび過硫酸塩を含む溶液を提供する。続いて、溶液を加熱して、シリカと過硫酸塩を反応させ、過硫酸塩で修飾されたシリカを得る。それから、溶液中に金属イオン源を加えて、金属イオン源から金属イオンを解離させ、過硫酸塩で修飾されたシリカに金属イオンを吸着させて、金属イオンを吸着したシリカを得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリカおよびその製造方法に関するものであり、特に、金属イオンを吸着したシリカおよびその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
超大規模集積回路(Very Large Scale Integration, VLSI)の製造過程において、化学機械研磨(chemical mechanical polishing,CMP)プロセスは、ウエハの全面的平坦化(global planarization)を提供することができるため、特に、半導体プロセスがサブミクロン(sub-micron)領域に入った後において、化学機械研磨法は不可欠な製造過程技術である。
【0003】
現行のタングステン基板の化学機械研磨は、フェントン反応(Fenton’s reaction)(すなわち、Fe3+とH22の組み合わせ)を基礎として行われるが、この方法で化学機械研磨を行った場合、Fe3+が容易に残留し、且つ過酸化水素の消耗速度が極めて速いという欠点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、溶液中の金属イオンの残留量を大幅に減らすことのできる金属イオンを吸着したシリカの製造方法を提供する。
【0005】
本発明は、タングステン基板の研磨に使用した時に、過酸化水素の消耗速度を効果的に下げることのできる金属イオンを吸着したシリカの製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、以下のステップを含む金属イオンを吸着したシリカの製造方法を提供する。まず、シリカおよび過硫酸塩を含む溶液を提供する。続いて、溶液を加熱して、シリカと過硫酸塩を反応させ、過硫酸塩で修飾されたシリカを得る。それから、溶液中に金属イオン源を加えて、金属イオン源から金属イオンを解離させ、過硫酸塩で修飾されたシリカに金属イオンを吸着させて、金属イオンを吸着したシリカを得る。
【0007】
本発明のある実施形態中、上述した金属イオンを吸着したシリカの製造方法において、シリカは、例えば、ナノメートルシリカである。
【0008】
本発明のある実施形態中、上述した金属イオンを吸着したシリカの製造方法において、シリカの材料は、例えば、コロイドシリカ(colloidal silica)、フュームシリカ(fumed silica)、高分子シリカコアシェル粒子(polymer-silica core-shell particle)、シリカを含む複合コロイド(composite colloid)、または上記のうちいずれか2つ以上の組み合わせである。
【0009】
本発明のある実施形態中、上述した金属イオンを吸着したシリカの製造方法において、シリカは、例えば、陽イオン交換樹脂で純化した後のシリカである。
【0010】
本発明のある実施形態中、上述した金属イオンを吸着したシリカの製造方法において、過硫酸塩は、例えば、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、または上記のうちいずれか2つ以上の組み合わせである。
【0011】
本発明のある実施形態中、上述した金属イオンを吸着したシリカの製造方法において、金属イオン源は、例えば、金属硫酸塩、金属硝酸塩、金属ハロゲン塩、金属有機酸塩、金属イオン錯体化合物、または上記のうちいずれか2つ以上の組み合わせである。
【0012】
本発明のある実施形態中、上述した金属イオンを吸着したシリカの製造方法において、金属イオンは、例えば、Fe3+、Fe2+、Cu2+、Ag+、または上記のうちいずれか2つ以上の組み合わせである。
【0013】
本発明のある実施形態中、上述した金属イオンを吸着したシリカの製造方法において、シリカの重量%濃度は、例えば、0.05%〜50%であり、過硫酸塩の用量は、例えば、10ppm〜100000ppmであり、金属イオン源の用量は、例えば、0.1ppm〜1500ppmである。
【0014】
本発明のある実施形態中、上述した金属イオンを吸着したシリカの製造方法において、過硫酸塩で修飾されたシリカは、99%〜100%の金属イオンを吸着することができる。
【0015】
本発明のある実施形態中、上述した金属イオンを吸着したシリカの製造方法において、加熱後の溶液の温度は、例えば、50℃〜90℃である。
【0016】
本発明のある実施形態中、上述した金属イオンを吸着したシリカの製造方法において、溶液の加熱期間は、例えば、1時間〜3時間である。
【0017】
本発明のある実施形態中、上述した金属イオンを吸着したシリカの製造方法において、過硫酸塩で修飾されたシリカが金属イオンを吸着した時、溶液のpH値の範囲は、例えば、4以上、且つ7より小さい。
【0018】
本発明のある実施形態中、上述した金属イオンを吸着したシリカの製造方法において、使用したpH値調整剤は、例えば、水酸化カリウムである。
【0019】
本発明のある実施形態中、上述した金属イオンを吸着したシリカの製造方法において、過硫酸塩で修飾されたシリカが金属イオンを吸着した時、さらに、溶液に対して撹拌を行うことを含む。
【0020】
本発明のある実施形態中、上述した金属イオンを吸着したシリカの製造方法において、過硫酸塩で修飾されたシリカを得た後、さらに、溶液を冷却することを含む。
【0021】
本発明のある実施形態中、上述した金属イオンを吸着したシリカの製造方法において、過硫酸塩で修飾されたシリカが金属イオンを吸着した時、溶液の温度は、例えば、室温である。
【0022】
本発明は、金属イオンを吸着したシリカを提出する。このシリカは、過硫酸塩で修飾された金属イオンを吸着したシリカである。
【0023】
本発明のある実施形態中、上述した金属イオンを吸着したシリカにおいて、過硫酸塩で修飾された金属イオンを吸着したシリカは、例えば、Si-O-SO3Mであり、Mは、Fe3+、Fe2+、Cu2+、Ag+、または上記のうちいずれか2つ以上を組み合わせた金属イオンである。
【0024】
本発明のある実施形態中、上述した金属イオンを吸着したシリカにおいて、過硫酸塩は、例えば、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、または上記のうちいずれか2つ以上の組み合わせである。
【0025】
本発明のある実施形態中、上述した金属イオンを吸着したシリカにおいて、シリカの材料は、例えば、コロイドシリカ、フュームシリカ、高分子シリカコアシェル粒子、シリカを含む複合コロイド、または上記のうちいずれか2つ以上の組み合わせである。
【発明の効果】
【0026】
以上に基づき、本発明が提出する金属イオンを吸着したシリカの製造方法は、溶液中の金属イオンの残留量を減らすことができる。
【0027】
また、本発明が提出する金属イオンを吸着したシリカの製造方法は、複雑な操作を何度も行わなくても完成させることができる。
【0028】
また、本発明が提出する金属イオンを吸着したシリカを使用してタングステン基板に対して研磨を行った時、過酸化水素の消耗速度を効果的に下げることができる。
【0029】
本発明の上記及び他の目的、特徴、および利点をより分かり易くするため、図面と併せた幾つかの実施形態を以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明のある実施形態に係る金属イオンを吸着したシリカの製造フローチャートである。
【図2】実験例1の走査型電子顕微鏡‐エネルギー分散型X線分析装置(SEM-EDX)がスペクトルスキャンした写真図である。
【図3】実験1のNaSCN測定法の折れ線グラフである。
【図4】実験2のNaSCN測定法の折れ線グラフである。
【図5】実験3のNaSCN測定法の折れ線グラフである。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1は、本発明のある実施形態に係る金属イオンを吸着したシリカの製造フローチャートである。
【0032】
図1を参照すると、まず、ステップS100を行い、シリカおよび過硫酸塩を含む溶液を提供する。シリカの重量%濃度は、例えば、0.05%〜50%である。シリカは、例えば、ナノメートルシリカである。シリカの材料は、例えば、コロイドシリカ、フュームシリカ、高分子シリカコアシェル粒子、シリカを含む複合コロイド、または上記のうちいずれか2つ以上の組み合わせである。シリカは、例えば、陽イオン交換樹脂で純化した後のシリカである。過硫酸塩の用量は、例えば、10ppm〜100000ppmである。過硫酸塩は、例えば、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、または上記のうちいずれか2つ以上の組み合わせである。
【0033】
続いて、ステップS102を行い、容器を加熱して、シリカと過硫酸塩を反応させ、過硫酸塩で修飾されたシリカを得る。加熱後の溶液の温度は、例えば、50℃〜90℃である。溶液の加熱期間は、例えば、1時間〜3時間である。
【0034】
また、ステップS104を選択的に行い、溶液を冷却してもよい。例を挙げて説明すると、溶液は、室温まで冷却してもよい。
【0035】
それから、ステップS106を行い、溶液中に金属イオン源を加えて、金属イオン源から金属イオンを解離させ、過硫酸塩で修飾されたシリカに金属イオンを吸着させて、金属イオンを吸着したシリカを得る。過硫酸塩で修飾されたシリカが金属イオンを吸着した時、さらに、選択的に溶液に対して撹拌を行ってもよく、過硫酸塩で修飾されたシリカの金属イオンに対する吸着効率を促進することができる。この時の溶液のpH値の範囲は、例えば、4以上、且つ7より小さく、溶液の温度は、例えば、室温である。使用したpH値調整剤は、例えば、水酸化カリウムである。金属イオン源の用量は、例えば、0.1ppm〜1500ppmである。金属イオン源は、例えば、金属硫酸塩、金属硝酸塩、金属ハロゲン塩、金属有機酸塩、金属イオン錯体化合物、または上記のうちいずれか2つ以上の組み合わせである。金属イオンは、例えば、Fe3+、Fe2+、Cu2+、Ag+、または上記のうちいずれか2つ以上の組み合わせである。
【0036】
また、過硫酸塩で修飾されたシリカは、99%〜100%の金属イオンを吸着することができる。つまり、溶液中に遊離する金属イオンの残留量は、1%を超えず、さらには、0.2ppmを超えてはならない。
【0037】
以下、本発明の実施形態が提出する金属イオンを吸着したシリカについて説明する。このシリカは、過硫酸塩で修飾された金属イオンを吸着したシリカである。上述した金属イオンを吸着したシリカは、図1に開示した製造方法の実施形態により製造することができるが、本発明はこれに限定されない。上述した過硫酸塩で修飾された金属イオンを吸着したシリカは、例えば、Si-O-SO3Mであり、Mは、Fe3+、Fe2+、Cu2+、Ag+、または上記のうちいずれか2つ以上を組み合わせた金属イオンである。過硫酸塩は、例えば、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、または上記のうちいずれか2つ以上の組み合わせである。シリカの材料は、例えば、コロイドシリカ、フュームシリカ、高分子シリカコアシェル粒子、シリカを含む複合コロイド、または上記のうちいずれか2つ以上の組み合わせである。
【0038】
上述した実施形態からわかるように、上記の実施形態が提出する製造方法において、過硫酸塩で修飾されたシリカは、金属イオンに対して、高い選択的吸着能力を有し、溶液中の金属イオンの残留量を下げることができる。また、上記の実施形態が提出する製造方法により製造された金属イオンを吸着したシリカは、市販のシリカを加熱して簡単に得ることができるため、操作が非常に簡単であり、複雑なプロセスを何度も行わなくても完成させることができる。また、上記の実施形態が提出する金属イオンを吸着したシリカを使用して、タングステン基板に対して研磨を行った時、過酸化水素の反応速度をより遅くし、さらには、過酸化水素の消耗速度を効果的に下げることができる。
【0039】
以下、実際に行った実験例を用いて説明する。図2は、実験例1の走査型電子顕微鏡‐エネルギー分散型X線分析装置(scanning electron microscope -energy dispersive X-ray, SEM-EDX)がスペクトルスキャンした写真図である。図3〜図5は、それぞれ実験例1〜実験例3のNaSCN測定法の折れ線グラフである。
[実験例1]
【0040】
1.製造方法:
【0041】
市販のナノメートルシリカコロイド(粒径125ナノメートル)を陽イオン交換樹脂で純化した後、1%のナノメートルシリカコロイド水溶液を作成し、且つ300ppmの過硫酸アンモニウム(ammonium persulfate,APS)を加えた。続いて、上記の溶液を60℃で3時間加熱し、ナノメートルシリカコロイドと過硫酸アンモニウムを反応させ、過硫酸アンモニウムで修飾されたナノメートルシリカコロイドを得た。それから、上記の溶液を室温まで冷却した。その後、20ppmの硝酸鉄を上記の溶液中に添加し、且つ1%の水酸化カリウム水溶液でpH値を5に調整した。そして、室温で1時間撹拌し、鉄イオンを過硫酸アンモニウムで修飾されたナノメートルシリカコロイドに吸着させた後、鉄イオンを吸着したナノメートルシリカコロイドを得た。
【0042】
2.測定方法および結果
【0043】
(1)SEM−EDXスペクトルスキャン法
【0044】
図2を参照すると、鉄イオンを吸着したナノメートルシリカコロイドにSEM−EDXスペクトルスキャンを行うと、Feの信号をはっきりと見ることができる。
【0045】
(2)NaSCN測定法
【0046】
a.吸着が完了したナノメートルシリカコロイド溶液を浮遊物質がなくなるまで遠心した。
【0047】
b.遠心後の上層上澄み液を取出し、40%のNaSCN水溶液を加えた。
【0048】
c.上澄み液中にFe3+があった場合、NaSCNを添加した後の溶液は赤色になった。
【0049】
d.上澄み液とNaSCNの混合液のUVスペクトルを測定し、上澄み液中にFe3+があった場合、480nmの所に吸着信号があった。
【0050】
測定結果:図3を参照すると、UVスペクトル表示により、APSで修飾されたナノメートルシリカコロイドは、Fe3+に対して良好な吸着性を有するため、480nmの所に吸着信号がほとんどなく、且つ溶液は透明無色であった。また、APSで修飾されていないナノメートルシリカコロイドは、Fe3+に対する吸着性が悪く、480nmの所にはっきりとした吸着信号があり、且つ溶液は赤色になった。
【0051】
(3)誘導結合プラズマ質量分析(ICP−Mass)測定法
【0052】
ICP−Massにより実際に測定された上澄み液中のFe3+イオン濃度は、0.10ppmであった。
[実験例2]
【0053】
1.製造方法:
【0054】
市販のナノメートルシリカコロイド(粒径80ナノメートル)を陽イオン交換樹脂で純化した後、3%のナノメートルシリカコロイド水溶液を作成し、且つ500ppmの過硫酸アンモニウムを加えた。続いて、上記の溶液を60℃で3時間加熱し、ナノメートルシリカコロイドと過硫酸アンモニウムを反応させ、過硫酸アンモニウムで修飾されたナノメートルシリカコロイドを得た。それから、上記の溶液を室温に冷却した。その後、50ppmの硝酸鉄を上記の溶液中に添加し、且つ1%の水酸化カリウム水溶液でpH値を6に調整した。そして、室温で1時間撹拌し、鉄イオンを過硫酸アンモニウムで修飾されたナノメートルシリカコロイドに吸着させた後、鉄イオンを吸着したナノメートルシリカコロイドを得た。
【0055】
2.測定方法および結果
【0056】
(1)NaSCN測定法
【0057】
図4を参照すると、UVスペクトル表示により、APSで修飾されたナノメートルシリカコロイドは、Fe3+に対して良好な吸着性を有するため、480nmの所に吸着信号がほとんどなく、且つ溶液は透明無色であった。また、APSで修飾されていないナノメートルシリカコロイドは、Fe3+に対する吸着性が悪く、480nmの所にはっきりとした吸着信号があり、且つ溶液は赤色になった。
【0058】
(2)誘導結合プラズマ質量分析(ICP−Mass)測定法
【0059】
ICP−Massにより実際に測定された上澄み液中のFe3+イオン濃度は、0.085ppmであった。
[実験例3]
【0060】
1.製造方法:
【0061】
市販のナノメートルシリカコロイド(粒径100ナノメートル)を陽イオン交換樹脂で純化した後、10%のナノメートルシリカコロイド水溶液を作成し、且つ900ppmの過硫酸アンモニウムを加えた。続いて、上記の溶液を60℃で3時間加熱し、ナノメートルシリカコロイドと過硫酸アンモニウムを反応させ、過硫酸アンモニウムで修飾されたナノメートルシリカコロイドを得た。それから、上記の溶液を室温に冷却した。その後、200ppmの硝酸鉄を上記の溶液中に添加し、且つ1%の水酸化カリウム水溶液でpH値を5に調整した。そして、室温で1時間撹拌し、鉄イオンを過硫酸アンモニウムで修飾されたナノメートルシリカコロイドに吸着させた後、鉄イオンを吸着したナノメートルシリカコロイドを得た。
【0062】
2.測定方法および結果
【0063】
(1)NaSCN測定法
【0064】
図5を参照すると、UVスペクトル表示により、APSで修飾されたナノメートルシリカコロイドは、Fe3+に対して良好な吸着性を有するため、480nmの所に吸着信号がほとんどなく、且つ溶液は透明無色であった。また、APSで修飾されていないナノメートルシリカコロイドは、Fe3+に対する吸着性が悪く、480nmの所にはっきりとした吸着信号があり、且つ溶液は赤色になった。
【0065】
(2)誘導結合プラズマ質量分析(ICP−Mass)測定法
【0066】
ICP−Massにより実際に測定された上澄み液中のFe3+イオン濃度は、0.075ppmであった。
【0067】
研磨測定および結果
【0068】
鉄イオンを吸着したナノメートルシリカコロイドは、研磨レシピーに応用することができる。例を挙げて説明すると、実験例2は基礎的な研磨レシピーであり、アプライドマテリアルズ社(Applied Materials)製のMirra3400研磨装置においてタングステンおよびテトラエトキシシラン(tetraethyl orthosilicate, TEOS)試験片の研磨実験を行ったものである。そのうち、研磨液が提供する速度は、毎分200ミリリットルであり、研磨パッドは、CUP4410(製品番号、ダウケミカル社製)であり、コンディショナは、S−PDA32P−3FN(製品番号、中国砂輪社製)であり、コンディショナ圧力は5lbfであった。研磨条件は、研磨ヘッド圧力が4psiの下で50秒研磨し、研磨パッドと研磨ヘッドの相対回転速度は100rpm対94rpmであり、コンディショニング方法は、即時(in-situ)である。
【0069】
研磨結果:タングステン試験片の研磨速度は、毎分2674オングストローム、TEOS試験片の研磨速度は、毎分358オングストロームであり、選択比は7.47であった。
【0070】
以上のことから、上述した実施形態は少なくとも以下の利点を有する。
【0071】
1.上記の実施形態が提出する金属イオンを吸着したシリカの製造方法は、溶液中の金属イオンの残留量を減らすことができる。
【0072】
2.上記の実施形態が提出する金属イオンを吸着したシリカの製造方法は、操作が極めて簡単であり、複雑なプロセスを何度も行わなくても完成させることができる。
【0073】
3.上記の実施形態が提出する金属イオンを吸着したシリカを使用して、タングステン基板に対して研磨を行った時、過酸化水素の消耗速度を効果的に下げることができる。
【0074】
以上のごとく、この発明を実施形態により開示したが、もとより、この発明を限定するためのものではなく、当業者であれば容易に理解できるように、この発明の技術思想の範囲内において、適当な変更ならびに修正が当然なされうるものであるから、その特許権保護の範囲は、特許請求の範囲および、それと均等な領域を基準として定めなければならない。
【符号の説明】
【0075】
S100、S102、S104、S106 ステップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリカおよび過硫酸塩を含む溶液を提供することと、
前記溶液を加熱して、前記シリカと前記過硫酸塩を反応させ、過硫酸塩で修飾されたシリカを得ることと、
前記溶液中に金属イオン源を加えて、前記金属イオン源から金属イオンを解離させ、前記過硫酸塩で修飾されたシリカに前記金属イオンを吸着させて、前記金属イオンを吸着したシリカを得ることと
を含む金属イオンを吸着したシリカの製造方法。
【請求項2】
前記シリカが、ナノメートルシリカを含む請求項1に記載の金属イオンを吸着したシリカの製造方法。
【請求項3】
前記シリカの材料が、コロイドシリカ(colloidal silica)、フュームシリカ(fumed silica)、高分子シリカコアシェル粒子(polymer-silica core-shell particle)、シリカを含む複合コロイド(composite colloid)、または上記のうちいずれか2つ以上の組み合わせを含む請求項1に記載の金属イオンを吸着したシリカの製造方法。
【請求項4】
前記シリカが、陽イオン交換樹脂で純化した後のシリカを含む請求項1に記載の金属イオンを吸着したシリカの製造方法。
【請求項5】
前記過硫酸塩が、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、または上記のうちいずれか2つ以上の組み合わせを含む請求項1に記載の金属イオンを吸着したシリカの製造方法。
【請求項6】
前記金属イオン源が、金属硫酸塩、金属硝酸塩、金属ハロゲン塩、金属有機酸塩、金属イオン錯体化合物、または上記のうちいずれか2つ以上の組み合わせを含む請求項1に記載の金属イオンを吸着したシリカの製造方法。
【請求項7】
前記金属イオンが、Fe3+、Fe2+、Cu2+、Ag+、または上記のうちいずれか2つ以上の組み合わせを含む請求項1に記載の金属イオンを吸着したシリカの製造方法。
【請求項8】
前記シリカの重量%濃度が、0.05%〜50%であり、
前記過硫酸塩の用量が、10ppm〜100000ppmであり、
前記金属イオン源の用量が、0.1ppm〜1500ppmである、請求項1に記載の金属イオンを吸着したシリカの製造方法。
【請求項9】
前記過硫酸塩で修飾されたシリカが、99%〜100%の前記金属イオンを吸着する請求項8に記載の金属イオンを吸着したシリカの製造方法。
【請求項10】
加熱後の前記溶液の温度が、50℃〜90℃である請求項1に記載の金属イオンを吸着したシリカの製造方法。
【請求項11】
前記溶液の加熱期間が、1時間〜3時間である請求項1に記載の金属イオンを吸着したシリカの製造方法。
【請求項12】
前記過硫酸塩で修飾されたシリカが前記金属イオンを吸着した時、前記溶液のpH値の範囲が、4以上、且つ7より小さい請求項1に記載の金属イオンを吸着したシリカの製造方法。
【請求項13】
前記使用したpH値調整剤が、水酸化カリウムを含む請求項12に記載の金属イオンを吸着したシリカの製造方法。
【請求項14】
前記過硫酸塩で修飾されたシリカが前記金属イオンを吸着した時、さらに、前記溶液に対して撹拌を行うことを含む請求項1に記載の金属イオンを吸着したシリカの製造方法。
【請求項15】
前記過硫酸塩で修飾されたシリカを得た後、さらに、前記溶液を冷却することを含む請求項1に記載の金属イオンを吸着したシリカの製造方法。
【請求項16】
前記過硫酸塩で修飾されたシリカが前記金属イオンを吸着した時、前記溶液の温度が、室温を含む請求項1に記載の金属イオンを吸着したシリカの製造方法。
【請求項17】
過硫酸塩で修飾された金属イオンを吸着したシリカである金属イオンを吸着したシリカ。
【請求項18】
前記過硫酸塩で修飾された金属イオンを吸着したシリカが、Si-O-SO3Mを含み、Mが、Fe3+、Fe2+、Cu2+、Ag+、または上記のうちいずれか2つ以上を組み合わせた金属イオンである請求項17に記載の金属イオンを吸着したシリカ。
【請求項19】
前記過硫酸塩が、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、または上記のうちいずれか2つ以上の組み合わせを含む請求項17に記載の金属イオンを吸着したシリカ。
【請求項20】
前記シリカの材料が、コロイドシリカ、フュームシリカ、高分子シリカコアシェル粒子、シリカを含む複合コロイド、または上記のうちいずれか2つ以上の組み合わせを含む17に記載の金属イオンを吸着したシリカ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−63897(P2013−63897A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−187739(P2012−187739)
【出願日】平成24年8月28日(2012.8.28)
【出願人】(508239001)盟智科技股▲ふん▼有限公司 (3)
【Fターム(参考)】