説明

金属ストランドを溶融浸漬被覆する装置および溶融浸漬被覆するための方法

本発明は、金属ストランド(1)が、溶解した溶融被覆金属(2)を収容している容器(3)を介して、及び前もって接続された案内管路(4)を介して垂直方向に通過案内され、この場合、案内管路(4)の領域内において、電磁誘導子(5)が設けられており、この両側の電磁誘導子が、容器(3)内の被覆金属(2)を保持するために、磁場を発生させ、そしてこの場合、容器(3)に、予備溶融容器(6)から溶解した被覆金属(2)が供給される様式の、金属ストランド(1)、特に鋼ストリップを溶融浸漬被覆する装置に関する。さらに本発明は、溶融浸漬被覆する方法にも関し、その場合このような装置を使用する。現行の設備を簡単な方法でかつ工程技術的に最適に改造できるように、予備溶融容器(6)は、案内管路(4)の下方に設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属ストランドが、溶解した溶融被覆金属を収容している容器を介して、及び前もって接続された案内管路を介して垂直方向に通過案内され、
この場合、案内管路の両側で、電磁誘導子が設けられており、この両側の電磁誘導子が、容器内の被覆金属を保持するために、磁場を発生させ、そして
この場合、容器に、予備溶融容器から溶解した被覆金属が供給される様式の、
金属ストランド、特に亜鉛、アルミニウム、亜鉛−アルミニウム合金を含んだ鋼ストリップを溶融浸漬被覆する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
金属ストリップ用の公知の金属浸漬被覆設備はメンテナンスの割合が高い部分を備えている。すなわち、その中にいろいろな装備を有する被覆容器を備えている。被覆されるべき金属ストリップの表面は、被覆前に洗浄しなければならず、かつ被覆金属と結合するために金属ストリップの表面を活性化させねばならない。この理由から、ストリップは被覆前に、連続炉内において、低下する雰囲気内で処理される。酸化被膜は前もって化学的に取除かれるので、還元性の加熱工程により、表面は加熱工程後に金属的に純粋に存在するように活性化される。この場合、金属ストリップは、亜鉛、アルミニウム、あるいは亜鉛−アルミニウム合金を含んだ被膜に必要な温度で加熱される。
【0003】
しかしながら、金属ストリップの表面を活性化させることにより、このストリップ表面の取囲む大気中の酸素に対する親和力は高まる。大気中の酸素が被覆工程前にストリップ表面に再度達するのを防ぐために、浸漬スナウト(Tauchrussel)内のストリップは上方から浸漬被覆浴槽内に挿入される。被覆金属は液状の形で存在し、重力は被覆厚さを調節するための吹き出し装置(“エアーナイフ”)と協働して使用されてもかまわないが、後に続く工程はストリップに接触することを被覆金属が完全に凝固するまで禁止しているので、被覆容器内のストリップは垂直方向に転向させなければならない。これは液状金属内で回転するローラにより行われる。液状の被覆金属により、このローラは磨耗の影響をかなり受け、このローラは停止の原因であり、従って工場の停止である。
【0004】
ミクロン範囲で変動する、所望の僅かな被覆金属のめっき厚により、金属ストリップの表面の品質への高い要求事項が調節される。これはストリップを案内するローラの表面も高い品質でなければならないことを意味する。一般にローラ表面の不具合により、金属ストリップ表面に傷が付く。これが考えられる設備の停止に関するその他の理由である。
【0005】
液状の被覆金属内で回転しているローラと関連している問題を回避するために、下方に開放された被覆容器を備え、この被覆容器がその下方領域内において、ストリップを上方に向かって垂直に案内するための一定の高さの案内管路を備え、かつ密閉するために電磁的閉鎖装置を有する。これに関しては、電磁誘導子であり、この電磁誘導子は、抑止作用をするか、ポンプ圧送作用を行うかあるいは狭窄作用を行う電磁的交流磁場あるいは進行磁場により機能する。この交流磁場あるいは進行磁場は被覆金属容器を下方に向かってシールする。
【0006】
このような解決策は、例えば特許文献1から公知である。特許文献2による解決策あるいは特許文献3による解決策も、被覆金属容器を下方に向かってシールするための電磁的閉鎖装置を使用している。
【0007】
案内管路内の金属ストランドの位置を正確に調節するために、特許文献4と特許文献5は、特殊な解決策を用いている。開示された構想によれば、電磁的進行磁場を発生させるためのコイル以外に、さらに補正コイルが設けられている。この補正コイルは調節システムと接続しており、かつ金属ストランドを、中心位置からずれた場合に、中心位置へ再度戻すことを考慮している。
【0008】
特許文献6から公知の金属ストランドを溶融浸漬被覆する装置の場合、被覆容器の下方に電磁的遮断装置が設けられている。そこでは、溶融液状の被覆金属のための容器に、予備被覆容器が所属しており、この場合、この容器は容量的に予備被覆容器よりもはるかに小さい。容器は補充するためにあるいは空にするために、導入管路と導出管路を介して、予備被覆容器と接続しており、この場合予備被覆容器と被覆容器の間の溶解した被覆材料は、大気中の酸素を遮断することにより循環可能である。
【0009】
この形態によれば、被覆金属用の予備溶融容器は実際の被覆容器の側方に設けられている。予備溶融容器のこの配設は、溶融浸漬被覆工程を最適に実施するために施設される、新しい溶融浸漬被覆設備にとって特に有利である。
【0010】
垂直被覆法(さらにコード番号CVGL法=連続垂直ガルバナイジングライン法でも知られている)が、溶解した被覆金属内で回転する転向ローラと安定化ローラにより機能する従来の溶融浸漬被覆法に比べて工程技術的に有利であることがわかる。従って、現行の溶融浸漬被覆設備を垂直被覆設備に改造することが望まれる。この関連において、構想に関する妥協に必要であることが多い状況を考慮しなければならない。この妥協により工程条件は最適にならない。
【特許文献1】欧州特許第0673444号明細書
【特許文献2】国際特許出願公開第96/03533号明細書
【特許文献3】特開平5−86446号公報
【特許文献4】ドイツ国特許出願公開第19535854号明細書
【特許文献5】ドイツ国特許出願公開第10014867号明細書
【特許文献6】欧州特許第0630421号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
したがって本発明の根底をなす課題は、垂直被覆法を最適に実施でき、その際最大の効果が現行の設備から引き出されるようになるように、従来の溶融浸漬被覆設備を改造する可能性を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この課題は、本発明によれば、予備溶融容器が、案内管路の下方に直接設けられていることにより達せられる。この場合、予備溶融容器は溶解した被覆金属内に設けられた転向ローラを収容するのに適しているのが好ましい。さらにこの場合は、溶融浸漬被覆法を模範的に実施するのに適した容器である。
【0013】
この形態により、現行の溶融浸漬被覆設備を改造るかあるいは現代風にするための簡単でかつ費用がかからない設計が垂直被覆法により提供され、この垂直被覆法にあって、それでもなお、最適な工程条件が実現できる。溶融浸漬被覆を行うための容器は前もって接続された案内管路共々、従来の設備を介して直接設けられており、そこで予備溶融容器として機能を果たすこの設備の被覆容器を介して設けられている。従って、模範的方法の場合、被覆金属内に浸漬している転向ローラを備えている被覆容器は、垂直被覆設備のための予備溶融容器として利用される。
【0014】
好ましい形態によれば、炉から来ている炉スナウトを備え、この炉スナウトから金属ストランドが供給方向に繰り出され、その際、金属ストランドは、少なくとも一つの転向ローラにより、好ましくは二つの転向ローラにより垂直方向に転向し、少なくとも一つの案内ローラを経由して案内管路に供給される。
【0015】
さらに、移送方向での金属ストランドの延長部と、案内管路を通る垂直方向における金属ストランドの延長部の交線が、容器内の溶解した被覆金属の水準の下方に配置されているのが有利である。
【0016】
炉スナウトの端部と案内管路の端部は、ガス気密でかつ加熱されたローラ室と接続しているのが有利である。この場合、さらに炉スナウトの端部とローラ室の間にゲート、特にローラゲートが設けられていてもよい。
【0017】
さらに装置は、予備溶融容器から容器内へ溶解した被覆金属をポンプで汲み上げるための制御可能かあるいは調節可能なポンプを備えているのが好ましい。さらに、容器から予備溶融容器内へ溶解した被覆金属を導入するための制御可能かあるいは調節可能なドレンが設けられてもよい。容器、予備溶融容器、ポンプあるいはドレンの間の導管は、加熱可能に形成されていてもよい。
【0018】
容器の上方に、金属ストランドを垂直方向から転向させる転向ローラを設けることができる。この転向ローラは、改造されるべきあるいは現代風に変えるべき被覆設備の被覆容器の上方の冷却区間と折り合うことができるように水冷されているのが好ましい。
【0019】
金属ストランドと接触する、今ある転向ローラならびに案内ローラの少なくとも一つは、セラミックの被覆部を備えていてもよく、この被覆部は溶解した被覆金属により湿潤することはない。容器に予備溶融容器から溶解した被覆金属が供給される様式の、垂直被覆法において金属ストランドを溶融浸漬被覆する方法は、本発明によれば、被覆工程の操業を開始するために、溶解した被覆金属を、移送方向に運動する金属ストランドの場合には、予備溶融容器から第一にまだ空の容器内へ移送することを特徴とする。
【0020】
この場合、ローラ室内において被覆工程を開始する前に、不活性ガスをローラ室に加えることにより、そしてローラ室内において所望の温度を調節することにより、極めて露点が低い雰囲気を作るのが有利であり、この雰囲気により、金属ストランドの表面における被覆金属の付着が促進される。
【0021】
別の形態においては、金属ストランドを、温度が450℃〜530℃である案内管路に供給する。
【0022】
さらに容器内の被覆金属の高さ水準を、予め設定された値に従って制御あるいは調節する。
【0023】
予備溶融容器と容器の間において、有利な方法でポンプとドレンを用いて、溶解した被覆金属の移送が行われ、この被覆金属の容積流量は実質的に多く、金属ストランドを介して容器から来る被覆金属の引渡しに比べて少なくとも5倍多いことが好ましい。
【0024】
予備溶融容器に固着した形の新しい被覆金属を供給することができる。予備溶融容器から好ましくは周期的に汚染を排出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
本発明を、実施例により以下に詳しく説明する。
【実施例】
【0026】
図示した溶融浸漬被覆設備は、垂直被覆法に従って働く。すなわち金属ストランド1は移送方向Rで、案内管路4を通って上方に向かって垂直に走行し、かつ溶解した被覆金属2と接触する。この被覆金属は容器3内に、ならびに案内管路4の上方部分に配置されている。
【0027】
垂直被覆設備が再編成された溶融浸漬被覆設備を基にしており、この溶融浸漬被覆設備において、典型的な溶融浸漬被覆法が(溶解した被覆金属内の転向ローラにより)実施されることは重要である。この場合、金属ストランド1は供給方向Zで、溶解した被覆金属2が配置されている容器6内に入る。転向ローラ7は、金属ストランド1を垂直方向Vに転向させる。容器6の上方には、“エアナイフ”である空気吹き出し装置22が設けられており、このエアナイフにより、金属ストランド1上の被覆金属2の被膜厚が調節される。さらに上方には、金属ストランド1を被覆金属2と共に冷却する冷却区間23が設けられている。
【0028】
移送方向Zでの金属ストランド1の延長部と、案内管路4を通る垂直方向Vにおける金属ストランド1の延長部の交線12が、容器6内の被覆金属2の最大水準の下方に配置されていることが示してある。
【0029】
従って、転向ローラ10と11はどちらも、金属ストランド1の通過線が、炉スナウトにおいても、溶融浸漬被覆設備の垂直部においても、−元の典型的な被覆設備と比べて−変わらないように設けられている。
【0030】
しかしながら図示した溶融浸漬被覆設備の場合、金属ストランド1は容器6内に配置されている被覆金属内に入らずに、金属ストランド1の転向が供給方向Zから、転向ローラ10と11を介して、垂直方向Vに行われる。従って、金属ストランド1は転向ローラ10と案内ローラ24の上方で、案内管路4内に入ることができる。電磁気的誘導子5は、容器3内に配置された被覆金属2を拘束し、従って被覆金属は案内管路4を通って下方には流出しない。
【0031】
元の設備内において溶解した被覆金属2内で作動する転向ローラ7は、破線で示してあり、それにより転向ローラは図示した溶融浸漬被覆設備の場合にあっては、もはや必要ではなく、従って取外すことができることが示唆されている。
【0032】
この場合、金属ストランド1は第一に炉8内で加熱され、移送方向Rで移送される。金属ストランド1は、元の溶融浸漬被覆設備が有する炉スナウト9を経由し、ローラ型ゲート15を経由して(好ましくは電気的に加熱された状態で)ローラ室14内に達する。このローラ室は、ローラ室9の端部と案内管路4の下方端部を互いに気密に接続する。ローラ室14内において、金属ストランド1は炉内で調節された温度Tに維持される。
【0033】
二重ローラ型ゲート15は、一方では炉8内における、他方ではローラ室14内における異なる不活性ガス雰囲気を互いに分離し、かつこの場合に空気の妨害がローラ室14から炉8内に達しえることを防ぐ機能を有する。さらに、二重ローラゲートは、重要な処置的機能を溶融浸漬被覆設備の運転開始の際に果たす。すなわち、ローラ室14内において保護ガス雰囲気をシールすることにより、短時間内で被覆に必要な低い露点に達することができる。このことにより、極めて短い時間内で、被覆金属2を容器3内に満たした後極めて短い時間内で、金属ストランド1での被覆金属2の申し分の無い固着が得られる。このことは従来の溶融浸漬被覆法に対する重要な長所を示している。
【0034】
ローラ型ゲート15には窒素あるいは別の不活性ガスが加えられてもよく、従ってローラ室14の雰囲気の必要なシールが、炉8内でのシールに対して行われる。同様にローラ室14は、不活性ガスで満たされており、この場合窒素、不活性ガス(最大5%の水素を含む窒素)あるいは熱伝導率が低い不活性ガス(例えばアルゴン)を使用するのが好ましい。
【0035】
元の溶融浸漬被覆設備の容器6は、予備溶融容器として使用される。すなわち、この予備溶融容器から、溶解した被覆金属2が、溶融物内で浸漬された状態で制御あるいは調節可能なポンプ16ならびに加熱可能な導管19を通って容器3内に移送される。容器3の底部領域内には、制御あるいは調節可能なドレン17が設けられており、このドレンは
操作可能な栓から成る(双方向矢印線の方向で移動可能)。ドレン17を経由して、別の加熱可能な導管20を介して、被覆金属2は容器3から予備溶融容器6内に達することができる。
【0036】
ポンプ16あるいはドレン17の対応する制御により、容器3内において、被覆金属2の所望の水準高さhを垂直に保持することができる。導管19あるいは20内では、被覆金属2の移送運動が矢印により概略的に示してある。
【0037】
溶融浸漬被覆設備及び空気冷却区間23の上方には、液体で冷却された転向ローラ21が設けられており、この転向ローラは金属ストランドを垂直方向から転向させ、かつ金属ストランドを移送方向Rで溶融浸漬被覆設備から離れるように移送する。
【0038】
ポンプ16はローラ室14の下方の側方に設けられている。すなわちポンプ16は予備
溶融容器6内の溶解した被覆金属2内に浸漬している。
【0039】
予備溶融容器6の容量は、容器3の容量の数倍である。
【0040】
溶解した被覆金属2のための容器3から予備溶融容器6内への逆流導管20は、予備溶融容器6内の水準13の下側で終わる。
【0041】
ポンプ6により予備溶融容器6から容器3内へ移送される溶解した被覆金属2の量は、できる限り一定であるのが好ましい。これにより、被覆金属の一定の循環が行われ、この循環にあって、常にフレッシュでかつ汚染の無い被覆金属が予備溶融容器6から容器3内へ移送される。被覆金属2の温度制御は、予備溶融容器6内で行われ、被覆金属の水準13は、固体の被覆金属を溶かすことにより絶え間なく制御されるかあるいは一定に維持される。この際、予備溶融容器6内の水準13は、溶融浸漬被覆設備に不具合がある場合、容器3からの被覆金属2をすべて予備溶融容器6により収容できるように調節される。
【0042】
“エアナイフ”22と冷却区間23は、従来の溶融浸漬被覆の場合と同じように、容器3の上方に設けられている。冷却区間23は、短い自由に使用できる冷却長さであるために、その性能において対応するように合わせられる。金属ストランド1を冷却するための付加的な処置として、内側から水冷される転向ローラ21を使用することができる。
【0043】
予備溶融容器6は、図示していない装入装置()を備えており、この装入装置を用いて、被覆金属の固体のブロックを溶かすための予備溶融容器6内に装入することができる。
【0044】
被覆されるべき洗浄された熱間圧延鋼あるいは冷間圧延鋼から成る金属ストランド1は、亜鉛を含んだ被覆の場合、450℃と530℃の間の温度で、炉8の端部領域及び炉スナウト9を通って、ならびに不活性ガスが加えられるローラ室14のゲート15を経由して供給され、この場合容器3の被覆工程を開始するために、容器3はまだ空である。すなわち当初容器内には被覆金属2はまったくない。
【0045】
移送方向Rで金属ストランド1を始動させた後、ポンプ6を介して溶解した被覆金属2は、予備溶融容器6から容器3内にポンプで汲み上がられる。この後、電磁気的誘導子5が作動し、従って容器3内に充填された被覆金属2は、容器内で拘留することができ、下方に向かって流出することはない。
【0046】
ポンプ16と同様にドレン17も対応して制御あるいは調節することにより、容器3内の所望の水準高さhは保持される。
【0047】
この場合容器3内の水準高さhは、溶解した被覆金属2をできるだけ持続して供給した場合、ポンプ16により、ならびに対応して制御あるいは調節される溶解した被覆金属2のドレンにより、流出口17を経由して、ストリップ速度及び所望の被覆品質に依存して制御あるいは調節される。
【0048】
この場合、予備溶融容器6と容器3の間のポンプあるいは逆流により循環する溶解した被覆金属2の量は、金属ストランド1を介して被覆として形成される時間当りの被覆金属の量の数倍である。
【0049】
溶解した被覆金属2を予備溶融容器6から容器3内へポンプで汲み上げることにより、
常にフレッシュでかつ汚染されていない被覆金属が容器3に供給される。汚染物質、特に硬質亜鉛は、予備溶融容器6内で分離され、次いで所望の時間間隔で予備溶融容器から取除かれる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明による溶融浸漬被覆設備を示す図である。
【符号の説明】
【0051】
1 金属ストランド
2 溶解した被覆金属
3 容器
4 案内管路
5 誘導子(磁石)
6 予備溶融容器
7 転向ローラ
8 炉
9 炉スナウト
10 転向ローラ
11 転向ローラ
12 交線
13 水準
14 ローラ室
15 ゲート(ローラゲート)
16 ポンプ
17 ドレン
19 導管
20 導管
21 転向ローラ
22 吹き出し装置
23 冷却区間
24 案内ローラ
Z 供給方向
V 垂直方向
T 温度
h 水準高さ
R 金属ストランドの移送方向


【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属ストランド(1)が、溶解した溶融被覆金属(2)を収容している容器(3)を介して、及び前もって接続された案内管路(4)を介して垂直方向に通過案内され、
この場合、案内管路(4)の領域内において、電磁誘導子(5)が設けられており、この両側の電磁誘導子が、容器(3)内の被覆金属(2)を保持するために、磁場を発生させ、そして
この場合、容器(3)に、予備溶融容器(6)から溶解した被覆金属(2)が供給される様式の、
金属ストランド(1)、特に鋼ストリップを溶融浸漬被覆する装置において、
予備溶融容器(6)が、案内管路(4)の下方に設けられていることを特徴とする装置。
【請求項2】
予備溶融容器(6)が、溶解した被覆金属内に設けられた転向ローラ(7)を収容するために形成されていることを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項3】
金属ストランド(1)が供給方向(Z)に繰り出される、炉(8)から来ている炉スナウト(9)を備え、その際、金属ストランド(1)が、少なくとも一つの転向ローラ(10,11)により、好ましくは二つの転向ローラにより垂直方向(V)に転向し、少なくとも一つの案内ローラを経由して案内管路(4)内に供給されるように構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
移送方向(Z)での金属ストランド(1)の延長部と、案内管路(4)を通る垂直方向(V)における金属ストランド(1)の延長部の交線(12)が、容器(6)内の被覆金属(2)の水準(13)の下方に配置されており、従って金属ストランド(1)の通過線が、従来の方法に比べて変わらないように構成されていることを特徴とする請求項3記載の装置。
【請求項5】
炉スナウト(9)の端部と案内管路(4)の端部が、ガス気密でかつ加熱されたローラ室(14)と接続していることを特徴とする請求項3または4に記載の装置。
【請求項6】
炉スナウト(9)の端部とローラ室(14)の間にゲート(15)、特にローラゲートが設けられていることを特徴とする請求項5記載の装置。
【請求項7】
予備溶融容器(6)から収容容器(3)内へ溶解した被覆金属(2)をポンプで汲み上げるための制御可能かあるいは調節可能なポンプ(16)を備えていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の装置。
【請求項8】
収納容器(3)から予備溶融容器(6)内へ溶解した被覆金属(2)を導入するための制御可能かあるいは調節可能なドレン(17)を備えていることを特徴とする請求項7記載の装置。
【請求項9】
収納容器(3)、予備溶融容器(6)、ポンプ(16)あるいはドレン(17)の間の導管(19,20)が、加熱可能に形成されていることを特徴とする請求項7または8に記載の装置。
【請求項10】
収納容器(3)の上方に、金属ストランド(1)を垂直方向(V)から転向させる転向ローラ(21)が設けられていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一つに記載の装置。
【請求項11】
転向ローラ(10,11,21)ならびに案内ローラ(24)の少なくとも一つが、セラミックの被覆部を備えており、この被覆部が溶解した被覆金属(2)により湿潤することはないように構成されていることを特徴とする請求項3〜10のいずれか一つに記載の装置。
【請求項12】
金属ストランド(1)が、溶解した溶融被覆金属(2)を収容している容器(3)を介して、及び前もって接続された案内管路(4)を介して垂直方向に通過案内され、
この場合、案内管路(4)の領域内において、電磁誘導子(5)が設けられており、この両側の電磁誘導子が、容器(3)内の被覆金属(2)を保持するために、磁場を発生させ、そして
この場合、容器(3)に、予備溶融容器(6)から溶解した被覆金属(2)が供給され、その際請求項1〜11の一つによる装置が使用される様式の、
金属ストランド(1)、特に鋼ストリップを溶融浸漬被覆する方法において、
被覆工程の操業を開始するために、溶解した被覆金属(2)を、移送方向(R)に運動する金属ストランド(1)の場合には、予備溶融容器(6)から第一にまだ空の予加熱された収容容器(3)内へ移送することを特徴とする方法。
【請求項13】
ローラ室(14)内において被覆工程を開始する前に、不活性ガスをローラ室(14)に加えることにより、および/またはローラ室(14)内において所望の温度(T)を調節することにより、金属ストランドの表面における被覆金属(2)の付着が促進される雰囲気を作ることを特徴とする請求項12記載の方法。
【請求項14】
金属ストランド(1)を、亜鉛が加えられた場合、温度が450℃〜530℃である案内管路(4)に供給することを特徴とする請求項12または13に記載の方法。
【請求項15】
収容容器(3)内の被覆金属(2)の高さ水準(h)を、予め設定された値に従って制御あるいは調節することを特徴とする請求項12〜14のいずれか一つに記載の方法。
【請求項16】
予備溶融容器(6)と容器(3)の間において、ポンプ(16)とドレン(17)を用いて、溶解した被覆金属(2)の移送が行われ、この被覆金属の容積流量は実質的に多く、金属ストランド(1)を介して容器(3)から来る被覆金属(2)の引渡しに比べて少なくとも5倍多いことを特徴とする請求項12〜15のいずれか一つに記載の方法。
【請求項17】
予備溶融容器(6)から好ましくは周期的に汚染を排出することを特徴とする請求項12〜16のいずれか一つに記載の方法。

【公表番号】特表2007−506858(P2007−506858A)
【公表日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−515841(P2006−515841)
【出願日】平成16年6月8日(2004.6.8)
【国際出願番号】PCT/EP2004/006147
【国際公開番号】WO2005/001152
【国際公開日】平成17年1月6日(2005.1.6)
【出願人】(390035426)エス・エム・エス・デマーク・アクチエンゲゼルシャフト (320)
【Fターム(参考)】