説明

金属パターン形成方法及び金属塩混合物

【課題】フレキシブルな基材に対し導電性、柔軟性に優れた製版印刷又は無製版印刷による金属パターン形成方法及びそれに用いることの出来る金属塩混合物を提供する。
【解決手段】少なくとも金属塩および還元剤を含有し、かつ、25℃における粘度が3〜50mPa・sである金属パターン形成用の金属塩混合物を用い、基材上にパターンを描画した後、80〜400℃に加熱することで金属パターンを形成することを特徴とする金属パターン形成方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属パターン形成方法に関し、さらに詳しくは、回路に用いる金属パターン形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
回路に用いる金属パターンの形成は、従来レジスト材料を用いた形成方法により行われてきた。
【0003】
すなわち金属薄層上にレジスト材料を塗布し、金属パターンを光露光した後現像により不要なレジストを除去し、むき出しとなった金属薄をエッチングにより除去し、さらに残存するレジスト部分を剥離することで金属パターンを記録した金属薄を形成していた。
【0004】
しかしながらこの方法では工程が多岐にわたり時間がかかること、また不要なレジスト、金属薄を除去することなど、生産時間、およびエネルギーや原材料使用効率の点から無駄が多く、改善が要求されていた。
【0005】
近年、粒径が100nm以下の、いわゆる金属ナノ粒子を含有するインキを用い、スクリーン印刷などで金属パターンを直接描画する金属パターン形成方法(例えば、特許文献1、2参照)に注目が集まっている。
【0006】
これは粒径を極小にすることで融点が低下することを活用し、200〜300℃程度の比較的低温で焼成することにより回路を形成する方法である。
【0007】
本技術は確かに工数の低減、原材料の利用効率向上などの利点はあるものの、金属粒子同士を完全に融合させることが難しく、焼成後の金属パターンにおいて電気抵抗がバルク金属同等まで低下しない、という課題が残っていた。
【0008】
この課題を解決するため、ギ酸銅にアルコキシアルキルアミンを加えた金属イオン溶液を、加熱下、基材に接触させることで直接、銅層を形成する技術が公開されて(例えば、特許文献3参照)いる。
【0009】
一方、還元可能な金属化合物、その金属化合物を還元しうる還元剤、その金属化合物の金属への還元の触媒作用をする物理現像核をインク受容性層を有する基材上に付与する。そして、物理現像核を中心に還元反応を生じさせることで高い光学濃度を有する金属画像を形成する技術も公開されて(例えば、特許文献4参照)いる。
【特許文献1】特開2002−299833号公報
【特許文献2】特開2004−119686号公報
【特許文献3】特開2005−2471号公報
【特許文献4】特開平8−52936号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、発明者の鋭意検討によると、上記特許文献3の発明では、銅塩混合物の粘度が高いため混合物内部の対流が不十分となり、還元反応が局所的に進行し、形成される銅層が不均一になりやすく、可撓性に劣る難点が存在することがわかった。
【0011】
特に特許文献3をいわゆるフレキシブル基板へ応用した場合、屈曲により層内部の不均一部分から割れ目を生じやすく、屈曲を繰り返すことで銅層が基材より剥がれやすくなり、さらに内部抵抗が上昇してしまう難点を有していることが判明した。
【0012】
また同様の理由で形成される銅層は、基材表面の凹凸を拾いやすいため、層の柔軟性に欠け、剥離性や内部抵抗劣化の原因となっていた。
【0013】
また、上記特許文献4によると、物理現像核を中心に成長した金属粒子が金属層を形成するため層としての剛性に劣り、屈曲により層内部の不均一部分から割れ目を生じやすく、屈曲を繰り返すことで銅層が基材より剥がれやすくなり、さらに内部抵抗が上昇してしまう難点を有していることが判明した。
【0014】
また特許文献4において用いられている液体の粘度が低すぎるため、物理現像核を中心とした還元反応速度が大きく、金属粒子の成長が大きくなるものと推測している。
【0015】
本発明の目的は、上記課題に鑑み、フレキシブルな基材に対し導電性、柔軟性に優れた製版印刷又は無製版印刷による金属パターン形成方法及びそれに用いることの出来る金属塩混合物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の上記目的は、以下の構成により達成することができる。
【0017】
1.少なくとも金属塩および還元剤を含有し、かつ、25℃における粘度が3〜50mPa・sである金属パターン形成用の金属塩混合物を用い、基材上にパターンを描画した後、加熱することで金属パターンを形成することを特徴とする金属パターン形成方法。
【0018】
2.前記金属塩混合物が更に溶媒を含有することを特徴とする前記1記載の金属パターン形成方法。
【0019】
3.金属が金、銀、銅、白金、パラジウム、ニッケルのいずれかであることを特徴とする前記1又は2記載の金属パターン形成方法。
【0020】
4.金属が銅であることを特徴とする前記3記載の金属パターン形成方法。
【0021】
5.前記金属塩混合物中および基材上に物理現像核を実質的に含有しないことを特徴とする前記1〜4のいずれか1項記載の金属パターン形成方法。
【0022】
6.前記金属塩混合物の25℃における粘度が3.5〜40mPa・sであることを特徴とする前記1〜5のいずれか1項記載の金属パターン形成方法。
【0023】
7.前記金属塩混合物の25℃における粘度が4〜30mPa・sであることを特徴とする前記6記載の金属パターン形成方法。
【0024】
8.前記金属塩混合物の表面張力が20〜60mN/mであることを特徴とする前記1〜7のいずれか1項記載の金属パターン形成方法。
【0025】
9.前記金属塩混合物の表面張力が25〜50mN/mであることを特徴とする前記8記載の金属パターン形成方法。
【0026】
10.前記金属塩混合物が水を含むことを特徴とする前記1〜9のいずれか1項記載の金属パターン形成方法。
【0027】
11.前記金属塩混合物が溶剤として少なくとも水溶性有機溶剤を含むことを特徴とする前記2〜10のいずれか1項記載の金属パターン形成方法。
【0028】
12.前記金属塩混合物が溶剤として少なくとも非水溶性有機溶剤を含むことを特徴とする前記2〜9のいずれか1項記載の金属パターン形成方法。
【0029】
13.前記基材が柔軟な基材であることを特徴とする前記1〜12のいずれか1項記載の金属パターン形成方法。
【0030】
14.金属パターンが線幅10〜200μmよりも狭い金属線であることを特徴とする前記1〜13のいずれか1項記載の金属パターン形成方法。
【0031】
15.加熱温度が80〜800℃であることを特徴とする前記1〜14のいずれか1項記載の金属パターン形成方法。
【0032】
16.少なくとも金属塩および還元剤を含有し、かつ、25℃における粘度が2〜50mPa・sであることを特徴とする金属パターン形成用の金属塩混合物。
【0033】
17.更に溶媒を含有することを特徴とする前記16記載の金属塩混合物。
【0034】
18.金属が金、銀、銅、白金、パラジウム、ニッケルのいずれかであることを特徴とする前記16又は17記載の金属塩混合物。
【0035】
19.金属が銅であることを特徴とする前記18記載の金属塩混合物。
【0036】
20.物理現像核を含有しないことを特徴とする前記16〜19のいずれか1項記載の金属塩混合物。
【0037】
21.25℃における粘度が3.5〜40mPa・sであることを特徴とする前記16〜20のいずれか1項記載の金属塩混合物。
【0038】
22.25℃における粘度が4〜30mPa・sであることを特徴とする前記21記載の金属塩混合物。
【0039】
23.表面張力が20〜60mN/mであることを特徴とする前記16〜22のいずれか1項記載の金属塩混合物。
【0040】
24.表面張力が25〜50mN/mであることを特徴とする前記23記載の金属塩混合物。
【0041】
25.水を含むことを特徴とする前記16〜24のいずれか1項記載の金属塩混合物。
【0042】
26.溶剤として少なくとも水溶性有機溶剤を含むことを特徴とする前記17〜25のいずれか1項記載の金属塩混合物。
【0043】
27.溶剤として少なくとも非水溶性有機溶剤を含むことを特徴とする前記17〜24のいずれか1項記載の金属塩混合物。
【発明の効果】
【0044】
本発明により、フレキシブルな基材に対し導電性、柔軟性に優れた製版印刷又は無製版印刷による金属パターン形成方法及びそれに用いることの出来る金属塩混合物を提供することができた。
【発明を実施するための最良の形態】
【0045】
本発明を更に詳しく説明する。
【0046】
(パターン形成方法)
本発明は、少なくとも金属塩および還元剤を含有し、かつ、25℃における粘度が3〜50mPa・sである金属塩混合物を用い、金属パターンを描画することにある。
【0047】
本発明者の検討により、高粘度の金属塩混合物を用いた場合、前述のように可撓性に劣る難点を有していることが判明した。原因については粘度が高いために混合物内部の対流が不十分となり、金属イオンの還元反応が局所的に進行し、形成される金属パターン内部構造が局所的に不均一になるためではないかと推測している。そのような局所的不均一部が存在する場合、屈曲を繰り返すことでその部位から微細な割れ目を生じ、基材との密着性が悪くなるものと考えられる。さらにそのような微細の存在は内部抵抗を上昇させ、金属パターンとして要求される導電性も劣化させてしまうものと考えられる。
【0048】
また粘度が高いことは流動性の低下にもつながるため、基材表面に凹凸がある場合、形成される金属パターン表面にもその凹凸が反映されやすい。そのため形成されるパターンの柔軟性は不十分なものとなり、結果的に剥離性や内部抵抗劣化の原因となるものと考えられる。
【0049】
本発明者の検討により、金属塩混合物の粘度として50mPa・s以下であれば十分な流動性を有し、上記難点を回避できることが判明した。
【0050】
一方、粘度が低すぎると流動性が高くなりすぎ、パターン状に記録しても基材表面を流れてしまい正確なパターン形成が困難となってくる。これは基材表面との濡れ性 撥液性が大きく影響するため一概に定義することは難しいが、3mPa・sあれば最低限の要求には応えられることがわかった。
【0051】
ここで線幅が200μmよりも狭い微細なパターンを形成しようとする場合、粘度が低すぎると表面への流れ出しの影響が大きく、目的とするパターンを形成することが難しくなる。特に100μmよりも狭い繊細なパターンを形成しようとする場合に顕著となる。従って本発明の金属パターン形成方法は繊細なパターンを形成できる特性から、線幅が10〜200μmの金属パターンの形成に適用することが好ましく、10〜100μmの金属パターンの形成に適用することが特に好ましい。
【0052】
さらに粘度が3mPa・s未満の場合、金属塩および還元剤の拡散速度が大きくなり還元反応速度も大きくなるため、局所的な還元反応が起こりやすくなる。特に物理現像核、例えばコロイド貴金属微粒子(例えばコロイド銀微粒子)あるいはコロイド重金属硫化物粒子(例えばコロイド硫化パラジウム、硫化ニッケル、あるいは銀−ニッケル硫化物の微粒子)が存在するとそれを中心とした還元反応が速やかに起こってしまい、金属パターン内部の不均一性を増大させてしまう。
【0053】
これを防ぐためにも、粘度としては3mPa・sであることが必要である。
【0054】
また同じ理由により物理現像核を含有しないことが望ましい。
【0055】
粘度制御の手段としては、例えば種々の粘度の溶剤との混合が考えられる。種々の溶剤の粘度を、単独の場合、異なる二種から数種混合させた場合について予め測定しておき、所望する粘度に近い組成の溶剤混合物に金属塩を溶解させ、さらに高粘度あるいは低粘度の溶剤を添加することで微調整が可能である。
【0056】
また配位子やポリマーの添加によっても粘度を調整することができる。
【0057】
本発明の金属塩混合物における粘度として、好ましくは3.5〜40mPa・sであり、4〜30mPa・sが更に好ましい。
【0058】
描画方法としては一般的に印刷に用いられる方法であれば特に制限はなく、例えば凸版印刷法、平版印刷法、凹版印刷法、孔版印刷法などが挙げられる。中でも平版印刷法の一種であるオフセット印刷法、孔版印刷法の一種であるスクリーン印刷法が微細描画の観点から好ましい。
【0059】
またマイクロディスペンサやインクジェットを用いる無製版印刷法も好ましく用いられる。中でもインクジェット方式を用いる印刷法は微細描画および再現性の観点から特に好ましい。
【0060】
本発明において用いられる基材としては、絶縁性のものであればどのようなものであっても良く、例えばガラスやセラミックス等の剛性の強いものから、PET(ポリエチレンテレフタレート)やポリイミドなどの樹脂から構成されるフィルム状のものが挙げられる。
【0061】
本発明において用いられる基材において、密着性の改良のため、いわゆるプライマー処理やプラズマ処理を行っていても良い。
【0062】
本発明において、基材は液体の吸収性を有さないことが好ましい。本発明においては純水を用いた際の吸収量が0.5g/m2未満であることを指す。
【0063】
本発明の金属塩混合物を基材上にパターン描画した後、加熱することで還元反応と乾燥が進行し、基材上に金属パターンが形成される。加熱温度は、80〜800℃の範囲が好ましいが、さらに好ましくは110〜500℃であり、120〜250℃が特に好ましい。加熱温度が低すぎると金属塩の還元反応が不十分となり、導電性が不十分となる。一方、加熱温度が高すぎる場合、金属塩の還元反応が急速に進み形成される金属パターン内部が不均一となり、密着性が劣化する結果となる。また特に樹脂製のいわゆるフレキシブル基材を用いる場合、高温では樹脂そのものが溶融してしまいパターンを形成できなくなる。
【0064】
加熱する際、窒素やアルゴンなどの非酸化性の雰囲気下で行っても良いが、大気中で加熱を行っても目的とする金属パターンを形成することはできる。
【0065】
(金属塩化合物)
金属としては金、銀、銅、白金、パラジウム、ニッケルが好ましく、銀、銅がさらに好ましく、銅が特に好ましい。
【0066】
金属塩化合物としては水溶性であっても油溶性であっても良い。十分な溶解性を有する金属化合物が、金属塩混合物の安定性、および形成される金属層の厚みの観点から好ましい。
【0067】
対塩としてはハロゲン化物(例えば塩化物イオン、臭化物イオン等)や炭酸などの無機イオン、カルボン酸(例えば酢酸、パルミチン酸、ベヘン酸等)およびスルホン酸(メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等)等の有機酸イオン、アルキルアミンやアセチルアセトンのような有機配位子等が挙げられる。
【0068】
そのような金属塩化合物としては、金塩化合物としては、例えば塩化金(III)酸、テトラクロロ金(III)酸カリウムなどが挙げられる。
【0069】
銀塩化合物としては、例えば硝酸銀、過塩素酸銀(I)、酢酸銀(I)、トリフルオロ酢酸銀(I)などが挙げられる。
【0070】
銅塩化合物としては、例えば塩化銅(I)、塩化銅(II)、臭化銅(I)、臭化銅(II)、よう化銅(I)、塩化銅(II)カリウム、過塩素酸銅(II)、硝酸銅(II)、硫酸銅(II)、硫酸銅(II)アンモニウム、炭酸銅(II)、ギ酸銅(II)、酢酸銅(II)、2−エチルヘキサン酸銅(II)、ステアリン酸銅(II)、トリフルオロメタンスルホン酸銅(II)、シュウ酸銅(II)、酒石酸銅(II)、安息香酸銅(II)、ナフテン酸銅、クエン酸銅(II)、銅(II)アセチルアセトナート、銅(II)ヘキサフルオロアセチルアセトナート、銅(II)ベンゾイルアセトナート、エチレンジアミン四酢酸二銅、酸化銅(II)、水酸化銅などが挙げられる。
【0071】
白金塩化合物としては、例えば塩化白金、酸化白金、ジアミンジニトロ白金(II)、ジクロロジアミン白金(II)、ジクロロテトラアンミン白金(II)、テトラクロロ白金酸(II)アンモニウム、ヘキサクロロ白金(IV)酸等が挙げられる。
【0072】
パラジウム塩化合物としては、例えば塩化パラジウム(II)、塩化パラジウム(II)アンモニウム、臭化パラジウム(II)、テトラクロロパラジウム酸(II)リチウム、ヘキサクロロパラジウム酸(IV)アンモニウム、硝酸パラジウム(II)、酢酸パラジウム(II)、トリフルオロ酢酸パラジウム(II)、酸化パラジウム(II)などが挙げられる。
【0073】
ニッケル塩化合物としては、例えば安息香酸ニッケル(II)、フッ化ニッケル(II)、フッ化ニッケル(IV)カリウム、塩化ニッケル(II)、臭化ニッケル(II)、過塩素酸ニッケル(II)、硝酸ニッケル(II)、硫酸ニッケル(II)、硫酸ニッケル(II)アンモニウム、炭酸ニッケル、酢酸ニッケル(II)、ステアリン酸ニッケル、スルファミン酸ニッケル(II)、シュウ酸ニッケル(II)、トリフルオロメタンスルホン酸ニッケル、ニッケル(II)アセチルアセトナート、水酸化ニッケル(II)などが挙げられる。
【0074】
金属塩化合物の添加量としては、上記粘度範囲になる量であればに特に制限はないが、例えば5〜40質量%の間が好ましい。
【0075】
(還元剤)
還元剤としては世間一般で広く還元剤として用いられているものであれば、特に制限はない。
【0076】
また有機アミンやアルコールのような弱い還元力しか有さない還元剤も用いることができる。
【0077】
好ましい還元剤としては、例えばヒドラジン、メチルヒドラジン、1,1−ジメチルヒドラジン、1,2−ジメチルヒドラジン、t−ブチルヒドラジン、ベンジルヒドラジン、2−ヒドラジノエタノール、1−n−ブチルー1−フェニルヒドラジン、フェニルヒドラジン、1−ナフチルヒドラジン、4−クロロフェニルヒドラジン、1,1−ジフェニルヒドラジン、p−ヒドラジノベンゼンスルホン酸、1,2−ジフェニルヒドラジン、アセチルヒドラジン、ベンゾイルヒドラジンなどのヒドラジンおよびその誘導体が挙げられる。
【0078】
また別の例としては、ヒドロキシルアミン、N−(t−ブチル)ヒドロキシルアミン、N,N−ジメチルヒドロキシルアミン、N,N−ジエチルヒドロキシルアミン、N−メチルヒドロキシルアミン、N,N−ビス(2−メトキシエチル)ヒドロキシルアミン、N−エチル−N−テトラヒドロフルフリルヒドロキシルアミン、ジスルホエチルヒドロキシルアミン、ジカルボキシエチルヒドロキシルアミンなどのヒドロキシルアミンおよびその誘導体が挙げられる。
【0079】
さらにp−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミン、N,N−ジエチル−p−フェニレンジアミン、N−(2−ヒドロキシエチル)−N−エチル−3−メチル−p−フェニレンジアミン等の芳香族ジアミン類も挙げられる。
【0080】
また他の例としては、例えばアスコルビン酸、エリソルビン酸、グリオキシル酸、ホルムアルデヒド、グリオキザール、グルコース、ハイドロキノン、2−メチルハイドロキノン、没食子酸、シトラジン酸、等が挙げられる。
【0081】
さらに還元力の弱い還元剤、例えばクエン酸、酒石酸等のヒドロキシカルボン酸、アセトイン等のヒドロキシケトン、ブチルアミン、ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン、エチレンジアミン、トリエタノールアミン等のアルキルアミン、グリシン、アラニン等のアミノ酸、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールおよびその誘導体類、等が挙げられる。
【0082】
これらの還元剤は無水物であっても、水和物であっても良い。また塩酸、硫酸、炭酸などの無機酸の塩であっても、あるいは酢酸、トルエンスルホン酸、酒石酸などの有機酸の塩であっても良い。また置換基として酸性基を有する場合、ナトリウム、カリウムなどの無機塩基、あるいはアンモニア、アルキルアミンなどの有機塩基の塩であっても良い。
【0083】
還元剤の添加量としては、上記粘度範囲になる量であればに特に制限はないが、例えば金属塩混合物に対してモル比で0.5〜5倍量が特に好ましい。
【0084】
(溶媒)
物性を安定化させる観点から、溶媒を使用することが好ましい。
【0085】
溶媒としてはエチレングリコールなどのグリコール類およびその誘導体、窒素、酸素、硫黄などのヘテロ原子を含有する含ヘテロ複素環化合物およびその誘導体、等の水溶性有機溶媒が挙げられる。
【0086】
また溶媒の他の例としては、非水溶性のケトン、エステル、炭化水素(脂肪族、芳香族)などの溶媒も挙げることができる。
【0087】
そのような溶媒の例として、例えばアルコール類(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、i−ブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール、ドデシルアルコール等)、多価アルコール類(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール等)、多価アルコールエーテル類(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等)、エステル類(例えば、乳酸イソプロピル、乳酸ブチル等)、アミン類(例えば、アンモニア、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミン、ジエチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ポリエチレンイミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、テトラメチルプロピレンジアミン等)、アミド類(例えば、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等)、複素環類(例えば、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキシルピロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2−ピロリドン等)、スルホキシド類(例えば、ジメチルスルホキシド等)、スルホン類(例えば、スルホラン等)、尿素、アセトニトリル、ケトン類(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−メチルシクロヘキサノン等)が挙げられる。
【0088】
このうち好ましい有機溶媒としては、アルコール類、多価アルコール類、多価アルコールエーテル類、エステル類、複素環類、ケトン類が好ましい。
【0089】
これら溶媒の添加量としては、上記粘度範囲になる量であればに特に制限はない。
【0090】
(添加剤)
金属塩混合物の物性を改良する目的で、種々添加剤を含有しても良い。
【0091】
添加剤としては防かび剤、界面活性剤、平滑化剤、ラテックス、ポリマーなどが挙げられる。
【0092】
一般に金属イオンは抗菌作用を有していることが多く、防かび剤を必ずしも添加しなくとも細菌 カビの発生 繁殖を防止することができることが多い。さらに添加する場合には一般的に市販されている有機系の防かび剤を添加することが好ましく、例えばProxel(Arch Chemical社製)、Densil(同)、Preventol(Lanxess社製)、トップサイド(パーマケム社製)などの商品が挙げられる。
【0093】
界面活性剤や平滑化剤は、金属塩混合物と基材との濡れ性を改善し、基材と金属パターンとの密着性を向上することができる。濡れ性は金属塩混合物の表面張力を指標として評価することができ、表面張力として20〜60mN/mの範囲にあることが好ましく、25〜50mN/mの範囲にあることが特に好ましい。表面張力の値が上記好ましい範囲よりも大きくなると、基材との密着性に劣る結果となる。一方、上記好ましい範囲よりも小さくなると金属塩混合物の流動性が上がりすぎ、基材表面を流れてしまい正確なパターン形成が困難となってくる。
【0094】
そのような界面活性剤や平滑化剤としては、一般的に市販されている剤を用いることができ、例えばジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、脂肪酸塩類等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、アセチレングリコール類、ポリオキシエチレン ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類等のノニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩類、第四級アンモニウム塩類等のカチオン性界面活性剤などが挙げられる。特にアニオン性界面活性剤及びノニオン性界面活性剤を好ましく用いることができる。中でもサーフィノール(エアープロダクツ社製)やダイノール(同)などの商品は好ましく用いることができる。
【0095】
本発明における金属塩混合物には、ラテックスを含有しても良い。本発明におけるラテックスとは媒質中に分散状態にあるポリマー粒子のことを指す。ポリマーの種類としては、例えば、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリル酸エステル共重合体、ポリウレタン、シリコン−アクリル共重合体およびアクリル変性フッ素樹脂等があるが、なかでもアクリル酸エステル、ポリウレタンおよびシリコン−アクリル共重合体が好ましい。
【0096】
添加量に特に制限はないが、上記粘度範囲に入るよう、添加量を調整する。
【0097】
また本発明おける金属塩混合物には、ポリマーを溶解状態で含有しても良い。そのようなポリマーの種類としては、例えば、スチレン、スチレン誘導体、ビニルナフタレン誘導体、アクリル酸、アクリル酸誘導体、マレイン酸、マレイン酸誘導体、イタコン酸、イタコン酸誘導体、フマル酸、フマル酸誘導体から選ばれた2種以上の単量体からなるブロック共重合体、ランダム共重合体およびこれらの塩をあげることができる。
【0098】
(配位子)
本発明の金属塩混合物には、配位子を含有しても良い。配位子とは金属に配位する化合物を言い、金属イオンを錯体化し、混合物溶液中での安定性を増大することができる。配位子としては一般的に配位子として挙げられている化合物ならば用いることができるが、中でもピリジン、アンモニア、アルキルアミンなどの窒素原子を含有する単座配位子、エチレンジアミン、ビピリジン、フェナントロリン、グリシン、グリコール酸、酒石酸、クエン酸などの酸素原子あるいは窒素原子を含有する二座配位子、ターピリジン、エチレンジアミン四酢酸、クラウンエーテル類などの三座以上の多座配位子などが好ましく用いることができる。
【0099】
これら配位子の添加量に特に制限はないが、金属イオンとのモル比で1〜10の範囲が好ましい。比率が1よりも小さい場合、配位子と金属イオンから形成される配位子の安定性が低下し、金属塩混合物の保存中に金属塩が析出・沈殿してしまったりする場合があり、好ましくない。また比率が10よりも大きい場合、金属塩混合物中の金属濃度が小さくなってしまい、所望する膜厚の金属パターンが得られなくなってしまう場合があり、好ましくない。
【0100】
(物理現像核)
本発明における物理現像核とは、ハロゲン化銀感光材料において用いられるコロイド貴金属微粒子あるいはコロイド重金属硫化物粒子を指し、例えばコロイド銀微粒子、コロイド硫化パラジウム、硫化ニッケル、あるいは銀−ニッケル硫化物等のことである。
【0101】
本発明において、これらの物理現像核を実質的に含有しないことが好ましい。本発明において、物理現像核を実質的に含有しないとは、金属塩混合物において、その上限は0.05質量%未満である。また、基材において、その上限は2mg/m2未満である。なお、金属塩混合物及び基材のそれぞれに物理現像核が存在する場合は、本発明の効果を得るためには以下の計算式のAで表される物理現像核含有指数が1未満であることが好ましい。
【0102】
物理現像核含有指数:A=B+C
但し、Bは金属塩混合物中の物理現像核の含有量(質量%)を0.05質量%で除した数である。Cは基材の物理現像核の含有量(mg/m2)を2mg/m2で除した数である。
【実施例】
【0103】
実施例1
表1、表2に示す組合せで金属塩混合物を作製した。
【0104】
なお金属塩混合物9は、表1に示す組合せで、ギ酸銅(II)四水和物(Cu(HCOO)2・4H2O)を、50℃までの温度でアルゴン雰囲気中で、3−メトキシプロピルアミンへ導入し、20分間撹拌し、その後に全体質量が65%になるまで濃縮した。
【0105】
粘度はビスコメイトVM−1G(山一電機(株)製)を用いて25℃における値を測定し、25℃における水の粘度を0.89mPa・sとなるように補正した。
【0106】
【表1】

【0107】
【表2】

【0108】
得られた金属塩混合物について、X−Yステージに取り付けたディスペンサMS−10DX−V7(武蔵エンジニアリング(株)製)を用い、一定圧力下、基材上に直線パターンを100本描画した。ここでニードルとして内径0.10mmの金属ニードルを使用した。ここで基材として、下記三種の基材を用いた。
【0109】
基材番号1:ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ100μm)
表面上に0.0038mol/LのコロイドPdS核と0.01%の界面活性剤(オルフィンE−1010:日信化学製)を含有する0.05%ポリビニルアルコール水溶液を5.70g/m2塗布・乾燥させた(コロイドPdS核を3mg/m2含有する)。
【0110】
基材番号2:ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ100μm)
表面上に0.0038mol/LのコロイドPdS核と0.01%の界面活性剤(オルフィンE−1010:日信化学製)を含有する0.05%ポリビニルアルコール水溶液を1.90g/m2塗布・乾燥させた(コロイドPdS核を1mg/m2含有する)。
【0111】
基材番号3:表面にプラズマ処理を施したポリイミドフィルム(厚さ140μm)
この基材の表面をX線光電子分光装置(VGサイエンティフィック社製:ESCALAB 200R)で測定した結果、金属核は検出されない。
【0112】
描画後、基材をそのまま電気炉の中に入れ、180℃で1時間、加熱を行った。
【0113】
加熱後、室温にて冷却。描画したパターン状に金属パターンが形成され、電流を良く導通することを確認した。
【0114】
(評価方法)
線幅
まず金属パターンの線幅を評価した。各金属塩混合物から得られたパターンのうち10本を抜き出し、それぞれの線幅を測定した。各金属塩混合物から得られたパターンの平均線幅を求め、互いに比較した。最も線幅の狭い水準に対し、どれくらい線幅が増加したか、以下の規準により評価した。
【0115】
○:最も線幅の狭い水準に対し、増加幅は10%以内
△:最も線幅の狭い水準に対し、増加幅は10〜20%
×:最も線幅の狭い水準に対し、増加幅は20%よりも大きい。
【0116】
柔軟性
外径1cmのステンレス棒に基材裏面を接触させ、90°の確度に折り曲げてから元に戻す操作を20回繰り返した。
【0117】
その後、柔軟性として屈曲試験の前後で導通性が変化しているかどうか、電気抵抗を測定して、以下の規準により評価した。
【0118】
○:電気抵抗値がほとんど変化しない
△:電気抵抗値が増加(10倍まで)
×:電気抵抗値が大きく増加(10倍以上)。
【0119】
密着性
JIS D0202−1988に準拠してサンプルのテープ剥離試験を行った。評価試料の描画パターンを1mmずつ、計10マス区切り、セロハンテープ(「CT24」,ニチバン(株)製)を用い、指の腹でフィルムに密着させた後剥離した。判定は10マスの内、剥離しないマス目の数から以下の規準により表した。
【0120】
○:剥離したマス目が1マス以下
△:剥離したマス目が4〜2マス
×:5マス以上剥離した。結果を表3に示す。
【0121】
【表3】

【0122】
表3より本発明の試料では導電性、柔軟性に優れていることが分かる。一方、比較の試料においては、屈曲試験の後、導電性、柔軟性が大きく劣化したことが分かる。
【0123】
実施例2
搬送系オプションXY100を装着したインクジェットヘッド評価装置EB100(コニカミノルタIJ(株)製)にインクジェットヘッドKM256Aq水系ヘッドを取り付け、実施例1で作製した金属塩混合物を用いて金属パターンを描画した。実施例1と同様に導電性、柔軟性の評価を行い、同様の結果を得た。
【0124】
実施例3
保存性−1:導電性
作製した金属塩混合物および還元剤混合物を用いて実施例1と同様に直線パターンを描画し、導電性を評価した。得られた直線パターンを温度45℃、湿度70%の環境下で一ヶ月間保存した後、保存後の導電性を評価した。保存前後の導電性の変化を以下の規準に従って評価した。
【0125】
○:電気抵抗値がほとんど変化しない
△:電気抵抗値が増加(10倍まで)
×:電気抵抗値が大きく増加(10倍以上)。
【0126】
保存性−2:密着性
さらに密着性を評価した。JIS D0202−1988に準拠してサンプルのテープ剥離試験を行った。温度45℃、湿度70%の環境下で一ヶ月間保存する前後の描画パターンそれぞれについて、1mmずつ、計10マス区切った。これにセロハンテープ(「CT24」、ニチバン(株)製)を用い、指の腹でフィルムに密着させた後剥離した。判定は10マスの内、剥離しないマス目の数が保存前後で変化しているかどうか、以下の規準により表した。
【0127】
○:保存前後で剥離したマス目の数の差が1マス以下
△:保存前後で剥離したマス目の数の差が2マスまたは3マス
×:保存前後で剥離したマス目の数の差が4マス以上。
【0128】
結果を表4にまとめる。
【0129】
【表4】

【0130】
表4の結果より、本発明の試料において導電性と密着性で評価した保存性に優れることがわかる。特に金属として銅を用いた試料の場合、保存前後の性能劣化がほとんど無く良好であることがわかる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも金属塩および還元剤を含有し、かつ、25℃における粘度が3〜50mPa・sである金属パターン形成用の金属塩混合物を用い、基材上にパターンを描画した後、加熱することで金属パターンを形成することを特徴とする金属パターン形成方法。
【請求項2】
前記金属塩混合物が更に溶媒を含有することを特徴とする請求項1記載の金属パターン形成方法。
【請求項3】
金属が金、銀、銅、白金、パラジウム、ニッケルのいずれかであることを特徴とする請求項1又は2記載の金属パターン形成方法。
【請求項4】
金属が銅であることを特徴とする請求項3記載の金属パターン形成方法。
【請求項5】
前記金属塩混合物中および基材上に物理現像核を実質的に含有しないことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の金属パターン形成方法。
【請求項6】
前記金属塩混合物の25℃における粘度が3.5〜40mPa・sであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の金属パターン形成方法。
【請求項7】
前記金属塩混合物の25℃における粘度が4〜30mPa・sであることを特徴とする請求項6記載の金属パターン形成方法。
【請求項8】
前記金属塩混合物の表面張力が20〜60mN/mであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項記載の金属パターン形成方法。
【請求項9】
前記金属塩混合物の表面張力が25〜50mN/mであることを特徴とする請求項8記載の金属パターン形成方法。
【請求項10】
前記金属塩混合物が水を含むことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項記載の金属パターン形成方法。
【請求項11】
前記金属塩混合物が溶剤として少なくとも水溶性有機溶剤を含むことを特徴とする請求項2〜10のいずれか1項記載の金属パターン形成方法。
【請求項12】
前記金属塩混合物が溶剤として少なくとも非水溶性有機溶剤を含むことを特徴とする請求項2〜9のいずれか1項記載の金属パターン形成方法。
【請求項13】
前記基材が柔軟な基材であることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項記載の金属パターン形成方法。
【請求項14】
金属パターンが線幅10〜200μmよりも狭い金属線であることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項記載の金属パターン形成方法。
【請求項15】
加熱温度が80〜800℃であることを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項記載の金属パターン形成方法。
【請求項16】
少なくとも金属塩および還元剤を含有し、かつ、25℃における粘度が2〜50mPa・sであることを特徴とする金属パターン形成用の金属塩混合物。
【請求項17】
更に溶媒を含有することを特徴とする請求項16記載の金属塩混合物。
【請求項18】
金属が金、銀、銅、白金、パラジウム、ニッケルのいずれかであることを特徴とする請求項16又は17記載の金属塩混合物。
【請求項19】
金属が銅であることを特徴とする請求項18記載の金属塩混合物。
【請求項20】
物理現像核を含有しないことを特徴とする請求項16〜19のいずれか1項記載の金属塩混合物。
【請求項21】
25℃における粘度が3.5〜40mPa・sであることを特徴とする請求項16〜20のいずれか1項記載の金属塩混合物。
【請求項22】
25℃における粘度が4〜30mPa・sであることを特徴とする請求項21記載の金属塩混合物。
【請求項23】
表面張力が20〜60mN/mであることを特徴とする請求項16〜22のいずれか1項記載の金属塩混合物。
【請求項24】
表面張力が25〜50mN/mであることを特徴とする請求項23記載の金属塩混合物。
【請求項25】
水を含むことを特徴とする請求項16〜24のいずれか1項記載の金属塩混合物。
【請求項26】
溶剤として少なくとも水溶性有機溶剤を含むことを特徴とする請求項17〜25のいずれか1項記載の金属塩混合物。
【請求項27】
溶剤として少なくとも非水溶性有機溶剤を含むことを特徴とする請求項17〜24のいずれか1項記載の金属塩混合物。

【公開番号】特開2008−205430(P2008−205430A)
【公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−325637(P2007−325637)
【出願日】平成19年12月18日(2007.12.18)
【出願人】(000001270)コニカミノルタホールディングス株式会社 (4,463)
【Fターム(参考)】