説明

金属ヒドラジド錯体化合物の酸化触媒としての使用

本発明は、選択された金属錯体化合物および配位子の酸化触媒としての使用、ならびに布地および硬表面の染みおよび汚れを除去する方法に関する。金属錯体化合物は、好ましくはアシル基に隣接するフェニル環に電子求引性基を有するヒドラジド配位子を有する。本発明のさらなる態様は、このような金属錯体化合物を含む製剤、新規の金属錯体化合物および新規の配位子である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、選択された金属錯体化合物の酸化触媒としての使用、ならびに布地および硬表面の染みおよび汚れを除去する方法に関する。金属錯体化合物は、好ましくはアシル基に隣接する電子吸引性基または部分を有するヒドラジド配位子を有する。本発明のさらなる態様は、このような金属錯体化合物を含む製剤、新規の金属錯体化合物および新規の配位子である。
【背景技術】
【0002】
ヒドラジド配位子を有する金属錯体触媒は、例えばDE 196 39 603に記載される通り、一般に酸化触媒として報告されてきた。しかしながら、開示される化合物は十分に活性ではない。本発明は、アシル基に隣接するフェニル環に電子求引性基を導入することによりこの問題を解決する。
【0003】
本発明の金属錯体化合物は、特に、例えば布地材料の処理において、繊維および染色に顕著な損傷を起こすことなく過酸化物の活性を増大させるために使用される。これらの金属錯体を酵素または酵素混合物と組み合わせて使用した場合にも繊維および染色に顕著な損傷は起こらない。
【0004】
本発明の金属錯体化合物はまた、分子状酸素および/または空気を使用する酸化、すなわち過酸化化合物および/または過酸化物形成物質を使用しない酸化の触媒としても使用し得る。織物の漂白は、金属錯体を含む製剤による繊維の処理中および/または処理後に起こり得る。
【0005】
過酸化物を含有する漂白剤は、洗浄および清浄化工程において長く用いられてきた。これらは90℃以上の液温で優れた活性を有するが、より低い温度ではその性能は著しく低下する。好適な塩の形態で添加された種々の遷移金属イオンおよびこのようなカチオンを有する配位化合物がH2O2を活性化することが知られている。この方法により、低温では不十分なH2O2またはH2O2を放出する前駆物質の、および他のペルオキソ化合物の漂白効果を向上させることが可能である。これに関して、実用の目的に重要なのは、特に、過酸化物の活性化が、カタラーゼ様不均化としてのみでなく基質との関連で増大した酸化傾向として現れるような遷移金属と配位子との組合せである。前者の活性化は、本発明の場合にはむしろ望ましくないことであり、低温では不十分なH2O2およびその誘導体の漂白効果を損なう可能性さえある。
【0006】
有効な漂白作用を有するH2O2活性化に関して、種々の配位子、特に1,4,7-トリメチル-1,4,7-トリアザシクロノナンおよび場合により酸素を有する架橋配位子を有するマンガン錯体の単核および多核変異型が、近年特に有効であると考えられている。このような触媒は、実用的な条件下で十分に安定であり、かつ、Mnn+という生態学的に許容される金属カチオンを含有するが、その使用は残念ながら染料および繊維にかなりの損傷を伴う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】独国特許第196 39 603号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、本発明の目的は、上記の要求を満たし、特に、顕著な損傷を引き起こすことなく、きわめて広い範囲の応用分野において過酸化化合物の作用を向上させる、酸化工程のための改良された金属錯体触媒を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様は、少なくとも1種の式(1)
[LnMemXp]zYq (1)
[式中、
Meは、マンガン、チタン、鉄、コバルト、ニッケルまたは銅であり;
Xは、配位または架橋基であり;
nは、1〜4の整数であり;
mは、0〜2の整数であり;
pは、0〜10の値を有する整数であり;
zは、金属錯体の電荷であり;
Yは、対イオンであり;
q = z/(Yの電荷)であり、かつ
Lは、式(2)
【化1】

【0010】
の配位子であり、式中、
R1は、CF3、または1個以上の電子求引性置換基により置換されたC1〜C28アルキル、C2〜C28アルケニル、C2〜C22アルキニル、C3〜C12シクロアルキル、C3〜C12シクロアルケニル、C7〜C9アラルキル、C3〜C20ヘテロアルキル、C3〜C12シクロヘテロアルキル;または
1個以上の電子求引性置換基により置換されたフェニルもしくはナフチルを表し;
R4は、水素、C1〜C28アルキル、C2〜C28アルケニル、C2〜C22アルキニル、C3〜C12シクロアルキル、C3〜C12シクロアルケニル、C7〜C9アラルキル、C3〜C20ヘテロアルキル、C3〜C12シクロヘテロアルキル、C5〜C16ヘテロアラルキル、無置換もしくは置換フェニルもしくはナフチル、または無置換もしくは置換ヘテロアリールを表し;
R2およびR3は互いに独立して、水素、無置換もしくは置換C1〜C28アルキル、C2〜C28アルケニル、C2〜C22アルキニル、C3〜C12シクロアルキル、C3〜C12シクロアルケニル、C7〜C9アラルキル、C3〜C20ヘテロアルキル、C3〜C12シクロヘテロアルキル、C5〜C16ヘテロアラルキル、無置換もしくは置換フェニルもしくはナフチル、または無置換もしくは置換ヘテロアリールを表し;または
R2およびR3は、それらを連結するアルキリデン炭素原子と一緒になって、無置換もしくは置換5、6、7、8もしくは9員環(さらなるヘテロ原子を含んでもよい)を形成する]
の錯体の、酸化反応の触媒としての使用である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
電子求引性置換基とは、芳香環系において-Iおよび/または-M効果を有する置換基であると理解される。
【0012】
Meは、マンガン、チタン、鉄、コバルト、ニッケルまたは銅より選択される金属、好ましくはMn(II)-(III)-(IV)-(V)、Cu(I)-(II)-(III)、Fe(I)-(II)-(III)-(IV)、Co(I)-(II)-(III)、Ni(I)-(II)-(III)、Ti(II)-(III)-(IV)より選択される金属、より好ましくはMn(II)-(III)-(IV)-(V)、Cu(I)-(II)-(III)、Fe(I)-(II)-(III)-(IV)およびCo(I)-(II)-(III)より選択される金属を表す。
【0013】
Lは、本明細書において定義される通りの配位子、またはそのプロトン化もしくは脱プロトン化した類似物を表す。
【0014】
可能な場合には、アシルヒドラゾン誘導体はそのEまたはZ配置であり得る。R4が水素である場合、式(2)の配位子はその互変異性型の一方であってよく、またはその異なる互変異性型の混合物であってよい。
【0015】
アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、フェニル、ナフチル、アラルキル、ヘテロアラルキルおよびシクロヘテロアルキル基の好適な置換基は、特に、C1〜C4アルキル;C1〜C4アルコキシ;ヒドロキシ;スルホ;スルファト(sulfato);ハロゲン;シアノ;ニトロ;カルボキシ;アミノ;無置換のまたはアルキル部分をヒドロキシ置換されたN-モノ-もしくはN,N-ジ-C1〜C4アルキルアミノ;N-フェニルアミノ;N-ナフチルアミノ(ここで、アミノ基は第4級化されていてもよい);フェニル;フェノキシまたはナフチルオキシ;好ましくはヒドロキシ、ハロゲンおよびC1〜C4アルコキシである。
【0016】
一般的に、無置換アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、フェニル、ナフチル、アラルキル、ヘテロアラルキルおよびシクロヘテロアルキルが好ましい。
【0017】
環状化合物は、好ましくは5、6または7員環であり、6員環が好ましい。
【0018】
アリールは、フェニルまたはナフチルである。
【0019】
式(2)の化合物に関して言及したC1〜C18アルキル基は、例えば、直鎖または分枝鎖アルキル基、例えばメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、イソブチル、tert-ブチルまたは直鎖もしくは分枝鎖ペンチル、ヘキシル、ヘプチルまたはオクチルである。C1〜C12アルキル基、特にC1〜C8アルキル基、および好ましくはC1〜C4アルキル基が好ましい。前記アルキル基は無置換であってもよく、または例えばヒドロキシ、C1〜C4アルコキシ、スルホにより、またはスルファトにより、特にヒドロキシにより置換されていてもよい。対応する無置換アルキル基が好ましい。メチルおよびエチル、特にメチルが非常に好ましい。
【0020】
式(2)の化合物に関して考慮されるアリール基の例は、フェニルまたはナフチルであり、それぞれ無置換であるか、C1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、カルボキシ、スルホ、ヒドロキシ、アミノ、無置換もしくはアルキル部分をヒドロキシ置換されたN-モノ-もしくはN,N-ジ-C1〜C4アルキルアミノ、N-フェニルアミノ、N-ナフチルアミノ(ここで、アミノ基は第4級化されていてもよい)、フェニル、フェノキシまたはナフチルオキシにより置換されている。好ましい置換基は、C1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシ、フェニルおよびヒドロキシである。
【0021】
対応するフェニル基が特に好ましい。
【0022】
式(2)の化合物に関して言及されるC1〜C6アルキレン基は、例えば、直鎖もしくは分枝鎖アルキレン基、例えばメチレン、エチレン、n-プロピレンまたはn-ブチレンである。C1〜C4アルキレン基が好ましい。前記アルキレン基は無置換であっても、または例えばヒドロキシもしくはC1〜C4アルコキシにより置換されていてもよい。
【0023】
式(1)および(2)の化合物において、ハロゲンは好ましくは塩素、臭素またはフッ素であり、塩素が特に好ましい。
【0024】
C3〜C12シクロアルキルは、飽和環式炭化水素を指す。C3〜C12シクロアルキルは、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、トリメチルシクロヘキシル、メンチル、ツジル、ボルニル、1-アダマンチルまたは2-アダマンチルである。
【0025】
C2〜C18アルケニルは、例えばビニル、アリル、2-プロペン-2-イル、2-ブテン-1-イル、3-ブテン-1-イル、1,3-ブタジエン-2-イル、2-ペンテン-1-イル、3-ペンテン-2-イル、2-メチル-1-ブテン-3-イル、2-メチル-3-ブテン-2-イル、3-メチル-2-ブテン-1-イル、1,4-ペンタジエン-3-イルであり、または、ヘキセニル、オクテニル、ノネニル、デセニルまたはドデセニルの異なる異性体を意味する。
【0026】
C3〜C12シクロアルケニルは、1個または複数個の二重結合を有する不飽和炭化水素残基、例えば2-シクロブテン-1-イル、2-シクロペンテン-1-イル、2-シクロヘキセン-1-イル、3-シクロヘキセン-1-イル、2,4-シクロヘキサジエン-1-イル、1-p-メンテン-8-イル、4(10)-ツジェン-10-イル、2-ノルボルネン-1-イル、2,5-ノルボルナジエン-1-イルまたは7,7-ジメチル-2,4-ノルカラジエン-3-イルを指す。
【0027】
C7〜C9アラルキルは、例えば、ベンジル、β-フェニル-エチル、α,α-ジメチルベンジルである。
【0028】
C5〜C16ヘテロアラルキルは、例えば、C4〜C8ヘテロアリール基により、好ましくはC5〜C6ヘテロアリール基により置換されたC1〜C8アルキル基を表す。
【0029】
C5〜C6ヘテロアリールは、例えばピリジンまたはピリミジンである。
【0030】
Xは、任意の配位種または架橋種を表し、好ましくは任意の一、二または三価のアニオンおよび単座、二座または三座配位子として金属に配位可能な任意の中性分子より選択され、好ましくは、O22-、O2-、RBO22-、RCOO-、RCONR-、HOO-、OH-、RO-、NO3-、NO2-、NO、CO、S2-、RS-、PO34-、STP由来アニオン、PO3OR3-、H2O、CO32-、HCO3-、ROH、NRR’R’’、CH3CN、RCN、Cl-、Br-、OCN-、SCN-、CN-、N3-、F-、I-、RO-、ClO4-、SO42-、HSO4-、SO32-、RSO3-、LMeO-およびLMeOO-より選択され、より好ましくは、O22-、O2-、RBO22-、RCOO-(好ましくはCH3COO-)、HOO-、OH-、RO-、NO3-、NO2-、NO、CO、S2-、RS-、PO34-、PO3OR3-、H2O、CO32-、HCO3-、ROH、NRR’R’’、CH3CN、RCN、Cl-、Br-、OCN-、SCN-、CN-、N3-、F-、I-、RO-、ClO4-、SO42-、HSO4-、SO32-、RSO3-(好ましくはCF3SO3-)より選択される。前記式中、Rは下に定義される通りであり、LおよびMeは本明細書中の上記および下記の通りの定義および好ましい意味を有する。Rは、特に好ましくは水素、C1〜C4アルキルまたはフェニル、特に水素である。
【0031】
Yは、任意の配位していない対イオンを表し、好ましくは、RCOO-、ClO4-、BF4-、PF6-、RSO3-、RSO4-、SO42-、S2O6-、OCN-、SCN-、NO3-、NO2-、F-、Cl-、Br-、I-、RO-、ClO4-、BR4-、FeCl4-、RBO2-、SO32-、HSO42-、N+RR’R’’R’’’、SbCl6-、CuCl4-、CN-、PO43-、HPO42-、H2PO42-、STP由来のアニオン、CO32-、HCO3-、Li+、Ba2+、Na+、Mg2+、K+、Ca2+、Cs+およびPR4+より選択され、より好ましくは、RCOO-、ClO4-、BF4-、PF6-、RSO3-、RSO4-(好ましくはCF3SO3-)、SO42-、S2O6-、OCN-、SCN-、NO3-、NO2-、F-、Cl-、Br-、I-、RO-、ClO4-、BR4-、FeCl4-、RBO2-、SO32-、HSO42-、N+RR’R’’R’’’、SbCl6-、CuCl4-、PO43-、HPO42-、H2PO42-、CO32-、HCO3-、Li+、Ba2+、Na+、Mg2+、K+、Ca2+およびCs+より選択される。
【0032】
R、R’、R’’、R’’’は独立して、水素、ヒドロキシ、-OR10(式中、R10はアルキル、アルケニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリールまたはカルボニル誘導体基である)より選択される基を表す。好ましくは、R、R’、R’’、R’’’は水素、場合により置換されたアルキルまたは場合により置換されたアリール、より好ましくは水素または場合により置換されたフェニル、ナフチルもしくはC1-4-アルキルを表す。
【0033】
Yはまた、通常の有機対イオン、例えばクエン酸イオン、シュウ酸イオンまたは酒石酸イオンであり得る。
【0034】
式(1)の対イオンYは、配位子L、金属Meおよび配位種または架橋種Xにより形成される錯体の電荷zを相殺する。したがって、電荷zが正である場合、Yはアニオン、例えば、RCOO-、ClO4-、BF4-、PF6-、RSO3-、RSO4-(好ましくはCF3SO3-)、SO42-、OCN-、SCN-、NO3-、F-、Cl-、Br-、I-、RO-、ClO4-、HSO42-、PO43-、HPO42-、H2PO42-、CO32-またはHCO3-(ここで、Rは水素、場合により置換されたアルキルまたは場合により置換されたアリールである)であり得る。zが負である場合、Yは一般的なカチオン、例えばアルカリ金属、アルカリ土類金属または(アルキル)アンモニウムカチオンであり得る。
【0035】
したがって、対イオンYの電荷は1+、2+、1-または2-、特に1+または1-である。特に、前記電荷は1-である。
【0036】
式(1)の化合物に関して、好ましくは、nは1〜4、好ましくは1または2、特に1の値を有する整数である。
【0037】
式(1)の化合物に関して、好ましくは、mは1または2、特に1の値を有する整数である。
【0038】
式(1)の化合物に関して、好ましくは、pは0〜4、特に2の値を有する整数である。
【0039】
式(1)の化合物に関して、好ましくは、zは8-〜8+、特に4-〜4+、特に好ましくは0〜4+の値を有する整数である。特に、zは0の数である。
【0040】
式(1)の化合物に関して、好ましくは、qは0〜8、特に0〜4の整数であり、特に好ましくは0の数である。
【0041】
好ましくは、XはCH3CN、H2O、F-、Cl-、Br-、HOO-、O22-、O2-、R28COO-、R28O-、LMeO-およびLMeOO-であり;YはR28COO-、ClO4-、BF4-、PF6-、R28SO3-、R28SO4-、SO42-、NO3-、F-、Cl-、Br-およびI-であり;R28は水素、無置換もしくは置換C1〜C18アルキルまたはフェニルである。
【0042】
好ましくは、R1は、-(CH2)k-N+(R100R’100R’’100)3A-(式中、A-はアニオンであり、kは1〜4の数である);または1〜5個の電子求引性置換基により置換されたフェニルであり、該電子求引性置換基は、
-O-C(O)OR100、-COOR100、-C(O)N(R100R’100)、-C(O)-R100、-CN、-NO2、-SO3R100、-CF3、F、Cl、Br、I、-N(R100R’100R’’100)3+A-、-N(R101R’101)、および
【化2】

【0043】
からなる群より選択され、ここで、
R100、R’100、R’’100は独立して、水素、C1〜C18アルキルもしくはフェニルであり、またはR100、R’100、R’’100のうちの2つは、それらが結合する窒素原子と一緒になって5または6員環(さらに別の窒素原子を含んでもよい)を形成し;*は結合の位置であり、A-はアニオンであり、
R101、R’101は独立して、-C(O)-R100、-C(O)N(R100R’100)もしくは-C(O)OR100であり;
または
R1は電子求引性置換基と一緒になって、基
【化3】

【0044】
である。
【0045】
アニオンA-は、好ましくはRCOO-、ClO4-、BF4-、PF6-、RSO3-、RSO4-(好ましくはCF3SO3-)、SO42-、OCN-、SCN-、NO3-、F-、Cl-、Br-、I-、RO-、ClO4-、HSO42-、PO43-、HPO42-、H2PO42-、CO32-またはHCO3-であり、ここで、Rは水素、無置換または場合により置換されたC1〜C18アルキルである。
【0046】
より好ましくは、A-は、RSO3-、OCN-、SCN-、NO3-、F-、I-およびCl-である。最も好ましくは、A-はCl-である。
【0047】
例えば、触媒は式(3)または(4)
【化4】

【0048】
[式中、
Meは、酸化状態II〜Vのマンガンまたは酸化状態I〜IVの鉄であり;
Xは、CH3CN、H2O、F-、Cl-、Br-、HOO-、O22-、O2-、R28COO-、R28O-であり;
R28は、水素、無置換または置換C1〜C18アルキルまたはフェニルであり;
pは、1〜4の整数であり;
R1は、-(CH2)k-N+(R100R’100R’’100)3A-(式中、A-はアニオンであり、kは1〜4の数である);または1〜5個の電子求引性置換基により置換されたフェニルであり;
R2は、水素、無置換もしくは置換C1〜C28アルキル、C2〜C28アルケニル、C2〜C22アルキニル、C3〜C12シクロアルキル、C3〜C12シクロアルケニル、C7〜C9アラルキル、C3〜C20ヘテロアルキル、C3〜C12シクロヘテロアルキル、C5〜C16ヘテロアラルキル、無置換もしくは置換フェニルもしくはナフチル、または無置換もしくは置換ヘテロアリールを表し;
R5、R6、R7およびR8は互いに独立して、水素、無置換もしくは置換C1〜C28アルキル、C2〜C28アルケニル、C2〜C22アルキニル、C3〜C12シクロアルキル、C3〜C12シクロアルケニル、C7〜C9アラルキル、C3〜C20ヘテロアルキル、C3〜C12シクロヘテロアルキル、C5〜C16ヘテロアラルキル、無置換もしくは置換フェニルもしくはナフチル;-OR100、-NR100R’100、ハロゲンであり;または独立してR1について定義した意味を有し;または
R5とR6、R6とR7および/またはR7とR8は互いに連結して、1、2または3個の炭素環または複素環を形成してもよく、該環は連続していても、もしくは1個以上の-O-、-S-もしくは-NR9-が介在していてもよく、および/または該環はさらに他の芳香環と縮合していてもよく、および/または該環は1個以上のC1〜C6アルキル基により置換されていてもよい]
を有する。
【0049】
本発明の特定の実施形態において、触媒は式(3)または(4)
【化5】

【0050】
[式中、
Meは、酸化状態II〜Vのマンガンまたは酸化状態I〜IVの鉄であり;
Xは、CH3CN、H2O、F-、Cl-、Br-、HOO-、O22-、O2-、R28COO-、R28O-であり;
R28は、水素、無置換または置換C1〜C18アルキルもしくはフェニルであり;
pは、1〜4の整数であり;
R1は、-(CH2)k-N+(R100R’100R’’100)3A-(式中、A-はアニオンであり、kは1〜4の数である);または1〜5個の電子求引性置換基により置換されたフェニルであり、該電子求引性置換基は、
-OC(O)OR100、-COOR100、-C(O)-R100、-CN、-NO2、-SO3R100、-CF3、F、Cl、Br、I、
-N(R100R’100R’’100)3+A-、-N(R101R’101)、および
【化6】

【0051】
からなる群より選択され、ここで、R100、R’100、R’’100は独立して、水素、C1〜C18アルキルもしくはフェニルであり、またはR100、R’100、R’’100のうちの2つは、それらが結合する窒素原子と一緒になって5もしくは6員環(さらに別の窒素原子を有してもよい)を形成し;*は結合の位置であり、A-はアニオンであり、
R101、R’101は独立して、-C(O)-R100、-C(O)N(R100R’100)もしくは-C(O)OR100であり;
または
R1は、電子求引性置換基と一緒になって、基
【化7】

【0052】
であり;
R2は、水素、無置換もしくは置換C1〜C28アルキル、C2〜C28アルケニル、C2〜C22アルキニル、C3〜C12シクロアルキル、C3〜C12シクロアルケニル、C7〜C9アラルキル、C3〜C20ヘテロアルキル、C3〜C12シクロヘテロアルキル、C5〜C16ヘテロアラルキル、無置換もしくは置換フェニルもしくはナフチル、または無置換もしくは置換ヘテロアリールを表し;
R5、R6、R7およびR8は互いに独立して、水素、無置換もしくは置換C1〜C28アルキル、C2〜C28アルケニル、C2〜C22アルキニル、C3〜C12シクロアルキル、C3〜C12シクロアルケニル、C7〜C9アラルキル、C3〜C20ヘテロアルキル、C3〜C12シクロヘテロアルキル、C5〜C16ヘテロアラルキル、無置換もしくは置換フェニルもしくはナフチル;-OR100、-NR100R’100、ハロゲンであり;または独立してR1について定義した意味を有し;または
R5とR6、R6とR7および/またはR7とR8は互いに連結して、1、2または3個の炭素環または複素環を形成してもよく、該環は連続していても、もしくは1個以上の-O-、-S-もしくは-NR9-が介在していてもよく、および/または該環はさらに他の芳香環と縮合していてもよく、および/または該環は1個以上のC1〜C6アルキル基により置換されていてもよい]
を有する。
【0053】
好適なアニオンA-の例は既に上に記載した通りである。最も好ましいのはCl-である。
【0054】
特に好ましくは、R1は、-OC(O)OR100、-COOR100、-C(O)-R100、-CN、-NO2、-SO3R100、-CF3、F、Cl、Br、I、-N(R100R’100R’’100)3+A-、-N(R101R’101)、および
【化8】

【0055】
(ここで、R100、R’100、R’’100は独立して、水素、C1〜C18アルキルまたはフェニルであり、またはR100、R’100、R’’100のうちの2つは、それらが結合する窒素原子と一緒になって、さらなる窒素原子を含んでもよい5または6員環を形成し;*は結合の位置であり、A-はアニオンであり、
R101、R’101は独立して、-C(O)-R100、-C(O)N(R100R’100)もしくは-C(O)OR100である)からなる群より選択される1〜5個の電子求引性置換基により置換されたフェニルを意味し;
または
R1は電子求引性置換基と一緒になって、基
【化9】

【0056】
である。
【0057】
別の好ましい実施形態において、R1は-(CH2)k-N+(CH3)3A-の意味を有する。置換基の定義は既に上に記載した通りである。
【0058】
両方のフェニル環におけるR5〜R8は、上に挙げた定義から独立して選択することができ、例えば、一方の環におけるR5は他方の環におけるR5とは異なる意味を有し得る。これはR6〜R8に関しても同様である。
【0059】
好ましくは、Meは、酸化状態II〜Vのマンガンまたは酸化状態I〜IVの鉄であり;
Xは、H2O、F-、Cl-、Br-、HOO-、R28COO-またはR28O-であり;
R28は、水素、無置換または置換C1〜C18アルキルであり;
pは、1または2の整数であり;
R1は、1〜5個の電子求引性置換基により置換されたフェニルであり、該電子求引性置換基は、-OR100、-COOR100、-C(O)-R100、-CN、-NO2、-SO3R100、-CF3、F、Cl、Br、I、-N(R100R’100R’’100)3+A-、-N(R101R’101)または
【化10】

【0060】
からなる群より選択され、ここで、R100、R’100、R’’100は独立して、水素、C1〜C18アルキルまたはフェニルであり、*は結合の位置であり、A-はアニオンであり、
R101、R’101は独立して、-C(O)-R100、-C(O)N(R100R’100)もしくは-C(O)OR100であり;
R2、R5、R6、R7およびR8は互いに独立して、水素、無置換もしくは置換C1〜C28アルキル、C2〜C28アルケニル、C2〜C22アルキニル、C3〜C12シクロアルキル、C3〜C12シクロアルケニル、C7〜C9アラルキル、C3〜C20ヘテロアルキル、C3〜C12シクロヘテロアルキル、C5〜C16ヘテロアラルキル、無置換もしくは置換フェニルもしくはナフチル;-OR100、-NR100R’100、ハロゲンであり;または独立してR1について定義した意味を有する。
【0061】
本発明の特定の実施形態において、式(1)における整数mおよびpは0であり、式(2)
【化11】

【0062】
[式中、置換基は上に定義した通りであり、その好ましい例は上に挙げた通りである]
の配位子Lを酸化反応の触媒として使用する。
【0063】
驚くべきことに、配位子単独でも、例えば洗浄工程において酸化反応の触媒として使用できることが見出された。
【0064】
式(1)の錯体化合物または式(2)の純粋な配位子は、過酸化物または過酸化物形成物質、O2および/または空気と共に触媒として使用される。該使用は、洗浄工程の中でのまたは染み抜き剤の直接の適用による布地材料の染みまたは汚れの漂白のために;硬表面、特に台所の表面、壁のタイルまたは床のタイルの清浄化のために;自動食器洗浄組成物における使用のために;大気中の酸素による布地材料の染みまたは汚れの漂白(それにより洗浄液中での布地の処理中および/または処理後に漂白が触媒される)のために;布地材料の洗浄中に移動した染料の再沈着の防止のために;抗菌作用を有する洗浄および清浄化溶液における使用のために;布地の漂白の前処理剤として;有機合成における選択的酸化反応の触媒として;廃水処理のために;製紙における漂白のために;滅菌のために;およびコンタクトレンズの消毒のために実施される。
【0065】
本発明の別の態様は、洗浄工程の中でのまたは染み抜き剤の直接の適用による布地材料の染みまたは汚れの漂白のための方法、および硬表面の清浄化のための方法であって、布地材料または硬表面材料を、水性媒体、上記の通りの式(1)の錯体化合物または式(2)の配位子ならびに過酸化物もしくは過酸化物形成物質またはO2および/もしくは空気と接触させることを含む前記方法である。
【0066】
配位子は、標準的な方法に従って、アルデヒドなどのカルボニル化合物を第一級アミンと反応させて対応するシッフ塩基を形成させることにより、特に式(6)のヒドラジドと式(7)のカルボニル化合物(ここで、置換基は上で定義した通りである)とを用いて、調製することができる。
【化12】

【0067】
個々の配位子を以下の表にまとめる。
【表1】

【0068】

【0069】

【0070】

【0071】

【0072】
錯体(1)は、任意の適切な手段により形成できることが理解されよう。これには、保存または使用の条件下で錯体の前駆物質が一般式(1)の活性錯体に変換されるin situ形成が含まれる。好ましくは、錯体は明確に定義された錯体として形成されるか、または金属Mの塩および配位子Lもしくは配位子Lを生成する種を含む溶媒混合物中で形成される。あるいは、触媒は、例えば前駆物質を含有する溶液または分散物中で好適な錯体前駆物質からin situ形成されてもよい。このような例の一つにおいて、活性触媒は、金属Meの塩および配位子Lまたは配位子Lを生成する種を好適な溶媒中に含む混合物中でin situ形成され得る。ここで、例えばMeがマンガンである場合、MnCl2またはMn(OOCCH3)2などのマンガン塩と配位子Lまたは配位子Lを生成する種とを溶液中で混合して、活性錯体を形成させることができる。このような合成法は、例えば、Inorganica Chimica Acta (1974), 第9(2)巻, p. 137-42; Monatshefte fuer Chemie (1976), 第107(6)巻, p. 1455-62; Transition Metal Chemistry (Dordrecht, Netherlands) (1977), 第2(1)巻, p. 29-30; Inorganica Chimica Acta (2007), 第360(5)巻, p. 1599-1608; Malaysian Journal of Science, 第25(1)巻, p. 107-114; 2006年; Pestycydy (Warsaw), (1-2), 21-31; 2004年またはJournal of the Indian Chemical Society, 第81(11)巻, p. 950-953; 2004年に記載されている。
【0073】
別の例において、配位子Lまたは配位子Lを生成する種を、基質または洗浄液中に存在する金属Meイオンと混合して、in situで活性触媒を形成させることができる。好適な配位子Lを生成する種には、金属を含まない化合物または配位子Lを含む金属配位錯体が含まれ、金属Meイオンにより置換されて式(1)の活性錯体を形成する。
【0074】
式(1)の金属錯体化合物または式(2)の配位子は、触媒として、過酸化物もしくは過酸化物形成物質、O2および/または空気と共に使用される。これに関して言及し得る例としては、以下の使用が挙げられる。
【0075】
a) 洗浄工程の中での、または染み抜き剤の直接の適用による布地材料の染みまたは汚れの漂白;
b) 硬表面、特に台所の表面、壁のタイルまたは床のタイルの清浄化、例えばカビの作用の結果として形成された染み(「カビ染み」)を除去するためのもの;自動食器洗浄組成物における使用も好ましい使用である;
c) 空気中の酸素による布地材料の染みまたは汚れの漂白であって、それにより、洗浄液中での布地の処理中および/または処理後に漂白が触媒されるもの;
d) 布地材料の洗浄中に移動した染料の再沈着の防止;
e) 抗菌作用を有する洗浄および清浄化溶液中での使用;
f) 布地の漂白のための前処理剤として;
g) 有機合成における選択的酸化反応の触媒として;
h) 廃水処理;
i) 製紙における漂白のためのペルオキシ化合物による反応の触媒としての使用。これは特に、セルロースの脱リグニンおよびパルプの漂白に関連し、これは通常の方法により実施することができる。また印刷物古紙の漂白のためのペルオキシ化合物による反応の触媒としての使用も関心事である;
j) 滅菌;および
k) コンタクトレンズの消毒。
【0076】
好ましいのは、布地材料の染みまたは汚れの漂白;硬表面、特に台所の表面、壁のタイル、床のタイルの清浄化、ならびに自動食器洗浄製剤における使用;空気中の酸素による布地材料の染みまたは汚れの漂白(それにより、洗浄液中での布地の処理中および/または処理後に漂白が触媒される);または洗浄工程において移動した染料の再沈着の防止である。
【0077】
これらの使用に好ましい金属は、マンガンおよび/または鉄、特にマンガンである。
【0078】
例えば、布地または硬表面材料の漂白における金属錯体化合物の使用が、繊維および染色ならびに硬表面材料、例えばテーブルおよび台所用品ならびにタイルに顕著な損傷を引き起こさないことを強調しておくべきである。
【0079】
任意の洗浄液中での染みの漂白の工程は、通常、洗浄液(H2O2またはH2O2前駆物質を含む)に1種以上の式(1)の金属錯体化合物を加えることにより実施する。あるいは、既に1または2種の金属錯体化合物を含む洗剤を加えることも可能である。このような適用ならびに他の適用において、式(1)の金属錯体化合物をin situ形成させることも可能であり、金属塩(例えば、塩化マンガン(II)などのマンガン(II)塩、および/または塩化鉄(II)などの鉄(II)塩)および配位子を所望のモル比で加える。
【0080】
その結果、本発明のさらなる態様は、
I) 組成物の総重量を基準として0〜50重量%のA)少なくとも1種のアニオン性界面活性剤および/またはB)非イオン性界面活性剤、
II) 組成物の総重量を基準として0〜70重量%のC)少なくとも1種のビルダー物質、
III) 組成物の総重量を基準として1〜99重量%のD)少なくとも1種の過酸化物および/または1種の過酸化物形成物質、O2および/または空気、
IV) 0.5〜50 g/lの洗剤、清浄化剤、消毒剤または漂白剤を液に加えた場合に、液中に0.5〜100 mg/lの濃度を与える量のE)上で定義した通りの少なくとも1種の式(1)の金属錯体化合物または式(2)の配位子、
V) 組成物の総重量を基準として0〜20重量%の少なくとも1種のさらなる添加剤、および
VI) 組成物の総重量を基準として100重量%になるように加えた水
を含む洗剤、清浄化、消毒または漂白組成物である。
【0081】
好ましくは、このような組成物は布地材料または硬表面材料に使用される。
【0082】
すべての重量%は、洗剤、清浄化、消毒または漂白組成物の総重量を基準とする。
【0083】
洗剤、清浄化、消毒または漂白組成物は、いかなる種類の工業用または家庭用清浄化、消毒または漂白製剤であってもよい。
【0084】
これは、例えば、布地材料に使用される組成物において、ならびに硬表面、例えば硬表面材料、例えばテーブルおよび台所用品ならびにタイルに使用される組成物において使用することができる。
【0085】
好ましい硬表面清浄化組成物は、食器洗浄用洗剤製剤、より好ましくは自動食器洗浄用洗剤製剤である。
【0086】
上記のパーセンテージは、いずれの場合にも、組成物の総重量を基準とする重量パーセントである。好ましくは、組成物は0.005〜2重量%、より好ましくは0.01〜1重量%、最も好ましくは0.05〜1重量%の少なくとも1種の式(1)の金属錯体化合物を含有する。
【0087】
本発明の組成物が成分A)および/またはB)を含む場合、その量は好ましくは1〜50重量%、特に1〜30重量%である。
【0088】
本発明の組成物が成分C)を含む場合、その量は好ましくは1〜70重量%、特に1〜50重量%である。5〜50重量%の量、特に10〜50重量%の量が特に好ましい。
【0089】
対応する洗浄、清浄化、消毒または漂白工程は、通常、液1 lあたり0.1〜200 mgの1種以上の式(1)の化合物を含有する水性の液を用いて実施する。液は、好ましくは、液1 lあたり1〜50 mgの少なくとも1種の式(1)の化合物を含有する。
【0090】
本発明の組成物は、例えば、過酸化物含有の強力な(heavy-duty)洗剤もしくは別個の漂白添加剤、または直接適用するする染み抜き剤であってよい。漂白添加剤は、布地の着色染みを除去するために、漂白剤を含まない洗剤により衣類を洗浄する前に別の液中で使用する。また、漂白添加剤は、漂白剤を含まない洗剤と一緒の液中で使用することも可能である。
【0091】
染み抜き剤は、問題の布地に直接適用することができ、特にひどい部分汚れの場合の前処理のために使用される。
【0092】
染み抜き剤は、噴霧法により液体の形態で、または固体物質、例えば、粉末、特に顆粒の形態で適用することができる。
【0093】
顆粒は、例えば、まず成分E)以外の上に挙げたすべての成分を含む水性懸濁液を噴霧乾燥することにより最初の粉末を調製した後、乾燥した成分E)を加えてすべて一緒に混合することにより調製することができる。成分E)を、成分A)、B)、C)およびD)を含有する水性懸濁液に加えた後、噴霧乾燥をおこなうことも可能である。
【0094】
まず成分A)およびC)を含有するが、成分B)を含まないか、一部しか含まない水性懸濁液を調製することも可能である。該懸濁液を噴霧乾燥した後、成分E)を成分B)と混合して加え、次いで成分D)を乾燥状態で混合する。すべての成分を一緒に乾燥状態で混合することも可能である。
【0095】
アニオン性界面活性剤A)は、例えば、硫酸系、スルホン酸系、またはカルボン酸系界面活性剤またはその混合物であり得る。アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、オレフィンスルホン酸塩、脂肪酸塩、アルキルおよびアルケニルエーテルカルボン酸塩またはα-スルホン脂肪酸塩またはそのエステルが好ましい。
【0096】
好ましいスルホン酸塩は、例えば、アルキル基に10〜20個の炭素原子を有するアルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル基に8〜18個の炭素原子を有するアルキル硫酸塩、アルキル基に8〜18個の炭素原子を有するアルキルエーテル硫酸塩、およびパーム油または獣脂に由来し、アルキル部分に8〜18個の炭素原子を有する脂肪酸塩である。アルキルエーテル硫酸塩に付加するエチレンオキシド単位の平均分子数は、1〜20、好ましくは1〜10である。アニオン性界面活性剤におけるカチオンは、好ましくはアルカリ金属カチオン、特にナトリウムまたはカリウム、とりわけナトリウムである。好ましいカルボン酸塩は、式R19-CON(R20)CH2COOM1[式中、R19はC9〜C17アルキルまたはC9〜C17アルケニルであり、R20はC1〜C4アルキルであり、M1はアルカリ金属、特にナトリウムである]のサルコシンアルカリ金属塩である。
【0097】
非イオン性界面活性剤B)は、例えば、第一級または第二級アルコールエトキシレート、特に、アルコール基あたり平均1〜20 molのエチレンオキシドによりエトキシル化されたC8〜C20脂肪族アルコールであり得る。アルコール基あたり平均1〜10 molのエチレンオキシドによりエトキシル化された第一級または第二級C10〜C15脂肪族アルコールが好ましい。エトキシル化されていない非イオン性界面活性剤、例えばアルキルポリグリコシド、グリセロールモノエーテルおよびポリヒドロキシアミド(グルカミド)も同様に使用し得る。
【0098】
アニオン性および非イオン性界面活性剤の総量は、好ましくは5〜50重量%、特に5〜40重量%、とりわけ5〜30重量%である。これらの界面活性剤の好ましい量の下限は10重量%である。
【0099】
アニオン性および/または非イオン性界面活性剤に加えて、組成物はカチオン性界面活性剤を含有してもよい。使用し得るカチオン性界面活性剤としては、すべての一般的なカチオン性界面活性化合物、特に布地柔軟効果を有する界面活性剤が挙げられる。
【0100】
カチオン性界面活性剤の非限定的な例は、下記の式:
【化13】

【0101】
[式中、
それぞれの基Rαは互いに独立して、C1-6-アルキル-、-アルケニル-または-ヒドロキシアルキルであり;それぞれの基Rβは互いに独立して、C8-28-アルキル-またはアルケニルであり;
Rγは、Rαまたは(CH2)n-T-Rβであり;
Rδは、RαまたはRβまたは(CH2)n-T-Rβであり;T = -CH2-、-O-CO-または-CO-O-であり、
nは、0〜5の間である]
により表される。
【0102】
本発明の組成物中に存在する好ましいカチオン性界面活性剤としては、ヒドロキシアルキル-トリアルキル-アンモニウム化合物、特にC12-18--アルキル(ヒドロキシエチル)ジメチルアンモニウム化合物が挙げられ、対応する塩酸塩が特に好ましい。本発明の組成物は、組成物の総重量を基準として0.5重量%〜15重量%のカチオン性界面活性剤を含有し得る。
【0103】
ビルダー物質C)として、例えば、アルカリ金属リン酸塩、特にトリポリリン酸塩、炭酸塩および炭酸水素塩、特にそのナトリウム塩、ケイ酸塩、アルミニウムケイ酸塩、ポリカルボン酸塩、ポリカルボン酸、有機ホスホン酸塩、アミノアルキレンポリ(アルキレンホスホン酸塩)および前記化合物の混合物が考慮される。
【0104】
特に好適なケイ酸塩は、式NaHSitO2t+1.pH2OまたはNa2SitO2t+1.pH2O [式中、tは1.9〜4の数であり、pは0〜20の数である]の結晶性層状ケイ酸のナトリウム塩である。
【0105】
アルミニウムケイ酸塩の中でも、ゼオライトA、B、XおよびHSの名称で市販されているもの、ならびに前記成分の2種以上を含む混合物が好ましい。ゼオライトAが特に好ましい。
【0106】
ポリカルボン酸塩の中でも、ポリヒドロキシカルボン酸塩、特にクエン酸塩、およびアクリル酸塩、ならびにその無水マレイン酸とのコポリマーが好ましい。好ましいポリカルボン酸は、ニトリロ三酢酸、エチレンジアミン四酢酸およびエチレンジアミン二コハク酸塩(ラセミ体または鏡像異性的に純粋な(S,S)形態のいずれか)である。
【0107】
特に好適なホスホン酸塩またはアミノアルキレンポリ(アルキレンホスホン酸塩)は、1-ヒドロキシエタン-1,1-ジホスホン酸、ニトリロトリス(メチレンホスホン酸)、エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸およびジエチレントリアミンペンタメチレンホスホン酸のアルカリ金属塩、ならびにそれらの塩である。また、好ましいポリホスホン酸塩は、下記の式
【化14】

【0108】
[式中、
R18はCH2PO3H2またはその水溶性の塩であり、
dは値0、1、2または3の整数である]
を有する。
【0109】
特に好ましいのは、bが値1の整数であるポリホスホン酸塩である。
【0110】
過酸化物または過酸化物形成物質の量は、好ましくは0.5〜30重量%、より好ましくは1〜20重量%、特に好ましくは1〜15重量%である。
【0111】
過酸化物成分D)として、水溶液中で過酸化水素を生成することができるすべての化合物、例えば、通常の洗浄温度、例えば10〜95℃で布地材料を漂白する、文献で公知かつ市販の有機および無機過酸化物が考慮される。
【0112】
しかしながら、好ましくは、無機過酸化物、例えば、過硫酸塩、過ホウ酸塩、過炭酸塩および/または過ケイ酸塩を使用する。
【0113】
好適な無機過酸化物の例は、過ホウ酸ナトリウム四水和物または過ホウ酸ナトリウム一水和物、過炭酸ナトリウム、無機ペルオキシ酸化合物、例えば、モノ過硫酸カリウム(MPS)である。有機または無機ペルオキシ酸を過酸化化合物として使用する場合、その量は通常2〜80重量%、好ましくは4〜30重量%の範囲である。
【0114】
有機過酸化物は、例えば、モノまたはポリペルオキシド、尿素過酸化物、C1〜C4アルカノールオキシダーゼとC1〜C4アルカノールとの組合せ(例えば、WO95/07972に記載されるメタノールオキシダーゼとエタノール)、アルキルヒドロキシペルオキシド、例えばクメンヒドロペルオキシドおよびt-ブチルヒドロペルオキシドである。
【0115】
過酸化物は、さまざまな結晶形態および種々の水含有量を有してよく、それらはその保存安定性を改善するために他の無機または有機化合物と共に使用してもよい。
【0116】
これらのペルオキシ化合物はすべて、単独でまたはペルオキシ酸漂白前駆物質および/もしくは遷移金属を含まない有機漂白触媒と組み合わせて利用し得る。一般に、本発明の漂白組成物は、好適には、2〜80重量%、好ましくは4〜30重量%のペルオキシ漂白剤を含有するように製剤することができる。
【0117】
酸化剤として、ペルオキソ酸も使用することができる。一つの例は、式
【化15】

【0118】
[式中、
Mは、水素またはカチオンを意味し、
R19は、無置換C1〜C18アルキル;置換C1〜C18アルキル;無置換アリール;置換アリール;-(C1〜C6アルキレン)-アリール(ここで、アルキレンおよび/またはアルキル基は置換されていてもよい);およびフタルイミドC1〜C8アルキレン(ここで、フタルイミドおよび/またはアルキレン基は置換されていてもよい)を意味する]
の有機モノ過酸である。
【0119】
好ましいモノ有機ペルオキシ酸およびその塩は、式
【化16】

【0120】
[式中、
Mは、水素またはアルカリ金属を意味し、
R’19は、無置換C1〜C4アルキル;フェニル;-C1〜C2アルキレン-フェニルまたは
フタルイミドC1〜C8アルキレンを意味する]
で表されるものである。
【0121】
特に好ましいのはCH3COOOHおよびそのアルカリ塩である。
【0122】
同様に、特に好ましいのはε-フタルイミドペルオキシヘキサン酸およびそのアルカリ塩である。
【0123】
同様に好適なのは、ジペルオキシ酸、例えば、1,12-ジペルオキシドデカンジオン酸(DPDA)、1,9-ジペルオキシアゼライン酸、ジペルオキシブラシル酸、ジペルオキシセバシン酸、ジペルオキシイソフタル酸、2-デシルジペルオキシブタン-1,4-ジオチン酸(2-decyldiperoxybutane-1,4-diotic acid)および4,4'-スルホニルビスペルオキシ安息香酸である。
【0124】
ペルオキシ酸の代わりに、有機ペルオキシ酸前駆物質およびH2O2を使用することも可能である。このような前駆物質は、対応するカルボキシ酸または対応するカルボキシ無水物もしくは対応するカルボニルクロリド、またはアミド、またはエステルであって、過加水分解(perhydrolysis)によりペルオキシ酸を形成することができるものである。このような反応は周知である。
【0125】
ペルオキシ酸漂白前駆物質は公知であり、文献、例えば、英国特許第836988号;第864,798号;第907,356号;第1,003,310号および第1,519,351号明細書;独国特許第3,337,921号明細書;欧州特許出願公開第0185522号;第0174132号;第0120591号明細書;および米国特許第1,246,339号;第3,332,882号;第4,128,494号;第4,412,934号および第4,675,393号明細書に十分に記載されている。
【0126】
ペルオキシ酸前駆物質は、しばしば漂白活性化剤と呼ばれる。好適な漂白活性化剤としては、O-および/もしくはN-アシル基ならびに/または無置換もしくは置換ベンゾイル基を有する漂白活性化剤が挙げられる。ポリアシル化アルキレンジアミン、特にテトラアセチルエチレンジアミン(TAED);アシル化グリコールウリル、特にテトラアセチルグリコール尿素(TAGU)、N,N-ジアセチル-N,N-ジメチル尿素(DDU);ナトリウム-4-ベンゾイルオキシベンゼンスルホネート(SBOBS);ナトリウム-1-メチル-2-ベンゾイルオキシベンゼン-4-スルホネート;ナトリウム-4-メチル-3-ベンゾイルオキシベンゾエート;トリメチルアンモニウム-トルイルオキシベンゼンスルホネート;アシル化トリアジン誘導体、特に1,5-ジアセチル-2,4-ジオキソヘキサヒドロ-1,3,5-トリアジン(DADHT);式(6)
【化17】

【0127】
[式中、R22はスルホネート基、カルボン酸基またはカルボキシレート基であり、R21は直鎖または分枝鎖(C7〜C15)アルキルである]
の化合物、特にSNOBS、SLOBSおよびDOBAの名称で知られる活性化剤;アシル化多価アルコール、特にトリアセチン、エチレングリコールジアセテートおよび2,5-ジアセトキシ-2,5-ジヒドロフラン;ならびにアセチル化ソルビトールおよびマンニトールならびにアシル化糖誘導体、特にペンタアセチルグルコース(PAG)、スクロースポリアセテート(SUPA)、ペンタアセチルフルクトース、テトラアセチルキシロースおよびオクタアセチルラクトース、ならびにアセチル化された、場合によりN-アルキル化されたグルカミンおよびグルコノラクトンが好ましい。独国特許出願公開第44 43 177号明細書により公知の従来の漂白活性化剤の組合せを使用することも可能である。過酸化物によりペルイミン酸を形成するニトリル化合物も、漂白活性化剤として考慮される。
【0128】
別の有用なクラスのペルオキシ酸漂白前駆物質は、米国特許第4,751,015号および第4,397,757号明細書、欧州特許出願公開第0284292号および第331,229号明細書に開示される通りのカチオン性、すなわち第四級アンモニウム置換ペルオキシ酸前駆物質のクラスである。このクラスのペルオキシ酸漂白前駆物質の例は、2-(N,N,N-トリメチルアンモニウム)エチル・ナトリウム-4-スルホンフェニルカルボネートクロリド-(SPCC)、N-オクチル-N,N-ジメチル-N10-カルボフェノキシデシルアンモニウムクロリド-(ODC)、3-(N,N,N-トリメチルアンモニウム)プロピル・ナトリウム-4-スルホフェニルカルボキシレートおよびN,N,N-トリメチルアンモニウム・トルイルオキシベンゼンスルホネートである。
【0129】
漂白前駆体のさらなる特別なクラスは、欧州特許出願公開第303,520号明細書、国際公開第96/40661号パンフレットおよび欧州特許第458,396号、第790244号および第464,880号明細書に開示される通りのカチオン性ニトリルにより形成される。これらのカチオン性ニトリルは、ニトリルクォート(nitril quats)としても知られ、式
【化18】

【0130】
[式中、
R30は、C1〜C24アルキル;C1〜C24アルケニル;C1〜C24アルキルを有するアルカリル;置換C1〜C24アルキル;置換C1〜C24アルケニル;置換アリールであり、
R31およびR32はそれぞれ独立して、C1〜C3アルキル;1〜3個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル、-(C2H4O)nH(nは1〜6である);-CH2-CNであり、
R33は、C1〜C20アルキル;C1〜C20アルケニル;置換C1〜C20アルキル;置換C1〜C20アルケニル;C1〜C24アルキルおよび少なくとも1個の他の置換基を有するアルカリルであり、
R34、R35、R36、R37およびR38はそれぞれ独立して、水素、C1〜C10アルキル、C1〜C10アルケニル、置換C1〜C10アルキル、置換C1〜C10アルケニル、カルボキシ、スルホニルまたはシアノであり、
R38、R39、R40およびR41はそれぞれ独立して、C1〜C6アルキルであり、
n’は1〜3の整数であり、
n’’は1〜16の整数であり、
Xはアニオンである]
を有する。
【0131】
他のニトリルクォートは、下記の式
【化19】

【0132】
[式中、
R42およびR43は、それらが結合する窒素原子と一緒になって、4〜6個の炭素原子を含む環を形成し、この環はC1〜C5-アルキル、C1〜C5-アルコキシ、C1〜C5-アルカノイル、フェニル、アミノ、アンモニウム、シアノ、シアナミノまたは塩素により置換されていてもよく、また、この環の1または2個の炭素原子は、窒素原子、酸素原子、N-R47-基および/またはR44-N-R47-基(ここで、R47は水素、C1〜C5-アルキル、C2〜C5-アルケニル、C2〜C5-アルキニル、フェニル、C7〜C9-アラルキル、C5〜C7-シクロアルキル、C1〜C5-アルカノイル、シアノメチルまたはシアノである)により置換されていてもよく、
R44は、C1〜C24-、好ましくはC1〜C4-アルキル;C2〜C24-アルケニル、好ましくはC2〜C4-アルケニル、シアノメチルまたはC1〜C4-アルコキシ-C1〜C4-アルキルであり、
R45およびR46は互いに独立して、水素;C1〜C4-アルキル;C1〜C4-アルケニル;C1〜C4-アルコキシ-C1〜C4-アルキル;フェニルまたはC1〜C3-アルキルフェニル、好ましくは水素、メチルまたはフェニルであり、ここで、R46が水素でない場合には、好ましくは、部分R45は水素を表し、
X-はアニオンである]
を有する。
【0133】
式(ε)のニトリルクォートの好適な例は、
【化20】

【0134】
である。
【0135】
他のニトリルクォートは、式
【化21】

【0136】
[式中、
Aは、N1原子に加えて複数の原子により形成される飽和環であり、該飽和環原子は、少なくとも1個の炭素原子およびN1原子以外に少なくとも1個のヘテロ原子を含み、該1個のヘテロ原子はO、SおよびN原子より選択され、式(φ)構造のN1原子に結合する置換基R47は、(a) C1〜C8-アルキルもしくはアルコキシ化アルキル(ここで、アルコキシはC2-4である)、(b) C4〜C24シクロアルキル、(c) C7〜C24アルカリル、(d) 繰り返しもしくは非繰り返しアルコキシもしくはアルコキシ化アルコール(ここで、アルコキシ単位はC2-4である)、または(e) -CR50R51-C≡N(ここで、R50およびR51はそれぞれ、H、C1〜C24アルキル、シクロアルキル、もしくはアルカリル、または繰り返しもしくは非繰り返しアルコキシもしくはアルコキシ化アルコール(ここで、アルコキシ単位はC2-4である)である)であり、式(φ)において、R48およびR49置換基の少なくとも一方はHであり、R48およびR49の他方はH、C1〜C24アルキル、シクロアルキル、もしくはアルカリル、または繰り返しもしくは非繰り返しアルコキシもしくはアルコキシ化アルコール(ここで、アルコキシ単位はC2-4である)であり、Yは少なくとも1個の対イオンである]
を有する。
【0137】
本発明の好ましい実施形態において、式(1)の触媒は、過酸化物または過酸化物前駆物質、ならびにテトラアセチルエチレンジアミン、ペンタアセチルグルコース、オクタノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、ノナノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、デカノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、ウンデカノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデカノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、オクタノイルオキシ安息香酸、ノナノイルオキシ安息香酸、デカノイルオキシ安息香酸、ウンデカノイルオキシ安息香酸、ドデカノイルオキシ安息香酸、オクタノイルオキシベンゼン、ノナノイルオキシベンゼン、デカノイルオキシベンゼン、ウンデカノイルオキシベンゼンおよびドデカノイルオキシベンゼンからなる群より選択される漂白活性化剤と共に使用される。
【0138】
前駆物質は、組成物の総重量を基準として、12重量%以下、好ましくは2〜10重量%の量で使用し得る。
【0139】
さらなる周知の漂白触媒、例えば、EP 1194514、EP 1383857またはWO04/007657に開示される遷移金属錯体を使用することも可能である。さらなる漂白触媒は、US2001044401、EP0458397、WO9606154、EP1038946、EP0900264、EP0909809、EP1001009、WO9965905、WO0248301、WO0060045、WO02077145、WO0185717、WO0164826、EP0923635、DE 19639603、DE102007017654、DE102007017657、DE102007017656、US20030060388、EP0918840B1、EP1174491A2、EP0805794B1、WO9707192A1、US6235695B1、EP0912690B1、EP832969B1、US6479450B1、WO9933947A1、WO0032731A1、WO03054128A1、DE102004003710、EP1083730、EP1148117、EP1445305、US6476996、EP0877078、EP0869171、EP0783035、EP0761809およびEP1520910に開示されている。
【0140】
H2O2、O2、空気、ペルオキシ含有化合物、ペルオキシ酸ならびにそれらの前駆物質、さらなる漂白触媒および漂白活性化剤を、本発明の金属錯体と任意に組み合わせて使用することが可能である。
【0141】
組成物は、本発明の組合せに加えて、1種以上の蛍光増白剤(optical brightener)、例えば、ビス-トリアジニルアミノスチルベンジスルホン酸、ビス-トリアゾリル-スチルベンジスルホン酸、ビス-スチリル-ビフェニルまたはビス-ベンゾフラニルビフェニル、αビス-ベンゾキサリル誘導体、ビス-ベンズイミダゾリル誘導体またはクマリン誘導体またはピラゾリン誘導体のクラスに属するものを含み得る。
【0142】
組成物は、さらに、1種以上の別の添加剤を含み得る。このような添加剤は、例えば、汚れ懸濁剤、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム;pH調節剤、例えばケイ酸アルカリ金属またはアルカリ土類金属塩;発泡調節剤、例えば石鹸;噴霧乾燥および顆粒特性を調節するための塩、例えば硫酸ナトリウム;芳香料;ならびに、適切な場合には、帯電防止剤および柔軟剤、例えば、スメクタイト;漂白剤;色素;および/または調色剤である。これらの成分は、特に、使用するいかなる漂白剤に対しても安定でなければならない。
【0143】
洗剤組成物を自動食器洗浄機において使用する場合、通常、銀腐食阻害剤も使用する。
【0144】
前記補助剤は、洗剤製剤の総重量を基準として、0.1〜20重量%、好ましくは0.5〜10重量%、特に0.5〜5重量%の総量で添加する。
【0145】
さらに、洗剤は場合により酵素を含んでもよい。酵素は染み除去の目的で加えることができる。酵素は通常、例えば血液、牛乳、草もしくは果汁などのタンパク質またはデンプンにより引き起こされる染みに対する作用を改善する。好ましい酵素はセルラーゼおよびプロテアーゼ、特にプロテアーゼである。セルラーゼは、セルロースおよびその誘導体と反応して、それらを加水分解してグルコース、セロビオースおよびセロオリゴサッカリドを形成させる酵素である。セルラーゼは汚れを除去し、さらに織物の柔軟な手触りを向上させる効果を有する。
【0146】
通常使用される酵素の例としては、以下のもの:
US-B-6 242 405、14段、21〜32行に記載される通りのプロテアーゼ;
US-B-6 242 405、14段、33〜46行に記載される通りのリパーゼ;
US-B-6 242 405、14段、47〜56行に記載される通りのアミラーゼ;および
US-B-6 242 405、14段、57〜64行に記載される通りのセルラーゼ
が挙げられるが、これらに限定されない。
【0147】
Alcalase(登録商標)、Esperase(登録商標)、Everlase(登録商標)、Savinase(登録商標)、Kannase(登録商標)およびDurazym(登録商標)などの市販の洗剤プロテアーゼは、例えばNOVOZYMES A/Sにより販売されている。
【0148】
Termamyl(登録商標)、Duramyl(登録商標)、Stainzyme(登録商標)、Natalase(登録商標)、Ban(登録商標)およびFungamyl(登録商標)などの市販の洗剤アミラーゼは、例えばNOVOZYMES A/Sにより販売されている。
【0149】
Celluzyme(登録商標)、Carezyme(登録商標)およびEndolase(登録商標)などの市販の洗剤セルラーゼは、例えばNOVOZYMES A/Sにより販売されている。
【0150】
Lipolase(登録商標)、Lipolase Ultra(登録商標)およびLipoprime(登録商標)などの市販の洗剤リパーゼは、例えばNOVOZYMES A/Sにより販売されている。
【0151】
Mannanaway(登録商標)などの好適なマンナナーゼは、NOVOZYMES A/Sにより販売されている。
【0152】
洗濯手入れ製品の他に、硬表面清浄化剤、特に自動食器洗浄機に使用する組成物において、以下の酵素:プロテアーゼ、アミラーゼ、プルラナーゼ、クチナーゼおよびリパーゼ、例えばBLAP(登録商標)、Optimase(登録商標)、Opticlean(登録商標)、Maxacal(登録商標)、Maxapem(登録商標)、Esperase(登録商標)および/またはSavinase(登録商標)などのプロテアーゼ、Termamyl(登録商標)、Amylase-LT(登録商標)、Maxamyl(登録商標)および/またはDuramyl(登録商標)などのアミラーゼ、Lipolase(登録商標)、Lipomax(登録商標)、Lumafast(登録商標)および/またはLipozym(登録商標)などのリパーゼも広く使用される。使用し得る酵素は、例えば国際出願のWO 92/11347およびWO 94/23005に記載される通り、それらを早すぎる不活性化から保護するために、担体に吸収させることおよび/またはカプセル化物質に埋め込むことができる。それらは本発明の清浄化製剤中に、好ましくは5重量%以下の量で、特に0.1重量%〜1.2重量%の量で存在する。
【0153】
アミラーゼ:本発明は、好ましくは、洗剤中での改良された安定性、特に改良された酸化安定性を有するアミラーゼを使用する。このようなアミラーゼは、以下:(a) 1994年2月3日に公開されたWO 94/02597, Novo Nordisk A/Sによるアミラーゼ、TERMAMYL(登録商標)として知られるバチルス・リケニフォルミス(B.licheniformis)アルファ-アミラーゼの197位に位置するメチオニン残基のアラニンまたはスレオニン(好ましくはスレオニン)による置換をおこなった突然変異体、またはバチルス・アミロリケファシエンス(B. amyloliquefaciens)、バチルス・スブチリス(B.subtilis)、またはバチルス・ステアロサーモフィルス(B.stearothermophilus)などの同様の親アミラーゼの相同の位置の変異によりさらに説明されるもの;(b) "Oxidatively Resistant alpha-Amylases"という題名の論文(第207回 American Chemical Society National Meeting, 1994年3月13-17日においてC. Mitchinsonにより提示された)においてGenencor Internationalにより記載される通りの安定性の向上したアミラーゼにより説明されるが、これらに限定されない。ここで、自動食器洗浄用洗剤における漂白は、アルファ-アミラーゼを不活性化するが、酸化安定性の改良されたアミラーゼが、Genencorによりバチルス・リケニフォルミスNCIB8061から作られたことが記載されている。他の酸化安定性の向上したアミラーゼを使用することもできる。
【0154】
プロテアーゼ:プロテアーゼ酵素は、本発明の好ましい実施形態において、通常、0.001重量%〜5重量%の間の濃度で存在する。タンパク質分解酵素は、動物、植物または微生物(好ましい)由来のものであり得る。より好ましいのは、細菌由来のセリンタンパク質分解酵素である。精製された形態または精製されていない形態の酵素を使用し得る。構造的に近似した酵素変異体であるという定義により、化学的に修飾された突然変異体または遺伝子組換えによる突然変異体により生産されたタンパク質分解酵素が含まれる。好適な市販のタンパク質分解酵素としては、Alcalase(登録商標)、Esperase(登録商標)、Durazyme(登録商標)、Savinase(登録商標)、Maxatase(登録商標)、Maxacal(登録商標),およびMaxapem(登録商標) 15(タンパク質を操作したMaxacal)が挙げられる。Purafect(登録商標)およびスブチリシンBPNおよびBPN'も市販されている。
【0155】
存在する場合、リパーゼは、本発明の組成物の約0.001重量%〜約0.01重量%を構成し、場合により約1重量%〜約5重量%の石灰石鹸分散特性を有する界面活性剤、例えばアルキルジメチルアミンN-オキシドまたはスルホベタインと組み合わせる。本発明において使用するのに好適なリパーゼには、細菌、動物および真菌由来のものが含まれ、化学的に修飾した突然変異体または遺伝子工学による突然変異体に由来するものが含まれる。
【0156】
リパーゼを本発明の組成物に組み込む場合、特定の例において、それらを少量(例えば組成物の0.5重量%未満)の油性だが加水分解しない物質と組み合わせることにより、その安定性および有効性を向上し得る。
【0157】
酵素は、使用する場合、洗剤製剤の総量を基準として、0.01〜5重量%、特に0.05〜5重量%、とりわけ0.1〜4重量%の総量で存在し得る。
【0158】
洗剤製剤が硬表面清浄化組成物、好ましくは食器洗浄用洗剤製剤、より好ましくは自動食器洗浄用洗剤製剤である場合、これは、場合により約0.001重量%〜約10重量%、好ましくは約0.005重量%〜約8重量%、最も好ましくは0.01重量%〜約6重量%の酵素安定化系をも含み得る。酵素安定化系は、洗剤用酵素と共に使用可能な任意の安定化系であり得る。このような系は、他の製剤活性物質に本来備わっている性質として提供されてもよく、または例えば製剤者もしくは洗剤に使用し得る酵素の製造者により別に加えられてもよい。このような安定化系は、例えば、カルシウムイオン、ホウ酸、プロピレングリコール、短鎖カルボン酸、ボロン酸およびそれらの混合物を含むことができ、洗剤組成物のタイプおよび物理的形態に依存して種々の安定化の問題に対処するように設計される。
【0159】
漂白活性を増強するために、組成物は、本明細書に記載される触媒に加えて、一重項酸素の生成に基づく活性を有する光触媒を含んでもよい。
【0160】
本発明の組成物のさらなる好ましい添加剤は、染料固定剤および/または布地の洗浄中に洗浄条件下で布地から放出された洗浄液中の染料により引き起こされる染みを防止するポリマーである。このようなポリマーは、好ましくは、ポリビニルピロリドン、ポリビニルイミダゾールまたはポリビニルピリジン-N-オキシドであり、アニオン性またはカチオン性置換基の導入により修飾されていてもよく、特に、5,000〜60,000、とりわけ10,000〜50,000の範囲の分子量を有するものである。このようなポリマーは、通常、洗剤製剤の総重量を基準として0.01〜5重量%、特に0.05〜5重量%、とりわけ0.1〜2重量%の総量で使用する。好ましいポリマーは、WO-A-02/02865(特に1ページの最終段落および2ページの最初の段落を参照されたい)およびWO-A-04/05688に記載されるものである。
【0161】
本発明の洗剤組成物を硬表面清浄化剤として使用する場合、特に組成物を自動食器洗浄機用製剤において使用する場合、本発明の組成物において単純なカルシウムを沈殿する石鹸を使用することは、それらが食器に堆積する傾向があるので、避けることが好ましいことが見出された。事実、リン酸エステルはこのような問題を全く起こさないわけではなく、製剤者は一般に、本発明の組成物において、堆積する可能性のある消泡剤の含有量を最小限にすることを選択するであろう。
【0162】
他の消泡剤の例は、パラフィン、パラフィン/アルコールの組合せ、またはビス脂肪酸アミドである。
【0163】
本発明の硬表面清浄化組成物、好ましくは食器洗浄用洗剤製剤、より好ましくは自動食器洗浄用洗剤製剤は、場合により1種以上の重金属キレート剤、例えばヒドロキシエチルジホスホネート(HEDP)を含有してもよい。より一般的には、本発明に使用するのに好適なキレート剤は、アミノカルボキシレート、アミノホスホネート、多官能基置換芳香族キレート剤およびそれらの混合物からなる群より選択することができる。本発明に使用するのに好適な他のキレート剤は、市販のDEQUESTシリーズ、およびNalco, Inc.から販売されているキレート剤である。
【0164】
場合により添加するキレート剤として有用なアミノカルボキシレートとしては、エチレンジアミン四酢酸塩、N-ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸塩、ニトリロ三酢酸塩、エチレンジアミン四プロピオン酸塩、トリエチレンテトラアミン六酢酸塩、ジエチレントリアミン五酢酸塩、およびエタノールジグリシン、それらのアルカリ金属、アンモニウム、および置換アンモニウム塩、ならびにそれらの混合物が挙げられる。
【0165】
洗剤組成物中に少なくとも低レベルの総リン(total phosphorus)が存在可能である場合、アミノホスホネートも本発明の組成物におけるキレート剤として使用するのに好適である。これにはエチレンジアミンテトラキス(メチレンホスホネート)が含まれる。
【0166】
他の生物分解性捕捉剤は、例えば、アミノ酸アセテート、例えばTrilon M(BASF)およびDissolvine GL(AKZO)、ならびにアスパラギン酸誘導体、例えばBaypure CXである。
【0167】
好ましくは、アミノホスホネートは、約6個超の炭素原子を有するアルキルまたはアルケニル基を含まない。
【0168】
本発明に使用するのに非常に好ましい生物分解性キレート剤は、エチレンジアミン二コハク酸塩(“EDDS”)である。
【0169】
利用する場合、これらのキレート剤または遷移金属選択的捕捉剤は、一般に、本発明の硬表面清浄化剤、好ましくは食器洗浄用洗剤製剤、より好ましくは自動食器洗浄用洗剤製剤の約0.001重量%〜約10重量%、より好ましくは約0.05重量%〜約1重量%を構成する。
【0170】
好ましい本発明の硬表面清浄化組成物、好ましくは食器洗浄用洗剤製剤、より好ましくは自動食器洗浄用洗剤製剤は、さらに分散剤ポリマーを含有してもよい。存在する場合、分散剤ポリマーは、典型的には、洗剤組成物の0重量%〜約25重量%、好ましくは約0.5重量%〜約20重量%、より好ましくは約1重量%〜約8重量%の範囲の濃度である。分散剤ポリマーは、pHが特に高い実施形態、例えば洗浄液のpHが約9.5よりも大きい実施形態において、本発明の食器洗浄機用洗剤組成物の被膜形成性能を改善するのに有用である。特に好ましいのは、炭酸カルシウムまたはケイ酸マグネシウムの食器への堆積を阻害するポリマーである。
【0171】
好適なポリマーは、好ましくは少なくとも部分的に中和されたポリカルボン酸、またはポリカルボン酸のアルカリ金属、アンモニウムまたは置換アンモニウム(例えば、モノ、ジまたはトリエタノールアンモニウム)塩である。アルカリ金属塩、特にナトリウム塩が最も好ましい。ポリマーの分子量は広範囲で変化し得るが、好ましくは約1,000〜約500,000、より好ましくは約1,000〜約250,000である。
【0172】
重合して好適な分散剤ポリマーを形成し得る不飽和モノマー酸としては、アクリル酸、マレイン酸(または無水マレイン酸)、フマル酸、イタコン酸、アコニチン酸、メサコン酸、シトラコン酸およびメチレンマロン酸が挙げられる。カルボン酸基を含まないモノマーセグメント、例えばメチルビニルエーテル、スチレン、エチレン等の存在は、このようなセグメントが分散剤ポリマーの約50重量%以下である場合には好適である。
【0173】
アクリルアミドとアクリレートのコポリマーであって、約3,000〜約100,000、好ましくは約4,000〜約20,000の分子量、および分散剤ポリマーの約50重量%未満、好ましくは約20重量%未満のアクリルアミド含有量を有するものも使用することができる。最も好ましくは、このような分散剤ポリマーは、約4,000〜約20,000の分子量、およびポリマーの総重量を基準として約0重量%〜約15重量%のアクリルアミド含有量を有する。
【0174】
特に好ましい分散剤ポリマーは、低分子量の修飾されたポリアクリレートコポリマーである。このようなコポリマーは、モノマー単位として、a)約90重量%〜約10重量%、好ましくは約80重量%〜約20重量%のアクリル酸またはその塩およびb)約10重量%〜約90重量%、好ましくは約20重量%〜約80重量%の置換アクリルモノマーまたはその塩を含み、一般式
-[(C(Ra)C(Rb)(C(O)ORc)]
[式中、満たされていないように見える原子価は実際には水素によって占有されており、少なくとも1個の置換基Ra、RbまたはRc、好ましくはRaまたはRbは、1〜4個の炭素を有するアルキルまたはヒドロキシアルキル基であり;RaまたはRbは水素であることができ、Rcは水素またはアルカリ金属塩であることができる]
を有する。最も好ましいのは、Raがメチルであり、Rbが水素であり、Rcがナトリウムである置換アクリルモノマーである。
【0175】
好適な低分子量ポリアクリレート分散剤ポリマーは、好ましくは約15,000未満、好ましくは約500〜約10,000、最も好ましくは約1,000〜約5,000の分子量を有する。本発明に使用するための最も好ましいポリアクリレートコポリマーは、約3,500の分子量を有し、約70重量%のアクリル酸と約30重量%のメタクリル酸を含むポリマーの完全に中和された形態のポリマーである。
【0176】
本発明に有用な他の分散剤ポリマーとしては、約950〜約30,000の分子量を有するポリエチレングリコールおよびポリプロピレングリコールが挙げられる。
【0177】
本発明に有用なさらに別の分散剤ポリマーとしては、セルロース硫酸エステル、例えば酢酸硫酸セルロース、硫酸セルロース、硫酸ヒドロキシエチルセルロース、硫酸メチルセルロース、および硫酸ヒドロキシプロピルセルロースが挙げられる。硫酸セルロースナトリウムがこの群の最も好ましいポリマーである。
【0178】
他の好適な分散剤ポリマーは、カルボキシ化多糖、特にデンプン、セルロースおよびアルギン酸塩である。
【0179】
さらに別の許容される分散剤の群は、有機分散剤ポリマー、例えばポリアスパラギン酸塩である。
【0180】
求められるコンパクトさの程度の大小に応じて、充填剤物質も本発明の硬表面清浄化組成物、好ましくは食器洗浄用洗剤製剤、より好ましくは自動食器洗浄用洗剤製剤中に存在し得る。これらには、スクロース、スクロースエステル、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム等が含まれ、硬表面清浄化組成物、好ましくは食器洗浄用洗剤製剤、より好ましくは自動食器洗浄用洗剤製剤の約70重量%以下、好ましくは0重量%〜約40重量%の量で存在する。好ましい充填剤は、硫酸ナトリウムであって、特に、最大でも痕跡量の不純物しか含まない高い等級のものである。
【0181】
本発明において使用する硫酸ナトリウムは、好ましくは、それが漂白剤と反応しないことを保証するのに十分な純度を有する。それは、マグネシウム塩の形態のホスホン酸塩またはEDDSなどの低レベルの捕捉剤により処理してもよい。漂白剤の分解を回避するために十分な純度を有することが好ましい点は、本発明において使用される、特にいずれかのケイ酸塩を含むpH調節成分にも当てはまることに留意されたい。
【0182】
本発明の清浄化製剤に使用することができる有機溶媒としては、特に清浄化製剤が液体またはペーストの形態である場合、1〜4個の炭素原子を有するアルコール、特に、メタノール、エタノール、イソプロパノールおよびtert-ブタノール、2〜4個の炭素原子を有するジオール、特にエチレングリコールおよびプロピレングリコール、およびそれらの混合物、ならびに前記クラスの化合物から誘導されるエーテルが挙げられる。このような水混和性溶媒は、本発明の清浄化製剤中に、好ましくは20重量%以下、特に1重量%〜15重量%の量で存在する。
【0183】
多くの本発明の硬表面清浄化組成物、好ましくは食器洗浄用洗剤製剤、より好ましくは自動食器洗浄用洗剤製剤は、緩衝化されている。すなわち、それらは酸性の汚れの存在下でのpHの低下に対して比較的抵抗性がある。しかしながら、本発明の他の組成物は、例外的に低い緩衝能力を有するか、実質的に緩衝化されていない場合がある。pHを推奨される使用レベルに制御または変化させるための技術としては、より一般的に、緩衝液の他に、さらなるアルカリ、酸、pHジャンプ系、二区画容器等が挙げられ、当業者に公知である。特定の硬表面清浄化組成物、好ましくは食器洗浄用洗剤製剤、より好ましくは自動食器洗浄用洗剤製剤は、水溶性アルカリ無機塩および水溶性有機または無機ビルダーより選択されるpH調節成分を含む。pH調節成分は、硬表面清浄化組成物、好ましくは食器洗浄用洗剤製剤、より好ましくは自動食器洗浄用洗剤製剤を1,000〜5,000 ppmの濃度で水に溶解させた場合に、pHが約8より上、好ましくは約9.5〜約11の範囲に維持されるように選択される。好ましい非リン酸pH調節成分は、
(i) 炭酸ナトリウムまたはセスキ炭酸ナトリウム;
(ii) ケイ酸ナトリウム、好ましくは約1:1〜約2:1のSiO2:Na2O比を有する水和ケイ酸ナトリウム、および限られた量のメタケイ酸ナトリウムを有するそれらの混合物;
(iii) クエン酸ナトリウム;
(iv) クエン酸;
(v) 炭酸水素ナトリウム;
(vi) ホウ酸ナトリウム、好ましくはホウ砂;
(vii) 水酸化ナトリウム;および
(viii) (i)〜(vii)の混合物
からなる群より選択することができる。
【0184】
好ましい実施形態は、低レベルのケイ酸塩(すなわち、約3重量%〜約10重量%のSiO2)を含有する。
【0185】
この特殊なタイプの非常に好ましいpH調節成分系の実例は、顆粒クエン酸ナトリウムと無水炭酸ナトリウムの二成分混合物、および顆粒クエン酸ナトリウム三水和物、クエン酸一水和物および無水炭酸ナトリウムの三成分混合物である。
【0186】
自動食器洗浄に使用される組成物におけるpH調節成分の量は、好ましくは組成物の約1重量%〜約50重量%である。好ましい実施形態において、pH調節成分は約5重量%〜約40重量%、好ましくは約10重量%〜約30重量%の量で組成物中に存在する。
【0187】
最初の洗浄溶液が約9.5〜約11の間のpHを有する本発明の組成物として、特に好ましい自動食器洗浄用洗剤製剤の実施形態は、自動食器洗浄用洗剤製剤の重量に対して、約5重量%〜約40重量%、好ましくは約10重量%〜約30重量%、最も好ましくは約15重量%〜約20重量%のクエン酸ナトリウムおよび約5重量%〜約30重量%、好ましくは約7重量%〜25重量%、最も好ましくは約8重量%〜約20重量%の炭酸ナトリウムを含む。
【0188】
基本的なpH調節系は、他の場合により存在する洗浄ビルダー塩(当業者に公知の非リン酸洗浄ビルダーより選択される)により補完され得る(すなわち、硬水における改善された捕捉性のため)。これらの洗浄ビルダーとしては、種々の水溶性の、ホウ酸、ヒドロキシスルホン酸、ポリ酢酸、およびポリカルボン酸のアルカリ金属、アンモニウムまたは置換アンモニウム塩が挙げられる。好ましいのは、上記物質のアルカリ金属塩、特にナトリウム塩である。別の水溶性非リン有機ビルダーをそれらの捕捉特性のために使用することができる。ポリ酢酸塩およびポリカルボン酸塩ビルダーの例は、エチレンジアミン四酢酸のナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウムおよび置換アンモニウム塩;ニトリロ三酢酸、酒石酸モノコハク酸、酒石酸ジコハク酸、オキシジコハク酸、カルボキシメトキシコハク酸、メリト酸、およびベンゼンポリカルボン酸ナトリウム塩である。
【0189】
洗剤製剤は、例えば、粉末、顆粒、錠剤(タブ)、ゲルおよび液体などの種々の物理的形態を取ることができる。その例としては、とりわけ、従来の高性能洗剤粉末、超コンパクト高性能洗剤粉末およびタブが挙げられる。一つの重要な物理的形態は、洗濯機に入れて使用する、いわゆる濃縮顆粒型である。
【0190】
別の重要なものは、いわゆるコンパクトまたは超コンパクト洗剤である。洗剤工業の分野においては、活性物質をより多い量で含む洗剤の製造へと向かう動向がある。洗浄工程中のエネルギー消費を最小にするために、コンパクトまたは超コンパクト洗剤は、低い洗浄温度、例えば40℃未満、またはさらに室温(25℃)で効果的に作用する必要がある。このような洗剤は、通常、洗剤の製造に必要な充填剤または硫酸ナトリウムもしくは塩化ナトリウムなどの物質を少量しか含有しない。このような物質の総量は、洗剤製剤の総重量を基準として、通常0〜10重量%、特に0〜5重量%、とりわけ0〜1重量%である。このような(超)コンパクト洗剤は、通常650〜1000 g/l、特に700〜1000 g/l、とりわけ750〜1000 g/lの嵩密度を有する。
【0191】
洗剤製剤は錠剤(タブ)の形態であってもよい。タブの利点は投入の容易さと取り扱いの便利さにある。タブは固体洗剤製剤の最もコンパクトな形態であり、通常、例えば0.9〜1.3 kg/lの容積密度を有する。急速な溶解を達成するために、一般にこのようなタブは特別な溶解補助剤:
- 発泡剤として炭酸塩/炭酸水素塩/クエン酸;
- 崩壊剤、例えば、セルロース、カルボキシメチルセルロースまたは架橋ポリ(N-ビニルピロリドン);
- 急速溶解性物質、例えば酢酸ナトリウム(カリウム)、またはクエン酸ナトリウム(カリウム);
- 急速溶解性、水溶性の硬質コーティング剤、例えば、ジカルボン酸
を含有する。タブはこのような溶解補助剤の組合せを含んでもよい。
【0192】
洗剤製剤は、5重量%〜50重量%、好ましくは10重量%〜35重量%の水を含有する水性液体の形態、または5重量%以下、好ましくは0重量%〜1重量%の水を含有する非水性液体の形態であってよい。非水性液体洗剤製剤は、担体として他の溶媒を含み得る。低分子量第一級または第二級アルコール、例えば、メタノール、エタノール、プロパノールおよびイソプロパノールがこの目的に好適である。使用される可溶化界面活性剤は、好ましくは一価アルコールであるが、ポリオール、例えば2〜6個の炭素原子および2〜6個のヒドロキシ基を有するもの(例えば、1,3-プロパンジオール、エチレングリコール、グリセリンおよび1,2-プロパンジオール)も使用することができる。このような担体は通常、洗剤製剤の総重量を基準として5重量%〜90重量%、好ましくは10重量%〜50重量%の総量で使用する。洗剤製剤はいわゆる「ユニットドーズ型液体」の形態で使用することも可能である。
【0193】
本発明の別の態様は、
a) 顆粒の総重量を基準として1〜99重量%の上で定義した通りの少なくとも1種の式(1)の金属錯体化合物または式(2)の配位子および少なくとも1種の過酸化物、
b) 顆粒の総重量を基準として1〜99重量%の少なくとも1種の結合剤、
c) 顆粒の総重量を基準として0〜20重量%の少なくとも1種のカプセル化材料、
d) 顆粒の総重量を基準として0〜20重量%の少なくとも1種のさらなる添加剤、および
e) 顆粒の総重量を基準として0〜20重量%の水
を含む顆粒である。
【0194】
すべての重量%は顆粒の総重量を基準とする。
【0195】
結合剤(b)として、水溶性、分散性または水乳化性アニオン性分散剤、非イオン性分散剤、ポリマーおよびワックスが考慮される。
【0196】
使用されるアニオン性界面活性剤は、例えば、染料、色素等のための市販の水溶性アニオン性分散剤である。
【0197】
特に、以下の製品:芳香族スルホン酸とホルムアルデヒドとの縮合生成物、芳香族スルホン酸と無置換のもしくは塩素化されたジフェニルまたはジフェニルオキシドおよび場合によりホルムアルデヒドとの縮合生成物、(モノ/ジ-)アルキルナフタレンスルホネート、重合した有機スルホン酸のナトリウム塩、重合したアルキルナフタレンスルホン酸のナトリウム塩、重合したアルキルベンゼンスルホン酸のナトリウム塩、アルキルアリールスルホネート、アルキルポリグリコールエーテルサルフェートのナトリウム塩、ポリアルキル化多核アリールスルホネート、アリールスルホン酸およびヒドロキシアリールスルホン酸のメチレンにより連結した縮合生成物、ジアルキルスルホコハク酸のナトリウム塩、アルキルジグリコールエーテルサルフェートのナトリウム塩、ポリナフタレンメタンスルホネートのナトリウム塩、リグノスルホネートまたはオキシリグノスルホネートおよび複素環ポリスルホン酸が考慮される。
【0198】
特に好適なアニオン性分散剤は、ナフタレンスルホン酸とホルムアルデヒドの縮合生成物、重合した有機スルホン酸のナトリウム塩、(モノ/ジ-)アルキルナフタレンスルホネート、ポリアルキル化多核アリールスルホネート、重合したアルキルベンゼンスルホン酸のナトリウム塩、リグノスルホネート、オキシリグノスルホネートおよびナフタレンスルホン酸とポリクロロメチルジフェニルの縮合生成物である。
【0199】
好適な非イオン性分散剤は、特に、好ましくは35℃以上の融点を有し、水に乳化性、分散性または可溶性の化合物であり、例えば、以下の化合物である。
【0200】
1. 8〜22個の炭素原子を有する脂肪アルコール、特にセチルアルコール;
2. 好ましくは2〜80 molのアルキレンオキシド、特にエチレンオキシド(ここで、エチレンオキシド単位の一部は置換エポキシド、例えばスチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドにより置換されていてもよい)と、8〜22個の炭素原子を有するより高級な不飽和もしくは飽和一価アルコール、脂肪酸、脂肪アミンもしくは脂肪アミドとの、またはベンジルアルコール、フェニルフェノール、ベンジルフェノールもしくはアルキルフェノール(そのアルキル基は少なくとも4個の炭素原子を有する)との付加生成物;
3. アルキレンオキシド(特にプロピレンオキシド)縮合生成物(ブロックポリマー);
4. エチレンオキシド/プロピレンオキシドとジアミンの付加物、特にエチレンジアミン;
5. 8〜22個の炭素原子を有する脂肪酸と少なくとも1個のヒドロキシ-低級アルキル基もしくは低級アルコキシ-低級アルキル基を有する第一級もしくは第二級アミンとの反応生成物、またはこのようなヒドロキシアルキル基含有反応生成物のアルキレンオキシド付加生成物;
6. 好ましくは長鎖エステル基を有するソルビタンエステル、またはエトキシル化ソルビタンエステル、例えば4〜10個のエチレンオキシド単位を有するポリオキシエチレンソルビタンモノラウレートまたは4〜20個のエチレンオキシド単位を有するポリオキシエチレンソルビタントリオレエート;
7. プロピレンオキシドと3〜6個の炭素原子を有する三価〜六価脂肪族アルコール、例えばグリセロールまたはペンタエリスリトールとの付加生成物;および
8. 脂肪アルコールポリグリコール混合エーテル、特に3〜30 molのエチレンオキシドおよび3〜30 molのプロピレンオキシドと8〜22個の炭素原子を有する脂肪族モノアルコールとの付加生成物。
【0201】
特に好ましい非イオン性分散剤は、式
R23-O-(アルキレン-O)n-R24 (11)
[式中、
R23はC8〜C22アルキルまたはC8〜C18アルケニルであり;
R24は水素;C1〜C4アルキル;少なくとも6個の炭素原子を有する脂環式基またはベンジルであり;
「アルキレン」は2〜4個の炭素原子を有するアルキレン基であり;
nは1〜60の数である]
の界面活性剤である。
【0202】
式(11)における置換基R23およびR24はそれぞれ、有利には、8〜22個の炭素原子を有する不飽和または好ましくは飽和脂肪族モノアルコールの炭化水素基である。該炭化水素基は直鎖または分枝鎖であってよい。R23およびR24は、好ましくは互いに独立して、9〜14個の炭素原子を有するアルキル基である。
【0203】
考慮される脂肪族飽和モノアルコールとしては、天然アルコール、例えばラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコールまたはステアリルアルコール、ならびに合成アルコール、例えば2-エチルヘキサノール、1,1,3,3-テトラメチルブタノール、オクタン-2-オール、イソノニルアルコール、トリメチルヘキサノール、トリメチルノニルアルコール、デカノール、C9〜C11オキソ-アルコール、トリデシルアルコール、イソトリデシルアルコールおよび8〜22個の炭素原子を有する直鎖第一級アルコール(Alfol)が挙げられる。このようなAlfolのいくつかの例は、Alfol(8-10)、Alfol(9-11)、Alfol(10-14)、Alfol(12-13)およびAlfol(16-18)である。(「Alfol」はSasol Limited社の登録商標である)。
【0204】
不飽和脂肪族モノアルコールは、例えば、ドデセニルアルコール、ヘキサデセニルアルコールおよびオレイルアルコールである。
【0205】
アルコール基は、単独で、または2種以上の成分の混合物の形態で、例えばダイズ脂肪酸、パーム核脂肪酸または獣脂油に由来するアルキルおよび/またはアルケニル基の混合物の形態で存在し得る。
【0206】
(アルキレン-O)鎖は、好ましくは、式
【化22】

【0207】
の二価基である。
【0208】
脂環式基の例としては、シクロヘプチル、シクロオクチルおよび好ましくはシクロヘキシルが挙げられる。
【0209】
非イオン性分散剤として、好ましくは、式
【化23】

【0210】
[式中、
R25は、C8〜C22アルキルであり;
R26は、水素またはC1〜C4アルキルであり;
Y1、Y2、Y3およびY4は互いに独立して、水素、メチルまたはエチルであり;
n2は、0〜8の数であり;
n3は、2〜40の数である]
の界面活性剤が考慮される。
【0211】
さらなる重要な非イオン性分散剤は、式
【化24】

【0212】
[式中、
R27は、C9〜C14アルキルであり;
R28は、C1〜C4アルキルであり;
Y5、Y6、Y7およびY8は互いに独立して、水素、メチルまたはエチルであり、基Y5、Y6の一方および基Y7、Y8の一方は常に水素であり;
n4およびn5は互いに独立して、4〜8の整数である]
で表される。
【0213】
式(11)〜(13)の非イオン性分散剤は、混合物の形態で使用することができる。例えば、界面活性剤混合物として、式(7)の末端基終端でない(non-end-group-terminated)脂肪アルコールエトキシレート、例えば、
R23がC8〜C22アルキルであり、
R24が水素であり、
アルキレン-O鎖が基-(CH2-CH2-O)-である
式(11)の化合物、ならびに式(9)の末端基終端脂肪アルコールエトキシレートが考慮される。
【0214】
式(11)、(12)および(13)の非イオン性分散剤の例としては、C10〜C13脂肪アルコール、例えばC13オキソ-アルコールと3〜10 molのエチレンオキシド、プロピレンオキシドおよび/またはブチレンオキシドとの反応生成物、ならびに1モルのC13脂肪アルコールと6 molのエチレンオキシドおよび1 molのブチレンオキシドとの反応生成物が挙げられ、付加生成物がそれぞれC1〜C4アルキル、好ましくはメチルまたはブチルによる末端基終端であることも可能である。
【0215】
このような分散剤は単独で、または2種以上の分散剤の混合物の形態で使用することができる。アニオン性または非イオン性分散剤の代わりに、またはこれに加えて、本発明の顆粒は、結合剤として水溶性有機ポリマーを含んでもよい。このようなポリマーは単独で、または2種以上のポリマーの混合物の形態で使用し得る。
【0216】
考慮される水溶性ポリマーは、例えば、ポリエチレングリコール、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとのコポリマー、ゼラチン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン、酢酸ビニル、ポリビニルイミダゾール、ポリビニルピリジン-N-オキシド、ビニルピロリドンと長鎖α-オレフィンとのコポリマー、ビニルピロリドンとビニルイミダゾールとのコポリマー、ポリ(ビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリレート)、ビニルピロリドン/ジメチルアミノプロピルメタクリルアミドのコポリマー、ビニルピロリドン/ジメチルアミノプロピルアクリルアミドのコポリマー、ビニルピロリドンとジメチルアミノエチルメタクリレートとの第四級化コポリマー、ビニルカプロラクタム/ビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリレートのターポリマー、ビニルピロリドンとメタクリルアミドプロピル-トリメチルアンモニウムクロリドとのコポリマー、カプロラクタム/ビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリレートのターポリマー、スチレンとアクリル酸とのコポリマー、ポリカルボン酸、ポリアクリルアミド、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、加水分解されたポリ酢酸ビニル、アクリル酸エチルとメタクリレートおよびメタクリル酸とのコポリマー、マレイン酸と不飽和炭化水素とのコポリマーならびに前記ポリマーの混合重合生成物である。
【0217】
これらの有機ポリマーの中で、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ゼラチン、加水分解されたポリ酢酸ビニル、ビニルピロリドンと酢酸ビニルのコポリマー、ならびにポリアクリレート、アクリル酸エチルとメタクリレートおよびメタクリル酸のコポリマー、およびポリメタクリレートが特に好ましい。
【0218】
好適な水乳化性または水分散性結合剤としてはパラフィンワックスも挙げられる。
【0219】
カプセル化材料(c)としては、特に水溶性および水分散性ポリマーおよびワックスが挙げられる。これらの材料の中で、ポリエチレングリコール、ポリアミド、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ゼラチン、加水分解されたポリ酢酸ビニル、ビニルピロリドンと酢酸ビニルとのコポリマー、ならびにポリアクリレート、パラフィン、脂肪酸、アクリル酸エチルとメタクリレートおよびメタクリル酸とのコポリマー、およびポリメタクリレートが好ましい。
【0220】
考慮される別の添加剤(d)は、例えば、湿潤剤、ホコリ除去剤、水不溶性または水溶性染料または色素、ならびに溶解促進剤、蛍光増白剤および捕捉剤である。
【0221】
本発明の顆粒の調製は、例えば、まず、
a) 溶解または懸濁、およびそれに続く乾燥/成形工程、または
b) 活性成分の溶融物中への懸濁、およびそれに続く成形および固化
により実施する。
【0222】
a) 最初に、アニオン性または非イオン性分散剤および/またはポリマーおよび、場合によりさらなる添加剤を水に溶解し、必要に応じて加熱しながら撹拌して、均一な溶液を得る。次に、本発明の触媒を、得られた水溶液に溶解または懸濁する。溶液の固体含有量は、溶液の総重量を基準として、好ましくは少なくとも30重量%、特に40重量%〜50重量%でなければならない。溶液の粘度は、好ましくは200 mPas未満である。
【0223】
このようにして調製した本発明の触媒を含む水溶液に対して、次に乾燥工程を実施して、残存量以外のすべての水を除去すると同時に固体粒子(顆粒)を形成させる。水溶液から顆粒を製造するためには公知の方法が好適である。原則として、連続法および非連続法の両方が好適である。連続法、特に噴霧乾燥および流動床顆粒化法が好ましい。
【0224】
特に好ましいのは噴霧乾燥法であり、ここでは活性成分溶液を高温の循環空気の入った室に噴霧する。溶液の霧化は、例えば一流体または二流体ノズルを用いて実施するか、または急速回転するディスクの回転効果により実施する。粒径を大きくするために、噴霧乾燥工程と組み合わせて、さらに、室と一体化した部分を成す流動床において液体粒子と固体核との凝集をおこなってもよい(いわゆる流動噴霧)。通常の噴霧乾燥法により得られた微細な粒子(<100μm)は、必要に応じて排出ガス流から分離した後、さらに処理することなく、活性成分の液滴と凝集させる目的で、直接噴霧乾燥機の霧化装置の霧化コーン中に核として供給し得る。
【0225】
顆粒化工程の間に、本発明の触媒、結合剤およびさらなる添加剤を含む溶液から水を迅速に除去することができる。霧化コーン中で形成される液滴の凝集または液滴と固体粒子との凝集が起こることが明確に意図されている。
【0226】
b)本発明の触媒を別の工程で乾燥した後、溶融顆粒化をおこない、必要に応じて、製粉機で乾式粉砕してすべての固体粒子を<50μmの大きさにする。乾燥は、この目的に通常使用される装置、例えばパドルドライヤー、真空キャビネットまたは凍結乾燥機により実施する。
【0227】
本発明の他の製品形態としては、工業用および施設の清浄化用に特別に開発された製品形態、例えば、水もしくは有機溶媒中の触媒の液体溶液の形態または粉末もしくは顆粒などの固体の形態であって、清浄化法の分離した漂白工程において投入することができるものが挙げられる。
【0228】
上で定義した配位子のいくつかは新規であり、これも本発明の主題である。
【0229】
式(2)
【化25】

【0230】
[式中、
R1は、-(CH2)k-N+(R100R’100R’’100)3A-(式中、A-はアニオンであり、kは1〜4の数である);または1〜5個の電子求引性置換基-N(R100R’100R’’100)3+A-により置換されたフェニルであり、ここで、
R100、R’100、R’’100は独立して、水素、C1〜C18アルキルもしくはフェニルであり、またはR100、R’100、R’’100のうちの2つは、それらが結合する窒素原子と一緒になって5もしくは6員環(さらに別の窒素原子を有してもよい)を形成し;A-はアニオンであり、または
R1は電子求引性置換基と一緒になって、基
【化26】

【0231】
*は結合の位置である)
であり;
R4は、水素、C1〜C28アルキル、C2〜C28アルケニル、C2〜C22アルキニル、C3〜C12シクロアルキル、C3〜C12シクロアルケニル、C7〜C9アラルキル、C3〜C20ヘテロアルキル、C3〜C12シクロヘテロアルキル、C5〜C16ヘテロアラルキル、無置換もしくは置換フェニルもしくはナフチル、または無置換もしくは置換ヘテロアリールを表し;
R2およびR3は互いに独立して、水素、無置換もしくは置換C1〜C28アルキル、C2〜C28アルケニル、C2〜C22アルキニル、C3〜C12シクロアルキル、C3〜C12シクロアルケニル、C7〜C9アラルキル、C3〜C20ヘテロアルキル、C3〜C12シクロヘテロアルキル、C5〜C16ヘテロアラルキル、無置換もしくは置換フェニルもしくはナフチル、または無置換もしくは置換ヘテロアリールを表し;または
R2およびR3はそれらを連結するアルキリデン炭素原子と一緒になって、無置換もしくは置換5、6、7、8もしくは9員環(さらに別のヘテロ原子を有してもよい)を形成する]
の化合物。
【0232】
好ましいのは、式(2)
【化27】

【0233】
[式中、
R1は1〜5個の電子求引性置換基-N(R100R’100R’’100)3+A-により置換されたフェニルであり、ここで
R100、R’100、R’’100は独立して、水素、C1〜C18アルキルもしくはフェニルであり、またはR100、R’100、R’’100のうちの2つは、それらが結合する窒素原子と一緒になって5もしくは6員環(さらに別の窒素原子を有してもよい)を形成し;A-はアニオンであり、または
R1は電子求引性置換基と一緒になって、基
【化28】

【0234】
*は結合の位置である)
であり;
R4は、水素、C1〜C28アルキル、C2〜C28アルケニル、C2〜C22アルキニル、C3〜C12シクロアルキル、C3〜C12シクロアルケニル、C7〜C9アラルキル、C3〜C20ヘテロアルキル、C3〜C12シクロヘテロアルキル、C5〜C16ヘテロアラルキル、無置換もしくは置換フェニルもしくはナフチル、または無置換もしくは置換ヘテロアリールを表し;
R2およびR3は互いに独立して、水素、無置換もしくは置換C1〜C28アルキル、C2〜C28アルケニル、C2〜C22アルキニル、C3〜C12シクロアルキル、C3〜C12シクロアルケニル、C7〜C9アラルキル、C3〜C20ヘテロアルキル、C3〜C12シクロヘテロアルキル、C5〜C16ヘテロアラルキル、無置換もしくは置換フェニルもしくはナフチル、または無置換もしくは置換ヘテロアリールを表し;または
R2およびR3は、それらを連結するアルキリデン炭素原子と一緒になって、無置換もしくは置換5、6、7、8もしくは9員環(さらに別のヘテロ原子を有してもよい)を形成する]
の化合物である。
【0235】
例えば、式(5)
【化29】

【0236】
[式中、
R1は、1〜5個の電子求引性置換基-N(R100R’100R’’100)3+A-により置換されたフェニルであり、ここで
R100、R’100、R’’100は独立して、水素、C1〜C18アルキルもしくはフェニルであり、またはR100、R’100、R’’100のうちの2つは、それらが結合する窒素原子と一緒になって5もしくは6員環(さらに別の窒素原子を有してもよい)を形成し;A-はアニオンであり、または
R1は電子求引性置換基と一緒になって、基
【化30】

【0237】
*は結合の位置である)
であり;
R2は、水素、無置換もしくは置換C1〜C28アルキル、C2〜C28アルケニル、C2〜C22アルキニル、C3〜C12シクロアルキル、C3〜C12シクロアルケニル、C7〜C9アラルキル、C3〜C20ヘテロアルキル、C3〜C12シクロヘテロアルキル、C5〜C16ヘテロアラルキル、無置換もしくは置換アリール、または無置換もしくは置換ヘテロアリールを表し;
R5、R6、R7およびR8は互いに独立して、水素、無置換もしくは置換C1〜C28アルキル、C2〜C28アルケニル、C2〜C22アルキニル、C3〜C12シクロアルキル、C3〜C12シクロアルケニル、C7〜C9アラルキル、C3〜C20ヘテロアルキル、C3〜C12シクロヘテロアルキル、C5〜C16ヘテロアラルキル、無置換もしくは置換フェニルもしくはナフチル;-OR100、-NR100R’100、ハロゲンまたは基
【化31】

【0238】
であり;または独立してR1について定義した意味を有し;
または
R5とR6、R6とR7またはR7とR8は互いに連結して、1、2、3もしくは4個の炭素環または複素環を形成し、該環は連続していても、もしくは1個以上の-O-、-S-もしくは-NR9-が介在していてもよく、および/または該環はさらに他の芳香環と縮合していてもよく、および/または該環は1個以上のC1〜C6アルキル基により置換されていてもよい]
を有する化合物が挙げられる。
【0239】
好ましいのは、式中、
R1が、1〜5個の電子求引性置換基-N(R100R’100R’’100)3+A-により置換されたフェニルであり、ここで
R100、R’100、R’’100が独立して、水素、C1〜C18アルキルもしくはフェニルであり、またはR100、R’100、R’’100のうちの2つが、それらが結合する窒素原子と一緒になって5もしくは6員環(さらに別の窒素原子を有してもよい)を形成し;A-がF-、Cl-、Br-もしくはI-であり、または
R1が電子求引性置換基と一緒になって、基
【化32】

【0240】
[*は結合の位置である]
であり;
R2が、水素、無置換C1〜C28アルキル、C2〜C28アルケニル、C2〜C22アルキニル、C3〜C12シクロアルキル、C3〜C12シクロアルケニル、C7〜C9フェニルアルキル、C3〜C20ヘテロアルキル、C3〜C12シクロヘテロアルキル、ハロゲンを表し;
R5、R6、R7およびR8が互いに独立して、水素、無置換もしくは置換C1〜C28アルキル、C2〜C28アルケニル、C2〜C22アルキニル、C3〜C12シクロアルキル、C3〜C12シクロアルケニル、C7〜C9アラルキル、C3〜C20ヘテロアルキル、C3〜C12シクロヘテロアルキル、C5〜C16ヘテロアラルキル;
または-OR100、-NHR100、-NR100R’100、ハロゲン;
または1〜5個の電子求引性置換基により置換されたフェニルであり、該電子求引性置換基が、-OC(O)OR100、-COOR100、-C(O)-R100、-CN、-NO2、-SO3R100、-CF3、F、Cl、Br、I、
-OR100、-N(R100R’100R’’100)3+A-および
【化33】

【0241】
からなる群より選択され、ここで、R100、R’100、R’’100が独立して、水素、C1〜C18アルキルまたはフェニルであり、*が結合の位置であり、A-が上で定義した通りであり;または
R5、R6、R7およびR8が電子求引性置換基と一緒になって、独立して、基
【化34】

【0242】
である化合物である。
【0243】
好ましくは、R1は、1〜3個、より好ましくは1または2個、最も好ましくは1個の電子求引性置換基-N(R100)3+A-により置換されたフェニルである。
【0244】
本発明のさらに別の態様は、式(3a)または(4a)
【化35】

【0245】
[式中、
Meは、酸化状態II〜Vのマンガンまたは酸化状態I〜IVの鉄であり;
Xは、CH3CN、H2O、F-、Cl-、Br-、HOO-、O22-、O2-、R28COO-、R28O-であり;
R28は、水素、無置換または置換C1〜C18アルキルまたはフェニルであり;
pは、1〜4の整数であり;
R1は、-(CH2)k-N+(R100R’100R’’100)3A-(式中、A-はアニオンであり、kは1〜4の数である);または1〜5個の電子求引性置換基-N(R100R’100R’’100)3+A-により置換されたフェニルであり、ここで、
R100、R’100、R’’100は、独立して水素、C1〜C18アルキルもしくはフェニルであり、またはR100、R’100、R’’100のうちの2つは、それらが結合する窒素原子と一緒になって5もしくは6員環(さらに別の窒素原子を有してもよい)を形成し;A-は、F-、Cl-、Br-もしくはIであり、または
R1は電子求引性置換基と一緒になって、基
【化36】

【0246】
*は結合の位置である)
であり;
R2は、水素、無置換もしくは置換C1〜C28アルキル、C2〜C28アルケニル、C2〜C22アルキニル、C3〜C12シクロアルキル、C3〜C12シクロアルケニル、C7〜C9アラルキル、C3〜C20ヘテロアルキル、C3〜C12シクロヘテロアルキル、C5〜C16ヘテロアラルキル、無置換もしくは置換アリール、または無置換もしくは置換ヘテロアリールを表し;
R5、R6、R7およびR8は互いに独立して、水素、無置換もしくは置換C1〜C28アルキル、C2〜C28アルケニル、C2〜C22アルキニル、C3〜C12シクロアルキル、C3〜C12シクロアルケニル、C7〜C9アラルキル、C3〜C20ヘテロアルキル、C3〜C12シクロヘテロアルキル、C5〜C16ヘテロアラルキル、無置換もしくは置換フェニルもしくはナフチル;-OR100、-NR100R’100、ハロゲンまたは基
【化37】

【0247】
であり;または独立してR1について定義した意味を有し;
または
R5とR6、R6とR7またはR7とR8は互いに連結して、1、2、3もしくは4個の炭素環または複素環を形成し、該環は連続していても、もしくは1個以上の-O-、-S-もしくは-NR9-が介在していてもよく、および/または該環はさらに他の芳香環と縮合していてもよく、および/または該環は1個以上のC1〜C6アルキル基により置換されていてもよい]
の錯体化合物である。
【0248】
本発明のさらに別の態様は、式(3a)または(4a)
【化38】

【0249】
[式中、
Meは、酸化状態II〜Vのマンガンまたは酸化状態I〜IVの鉄であり;
Xは、CH3CN、H2O、F-、Cl-、Br-、HOO-、O22-、O2-、R28COO-、R28O-であり;
R28は、水素、無置換または置換C1〜C18アルキルまたはフェニルであり;
pは、1〜4の整数であり;
R1は、1〜5個の電子求引性置換基-N(R100R’100R’’100)3+A-により置換されたフェニルであり、ここで、
R100、R’100、R’’100は独立して、水素、C1〜C18アルキルもしくはフェニルであり、またはR100、R’100、R’’100のうちの2つは、それらが結合する窒素原子と一緒になって5もしくは6員環(さらに別の窒素原子を有してもよい)を形成し;A-は、F-、Cl-、Br-もしくはIであり、または
R1は電子求引性置換基と一緒になって、基
【化39】

【0250】
*は結合の位置である)
であり;
R2は、水素、無置換もしくは置換C1〜C28アルキル、C2〜C28アルケニル、C2〜C22アルキニル、C3〜C12シクロアルキル、C3〜C12シクロアルケニル、C7〜C9アラルキル、C3〜C20ヘテロアルキル、C3〜C12シクロヘテロアルキル、C5〜C16ヘテロアラルキル、無置換もしくは置換アリール、または無置換もしくは置換ヘテロアリールを表し;
R5、R6、R7およびR8は互いに独立して、水素、無置換もしくは置換C1〜C28アルキル、C2〜C28アルケニル、C2〜C22アルキニル、C3〜C12シクロアルキル、C3〜C12シクロアルケニル、C7〜C9アラルキル、C3〜C20ヘテロアルキル、C3〜C12シクロヘテロアルキル、C5〜C16ヘテロアラルキル、無置換もしくは置換フェニルもしくはナフチル;-OR100、-NR100R’100、ハロゲンまたは基
【化40】

【0251】
であり;または独立してR1について定義した意味を有し;
または
R5とR6、R6とR7またはR7とR8は互いに連結して、1、2、3もしくは4個の炭素環または複素環を形成し、該環は連続していても、もしくは1個以上の-O-、-S-もしくは-NR9-が介在していてもよく、および/または該環はさらに他の芳香環と縮合していてもよく、および/または該環は1個以上のC1〜C6アルキル基により置換されていてもよい]
の錯体化合物である。
【0252】
上に記載したすべての定義および好ましい例は、適切な場合には本発明のすべての態様に等しく当てはまる。
【0253】
以下の実施例により本発明を説明する。
【0254】
割合およびパーセンテージは他に指示されない限り重量による。温度は他に指示されない限り摂氏温度である。
【実施例】
【0255】
合成例1:式L1の化合物の調製
【化41】

【0256】
3.48 gの4-クロロベンズヒドラジドおよび2.47 gのサリチルアルデヒドの80 mLのエタノール中の混合物を50℃に加熱する。この温度で30分間撹拌した後、1 mLの濃塩酸を加える。得られる淡黄色の懸濁液を16時間攪拌した後、濾過して、残渣を少量のエタノールにより洗浄する。60℃で減圧乾燥した後、4.18 gの目的の生成物を薄いベージュ色の粉末として得る。融点:223℃。
【0257】
合成例2:式L2の化合物の調製
【化42】

【0258】
1.15 gの3-クロロベンズヒドラジドを35 mLのエタノール中に懸濁し、室温で10分間撹拌する。0.93 gのサリチルアルデヒドおよび1 mLの濃塩酸を加えた後、得られる黄色の溶液を室温で16時間攪拌する。無色の沈殿を濾取し、10 mLの水により洗浄し、100℃で減圧乾燥して、1.39 gの目的の生成物を無色の粉末として得る。融点:201.8℃。
【0259】
合成例3:式L3の化合物の調製
【化43】

【0260】
0.44 gの4-クロロベンズヒドラジドおよび0.39 gの2-ヒドロキシ-4-メトキシ-ベンズアルデヒドの35 mLのエタノール中の混合物に0.5 mLの濃塩酸を加える。すぐに黄色の懸濁液が形成され、これを室温で16時間攪拌する。淡黄色の粉末を濾取して、5 mLのエタノールにより洗浄し、70℃で減圧乾燥して、0.60 gの目的の生成物を得る。融点:196.9℃。
【0261】
合成例4:式L4の化合物の調製
【化44】

【0262】
0.44 gの4-クロロベンズヒドラジドおよび0.39 gの2,4-ジヒドロキシ-ベンズアルデヒドの35 mLのエタノール中の混合物に0.5 mLの濃塩酸を加える。すぐに赤褐色の溶液が形成され、これを室温で16時間攪拌する。ベージュの粉末を濾取して、5 mlの水により洗浄し、70℃で減圧乾燥して、0.17 gの目的の生成物を得る。融点:280℃。
【0263】
合成例5:式L5の化合物の調製
【化45】

【0264】
0.44 gの4-クロロベンズヒドラジドの35 mLのエタノール中の混合物に0.49 gの4-ジエチルアミノ-2-ヒドロキシ-ベンズアルデヒドを滴下する。0.5 mLの濃塩酸を加えた後、褐色の溶液が形成され、これを室温で16時間攪拌する。褐色がかった沈殿を濾取し、5 mLの水により洗浄し、70℃で減圧乾燥して、0.70 gの目的の生成物を得る。融点:210℃。
【0265】
合成例6:式L6の化合物の調製
【化46】

【0266】
0.44 gの3-クロロベンズヒドラジドの35 mLのエタノール中の混合物に0.39 gの2-ヒドロキシ-4-メトキシ-ベンズアルデヒドを滴下する。0.5 mLの濃塩酸を加えた後、黄色の溶液が形成され、これを室温で16時間攪拌する。次に、淡黄色の沈殿を濾取し、これを5 mLの水により洗浄し、70℃で減圧乾燥して、0.38 gの目的の生成物を得る。融点:181.3℃。
【0267】
合成例7:式L7の化合物の調製
【化47】

【0268】
0.52 gの4-トリフルオロメチル-ベンズヒドラジドの15 mLのエタノール中の混合物に0.31 gのサリチルアルデヒドを室温で滴下する。すぐに無色の懸濁液が形成される。0.5 mLの濃塩酸を加えた後、懸濁液を室温で16時間攪拌する。次に沈殿を濾取し、5 mLのエタノールにより洗浄し、50℃で減圧乾燥して、0.20 gの目的の生成物を無色の粉末として得る。融点:230.6℃。
【0269】
合成例8:式L8の化合物の調製
【化48】

【0270】
0.52 gの4-トリフルオロメチル-ベンズヒドラジドの15 mLのエタノール中の混合物に0.39 gの2-ヒドロキシ-4-メトキシ-ベンズアルデヒドを室温で滴下する。0.5 mLの濃塩酸を加えた後、黄色の懸濁液が形成され、これを室温で16時間攪拌する。次に沈殿を濾取し、5 mLのエタノールにより洗浄し、50℃で減圧乾燥して、0.51 gの目的の生成物を黄色の粉末として得る。融点:200℃(分解)。
【0271】
合成例9:式L9の化合物の調製
【化49】

【0272】
0.39 gの(4-ヒドラジノカルボニル-フェニル)-トリメチル-アンモニウムヨージドの35 mLのエタノール中の混合物に0.19 gの2-ヒドロキシ-4-メトキシ-ベンズアルデヒドを室温で滴下して、無色の懸濁液を形成する。0.5 mLの濃塩酸を加えた後、黄色の懸濁液が形成され、これを室温で16時間攪拌する。次に沈殿を濾取し、5 mLの水により洗浄し、70℃で減圧乾燥して、0.17 gの目的の生成物を無色の粉末として得る。融点:176.8℃。
【0273】
合成例10:式L10の化合物の調製
【化50】

【0274】
0.39 gの(4-ヒドラジノカルボニル-フェニル)-トリメチル-アンモニウムヨージドの35 mLのエタノール中の混合物に0.15 gのサリチルアルデヒドを室温で滴下して、無色の懸濁液を形成する。0.5 mLの濃塩酸を加えた後、室温で16時間攪拌を続ける。次に、無色の沈殿を濾取し、70℃で減圧乾燥して、0.21 gの目的の生成物を無色の粉末として得る。融点:170.4℃。
【0275】
合成例11:式L11の化合物の調製
【化51】

【0276】
0.46 gの3-ニトロベンズヒドラジドを35 mLのエタノール中で10分間撹拌する。次に、0.39 gの2-ヒドロキシ-4-メトキシ-ベンズアルデヒドを室温で滴下する。0.5 mLの濃塩酸を加えた後、すぐに沈殿が形成される。黄色の懸濁液を室温で16時間攪拌する。次に、沈殿を濾取し、5 mLの水により洗浄し、100℃で減圧乾燥して、0.68 gの目的の生成物を黄色の固体として得る。融点:253.7℃。
【0277】
合成例12:式L12の化合物の調製
【化52】

【0278】
1.39 gの3-ニトロベンズヒドラジドを35 mLのエタノール中で30分間撹拌する。次に、0.93 gのサリチルアルデヒドを室温で滴下する。1 mLの濃塩酸を加えた後、黄色の懸濁液が形成される。黄色の懸濁液を室温で16時間攪拌する。次に沈殿を濾取して、10 mLの水により洗浄し、100℃で減圧乾燥して、2.00 gの目的の生成物を黄色の粉末として得る。融点:243.7℃。
【0279】
合成例13:式L13の化合物の調製
【化53】

【0280】
0.46 gの4-ニトロベンズヒドラジドを35 mLのエタノール中で10分間撹拌して、黄色の懸濁液を得る。次に、0.39 gの2-ヒドロキシ-4-メトキシ-ベンズアルデヒドを室温で滴下する。0.5 mLの濃塩酸を加えた後、黄色の懸濁液を室温で16時間撹拌する。次に沈殿を濾取して、5 mLの水により洗浄し、100℃で減圧乾燥して、0.70 gの目的の生成物を暗黄色の粉末として得る。融点:214.8℃。
【0281】
合成例14:式L14の化合物の調製
【化54】

【0282】
1.21 gの4-フルオロベンズヒドラジドおよび0.95 gのサリチルアルデヒドの40 mLのエタノール中の混合物を60℃に加熱する。5滴の濃酢酸を加えた後、混合物を還流温度で1時間攪拌する。室温に冷却した後、無色の沈殿を濾取し、60℃で減圧乾燥して、0.97 gの目的の生成物を無色の粉末として得る。
【0283】
合成例15:式L15の化合物の調製
【化55】

【0284】
0.99 gの3-フルオロベンズヒドラジドを30 mLのエタノール中で加熱撹拌して溶解する。0.78 gのサリチルアルデヒドおよび5滴の濃酢酸を加えた後、得られる黄色がかった溶液を還流温度で1時間攪拌する。無色の沈殿を濾取して、水により洗浄し、60℃で減圧乾燥して、1.01 gの目的の生成物を無色の粉末として得る。
【0285】
合成例16:式L116の化合物の調製
【化56】

【0286】
330 mgの3-ジメチルベンズヒドラジドを6 mLのエタノール中で撹拌して溶解する。225 mgのサリチルアルデヒドおよび0.5 mLの濃塩酸を加えた後、得られる黄色がかった懸濁液を室温で4時間攪拌する。次に沈殿を濾取して、メタノールから再結晶する。25℃で減圧乾燥した後、98 mgの目的の生成物を黄色の粉末として単離する。融点:192.6℃。
【0287】
合成例17:式L117の化合物の調製
【化57】

【0288】
134 mgの(3-ヒドラジノカルボニル-フェニル)-トリメチル-アンモニウムヨージドを8 mLのエタノール中で10分間撹拌する。次に315 mgの2-ヒドロキシ-4-メチル-ベンズアルデヒドを室温で加える。0.5 mLの濃塩酸を加えた後、得られる黄色がかった懸濁液を室温で0.5時間攪拌する。次に、沈殿を濾取し、25℃で減圧乾燥して、285 mgの目的の生成物を黄色の粉末として得る。融点:185.7℃。
【0289】
合成例18:式L118の化合物の調製
【化58】

【0290】
248 mgの(3-ヒドラジノカルボニル-フェニル)-トリメチル-アンモニウムヨージドの7.5 mLのエタノール中の混合物に121 mgの4-クロロ-2-ヒドロキシベンズアルデヒドを室温で加えて、無色の懸濁液を形成する。0.5 mLの濃塩酸を加えた後、室温で16時間撹拌を続ける。次に、黄色の沈殿を濾取して、エタノールから再結晶する。25℃で減圧乾燥した後、90 mgの目的の生成物を黄色の粉末として単離する。
【0291】
合成例19:式L119の化合物の調製
【化59】

【0292】
61 mgの4-(4-ヒドラジノカルボニル-フェニル)-1,1-ジメチル-ピペラジン-1-イウムヨージドを5 mLのエタノール中で10分間撹拌する。次に20 mgのサリチルアルデヒドを室温で加える。0.5 mLの濃塩酸を加えた後、得られる橙色の懸濁液を室温で16時間攪拌する。次に沈殿を濾取し、25℃で減圧乾燥して、26 mgの目的の生成物を橙色の粉末として得る。
【0293】
合成例20:式L120の化合物の調製
【化60】

【0294】
250 mgのヒドラジノカルボニルメチル-トリメチル-アンモニウムヨージドを2.5 mLのエタノール中で撹拌することにより懸濁する。118 mgのサリチルアルデヒドおよび0.25 mLの濃塩酸を加えた後、得られる黄色がかった懸濁液を室温で16時間攪拌する。次に、沈殿を濾取し、エタノールにより洗浄する。25℃で減圧乾燥した後、270 mgの目的の生成物を黄色の粉末として単離する。
【0295】
合成例21:式L121の化合物の調製
【化61】

【0296】
0.755 gの(4-ヒドラジノカルボニル-フェニル)-トリメチル-アンモニウムヨージドの9 mLのエタノール中の溶液に0.245 mLのサリチルアルデヒドを室温で滴下する。0.5 mLの濃塩酸を加えた後、室温で16時間攪拌を続ける。次に無色の沈殿を濾取し、30℃で減圧乾燥する。このヨウ化物塩を水に溶解してDOWEX 1x8充填カラムに通した。水溶離液を合わせて減圧蒸発させて、ベージュ色の固体を20%の収率で得た。
【0297】
応用例
応用例1:(溶液中のモリン(morin)の過酸化物漂白)
2.5μM触媒溶液(塩化Mn(II)四水和物と本発明の配位子との1:1錯体、水またはメタノール中)を、t=0の時点で、10 mmol/lの過酸化水素を含有する10 mM炭酸緩衝液(pH 10)中の160μMモリン溶液に加える。マグネチックスターラーを装備したサーモスタット制御の容器(23℃)の中に溶液を入れる。溶液の消光を410 nmで10分間測定する。3分後の脱色の値をパーセンテージで示す。
【0298】
以下の配位子を使用した。
【化62】


【表2】

【0299】
本発明の化合物の漂白作用は、10 mMの過酸化水素単独の対照よりもはるかに優れている。
【0300】
応用例2:(洗浄剤中の過酸化物漂白作用)
7.5 gの白色の綿織物および2.5 gの紅茶の染みが付いた綿織物を、80 mlの洗浄液中で処理する。洗浄液は標準的な洗浄剤(ECE、456 IEC)を7.5 g/lの濃度で含有する。過酸化水素濃度は8.6 mmol/lである。触媒濃度(塩化マンガン(II)四水和物と本発明の配位子との1:1錯体、少量の水酸化リチウムを加えたメタノール溶液中に調製する)は50μmol/lである。洗浄工程は、LINITEST装置中のスチールビーカーの中で、40℃で30分間実施する。漂白の結果を評価するために、処理によりもたらされた染みの明度DYの増加(CIEによる明度の差)を、分光光度法により、触媒を加えずに得られた値との差として測定する。0よりも大きい値は触媒活性を示す。
【表3】

【0301】
上記の表2に見られる通り、マンガン錯体は非常に良い漂白作用を示す。
【0302】
表2の結果は、電子求引性基を有する配位子のマンガン錯体が向上した漂白性能を示すことを示している。
【0303】
応用例3 錯化していない配位子を用いる場合:(洗浄剤中の過酸化物漂白作用)
22.4 gの白色の綿織物および0.8 gのBC01の紅茶の染みまたはEMPA114の赤ワインの染みが付いた綿織物を、150 mlの洗浄液中で処理する。洗浄液は4.5 g/lの濃度の市販の色落ち防止洗浄粉末、および0.83 g/lの過炭酸ナトリウム(SPC)を含有する。錯化していない形態の配位子L10の触媒濃度は20μmol/lである。洗浄工程は、LINITEST装置中のスチールビーカーの中で、30℃で40分間実施する。漂白の結果を評価するために、処理によりもたらされた染みの明度DYの増加(CIEによる明度の差)を、分光光度法により測定する。ΔYの値が高い程、漂白性能が良い。
【表4】

【0304】
上記の表3に見られる通り、配位子L10は単独で非常に良い漂白作用を示す。
【0305】
応用例4 錯化していない配位子を用いる場合:(洗浄剤中のTAED活性に加えた漂白活性)
22.4 gの白色の綿織物および0.8 gのBC01の紅茶の染みまたはEMPA114の赤ワインの染みが付いた綿織物を、150 mlの洗浄液中で処理する。洗浄液は4.5 g/lの濃度の市販の色落ち防止洗浄粉末、0.83 g/lの過炭酸ナトリウム(SPC)および0.166 gのテトラアセチルエチレンジアミン(TAED)を含有する。錯化していない形態の配位子L10の触媒濃度は20μmol/lである。洗浄工程は、LINITEST装置中のスチールビーカーの中で、30℃で40分間実施する。漂白の結果を評価するために、処理によりもたらされた染みの明度DYの増加(CIEによる明度の差)を、分光光度法により測定する。ΔYの値が高い程、漂白性能が良い。
【表5】

【0306】
上記の表4に見られる通り、配位子L10は、SPC/TAED漂白系に加えた場合でさえも、非常に良い漂白作用を示す。
【0307】
応用例5 錯化していない配位子:(AATCC標準洗剤と共に用いる場合の漂白活性)
22.4 gの白色の綿織物および0.8 gのBC01の紅茶の染みが付いた綿織物を、150 mlの洗浄液中で処理する。洗浄液は7.5 g/lの濃度のAATCC標準粉末洗剤、0.68 g/lの過炭酸ナトリウム(SPC)および0.151 gのテトラアセチルエチレンジアミン(TAED)を含有する。錯化していない形態の配位子L9の触媒濃度は20μmol/lである。洗浄工程は、LINITEST装置中のスチールビーカーの中で、40℃で40分間実施する。漂白の結果を評価するために、処理によりもたらされた染みの明度DYの増加(CIEによる明度の差)を、分光光度法により測定する。ΔYの値が高い程、漂白性能が良い。
【表6】

【0308】
上記の表5に見られる通り、配位子L9は、標準的な漂白系SPC/TAEDの性能を越える、非常に良い漂白作用を示す。
【0309】
応用例6 錯化していない配位子:(液体漂白添加剤と共に用いる場合の漂白活性)
48 gの白色の綿織物および0.8 gのBC01の紅茶の染みおよび0.8 gのEMPA114の赤ワインまたは0.8 gのBC03の紅茶およびBC06のイチゴの染みが付いた綿織物を、250 mlの洗浄液中で処理する。洗浄液は4.5 g/lの濃度の市販の色落ち防止洗浄粉末、2.4 g/lの市販の液体漂白添加剤(Vanish)を含有する。錯化していない形態の配位子L10の触媒濃度は10μmol/lおよび20μmol/lである。洗浄工程は、LINITEST装置中のスチールビーカーの中で、40℃で40分間実施する。漂白の結果を評価するために、処理によりもたらされた染みの明度DYの増加(CIEによる明度の差)を、分光光度法により測定する。ΔYの値が高い程、漂白性能が良い。
【表7】

【0310】
上記の表6に見られる通り、配位子L10は、液体漂白添加剤と共に使用した場合も、非常に良い漂白作用を示す。
【0311】
応用例7 錯化していない配位子(L10の液体漂白添加剤への取り込み)
3.02mmol/lのL10(対イオンCl-)を市販の液体漂白添加剤に取り込む。この添加剤について、調製の直後、1日後、1週間後および1か月後(漂白添加剤は室温で保存する)に漂白実験をおこなう。
【0312】
洗浄工程は以下の通りである:
24.2 gの白色の綿織物および0.8 gのBC01の紅茶の染みが付いた綿織物を、150 mlの洗浄液中で処理する。洗浄液は4.5 g/lの濃度の市販の色落ち防止洗浄粉末、3.7 g/lの市販の液体漂白添加剤(触媒濃度の錯化していない配位子L10(対イオンCl-)を含有する)を含有する。洗浄工程は、LINITEST装置中のスチールビーカーの中で、40℃で40分間実施する。漂白の結果を評価するために、処理によりもたらされた染みの明度DYの増加(CIEによる明度の差)を、分光光度法により測定する。ΔYの値が高い程、漂白性能が良い。
【表8】

【0313】
L10を加えない漂白添加剤を適用した場合、ΔYは6.5である。
【0314】
表7の結果は、1か月の保存期間の後に漂白活性の損失がないことを示している。
【0315】
さらに、漂白添加剤中の過酸化水素の含有量をヨウ素還元滴定により測定する。
【表9】

【0316】
表8は、過酸化物がL10の存在下で分解しないことを示している。
【0317】
応用例8 錯化していない配位子:(食器洗浄)
紅茶の染みが付いたカップを、IKW法(“IKW-Arbeitskreis Maschinenspulmittel, Methoden zur Bestimmung der Reinigungsleistung von maschinellen Geschirrspulmitteln (Part A and B)", SOFW, 11+14, 1998)により調製する。紅茶の染みが付いたカップに、44 mMの過酸化水素および30μMの触媒を含有する炭酸緩衝溶液(pH 9.6)を満たす。15分後に溶液を除去し、カップを水ですすぐ。紅茶沈着物の除去を視覚的に、0(すなわち、変化なし、非常に強い沈着)から10(すなわち、沈着なし)までの段階で評価する。触媒を使用しない実験において、4.5の評価が観察された。
【表10】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1種の式(1)
[LnMemXp]zYq (1)
[式中、
Meは、マンガン、チタン、鉄、コバルト、ニッケルまたは銅であり;
Xは、配位または架橋基であり;
nは、1〜4の整数であり;
mは、0〜2の整数であり;
pは、0〜10の値を有する整数であり;
zは、金属錯体の電荷であり;
Yは、対イオンであり;
q = z/(Yの電荷)であり、かつ
Lは、式(2)
【化1】

の配位子であり、式中、
R1は、CF3、または1個以上の電子求引性置換基により置換されているC1〜C28アルキル、C2〜C28アルケニル、C2〜C22アルキニル、C3〜C12シクロアルキル、C3〜C12シクロアルケニル、C7〜C9アラルキル、C3〜C20ヘテロアルキル、C3〜C12シクロヘテロアルキル;または
1個以上の電子求引性置換基により置換されているフェニルもしくはナフチルを表し;
R4は、水素、C1〜C28アルキル、C2〜C28アルケニル、C2〜C22アルキニル、C3〜C12シクロアルキル、C3〜C12シクロアルケニル、C7〜C9アラルキル、C3〜C20ヘテロアルキル、C3〜C12シクロヘテロアルキル、C5〜C16ヘテロアラルキル、無置換もしくは置換フェニルもしくはナフチル、または無置換もしくは置換ヘテロアリールを表し;
R2およびR3は互いに独立して、水素、無置換もしくは置換C1〜C28アルキル、C2〜C28アルケニル、C2〜C22アルキニル、C3〜C12シクロアルキル、C3〜C12シクロアルケニル、C7〜C9アラルキル、C3〜C20ヘテロアルキル、C3〜C12シクロヘテロアルキル、C5〜C16ヘテロアラルキル、無置換もしくは置換フェニルもしくはナフチル、または無置換もしくは置換ヘテロアリールを表し;または
R2およびR3はそれらに連結するアルキリデン炭素原子と一緒になって、無置換もしくは置換5、6、7、8もしくは9員環(さらに別のヘテロ原子を有してもよい)を形成する]
の錯体の、酸化反応の触媒としての使用。
【請求項2】
Xが、CH3CN、H2O、F-、Cl-、Br-、HOO-、O22-、O2-、R28COO-、R28O-、LMeO-およびLMeOO-であり;
Yが、R28COO-、ClO4-、BF4-、PF6-、R28SO3-、R28SO4-、SO42-、NO3-、F-、Cl-、Br-およびI-であり;
R28が、水素、無置換もしくは置換C1〜C18アルキルまたはフェニルであり;他の定義は請求項1に記載した通りである、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
R1が、-(CH2)k-N+(R100R’100R’’100)3A-(式中、A-はアニオンであり、kは1〜4の数である);または1〜5個の電子吸引性置換基により置換されたフェニルであり、該電子求引性置換基が、
-O-C(O)OR100、-COOR100、-C(O)N(R100R’100)、-C(O)-R100、-CN、-NO2、-SO3R100、-CF3、F、Cl、Br、I、-N(R100R’100R’’100)3+A-、-N(R101R’101)および
【化2】

からなる群より選択され、ここで、
R100、R’100、R’’100が独立して、水素、無置換もしくは置換C1〜C18アルキルまたはフェニルであり;またはR100、R’100、R’’100のうちの二つが、それらが結合する窒素原子と一緒になって5もしくは6員環(さらに別の窒素原子を有してもよい)を形成し;*が結合の位置であり、A-がアニオンであり、
R101、R’101が独立して、-C(O)-R100、-C(O)N(R100R’100)または-C(O)OR100であり;
または
R1が電子求引性置換基と一緒になって、基
【化3】

である、請求項1または2に記載の使用。
【請求項4】
触媒が式(3)または(4)
【化4】

[式中、
Meは、酸化状態II〜Vのマンガンまたは酸化状態I〜IVの鉄であり;
Xは、CH3CN、H2O、F-、Cl-、Br-、HOO-、O22-、O2-、R28COO-、R28O-であり;
R28は、水素、無置換または置換C1〜C18アルキルもしくはフェニルであり;
pは、1〜4の整数であり;
R1は、-(CH2)k-N+(R100R’100R’’100)3A-(式中、A-はアニオンであり、kは1〜4の数である);または1〜5個の電子求引性置換基により置換されたフェニルであり、該電子求引性置換基は、
-OC(O)OR100、-COOR100、-C(O)-R100、-CN、-NO2、-SO3R100、-CF3、F、Cl、Br、I、
-N(R100R’100R’’100)3+A-、-N(R101R’101)および
【化5】

からなる群より選択され、ここで、
R100、R’100、R’’100は独立して、水素、C1〜C18アルキルもしくはフェニルであり、またはR100、R’100、R’’100のうちの二つは、それらが結合する窒素原子と一緒になって5もしくは6員環(さらに別の窒素原子を有してもよい)を形成し、*は結合の位置であり、A-はアニオンであり、
R101、R’101は独立して、-C(O)-R100、-C(O)N(R100R’100)もしくは-C(O)OR100であり;
または
R1は電子求引性置換基と一緒になって、基
【化6】

であり;
R2は、水素、無置換もしくは置換C1〜C28アルキル、C2〜C28アルケニル、C2〜C22アルキニル、C3〜C12シクロアルキル、C3〜C12シクロアルケニル、C7〜C9アラルキル、C3〜C20ヘテロアルキル、C3〜C12シクロヘテロアルキル、C5〜C16ヘテロアラルキル、無置換もしくは置換フェニルもしくはナフチル、または無置換もしくは置換ヘテロアリールを表し;
R5、R6、R7およびR8は互いに独立して、水素、無置換もしくは置換C1〜C28アルキル、C2〜C28アルケニル、C2〜C22アルキニル、C3〜C12シクロアルキル、C3〜C12シクロアルケニル、C7〜C9アラルキル、C3〜C20ヘテロアルキル、C3〜C12シクロヘテロアルキル、C5〜C16ヘテロアラルキル、無置換もしくは置換フェニルもしくはナフチル;-OR100、-NR100R’100、ハロゲンであり;または独立してR1について定義した意味を有し;または
R5とR6、R6とR7および/またはR7とR8は互いに連結して、1、2または3個の炭素環または複素環を形成し、該環は連続していても、もしくは1個以上の-O-、-S-もしくは-NR9-が介在していてもよく、および/または該環はさらに他の芳香環と縮合していてもよく、および/または該環は1個以上のC1〜C6アルキル基により置換されていてもよい]
を有する、請求項1、2または3のいずれか1項に記載の使用。
【請求項5】
Meが、酸化状態II〜Vのマンガンまたは酸化状態I〜IVの鉄であり;
Xが、H2O、F-、Cl-、Br-、HOO-、R28COO-またはR28O-であり;
R28が、水素、無置換もしくは置換C1〜C18アルキルであり;
pが、1または2の整数であり;
R1が、1〜5個の電子求引性置換基により置換されたフェニルであり、該電子求引性置換基が、
-OR100、-COOR100、-C(O)-R100、-CN、-NO2、-SO3R100、-CF3、F、Cl、Br、I、-N(R100R’100R’’100)3+A-、-N(R101R’101)または
【化7】

からなる群より選択され、ここで、
R100、R’100、R’’100が独立して、水素、C1〜C18アルキルまたはフェニルであり、*が結合の位置であり、A-がアニオンであり;
R101、R’101が独立して、-C(O)-R100、-C(O)N(R100R’100)または-C(O)OR100であり;
R2、R5、R6、R7およびR8が互いに独立して、水素、無置換もしくは置換C1〜C28アルキル、C2〜C28アルケニル、C2〜C22アルキニル、C3〜C12シクロアルキル、C3〜C12シクロアルケニル、C7〜C9アラルキル、C3〜C20ヘテロアルキル、C3〜C12シクロヘテロアルキル、C5〜C16ヘテロアラルキル、無置換もしくは置換フェニルもしくはナフチル;-OR100、-NR100R’100、ハロゲンであり;または独立してR1について定義した通りの意味を有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の使用。
【請求項6】
mおよびpが0であり、式(2)
【化8】

[式中、置換基は請求項1〜5において定義した通りである]
の配位子Lを酸化反応の触媒として使用する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の使用。
【請求項7】
式(1)の金属錯体化合物または式(2)の純粋な配位子を触媒として、過酸化物もしくは過酸化物形成物質、O2および/または空気と共に、洗浄工程の中でのまたは染み抜き剤の直接の適用による布地材料の染みまたは汚れの漂白のために;硬表面、特に台所の表面、壁のタイルまたは床のタイルの清浄化のために;自動食器洗浄用組成物における使用のために;大気中の酸素による布地材料の染みまたは汚れの漂白のために(それにより、漂白は洗浄液中での布地の処理中および/または処理後に触媒される);布地材料の洗浄中に移動した染料の再沈着の防止のために;抗細菌作用を有する洗浄および清浄化溶液における使用のために;布地の漂白の前処理剤として;有機合成における選択的酸化反応の触媒として;廃水処理のために;製紙における漂白のために;殺菌のために;およびコンタクトレンズの消毒のために使用する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の使用。
【請求項8】
洗浄工程の中でのまたは染み抜き剤の直接の適用による布地材料の染みまたは汚れの漂白ならびに硬表面の清浄化の方法であって、布地材料または硬表面材料を、水性媒体中で、請求項1に記載の式(1)の錯体化合物または式(2)の配位子および過酸化物もしくは過酸化物形成物質またはO2および/もしくは空気と接触させることを含む前記方法。
【請求項9】
I) 組成物の総重量を基準として0〜50重量%のA)少なくとも1種のアニオン性界面活性剤および/またはB)非イオン性界面活性剤、
II) 組成物の総重量を基準として0〜70重量%のC)少なくとも1種のビルダー物質、
III) 組成物の総重量を基準として1〜99重量%のD)少なくとも1種の過酸化物および/または1種の過酸化物形成物質、O2および/または空気、
IV) 0.5〜50 g/lの洗剤、清浄化剤、消毒剤または漂白剤を液に加えた場合に、液中に、0.5〜100 mg/lの液濃度を与える量のE)上で定義した通りの少なくとも1種の式(1)の金属錯体化合物または式(2)の配位子、
V) 組成物の総重量を基準として0〜20重量%の少なくとも1種のさらなる添加剤、および
VI) 組成物の総重量を基準として100重量%になるように加えた水
を含む洗剤、清浄化、消毒または漂白組成物。
【請求項10】
布地材料または硬表面材料に使用される、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
f) 顆粒の総重量を基準として1〜99重量%の、請求項1において定義した通りの少なくとも1種の式(1)の金属錯体または式(2)の配位子および少なくとも1種の過酸化物、
g) 顆粒の総重量を基準として1〜99重量%の少なくとも1種の結合剤、
h) 顆粒の総重量を基準として0〜20重量%の少なくとも1種のカプセル化材料、
i) 顆粒の総重量を基準として0〜20重量%の少なくとも1種のさらなる添加剤、および
j) 顆粒の総重量を基準として0〜20重量%の水
を含む顆粒。
【請求項12】
式(2)
【化9】

[式中、
R1は、-(CH2)k-N+(R100R’100R’’100)3A-(式中、A-はアニオンであり、kは1〜4の数である);または1〜5個の電子求引性置換基-N(R100R’100R’’100)3+A-により置換されたフェニルであり、ここで、
R100、R’100、R’’100は独立して、水素、C1〜C18アルキルもしくはフェニルであり、またはR100、R’100、R’’100のうちの2つは、それらが結合する窒素原子と一緒になって5もしくは6員環(さらに別の窒素原子を有してもよい)を形成し;A-はアニオンであり、または
R1は電子求引性置換基と一緒になって、基
【化10】

*は結合の位置である)
であり;
R4は、水素、C1〜C28アルキル、C2〜C28アルケニル、C2〜C22アルキニル、C3〜C12シクロアルキル、C3〜C12シクロアルケニル、C7〜C9アラルキル、C3〜C20ヘテロアルキル、C3〜C12シクロヘテロアルキル、C5〜C16ヘテロアラルキル、無置換もしくは置換フェニルもしくはナフチル、または無置換もしくは置換ヘテロアリールを表し;
R2およびR3は互いに独立して、水素、無置換または置換C1〜C28アルキル、C2〜C28アルケニル、C2〜C22アルキニル、C3〜C12シクロアルキル、C3〜C12シクロアルケニル、C7〜C9アラルキル、C3〜C20ヘテロアルキル、C3〜C12シクロヘテロアルキル、C5〜C16ヘテロアラルキル、無置換もしくは置換フェニルもしくはナフチル、または無置換もしくは置換ヘテロアリールを表し;または
R2およびR3は、それらを連結するアルキリデン炭素原子と一緒になって、無置換もしくは置換5、6、7、8もしくは9員環(さらに別のヘテロ原子を含有してもよい)を形成する]
の化合物。
【請求項13】
式(5)
【化11】

[式中、
R1は、1〜5個の電子求引性置換基-N(R100R’100R’’100)3+A-により置換されたフェニルであり、ここで、
R100、R’100、R’’100は独立して、水素、C1〜C18アルキルもしくはフェニルであり、またはR100、R’100、R’’100のうちの2つは、それらが結合する窒素原子と一緒になって5もしくは6員環(さらに別の窒素原子を有してもよい)を形成し;A-はアニオンであり、または
R1は、電子求引性置換基と一緒になって、基
【化12】

*は結合の位置である)
であり;
R2は、水素、無置換もしくは置換C1〜C28アルキル、C2〜C28アルケニル、C2〜C22アルキニル、C3〜C12シクロアルキル、C3〜C12シクロアルケニル、C7〜C9アラルキル、C3〜C20ヘテロアルキル、C3〜C12シクロヘテロアルキル、C5〜C16ヘテロアラルキル、無置換もしくは置換アリール、または無置換もしくは置換ヘテロアリールを表し;
R5、R6、R7およびR8は互いに独立して、水素、無置換もしくは置換C1〜C28アルキル、C2〜C28アルケニル、C2〜C22アルキニル、C3〜C12シクロアルキル、C3〜C12シクロアルケニル、C7〜C9アラルキル、C3〜C20ヘテロアルキル、C3〜C12シクロヘテロアルキル、C5〜C16ヘテロアラルキル、無置換もしくは置換フェニルもしくはナフチル;-OR100、-NR100R’100、ハロゲンまたは基
【化13】

であり;または独立してR1について定義した意味を有し;
または
R5とR6、R6とR7またはR7とR8は互いに連結して、1、2、3もしくは4個の炭素環または複素環を形成し、該環は連続していても、もしくは1個以上の-O-、-S-もしくは-NR9-が介在していてもよく、および/または該環はさらに他の芳香環と縮合していてもよく、および/または該環は1個以上のC1〜C6アルキル基により置換されていてもよい]
を有する、請求項12に記載の化合物。
【請求項14】
式(3a)または(4a)
【化14】

[式中、
Meは、酸化状態II〜Vのマンガンまたは酸化状態I〜IVの鉄であり;
Xは、CH3CN、H2O、F-、Cl-、Br-、HOO-、O22-、O2-、R28COO-、R28O-であり;
R28は、水素、無置換または置換C1〜C18アルキルまたはフェニルであり;
pは、1〜4の整数であり;
R1は、-(CH2)k-N+(R100R’100R’’100)3A-(式中、A-はアニオンであり、kは1〜4の数である);または1〜5個の電子求引性置換基-N(R100R’100R’’100)3+A-により置換されたフェニルであり、ここで、
R100、R’100、R’’100は独立して、水素、C1〜C18アルキルもしくはフェニルであり、またはR100、R’100、R’’100のうちの2つは、それらが結合する窒素原子と一緒になって5もしくは6員環(さらに別の窒素原子を有してもよい)を形成し;A-はF-、Cl-、Br-もしくはIであり、または
R1は、電子求引性置換基と一緒になって、基
【化15】

*は結合の位置である)
であり;
R2は、水素、無置換もしくは置換C1〜C28アルキル、C2〜C28アルケニル、C2〜C22アルキニル、C3〜C12シクロアルキル、C3〜C12シクロアルケニル、C7〜C9アラルキル、C3〜C20ヘテロアルキル、C3〜C12シクロヘテロアルキル、C5〜C16ヘテロアラルキル、無置換もしくは置換アリール、または無置換もしくは置換ヘテロアリールを表し;
R5、R6、R7およびR8は互いに独立して、水素、無置換もしくは置換C1〜C28アルキル、C2〜C28アルケニル、C2〜C22アルキニル、C3〜C12シクロアルキル、C3〜C12シクロアルケニル、C7〜C9アラルキル、C3〜C20ヘテロアルキル、C3〜C12シクロヘテロアルキル、C5〜C16ヘテロアラルキル、無置換もしくは置換フェニルもしくはナフチル;-OR100、-NR100R’100、ハロゲンまたは基
【化16】

であり;または独立してR1について定義した意味を有し;
または
R5とR6、R6とR7またはR7とR8は互いに連結して、1、2、3もしくは4個の炭素環または複素環を形成し、該環は連続していても、もしくは1個以上の-O-、-S-もしくは-NR9-が介在していてもよく、および/または該環はさらに他の芳香環と縮合していてもよく、および/または該環は1個以上のC1〜C6アルキル基により置換されていてもよい]
の錯体化合物。
【請求項15】
式(3a)または(4a)
【化17】

[式中、
Meは、酸化状態II〜Vのマンガンまたは酸化状態I〜IVの鉄であり;
Xは、CH3CN、H2O、F-、Cl-、Br-、HOO-、O22-、O2-、R28COO-、R28O-であり;
R28は、水素、無置換または置換C1〜C18アルキルまたはフェニルであり;
pは、1〜4の整数であり;
R1は、1〜5個の電子求引性置換基-N(R100R’100R’’100)3+A-により置換されたフェニルであり、ここで、
R100、R’100、R’’100は独立して、水素、C1〜C18アルキルもしくはフェニルであり、またはR100、R’100、R’’100のうちの2つは、それらが結合する窒素原子と一緒になって5もしくは6員環(さらに別の窒素原子を有してもよい)を形成し;A-はF-、Cl-、Br-もしくはIであり、または
R1は電子求引性置換基と一緒になって、基
【化18】

*は結合の位置である)
であり;
R2は、水素、無置換もしくは置換C1〜C28アルキル、C2〜C28アルケニル、C2〜C22アルキニル、C3〜C12シクロアルキル、C3〜C12シクロアルケニル、C7〜C9アラルキル、C3〜C20ヘテロアルキル、C3〜C12シクロヘテロアルキル、C5〜C16ヘテロアラルキル、無置換もしくは置換アリール、または無置換もしくは置換ヘテロアリールを表し;
R5、R6、R7およびR8は互いに独立して、水素、無置換もしくは置換C1〜C28アルキル、C2〜C28アルケニル、C2〜C22アルキニル、C3〜C12シクロアルキル、C3〜C12シクロアルケニル、C7〜C9アラルキル、C3〜C20ヘテロアルキル、C3〜C12シクロヘテロアルキル、C5〜C16ヘテロアラルキル、無置換もしくは置換フェニルもしくはナフチル;-OR100、-NR100R’100、ハロゲンまたは基
【化19】

であり;または独立してR1について定義した意味を有し;
または
R5とR6、R6とR7またはR7とR8は互いに連結して、1、2、3もしくは4個の炭素環または複素環を形成し、該環は連続していても、もしくは1個以上の-O-、-S-もしくは-NR9-が介在していてもよく、および/または該環はさらに他の芳香環と縮合していてもよく、および/または該環は1個以上のC1〜C6アルキル基により置換されていてもよい]
の錯体化合物。

【公表番号】特表2011−516253(P2011−516253A)
【公表日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−503401(P2011−503401)
【出願日】平成21年3月30日(2009.3.30)
【国際出願番号】PCT/EP2009/053722
【国際公開番号】WO2009/124855
【国際公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】