説明

金属ホスホン酸錯体触媒を用いるポリエステルの製造方法

【課題】金属ホスホン酸錯体触媒を用いるポリエステルの製造方法の提供。
【解決手段】開示されるものはポリエステルの製造方法であり、該方法は、
第一工程において、エステル化又はエステル交換を引き起こすに好適な温度及び圧力で、ジカルボン酸又は炭素原子1ないし4のジカルボン酸エステルをジオールと反応させて予備縮合物を製造すること、及び
第二工程において、好適な温度及び圧力で重縮合を引き起こし、前記予備縮合物を反応させて高分子量ポリエステルを製造することを含み、
下式
【化1】


(式中、nは、0、1、2、3、4、5又は6を表し;
pは、1ないし30の整数を表し;
Mは、Li、Na、K、Cs、Be、Ca、Mg、Sr、Ba、Al、Sb、Cd、Mn、Fe、Co、Ni、Cu及びZnからなる群より選択される金属を表し;
vは、金属Mの価数を表し、そしてそれは1、2又は3であり;
qはq=2p/vであるところの1ないし20の整数を表し;
1は、水素原子、直鎖若しくは分岐鎖の炭素原子数1ないし36のアルキル基、直鎖若
しくは分岐鎖の炭素原子数1ないし36のアルケニル基、炭素原子数5ないし8のシクロアルキル基又は炭素原子数6ないし10のアリール基を表すか;或いは1ないし4個のヒドロキシル基、ハロゲン原子、直鎖若しくは分岐鎖の炭素原子数1ないし8のアルコキシ基、直鎖若しくは分岐鎖の炭素原子数1ないし8のアルキル基又はアミノ基で置換された前記アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基又はアリール基を表す。)で表される金属ホスホン酸錯体化合物が、反応触媒として、前記第一工程、前記第二工程又は第一及び第二工程の両方において用いられる方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリエステル特に、ポリエチレンテレフタレートの製造方法に関するものであり、該方法は特定の金属ホスホン酸錯体触媒を用いることを含む。
【背景技術】
【0002】
ポリエチレンテレフタレート(PET)のようなポリエステルは、二段階の方法で工業的に製造される。PET製造における第一段階は、低分子量の予備縮合物を形成するために、テレフタル酸のエチレングリコールとの直接エステル化を含み、又はもう一つの方法として、炭素原子数1ないし4のジアルキルテレフタレートのエチレングリコールとのエステル交換を含む。第二段階において、予備縮合物は、高分子量ポリエチレンテレフタレートを形成するために重縮合される。両段階は、典型的には触媒加速が用いられる。
ポリエステルの最終使用に依存して、更なる固体重合(SSP)が望ましい粘度に到達するために用いられる。
【0003】
多くの化合物が、エステル化、エステル交換又は重縮合の触媒として提案されてきた。触媒の選択は、最終製品の色、強度及び加工特性をもたらす。触媒の選択は、例えば、アルデヒド発生の量をもたらす。触媒選択はまた、反応の選択性を制御し、ジエチレングリコール、環状オリゴマー及びカルボン酸末端基のような望ましくない不純物が減少した最終製品を提供する。
【0004】
米国特許出願公開第2003/083191号明細書は、アルミニウム又はアルミニウム化合物とリン金属塩化合物との組合せであるポリエステル重合触媒を目的とする。アルミニウム化合物は、例えば、カルボン酸塩、無機酸塩、アルミニウムアルコキシド、アルミニウムキレート化合物又は有機アルミニウム化合物である。
【0005】
米国特許出願公開第2004/058805号明細書は、式1及び2から選択される少なくとも1種のリン化合物の存在下、第一の金属含有成分としてアルミニウム及びアルミニウム化合物から選択される少なくとも1つのメンバーを含むポリエステル重合触媒を目的とする。
【化1】

米国特許第3,310,575号明細書及び米国特許第3,824,192号明細書は、金属(O−アルキル)−3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネートを開示する。該金属ホスホネートは、ポリマー安定剤として教示されている。
米国特許第6,383,970号明細書は、固体酸触媒を教示する。
【0006】
ポリエステル、特に、ポリエチレンテレフタレートの製造のための好適な触媒は、未だ捜し求められている状態である。前記触媒は、製造の第一若しくは第二段階において又は
両段階において用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許出願公開第2003/083191号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2004/058805号明細書
【特許文献3】米国特許第3,310,575号明細書
【特許文献4】米国特許第3,824,192号明細書
【特許文献5】米国特許第6,383,970号明細書
【発明の概要】
【0008】
開示されるものはポリエステルの製造方法であり、該方法は、
第一工程において、エステル化又はエステル交換を引き起こすに好適な温度及び圧力で、ジカルボン酸又は炭素原子1ないし4のジカルボン酸エステルをジオールと反応させて予備縮合物を製造すること、及び
第二工程において、好適な温度及び圧力で重縮合を引き起こし、前記予備縮合物を反応させて高分子量ポリエステルを製造することを含み、
下式
【化2】

(式中、nは、0、1、2、3、4、5又は6を表し;
pは、1ないし30の整数を表し;
Mは、Li、Na、K、Cs、Be、Ca、Mg、Sr、Ba、Al、Sb、Cd、Mn、Fe、Co、Ni、Cu及びZnからなる群より選択される金属を表し;
vは、金属Mの価数を表し、そしてそれは1、2又は3であり;
qはq=2p/vであるところの1ないし20の整数を表し;
1は、水素原子、直鎖若しくは分岐鎖の炭素原子数1ないし36のアルキル基、直鎖若
しくは分岐鎖の炭素原子数1ないし36のアルケニル基、炭素原子数5ないし8のシクロアルキル基又は炭素原子数6ないし10のアリール基を表すか;或いは1ないし4個のヒドロキシル基、ハロゲン原子、直鎖若しくは分岐鎖の炭素原子数1ないし8のアルコキシ基、直鎖若しくは分岐鎖の炭素原子数1ないし8のアルキル基又はアミノ基で置換された前記アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基又はアリール基を表す。)で表される金属ホスホン酸錯体化合物が、反応触媒として、前記第一工程、前記第二工程又は第一及び第二工程の両方において用いられる方法である。
【0009】
金属ホスホン酸錯体化合物は、例えば、下式
【化3】

(式中、nは、0、1、2、3、4、5又は6を表し;
pは、p=(v・q)/2であるところの1ないし30の整数を表し;
Mは、Li、Na、K、Cs、Be、Ca、Mg、Sr、Ba、Al、Sb、Cd、Mn、Fe、Co、Ni、Cu及びZnからなる群より選択される金属を表し;
vは、金属Mの価数を表し、そしてそれは、1、2又は3であり;
qは、q=2p/vであるところの1ないし20の整数を表し;及び
2及びR3は、独立して、水素原子、ヒドロキシル基、ハロゲン原子、直鎖若しくは分岐鎖の炭素原子数1ないし8のアルコキシ基、直鎖若しくは分岐鎖の炭素原子数1ないし8のアルキル基又はアミノ基を表し;及び
4は、水素原子又は直鎖若しくは分岐鎖の炭素原子数1ないし8のアルキル基を表す。
)で表される。
【0010】
金属ホスホン酸錯体化合物は、例えば、下式
【化4】

(式中、nは、0、1、2、3、4、5又は6を表し;
pは、p=(v・q)/2であるところの1ないし30の整数を表し;
Mは、Li、Na、K、Cs、Be、Ca、Mg、Sr、Ba、Al、Sb、Cd、Mn、Fe、Co、Ni、Cu及びZnからなる群より選択される金属を表し;
vは、金属Mの価数を表し、そしてそれは、1、2又は3であり;
qは、q=2p/vであるところの1ないし20の整数を表し;及び
4は、水素原子又は直鎖若しくは分岐鎖の炭素原子数1ないし8のアルキル基を表す。
)で表される。
【0011】
金属ホスホン酸錯体化合物は、例えば、下式
【化5】

(式中、pは、p=(v・q)/2であるところの1ないし30の整数を表し;
Mは、Li、Na、K、Cs、Be、Ca、Mg、Sr、Ba、Al、Sb、Cd、Mn、Fe、Co、Ni、Cu及びZnからなる群より選択される金属を表し;
vは、金属Mの価数を表し、そしてそれは、1、2又は3であり;及び
qは、q=2p/vであるところの1ないし20の整数を表す。)で表される。
【0012】
金属ホスホン酸錯体化合物は、例えば、下式
【化6】

(式中、nは、0、1、2、3、4、5又は6を表し;
pは、3ないし30の整数を表し;
qは、q=2p/3であるところの2ないし20の整数を表し;及び
1は、水素原子、直鎖若しくは分岐鎖の炭素原子数1ないし36のアルキル基、直鎖若
しくは分岐鎖の炭素原子数1ないし36のアルケニル基、炭素原子数5ないし8のシクロアルキル基又は炭素原子数6ないし10のアリール基を表すか;或いは1ないし4個のヒドロキシル基、ハロゲン原子、直鎖若しくは分岐鎖の炭素原子数1ないし8のアルコキシ基、直鎖若しくは分岐鎖の炭素原子数1ないし8のアルキル基又はアミノ基で置換された前記アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基又はアリール基を表す。)で表される。
【0013】
金属ホスホン酸錯体化合物は、例えば、下式
【化7】

(式中、nは、0、1、2、3、4、5又は6を表し;
1は、水素原子、直鎖若しくは分岐鎖の炭素原子数1ないし36のアルキル基、直鎖若
しくは分岐鎖の炭素原子数1ないし36のアルケニル基、炭素原子数5ないし8のシクロアルキル基又は炭素原子数6ないし10のアリール基を表すか;或いは1ないし4個のヒドロキシル基、ハロゲン原子、直鎖若しくは分岐鎖の炭素原子数1ないし8のアルコキシ基、直鎖若しくは分岐鎖の炭素原子数1ないし8のアルキル基又はアミノ基で置換された前記アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基又はアリール基を表す。)で表される。
【0014】
金属ホスホン酸錯体化合物は、例えば、下式
【化8】

(式中、nは、0、1、2、3、4、5又は6を表し;
2及びR3は、独立して、水素原子、ヒドロキシル基、ハロゲン原子、直鎖若しくは分岐鎖の炭素原子数1ないし8のアルコキシ基、直鎖若しくは分岐鎖の炭素原子数1ないし8のアルキル基又はアミノ基を表し;及び
4は、水素原子又は直鎖若しくは分岐鎖の炭素原子数1ないし8のアルキル基を表す。
)で表される。
【0015】
金属ホスホン酸錯体化合物は、例えば、下式
【化9】

(式中、nは、0、1、2、3、4、5又は6を表し;及び
4は、水素原子又は直鎖若しくは分岐鎖の炭素原子数1ないし8のアルキル基を表す。
)で表される。
【0016】
アルミニウムホスホン酸錯体化合物は、特に、下式
【化10】

で表される。
【発明を実施するための形態】
【0017】
アルミニウム触媒は、例えば、米国特許第3,310,575号明細書で開示されるようにして製造される。
36個までの炭素原子を有するアルキル基は、分岐されたか又は未分岐の基、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、第二ブチル基、イソブチル基、第三ブチル基、2−エチルブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、1−
メチルペンチル基、1,3−ジメチルブチル基、n−ヘキシル基、1−メチルヘキシル基、n−ヘプチル基、イソヘプチル基、1,1,3,3−テトラメチルブチル基、1−メチルヘプチル基、3−メチルヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、1,1,3−トリメチルヘキシル基、1,1,3,3−テトラメチルペンチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、1−メチルウンデシル基、ドデシル基、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルヘキシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、アイコシル基又はドコシル基である。
【0018】
アルケニル基は、アルキル基の不飽和版であり、例えば、アリル基、イソプロペニル基、プロペニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基等である。
無置換の又はアルキル置換のシクロアルキル基は、例えば、シクロペンチル基、メチルシクロペンチル基、ジメチルシクロペンチル基、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロヘキシル基、トリメチルシクロヘキシル基、第三ブチルシクロヘキシル基、シクロヘプチル基又はシクロオクチル基である。例えば、シクロヘキシル基及び第三ブチルシクロヘキシル基である。
【0019】
アリール基は、フェニル基又はナフチル基である。例えば、1ないし3個の、例えば、1又は2個のアルキル基を含むアルキル置換アリール基は、例えば、o−、m−又はp−メチルフェニル基、2,3−ジメチルフェニル基、2,4−ジメチルフェニル基、2,5−ジメチルフェニル基、2,6−ジメチルフェニル基、3,4−ジメチルフェニル基、3,5−ジメチルフェニル基、2−メチル−6−エチルフェニル基、4−第三ブチルフェニル基、2−エチルフェニル基又は2,6−ジエチルフェニル基である。
【0020】
ジカルボン酸は、8ないし14個の炭素原子を有する芳香族ジカルボン酸、4ないし12個の炭素原子を有する脂肪族ジカルボン酸、8ないし12個の炭素原子を有する脂環式ジカルボン酸、及びそれらの混合物からなる群より選択される。
炭素原子数1ないし4のジカルボン酸ジエステルは、上述のジカルボン酸のジアルキルジエステルである。ジエステルは例えば、ジメチルエステルである。
【0021】
好ましくはそのようなジ酸は、テレフタル酸、イソフタル酸、o−フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、シクロヘキサンジ酢酸、ジフェニル−4,4´−ジカルボン酸、コハク酸、マレイン酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸及びそれらの混合物である。
特に好ましい酸及びエステルは、テレフタル酸、テレフタル酸ジメチル、イソフタル酸及び2,6−ナフタレンジカルボン酸である。
【0022】
ジオール又はグリコールは、一般式、HO−R−OH(式中、Rは、炭素原子2ないし18個の、脂肪族部分、脂環部分又は芳香族部分を表す。)から導かれる。
好ましくはそのようなジオール又はグリコールは、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロパン−1,3−ジオール、プロパン−1,2−ジオール、ブタン−1,4−ジオール、ペンタン−1,5−ジオール、ヘキサン−1,6−ジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、3−メチルペンタン−2,4−ジオール、2−メチルペンタン−1,4−ジオール、2,2−ジエチルプロパン−1,3−ジオール、1,4−ジ−(ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン、2,4−ジヒドロキシ−1,1,3,3−テトラメチルシクロブタン、2,2−ビス−(3−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシプロポキシフェニル)エタン及びそれらの混合物である。
最も好ましくは、該ジオールは、エチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール又はブタン−1,4−ジオールである。
【0023】
ポリエステルは、好ましくは、ポリ(エチレンテレフタレート)PET又はポリ(エチレン2,6−ナフタレン−2,6−ジカルボキシレート)又はポリ(1,4−ブチレンテレフタレート);最も好ましくは、ポリ(エチレンテレフタレート)である。
【0024】
ポリエステルは、本技術分野において周知の方法により製造される。そのような方法は、例えば、米国特許出願公開第2003/083191号明細書及び米国特許出願公開第2004/058805号明細書において、並びに米国特許第5,744,571号明細書、米国特許第6,013,756号明細書及び米国特許第5,453,479号明細書において開示されている。
【0025】
最初のエステル化又はエステル交換工程は、約150ないし約300℃、例えば、約200ないし約300℃、約260ないし約300℃の範囲における温度で及び大気圧ないし0.2mmHgの圧力で、1種以上のジカルボン酸又はジカルボン酸ジエステルを1種以上のジオールと一緒に混合することにより達成される。生成物は、低分子量の予備縮合物である。
【0026】
第二工程において、重縮合が、過剰のジオールを除去しながら、温度の上昇と圧力の低下によりもたらされる。温度は、例えば、約250ないし約300℃、例えば、約275ないし約300℃である。圧力は、約10ないし約0.1トル又は約5ないし約0.5トルに低下させる。
【0027】
一方又は両方の工程は、金属ホスホン酸錯体触媒の存在下で有利に遂行される。本発明の触媒は、ジカルボン酸又はジカルボン酸ジエステルとジオールの総質量に基づき、約1ないし約1500ppmのレベルで用いられる。例えば、本発明の触媒は、ジカルボン酸又はジカルボン酸ジエステルとジオールの総質量に基づき、約1ないし約1000ppm又は約1ないし約500ppmで用いられる。例えば、本発明の触媒は、ジ酸又はジエステル及びジオールの質量に基づき、約2ないし約250ppmの質量又は例えば、約10ないし約300ppmの質量で用いられる。
【0028】
金属ホスホン酸錯体触媒はまた、更なる固体重合のために有利に存在する。本発明の触媒は、任意の固体重合工程の間に、極めて優れた結果を提供する。
【実施例】
【0029】
本発明を、以下に示す実施例により更に説明する。全ての部及びパーセントは、特段の指示が無い限り、質量によるものである。
分析手順
固有粘度(I.V.):ポリマー1gを、フェノールとテトラクロロエタンの3:2の混合物100gに溶解する。この溶液の粘度を、ヴィスコテック(Viscotek)相対粘度計Y501Cを用いて35℃で測定し、固有粘度に計算し直す。
PETペレットカラー−L*値は、D65 10degm反射鏡を含む、ASTM D1
925により、DCI分光光度計を使用してPETペレット上で測定された。
【0030】
本発明のアルミニウムホスホン酸錯体触媒
【化11】

(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシ−ベンジル)−ホスホン酸30.0g(0.1mole)をメタノール300mL中にKOH 14.0g(0.25mole)を含む溶液に添加した。反応混合物を1時間N2雰囲気下、室温で攪拌した。この反応混合
物をその後、メタノール250mL中にAlCl3・6H2O 24.1g(0.1mole)を溶解して含む別の溶液に滴下添加した。添加が完了した後、反応混合物を3時間窒素雰囲気下、60℃で加熱した。反応混合物をその後、室温に冷却し、固体をろ過した。ろ液を濃縮して固体を得、これを蒸留水300mLで2時間煮沸した。固体をろ過し、恒量となるまでオーブン中、〜70℃で乾燥した。生成物31gを得た。
理論 %C 50.27 %H 7.78 %Al 5.02
実測 %C 50.30 %H 7.90 %Al 4.97
【0031】
比較のアルミニウムホスホン酸錯体
【化12】

(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシ−ベンジル)−ホスホン酸3.0g(0.01mole)をメタノール30mL中にKOH 0.56g(0.01mole)を含む溶液に添加した。反応混合物を1時間N2雰囲気下、室温で攪拌した。反応混合物をそ
の後、メタノール10mL中にAlCl3・6H2O 0.8g(0.003mole)を含む別の溶液に滴下添加した。添加が完了した後、反応混合物を3時間60℃で加熱した。反応混合物をその後、室温に冷却し、固体をろ過した。ろ液を濃縮して固体を得、これを蒸留水30mLで2時間煮沸した。固体をろ過し、恒量となるまでオーブン中、〜70℃で乾燥した。生成物2.9gを得た。
理論 %C 58.43 %H 7.85 %Al 2.92
実測 %C 55.82 %H 8.44 %Al 2.72
【0032】
実施例1
テレフタル酸87.3g及びイソフタル酸2.7gをEG(エチレングリコール)40.5gと混合し、典型的なエステル化条件にさらした(窒素圧〜40psi下、275〜280℃で〜7時間)。反応からの水は、開始約140℃で容器外に留去した。これ以上水が発生しなくなるまで反応を続けた。
エステル化からのブランクの予備縮合物35gを本発明のアルミニウムホスホン酸錯体触媒0.0288g(〜800ppm)と混合した。固体混合物を窒素パージ下、275
℃で加熱及び攪拌した。溶融混合物を、続いて、大気圧から徐々に真空度を上昇させた完全真空(〜0.8トル)下、90分間275℃で重縮合させた。重縮合を、完全真空下で更に90分間続けた。0.55dl/gの固有粘度を有するポリエチレンテレフタレートを得た。
【0033】
実施例2
テレフタル酸87.3g及びイソフタル酸2.7gをEG40.5g及びSb23 0.025gと混合し、典型的なエステル化条件に付した(窒素圧〜40psi下、温度275〜280℃で〜7時間)。反応からの水は、開始約140℃で容器外に留去した。これ以上水が発生しなくなるまで反応を続けた。
エステル化からのSb23を240ppm含む予備縮合物40gを本発明のアルミニウムホスホン酸錯体触媒0.0200g(〜500ppm)と混合した。固体混合物を窒素パージ下、275℃で加熱及び攪拌した。溶融混合物を、続いて、大気圧から徐々に真空度を上昇させた完全真空(〜0.9トル)下、90分間275℃で重縮合した。重縮合を、完全真空下で更に90分間続けた。0.70dl/gの固有粘度を有するポリエチレンテレフタレートを得た。
【0034】
一般ポリエステル(PET)合成手順A
4Lの重縮合バッチ反応器のための一般重合手順。以下のものを装着したバッチ反応器を使用した、羽根車攪拌機を有する、加圧され、加熱されたオートクレーブ、不活性ガス注入システム、反応から水を除去しエチレングリコールを反応塊に戻すエステル化段階の間、反応からの水とエチレングリコールを分離する分留塔;真空重縮合の間、反応副生成物であるエチレングリコールと水を回収することが可能な真空システムと回収容器をつなぐ側腕移送ライン;反応器の底にポリマー生成物の排出及び単離のための、排出バルブ系。種々の加工ポイントは、反応系を監視又は制御するために熱電対及び圧力変換器を用いて計測された。
【0035】
材料
PTA,精製テレフタル酸(8.933モル、1484グラム)
PIA,精製イソフタル酸(0.276モル、46グラム)
EG,エチレングリコール(11.11モル、689グラム)
ジエチレングリコール形成を減少するための(任意の)抑制剤(例えば)45%のメタノール溶液としてのコリンヒドロキシド
三酸化アンチモン,240ppm
所望による他の添加物,
【0036】
EG(120モル%)を添加し、攪拌を開始した。PTA97モル%とPIA3%の混合物を三酸化アンチモンとともに反応器に装填した。固体添加物はこの時点で添加することができ且つEGとともに反応器へ洗い流すことができる。所望により、あらゆる液体触媒又は添加物を、数mLのEGと一緒に注射器を介して添加することができる。DEG(ジエチレングリコール)抑制剤がピペットを介して添加し得、また、EGで洗い流し得る。反応器を窒素でパージし、その後密閉した。
エステル化段階のために、反応塊を温度範囲93ないし105℃、20rpmでの攪拌で20分間状態を整えた。加熱器を275℃にセットし、サイドアーム(側腕)を150℃までにセットした。溶融温度が200℃を示した時、攪拌を60rpmになるまで30分以上かけて徐々に増していった。エステル化工程は、通常、窒素圧50psigで行われ、270℃の最終温度に到達する。水が回収器の点検窓に観察されたとき(即ち、分留塔の水の留去が始まる)、エステル化の時間が開始される。反応器の溶融温度が公称260℃に到達した場合、加熱器の設定が約243℃の最終設定に下方修正されるが、それは、約270℃の最終エステル化温度を可能にする。
【0037】
バッチの開始(0時)から、分留塔から水回収器への水蒸留の開始まで、約1時間45分かかった。エステル化を完結する(即ち、塔頂温度が低下し、125ないし135℃で安定化するとき)ために、更に120分かかった。
時々、大気エステル化(Atmospheric Esterification)(別名、予備−重縮合)として言及される本方法の次の段階は、反応器圧が開放されて大気圧となった場合に起こる。大気エステル化は、270℃で30分間行われた。添加物が所望により、この時点で添加ポート上のセプタムと大内径の注射器を用いて反応器に添加され得る。
【0038】
本方法の次の段階、真空重縮合は、反応器圧力(即ち、真空の適用)を、プログラムされた真空還元ステップダウンプログラムを介し、60分以上かけて1トル以下に減少した場合に起こる。最終真空レベルを達成しながら、重縮合を285ないし286℃の最終溶融温度目標で約60分間続けた。この重縮合の総時間を越えて、ポリマー分子量(即ち、溶融粘度)が増加するよう、反応器の攪拌速度を徐々に低下させた。典型的には、反応器は、ポリマー排出まで、60rpmで105分間、その後、50rpmで15分間、40rpmで10分間及び15rpmで15分間維持した。重縮合の総時間は、反応終点が通常、反応時間ではなくモータートルク値により決定されるため、僅かに異なり得る。顕著に速い反応速度の重縮合は、例えば配合物において改善された触媒又は共添加剤を用いた場合のように、標準のポリエステル形成よりも早く終点トルク値に到達し得る。所定のモータートルクレベルを達成しながら、重合反応は完結したと考えられる。この時点で、このバッチを反応器の底から排出し、水浴に漬け、小片に変換した。エステル化時間は104分であり、重縮合時間は60分であった。ポリエステルは、0.63dL/gの希釈溶液粘度値及び24meq/kgのカルボン酸末端基を伴って製造された。
【0039】
実施例3
ポリエステルは、一般ポリエステル(PET)合成手順Aによって製造した。酸化アンチモンの添加に代えて、本発明のアルミニウムホスホン酸錯体触媒1.42gを含むEGのスラリー15gを、本方法の大気エステル化段階の最終段階に、反応器に添加した。重合方法の残りは上述の通りにして行った。エステル化時間は96分であり、重縮合時間は80分であった。ポリエステルは、0.61dL/gの希釈溶液粘度値及び12meq/kgのカルボン酸末端基を伴って製造された。
【0040】
一般ポリエステル(PET)合成手順B
外付けのアルミニウムブロック加熱器、アンカー型の攪拌器、不活性ガス注入システム、反応から水を除去しエチレングリコールを反応塊に戻すエステル化段階の間、反応からの水とエチレングリコールを分離する分留塔;真空重縮合の間、反応副生成物であるエチレングリコールと水を回収することが可能な真空システムと回収容器をつなぐ側腕移送ライン;ポリマー生成物の排出及び単離のための、反応器の底に排出バルブシステムが装備された2Lの取り外し可能なオートクレーブ反応器を使用した。該反応器は、反応系を監視するために熱電対及び圧力変換器を用いて計測された。
【0041】
材料
PTA,精製テレフタル酸(2.680モル、445.23グラム)
PIA,精製イソフタル酸(0.083モル、13.77グラム)
EG,エチレングリコール(3.587モル、222.66グラム)
ジエチレングリコール形成を減少するための(任意の)抑制剤(例えば、45%のメタノール溶液としてのコリンヒドロキシド)
重縮合触媒:三酸化アンチモン,240ppm
所望による他の添加物,
【0042】
テレフタル酸(97%)、イソフタル酸(3%)、エチレングリコール(130%)及びコリンヒドロキシドを2Lのステンレス鋼反応器中で混合してペーストとした。重縮合触媒、三酸化アンチモンを用いる場合は、ペースト調製の間にテレフタル酸と混合する。反応混合物をパージし、窒素で40psigに加圧し、その後、70分間60rpmで攪拌しながら、239ないし243℃まで加熱したが、その間に圧力は50psigまで上がった。この時点で反応器において温度低下が観察されるが、それは、エステル化及び分留塔を通った反応水(water−of−reaction)の蒸留の開始を示す。反応混合物をその後、更に50psigで2時間20分間加熱したが、その間に、反応温度は250ないし252℃にゆっくりと上昇した。
【0043】
時々、大気エステル化(Atmospheric Esterification)(別名、予備−重縮合)として言及される本方法の次の段階は、反応器圧が開放され、5分以内に0psig(大気圧)となった場合に起こる。添加物が所望により、この時点で添加ポート上のセプタムと大内径の注射器を用いて反応器に添加され得る。大気エステル化の間、反応温度は40分間以上かけて260ないし262℃までゆっくり上昇した。
【0044】
大気エステル化工程に続き、反応器圧力を大気圧から完全真空、1.0トル以下に低下させたが、反応温度は1時間以内に280ないし284℃に上昇した。最終真空レベルを達成しながら、重縮合工程を、ポリマーの所望の分子量が達成され、反応温度が296ないし298℃の最終溶融温度目標まで上昇するまで続けた。重縮合の進行はモータートルクアンペアの記録により監視された。一度所望のアンペア(2.00アンペア)に到達したら、攪拌器を停止し、ポリマーを反応器の底のドレインバルブからの排出を介して収集し、水浴に漬け、小片に変換した。重縮合時間は、真空降下時点の終わりから、攪拌及び真空の停止までを計測した。重縮合時間は120分であった。ポリエステルは、0.62dL/gの希釈溶液粘度値及び74.4のL*値を伴って製造された。
【0045】
実施例4
ポリエステルは、上述の一般例手順Bによって製造した。酸化アンチモンの添加に代えて、本発明のアルミニウムホスホン酸錯体触媒0.21g(400ppm)を含むEGのスラリー16gを、本方法の大気エステル化段階の最終段階で、反応器に添加した。重合方法の残りは上述通りにして行った。重縮合時間は93分であった。ポリエステルは、0.63dL/gの希釈溶液粘度値及び82.4のL*値を伴って製造された。
【0046】
実施例5
ポリエステルは、上述の一般例手順Bによって製造した。酸化アンチモンの添加に代えて、チタン含有触媒(2.5ppmのTiと等価)をエステル化の開始時にテレフタル酸とともに添加し、本発明のアルミニウムホスホン酸錯体触媒0.11g(200ppm)を含むEGのスラリー16gを本方法の大気エステル化段階の最終段階で反応器に添加した。重合方法の残りは上述の通りにして行った。重縮合時間は99分であった。ポリエステルは、0.62dL/gの希釈溶液粘度値を伴って製造された。
【0047】
一般固体重縮合(SSP)手順C
希釈溶液の固有粘度(I.V.)を計測することにより測定される分子量を更に増加させるために、上記の一般手順Bに記載されたような、溶融における重縮合に続いて固体重縮合(SSP)が行われた。
以下の記載は一般手順を説明する:
酸化アンチモン240ppmを使用し、一般例Bに従って製造されたポリエチレンテレフタレートペレット500gを50トルの真空下110℃で16時間乾燥オーブン中に設置してペレットを乾燥した。乾燥ペレットを真空回転乾燥機中に移動した。1ないし2ト
ルの真空下でポリエチレンテレフタレートの回転を続けている間、温度は2時間以上かけて216℃に上昇した。216℃で10時間後、ポリエチレンテレフタレートペレットを冷却した。ポリエステルは、0.71dL/gの希釈溶液の固有粘度値(I.V.)及び85.2のL*値を伴って製造された。
【0048】
実施例6
ポリエステを実施例4の手順により製造し、ポリエチレンテレフタレートペレット500gを、温度217℃での10時間以上にわたる固体重縮合(SSP)手順に従って更に反応させた。ポリエステルは、0.82dL/gの希釈溶液の固有粘度値(I.V.)及び88.7のL*値を伴って製造された。
【0049】
実施例7
酸化アンチモン及びチタンをベースとする触媒を酸化ゲルマニウムに代えて、実施例2及び5を繰り返した。卓越した結果が達成された。
示されたように、本発明のアルミニウムホスホン酸錯体触媒は、他の既知の触媒、例えば、アンチモン、チタン又はゲルマニウム触媒とともに用いられ得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリエステルの製造方法であって、該方法は、
第一工程において、エステル化又はエステル交換を引き起こすに好適な温度及び圧力で、ジカルボン酸又は炭素原子1ないし4のジカルボン酸エステルをジオールと反応させて予備縮合物を製造すること、及び
第二工程において、好適な温度及び圧力で重縮合を引き起こし、前記予備縮合物を反応させて高分子量ポリエステルを製造することを含み、下式
【化1】

(式中、nは、0、1、2、3、4、5又は6を表し;
pは、1ないし30の整数を表し;
Mは、Li、Na、K、Cs、Be、Ca、Mg、Sr、Ba、Al、Sb、Cd、Mn、Fe、Co、Ni、Cu及びZnからなる群より選択される金属を表し;
vは、金属Mの価数を表し、そしてそれは1、2又は3であり;
qはq=2p/vであるところの1ないし20の整数を表し;
1は、水素原子、直鎖若しくは分岐鎖の炭素原子数1ないし36のアルキル基、直鎖若
しくは分岐鎖の炭素原子数1ないし36のアルケニル基、炭素原子数5ないし8のシクロアルキル基又は炭素原子数6ないし10のアリール基を表すか;或いは1ないし4個のヒドロキシル基、ハロゲン原子、直鎖若しくは分岐鎖の炭素原子数1ないし8のアルコキシ基、直鎖若しくは分岐鎖の炭素原子数1ないし8のアルキル基又はアミノ基で置換された前記アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基又はアリール基を表す。)で表される金属ホスホン酸錯体化合物が、反応触媒として、前記第一工程、前記第二工程又は第一及び第二工程の両方において用いられる方法。
【請求項2】
前記金属ホスホン酸錯体化合物が下式
【化2】

(式中、nは、0、1、2、3、4、5又は6を表し;
pは、p=(v・q)/2であるところの1ないし30の整数を表し;
Mは、Li、Na、K、Cs、Be、Ca、Mg、Sr、Ba、Al、Sb、Cd、Mn、Fe、Co、Ni、Cu及びZnからなる群より選択される金属を表し;
vは、金属Mの価数を表し、そしてそれは、1、2又は3であり;
qは、q=2p/vであるところの1ないし20の整数を表し;及び
2及びR3は、独立して、水素原子、ヒドロキシル基、ハロゲン原子、直鎖若しくは分岐鎖の炭素原子数1ないし8のアルコキシ基、直鎖若しくは分岐鎖の炭素原子数1ないし8
のアルキル基又はアミノ基を表し;及び
4は、水素原子又は直鎖若しくは分岐鎖の炭素原子数1ないし8のアルキル基を表す。
)で表される請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記金属ホスホン酸錯体化合物が下式
【化3】

(式中、nは、0、1、2、3、4、5又は6を表し;
pは、p=(v・q)/2であるところの1ないし30の整数を表し;
Mは、Li、Na、K、Cs、Be、Ca、Mg、Sr、Ba、Al、Sb、Cd、Mn、Fe、Co、Ni、Cu及びZnからなる群より選択される金属を表し;
vは、金属Mの価数を表し、そしてそれは、1、2又は3であり;
qは、q=2p/vであるところの1ないし20の整数を表し;及び
4は、水素原子又は直鎖若しくは分岐鎖の炭素原子数1ないし8のアルキル基を表す。
)で表される請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記金属ホスホン酸錯体化合物が下式
【化4】

(式中、pは、p=(v・q)/2であるところの1ないし30の整数を表し;
Mは、Li、Na、K、Cs、Be、Ca、Mg、Sr、Ba、Al、Sb、Cd、Mn、Fe、Co、Ni、Cu及びZnからなる群より選択される金属を表し;
vは、金属Mの価数を表し、そしてそれは、1、2又は3であり;及び
qは、q=2p/vであるところの1ないし20の整数を表す。)で表される請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記金属ホスホン酸錯体化合物が下式
【化5】

(式中、nは、0、1、2、3、4、5又は6を表し;
pは、3ないし30の整数を表し;
qは、q=2p/3であるところの2ないし20の整数を表し;及び
1は、水素原子、直鎖若しくは分岐鎖の炭素原子数1ないし36のアルキル基、直鎖若
しくは分岐鎖の炭素原子数1ないし36のアルケニル基、炭素原子数5ないし8のシクロアルキル基又は炭素原子数6ないし10のアリール基を表すか;或いは1ないし4個のヒドロキシル基、ハロゲン原子、直鎖若しくは分岐鎖の炭素原子数1ないし8のアルコキシ基、直鎖若しくは分岐鎖の炭素原子数1ないし8のアルキル基又はアミノ基で置換された前記アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基又はアリール基を表す。)で表される請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記金属ホスホン酸錯体化合物が下式
【化6】

(式中、nは、0、1、2、3、4、5又は6を表し;
1は、水素原子、直鎖若しくは分岐鎖の炭素原子数1ないし36のアルキル基、直鎖若
しくは分岐鎖の炭素原子数1ないし36のアルケニル基、炭素原子数5ないし8のシクロアルキル基又は炭素原子数6ないし10のアリール基を表すか;或いは1ないし4個のヒドロキシル基、ハロゲン原子、直鎖若しくは分岐鎖の炭素原子数1ないし8のアルコキシ基、直鎖若しくは分岐鎖の炭素原子数1ないし8のアルキル基又はアミノ基で置換された前記アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基又はアリール基を表す。)で表される請求項1記載の方法。
【請求項7】
前記金属ホスホン酸錯体化合物が下式
【化7】

(式中、nは、0、1、2、3、4、5又は6を表し;
2及びR3は、独立して、水素原子、ヒドロキシル基、ハロゲン原子、直鎖若しくは分岐鎖の炭素原子数1ないし8のアルコキシ基、直鎖若しくは分岐鎖の炭素原子数1ないし8のアルキル基又はアミノ基を表し;及び
4は、水素原子又は直鎖若しくは分岐鎖の炭素原子数1ないし8のアルキル基を表す。
)で表される請求項1記載の方法。
【請求項8】
前記金属ホスホン酸錯体化合物が下式
【化8】

(式中、nは、0、1、2、3、4、5又は6を表し;及び
4は、水素原子又は直鎖若しくは分岐鎖の炭素原子数1ないし8のアルキル基を表す。
)で表される請求項1記載の方法。
【請求項9】
前記金属ホスホン酸錯体化合物が下式
【化9】

で表される請求項1記載の方法。
【請求項10】
ジカルボン酸がジオールと反応して予備縮合物を製造する方法であって、該ジカルボン酸は、テレフタル酸、イソフタル酸、o−フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、シクロヘキサンジ酢酸、ジフェニル−4,4´−ジカルボン酸、コハク酸、マレイン酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸又はそれらの混合物である請求項1記載の方法。
【請求項11】
ジカルボン酸ジエステルがジオールと反応して予備縮合物を製造する方法であって、該ジカルボン酸ジエステルは、テレフタル酸、イソフタル酸、o−フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、シクロヘキサンジ酢酸、ジフェニル−4,4´−ジカルボン酸、コハク酸、マレイン酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸又はそれらの混合物の炭素原子数1ないし4のジアルキルジエステルである請求項1記載の方法。
【請求項12】
前記ジ酸が、テレフタル酸、イソフタル酸又は2,6−ナフタレンジカルボン酸である請求項10記載の方法。
【請求項13】
前記ジエステルが、テレフタル酸ジメチルである請求項11記載の方法。
【請求項14】
前記ジオールが、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロパン−1,3−ジオール、プロパン−1,2−ジオール、ブタン−1,4−ジオール、ペンタン−1,5−ジオール、ヘキサン−1,6−ジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、3−メチルペンタン−2,4−ジオール、2−メチルペンタン−1,4−ジオール、2,2−ジエチルプロパン−1,3−ジオール、1,4−ジ−(ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)−プロパン、2,4−ジヒドロキシ−1,1,3,3−テトラメチルシクロブタン、2,2−ビス−(3−
ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシプロポキシフェニル)エタン又はそれらの混合物である請求項1記載の方法。
【請求項15】
前記ジオールが、エチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール又はブタン−1,4−ジオールである請求項1記載の方法。
【請求項16】
前記ポリエステルが、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリ(エチレン2,6−ナフタレン−2,6−ジカルボキシレート)又はポリ(1,4−ブチレンテレフタレート)である請求項1記載の方法。
【請求項17】
前記第一工程が、約200ないし約300℃の温度で行われる請求項1記載の方法。
【請求項18】
前記第二工程が、約250ないし約300℃の温度及び約10ないし約0.1トルで行われる請求項1記載の方法。
【請求項19】
前記触媒が、ジカルボン酸又はジカルボン酸ジエステルとジオールの質量に基づき、約1ないし約1500ppmのレベルの質量で用いられる請求項1記載の方法。
【請求項20】
前記触媒が、ジカルボン酸又はジカルボン酸ジエステルとジオールの質量に基づき、約1ないし約1000ppmのレベルの質量で用いられる請求項1記載の方法。

【公表番号】特表2010−503742(P2010−503742A)
【公表日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−527797(P2009−527797)
【出願日】平成19年9月10日(2007.9.10)
【国際出願番号】PCT/EP2007/059447
【国際公開番号】WO2008/034730
【国際公開日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願人】(396023948)チバ ホールディング インコーポレーテッド (530)
【氏名又は名称原語表記】Ciba Holding Inc.
【Fターム(参考)】