Notice: Undefined variable: fterm_desc_sub in /mnt/www/biblio_conv.php on line 353
金属化のためのポリマー含有基体の製造
説明

金属化のためのポリマー含有基体の製造

【課題】低発泡性で、安定で、均一であり、マイクロ粗化およびポリマー除去性能を悪化させず、かつ高Tgポリマーをはじめとする広範囲のTg値のポリマーを膨潤および軟化させるために使用されうる溶媒膨潤剤(solvent swell)を利用する、金属化のためのスルーホールまたはバイアを調製する方法を提供する。
【解決手段】a)ポリマーおよび複数のバイアを含む基体を提供し;b)1種以上の両性界面活性剤、1種以上の有機溶媒および1種以上の分散剤を含む組成物を、前記ポリマーおよび複数のバイアを含む基体上に適用して、複数のバイア内のポリマーを膨潤させ;並びにc)膨潤したポリマーに酸化剤を適用して、バイア内のポリマーを除去するかまたはトポグラフィー変化させる;ことを含む方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属化のためのポリマー含有基体の製造方法に関する。より詳細には、本発明は、安定で、均一でかつ低発泡性である溶媒膨潤剤を使用する、金属化のためのポリマー含有基体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
金属膜と積層されたポリマーから構成される基体が、プリント回路板の製造に使用されうる。典型的には、ポリマーは不活性充填物質と混合されて複合体を形成する。このような積層基体の2以上が一緒にされて、複数層プリント回路板を形成する。この複数層プリント回路板の各積層体間の電気的連絡は、それぞれの板における複数の金属化スルーホール(場合によってはバイアと称される)を通る電気的コネクタによって達成される。このような積層体におけるスルーホール形成操作は、結果的に、内側銅層およびスルーホールの内壁またはバレル上にポリマーのスメアを生じさせる。このポリマーまたは樹脂スメアは、主として、スルーホール形成プロセス中にポリマーが分解する温度を超える温度の発生または利用のせいである。このような場合には、壁の適切な金属化が達成されるべきである場合には、樹脂スメアはスルーホール壁からおよび内側銅層から除去(多くの場合デスメアと称される)されなければならない。堆積される金属へのより良好な接着を達成するために、スメア除去の他に、スルーホールのトポグラフィー(topography)が変化、すなわち、マイクロ粗化またはテクスチャー化されなければならない。板の操作に必要とされる電気的および機械的一体性は、スルーホールが金属堆積物を受けるのに適切に製造されるのを確実にすることによってのみ達成されうる。
【0003】
トポグラフィーを変化させ、樹脂スメアを除去する多くの方法が知られている。例えば、ポリマー成分を気化によって除去するためにプラズマが広く使用されている。別のアプローチは、スルーホールに研磨剤粒子の乾燥または湿潤流れを通すことを伴う。類似の方法は、そのホールに研磨剤物質の粘稠なスラリーを通す液圧を使用する。このような機械的方法は遅く、制御するのが困難であり、かつ所定の回路板におけるスルーホール内の樹脂スメアの実質的な除去を達成するのが困難である。
【0004】
トポグラフィーを変化させ、スルーホールからポリマーまたは樹脂スメアを除去するために、化学的方法が典型的に使用される。最も一般的な化学的方法はスルーホールを過マンガン酸カリウムまたは過マンガン酸ナトリウムのような過マンガン酸塩を含む酸化剤溶液で処理することである。過マンガン酸塩処理は、逐次的に使用される3種の異なる処理溶液を伴いうる。それらは、(1)溶媒膨潤溶液、(2)過マンガン酸塩樹脂除去またはデスメア溶液、および(3)中和溶液である。プリント回路板の製造に使用される複数のスルーホールを含む基体は、各溶液に浸漬されるか、または他の方法で曝露され、これら3種の処理溶液のそれぞれの間に使用される水すすぎ浴を伴う。
【0005】
米国特許第5,132,038号はプリント回路板の製造における金属化のための準備において、スルーホールから樹脂スメアを除去する化学的方法を開示する。この方法において使用される溶媒膨潤剤は、エチレンおよびプロピレングリコールフェニルエーテルのような水非混和性有機液体、水酸化ナトリウムのようなアルカリ金属化合物、およびジスルホン化アルキルジフェニルオキシドのようなアニオン性界面活性剤を含む。別の界面活性剤には、グルコシド、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム、N−アルキルスルホスクシナート四ナトリウム、有機リン酸エステル、ベンゼンスルホン酸ナトリウム塩、N−ヘキシルジフェニルオキシドジスルホン酸ナトリウムおよび類似の種類の界面活性剤が挙げられる。溶媒膨潤剤は、スルーホール内のポリマー物質を軟化するかまたは膨潤して、その後の過マンガン酸塩処理の効力を増大させる。過マンガン酸塩処理の効力とは、ポリマーに関するそのトポグラフィー変化もしくはマイクロ粗化能力をいい、また、スルーホール壁上のポリマーを除去もしくはデスメアすることまたはエッチバック能力もいいうる。過マンガン酸塩処理の後に中和が続き、ひいては、この後に、他の従来の金属化準備工程が続く。
【0006】
米国特許第5,132,038号に開示される配合物をはじめとする、現在利用可能な溶媒膨潤剤配合物の多くの欠点は、それが高発泡性であるということである。高発泡性配合物は、結果的に、使用中に重要な配合成分の枯渇をもたらし、かつ大量生産中の操作の困難さをもたらすので望ましくない。このような重要な成分の枯渇は、結果的に、溶媒膨潤剤の性能を悪化させ、最終的に欠陥品を生じさせる。言い換えれば、溶媒膨潤剤はスルーホール内のポリマーを適切に軟化または膨潤させることができず、その結果、マイクロ粗化およびデスメアは、スルーホールの金属化のためには不充分となる。さらに、浴の作成作業中、すすぎ中、空気攪拌が多くの場合適用される場合、または水平操作における噴霧中に生じる泡は隣接する化学物質浴の汚染をもたらしうる。これは、結果的に、スルーホール内に堆積される金属の接着性の欠陥または堆積金属の欠陥をとにかくもたらし、最終的にプリント回路板の欠陥をもたらす。このような欠陥品は製造コストを増大させ、並びにプリント回路板製品の消費者へのコストも増大させる。
【0007】
溶媒膨潤剤の成分は交換可能であるが、その成分の繰り返しかつ連続的な交換は、発泡のせいで、結果的に、さらなる出費並びに非効率的な製造プロセスをもたらす。溶媒膨潤剤中で枯渇した成分の量を決定し、それらを正確に交換して所望の性能を達成することが、課題を提起する。発泡によって失われた所定の成分の量を正確に決定し、同時に正確にその成分を交換することは困難である。
【0008】
発泡は、溶媒膨潤剤配合物中の1以上の成分によって引き起こされうる。それは、マイクロ粗化またはデスメアする成分によって引き起こされうる。発泡は、溶媒膨潤剤中に典型的に含まれる1種以上の界面活性剤またはその配合物中に含まれる他の成分によって引き起こされうる。低発泡性化合物が存在するが、低発泡に加えて、溶媒膨潤剤に添加される化合物は互いに混和性であり、かつ安定で均一で、かつ信頼性のある配合物を提供しなければならない。言い換えれば、既知の低発泡性界面活性剤が結果的に不安定で不均一な溶媒膨潤剤を生じさせるか、または他の成分の性能、特にマイクロ粗化およびデスメア特性を悪化させる場合には、既知の低発泡性界面活性剤は溶媒膨潤剤配合物には好適でない場合がある。この溶媒膨潤剤は、高い一体性の金属化のためのスルーホールの壁を調製しなければならない。
【0009】
多くの溶媒膨潤剤の別の欠点は、その溶媒膨潤剤が軟化させうるポリマーの種類に限定されることである。過去には、プリント回路板産業は、典型的には、150℃未満の比較的低いT値を有するポリマーを使用した。現在市販されている多くの溶媒膨潤剤は、このようなポリマーの膨潤および軟化に適しているが;より最近では、プリント回路板産業は150℃以上のT値を有する多くのポリマー物質が、プリント回路板の製造においてより望ましいことを見いだしてきた。残念なことに、このような高Tポリマーは、現在利用可能な多くの溶媒膨潤剤に対して耐性である。よって、上述の他の特性に加えて、この産業界は、高Tポリマーをはじめとする、広いT範囲内のポリマーを軟化させることができる溶媒膨潤剤を望んでおり、必要としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許第5,132,038号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
よって、低発泡性で、安定で、均一であり、マイクロ粗化およびポリマー除去性能を悪化させず、かつ高Tポリマーをはじめとする広範囲のT値のポリマーを膨潤および軟化させるために使用されうる溶媒膨潤剤(solvent swell)を利用する、金属化のためのスルーホールまたはバイアを調製する方法についての必要性が存在している。
【課題を解決するための手段】
【0012】
方法は、a)ポリマーおよび複数のバイアを含む基体を提供し;b)1種以上の両性界面活性剤、1種以上の有機溶媒および1種以上の分散剤を含む組成物を、前記ポリマーおよび複数のバイアを含む基体上に適用して、複数のバイア内のポリマーを膨潤させ;並びにc)膨潤したポリマーに酸化剤を適用して、バイア内のポリマーを除去するかまたはトポグラフィー変化させる;ことを含む。
【発明の効果】
【0013】
本方法は、安定で、均一で、低発泡性であって、基体のバイアの金属化の前に酸化剤でそのポリマーを除去するか、またはトポグラフィー変化させることに備えて、基体のポリマーを膨潤および軟化させる、溶媒膨潤剤を含む。溶媒膨潤剤の低発泡性特性は、使用中の枯渇した重要成分を補充しなければならない可能性を低減し、並びに装置、隣接する化学物質浴および作業領域の汚染の可能性を低減する。これは、ひいては、汚染された化学物質浴の機能不良による板の欠陥を阻止し、かつ一時的な製造停止の必要性も阻止する。よって、本方法は、多くの従来の方法よりも効率的でコスト効果的な方法を提供すると同時に、バイアの金属化のための信頼性のある方法を提供する。本方法において使用される溶媒膨潤剤組成物は、酸化剤のトポグラフィー変化およびポリマー除去性能を悪化させない。
【0014】
本方法は、使用されて、低〜高T値を有するポリマーをはじめとする広範囲のポリマーを膨潤させ、トポグラフィー変化させ、および除去することができる。本方法は、プリント回路板製造の垂直および水平プロセスの両方において使用されうる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本明細書を通じて使用される場合、所定の略語は、文脈が明らかに他のことを示さない限りは、次の意味を有する:g=グラム;mg=ミリグラム;mm=ミリメートル;cm=センチメートル;L=リットル;mL=ミリリットル;℃=摂氏度;g/L=グラムパーリットル;wt%=重量パーセント;SEM=走査電子顕微鏡写真;およびT=ガラス転移温度。
【0016】
用語「プリント回路板」および「プリント配線板」は本明細書を通じて交換可能に使用される。用語「バイア」はプリント配線板内の開口部であって、スルーホールとして知られる板を貫通した開口部をいうか、またはブラインドバイアとして知られる、板のある表面に始まり、板の限定された部分のみを通って伸びる開口部をいう。用語「ヒドロトロープ」とは、水溶液中に疎水性化合物を溶解させる化合物を意味する。「ポリマー除去」の表現はデスメアと同義語である。他に示されない限りは、全ての量は重量パーセントである。全ての数値範囲は境界値を含み、このような数値範囲が合計で100%であることに拘束されることが明らかな場合を除いて、任意の組み合わせで組み合わせ可能である。
【0017】
1種以上の両性界面活性剤、1種以上の有機溶媒および1種以上の分散剤を含む組成物が使用されて、トポグラフィー変化、すなわち、マイクロ粗化、およびポリマー除去の前に、様々なポリマーおよびポリマー混合物を膨潤および軟化させることができる。ポリマーには、これに限定されないが、二官能性および多官能性エポキシのようなエポキシ、ポリイミド、シアナートエステル、ビスマレイミドトリアジン(BT)、ポリマーおよび樹脂コート銅(RCC)型物質、エポキシ/ポリフェニレンオキシド、およびこれらの混合物が挙げられる。この組成物は、膨潤性ポリマー、例えば、これに限定されないが、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ポリカーボネート(PC)、ポリフェニレンオキシド(PPO)、ポリフェニレンエーテル(PPE)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリスルホン(PS)、ポリアミド、ポリエステル、例えば、ポリエチレンテレフタラート(PET)およびポリブチレンテレフタラート(PBT)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、液晶ポリマー、ポリウレタン、ポリエーテルイミド、およびこれらの混合物においても有用であり得る。
【0018】
ポリマーは、マイカおよびガラスのような様々な無機物質で強化されうる。典型的には、ポリマーは、二官能性または多官能性エポキシ型のガラス充填エポキシ樹脂のようなエポキシベース、またはクレゾールもしくはフェノールノボラック、ビスマレイミドトリアジン、またはポリイミドベース樹脂である。
【0019】
溶媒膨潤剤組成物は、低〜高Tポリマーおよびポリマー混合物を膨潤させるために使用されうる。一般に、「低Tポリマー」は150℃未満のガラス転移温度を有し、「高Tポリマー」は150℃以上のガラス転移温度を有する。プリント回路板の製造における逐次的ビルドアップ(SBU)用途において、高Tポリマーが典型的に使用される。
【0020】
典型的には、ポリマー物質は、ポリマーの少なくとも一方の側が金属膜で覆われている基体のベース成分である。このような基体は、典型的には、ポリマー物質が板の内側層を形成するプリント配線板の製造において使用される。この板は単層板または複数層板であることができる。
【0021】
一般的には、1種以上の両性界面活性剤、1種以上の水有機溶媒および1種以上の分散剤を含む組成物はポリマーを含む基体に適用されて、そのポリマーを軟化および膨潤させる。その後で、軟化され、膨潤されたポリマーがトポグラフィー変化させられ、そのポリマーの幾分かが酸化剤で除去されうる。溶媒膨潤剤組成物は、好適な方法によって基体に適用されうる。例えば、組成物はその組成物を含む浴中に基体を沈めることにより適用されうるか、または基体上に組成物が噴霧されることができる。溶媒膨潤剤組成物はポリマーが膨潤および軟化を必要とする場合にはいつでも、使用されうる。
【0022】
典型的には、本方法は、プリント回路板の製造において使用される。プリント回路板の製造においては、バイアはそれぞれの回路板基体にパンチで孔あけされるか、ドリルで孔あけされる。溶媒膨潤剤がバイアに浸透し、バイアの内側のポリマーまたはスメアを膨潤させ軟化させるように、溶媒膨潤剤組成物が基体上に適用される。溶媒膨潤剤組成物は垂直または水平システムにおいて使用されうる。
【0023】
一般に、溶媒膨潤剤組成物は基体に30秒〜15分間適用される。典型的には、この組成物は基体に1分〜10分間適用される。基体は、次いで水ですすがれる。
【0024】
溶媒膨潤剤組成物中に使用される両性界面活性剤はヒドロトロピック(hydrotropic)および低発泡性である。両性界面活性剤は、正の官能基および負の官能基の双方を形成する可能性を含むかまたは有する。低発泡性両性界面活性剤には、典型的には顕著な発泡活性を生じさせない両性界面活性剤も挙げられる。両性界面活性剤は溶媒膨潤剤の他の成分と混和性でもあって、その結果、溶媒膨潤剤組成物は安定でかつ均一である。さらに、両性界面活性剤はマイクロ粗化およびポリマー除去性能を悪化させず、よって、高い一体性の接着の金属堆積物を提供する。このような両性界面活性剤は、50g/L〜500g/L、または例えば、100g/L〜300g/L、または例えば120g/L〜200g/Lの量で溶媒膨潤剤中に含まれうる。
【0025】
このような両性界面活性剤には、これに限定されないが、n−アルキルアミノプロピオナート、およびn−アルキルアミノジプロピオナート、およびこれらの混合物などのプロピオナート官能基を含む両性界面活性剤が挙げられる。n−アルキルアミノプロピオナートおよびn−アルキルアミノジプロピオナートには、これに限定されないが、下記一般構造:
【化1】

(式中、Rは8〜22の炭素原子のアルキルまたはヒドロキシアルキル基であり;Xは水素、アンモニウム、またはアルカリ金属、例えば、ナトリウムまたはカリウムである)
を有する化合物が挙げられる。典型的には、1種以上のn−アルキルアミノプロピオナートが溶媒膨潤剤組成物中に含まれる。
【0026】
有機溶媒は、基体のポリマー物質を膨潤し、軟化させる有機溶媒を含む。さらに、このような有機溶媒は、安定で均一な溶媒膨潤剤組成物を提供する。有機溶媒は水非混和性または水混和性でありうる。一般に、水非混和性有機溶媒は、水と均一な混合物を形成しない有機液体であり、水混和性有機溶媒は水と均一な混合物を形成する有機液体である。有機溶媒は、組成物中に、50g/L〜500g/L、または例えば、100g/L〜300g/L、または例えば120g/L〜200g/Lの量で含まれる。典型的には、水非混和性有機溶媒が溶媒膨潤剤組成物中に含まれる。
【0027】
水非混和性有機溶媒には、これに限定されないが、グリコールフェニルエーテル、例えば、エチレングリコールフェニルエーテルおよびプロピレングリコールフェニルエーテル、ラクトン、例えば、バレロラクトン、並びにマロン酸エステル、例えば、マロン酸ジメチルおよびマロン酸ジエチルが挙げられる。
【0028】
水混和性有機溶媒には、これに限定されないが、グリコールエーテル、例えば、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、およびジプロピレングリコールモノブチルエーテル、並びにラクトン、例えば、カプロラクトン、およびブチロラクトン、並びにピロリドン、例えば、1−(2−ヒドロキシエチル)−2−ピロリドン、N−メチル−ピロリドンおよび2−ピロリドンが挙げられる。
【0029】
溶媒膨潤剤に含まれる分散剤はヒドロトロピック特性を有するか、100℃以上の曇り点を有するか、または曇り点を有しない。分散剤は水または有機溶媒ベースの組成物中に可溶性である。このような分散剤は、溶媒膨潤剤の他の成分と混和性でなければならず、かつ安定で均一な組成物を提供しなければならず、かつ酸化剤のトポグラフィーおよびデスメア能力を悪化させてはならない。典型的には、分散剤は、アニオン性または非イオン性であり、より典型的には分散剤はアニオン性である。アニオン性分散剤の例は、アルキルジフェニルオキシド、N−アルキルスルホスクシナート四ナトリウム、有機リン酸エステル、およびポリエーテルスルファートである。非イオン性分散剤の例は、第二級アルコールエトキシラートおよび植物油、例えば、種子油由来の界面活性剤である。このような分散剤は、組成物中に、25g/L〜200g/L、または例えば、50g/L〜150g/Lの量で含まれる。
【0030】
場合によっては、溶媒膨潤剤組成物は1種以上のアルカリ金属化合物も含むことができる。このようなアルカリ金属化合物には、アルカリ金属水酸化物、炭酸塩、ケイ酸塩およびリン酸塩が挙げられる。典型的には、アルカリ金属化合物は、1種以上のアルカリ金属水酸化物、例えば、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムである。アルカリ金属化合物は、組成物中に、0.5g/L〜50g/L、または例えば、5g/L〜40g/Lの量で含まれる。
【0031】
典型的には、溶媒膨潤剤組成物は、水ベースであり、1種以上の両性界面活性剤、1種以上の有機溶媒および1種以上の分散剤から本質的になる。より典型的には、溶媒膨潤剤組成物は1種以上の両性界面活性剤、1種以上の水非混和性有機溶媒および1種以上のアニオン性分散剤から本質的に成る。溶媒膨潤剤の成分は、任意の順で一緒にされることができ、安定で均一な水溶液を形成することができる。溶媒膨潤剤中の成分は溶液から沈殿せず、この成分の部分は室温でまたは操作温度範囲内で様々な層に分離しない。
【0032】
溶媒膨潤剤適用中に使用される温度は、溶媒膨潤剤に使用される具体的な成分およびその成分の濃度に応じて変化する。典型的には、溶媒膨潤剤組成物は室温から90℃、より典型的には60℃〜90℃で使用されうる。
【0033】
基体を水ですすいだ後、酸化剤、例えば、過マンガン酸イオンを含むアルカリ性溶液、例えば、過マンガン酸ナトリムまたはカリウムがスルーホールに適用される。過マンガン酸塩に加えて、アルカリ金属水酸化物またはアルカリ土類金属水酸化物が過マンガン酸塩溶液中に水酸化物イオン源として含まれうる。典型的には、水酸化物イオン源はアルカリ金属水酸化物である。このようなアルカリ金属水酸化物には、これに限定されないが、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムが挙げられる。水酸化物イオン源の混合物も使用されうる。典型的には、水酸化物イオン源は、過マンガン酸塩溶液中に、過マンガン酸塩溶液のpHが12〜14であるような量で使用される。過マンガン酸塩の濃度は、典型的には、20g/L〜150g/Lである。溶媒膨潤剤処理のせいで、酸化剤はバイア内のポリマーのマイクロ粗化に影響を及ぼし、幾分かのポリマー物質を除去し、よって、バイア壁上の金属の無電解金属堆積および接着のための触媒種の吸着のための受容環境を提供する。当該技術分野において周知の従来の条件は、マイクロ粗化またはバイアからのポリマー除去に使用されうる。あるいは、本方法は、エッチバックとして使用されうる。このようなエッチバック条件は従来のものであり、当該技術分野において周知である。
【0034】
上記方法は、バイア表面の全体の準備を構成することができ、または複数処理バイア準備プロセスの一部分を形成することができる。過マンガン酸塩プロセスを伴う溶媒膨潤剤組成物は、マイクロ粗化されたバイア表面を頼りにしている場合がある。後の水でのすすぎは、残留する過マンガン酸塩またはマンガン種を充分に中和することができる。次いで、バイアの金属化が行われる。
【0035】
水すすぎは、場合によっては、バイアの壁上に残留している過マンガン酸塩およびマンガン種の充分な量を除去するかまたは中和することができるが、典型的には、中和工程が金属化方法に含まれる。商業的にまたは文献から容易に得られうる当該技術分野において知られている従来の多くの中和配合物が存在する。典型的には、ヒドロキシルアミンまたはその塩のような中和剤または還元剤が従来の量で、従来の条件下で使用される。また、何らかの残留物を中和しまたは除去するために、硫酸および過酸化水素の希釈溶液が使用されうる。中和後、次いで、基体は水ですすがれる。
【0036】
金属化の準備に含まれる追加の工程には、これに限定されないが、中和後のバイアのコンディショニングが挙げられる。コンディショニングはバイアを正に帯電させ、負に帯電した触媒がバイア壁上に触媒金属として堆積し、次いで、この壁上に無電解金属の堆積を可能にする。多くの従来のコンディショナーが知られ、かつ商業的に利用可能であり、並びに文献に開示されている。このようなコンディショナーは従来の量および従来の条件下で適用される。市販のコンディショナーの例は、CIRCUPOSIT商標コンディショナー3320および3325溶液(マサチューセッツ州、マルボロ、ロームアンドハースエレクトロニックマテリアルズLLCから入手可能)である。コンディショナーを適用するための従来のパラメータが使用されうる。バイアをコンディショニングした後、基体は水ですすがれる。
【0037】
コンディショニング後、バイアは典型的にはマイクロエッチングされる。マイクロエッチングは従来のマイクロエッチ配合物および方法を使用してなされる。例えば、バイアは50g/L〜200g/Lの過硫酸ナトリウムおよび1重量%〜10重量%の硫酸を含む水溶液でマイクロエッチされうる。基体はマイクロエッチ溶液中に浸漬されうるか、または溶液は基体に噴霧されうる。典型的には、次いで、基体は水ですすがれる。
【0038】
バイアの金属化は従来の無電解金属めっきによってなされうる。バイアは、バイアにアクチベータを適用することにより電気伝導性にされる。このようなアクチベータは貴金属または卑金属のコロイド触媒であることができる。アクチベータとして使用される貴金属には、これに限定されないが、金、銀、白金およびパラジウムが挙げられる。典型的にはパラジウムが使用される。典型的には、パラジウムは、市販のアクチベータCIRCUPOSIT商標3344アクチベータ(ロームアンドハースエレクトロニックマテリアルズLLCから入手可能)のようなスズ−パラジウムコロイドとして使用される。別の市販のアクチベータはCATAPOSIT商標44アクチベータ(ロームアンドハースエレクトロニックマテリアルズLLCから入手可能)である。卑金属アクチベータの例は銅およびニッケルである。卑金属が使用される場合には、卑金属は典型的には銅である。銅は酸化銅のようなコロイド触媒において典型的に使用される。
【0039】
場合によっては、アクチベータの触媒活性を増大させまたは最適化するために、アクセレレータが使用されうる。従来のアクセレレータが使用されうる。多くは市販されており、または文献に開示されている。使用されうるアクセレレータの例はフルオロホウ酸塩ベースのアクセレレータである。アクセレレータは、アクチベータの適用後に、ポストディップ(post−dip)として適用される。アクセレレータを適用するための従来のパラメータが使用されうる。市販のアクセレレータの例はアクセレレータ19(ロームアンドハースエレクトロニックマテリアルズLLCから入手可能)である。アクセレレータとアクチベータとの適用の間に、基体は水ですすがれる。
【0040】
バイア壁は、従来の無電解金属めっき浴および方法を用いてめっきされうる。典型的には、バイアは銅で無電解めっきされる。このような浴中の成分の種類および量は広範囲に変化する。市販されているかまたは文献に開示されている様々な無電解銅メッキ浴が存在する。市販の無電解銅金属めっき浴の例はCIRCUPOSIT商標3350−1および880無電解銅めっき浴(ロームアンドハースエレクトロニックマテリアルズLLCから入手可能)である。
【0041】
一般に、使用されうる水性銅無電解めっき浴は、これに限定されないが、1種以上の銅イオン源、1種以上の還元剤、1種以上の錯化剤および1種以上の緩衝剤を含む。典型的には、1種以上の界面活性剤が浴中に含まれる。
【0042】
典型的には、銅イオン源は硫酸銅五水和物によって提供される。他の銅塩が水に可溶性である場合には、他の銅塩が使用されうる。このような銅塩の多くは市販されているかまたは文献において利用可能である。一般に、このような銅塩は、浴中に8g/L〜10g/Lの量で含まれる。
【0043】
無電解銅浴に含まれるうる還元剤には、これに限定されないが、ホルムアルデヒド、ホルムアルデヒド前駆体、ホルムアルデヒドホモポリマー、例えば、パラホルムアルデヒド、トリオキサンおよびグリオキシル、水素化ホウ素、例えば、アルカリ金属水素化ホウ素、および置換水素化ホウ素、並びにジ亜リン酸塩還元剤が挙げられる。このような還元剤は1mL/L〜6mL/Lの量で含まれうる。
【0044】
錯化剤には、これに限定されないが、ロッシェル塩、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、EDTAの塩、ニトリル四酢酸およびそのアルカリ塩、グルコン酸、グルコナート、トリエタノールアミン、グルコノ(ガンマ)−ラクトン、修飾エチレンジアミン酢酸塩、例えば、N−ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸が挙げられる。このような錯化剤は浴中に30g/L〜50g/Lの量で含まれうる。
【0045】
緩衝剤には、これに限定されないが、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムが挙げられる。典型的には、緩衝剤は10〜13のpHを提供する量で使用される。
【0046】
非イオン性、カチオン性またはアニオン性界面活性剤のような様々な界面活性剤が無電解銅めっき浴中に含まれうる。その量は典型的には1g/L〜10g/Lの範囲である。このような界面活性剤は当該技術分野において周知であり、多くのものが商業的に入手可能であり、または文献に開示されている。
【0047】
バイアの無電解めっき後、基体の選択された領域が、従来の電気めっき方法を使用して、典型的にはさらに金属化される。典型的には、電気めっき金属は銅である。好適な市販の銅金属電気めっき浴の例は、COPPER GLEAM商標125T−AB電解銅めっき浴(ロームアンドハースエレクトロニックマテリアルズLLCから入手可能)である。
【0048】
一般に、塩基性銅電気めっき浴は、硫酸銅五水和物、硫酸および1種以上の水可溶性塩素化合物を含むことができる。硫酸銅五水和物の濃度は20g/L〜250g/Lの範囲であり得る。硫酸は浴中に30g/L〜400g/Lの量で含まれうる。水可溶性塩素化合物は、10mg/L〜200mg/Lの量で含まれうる。このような水可溶性塩素化合物の例は、塩酸、塩化ナトリウム、塩化カリウムおよび塩化アンモニウムである。さらに、銅電気めっき浴は、このような浴に典型的に使用される他の添加剤、例えば、これに限定されないが、界面活性剤、緩衝剤、光沢剤、平滑化剤、抑制剤およびグレインリファイナー(grain refiners)を含むことができる。このような添加剤は、従来の量で含まれることができ、当該技術分野において周知であり、多くが市販されておりまたは文献に開示されている。銅電気めっきは従来の電流密度、pHおよび温度で行われる。
【0049】
溶媒膨潤剤の低発泡性は、使用中に枯渇した成分の補充をしなければならない可能性を低減し、並びに隣接する化学物資浴、装置および作業領域の汚染の可能性を低減する。これは、ひいては、汚染された化学物質浴の機能不全のせいであるプリント配線板の欠陥を阻止し、かつ製造の一時停止の必要性も阻止する。よって、本方法は、多くの従来法よりも効率的かつコスト効果的な方法を提供する一方で、バイアの金属化についての信頼性のある準備方法を提供する。本方法において使用される溶媒膨潤剤組成物は、安定で均一でもあり、かつ酸化剤によるトポグラフィー変化またはデスメア性能を悪化させない。溶媒膨潤剤組成物で処理されたポリマーは、次いで、酸化剤によって、ポリマーの良好なマイクロ粗化およびマイクロ粗化されたポリマー上にめっきされた金属の良好な接着性を提供する。金属堆積物の剥離の可能性が低減され、かつ最終的なエレクトロニック製品の信頼性が向上させられる。
【0050】
本方法は、低T値、すなわち150℃未満を有するポリマーから、高T値、すなわち150℃以上を有するポリマーをはじめとする広範囲のポリマーを膨潤させかつ軟化させかつトポグラフィー変化させるために使用されうる。高Tポリマーを膨潤させ、軟化させるために使用されうる溶媒膨潤剤は産業界において非常に望ましいが、その理由は、それらが典型的に多くの従来の溶媒膨潤剤に対して耐性であり、かつそのような高いTのポリマーはプリント回路板産業界でますます一般的になってきているからである。溶媒膨潤剤成分の枯渇、化学物質浴の交差汚染、およびプロセス再開前に何らかの流出物を清浄化しなければならない作業者の必要性のせいで、高発泡性が典型的に製造停止およびプロセス非効率を生じさせる垂直および水平の双方のプリント回路板製造方法において、本方法が使用されうる。
【0051】
本方法はプリント回路板の製造における金属化について、バイアの調製に関して記載されてきたが、ポリマーの膨潤および軟化が望まれる広範囲の用途における広範囲のポリマー含有基体に、本方法および溶媒膨潤剤が適用されうることを当業者は認識しうる。
【0052】
以下の実施例は、本方法および溶媒膨潤剤の様々な形態を例示することを意図しており、その範囲を限定することを意図していない。
【実施例】
【0053】
実施例1(比較)
ロスマイルス泡高さ試験(Ross−Miles Foam Height Test;ASTM D1173−53)が10の水性溶媒膨潤剤サンプルについて試験された。サンプル1〜5(表1)は希釈されなかった。サンプル6〜10(表2)は、すすぎをまねるために、水で希釈されて、0.5%溶液を形成した。重量パーセント濃度での、各溶媒膨潤剤試験溶液の200mLサンプルがシリンダーを通して滴下され、同じ溶液50mLと衝突させられた。衝突力のせいで、泡が発生し、センチメートル単位でのその高さが最初および5分後に測定された。この試験は室温で行われた。溶媒膨潤剤を希釈しない試験は2回行われた。
【0054】
【表1】

【0055】
試験結果は、アルキルアミノプロピオナートを含んでいたサンプルは5分後に最も低い泡高さを有していたことを示した。最良の結果は第1の試験においてサンプル4および5で達成され、それぞれ泡高さは0および0.5cmであり、第2の試験においてはサンプル5で達成され、泡高さは0.5cmであった。
【0056】
【表2】

【0057】
表2における溶媒膨潤剤配合物は、すすぎをまねるために、発泡試験を行う前に、水で、その初期濃度の体積の0.5体積%に希釈された。結果は、アルキルアミノプロピオナートを含んでいた試験サンプルが5分後に最も低い泡高さを有していたことを示した。最良の結果は、泡高さが最初4cmで5分後にそれぞれ4cmと2cmであった、サンプル9および10について達成された。
【0058】
実施例2(比較)
噴霧効果を模倣し、4種の溶媒膨潤剤配合物について泡高さを測定するために、空気高流速試験が行われた。以下の表3は試験された配合物を開示する。
【0059】
【表3】

【0060】
500mLの溶媒膨潤剤試験溶液が2000mLのビーカーに入れられた。プリント回路板の製造のための水平プロセスにおいて使用される場合における、溶媒膨潤剤の適用中の効果を推定するために、1L/分の空気流速が連続的に500mLの試験溶液にポンプで通気された。サンプル11および12における溶媒膨潤剤のための空気流速は1リットル/分であった。結果は、アルキルアミノプロピオナートを含んでいた溶媒膨潤剤は、泡が測定された3つの期間全てにおいて泡の発生が低減していたことを示した。
【0061】
すすぎを模倣するために溶媒膨潤剤試験溶液が0.5体積%に希釈されたことを除いて、この試験が繰り返された。空気流速は2.5L/分であった。表4は測定時点での各サンプルの泡高さを示す。
【0062】
【表4】

【0063】
結果は、泡が測定された3つの期間全てにおいて、アルキルアミノプロピオナートを含んでいた溶媒膨潤剤14が泡の発生を低減させたことを示した。アルキルアミノプロピオナートを含んでいなかったサンプル13については泡高さの値が得られなかったが、これは1分後に泡がビーカーの高さを超えあふれ出たからであった。発泡の結果は、アルキルアミノプロピオナートの添加が、濃縮された形態か希釈溶液としてであったかにかかわらず、発泡を有意に低減させたことを示した。
【0064】
実施例3(比較)
複数のスルーホールを有するS1000−2高T(170℃)エポキシ板4枚がシェンイーカンパニー(Sheng Yi Company;中華人民共和国、広東省、トンコワン市)によって提供された。一枚の板が切断され、露出したスルーホールの表面をSEMを用いて観察した。そのスルーホールの壁の表面は、スルーホールドリルプロセスによって生じたスメアを含んでいた。
【0065】
過マンガン酸カリウムを50g/Lの濃度で含み、pH12の酸化剤水溶液中に第2の板が浸漬された。その溶液の温度は80℃であった。この板は12分間酸化剤水溶液中に浸漬された。酸化剤溶液からその板を取り出した後で、その板は水ですすがれた。CIRCUPOSIT商標MLB中和剤216−5を用いた中和工程の後で、次いで、その板は切断され、複数のスルーホール壁面を露出させた。スルーホールの壁をSEMを用いて樹脂スメアについて観察した。SEMの結果は、幾分かのスメアがスルーホール壁から除去されたが、スルーホール壁面の大部分は依然として樹脂スメアで覆われていたことを示した。さらに、壁面の観察可能なマイクロ粗化はなかった。
【0066】
150g/Lのエチレングリコールフェニルエーテルおよび220g/Lのジスルホン化アルキルジフェニルオキシドを含む溶媒膨潤剤水溶液に第3の板が浸漬された。この板は80℃で8分間、その溶液中に浸漬された。その板は溶媒膨潤剤から取り出され、より良好な循環のために空気攪拌が提供された水で4分間すすがれた。すすぎ中に有意な泡が観察された。それは、次いで、50g/Lの濃度で過マンガン酸カリウムを含み、12のpHの酸化剤溶液に12分間浸漬された。その溶液の温度は80℃であった。その板を酸化剤溶液から取り出した後、その板は4分間水ですすがれた。中和工程の後、次いで、その板が切断され、複数のスルーホール壁面を露出させた。スルーホールの壁はSEMを用いて樹脂スメアについて観察された。SEMの結果は、酸化剤溶液のみで処理された第2の板の壁と比較して、壁面から除去された樹脂スメアの量が増大したことを示した。さらに、壁面はマイクロ粗化されていた。
【0067】
150g/Lのエチレングリコールフェニルエーテル、88g/Lのジスルホン化アルキルジフェニルオキシドおよび132g/Lのn−アルキルアミノプロピオナートを含む溶媒膨潤剤水溶液に第4の板が浸漬された。この板は80℃で8分間、その溶液中に浸漬された。その板は溶媒膨潤剤から取り出され、より良好な循環のために空気攪拌が提供された水で4分間すすがれた。すすぎ中に生じた発泡は無視できる程度であって、第3の板を処理するのに使用された溶媒膨潤剤よりも有意に少なかった。それは、次いで、50g/Lの濃度で過マンガン酸カリウムを含み、12のpHの酸化剤溶液に12分間浸漬された。その溶液の温度は80℃であった。その板を酸化剤溶液から取り出した後、その板は4分間水ですすがれた。中和工程の後、次いで、その板が切断され、複数のスルーホール壁面を露出させた。スルーホールの壁はSEMを用いて樹脂スメアについて観察された。SEMの結果は、第2の板の壁と比較して、壁面から除去された樹脂スメアの量が増大したことを示した。さらに、壁の表面はマイクロ粗化されていた。
【0068】
溶媒膨潤剤へのn−アルキルアミノプロピオナートの添加は、溶媒膨潤剤の膨潤性能を悪化させず、ひいては、酸化剤がスルーホール壁からスメアを除去するのを依然として可能にしており、かつ金属化のための準備において壁をマイクロ粗化した。さらに、n−アルキルアミノプロピオナートは、このプロピオナートを除いた溶媒膨潤剤に対して、発泡を有意に低減させた。さらに、このプロピオナートを含む溶媒膨潤剤は安定で均一であると認められた。
【0069】
実施例4(比較)
Sheng Yiからの4枚の低T(140℃)エポキシ板が提供されたことを除いて、実施例3に記載された手順が繰り返された。一枚の板は、複数のスルーホールをドリル孔あけした後で切断され、SEMを用いてそのスルーホールの壁をスメアについて観察した。観察された壁の全てが有意な樹脂スメアを示した。
【0070】
残りの3枚の板のそれぞれが、次いで、実施例3に記載される3種の溶液の1つで、同じ処理条件下で処理された。過マンガン酸カリウム水溶液のみで処理された板は観察可能なスメア除去またはスルーホール壁のマイクロ粗化を示さなかった。壁面の外観は未処理の板におけるのと実質的に同じであった。
【0071】
エチレングリコールフェニルエーテルおよびジスルホン化アルキルジフェニルオキシドを含む溶媒膨潤剤で処理され、次いで、酸化剤処理された板は、第2の板と比較して増大したスメア除去を示し、かつスルーホール壁のハニカムテクスチャー化を示した。しかし、その溶媒膨潤剤は実施例3におけるように実質的に発泡した。
【0072】
エチレングリコールフェニルエーテル、ジスルホン化アルキルジフェニルオキシドおよびn−アルキルアミノプロピオナートを含む溶媒膨潤剤で処理され、次いで、過マンガン酸カリウム酸化剤で処理された第4の板も、酸化剤のみで処理された板と比較して、増大したスメア除去を示した。さらに、第4の板のSEM分析は第3の板におけるのと同じハニカムマイクロ粗化を示した。さらに、溶媒膨潤プロセス中に発泡はほとんど観察されなかった。
【0073】
溶媒膨潤剤へのn−アルキルアミノプロピオナートの添加はその性能を悪化させず、ひいては、酸化剤がスルーホール壁からスメアを除去することを依然として可能にし、かつ金属化のための準備において壁をマイクロ粗化した。さらに、n−アルキルアミノプロピオナートは、そのプロピオナートを除外した溶媒膨潤剤に対して発泡を有意に低減させた。さらに、そのプロピオナートを含む溶媒膨潤剤は安定で均一であると認められた。
【0074】
実施例5
7枚の積層銅クラッド板が提供される。3種のエポキシ積層体の第1の群は170℃のT値を有する(モデル:ポリクラッド370HR、ウィスコンシン州、ラクロセ、イソララミネートシステムズコーポレーション(Isola Laminate Systems Corp.)から入手可能;およびS1000−2、Sheng Yiから入手可能、およびTUC−752、台湾、Chupei City Hsinchu Hsien、タイワンユニオンテクノロジーコーポレーションから入手可能)。1種のエポキシ積層体(モデル:IT−180、タイワン、Taoyuan、Ping−Cheng Industrial Zone、ITEQコーポレーションから入手可能)は180℃のTを有する。3種のエポキシ積層体は150℃のTを有する(モデル:NPG、タイワン、Taipei Country,Shu−Lin Villa、ナンヤプラスチックスコーポレーション(Nan Ya Plastics Corp.)から入手可能;S−1000およびS−1141 Sheng Yiから入手可能)。各板は、このような目的のために産業界において使用される従来のドリルを使用して、複数のスルーホールをドリルで孔あけする。板1枚あたり500〜1000のスルーホールが存在し、各孔は直径約1mmである。
【0075】
溶媒膨潤剤水性組成物の2種類のストック溶液が造られる。第1の溶媒膨潤剤は150g/Lのエチレングリコールフェニルエーテル、220g/Lのジスルホン化アルキルジフェニルオキシドを含む。第2の溶媒膨潤剤は、150g/Lのプロピレングリコールフェニルエーテル、88g/Lのジスルホン化アルキルジフェニルオキシドおよび132g/Lのn−アルキルイミノジプロピオナートを含む。
【0076】
それぞれの種類の板の1つが第1の溶媒膨潤剤に浸漬され、それぞれの種類の板の1つが第2の溶媒膨潤剤に浸漬される。それぞれの板はそのそれぞれの溶液中に8分間置かれる。その溶液の温度は80℃である。溶媒膨潤剤溶液は、板のポリマー成分を膨潤させ、軟化させる。それぞれの板は溶媒膨潤剤から取り出され、よりよい循環のために空気攪拌が提供される水で3分間すすがれる。第1の溶媒膨潤剤のすすぎプロセス中に有意な泡が発生し、一方、n−アルキルアミノジプロピオナートを含んでいた第2の溶媒膨潤剤については最低限の泡しか観察されなかった。発泡中の損失のせいで、膨潤性能を維持するために第2の溶媒膨潤剤に添加される交換成分は必要とされない。その溶媒膨潤剤組成物は、そのプロセスの間中、安定かつ均一であると思われる。
【0077】
次いで、それぞれの板は、50g/Lの過マンガン酸カリウムを含むpH12のアルカリ酸化剤水溶液に浸漬され、スルーホール壁をデスメアし、マイクロ粗化する。酸化剤溶液の温度は80℃である。この溶液は、板の浸漬中、連続的に混合される。この板は、その溶液中に12分間置かれる。その板は、次いで、取り出され、水で4分間すすがれる。
【0078】
次いで、中和剤が40℃の温度で各板に適用される。その板は中和剤中に5分間置かれて、次いで、取り出され、水で4分間すすがれた。
中和の後で、次いで、各板はCIRCUPOSIT商標コンディショナー3320溶液で処理される。コンディショニングは60℃で5分間行われる。次いで、この板は水で4分間すすがれる。
【0079】
スルーホールをコンディショニングした後、それらはマイクロエッチングされる。各板は、100g/Lの過硫酸ナトリウムおよび2%の硫酸を含む水溶液に浸漬される。この溶液は、マイクロエッチング中混合され、マイクロエッチング浴の温度は30℃である。マイクロエッチングは1分間行われる。各板はマイクロエッチング浴から取り出され、2分間水ですすがれる。
【0080】
次いで、各板がCATAPOSIT商標404プレディップ溶液に室温で1分間浸漬される。その板は、取り出され、次いで、CATAPOSIT商標44パラジウムおよびスズ触媒中に浸漬される。この板は、触媒中に5分間40℃で置かれる。この板は次いで取り出され、水で2分間すすがれる。
【0081】
各板のスルーホール壁は、次いで無電解銅で金属化される。金属化は、各板を無電解銅浴CIRCUPOSIT商標880無電解銅めっき液中に15分間30℃で浸漬することにより行われる。この板は、銅溶液から取り出され、水で3分間すすがれる。
【0082】
次いで、各板は切断されて、スルーホールの銅めっき壁を露出させる。SEMを用いて観察される壁の全ては均一な銅堆積物を有すると思われ、かつ銅の壁への接着性は高い一体性のものである、すなわち銅堆積物の剥離がないと思われる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)1種以上のポリマーおよび複数のバイアを含む基体を提供し;
b)1種以上の両性界面活性剤、1種以上の有機溶媒および1種以上の分散剤を含む組成物を、前記1種以上のポリマーおよび複数のバイアを含む基体上に適用して、前記1種以上のポリマーを膨潤させ;並びに
c)膨潤した1種以上のポリマーに酸化剤を適用して、複数のバイア内の1種以上のポリマーをデスメアするかまたはトポグラフィー変化させる;
ことを含む方法。
【請求項2】
複数のバイアの壁を金属化する工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
1種以上の両性界面活性剤がn−アルキルアミノプロピオナートおよびn−アルキルアミノジプロピオナートから選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
1種以上の有機溶媒が、水非混和性有機溶媒および水混和性有機溶媒から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
水非混和性有機溶媒がグリコールフェニルエーテルである、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
水混和性有機溶媒がグリコールエーテルである、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
分散剤がアニオン性界面活性剤である、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
分散剤が非イオン性界面活性剤である、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
基体がプリント回路板である、請求項1に記載の方法。

【公開番号】特開2011−99087(P2011−99087A)
【公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−182049(P2010−182049)
【出願日】平成22年8月17日(2010.8.17)
【出願人】(591016862)ローム・アンド・ハース・エレクトロニック・マテリアルズ,エル.エル.シー. (270)
【Fターム(参考)】