説明

金属化合物及び薄膜形成用原料

【課題】CVD法、ALD法等に好適な反応剤、特に酸化剤との反応性に優れ、成膜速度向上及び低温薄膜化が可能となるチタニウムプレカーサを提供すること。
【解決手段】下記一般式(1)で表される金属化合物。式中、R1は、水素原子又はメチル基を表し、R2は、メチル基又はエチル基を表し、R3は、メチル基又はエチル基を表す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定の構造を有する金属化合物、当該金属化合物を含有してなる薄膜形成用原料に関する。
【背景技術】
【0002】
CVD法、ALD法等の金属化合物であるプレカーサを揮発させて使用するプロセスにおいて、プレカーサには、融点が低いか液体であること、熱に対して安定であること、酸化剤等との反応性が良好であることが要望されている。
【0003】
チタニウムCVD又はALDのプレカーサとして、その構造中にシクロペンタジエニル基を1つ、アルコキシ基を3つ有する化合物が報告されている。
【0004】
特許文献1には、下記式で表される化合物が開示されている。
【0005】
【化1】

【0006】
特許文献2には、下記式で表される化合物が開示されている。
【0007】
【化2】

【0008】
特許文献3には、Ti(Me5Cp)(OR)3、Ti(R1Cp)(OR23(Rは、メチル、エチル、イソプロピル、R1は水素原子、メチル、エチル、イソプロピル、R2はメチル、エチル、イソプロピル、第3ブチル)で表される化合物が開示されている。
【0009】
しかし、上記のチタニウム化合物は、酸化剤等との反応により、所望の薄膜に転化するときの反応性が不足し、成膜速度が遅い、低温での薄膜製造に不適である問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】韓国公開特許第2008−101040号
【特許文献2】国際公開第2009/36045号
【特許文献3】国際公開第2009/106433号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明が解決しようとする課題は、CVD法、ALD法等に好適な反応剤、特に酸化剤との反応性に優れ、成膜速度向上及び低温薄膜化が可能となるチタニウムプレカーサを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者等は、末端にジアルキルアミノ基を有する特定のアルコキシド誘導体からなるチタニウム化合物が、上記課題を解決しうることを知見し、本発明に到達した。
即ち、本発明は、下記一般式(1)で表される金属化合物を提供するものである。
【0013】
【化3】

【0014】
また、本発明は、上記金属化合物を含有してなる薄膜形成用原料を提供するものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、CVD法、ALD法等に好適な反応性を有する金属化合物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】実施例1で得られた化合物の1H−NMRを示す。
【図2】実施例1で得られた化合物のIRを示す。
【図3】実施例2で得られた化合物の1H−NMRを示す。
【図4】実施例2で得られた化合物のIRを示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明の上記一般式(1)で表される金属化合物において、R1がメチル基の場合は、これが結合する炭素原子は光学活性を有するが、これにより区別されるものではなく、R体、S体でもよく、R体とS体が混在していてもよく、ラセミ体でもよい。
【0018】
上記一般式(1)の金属化合物は、室温で液体であり、反応性が大きい。例えば、酸化剤を使用して、酸化チタン系の薄膜に転化する場合により低温で薄膜に転化できる利点がある。
【0019】
通常、ジアルキルアミノ基等の金属原子への求核基を有する配位子を有するアルコキシド化合物は、当該基を有しないアルコキシドに比べて安定性が向上することが知られている。本発明の金属化合物は、ジエチルアミノ基を導入することで薄膜へ転化する際の反応性を向上させたものである。安定性に寄与するジアルキルアミノ基がこのような効果を有することは知られていない。
【0020】
本発明の金属化合物の具体例としては、下記化合物No.1〜No.6が挙げられる。
【0021】
【化4】

【0022】
本発明の上記一般式(1)で表される金属化合物の製造方法は、特に制限を受けず、周知のビス(シクロペンタジエニル)金属化合物の製造方法に準じて製造することができる。例えば、ペンタメチルシクロペンタジエニルチタニウムトリメトキシドと、HO−CHR1−CH2−NR23とのアルコール交換反応により得ることができる。
【0023】
上記一般式(1)で表される金属化合物は、CVD、ALD、MOD等の薄膜に対して、チタニウム元素を供給する原料として好適である。薄膜形成用原料の他の用途としては、化学反応の触媒、高分子化触媒等が挙げられる。
【0024】
本発明の薄膜形成用原料とは、上記一般式(1)で表される金属化合物からなるものと、上記一般式(1)で表される化合物を含有するものであり、プロセスによって形態が異なる。本発明の薄膜形成用原料は、その物性からプレカーサを気化させる工程を有するALD(Atomic Layer Deposition)法を含む化学気相成長法に使用される原料(以下、単にCVD用原料と記載することもある)として特に有用である。
ALDは、本発明の化合物を基体上に吸着させてから、酸化剤等の反応剤を導入し、反応させて薄膜に転化させるプロセスであるので、反応剤との反応性の大きい本発明の化合物を使用する薄膜製造プロセスとしては、最も好ましい方法である。
【0025】
本発明の薄膜形成用原料がCVD法又はALD法の原料である場合、その形態は使用されるCVD法、ALD法の輸送供給方法等の手法により適宜選択される。
【0026】
上記の輸送供給方法としては、薄膜形成用原料を原料容器中で加熱及び/又は減圧することにより気化させ、必要に応じて用いられるアルゴン、窒素、ヘリウム等のキャリアガスと共に堆積反応部へと導入する気体輸送法、薄膜形成用原料を液体又は溶液の状態で気化室まで輸送し、気化室で加熱及び/又は減圧することにより気化させて、堆積反応部へと導入する液体輸送法がある。気体輸送法の場合は、一般式(1)で表される金属化合物そのものが薄膜形成用原料となり、液体輸送法の場合は、一般式(1)で表される金属化合物又はこれを有機溶剤に溶かした溶液が薄膜形成用原料となる。
【0027】
また、多成分系薄膜を製造する場合の多成分系CVD法、ALD法においては、薄膜形成用原料を各成分独立で気化、供給する方法(以下、シングルソース法と記載することもある)と、多成分原料を予め所望の組成で混合した混合原料を気化、供給する方法(以下、カクテルソース法と記載することもある)がある。カクテルソース法の場合、一般式(1)で表される金属化合物と他のプレカーサとの混合物或いはこれら混合物に有機溶剤媒を加えた混合溶液が原料となる。
【0028】
上記の薄膜形成用原料に使用する有機溶剤としては、一般式(1)で表される金属化合物に対して、不活性の有機溶剤を用いることが出来る。該有機溶剤としては、例えば;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸メトキシエチル等の酢酸エステル類;メチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン、エチルブチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソブチルケトン、メチルアミルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン等のケトン類;ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、トルエン、キシレン等の炭化水素類;1−シアノプロパン、1−シアノブタン、1−シアノヘキサン、シアノシクロヘキサン、シアノベンゼン、1,3−ジシアノプロパン、1,4−ジシアノブタン、1,6−ジシアノヘキサン、1,4−ジシアノシクロヘキサン、1,4−ジシアノベンゼン等のシアノ基を有する炭化水素類が挙げられ、これらは、溶質の溶解性、使用温度と沸点、引火点の関係等により、単独又は二種類以上混合溶媒として用いられる。これらの有機溶剤を使用する場合、該有機溶剤中におけるプレカーサ成分の合計量が0.01〜2.0モル/リットル、特に0.05〜1.0モル/リットルとなるようにするのが好ましい。
【0029】
また、シングルソース法又はカクテルソース法を用いた多成分系のCVD法、ALD法において、本発明の一般式(1)で表される金属化合物と共に用いられる他のプレカーサとしては、特に制限を受けず、薄膜形成用原料に用いられている周知一般のプレカーサを用いることができる。
【0030】
上記の他のプレカーサとしては、アルコール化合物、グリコール化合物、β−ジケトン化合物、シクロペンタジエン化合物及び有機アミン化合物等からなる群から選択される一種類又は二種類以上の有機配位化合物と珪素、ホウ素、リン及び金属との化合物が挙げられる。金属種としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム等の1族元素、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等の2族元素、スカンジウム、イットリウム、ランタノイド元素(ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、プロメチウム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテチウム)、アクチノイド元素等の3族元素、チタニウム、ジルコニウム、ハフニウムの4族元素、バナジウム、ニオブ、タンタルの5族元素、クロム、モリブデン、タングステンの6族元素、マンガン、テクネチウム、レニウムの7族元素、鉄、ルテニウム、オスミウムの8族元素、コバルト、ロジウム、イリジウムの9族元素、ニッケル、パラジウム、白金の10族元素、銅、銀、金の11族元素、亜鉛、カドミウム、水銀の12族元素、アルミニウム、ガリウム、インジウム、タリウムの13族元素、ゲルマニウム、錫、鉛の14族元素、砒素、アンチモン、ビスマスの15族元素、ポロニウムの16族元素が挙げられる。
【0031】
上記の他のプレカーサは、シングルソース法の場合は、熱及び/又は酸化分解の挙動が類似している化合物が好ましく、カクテルソース法の場合は、熱及び/又は酸化分解の挙動が類似していることに加え、混合時に化学反応による変質を起こさないものが好ましい。
【0032】
本発明の薄膜形成用原料は、酸化チタン、チタン酸ストロンチウム薄膜、チタン酸バリウムストロンチウム薄膜、チタン/アルミニウム複合酸化物薄膜、チタン/ケイ素複合酸化物系薄膜、チタン/アルミニウム/ケイ素複合酸化物薄膜等の酸化チタン系薄膜、窒化チタン薄膜、炭窒化チタン薄膜、炭化チタン薄膜、チタン(合金)薄膜等が有用な用途である。例えば、チタン酸ストロンチウム薄膜を製造する場合、併用されるストロンチウム化合物としては、ビス(β−ジケトナト)ストロンチウム誘導体、ビス(β−ケトイミナト)ストロンチウム誘導体、ビス(シクロペンタジエニル)ストロンチウム等が好ましく選択される。
【0033】
本発明の薄膜形成用原料は、これを構成する成分以外の不純物金属元素分、不純物塩素等の不純物ハロゲン、不純物有機分を極力含まないようにする。不純物金属元素分は元素毎では100ppb以下が好ましく、10ppb以下がより好ましい。総量では1ppm以下が好ましく、100ppb以下がより好ましい。不純物ハロゲン分は100ppm以下が好ましく、10ppm以下がより好ましく、1ppm以下が更に好ましい。不純物有機分は総量で500ppm以下が好ましく、50ppm以下がより好ましく、10ppm以下が更に好ましい。また、水分はCVD原料中のパーティクルやCVD法によるパーティクル発生の原因となるので、金属化合物、有機溶剤、求核試薬については、それぞれの水分の低減のために使用の際には予めできる限り水分を取り除いたほうがよい。水分量は10ppm以下が好ましく、1ppm以下がより好ましい。
【0034】
また、本発明の薄膜形成用原料は、製造される薄膜のパーティクル汚染を低減又は防止するために、溶液での光散乱式液中粒子検出器によるパーティクル測定において、0.3μmより大きい粒子の数が100個以下であることが好ましく、0.2μmより大きい粒子の数が液相1ml中に1000個以下であることがより好ましく、100個以下が更に好ましい。
【0035】
本発明の薄膜形成用原料を使用した薄膜のCVD法、ALD法においては、本発明の薄膜形成用原料、必要に応じて用いられる他のプレカーサを気化させた蒸気と必要に応じて用いられる反応性ガスを基板上に導入し、次いで、プレカーサを基板上で分解及び/又は反応させて薄膜を基板上に成長、堆積させる。原料の輸送供給方法、堆積方法、製造条件、製造装置等については、特に制限を受けるものではなく、周知一般の条件、方法を用いることができる。
【0036】
上記の必要に応じて用いられる反応性ガスとしては、例えば、酸化性のものとしては酸素、オゾン、二酸化窒素、一酸化窒素、水蒸気、過酸化水素、ギ酸、酢酸、無水酢酸等が挙げられ、還元性のものとしては水素が挙げられ、また、窒化物を製造するものとしては、モノアルキルアミン、ジアルキルアミン、トリアルキルアミン、アルキレンジアミン等の有機アミン化合物、ヒドラジン、アンモニア、窒素等が挙げられる。
【0037】
また、上記の堆積方法としては、原料ガス又は原料ガスと反応性ガスを熱のみにより反応させ薄膜を堆積させる熱CVD,熱とプラズマを使用するプラズマCVD、熱と光を使用する光CVD、熱、光及びプラズマを使用する光プラズマCVD、CVDの堆積反応を素過程に分け、分子レベルで段階的に堆積を行うALD(Atomic Layer Deposition)が挙げられる。
【0038】
製造条件としては、反応温度(基板温度)、反応圧力、堆積速度等が挙げられる。反応温度については、本発明の一般式(1)で表される金属化合物が充分に反応する温度である100℃以上が好ましく、150℃〜300℃がより好ましい。また、反応圧力は、熱CVD、光CVDの場合、大気圧〜10Paが好ましく、プラズマを使用する場合は、2000Pa〜10Paが好ましい。また、堆積速度は、原料の供給条件(気化温度、気化圧力)、反応温度、反応圧力によりコントロールすることが出来る。堆積速度は、大きいと得られる薄膜の特性が悪化する場合があり、小さいと生産性に問題を生じる場合があるので、0.5〜5000nm/分が好ましく、1〜1000nm/分がより好ましい。また、ALDの場合は、所望の膜厚が得られるようにサイクルの回数でコントロールされる。
【0039】
また、薄膜堆積の後に、より良好な電気特性を得るために不活性雰囲気下、酸化性雰囲気下又は還元性雰囲気下でアニール処理を行ってもよく、段差埋め込みが必要な場合には、リフロー工程を設けてもよい。この場合の温度は、400〜1200℃であり、500〜800℃が好ましい。
【0040】
本発明の薄膜形成用原料を用いた薄膜の製造方法により製造される薄膜は、他の成分のプレカーサ、反応性ガス及び製造条件を適宜選択することにより、酸化物セラミックス、窒化物セラミックス、ガラス、金属、合金等の所望の種類の薄膜とすることができる。これらの薄膜の用途としては、高誘電キャパシタ膜、ゲート絶縁膜、ゲート膜、強誘電キャパシタ膜、コンデンサ膜、バリア膜、導電膜、抵抗可変膜等の電子部品部材、光ファイバ、光導波路、光増幅器、光スイッチ等の光学ガラス部材が挙げられる。
【実施例】
【0041】
以下、実施例及び評価例をもって本発明を更に詳細に説明する。しかしながら、本発明は、以下の実施例等によって、何ら制限を受けるものではない。なお、以下の分析値の%は特に断りのない限り質量%である。
【0042】
[実施例1]化合物No.1の製造
アルゴン置換した反応フラスコにペンタメチルシクロペンタジエニルチタニウムトリメトキシド1モル部、2−ジメチルアミノエタノール4モル部、脱水トルエン5モル部を仕込み、110℃に加熱し、メタノールを留去しながら反応を行った。その後減圧留去により、トルエンを除き、得られた残渣を減圧蒸留した。圧力40Pa、バス温度190℃で留出したフラクションから淡黄色液体である目的物を収率81%で得た。得られた化合物の1H−NMR(重ベンゼン溶媒)を図1に、IRを図2に示す。また、元素分析の結果は以下のとおりである。
Ti含有量(測定方法:硝酸を加え、マイクロウェーブ照射分解し酸化チタンとして定量) 10.9%(理論値10.7%)
CHN分析(測定方法:CHNアナライザー)
炭素58.0%(理論値59.1%)、水素10.0%(理論値10.1%)、窒素9.1%(理論値9.4%)
【0043】
[実施例2]化合物No.2の製造
アルゴン置換した反応フラスコにペンタメチルシクロペンタジエニルチタニウムトリメトキシド1モル部、1−ジメチルアミノ−2−プロパノール4モル部、脱水トルエン5モル部を仕込み、110℃に加熱し、メタノールを留去しながら反応を行った。その後減圧留去により、トルエンを除き、得られた残渣を減圧蒸留した。圧力40Pa、バス温度190℃で留出したフラクションから淡黄色液体である目的物を収率83%で得た。得られた化合物の1H−NMR(重ベンゼン溶媒)を図3に、IRを図4に示す。また、元素分析の結果は以下のとおりである。
Ti含有量(測定方法:硝酸を加え、マイクロウェーブ照射分解し酸化チタンとして定量) 9.6%(理論値9.8%)
CHN分析(測定方法:CHNアナライザー)
炭素61.9%(理論値61.3%)、水素10.4%(理論値10.5%)、窒素8.8%(理論値8.6%)
【0044】
[評価例1]酸化反応温度の評価
上記実施例で得られた化合物No.1、化合物No.2、及びペンタメチルシクロペンタジエニルチタニウムトリメトキシド(下記式)をシリコンウエハ上に滴下した試料について、酸化性ガスであるオゾンと酸素の混合ガス(混合比オゾン4%)500sccm気流下、6〜7℃/分昇温の条件で反応開始温度を測定した。反応は、入射光角度10°でのIR−RAS測定によるスペクトルの変化でモニターを行った。金属化合物と酸化性ガスとの酸化反応により、生成するカルボニル基由来の1650〜1600cm-1に出現する吸収が現れた温度を反応開始温度とした。結果を表1に示す。
【0045】
【表1】

【0046】
【化5】

【0047】
[評価例2]熱安定性の評価
化合物No.1、化合物No.2及びペンタメチルシクロペンタジエニルチタニウムトリメトキシドについて、サンプル量8〜10mg、アルゴン流量100ml/分、昇温速度10℃/分でTG分析を行った。いずれも1段階の揮発のみの質量減少を示し、350℃での残分は1%以下であり、熱安定性に差は観察されなかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1)で表される金属化合物。
【化1】

【請求項2】
上記一般式(1)において、R2及びR3がメチル基である請求項1に記載の金属化合物。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の金属化合物を含有してなる薄膜形成用原料。
【請求項4】
ALD法に使用する請求項3記載の薄膜形成用原料。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−56860(P2012−56860A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−199972(P2010−199972)
【出願日】平成22年9月7日(2010.9.7)
【出願人】(000000387)株式会社ADEKA (987)
【Fターム(参考)】