説明

金属化非延伸フィルムを有するバリア包装用ウェブ

【課題】酸素バリア特性、水蒸気バリア特性及び/又はシール特性が改善された同時押出非延伸金属化シーラントフィルムを有するフレキシブル包装用ウェブの提供。
【解決手段】フレキシブル包装用ウェブであって、a)120000psi未満の割線係数及び150%を超える破断点伸びによって特徴付けられる同時押出非延伸金属化シーラントフィルム10を備え、ここで、該非延伸金属化シーラントフィルムは、(1)エチレン/ビニルアルコール共重合体、エチレン/アクリル酸共重合体、エチレン/ノルボルネン共重合体、ポリアミド及びそれらのブレンドよりなる群から選択される材料の熱可塑性基層11;(2)該基層上に付着し、かつ、1.0〜3.0の光学密度を有する金属被覆12;及び(3)ヒートシール層13を備えるフレキシブル包装用ウェブ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
本発明は、包装の分野に関する。特に、本発明は、包装用途に使用するのに好適なフレキシブル包装用ウェブ、さらに特定すると、酸素と湿気に影響を受けやすい食品及び非食品製品のための包装用ウェブに関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
重合体フィルムのようなプラスチック材料は、様々な食品及び非食品製品を包装するために広く使用されている。このような重合体フィルムで包装された製品の適切な保存状態を確保するためには、そのフィルムに空気、湿気、有害な香気などの透過に対する障壁を与えることが必要である。しかしながら、非改質重合体フィルムは、通常、適切な包装要件に必要とされる十分なガス及び湿気バリア特性がない。例えば、ポリオレフィンフィルムは、それらのコストが低く、また製造も容易であるため、包装用フィルムの製造に特に好ましいものである。しかしながら、このようなフィルムは、通常、当該フィルムの外部から当該フィルムから作られた包装材料の内部に酸素及び水蒸気を透過させる。当業者であれば分かるように、酸素及び水蒸気が食品包装材料を透過すると、その中に包装された食品の変質が促進する。
【0003】
当該技術分野においては、フレキシブル包装用フィルムのバリア特性を改善させるために金属化フィルムを使用することが知られている。通常、このようなバリアフィルムは、金属の薄層、典型的にはアルミニウムの薄層を、金属の付着前に延伸された熱可塑性基材に付着させることによって形成されている。これらの重合体基材又はフィルムに必要なことは、金属化される前に、これらのものが一軸延伸されること、すなわち一方向に引き延ばされこと、又は、ほとんどの場合には、二軸延伸されること、すなわち、縦方向及び横方向の両方に引き延ばされることである。例えば、米国特許第5,283,118号(Murakami外,その開示は引用によって含めるものとする。)には、0.011〜0.10g/100インチ2/24時間の水蒸気透過率値(WVTR)及び1〜30cm3/100インチ2/24時間の酸素透過率値(O2TR)を有する金属化延伸フィルムが開示されている。この金属化は、アルミニウム及びアルミニウム合金を二軸延伸プロピレン単独重合体又は共重合体基材の表面に真空蒸着させることによって実施される。米国特許第5,698,317号(Kurokawa外,その開示は引用によって含めるものとする)には、フィルムについて0.4〜1.14cm3/100インチ2/24時間の酸素透過速度がポリプロピレン系組成を有する二軸延伸多層フィルム包装用ウェブの表面上に金属を真空蒸着させることによって得ることができることが教示されている。米国特許第5,827,615号(Touhsaent外,その開示は引用によって含めるものとする)には、従来の真空蒸着によって適用されたアルミニウム被膜を有するエチレン/ビニルアルコール(EVOH)表面二軸延伸フィルム基材が開示されている。得られたフィルムは、優れたバリア特性、すなわち、0.1g/100インチ2/24時間未満のWVTR値及び0.1cm3/100インチ2/24時間未満のO2TR値を有する。
【0004】
非延伸基材から形成された、十分なガス及び湿気バリア特性を有する金属化包装材料に対する要望がある。
【特許文献1】米国特許第5,283,118号明細書
【特許文献2】米国特許第5,698,317号明細書
【特許文献3】米国特許第5,827,615号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
発明の概要
酸素バリア特性、水蒸気バリア特性及び/又はシール特性が改善された同時押出非延伸金属化シーラントフィルムを有するフレキシブル包装用ウェブを提供することが本発明の目的である。
【0006】
単純でかつ製造するのに費用のかからない、バリア特性が改善された同時押出非延伸金属化シーラントフィルムを有するフレキシブル包装用ウェブを提供することが本発明のさらなる目的である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
これらの目的及び他の目的は、フレキシブル包装用ウェブであって、
a)120000psi未満の割線係数及び150%を超える破断点伸びによって特徴付けられる同時押出非延伸金属化シーラントフィルムを備え、ここで、該非延伸金属化シーラントフィルムは、(1)エチレン/ビニルアルコール共重合体、エチレン/アクリル酸共重合体、エチレン/ノルボルネン共重合体、ポリアミド及びそれらのブレンドよりなる群から選択される材料の熱可塑性基層;(2)該基層上に付着し、かつ、1.0〜3.0の光学密度を有する金属被覆;及び(3)ヒートシール層を備え;
b)該包装用ウェブが73°F及び0%の相対湿度で0〜10.0cm3/100インチ2/24時間の酸素ガス透過速度(23℃で0〜155cm3/m2/24時間)と、100°F及び90%の相対湿度で0〜0.1g/100インチ2/24時間の水蒸気透過速度(38℃で0〜1.55g/m2/24時間)とを有する、
フレキシブル包装用ウェブを提供する本発明によって達成される。
【0008】
好ましくは、当該非延伸フィルムは、同時押出吹込成形法によって同時押出される。
【0009】
本発明の一実施形態では、当該基層はエチレン/ビニルアルコール共重合体であり、当該包装用ウェブは73°Fで0〜0.5cm3/100インチ2/24時間の酸素ガス透過速度(23℃で0〜7.75cm3/m2/24時間)を有する。
【0010】
本発明の別の実施形態では、当該基層はエチレン/アクリル酸共重合体であり、当該包装用ウェブは73°Fで0〜0.5cm3/100インチ2/24時間の酸素ガス透過速度(23℃で0〜7.75cm3/m2/24時間)を有する。
【0011】
本発明のさらに別の実施形態では、当該基層はポリアミドであり、当該包装用ウェブは73°Fで0〜0.5cm3/100インチ2/24時間の酸素ガス透過速度(23℃で0〜7.75cm3/m2/24時間)を有する。
【0012】
本発明のさらに別の実施形態では、当該基層はエチレン/ノルボルネン共重合体であり、当該包装用ウェブは73°Fで0〜5.0cm3/100インチ2/24時間の酸素ガス透過速度(23℃で0〜77.5cm3/m2/24時間)を有する。
【0013】
いくつかの実施形態では、当該包装用ウェブは、280°F(138℃)で2000g/インチ(2000g/2.54cm)の最小ヒートシール強度を有する。
【0014】
本発明のフレキシブル包装用ウェブは、延伸フィルム又は非延伸フィルムの第2層をさらに備えることができる。当該第2層の延伸フィルムは、任意の熱可塑性材料を含むことができ、好ましくは、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリ乳酸又はそれらのブレンドの少なくとも1個の層を有する熱可塑性フィルムを備えることができる。非延伸フィルムは、任意の熱可塑性又は非熱可塑性材料、例えば、紙、板紙、ボール紙、再生セルロースなどを含むことができる。一実施形態では、本発明は、非延伸金属化シーラントフィルムの金属層に隣接して延伸フィルムを有する多層包装用ウェブである。別の実施形態では、本発明は、非延伸金属化シーラントフィルムの金属層に隣接して非延伸フィルムを有する多層包装用ウェブである。さらに別の実施形態では、本発明は、非延伸金属化シーラントフィルムの金属層に隣接して延伸フィルムを有する2層包装用ウェブである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図面の簡単な説明
図1は、本発明に従う非延伸金属化シーラントフィルムの一実施形態の断面図を示すものである。
【0016】
図2は、本発明に従う2層包装用ウェブの一実施形態の断面図を示すものである。
【0017】
図3は、本発明に従う2層包装用ウェブの別の実施形態の断面図を示すものである。
【0018】
図4は、本発明に従う2層包装用ウェブのさらに別の実施形態の断面図を示すものである。
【0019】
定義
本明細書において使用するときに、用語「積層」とは、多層フィルム構造を形成させるために2つ以上の連続するフィルム表面を互いに結合させることによる方法及びそれによって得られた製品をいう。積層は、フィルムと接着剤とを接着積層を使用して又はフィルムとタイ層とを押出被覆を使用して結合させることによって達成できる。積層については、米国特許第5,374,459号(Mumpower外)に記載されている。当該特許文献は、引用によってここに含めるものとする。
【0020】
用語「熱可塑性」とは、熱にさらされたときに軟化し、室温にまで冷却されたときに軟化していない状態に実質的に戻る材料をいう。本発明のいくつかの実施形態では、包装用ウェブの第1ウェブ又は第2ウェブ、好ましくは少なくとも第2ウェブは、熱可塑性材料を含む。或いは、包装用ウェブの第1ウェブと第2ウェブの両方は熱可塑性材料を含む。
【0021】
用語「重合体」には、単独重合体及び共重合体、例えば、ブロック、グラフト、ランダム及び交互共重合体、三元共重合体など、並びにそれらのブレンド及び変性物が含まれるが、これらに限定されない。さらに、特に限定しない限り、用語「重合体」には、当該材料の可能な全ての立体配置異性体が含まれるものとする。これらの立体配置としては、アイソタクチック、シンジオタクチック及びアタクチック対称が挙げられるが、これらに限定されない。
【0022】
本明細書において使用するときに、用語「共重合体」とは、少なくとも2種の異なる単量体の重合反応によって形成された重合体をいう。例えば、成句「エチレン/ノルボルネン共重合体」は、エチレンとノルボルネンとの共重合反応生成物を包含し得る。用語「共重合体」とは、いずれかの単量体が他の単量体又は他の複数の単量体よりも高い重量パーセント又はモルパーセントで共重合できる共重合体をいう。ただし、最初に挙げた単量体は、好ましくは、2番目に挙げた単量体よりも高い重量パーセントで重合する。共重合体の化学的同一性に関して「/」を用いる用語(例えば、エチレン/ノルボルネン共重合体)は、共重合して共重合体を生成する共単量体を特定するものである。
【0023】
本明細書において使用するときに、用語「押出」とは、溶融したプラスチック材料をダイに通し、次いで冷却させる又は化学的に硬化させることによって連続的な形状をつくる方法をいう。
【0024】
本明細書において使用するときに、用語「同時押出」とは、2個以上の押出器の樹脂生成物を供給ブロック中で共に滑らかな状態にして多層流れを形成させ、これをダイに供給して層状押出物を生成させる方法をいう。同時押出は、キャストフィルム及びインフレートフィルム同時押出方法において使用できる。
【0025】
本明細書において使用するときに、成句「インフレートフィルム同時押出」とは、フィルム層を押しやり、円筒形の多層フィルムバブルに成形する、多マニホールド円形ダイヘッドを有する装置を含む同時押出方法をいう。このバブルを、例えば、冷却水浴、固体表面及び/又は空気により急冷させ、次いで最終的に圧潰し、多層フィルムに成形することができる。インフレートフィルム方法を使用して製造されたフィルムは、当該分野において知られており、例えば、The Encyclopedia of Chemical Technology,Kirk−Othmer,第3版,John Wiley & Sons,New York,1981年,Vol.16,pp.416−417及びVol.18,pp.191−192に記載されている(これらの開示は引用によって本明細書に含める)。典型的には、1個以上のフィルム層を形成させる樹脂及び任意の添加剤を押出器に導入し、ここで当該樹脂を加熱により溶融可塑化させ、次いでバブル又はチューブ成形用の押出(又は同時押出)ダイに移す。適宜、樹脂を周知の方法によりタンブラー、ミキサー又はブレンダーを備える市販の装置を使用してブレンド又は機械混合することができ、そして、周知の添加剤、例えば、加工助剤、スリップ剤、ブロッキング防止剤、顔料及びそれらの混合物を押出前にブレンドによって当該樹脂に取り入れることができる。押出器及びダイの温度は、一般に、処理加工される混合物を含有する特定の樹脂によるが、市販の樹脂についての好適な温度範囲は、当該技術分野において一般的に知られており、又は樹脂の製造者が利用できる技術告知に提供されている。処理加工温度は、選択される他の処理パラメーターに応じて変更できる。成形後に、このバブルを冷却し、圧潰し、そしてさらなる処理加工のためにローラーに巻き付ける。
【0026】
用語「表面処理する」及び「表面処理」とは、両者とも、フィルム層の表面エネルギー(又は表面張力)を変化させる任意の技術をいい、コロナ処理、火炎処理及びプラズマ処理、オゾン、超高周波放電、UV又はレーザー衝突、化学プライミングなどを含むことができるが、これらに限定されない。成句「コロナ処理」とは、一般に、高圧電場によって生じた放電が重合体基材を通過する方法をいう。この放電又は「コロナ」は、基材を取り囲む酸素分子をイオン化し、次いでこれが基材の表面原子と化学的に相互作用し、それによって重合体基材の表面エネルギーを変化させることができると考えられる。
【0027】
本明細書において使用するときに、成句「非延伸多層フィルム」とは、成形後の延伸が実質的にない多層フィルム構造をいう。押出後の延伸がフィルムの引張特性にかなりの影響を与えることが当業者に知られている。引張特性としては、例えば、降伏点引張強度、破断点引張強度(又は最大引張強度)、引張係数(又はヤング係数)並びに降伏点及び破断点伸び率を挙げることができるが、これらに限定されない。
【0028】
成句「割線係数」とは、プラスチックフィルム試料の弾性係数又はヤング係数の近似値をいう。割線係数は、曲線の起点(歪みゼロ)から応力−歪み曲線の特定の歪み点までの直線の傾きと定義される。プラスチックフィルムの割線係数を測定するための手順は、薄いプラスチックシートの引張特性のためのASTM D882基準試験法に示されている(引用によって本明細書に含める)。本発明の目的では、割線係数は、1%及び2%の歪みで測定される。
【0029】
成句「破断点伸び」とは、プラスチックフィルム試料の破断の瞬間での引張応力によって生じる伸び、すなわち、伸張又は引張をいう。破断点伸びは、当該試料の元の長さのパーセンテージとして表される場合が多い。プラスチックフィルムの破断点伸びを測定するための手順は、薄いプラスチックシートの引張特性のためのASTM D882基準試験法に示されている(引用によって本明細書に含める)。
【0030】
本明細書において使用するときに、成句「エチレン/ノルボルネン共重合体」とは、環状オレフィン単量体及びエタンを主成分とする重合体材料の部類をいう。エチレン/ノルボルネン共重合体は、商業上、エチレン重合体骨格にランダムに又は交互に結合した1種以上の異なる環状オレフィン単位を有する環状オレフィン共重合体「COC」として知られている。一般に、COCは、高いガラス転移温度(50℃を超える)、光学的透明性、低い熱収縮、低い吸湿及び低い複屈折を示す。これらの材料は、1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロ−1,4:5,8−ジメタノナフタリン(テトラシクロドデセン)の8,9,10−(2−トリノルボルネン)のような環状単量体とエタンとの連鎖重合;又は様々な環状単量体の開環複分解、次いで水素化を包含し得る多数の重合技術によって製造できる。
【0031】
本明細書において使用するときに、成句「エチレン/ビニルアルコール共重合体」及び用語「EVOH」とは、両者とも、重合されたエチレンビニルアルコールをいう。エチレン/ビニルアルコール共重合体としては、鹸化(又は加水分解)エチレン/アクリル酸ビニル共重合体が挙げられるが、これは、例えば、アクリル酸ビニル共重合体の加水分解やビニルアルコールとの化学反応によって製造されたエチレン共重合体を有するビニルアルコール共重合体を指す。加水分解率は、好ましくは、少なくとも50%、より好ましくは少なくとも85%である。好ましくは、エチレン/ビニルアルコール共重合体は、約28〜48モル%のエチレン、より好ましくは約32〜44モル%のエチレン、さらに好ましくは約38〜44モル%のエチレンを含む。
【0032】
本明細書において使用するときに、用語「ポリアミド」とは、当業者に知られている任意の方法によって形成できる単量体単位間にアミド結合を有する単独重合体又は共重合体をいう。一般に、ポリアミドとしては、結晶質、半結晶質及び非晶質であることを特徴とする材料を挙げることができる。成句「非晶質ポリアミド」とは、原子寸法と比較して大きな間隔に及ぶ分子又は分子のサブユニットの規則的な三次元配置が存在しないポリアミド又はナイロンをいう。しかしながら、局所的な規模では構造の規則性が存在する。Encyclopedia of Polymer Science and Engineering,第2版,pp.789−842(J.Wiley & Sons,Inc.1985;引用によって本明細書に含める)における「非晶質重合体」を参照されたい。特に、非晶質ポリアミドは、示差走査熱量測定(DSC)により測定可能な融点を有しない(0.5カロリー/g未満)又はASTM 3417−83(引用によって本明細書に含める)を使用してDSCで測定されるときに融解熱を有しないものであると当業者が一般的に認める材料である。対照的に、結晶質及び半結晶質ポリアミドは、示差走査熱量測定によって測定されるときに少なくとも一つの融点又は融解熱を有するものであると特定できる。有用なポリアミド単独重合体としては、ナイロン6(ポリカプロラクタム)、ナイロン11(ポリウンデカノラクタム)、ナイロン12(ポリラウリルラクタム)などが挙げられる。また、他の有用なポリアミド単独重合体としては、ナイロン4,2(ポリテトラメチレンエチレンジアミド);ナイロン4,6(ポリテトラメチレンアジパミド);ナイロン6,6(ポリヘキサメチレンアジパミド);ナイロン6,9(ポリヘキサメチレンアゼラミド);ナイロン6,10(ポリヘキサメチレンセバカミド);ナイロン6,12(ポリヘキサメチレンドデカンジアミド);ナイロン7,7(ポリヘプタメチレンピメラミド);ナイロン8,8(ポリオクタメチレンスベラミド);ナイロン9,9(ポリノナメチレンアゼラミド);ナイロン10,9(ポリデカメチレンアゼラミド);ナイロン12,12(ポリドデカメチレンドデカンジアミド)なども挙げられる。有用なポリアミド共重合体としては、ナイロン6,6/6共重合体(ポリヘキサメチレンアジパミド/カプロラクタム共重合体);ナイロン6/6,6共重合体(ポリカプロラクタム/ヘキサメチレンアジパミド共重合体);ナイロン6,2/6,2共重合体(ポリヘキサメチレンエチレンジアミド/ヘキサメチレンエチレンジアミド共重合体);ナイロン6,6/6,9/6共重合体(ポリヘキサメチレンアジパミド/ヘキサメチレンアゼライアミド/カプロラクタム共重合体)並びに本明細書では具体的に示していない他のナイロンが挙げられる。さらに好適なポリアミドの例としては、ナイロン4,I;ナイロン6,I;ナイロン6,6/6I共重合体;ナイロン6,6/6T共重合体;MXD6(ポリ−m−キシレンアジパミド);ナイロン6T/6I共重合体;ナイロン6/MXDT/I共重合体;ナイロンMXDI;ポリ−p−キシレンアジパミド;ポリヘキサメチレンテレフタルアミド;ポリドデカメチレンテレフタルアミドなどが挙げられる。市販のポリアミドとしては、商品名Ultramid(商標)の下にBASF Aktiengesellschaft社(ドイツ国ルートウィヒスハーフェン)が販売する樹脂、特に、195〜197℃の融点及び1.12g/cm3の密度を有するUltramid(商標)C33 01として特定される結晶質6/6,6コポリアミドが挙げられる。
【0033】
本明細書において使用するときに、用語「ポリオレフィン」とは、当業者に知られている任意の方法によって形成できる単量体単位間にメチレン結合を有する単独重合体及び共重合体(例えば二元重合体、三元共重合体などを含む)をいう。ポリオレフィンの好適な例としては、ポリエチレン(PE)、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)及び高密度ポリエチレン(HDPE);エチレンと1種以上のα−オレフィン、例えばブテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1又は共単量体としてのこの種のものとの共重合体を含むポリエチレン、例えば線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、極低密度ポリエチレン(VLDPE)及び超低密度ポリエチレン(ULDPE);エチレン/プロピレン共重合体;ポリプロピレン;プロピレン/エチレン共重合体;ポリイソプレン;ポリブチレン;ポリブテン;ポリ−3−メチルブテン−1;ポリ−4−メチルペンテン−1;イオノマーなどが挙げられる。市販のポリエチレンの例としては、例えば、商品名Alathon(商標)の下に販売されているようなHDPE樹脂、特に0.960g/cm3の密度及び2.0g/10分のメルトインデックスを有するAlathon(商標)M6020(ライオンデル・ケミカル・カンパニー,米国テキサス州ヒューストンから得ることができる);及び商品名Equistar Petrothene(商標)の下に販売されているようなLDPE樹脂、特に、0.923g/cm3の密度及び3.7g/10分のメルトインデックスを有するEquistar Petrothene(商標)NA216−000(エクイスター・ケミカル・カンパニー,米国テキサス州ヒューストンから得ることができる。)が挙げられる。
【0034】
本明細書において使用するときに、本明細書において「m−PE」「m−VLDPE」「m−LLDPE」「m−MDPE」などとして特定される成句「メタロセン触媒ポリエチレン」とは、束縛構造触媒、すなわち、米国特許第5,026,798号(Canich,引用によって本明細書に含める)に教示されているモノシクロペンタジエニル遷移金属錯体を含むメタロセン触媒系を用いた共重合反応によって形成された任意のポリエチレンをいう。メタロセン触媒ポリエチレンは、分子量分布(Mw/Mn)、組成分布幅指数(CDBI)、狭い融点範囲及び単一の融点挙動といった当業者に知られている一以上の方法によって特徴付けることができる。「多分散度」としても知られている分子量分布(Mw/Mn)は、ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)で測定することができるが、ここで、Mwは重量平均分子量と定義され、Mnは数平均分子量と定義される。重合体及び共重合体の分子量測定は、ASTM D−3593−80(引用により本明細書に全体的に含める)において概説されているとおりに測定できる。本発明で使用するのに好適なメタロセン触媒ポリエチレンは、エチレンとα−オレフィンとの均一系触媒共重合体であり、2.7未満;より好ましくは、約1.9〜2.5;さらに好ましくは約1.9〜2.3のMw/Mnを有することができる。α−オレフィンとは、3〜20個の側鎖炭素原子;好ましくは3〜12個の側鎖炭素原子;より好ましくは3〜6個の側鎖炭素原子を有する共重合体と定義される。エチレン及びα−オレフィンの均一系触媒共重合体の組成分布幅指数(CDBI)は、一般に70%を超えるであろう。これは、一般に55%未満という広い組成分布指数を有し得るエチレンとα−オレフィンとの不均一系触媒共重合体とは対照的である。CDBIとは、全共単量体モル含有量中央値の50パーセント(すなわち、プラス又はマイナス50%)以内の共単量体含有量を有する共重合体分子の重量パーセントと定義される。組成分布幅指数(CDBI)は、Wild外,Journal of Polymer Science,Poly.Phys著,第20巻,p.441(1982)及び米国特許第4,798,081号(両方とも引用によりそのまま本明細書に含める)に記載されるような昇温溶離分別(TREF)技術により測定できる。市販のメタロセン触媒ポリエチレン(m−PE)の例としては、メタロセン触媒中密度ポリエチレン(m−MDPE)、例えば、0.934g/cm3の密度、0.9g/10分のメルトインデックス及び124℃の融点を有し、トータル・ペトロケミカルズ・USA・インク(米国テキサス州ヒューストン)によって販売されるようなものが挙げられる。
【0035】
本明細書において使用するときに、用語「ポリ乳酸」及び「ポリラクチド」は、単量体単位間にエステル結合を有する単独重合体又は共重合体をいうために同義語として用い、また、これは、一般式[−OCH(R)C(O)−]n(ここで、R=CH3である)によって表すことができる。ポリ乳酸は、主としてトウモロコシの炭水化物発酵により製造される乳酸を重合させることによって製造できる。また、ポリ乳酸は、2つの乳酸分子の縮合によって得られるラクチドの重合により製造することもできる。ポリ乳酸は、50〜80℃の範囲のガラス転移温度を有すると同時に、溶融温度は130〜180℃を範囲とする。ポリ乳酸は当業者には周知であり、米国特許第5,698,322号;同5,142,023号;同5,760,144号;同5,593,778号;同5,807,973号;及び同5,010,145号(それぞれの全体の開示を引用によって含める)に完全に開示されている。市販のポリ乳酸の例は、カーギル・ダウLLC(米国ミネソタ州ミネアポリス)から商品名NatureWorks(商標)PLA重合体の下に4031−D、4032−D及び4041−Dの等級で販売されているものである。
【0036】
本明細書において使用するときに、用語「無水物変性」とは、無水物含有単量体と共重合されているか、重合体若しくは共重合体上にグラフトされる第2の異なる単量体と共重合されているか、1種以上の重合体とブレンドされているかどうかを問わず、マレイン酸、フマル酸などの無水物のような無水物官能基の任意の形態をいい、このような官能基の誘導体、例えば、それらから得られる酸、エステル及び金属塩を包含する。本発明によれば、好適な無水物変性材料の例としては、無水物変性エチレン/酢酸ビニル共重合体(mod−EVa)及び無水物変性ポリオレフィン、好ましくは該無水物変性ポリオレフィンの総重量に対して0.05〜1重量%のマレイン酸無水物及び99〜99.95重量%のポリオレフィンを有する無水物変性ポリエチレン共重合体(mod−PE)が挙げられるが、これらに限定されない。当業者であれば、無水物変性材料は、同時押出フィルム又は包装用ウェブを製造するに際して好適な接着材料又はタイ材料として機能し得ることが分かるであろう。市販の無水物変性ポリエチレン共重合体(mod−PE)の例としては、イー・アイ・デュポン・ドゥ・ヌムール・アンド・カンパニー(米国デラウェア州ウィルミントン)から得ることができる商品名Bynel(商標)の下に販売されている樹脂、特に1.5g/10分のメルトインデックス、125℃の融点を有するBynel(商標)41E712及びエクイスター・ケミカルズLP(米国テキサス州ヒューストン)から入手できる商品名Plexar(商標)の下に販売されているもの、特に、4.0g/10分のメルトインデックス、127℃の融点及び0.939g/cm3の密度を有するPlexar(商標)PX3308を挙げることができる。
【0037】
本明細書において使用するときに、成句「再生セルロース」とは、木材パルプからビスコース法により製造されたフィルムをいう。また、再生セルロースは、セロファンと呼ぶこともできる。
【0038】
本明細書において使用するときに、成句「金属被覆」(塗布されたときに金属層を形成するもの)とは、スパッタ法、真空蒸着法又は電気めっき法(これらの全ては、フィルムを「金属化」する定義に含まれ、金属、金属酸化物又は金属合金の連続層を重合体基材の表面上に「付着」させる行動又は方法を包含する)のような既知の任意の方法によってフィルムの一方の表面及び両方の表面に塗布できる被覆物をいう。使用される金属は様々であるが、アルミニウム、亜鉛、金、銀又はこのようなものの好適な合金が好ましく、アルミニウム又はアルミニウム含有合金が特に好ましい。当業者であれば分かるように、当該金属被覆はこの特定した金属(例えばアルミニウム)から優先的になるが、付着金属層の物性と光学的特性との調和を改善させるために所定量の他の添加剤が存在してもよい。場合によっては、純粋なアルミニウム(又は最適な金属)を使用することができる。アルミニウム(又は最適な金属)が主成分となるように、他の添加剤を少量使用できるかもしれない。真空蒸着が処理加工及びコストの点で好ましい金属化方法である。金属被覆層の平均厚さについての好ましい値は、約1.0〜100ナノメートルの範囲内にあり、好ましい平均厚さは、約3〜25ナノメートルの範囲内にある(1ミクロンは10-7メートルに等しく、1ナノメートルは10-8メートルに等しい)。ただし、金属被覆は、好ましくはこのものが付着する重合体基材未満の厚さ、好ましくは実質的に該基材未満の厚さを有する。これに対し、包装用フィルムの用途で使用される典型的な金属ホイルは、The Wiley Encyclopedia of Packaging Technology,第2版における「Foil,Aluminum」(アルミニウム・アソシエーション・インクのホイル部門,pp.458−463,引用によって本明細書に含める)に記載されるように、4.3〜150ミクロンの厚さを有する。アルミニウム蒸着被覆層について、重要な条件は、およそ0.75〜4、好ましくは1.0〜3.0の光学密度(金属付着)である。
【0039】
本明細書において使用するときに、成句「シーラントフィルム」とは、包装用ウェブ表面の一部分(すなわち、単層又は多層から形成されたもの)であって、フィルム又は包装用ウェブ表面の第2部分に結合する融着物を形成させることができるものをいう。シーラントフィルムは、フィルムの結着性を失うことなく、隣接するフィルム接触表面への熱伝導及びその間の付着界面の形成のために少なくとも一方のフィルム接触表面上に十分な熱を生じさせる従来の間接的加熱手段によって熱融着させることができる。当業者であれば、隣接する中間層間の付着界面は、好ましくは、包装過程及びその後の取り扱い(例えばシーラントフィルムを利用して包装材内部に密閉された食品本体の存在に付随する伸びや収縮により生じる張力を含む)に耐えるのに十分な物理的強度を有することが分かるであろう。有利には、当該付着界面は、好ましくは、食品の包装操作、保存、出荷、輸送、陳列又は加工時などにおける周囲温度よりも高い又は低い温度にさらされたときに、そこからガスや液体が漏れるのを防ぐのに十分なほど熱に安定である。ヒートシールは、予想される用途の様々な条件を満たすように設計することができ、様々なヒートシールの処方が当該技術分野において知られており、当該開示で使用できる。自家料理の用途に使用するためには、ヒートシールは、約160〜180°F(71〜82℃)以上、例えば212°F(100℃)までの高温に、蒸すための加熱加湿空気から加熱水への浸漬までを範囲とすることができる環境中で長期間、例えば4〜12時間までにわたり耐えることが必要である。好ましくは、シーラント層は、それ自身ヒートシール可能であるが、他の物体、フィルム又は層、例えば蓋用のフィルムとして使用する場合のトレイ又はラップシール若しくは所定のトレイ上包の実施形態における外層にもシール可能である。また、所定の実施形態では、このシール性層は、食品接触層でもある。他の実施形態では、当該シーラント層は、十分な物理的強度を失うことなくフィルム表面間に可剥性の付着界面を与えるように調節できる。シーラント層を使用して又は他の層と組み合わせて包装用フィルム中に可剥性付着界面を形成させる方法は、当該技術分野において周知であり、例えば、米国特許第RE37,171号(Busche外)及び米国特許出願公開第2006/0269707(Berbert)に記載されている。当該特許文献は、両方とも引用により本明細書に含めるものとする。さらに他の実施形態では、シーラントフィルムは、可剥性及び再シール性の付着界面を与えるようにさらに調節できる。既知の可剥性及び再シール性のシーラント及びフィルム層の例としては、米国特許出願公開第2006/0172131(Haedt外)及び同2007/0082161(Cruz外)に記載されている構造のものが挙げられる。これらの特許文献は、両方とも引用により本明細書に含めるものとする。
【0040】
当業者であれば、包装用ウェブは、フィルムが目標の基材にシールされた後に、その「剥離強度」(これは、2つの隣接するフィルム表面間の界面の少なくとも一部分を分離させるのに必要な力を指す)の観点から説明できることが分かるであろう。剥離強度を測定するための方法の一つは、ASTMインターナショナル(米国ペンシルバニア州ウェストコンショホッケン)が発行するASTM F−904試験法「Standard Test Method for Comparison of Bond Strength or Ply Adhesion of Similar Packaging Webs Made from Flexible Materials」である(引用によって本明細書に含める)。
【0041】
ここで、図面を参照しつつ本発明の特定の実施形態を説明するが、このような実施形態は例示にすぎず、本発明の技術思想の応用を表すことができる多くの可能な具体例のほんの僅かにすぎない例であると理解すべきである。
【0042】
発明の詳細な説明
本発明は、金属化非延伸同時押出シーラントフィルムを有するフレキシブル包装用ウェブに関する。延伸ウェブと非延伸ウェブとを区別するための方法の一つは、延伸の前後の相対的な引張特性を測定することである。例えば、米国特許出願公開第2005/0287359号(Breese,引用によって本明細書に含める)は、例えば、高密度ポリエチレンの6ミル単層フィルムの引張特性に及ぼす成形後延伸の影響を実証している。特に、Breeseは、フィルムの延伸が増大するに従い(流れ方向に)、非延伸フィルム試料に対してモジュラスが増加し破断点伸び率が減少する(流れ方向に)ことを教示する。本発明のシーラントフィルムは、延伸されず、かつ、いかなる成形後延伸も示さない引張特性を有する。好ましくは、本発明の非延伸シーラントフィルムは、120000psi未満の割線係数及び150%を超える破断点伸びを示す。対照的に、延伸フィルムは、120000psiを超える割線係数及び150%未満の破断点伸びを有する。例えば、二軸延伸ポリアミド(OPA)フィルム、例えば商品名Honeywell Capran(商標)の下に販売されているもの、特にHoneywell Capran(商標)Emblem(商標)1000は、流れ方向(MD)で400000psi〜564000psi及び横方向(TD)で385000psi〜537000psiの割線係数並びに流れ方向(MD)で65%〜90%及び横方向(TD)で55%〜90%の破断点伸びを有する。二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(OPET)フィルム、例えば、商品名Mylar(商標)の下に帝人デュポンフィルム株式会社が販売するものは、550000psiの公表モジュラス並びに流れ方向(MD)で110%及び横方向(TD)で80%の破断点伸びを有する。二軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPP)、例えば、エクソンモービル・ケミカル・カンパニーから入手できるものは、流れ方向で343000psi及び横方向で687000psiの公表モジュラスを有する。
【0043】
図1は、本発明に従う金属化非延伸同時押出シーラントフィルム10の一実施形態の部分断面図を示している。熱可塑性基層11と、基層11の表面上に付着した金属被覆12と、ヒートシール層13とを少なくとも備えるフィルム10が示されている。基層11は、任意の天然又は合成熱可塑性材料、好ましくはポリオレフィン、例えばポリエチレン;ポリプロピレン;ポリブチレン;ポリエチレン共重合体(エチレン/α−オレフィン、エチレン/ビニルアルコール共重合体(EVOH)、エチレン/ノルボルネン共重合体(COC)、エチレン/酢酸ビニル(EVA)及びエチレン/アクリル酸共重合体(EAA)が挙げられるが、これらに限定されない。);ポリアミド、特に、非晶質ポリアミド;ポリエステル、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンイソフタレート及びポリエチレンナフタレート;ポリカーボネート;イオノマー;並びにそれらのブレンドを含むことができる。好ましいエチレン/アクリル酸共重合体(EAA)の例としては、ザ・ダウ・ケミカル・カンパニー(米国ミシガン州ミッドランド)から入手できるDow Primacor(商標)類の樹脂、例えば、0.938g/cm3の公表密度、5g/10分のメルトフロー、96℃の融点を有するDow Primacor(商標)1430等級のものが挙げられる。好ましい実施形態では、基層11は、エチレン/ビニルアルコール共重合体(EVOH)、エチレン/ノルボルネン共重合体(COC)、非晶質ポリアミド及びそれらのブレンドを含むことができる。本発明で使用するのに適した市販のエチレン/ビニルアルコール(EVOH)共重合体の例としては、SOARNOL(商標)類の樹脂、例えば、0.64〜0.74g/cm3の公表嵩密度、1.13〜1.22g/cm3の相対密度、164〜188℃の融点、38モル%のエチレン含有量を有し、大阪府の日本合成化学工業株式会社(Nippon Gohsei)から入手できるSOARNOL(商標)ET3803等級のものが挙げられるが、これらに限定されない。本発明で使用するのに適した好ましいエチレン/ノルボルネン共重合体の例としては、商品名APEL(商標)の下にミツイ・ケミカル・アメリカ・インク(米国ニューヨーク州ライブルック)が市販するもの;ARTON(商標)の下に千葉県のJSR株式会社(旧日本合成ゴム株式会社)が販売するもの;及びTOPAS(商標)の下にTOPAS Advanced Polymers GmbH(ドイツ国フランクフルト−ヘキスト)が販売するものが挙げられるが、これらに限定されない。TOPAS(商標)類の樹脂のさらに好ましい例としては、136℃のガラス転移温度、1.02g/cm3の密度並びに23℃及び100%相対湿度で0.01%の吸水率を有するTOPAS(商標)8007が挙げられる。本発明に使用するのに適した市販の好ましい非晶質ポリアミドの例としては、商品名DuPont(商標)Selar(商標)の下にイー・アイ・デュポン・ドゥ・ヌムール・アンド・カンパニー(米国デラウェア州ウィルミントン)が販売する樹脂が挙げられるが、これに限定されない。さらに好ましいポリアミドの例としては、1.19g/cm3の密度及び125℃のガラス転移温度を有するナイロン6I/6T共重合体であるDuPont(商標)Selar(商標)PA3426が挙げられる。好ましくは、基層11は、0.05〜10ミルの全厚さを有する。
【0044】
金属被覆12は、基層11の一以上の表面に、当業者に知られている従来のあらゆる金属付着方法により付着できる。金属被覆12は、任意の金属、金属酸化物又は金属合金を含むことができ、好ましくは、これはアルミニウム又はアルミニウム合金である。好ましくは、真空蒸着技術を使用してアルミニウム又はアルミニウム合金の層を基層11の表面に適用する。好ましくは、金属被覆12は、1.0〜100ナノメートルの厚さを有する。
【0045】
図に示すように、ヒートシール層13は基層11に隣接して位置し、また任意の望ましいヒートシール性材料を含むことができる。好ましくは、ヒートシール層13は、ポリオレフィン、例えば、ポリエチレン、イオノマー、ポリエステル、例えばポリエチレンテレフタレート、又はそれらのブレンドを含む。好ましい実施形態では、層13は、ポリエチレン又はポリエチレン共重合体を含み、最も好ましくは、低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、メタロセン触媒極低密度ポリエチレン(m−VLDPE)、メタロセン触媒線状低密度ポリエチレン(m−LLDPE)、エチレン/酢酸ビニル共重合体又はそれらのブレンドを含む。好ましい低密度ポリエチレン(LDPE)の例としては、ザ・ダウ・ケミカル・カンパニー(米国ミシガン州ミッドランド)によって供給されるもの、特に、0.923g/cm3の密度、2.60g/10分のメルトインデックス及び113℃の融点を有するDow Polyethylene 608Aが挙げられる。本発明において使用するのに適した市販のLLDPEの例としては、商品名Dowlex(商標)、特に、0.920g/cm3の密度、1.0g/10分のメルトインデックス、122℃の融点を有し、ザ・ダウ・ケミカル・カンパニー(米国ミシガン州ミッドランド)から入手できるDowlex(商標)2045G.;及びエクソンモービル・ケミカル・カンパニーが販売するもの、例えば、0.918g/cm3の密度、1.0g/10分のメルトインデックス及び120℃の融点を有するExxonMobil(商標)LLDPE LL1001が挙げられるが、これらに限定されない。本発明で使用するのに適したm−LLDPE樹脂としては、例えば、商品名Exact(商標)の下に販売されるもの、特に0.900g/cm3の密度、7.5g/10分のメルトインデックス及び95℃の融点を有するエチレン/α−オレフィン共重合体であるExact(商標)3139が挙げられるが、これらに限定されない。好適なm−VLDPE樹脂としては、例えば、商品名Exceed(商標)の下に販売されるもの、特に、0.912g/cm3の密度、1.0g/10分のメルトインデックス及び116℃の融点を有するエチレン/α−オレフィン共重合体であるExceed(商標)1012CAが挙げられる。m−LLDPE及びm−VLDPEのこれらの例は、それぞれ米国テキサス州ヒューストンのエクソンモービル・ケミカル・カンパニーから得ることができる。好適な市販のエチレン/酢酸ビニル共重合体の例としては、DuPont(商標)Elvax(商標)類の樹脂、特に0.95g/cm3の密度、1.5g/10分のメルトインデックス、89℃の融点、18モル%の酢酸ビニル含有量を有し、イー・アイ・デュポン・ドゥ・ヌムール・アンド・カンパニー(米国デラウェア州ウィルミントン)が販売するDuPont(商標)Elvax(商標)3169Zが挙げられるが、これらに限定されない。
【0046】
また、シーラントフィルム10は、防酸素層及び防湿層、シーラント層、バルク層及び接着剤層又はタイ層(これらに限定されない)を含め、任意の数の追加のフィルム層を適宜含むことができることも意図される。
【0047】
別の実施形態では、シーラントフィルム10は、第2シーラント層(図示しない)をさらに備え、当該第2シーラント層は、ヒートシール層13と接触した状態にあり、かつ、ヒートシール層13と基層11との間に位置する。好ましくは、当該第2シーラント層(図示しない)は、1種以上の酸化防止剤を含む。本発明における有用な酸化防止剤としては、例えば、ビタミンE、クエン酸、アスコルビン酸、パルミトレイン酸アスコルビル、ブチル化フェノール系酸化防止剤、t−ブチルヒドロキノン(TBHQ)及び没食子酸プロピル(PG)が挙げられる。好ましくは、使用される酸化防止剤は、例えば、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)及びブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)を含めたブチル化フェノール系酸化防止剤である。当業者であれば、酸化防止剤、特に揮発性酸化防止剤、例えばブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)及びブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)は、保存中にフィルムから移動するので、包装材料を実際に使用して商品(食料品を含むがこれに限定されない)を包装し保存する時点で包装用フィルム中に残存する酸化防止剤の量が減少し得ることが分かるであろう。ヒートシール層13は、酸化防止剤が第2シーラント層及びヒートシール層13からシーラントフィルム10の表面に移動するのを制御し、それによってシーラントフィルム10が元々の酸化防止剤の量を高いパーセンテージで保持するのを可能にするものと思われる。
【0048】
図2には、本発明に従う包装用ウェブの別の実施形態が例示されている。包装用ウェブ100は、金属化非延伸同時押出シーラントフィルム10(すなわち、図1に示すように、熱可塑性基層11、金属被覆12及びヒートシール層13を含む)と、延伸フィルム20とを備える。図に示すように、延伸フィルム20は、金属被覆12の表面に隣接すると共に基層11とは反対に位置するが、金属被覆12とは接触していてもよいし接触していなくてもよい。延伸フィルム20は、任意の延伸熱可塑性材料を適宜含むこととができ、好ましくは、延伸ポリエチレンテレフタレート、延伸ポリプロピレン又は延伸ポリアミドを含む。追加の層及び材料の様々な組合せを延伸フィルム20の成形に使用できることに留意すべきである。
【0049】
図3は、本発明の別の実施形態を示す。図に示すように、包装用ウェブ200は、金属化非延伸同時押出シーラントフィルム10(熱可塑性基層11、金属被覆12及びヒートシール層13を含む)、延伸フィルム20及び接着剤層21を備える。好ましくは、延伸フィルム20は二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(OPET)フィルムである。接着剤層21は、フィルム20をフィルム10に張り付ける役割をする。一実施形態では、接着剤層21は、二液型ポリウレタン接着剤である。OPETフィルムの例としては、商品名Skyrol(商標)の下に販売されれているもの、特にSKC Co.,Ltd.(韓国ソウル)が製造する48ゲージSkyrol(商標)SP65が挙げられるが、これらに限定されない。
【0050】
図4は、本発明のさらに別の実施形態を例示するものである。包装用ウェブ300は、金属化非延伸同時押出シーラントフィルム10(熱可塑性基層11、金属被覆12及びヒートシール層13を備える)と、延伸フィルム20と、第1中間層31と、第2中間層32とを備える。図示するように、層31は、延伸フィルム20と層32との間に位置する。一実施形態では、延伸フィルム20は二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(OPET)フィルムであり、層31は低密度ポリエチレン(LDPE)であり、層32はエチレン/アクリル酸共重合体(EAA)である。層32は、フィルム20及び層31の両方をフィルム10に貼り付ける役割をすることができる。
【0051】
本発明を実施する際には、積層前に、フィルム20か又はフィルム10のいずれかの外部表面を表面処理することが望ましいかもしれない。
【実施例】
【0052】
例1
100.00重量%のエチレン/ビニルアルコール共重合体(EVOH)かなる基層を、100.00重量%の無水物変性線状低密度ポリエチレン(mod−LLDPE)からなる0.125ミルの厚さの接着剤(タイ)層及び61.20重量%の線状低密度ポリエチレン(LLDPE)と、33.50重量%のメタロセン触媒線状低密度ポリエチレン(m−LLDPE)と、5.30重量%の加工添加剤とを含む1.0ミルの厚さのヒートシール(シーラント)層と共に0.125ミルの厚さに同時押出した。この3層フィルムを、インフレートフィルム同時押出法を使用して同時押出した。得られた非延伸同時押出フィルムは、およそ1.25ミルの全厚さを有しており、これを引張特性について試験し、次いでロールの形に巻いた。次いで、このロールを、基層の外部表面上にアルミニウム蒸着させることにより2.2の光学密度にまで金属化させた。金属化非延伸同時押出フィルムは、次の構造を有していた:金属/EVOH/mod−LLDPE/LLDPE+m−LLDPE。
【0053】
例2
100.00重量%のエチレン/アクリル酸共重合体(EAA)からなる基層を、56.10重量%の低密度ポリエチレン(LDPE)と、25.00重量%の線状低密度ポリエチレン(LLDPE)と、18.00重量%の低密度ポリエチレン濃厚顔料と、0.90重量%の加工添加剤とを含む0.14ミルの厚みの層、100.00重量%の無水物変性線状低密度ポリエチレン(mod−LLDPE)からなる0.10ミル厚のタイ層、100.00重量%のエチレン/ビニルアルコール共重合体(EVOH)からなる0.25ミル厚の層、100.00重量%の無水物変性線状低密度ポリエチレン(mod−LLDPE)からなる0.10ミル厚のタイ層、56.10重量%の低密度ポリエチレン(LDPE)と、25.00重量%の線状低密度ポリエチレン(LLDPE)と、18.00重量%の低密度ポリエチレン濃厚顔料と、0.90重量%の加工添加剤とを含む0.20ミル厚の層、及び50.00重量%のメタロセン触媒線状低密度ポリエチレン(m−LLDPE)と42.20重量%の低密度ポリエチレン(LDPE)と7.80重量%の線状低密度ポリエチレン加工添加剤との混合物からなる0.20ミルの厚さのヒートシール層(シーラント)と共に0.26ミルの厚さにまで同時押出した。得られた非延伸同時押出フィルムは、およそ1.25ミルの全厚さを有し、これを引張特性について試験し、次いでロールの形に巻いた。次いで、このロールを、基層の外部表面上にアルミニウム蒸着させることにより2.2の光学密度にまで金属化させた。当該金属化非延伸同時押出フィルムは、次の構造を有していた:金属/EAA/LDPE+LLDPE/mod−LLDPE/EVOH/mod−LLDPE/LDPE+LLDPE/m−LLDPE+LDPE。
【0054】
例3
90.00重量%のエチレン/ノルボルネン共重合体(COC)及び10.00重量%の線状低密度ポリエチレン(LLDPE)からなる基層を、100.00重量%のメタロセン触媒中密度ポリエチレン(m−MDPE)からなる0.500ミル厚の(バルク)層、90.00重量%のエチレン/ノルボルネン共重合体(COC)と10.00重量%の線状低密度ポリエチレン(LLDPE)とからなる0.188ミルの厚みの層、50.00重量%のメタロセン触媒極低密度ポリエチレン(m−VLDPE)と、18モル%のアセテート含有量を有する27.00重量%のエチレン/酢酸ビニル共重合体(EVA)と、20.00重量%の90:10ポリエチレン(PE):ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)混合物と、3.00重量%の加工添加剤とを含む0.188ミル厚の第1シール層、及び60.00重量%のメタロセン触媒極低密度ポリエチレン(m−VLDPE)と、18モル%のアセテート含有量を有する34.00重量%のエチレン/酢酸ビニル共重合体(EVA)と、6.00重量%の加工添加剤混合物との0.188ミル厚第2ヒートシール層(ヒートシール層)と共に0.188ミルの厚さにまで同時押出した。この5層フィルムを、インフレートフィルム同時押出法を使用して同時押出した。得られた非延伸同時押出フィルムはおよそ1.25ミルの全厚さを有しており、これを引張特性について試験し、次いでロールの形に巻いた。次いで、このロールを、基層の外部表面上にアルミニウム蒸着させることによって2.0の光学密度目標にまで金属化させた。当該金属化非延伸同時押出フィルムは次の構造を有していた:金属/COC+LLDPE/m−MDPE/COC+LLDPE/m−VLDPE+EVA+(PE+BHT)/m−VLDPE+EVA。
【0055】
例4
90.00重量%のエチレン/ノルボルネン共重合体(COC)と10.00重量%の線状低密度ポリエチレン(LLDPE)との基層を、85.00重量%の線状低密度ポリエチレン(LLDPE)と15.00%の無水物変性線状低密度ポリエチレン(mod−LLDPE)とを含む0.188ミルの厚さの接着剤(タイ)層、100.00重量%の結晶質6/6,6等級コポリアミド(c−PA)からなる0.125ミルの厚みの層、85.00重量%の線状低密度ポリエチレン(LLDPE)と15.00%の無水物変性線状低密度ポリエチレン(mod−LLDPE)とからなる0.188ミルの厚さの接着剤(タイ)層、98.00重量%の高密度ポリエチレン(HDPE)と2.00重量%の重合体添加剤(酸化防止剤、安定剤など)を含む0.188ミルの厚みの層、50.00重量%のメタロセン触媒極低密度ポリエチレン(m−VLDPE)と、18モル%のアセテート含有量を有する27.00重量%のエチレン/酢酸ビニル共重合体(EVA)と、20.00重量%の90:10ポリエチレン(PE):ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)混合物と、3.00重量%の加工添加剤との0.188ミル厚第1シール層、及び60.00重量%のメタロセン触媒極低密度ポリエチレン(m−VLDPE)と、18モル%のアセテート含有量を有する34.00重量%のエチレン/酢酸ビニル共重合体(EVA)と、6.00重量%の加工添加剤混合物との0.188ミル厚第2ヒートシール層(ヒートシール層)と共に0.188ミルの厚さにまで同時押出した。この7層フィルムを、インフレートフィルム同時押出法を使用して同時押出した。得られた非延伸同時押出フィルムはおよそ1.25ミルの全厚さを有しており、これを引張特性について試験し、次いでロールの形に巻いた。次いで、このロールを、基層の外部表面上にアルミニウム蒸着させることによって2.0の光学密度目標にまで金属化させた。この金属化非延伸同時押出フィルムは、次の構造を有していた:金属/COC+LLDPE/LLDPE+mod−LLDPE/c−PA/LLDPE+mod−LLDPE/HDPE/m−VLDPE+EVA+(PE+BHT)/m−VLDPE+EVA。
【0056】
例1〜4における非金属化フィルムの引張特性をインストロン引張試験機で測定した。引張値を流れ方向(MD)及び横方向(TD)の両方で決定した。1%及び2%での割線係数並びに破断点伸びについて、実質的にASTM D822にしたがって試験した。2インチの初期グリップ分離をこの測定のために使用した。まず、当該フィルムを0.5インチ/分の速度で引張り;次いで4%の歪みで引張り、この速度を20インチ/分の速度に変更し、そしてフィルムが破断するまで引っ張った。結果を表1に報告する。
【0057】
【表1】

【0058】
例5
例1で記載した金属化非延伸同時押出シーラントフィルムを48ゲージの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムに接着積層方法により積層した。得られた2層フレキシブル包装用ウェブは次の構造を有していた:48ゲージのOPET/接着剤/金属/EVOH/mod−LLDPE/LLDPE+m−LLDPE。
【0059】
例6
例1で記載した金属化非延伸同時押出シーラントフィルムをコロナ処理された下塗り48ゲージ二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムに押出積層方法によって積層した。得られた2層フレキシブル包装用ウェブは次の構造を有していた:48ゲージOPET/LDPE/EAA/金属/EVOH/mod−LLDPE/LLDPE+m−LLDPE。
【0060】
例7
例5と同様の方法を繰り返したが、ただし、例2で説明した金属化非延伸同時押出シーラントフィルムを48ゲージ二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムに積層した。得られた2層フレキシブル包装用ウェブは次の構造を有していた:48ゲージOPET/接着剤/金属/EAA/LDPE+LLDPE/mod−LLDPE/EVOH/mod−LLDPE/LDPE+LLDPE/m−LLDPE+LDPE。
【0061】
例8
例6と同様の方法を繰り返したが、ただし、例2で説明した金属化非延伸同時押出シーラントフィルムを48ゲージ二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムに積層した。得られた2層フレキシブル包装用ウェブは次の構造を有していた:48ゲージOPET/LDPE/EAA/金属/EAA/LDPE+LLDPE/mod−LLDPE/EVOH/mod−LLDPE/LDPE+LLDPE/m−LLDPE+LDPE。
【0062】
例9
例5と同様の方法を繰り返したが、ただし、例3で説明した金属化非延伸同時押出シーラントフィルムを48ゲージ二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムに積層した。得られた2層フレキシブル包装用ウェブは次の構造を有していた:48ゲージOPET/接着剤/金属/COC+LLDPE/m−MDPE/COC+LLDPE/m−VLDPE+EVA+(PE+BHT)/m−VLDPE+EVA。
【0063】
例10
例5と同様の方法を繰り返したが、ただし、例4で説明した金属化非延伸同時押出シーラントフィルムを48ゲージ二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムに積層した。得られた2層フレキシブル包装用ウェブは次の構造を有していた:48ゲージOPET/接着剤/金属/COC+LLDPE/LLDPE+mod−LLDPE/c−PA/LLDPE+mod−LLDPE/HDPE/m−VLDPE+EVA+(PE+BHT)/m−VLDPE+EVA。
【0064】
例11
例5と同様の方法を繰り返したが、ただし、例4で説明した金属化非延伸同時押出シーラントフィルムを延伸ポリプロピレンフィルムに積層した。得られた2層フレキシブル包装用ウェブは次の構造を有していた:OPP/接着剤/金属/COC+LLDPE/LLDPE+mod−LLDPE/c−PA/LLDPE+mod−LLDPE/HDPE/m−VLDPE+EVA+(PE+BHT)/m−VLDPE+EVA。
【0065】
比較例1
例5と同様の方法を繰り返したが、ただし、28ミクロンの厚さの金属化延伸ポリプロピレンシーラントフィルムを48ゲージ二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムに積層した。この金属化延伸シーラントフィルムはMetallyte(商標)X−28UBW−ESとして特定されかつエクソンモービル・ケミカル(米国テキサス州ヒューストン)から得られるOPPフィルムであった。得られた2層フレキシブル包装用ウェブは次の構造を有していた:48ゲージOPET/接着剤/28ミクロン厚金属化OPPシーラント。
【0066】
比較例2
例5と同様の方法を繰り返したが、ただし、40ミクロンの厚さの金属化延伸ポリプロピレンシーラントフィルムを48ゲージ二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムに積層した。この金属化延伸シーラントフィルムはMetallyte(商標)X−40UBW−ESとして特定されかつエクソンモービル・ケミカル(米国テキサス州ヒューストン)から得られるOPPフィルムであった。得られた2層フレキシブル包装用ウェブは次の構造を有していた:48ゲージOPET/接着剤/40ミクロン厚金属化OPPシーラント。
【0067】
比較例3
例5と同様の方法を繰り返したが、ただし、140ミクロン厚金属化延伸ポリプロピレンシーラントフィルムを48ゲージ二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムに積層した。この金属化延伸シーラントフィルムは、Treofan(商標)として特定されかつトレオファングループ(ドイツ国ラウンハイム)から得られるOPPフィルムであった。得られた2層フレキシブル包装用ウェブは次の構造を有していた:48ゲージOPET/接着剤/140ミクロン厚金属化OPPシーラント。
【0068】
比較例4
例6と同様の方法を繰り返したが、ただし、28ミクロンの厚さの金属化延伸ポリプロピレンシーラントフィルムを48ゲージ二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムに積層した。この金属化延伸シーラントフィルムはMetallyte(商標)X−28UBW−ESとして特定されかつエクソンモービル・ケミカル(米国テキサス州ヒューストン)から得られるOPPフィルムであった。得られた2層フレキシブル包装用ウェブは次の構造を有していた:48ゲージOPET/LDPE/EAA/28ミクロン厚金属化OPPシーラント。
【0069】
比較例5
例6と同様の方法を繰り返したが、ただし、40ミクロンの厚さの金属化延伸ポリプロピレンシーラントフィルムを48ゲージ二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムに積層した。この金属化延伸シーラントフィルムはMetallyte(商標)X−40UBW−ESとして特定されかつエクソンモービル・ケミカル(米国テキサス州ヒューストン)から得られるOPPフィルムであった。得られた2層フレキシブル包装用ウェブは次の構造を有していた:48ゲージOPET/LDPE/EAA/40ミクロン厚金属化OPPシーラント。
【0070】
例5〜11及び比較例1〜5の酸素透過速度(O2TR)及び水蒸気透過速度(WVTR)を測定した。酸素透過速度を、Mocon Oxtran(商標)酸素透過性試験機型式2/20及び2/21を使用することにより実質的にASTM D 3985(引用によって本明細書に含める)にしたがって測定した。酸素透過速度をcm3/100インチ2/24時間(cm3/645.16cm2/24時間)で報告する。水蒸気透過速度を、Mocon Permatran W(商標)3/31水蒸気透過試験機を使用することにより実質的にASTM F1249(引用によって本明細書に含める)にしたがって測定した。水蒸気透過速度をg/100インチ2/24時間(g/645.16cm2/24時間)で報告する。前述の例(「Ex.」)及び比較例(「CEx.」)の結果を表2に示す。
【0071】
【表2】

【0072】
例5、6、7及び9と比較例1〜4とのヒートシール強度を、パッケージング・インダストリーズ・インク社製型式12ASヒートシーラー及びTinius Olsen引張試験機を使用して測定した。試験前に、例5、6及び9と比較例1及び4のそれぞれの包装用ウェブ自体をヒートシールした。例7と比較例2及び3を試験前にポリエチレンフィルムにそれぞれヒートシールした。ヒートシール操作は、1.0インチのシールバーを使用して30psi〜40psiのバー圧力及び1秒の保圧時間で達成した。ヒートシール強度を、180°F(82℃)〜320°F(160℃)で実質的にASTM F88−94及びD952(両方とも引用によって本明細書に含める)にしたがって測定した。ヒートシール強度を1グラム/インチ(1g/2.54cm)で報告する。先の例(「Ex.」)及び比較例(「CEx.」)の結果を以下の表3に示す。
【0073】
【表3】

【0074】
当業者であれば、本発明の真の範囲及び精神から逸脱することなく、上記の様々な実施形態に改変及び追加をなし得ることは明白であろう。本発明は、ここで示した例示の実施形態により不当に限定されるものではなく、また、このような実施形態は、単なる例示として与えており、本発明の範囲は、添付した特許請求の範囲によってのみ限定されるものであることを理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明に従う非延伸金属化シーラントフィルムの一実施形態の断面図である。
【図2】本発明に従う2層包装用ウェブの一実施形態の断面図である。
【図3】本発明に従う2層包装用ウェブの別の実施形態の断面図である。
【図4】本発明に従う2層包装用ウェブのさらに別の実施形態の断面図である。
【符号の説明】
【0076】
10 金属化非延伸同時押出シーラントフィルム
11 熱可塑性基層
12 金属被覆
13 ヒートシール層
20 延伸フィルム
21 接着剤層
31 第1中間層
32 第2中間層
100 包装用ウェブ
200 包装用ウェブ
300 包装用ウェブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレキシブル包装用ウェブであって、
(a)120000psi未満の割線係数及び150%を超える破断点伸びを特徴とする非延伸シーラントフィルムを備え、ここで、該非延伸シーラントフィルムは、エチレン/ビニルアルコール共重合体、エチレン/ノルボルネン共重合体、ポリアミド及びそれらのブレンドよりなる群から選択される材料の熱可塑性層と、ヒートシール層とを備え、該非延伸シーラントフィルムの基層は、その上に付着した1.0〜100ナノメートルの厚さを有する金属被覆を有し;
(b)該フレキシブル包装用ウェブは、73°F及び0%の相対湿度で0〜10.0cm3/100インチ2/24時間(23℃で0〜155cm3/m2/24時間)の酸素ガス透過速度を有し、100°F及び90%の相対湿度で0〜0.1g/100インチ2/24時間(38℃で0〜1.55g/m2/24時間)の水蒸気透過速度を有する、
フレキシブル包装用ウェブ。
【請求項2】
前記非延伸シーラントフィルムが同時押出インフレートフィルムである、請求項1に記載のフレキシブル包装用ウェブ。
【請求項3】
前記金属被覆が真空蒸着アルミニウム又はアルミニウム含有合金である、請求項1に記載のフレキシブル包装用ウェブ。
【請求項4】
前記基層が0.05〜10ミルの厚さ(1.27〜254ミクロン)を有する、請求項1に記載のフレキシブル包装用ウェブ。
【請求項5】
前記基層がエチレン/ビニルアルコール共重合体を含み、前記包装用ウェブが73°Fで0〜0.5cm3/100インチ2/24時間(23℃で0〜7.75cm3/m2/24時間)の酸素ガス透過速度を有する、請求項1に記載のフレキシブル包装用ウェブ。
【請求項6】
前記基層がポリアミドを含み、前記包装用ウェブが73°Fで0〜0.5cm3/100インチ2/24時間(23℃で0〜7.75cm3/m2/24時間)の酸素ガス透過速度を有する、請求項1に記載のフレキシブル包装用ウェブ。
【請求項7】
前記基層がエチレン/ノルボルネン共重合体を含み、前記包装用ウェブが73°Fで0〜5.0cm3/100インチ2/24時間(23℃で0〜77.5cm3/m2/24時間)の酸素ガス透過速度を有する、請求項1に記載のフレキシブル包装用ウェブ。
【請求項8】
前記包装用ウェブが280°F(138℃)で2000g/インチ(g/2.54cm)の最小ヒートシール強度を有する、請求項1に記載のフレキシブル包装用ウェブ。
【請求項9】
前記包装用ウェブがポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリアミド若しくはポリ乳酸を含む延伸フィルム又は紙若しくは再生セルロースのフィルムをさらに備える、請求項1に記載のフレキシブル包装用ウェブ。
【請求項10】
フレキシブル包装用ウェブであって、
(a)120000psi未満の割線係数及び150%を超える破断点伸びを特徴とする非延伸シーラントフィルムを備える第1層を有し、ここで、該非延伸シーラントフィルムはエチレン/ビニルアルコール共重合体の熱可塑性基層とヒートシール層とを備え、該非延伸シーラントフィルムの基層は、その上に付着した1.0〜100ナノメートルの厚さを有する金属被覆を有し;
(b)該金属被覆に隣接して配置される第2層をさらに有し、ここで、該第2層は、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリアミド若しくはポリ乳酸の延伸フィルム又は紙若しくは再生セルロースのフィルムを備え;
(c)該フレキシブル包装用ウェブが73°F及び0%の相対湿度で0〜0.5cm3/100インチ2/24時間(23℃で0〜7.75cm3/m2/24時間)の酸素ガス透過速度を有し、100°F及び90%の相対湿度で0〜0.1g/100インチ2/24時間(38℃で0〜1.55g/m2/24時間)の水蒸気透過速度を有する、
フレキシブル包装用ウェブ。
【請求項11】
前記非延伸シーラントフィルムが同時押出インフレートフィルムである、請求項10に記載のフレキシブル包装用ウェブ。
【請求項12】
前記金属被覆が真空蒸着アルミニウム又はアルミニウム含有合金である、請求項10に記載のフレキシブル包装用ウェブ。
【請求項13】
前記基層が0.05〜10ミルの厚さ(1.27〜254ミクロン)を有する、請求項10に記載のフレキシブル包装用ウェブ。
【請求項14】
前記フレキシブル包装用ウェブが280°F(138℃)で2000g/インチ(g/2.54cm)の最小ヒートシール強度を有する、請求項10に記載のフレキシブル包装用ウェブ。
【請求項15】
フレキシブル包装用ウェブであって、
(a)120000psi未満の割線係数及び150%を超える破断点伸びを特徴とする非延伸シーラントフィルムを備える第1層を有し、ここで、該非延伸シーラントフィルムはエチレン/ノルボルネン共重合体の熱可塑性基層とヒートシール層とを備え、該非延伸シーラントフィルムの基層は、その上に付着した1.0〜100ナノメートルの厚さを有する金属被覆を有し;
(b)該金属被覆に隣接して配置される第2層をさらに有し、ここで、該第2層は、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリアミド若しくはポリ乳酸の延伸フィルム又は紙若しくは再生セルロースのフィルムを備え;
(c)該フレキシブル包装用ウェブが73°F及び0%の相対湿度で0〜5.0cm3/100インチ2/24時間の酸素ガス透過速度(23℃で0〜77.5cm3/m2/24時間)を有し、100°F及び90%の相対湿度で0〜0.1g/100インチ2/24時間の水蒸気透過速度(38℃で0〜1.55g/m2/24時間を有する、
フレキシブル包装用ウェブ。
【請求項16】
前記非延伸シーラントフィルムが同時押出インフレートフィルムである、請求項15に記載のフレキシブル包装用ウェブ。
【請求項17】
前記金属被覆が真空蒸着アルミニウム又はアルミニウム含有合金である、請求項15に記載のフレキシブル包装用ウェブ。
【請求項18】
前記基層が0.05〜10ミルの厚さ(1.27〜254ミクロン)を有する、請求項15に記載のフレキシブル包装用ウェブ。
【請求項19】
前記フレキシブル包装用ウェブが280°F(138℃)で2000g/インチ(g/2.54cm)の最小ヒートシール強度を有する、請求項15に記載の包装用ウェブ。
【請求項20】
フレキシブル包装用ウェブであって、
(a)120000psi未満の割線係数及び150%を超える破断点伸びを特徴とする非延伸シーラントフィルムを備える第1層を有し、ここで、該非延伸シーラントフィルムはポリアミドの熱可塑性基層とヒートシール層とを備え、該非延伸シーラントフィルムの基層は、その上に付着した1.0〜100ナノメートルの厚さを有する金属被覆を有し;
(b)該金属被覆に隣接して配置される第2層をさらに含み、ここで、該第2層は、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリアミド若しくはポリ乳酸の延伸フィルム又は紙若しくは再生セルロースのフィルムを備え;
(c)該フレキシブル包装用ウェブが73°F及び0%の相対湿度で0〜0.5cm3/100インチ2/24時間(23℃で0〜7.75cm3/m2/24時間)の酸素ガス透過速度を有し、100°F及び90%の相対湿度で0〜0.1g/100インチ2/24時間(38℃で0〜1.55g/m2/24時間)の水蒸気透過速度を有する、
フレキシブル包装用ウェブ。
【請求項21】
前記非延伸シーラントフィルムが同時押出インフレートフィルムである、請求項20に記載のフレキシブル包装用ウェブ。
【請求項22】
前記金属被覆が真空蒸着アルミニウム又はアルミニウム含有合金である、請求項20に記載のフレキシブル包装用ウェブ。
【請求項23】
前記基層が0.05〜10ミルの厚さ(1.27〜254ミクロン)を有する、請求項20に記載のフレキシブル包装用ウェブ。
【請求項24】
前記フレキシブル包装用ウェブが280°F(138℃)で2000g/インチ(g/2.54cm)の最小ヒートシール強度を有する、請求項20に記載のフレキシブル包装用ウェブ。
【請求項25】
前記非延伸シーラントフィルムが非晶質ポリアミド共重合体の基層を備える、請求項20に記載のフレキシブル包装用ウェブ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−107340(P2009−107340A)
【公開日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−274369(P2008−274369)
【出願日】平成20年10月24日(2008.10.24)
【出願人】(505352367)ビーミス カンパニー インコーポレイテッド (5)
【Fターム(参考)】