説明

金属微粒子の製造方法

【課題】電磁波照射による加熱によって、粒子径分布の狭い金属ナノ粒子を、短時間で、高収率で、迅速に、連続的に合成することを可能とする金属微粒子の製造方法を提供する。
【解決手段】金属微粒子の前駆物質および誘電正接が0.1以上、緩和時間が200ピコ秒以上の溶媒を含有する反応溶液を、流通管内に流通させ、その流通管の長さ方向に均一かつ集中的な電磁波を流通管内に向けて照射し、流通管内の前記溶液を流通方向に均一に加熱し、前記金属微粒子の前駆物質を流通下に還元して金属微粒子を生成させる、金属微粒子の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は金属微粒子、とりわけ金属ナノ粒子(ナノメートルサイズの粒子)の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
金属ナノ粒子は、化学産業における触媒、燃料電池触媒など広く応用され、粒子サイズがそろったナノ粒子の合成について、種々の研究がなされている(非特許文献1参照)。
金属ナノ粒子の合成は、金属錯体や金属塩などの前駆体を、化学還元して得られる。還元剤として、水素化ホウ素、ヒドラジン、アスコルビン酸などがよく用いられている。アルコールやポリオールも、有害性が低い還元剤としてしばしば用いられ、同時に反応溶媒としても作用する。
一方、アルコールやポリオールの還元力は比較的弱いため、還元電位の大きな金属、とりわけ白金イオンや銅イオンからナノ粒子を合成するためには、高温条件で長時間の加熱が必要であった。高温で長時間の加熱条件では、生成する粒子のサイズやその分布を均一にそろえることが困難である。
これに対し最近、マイクロ波を用いる反応促進効果を、金属ナノ粒子の迅速な合成に応用する試みがなされている(特許文献1参照)。特に、エチレングリコールなどのポリオールを反応媒体ならびに還元剤として用いたナノ粒子の合成方法は、有害な還元剤を用いないことに加えて、溶媒自体のマイクロ波エネルギー吸収が良いことから、大きな反応促進効果が認められるといった優位点が指摘されている。
しかし、これまでのマイクロ波利用の化学反応においては、従来の電磁波照射方法では、反応管内への電磁波の照射強度にムラが生じるため、再現性に課題があった。また、反応溶液を攪拌させる必要があり、その多くは、バッチ型反応によって実施されるものであった(特許文献1)。金属ナノ粒子の工業生産を行うためには、安定した高品質のナノ粒子合成を連続的に行う技術が必要であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3005683号公報
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】ナノマテリアル工学大系 第2巻ナノ金属(フジ・テクノシステム)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、電磁波照射による加熱によって、粒子径分布の狭い金属ナノ粒子を、短時間で、高収率で、迅速に、かつ連続的に合成することを可能とする金属微粒子の製造方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
最近、定在波を形成するシングルモードキャビティを用いることにより、マイクロ波を特定部位に集中照射する装置を本発明者らは提案した(特開2010−207735号公報)。上記キャビティは、金属製の円筒状の共振空間を有し、円筒の中心部分に反応管を置くことで、反応管の中心軸に電界を集中させるものである。これを用いて、流通管に反応溶液を流し、液体試料を連続して高効率に直接加熱する装置と方法が開示されている。この装置を用いたマイクロ波加熱法は、反応溶液を迅速、均一に加熱することができる特徴を有する。
本発明者らは、この反応装置を用いて金属ナノ粒子を合成する際に、誘電正接が比較的大きくまた緩和時間が長い媒体を用いることで、金属核に起因するホットスポットの熱が遅い熱緩和のため保持され、ナノ粒子への還元、粒子形成が促進されることを見出し、この知見に基づき本発明をなすに至った。
上記課題を解決するための本発明は、以下の技術的手段から構成される。
(1)金属微粒子の前駆物質および誘電正接が0.1以上、緩和時間が200ピコ秒以上の溶媒を含有する反応溶液を、流通管内に流通させ、その流通管の長さ方向に均一かつ集中的な電磁波を流通管内に向けて照射し、流通管内の前記溶液を流通方向に均一に加熱し、前記金属微粒子の前駆物質を流通下に還元して金属微粒子を生成させる、金属微粒子の製造方法。
(2)前記溶媒が、グリセリン、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、及び1,5−ペンタンジオールからなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載の金属微粒子の製造方法。
(3)前記金属粒子の前駆物質が、金属の塩化物、硝酸塩、酢酸塩、及びクロロ錯体からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1または2に記載の金属微粒子の製造方法。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、マイクロ波反応装置を用いた流通型反応システムを利用し、誘電正接が大きくかつ緩和時間の長い溶媒を高流速で用いることにより、化学反応触媒、燃料電池触媒、半導体に有用な、粒子サイズのそろった金属微粒子、とりわけ金属ナノ粒子を、短時間に連続して安定製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施例で用いたマイクロ波利用化学反応装置の好ましい形態を一部断面図で示す説明図である。
【図2】実施例1のマイクロ波照射前後の吸収スペクトルである。
【図3】実施例1で160℃、反応時間3秒にて合成した場合の反応溶液の透過顕微鏡写真である。
【図4】実施例2のマイクロ波照射前後の吸収スペクトルである。
【図5】実施例3のマイクロ波照射前後の吸収スペクトルである。
【図6】実施例3で160℃、反応時間30秒にて合成した場合の反応溶液の透過顕微鏡写真である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
通常の外部加熱とマイクロ波加熱との違いは、外部加熱では、壁面からの熱伝導により加熱された溶媒が拡散と対流により内部に移動して溶媒と溶質が温められるのに対し、マイクロ波加熱では反応溶媒と反応化学種自体が加熱されることである。マイクロ波による溶媒の加熱による発熱量Pは式1に示される。
【0010】
【数1】

但しσは溶媒の電導率、fはマイクロ波の周波数、ε0は真空の誘電率、εr’’は溶媒の誘電損率、Eは電界強度、μ0は真空の透磁率、μr’’は溶媒の磁気損失を示す。
【0011】
マイクロ波加熱では式1の第2項による誘電加熱の寄与が大きく、溶媒の加熱には誘電損率εr’’が加熱効率の指標となる。また、式2で示される、誘電正接tanδを用いることも多い。
tanδ=εr’’/ε’ (式2)
(ただし、ε’は物質のもつ誘電率)
【0012】
溶媒の誘電損率及び誘電正接が溶媒の加熱効率の指標となることから、これまでは誘電損率の大きな反応溶媒を用いることに注意が払われてきた。ポリオールのうち、エチレングリコールは、特に誘電損率が大きく、マイクロ波のエネルギー吸収が良い溶媒であるため、金属ナノ粒子の製造には最もよく用いられている。ポリオールは還元剤としての機能も有し、例えば、エチレングリコールを用いて金属イオン(M+)を金属(M)に還元する場合、以下の式で表わされる反応が生じる。

CH2OH-CH2OH → CH3CHO + H2O
2CH3CHO + 2M+ → 2M + 2H+ + CH3COCOCH3

一方、本発明者らは、溶媒の緩和時間にも注目した。ナノ粒子の生成過程では、最初に金属の核発生が起こり、更に核成長過程が後続する。金属イオン前駆体の還元により最初に発生した金属核が、マイクロ波のエネルギーを良好に吸収し、発熱してホットスポットを形成する。ホットスポットの持つ熱エネルギーは通常溶媒への熱拡散により速やかに緩和されるが、緩和時間は媒体の粘性に依存する。例えば、グリセリン(tanδ=0.65)は、エチレングリコール(tanδ=1.35)の半分の誘電正接であるが、高粘性であり熱の緩和時間が10倍ときわめて長い。また、1,3−プロパンジオール(tanδ=1.3)はエチレングリコールと同等の誘電正接で、かつ、緩和時間はエチレングリコールの3倍である。そこで、誘電正接が比較的大きくまた緩和時間が長い媒体を用いることで、金属核に起因するホットスポットの熱が保持され、粒子成長が促進されるものと推定される。
【0013】
本発明で用いる溶媒の誘電正接は0.1以上であり、0.2〜1.5であることが好ましい。これにより十分な加熱効率が得られる。
本発明で用いる溶媒の緩和時間は200ピコ秒以上であり、300〜2000ピコ秒であることが好ましい。このような緩和時間を有することにより、金属核に起因するホットスポットの熱が保持され、粒子成長が促進されると考えられる。
誘電正接が大きく、かつ、緩和時間の長い溶媒を用いて高速に流通させ、ここに均一かつ集中的にマイクロ波を照射することで、粒子サイズが小さく、かつ粒径分布の狭い微粒子が製造できる。
【0014】
本発明で用いる反応媒体としては、誘電正接と緩和時間が上記の条件を満たすものとしてポリオールがあげられ、特に、グリセリン、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオールが好ましい。これらは1種単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
また、金属粒子の前駆物質としては、金属の塩化物、硝酸塩、酢酸塩、及びクロロ錯体からなる群から選ばれる少なくとも1種が良好に用いられる。
金属としてはPt、Ag,Au,Ir,Pd,Rh,Re,Ru,及びOsなどの遷移金属が最も望ましいが、Sc,Ti,V,Cr,Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Y,Zr,Nb,Mo,Tc,Wなどの遷移元素、Al,In,Ga,Zn,Cd,Sb,Sn,Ge,Be,Mgなどの典型元素などがあげられる。
【0015】
なお、添加剤としてポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコールなどを加えることで、粒子サイズの調整や合成された金属ナノ粒子の安定化を図ることができる。添加剤としては重量平均分子量8,000〜100,000のポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコールが好ましい。
【0016】
本発明の金属微粒子の製造方法は、特開2010−207735号公報に記載の反応装置を用いて行うことができる。図1は本発明で用いることのできるマイクロ波利用化学反応装置の好ましい形態を一部断面図で示す説明図である。
図1の装置はマイクロ波発振器・制御器6、TM010キャビティ2、送液ポンプ3、反応管7、からなる。キャビティは、内部に円筒型の空間を有する金属製の空洞共振器として構成したものである。この空間はTM010と呼ばれる定在波が形成できるように、その内寸を適宜設定することができる。この中心軸に沿って、貫通するように、石英ガラス管等から構成される反応管7を設置する。反応管7の内径は、照射するマイクロ波周波数が2.4〜2.5GHzでは内径2.9mm以下が好ましく、0.1〜1.5mmがさらに好ましい。反応溶液8がこの反応管を流通できるように、片側に送液ポンプ3が取り付けられている。反応管の反対側には、流体の温度を計測できるように、温度計5として熱電対を取り付けられている。また、内部の電界強度を計測するために、電界モニター4を取り付けられている。
【0017】
マイクロ波発振器・制御器6から発生したマイクロ波は、マイクロ波照射口1を介して円筒型のTM010キャビティ2に照射される。このときのマイクロ波の発振周波数もしくは円筒型キャビティ2の内径を、キャビティ2内部にTM010の定在波が形成できるよう調整することができる。このとき、電界モニター4からの信号をもとに、TM010の定在波が形成されているか知ることができる。もし、定在波が形成されていない場合は、マイクロ波発振器・制御器6から発振されるマイクロ波発振周波数を変化させるか、キャビティ内径を調整するなどにより、定在波が形成されるよう、フィードバック制御を行ってもよい。
本発明では電磁波を反応溶液に均一かつ集中的に照射できる電磁波照射手段を用いる。例えば電界を集中できる構造の電磁波照射空間のひとつとして、空胴共振器とよばれる空間を利用した、特定の定在波を安定に形成できる容器を用いる方法がある。円筒型の空胴共振器内に形成されたTM010定在波の電界強度分布を調べると、円筒の中心部に電界が集中する。またTM010の定在波を用いれば、円筒中心軸上の電界強度は、位置によらず一定である。つまり、円筒内に形成したTM010の定在波を有する空胴共振器を用い、その円筒の中心軸に沿って配置したチューブ状の反応器は、つねに強力でかつ均一な電界をもつマイクロ波を照射することが可能となる。TM010について説明したが、TMmn0(mは0以上、nは1以上の整数)の定在波も、円筒の半径方向に電界の集中する場所があり、中心軸に平行な部位では均一な電界強度を有するため、同様に利用することができる。また、電界で説明したが、電磁波は磁界による加熱作用もあるため、磁界が強くなる部分を利用しても同様な効果を得ることができる。
【0018】
本発明では反応管7中の反応溶液8の反応時間を極めて短くすることができる。上記の特定の溶媒を使用した反応溶液を上記の反応装置に高速で流通させることで反応時間が短くなり、迅速に粒径のそろった金属微粒子を製造できる。反応時間が長すぎると粒子径分布が広くなる場合がある。本発明における反応時間(加熱時間)は、誘電正接が0.1未満または緩和時間が200ピコ秒未満の溶媒を用いて金属微粒子を生成させる場合の反応時間の1/2以下とすることができる。
上記のように反応時間が長すぎると粒径がそろわなくなることから、流通速度は100〜600mL/hが好ましい。反応時間としては0.5〜3秒が好ましい。
反応温度は特に制限はないが、150〜250℃が好ましい。
【実施例】
【0019】
次に実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。
(実施例1)
溶媒としてグリセリン(誘電正接0.65、緩和時間1200ピコ秒)を用い、白金微粒子の製造を行った。
金属前駆物質として塩化白金酸を用い、添加剤としてポリビニルピロリドン(質量平均分子量10,000)を加えることで、粒子サイズの調整や合成された白金ナノ粒子の安定化を図っている。塩化白金酸の濃度は10mM、ポリビニルピロリドンの濃度はモノマーユニットあたり50mMとした。
マイクロ波利用化学反応装置として、図1に示された装置を用いた。マイクロ波周波数2.45GHzに基づいて設計された内径を有するTM010シングルモードキャビティ2の中心軸に沿って内径1mm、外径3mm、長さ200mmのテフロン(登録商標)反応管7を取り付けた。テフロン(登録商標)反応管の片側から液溶媒に溶解させた反応原料8をシリンジポンプ3により供給した。反応原料8には、100mmの区間で均一なエネルギー分布をもつマイクロ波が照射される。これにより溶液温度が上昇する。溶液の温度は、TM010シングルモードキャビティ2のマイクロ波照射空間の出口1から10mm離れた部分に挿入された熱電対5により温度の計測を行い、この部分の温度が一定になるようマイクロ波電力の調整をフィードバック制御により行った。
【0020】
反応原料を含んだ溶液はマイクロ波照射により、粒子の形成が促進され、反応管出口ではナノ粒子懸濁液として回収された。ナノ粒子懸濁液は、紫外可視吸収スペクトルメータ(日立製作所社製、商品名:U−3310)を用いて吸収スペクトルが測定された。また、回収されたナノ粒子を乾燥させたものを透過電子顕微鏡(TEM、FEI製、商品名:TECNAI G)により観測し、粒子径分布を測定した。
反応溶液の温度140℃または160℃で反応時間3秒(流通速度100mL/h)で反応させた。
図2はマイクロ波照射前後での吸収スペクトルを示している。マイクロ波照射前の吸収スペクトルは、波長260nm付近に金属前駆物質である白金イオンを反映するピークが確認される。白金イオンが金属状態の白金に還元されるとピークは消失する。マイクロ波照射後の吸収スペクトルでは、白金イオンを反映するピークの減少量より、金属状態の白金にどの程度還元されたかがわかる。140℃ではピークが小さくなり、160℃ではピークが消失して、白金微粒子が合成されていることがわかる。
図3は160℃、反応時間3秒にて合成した場合の反応溶液のTEM像を示している。平均粒子径が3.4nmで標準偏差が0.6の分布をもつ、粒子径の均一なナノ粒子が合成されていることがわかる。
【0021】
(実施例2)
溶媒として1,3-プロパンジオール(誘電正接1.30、緩和時間340ピコ秒)を用い、実施例1と同様にして白金微粒子の製造を行った。
反応溶液の温度140℃または160℃で反応時間3秒(流通速度100mL/h)、及び反応溶液の温度160℃で反応時間1.5秒(流通速度200mL/h)で反応させた。
図4はマイクロ波照射前後での吸収スペクトルを示している。加熱前はピークが見られるのに対し、反応後はピークが減少または消失しており、白金微粒子が合成されたことがわかる。図2と図4のピーク強度を比較すると、140℃、3秒の条件の場合、1,3-プロパンジオールを用いた方がピーク強度は低いことから、グリセリンよりもさらに還元力が高く、白金微粒子合成に好適な液溶媒であることがわかる。
【0022】
(実施例3)
溶媒としてグリセリンを用い、銅微粒子の製造を行った。金属前駆物質として酢酸銅を用い、添加剤としてポリビニルピロリドン(質量平均分子量10,000)を用いた。酢酸銅の濃度は2.5mM、ポリビニルピロリドンの濃度はモノマーユニットあたり300mMとした。マイクロ波利用化学反応装置は、実施例1と同様の装置を用いた。
図5は、160℃で反応時間30秒(流通速度10ml/h)で反応させた反応溶液の吸収スペクトルを示している。銅イオンが金属状態の銅に還元されると600nm付近にピークが生じることが知られている。反応溶液では、銅粒子の生成を反映する600nm付近のピークが確認された。また、図6に示す反応溶液のTEM像より直径約50nmの粒子が確認され、銅微粒子が合成されていることがわかる。
【0023】
(比較例1)
溶媒としてエチレングリコール(誘電正接1.35、緩和時間100ピコ秒)を用い、実施例1と同様にして白金微粒子の製造を行った。反応溶液の温度は160℃とし、反応時間6秒(流通速度50mL/h)で行ったところ、白金イオンの状態のままで、微粒子は生成しなかった。
【0024】
(比較例2)
溶媒としてエチレングリコールを用い、実施例3と同様にして銅微粒子の製造を行った。反応溶液の温度は160℃とし、反応時間300秒(流通速度1ml/h)で行ったところ、銅イオンの状態のままで、微粒子は生成しなかった。
【符号の説明】
【0025】
1 マイクロ波照射口
2 TM010キャビティ
3 送液ポンプ
4 電界モニター
5 温度計
6 マイクロ波発振器・制御器
7 反応管
8 反応溶液

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属微粒子の前駆物質および誘電正接が0.1以上、緩和時間が200ピコ秒以上の溶媒を含有する反応溶液を、流通管内に流通させ、その流通管の長さ方向に均一かつ集中的な電磁波を流通管内に向けて照射し、流通管内の前記溶液を流通方向に均一に加熱し、前記金属微粒子の前駆物質を流通下に還元して金属微粒子を生成させる、金属微粒子の製造方法。
【請求項2】
前記溶媒が、グリセリン、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、及び1,5−ペンタンジオールからなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載の金属微粒子の製造方法。
【請求項3】
前記金属粒子の前駆物質が、金属の塩化物、硝酸塩、酢酸塩、及びクロロ錯体からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1または2に記載の金属微粒子の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図3】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−19025(P2013−19025A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−153214(P2011−153214)
【出願日】平成23年7月11日(2011.7.11)
【出願人】(301021533)独立行政法人産業技術総合研究所 (6,529)
【出願人】(591020423)株式会社新光化学工業所 (10)
【Fターム(参考)】