説明

金属材料の塗装方法

【課題】クロム酸塩処理やリン酸亜鉛処理に匹敵する耐食性が得られる処理皮膜を形成し、さらに処理後の塗装工程によって形成される塗膜との付着性にも非常に優れた金属材料の塗装方法を提供する。
【解決手段】(A)チタン化合物及び/又はジルコニウム化合物、並びに(B)アミノシラン(b1)及び多シリル官能シラン(b2)の縮合反応物を含有する金属表面処理用組成物(I)を含む金属表面処理液を金属材料に接触させる処理液接触工程と、前記処理液接触工程を経た金属材料を水洗する水洗工程と、得られた表面処理皮膜層上に焼付け塗料(II)を塗装する塗装工程とを含むことを特徴とする金属材料の塗装方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属材料の塗装方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、金属表面の耐食性を向上させるためクロム酸塩処理及びリン酸塩処理が一般に行われている。しかしながら近年クロムの毒性が社会問題になっており、クロム酸塩を使用する表面処理方法は、処理工程でのクロム酸塩ヒュ−ムの飛散の問題、排水処理設備に多大な費用を要すること、さらには化成処理皮膜からクロム酸の溶出による問題などもある。
【0003】
またリン酸塩処理では、リン酸亜鉛系、リン酸鉄系の表面処理が通常行われているが、耐食性を付与する目的でリン酸塩処理後、通常クロム酸によるリンス処理を行うためクロム処理の問題とともにリン酸塩処理剤中の反応促進剤や金属イオンなどの排水処理、被処理金属からの金属イオンの溶出によるスラッジ処理などの問題がある。
【0004】
これに対しクロム酸塩処理やリン酸亜鉛処理以外の処理方法としては、ジルコニウム系やチタン系の表面処理剤が知られている。例えば特許文献1には、実質的にリン酸イオンを含有せず、ジルコニウムイオン及び/又はチタニウムイオン、並びにフッ素イオンを含有してなる鉄及び/又は亜鉛系基材用化成処理剤が提案されている。特許文献2には、(I)Ti、Zr、Hf及びSiから選ばれる少なくとも1種の金属元素を含む化合物と、(II)フッ素イオンの供給源としてフッ素含有化合物を含有する金属の表面処理用組成物を用いることにより、鉄又は亜鉛の少なくとも1種を含む金属の表面に耐食性に優れる表面処理皮膜を析出させることができ、且つ表面調整(表調)工程を必要としないため処理工程の短縮、省スペース化を図ることが開示されている。
【0005】
また、特許文献3には、ジルコニウムイオン及び/又はチタニウムイオン、フッ素イオン、並びに、可溶性エポキシ樹脂を含有し、実質的にリン酸イオンを含有しないpHが2.5〜4.5である鉄系基材用金属表面処理用組成物が開示されている。
【0006】
他に、特許文献4には、フッ素及びジルコニウム含有化合物からなる化成処理剤による化成処理反応によってアルミニウム系基材表面に化成皮膜を形成させる工程(1)と、親水処理剤を用いて親水皮膜を形成させる工程(2)とからなるアルミニウム系基材の表面処理方法であって、前記化成処理反応は、電解処理によって化成処理を行うことを特徴とするアルミニウム系基材の表面処理方法が開示されている。
【0007】
また特許文献5には、粉体塗装または固体潤滑塗装の下地処理としてジルコニウム及び/又はチタンの酸化物および/または水酸化物を含有する非晶質の表面処理処理層を金属材料表面に設けてなる塗装方法が開示されている。
【0008】
しかしながら、いずれに記載の表面処理用組成物を用いた場合でも、クロム酸塩処理やリン酸亜鉛処理に匹敵する耐食性が得られず、また処理後の塗装工程によって形成される塗膜との付着性も不十分な場合があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2003−155578号公報
【特許文献2】国際公開第02/103080号パンフレット
【特許文献3】特開2003−253461号公報
【特許文献4】特開2005−2370号公報
【特許文献5】特開2006−255540号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、クロム酸塩処理やリン酸亜鉛処理に匹敵する耐食性が得られる処理皮膜を形成し、さらに処理後の塗装工程によって形成される塗膜との付着性にも非常に優れた金属材料の塗装方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、(A)チタン化合物及び/又はジルコニウム化合物、並びに(B)アミノシラン(b1)及び多シリル官能シラン(b2)の縮合反応物を含有する金属表面処理用組成物(I)を含む金属表面処理液を金属材料に接触させる処理液接触工程と、前記処理液接触工程を経た金属材料を水洗する水洗工程と、得られた表面処理皮膜層上に焼付け塗料(II)を塗装する塗装工程とを含むことを特徴とする金属材料の塗装方法、に関する。
【発明の効果】
【0012】
本発明方法によれば、ジルコニウム系やチタン系の表面処理剤に特定のシラン縮合反応物を含有せしめることにより、得られる表面処理皮膜はクロム酸塩処理やリン酸亜鉛処理に匹敵する耐食性が得られ、さらに処理後の塗装工程によって形成される塗膜との付着性に非常に優れる。特に焼付け時に塗膜内に大きな収縮応力を生じる焼付け塗料を用いた場合においても塗膜の付着不良を起すことがない。
【0013】
従って本発明方法は、家電、鋼製家具等の工業塗装用途に非常に有用である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明方法に用いる金属表面処理用組成物(I)は、チタン化合物及び/又はジルコニウム化合物(A)、並びにアミノシラン(b1)及び多シリル官能シラン(b2)の縮合反応物(B)を含有する。
【0015】
上記チタン化合物及び/又はジルコニウム化合物(A)は、金属材料表面にチタン及び/又はジルコニウムを含む化成皮膜を形成するために配合されるものであり、組成物(I)を含む金属表面処理液を金属材料に接触させると、金属材料表面にチタン及び/又はジルコニウムの酸化物及び/又は水酸化物を含む化成皮膜層を析出させることが可能である。
【0016】
このようなチタン化合物及び/又はジルコニウム化合物(A)としては、通常、チタンのハロゲン化物及びその塩、ジルコニウムのハロゲン化物及びその塩、炭酸ジルコニウム及びその塩並びに硝酸ジルコニルから選ばれる少なくとも1種の化合物を含むものであり、好適にはジルコニウムフッ化塩、チタンフッ化塩、炭酸ジルコニウム及びその塩並びに硝酸ジルコニルから選ばれる少なくとも1種の化合物を含むものである。
【0017】
その具体例としては、例えば、ジルコニウムフッ化水素酸、フッ化ジルコニウムナトリウム、フッ化ジルコニウムカリウム、フッ化ジルコニウムリチウム、フッ化ジルコニウムアンモニウム、炭酸ジルコニウム、硝酸ジルコニル、チタンフッ化水素酸、フッ化チタンナトリウム、フッ化チタンカリウム、フッ化チタンリチウム、フッ化チタンアンモニウムなどが挙げられる。これらのうち、特に、硝酸ジルコニル、フッ化ジルコニウムアンモニウム、チタンフッ化アンモニウムが好適である。
【0018】
金属表面処理用組成物(I)における上記チタン及び/又はジルコニウム化合物(A)の含有量は、金属元素換算で、5〜10,000ppm、好ましくは20〜2,000ppm、さらに好ましくは50〜500ppmの範囲内であることが、金属材料表面に析出される皮膜量確保、経済性などの点から好適である。
【0019】
上記アミノシラン(b1)及び多シリル官能シラン(b2)の縮合反応物(B)は、皮膜の耐食性向上、処理後の塗装工程によって形成される塗膜との付着性向上ために配合されるものであり、通常、アミノシラン(b1)及び多シリル官能シラン(b2)を水やアルコール、酸性水溶液中等で加水分解させることによって得られる。加水分解に酸を用いる場合には、例えば、塩酸、酢酸、硫酸、リン酸、スルホン酸等が使用できる。
【0020】
アミノシラン(b1)としては、例えば3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン等を挙げることができる。
【0021】
多シリル官能シラン(b2)は、下記一般式(I)で示されるものであることが好適である。
【0022】
【化1】

【0023】
(式(I)において、R、R、RおよびRは、独立に、水素原子または炭素数1〜30の1価の有機基を示す。Yは、2価の有機基またはアミンを示す。XおよびXは、独立に加水分解性基を示す。aおよびbは、独立に、0、1、または2であり、かつ、0≦a+b≦2である。cおよびdは、独立に、0、1、または2であり、かつ、0≦c+d≦2である。)
上記において、R、R、RおよびRは、独立に、水素原子、または炭素数1〜30の1価の有機基を示す。1価の有機基としては、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基等の炭化水素基;水酸基、エポキシ基、アミノ基等の官能基を有する炭化水素基などが挙げられ、特にメチル基、エチル基等の低級アルキル基が好ましい。
【0024】
上記においてYは、2価の有機基またはアミンを示す。2価の有機基としては、アルキレン基、アルキレンオキシ基、およびアルキレンチオ基、またはこれらの基を部分構造として含む基が挙げられ、特にアルキレン基が好ましい。これらの炭素数は2〜30、特に2〜12が好ましい。
【0025】
上記においてXおよびXは、加水分解性基を示す。加水分解性基としては、炭素数1〜4のアルコキシル基が挙げられ、特にメトキシル基、エトキシル基が好ましい。またa+bおよびc+dは、いずれも0または1が好ましい。
【0026】
上記多シリル官能シラン(b2)の具体例としては、例えばビス(トリメトキシシリル)メタン、ビス(トリメトキシシリル)エタン、1,2−ビス(トリエトキシシリル)エタン、1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタン、ビス(トリエトキシシリル)ヘキサン、ビス(トリメトキシシリル)ヘキサン、1,9−ビス(トリエトキシシリル)ノナン、1,9−ビス(トリメトキシシリル)ノナン、1,8−ビス(トリエトキシシリル)オクタン、ビス(トリメトキシシリル)アミン、ビス(トリエトキシシリル)アミン、ビス(トリエトキシシリルメチル)アミン、ビス(トリエトキシシリルプロピル)アミンなどが挙げられ、これらのうち特に1,2−ビス(トリエトキシシリル)エタンが取扱上の安全性、皮膜の耐食性向上、塗膜との付着性向上の点から好適である。
【0027】
上記アミノシラン(b1)及び多シリル官能シラン(b2)の使用比は、モル比で50/50〜99/1、好ましくは70/30〜99/1、さらに好ましくは80/20〜95/5の範囲であることが製造時のゲル化防止、皮膜の耐食性向上、経済性の点から好適である。
【0028】
本発明では縮合反応物(B)の製造時に、上記アミノシラン(b1)及び多シリル官能シラン(b2)に加えて、必要に応じてこれら以外のオルガノシラン(b3)を適宜添加しても良い。
【0029】
このようなオルガノシラン(b3)としては、例えば、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、2−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。該オルガノシラン(b3)は、溶媒への溶解性を妨げない範囲で析出制御の点から使用され、通常、アミノシラン(b1)及び多シリル官能シラン(b2)の合計モル量に対して100モル%以下、好ましくは50モル%以下で使用することが望ましい。
【0030】
金属表面処理用組成物(I)における(B)成分の含有量は、固形分濃度で1〜5,000ppm、好ましくは20〜500ppmの範囲内であることが、皮膜量確保、経済性の点から好ましい。
【0031】
金属表面処理用組成物(I)には、さらにマグネシウム、亜鉛、カルシウム、アルミニウム、ガリウム、インジウム、銅、鉄、マンガン、ニッケル、コバルト、セリウム、ストロンチウム、希土類元素、スズ、ビスマス、イットリウム、バナジウム、バリウム、クロム、モリブデン、タングステン及び銀よりなる群から選ばれる少なくとも1種の金属元素をさらに含有することが皮膜の耐食性向上、塗膜との付着性向上等の点から好ましい。これら金属元素の供給源としては特に限定されず、例えば、硝酸化物、硫酸化物、又は、フッ化物等として化成処理剤に配合することができる。またこれら金属元素は、例えば、鉄系基材、アルミニウム系基材、亜鉛系基材等の被処理物を処理した際に溶出した金属イオンであってもよい。
【0032】
金属表面処理用組成物(I)において上記金属元素を含有させる場合に、その含有量は、金属元素換算で0.1〜5,000ppmの範囲内であることが適当である。
【0033】
上記金属元素のうち、特に塗膜との付着性向上等の点から、マグネシウム、アルミニウムなどが好適であり、その含有量は1〜5,000ppm、好ましくは20〜2,000ppmの範囲内であることが適当である。また皮膜の耐食性向上等の点からは、銅、バナジウムなどが好適であり、その含有量は0.5〜100ppm、好ましくは2〜50ppmの範囲内であることが適当である。
【0034】
金属表面処理用組成物(I)は、さらに皮膜形成促進、皮膜の耐食性向上等の点から、硝酸、硫酸、リン酸、ホスホン酸、次亜リン酸及びこれらの塩類よりなる群から選ばれる少なくとも1種をさらに含有することができる。その含有量は、固形分で1〜50,000ppm、好ましくは5〜30,000ppmの範囲内であることが適当である。
【0035】
金属表面処理用組成物(I)は、皮膜の耐食性向上、塗膜との付着性向上等の点から、さらに水溶性又は水分散性有機樹脂を含有することができる。水溶性又は水分散性有機樹脂としては、例えばエポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリルアミン樹脂、ポリビニルアミン樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリビニルアルコール、エチレン−酢酸ビニル樹脂等が挙げられる。また必要に応じて、適宜に、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、尿素樹脂、(ブロック)ポリイソシアネート、フェノール樹脂等を配合することができる。
【0036】
金属表面処理用組成物(I)で上記水溶性又は水分散性有機樹脂を使用する場合には、その含有量は、固形分濃度で0.1〜300,000ppm、好ましくは5〜5,000ppmの範囲内であることが皮膜の形成性、皮膜の耐食性向上、塗膜との付着性向上の点から望ましい。
【0037】
金属表面処理用組成物(I)は、さらに組成物の安定性及び析出性の向上を目的として界面活性剤を含有することができる。界面活性剤としては、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、両性界面活性剤が挙げられ、これらのうちアニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、及びこれらの併用したものが好ましい。
【0038】
アニオン系界面活性剤としては、例えば、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルフォン酸塩、アルキルリン酸塩などが挙げられる。カチオン系界面活性剤としては、例えば、アルキルアミン塩、第4級アンモニウム塩などが挙げられる。
【0039】
ノニオン系界面活性剤を使用する場合には、HLBが8以上、好ましくは約10〜約20の範囲内がよい。なお、上記HLBは、分子中の親水基と親油基との釣り合いを示す、Hydrophile−Lipophile Balanceの略である。このようなノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレン誘導体、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルキルアルカノールアミドなどが挙げられる。
【0040】
アニオン系界面活性剤とノニオン系界面活性剤の併用する場合は、両成分の固形分合計を基準にして、アニオン系界面活性剤/ノニオン系界面活性剤=99.9/0.1(質量%)〜10/90(質量%)、好ましくは80/20(質量%)〜50/50(質量%)の範囲が好ましい。
【0041】
金属表面処理用組成物(I)で上記界面活性剤を使用する場合には、その含有量は、固形分濃度で5〜300,000ppm、好ましくは25〜100,000ppmの範囲内であることが十分な脱脂処理、経済性等の点から好ましい。
【0042】
金属表面処理用組成物(I)のpHは、1.5〜6.5、特に3.0〜4.5の範囲であることが好ましい。pHの調整には、前述の硝酸、硫酸等の酸性化合物、及び水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア等の塩基性化合物を使用することができる。
【0043】
金属表面処理用組成物(I)には、上記成分の他に、必要に応じて、任意の成分を配合することができ、例えば水分散性シリカ等のシリカ等を挙げることができる。
【0044】
本発明の金属表面処理方法は、上記の通り得られる金属表面処理用組成物(I)を含む金属表面処理液を金属材料に接触させる処理液接触工程と、前記処理液接触工程を経た金属材料を水洗する水洗工程と、得られた表面処理皮膜層上に焼付け塗料(II)を塗装する塗装工程とを含む。
【0045】
処理液接触工程では特に限定されず、例えば、浸漬法、スプレー法、ロールコート法等の方法を採用することができる。処理液の温度を20〜70℃、特に30〜55℃の範囲内に調整することによって行うことが好ましい。
【0046】
金属材料としては、通常、鉄系基材、アルミニウム系基材、及び、亜鉛系基材等を挙げることができる。鉄、アルミニウム、及び、亜鉛系基材とは、基材が鉄及び/又はその合金からなる鉄系基材、基材がアルミニウム及び/又はその合金からなるアルミニウム基材、基材が亜鉛及び/又はその合金からなる亜鉛系基材を意味する。金属表面処理用組成物(I)は、鉄系基材、アルミニウム系基材、及び、亜鉛系基材のうちの複数の金属基材からなる被塗物の化成処理に対しても使用することができる。本発明方法は、特に鉄系基材に好適である。
【0047】
これら金属材料は、上記処理液接触工程前に脱脂処理、脱脂後水洗処理を行い、処理液接触工程後に水洗工程を行うことが好ましい。
【0048】
上記脱脂処理は、基材表面に付着している油分や汚れを除去するために行われるものであり、無リン・無窒素脱脂洗浄液等の脱脂剤により、通常、30〜70℃において数秒間〜数分間程度の浸漬処理がなされる。所望により、脱脂処理の前に、予備脱脂処理を行うことも可能である。
【0049】
上記処理液接触後の水洗工程は、その後の各種塗装後の密着性、耐食性等に悪影響を及ぼさないようにするために、1回又はそれ以上により行われるものである。この場合、最終の水洗は、純水で行われることが適当である。この水洗処理は、スプレー水洗又は浸漬水洗のどちらでもよく、これらの方法を組み合わせて水洗することもできる。
【0050】
上記水洗工程の後に、必要に応じて乾燥工程を採用することができる。乾燥工程を行う場合は、冷風乾燥、熱風乾燥等を行うことができる。
【0051】
本発明方法で金属表面処理用組成物(I)により得られる皮膜は、金属材料への付着量が処理剤に含まれる金属元素換算で0.1〜2,000mg/m、特に5〜200mg/mであることが皮膜の耐食性向上、塗膜との付着性向上等の点から好ましい。
【0052】
本発明方法で塗装工程では、上記の通り得られた皮膜上に、焼付け塗料(II)を塗装する。
【0053】
焼付け塗料(II)としては、従来公知の焼付け型の塗料が特に制限なく使用でき、例えば有機溶剤希釈型塗料、水性塗料、粉体塗料等が挙げられる。
【0054】
上記有機溶剤希釈型塗料としては、例えばポリエステル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂、塩化ビニル樹脂、及びこれらの変性樹脂などを基体樹脂成分とし、必要に応じてこれら基体樹脂成分中の水酸基やエポキシ基等の官能基と反応し得るアミノ樹脂(例えば、メラミン樹脂等)、(ブロック化)ポリイソシアネート化合物、多価カルボン酸などの硬化剤を含有するものが挙げられ、これらのうち、ポリエステル/メラミン樹脂系塗料、アルキド/メラミン樹脂系塗料及びアクリル樹脂系塗料等が好適に使用できる。
【0055】
上記有機溶剤希釈型塗料には、さらに有機溶剤が配合され、必要に応じて、硬化触媒、顔料類、消泡剤、塗面調整剤、沈降防止剤、顔料分散剤、ホルマリン補足剤などの塗料用添加剤が適宜配合される。
【0056】
上記有機溶剤希釈型塗料は、金属表面処理用組成物(I)により得られる皮膜上に、ロールコート法、スプレー塗装法、刷毛塗り法、静電塗装法、浸漬法、カーテン塗装法、ローラー塗装法などの公知の方法により塗装され、乾燥させることにより塗膜を形成することができる。該塗膜の膜厚は、特に限定されるものではないが、通常3〜100μm、好ましくは15〜50μmの範囲で選択される。塗膜の乾燥は、使用する樹脂の種類などに応じて適宜設定すればよいが、コイルコーティング法などによって塗装したものを連続的に焼付ける場合には、通常、素材到達最高温度が160〜250℃、好ましくは180〜230℃となる条件で15〜60秒間焼付けられる。バッチ式で焼付ける場合には、例えば、雰囲気温度80〜180℃で5〜60分間焼付けることによっても行うことができる。
【0057】
上記粉体塗料は、塗膜形成樹脂と、必要に応じて加えられる着色顔料や体質顔料及びその他の添加剤を含有する塗料用組成物を溶融混練後、粉砕し粉末化したものであって、公知方法により製造することができる。塗膜形成樹脂としては、従来から粉体塗料の塗膜形成樹脂として用いられている熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂等を使用できるが、熱硬化性樹脂が一般的である。このような熱硬化性樹脂としては、例えば、(i)水酸基含有固形樹脂と、当該水酸基と熱により硬化反応する官能基を有する硬化剤との組合せ、(ii)カルボキシル基含有固形樹脂と、当該カルボキシル基と熱により硬化反応する官能基を有する硬化剤との組合せ、(iii)エポキシ基含有固形樹脂と、当該エポキシ基と熱により硬化反応する官能基を有する硬化剤との組合せを挙げることができる。ここでいう樹脂の「固形」とは、常温で固形状のものであり、好ましくは軟化点が80〜200℃のものをいう。また、硬化剤は固形状のものであっても液状であっても構わないが、好ましくは固形状のものを使用する。
【0058】
水酸基含有固形樹脂としては、例えば、水酸基含有アクリル樹脂、水酸基含有ポリエステル樹脂など公知の粉体塗料で用いられている樹脂を使用できる。この水酸基含有固形樹脂と組み合わせて使用できる「水酸基と熱により硬化反応する官能基を有する硬化剤」としては、例えば、ブロック化ポリイソシアネート化合物、アミノプラスト樹脂など公知の粉体塗料で用いられている硬化剤を使用できる。カルボキシル基含有固形樹脂としては、例えば、カルボキシル基含有アクリル樹脂、カルボキシル基含有ポリエステル樹脂など公知の粉体塗料で用いられている樹脂を使用できる。このカルボキシル基含有固形樹脂と組み合わせて使用できる「カルボキシル基と熱により硬化反応する官能基を有する硬化剤」としては、例えば、ビスフェノールA〜エピクロルヒドリン型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、エポキシ基含有アクリル樹脂などのエポキシ樹脂や、ヒドロキシアルキルアミド化合物など公知の粉体塗料で用いられている硬化剤を使用できる。またエポキシ基含有固形樹脂としては、例えば、ビスフェノールA〜エピクロルヒドリン型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、エポキシ基含有アクリル樹脂など公知の粉体塗料で用いられている樹脂を使用できる。このエポキシ基含有固形樹脂と組み合わせて使用できる「エポキシ基と熱により硬化反応する官能基を有する硬化剤」としては、例えば、カルボキシル基含有ポリエステル樹脂、有機酸ポリヒドラジド化合物、イミダゾール化合物、ジシアンジアミド化合物、ポリカルボン酸化合物、酸無水物など公知の粉体塗料で用いられている硬化剤を使用できる。
【0059】
これらのうち特にカルボキシル基含有ポリエステル樹脂とヒドロキシアルキルアミド化合物との組合せが、焼付け温度が低めでも形成塗膜の耐食性が良好な点から好適である。
【0060】
上記粉体塗料は、金属表面処理用組成物(I)により得られる皮膜上に、静電塗装法、流動浸漬法、吹き付け法、インモールド法などの公知の方法により塗装され、熱風炉、赤外炉、誘導加熱炉等で焼き付けることにより、硬化塗膜を形成することができる。形成塗膜の膜厚は、焼付け後の膜厚で、通常、30〜250μmであり、好ましくは40〜150μmの範囲が適当である。粉体塗料の焼付条件は、金属材料の表面温度が130〜350℃、好ましくは140〜250℃の温度で、30秒〜60分間、好ましくは1〜50分間が適当である。
【0061】
本発明では、上記塗料(II)のうち、硬化塗膜の収縮応力が高い塗料を用いた場合であっても塗膜の付着性に優れるものである。
【0062】
また上記の通り得られる塗装金属板は、上記塗料による塗膜のみが形成されてなるものでも、さらに上塗塗膜が適宜形成された複層構造を有していてもよい。
【実施例】
【0063】
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。尚、以下「部」及び「%」はそれぞれ「質量部」及び「質量%」を示す。
【0064】
シラン縮合反応物(B)の製造
製造例1
還流冷却器、温度計、窒素導入管、攪拌機を取り付けた1Lの丸底フラスコに、イソプロパノール200g、脱イオン水200gを仕込み、攪拌を開始した。気相に窒素を吹き込み、攪拌しながら3−アミノプロピルトリメトキシシラン90g、ビス(トリエトキシシリル)エタン10gを一度に投入した。常温で1時間攪拌した後、60℃で6時間反応させた後、留分を除去し、プロピレングリコールモノメチルエーテルに交換しながら沸点が120℃になるまで昇温した。60℃まで冷却した後、減圧蒸留にて濃縮し、生成物(P1)の不揮発分40%溶液120gを得た。得られた生成物(P1)の不揮発分40%溶液は、無色透明の粘調な液体であった。
【0065】
製造例2〜12
製造例1において、原料組成を表1に示す通りとする以外は製造例1と同様に行って各生成物(P1)〜(P8)及び(R1)〜(R4)を得た。
【0066】
【表1】

【0067】
実施例1〜26及び比較例1〜4
金属表面処理用組成物の作成
上記で作成した(P1)〜(P8)及び(R1)〜(R4)に、ジルコンフッ化水素酸及びチタンフッ化水素酸、各金属の硝酸塩等を用いて、表2に示す組成を有する金属表面処理用組成物を調整した。表2において、各金属成分の濃度は金属元素換算で示し、それ以外の成分の濃度は固形分濃度を示す。尚、表2中の(注1)〜(注3)は下記を示す。
【0068】
(注1)有機樹脂:「PAA25」、商品名、日東紡株式会社製、ポリアリルアミン樹脂水溶液
(注2)界面活性剤:「ニューコール1100」、商品名、日本乳化剤株式会社製、ノニオン系界面活性剤
(注3)シリカ:「スノーテックスO」、商品名、日産化学工業株式会社製、水分散性(コロイダル)シリカ
【0069】
化成処理
市販の冷間圧延鋼板(SPCC−SD、日本テストパネル社製、70mm×150mm×0.8mm)、亜鉛系めっき鋼板(GA鋼板、日本テストパネル社製、70mm×150mm×0.8mm)、5000系アルミニウム(日本テストパネル社製、70mm×150mm×0.8mm)又は6000系アルミニウム(日本テストパネル社製、70mm×150mm×0.8mm)を基材として、下記に示す工程及び表2の条件で化成処理を行なった。
【0070】
(1)上記基材を40℃に調整した市販の脱脂液に2分間浸漬して脱脂処理を行なった後、水道水で30秒間水洗処理を行なった。
【0071】
(2)次いで、水洗後の金属基材を、表3に示すとおり、pH及び温度に調整した各実施例及び比較例の金属表面処理用組成物に10〜300秒間浸漬処理した。pHを硝酸又は水酸化ナトリウムを用いて3.2〜4.2に調整した。また温度は35〜50℃に調整した。
【0072】
(3)上記処理後の各基材を水道水で30秒間水洗後、さらにイオン交換水で30秒間水洗処理を行なった。次いで熱風乾燥炉を用いて80℃で5分間乾燥させて各化成処理板とした。
【0073】
各化成処理板の処理皮膜量は、「XRF1700」(島津製作所社製、蛍光X線分析装置)を用いて付着金属の合計量として分析した。結果を表3に示す。
【0074】
試験塗板(1)の作成
上記で得た各化成処理板上に、「マジクロン#1000」(関西ペイント社製、アクリル/メラミン樹脂系有機溶剤希釈型塗料)を乾燥膜厚で30μmとなるようにエアスプレー塗装を行い、160℃で30分間加熱して焼き付けて、各試験塗板を作成した。得られた各試験塗板を下記評価試験に供した。結果を表3に示す。
【0075】
試験塗板(2)の作成
上記で得た各化成処理板上に、「アミラック#1000」(関西ペイント社製、アルキド/メラミン樹脂系有機溶剤希釈型塗料)を乾燥膜厚で30μmとなるようにエアスプレー塗装を行い、130℃で30分間加熱して焼き付けて、各試験塗板を作成した。得られた各試験塗板を下記評価試験に供した。結果を表3に併せて示す。
【0076】
試験塗板(3)の作成
上記で得た各化成処理板上に、「ASIME」(関西ペイント社製、ポリエステル/メラミン樹脂系有機溶剤希釈型塗料)を乾燥膜厚で30μmとなるようにエアスプレー塗装を行い、140℃で30分間加熱して焼き付けて、各試験塗板を作成した。得られた各試験塗板を下記評価試験に供した。結果を表3に併せて示す。
【0077】
試験塗板(4)の作成
上記で得た各化成処理板上に、「エバクラッド8900」(関西ペイント社製、カルボキシル基含有ポリエステル樹脂/ヒドロキシアルキルアミド化合物含有粉体塗料)を乾燥膜厚で60μmとなるように静電粉体塗装を行い、150℃で30分間加熱して焼き付けて、各試験塗板を作成した。得られた各試験塗板を下記評価試験に供した。結果を表3に併せて示す。
【0078】
試験塗板(5)の作成
上記で得た各化成処理板上に、「エバクラッド4900」(関西ペイント社製、水酸基含有ポリエステル樹脂/ブロック化ポリイソシアネート化合物含有粉体塗料)を乾燥膜厚で70μmとなるように静電粉体塗装を行い、180℃で30分間加熱して焼き付けて、各試験塗板を作成した。得られた各試験塗板を下記評価試験に供した。結果を表3に併せて示す。
【0079】
比較例5
市販のリン酸亜鉛系化成処理鋼板(基材:SPCC−SD、日本テストパネル社製)を用いる以外は、実施例1〜26及び比較例1〜4と同様に各塗装を行なって各試験塗板を作成した。得られた各試験塗板を下記評価試験に供した。結果を表3に併せて示す。
【0080】
比較例6
市販のリン酸亜鉛系化成処理鋼板(基材:GA鋼板、日本テストパネル社製)を用いる以外は、実施例1〜26及び比較例1〜4と同様に各塗装を行なって各試験塗板を作成した。得られた各試験塗板を下記評価試験に供した。結果を表3に併せて示す。
【0081】
比較例7
市販のクロメート系化成処理板(基材:5000系アルミニウム、日本テストパネル社製)を用いる以外は、実施例1〜26及び比較例1〜4と同様に各塗装を行なって各試験塗板を作成した。得られた各試験塗板を下記評価試験に供した。結果を表3に併せて示す。
【0082】
評価試験
(*1)耐食性:各実施例及び比較例の試験塗板(1)〜(3)に、素地に達するよう塗膜にナイフでクロスカット傷を入れ、これを塩水噴霧腐食試験(SST:JIS Z−2371に準ずる。塩水温度35℃)に240時間供し、その後ナイフ傷部に接着テープによる貼着・剥離を行い、塗膜の剥離幅を測定した。また各実施例及び比較例の試験塗板(4)〜(5)については、素地に達するよう塗膜にナイフでクロスカット傷を入れ、これを塩水噴霧腐食試験(SST:JIS Z−2371に準ずる。塩水温度35℃)に480時間供し、その後ナイフ傷部に接着テープによる貼着・剥離を行い、塗膜の剥離幅を測定した。評価基準は以下のとおりである。
【0083】
◎:剥離なし
○:剥離幅3mm以内
△:剥離幅3mmを超えて5mm以内
×:剥離幅5mmを超える
【0084】
(*2)(耐水後)付着性:各実施例及び比較例の試験塗板(1)〜(5)を温水(40℃)中に240時間浸漬し、引き上げ後に直ちに碁盤目(10×10個、1mm間隔)のカットを入れて接着テープによる貼着・剥離を行い、塗膜の剥れマスの数を調べた。評価基準は以下のとおりである。
【0085】
◎:剥れマスなし
○:剥れマス5個以内
△:剥れマス6〜10個
×:剥れマス11個以上
【0086】
【表2】

【0087】
【表3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)チタン化合物及び/又はジルコニウム化合物、並びに(B)アミノシラン(b1)及び多シリル官能シラン(b2)の縮合反応物を含有する金属表面処理用組成物(I)を含む金属表面処理液を金属材料に接触させる処理液接触工程と、前記処理液接触工程を経た金属材料を水洗する水洗工程と、得られた表面処理皮膜層上に焼付け塗料(II)を塗装する塗装工程とを含むことを特徴とする金属材料の塗装方法。
【請求項2】
金属表面処理用組成物(I)におけるチタン化合物及び/又はジルコニウム化合物(A)の含有量が金属元素換算で5〜10,000ppmであり、アミノシラン(b1)及び多シリル官能シラン(b2)の縮合反応物(B)の含有量が固形分濃度で1〜5,000ppmである請求項1に記載の金属材料の塗装方法。
【請求項3】
チタン化合物及び/又はジルコニウム化合物(A)が、チタンのハロゲン化物及びその塩、ジルコニウムのハロゲン化物及びその塩、炭酸ジルコニウム及びその塩並びに硝酸ジルコニルから選ばれる少なくとも1種の化合物を含むものである請求項1又は2に記載の金属材料の塗装方法。
【請求項4】
チタン化合物及び/又はジルコニウム化合物(A)が、ジルコニウムフッ化塩、チタンフッ化塩、炭酸ジルコニウム及びその塩並びに硝酸ジルコニルから選ばれる少なくとも1種の化合物を含むものである請求項1ないし3のいずれか1項に記載の金属材料の塗装方法。
【請求項5】
多シリル官能シラン(b2)が、下記一般式(I)で示されるものである請求項1ないし4のいずれか1項記載の金属材料の塗装方法。
【化1】


(式(I)において、R、R、RおよびRは、独立に、水素原子または炭素数1〜30の1価の有機基を示す。Yは、2価の有機基またはアミンを示す。XおよびXは、独立に加水分解性基を示す。aおよびbは、独立に、0、1、または2であり、かつ、0≦a+b≦2である。cおよびdは、独立に、0、1、または2であり、かつ、0≦c+d≦2である。)
【請求項6】
アミノシラン(b1)及び多シリル官能シラン(b2)の使用比が、モル比で50/50〜99/1である請求項1ないし5のいずれか1項に記載の金属材料の塗装方法。
【請求項7】
金属表面処理用組成物(I)が、マグネシウム、亜鉛、カルシウム、アルミニウム、ガリウム、インジウム、銅、鉄、マンガン、ニッケル、コバルト、セリウム、ストロンチウム、希土類元素、スズ、ビスマス、イットリウム、バナジウム、バリウム、クロム、モリブデン、タングステン及び銀よりなる群から選ばれる少なくとも1種の金属元素をさらに含有する請求項1ないし6のいずれか1項に記載の金属材料の塗装方法。
【請求項8】
金属表面処理用組成物(I)が、硝酸、硫酸、リン酸、ホスホン酸、次亜リン酸及びこれらの塩類よりなる群から選ばれる少なくとも1種をさらに含有する請求項1ないし7のいずれか1項に記載の金属材料の塗装方法。
【請求項9】
金属表面処理用組成物(I)が、水溶性又は水分散性有機樹脂をさらに含有する請求項1ないし8のいずれか1項に記載の金属材料の塗装方法。
【請求項10】
金属表面処理用組成物(I)が、界面活性剤をさらに含有する請求項1ないし9のいずれか1項に記載の金属材料の塗装方法。
【請求項11】
焼付け塗料(II)が、有機溶剤希釈型塗料である請求項1ないし10のいずれか1項に記載の金属材料の塗装方法。
【請求項12】
有機溶剤希釈型塗料が、ポリエステル/メラミン樹脂系塗料、アルキド/メラミン樹脂系塗料及びアクリル樹脂系塗料から選ばれる少なくとも1種である請求項11記載の金属材料の塗装方法。
【請求項13】
焼付け塗料(II)が、粉体塗料である請求項1ないし10のいずれか1項に記載の金属材料の塗装方法。

【公開番号】特開2011−67737(P2011−67737A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−219655(P2009−219655)
【出願日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【出願人】(000001409)関西ペイント株式会社 (815)
【Fターム(参考)】