金属材料の破壊原因推定方法、および破壊原因推定システム
【課題】金属材料の破壊原因を簡易かつ精度よく推定することが可能な方法及び装置を提供することを目的とする。
【解決手段】破断した金属材料の破壊原因を電子後方散乱回折像法により推定する。破断した金属材料において破断面と垂直な面を測定面とし、この測定面上に電子線を照射して電子後方散乱回折像を取得する。この電子後方散乱回折像に基づいて各照射点における結晶方位を決定し、各照射点における方位差を決定する。そして、測定面を破断面からの深さ方向において所定間隔毎に複数の区分に分割し、各区分毎にその区分に属する複数の照射点の方位差の平均値を求め、破断面からの深さを横軸、方位差を縦軸とした座標上にプロットし、このプロットに基づいて方位差曲線を得る。得られた方位差曲線のパターンを、あらかじめ破壊原因の分かっている標準試料を用いて求めた標準方位差曲線と比較することにより、破断した金属材料の破壊原因を判定する。
【解決手段】破断した金属材料の破壊原因を電子後方散乱回折像法により推定する。破断した金属材料において破断面と垂直な面を測定面とし、この測定面上に電子線を照射して電子後方散乱回折像を取得する。この電子後方散乱回折像に基づいて各照射点における結晶方位を決定し、各照射点における方位差を決定する。そして、測定面を破断面からの深さ方向において所定間隔毎に複数の区分に分割し、各区分毎にその区分に属する複数の照射点の方位差の平均値を求め、破断面からの深さを横軸、方位差を縦軸とした座標上にプロットし、このプロットに基づいて方位差曲線を得る。得られた方位差曲線のパターンを、あらかじめ破壊原因の分かっている標準試料を用いて求めた標準方位差曲線と比較することにより、破断した金属材料の破壊原因を判定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属材料の破壊原因推定方法、および破壊原因推定システムに関する。
【背景技術】
【0002】
火力発電所等において、発電用タービン部材等の高強度部材は設備保安上重要であり、またこれらの部材は交換に多額の費用を要するため、損傷の原因を正しく究明し、適切な損傷対策、余寿命評価につなげることが求められる。
【0003】
ここで、材料が破壊した場合に破壊原因を推定する方法として、実際に破損した金属材料の破面状態と、過去の事例から得られた破面状態データとを比較評価するフラクトグラフィが知られている。しかし、高温酸化や破面同士の当たりにより破面が保存されないケースでは、フラクトグラフィを適用することができない。また、耐熱ニッケル基合金等のように、破壊モードによる破面形態の差が小さい材料については、フラクトグラフィによって破壊原因を推定することが困難である。
【0004】
さらに、近年、電子後方散乱回折像法(Electron Backscatter Diffraction:EBSD)による材料断面の結晶方位解析によって材料の破壊原因を推定する方法が考案されている(特許文献1参照)。しかし、この方法は、限られた材料の限られた破壊形態のみにしか適用できないのが現状である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−057240号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、金属材料の破壊原因を簡易かつ精度よく推定することが可能な方法及び装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の破壊原因推定方法は、電子後方散乱回折像法により破断した金属材料の破壊原因を推定する方法であって、前記破断した金属材料において破断面と垂直な面を測定面とし、この測定面上の複数の照射点に電子線を照射して電子後方散乱回折像を得る電子後方散乱回折像取得処理と、前記電子後方散乱回折像取得処理で得られた前記電子後方散乱回折像に基づいて、前記各照射点における結晶方位を決定する結晶方位取得処理と、前記結晶方位取得処理で得られた結晶方位に基づいて、前記各照射点における方位差を決定する方位差取得処理と、前記測定面を前記破断面からの深さ方向において所定間隔毎に複数の区分に分割し、前記各区分毎にその区分に属する複数の前記照射点の方位差の平均値を求める平均方位取得処理と、破断面からの深さを横軸、方位差を縦軸とした座標上に前記平均方位取得処理で得られた前記各区分における前記方位差の平均値のデータをプロットし、このプロットに基づいて方位差曲線を得る方位差曲線取得処理と、前記方位差曲線取得処理で得られた方位差曲線のパターンを、あらかじめ破壊原因の分かっている標準試料を用いて求めた標準方位差曲線と比較することにより前記破断した金属材料の破壊原因を判定する破壊原因判定処理と、を実行するものである。
【0008】
また、本発明の破壊原因推定装置は、電子後方散乱回折像法により破断した金属材料の破壊原因を推定するための破壊原因推定装置であって、試料上に電子線を照射するための電子源と、前記試料を搭載する試料ステージと、を備える走査型電子顕微鏡と、前記走査型電子顕微鏡によって前記試料上に電子線を照射することにより生じる電子後方散乱回折像を取得する画像取得装置と、前記電子後方散乱回折像取得処理で得られた前記電子後方散乱回折像に基づいて、前記各照射点における結晶方位を決定する結晶方位取得手段と、前記結晶方位取得処理で得られた結晶方位に基づいて、前記各照射点における方位差を決定する方位差取得手段と、前記測定面を前記破断面からの深さ方向において所定間隔毎に複数の区分に分割し、前記各区分毎にその区分に属する複数の前記照射点の方位差の平均値を求める平均方位取得手段と、破断面からの深さを横軸、方位差を縦軸とした座標上に前記平均方位取得処理で得られた前記各区分における前記方位差の平均値のデータをプロットし、このプロットに基づいて方位差曲線を得る方位差曲線取得手段と、前記方位差曲線取得処理で得られた方位差曲線のパターンを、あらかじめ破壊原因の分かっている標準試料を用いて求めた標準方位差曲線と比較することにより前記破断した金属材料の破壊原因を判定する破壊原因判定処理手段と、を備えるものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、金属材料の破壊原因を簡易かつ精度よく推定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施形態における、破壊原因推定システムのブロック図
【図2】実施形態における、破壊原因推定の手順を示すフローチャート
【図3】実施形態における、測定に用いられる試料の正面図
【図4】実施例における、引張試験片を示す平面図
【図5】図4の円A内の拡大図
【図6】実施例における、衝撃試験片を示す平面図
【図7】衝撃試験片の側面図
【図8】実施例における、低サイクル疲労試験片を示す図
【図9】実施例における、クリープ試験片を示す図
【図10】図9の円B内の拡大図
【図11】実施例における、各破断材の方位差曲線を示すグラフ
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の金属材料の破壊原因推定方法、および破壊原因推定装置を具体化した実施形態について、図1〜図3を参照しつつ詳細に説明する。
【0012】
図1には、本実施形態の破壊原因推定システム1のブロック図を示す。この破壊原因推定システム1は、走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope:SEM)10、EBSD検出器14(本発明の画像取得装置に該当)、3つの制御ユニット17、18、19およびコンピュータ20を備えている。
【0013】
走査型電子顕微鏡10は、内部に試料Wを固定可能な試料ステージ11が配された試料室12と、この試料Wに電子線を照射可能な電子銃13(本発明の電子源に該当)とを備えた一般的な構成のものである。また、EBSD検出器14は、試料への電子線照射によって生じる電子後方散乱回折像を投影するスクリーン15と、投影された電子後方散乱回折像を撮像するための高感度カメラ16とを備えた一般的な構成のものである。
【0014】
コンピュータ20は、電子線照射の制御や回折像の取得、方位解析等を行う測定・解析用プログラムを実行するCPU21と、ハードディスク22とを備えている。ハードディスク22には、解析データ等を記憶し、蓄積するデータ記憶領域23、測定・解析用プログラムが格納されたプログラム記憶領域24がそれぞれ確保されている。
【0015】
3つの制御ユニット17、18、19は、電子銃による電子線照射を制御する電子線制御ユニット17、試料ステージ11の位置及び角度を制御するステージ制御ユニット18、および、高感度カメラ16による撮像を制御するカメラ制御ユニット19からなる。これらの制御ユニット17、18、19はコンピュータ20に接続されており、CPU21からの指令により試料ステージ11、電子銃13および高感度カメラ16を制御する。
【0016】
次に、上記のように構成された破壊原因推定システム1を用いて、金属材料の破壊原因を推定する方法について、図2に示すフローチャートを参照しつつ説明する。
【0017】
本実施形態において測定対象となるのは、破断した金属材料である。この破断した金属材料から、破断面Fを含むように試料Wを切り出す。この試料Wについて、破断面Fと垂直な面を測定面Sとし、あらかじめ研磨を施しておく(図3参照)。
【0018】
この試料Wについて、電子後方散乱回折像法(EBSD)により方位測定を行う。
【0019】
まず、ステップS1で、試料Wを走査型電子顕微鏡10の試料ステージ11上にセットし、電子線を測定面S上に走査させ、所定ピッチ毎に照射する。すると、電子線の照射により電子後方散乱回折像が生じ、スクリーン15上に投影される。投影された電子後方散乱回折像は、高感度カメラ16により撮影され、画像データとしてコンピュータ20に出力される。このときの処理が本発明の「電子後方散乱回折像取得処理」に相当する。
【0020】
次に、ステップS2において、得られた電子後方散乱回折像を解析し、各照射点Pにおける結晶方位を得る。なお、この処理は、例えばTLS社製「OIM」等の測定・解析用プログラムを用いて公知の方法で行うことができる。得られた結晶方位は、各照射点Pの座標データとともにハードディスク22のデータ記憶領域23に記録される。このときの処理が本発明の「結晶方位取得処理」に相当し、CPU21が本発明の「結晶方位取得手段」として機能する。
【0021】
次に、ステップS3において、ステップS2で得られた結晶方位に基づき、各照射点Pにおける方位差を決定する。方位差の指標としては、対象となる照射点Pの方位と基準方位(粒平均方位)との差をその照射点における方位差とするGROD(Grain Reference Orientation Deviation)を用いてもよいし、対象となる照射点Pの方位と、その照射点Pに隣接して六角形状または四角形状に配される複数の他の照射点Pの方位との差を平均し、その平均値をその照射点Pの方位差とするKAM(Kernel Average Misorientation)を用いてもよいが、結晶粒内の非弾性歪みの広がりを評価できるGRODを適用することが好ましい。このときの処理が本発明の「方位差取得処理」に相当し、CPU21が本発明の「方位差取得手段」として機能する。なお、この処理は、上記ステップS2と同様、例えばTLS社製「OIM」等、公知の測定・解析用プログラムを用いて行うことができる。
【0022】
次いで、ステップS4で、測定面Sを、破断面Fからの深さ方向において所定間隔毎(例えば1mm毎)に複数の区分D1、D2、...Dnに分割する。そして、各区分D毎に、その区分Dに属する照射点Pの方位差の平均値を求める。このときの処理が本発明の「平均方位取得処理」に相当し、CPU21が本発明の「平均方位取得手段」として機能する。
【0023】
次に、ステップS5において、破断面からの深さを横軸、方位差を縦軸とした座標上に、ステップS4で得られた各区分Dにおける方位差の平均値のデータをプロットする。そして、得られたグラフを近似することにより、破断面からの深さと方位差との関係を示す方位差曲線を得る。近似は、最小二乗法等、公知の方法により行うことができる。このときの処理が本発明の「方位差曲線取得処理」に相当し、CPU21が本発明の「方位差曲線取得手段」として機能する。
【0024】
そして、ステップS6において、ステップS5で得られた方位差曲線のパターンを、あらかじめ破壊原因の分かっている標準試料を用いて上記と同様に求めておいた標準方位差曲線と比較することにより、試料Wの破壊原因を判定する。方位差曲線のパターンは、試料の破壊原因により異なるため、上記の方法により破壊原因を推定することができる。このときの処理が本発明の「破壊原因判定処理」に相当し、CPU21が本発明の「破壊原因判定手段」として機能する。
【0025】
本発明の金属材料の破壊原因推定方法は、金属材料であればどのような材料であっても適用可能であるが、面心立方格子構造をとる材料に特に好適に適用できる。これらの材料は新品の状態では歪みが少ないため、観測される方位変化は概ね破断により生じたものであると考えることができるからである。また、同様の理由で、体心立方構造をとるもののうち、純鉄、炭素鋼等の材料にも好適に適用できると考えられる。
【実施例】
【0026】
1.試験片の作成
供試材としては、ニッケル基超合金IN738LCを用いた。この供試材の化学組成を表1に示す。
【0027】
【表1】
【0028】
2.試験片の破断
1)引張破断
上記の供試材を図4、図5に示す平板状の試験片に加工した。この試験片を用いて、JIS Z 2241に準じ、室温および800℃の温度条件下で引張試験を行って破断させ、引張破断材を得た。引張試験機としては、インストロン社製引張試験装置を使用した。
【0029】
2)衝撃破断
上記の供試材を図6に示す柱状の試験片に加工した。この試験片を用いて、JIS Z 2242に準じ、室温および400℃の温度条件下でシャルピー衝撃試験を行って破断させ、衝撃破断材を得た。衝撃試験機としては、島津製作所製シャルピー衝撃試験機を使用した。
【0030】
3)低サイクル疲労破断
上記の供試材を図7に示す平板状の試験片に加工した。この試験片を用いて、JIS Z 2279に準じ、850℃−全ひずみ範囲1.0%および850℃−全ひずみ範囲0.6%の条件下で低サイクル疲労試験を行って破断させ、低サイクル疲労破断材を得た。疲労試験機としては、インストロン社製クリープ疲労試験装置を使用した。
【0031】
4)クリープ破断
上記の供試材を図8および図9に示す平板状の試験片に加工した。この試験片を用いて、JIS Z 2271に準じ、760℃×490MPa、および980℃×113MPaの条件下で低サイクル疲労試験を行って破断させ、クリープ破断材を得た。クリープ試験機としては、東伸工業株式会社製シングル型クリープラプチャー試験装置を使用した。
【0032】
3.方位差曲線の作成
上記2.1)〜4)で得た各破断材から、上記実施形態と同様の手順で試験片を作成し、電子後方散乱回折像法(EBSD)による測定を行って電子後方散乱回折像取得処理から方位差取得処理までの工程を実行した。測定は、走査電子顕微鏡(日本電子株式会社製JSM−7001F)に、電子後方散乱回折像法測定装置(TSL社製HIKARI検出器)を付加した装置を用いた。また、測定用・解析用プログラムとしてはTLS社製「OIM ver5」を用いた。
【0033】
次に、各破断材の測定面を、破断面からの深さ方向において1mm毎に複数の区分に分割し、上記実施形態と同様の手順で平均方位取得処理および方位差曲線取得処理を実行した。なお、引張破断の方位差曲線取得処理においては、2種の温度条件下で破断された破断材のデータを合わせたものについて近似処理を行って方位差曲線を得た。衝撃破断、低サイクル疲労破断、クリープ破断の方位差曲線取得処理においても同様に行った。
【0034】
得られた方位差曲線のグラフを図11に示す。図11よりわかるように、引張破断材では、破段面付近で方位差が非常に大きく、破段面からの深さが離れるにつれて方位差が小さくなっていくが、全体的に方位差が比較的大きく、破断面からの深さが10mm以上となっても2°以上の方位差が存在する。
【0035】
これに対し、衝撃破断材では、破段面付近での方位差は比較的大きいが、破断面から離れるにつれて急激に方位差は小さくなり、破断面から5mm以上離れるとほとんど方位差がなくなる。
【0036】
また、クリープ破断材の方位差曲線のパターンは引張破断材の方位差曲線と類似しているが、全体的に方位差は大きくなく、破段面付近で2°程度、破断面からの深さ5mm以上で1°程度である。
【0037】
さらに、低サイクル疲労破断材では、破断面付近でも方位差が小さく、1°程度またはそれ以下である。
【0038】
このように、方位差曲線のパターンは各材料の破壊原因によって異なる。したがって、目的の破断材の方位差曲線を、あらかじめ破壊原因の分かっている標準試料を用いて上記と同様に求めておいた標準方位差曲線と比較することにより、その破断材の破壊原因を推定することができる。
【符号の説明】
【0039】
1…破壊原因推定システム
10…走査型電子顕微鏡
11…試料ステージ
13…電子銃(電子源)
14…EBSD検出器(画像取得装置)
21…CPU(結晶方位取得手段、方位差取得手段、平均方位取得手段、方位差曲線取得手段、破壊原因推定手段)
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属材料の破壊原因推定方法、および破壊原因推定システムに関する。
【背景技術】
【0002】
火力発電所等において、発電用タービン部材等の高強度部材は設備保安上重要であり、またこれらの部材は交換に多額の費用を要するため、損傷の原因を正しく究明し、適切な損傷対策、余寿命評価につなげることが求められる。
【0003】
ここで、材料が破壊した場合に破壊原因を推定する方法として、実際に破損した金属材料の破面状態と、過去の事例から得られた破面状態データとを比較評価するフラクトグラフィが知られている。しかし、高温酸化や破面同士の当たりにより破面が保存されないケースでは、フラクトグラフィを適用することができない。また、耐熱ニッケル基合金等のように、破壊モードによる破面形態の差が小さい材料については、フラクトグラフィによって破壊原因を推定することが困難である。
【0004】
さらに、近年、電子後方散乱回折像法(Electron Backscatter Diffraction:EBSD)による材料断面の結晶方位解析によって材料の破壊原因を推定する方法が考案されている(特許文献1参照)。しかし、この方法は、限られた材料の限られた破壊形態のみにしか適用できないのが現状である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−057240号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、金属材料の破壊原因を簡易かつ精度よく推定することが可能な方法及び装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の破壊原因推定方法は、電子後方散乱回折像法により破断した金属材料の破壊原因を推定する方法であって、前記破断した金属材料において破断面と垂直な面を測定面とし、この測定面上の複数の照射点に電子線を照射して電子後方散乱回折像を得る電子後方散乱回折像取得処理と、前記電子後方散乱回折像取得処理で得られた前記電子後方散乱回折像に基づいて、前記各照射点における結晶方位を決定する結晶方位取得処理と、前記結晶方位取得処理で得られた結晶方位に基づいて、前記各照射点における方位差を決定する方位差取得処理と、前記測定面を前記破断面からの深さ方向において所定間隔毎に複数の区分に分割し、前記各区分毎にその区分に属する複数の前記照射点の方位差の平均値を求める平均方位取得処理と、破断面からの深さを横軸、方位差を縦軸とした座標上に前記平均方位取得処理で得られた前記各区分における前記方位差の平均値のデータをプロットし、このプロットに基づいて方位差曲線を得る方位差曲線取得処理と、前記方位差曲線取得処理で得られた方位差曲線のパターンを、あらかじめ破壊原因の分かっている標準試料を用いて求めた標準方位差曲線と比較することにより前記破断した金属材料の破壊原因を判定する破壊原因判定処理と、を実行するものである。
【0008】
また、本発明の破壊原因推定装置は、電子後方散乱回折像法により破断した金属材料の破壊原因を推定するための破壊原因推定装置であって、試料上に電子線を照射するための電子源と、前記試料を搭載する試料ステージと、を備える走査型電子顕微鏡と、前記走査型電子顕微鏡によって前記試料上に電子線を照射することにより生じる電子後方散乱回折像を取得する画像取得装置と、前記電子後方散乱回折像取得処理で得られた前記電子後方散乱回折像に基づいて、前記各照射点における結晶方位を決定する結晶方位取得手段と、前記結晶方位取得処理で得られた結晶方位に基づいて、前記各照射点における方位差を決定する方位差取得手段と、前記測定面を前記破断面からの深さ方向において所定間隔毎に複数の区分に分割し、前記各区分毎にその区分に属する複数の前記照射点の方位差の平均値を求める平均方位取得手段と、破断面からの深さを横軸、方位差を縦軸とした座標上に前記平均方位取得処理で得られた前記各区分における前記方位差の平均値のデータをプロットし、このプロットに基づいて方位差曲線を得る方位差曲線取得手段と、前記方位差曲線取得処理で得られた方位差曲線のパターンを、あらかじめ破壊原因の分かっている標準試料を用いて求めた標準方位差曲線と比較することにより前記破断した金属材料の破壊原因を判定する破壊原因判定処理手段と、を備えるものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、金属材料の破壊原因を簡易かつ精度よく推定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施形態における、破壊原因推定システムのブロック図
【図2】実施形態における、破壊原因推定の手順を示すフローチャート
【図3】実施形態における、測定に用いられる試料の正面図
【図4】実施例における、引張試験片を示す平面図
【図5】図4の円A内の拡大図
【図6】実施例における、衝撃試験片を示す平面図
【図7】衝撃試験片の側面図
【図8】実施例における、低サイクル疲労試験片を示す図
【図9】実施例における、クリープ試験片を示す図
【図10】図9の円B内の拡大図
【図11】実施例における、各破断材の方位差曲線を示すグラフ
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の金属材料の破壊原因推定方法、および破壊原因推定装置を具体化した実施形態について、図1〜図3を参照しつつ詳細に説明する。
【0012】
図1には、本実施形態の破壊原因推定システム1のブロック図を示す。この破壊原因推定システム1は、走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope:SEM)10、EBSD検出器14(本発明の画像取得装置に該当)、3つの制御ユニット17、18、19およびコンピュータ20を備えている。
【0013】
走査型電子顕微鏡10は、内部に試料Wを固定可能な試料ステージ11が配された試料室12と、この試料Wに電子線を照射可能な電子銃13(本発明の電子源に該当)とを備えた一般的な構成のものである。また、EBSD検出器14は、試料への電子線照射によって生じる電子後方散乱回折像を投影するスクリーン15と、投影された電子後方散乱回折像を撮像するための高感度カメラ16とを備えた一般的な構成のものである。
【0014】
コンピュータ20は、電子線照射の制御や回折像の取得、方位解析等を行う測定・解析用プログラムを実行するCPU21と、ハードディスク22とを備えている。ハードディスク22には、解析データ等を記憶し、蓄積するデータ記憶領域23、測定・解析用プログラムが格納されたプログラム記憶領域24がそれぞれ確保されている。
【0015】
3つの制御ユニット17、18、19は、電子銃による電子線照射を制御する電子線制御ユニット17、試料ステージ11の位置及び角度を制御するステージ制御ユニット18、および、高感度カメラ16による撮像を制御するカメラ制御ユニット19からなる。これらの制御ユニット17、18、19はコンピュータ20に接続されており、CPU21からの指令により試料ステージ11、電子銃13および高感度カメラ16を制御する。
【0016】
次に、上記のように構成された破壊原因推定システム1を用いて、金属材料の破壊原因を推定する方法について、図2に示すフローチャートを参照しつつ説明する。
【0017】
本実施形態において測定対象となるのは、破断した金属材料である。この破断した金属材料から、破断面Fを含むように試料Wを切り出す。この試料Wについて、破断面Fと垂直な面を測定面Sとし、あらかじめ研磨を施しておく(図3参照)。
【0018】
この試料Wについて、電子後方散乱回折像法(EBSD)により方位測定を行う。
【0019】
まず、ステップS1で、試料Wを走査型電子顕微鏡10の試料ステージ11上にセットし、電子線を測定面S上に走査させ、所定ピッチ毎に照射する。すると、電子線の照射により電子後方散乱回折像が生じ、スクリーン15上に投影される。投影された電子後方散乱回折像は、高感度カメラ16により撮影され、画像データとしてコンピュータ20に出力される。このときの処理が本発明の「電子後方散乱回折像取得処理」に相当する。
【0020】
次に、ステップS2において、得られた電子後方散乱回折像を解析し、各照射点Pにおける結晶方位を得る。なお、この処理は、例えばTLS社製「OIM」等の測定・解析用プログラムを用いて公知の方法で行うことができる。得られた結晶方位は、各照射点Pの座標データとともにハードディスク22のデータ記憶領域23に記録される。このときの処理が本発明の「結晶方位取得処理」に相当し、CPU21が本発明の「結晶方位取得手段」として機能する。
【0021】
次に、ステップS3において、ステップS2で得られた結晶方位に基づき、各照射点Pにおける方位差を決定する。方位差の指標としては、対象となる照射点Pの方位と基準方位(粒平均方位)との差をその照射点における方位差とするGROD(Grain Reference Orientation Deviation)を用いてもよいし、対象となる照射点Pの方位と、その照射点Pに隣接して六角形状または四角形状に配される複数の他の照射点Pの方位との差を平均し、その平均値をその照射点Pの方位差とするKAM(Kernel Average Misorientation)を用いてもよいが、結晶粒内の非弾性歪みの広がりを評価できるGRODを適用することが好ましい。このときの処理が本発明の「方位差取得処理」に相当し、CPU21が本発明の「方位差取得手段」として機能する。なお、この処理は、上記ステップS2と同様、例えばTLS社製「OIM」等、公知の測定・解析用プログラムを用いて行うことができる。
【0022】
次いで、ステップS4で、測定面Sを、破断面Fからの深さ方向において所定間隔毎(例えば1mm毎)に複数の区分D1、D2、...Dnに分割する。そして、各区分D毎に、その区分Dに属する照射点Pの方位差の平均値を求める。このときの処理が本発明の「平均方位取得処理」に相当し、CPU21が本発明の「平均方位取得手段」として機能する。
【0023】
次に、ステップS5において、破断面からの深さを横軸、方位差を縦軸とした座標上に、ステップS4で得られた各区分Dにおける方位差の平均値のデータをプロットする。そして、得られたグラフを近似することにより、破断面からの深さと方位差との関係を示す方位差曲線を得る。近似は、最小二乗法等、公知の方法により行うことができる。このときの処理が本発明の「方位差曲線取得処理」に相当し、CPU21が本発明の「方位差曲線取得手段」として機能する。
【0024】
そして、ステップS6において、ステップS5で得られた方位差曲線のパターンを、あらかじめ破壊原因の分かっている標準試料を用いて上記と同様に求めておいた標準方位差曲線と比較することにより、試料Wの破壊原因を判定する。方位差曲線のパターンは、試料の破壊原因により異なるため、上記の方法により破壊原因を推定することができる。このときの処理が本発明の「破壊原因判定処理」に相当し、CPU21が本発明の「破壊原因判定手段」として機能する。
【0025】
本発明の金属材料の破壊原因推定方法は、金属材料であればどのような材料であっても適用可能であるが、面心立方格子構造をとる材料に特に好適に適用できる。これらの材料は新品の状態では歪みが少ないため、観測される方位変化は概ね破断により生じたものであると考えることができるからである。また、同様の理由で、体心立方構造をとるもののうち、純鉄、炭素鋼等の材料にも好適に適用できると考えられる。
【実施例】
【0026】
1.試験片の作成
供試材としては、ニッケル基超合金IN738LCを用いた。この供試材の化学組成を表1に示す。
【0027】
【表1】
【0028】
2.試験片の破断
1)引張破断
上記の供試材を図4、図5に示す平板状の試験片に加工した。この試験片を用いて、JIS Z 2241に準じ、室温および800℃の温度条件下で引張試験を行って破断させ、引張破断材を得た。引張試験機としては、インストロン社製引張試験装置を使用した。
【0029】
2)衝撃破断
上記の供試材を図6に示す柱状の試験片に加工した。この試験片を用いて、JIS Z 2242に準じ、室温および400℃の温度条件下でシャルピー衝撃試験を行って破断させ、衝撃破断材を得た。衝撃試験機としては、島津製作所製シャルピー衝撃試験機を使用した。
【0030】
3)低サイクル疲労破断
上記の供試材を図7に示す平板状の試験片に加工した。この試験片を用いて、JIS Z 2279に準じ、850℃−全ひずみ範囲1.0%および850℃−全ひずみ範囲0.6%の条件下で低サイクル疲労試験を行って破断させ、低サイクル疲労破断材を得た。疲労試験機としては、インストロン社製クリープ疲労試験装置を使用した。
【0031】
4)クリープ破断
上記の供試材を図8および図9に示す平板状の試験片に加工した。この試験片を用いて、JIS Z 2271に準じ、760℃×490MPa、および980℃×113MPaの条件下で低サイクル疲労試験を行って破断させ、クリープ破断材を得た。クリープ試験機としては、東伸工業株式会社製シングル型クリープラプチャー試験装置を使用した。
【0032】
3.方位差曲線の作成
上記2.1)〜4)で得た各破断材から、上記実施形態と同様の手順で試験片を作成し、電子後方散乱回折像法(EBSD)による測定を行って電子後方散乱回折像取得処理から方位差取得処理までの工程を実行した。測定は、走査電子顕微鏡(日本電子株式会社製JSM−7001F)に、電子後方散乱回折像法測定装置(TSL社製HIKARI検出器)を付加した装置を用いた。また、測定用・解析用プログラムとしてはTLS社製「OIM ver5」を用いた。
【0033】
次に、各破断材の測定面を、破断面からの深さ方向において1mm毎に複数の区分に分割し、上記実施形態と同様の手順で平均方位取得処理および方位差曲線取得処理を実行した。なお、引張破断の方位差曲線取得処理においては、2種の温度条件下で破断された破断材のデータを合わせたものについて近似処理を行って方位差曲線を得た。衝撃破断、低サイクル疲労破断、クリープ破断の方位差曲線取得処理においても同様に行った。
【0034】
得られた方位差曲線のグラフを図11に示す。図11よりわかるように、引張破断材では、破段面付近で方位差が非常に大きく、破段面からの深さが離れるにつれて方位差が小さくなっていくが、全体的に方位差が比較的大きく、破断面からの深さが10mm以上となっても2°以上の方位差が存在する。
【0035】
これに対し、衝撃破断材では、破段面付近での方位差は比較的大きいが、破断面から離れるにつれて急激に方位差は小さくなり、破断面から5mm以上離れるとほとんど方位差がなくなる。
【0036】
また、クリープ破断材の方位差曲線のパターンは引張破断材の方位差曲線と類似しているが、全体的に方位差は大きくなく、破段面付近で2°程度、破断面からの深さ5mm以上で1°程度である。
【0037】
さらに、低サイクル疲労破断材では、破断面付近でも方位差が小さく、1°程度またはそれ以下である。
【0038】
このように、方位差曲線のパターンは各材料の破壊原因によって異なる。したがって、目的の破断材の方位差曲線を、あらかじめ破壊原因の分かっている標準試料を用いて上記と同様に求めておいた標準方位差曲線と比較することにより、その破断材の破壊原因を推定することができる。
【符号の説明】
【0039】
1…破壊原因推定システム
10…走査型電子顕微鏡
11…試料ステージ
13…電子銃(電子源)
14…EBSD検出器(画像取得装置)
21…CPU(結晶方位取得手段、方位差取得手段、平均方位取得手段、方位差曲線取得手段、破壊原因推定手段)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子後方散乱回折像法により破断した金属材料の破壊原因を推定する方法であって、
前記破断した金属材料において破断面と垂直な面を測定面とし、この測定面上の複数の照射点に電子線を照射して電子後方散乱回折像を得る電子後方散乱回折像取得処理と、
前記電子後方散乱回折像取得処理で得られた前記電子後方散乱回折像に基づいて、前記各照射点における結晶方位を決定する結晶方位取得処理と、
前記結晶方位取得処理で得られた結晶方位に基づいて、前記各照射点における方位差を決定する方位差取得処理と、
前記測定面を前記破断面からの深さ方向において所定間隔毎に複数の区分に分割し、前記各区分毎にその区分に属する複数の前記照射点の方位差の平均値を求める平均方位取得処理と、
破断面からの深さを横軸、方位差を縦軸とした座標上に前記平均方位取得処理で得られた前記各区分における前記方位差の平均値のデータをプロットし、このプロットに基づいて方位差曲線を得る方位差曲線取得処理と、
前記方位差曲線取得処理で得られた方位差曲線のパターンを、あらかじめ破壊原因の分かっている標準試料を用いて求めた標準方位差曲線と比較することにより前記破断した金属材料の破壊原因を判定する破壊原因判定処理と、を実行する金属材料の破壊原因推定方法。
【請求項2】
前記金属材料が、面心立方格子構造を有するものである、請求項1に記載の金属材料の破壊原因推定方法。
【請求項3】
電子後方散乱回折像法により破断した金属材料の破壊原因を推定するための破壊原因推定装置であって、
試料上に電子線を照射するための電子源と、前記試料を搭載する試料ステージと、を備える走査型電子顕微鏡と、
前記走査型電子顕微鏡によって前記試料上に電子線を照射することにより生じる電子後方散乱回折像を取得する画像取得装置と、
前記電子後方散乱回折像取得処理で得られた前記電子後方散乱回折像に基づいて、前記各照射点における結晶方位を決定する結晶方位取得手段と、
前記結晶方位取得処理で得られた結晶方位に基づいて、前記各照射点における方位差を決定する方位差取得手段と、
前記測定面を前記破断面からの深さ方向において所定間隔毎に複数の区分に分割し、前記各区分毎にその区分に属する複数の前記照射点の方位差の平均値を求める平均方位取得手段と、
破断面からの深さを横軸、方位差を縦軸とした座標上に前記平均方位取得処理で得られた前記各区分における前記方位差の平均値のデータをプロットし、このプロットに基づいて方位差曲線を得る方位差曲線取得手段と、
前記方位差曲線取得処理で得られた方位差曲線のパターンを、あらかじめ破壊原因の分かっている標準試料を用いて求めた標準方位差曲線と比較することにより前記破断した金属材料の破壊原因を判定する破壊原因判定処理手段と、を備える破壊原因推定装置。
【請求項1】
電子後方散乱回折像法により破断した金属材料の破壊原因を推定する方法であって、
前記破断した金属材料において破断面と垂直な面を測定面とし、この測定面上の複数の照射点に電子線を照射して電子後方散乱回折像を得る電子後方散乱回折像取得処理と、
前記電子後方散乱回折像取得処理で得られた前記電子後方散乱回折像に基づいて、前記各照射点における結晶方位を決定する結晶方位取得処理と、
前記結晶方位取得処理で得られた結晶方位に基づいて、前記各照射点における方位差を決定する方位差取得処理と、
前記測定面を前記破断面からの深さ方向において所定間隔毎に複数の区分に分割し、前記各区分毎にその区分に属する複数の前記照射点の方位差の平均値を求める平均方位取得処理と、
破断面からの深さを横軸、方位差を縦軸とした座標上に前記平均方位取得処理で得られた前記各区分における前記方位差の平均値のデータをプロットし、このプロットに基づいて方位差曲線を得る方位差曲線取得処理と、
前記方位差曲線取得処理で得られた方位差曲線のパターンを、あらかじめ破壊原因の分かっている標準試料を用いて求めた標準方位差曲線と比較することにより前記破断した金属材料の破壊原因を判定する破壊原因判定処理と、を実行する金属材料の破壊原因推定方法。
【請求項2】
前記金属材料が、面心立方格子構造を有するものである、請求項1に記載の金属材料の破壊原因推定方法。
【請求項3】
電子後方散乱回折像法により破断した金属材料の破壊原因を推定するための破壊原因推定装置であって、
試料上に電子線を照射するための電子源と、前記試料を搭載する試料ステージと、を備える走査型電子顕微鏡と、
前記走査型電子顕微鏡によって前記試料上に電子線を照射することにより生じる電子後方散乱回折像を取得する画像取得装置と、
前記電子後方散乱回折像取得処理で得られた前記電子後方散乱回折像に基づいて、前記各照射点における結晶方位を決定する結晶方位取得手段と、
前記結晶方位取得処理で得られた結晶方位に基づいて、前記各照射点における方位差を決定する方位差取得手段と、
前記測定面を前記破断面からの深さ方向において所定間隔毎に複数の区分に分割し、前記各区分毎にその区分に属する複数の前記照射点の方位差の平均値を求める平均方位取得手段と、
破断面からの深さを横軸、方位差を縦軸とした座標上に前記平均方位取得処理で得られた前記各区分における前記方位差の平均値のデータをプロットし、このプロットに基づいて方位差曲線を得る方位差曲線取得手段と、
前記方位差曲線取得処理で得られた方位差曲線のパターンを、あらかじめ破壊原因の分かっている標準試料を用いて求めた標準方位差曲線と比較することにより前記破断した金属材料の破壊原因を判定する破壊原因判定処理手段と、を備える破壊原因推定装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−64626(P2013−64626A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−202935(P2011−202935)
【出願日】平成23年9月16日(2011.9.16)
【出願人】(000213297)中部電力株式会社 (811)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月16日(2011.9.16)
【出願人】(000213297)中部電力株式会社 (811)
【Fターム(参考)】
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