説明

金属検出装置

【課題】 連続して搬送される複数の物品が互いに近接して搬送される場合において金属または金属の性質を有する物質の有無に関して誤判定された物品がそのまま下流側へ流れてしまうことを防止することが可能な金属検出装置を提供する。
【解決手段】 金属検出装置10では、制御部40が、金属検知部12における検知結果について、光電センサ16において測定される被計量物Pの間隔がRAM35に格納されている適性間隔以下である場合には、その検知結果を無効とする制御を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送中の物品の中に、例えば、脱酸素剤およびシリカゲル等の金属の性質を有する物質が含まれているか否かを判定する金属検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、搬送コンベア等によって被検査物である複数の物品を連続的に搬送し、各物品中に含まれる金属の性質を有する物質の検知を行う金属検出装置が用いられている。
【0003】
例えば、特許文献1には、脱酸素剤が封入された物体について、脱酸素剤が金属の性質を有していることを利用して金属検出装置によって検査を行う脱酸素剤封入忘れ検知装置が開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、金属の性質を有する物質検出を行う動作時間を物品の通過中だけに制限することで、金属検出装置における誤動作の発生頻度を低減する金属検出装置が開示されている。
【特許文献1】実開昭62−111572号公報(昭和62年7月16日公開)
【特許文献2】特開平8−211160号公報(平成8年8月20日公開)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の金属検出装置では、以下に示すような問題点を有している。
【0006】
すなわち、上記公報に開示された金属検出装置では、連続して搬送される物品の間隔が所定の間隔より狭く、かつ先に搬送されている物品に脱酸素剤が入っておらず、近接して搬送される後ろの物品に脱酸素剤が入っている場合には、後ろの物品に含まれる脱酸素剤の影響を受けて先に搬送されている物品を脱酸素剤入りと誤判定してしまうおそれがある。一方、連続して搬送される物品の間隔が所定の間隔以下であって、先に搬送されている物品に脱酸素剤が入っており、後ろの物品に脱酸素剤が入っていない場合にも、先の物品の脱酸素剤を検知した影響を受けて後ろの物品についても脱酸素剤入りと誤判定してしまうおそれがある。
【0007】
本発明の課題は、連続して搬送される複数の物品が互いに近接して搬送される場合において誤判定された物品がそのまま下流側へ流れてしまうことを防止することが可能な金属検出装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の発明に係る金属検出装置は、搬送部と、金属検知部と、判定部と、記憶部と、間隔検知部と、制御部と、を備えている。搬送部は、検査対象となる複数の物品を連続して搬送する。金属検知部は、搬送部によって搬送される物品に含まれる金属の性質を有する物質を検知する。判定部は、金属検知部における検知結果に基づいて物品に金属の性質を有する物質が含まれているか否かの判定を行う。記憶部は、搬送部において搬送される各物品の適正間隔を記憶する。間隔検知部は、搬送部において搬送される各物品の間隔を検知する。制御部は、間隔検知部における検知結果が記憶部に記憶された適正間隔以下である場合には、判定部における判定結果を無効とする。
【0009】
ここでは、連続して搬送される複数の物品について金属の性質を有する物質の混入の有無を検査する金属検出装置において、予め設定された適正間隔以下で搬送されてきた物品については、先に搬送されてきた物品あるいは後ろ側の物品の少なくともいずれか一方の判定を無効とする。
【0010】
ここで、金属もしくは金属の性質を有する物質としては、金属そのものの他に、脱酸素剤やシリカゲル等の物質が含まれる。さらには、金属もしくは金属の性質を有する物質を入れたプラスチック製の袋、アルミ箔(金属、多層の中の1層)やアルミ蒸着(金属)のフィルムで形成された袋に入ったスープ、金属製のおまけが入った小箱等も含まれる。また、物品の間隔とは、搬送方向における先に搬送される物品の後端と後ろの物品の先端との間の距離を意味している。そして、記憶部に記憶される適正間隔とは、先に搬送される物品の検査を行った後に次の物品の検査を適性に行うために必要な間隔である。
【0011】
通常、複数の物品を連続的に搬送しながら金属の性質を有する物質の混入の有無を検査する金属検出装置では、各物品が所定間隔を保ちながら搬送されている際には良好な検査を行うことができるものの、所定間隔以下で近接して搬送される前後の物品については互いの検知の影響を受けて正確な検査を実施することができないおそれがある。
【0012】
そこで、本発明の金属検出装置では、正確に検査を行うことができる物品間の適正な間隔を予め記憶させる記憶部と、搬送中の物品の間隔を検知する間隔検知部とを備えている。そして、間隔検知部における検知結果が上記適正な間隔以下である場合には、制御部が適正な間隔以下で近接して搬送される物品のうち、前後の物品のいずれか、あるいは双方の物品の判定結果を無効とする。
【0013】
これにより、互いに近接して搬送される物品が誤判定されたまま下流側へ流れていくことを防止することができる。この結果、判定を無効とした物品について、適正な間隔を開けて再検査を実施することで検査の精度を向上させることができる。
【0014】
第2の発明に係る金属検出装置は、第1の発明に係る金属検出装置であって、判定部は、物品に金属の性質を有する物質が含まれる場合に良品と判定する。
【0015】
ここでは、本発明の金属検出装置を、金属の性質を有する物質の混入の有無を検知する検査のうち、例えば、脱酸素剤入りの物品のように金属の性質を有する物質が含まれていることを確認するための検査に用いている。
【0016】
つまり、金属の性質を有する物質が混入していないことを確認するための検査では、互いに近接して搬送される物品について双方とも金属の性質を有する物質が混入した不良品として排出されるため大きな問題にはならない。しかし、金属の性質を有する物質が混入していることを確認する検査では、金属の性質を有する物質が混入していないのに良品として誤判定されたままになってしまうおそれがある。
【0017】
このため、金属の性質を有する物質入りを良品と判定する検査に用いることで、近接した搬送によって誤判定のおそれがあるものについては判定を無効とし、適正間隔を開けて再検査を実施させることができる。
【0018】
第3の発明に係る金属検出装置は、第1または第2の発明に係る金属検出装置であって、制御部は、適正間隔以下で搬送されてきた物品のうち先に搬送されてきた物品について金属の性質を有する物質を検知した場合には、後ろの物品の判定結果を無効とする。
【0019】
ここでは、間隔検知部において検知された物品の間隔が所定間隔以下であって先に搬送されてきた物品について金属の性質を有する物質を検知した場合には、この物品に近接して搬送される後ろの物品については先の物品に含まれる金属の性質を有する物質を検知した影響を受けて正確に検査を行うことができなくなるおそれがあるため、後ろの物品の判定結果を無効とする。
【0020】
これにより、適正間隔以下で近接して搬送される先の物品に金属の性質を有する物質が含まれている場合には、後ろの物品で金属の性質を有する物質が誤検知されたままになることを防止できる。よって、適正間隔を開けた状態での再検査を行うことで高精度な検査を実施することができる。
【0021】
なお、このような先に搬送される物品に含まれる金属の性質を有する物質を検知した影響は、例えば、金属検知部を構成する受信コイルにおける金属の性質を有する物質を検知した検知信号の反応が初期状態に戻るまでにある程度の時間を必要とすることによるものである。つまり、金属の性質を有する物質を検知した検知信号の反応が戻らないうちに後ろの物品の検査を実施しても正確な検査を行うことができないため、適正な間隔を開けて検査を行った物品についてのみ判定結果を信用するものとしている。
【0022】
第4の発明に係る金属検出装置は、第1または第2の発明に係る金属検出装置であって、制御部は、適正間隔以下で搬送されてきた物品のうち後ろの物品で金属の性質を有する物質を検知した場合には、先に搬送されてきた物品の判定結果を無効とする。
【0023】
ここでは、間隔検知部において検知された物品の間隔が所定間隔以下であって後ろの物品について金属の性質を有する物質を検知した場合には、後ろの物品に含まれる金属の性質を有する物質を検知した影響を受けて先の物品の検査を正確に行うことができなくなるおそれがあるため、先の物品の判定結果を無効とする。
【0024】
これにより、適正間隔以下で近接して搬送される後ろの物品に金属の性質を有する物質が含まれている場合には、先の物品で金属の性質を有する物質が誤検知されるおそれを回避できる。よって、先の物品については適正間隔を開けた状態での再検査を行うことで高精度な検査を実施することができる。
【0025】
第5の発明に係る金属検出装置は、第1から第4の発明のいずれか1つに係る金属検出装置であって、金属検知部は、交番磁界を発生させる送信コイルと、交番磁界中に配置された受信コイルとを有している。
【0026】
ここでは、送信コイルによって発生する交番磁界中に配置された受信コイルにおける検知信号を読み取って、搬送中の物品に含まれる金属の性質を有する物質の検知を行う。
【0027】
これにより、簡易な構成によって金属の性質を有する物質の検知を行うことができる。
【0028】
第6の発明に係る金属検出装置は、第5の発明に係る金属検出装置であって、記憶部に記憶される適正間隔は、物品の搬送方向における受信コイルの長さである。
【0029】
ここでは、金属検知部が有する受信コイルの物品の搬送方向における長さを基準にして適正間隔を決定する。
【0030】
これにより、受信コイルにおいて金属の性質を有する物質を検知した後の検知信号のノイズが消滅して初期状態に戻るまでの時間を確保して、次に搬送されてくる物品の検査を行うことができる。
【0031】
第7の発明に係る金属検出装置は、第1から第6の発明のいずれか1つに係る金属検出装置であって、適正間隔は、金属検知部において金属の性質を有する物質を検知した後、受信コイルが初期状態に戻るために必要な時間を基準にして決定される。
【0032】
ここでは、金属検知部の受信コイルが初期状態に戻ってから次の物品の検査を行うように物品間の適性間隔を決定する。
【0033】
これにより、受信コイルにおいて金属の性質を有する物質を検知した後の検知信号のノイズが残っている間に次の物品が搬送されてくることを防止して、受信コイルが初期状態に戻った後で次の物品の検査を行うことができる。よって、常に高精度な検査を実施することが可能な適正間隔を確保することができる。
【0034】
第8の発明に係る金属検出装置は、第1から第7の発明のいずれか1つに係る金属検出装置であって、間隔検知部は、物品の通過を検知する光電センサと、光電センサにおいて物品を検知した後の時間を測定するタイマと、を備えている。
【0035】
ここでは、物品の通過を検知する光電センサによる物品を検知してからの時間をタイマによって測定することで、適正な間隔を開けて搬送されているか否かを検知する。
【0036】
これにより、適正間隔という長さを時間というパラメータによって管理することができる。なお、このタイマにおいて管理される時間は、搬送部における搬送速度に応じて変化するものとする。
【0037】
第9の発明に係る金属検出装置は、第1から第8の発明のいずれか1つに係る金属検出装置であって、制御部において判定を無効にされた物品を搬送部における搬送路上から振り分ける振分部をさらに備えている。
【0038】
ここでは、判定部において不良と判定された物品、制御部において判定を無効にされた物品を、搬送路上から所定の方向へ振り分ける振分部をさらに備えている。
【0039】
これにより、不良と判定された物品は廃棄するとともに、判定を無効とされた物品については適正間隔を開けた状態で再検査することができる。なお、この振分部は、正常な物品とそれ以外の物品とを振り分けるだけでなく、それ以外の物品を、不良と判定された物品と判定を無効とされた物品とにさらに振り分けるような構成であってもよい。
【発明の効果】
【0040】
本発明の金属検出装置によれば、互いに近接して搬送される物品が誤判定されたまま下流側へ流れていくことを防止して、判定を無効とした物品について、適正な間隔を開けて再検査を実施することで検査の精度を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0041】
本発明の一実施形態に係る金属検出装置について、図1〜図9を用いて説明すれば以下の通りである。
【0042】
[金属検出装置10の構成]
本実施形態に係る金属検出装置10は、図1に示すように、複数の被検査物(物品)Pを連続して搬送しながら、金属もしくは脱酸素剤等の金属の性質を有する物質が混入しているか否かの検査を行う検査装置である。また、金属検出装置10は、搬送コンベア(搬送部)11、金属検知部12、設定入力部15、光電センサ(間隔検知部)16(図2参照)、振分部18および制御部(判定部、制御部)40(図3参照)を備えている。
【0043】
搬送コンベア11は、駆動ローラによって無端状のベルトを回転させながらベルト上に載置された被検査物Pを連続して所定の方向へ搬送する。
【0044】
金属検知部12は、搬送コンベア11によって搬送される被検査物Pに含まれる脱酸素剤Mを検知するための装置であって、上部ヘッド21と下部ヘッド22とを備えている。
【0045】
上部ヘッド21は、下部ヘッド22とともに搬送コンベア11の中央部分を挟み込むように配置されている。そして、上部ヘッド21は、図4に示すように、金属検知部12を構成する送信コイル21aを内部に備えており、送信コイル21aによって下部ヘッド22(受信コイル22a)を含む領域に交番磁界を発生させる。
【0046】
下部ヘッド22は、図4に示すように、上部ヘッド21の送信コイル21aによって形成される交番磁界の領域内に2つの受信コイル22a,22bを備えている。そして、この2つの受信コイル22a,22bにおける検出信号の差分を算出することによって、交番磁界に含まれる搬送コンベア11上を脱酸素剤Mが通過したか否かを検出する。
【0047】
本実施形態の金属検出装置10では、上部ヘッド21の送信コイル21aによって形成される交番磁界中を金属の性質を有する脱酸素剤M等を含む被検査物Pが通過すると、下部ヘッド22の受信コイル22a,22bに流れる電流を示す金属検出信号の波形が変化する。このため、金属の性質を有する物質が交番磁界中を通過した際の受信コイル22a,22bにおける検出信号波形の差分をとることで、搬送コンベア11によって搬送される被検査物Pの中に脱酸素剤Mが含まれているか否かを容易に判定することができる。
【0048】
設定入力部15は、搬送コンベア11の搬送速度や、後述する被検査物P間の適正間隔、タイマ17による時限設定等の各種設定を行う。
【0049】
光電センサ16は、図2に示すように、金属検知部12の直上流側であって搬送コンベア11の側方に配置されており、発光素子16aおよび受光素子16bを有している。発光素子16aは、搬送コンベア11の搬送方向に直交する向きに搬送路に平行な光を被検査物Pよりも低い位置で照射する。受光素子16bは、発光素子16aから照射された光を受光する。つまり、光電センサ16における発光素子16aから照射された光が被検査物Pによって遮光されていない時間を計測し、搬送コンベア11における搬送速度と上記計測時間とに基づいて被検査物Pの間の間隔Xを測定することができる。また、光電センサ16は、後述するタイマ17によって管理されている被検査物Pにおける搬送方向前方の端部が光電センサ16の前を通過してから後方の端部が金属検知部12の検知領域を通過するまでの時間を計測する際の、開始タイミングを決定する。
【0050】
タイマ17は、搬送コンベア11によって搬送される被検査物Pが光電センサ16によって検知されてから金属検知部12による検知領域を抜けるまでの時間を管理している。具体的には、先に搬送される被検査物Pによって光電センサ16(受光素子16b)が遮光され始めてからこの被検査物Pが金属検知部12(送信コイル21a)によって形成される交番磁界中を抜け切るまでの時間を個々の被検査物Pごとに管理している。そして、タイマ17がタイムアップするまでに次の被検査物Pによって光電センサ16が遮光されると、制御部40が、この後ろ側の被検査物Pの判定を無効とする。
【0051】
振分部18は、搬送コンベア11における金属検知部12の下流側に配置されている。そして、制御部40において無効とされた被検査物Pや、脱酸素剤Mが混入していない不良品として検出された被検査物Pについては、図9に示すように、搬送路上から振り落とすために回動する。
【0052】
次に、本実施形態の金属検出装置10が備えているRAM(記憶部)35等に格納されている各種プログラムを読み出して各部の動作制御を実行する制御部40について、図3を用いて説明すれば以下の通りである。
【0053】
制御部40は、図3に示すように、バスライン30、CPU31、クロック発振回路32、I/Oインターフェース33、ROM34、RAM35、検波・フィルタ回路36、発振回路37、およびA/D変換回路38を備えている。
【0054】
また、金属検知部12(送信コイル21a、受信コイル22a,22b)は、制御部40に含まれる発振・フィルタ回路36および発振回路37に接続されている。そして、検波・フィルタ回路36は、A/D変換回路38を介してバスライン30に接続されている。このため、受信コイル22a,22bからの金属検出信号は、各種の処理が施された後、A/D変換され、バスライン30を経由して各部に供給される。
【0055】
バスライン30は、クロック発振回路32が接続されたCPU31、ROM34、RAM35が接続されている。バスライン30は、さらに、I/Oインターフェース33を介して、搬送コンベア11、設定入力部15、光電センサ16、タイマ17および振分部18と接続されている。
【0056】
RAM35には、搬送コンベア11の速度データ(搬送速度データ)、被検査物(製品)Pの搬送方向における長さ、複数の被検査物Pを連続して搬送した場合に良好な判定を行うことが可能になる適正な被検査物P間の間隔(以下、単に「適正間隔」と示す。)等のデータおよび各部の動作を制御するための各種プログラムが格納されている。なお、RAM35に格納されている適正間隔のデータは、金属検知部12の受信コイル22a,22bの搬送方向における長さY(図4参照)を基準にして設定されたデータや、このデータに金属検知部12における金属反応が消滅して初期状態に戻るための時間を確保するためのマージンを加算したデータ等を用いることができる。
【0057】
本実施形態の金属検出装置10では、以上のような構成を有する制御部40において、RAM35に格納されている各種プログラムのうち、判定プログラムをCPU31が読み出して実行することで、制御部40が被検査物Pに含まれる脱酸素剤Mの有無を判定する判定部として機能する。さらに、制御部40が、RAM35に格納されている適正間隔判定プログラムをCPU31が読み出して実行することで、適正間隔より狭い間隔で搬送される被検査物Pに関する判定を無効にするか否かを決定する制御部として機能する。
【0058】
[金属検出装置10における検査方法]
本実施形態の金属検出装置10では、脱酸素剤Mが個々の被検査物Pに含まれていることを確認するための検査について、図5および図7に示すフローチャートを用いて説明すれば以下の通りである。
【0059】
まず、図6に示すように、連続して搬送される複数の被検査物Pのうち、先に搬送される被検査物P側に脱酸素剤Mが混入しており、後で搬送される被検査物Pに脱酸素剤Mが混入していない場合について説明する。この場合には、前の被検査物Pと後ろの被検査物Pとの間隔XがRAM35に格納された適正間隔以下になると、前の被検査物Pに含まれる脱酸素剤Mを検出した受信コイル22a,22bに所定時間残存したノイズの影響を受けて後の被検査物Pについても脱酸素剤Mが混入していると誤検知されるおそれがある。そして、このような誤判定が生じた場合には、脱酸素剤Mが混入していない後ろ側の被検査物Pについて正常品として振り分けられることなくそのまま搬送されてしまう。
【0060】
本実施形態の金属検出装置10では、このように複数の被検査物Pが近接して搬送されたために金属混入の判定を正確に行うことができなくなることを考慮して、所定の適正間隔以下で搬送される被検査物Pについては、後ろの被計量物Pの判定結果を無効とする。
【0061】
具体的には、図5に示すように、ステップS1において、脱酸素剤Mが被検査物Pに混入しているか否かを金属検知部12の受信コイル22a,22bにおける検出信号に基づいて判定する。ここで脱酸素剤Mが混入していない場合には、ステップS4へ進み、図9に示すように、振分部18によって不良品として搬送コンベア11上から所定の方向(図9中の2点鎖線矢印参照)へ振り分けられる。
【0062】
一方、ステップS1において脱酸素剤Mが被検査物Pに混入していると判定された場合には、ステップS2へ進み、前の被検査物Pとの間隔がRAM35に格納されている適正間隔以下であるか否かの判定を行う。ここで、適正間隔以下である場合には、ステップS5へ進んでステップS1における判定を無効とし、ステップS6において再検査品として振分部18によって搬送路上から振り分けられる(図9参照)。
【0063】
ステップS2において適正間隔以下でなく、十分な間隔を開けて搬送されていると判定された場合には、ステップS3へ進み、振分部18によって振り分けられることなく、正常品としてそのまま下流側へ搬送される。
【0064】
次に、図8に示すように、連続して搬送される複数の被検査物Pのうち、先に搬送される被検査物P側に脱酸素剤Mが混入しておらず、後で搬送される被検査物Pに脱酸素剤Mが混入している場合について説明する。この場合には、前の被検査物Pと後ろの被検査物Pとの間隔XがRAM35に格納された適正間隔以下になると、先の被検査物Pが金属検知部12における検知領域を通過する前に後ろ被検査物Pに含まれる脱酸素剤Mを検出して検出された脱酸素剤Mが先の被検査物Pに含まれているのか、後ろの被検査物Pに含まれているのかが分からなくなってしまう。そして、このような誤判定が生じた場合には、脱酸素剤Mが混入していない先の被検査物Pについて正常品として振分部18によって振り分けられることなくそのまま搬送されてしまう。
【0065】
本実施形態では、このように複数の被検査物Pが近接して搬送されたために金属混入の判定を正確に行うことができなくなることを考慮して、所定の適正間隔以下で搬送される被検査物Pについては、先の被計量物Pの判定結果を無効とする。
【0066】
具体的には、図7に示すように、ステップS11において、脱酸素剤Mが被検査物Pに混入しているか否かを金属検知部12の受信コイル22a,22bにおける検出信号に基づいて判定する。ここで脱酸素剤Mが混入していない場合には、ステップS14へ進み、図9に示すように、振分部18によって不良品として搬送コンベア11上から所定の方向(図9中の2点鎖線矢印参照)へ振り分けられる。
【0067】
一方、ステップS11において脱酸素剤Mが被検査物Pに混入していると判定された場合には、ステップS12へ進み、後ろの被検査物Pとの間隔がRAM35に格納されている適正間隔以下であるか否かの判定を行う。ここで、適正間隔以下である場合には、ステップS15へ進んでステップS11における判定を無効とし、ステップS16において再検査品として振分部18によって搬送路上から振り分けられる(図9参照)。
【0068】
ステップS12において適正間隔以下でなく、十分な間隔を開けて搬送されていると判定された場合には、ステップS13へ進み、振分部18によって振り分けられることなく、正常品としてそのまま下流側へ搬送される。
【0069】
なお、図8に示す場合には、先に搬送される被検査物Pだけでなく、後ろの被検査物Pの検査結果も誤ったものになるおそれがあるため、双方とも適正間隔を開けた上で再検査を実施することがより好ましい。
【0070】
[本金属検出装置10の特徴]
(1)
本実施形態の金属検出装置10では、制御部40が、金属検知部12における検知結果について、光電センサ16において測定される被計量物Pの間隔がRAM35に格納されている適性間隔以下である場合には、その検知結果を無効とする制御を行う。
【0071】
これにより、互いに近接して搬送されている被検査物Pについて、一方の被検査物Pに含まれる脱酸素剤Mを検知した影響により、他方の被検査物Pの検査が正確に行えなかった場合でも、誤検知されたままで搬送されてしまうことを防止することができる。よって、互いに近接して搬送されており正確な検査結果が得られなかったおそれがある被検査物Pについては、適正間隔を開けて再検査を実施することで検査の精度を向上させることができる。
【0072】
(2)
本実施形態の金属検出装置10では、制御部40が、脱酸素剤Mが混入している被検査物Pについて良品と判定する。つまり、脱酸素剤Mが入っていない被計量物Pを不良品として振り分ける。
【0073】
反対に、脱酸素剤Mが入っていない被検査物を良品とし、入っている被検査物を不良品と判定する金属検出装置では、互いに近接して搬送される被検査物については双方ともに不良品と判定され、振り分けられるためにそれほど大きな問題にはならない。
【0074】
一方、本実施形態のように、脱酸素剤Mが入っていない被検査物Pを不良品として振り分ける金属検出装置10では、互いに近接して搬送される被検査物Pを良品として判定してしまうことになるため、誤検知された被検査物Pをそのまま良品として搬送してしまうおそれがある。
【0075】
しかし、本実施形態の金属検出装置10では、このような互いに近接した搬送される被検査物Pについてはいずれか一方あるいは双方の判定結果を無効にするため、そのまま良品として搬送されてしまうことを防止することができる。
【0076】
(3)
本実施形態の金属検出装置10では、図6に示すように、連続して搬送される複数の被検査物Pのうち、先に搬送される被検査物P側に脱酸素剤Mが混入しており、後で搬送される被検査物Pに脱酸素剤Mが混入していない場合であって、互いに適正間隔よりも近接して搬送されている被検査物Pについては、後ろの被検査物Pについての判定を無効とする。
【0077】
これにより、先の被検査物Pに混入している脱酸素剤Mを検知した影響により、後ろの被検査物Pの判定が誤ったものである場合でも、後ろの被検査物Pについては適正間隔を開けた再検査に回すことができる。この結果、検査の精度を向上させることができる。
【0078】
(4)
本実施形態の金属検出装置10では、図8に示すように、連続して搬送される複数の被検査物Pのうち、後ろで搬送される被検査物P側に脱酸素剤Mが混入しており、先に搬送される被検査物Pに脱酸素剤Mが混入していない場合であって、互いに適正間隔よりも近接して搬送されている被検査物Pについては、先の被検査物Pについての判定を無効とする。
【0079】
これにより、先に搬送される被検査物Pがまだ金属検知部12の検知領域から完全に出ていないうちに後ろの被検査物Pに混入している脱酸素剤Mを検知した影響により、先の被検査物Pの判定が誤ったものになった場合でも、先の被検査物Pについては適正間隔を開けた再検査に回すことができる。この結果、検査の精度を向上させることができる。
【0080】
(5)
本実施形態の金属検出装置10では、図4に示すように、金属検知部12は、上部ヘッド21に送信コイル21aを、下部ヘッド22に受信コイル22a,22bをそれぞれ備えている。
【0081】
これにより、送信コイル21aによって形成される交番磁界中を、金属の性質を有する脱酸素剤M等の物質が通過した場合には、受信コイル22a,22bにおいて現れる金属検出信号の波形の変化を観測することで、容易に金属の性質を有する物質が含まれているか否かを検査することができる。
【0082】
(6)
本実施形態の金属検出装置10では、RAM35に格納される適正間隔を設定する基準として、受信コイル22a,22bの搬送方向における長さYを用いている(図4参照)。
【0083】
これにより、先に搬送される被検査物Pと後ろの被検査物Pとが、送信コイル21aによって交番磁界が形成されている受信コイル22a,22bの直上(検知領域)に同時に進入することを防止することができる。この結果、一方の被検査物Pに含まれる脱酸素剤Mを検知した影響を受けて、他方の被検査物Pが誤検知されることを防止することができる。
【0084】
(7)
本実施形態の金属検出装置10では、RAM35に格納されている適正間隔について、上述した受信コイル22a,22bの搬送方向における長さYに加えて、受信コイル22a,22bが脱酸素剤Mを検知した後で初期状態に戻るまでのマージン時間を考慮して適正間隔を設定している。
【0085】
これにより、受信コイル22a,22bの直上にあたる検知領域に、互いに近接して搬送される前後の被計量物Pが同時に進入することが無い場合でも、受信コイル22a,22bが脱酸素剤Mを検知してから初期状態に戻るまでのマージン時間を考慮して、さらに適正間隔を大きく広げることができる。この結果、さらに確実に検査精度の向上を図ることができる。
【0086】
(8)
本実施形態の金属検出装置10では、光電センサ16によって被検査物Pの搬送方向前側の端部を検知してからの時間をタイマ17によって管理している。
【0087】
これにより、搬送コンベア11の搬送速度に応じて変化する適正な間隔が開くまでに要する時間がタイムアップする前に次の被検査物Pが通過した場合には、制御部40によってその前後の被計量物Pの一方あるいは双方の判定を無効とすることができる。
【0088】
(9)
本実施形態の金属検出装置10では、制御部40において判定を無効とされた被検査物Pや不良品と判定された被検査物Pについて、搬送コンベア11上から搬送路外へ振り分ける振分部18をさらに備えている。
【0089】
これにより、再検査を行う必要がある被検査物Pや不良品として廃棄すべき被検査物Pが、そのまま下流側へ搬送されることを防止して、良品だけを下流側へ搬送することができる。
【0090】
[他の実施形態]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0091】
(A)
上記実施形態では、脱酸素剤Mが混入していることを確認するための検査を行う金属検出装置10を例として挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0092】
例えば、反対に金属片等が商品に混入していないことを確認するための検査を行う金属検出装置に対して本発明を適用してもよい。この場合でも、互いに近接して搬送される被検査物については、そのいずれか一方あるいは双方の判定を無効とし、再検査を実施させることで、検査の精度を向上させることができるという上記と同様の効果を得ることができる。
【0093】
ただし、金属の性質を有する物質が混入していないことを確認するための検査では、互いに近接して搬送される物品について双方とも金属の性質を有する物質が混入した不良品として排出されるため大きな問題にはならない。一方で、上記実施形態のように、脱酸素剤Mが混入していることを確認するための検査を行う金属検出装置10に対して本発明を適用することは、金属の性質を有する物質が混入していないのに良品として誤判定されたままになってしまう問題を解消することができる点でより好ましい。
【0094】
(B)
上記実施形態では、被検査物Pに含まれる金属の性質を有する脱酸素剤Mの混入の有無に関する検査を行う金属検出装置10を例として挙げて説明した。しかし、本発明は検査を行う対象物としては脱酸素剤Mに限定されるものではない。
【0095】
例えば、脱酸素剤以外の金属の性質を有する物質としてシリカゲルの混入の有無に関する検査を行う金属検出装置であってもよい。さらに、金属の性質を有する物質として、金属片等の商品への混入に関する検査を行う金属検出装置であってもよい。また、脱酸素剤を入れたプラスチック製の袋や、アルミ箔かアルミ蒸着のフィルムで形成された袋に入ったスープ(例:インスタント麺のスープ小袋等)や金属製のおまけが入った小箱等が入っていることを確認する検査を行う金属検出装置であってもよい。
【0096】
(C)
上記実施形態では、先に搬送される被検査物Pの後端と後ろで搬送される被検査物Pの先端との間の距離Xを基準にして適正距離とする例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0097】
例えば、被検査物Pの後端と先端との間の距離ではなく、製品ピッチ(先に搬送される被検査物Pの先端と後ろで搬送される被検査物Pの先端との間の距離)を基準にして適正距離を測るようにしてもよい。この場合の適正距離は、例えば、(被検査物Pの搬送方向における長さ)+(受信コイルの搬送方向における長さ)とすればよい。
【0098】
(D)
上記実施形態では、被検査物Pの通過を光電センサ16における遮光の有無によって検知する例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0099】
例えば、光電センサ以外にも、赤外線センサ等の他の検知手段を用いることも可能である。
【0100】
(E)
上記実施形態では、振分部18によって判定を無効とされた被検査物Pや脱酸素剤Mが混入していない不良品の被検査物P等を搬送路上から振り落とす金属検出装置10を例として挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0101】
例えば、振分部18が複数段に渡って設けられており、適正間隔以下の近接搬送により判定を無効とされた被検査物Pと、脱酸素剤Mが混入していない不良品の被検査物Pとを別々に振り分けるような構成であってもよい。この場合には、再検査が必要な被検査物Pだけを不良品の被検査物Pとは選別することができるため、スムーズに再検査を実施することができる。
【0102】
(F)
上記実施形態では、金属検出装置10が備えている金属検知部12が交番磁界を発生させる送信コイル21aと、その交番磁界中に配置されており、金属の性質を有する物質(脱酸素剤)が通過したことを検知する受信コイル22a,22bとを有している例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0103】
例えば、金属検知部として送受信コイルを用いた構成以外の検知部を採用することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0104】
本発明の金属検出装置は、連続して搬送される複数の物品について、各物品の間隔が適正間隔以下である場合にはその物品の判定を無効にすることで、誤って判定された物品が検出されずに下流側へ流されることを防止できるという効果を奏することから、複数の物品を連続して搬送しながら検査を行う各種検査装置に対して広く適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0105】
【図1】本発明の一実施形態に係る金属検出装置の概略的な構成を示す斜視図。
【図2】図1の金属検出装置を示す平面図。
【図3】図1の金属検出装置が有する制御ブロック図。
【図4】図1の金属検出装置を示す正面図。
【図5】図1の金属検出装置による検査の流れを示すフローチャート。
【図6】図1の金属検出装置における検査実施例を示す平面図。
【図7】図1の金属検出装置による検査の流れを示すフローチャート。
【図8】図1の金属検出装置における検査実施例を示す平面図。
【図9】図1の金属検出装置における不良品の振分けを行う際の動作を示す平面図。
【符号の説明】
【0106】
10 金属検出装置
11 搬送コンベア(搬送部)
12 金属検知部
15 設定入力部
16 光電センサ
16a 発光素子
16b 受光素子
17 タイマ
18 振分部
21 上部ヘッド
21a 送信コイル
22 下部ヘッド
22a 受信コイル
22b 受信コイル
30 バスライン
31 CPU
32 クロック発振回路
33 I/Oインターフェース
34 ROM(記憶部)
35 RAM(記憶部)
36 検波・フィルタ回路
37 発振回路
38 A/D変換回路
M 脱酸素剤(金属もしくは金属の性質を有する物質)
P 被検査物(物品)
S ステップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査対象となる複数の物品を連続して搬送する搬送部と、
前記搬送部によって搬送される前記物品に含まれる金属もしくは金属の性質を有する物質を検知する金属検知部と、
前記金属検知部における検知結果に基づいて前記物品に金属もしくは金属の性質を有する物質が含まれているか否かの判定を行う判定部と、
前記搬送部において搬送される各物品の適正間隔を記憶する記憶部と、
前記搬送部において搬送される各物品の間隔を検知する間隔検知部と、
前記間隔検知部における検知結果が前記記憶部に記憶された前記適正間隔以下である場合には、前記判定部における判定結果を無効とする制御部と、
を備えている金属検出装置。
【請求項2】
前記判定部は、前記物品に金属もしくは金属の性質を有する物質が含まれる場合に良品と判定する、
請求項1に記載の金属検出装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記適正間隔以下で搬送されてきた前記物品のうち先に搬送されてきた前記物品について金属もしくは金属の性質を有する物質を検知した場合には、後ろの前記物品の判定結果を無効とする、
請求項1または2に記載の金属検出装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記適正間隔以下で搬送されてきた前記物品のうち後ろの前記物品で金属もしくは金属の性質を有する物質を検知した場合には、前記先に搬送されてきた前記物品の判定結果を無効とする、
請求項1または2に記載の金属検出装置。
【請求項5】
前記金属検知部は、交番磁界を発生させる送信コイルと、前記交番磁界中に配置された受信コイルとを有している、
請求項1から4のいずれか1項に記載の金属検出装置。
【請求項6】
前記記憶部に記憶される前記適正間隔は、前記物品の搬送方向における前記受信コイルの長さである、
請求項5に記載の金属検出装置。
【請求項7】
前記適正間隔は、前記金属検知部において金属もしくは金属の性質を有する物質を検知した後、前記受信コイルが初期状態に戻るために必要な時間を基準にして決定される、
請求項1から6のいずれか1項に記載の金属検出装置。
【請求項8】
前記間隔検知部は、前記物品の通過を検知する光電センサと、前記光電センサにおいて前記物品を検知した後の時間を測定するタイマと、
を備えている、
請求項1から7のいずれか1項に記載の金属検出装置。
【請求項9】
前記制御部において判定を無効にされた前記物品を前記搬送部における搬送路上から振り分ける振分部をさらに備えた、
請求項1から8のいずれか1項に記載の金属検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−258487(P2006−258487A)
【公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−73441(P2005−73441)
【出願日】平成17年3月15日(2005.3.15)
【出願人】(000147833)株式会社イシダ (859)