説明

金属積載ナノ粒子を含む吸収用品

【課題】銀は、抗菌作用があるが、市販のコロイド銀溶液は、不安定であり、貯蔵寿命が短く、銀粒子が凝集し、クラスターを形成する。また、銀イオンは、塩化物と結合し、不溶性の白色沈殿という医療応用に重大問題を引き起こす。
【解決手段】本発明は、機能化ナノ粒子、特に金属積載ナノクレーである複合材を含む軟質表面コーティング剤および吸収用品に関する。銀コートナノクレーは、特に、優れた抗菌性を有し、比較的安価なコロイド銀溶液代用物である。本発明に従って製造される当該ナノ粒子は、安定で、少なめの銀金属で、固体銀粒子と同じ表面積を成し、費用効率を高める。

【発明の詳細な説明】
【開示の内容】
【0001】
〔関連出願のクロスレファレンス〕
本出願は、2003年10月30日提出の米国暫定出願S/N 60/515,758の優先権を主張するものである。
【0002】
〔技術分野〕
本発明は、機能化ナノ粒子、特に金属積載ナノクレーである複合材を含む軟質表面コーティング剤および吸収用品に関する。
【0003】
〔発明の背景〕
銀金属は、何百年も前から、様々な菌種を殺傷できる物質として知られてきた。当該金属は、飲料水の浄化に、あるいは、現代の抗生物質が到来するまでの病人への投与に共通して使用された。ペニシリンおよびその派生物質の発見後でさえ、厄介な細菌が抗生物質に耐性を示すようになった場合に、コロイド銀溶液がしばしば使用された。
【0004】
コロイド銀溶液は、今日、市販されている。しかし、当該溶液は、しばしば、不安定であり、貯蔵寿命が短い。これは、銀粒子が凝集し、溶液にそれ以上懸濁されない大きさのクラスターを形成する。このため、望ましくないゲル化剤が溶液に添加され、粒子の凝集を防止することによって、銀粒子の懸濁を保つ。市販溶液の別の問題は、銀含量の大半が、通常、銀イオンとして存在することである。これは、銀イオンを遍在する塩化物と急速に結合させ、不溶性の白色沈殿を形成するという、医療応用に重大問題を引き起こす。
【0005】
ナノ粒子は、米国特許第6,492,453号に開示されているようなフィラーとして、米国特許出願第2003/0185964号に開示されているようなコーティング剤として、また、米国特許第6,518,324号に開示されているようなフォーム構成成分として使用されることが周知であった。
【0006】
ナノ粒子系は、軟質および硬質表面に表面改質効果を付与する組成物および方法に使用されることが米国特許出願2002/0150678に開示されている。特に、この出願は、織物および衣服などの用品のための軟質表面コーティング剤を開示している。
【0007】
クレー、ケイ酸塩およびアルミナなどの無機微粒子は、ある種の静電気防止および/または繊維柔軟効果を付与するために、補助洗剤、洗濯用化合物と配合して汎用されている。
【0008】
本発明は、剥脱ナノ粒子上に積載した金属を含む金属複合物に関する。当該機能化ナノ粒子は、軟質表面コーティング剤に取り込まれ、バルクの物理的特性および性能特性を増強または改質することができる。当該軟質表面コーティング剤は、順に、性質を向上させた吸収用品の調製に使用できる。例えば、使い捨て吸収用品の吸収コアへの当該コーティング剤の添加は、悪臭の発生を抑制し、吸収性を高めるのに役立つことができる。
【0009】
ある実施態様では、金属は、銀であり、ナノ粒子は、ナノクレーを含む。銀イオンは、天然金属状態(Ag0)に還元され、ナノクレー上に積載される。銀コートナノクレーは、特に、優れた抗菌性を有し、比較的安価なコロイド銀溶液代用物である。本発明に従って製造される当該ナノ粒子は、安定で、少なめの銀金属を使って、固体銀粒子と同じ表面積を成し、費用効率を高める。
【0010】
〔発明の概要〕
本発明は、軟質表面コーティング剤であって、
当該コーティング剤が、
1)a)表面を有する剥脱ナノ粒子、および
b)第3〜12群、アルミニウムおよびマグネシウムから選択される金属で、当該金属が当該ナノ粒子の表面に積載される金属
を含む複合材、
2)分散媒、
3)界面活性剤、および
4)1種類以上の補助成分
の1)〜4)を含む軟質表面コーティング剤に関するものである。
【0011】
本発明は、また、吸収用品であって、
当該吸収用品が、
a)表面を有する剥脱ナノ粒子、および
b)第3〜12群、アルミニウムおよびマグネシウムから選択される金属で、当該金属が当該ナノ粒子の表面に積載される金属
を含む複合材を含む吸収用品にも関するものである。
【0012】
本発明は、さらに軟質表面を改質する方法であって、
1) a)表面を有する剥脱ナノ粒子、および
b)第3〜12群、アルミニウムおよびマグネシウムから選択される金属で、当該金属が当該ナノ粒子の表面に積載される金属
を含む複合材、
2)分散媒、
3)界面活性剤、および
4)1種類以上の補助成分
を含む軟質表面コーティング剤を当該軟質表面に塗布することを含む軟質表面改質法に関するものである。
【0013】
〔発明の詳細な説明〕
本明細書全体に示されるどの制限も、あらゆる低めまたは高めの限度を含み、場合によっては、あたかも前記の低めまたは高めの限度が、本明細書に明示的に記載されているかのようである。本明細書に示されるどの範囲も、いずれも、広い範囲内に入る狭い範囲を含み、場合によっては、あたかも前記の狭い範囲がすべて、本明細書に明示的に記載されているかのようである。
【0014】
本発明に従って、a)表面を有する剥脱ナノ粒子、およびb)第3〜12群、アルミニウムおよびマグネシウムから選択される金属で、当該金属が当該ナノ粒子の表面に積載される金属を含む複合材を含む吸収用品を調製できる。当該複合材は、本明細書でさらに詳細に説明するように、軟質表面コーティング剤の形態で、当該吸収用品、例えばその層に塗布できる。
【0015】
本明細書で使用する場合のナノ粒子は、粒子(棒状粒子、円板状粒子、小板状粒子、四面体状粒子を含むが、それらに制約されない)、繊維、ナノチューブ、もしくは、ナノ単位の寸法を有するいずれかの他の材料を意味する。ある実施態様では、ナノ粒子は、約1〜約1000ナノメートル、好ましくは2〜約750ナノメートルの平均粒度を有する。即ち、ナノ粒子は、約1〜1000nmの最大寸法(例、直径または長さ)を有する。ナノチューブは、1センチメートルまでの長さ、あるいは、約2〜約50ナノメートルまでの粒度の構造を含むことができる。ナノ粒子は、非常に高い表面積対体積比を有する。ナノ粒子は、結晶性または非晶質であることができる。単一タイプのナノ粒子を使用でき、あるいは、異なるタイプのナノ粒子の混合物を使用できる。ナノ粒子混合物を使用する場合、複合材中、または、当該複合材を含有する系または組成物中に均質に、あるいは、非均質に分布できる。
【0016】
ナノ粒子の適切な粒度分布の無制約な例は、約2 nm〜約750 nm未満、あるいは、約2 nm〜約200 nm、あるいは、約2 nm〜約150 nm未満の範囲内のものである。一定の粒度分布が一定の利点を提供するのに有用であり、他の粒度分布範囲は、他の利点を提供するのに有用であることができるとも理解する必要がある(例えば、色の増強は、他の性質とは異なる粒度範囲を必要とする)。あるバッチのナノ粒子の平均粒度は、それらのナノ粒子の粒度分布と異なることができる。例えば、層化合成ケイ酸塩は、約25ナノメートルの平均粒度を有することができるが、その粒度分布は、一般に、約10 nm〜約40 nmの間で変動することができる。本明細書に記述される粒度分布は、水性分散媒に分散し、平均粒度が粒度分布の平均値に基づく場合のナノ粒子に対するものであることを理解する必要がある。
【0017】
本発明に従って、ナノ粒子は、剥脱される。特に、出発材料は、剥脱され、または、与えられ(disbursed)、ナノ粒子を形成する。当該出発材料は、約50ミクロン(50,000ナノメートル)までの平均粒度を有することができる。別の実施態様では、ナノ粒子は、所望の平均粒度まで成長する。ナノ粒子は、例えば、天然または合成ナノクレー(非晶質または構造化クレーから成るものを含む)、無機金属酸化物、または、ナノラテックスを含むことができる。
【0018】
ある実施態様では、ナノ粒子は、ナノクレーである。さらなる実施態様では、ナノ粒子は、膨潤性ナノクレーまたはその付加物である。膨潤性ナノクレーは、水和することができ、あるいは、有機溶媒を吸収することができる中間層位置で弱く結合したイオンを有する。これらの膨潤性ナノクレーは、一般に、低陽イオンまたは陰イオン電荷、即ち、単位セル当たり約0.9単位未満の電荷、を有する。
【0019】
本明細書で使用する場合、「付加物」は、油膨潤性ナノクレー、即ち、極性および非極性溶媒などの有機、非水性溶媒中で膨潤するものを意味する。それらは、水膨潤性ナノクレーを膨潤性ナノクレーに結合する有機材料と反応させることによって調製できる。当該結合有機材料の例は、次の構造を有する四級アンモニウム化合物を含むが、それに制約されず、
R1R2R3R4N+X-
式中、
R1、R2、R3、R4は、それぞれ、H、C1〜C22アルキル、C1〜C22アルケニルおよびC1〜C22アラルキルで、R基の少なくとも1つがアルキル、アルケニルまたはアラルキルなどであるという条件付きであり、
【0020】
Xは、水膨潤性ナノクレーである。
【0021】
膨潤性ナノクレーは、非晶質であるまたは構造化されていることができ、即ち、シートまたは層を含み、当該層の組み合わせは、格子構造と呼ばれる。格子構造を有する適切なナノクレーの例は、ピロフィライト(2八面体)タイプ、タルク(3八面体)タイプまたはそれらの混合物を含む。適切な構造化膨潤性ナノクレーのクラスは、スメクタイトナノクレー、セピオライトナノクレー、ゼオライトナノクレー、パリゴースカイトナノクレーまたはそれらの混合物を含むが、それらに制約されない。
【0022】
非晶質膨潤性ナノクレーの例は、アロフォンおよびイモゴライトを含む。
【0023】
ある実施態様では、ナノ粒子は、10〜18ミクロン(10000〜18000ナノメートル)の粒度を有するNanomer 1.34TCN (Naocorから販売)などの出発材料から形成される。別の実施態様では、ナノ粒子は、20〜25ミクロンの粒度を有するPGV(同じく、Nanocorから販売)から形成される。別の実施態様では、1〜3ナノメートルの粒度範囲を有する剥脱PGVが使用される。他の実施態様では、1〜9ナノメートルの粒度範囲を有するNanomer 1.34TCNおよびNanomer 1.30Eが使用される。
【0024】
ベーマイトアルミナは、2〜750 nmの平均粒度分布を有することができる。
【0025】
剥脱性ナノ粒子には、出発材料として、層状クレー鉱物を使用できる。本発明での使用に適した層状クレー鉱物は、スメクタイト、カオリン、イルライト、クロライト、アタプルガイトおよび混合層クレーの地質クラスのものを含む。これらのクラスに属する具体的クレーの典型例は、スメクティス、カオリン、イルライト、クロライト、アタプルガイトおよび混合層クレーを含む。スメクタスは、例えば、モントモリロナイト、ベントナイト、ピロフィライト、ヘクトライト、サポナイト、サウコナイト、ノントロナイト、タルク、ベイデルライト、ボルコンスコイト、ステベンサイトおよびベルミクライトを含む。ある実施態様では、モントモリロナイトナノクレーが好ましい。米国特許第5,869,033号を参照されたい。当該特許は、参照することによって、本明細書に組み入れられている。カオリンは、カオリナイト、ディカイト、ナクライト、アンチゴライト、アナウキサイト、ハロイサイト、インデルライトおよびクリソタイルを含む。イルライトは、ブラバイサイト、ムスコバイト、パラゴナイト、フロゴパイトおよびビオタイトを含む。クロライトは、コレンサイト、ペンニナイト、ドンバサイト、スドイト、ペンナインおよびクリノクロアを含む。アタプルガイトは、セピオライトおよびポリゴルスカイトを含む。混合層クレーは、アレバルダイドおよびバーミクライトビオタイトを含む。これら層状クレー鉱物の変形物および同形代用物は、しばしば、独特な用途を提供する。
【0026】
層状クレー鉱物は、天然産または合成品であることができる。例えば、天然または合成のヘクトライト、モントモリロナイトおよびベントナイトを、ナノ粒子の出発材料として使用できる。
【0027】
天然クレー鉱物は、典型的には、層状ケイ酸塩鉱物として、また、まれに非晶質鉱物として存在する。層状ケイ酸塩鉱物は、二次元ネットワーク構造内に配置されたSiO4四面体シートを有する。2:1タイプ層状ケイ酸塩鉱物は、マグネシウム八面体シートまたはアルミニウム八面体シートが2枚の珪素四面体シートの間にサンドイッチ状態になった三層構造を有する数枚〜数十枚のケイ酸塩シートの積層構造を有する。
【0028】
膨張可能な層状ケイ酸塩シートは、負に荷電し、アルカリ金属陽イオンおよび/またはアルカリ土類金属陽イオンの存在によって電荷が中和される。スメクタイトまたは膨張性雲母を水に分散させ、チキソトロープ性を有するゾルを形成できる。さらに、各種陽イオン有機または無機化合物との反応によって、スメクタイトタイプクレーの錯体変形物を形成できる。当該有機錯体の一例は、陽イオン交換によってジメチルジオクタデシルアンモニウムイオン(四級アンモニウムイオン)が導入された親有機性クレーである。これは、工業的に生産され、コーティング剤のゲル化剤として使用されている。
【0029】
本発明において合成ナノクレーを用いることができる。合成ナノクレーの生産工程は、適正な工程管理によって、実際、ナノ単位の一次粒子を生じる。しかし、当該粒子は、通常、離散粒子状態で存在せず、代わりに、主として、一次粒子の圧密によって凝集塊状態になる。当該凝集塊は、数千ナノメートルの直径に達するので、当該粒子のナノ単位の性質に伴う所望の特性を得ることができない。当該粒子は、例えば、EP-A 637,616に記述されているように、粉砕することによって、あるいは、水または水/アルコールおよびそれらの混合液などの適切な分散媒に分散させることによって、解凝集することができる。
【0030】
適切なナノクレーの製造用合成材料は、層状含水ケイ酸塩、層状含水ケイ酸アルミニウム、フルオロケイ酸塩、雲母-モントモリロナイト、ヒドロタルカイト、ケイ酸マグネシウムリチウムおよびフルオロケイ酸マグネシウムリチウムを含む。ケイ酸マグネシウムリチウムの置換変形物の一例は、ヒドロキシル基がフッ素で部分置換されている場合である。リチウムおよびマグネシウムは、アルミニウムによっても部分置換できる。ケイ酸マグネシウムリチウムは、マグネシウム、アルミニウム、リチウム、鉄、クロム、亜鉛およびそれらの混合物から成る群から選択されるいずれかで同形置換できる。
【0031】
例えば、LAPONITE(登録商標)の商品名でSouthern Clay Products, Inc.から市販されている合成ヘクトライトを、ナノ粒子用出発材料として使用できる。販売されているLAPONITE(登録商標)には、多数の等級または変形物および同形置換物がある。市販のヘクトライトの例は、LAPONITE B(登録商標)、LAPONITE S(登録商標)、LAPONITE XLS(登録商標)、LAPONITE RD(登録商標)、LAPONITE XLG(登録商標)およびLAPONITE RDS(登録商標)である。
【0032】
合成ヘクトライトは、フッ素をまったく含有しない。フッ素によるヒドロキシル基の同形置換は、フルオロケイ酸リチウムマグネシウムナトリウムと呼ばれる合成クレーを生じ、当該クレーは、出発材料としても使用できる。これらのフルオロケイ酸リチウムマグネシウムナトリウムは、LAPONITE(登録商標)およびLAPONITE S(登録商標)として販売されており、約10重量%までのフッ化物イオンを含有できる。本明細書で述べる組成物に有用なフッ化物イオンは、約10%以上までである。フルオロケイ酸リチウムマグネシウムナトリウムのLAPONITE B(登録商標)は、平坦な円形、板状形で、フッ化物イオン含量に応じて、約25〜100ナノメートルの平均粒度を有する。例えば、ある無制約の実施態様では、直径約25〜40 nm、厚さ約1 nmを有するLAPONITE B(登録商標)を使用できる。LAPONITE S(登録商標)と呼ばれる別の変形物は、添加剤として、約6%のピロリン酸四ナトリウムを含有する。
【0033】
ある実施態様では、Laponite XLS(登録商標)は、ナノ粒子用出発材料として使用され、金属として、そこに銀が積載される。Laponite XLSは、八面体マグネシウムおよびリチウムヒドロキシル架橋が結合した四面体ケイ酸塩層を有する。この構造は、ナノクレー表面への金属の挿入または吸着による剥脱および改質を可能にする。挿入の場合、金属は、ナノクレーの層間に挿入される。表面吸着の場合、金属は、ナノクレーの表面に結合する。Laponite XLSは、一貫合成され、純粋であり、剥脱して、最少の労力でナノ粒子を形成するので、有利である。ナノ粒子の表面は、ナトリウムイオンで覆われ、多数のケイ酸塩基の負の電荷を相殺する。
【0034】
ある場合、剥脱ナノ粒子のアスペクト比は、所望の特性を有する複合体を含むフィルム形成には興味深いものである。分散液のアスペクト比は、TEM(透過電子顕微鏡検査)によって適切に特徴付けることができる。
【0035】
ある実施態様のナノ粒子のアスペクト比は、100〜250の範囲であることができる。別の実施態様では、ナノ粒子のアスペクト比は、200〜350である。
【0036】
例えば、LAPONITE B(登録商標)の個々の粒子の平均アスペクト比は、約20〜40であり、LAPONITE RD(登録商標)の個々の粒子の平均アスペクト比は、約10〜15である。LAPONITE B(登録商標)は、分散液中に基本的に単一のクレー粒子として、もしくは、 2個のクレー粒子の積重ねとして発生する。LAPONITE RD(登録商標)は、基本的に2個以上の単一クレー粒子の積重ねとして発生する。
【0037】
一部の実施態様では、フィルム形成には、高アスペクト比が望ましいと思われる。水などの適切な分散媒中に分散される剥脱ナノ粒子のアスペクト比も興味深い。分散媒中のナノ粒子のアスペクト比は、数個の粒子が凝集している場合、低めである。
【0038】
特定の実施態様では、少なくとも数個の個々の(非凝集)小板および円板状ナノ粒子が、約0.5 nm以上、約15以上のアスペクト比である少なくとも1種類の寸法を有するのが望ましいと思われる。小板および円板上ナノ粒子にとって、アスペクト比が棒状ナノ粒子よりも高いほうが、より望ましいと思われる。
【0039】
棒状ナノ粒子のアスペクト比は、適切なフィルム形成性を維持しながら、円板状または小板状ナノ粒子のアスペクト比よりも低いことが可能である。特定の無制約の実施態様では、個々の棒状ナノ粒子の少なくとも数個が約0.5 nm以上、約3以上のアスペクト比である少なくとも1種類の寸法を有するのが望ましいと思われる。
【0040】
球状ナノ粒子のアスペクト比は、一般に、約5以下である。本明細書に示す実施態様に好ましいナノ粒子は、約250以下のアスペクト比を有する。他の無制約の実施態様では、ナノ粒子が約10未満のアスペクト比を有するのが望ましいと思われる。
【0041】
本発明に従って、ナノ粒子を機能化するために、1個以上の金属を使用する。特に、挿入、吸着またはイオン交換を含む多様な方法の1種類によって、剥脱ナノ粒子に当該金属を積載する。有利な点として、当該金属は、貴重な性質、例えば銀の場合、ナノ粒子上にありながら、抗菌性を保持する。積載という用語は、本明細書で使用する場合、ナノ粒子の表面の完全カバー、または、別法として、その一部のみのカバーを含む。
【0042】
ある実施態様では、金属は、元素周期律表の第3〜12群、アルミニウムおよびマグネシウムから選択される。好ましくは、金属は、銀、銅、亜鉛、マンガン、プラチナ、パラジウム、金、カルシウム、バリウム、アルミニウム、鉄およびそれらの混合物から選択される。特に好ましい実施態様では、当該金属は銀である。
【0043】
金属は、複合材の使用によって達成される望ましい効果に基づいて選択することができる。例えば、銀は、その既知の抗菌性について選択できる。
【0044】
金属は、挿入によってナノ粒子上に積載できる。例えば、銀イオンは、特に、「ホール」内に配置することによって、層状ナノクレーの各種層間に挿入し、正荷電銀イオンとケイ酸塩構造中の各種タイプ酸素の間に好ましい相互作用を最大限に活かすことができる。銀イオンは、抗菌性を有することが立証されており、挿入イオン化銀を含有するLaponiteは、これらの性質を保持する。挿入は、銅、亜鉛、マンガンなどの他の金属でも可能である。
【0045】
当該金属は、イオン交換によってナノ粒子上に積載することもできる。例えば、Laponite小板の表面は、主に、ナトリウムイオンから成り、当該イオンが存在することによって、下層のケイ酸塩構造が供与する負に荷電した酸素と相殺する。正に荷電した金属イオンを剥脱Laponite溶液に添加すると、表面ナトリウムイオンの一部が、添加された金属イオンと置換される。
【0046】
金属は、吸着によっても、ナノ粒子上に積載できる。例えば、アミン、アンモニウムおよびカルボキシル基などの一定の官能基は、Laponite小板の面または辺縁への強力な結合剤である。金属イオンは、Laponite表面に強く結合できるように、これらのリガンドの添加によって修飾できる。反応順序の一例を以下に示す。
2AgNO3 + 2NaOH → Ag2O + 2NaNO3 + H2O
Ag2O + 4NH3 + H2O → 2Ag(NH3)2OH
最終生成物Ag(NH3)2OHは、Laponiteと接触し、それによって、Ag(NH3)2OHがLaponiteの面に結合する。
【0047】
本発明のある実施態様では、出発材料の存在下で、金属イオンを金属(0)に還元し、これが剥脱され、ナノ粒子を形成する。還元および剥脱は、金属の出発材料/剥脱ナノ粒子との接触時に、連続して(どちらかの段階が最初に起こる)、または、同時に起こることができる。それによって、当該金属は、剥脱ナノ粒子表面に積載される。
【0048】
本発明のある実施態様では、当該金属は銀であり、Tollen試薬を使った挿入によってナノ粒子上に積載される。Tollen試薬は、アルデヒドまたはケトンによって還元され、銀金属(0)を形成できる既知の銀種である。
+Ag(NH3)2OH + グルコース → Ag0
【0049】
複合材は、軟質表面コーティング組成物に組み入れることができる。当該組成物は、溶液または乾燥材料であることができ、以下で詳細に述べるように、コート、塗布、押出し、噴霧などを行う。当該組成物は、製造、商業、工業、個人または家庭向け用途で最終使用することができる。当該複合材を含有する当該コーティング剤の使用によって、一定の所望の効果を得る、例えば、液体吸収性、湿潤性、滲み通り、快適性、防臭、潤滑性、抗炎症性、抗菌性、抗真菌性、表面摩擦の軽減、柔軟性、透明性、弾性率、引張強さ、色の増強、粘性、滑らかさ、または、ゲル強度、を向上させることができる。
【0050】
特定の実施態様では、前記組成物中の当該複合材の存在は、当該組成物の望ましい性質、例えば、透明性、に影響しない。当該複合材の液体組成物への添加は、例えば、当該複合材を含有しない元の液体材料に比較して、生じる組成物の透明性または色を変化させない。さらに、ナノ粒子は、広い表面積を有するので、当該複合材は、感染症の治療の場合のような総合配合剤に高めの濃度の金属を含むことができる。
【0051】
「コーティング」という用語は、本明細書で使用する場合、表面を完全にコートするコーティング剤(例、表面上にフィルムを形成するものを含む連続コーティング剤)、ならびに、表面上をカバーする場合に乾燥後に割目を残すコーティング剤など、表面を部分的にのみカバーできるコーティング剤(例、不連続コーティング剤)を含む。後のカテゴリーのコーティング剤は、複合材間に隙間を有することのできる表面上の複合材の、カバーおよび非カバー部分の網目構造、および、分布を含むが、それらに制約されない。一部の実施態様では、コーティング剤は、好ましくは、コート済みの表面に少なくとも1層の複合材を形成し、実質的に均一である。しかし、本明細書で述べるコーティング剤が表面に塗布するとして記述されている場合、当然、コーティング剤は、表面全体に塗布する、あるいは、表面全体をカバーする必要はない。例えば、当該コーティング剤は、たとえ、表面の一部を改質するためだけに塗布される場合でも、表面に塗布されるとみなされることになる。
【0052】
本発明の軟質表面コーティング組成物は、複合材、および、当該組成物の使用目的に適したいずれかの他の成分を含むことができる。本発明の一部の組成物は、(a)有効量の複合材であることができる複合材、(b)適切な分散媒、および、(c)任意に1つ以上の補助成分を含むことができる。当該補助成分は、例えば、当該複合材の少なくとも一部に伴う親水性、疎水性またはその混合性質から成る群から選択される性質を発揮する界面活性剤または荷電機能化分子または両方であることができる。
【0053】
別法として、処理を必要とする様々な軟質表面のコーティングに有用な組成物中に、上述の複合材の有効量を含むことができる。本明細書で使用する場合、複合材の有効量は、軟質表面に所望の効果を付与するのに必要な複合材の量を指す。当該有効量は、普通の技術の熟練者が容易に確認でき、多くの要因に基づくもので、当該要因は、必要とされるのが液体組成物であっても、乾燥(例、顆粒、粉末)組成物であっても、使用される特定複合材、軟質表面の性質などである。
【0054】
前記組成物は、コーティング剤、特に、表面の少なくとも約0.5%、または、表面のさらに高い割合(表面の少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約30%、少なくとも約50%、少なくとも約80%および少なくとも約100%を含むが、それらに制約されない)をカバーする透明コーティング剤を送達するために、洗浄、スプレー、ディップ(浸漬)、ペイント、すり込み(ワイプ)、または、他の方法によって、表面に塗布できる。従って、当該コーティング剤は、連続または不連続であることができる。
【0055】
コーティング組成物を表面にスプレーすることが必要な場合、当該コーティング組成物の粘度は、スプレー器具のノズルを通過できるようなものでなければならない。当該粘度は、周知であり、参照することによって、本明細書に組み入れられている。当該組成物は、スプレーできるように、剪断減粘性を受けることができる。
【0056】
前記複合材を含有する組成物用の適切な分散媒は、液体、固体および気体を含む。ある適切な分散媒は水で、蒸留水、脱イオン水、水道水であることができる。水は、低コスト、利用可能性、安全性および相溶性の点から重要である。液体、特に水のpHは、酸または塩基の添加によって調整できる。水性分散媒も、基質への塗布およびその後の乾燥が容易である。水性溶媒は、乾燥非水性分散媒よりも一般的であるが、前記組成物は、乾燥粉末、顆粒または錠剤またはカプセル封入錯体状として存在することができる。
【0057】
前記分散媒は、任意に、水の他に、または、水の代わりに、低分子量有機溶媒を含むことができる。好ましくは、当該溶媒は、水に易溶性で、例えば、エタノール、メタノール、プロパノール、イソプロパノール、エチレングリコール、アセトンなど、および、それらの混合液である。当該溶媒は、適切なレベルで使用できる。いくつかの無制約の例は、総組成物の約50重量%以上まで、約0.1重量%〜約25重量%、約2重量%〜約15重量%、および、約5重量%〜約10重量%までのレベルを含む。当該組成物に高レベル溶媒を使用する際に考慮すべき要因は、臭い、引火性、ナノ粒子の分散性および環境への影響である。
【0058】
前記分散媒は、乾燥時に連続フィルムを形成するフィルム形成剤も含むことができる。フィルム形成剤の例は、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、アクリルエマルジョン、ヒドロキシプロピルメチルセルロースである。
【0059】
前記複合材を含有する組成物に使用できる補助成分は、基質に当該複合材を固定する働きをする官能基を含む少なくとも1つのセグメントまたは基団を有するポリマーおよびコポリマーを含む。これらのポリマーは、親水性または疎水性など、当該ポリマーに追加特性を提供する少なくとも1つのセグメントまたは基団を含むこともできる。
【0060】
固定セグメントまたは基団の例は、ポリアミン、四級化ポリアミン、アミノ基、四級化アミノ基、および、対応するアミン酸化物;両性イオンポリマー;ポリカルボキシレート;ポリエーテル;ポリヒドロキシル化ポリマー;ポリフォスフォン酸塩およびポリリン酸塩;およびポリマーキレート化剤を含む。
【0061】
親水化セグメントまたは基団の例は、エトキシル化またはアルコキシル化ポリアミン;ポリアミン;ポリカルボキシル化ポリアミン;水溶性ポリエーテル;水溶性ポリヒドロキシル化基団またはポリマー(サッカライドおよびポリサッカライドを含む);水溶性カルボン酸塩およびポリカルボン酸塩;水溶性陰イオン基(カルボン酸塩、スルフォン酸塩、硫酸塩、リン酸塩、フォスフォン酸塩、および、それらのポリマーなど);水溶性アミン、四級化合物、アミン酸化物、および、それらのポリマー;水溶性両性イオン基およびそれらのポリマー;水溶性アミドおよびポリアミド;および、ビニルイミダゾールおよびビニルピロリドンの水溶性ポリマーおよびコポリマーを含む。
【0062】
疎水化セグメントまたは基団の例は、アルキル、アルキレン、および、アリール基、および、ポリマー脂肪族または芳香族炭化水素;フルオロカーボンおよびフルオロカーボンを含むポリマー;シリコーン;疎水性ポリエーテル(ポリ(スチレンオキサイド)、ポリ(プロピレンオキサイド)、ポリ(ブチレンオキサイド)、ポリ(テトラメチレンオキサイド)、および、ポリ(ドデシルグリシジルエーテル)など);および、疎水性ポリエステル(ポリカプロラクトンおよびポリ(3-ヒドロキシカルボン酸)など)を含む。
【0063】
本発明の組成物に取り込むことができる親水性表面ポリマーの例は、以下のものを含むが、それらに制約されない。即ち、エトキシル化またはアルコキシル化ポリアミン;ポリカルボキシル化ポリアミン;ポリアクリル酸塩を含むがそれに制約されないポリカルボン酸塩;ポリエーテル;ポリヒドロキシル材料;ポリリン酸塩およびフォスフォン酸塩である。
【0064】
本発明の組成物に取り込むことができる疎水性表面ポリマーは、次のものを含むが、それらに制約されない。即ち、アルキル化ポリアミン、脂肪族アルキル化剤(臭化ドデシル、臭化オクタデシル、塩化オレイル、ドデシルグリシジルエーテルおよび塩化ベンジルまたはそれらの混合物など)でアルキル化されたポリエチレンイミン、および、脂肪アシル化剤(ドデカン酸メチルおよび塩化オレオイルなど)でアシル化されたポリエチレンイミン、シリコーン(ペンダントのアミノプロピルまたはアミノエチルアミノプロピル基を有するポリジメチルシロキサンを含むが、それらに制約されない)、および、フッ素化ポリマー(モノマーとして、過フッ素化または高次フッ素化アルキル基の (メト)アクリレートエステルを含むポリマーを含むがそれらに制約されない)である。
【0065】
補助成分として使用できる非ポリマー表面改質材は、脂肪アミンおよび四級化アミン(塩化ジタロウジメチルアンモニウム;臭化オクタデシルトリメチルアンモニウム;ジオレイルアミン;および、塩化ベンジルテトラデシルジメチルアンモニウムを含む)を含む。シリコーン系界面活性剤、脂肪両性イオン界面活性剤および脂肪アミンオキサイドも、コーティング組成物中に取り込むことができる。
【0066】
界面活性剤は、任意の補助成分でもある。界面活性剤は、分散を促進する湿潤材として、前記組成物で特に有用である。
【0067】
適切な界面活性剤は、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、両性(amphoteric)界面活性剤、両性(ampholytic)界面活性剤、両性イオン界面活性剤およびそれらの混合物を含む群から選択できる。適切な、非イオン、陰イオン、陽イオン、両性、両性イオン、および半極性非イオン界面活性剤は、米国特許第5,707,950号および第5,576,282号に開示されている。非イオン界面活性剤は、5〜20、あるいは、6〜15のHLB(親水-親油性バランス)を特徴とすることができる。
【0068】
陰イオンおよび非イオン界面活性剤の混合物は、特に有用である。他の普通の有用な界面活性剤は、標準テキストにリストされている。
【0069】
有用と思われる別のクラスの補助成分は、シリコーン界面活性剤および/またはシリコーンである。それらは、単独で、および/または、あるいは、本明細書の上記の他の界面活性剤と配合して使用できる。無制約のシリコーン界面活性剤の例は、ジメチルポリシロキサン疎水性部分および1つ以上の親水性ポリアルキレン側鎖を有するポリアルキレンオキサイドポリシロキサンである。
【0070】
使用する場合、界面活性剤は、複合材、分散媒、および、当該組成物中に存在する他の補助成分と相溶性を示すように配合すべきである。
【0071】
軟質表面コーティング組成物は、アルカリ源、抗酸化剤、静電気防止剤、キレート化剤、アミノカルボン酸塩キレート化剤、金属塩、光活性無機金属酸化物、防臭剤、香料、光活性化剤、ポリマー、防腐剤、加工助剤、色素およびpH調整剤、可溶化剤、ゼオライト、および、それらの混合物を含むが、それらに制約されない他の補助成分を含有できる。これらの任意成分は、どの所望レベルでも含むことができる。
【0072】
前記複合材を含むコーティング組成物は、全タイプの軟質表面上に使用でき、織布、不織布、レザー、プラスチック(例えば、歯ブラシの柄、合成フィルム、フィラメント、歯ブラシの毛)、および、それらの混合物を含むが、それらに制約されない。本明細書で興味深い軟質表面は、使い捨て吸収用品(カバーまたはトップシート、吸収コア、移行層、吸収挿入物、通気性および非通気性フィルムから成る外層を含むバックシートを含むが、それらに制約されない)に関連するものを含むが、それらに制約されないいずれかの既知タイプの軟質表面を含む。
【0073】
特定の実施態様では、前記軟質表面は、1種類以上の繊維を含むことができる。繊維は、微細毛髪様構造の、植物由来、鉱物由来または合成品であると定義される。市販繊維は、約0.01 mm(約0.00004インチ)未満〜約0.2 mm(約0.008インチ)以上の範囲の直径を有し、数種類の形態を取り、短繊維(ステープルまたは短(chopped)繊維として既知)、連続単繊維(フィラメントまたはモノフィラメント)、連続フィラメントの非ツイスト束(トウ)、および、連続フィラメントのツイスト束(ヤーン)である。繊維は、その入手源、化学構造、またはその両方に従って分類される。それらは、ロープ、コードに編み上げ、フェルト(不織布とも呼ばれる)を形成し、織物に織るまたは編むことができ、あるいは、高強力繊維の場合、複合材中の補強物として、即ち、2種類以上の異なる材料から成る製品として使用できる。
【0074】
軟質表面は、自然界で作られる繊維(天然繊維)、人造の繊維(合成または人工)、または、それらの組み合わせを含むことができる。天然繊維の例は、ウール、絹、毛皮、毛髪などの動物繊維;セルロース、綿、亜麻、リネンおよび麻などの植物繊維;および、天然に産する鉱物繊維を含むが、それらに制約されない。合成繊維は、天然繊維から、または天然でない繊維から誘導できる。天然繊維から誘導される合成繊維の例は、レーヨンおよびリヨセルを含むが、それらに制約されず、これらは、ともに、天然ポリサッカライド繊維のセルロースから誘導される。天然繊維から誘導されない合成繊維は、他の天然資源または鉱物資源から誘導できる。天然資源から誘導される合成繊維の例は、デンプンなどのポリサッカライドを含むが、それに制約されない。鉱物資源由来の繊維の例は、石油から誘導されるポリプロピレンおよびポリエチレン繊維などのポリオレフィン繊維、ガラスおよびアスベストなどのケイ酸塩繊維を含むが、それらに制約されない。合成繊維は、一般に、可能な場合、流体ハンドリング法(fluid handling process)(例、樹脂または溶液などの流体の押出、圧伸または紡糸)によって形成される。合成繊維は、固体ハンドリング粉砕法(solid handling size reduction process)(例、モノリス、フィルムまたは織物などの大きめの物の機械細断または切断)によっても形成される。
【0075】
パンティーライナー、生理用ナプキン、陰唇間用品(interlabial device)、成人用オムツ、胸当て、靴の中敷、絆創膏、およびオムツなどの使い捨て吸収用品は、典型的には、吸収性不織布材料(繊維を含む)から成り、技術上周知である。これらの用品は、典型的には、液体(fluid、流体)透過性の身体側と液体(fluid)不透過性の衣服側を有する。さらに、当該用品は、間に液体を保持する吸収コアを含むことができる。使い捨て吸収用品の吸収コアなどの製造品への前記複合材の添加は、悪臭発生防止および吸収性増加に役立てることができる。
【0076】
図1は、本発明に従った吸収用品を示す。必須ではないが、当該吸収用品1は、吸収コア30にかぶせるカバー10を含むことができる。次に、カバーの外側は、吸収用品の身体側表面となる。当業者に周知のように、当該カバーは、液体透過性材料から形成することができ、一般に、適合性、ソフト感があり、ユーザーの皮膚に対して非刺激性であり、液体を吸収コアに浸透させ、当該コアが液体を保持する。当該カバーは、一般に、液体を着用者から吸収用品に移動させる機能を果たす。このように、液体および湿気は、着用者の接触から離され、よって、着用者に乾燥した、心地良い感じを持たせる。カバーは、液体の運搬の他に、液体を吸収および/または保持することもできる。
【0077】
カバーは、この種の使用にとって普通のいずれかの材料から成ることができる。カバーとして使用可能な適切な材料の無制約の例は、セルロース、ポリエステル、ポリプロピレン、ナイロンおよび/またはレーヨン繊維から形成される織布および不織布であり、あるいは、カバー層は、開口熱可塑性フィルムおよび成形フィルムであることができる。カバー製造に使用される他の材料は、ガーゼ、または、適切な身体接触表面を有するいずれかの既知の多孔質材料を含み、当該材料は、不織布、プラスチックネットなどを含むが、それらに制約されない。当該カバーは、複合繊維とパルプフラッフの繊維性不織複合材から製造することも可能である。
【0078】
複合繊維は、技術上周知で、融点の異なる2種類のポリマーから成る。各複合繊維の外側表面の少なくとも一部は、低融点ポリマーを有する。2種類のポリマーを並べることができるので、繊維断面は、隣接配列の2種類のポリマーを示す。別法として、当該ポリマーは、いわゆる鞘/コア配列に配置することができ、当該配列中で、高融点ポリマーのコアは、低融点ポリマーの鞘に囲まれている。有用な複合繊維は、ポリエステルのコアと高密度ポリエチレンの鞘から成る3.0デニール、1.5"の長さのステープル繊維である。同様の繊維(ポリエチレン鞘とポリプロピレンコア)は、Danaklon ES-CまたはES Bico(Danaklon A/S, Varde Denmark)として入手できる。パルプ繊維は、International Paper Company(Memphis, Tennessee)が供給するIP「SUPERSOFT」ELM、「RAYFLOC」XJ-HM E-Type Cellulosic Fluff Pulp(ITT Rayonier)またはKorsnas Vigorfluf-EN White(KorsncAs, Gavle, Finland)として入手できる。
【0079】
カバーは、任意に、界面活性剤で処理し、その疎水性/親水性を操作し、至適な液体運搬性を促進することができる。カバー層を形成する繊維または他の材料は、体液に曝された場合、崩れたり、弾力性を失ってはならない。当該繊維は、カード法によって配向し、エンボス加工によって熱接着することができる。繊維またはフィラメントは、シングルデニールまたはマルチデニールであることができる。
【0080】
カバーの厚さは、選択する材料に応じて約0.025 mmから約5 mmまで変動できる。身体側層の材料の重量は、1平方メートル当たり約5〜約150 g(gsm)とする。
【0081】
一般に、任意のカバーは、吸収用品の身体側表面を形成するのに十分な幅を有する材料の単一シートである。当該カバーは、吸収コアよりも長く、幅広いことが可能である。
【0082】
カバーは、一定の区域内において、形をエンボス加工することができる。例えば、一連の、または、多数の図形、例えば円形、三角形、四角形、線、蜂の巣状、ダイアモンド形、花柄などをウェブの外側表面の長さおよび幅全体にエンボス加工する。エンボス加工された図柄は、それぞれ、当該外側表面を貫く主軸および短軸を有し、当該主軸の長さは、当該短軸以上の長さである。エンボス加工された図柄は、繰り返し模様であることができる。
【0083】
本発明のある実施態様では、前記カバーは、スパンレース不織布を含む。特に、スパンレース材は、約0〜約100%レーヨンおよび約0〜約100%ポリエステルから形成することができる。当該スパンレース材は、約10〜約65%レーヨンから成ることもでき、約35〜約90%ポリエステルを使用できる。任意に、身体側層に使用される材料は、熱可塑性結合繊維およびラテックス結合剤などの結合剤を含むことができる。
【0084】
任意に、本発明の吸収用品は、移行または分布層(図示せず)を含むことができる。移行層または分布層は、存在する場合、一般に、カバー層10の直下に配置し、移行層は、通常、吸収コアと直接接触させる。移行層は、液体を取り込んだ後、それを分布し、貯蔵のために隣接吸収層に放出するいずれかの既知材料から成ることができる。移行層は、層内での液体の移動を可能にする比較的開放された構造を有する。当該移行層に適した材料は、繊維ウェブ、弾性フォームなどを含む。
【0085】
移行層は、体液透過カバーから体液を受け、吸収コアが体液を吸収する時機が来るまで保持する手段を提供する。移行層は、好ましくは、カバーよりも緻密で、カバーよりも小孔の保有率が高い。これらの属性によって、移行層は、体液を含有し、カバー層10外側から離れて保持することができ、それによって、カバーやその外側表面が体液で再度湿潤するのを防ぐ。しかし、移行層は、好ましくは、体液が当該移行層を通過して下層の吸収コアに達することができないほど緻密ではない。
【0086】
移行層は、例えば、繊維ウェブ、弾性フォームなどを含めて、各種材料を含むことができる。移行層は、木材パルプなどからのセルロース繊維、単一成分または複合繊維を含むことができ、当該単一成分または複合繊維は、技術上周知の他の材料の中でも、繊維中または他の形態の熱可塑性材料(とりわけポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン)、レーヨン、有機結合剤(ビニル、アクリル、および/または、熱可塑性繊維をコートでき、あるいは、さもなければ、移行層に組み入れることができる他のモノマーのコポリマーなど)を含む。移行層は、例えば、約40 gsm〜約120 gsmの範囲の秤量、約0.5 mm〜約4 mmの範囲の厚さ、約0.03 g/cc〜約0.15 g/ccの範囲の密度を有することができる。
【0087】
移動層を形成する材料塊は、吸収性であることができるが、当該材料自体は、吸収性でない。よって、疎水性の非吸収繊維から成る移行層は、大量の体液を繊維間空洞に受け入れることができるが、当該繊維自体は、大量の体液を吸収しない。同様に、非吸収材から成る開放気泡フォーム構造も、フォームの気泡内に体液を吸収することができる。しかし、気泡壁は、体液を吸収しない。移行層内の累積空隙、即ち、繊維移行層中の繊維間空洞またはフォーム移行層中の開放気泡は、体液を保持する容器によく似た働きをする。
【0088】
典型的には、移行層繊維ウェブは、弾性の非吸収性材料から成り、空隙容量を提供し、前記構造からの体液の自由な移動を可能にする。大半が吸収繊維のウェブからできている移行層は、体液が前記構造に入る際に体液を吸収し、非吸収材料を含有するウェブと同程度に効率的に残りの構造全体に体液を分布させない。
【0089】
大半が吸収繊維のウェブからできている移行層は、体液が前記構造に入る際に体液を吸収し、非吸収材料を含有するウェブと同程度に効率的に残りの構造全体に体液を分布させない。好ましい移行層繊維ウェブは、非吸収材料を含み、空隙容量を提供し、前記構造からの体液の自由な移動を可能にする。当該材料の例は、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、複合材、ナイロンおよびそれらの混合物または配合物を含む。当該移行層は、開口フィルムである必要はない。フォームまたはネッティングなど、何らかの他の不織材料であることができ、体液を運搬し、カバーとともに、吸収コアを遮蔽する。しかし、ある実施態様では、移行層は、ポリエチレン製の25gsm開口フィルムである。コート繊維も、コアをカバーし、移行させる。
【0090】
吸収コア30は、何らかの既知吸収材料から形成でき、セルロース繊維(木材パルプを含むが、それに制約されない)、再生セルロース繊維、および綿繊維、レーヨン繊維などの吸収繊維;Sumitomo SA-70または繊維(SAF)のような高吸収粉末(superabsorbent powder(SAP))、他の天然に産するミズゴケまたはピートモスなどの吸収材;フォームなどの他の合成吸収材料を含むが、それらに制約されない。吸収コア30は、1種類以上の以下のものも含む:熱可塑材およびラテックスなどの結合剤、香料などの防臭化合物、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)、抗菌剤、湿潤剤、湿気指示剤、カプセル封入医薬品などの医薬品投与または送達用材、および、カプセル封入モイスチャライザーなどの皮膚水分維持用材。
【0091】
例えば、吸収コアは、比較的高い吸収能を有する不織繊維の比較的ルーズなウェブから、フラッフィーバットカット(fluffy batt cut)などの材料から形成できる。吸収コアは、どんな形状またはシルエットも有することができるが、通常、非対称な立体配置を有する。吸収コア30は、完全緻密化層を有する繊維状バットなどの材料からも形成できる。このような場合、バックシートが必要な場合、緻密化層がバックシートに隣接するように、吸収コアを吸収用品のバックシート上に配置できる。緻密化層は、他の前述のバットよりも比較的高い湿潤性と液体保持性を有し、通常、バット表面をわずかに湿らせ、その後、湿らせた表面を圧縮することによって形成される。吸収コア30は、多層からも形成し、最上層(身体に最も近い)は、外層(衣服に最も近い)よりも低密度であるように、当該多層は、それぞれが、異なる密度を有することができる。
【0092】
さらに、吸収コアは、オフライン形成、均質混合、エアレイ層、ロールグッドラミネートまたはいずれかの他のオフライン形成吸収複合物から形成される吸収材から形成できる。
【0093】
本発明の吸収材は、多数の方法によって形成でき、当該方法は、エアレイ法、スパンボンド法、ボンド法およびカード法、メルトブロー法およびコフォーミング法を含むが、それらに制約されない。ある実施態様では、吸収コアは、エアレイパルプの吸収コアである。
【0094】
エアレイ法は、周知である。Buckeye Foley Fluff(登録商標)(Memphis, TN)パルプ、TTreviraまたはKoSa T255(Houston, TX)複合繊維から生成される繊維性不織複合物は、気流内に混入された短繊維束の分離によって形成できる。これらの繊維は、減圧下で、成形スクリーン、典型的には水平またはロータリードラム上に配置する。複数の成形部分 (forming section)(成形ヘッド)が存在できる。ランダムウェブは、例えば、米国特許第4,640,810号および第5,885,516号で説明されているように、熱風活性化ラテックス-接着剤、熱接着繊維または併用によって接着する。
【0095】
結合剤は、繊維状、液状または粒子状であることができる。結合剤は、材料の湿気による崩れの防止に役立てることができる。本発明で使用可能な適切な繊維結合剤は、KoSa Inc.(Houston, TX)から販売されている、ともにポリオレフィン鞘を有するT-255およびT-256、または、低メルトコポリエステル鞘を有するT-254の名称で入手できる鞘コア複合繊維を含む。他の繊維結合剤は、当業者に周知であり、Chisso and Fibervisions LLC of Wilmington, Delなどの多くの製造業者から入手できる。適切な液体結合剤は、Hercules, Inc. of Wilmington, Delから入手可能なKYMENE(登録商標)557LXである。他の適切な液体結合剤は、National Starch and Chemical Company(Bridgewater, N.J.)からDUR-O-SET(登録商標)ELITE(登録商標)シリーズ (ELITE(登録商標)33およびELITE(登録商標)22を含む)の商品名で販売されている酢酸ビニルエチレンを含む。他の適切な結合剤は、Air Products Polymers and ChemicalsからAIRFLEX(登録商標)の商品名で販売されている。
【0096】
一部の結合剤は、架橋のために、触媒、昇温および/または酸性条件を必要とする。従来、このような目的で、重合性アミドのアルデヒドとの反応から誘導されるモノマーが使用されている。当該結合剤は、各種添加レベルで最上層、最下層または両方に適用できる。例えば、高Tg、例えば約+10〜約+35℃、または、低Tg、例えば約-3〜約-30℃の様々なタイプのラテックスがあり 、低Tg〜高Tgを有する結合剤は、異なる剛性度および柔軟度を有し、生じる構造の所望の性質に応じて、個別に、または配合して適用できる。例えば、米国特許第4,449,978号および第5,143,954号を参照されたい。米国特許第5,415,926号に開示されるものなど、他の結合剤は、自己架橋製と考えられる。当該特許の全開示内容は、参照することによって、そのまま本明細書に組み入れられている。これらのポリマー系では、反応官能基が、当該ポリマーを自己架橋させ、ならびに、パルプまたはティシューなどの基質に化学接着させる。自己架橋反応は、酸触媒を使用して促進することができる。自己架橋結合剤の例は、「X-LINK 25-033A」、高ガラス遷移温度を有する自己架橋ビニルアクリルコポリマーで、National Starch and Chemical Company(Bridgewater, NJ)から販売されている。
【0097】
前記吸収材は、キャリア基質、例えばティシュー(図示せず)または通気性組成物上に配置し、吸収構造を形成することもできる。この立体配置では、典型的には、層に結合剤を噴霧し、生じた吸収構造を安定化させる。当該構造は、さらにエンボス加工パターンであり、見た目の美しさ、および/または、機能性、例えばウィッキング(吸上げ)、緻密化などを達成できる。生じた構造を吸収構造として使って、生理用ナプキンまたはパンティーライナーなどの吸収製品に組入れることができる。
【0098】
ある実施態様では、前記吸収構造は、吸収材から成る吸収コアおよびティシュー層を含有する。ある実施態様では、ティシュー層は、当該吸収材とバリア層50の間に配置される。ティシュー層は、軟材および/または硬材繊維から形成でき、縮み、湿式プレス、または、通気乾燥を加えることができる。
【0099】
前記吸収コアには、界面活性剤、SAPおよびSAFなどの他の添加剤を組み入れることができる。これらの添加剤は、体液浸透強化および体液吸収増加などの追加効果を提供できる。例えば、ある実施態様では、吸収層は、パルプ層から成る吸収剤から形成される。別の実施態様では、SAPをパルプと混合し、吸収複合物を形成する。この複合物を凝縮し、緻密な薄層を形成できる。当該材料の一例は、Rayonier, Jesup, GAから販売されているNovathin(登録商標)である。
【0100】
SAPは、その滲出液の重量の何倍も0.5 psiの圧力下で、少なくとも10倍、さらに好ましくは15倍、一層好ましくは15倍以上を吸収できる粒子である。本発明に関連して、高吸収粒子が実際には微粒子でなければならないという制約がない点に注意する必要がある。この表現は、形態および形状が何であれ、高吸収繊維および他の高吸収材を網羅することを意図している。これらの高吸収粒子は、一般に、3つのクラスに分類される。即ち、デンプングラフトコポリマー、架橋カルボキシメチルセルロース誘導体および修飾親水性ポリアクリレートである。当該吸収ポリマーの例は、加水分解デンプン-アクリロニトリルコポリマーグラフトコポリマー、中和デンプン-アクリル酸グラフトコポリマー、鹸化アクリル酸エステル-酢酸ビニルコポリマー、加水分解アクリロニトリルコポリマーまたはアクリルアミドコポリマー、修飾架橋ポリビニルアルコール、中和自己架橋ポリアクリル酸、架橋ポリアクリル酸塩、カルボキシル化セルロース、および、中和架橋イソブチレン-マラシックアンヒドリド (malasic anhydride)コポリマーである。本発明のある実施態様では、高吸収粒子は、架橋ポリアクリル酸塩である。
【0101】
高吸収粒子は、吸収コア中に、重量対重量として、約60%程度の量で組み入れられる。好ましくは、当該粒子は、重量対重量として、約0%〜約25%の量で組入れられる。さらに好ましくは、重量対重量として、約5%〜約20%の量で組み入れられる。例えば、本文脈上、「重量対重量として」7%高吸収材とは、吸収コア中の全成分1g当り高吸収粒子0.07 gを指すことを意味する。
【0102】
本発明の吸収層またはコアは、普通の技術に従って、例えば、木材パルプ繊維および高吸収材をエアレイ法に供することによって構成できる。このような普通の技術は、すべて、本発明の範囲内である。ある実施態様では、吸収層は、米国特許第5,866,242号に述べられたとおりである。当該特許は、参照することによって本明細書に組み入れられている。
【0103】
SAP対木材パルプ比は、幅広い範囲で変動させることができる。必要に応じて、単層または多層のドライレイタイプ材料を吸収材として使って、吸収コアを形成できる。吸収材は、技術上使用されるタイプのSAPおよび所望の密度を有する木材パルプから形成できる。
【0104】
例えばエアレイティシューおよびウェットレイティシューなど、技術上周知のティシューを使って、本発明の吸収構造を形成することができる。
【0105】
バックシート50とも呼ばれるバリア層を、吸収コア30に隣接して、また、他では部分的にカバー10に隣接して位置することができる。本発明のバリア層50は、体液非浸透性の材料であり、少なくとも実質的に液体不透過性である。その外側は、吸収用品の衣服側表面を成す。バックシート50は、いずれかの薄い、柔軟な体液不透過性材料(ポリエチレン、ポリプロピレンまたはセロファンなどのポリマーフィルムであるが、それらに制約されない)、または、処理によって非浸透性となった普通に液体を浸透させる材料(含浸液撥水紙または不織布材を含む不織材)、または、軟質フォーム(ポリウレタンまたは架橋ポリエチレンなど)であることができる。
【0106】
任意に、バックシート50は、通気性である、即ち、蒸気を発生することができる。この目的の既知材料は、不織材、一体型および微孔フィルムであり、とりわけ、配向フィルムを延伸することによって微孔性を生じる。くねり経路を提供し、および/または、その表面特性が液体の浸透をはじく単層または多層の透過性フィルム、織物、メルトブロー材、およびそれらの組み合わせを使用して、通気性バックシートを提供することもできる。
【0107】
吸収用品の各層は、必ずではないが、隣接層に、例えば、膠で接着、または、付着させるなど、接着できる。例えば、カバー10の下面を吸収コア30の最上綿に接着できる。吸収コア30の下面をバリア層50の最上面に接着できる。融着、付着などのいずれかの技術上周知の方法、または、いずれかの他の固定手段を使って、個々の層を合わせて固定し、最終吸収用品を形成できる。当該方法には、同時エンボス加工、熱接着、機械接着などが含まれる。融着は、熱接着、超音波接着などを含む。
【0108】
接着剤は、典型的には、単一吸収用品に層を接着する場合に使用される。例えば、ある実施態様では、身体側のカバー10をバリア層50に、H.B. Fuller and Company(St.Paul, MN)から市販されている接着剤HL 1491で接着する。当該接着剤は、どの方法でも塗布できる。
【0109】
接着剤は、細長い短冊、渦巻、または、波形などとして塗布される圧感受性接着剤を含む。本明細書で使用する場合、圧感受性接着剤という用語は、取り外し可能な接着剤または取り外し可能な粘着手段を指す。適切な接着組成物は、例えば、アクリレート接着剤などの水系圧感受性接着剤を含む。別法として、当該接着組成物は、以下のものを基礎とする接着剤を含むことができる。即ち、天然または合成ポリイソプレン、スチレン-ブタジエン、または、ポリアクリレート、酢酸ビニルコポリマー、または、それらの組み合わせのエマルジョンまたは溶媒介在接着剤;適切なブロックポリマーを基礎とするホットメルト接着剤-本発明での使用に適したブロックポリマーは、式(A−B)xを有する線状または放射状コポリマーを含み、式中、ブロックAは、ポリビニルアレンブロック、ブロックBは、ポリ(モノアルケニル)ブロック、xはポリマーアーム数であり、xは、1以上の整数である。適切なブロックAポリビニルアレンは、ポリスチレン、ポリアルファ-メチルスチレン、ポリビニルトルエン、およびそれらの組み合わせを含むが、それらに制約されない。適切なブロックBポリ(モノアルケニル)ブロックは、共役ジエンエラストマー(例えばポリブタジエンまたはポリイソプレン)または水素添加エラストマー(エチレンブチレンまたはエチレンプロピレンまたはポリイソブチレン、またはそれらの組み合わせを含むが、それらに制約されない。これらのタイプのブロックコポリマーの市販品の例は、Shell Chemical CompanyのKraton(登録商標)エラストマー、DexcoのVector(登録商標)エラストマー、Enichem ElastomerのSolprene TM、および、Firestone & Rubber Co.のStereon(登録商標);オレフィンポリマーおよびコポリマーを基礎とするホットメルト接着剤で、当該オレフィンポリマーは、エチレンおよびコモノマー(酢酸ビニル、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エチル、アクリル酸メチル、n-ブチルアクリレートビニルシランまたは無水マレイン酸など)のターポリマーである。これらのタイプのポリマーの市販品例は、Ateva(AT plastics製ポリマー)、Nucrel(Dupont製ポリマー)、Escor(Exxon Chemical製)を含む。
【0110】
本発明の吸収用品は、衣服の股の内側表面を背にして衣服側表面を配置することによって、衣服の股部に適用することができる。各種の吸収用品付着法を使用できる。例えば、化学的方法(例、接着剤)、機械的接着手段 (例、クリップ、レース、紐、および連結具(スナップ、ボタン、VELCRO(Velcro USA, Inc., Manchester, NH)、ジッパーなど)が、熟練者が利用可能な各種オプションの例である。
【0111】
接着剤は、吸収用品の衣服側に適用できる。位置決め接着剤は、技術上周知のどの接着剤であることもできる。無制約の例として、圧感受性接着片、渦巻、または、波形を適用し、吸収用品を定位置で維持するのに役立てることができる。本明細書で使用する場合、圧感受性接着剤という用語は、取り外し可能な接着剤、または取り外し可能な粘着手段を指す。適切な接着組成物は、例えば、アクリレート接着剤などの水系圧感受性接着剤を含む。別法として、当該接着組成物は、急速硬化熱可塑材「ホットメルト」、ゴム性接着剤、両面接着テープなどを含むことができる。
【0112】
位置決め接着剤をバリア層50の衣服側に使用する場合、取り外し片を適用し、吸収用品を股に付着させる前の吸収用品上の接着剤を保護することができる。取り外し片は、適切なシート様材料から形成され、当該片は、十分な粘着性を持って接着剤に接着し、使用時まで定位置を保つが、吸収用品を使用しなければならない場合に容易に外すことができる。任意に、接着剤から取り外し片の外し易さを向上させるためにコーティング剤を当該取り外し片に塗布することができる。この結果を達成できるどのコーティング剤でも使用でき、例えばシリコーンである。
【0113】
ウィングは、とりわけフラップまたはタブとも呼ばれるが、これも本発明の吸収用品の一部であることができる。衛生保護用品におけるウィングとその使用は、Van Tilburgへの米国特許第4,687,478号、同じくVan Tilburgへの米国特許第4,589,876号、McCoyへの米国特許第4,900,320号、およびMattinglyへの米国特許第4,608,047号に記述されている。これらの特許の開示内容は、参照することによって、そのまま本明細書に組み入れられている。
【0114】
上記特許に開示されるように、ウィングは、一般的に言えば、柔軟で、当該ウィングが下着の縁の間に位置するように、折れて下着の縁を覆う形をなしている。
【0115】
カバー、吸収層、移行層、バックシート層、および接着層のいずれか、または全部が透明であることも、着色されていることもできる。この着色は、白、黒、赤、黄色、青色、オレンジ、緑、紫、およびそれらの混合色を含むが、それらに制約されない。色は、染色、着色、プリントによって本発明に従って行うことができる。本発明に従って使用される着色剤は、染料、および、無機および有機色素を含む。当該染料は、アントラキノン染料(Solvent Red 111、Disperse Violet 1、Solvent Blue 56、およびSolvent Green 3)、キサンテン染料(Solvent Green 4、Acid Red 52、Basic Red 1、およびSolvent Orange 63)、アジン染料(Jet black)などを含むがそれらに制約されない。
【0116】
無機色素は、二酸化チタン(白)、カーボンブラック(黒)、酸化鉄(赤、黄色、褐色)、酸化クロム(緑)、フェロシアン化アンモニウム第二鉄(青)などを含むが、それらに制約されない。
【0117】
有機色素は、ジアリーリドイエローAAOA(Pigment Yellow 12)、ジアリーリドイエローAAOT(Pigment Yellow 14)、フタロシアニンブルー(Pigment Blue 15)、リソールレッド(Pigment Red 49:1)、Red Lake C(Pigment Red)などを含むが、それらに制約されない。
【0118】
ある実施態様では、吸収用品は、カバーおよびバックシートを有し、両者は、接着剤層によって合体保持されている。当該接着剤層は、ナノ粒子を含有し、これが体液を吸収する。別の実施態様では、吸収用品は、カバー、バックシート、ナノ粒子含有吸収部分を有し、2001年12月19日提出の米国特許公報第2003114822号に規定されたとおりのXX未満のドレープ適性を有する。
【0119】
別の実施態様では、米国特許第6,497,690号および第6,482,192号に規定されているように、吸収用品は、透明である。この実施態様では、当該吸収用品の吸収部分は、ナノ粒子を含有するので、生じる用品は、その透明性を維持する。
【0120】
吸収用品は、ラップなしの吸収用品として、カートン、ボックスまたはバッグ内に包装することができる。消費者は、必要に応じて、使用可能状態の用品を抜き出す。吸収用品は、個別包装することもできる(オーバーラップに包んだ各吸収用品)。
【0121】
また、本明細書で意図するものは、平行の縦の縁、ドッグボーン形、ピーナッツ形、円形、卵形などを有する非対称および対称な用品を含む。
【0122】
本発明の吸収用品は、普通の下着で使用でき、あるいは、 T-バック(紐)衣服に適合するように成形することができる。本明細書で使用する場合、T-バックという用語は、T-バック下着、T-バック水着のボトム、下帯、Rioカット下着、Rioカット水着のボトム、ブラジルカット下着、ブラジルカット水着のボトム、および、ウェストバンド、ウェストコード、ベルトまたは衣服自体が支える腿の間を通る細い布片またはコードを有する、臀部を露出する他の衣服を含むが、それらに制約されない。吸収用品は、他の既知の材料、層、および添加剤(フォーム、ネット様材、香料、医薬品、製剤、モイスチャライザー、防臭剤など)を含有できる。吸収用品は、任意に装飾デザインのエンボス加工を行うことができる。
【0123】
本明細書で述べる方法の実施態様のいずれも、ある適切な方法で軟質表面を調製する段階を実施し、表面のコーティング組成物受容能を高めるのが望ましいと思われる。
【0124】
疎水性または境界型親水性軟質表面は、疎水性または境界型親水性構造の構成部分から成るニット材および不織材を含むが、それらに制約されない。ニット材、織布材および不織材の構造構成物は、ヤーン、ストランド(より糸)、繊維、スレッド(繊維を束ねた糸)、または、他の構造構成物を含むことができる。当該構造構成物の一部または全部が、疎水性、境界型親水性、またはその組み合わせであることができる。疎水性構造構成物は、表面上に、疎水性材料のみを含む、または、疎水性材料を一部含むものである(疎水性鞘に一部または完全に囲まれた1種類以上の材料を含む多重構成物など)。
【0125】
同様に、境界型親水性構造構成物は、表面上に、境界型親水性材料のみを含む、または、境界型親水性材料を一部含むものである。構造構成物が、表面に疎水性材料と境界型親水性材料の両方を含む場合、疎水性と見なされる。疎水性材料は、しばしば、合成のポリマー、コポリマー、ブレンド、またはそれらの組み合わせである。例は、ポリオレフィン(ポリプロピレンおよびポリエチレンなど)、特定のポリエステル(ポリエチレンテレフタレート(PET)など)、および特定のポリアミドを含むが、それらに制約されない。境界型親水性材料も、しばしば、合成のポリマー、コポリマー、ブレンド、またはそれらの組み合わせである。例は、境界型親水性を示すポリアミドおよびポリエステルを含むが、それらに制約されない。境界型親水性ポリエステルは、最近、親水性ポリエステルと名付けられたポリエステルクラスである。一例は、PET/枝分れポリエチレングリコール(枝分れPEG)コポリマーで、Wellman, Inc., Charlotte, N.C., USAから販売されているT870、T289およびT801等級などがある。別の例は、PETの芳香族反復単位の一部または全部に代わる脂肪族反復単位を有するポリエステルである。Cargill Dow Polymers, LLC, Blair Nebr.から販売されているポリラクチド(またはポリ乳酸またはPLA)ポリマーは、脂肪族反復単位を含有する。
【0126】
コーティング組成物を塗布する表面のコーティング組成物受容能は、無限な数の異なる方法で増強できる。
【0127】
本明細書で論じる場合、材料表面のコーティング組成物受容能を増強するある方法は、界面活性剤の使用によるものである。界面活性剤は、水系ナノ粒子分散液の表面張力を低減し、それによって軟質表面の湿潤性を向上させる。表面の湿潤は、重要である。それは、当該分散液がナノ粒子をより広い表面積全体に運び、それによってカバー範囲を増加させるからである。
【0128】
界面活性剤は、多くの用途に良好に機能するが、一部の上記疎水性または境界型親水性材料の場合、コーティング法からの残留界面活性剤の存在は、使用中に1回以上の液体(例、尿、月経、汗または他の身体滲出液)の噴出を受けて液体を運搬する用品(吸収用品、および、オムツおよび他の失禁用品および女性用パッドなどの生理用品といった使い捨て用品中などを含むがそれらに制約されない)などにおいて当該材料を使用中に再湿潤する際、特に問題であると思われる。
【0129】
液体の噴出は、使用中、軟質表面から残留界面活性剤を液相自体に流し入れる。液相中の低レベルの残留界面活性剤でさえ、当該液体の表面張力を低下させる。液相中の表面張力の低下は、繊維に沿ったウィッキング(吸上げ)張力を低下させる(接触角の表面張力Xコサイン)。ウィッキング張力が低めであると、ウィッキング速度を低下させ、順に、多孔質織物を通過する、または、多孔質織物に沿ったウィッキングフラックス (単位断面積単位時間当りの液体量)を低下させる。ウィッキングフラックスの低減は、エンドユーザーにとっての液体処理性能の低下を生じる可能性がある。
【0130】
液相における表面張力の低減は、意図的に疎水性となった繊維表面を湿潤させる能力も高める。いったん、先に疎水性の繊維が湿潤すると、当該繊維は、親水性挙動を発揮し始める可能性がある。他の点では水などの液体をはじいていたと思われる疎水性表面は、ウィッキング張力、重力、圧勾配力、または、他の力によって繊維を通過して、または、繊維に沿って液体を通すことができる。
【0131】
ナノ粒子分散液が軟質表面を湿潤させる程度を向上させることを目的とする液体表面張力低減の別法は、軟質表面の表面エネルギーを増加させることである。そのため、特定の実施態様では、当該表面の表面エネルギーは、一定の高エネルギー表面処理を材料に加え、処理表面を形成することによって高めることができる。高エネルギー表面処理は、ある種の繊維の一部の表面エネルギーを高めるという条件付きで、コロナ放電処理、プラズマ処理、UV放射線処理、イオンビーム処理、電子ビーム処理、特定のレーザー処理(パルスレーザーを含む)、および、他の照射技術を含むことができるが、それらに制約されない。処理対象材料に有害な影響を与えないように注意する。ある場合、一部のこれらの処理を軟質表面の両側に適用するのが望ましいと思われる。さらに、この任意の段階は、コーティング組成物の軟質表面への塗布とは別の前処理段階であることができ、あるいは、これらの2段階を組み合わせることができる。
【0132】
表面エネルギーを増加させる高エネルギー表面処理は、ナノ粒子との併用で、持続可能な親水性を有する表面を提供できるという点で有用である。順に、表面エネルギーの増加は、湿潤を達成する上で、分散液中の界面活性剤を使用せずに、軟質表面の湿潤性を増加させる。界面活性剤を使用しない点は、前述の理由で有用である。無制約の例では、コロナ処理は、繊維状熱可塑剤表面に一過性の電荷を起こす。先に論じたように、部分または完全電荷は、経時的に散逸し、繊維状熱可塑剤表面の部分または完全電荷の維持は、共通して限界がある。しかし、水が材料に持続的に付着するように、ナノ粒子と併用したコロナ処理を使って、持続可能な電荷を材料上に起こすことができる。高エネルギー表面処理による導電にナノ粒子を使用すると、当該処理に一過性の性質をより持続可能な性質に変換することができる。ある無制約の例では、13 g/m2の疎水性SMSプロピレン不織布をコロナ処理し、その後にナノ粒子分散液で処理し、乾燥すると、複数回の照射 (insult)後、一貫して急速な浸透(strikethrough)を呈した。理論に拘束されることを望まないが、コロナ処理は、繊維への表面エネルギーを増加させた。界面活性剤を使わないナノ粒子は、電荷が散逸する前に繊維表面と接触した。表面エネルギーが高いほど、コロナ処理なしで可能であったと思われる場合よりも良好に分散液が繊維表面を湿潤させることができた。湿潤表面上で、ナノ粒子は、その他では一過性と思われる表面の部分または完全電荷と結合する。この結合は、ファンデルワールス相互作用の形態、または、他の相互作用または結合の形態を取ることができる。ナノ粒子は、複数回の浸透に耐えるのに十分に強い結合を付与できる程度に小さい。ナノ粒子は、前述のように、酸素からポリマー内への回転に抵抗するのに、あるいは、総じて、エネルギーを散逸させるのに十分な大きさである。ナノ粒子は、界面活性剤なしで湿潤を可能にし、乾燥時の均一な沈着を提供するには、高エネルギー表面処理を必要とする。高エネルギー表面処理は、ナノ粒子に持続荷電表面を付与するのに必要である。
【0133】
高エネルギー表面処理を受け、複合材をその上に沈着させる材料は、多様な用途に適しており、その用途は、疎水性または境界型親水性繊維を含有する吸収用品、および、使い捨て吸収用品の各部での用品中の液体運搬への使用を含むが、それに制約されない。使い捨て吸収用品の各部は、トップシート、捕捉層、分布層、ウィッキング(吸い上げ)層、貯蔵層、吸収コア、吸収コアラップおよび封入構造を含むが、それらに制約されない。
【0134】
別の実施態様では、材料のコーティング組成物受容能を増強する場合、他の方法を使用できる。これらは、以下のものを含むが、それらに制約されない。即ち、材料への圧勾配(圧力ロール、プリントロール、ニップロール、静水圧などの使用によるものを含むが、それらに制約されない)、界面活性剤を使用しない表面でのコーティング組成物の表面張力の軽減(例、界面活性剤の代わりにエタノールを使用するなど)、「分解性」または「開裂可能」界面活性剤の使用、および、以下で詳述するように、材料上での組成物のインクジェットプリント使用である。
【0135】
表面とは、本明細書では、「基質」を指すこともできる。特定の理論または特徴付けに拘束されることを望まずに、一部の実施態様では、表面のコーティング組成物受容能を増強する、本明細書で指す処理などは、表面へのプライマーとして働くと考えることができる。軟質表面コーティング組成物は、一部の実施態様では、活性材(複合材)を含有する水性分散液を考慮することができる。コーティング剤が乾燥すると、当該組成物は、表面上で複合材の能動的分布を生じる。やはり、特定の理論または特徴付けに拘束されることを望まずに、一部の実施態様では、プライマーと複合材は、相互依存することができる。表面に分布された複合材は、一部の実施態様では、プライマーの性質を「保つ」働きをすることできるので、当該性質は、それほど一過性でない特徴を有し、プライマーは、ナノ粒子をさらに有効に表面に接着させる。
【0136】
軟質表面へのコーティング組成物の直接または間接塗布を使用する方法の実施態様の数は、無制限である。「直接塗布」という用語は、本明細書で使用する場合、コーティング組成物を軟質表面に直接塗布する方法を指す。直接塗布は、例えば、軟質表面へのコーティング組成物の直接噴霧を含むことができるが、それに制約されない。「間接塗布」という用語は、本明細書で使用する場合、コーティング組成物の何らかの他の用品への塗布を指し、これが、コーティング組成物を軟質表面に塗布する。間接塗布は、例えば、ロールにコーティング組成物を塗布し、当該ロールが軟質表面にコーティング組成物を塗布する方法を含むことができるが、それに制約されない。
【0137】
ある無制約の実施態様では、別法として、液体軟質表面コーティング組成物の有効量を軟質表面および/または軟質表面用品に噴霧し、当該軟質表面用品は、合成および天然繊維などを有するものを含む吸収用品を含むが、それに制約されない。軟質表面にコーティング組成物を噴霧する場合、複合材の有効量を軟質表面に沈着させることができ、軟質表面は、湿気を帯び、あるいは、コーティング組成物で完全に飽和される。噴霧による、軟質表面などの表面へのコーティング組成物の塗布は、多数の効果を提供できる。必要に応じて、コーティング組成物を、塗布対象の特定区域に的を絞ることができる、用品の片側だけに塗布できる(浸漬法とは反対に)、また、洗浄またはゆすぎ工程で排液を洗い流すよりも多くの複合材が表面に残るという点で、より効率的であることができる。
【0138】
コーティング組成物は、浸漬容器中での浸漬および/または浸透法およびその後の任意の乾燥工程によっても、軟質表面などの表面に塗布できる。塗布は、産業利用として軟質表面および/または最終製品に大規模に、また、消費者の家庭で、実施できる。
【0139】
別の無制約の実施態様では、コーティング組成物は、軟質表面に当該コーティング組成物をプリントすることによって、軟質表面に塗布できる。いずれの適切なプリント技術もこの目的で使用でき、ロータリー、グラビアおよびフレキソプリントなどの転写、および、インクジェットプリントを含むが、それらに制約されない。インクジェットプリントは、特に興味深い。それは、小液滴の比較的高い慣性力が、基質表面に沿ってコーティング組成物を分布させ、コーティング組成物の粘質表面湿潤能を一時的に増強させることができるためである。当該小液滴の低熱質量が、分散媒の急速な蒸発を可能にし、典型的には、約0〜10秒、好ましくは約0.1〜1秒以内で開始する。分散媒は、小液滴の表面張力が衝突後の拡散から完全に回復する前に蒸発を開始する。複合材は、分散媒の蒸発の前に分散液が表面を湿潤させている部分に残る。既述のインクジェットプリントは、疎水性表面、境界型親水性表面、および、前進接触角が実質的に後退接触角よりも高い表面で有利である。
【0140】
コーティング組成物は、当該コーティング組成物がインクジェットノズルを通って流れ、表面全体に行き渡り、流れ抵抗が、粘度が高めの場合よりも低くなるように、比較的低粘度の分散液(必要に応じて、約10センチポア未満、好ましくは、約5センチポア未満)で生成できる。普通の分散液中の普通のサイズの粒子と異なり、ナノ粒子は、十分に小さいので、低粘度分散媒中に定着せず、インクジェットプリンターのノズルを詰まらせない。どんな適切なタイプのインクジェット技術でも使用でき、オシレーティングヒーティングエレメントによる液滴蒸発タイプ、および、機械ポンプおよびオシレーティングクリスタルによる液滴放出(drop ejection)タイプなどのドロップオンデマンドインクジェットプリンターを含むが、それらに制約されない。一部の実施態様では、軟質表面および他の用品をジェットインクプリントノズルを移動または通過させることができる。他の実施態様では、硬質表面の場合のように、インクジェットプリンターを、表面と連動して移動するように設定できる。
【0141】
一部の実施態様では、複合材が約1.3以上の屈折率を有するのが望ましいと思われる。一部の実施態様では、複合材が約5.5以下の屈折率を有するのが望ましいと思われる。複合材の屈折率は、バルク複合材またはバルク材料の薄膜を使った楕円偏光測定によって測定できる。
【0142】
一部の実施態様で、軟質表面の褐色化は、一般に、粒度の増加とともに増加することが認められている。当然、使用する粒子は、軟質表面上で目に見える大きさであってはならない。
【0143】
一部の実施態様では、コーティング組成物は、当該コーティング組成物の乾燥後に、複合材が軟質表面の表面積の0.5%以上をカバーするように塗布することができる。
【0144】
本発明は、パッケージ中に本発明の軟質表面コーティング組成物を含む製造品にも関するものである。コーティング組成物は、本明細書で述べる所望の結果の少なくとも1つを得るために、軟質表面を改質するように軟質表面を処理するコーティング組成物の使い方の説明書を付けて提供できる。
【0145】
ある無制約の実施態様では、製造品は、軟質表面を正しく処理するコーティング組成物の使い方の説明書を付けて、スプレーディスペンサー中の軟質表面コーティング組成物を含み、当該説明書は、以下でさらに詳細に述べるように、組成物の噴霧方法および/または量、コーティング組成物の好ましい塗布法を含む。当該説明書は、できる限り簡単で、明確であるのが重要であり、必要に応じて、図および/アイコンの使用を含む。
【0146】
軟質表面コーティング組成物は、軟質表面上に分布させるために、スプレーディスペンサー内に入れることができる。当該スプレーディスペンサーは、表面部分および/または多数の基質にコーティング組成物を塗布する手動タイプ、ならびに、広い硬質表面および/または多数の基質に簡便に塗布する非手動粉末スプレーのいずれかであることができる。スプレーディスペンサーは、以下のものいずれかを含むことができるが、それらに制約されない。即ち、エアロゾルスプレーディスペンサー、自動加圧スプレーディスペンサー、非エアロゾル手動ポンプスプレーディスペンサー、手動トリガースプレーディスペンサー、トリガースプレーヤーまたはフィンガーポンプスプレヤー、非手動スプレーディスペンサー(粉末スプレーヤー、空気吸引スプレーヤー、液体吸引スプレーヤー、静電気スプレーヤー、ネブライザースプレーヤーを含むが、それらに制約されない)である。粉末スプレーヤーは、遠心分離または容積式デザインを含むことができるが、それらに制約されない。静電気スプレーを含むが、それに制約されない他のタイプのスプレーヤーは、発泡を低減し、多様な条件下でも目に見える残留物が少ない適切なコーティングを形成する。これは、当該コーティング組成物中での広範囲な界面活性剤の使用を可能にすることができる。
【0147】
本発明は、コーティング組成物の過剰量が開放環境に放出されるのを防止する方法で軟質表面全体または用品に噴霧する、および/または、ミスティング(霧状に吹付ける)する際の使用のための軟質表面コーティング組成物を含み、消費者がコーティング組成物の有効量を塗布し、所望の軟質表面の多目的の恩恵を提供することを確実にするための使用説明書を付けて提供される製造品にも関するものである。
【0148】
本発明は、本発明の軟質表面コーティング組成物の使用に関する説明書を、本明細書のコーティング組成物を含有するパッケージとともに、あるいは、当該コーティング組成物の販売または使用と関連する他の広告形態とともに、封入することも包含する。当該説明書は、消費者製品製造または供給会社が典型的に用いるいずれかの方法で含むことができる。例は、コーティング組成物を保持する容器に貼り付けたラベルでの説明、購入時に容器に貼り付けるか、容器に添えるシートでの説明、または広告、デモンストレーション、および/または、コーティング組成物の購入または使用に関連付けることのできる他の書面または口頭での説明の提供を含む。
【0149】
具体的は、説明書は、コーティング組成物使用の記述、例えば、表面または用品をコートするために使用する組成物の推奨量、噴霧する、浸透させる、または、こすることが適切な場合の表面に塗布する組成物の推奨量、を含む。
【0150】
コーティング組成物は、製品中に含むことができる。
【0151】
本明細書で使用するすべての部、パーセンテージおよび比率は、他に規定されない限り、重量パーセントとして表す。
【0152】
たとえ、本発明の組成物および方法が、軟質表面の家庭向け改質が中心であっても、本発明の組成物および方法は、織物工場など、軟質表面の産業用改質に使用できる。
【0153】
全特許、特許出願(および、それらに発表されているどの特許、ならびに、対応する外国公開特許出願も)、および、本詳細な説明で言及した発表論文は、参照することによって、本明細書に組み入れられている。しかし、参照することによって本明細書に組み入れられている書類が、いずれも、本発明を説明または開示しているとは、明示的には認められない。
【0154】
本発明の特定の実施態様を説明したが、本発明の精神および範囲を逸脱することなく、本発明の各種変更および修正を加えることが可能であるのは、当業者に明らかになる。添付された特許請求の範囲では、本発明の範囲内のすべての修正を網羅することが意図されている。
【0155】
上記のすべての特許および特許出願の全内容は、参照することによって本明細書に組み入れられている。
【0156】
〔実施例1〕
ナノクレー上に銀金属を沈着させるために、Tollen試薬を使って、Laponiteの存在下で銀イオンを還元した。Tollen試薬は、アルデヒドまたはケトンによって還元され、以下の反応を経て銀金属を形成する:
Ag(NH3)2OH + グルコース → Ag0
【0157】
Tollen試薬は、2 滴の10%NaOHを5 mLの5%AgNO3に添加し、灰〜褐色の沈殿を形成することによって調製した。次に、2%NH4OHの滴下によってこの沈殿を溶解し、30 mLのTollen試薬総量を生じた。
【0158】
600 mgのLaponiteを蒸留水50 mLに添加し、電磁攪拌棒を使って、20分間剥脱することによって、銀コートLaponite溶液を調製した。この溶液に、グルコース800 mgを添加し、攪拌を10分間継続し、グルコースを確実に完全溶解した。これに、上記調製のTollen試薬10 mLを添加した。2時間の連続攪拌後、当該溶液は、明るい黄色を発色した。さらに反応時間が経過すると、濃いコハク色〜褐色の溶液を得た。粒度分析およびTEM分析用に調製したサンプルを、10倍希釈し、粒子の凝集を防いだ。ナノ粒子の粒度は、表面プラズモン共鳴現象によって惹起される溶液の色を示す。銀粒子に関して、黄色は、可能な限り最小の粒度を有すると確認されている。
【0159】
〔実施例2〕
図1に示す立体配置を有する吸収用品は、次の通りに形成される。カバーは、75%ポリエステルおよび25%レーヨン(3P075V25P75、Spuntech Industries Ltd., Upper Tiberias, Israel)から成るスパンレース身体側層75 gsmから形成される。バックシートは、30 gsm細孔ポリエチレンバックシート(01030A1-1-1-1-2、FullSafe, Manila, Philippines)である。本発明に従って、当該シートを軟質表面コーティング組成物で処理する。当該軟質表面コーティング組成物は、実施例1で調製されたとおりの銀積載ナノクレーを含む。さらに、当該コーティング組成物は、界面活性剤および水性分散媒を含む。当該コーティング組成物は、噴霧によって吸収コアに塗布される。
【0160】
〔実施の態様〕
(1) 軟質表面コーティング組成物において、
1)a)表面を有する剥脱ナノ粒子、および
b)第3〜12群、アルミニウムおよびマグネシウムから選択される金属で、前記金属が前記ナノ粒子の前記表面に積載される金属
を含む複合材と、
2)分散媒と、
3)界面活性剤と、
4)1種類以上の補助成分と、
を含む軟質表面コーティング組成物。
(2) 実施態様1に記載の軟質表面コーティング組成物において、
前記複合材がナノクレーを含む、
軟質表面コーティング組成物。
(3) 実施態様1に記載の軟質表面コーティング組成物において、
前記複合材が、銀、銅、亜鉛、マンガン、プラチナ、パラジウム、金、カルシウム、バリウム、アルミニウム、鉄、およびそれらの混合物から成る群から選択される金属を含む、
軟質表面コーティング組成物。
(4) 実施態様1に記載の軟質表面コーティング組成物において、
前記複合材が銀積載ナノクレーである、
軟質表面コーティング組成物。
(5) 実施態様1に記載の軟質表面コーティング組成物において、
前記分散媒が水性分散媒を含む、
軟質表面コーティング組成物。
(6) 実施態様5に記載の軟質表面コーティング組成物において、
前記補助成分が、荷電機能化分子、フィルム成形剤、アルカリ源、抗酸化剤、静電気防止剤、キレート化剤、アミノカルボン酸塩キレート化剤、金属塩、光活性無機金属酸化物、防臭剤、香料、光活性化剤、ポリマー、防腐剤、加工助剤、色素およびpH調整剤、可溶化剤、ゼオライト、および、それらの混合物から成る群から選択される、
軟質表面コーティング組成物。
(7) 複合材を含む吸収用品において、
前記複合材は、
a)表面を有する剥脱ナノ粒子と、
b)第3〜12群、アルミニウムおよびマグネシウムから選択される金属で、前記金属が前記ナノ粒子の前記表面に積載される金属と、
を含む、
吸収用品。
(8) 実施態様7に記載の吸収用品において、
前記複合材がナノクレーを含む、
吸収用品。
(9) 実施態様7に記載の吸収用品において、
前記複合材が、銀、銅、亜鉛、マンガン、プラチナ、パラジウム、金、カルシウム、バリウム、アルミニウム、鉄、およびそれらの混合物から成る群から選択される金属を含む、
吸収用品。
(10) 実施態様7に記載の吸収用品において、
前記複合材が、銀積載ナノクレーである、
吸収用品。
(11) 軟質表面を改質する方法において、
1)a)表面を有する剥脱ナノ粒子、および
b)第3〜12群、アルミニウムおよびマグネシウムから選択される金属で、前記金属が前記ナノ粒子の前記表面に積載される金属
を含む複合材と、
2)分散媒と、
3)界面活性剤と、
4)1種類以上の補助成分と、
を含む軟質表面コーティング組成物を前記軟質表面に塗布する段階を含む、
方法。
(12) 実施態様11に記載の方法において、
前記軟質表面上の前記軟質表面コーティング組成物を乾燥する段階をさらに含む、
方法。
(13) 実施態様12に記載の方法において、
軟質表面コーティング組成物を前記軟質表面に塗布し、さらに、前記軟質表面コーティング剤を乾燥する、段階をさらに含む、
方法。
(14) 実施態様11に記載の方法において、
前記複合材がナノクレーを含む、
方法。
(15) 実施態様11に記載の方法において、
前記複合材が、銀、銅、亜鉛、マンガン、プラチナ、パラジウム、金、カルシウム、バリウム、アルミニウム、鉄、およびそれらの混合物から成る群から選択される金属を含む、
方法。
(16) 実施態様11に記載の方法において、
前記複合材が、銀積載ナノクレーである、
方法。
(17) 実施態様11に記載の方法において、
前記分散媒が水性分散媒を含む、
方法。
(18) 実施態様11に記載の方法において、
前記補助成分が、荷電機能化分子、フィルム成形剤、アルカリ源、抗酸化剤、静電気防止剤、キレート化剤、アミノカルボン酸塩キレート化剤、金属塩、光活性無機金属酸化物、防臭剤、香料、光活性化剤、ポリマー、防腐剤、加工助剤、色素およびpH調整剤、可溶化剤、ゼオライト、および、それらの混合物から成る群から選択される、
方法。
【図面の簡単な説明】
【0161】
【図1】図1は、本発明に従った吸収用品の斜視図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軟質表面コーティング組成物において、
1)a)表面を有する剥脱ナノ粒子、および
b)第3〜12群、アルミニウムおよびマグネシウムから選択される金属で、前記金属が前記ナノ粒子の前記表面に積載される金属
を含む複合材と、
2)分散媒と、
3)界面活性剤と、
4)1種類以上の補助成分と、
を含む軟質表面コーティング組成物。
【請求項2】
請求項1に記載の軟質表面コーティング組成物において、
前記複合材がナノクレーを含む、
軟質表面コーティング組成物。
【請求項3】
請求項1に記載の軟質表面コーティング組成物において、
前記複合材が、銀、銅、亜鉛、マンガン、プラチナ、パラジウム、金、カルシウム、バリウム、アルミニウム、鉄、およびそれらの混合物から成る群から選択される金属を含む、
軟質表面コーティング組成物。
【請求項4】
請求項1に記載の軟質表面コーティング組成物において、
前記複合材が銀積載ナノクレーである、
軟質表面コーティング組成物。
【請求項5】
請求項1に記載の軟質表面コーティング組成物において、
前記分散媒が水性分散媒を含む、
軟質表面コーティング組成物。
【請求項6】
請求項5に記載の軟質表面コーティング組成物において、
前記補助成分が、荷電機能化分子、フィルム成形剤、アルカリ源、抗酸化剤、静電気防止剤、キレート化剤、アミノカルボン酸塩キレート化剤、金属塩、光活性無機金属酸化物、防臭剤、香料、光活性化剤、ポリマー、防腐剤、加工助剤、色素およびpH調整剤、可溶化剤、ゼオライト、および、それらの混合物から成る群から選択される、
軟質表面コーティング組成物。
【請求項7】
複合材を含む吸収用品において、
前記複合材は、
a)表面を有する剥脱ナノ粒子と、
b)第3〜12群、アルミニウムおよびマグネシウムから選択される金属で、前記金属が前記ナノ粒子の前記表面に積載される金属と、
を含む、
吸収用品。
【請求項8】
請求項7に記載の吸収用品において、
前記複合材がナノクレーを含む、
吸収用品。
【請求項9】
請求項7に記載の吸収用品において、
前記複合材が、銀、銅、亜鉛、マンガン、プラチナ、パラジウム、金、カルシウム、バリウム、アルミニウム、鉄、およびそれらの混合物から成る群から選択される金属を含む、
吸収用品。
【請求項10】
請求項7に記載の吸収用品において、
前記複合材が、銀積載ナノクレーである、
吸収用品。
【請求項11】
軟質表面を改質する方法において、
1)a)表面を有する剥脱ナノ粒子、および
b)第3〜12群、アルミニウムおよびマグネシウムから選択される金属で、前記金属が前記ナノ粒子の前記表面に積載される金属
を含む複合材と、
2)分散媒と、
3)界面活性剤と、
4)1種類以上の補助成分と、
を含む軟質表面コーティング組成物を前記軟質表面に塗布する段階を含む、
方法。
【請求項12】
請求項11に記載の方法において、
前記軟質表面上の前記軟質表面コーティング組成物を乾燥する段階をさらに含む、
方法。
【請求項13】
請求項12に記載の方法において、
軟質表面コーティング組成物を前記軟質表面に塗布し、さらに、前記軟質表面コーティング剤を乾燥する、段階をさらに含む、
方法。
【請求項14】
請求項11に記載の方法において、
前記複合材がナノクレーを含む、
方法。
【請求項15】
請求項11に記載の方法において、
前記複合材が、銀、銅、亜鉛、マンガン、プラチナ、パラジウム、金、カルシウム、バリウム、アルミニウム、鉄、およびそれらの混合物から成る群から選択される金属を含む、
方法。
【請求項16】
請求項11に記載の方法において、
前記複合材が、銀積載ナノクレーである、
方法。
【請求項17】
請求項11に記載の方法において、
前記分散媒が水性分散媒を含む、
方法。
【請求項18】
請求項11に記載の方法において、
前記補助成分が、荷電機能化分子、フィルム成形剤、アルカリ源、抗酸化剤、静電気防止剤、キレート化剤、アミノカルボン酸塩キレート化剤、金属塩、光活性無機金属酸化物、防臭剤、香料、光活性化剤、ポリマー、防腐剤、加工助剤、色素およびpH調整剤、可溶化剤、ゼオライト、および、それらの混合物から成る群から選択される、
方法。

【図1】
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【公表番号】特表2007−519767(P2007−519767A)
【公表日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−538420(P2006−538420)
【出願日】平成16年11月1日(2004.11.1)
【国際出願番号】PCT/US2004/036372
【国際公開番号】WO2005/042040
【国際公開日】平成17年5月12日(2005.5.12)
【出願人】(591252839)マクニール−ピーピーシー・インコーポレイテッド (69)
【氏名又は名称原語表記】MCNEIL−PPC,INCORPORATED
【Fターム(参考)】