説明

金属膜を有する基板およびその製造方法、ならびに前記基板を用いた電子部品およびその製造方法

【課題】 基板と金属膜間の密着性を向上させることが可能であり、さらに簡単な製造方法にて前記密着性を向上させることが可能な金属膜を有する基板およびその製造方法等を提供することを目的としている。
【解決手段】 基板1上に単分子膜2が形成され、前記単分子膜2上に中間膜3が形成される。前記中間膜3に含まれるピロリル基及び単分子膜2に含まれるピロリル基の少なくとも一部は重合している。また前記中間膜3は、無電解メッキでの触媒能力のある金属、例えばパラジウムを含有する。金属膜5を構成する無電解メッキ膜6が前記中間膜3上に直接、無電解メッキ法によりメッキ形成されている。本実施形態の構成により、基板と金属膜間の密着性を従来に比べて向上させることが出来る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板と金属膜間の密着性を向上させることが可能であり、さらに簡単な製造方法にて前記密着性を向上させることが可能な金属膜を有する基板およびその製造方法等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、樹脂基板表面への金属膜形成は、装飾メッキ、反射板、フレキシブルプリント基板等、幅広く利用されている。
【0003】
ここで問題となるのは、前記樹脂基板と前記金属膜との間の密着性であった。
例えば前記密着性を向上させるため、従来では、前記樹脂基板の表面を酸・アルカリ薬液で処理等して、前記表面に凹凸を形成し、アンカー効果によって前記密着性を向上させる方法がとられていた。
【0004】
しかし、かかる方法では、前記樹脂基板の表面が粗化される結果、微細な配線パターンを形成することが難しく、また、信号の周波数を高くすると、前記基板表面に形成された凹凸による表皮効果が生じるため電気特性が劣化し、さらには、装飾メッキや反射板として用いる場合に光沢が無くなるといった問題があった。
【0005】
下記特許文献1には、上記とは異なった方法で前記密着性を向上させる方法が開示されている。
【特許文献1】特開平9−59763号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1では、基板表面に対し、シランカップリング剤によるカップリング処理を行った後、前記基板表面に金属膜を形成している。
【0007】
これにより、特許文献1では、基板表面に凹凸を設けることなく、基板と金属膜との密着性を向上させることが出来るとしている。
【0008】
しかしながら特許文献1のようにシランカップリング剤を用いると、前記基板表面に余分なシランカップリング剤が残り、残った前記シランカップリング剤は前記密着性の向上にはかえって邪魔となり、適切に前記密着性を向上させることが出来ないといった問題があった。
【0009】
また特許文献1では前記基板表面に付着する前記シランカップリング剤の厚みの調整を特に行っておらず、これも前記密着性の向上を適切に図ることが出来ない原因の一つではないかと考えられた。
【0010】
そこで本発明は上記従来の課題を解決するためのものであり、特に、従来に比べて、基板と金属膜間の密着性を向上させることが可能な金属膜を有する基板、および前記基板を用いた電子部品を提供することを目的としている。
【0011】
また、本発明は、簡単な製造方法、特に工程を簡略化することが可能な金属膜を有する基板の製造方法、及び前記基板を用いた電子部品の製造方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明における金属膜を有する基板は、
基板上に、複素環を有する官能基Aを含有する単分子膜が形成され、
前記単分子膜上には、複素環を有する化合物と無電解メッキにおける触媒能力のある金属とを含有する中間膜が設けられ、前記官能基A及び前記複素環を有する化合物の少なくとも一部が重合しており、
前記中間膜上に金属膜の少なくとも一部を構成する無電解メッキ膜が形成されていることを特徴とするものである。
【0013】
本発明では、前記基板上に前記単分子膜が形成され、前記単分子膜上に前記中間膜を介して前記金属膜が形成されている。前記中間膜に含まれる複素環を有する化合物及び前記単分子膜に含まれる前記官能基Aとが少なくとも一部、重合しており、この結果、前記中間膜は緻密な膜となり、さらに前記単分子膜と中間膜間の密着性を向上させることが出来る。さらに本発明では前記中間膜に無電解メッキにおける触媒能力のある金属が含まれている。すなわち前記中間膜上に、前記中間膜とは別個に触媒膜を設けるのでなく、前記中間膜内に前記触媒能力のある金属を含有させ、前記中間膜に、前記無電解メッキでの触媒膜としての機能も与えている。本発明の構成により、前記中間膜上に直接、無電解メッキ膜をメッキ形成でき、前記無電解メッキ膜と前記中間膜間の密着性を非常に良好にすることができる。よって本発明の構成によれば、従来のように、基板表面に凹凸面等を形成しなくても、前記基板と金属膜間の密着性を、従来に比べて優れたものに出来る。
【0014】
また本発明では、前記単分子膜は、下記の化学式3の化合物を繰り返し単位とし、各化合物は、−SiO−結合を介して基板表面に共有結合していることが好ましい。
【0015】
【化3】

【0016】
(ただしAは、複素環を有する官能基であり、nは、1〜30の整数である。またB、CはOあるいは金属元素であり、l,mは0か1である。)
【0017】
これにより前記基板と前記単分子膜とが強固に結合し、単分子膜自体の強度も非常に強くでき、ひいては、前記基板と金属膜間の密着性を非常に良好なものにできる。
【0018】
本発明では、前記官能基Aは、ピロリル基、チエニル基、あるいはフリル基から選択されることが好ましい。これにより前記官能基Aと前記金属膜とが強固に結合される。
【0019】
また、前記触媒能力のある金属は、パラジウム、銀又は白金のうち少なくともいずれか1種であることが好ましい。これらはいずれも優れた触媒能力を持っている。
【0020】
また本発明では、前記無電解メッキ膜は、金、銀、銅、錫、鉛、ニッケル、タンタル、タングステン、アルミニウム、クロムあるいはチタンのうち少なくともいずれか1種の元素を含んで形成されることが好ましい。これらの元素を選択することで、無電解メッキが可能となる。
【0021】
また本発明では、前記基板は、プラスチック、セラミックスあるいはガラスより形成されることが好ましい。本発明では、前記基板にプラスチック等を選択しても前記基板上に金属膜を密着性良く形成できる。
【0022】
また本発明では、前記金属膜はパターン形成されており、前記金属膜と前記基板間にのみ前記単分子膜及び中間膜が設けられていることが好ましい。前記金属膜を所定パターンに高精度に形成することが可能になる。
【0023】
また本発明における電子部品は、上記のいずれかに記載された基板が用いられることを特徴とするものである。これにより、例えばプリント配線基板であれば、微細な導電パターンが高精度に密着性よく形成されたものとなり、また反射板等であれば光沢性及び密着性に優れた電子部品となる。すなわち微細加工性や光沢性、電気特性等を満足した前記電子部品となる。
【0024】
本発明における金属膜を有する基板の製造方法は、以下の工程を有することを特徴とするものである。
【0025】
(a) 複素環を有する官能基Aを含有する単分子膜を基板上に形成する工程、
(b) 前記単分子膜上に複素環を有する化合物を含有する中間膜を形成する工程、
(c) 無電解メッキにおける触媒能力のある金属の塩を含む酸化剤に前記基板を接触させる工程、
(d) 前記中間膜上に直接、金属膜の少なくとも一部を無電解メッキ法にてメッキ形成する工程。
【0026】
本発明では、前記(a)工程での単分子膜形成後、前記(b)工程で、中間膜の形成を行う。本発明では、前記(c)工程で、前記単分子膜の官能基A及び前記中間膜の複素環を有する化合物の少なくとも一部を酸化重合させることができ、前記単分子膜の表面を前記中間膜にて緻密に覆うことができるとともに、前記単分子膜と中間膜との密着性を向上させることが出来る。また前記(c)工程では、酸化重合と同時に、前記金属塩は還元され0価の状態にて主に中間膜の表面付近に析出する。このことによって前記金属塩は無電解メッキ析出反応の触媒としての機能を発現するようになる。よって本発明では、わざわざ触媒膜を前記中間膜上に形成しなくても前記(d)工程で、無電解メッキ法にて金属膜を前記中間膜上に直接メッキ形成することが可能である。すなわち本発明では、前記(c)工程で、酸化重合工程と、無電解メッキの触媒付与工程とを同じ工程で行うことが出来るから、製造工程の簡略化を図ることが可能である。
【0027】
しかも例えば前記酸化重合は、鉄塩等を用いても行うことが可能であるが、かかる場合、前記中間膜上に無電解メッキの触媒膜を別工程で形成する必要があるだけでなく、前記中間膜内に鉄が残ることになる。これにより前記中間膜と金属膜間の密着性を低下させたり、また前記触媒膜の形成に悪影響を及ぼし、前記金属膜を均一な膜厚にてメッキ形成しづらいといった問題が発生する。これに対し本発明では、酸化重合工程と、無電解メッキの触媒付与工程とを同じ工程で行うことが出来、しかも前記中間膜内には、前記無電解メッキでの触媒能力のある金属以外の金属を含まないようにできるため、製造工程の簡略化を図ることが可能であるとともに、前記中間膜と金属膜間の密着性を向上させることができ、さらに前記金属膜を均一な膜厚にて形成することが可能になる。
【0028】
本発明では、単分子膜形成のための出発物質に、下記の化学式4に示す化合物を含み、複数の前記化合物を脱離反応によってSiO結合を介して前記基板に共有結合させることが好ましい。
【0029】
【化4】

【0030】
(ただしAは、複素環を有する官能基であり、nは、1〜30の整数である。また、X1〜X3の夫々は、ハロゲン、もしくは炭素数1〜4のアルコキシ基である)
【0031】
化学式4を持つ出発物質は、直鎖状構造の両側に異なる性質の官能基を持ち、このような性質の違いから、前記基板表面に自己組織化単分子膜(Self-Assembled Monolayer SAM)を形成する。前記(a)工程で、前記出発物質はシロキサン結合(−Si−O−)を介して前記基板の表面のOH基と強く結合し、前記自己組織化単分子膜を形成する。なお適切に単分子膜を形成できるように前記基板表面を親水性処理することが好ましい。
【0032】
本発明では、前記官能基Aを、ピロリル基、チエニル基、あるいはフリル基から選択することが好ましい。これにより、前記官能基Aと前記金属膜とが強固に結合し、前記金属膜を前記基板の表面に密着性良く形成することが可能になる。
【0033】
また本発明では、前記(c)工程での前記金属の塩を、パラジウム塩、銀塩、又は白金塩のうち少なくともいずれか1種から選択することが好ましい。これにより前記酸化重合を適切に促進させることが出来るとともに、前記中間膜内に、無電解メッキにおける触媒能力のある金属を適切に含有させることが可能になる。
【0034】
また本発明では、前記金属膜を、金、銀、銅、パラジウム、白金、錫、鉛、ニッケル、クロムのうち少なくともいずれか1種の元素を含む材料にて無電解メッキ形成することが好ましい。これらの元素を選択することで、無電解メッキが可能となる。
【0035】
また本発明では、前記基板を、プラスチック、セラミックスあるいはガラスにより形成することが好ましい。本発明では、前記基板にプラスチック等を選択しても前記基板上に金属膜を密着性良く形成できる。
【0036】
また本発明では、前記(a)工程後から前記(d)工程前までに、
(e) 所定パターン以外の単分子膜、もしくは中間膜に、光を照射する工程、
を含み、前記(d)工程にて、前記金属膜を前記所定パターンにてメッキ形成することが好ましい。これにより光の照射された単分子膜は分解され(好ましくは除去され)、前記(d)工程にて前記金属膜を所定パターンにて高精度にメッキ形成することができる。
【0037】
なお本発明では、前記(e)工程を、前記(a)工程と前記(b)工程の間、あるいは前記(b)工程と前記(c)工程の間に行うことが、光の照射領域に、無電解メッキにおける触媒能力のある金属が残存するのを効果的に抑制でき、前記金属膜を高精度に所定パターンでメッキ形成できて好ましい。
【0038】
また本発明における電子部品の製造方法は、上記のいずれかに記載された基板を用いることを特徴とするものである。これにより、例えばプリント配線基板であれば、微細な導電パターンを高精度に密着性よく形成でき、また反射板等であれば光沢性及び密着性に優れた電子部品を形成できる。
【発明の効果】
【0039】
本発明の構成によれば、基板表面に凹凸面等を形成しなくても、前記基板と金属膜間の密着性を、従来に比べて優れたものに出来る。
また本発明の製造方法では、製造工程の簡略化を図ることが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
図1は本実施形態の金属膜を有する基板を膜厚方向から切断した断面概念図である。
図1に示す基板1上には単分子膜2が形成されている。前記単分子膜2は、下記の化学式5の化合物を繰り返し単位としたものである。
【0041】
【化5】

【0042】
ここで化学式5におけるAは、複素環を有する官能基であり、nは、1〜30の整数である。またB、CはOあるいは金属元素であり、l,mは0か1である。
【0043】
前記単分子膜2は、化学式5に示す化合物が、前記基板1の表面に多数並んだものである。特に、前記単分子膜2の出発物質(後で示す化学式6)に示すように直鎖状の両側には性質の異なる官能基を持つことから、自己組織化単分子膜(Self-Assembled Monolayer SAM)を形成する。
【0044】
図1や化学式5に示すように、単分子膜2は、シロキサン結合(−Si−O−)を介して前記基板1の表面に強固に共有結合している。前記基板1の表面には予め親水性処理が成され、前記基板1の表面のOH基と非常に強く結合する。これにより前記単分子膜2自体の強度を向上させることも出来る。なお図1に示す実施形態では官能基Aがピロリル基であり、以下、図1では官能基Aをピロリル基として説明する。
【0045】
また化学式5に示すように、元素B,Cの個数は0か1であり、化学式5の化合物を構成するSi間が、図1に示すようにO(あるいは金属元素)を介して結合されていても、あるいは元素B,Cが基板1表面に結合されていてもよく、特に結合状態を限定しない。
【0046】
図1に示すように前記単分子膜2上にはピロリル基を有する化合物からなる中間膜3が形成されている。前記ピロリル基どうし(ここで言うピロリル基には単分子膜2を構成するピロリル基(化学式5の官能基A)も含む)は少なくとも一部(好ましくは全部)で重合している。これにより、前記単分子膜2上をより緻密に前記中間膜3によって被覆できる。
【0047】
図1や化学式5に示すように、前記単分子膜2の前記基板1から離れた側、すなわち前記単分子膜2の表面側にはピロリル基が設けられている。前記ピロリル基は金属膜5との親和力が強いが、前記中間膜3が形成されないと、前記単分子膜2の表面は、やや緻密性に欠けるため(すなわちやや凹凸面となっている)、例えば金属膜5を構成する原子等が、前記基板1の表面に直接、吸着したり、あるいは前記単分子膜2のシロキサン基部分に吸着したりする割合が増える。このように前記ピロリル基と結合しなかった金属膜等は密着して基板1と結合しておらず、容易に剥がれたりするため、本実施形態のように、前記単分子膜2の表面全体を前記ピロリル基で覆う。
【0048】
しかも本実施形態では、上記したように前記ピロリル基どうし(ここで言うピロリル基には単分子膜2を構成するピロリル基も含む)を重合させることで、より膜の緻密性を向上させることが出来、前記基板1の表面等に吸着する金属膜5等の割合を減少させることができる。さらに前記重合により、前記中間膜3と単分子膜2間の密着性が向上する。
【0049】
図1に示すように前記中間膜3にはパラジウム(Pd)が含まれる。前記パラジウムは0価であり、主に前記中間膜3の表面に析出している。パラジウムは、無電解メッキ析出反応における触媒能力に優れた金属である。そして前記中間膜3上には直接、無電解メッキ法にて無電解メッキ膜6がメッキ形成されている。
【0050】
さらに前記無電解メッキ膜6上には電解メッキ法にて電解メッキ膜7がメッキ形成されている。図1に示す実施形態では前記無電解メッキ膜6と電解メッキ膜7を合わせて金属膜5と称している。なお前記金属膜5は前記無電解メッキ膜6のみで構成されていてもよい。
【0051】
本実施の形態では、基板1と金属膜5との間に単分子膜2及び中間膜3が形成され、このとき、前記単分子膜2が前記基板1にシロキサン結合を介して強固に結合している。さらに、単分子膜2に含有されるピロリル基と、前記中間膜3に含有されるピロリル基の少なくとも一部は重合している。これにより、前記基板1と前記単分子膜2間、及び前記単分子膜2と前記中間膜3間が強固に密着される。さらに本実施形態では、前記中間膜3に、パラジウムが含まれており、前記中間膜3上に直接、無電解メッキ膜6がメッキ形成されている。これにより前記ピロリル基と金属膜5との結合力が強まる等して、前記無電解メッキ膜6を前記中間膜3上に密着性良くメッキ形成できる。以上により、本実施形態の構成によれば基板1と前記金属膜5との間の密着性を適切に向上させることが可能である。
【0052】
本実施形態では、前記中間膜3内には、パラジウム等の前記無電解メッキにおける触媒能力のある金属以外の金属が含まれていないことが好ましい。例えば前記ピロリル基の酸化重合は、塩化第二鉄等の金属塩を用いても行うことが可能であるが、かかる場合、前記中間膜3内に鉄が残ることになる。これにより前記中間膜3と金属膜5間の密着性が低下したり、また無電解メッキの触媒付与を適切に行うことができず、前記金属膜5を均一な膜厚にてメッキ形成しづらいといった問題が発生する。
【0053】
これに対し図1に示す実施形態では、前記中間膜3には、パラジウム等の前記無電解メッキにおける触媒能力のある金属以外の金属が含まれないため、前記中間膜3と前記金属膜5間の密着性をより効果的に向上させることが出来るとともに、前記金属膜5を均一な膜厚にてメッキ形成することが可能になる。
【0054】
材質について説明する。前記基板1は、プラスチック、セラミックスあるいはガラスより形成されることが好ましい。プラスチックにはガラス繊維強化プラスチック(FRP)等も含まれる。本実施形態では前記基板1に、プラスチック等を用いても前記基板1上に密着性よく前記金属膜5をメッキ形成できる。
【0055】
また、前記無電解メッキ膜6は、無電解メッキ可能な材質であれば特に限定されない。用途に合わせて材質を選択できる。例えば前記無電解メッキ膜6は、金、銀、銅、パラジウム、白金、錫、鉛、ニッケル、クロムのうち少なくともいずれか1種の元素を含んで形成されることが好ましい。これにより、無電解メッキ膜6の形成が可能になる。
【0056】
前記電解メッキ膜7は、電解メッキ可能な材質であれば特に限定されない。用途に合わせて材質を選択できる。例えば前記電解メッキ膜7は、金、銀、銅、錫、鉛、ニッケル、タンタル、タングステン、アルミニウム、クロムあるいはチタンのうち少なくともいずれか1種の元素を含んで形成される。
【0057】
また、前記官能基Aとしては、ピロリル基のほかに、チエニル基、あるいはフリル基を使用することも出来る。
【0058】
また前記中間膜3に含まれる無電解メッキにおける触媒能力のある金属は、パラジウム以外に、銀や白金であってもよい。これら金属の少なくともいずれか1種が、前記中間膜3に含まれる。ただし、触媒能力が非常に高いパラジウムを選択することがより好ましい。
【0059】
本実施形態のように、前記基板1と金属膜5との間が、単分子膜2及び中間膜3を介して結合されると、特に、基板1と金属膜5間の密着性を低下させることなく、基板1と金属膜5の材質の選択性を広げることが出来る。すなわち単分子膜2及び中間膜3を設けない場合、基板1と金属膜5とが密着性よく結合する材質の選択は限られていたが、本実施形態のように前記単分子膜2を設けることで、基板1と金属膜5の材質の選択性を従来に比べて広げても、密着性を良好に保つことが出来る。そして、このように材質の選択性が広がることで、様々な用途に本実施形態の金属膜を有する基板を使用できる。例えば本実施形態の金属膜を有する基板を、表面に金属配線や電極等を有するプリント配線基板等の基板、電磁シールド板、反射板(たとえば、光ネットワーク等に使用される反射板)等に使用できる。
【0060】
図2に示すように、前記金属膜5は前記基板1上にパターン形成される。このとき前記金属膜5と基板1間にのみ単分子膜2及び中間膜3が設けられていることが好ましい。これにより前記金属膜5を所望のパターン形状にて適切に形成することが出来る。すなわち、パターン形成された金属膜5間に単分子膜2及び中間膜3を残存させないことで、前記金属膜5を所定のパターン形状で高精度に形成することが可能である。後述の製造方法で説明するように、金属パターン以外の単分子膜2に紫外線を照射して分解除去することで、金属パターン以外の箇所に前記単分子膜2が残らないようにすることが出来る。
【0061】
図1に示す金属膜5を有する基板1の製造方法について説明する。
まず、例えばPPS(ポリフェニレンサルファイド)等で形成された基板1の表面を脱脂洗浄する。
【0062】
次に、乾燥空気下で、以下の化学式6に示す単分子膜形成のための出発物質を、例えば、クロロホルムとジメチルシリコーンの混合溶媒に溶解し、吸着材料液20を形成する。
【0063】
【化6】

【0064】
(ただしAは、複素環を有する官能基であり、nは、1〜30の整数である。また、X1〜X3の夫々は、ハロゲン、もしくは炭素数1〜4のアルコキシ基である)。
【0065】
ここで、前記官能基Aを、ピロリル基、チエニル基、あるいはフリル基から選択することが好ましい。
【0066】
その後、前記基板1の表面を親水性処理し、図3に示すように、前記基板1を前記吸着材料液20中に浸漬させる。親水性処理された基板1の表面にはOH基が存在しており、前記化学式6に示す出発物質のX1,X2,X3の少なくともいずれか一つと前記OH基とが脱離反応によりシロキサン結合(−Si−O−)を介して共有結合し、多数の前記出発物質が前記基板1表面に並んで結合することで、図4に示すように基板1の表面に単分子膜2が形成される。その概念図を表したのが図5である。なお図5では前記官能基Aとしてピロリル基を選択している。前記ピロリル基は前記単分子膜2の表面側に向いている。
【0067】
次に前記基板1を洗浄して未反応の前記出発物質を除去し、さらに水洗し、乾燥させる。
【0068】
次に、前記基板1を、複素環を有する化合物を含有する溶液に浸漬させる。この溶液中に含まれる化合物が有している複素環と、前記官能基Aが有している複素環とは、同じ原子団からなるものであっても、異なるものであってもかまわない。たとえば図5に示したピロリル基を用いた例においては、ピロリル基を持つ化合物又はピロリル基と同じ原子団からなるピロール、若しくはチエニル基やフリル基を含む化合物又はチオフェンなどのピロリル基と異なる原子団からなる複素環を有する化合物などを含んだ溶液を用いることができる。これにより、前記単分子膜2の表面に複素環を有する化合物を含む中間膜3を形成することが出来る。
【0069】
続いて前記基板1を、酸化剤に接触させる。前記酸化剤には、無電解メッキにおける触媒能力のある金属の塩が含まれる。例えば塩化パラジウム(PdCl)を酸化剤に含める。これにより前記中間膜3に含まれる複素環を有する化合物及び前記単分子膜2に含まれる官能基Aを酸化重合させることが出来る。前記酸化重合と同時にパラジウムは+2価から0価に還元される。そして0価のPdは主に前記中間膜3の表面付近に析出する。
【0070】
そして無電解メッキ膜6を前記中間膜3上に直接、無電解メッキ法にてメッキ形成する。前記無電解メッキ膜6をある程度の膜厚まで形成した後、さらに電解メッキ法にて電解メッキ膜7をメッキ形成し、前記金属膜5を所定の厚みまでメッキ成長させる。前記金属膜5を前記無電解メッキ膜6のみで形成してもよい。
【0071】
以上のように本実施形態では、上記化学式6に示す単分子膜2形成のための出発物質は、直鎖状構造の両側にある官能基の性質の違いにより、自己組織化単分子膜を形成する。化学式6の物質は、親水性の前記基板1の表面にシロキサン結合を介して共有結合でき、強固に前記基板1に吸着できる。
【0072】
前記単分子膜2を前記基板1上に形成した後、複素環を有する化合物を含む溶液に前記基板1を浸漬させて、複素環を有する化合物を含む中間膜3を前記単分子膜2上に形成する。
【0073】
そして、前記基板1を、酸化剤に接触させるが、このとき前記酸化剤には、無電解メッキにおける触媒能力のある金属の塩が含まれている。これにより、前記中間膜3に含まれる複素環を有する化合物どうしを酸化重合させることが出来ると同時に、無電解メッキにおける触媒能力のある金属を前記中間膜3の表面に析出させることが可能になる。その結果、酸化重合工程と、触媒付与工程とを別々の工程で行うことが必要なく、製造工程の簡略化を図ることが可能である。特に従来、無電解メッキでの触媒付与工程は、工数がかかった。例えば、塩化第一錫溶液への浸漬→水洗→塩化パラジウム溶液への浸漬→水洗→塩化第一錫溶液への浸漬→水洗→塩化パラジウム溶液への浸漬等という非常に長い工程を施すことが必要であったが、本実施形態によれば、無電解メッキでの触媒能力のある金属の塩を、前記酸化重合の際の酸化剤として用いることで、工程数を従来に比べて効果的に減らすことが可能である。
【0074】
また上記製造方法では、前記中間膜3内に、前記無電解メッキにおける触媒能力のある金属以外の金属が含まれないようにすることが可能である。例えば前記酸化重合は、鉄塩等を用いても行うことが可能であるが、かかる場合、前記中間膜3上に無電解メッキの触媒膜を別工程で形成する必要があるだけでなく、前記中間膜3内に鉄が残ることになる。これにより前記中間膜3と金属膜5間の密着性を低下させたり、また前記触媒膜の形成に悪影響を及ぼし、前記金属膜5を均一な膜厚にてメッキ形成しづらいといった問題が発生する。これに対し本実施形態では、酸化重合工程と、無電解メッキの触媒付与工程とを同じ工程で行うことが出来、しかも前記中間膜3内には、前記無電解メッキでの触媒能力のある金属以外の金属が含まれないために、製造工程の簡略化を図ることが可能であるとともに、前記中間膜3と金属膜5間の密着性を向上させることができ、さらに前記金属膜5を均一な膜厚にて形成することが可能である。
【0075】
また、前記金属膜5を図2のように所定形状にパターン形成する場合に、前記単分子膜2を基板1上の全面に形成した後、前記パターン以外の箇所の単分子膜2に光を照射し前記単分子膜2を分解除去する。前記基板1上には所定パターン形状の単分子膜2のみが残る。次に前記基板1を複素環を有する化合物を含む溶液に浸漬させる工程、及び前記基板1を酸化剤に接触させる工程を行うが、このとき前記中間膜3は前記単分子膜2上にのみ形成され、前記単分子膜2が形成されていない(残されていない)基板1上には形成されない。よって無電解メッキにおける触媒能力のある金属は所定パターン上にのみ付与されることになり、続く無電解メッキ工程で、無電解メッキ膜6を高精度に所定パターンで形成することが出来る。
【0076】
あるいは、基板1上の全面に単分子膜2、及び中間膜3を形成後、及び前記基板1を酸化剤に接触させる工程前に、前記前記パターン以外の箇所に光を照射する。これによりパターン以外の箇所の単分子膜2及び中間膜3が分解し好ましくは除去され、所定パターン形状の単分子膜2及び中間膜3が基板1上に残った後、前記基板1を酸化剤に接触させる。これによっても無電解メッキにおける触媒能力のある金属は所定パターン上にのみ付与されることになり、続く無電解メッキ工程で、無電解メッキ膜6を高精度に所定パターンで形成することが出来る。
【0077】
または、基板1上の全面に単分子膜2、及び中間膜3を形成し、さらに前記基板1を酸化剤に接触させる工程後、前記無電解メッキ膜6をメッキ形成する前に、前記前記パターン以外の箇所に光を照射してもよい。ただし、かかる場合、無電解メッキにおける触媒能力のある金属が所定パターン以外の箇所に残存する可能性があり、その結果、パターン以外の箇所に金属膜5が無電解メッキされる可能性がある。よって金属膜5を高精度にパターン形成するには、基板1上に単分子膜2を形成した後、前記基板1を酸化剤に接触させる工程前までに、光照射工程を行うことが好ましい。
【0078】
前記光照射工程では、波長が365nm以下の紫外線を用いることが、適切に前記単分子膜2及び中間膜3を分解除去できて好ましい。また、光照射方法としては、マスク露光やビーム光の走査等がある。本実施形態によれば、フォトリソグラフィ技術を用いたパターン形成や、レーザ光によるアブレーションなどでのパターン形成に比べて簡単で且つ工数が少なく、所定の金属パターンを精度良く形成することが可能である。
【0079】
本実施の形態では、前記無電解メッキ膜6を、金、銀、銅、パラジウム、白金、錫、鉛、ニッケル、クロムのうち少なくともいずれか1種の元素を含む材料にて形成することで適切に無電解メッキできる。なお前記無電解メッキ膜6には銅やニッケルを含むことが析出のし易さ、メッキ液の扱い易さの点で好ましい。また前記基板1を、プラスチック、セラミックスあるいはガラスより形成することが出来る。本実施形態では、前記金属膜5の基板1に対する密着性を低下させることなく、金属膜5および基板1の材質の選択性を広げることができる。
【0080】
また本実施形態では、上記した酸化重合に用いられる金属塩としてはパラジウム塩のほかに、硝酸銀などの銀塩や、塩化白金酸などの白金塩を用いることが可能であるが、触媒能力と溶液の扱い易さの点でパラジウム塩を用いることが好ましい。
【実施例】
【0081】
(実施例1)
まず、PPS(ポリフェニレンサルファイド)で形成された基板の平板状の表面を脱脂洗浄した。
【0082】
次に、以下の化学式7に示す構造を持つ化合物(出発物質)を、クロロホルムとジメチルシリコーンの混合溶媒に0.05mol/lの濃度で溶解し、吸着材料液を形成した。
【0083】
【化7】

【0084】
前記PPS基板を前記吸着材料液中に、常温で1時間、浸漬した(単分子膜の形成工程)。その後、前記PPS基板を前記吸着材料液から取り出し、前記PPS基板をクロロホルム浴中に入れてPPS基板表面への単分子膜形成を停止させ、前記PPS基板をアセトン・クロロホルムで洗浄することで未反応の出発物質を除去し、その後、前記PPS基板を水洗・乾燥した。
【0085】
続いて、前記PPS基板をアセトニトリル溶媒にピロールを0.2mol/lの濃度で溶解したピロール液に常温で5分間、浸漬し、その後、前記PPS基板を水洗・乾燥した(中間膜の形成工程)。
【0086】
続いて、前記PPS基板を、塩化パラジウムを0.001mol/lの濃度で溶解し塩酸でpHを3に調整した水溶液に常温で5分間、浸漬し、その語、前記PPS基板を水洗した(ピロリル基どうしの重合工程と、触媒付与工程)。
ピロール溶液と塩化パラジウム溶液への浸漬をもう一度づつ繰り返した。
【0087】
続いて前記PPS基板を、硫酸銅、酒石酸ナトリウムカリウム、水酸化ナトリウム、ホルマリンを主成分とする無電解メッキ液に15分浸漬し、これにより前記PPS基板の表面に0.3μmの膜厚の銅膜を形成した(無電解メッキ膜の形成工程)。
【0088】
さらに、前記PPS基板を、硫酸銅を主体とする電気メッキ液中で200A/mの電流密度で1時間メッキし、銅膜をトータルで約30μmに成長させた。
【0089】
上記した実施例1の試料に対し、JIS−H8630に定める90度引き剥がし法にて、PPS基板と銅膜(金属膜)間の密着力の評価を行った。
その結果、実施例1では、0.6N/mmの密着強度が得られた。
【0090】
(実施例2)
表面が平板状でなく立体的なPPS基板を用い、実施例1と同じ条件で、ピロール溶液と塩化パラジウム溶液への浸漬を繰り返す工程まで行った。
【0091】
続いて、前記PPS基板に露光用クロムマスクを重ね、低圧水銀ランプで5分間照射した。その後、前記PPS基板を、硫酸銅、エチレンジアミン四酢酸、水酸化ナトリウム、ホルマリンを主成分とする無電解メッキ液に30分浸漬した。
【0092】
前記PPS基板には前記クロムマスクと同じパターンの銅パターンが形成された。前記銅パターンの膜厚は約2μmであった。また、前記銅パターンの線幅を10μm以上にすると、銅パターンの形が崩れておらず、前記銅パターンの表面は平坦化面で形成されることがわかった。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】本実施形態の金属膜を有する基板を膜厚方向から切断した断面概念図、
【図2】本実施形態のパターン形成された金属膜を有する基板を膜厚方向から切断した断面図、
【図3】基板表面に単分子膜を形成する工程を示す一工程図(前記工程図を膜厚方向と平行な方向から切断した部分断面図)、
【図4】基板表面に単分子膜が形成された状態を示す一工程図(前記工程図を膜厚方向と平行な方向から切断した部分断面図)、
【図5】図3,図4工程を経て、基板上に単分子膜が形成された状態を、膜厚方向から切断した断面で示す概念図、
【符号の説明】
【0094】
1 基板
2 単分子膜
3 中間膜
5 金属膜
6 無電解メッキ膜
7 電解メッキ膜
20 吸着材料液

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に、複素環を有する官能基Aを含有する単分子膜が形成され、
前記単分子膜上には、複素環を有する化合物と無電解メッキにおける触媒能力のある金属とを含有する中間膜が設けられ、前記官能基A及び前記複素環を有する化合物の少なくとも一部が重合しており、
前記中間膜上に金属膜の少なくとも一部を構成する無電解メッキ膜が形成されていることを特徴とする金属膜を有する基板。
【請求項2】
前記単分子膜は、下記の化学式1の化合物を繰り返し単位とし、各化合物は、−SiO−結合を介して基板表面に共有結合している請求項1記載の金属膜を有する基板。
【化1】

(ただしAは、複素環を有する官能基であり、nは、1〜30の整数である。またB、CはOあるいは金属元素であり、l,mは0か1である。)
【請求項3】
前記官能基Aは、ピロリル基、チエニル基、あるいはフリル基から選択される請求項1又は2記載の金属膜を有する基板。
【請求項4】
前記触媒能力のある金属は、パラジウム、銀又は白金のうち少なくともいずれか1種である請求項1ないし3のいずれかに記載の金属膜を有する基板。
【請求項5】
前記無電解メッキ膜は、金、銀、銅、パラジウム、白金、錫、鉛、ニッケル、クロムのうち少なくともいずれか1種の元素を含んで形成される請求項1ないし4のいずれかに記載の金属膜を有する基板。
【請求項6】
前記基板は、プラスチック、セラミックスあるいはガラスより形成される請求項1ないし5のいずれかに記載の金属膜を有する基板。
【請求項7】
前記金属膜はパターン形成されており、前記金属膜と前記基板間にのみ前記単分子膜及び中間膜が設けられている請求項1ないし6のいずれかに記載の金属膜を有する基板。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれかに記載された前記基板が用いられることを特徴とする電子部品。
【請求項9】
以下の工程を有することを特徴とする金属膜を有する基板の製造方法。
(a) 複素環を有する官能基Aを含有する単分子膜を基板上に形成する工程、
(b) 前記単分子膜上に複素環を有する化合物を含有する中間膜を形成する工程、
(c) 無電解メッキにおける触媒能力のある金属の塩を含む酸化剤に前記基板を接触させる工程、
(d) 前記中間膜上に直接、金属膜の少なくとも一部を無電解メッキ法にてメッキ形成する工程。
【請求項10】
単分子膜形成のための出発物質に、下記の化学式2に示す化合物を含み、複数の前記化合物を脱離反応によってSiO結合を介して前記基板に共有結合させる請求項9記載の金属膜を有する基板の製造方法。
【化2】

(ただしAは、複素環を有する官能基であり、nは、1〜30の整数である。また、X1〜X3の夫々は、ハロゲン、もしくは炭素数1〜4のアルコキシ基である)
【請求項11】
前記官能基Aを、ピロリル基、チエニル基、あるいはフリル基から選択する請求項9又は10に記載の金属膜を有する基板の製造方法。
【請求項12】
前記(c)工程での前記金属の塩を、パラジウム塩、銀塩、又は白金塩のうち少なくともいずれか1種から選択する請求項9ないし11のいずれかに記載の金属膜を有する基板の製造方法。
【請求項13】
前記金属膜を、金、銀、銅、パラジウム、白金、錫、鉛、ニッケル、クロムのうち少なくともいずれか1種の元素を含む材料にて無電解メッキ形成する請求項9ないし12のいずれかに記載の金属膜を有する基板の製造方法。
【請求項14】
前記基板を、プラスチック、セラミックスあるいはガラスより形成する請求項9ないし13のいずれかに記載の金属膜を有する基板の製造方法。
【請求項15】
前記(a)工程後から前記(d)工程前までに、
(e) 所定パターン以外の単分子膜、もしくは中間膜に、光を照射する工程、
を含み、前記(d)工程にて、前記金属膜を前記所定パターンにてメッキ形成する請求項9ないし14のいずれかに記載の金属膜を有する基板の製造方法。
【請求項16】
前記(e)工程を、前記(a)工程と前記(b)工程の間、あるいは前記(b)工程と前記(c)工程の間に行う請求項15記載の金属膜を有する基板の製造方法。
【請求項17】
請求項9ないし16のいずれかに記載された基板を用いることを特徴とする電子部品の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−207867(P2007−207867A)
【公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−22756(P2006−22756)
【出願日】平成18年1月31日(2006.1.31)
【出願人】(000010098)アルプス電気株式会社 (4,263)
【Fターム(参考)】