説明

金属薄膜の製造方法

本発明は金属薄膜の形成方法に関し、より詳細には、有機金属錯体化合物(Organic Metal Complex)を含む金属インクを基材にコーティングまたはプリンティングした後、焼成過程中に圧力工程を必須に並行して製造された金属薄膜は、伝導性や反射率及び厚均一性などの薄膜特性を向上させるだけでなく、金属薄膜の形成時間を大きく短縮ことができる長所があり、効率的かつ優れた品質の金属薄膜を製造することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属薄膜の製造方法に関し、より詳細には、有機金属錯体化合物(Organic Metal Complex)を含む金属インクを基材にコーティングまたはプリンティングした後、焼成過程中に圧力工程を必須に並行して金属薄膜を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
金属薄膜は、電気電子部品の回路での鉛使用の規制及び低抵抗金属配線、印刷回路基板(PCB)、軟性回路基板(FPC)、無線認識(RFID)タグ(tag)用アンテナ、電磁波遮蔽、及びプラズマディスプレイ(PDP)、液晶ディスプレイ(TFT−LCD)、有機発光ダイオード(OLED)、フレキシブルディスプレイ及び有機薄膜トランジスタ(OTFT)などのような新しい分野において、金属薄膜パターンが必要な場合や電極を簡単に形成しようとする場合に有用であるため、最近その関心が高まっている。
【0003】
一般的に金属薄膜を形成するために用いられる方法は、パターンを形成するために金属を蒸着及びスパッタリング(Sputtering)するか、または金属が含まれているインクをスピンコーティング(Spin coating)して金属を積層した後、露光及び現像によるフォトレジスト(Photo Resist)工程を経て所望のパターンを形成した後、エッチングを行って間接的に製造する方法がある。しかし、上記の方法は工程が複雑であり、多層のパターンを形成するに適しておらず、基板サイズの大型化による真空蒸着装備の開発の限界、またパターンの形成時に生じる不要な物質による環境問題が発生している。
【0004】
近年、このような問題を解消するために、日本特許公開公報2004−221006号(2004.8.5)、日本特許公開公報2004−273205号(2004.9.30)には、ナノ粒子、粉末またはフレーク状の金属とバインダー樹脂や溶剤を用いて金属ペースト状にして使用することが開示されており、Chem.Mater.、15、2208(2003)、日本公開特許特開平第11−319538号、日本公開特許第2004−256757号、及び米国特許第4,762,560号には、硝酸銀や塩化金酸(hydrogen tetrachloroaurate)、または硫酸銅のような金属化合物を水溶液または有機溶媒内で他の化合物と反応させ、コロイドや微小粒子を形成して使用することが開示されている。しかしながら、このような方法は、高い製造コスト、複雑な工程、低い安定性、及び高い焼成温度により、多様な種類の基板に使用するに制限があるなどの多くの問題点を有している。また、韓国特許第2005−0061285号には、基板に光触媒化合物を利用して潜在パターンを形成した後、所望の金属でメッキ処理して金属パターンを形成する方法が記載されているが、潜在パターンの活性時間が短く、連続工程に適していないという欠点がある。
【0005】
上記の欠点を解消するために、金属パターンを形成した後に熱圧着工程を行う例として、韓国特許第2002−0081822号には、金属印刷パターンを熱処理で焼成した後、熱圧着工程を行う方法が記載されているが、これもまた、金属薄膜を形成するにあたり、緻密な組職を形成するには限界がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記の問題点に鑑みて発明されたものであり、有機金属錯体化合物(Organic Metal Complex)を含む金属インクを基材にコーティングまたはプリンティングした後、焼成過程中の特定段階で、圧力工程を必須に並行する導電性金属薄膜の製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
また、本発明は、焼成過程中の特定段階で、圧力工程を必須に並行することにより、伝導性、反射率及び厚均一性などの薄膜特性を向上させるだけでなく、金属薄膜の形成時間を大きく短縮することができる金属パターンの形成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、金属薄膜の特性を向上させるだけでなく、金属薄膜の形成時間を大きく短縮することができる効率的かつ優れた品質の金属薄膜を提供する。
【0009】
本発明の金属薄膜の製造方法は、伝導性、反射率及び厚均一性などの薄膜特性を向上させるだけでなく、金属薄膜の形成時間を大きく短縮ことができる金属薄膜を提供する。
【0010】
以下、本発明をより詳細に説明する。
【0011】
本発明の金属薄膜の製造方法であって、
a)有機金属錯体化合物を含む金属インクを基材にコーティングまたはプリンティングする段階と、
b)前記a)段階の後、金属インクを焼成して金属粒子が形成される過程中に圧力工程を並行し、導電性金属薄膜を形成する段階と、を含むことを特徴とする金属薄膜の製造方法を提供する。
【0012】
前記a)段階の有機金属錯体化合物を含む金属インクを基材にコーティングまたはプリンティングする段階は、有機金属錯体化合物を含む金属インクを基材にコーティングまたはプリンティングする段階である。前記有機金属錯体化合物を含む金属インクを用いる理由は、後述する焼成過程中に金属薄膜を形成する金属粒子が粒子化される段階から圧力工程を行うためであり、また、安定性及び溶媒に対する溶解性に優れ、比較的低い温度で分解されるため、金属パターンを容易に形成することができるという長所を有するためである。
【0013】
前記有機金属錯体化合物の種類は特に限定されず、金属インク内で有機金属の形態で存在し、焼成過程中に有機物質が分解されて金属粒子を形成する有機金属錯体化合物であれば、本発明の目的を果たすことができる。
【0014】
特に、本願出願人によって出願された韓国特許出願第2005−34371号に開示された特殊な構造を有する有機金属錯体化合物を含む金属インクを用いることが、金属薄膜の厚均一性及び優れた伝導性、低い焼成温度を有し、焼成後に伝導性物質以外の残留物がないため好ましい。
【0015】
前記金属錯体化合物を含む金属インクの製造は、本願出願人が、金属化合物と、アンモニウムカルバメート系化合物、アンモニウムカーボネート系化合物、またはアンモニウムバイカーボネート系化合物から選ばれる1種または2種以上の混合物と、を反応させることにより金属(アンモニウムカルバメート系化合物、アンモニウムカーボネート系化合物、またはアンモニウムバイカーボネート系化合物)複合体を製造し、これを含む金属インクを製造することであり、本発明でも同様の製造方法を用いた。
【0016】
前記金属錯体化合物を含む金属インクは、下記化学式1で表される一つ以上の金属または金属化合物と、化学式2、化学式3、または化学式4で表される一つ以上のアンモニウム化合物と、を反応させて得られる金属錯体化合物を含むことを特徴とする。
【0017】
[化学式1]

(式中、Mは金属または金属合金であり、nは1〜10の整数であり、Xは無いか、または水素、アンモニウム、酸素、硫黄、ハロゲン、シアノ、シアネート、カーボネート、ニトレート、ニトライト、サルフェート、ホスフェート、チオシアネート、クロレート、パークロレート、テトラフルオロボレート、アセチルアセトネート、メルカプト、アミド、アルコキシド、カルボキシレート、及びそれらの誘導体から選ばれる一つ以上の置換基からなる。)
【0018】
[化学式2]

【0019】
[化学式3]

【0020】
[化学式4]

(前記R、R、R、R、R及びRは、互いに独立して、水素、置換または非置換のC1〜C30の脂肪族アルキル基、脂環族アルキル基、アリール基またはアラルキル基、高分子化合物基、ヘテロ環化合物基、及びそれらの誘導体から選ばれ、前記RとRあるいはRとRは、互いに連結されて環を形成してもよい。)
【0021】
前記化学式1の化合物は具体的に、例えば、nが1で、Xがない場合は、Au、Cu、Zn、Ni、Co、Pd、Pt、Ti、V、Mn、Fe、Cr、Zr、Nb、Mo、W、Ru、Cd、Ta、Re、Os、Ir、Al、Ga、Ge、In、Sn、Sb、Pb、Bi、Sm、Eu、Ac、Thなどのような金属またはそれらの合金が挙げられ、その他の金属化合物としては、例えば、酸化銅、酸化亜鉛、酸化バナジウム、硫化ニッケル、塩化パラジウム、炭酸銅、塩化鉄、塩化金、塩化ニッケル、塩化コバルト、硝酸ビズマス、アセチルアセトネート化バナジウム、酢酸コバルト、乳酸錫、シュウ酸マンガン、酢酸金、シュウ酸パラジウム、2−エチルヘキサン酸銅、ステアリン酸鉄、ホルム酸ニッケル、モリブデン酸アンモニウム、クエン酸亜鉛、ビズマスアセテート、シアン化銅、炭酸コバルト、塩化白金、塩化金酸、テトラブトキシチタン、ジメトキシジルコニウムジクロライド、アルミニウムイソプロポキシド、錫テトラフルオロボレート、タンタルメトキシド、ドデシルメルカプト化金、インジウムアセチルアセトネート及びその誘導体などが挙げられるが、特にこれに限定されるものではない。
【0022】
また、化学式2、化学式3、または化学式4において、前記R〜Rは具体的に、例えば、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、アミル、ヘキシル、エチルヘキシル、ヘプチル、オクチル、イソオクチル、ノニル、デシル、ドデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、ドコデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、アリル、ヒドロキシ、メトキシ、ヒドロキシエチル、メトキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、メトキシプロピル、シアノエチル、エトキシ、ブトキシ、ヘキシルオキシ、メトキシエトキシエチル、メトキシエトキシエトキシエチル、ヘキサメチレンイミン、モルホリン、ピペリジン、ピペラジン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、トリエチレンジアミン、ピロール、イミダゾール、ピリジン、カルボキシメチル、トリメトキシシリルプロピル、トリエトキシシリルプロピル、フェニル、メトキシフェニル、シアノフェニル、フェノキシ、トリル、ベンジル及びその誘導体、そしてポリアリルアミンやポリエチレンイミンのような高分子化合物及びその誘導体などが挙げられるが、特にこれに限定されるものではない。
【0023】
化合物は具体的に、例えば、化学式2のアンモニウムカルバメート系化合物は、アンモニウムカルバメート、エチルアンモニウムエチルカルバメート、イソプロピルアンモニウムイソプロピルカルバメート、n−ブチルアンモニウムn−ブチルカルバメート、イソブチルアンモニウムイソブチルカルバメート、t−ブチルアンモニウムt−ブチルカルバメート、2−エチルヘキシルアンモニウム2−エチルヘキシルカルバメート、オクタデシルアンモニウムオクタデシルカルバメート、2−メトキシエチルアンモニウム2−メトキシエチルカルバメート、2−シアノエチルアンモニウム2−シアノエチルカルバメート、ジブチルアンモニウムジブチルカルバメート、ジオクタデシルアンモニウムジオクタデシルカルバメート、メチルデシルアンモニウムメチルデシルカルバメート、ヘキサメチレンイミンアンモニウムヘキサメチレンイミンカルバメート、モルホリニウムモルホリンカルバメート、ピリジニュムエチルヘキシルカルバメート、トリエチレンジアミニウムイソプロピルカルバメート、ベンジルアンモニウムベンジルカルバメート、トリエトキシシリルプロピルアンモニウムトリエトキシシリルプロピルカルバメートなどが挙げられ、前記化学式3のアンモニウムカーボネート系化合物は、アンモニウムカーボネート、エチルアンモニウムエチルカーボネート、イソプロピルアンモニウムイソプロピルカーボネート、n−ブチルアンモニウムn−ブチルカーボネート、イソブチルアンモニウムイソブチルカーボネート、t−ブチルアンモニウムt−ブチルカーボネート、2−エチルヘキシルアンモニウム2−エチルヘキシルカーボネート、2−メトキシエチルアンモニウム2−メトキシエチルカーボネート、2−シアノエチルアンモニウム2−シアノエチルカーボネート、オクタデシルアンモニウムオクタデシルカーボネート、ジブチルアンモニウムジブチルカーボネート、ジオクタデシルアンモニウムジオクタデシルカーボネート、メチルデシルアンモニウムメチルデシルカーボネート、ヘキサメチレンイミンアンモニウムヘキサメチレンイミンカーボネート、モルホリンアンモニウムモルホリンカーボネート、ベンジルアンモニウムベンジルカーボネート、トリエトキシシリルプロピルアンモニウムトリエトキシシリルプロピルカーボネート、トリエチレンジアミニウムイソプロピルカーボネートなどが挙げられ、前記化学式4のアンモニウムバイカーボネート系化合物は、アンモニウムバイカーボネート、イソプロピルアンモニウムバイカーボネート、t−ブチルアンモニウムバイカーボネート、2−エチルヘキシルアンモニウムバイカーボネート、2−メトキシエチルアンモニウムバイカーボネート、2−シアノエチルアンモニウムバイカーボネート、ジオクタデシルアンモニウムバイカーボネート、ピリジニウムバイカーボネート、トリエチレンジアミニウムバイカーボネートなどが挙げられる。
【0024】
上述したように製造されたアンモニウムカルバメート系、アンモニウムカーボネート系、またはアンモニウムバイカーボネート系化合物と、金属または金属化合物と、を反応させて金属錯体化合物を製造する。本発明で用いるインク組成物は、前記金属錯体化合物、及び金属や非金属化合物、または少なくとも一つ以上のそれらの混合物の他に、必要に応じて、溶媒、安定剤、分散剤、バインダー樹脂(binder resin)、離型剤、還元剤、界面活性剤(surfactant)、湿潤剤(wetting agent)、チキソ剤(thixotropic agent),またはレベリング(levelling)剤のような添加剤などを含むことができる。
【0025】
前記金属インクに含まれる溶媒は、水、アルコール、グリコール、アセテート、エーテル、ケトン、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素,またはハロゲン化炭化水素系の溶媒から選んで用いることができ、具体的には、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、1−メトキシプロパノール、ブタノール、エチルヘキシルアルコール、テルピネオール、エチレングリコール、グリセリン、エチルアセテート、ブチルアセテート、メトキシプロピルアセテート、カルビトールアセテート、エチルカルビトールアセテート、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、メチルエチルケトン、アセトン、ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、ヘキサン、ヘプタン、ドデカン、パラフィンオイル、ミネラルスピリット、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロホルム、メチレンクロライド、カーボンテトラクロライド、及びアセトニトリルから選ばれる一つ以上を用いることができる。
【0026】
本発明に用いられる基材は、本発明の特徴に符合するものであれば如何なるものであってもよい。例えば、ポリイミド(PI)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルフォン(PES)、ナイロン(Nylon)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリカーボネート(PC)、ポリアリレート(PAR)などのようなプラスチック類、各種アクリル、ウレタン、フッ素、シリコーンエポキシ、ビニル樹脂などのような樹脂類、ブチルゴム、クロロプレンゴム、SBR、EPR、SISゴムなどのようなゴム材料、ガラス、シリカ、アルミナ、酸化チタン、ジルコニア、セリア、粘土(clay)、石(stone)、タルク(talc)、雲母(mica)などのような各種セラミック材料、アルミニウムや銅、ニッケル、鉄、亜鉛、ステンレス、黄銅のような各種金属、または合金材料、炭素、黒鉛、炭素ナノチューブ、ケイ素、硫黄、塩、硫酸バリウムなどのような非金属、または金属塩化合物、合成紙、印画紙、包装紙、段ボールなどのような各種紙類、及びこれら材料を複合した各種複合材料(composite)などを用いることができ、特に制限する必要はない。また、前記基材の形態や形状は、粉(powder)、フレーク(flake)、ビード(bead)、ボール(ball)、繊維(fiber)、フィルム(film)、箔(foil)、シート(sheet)、チップ(chip)、ロッド(rod)、ワイヤ(wire)、針(needle)、ウィスカ(whisker)などが用いられることができ、特にこれに限定されるものではない。
【0027】
前記金属錯体化合物を含む金属インクのコーティングやプリンティング方法は、インクの物性及び基材の形態に応じて、スピン(spin)コーティング、ロール(roll)コーティング、スプレーコーティング、ディップ(dip)コーティング、フロー(flow)コーティング、コンマコーティング、キスコーティング、ダイ(die)コーティング、ドクターブレード(doctor blade)、ディスペンシング(dispensing)、インクジェット、オフセット、スクリーン、パッド(pad)、グラビア(gravour)、フレキソ(flexography)、ステンシル、インプリンティング(imprinting)、ゼログラフィー(xerography)、リソグラフィー(lithography)、流動層(fluidized bed)コーティング、ALD(atomic layer deposition)コーティング、CVD(chemical vapor deposition)、PVD(Physical vapor deposition)イオンプラズマコーティング、静電(electrostatic)コーティング、電着(electro−deposition)コーティングなど、本発明に符合するものであれば、特にこれに限定されるものではない。
【0028】
一方、上記の方法を用いてコーティングまたはプリンティングする場合、厚さは特に制限する必要はないが、通常1ナノ〜100ミクロンが好ましく、10ナノ〜50ミクロンがさらに好ましい。プリンティングの厚さは、金属インクの濃度、プリンティング量または速度などを制御することにより調節することができる。
【0029】
前記a)段階の後、金属インクを焼成して金属粒子が形成される過程中に圧力工程を並行し、導電性金属薄膜を形成する段階は、前記金属インクを基材にコーティングまたはプリンティングした後、焼成過程中に、金属粒子が形成される時点で圧力工程を並行して金属薄膜を形成する段階である。
【0030】
前記焼成方法としては、コーティングまたはプリンティングした後、酸化または還元処理や熱処理、熱風、マイクロウェーブ、赤外線、紫外線、電子線、レーザーなどを用いることができ、前記焼成過程中に、加圧または減圧のような圧力工程を並行して導電性金属薄膜を形成する。
【0031】
上記のように、コーティングまたはプリンティングした後、焼成過程中に圧力を加える具体的な方法としては、空気や窒素のような気体を利用する加圧方法、コンベヤーベルト、ロールまたはプレスなどを利用する加圧圧着方法、真空チャンバを利用する方法、ガスを噴射する方法など、薄膜に直接または間接的な方法により圧力を加えられる全ての方法を用いることができる。
【0032】
上記のように圧力工程を行う時点は、金属インクをコーティングまたはプリンティングした後、焼成工程が行われている時点であれば無理ないが、揮発性の液状が殆ど除去され、圧力工程によって金属薄膜の形状が滲まない時点であることが好ましい。例えば、本発明の金属インクの製造方法において、透明な銀錯体インクをスピンコーティングした後、摂氏120℃以上の熱風乾燥オーブンで焼成する過程を説明すると、インクの構成要素のうち揮発性の溶媒と常温で安定した錯体を構成する物質が、温度が上昇するにつれて分解または揮発されて銀ナノ粒子が形成され、これらが相互間の焼結過程を経るにつれて粒子サイズが大きくなり、金属薄膜化される過程で表面プラズモン現像によって色相が発現されるが、本発明の場合、大きく褐色−青色−黄色−銀色の過程を経る。即ち、銀粒子が形成される時点では褐色が発現され、焼成が進むにつれて粒子サイズによって色相が変化し、結局、銀粒子成長が終了すると銀色が発現する。
【0033】
上記の例示のように金属粒子が生成される時点で圧力工程を並行して最終的に焼成すると、焼成が終了した後に圧力工程を行う場合より金属密度が緻密で伝導度に優れており、表面粗さが均一で反射率に優れた金属薄膜を形成することができる。このような効果が示されるもっとも主な要因は、上記の圧力工程を行うことにより、焼成過程中に生成されたり既に金属インクに存在する金属ナノ粒子相互間の焼結過程がより迅速に進められ、結果的にシナジー効果が極大化されるためである。
【0034】
前記圧力工程の温度は、基材の特性を考慮して基材と金属薄膜が損傷されないように、通常50〜600℃、好ましくは80〜500℃、もっとも好ましくは100〜500℃の範囲が好ましい。さらに、前記範囲内の低温と高温で、2段階以上の圧力工程を行うことも薄膜の均一性の点で好ましい。例えば、80〜150℃で5秒間、さらに150〜300℃で15秒間圧力工程を行うことが好ましい。また、前記圧力工程は加圧工程または減圧工程を用いて行うことができ、必要に応じて同時に行うことができる。加圧工程または減圧工程の圧力は、基材の特性を考慮して基板及び金属薄膜パターンが損傷されないように、加圧工程は1Kg/cm〜5000Kg/cmの範囲が好ましく、減圧工程は10torr〜10−6torrの範囲が好ましい。
【0035】
焼成された金属薄膜の厚さは特に制限する必要はないが、0.005〜20ミクロン、好ましくは0.01〜15ミクロン、さらに好ましくは0.05〜5ミクロンである。
【0036】
上記の金属薄膜の厚さ、電気伝導度、反射率、表面粗さ、付着力などは、圧力工程の温度、圧力、及び時間により調節することができる。
【発明の効果】
【0037】
上述したように、金属粒子が生成される時点で圧力工程を並行し、最終的に焼成して製造した本発明による金属薄膜は、焼成過程中に生成されたり既に金属インクに存在する金属ナノ粒子相互間の焼結過程がより迅速に進められるため、金属密度が緻密で伝導度に優れており、表面粗さが均一で反射率に優れる。
【0038】
また、本発明による導電性金属薄膜の製造方法は、伝導性や反射率及び厚均一性などの薄膜特性を向上させるだけでなく、金属薄膜の形成時間を大きく短縮することができる長所がある。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】実施例1に従って、圧力工程を並行して製造した金属薄膜の表面をSEMで観察した写真である。
【図2】比較例1に従って、焼成工程のみで製造した金属薄膜の表面をSEMで観察した写真である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、実施例を利用して本発明をより具体的に説明する。但し、下記実施例は本発明を例示するものに過ぎず、本発明の特許請求範囲がこれによって限定されるものではない。
【0041】
[製造例1]金属インク1の製造
撹拌器付きの250mlのシュレンク(Schlenk)フラスコにモル比で7:3の2−エチルヘキシルアンモニウム2−エチルヘキシルカルバメートとブチルアンモニウムブチルカルバメートとが混合されている粘性の液体34.89g(129.8ミリモル)を入れ、酸化銀(アルドリッチ社製)12.03g(51.92ミリモル)を添加して常温で2時間撹拌しながら反応させた。反応が進むにつれて、黒色の懸濁液(Slurry)から、着化合物が生成されることによって色が薄くなり、最終的には黄色の透明な液状銀錯体化物46.92gを得て、熱分析(TGA)した結果、銀含量は23.65重量%であった。この銀錯体溶液をIPAで希薄し、銀含量が10重量%、粘度が14cpsである金属インク溶液1を製造した。
【0042】
[製造例2]金属インク2の製造
撹拌器付きの250mlのシュレンク(Schlenk)フラスコに製造例1で製造された金属インク58.93gと銀ナノ粒子(Ferro社製)41.07gとを入れ、常温で30分間1次撹拌する。撹拌された液体を3本ロ−ルミルを用いて2次撹拌し、銀含量が55重量%、粘度が6000cps(Brook field DVII pro、15spindle、50rpm)である金属インク2を製造した。
【0043】
[製造例3]金属インク3の製造
撹拌器付きの250mlのシュレンク(Schlenk)フラスコに塩化ニッケル(II)−6水化物1.00g(7.71ミリモル)を5.00mlの水溶液に溶解させた後、粘性のある液体である2−エチルヘキシルアンモニウム2−エチルヘキシルカルバメート5.83g(19.27ミリモル)を10.00mlのベンゼンに溶解させた溶液を塩化ニッケル(II)水溶液に添加して、常温で2時間激しく撹拌して反応させた。反応が進むにつれて、緑色の懸濁液(Slurry)から白色に変化した。反応が終わった後、無色透明の水溶液相と緑色透明の有機溶媒相を分離し、有機溶媒相のみを抽出して真空下で溶媒を全て除去すると、濃い緑色のニッケル錯体化合物4.73gが得られ、これを熱分析(TGA)した結果、ニッケル含量は14.54重量%であった。この錯体溶液をIPAで希薄し、ニッケル含量が10重量%、粘度が17cpsである金属インク溶液3を製造した。
【0044】
[製造例4]金属インク4の製造
撹拌器付きの250mlのシュレンク(Schlenk)フラスコに塩化パラジウム1.00g(5.64ミリモル)を5.00mlの水溶液に溶解させた後、粘性のある液体である2−エチルへキシルアンモニウム2−エチルヘキシルカルバメート1.71g(16.92ミリモル)を5.00mlのエチルアセテートに溶解させた溶液を塩化パラジウム(II)水溶液に添加し、常温で2時間激しく撹拌して反応させた。反応が進むにつれて、赤色の懸濁液(Slurry)から無色に変化した。反応が終わった後、無色透明の水溶液相と無色透明の有機溶媒相を分離し、有機溶媒相のみを抽出して真空下で溶媒を全て除去すると、黄色透明のパラジウム錯体化合物2.22gが得られ、これを熱分析(TGA)した結果、パラジウム含量は10.80重量%であった。この錯体溶液をメタノールで希薄し、パラジウム含量が8.5%、粘度が25cpsである金属インク溶液4を製造した。
【0045】
[実施例1]
導電性金属薄膜の製造のための金属薄片を製造するために、横縦5cmのPETフィルムを準備し、まずエタノールを利用して表面の埃を除去した後、乾燥器で50℃で5分間乾燥した。このPETフィルム上に5mlの上記製造例1で製造された金属インク1を注ぎ、スピンコーターを用いて500rpmで20秒間回転させてPET表面にコーティングした後、7秒間130℃の熱処理工程を行って金属薄膜の色が青色を示す時点で、20Kg/cmの熱圧着機を利用して140℃で45秒間加圧工程を並行し、最終的に焼成が終了した銀色の金属薄膜を製造した。製造された金属薄膜の面抵抗値及び反射率の結果を表1に示した。
【0046】
[比較例1]
導電性金属薄膜を製造するために、横縦5cmのPETフィルムを準備し、まずエタノールを利用して表面の埃を除去した後、乾燥器で50℃で5分間乾燥した。このPETフィルム上に5mlの上記製造例1で製造された金属インク1を注ぎ、スピンコーターを用いて500rpmで20秒間回転させてPET表面にコーティングした後、3分間150℃で焼成して銀色の金属薄膜を製造した後、20Kg/cmの圧力の熱圧着機を利用して140℃で45秒間熱圧着して金属薄膜を製造した。製造された金属薄膜の表面をSEMで確認し、面抵抗値及び反射率の結果を図1及び表1に示した。
【0047】
【表1】

1.圧力工程を開始する時点での金属薄膜の色
2.金属薄膜を形成した後の面抵抗値(測定装備:CMT−SR/1000N/4 probe type)
3.金属薄膜を形成した後の反射率(測定装備:Cary5000 UV−Vis−NIR Spectrometer)
【0048】
図1及び上記表1から確認できるように、焼成過程中に圧力工程を行うことにより、焼成過程中に生成されたり既に金属インクに存在する金属ナノ粒子相互間の焼結過程がより迅速に進められるため、金属密度が緻密で面抵抗値が0.1程度に低下し、表面粗さが均一で反射率が3.4%程度向上した、優れた金属薄膜を製造することができる。
【0049】
[実施例2]
導電性金属薄膜を製造するために、ガラス板(glass plate)を準備し、まずエタノールを利用して表面の埃を除去した後、乾燥器で50℃で5分間乾燥した。このガラス板上に、上記製造例2で製造された金属インク2を400メッシュ(mesh)のスクリーンプリンティングを利用して印刷した後、10秒間130℃の熱処理工程を行って金属薄膜の色が黄色を示す時点で、70Kg/cmの圧力の熱圧着機を利用して150℃で30秒間熱圧着し、最終的に焼成された金属薄膜を製造した。製造された金属薄膜の表面をSEMで確認し、面抵抗値及び反射率の結果を表2に示した。
【0050】
[比較例2]
導電性金属薄膜を製造するために、ガラス板(glass plate)を準備し、まずエタノールを利用して表面の埃を除去した後、乾燥器で50℃で5分間乾燥した。このガラス板上に、上記製造例2で製造された金属インク2を400メッシュ(mesh)のスクリーンプリンティングを利用して印刷した後、3分間150℃で焼成して銀色の金属薄膜を製造した後、70Kg/cmの圧力の熱圧着機を利用して150℃で30秒間熱圧着し、金属薄膜を製造した。製造された金属薄膜の面抵抗値及び反射率の結果を表2に示した。
【0051】
【表2】

1.圧力工程を開示する時点での金属薄膜の色
2.金属薄膜を形成した後の面抵抗値(測定装備:CMT−SR/1000N/4 probe type)
3.金属薄膜を形成した後の反射率(測定装備:Cary5000 UV−Vis−NIR Spectrometer)
【0052】
前記表2の結果から確認できるように、焼成過程中に圧力工程を行うことにより、焼成過程中に生成されたり既に金属インクに存在する金属ナノ粒子相互間の焼結過程がより迅速に進められるため、金属密度が緻密で面抵抗値が0.17程度に低下し、表面粗さが均一で反射率が30%程度向上した、優れた金属薄膜を製造することができる。
【0053】
[実施例3]コンベヤーベルト圧着機を利用した薄膜の伝導度及び反射率
圧力工程(コンベヤーベルト圧着機)による導電性金属薄膜の面抵抗値及び反射率に対する物性を測定した。導電性金属薄膜を製造するために、幅300mm、長さ200mのPETフィルムを準備し、マイクログラビアコーティング機を利用して上記製造例1で製造された金属インク1を20m/sの速度でプリンティングした後、7秒間130℃の熱処理工程を行って金属薄膜の色が青色を示す時点で、40Kg/cmの圧力のコンベヤーベルト圧着機を利用して150℃で30秒間熱圧着し、最終的に焼成が終了した銀色の金属薄膜を製造した。製造された金属薄膜の面抵抗値及び反射率の結果を表3に示した。
【0054】
[実施例4]真空オーブンを利用した薄膜の伝導度及び反射率
圧力工程(真空オーブン)による導電性金属薄膜の面抵抗値及び反射率に対する物性を測定した。導電性金属薄膜の製造のための金属薄片を製造するために、横縦5cmのPETフィルムを準備し、まずエタノールを利用して表面の埃を除去した後、乾燥器で50℃で5分間乾燥した。このPETフィルム上に5mlの上記製造例1で製造された金属インク1を注ぎ、スピンコーターを用いて500rpmで20秒間回転させてPET表面にコーティングした後、7秒間130℃の熱処理工程を行って金属薄膜の色が青色を示す時点で、10−3Torrの真空オーブンを利用して150℃で50秒間加圧工程を並行し、最終的に焼成が終了した銀色の金属薄膜を製造した。製造された金属薄膜の面抵抗値及び反射率の結果を表3に示した。
【0055】
[実施例5]窒素充填チャンバを利用した薄膜の伝導度及び反射率
圧力工程(窒素充填チャンバ)による導電性金属薄膜の面抵抗値及び反射率に対する物性を測定した。導電性金属薄膜の製造のための金属薄片を製造するために、横縦5cmのPETフィルムを準備し、まずエタノールを利用して表面の埃を除去した後、乾燥器で50℃で5分間乾燥した。このPETフィルム上に5mlの上記製造例1で製造された金属インク1を注ぎ、スピンコーターを用いて500rpmで20秒間回転させてPET表面にコーティングした後、6秒間130℃の熱処理工程を行って金属薄膜の色が青色を示す時点で、50Kg/cmの圧力の窒素充填チャンバに入れて150℃で40秒間加圧工程を並行し、最終的に焼成が終了した銀色の金属薄膜を製造した。製造された金属薄膜の面抵抗値及び反射率の結果を表3に示した。
【0056】
【表3】

1.圧力工程を開示する時点での金属薄膜の色
2.金属薄膜を形成した後の面抵抗値(測定装備:CMT−SR/1000N/4 probe type)
3.金属薄膜を形成した後の反射率(測定装備:Cary5000UV−Vis−NIR Spectrometer)
【0057】
前記表3の結果から確認できるように、基材の特性を考慮して適する圧力工程を選択した結果、上記実施例3から実施例6の減圧または加圧の圧力工程により、金属密度が緻密になって、面抵抗値の値が0.3以下を示し、反射率もまた、基材の特性による圧力工程の差にも関わらず、98%以上の結果を示した。
【0058】
[実施例6]
有機金属錯体化合物を含む金属インクの種類による圧力工程に対する金属薄膜の面抵抗値及び反射率を測定した。導電性金属薄膜を製造するために、横縦5cmのPETフィルムを準備し、まずエタノールを利用して表面の埃を除去した後、乾燥器で50℃で5分間乾燥した。このPETフィルム上に5mlの上記製造例3で製造された金属インク3を注ぎ、スピンコーターを用いて500rpmで20秒間回転させてPET表面にコーティングした後、12秒間130℃の熱処理工程を行って金属薄膜の色が灰色を示す時点で、70Kg/cm圧力の熱圧着機を利用して150℃で30秒間熱圧着し、最終的に焼成が終了した灰色の金属薄膜を製造した。製造された金属薄膜の面抵抗値及び反射率の結果を表4に示した。
【0059】
[実施例7]
有機金属錯体化合物を含む金属インクの種類による圧力工程に対する金属薄膜の面抵抗値及び反射率を測定した。導電性金属薄膜を製造するために、横縦5cmのPETフィルムを準備し、まずエタノールを利用して表面の埃を除去した後、乾燥器で50℃で5分間乾燥した。このPETフィルム上に5mlの上記製造例4で製造された金属インク4を注ぎ、スピンコーターを用いて500rpmで20秒間回転させてPET表面にコーティングした後、10秒間130℃の熱処理工程を行って金属薄膜の色が濃い灰色を示す時点で、70Kg/cmの圧力の熱圧着機を利用して150℃で30秒間熱圧着し、最終的に焼成が終了した濃い灰色の金属薄膜を製造した。製造された金属薄膜の面抵抗値及び反射率の結果を表4に示した。
【0060】
【表4】

【0061】
1.圧力工程を開示する時点での金属薄膜の色
2.金属薄膜を形成した後の面抵抗値(測定装備:CMT−SR/1000N/4 probe type)
3.金属薄膜を形成した後の反射率(測定装備:Cary5000UV−Vis−NIR Spectrometer)
【0062】
前記表4の結果から確認できるように、塩化パラジウム及び塩化ニッケルの金属化合物とエチルアンモニウムエチルカルバメートのアンモニウムカルバメート系化合物とを反応させて得られる金属錯体化合物においても、圧力工程の併行により製造された金属薄膜の伝導度及び反射率が全て優れていることが確認できた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属薄膜の製造方法であって、
a)有機金属錯体化合物を含む金属インクを基材にコーティングまたはプリンティングする段階と、
b)前記a)段階の後、金属インクを焼成して金属粒子が形成される過程中に圧力工程を並行し、導電性金属薄膜を形成する段階と、を含むことを特徴とする金属薄膜の製造方法。
【請求項2】
前記圧力工程は、気体を利用する加圧方法、コンベヤーベルト、ロールまたはプレスなどを利用する加圧圧着方法、真空チャンバを利用する方法から選ばれる何れか一つ以上であることを特徴とする請求項1に記載の金属薄膜の製造方法。
【請求項3】
前記圧力工程は、加圧工程または減圧工程を用いて行うか、または加圧工程と減圧工程を同時に行うことを特徴とする請求項2に記載の金属薄膜の製造方法。
【請求項4】
前記加圧工程は、1Kg/cm〜5000Kg/cmの圧力下で行われることを特徴とする請求項3に記載の金属薄膜の製造方法。
【請求項5】
前記減圧工程は、10Torr〜10−6torrの圧力下で行われることを特徴とする請求項3に記載の金属薄膜の製造方法。
【請求項6】
前記有機金属錯体化合物は、下記化学式1で表される一つ以上の金属または金属化合物と、化学式2、化学式3、または化学式4で表される一つ以上のアンモニウム化合物と、を反応させて得られることを特徴とする請求項1に記載の金属薄膜の製造方法。
[化学式1]

(式中、Mは金属または金属合金であり、nは1〜10の整数であり、Xは無いか、または水素、アンモニウム、酸素、硫黄、ハロゲン、シアノ、シアネート、カーボネート、ニトレート、ニトライト、サルフェート、ホスフェート、チオシアネート、クロレート、パークロレート、テトラフルオロボレート、アセチルアセトネート、メルカプト、アミド、アルコキシド、カルボキシレート、及びそれらの誘導体から選ばれる一つ以上の置換基からなる。)
[化学式2]

[化学式3]

[化学式4]

(前記R、R、R、R、R及びRは、互いに独立して、水素、置換または非置換のC1〜C30の脂肪族アルキル基、脂環族アルキル基、アリール基またはアラルキル基、高分子化合物基、ヘテロ環化合物基、及びそれらの誘導体から選ばれ、前記RとRあるいはRとRは、互いに連結されて環を形成してもよい。)
【請求項7】
前記金属または金属化合物は、Au、Cu、Zn、Ni、Co、Pd、Pt、Ti、V、Mn、Fe、Cr、Zr、Nb、Mo、W、Ru、Cd、Ta、Re、Os、Ir、Al、Ga、Ge、In、Sn、Sb、Pb、Bi、Sm、Eu、Ac、Th、酸化銅、酸化亜鉛、酸化バナジウム、硫化ニッケル、塩化パラジウム、炭酸銅、塩化鉄、塩化金、塩化ニッケル、塩化コバルト、硝酸ビズマス、アセチルアセトネート化バナジウム、酢酸コバルト、乳酸錫、シュウ酸マンガン、酢酸金、シュウ酸パラジウム、2−エチルヘキサン酸銅、ステアリン酸鉄、ホルム酸ニッケル、モリブデン酸アンモニウム、クエン酸亜鉛、ビズマスアセテート、シアン化銅、炭酸コバルト、塩化白金、塩化金酸、テトラブトキシチタン、ジメトキシジルコニウムジクロライド、アルミニウムイソプロポキシド、錫テトラフルオロボレート、タンタルメトキシド、ドデシルメルカプト化金、及びインジウムアセチルアセトネートからなる群から選ばれる何れか一つ以上を含むことを特徴とする請求項6に記載の金属薄膜の製造方法。
【請求項8】
前記アンモニウム化合物のR〜Rは、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、アミル、ヘキシル、エチルヘキシル、ヘプチル、オクチル、イソオクチル、ノニル、デシル、ドデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、ドコデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、アリル、ヒドロキシ、メトキシ、ヒドロキシエチル、メトキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、メトキシプロピル、シアノエチル、エトキシ、ブトキシ、ヘキシルオキシ、メトキシエトキシエチル、メトキシエトキシエトキシエチル、ヘキサメチレンイミン、モルホリン、ピペリジン、ピペラジン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、トリエチレンジアミン、ピロール、イミダゾール、ピリジン、カルボキシメチル、トリメトキシシリルプロピル、トリエトキシシリルプロピル、フェニル、メトキシフェニル、シアノフェニル、フェノキシ、トリル、ベンジル及びその誘導体、そしてポリアリルアミンやポリエチレンイミンのような高分子化合物及びその誘導体からなる群から選ばれる何れか一つ以上を含むことを特徴とする請求項6に記載の金属薄膜の製造方法。
【請求項9】
前記金属粒子が形成される過程は、有機金属錯体化合物が還元されて金属ナノ粒子が形成される時点乃至金属ナノ粒子が形成される過程であることを特徴とする請求項1に記載の金属薄膜の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2012−514304(P2012−514304A)
【公表日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−544371(P2011−544371)
【出願日】平成21年12月29日(2009.12.29)
【国際出願番号】PCT/KR2009/007897
【国際公開番号】WO2010/077067
【国際公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【出願人】(505335441)インクテック カンパニー リミテッド (19)
【Fターム(参考)】