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金属表面の黒色化処理用水溶液及び黒色化処理方法
説明

金属表面の黒色化処理用水溶液及び黒色化処理方法

【課題】電解処理を伴わず、金属を黒色化処理液に接触させるという簡便な方法で、さらに、処理温度も室温付近というマイルドな条件でも実用的に有効な黒色化金属を形成できる黒色化処理液及び黒色化処理方法を提供する。
【解決手段】以下の(A)及び(B)の成分を含有する金属の表面の黒色化処理用水溶液、及び当該水溶液に金属の表面を接触させることを含む金属の表面の黒色化処理方法。(A)成分:フッ化物イオン、ホウフッ化物イオン及びケイフッ化物イオンよりなる群から選択される1種又は2種以上;(B)成分:極性非プロトン性溶媒の1種又は2種以上

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属表面を黒色化する処理液及び処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
金属表面を着色し、もとの金属に付加価値を付与する技術は、古くから行われている。その中でも、黒色化金属は、建築材料、インテリア部品、アクセサリーなど、装飾性や美観性が求められる分野に用いられている。また、黒色化金属は光の反射を抑制できるため、光学系装置や部品としての要求も多い。
【0003】
従来から金属表面を黒色化する技術は数多く開示されている。
(1)特開昭53−52249号公報には「金属チタンを弗化水素1重量パーセント以下の希弗化水素酸水溶液に浸漬し、該金属表面に黒色被膜を密着生成せしめることを特徴とする金属チタンの表面処理方法」が開示されている。
(2)特開昭62−260070号公報には「チタンまたはチタン合金を50℃以上の硫酸水溶液で処理したのち、弗酸水溶液で処理することで、黒色チタン材を製造する方法」が開示されている。
(3)特開昭63−195295号公報には、「アルミニウム、チタン、タンタル、ジルコニウム、ニオブまたはその合金の上に装飾皮膜を作製する方法において、パルス電解法とプラズマ化学反応を組み合わせる方法」が開示されている。
(4)特開平02−93097号公報には、「チタン及びチタン合金の表面に、陽極酸化処理を施した後に、還元雰囲気中において、少なくとも600℃以上の温度で加熱処理することを特徴とするチタン及びチタン合金の黒色皮膜形成法」が開示されている。
(5)特開平02−170984号公報には、「ホウフッ化水素酸溶液または酸性フッ化カリウム溶液を用いてチタンまたはチタン合金を処理することにより、着色皮膜を形成させる方法」が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭53−52249号公報
【特許文献2】特開昭62−260070号公報
【特許文献3】特開昭63−195295号公報
【特許文献4】特開平02−93097号公報
【特許文献5】特開平02−170984号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のとおり、金属表面を着色、特に黒色化する方法は数多く開示されている。しかしながら、その方法としては、処理液温度が例えば50℃以上のような高温であったり、パルス電解、陽極電解などの電解処理を行うなど、処理工程としては、過酷、煩雑なものが多く、作業環境としては決して良いとはいえない。また、特許文献1では、チタン金属を、フッ化水素酸溶液やホウフッ化水素酸溶液に、室温付近で処理する方法も開示されているが、形成される黒色被膜の黒色度合いは決して満足できるものではなく、実用的に使用できる分野は限られているのが実情である。
そこで本発明は電解処理を伴わず、金属を黒色化処理液に接触させるという簡便な方法で、さらに、処理温度も室温付近というマイルドな条件でも実用的に有効な黒色化金属を形成できる黒色化処理液及び黒色化処理方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究したところ、金属表面を、室温付近というマイルドな条件において、(A)フッ化物イオン、ホウフッ化物イオン及びケイフッ化物イオンよりなる群から選択される1種又は2種以上、(B)極性非プロトン性溶媒の1種又は2種以上、を必須の構成成分とする水溶液で処理することにより、均一な黒色系外観が得られることを見出し、本発明を完成した。
【0007】
上記知見を基礎として完成した本発明は一側面において、以下の(A)及び(B)の成分を含有する金属の表面の黒色化処理用水溶液である。
(A)成分:フッ化物イオン、ホウフッ化物イオン及びケイフッ化物イオンよりなる群から選択される1種又は2種以上;
(B)成分:極性非プロトン性溶媒の1種又は2種以上
【0008】
本発明に係る黒色化処理用水溶液は一実施形態において、前記極性非プロトン性溶媒が、N,N−ジメチルホルムアミドである。
【0009】
本発明に係る黒色化処理用水溶液は別の一実施形態において、前記金属が、Mg、Al、Si、Ti、V、Cr、Mn、Zr、Nb、Mo、Tc、Hf、Ta、W及びReのいずれかであるか、又はそれらの1種又は2種以上を含む合金である。
【0010】
本発明に係る黒色化処理用水溶液は更に別の一実施形態において、(A)成分の合計濃度が、0.01〜10質量%の範囲である。
【0011】
本発明に係る黒色化処理用水溶液は更に別の一実施形態において、(B)成分の合計濃度が、1〜60質量%の範囲である。
【0012】
本発明は別の一側面において、本発明に係る上記いずれかの黒色化処理用水溶液に金属の表面を接触させる黒色化工程を含む金属の表面の黒色化処理方法である。
【0013】
本発明に係る黒色化処理方法は一実施形態において、前記黒色化工程を実施する前に、少なくともフッ化物イオンを含み、極性非プロトン性溶媒を含有しない溶液に金属の表面を接触させる前処理工程を含む。
【0014】
本発明に係る黒色化処理方法は一実施形態において、前記黒色化工程を実施した後に、表面が黒色化された金属に対してさらに200〜450℃の加熱処理を施す後処理工程を含む。
【0015】
本発明は更に別の一側面において、本発明に係る黒色化処理方法によって得られた表面が黒色化した金属である。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る黒色化処理用水溶液を使用すれば、電解処理を伴わず、金属を当該水溶液に接触させるという簡便な方法で、さらに、処理温度も室温付近というマイルドな条件でも実用的に有効な黒色化金属を形成できるという格別の効果が得られる。
【0017】
たとえば、チタンをフッ素系化合物を含む溶液で処理することで着色皮膜を形成させる方法は数多く開示されている。しかしながら、フッ素系化合物を含む処理溶液でチタンを処理しても、処理溶液が極性非プロトン性溶媒を含有しない場合、チタン表面が溶解するだけで、わずかに着色する程度である。しかし、本発明のように、(A)フッ化物イオン、ホウフッ化物イオン及びケイフッ化物イオンよりなる群から選択される1種又は2種以上に加え、(B)極性非プロトン性溶媒の1種又は2種以上を含有させた水溶液で処理することにより、均一で黒味の強い黒色皮膜が形成できる。そのメカニズムについては不明ではあるが、以下のとおり推察される。フッ素系化合物を含むが極性非プロトン性溶媒を含有しない水溶液で処理した場合、チタンは溶解するが、そのとき、水溶性のフッ化チタン化合物となるため、単に溶解するだけであり、金属表面は着色しない。これに対し、極性非プロトン性溶媒を併用することで、チタンイオンやフッ化物イオンの溶液中における溶媒和状態及び溶解度が水溶液の場合に比べ変化を起こすことで、不溶性のチタン化合物が金属表面に形成しやすくなり、沈着するものと考えられる。この不溶性のチタン化合物が黒色となっているものと思われる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明に係る金属表面の黒色化処理液は、以下の(A)及び(B)の成分の両方を含有する水溶液として提供されることが特徴である。
(A)成分:フッ化物イオン、ホウフッ化物イオン及びケイフッ化物イオンよりなる群から選択される1種又は2種以上;
(B)成分:極性非プロトン性溶媒の1種又は2種以上
【0019】
(A)成分の供給源としては、フッ化水素酸、ホウフッ化水素酸、及びケイフッ化水素酸等の酸やこれらの塩が挙げられる。理論によって本発明が限定されることを意図しないが、(A)成分は金属表面を溶解する作用を果たすと考えられる。(A)成分としては金属の酸化皮膜及び金属自体を速やかに溶解させることができることから、フッ化物イオンが好ましく、フッ化水素酸のほか、アンモニウム、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、タンタル、バナジウム若しくはマンガン等の金属とフッ素の塩、又はそれらの塩とフッ化水素の複塩をフッ化物イオンの供給源として好適に用いることができるが、フッ化水素酸が最も好適に用いられる。
【0020】
(A)成分の合計濃度は、0.01〜10質量%が好適に用いられ、さらに好適には0.05〜5質量%が用いられ、最も好適には0.1〜3質量%が用いられる。濃度が10質量%よりも高い場合には、該イオンの金属表面に対する反応が強すぎ、金属表面が単に溶解するだけで、黒色化が困難である。一方、0.01質量%より低い場合には金属表面が溶解しない又は反応が非常に遅く、実用的ではない。
【0021】
(B)成分として使用する極性非プロトン性溶媒は、理論によって本発明が限定されることを意図しないが、(B)成分は、(A)成分によって溶解した金属が黒色の不溶性化合物を形成して金属表面に沈着する反応を促進すると考えられる。また、黒色皮膜の均一性を向上させる役割も持っている。前記極性非プロトン性溶媒としては、限定的ではないが、テトラヒドロフラン、アセトン、アセトニトリル(AN)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ホルムアミド、ジメチルスルホキシド(DMSO)、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、及びヘキサメチルリン酸トリアミドから選ばれる1種又は2種以上が好適に用いられる。その中でもより黒味の強い処理外観が得られることからアセトニトリル(AN)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ホルムアミド、ジメチルスルホキシド(DMSO)がさらに好適に用いられ、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)が一層好適に用いられ、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)が最も好適に用いられる。
【0022】
前記極性非プロトン性溶媒は、前述のとおり、不溶性の黒色チタン化合物の形成に必要不可欠な化合物である。ただし、均一な黒色皮膜を得るには、その濃度は大変重要である。つまり、(B)成分の合計濃度としては1〜60質量%が好適に用いられ、さらに好適には10〜50質量%が用いられ、最も好適には20〜40質量%が用いられる。(B)成分の合計濃度が60質量%よりも高い場合には黒色化反応がほとんど進行せず、1質量%より低い場合には(A)成分による金属表面の溶解反応が速すぎ、単に金属が溶解するだけで、条件によっては着色するものの、実用的に使用できるほどの黒味を得るのは困難である。
【0023】
また、(A)成分と(B)成分の質量比も外観に影響を及ぼす。典型的な実施形態においては、A/B比は5未満であり、より典型的な実施形態においては、A/B比は0.001〜0.5である。このような範囲にA/Bを設定することで、より良好な黒色外観を得ることができる。
【0024】
本発明に係る黒色化処理用水溶液によって黒色化可能な金属は特に制限ないが、該処理液で処理したときに、溶解した金属イオンが黒色の不溶性化合物を形成しやすいという理由により、Mg、Al、Si、Ti、V、Cr、Mn、Zr、Nb、Mo、Tc、Hf、Ta、W、Reが好適に用いられる。中でもMg、Al、Si、Ti、V、Cr、Zr、Nb、Mo、Ta、Wが好適に用いられ、Mg、Al、Ti、Taがさらに好適に用いられ、Tiが最も好適に用いられる。
【0025】
これらの金属元素は純金属(不可避的に不純物が含まれるものを含む)、これらの金属元素を主要成分とする合金、又はそれらを添加元素とする合金のいずれも好適に用いられるが、純金属又はこれらの金属元素を主要成分とする合金が一層好適に用いられる。また、純金属又は合金は冶金学的に製造されたものに限定されず、湿式又は乾式のめっきを施して製造したものでもよい。つまり、本発明でいう金属とは、表面が金属でできた材料を指し、内部が金属以外の材料であっても構わない。例えばプラスチック表面を金属めっきしてできた材料も本発明でいう金属に該当する。
【0026】
本発明に係る黒色化処理用水溶液には、(A)成分として使用可能なフッ化水素酸、ホウフッ化水素酸及びケイフッ化水素酸以外の、公知の酸を添加してもよい。例えば、硫酸、塩酸、硝酸、リン酸、ピロリン酸等の無機酸や、メタンスルホン酸、フェノールスルホン酸、スルファミン酸、クエン酸、グルコン酸等の有機酸を酸の形又はそれらのナトリウム、カリウム、アンモニウム等の塩の形で添加すればよい。酸を添加することにより、黒色の度合いを変化させ、望みの色彩に調整できる。酸の添加量は、多すぎると、本来の黒色化反応を妨げ、また少なすぎると、効果がみられない。具体的には0.1〜30質量%程度とするのが好ましく、1〜20質量%程度とするのがより好ましい。これらの酸はフッ化水素酸に比べると一般に金属を溶解する力が弱いので 、この程度の濃度範囲であれば基本成分の効果を著しく妨げることはない。
【0027】
本発明に係る黒色化処理用水溶液にはさらに、界面活性剤を添加することができる。界面活性剤としては、公知のカチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、両性界面活性剤が、適宜単独又は併用して用いられる。
【0028】
カチオン系界面活性剤としては例えば、テトラ低級アルキルアンモニウムハライド、アルキルトリメチルアンモニウムハライド、ポリオキシエチレンアルキルメチルアンモニウムハライド等がある。アニオン系界面活性剤としては、アルキル(又はホルマリン縮合物)−β−ナフタレンスルホン酸(又はその塩)、アルキルスルホン酸塩系、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル(又はアルコキシ)ナフタレンスルホン酸塩等がある。ノニオン系界面活性剤としては例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル(又はエステル)、ポリオキシアルキレンフェニル(又はアルキルフェニル)エーテル、ポリオキシアルキレンナフチル(又はアルキルナフトチル)エーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、等がある。両性界面活性剤としては例えば、2−アルキル−N−カルボキシメチル(又はエチル)−N−ヒドロキシエチル(又はメチル)イミダゾリニウムベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル(又はエチル)−N−カルボキシメチルオキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ジメチルアルキルベタイン等がある。
【0029】
これら界面活性剤の濃度は、適宜選択されるが、概ね0.001〜50g/Lが好ましく、0.01〜20g/Lがより好ましい。界面活性剤を添加することにより、黒色化皮膜の外観均一性を向上させることができる。
【0030】
本発明に係る黒色化処理用水溶液に金属の表面を接触させること(黒色化工程)により、当該表面を黒色化することができる。接触方法としては特に制限はないが、金属を当該水溶液に浸漬する方法、当該水溶液を金属表面に塗布する方法、及び当該水溶液を金属表面に噴霧する方法などがある。これらの中でも金属を当該水溶液に浸漬する方法が簡便であり、均一性のある外観を得る上でも好ましい。
【0031】
黒色化工程における黒色化処理用水溶液の温度は5〜50℃が好ましく、10〜35℃がさらに好ましい。温度が低すぎると黒色化皮膜の形成が遅く、生産性が劣るが、本発明によれば室温付近の温度で十分な黒色化が達成できる。温度が高すぎても、効果が頭打ちとなり、不経済であるばかりでなく、(B)成分である極性非プロトン性溶媒が蒸発しやすくなり、作業環境が悪くなる。該水溶液に金属を接触させる時間は特に限定はされないが、10秒〜30分程度が好ましく、30秒〜10分がより好ましい。処理時間が短いと、黒味が十分ではなく、処理時間が長すぎても、効果は頭打ちとなるため、生産性に劣る。
【0032】
黒色化工程を実施する前に、少なくともフッ化物イオンを含み、極性非プロトン性溶媒を含有しない溶液に金属の表面を接触させる(前処理工程)ことで、より均一な黒色外観を得ることができる。この前処理溶液にはさらに、硫酸、塩酸、硝酸、リン酸、ピロリン酸等の無機酸や、メタンスルホン酸、フェノールスルホン酸、スルファミン酸、クエン酸、グルコン酸等の有機酸を酸の形又はそれらのナトリウム、カリウム、アンモニウム等の塩の形で添加してもよい。
【0033】
黒色度合いを上げるため、前記黒色化工程を実施した後に、表面が黒色化された金属に対してさらに200〜450℃、好ましくは300〜400℃の加熱処理(後処理工程)を施してもよい。加熱処理の時間は、短いと効果が弱く、長すぎても効果が頭打ちとなり、不経済である。具体的には、10〜60分が好ましく、20〜40分がより好ましい。
【実施例】
【0034】
以下、実施例に基づき本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意の変形をなし得るものである。
【0035】
(実施例1)
チタン板(50×50×0.3mm)を、フッ化水素:3質量%(フッ化物イオンとして)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF):35質量%を含む黒色化処理用水溶液(液温20℃)に、3分間浸漬した。次に、水洗をおこなったのち、50℃で10分乾燥させた。この試料について、色彩および均一性を目視で評価した。
【0036】
均一性は、以下の基準で◎、○、△に分類した。
◎:ムラなし
○:ムラあり(試験片の5%未満の面積)
△:ムラあり(試験片の5%以上20%の面積)
【0037】
(実施例2〜28)
金属の種類、(A)フッ化物イオン、ホウフッ化物イオン及びケイフッ化物イオンの供給源の種類及び濃度と(B)極性非プロトン性溶媒の種類と濃度を表1のとおり変化させた以外は、実施例1と同条件でチタン板を処理し、色彩および均一性を目視で評価した。
【0038】
(比較例1)
水にフッ化水素酸:3質量%(フッ化物イオンとして)のみを添加した水溶液を用いた他は、実施例1と同様の方法でチタン板を処理した。この試料について、色彩および均一性を目視で評価した。
【0039】
(比較例2)
水にホウフッ化水素酸:3質量%(ホウフッ化物イオンとして)のみ添加した水溶液を用いた他は、実施例1と同様の方法でチタン板を処理した。この試料について、色彩および均一性を目視で評価した。
【0040】
(比較例3)
水にN,N−ジメチルホルムアミド:30質量%のみ添加した水溶液を用いた他は、実施例1と同様の方法でチタン板を処理した。この試料について、色彩および均一性を目視で評価した。
【0041】
結果を表1に示す。実施例1〜28は比較例1〜3に比べて、明らかに黒味が強く、均一性の高い黒色化金属が得られることがわかる。
【0042】
(実施例29)
黒色化処理用水溶液に浸漬する前に、水にフッ化水素:0.5質量%(フッ化物イオンとして)のみを添加した水溶液(液温20℃)に、チタン板を3分間浸漬した他は実施例11と同様に方法でチタン板を処理した。この試料について、色彩および均一性を目視で評価した。その結果、実施例11に比べて外観の均一性が向上した。
【0043】
(実施例30)
黒色化処理用水溶液中に、リン酸:10質量%を添加した他は、実施例12と同条件同様の方法でチタン板を処理した。この試料について、色彩および均一性を目視で評価した。その結果、実施例12に比べて黒味が向上した。
【0044】
(実施例31)
黒色化処理用水溶液中に、ポリオキシエチレンラウリルエーテル:1質量%を添加した他は、実施例11と同条件同様の方法でチタン板を処理した。この試料について、色彩および均一性を目視で評価した。その結果、実施例11に比べて外観の均一性が向上した。
【0045】
(実施例32)
実施例12と同条件同様に方法でチタン板を処理した。このようにして得られた表面が黒色化したチタン板について、更に320℃で30分間加熱処理を行った。この試料について、色彩および均一性を目視で評価した。その結果、実施例12に比べて黒味が向上した。
【0046】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の(A)及び(B)の成分を含有する金属の表面の黒色化処理用水溶液。
(A)成分:フッ化物イオン、ホウフッ化物イオン及びケイフッ化物イオンよりなる群から選択される1種又は2種以上;
(B)成分:極性非プロトン性溶媒の1種又は2種以上
【請求項2】
前記極性非プロトン性溶媒が、N,N−ジメチルホルムアミドである請求項1に記載の金属の表面の黒色化処理用水溶液。
【請求項3】
前記金属が、Mg、Al、Si、Ti、V、Cr、Mn、Zr、Nb、Mo、Tc、Hf、Ta、W及びReのいずれかであるか、又はそれらの1種又は2種以上を含む合金である請求項1又は2に記載の金属の表面の黒色化処理用水溶液。
【請求項4】
(A)成分の合計濃度が、0.01〜10質量%の範囲である請求項1〜3のいずれかに記載の金属の表面の黒色化処理用水溶液。
【請求項5】
前記極性非プロトン性溶媒の濃度が、1〜60質量%の範囲である請求項1〜4のいずれかに記載の金属の表面の黒色化処理用水溶液。
【請求項6】
更に界面活性剤を合計で0.001〜50g/L含有する請求項1〜5のいずれかに記載の金属の表面の黒色化処理用水溶液。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかの黒色化処理用水溶液に金属の表面を接触させる黒色化工程を含む金属の表面の黒色化処理方法。
【請求項8】
前記黒色化工程を実施する前に、少なくともフッ化物イオンを含み、極性非プロトン性溶媒を含有しない溶液に金属の表面を接触させる前処理工程を含む請求項7に記載の金属の表面の黒色化処理方法。
【請求項9】
前記黒色化工程を実施した後に、表面が黒色化された金属に対してさらに200〜450℃の加熱処理を施す後処理工程を含む請求項7又は8に記載の金属の表面の黒色化処理方法。
【請求項10】
請求項7〜9の何れか一項に記載の黒色化処理方法によって得られた表面が黒色化した金属。

【公開番号】特開2012−237034(P2012−237034A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−106433(P2011−106433)
【出願日】平成23年5月11日(2011.5.11)
【出願人】(593002540)株式会社大和化成研究所 (29)
【Fターム(参考)】