説明

金属被覆粒子の処理方法

本発明は、金属被覆粒子の熱処理方法、その方法により得られる粒子、及び印刷可能な電子機器の製造、又はEMI遮蔽のためのその使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属被覆粒子の熱処理方法、その方法により得られる粒子、及び印刷可能な電子機器の製造、又はEMI遮蔽のためのその使用に関する。
【0002】
銅表面に銀層を製造するための複数の方法が知られている。J. Electrochem. Soc. India (1967), vol. 16, pages 85-89は、銅表面上に堅く接着した平らな銀層を形成するための種々の水性浴を比較している。この水性浴には例えば、アンモニア、硝酸銀及びチオ硫酸ナトリウムが含まれる。
【0003】
US-A-3,294,578は、非貴金属、例えば、銀錯体溶液が用いられるアルミニウム上への銀の無電解めっき法を開示している。その溶液は、錯化剤として作用する化合物を含有する窒素を含む。その他のもののうち、示唆した錯化剤には、ピロリドン、例えばN−メチルピロリドン、アミド、例えばジメチルホルムアミド、アニリン及びアミンがある。
【0004】
EP-A-081183は、非貴金属表面上への銀又は金層の無電解めっき法を開示している。この方法では、非貴金属は被覆浴と接触する。この浴は、一価の塩化銀又は塩化金を塩酸、及び銀又は金と共に錯体を形成することができる塩基性物質と反応させることにより得られる金属錯体を含有する。錯化剤をより具体的に示すと、アンモニウム塩、アミン、アミノ、アミノ酸、アミド、尿酸及びその誘導体、窒素複素環、アルカリ性リン化合物ならびに炭化水素、ハロゲン化炭化水素、アルコール、エーテル、ケトン、エステル、カルボン酸ニトリル及び硫酸化合物である。その他のもののうち、銅は基板として示される。銀イオン源として、塩化銀が選択される。適切な溶媒は有機溶媒であり、より具体的には、錯化反応に関して不活性である非プロトン性溶媒、例えば四塩化炭素、特にアセトンである。
【0005】
WO96/17974は、金属表面上に銀被覆を形成する方法、より具体的には、銅が銀よりも陽性でない、プリント回路基板中の穴壁上の銅領域を被覆する方法を開示する。この目的のために、金属表面は水溶液と接触する。この溶液は銀イオン及び多座錯化剤を含み、2〜12の範囲のpHを有する。示唆した錯化剤は、より具体的にはアミノ酸及びその塩、ポリカルボン酸、例えばニトリロ三酢酸、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、N−ヒドロキシエチル−エチレンジアミン四酢酸及びN,N,N’,N’−テトラキス−(2−ヒドロキシプロピル)−エチレンジアミン、更に酒石酸塩、クエン酸塩、グルコン酸塩及び乳酸塩、ならびにクラウンエーテル及びクリプタンドのような化合物である。銀は、これらの溶液から電荷交換反応により析出する。溶液は、好ましくはハロゲン化物イオンを含有しない。
【0006】
WO96/17975は、プリント回路基板上の銅表面の銀めっき法を開示する。このめっき法は、最初に銅表面をエッチングし(この方法により、光沢のある滑らかな表面が形成される)、次に銀イオンを含有する溶液の助けによりその表面を被覆する。銀イオンは、その硝酸塩、酢酸塩、硫酸塩、乳酸塩又はギ酸塩の形態で利用することができる。好ましくは硝酸銀を使用する。必要ならば、めっき溶液は更に、錯化剤、例えばアミノ酸及びその塩、ポリカルボン酸、例えばニトリロ三酢酸、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、N−ヒドロキシエチル−エチレンジアミン四酢酸及びN,N,N’,N’−テトラキス−(2−ヒドロキシプロピル)−エチレンジアミン、更に酒石酸塩、クエン酸塩、グルコン酸塩及び乳酸塩、ならびにクラウンエーテル及びクリプタンドのような環化合物を含有してもよい。
【0007】
EP-A-797380は、銅表面、特にプリント回路基板のはんだぬれ性を改良する方法を開示する。この方法は、はんだ付けに先立って電荷交換反応により表面に銀層を塗布することを含む。イミダゾール銀錯体を含有する酸めっき溶液に表面を接触させることにより、銀層を形成する。好ましくは、使用する銀イオン源は硝酸銀である。
【0008】
JP-A-06240463は、銀で銅微粉末を被覆する方法を開示する。その方法は、ハロゲン化銀を銅の錯化剤と反応させることにより形成される銀錯体塩を含有するめっき水溶液に金属粉末を接触させることを含む。更に、この溶液は、好ましくは安定化剤ならびにpH調整手段として作用する亜硫酸塩を含有する。
【0009】
JP-A-05287542は、銀イオン錯体ならびに還元剤、例えばヒドラジンを含有する無電解銀めっき浴を開示する。結果として、銀は、非貴金属との単純な電荷交換反応により形成されるのではなく、還元剤での還元により形成される。使用する銀イオン錯体は、ハロゲン化銀化合物及び錯化剤からなる錯体である。使用する錯化剤は、例えばチオ硫酸アニオン及び亜硫酸アニオンである。浴のpHはリン酸塩により調整する。
【0010】
JP09/302476は、銀イオンの非シアン化化合物に加えて、非シアン化スズ(II)化合物を含有する、スズ/銀合金を析出するための無電解浴を開示する。とりわけ、銀イオンを安定化するために、臭化物、ヨウ化物を利用する。
【0011】
SU-A-501116は、銅表面上に銀を析出するための溶液を開示する。その溶液は、塩化銀、フェロシアン化カリウム、チオシアン酸カリウム、チオ硫酸ナトリウム及び水酸化ナトリウムを含有する。溶液は、8〜10の範囲のpHを有する。
【0012】
JP-A-10130855は、酸ラジカル及び/又は銀イオンの錯化剤を含有する非シアン銀めっき浴を開示する。溶液は、スズ又はスズ合金を被覆するために役立つ。とりわけ、硝酸塩、亜硫酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物及びチオ硫酸塩を、それぞれ酸ラジカル又は錯化剤として作用させるために使用する。
【0013】
導電性インクは現在、純粋な銀フレークに基づいており、高価である。銀の量を有意に減少させる一つの方法は、銀被覆銅粒子の使用である。そのような材料を得るための方法は、湿式化学技術によりボールミル粉砕した銅粒子上への銀の無電解めっきを使用して、厚い銀の被膜を得て、それにより銅粒子の完全な被覆を得ることである(例えば、US-B-5,945,158参照)。しかし、粒子の表面粗度が激しく増加し、それが粒子間の不良な電気接触、その結果プリント被膜における不良な導電性及び高い電気抵抗に至る。他の問題は、コア−シェルの相間(銅コア及び銀シェル)における電気接触である。
【0014】
これらの二つの問題は、熱による後処理、特に、湿式化学技術を用いて調製した銀被覆銅粒子のプラズマ処理により解決される。
【0015】
したがって、本発明は、
(A)(a)基板と
(b)基板上の金属層とを含む粒子を供給すること;
(B)プラズマ反応器内でプラズマにより粒子を処理するか、あるいは流動層又は高温壁流動反応器内で高温の気体により粒子を処理して、本方法に従って得られる金属被覆粒子を得ることを含む、金属被覆粒子の処理方法に関する。
【0016】
この処理法は、例えば、均一な結晶性及び/又は被覆の緻密化を促す。ある金属被覆粒子に対する急速な溶融及び固化により、導電性、障壁性、結着性及び結晶表面生成のような金属被覆に関する特質を向上させることができる。反応領域における短い滞留時間が急速な処理を可能にする。また、処理条件は溶融物の選択に合わせることができ、粒子の表面もしくは表面近くを再固化し、結晶化することができる。更に、平坦な表面が達成され、その結果、欠陥を最小限に抑えた均一な表面が得られる。銀被覆銅粒子の場合、熱処理により、例えば、コア(銅)シェル(銀)界面上の銀と銅の混合物の形成に至り、はるかに滑らかな粒子表面が得られる。これにより、銅コアと銀被覆間の電気接触の向上及び粒子間の電気接触の向上が得られ、それによって、導電性インクに使用した場合に、未処理の銀被覆銅粒子と比較して、より高い導電性(より低い電気抵抗)が与えられる。
【0017】
粒子は、原理上、どのような形態を取ることもできる。基板は、好ましくは、一方で球状の粒子であり、他方で、小板状(フレーク)、棒状の材料及び繊維のような任意の高アスペクト比の材料である。アスペクト比は、少なくとも2対1、特に少なくとも10対1である。「アスペクト比」という用語は、粒子の最大寸法対最小寸法の比を意味する。
【0018】
本発明の上述の他の特徴は、以下に、より詳細に述べられ、特に請求の範囲において示され、以下の説明は本発明の説明的な実施態様を詳細に記載するが、これらは、種々の方法のうちのいくつかを示し、それらの方法においては、本発明の原理を用いることができる。
【0019】
基材として使用することができる好適な基板には、例えば、球状、棒状もしくは小板状の有機及び無機基板、例えば天然の雲母状酸化鉄(例えば、WO99/48634)、合成及びドープした雲母状酸化鉄(例えば、EP-A-068 311)、雲母(白雲母、金雲母、フルオロ金雲母、合成フルオロ金雲母、タルク、カオリン)、塩基性炭酸鉛、フレーク状硫酸バリウム、SiO、Al、TiO、ガラス、ZnO、ZrO、SnO、BiOCl、酸化クロム、BN、MgOフレーク、Si、又は黒鉛が含まれる。特に好ましいものは、天然、もしくは合成雲母、別の層状ケイ酸塩、ガラス、Al、SiO、特にSiO、SiO/SiO/SiO(0.03≦x≦0.95)、SiO1.40−2.0/SiO0.70−0.99/SiO1.40−2.0、又はSi/SiO(ここで、0.70≦z≦2.0、特に1.40≦z≦2.0)、あるいは、ポリマー基板、例えばPSラテックス、PMMA、又はPE、特に黒鉛、Cu、Ni、Ag、Au、又はNiである。
【0020】
粒子の処理は、プラズマ反応器内でプラズマを用いて、又は流動層又は高温壁流動反応器内で高温の気体を用いて行うことができ、好ましくは、プラズマ反応器(トーチ)は、流動層又は高温壁流動反応器のそばにある。流動層又は高温壁流動反応器内での高温の気体を用いた処理は、例えばFluid Bed Technology in Materials Processing (ISBN 0-8493-4832-3)に記載されている。
【0021】
プラズマトーチは、好ましくは誘導プラズマトーチである。本発明の方法において使用する誘導プラズマトーチは、Tekna Plasma Systems, Inc., Sherbrooke, Quebec, Canadaから入手可能である。US-A-5,200,595は、プラズマ誘導トーチの構成及び操作に関するその教示について、参照により本明細書に組み込まれる。
【0022】
本方法において使用する誘導プラズマトーチは、プラズマ誘導トーチへ輸送するために気体の上流方向もしくは下流方向への流れに粒子を同伴させることにより操作する粉末供給装置を備える。加えて、粒子をスラリー(例、水性、有機溶媒、例えばC1−4アルコール、ケトン、及びジ−Cアルキルエーテル)として、プラズマ反応器に注入することも可能である。このスラリーは、注入プローブの先端で噴霧状になる。
【0023】
本発明の好ましい実施態様においては、輸送気体は、不活性であり、すなわち、粒子の外表面とは反応しない。典型的には、流動する気体状媒体は粒子と適合するように選択され、すなわち実質的に粒子の性質に悪影響を及ぼさない。そのような輸送気体の例は、アルゴン、窒素、ヘリウム、酸素、又は乾燥空気もしくはアルゴン/水素及びアルゴン/酸素のような混合物である。概して、空気、窒素、アルゴン、ヘリウムなどを使用することができ(ここで、空気は選択される気体である)、実質的に粒子の酸化反応に対して悪影響を及ぼすことはない。
【0024】
本発明の粒子は、更に、コアと金属被覆の間に中間被覆を含んでもよく、その中間被覆は、例えば一層以上の金属もしくは混合金属酸化物又は酸化物水和物からなってもよい。
【0025】
金属フレーク上で、中間層は、好ましくは金属酸化物、又は酸化物水和物、例えば酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化鉄、酸化クロム、もしくは酸化亜鉛、オキシ塩化ビスマス、又はその混合物からなる。特に好ましいものは、二酸化ケイ素の被覆物である。
【0026】
コア粒子の大きさは、それ自体決定的なものではなく、特定の用途の合わせることができる。概して、粒子は、長さが約1〜200μm、特に約5〜100μmであり、厚さが約0.01〜5μm、好ましくは0.1〜2μm、特に0.1〜0.5μmである。小板状の粒子は、二つの本質的に平坦で平行な表面を有すると解され、長さ対厚さのアスペクト比は約2:1〜1000:1であり、長さ対幅の比率は3:1〜1:1である。
【0027】
気体の流速は典型的には、流動化及び粉末に対する電荷移動を得られるように選択する。微粉末は同等の析出を得るために、より少ない気体の流れしか必要としない。少量の水蒸気が電荷移動を増大させることが見出されている。
【0028】
粒子と接触する時間は、一般に基板のかさ密度、厚さ、粉末の大きさ及び気体の流速の関数である。特に、例えば、球状、フレーク、短い繊維及び他の類似の粒子などの基板の形状である。
【0029】
誘導プラズマトーチは反応領域を含み、そこを同伴された粒子が通過する。反応領域の温度は、粒子の外層の最も高い溶融成分の融点よりも好ましくは十分に高く、その層の最も低い蒸発成分の蒸発点よりも好ましくは低いために、反応領域における比較的短い滞留時間を可能にする。粒子が反応領域を通過するにつれて、粒子の外表面が、少なくとも部分的に溶融する。好ましくは、フレークは、粒子間接触及び凝集を最小化する流速でトーチを通過する。
【0030】
粒子の外表面は、気体中に同伴される間に溶融するので、得られた粒子は滑らかな外表面を有する。溶融後、粒子は、固体表面との、もしくは互いの接触に先立って、冷却させ、少なくとも部分的に固化させるのに十分な距離を通って降下する。この結果を達成するために任意の幾つかの方法を使用してもよいが、輸送気体中に依然として同伴されながら溶融状態の表面を有する粒子を、気体雰囲気を含有する液体冷却チャンバに供給することが便利なことが見出されている。
【0031】
プラズマトーチを使用する場合、本発明の方法は、
(A)(a)基板と
(b)基板上の金属層とを含む粒子を供給すること;
(B1)前記粒子を気体の流れに同伴させて、プラズマトーチへ輸送すること;
(B2)前記気体の流れの中にプラズマを生成して、粒子の外表面を加熱すること;
(C)前記粒子を冷却させること;及び
(D)前記粒子を回収することを含む。
【0032】
本発明の方法により得られる金属被覆粒子は新規である。したがって、本発明はまた、本発明の方法により得られる金属被覆粒子も対象とする。
【0033】
好ましい基板(a)は、天然もしくは合成の雲母、別の層状ケイ酸塩、ガラス、Al、SiO、特にSiO(ここで、0.70≦z≦2.0、特に1.40≦z≦2.0)、あるいは、ポリマー基板、例えばポリスチレン(PS)ラテックス、ポリメチルメタクリラート(PMMA)、又はポリエチレン(PE)である。特に好ましい基板(a)は、黒鉛、Cu、Zn、Ag、Au、又はNiである。
【0034】
基板(b)上の金属層は、好ましくはAg、Au又はPt、あるいはその合金からなる(但し、層(b)の金属は基板(a)の金属とは異なる)。
【0035】
金属被覆層を形成する際に、種々の被覆方法を利用することができる。金属被覆層を形成する好適な方法には、真空蒸着、流動層におけるCVD、及び電気化学蒸着が含まれる。別の析出方法は、化学種がプラズマにより活性化されるプラズマ化学気相成長法(PECVD)である。それらの方法はWO02/31058に詳細に開示されている。好ましいものは、本発明の説明の導入部分に記載する湿式化学法、例えばUS-B-5,945,158及びWO02/29132に記載されている湿式化学法である。
【0036】
粒子が、(a)基板及び(b)基板上の金属層を含む場合;層(b)は好ましくは湿式化学法により析出される。
【0037】
粒子は、原理上、どのような形態を取ることもできるが、基板は、小板状(フレーク)、棒状の材料及び繊維のような任意の高アスペクト比の物質である。アスペクト比は、好ましくは、少なくとも10対1である。「アスペクト比」という用語は、粒子の最大寸法対最小寸法の比を意味する。
【0038】
板状粒子(フレーク、並列構造)は、概して、長さが1μm〜5mm、幅が1μm〜2mm、厚さが10nm〜2μmであり、長さ対厚さの比が少なくとも2:1であり、粒子は2つの実質的に平行な面を有し、その間の距離はコアの最短の軸である。
【0039】
本発明のフレークは均一な形状ではない。しかし、簡潔さのために、フレークは、「直径」を有するものとして扱われる。フレークは、厚さが10〜2000nm、特に50〜1000nmである。現在、フレークの直径は、好ましくは約1〜60μmの範囲にあり、より好ましくは約5〜40μmの範囲である。したがって、本発明のフレークのアスペクト比は、好ましくは約2.5〜625の範囲にある。
【0040】
導電金属層(b)の用途は、それ自体既知の方法、例えば、US-B-5,945,158, WO02/29132, S. S. Djokic, Electroless Deposition of Metals and Alloys, The Westaim Corp., 51-133、及びHandbuch der Galvanotechnik, H.W. Dettner, Hanser Verlag, 1963などの参考文献に記載された湿式化学法に従ってなされる。従来の全ての導電金属又は金属の混合物をこの用途に使用することができる。Ag、Au又はPtの導電層、あるいはその合金が好ましい。
【0041】
粒子は好ましくは、銀被覆シリカ粒子、金被覆シリカ粒子、銀被覆PSラテックス粒子、金被覆PSラテックス粒子、銀被覆雲母粒子、金被覆雲母粒子、銀被覆黒鉛粒子、金被覆黒鉛粒子、銀被覆銅粒子、銀被覆ニッケル粒子、金被覆銅粒子、金被覆銀粒子、白金被覆金粒子、白金被覆銀粒子、白金被覆銅粒子、又は白金被覆ニッケル粒子である。
【0042】
金属被覆粒子の製造を銀被覆銅フレークに基づいて詳細に説明するが、それに限定するものではない。
【0043】
物理的蒸着法により得られた銅フレーク、又はボールミル粉砕した銅フレークを基板として使用することができるが、ボールミル粉砕した銅フレークがコスト上の理由で好ましい。銅フレークの平均粒径は、好ましくは約1〜60μmの範囲、より好ましくは5〜40μmの範囲にある。銅フレークの平均厚さは、約10〜500nmの範囲にあり、好ましくは約100〜300nmの範囲である。銅フレークは、銅、又は銅合金、例えば銅亜鉛合金からなる。
【0044】
銅フレーク自体は、例えばWolstenholme(Copper Super、Copper Ink Lining 3312、Copper Lining及びCopper Standard)及びSchlenk(Cubrotec(登録商標) 5000、6000及び7000)から市販されている。特に好ましいものは、平均径が20μm未満の銅フレークである。
【0045】
銀被覆は、好ましくは既知の湿式化学法によりなされる。例えば、本発明の導入部分に記載した方法を参照のこと。本発明に従う以下の方法が好ましい:
US-B-5,945,158に記載の方法においては、銅粒子をアルカリ性アンモニウム塩溶液に分散して、粒子表面を活性化し、不純物、又は形成された銅酸化物をそこから除去する。次に、還元剤、好ましくは酒石酸ナトリウムカリウムを十分な量で加え、それにより活性化工程の間に形成された銅イオンを錯化し、その後銀イオンを還元する。化学量論的量の銀イオン含有溶液を加えて、置換/析出の複合反応をもたらし、それにより、還元剤の存在のため、銅、又は銅被覆された粒子上に銀が均一に被覆されるように機能する。
【0046】
銅表面を清浄にし、活性化するために使用するアルカリ性アンモニウム塩溶液は、炭酸アンモニウム、重炭酸アンモニウム又は硫酸アンモニウム溶液である。硫酸アンモニウムは、好ましくは銅表面の最良の被覆率及び最速の銀析出を与える塩である。銅表面が清浄で、活性化されたこれらの条件下で、置換反応が急速に発生する。銅水酸化物の沈殿を抑制するために、Cu2+イオン錯化剤を加えることが必要である。使用される酒石酸ナトリウムカリウムは、Cu2+イオンに対する錯化剤、及びその後の銀イオンに対する穏やかな還元剤の両方として機能する。酒石酸ナトリウムカリウムの濃度は、Cu2+イオンを錯化し、銀イオンの還元をもたらすのに十分でなくてはならない。均一な銀被覆を生成するために、酒石酸ナトリウムカリウムの最小量は銅粉末100g当たり少なくとも65gでなくてはならない。銀イオン溶液は、1:3のモル比の硝酸銀及び水酸化アンモニウムの新たに調製された水溶液である。銀イオン溶液中に必要とされる銀の量は粒子の大きさに依存し、粒子の大きさが増加すると銀の量は減少する。1〜6ミクロンの範囲の大きさの銅、又は銅被覆粒子に必要とされる銀の量は50〜20重量%であり、6〜50ミクロンの範囲の大きさの粒子については25〜0.1重量%である。反応は周囲温度で実施する。処理に必要とされる合計時間は約15分であり、還元は5分以内に完了する。溶液をデカントし、粉末を濾過し、脱イオン水で洗浄してpH7にし、最終的に105℃で乾燥する。得られた銀層の厚さは10〜50nm、特に15〜30nmの範囲にあるが、析出した銀の量、及び金属基板の大きさに依存する。
【0047】
WO02/29132に記載されているように、銀はまた、電荷交換反応により、銅フレーク上に無電解めっきすることもできる。WO02/2913に記載の浴は少なくとも1つのハロゲン化銀錯体を含有し、銀(I)イオン(Ag)に対するいかなる還元剤も含有しない。WO02/29132に記載の銀めっき浴に含有されるハロゲン化銀錯体は、n及びmが整数を表し、XがCl、Br又はIである、Ag型の銀錯体である。一般に、n=1であり、m=2、3又は4である。
【0048】
浴は、ハロゲン化銀錯体として作用する塩化銀、臭化銀及び/又はヨウ化銀の錯体化合物を含有する。好ましくは、少なくとも1つの臭化銀錯体が含有される。これらの錯体は溶液中で銀(I)塩をハロゲン化塩と混合することにより対応する銀(I)イオンとハロゲン化物イオンとを錯化することにより形成される。銀(I)イオン化合物及びハロゲン化化合物のモル濃度に応じ、式:
【0049】
【化1】

【0050】
に従って、錯体アニオンが形成し、錯体安定性は、Cl<Br<Iの順に増加する。ハロゲン化錯体の場合、形成する好ましい錯体アニオンはAgCl及びAgCl2−であり、臭化物の場合、形成する好ましい錯体アニオンはAgBr及びAgBr2−である。
【0051】
ハロゲン化物錯体を生成するために、酢酸銀、硫酸銀又はメタンスルホン酸銀をハロゲン化アルカリもしくはアルカリ土類ハロゲン化物、又は正確な化学量論的比率(例えば、2〜3モルのハロゲン化物に対して1モルのAg)のハロゲン水素酸と水溶液中で合わせ、それにより錯体アニオンを処理中に生成してもよい。銀の濃度は、0.1〜20g/lとしてもよい。
【0052】
浴のpHは、pH調整手段、例えば錯体アニオンに相当するハロゲン水素酸、すなわち塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸のような酸又は塩基を使用して、0〜6、好ましくは2〜3.0の範囲内の値に調整する。
【0053】
減少した厚さの銀層でも細孔を生じさせないことをできるだけ保障するために、浴は、銀錯体化合物に加えて、少なくとも1つの銅阻害剤を含有してもよい。適切な阻害剤を選択することにより、銀の析出の間に依然として存在し、銅表面に対して開いている細孔が閉じられる。本発明の代替的かつ更に好ましい実施態様においては、基板を少なくとも1つの銅阻害剤を含有する後処理浴と接触させる。銀めっき浴中の成分、又は後処理浴中の成分の両方として使用してもよい銅阻害剤は、好ましくは、トリアゾール、テトラゾール、イミダゾール及びピラゾールを含む群から選択される。例えば、ベンゾトリアゾール及びトリルベンゾトリアゾールを利用してもよい。
【0054】
本発明の別の好ましい実施態様においては、本発明の浴は更に、銅(II)(Cu2+)イオンに対する少なくとも1つの錯化剤、例えばエチレンジアミン、アラニン二酢酸、アミノトリメチルホスホン酸及び1−ヒドロキシエチレン−1,1−ジホスホン酸を含有する。銅錯化剤を使用することにより、銀層中の間隙及び細孔の形成が減少する。浴は更に、少なくとも1つの表面活性剤、例えばポリグリコールエーテル又はアルキルアミンポリグリコールエーテルを含有してもよい。
【0055】
浴を調製するために、例えば以下の工程を実施してもよい:
最初に、銀塩を水に溶解する。次に、得られた溶液を加熱して、錯体アニオンの形成を促進する。その後、ハロゲン化アルカリ及びハロゲン水素酸水溶液を攪拌しながら加える。それにより、まずハロゲン化銀が析出する。しかし、この析出物は、ハロゲン化物を引き続き加えるにつれて再び溶解し、それにより、水溶液に可溶性の錯体アニオンが形成する。銀は、既に20℃より低い温度の浴から銅表面上に析出する。析出率は浴の温度及び銀イオン濃度に依存する。好ましくは、操作温度は35〜50℃の範囲の値に調整される。
【0056】
銀層に必要とされる厚さには非常に短い時間で到達する。10〜50、特に15〜30nmの厚さの銀層が1〜5分以内に析出する。この理由のため、本発明の浴はプリント回路基板を水平に製造するのに完全に適している。酸及びpHの選択も析出速度を決定する。
【0057】
本発明の方法を実施するために、少なくとも1つのハロゲン化銀錯体を含有し、Agイオンに対するいかなる還元剤も含有しない無電解銀めっき浴を調製し、その後、被覆される銅フレークを無電解銀めっき浴と接触させる。
【0058】
銅表面を銀で被覆するのに先立ち、基板に対する銀層の密着性を向上させるために銅表面を清浄化し、粗面化してもよい。例えば、表面活性剤を含有する酸溶液を洗浄のために使用してもよい。しかし、これは、銀被覆に先立ち、銅フレークが不適切な取り扱いを受けているのでなければ絶対に必要というものではない。必要であれば、その後銅フレークをすすいで、銅表面から洗浄液の残りを除去する。次に、銅表面を化学エッチング溶液により粗面化する。この目的のため、酸ペルオキソ二硫酸ナトリウム溶液又は塩化第二銅エッチング溶液のようなエッチング溶液を使用してもよい。エッチング溶液での処理の後、銀浴との接触に先立って銅フレークを再度すすぐ。銀被覆が完了してから、銅フレークを再度すすぎ、次に、後処理浴で後処理した後にすすいで最終的に乾燥させるか、あるいは後処理をしないで直接乾燥する。
【0059】
ガルバニック処理又は種々の基板に対する金属のいわゆる電着に従って、同じ化学作用を、還元表面の無電解めっき、例えば銅表面に対する銀析出に対して使用することができる。S. S. Djokic, Electroless Deposition of Metals and Alloys, The Westaim Corp., 51-133の総説及びHandbuch der Galvanotechnik, H.W. Dettner, Hanser Verlag, 1963などの参考文献に記載されているように、銀はまた、電荷交換反応により、銅フレーク上に無電解めっきすることができる。ガルバニック処理の浴は少なくとも1つのシアン化銀を含有し、コアの銅を除いて、銀(I)イオン(Ag)に対するいかなる還元剤も含有しない。銀めっき浴に含有されるハロゲン化銀錯体は、[Ag(CN)型の銀錯体である。錯体は、異なる銀塩、例えば硝酸銀、酢酸銀、クエン酸銀など、及び化学量論的量のシアン化カリウム、シアン化ナトリウム又は他のシアン化物源を使用して、水溶液中で合成することができる。銀の濃度は、0.1〜20g/lとしてもよい。
【0060】
浴のpHは、pH調整手段、例えば水酸化アンモニウムのような塩基を使用して、7〜12、好ましくは8〜10の範囲内の値に調整する。
【0061】
浴を調製するために、例えば以下の工程を実施してもよい:
最初に、銀塩を水に溶解する。その後、水中のシアン化カリウムを、攪拌しながら、清澄な無色の錯体溶液が形成されるまで滴下する。銀は、既に20℃より低い温度の浴から銅表面上に析出する。析出率は浴の温度及び銀イオン濃度に依存する。好ましくは、操作温度は20〜50℃の範囲の値に調整される。
【0062】
銀層に必要とされる厚さには非常に短い時間で到達する。10〜50、特に15〜30nmの厚さの銀層が、析出した銀の量及び金属基板の大きさに応じて、1〜5分以内に析出する。温度、銀イオン濃度、攪拌速度及び銀イオンの添加も析出速度及び被膜の形成を決定する。
【0063】
その後、銀被覆銅フレークを、本発明の熱処理に付する。
【0064】
銀被覆銅粒子の場合、熱処理により、
a)銅コア、
b)銀と銅の中間層、及び
c)銀の外層を含む粒子を得る。
【0065】
中間層内には、銀層(c)との中間層(b)の界面において銀の含有量が最も高く、銅コア(a)の方向に向かうにつれて連続的に減少する(勾配)。コア(a)及び中間層(b)の界面上では、銅と銀の混合物が、銅銀の状態図に従って存在する。
【0066】
本発明の方法に従って得られる金属被覆粒子を、導電性インクもしくは塗料の製造に使用することができる。
【0067】
したがって、本発明はまた、本発明の金属被覆粒子を含む組成物、例えば導電性インクもしくは塗料にも関する。
【0068】
組成物を、印刷可能な電子機器の製造、又は電磁障害(EMI)遮蔽のために使用することができる。
【0069】
導電性インクは、本発明の金属被覆粒子を含有するビヒクル/バインダー系を含む。そのようなバインダー系は、例えば有機溶媒に溶解したビニルもしくはアクリル樹脂に基づいている。他の既知のバインダー系は、例えばエポキシアクリルもしくはアクリル酸ポリエステル系に基づいている。例えば、US5653918、WO9945077及びUS2005194577を参照のこと。
【0070】
電子装置のハウジング用のEMI遮蔽のための塗料は、主に、架橋性官能基を有する有機バインダー樹脂;本発明の導電性粒子、特に銀被覆銅フレーク;溶媒;それ自身及び有機バインダー樹脂の官能基と架橋する有効量の架橋剤;及び有機バインダー樹脂の架橋剤との架橋を促進する触媒を含む。そのような塗料は、例えばWO00/11681に記載されており、これは参照により本明細書に組み込まれる。
【0071】
したがって、本発明はまた、本発明の金属被覆粒子を含む製品、例えばフロントグラス用の熱経路、回路基板、キーボードインレイ、無線IC(RFID)タグ及びラベルのアンテナ、又は携帯電話フレームにも関する。
【0072】
RFIDタグ及びラベルはアンテナ、アナログ及び/又はデジタル電子機器の組み合わせを有し、データを処理するソフトウェアと関連していることが多い。RFIDタグ及びラベルは、識別コードを有する対象物と関連付けるために広く使用されている。例えば、RFIDタグは、自動車内のセキュリティーロックとの連動、建物の出入管理、及び在庫及び小包追跡に使用される。RFIDタグ及びラベルの幾つかの例は、RFID ハンドブック, "Fundamentals and Applications in Klaus Finkenzeller", RFID Handbook, Contactless Smart Cards and Indentification, 2nd Edition, Wiley 2004(邦題:RFIDハンドブック−非接触ICカードの原理と応用、Klaus Finkenzeller著)、US-B-6,107,920、US-B-6,206,292,及びUS-B-6,262,292に記載されている。
【0073】
情報はRFIDチップに格納される。チップから情報を引き出すために、「基地局」は励磁信号をRFIDタグ及びラベルに送る。励磁信号はタグ又はラベルを活性化し、RFID回路は格納された情報を読取装置に送り返す。一般に、RFIDタグは十分な情報を保持かつ送信して、個人、荷物、在庫などを独自に識別する。RFIDタグはまた、処理の間RFIDチップに書き込まれる情報、例えば温度又は他のデータ型、及び物流履歴を格納するためにも使用することができる。RFIDチップは、RFIDタグ又はラベルの一部分である無線識別トランスポンダーの一部分であってよい。無線識別トランスポンダーは、種々の形態で広く利用可能である。インレイトランスポンダー用のアンテナは、非導電性支持体上に堆積した導電性トレースの形態であってよい。アンテナはフラットコイルなどの形状を有している。アンテナのリード線も堆積させ、非導電層を必要に応じて介在させる。メモリ及び他の制御機能が、支持体に搭載され、かつリード線を介してアンテナに操作可能に接続されたチップにより与えられる。
【0074】
本発明の導電性インクは、従来の印刷方法、特にスクリーン印刷、インクジェット印刷及びフレキソ印刷により基板に塗布することができる。好都合には、水性フレキソインク及び溶媒性ロータリースクリーンインクを利用する。水性フレキソインクは、例えばヒドロキシセルロースに基づき、溶媒性ロータリースクリーンインクは、例えばニトロセルロース、ポリエステル又はテルペノールに基づく。典型的にはこれらの配合物は、30〜95重量%、より好ましくは50〜80重量%の色素を有する。
【0075】
本発明の種々の特徴及び態様を、後述の実施例において更に説明する。これらの実施例は、当業者がいかに本発明の範囲内で操作させるか示すために提示されるが、それらは本発明の範囲を制限するものではなく、それらの範囲は請求の範囲においてのみ規定されるものである。後述の実施例ならびにその他明細書及び請求の範囲において特に示さない限り、部及びパーセントは全て重量部及び重量パーセントであり、温度は摂氏であり、圧力は大気圧かそれに近い圧力である。
【0076】
実施例
実施例1
a)約10ミクロンの大きさの銅フレーク(Copper Super, Wolstenholme)5gをエタノール30mlに懸濁した。この分散体に、硫酸アンモニウム1.16g、水酸化アンモニウム(25%)2ml及び水25mlを加えた。懸濁液を2分間撹拌した。その後、酒石酸ナトリウムカリウム4.5g及び水6.8gの溶液を滴下した。更に10分間攪拌した後、硝酸銀2.1g、水26g及び水酸化アンモニウム2.1ml(25%)の溶液を20分間かけて反応懸濁液に加えた。反応物を30分間撹拌した。生成物をガラスフリットで濾過し、水、エタノール及び酢酸エチルで順次洗浄した。真空下、60℃で乾燥した後、灰色を帯びた微粉末5gを得た。粉末の導電性は49’000S/cmであった。
【0077】
b)工程1a)で得た銀被覆銅フレークからなる粉末をアルゴン流中で流動化し、30kWの電力で作動するTekna PL-70プラズマトーチを用い、2.6kg/時の速度で、プラズマ反応器内に供給した。シースガスは、150slpmのアルゴン及び10slpmの水素[slpm=標準リットル毎分;slpmの計算についての標準的な条件は次のように定義される:T=0℃(32°F)、P=1.01bar(14.72psi)]の混合物であり、中央の気体は40slpmのアルゴンである。操作圧力は大気圧よりわずかに低く維持した。被覆の外表面のみを加熱し、銅基板の固体構造の維持を可能にするために、銀被覆銅フレークに用いた温度を最適化した。加熱の程度を制御して、銀層と銅基板の間での銀及び銅の混合層の形成を促進することができた。熱交換領域を通過した後、処理されたフレークを回収した。
【0078】
当業者であれば容易に、更なる有利な点及び改善を得ることができるであろう。したがって、本発明は、広範な態様において、特定の詳細、ならびに本明細書に示され、記載された例証的な実施例に限定されるものではない。したがって、添付された請求の範囲及びその同等物により定義された本発明の全般的な概念についての精神及び範囲から逸脱することなく、種々の変更をなし得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)(a)基板と
(b)基板上の金属層とを含む粒子を供給すること;
(B)プラズマ反応器内でプラズマにより粒子を処理するか、あるいは流動層又は高温壁流動反応器内で高温の気体により粒子を処理することを含む、金属被覆粒子の処理方法。
【請求項2】
(A)(a)基板と
(b)基板上の金属層とを含む粒子を供給すること;
(B1)前記粒子を気体の流れに同伴させて、プラズマトーチへ輸送すること;
(B2)前記気体の流れの中にプラズマを生成して、粒子の外表面を加熱すること;
(C)前記粒子を冷却させること;及び
(D)前記粒子を回収することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
層(b)が湿式化学法により析出されたものである、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
基板(a)が、無機もしくは有機の基板、特に天然もしくは合成の雲母、別の層状ケイ酸塩、ガラス、Al、SiO、特にSiO、SiO/SiO/SiO(0.03≦x≦0.95)、SiO1.40−2.0/SiO0.70−0.99/SiO1.40−2.0、又はSi/SiO(ここで、0.70≦z≦2.0、特に1.40≦z≦2.0)、あるいは、ポリマー基板、例えばポリスチレン(PS)ラテックス、ポリメチルメタクリラート(PMMA)、又はポリエチレン(PE)、特に黒鉛、Cu、Zn、Ag、Au、又はNiである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
基板(b)上の金属層が、Ag、Au又はPt、あるいはその合金からなる(但し、層(b)の金属は基板(a)の金属とは異なる)、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
粒子が、銀被覆シリカ粒子、金被覆シリカ粒子、銀被覆PSラテックス粒子、金被覆PSラテックス粒子、銀被覆雲母粒子、金被覆雲母粒子、銀被覆黒鉛粒子、金被覆黒鉛粒子、銀被覆銅粒子、銀被覆ニッケル粒子、金被覆銅粒子、金被覆銀粒子、白金被覆金粒子、白金被覆銀粒子、白金被覆銅粒子、又は白金被覆ニッケル粒子である、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法に従って得られる金属被覆粒子。
【請求項8】
導電性インクまたは塗料のような、請求項7に記載の金属被覆粒子を含む組成物。
【請求項9】
フロントグラス用の熱経路、回路基板、キーボードインレイ、RFIDタグ及びラベルのアンテナ、又は携帯電話フレームのような、請求項7に記載の金属被覆粒子を含む製品。
【請求項10】
請求項7に記載の金属被覆粒子の、印刷可能な電子機器の製造、又はEMI遮蔽への使用。

【公表番号】特表2009−533552(P2009−533552A)
【公表日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−504686(P2009−504686)
【出願日】平成19年4月2日(2007.4.2)
【国際出願番号】PCT/EP2007/053148
【国際公開番号】WO2007/115964
【国際公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【出願人】(508120547)チバ ホールディング インコーポレーテッド (81)
【氏名又は名称原語表記】CIBA HOLDING INC.
【Fターム(参考)】