説明

金属部材の洗浄方法

【課題】金属部材表面に付着したシリカ及びシランカップリング剤等を除去することが可能な金属部材の洗浄方法を提供する。
【解決手段】塩化水素とフッ化アンモニウムと水とを含む洗浄剤によって金属部材の表面を洗浄する工程を含む金属部材の洗浄方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリカ及びシランカップリング剤の除去を目的とした、金属ロールの洗浄方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年では、ゴム製品、例えば、タイヤ等の高性能化を図るために、タイヤのトレッド等に用いられるゴム組成物にシリカ及びシランカップリング剤を配合することが行われている。
【0003】
ゴム製品の加工プロセスにおいて、シリカ及びシランカップリング剤を配合したゴム組成物を用いると、金属ロールなどの金属部材表面に未反応のシリカやシランカップリング剤が付着してしまうことがある。このようなロール表面へのシリカやシランカップリング剤の付着は、ロールの使用継続に伴ってその量が増大する。しかし、ロール表面へのシリカ等の付着量が増大すると、ロール表面に付着したシリカやシランカップリング剤が作用して、加工処理されるゴム組成物とロール表面との接着力が高まり、ロール表面とゴム組成物との密着を引き起こしてしまう。例えば、未加硫ゴムの加工工程の一つとしてロール圧延があるが、シリカやシランカップリング剤が表面に付着した圧延ロールを用いると、ゴム組成物がロールに密着してしまい、著しく生産能力を悪化させてしまう。このように、ロール表面にゴム組成物が密着してしまうとそのロールは継続使用が困難になってしまうという問題があった。
【0004】
これに対し、従来ではロールの機能を復旧させるために、例えば、ロール表面をメッキ処理して未使用状態と同等の状態にまで回復させるか、又は、ロール自体を未使用ロールに交換する手段が採用されていた。しかし、これらの手段では、多大なコストが生じることから、密着防止剤をゴム組成物に配合し密着性の低減を図ろうとする試みがなされている。また、ロール表面へのシリカ等の密着を防止すべく、各種ロール表面の材質やロールの洗浄方法などの検討もなされていた。しかし、これら検討された手段は、いずれも十分な効果を得られるものはなかった。
以上のような状況に対し、例えば、次亜塩素酸ナトリウム水溶液又は過酸化水素水からなる洗浄液を用いてゴム用ロールを洗浄する方法が提案されている(例えば、前記特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−334702号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上述の方法においても、ロール表面へのシリカやシランカップリング剤の洗浄効果は十分満足いくものとは言い難く、更なる検討の余地があった。
近年では、タイヤ等ゴム製品にシリカ及びシランカップリング剤が用いることが多くなってきており、これらに起因する上述のようなロール表面の密着という問題の重要性が増してきている。従って、特にシリカやシランカップリング剤を配合したゴム製品の加工プロセスに使用される金属ロールに対して、その表面に付着したシリカ及びシランカップリング剤を十分に除去可能な洗浄方法の開発が切望されている。
【0007】
本発明は、上述の課題を解決すべく、金属部材表面に付着したシリカ、シランカップリング剤及びこれらの反応物等を除去することが可能な金属部材の洗浄方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
<1> 少なくとも、塩化水素とフッ化アンモニウムと水とを含む洗浄剤によって金属部材の表面を洗浄する工程を含む金属部材の洗浄方法である。
【0009】
<2> 前記金属部材は、ゴム成分とシリカとシランカップリング剤とを含むゴム組成物の加工に用いられた部材である前記<1>に記載の金属部材の洗浄方法である。
【0010】
<3> 前記金属部材は、金属ローラである前記<1>又は<2>に記載の金属部材の洗浄方法である。
【0011】
<4> 前記洗浄剤中の前記塩化水素の含有量が、0.1〜20質量%である前記<1>〜<3>のいずれかに記載の洗浄方法である。
【0012】
<5> 前記洗浄剤中の前記フッ化アンモニウムの含有量が、0.1〜10質量%である前記<1>〜<4>のいずれかに記載の洗浄方法である。
【0013】
<6> 前記洗浄剤中における前記塩化水素(x)と前記フッ化アンモニウム(y)との質量比(x:y)が、1:1〜1:5である前記<1>〜<5>のいずれかに記載の洗浄方法である。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、金属部材表面に付着したシリカ及びシランカップリング剤等を除去することが可能な金属部材の洗浄方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の金属部材の洗浄方法(以下、単に「本発明の洗浄方法」という場合がある。)は、少なくとも、塩化水素とフッ化アンモニウムと水とを含む洗浄剤によって金属部材の表面を洗浄する工程(以下、「本発明における洗浄工程」という場合がある。)を含み、所望に応じて乾燥工程や水洗工程等の他の工程を含んでいてもよい。本発明の洗浄方法は、シリカ(SiO)及びシランカップリング剤を配合した材料の加工プロセス等に用いられた金属部材を特定の洗浄剤を用いて洗浄することで、金属部材表面に付着したシリカ、シランカップリング剤及びこれらの反応物を効果的に除去することができる。
【0016】
前記洗浄工程は、金属部材の表面を特定の洗浄剤を用いて洗浄する工程である。前記金属部材としては、シリカ(SiO)及びシランカップリング剤を配合した材料の加工プロセス等に用いられた金属部材であれば特に限定はないが、例えば、ゴム製品の製造プロセスにおいて用いられる圧延ローラや押出機のスクリュー等が挙げることができる。特に、ゴム製品の製造プロセスにおいて用いられる圧延ローラ表面にシリカやシランカップリング剤が付着していると、これらを別に含むゴム組成物を圧延した際に、ゴム組成物がローラ表面に密着してしまい、著しく加工効率を低下させる原因となってしまう。以上の観点から、本発明の洗浄方法は、ゴム成分とシリカとシランカップリング剤とを含むゴム組成物の加工に用いられた金属部材(特に、圧延ローラ等の金属ローラ)の洗浄に好適に用いることができる。また、上記金属部材を構成する金属としては、特に、鉄、クロム、ニッケルを含む合金、クロム、ニッケルを用いたメッキ等が挙げられる。
【0017】
−洗浄剤−
本発明の洗浄方法に用いられる洗浄剤は、少なくとも、塩化水素とフッ化アンモニウムと水を含む。前記洗浄剤によって、金属部材表面上に付着したシリカ、シランカップリング剤及びこれらの反応物を効果的に除去できる。ここで、「シランカップリング剤」とは、構造式:Y−Si(OR)で表わすことができるように、一般的に、一つの分子中に有機物との反応や相互作用が可能な有機官能基「Y」と、加水分解性基「OR」の両者を併せ持つ有機ケイ素化合物を意味する。シランカップリング剤は、有機官能基「Y」を介して有機ポリマー等と結合し、更に加水分解性基「OR」を反応させることによって無機物表面等と化学結合を形成することができる。このような作用によって、シランカップリング剤は、化学的性質の異なる材料を強固に結びつけることでき、例えば、無機物であるシリカとゴム等とを強固に結び付けることができる。しかし、金属部材表面に付着した未反応のシランカップリング剤やシリカはその反応によって、金属部材表面と強固に結合してしまう。また、このようなシリカやシランカップリング剤が金属部材表面に存在すると、例えば金属ローラでゴム組成物を圧延する際にゴム組成物のゴムやシリカと金属部表面のシランカップリング剤とが反応してしまい、金属部材表面にゴム組成物を密着させる原因となってしまう。
【0018】
前記洗浄剤において、金属部材表面に強固に付着したシリカ及びシランカップリング剤を効果的に除去できる作用については明らかではないが、フッ化アンモニウムがシリカを溶解し、かつ、塩化水素が加水分解によってシランカップリング剤のSi−O−R基のO−R結合を切断して、Si−OH基に変換することでシランカップリング剤の無機物表面に対する反応性を低下させることができるためであると推測される。
【0019】
前記塩化水素は、化学式HClで表される。前記塩化水素は水と共に、塩酸(塩化水素の水溶液)の状態で用いてもよい。前記塩酸は塩化水素酸とも称される。また、塩酸は強い一価の酸である。前記塩酸は、ソルベー法や、イオン交換膜法による水酸化ナトリウム製造の際の副産物である塩素と水素とを反応させ、生成した塩化水素を水に溶かすことによって製造したり、炭化水素を塩素化する際の副生品としても得ることができる。
【0020】
前記洗浄剤中の塩化水素の含有量は、取り扱い上の安全性及び十分な洗浄効果を得る観点から、0.1〜20質量%であることが好ましく、0.5〜10質量%が特に好ましい。
【0021】
前記フッ化アンモニウムは、化学式NHFで表される化合物である。前記フッ化アンモニウムは、氷冷したフッ化水素酸にアンモニアを通じて析出させるか、又は、塩化アンモニウムとフッ化ナトリウムとの混合物若しくは硫酸アンモニウムとフッ化カルシウムとの混合物を加熱し、昇華させて得ることができる。フッ化アンモニウムは、SiO+4HF+2NHF→(NH)2SiF+2HOで表されるように、シリカ(SiO)を溶解することができる。
【0022】
前記洗浄剤中のフッ化アンモニウムの含有量は、取り扱い上の安全性及び十分な洗浄効果を得る観点から、0.1〜10質量%であることが好ましく、0.5〜5質量%が特に好ましい。
【0023】
また、前記洗浄剤中における塩化水素(x)とフッ化アンモニウム(y)との質量比(x:y)は、十分な洗浄効果を得る観点から、1:1〜1:5であることが好ましく、1:1〜1:2が特に好ましい。
【0024】
前記洗浄剤には水が含まれる。前記洗浄剤中の水の含有量は特に限定はなく、前記塩化水素及びフッ化アンモニウム、更に所望の添加剤等を所望の含有量に調整するために適宜決定することができる。前記洗浄剤には所望の目的に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で他の添加物を配合することができる。前記他のリン酸等のpH調整剤、相溶化剤、界面活性剤、水等を用いることができる。これらの他の添加剤の前記洗浄剤中の含有量は、特に限定はないが、50質量%以下であることが好ましく、40質量%以下が特に好ましい。
【0025】
前記洗浄剤のpHは、酸性条件下でシランカップリング剤の加水分解反応を進行させるべく、2〜6であることが好ましく、2〜3が特に好ましい。
また、上記洗浄剤は、上述の材料を攪拌とすることで調製することができる。
【0026】
−洗浄方法−
前記洗浄工程における金属部材の洗浄方法としては、特に限定されるものではないが、前記洗浄剤を布にしみ込ませてロールを拭く方法や、前記金属ローラ等の金属部材を装置から取り外して、洗浄剤中に浸漬させる方法が挙げられる。前記金属ローラ等を洗浄剤に浸漬させる場合、洗浄液の温度は、取り扱い上の安全性及び十分な洗浄効果を得る観点から、10〜90℃が好ましく、20〜40℃が特に好ましい。また、浸漬時間としては、十分な洗浄効果を得ること且つ金属腐食を考慮し、0.5min〜300minが好ましく、1min〜180minが更に好ましく、5min〜60minが特に好ましい。
【0027】
金属部材へのゴム組成物の付着は、特に、シリカ100質量部に対してシランカップリング剤を4質量部以上含有したゴム組成物の加工プロセスにおいて、シランカップリング剤の未反応分がロールに付着するという問題が生じやすい。このため、本発明の洗浄方法によって洗浄される金属部材としては、ゴム成分とシリカとシランカップリング剤とを含むゴム組成物の加工に用いられた部材であることが好ましく、更に、シリカ100質量部に対してシランカップリング剤を4質量部以上含むゴム組成物の加工に用いられた部材であることが更に好ましい。
【実施例】
【0028】
以下、本発明について実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明は以下に限定されるものではない。
【0029】
[実施例1]
下記組成を配合し、ゴム組成物Aを調製した。
【0030】
<ゴム組成物Aの組成>
・SBR系ゴム 100質量部
・シリカ 72質量部
・シランカップリング剤 7質量部
【0031】
次いで、金属表面を有する一対の圧延ロールを有する圧延装置を準備した。この際、ロール間のギャップは0.7mmとなるように調整した。その後、当該圧延装置を操作して、上記ゴム組成物を、20000分間圧延し続けた。すると、圧延ロール表面にシリカ及びシランカップリング剤が付着し、更に、ゴム組成物と圧延ロール表面との密着が発生した。
【0032】
密着の発生した圧延ロールを圧延装置から取り外し、下記組成の洗浄剤に一時間浸漬した。尚、下記洗浄剤のpHを下記表1に示す。
【0033】
[洗浄剤の組成]
・塩化水素 5質量%
・フッ化アンモニウム 5質量%
・水 90質量%
【0034】
圧延ロールを1時間洗浄剤に浸漬した後、圧延ロールを洗浄剤から取り出し、水洗いした。
【0035】
次いで、洗浄後の圧延ロールを再び圧延装置に設置し、当該圧延装置を操作して、上記ゴム組成物を圧延し続けた。すると、ゴム組成物の密着発生まで20000分間以上、継続使用が可能であった。
【0036】
[実施例2]
実施例1において、ゴム組成物Aを下記ゴム組成物Bに変更した以外は同様にして、シリカ等除去後から再び密着が発生するまでの時間を計測した。ゴム組成物Bを用いた場合であっても、実施例1と同様に、洗浄後ゴム組成物の密着発生まで20000分間以上、継続使用が可能であった。
【0037】
<ゴム組成物Bの組成>
・SBR系ゴム 100質量部
・シリカ 82質量部
・シランカップリング剤 12質量部
【0038】
[実施例3]
実施例1において、ゴム組成物Aを下記ゴム組成物Cに変更し、更に、圧延ロール間のギャップを0.5mmに調整した以外は同様にして、シリカ等除去後から再び密着が発生するまでの時間を計測した。結果、ゴム組成物Cを用い、圧延ロールのギャップを0.5mmに調整した場合であっても、洗浄後ゴム組成物の密着発生まで5000分間以上、継続使用が可能であった。
【0039】
<ゴム組成物Cの組成>
・SBR系ゴム 100質量部
・シリカ 34質量部
・シランカップリング剤 3質量部
【0040】
[比較例1]
実施例1において、上記洗浄剤による洗浄の代わりにレーザークリーニングによって、圧延ロール上を洗浄した以外は実施例1と同様にして、当該洗浄実施後から再び密着が発生するまでの時間を計測した。この場合、洗浄後すぐにゴム組成物の密着が発生してしまった(密着までの時間0分間)。
【0041】
<レーザークリーニングの条件>
「Impact3150」Lumonics社製を用い、圧延ロールに対し以下の条件でレーザークリーニングを実施した。
・波長:10.6μm
・出力:65W
・周波数:30Hz
・照射時間:60min
【0042】
[比較例2]
実施例1において、上記洗浄剤による洗浄の代わりに下記条件におけるドライアイスクリーニングによって、圧延ロール上を洗浄した以外は実施例1と同様にして、当該洗浄実施後から再び密着が発生するまでの時間を計測した。この場合、洗浄後すぐにゴム組成物の密着が発生してしまった(密着までの時間0分間)。
【0043】
<ドライアイスクリーニングの条件>
まず、密着の発生した圧延ロールを圧延装置から取り外し、当該ロールを200℃以上に加熱後、ドライアイス(日本炭酸製)を下記の条件にて噴霧した。
・噴霧圧:0.6MPa
・噴霧時間:3min以上
【0044】
[比較例3]
実施例1において、上記洗浄剤による洗浄の代わりに、圧延ロールに550℃・40分間の条件で高温処理を施し、その後、圧延ロール表面をダイヤモンド研磨することでロール上を処理した以外は実施例1と同様にして、当該処理後から再び密着が発生するまでの時間を計測した。この場合、処理後ゴム組成物の密着発生まで100分間程度、継続使用が可能であった。
【0045】
[比較例4]
実施例1において、上記洗浄剤による洗浄の代わりに次亜塩素ナトリウム溶液(「キッチンハイター」花王(株)製)で洗浄した以外は実施例1と同様にして、当該洗浄実施後から再び密着が発生するまでの時間を計測した。この場合、洗浄後すぐにゴム組成物の密着が発生してしまった(密着までの時間0分間)。
【0046】
[比較例5]
実施例1において、上記洗浄剤による洗浄の代わりにオキシドール溶液(「オキシドール」健栄製薬(株)製)で洗浄した以外は実施例1と同様にして、当該洗浄実施後から再び密着が発生するまでの時間を計測した。この場合、洗浄後すぐにゴム組成物の密着が発生した(密着までの時間0分間)。
【0047】
[比較例6]
実施例1において、上記洗浄剤による洗浄の代わりにヘキサン溶液(「パーツクリーナー」呉工業(株)製)で洗浄した以外は実施例1と同様にして、当該洗浄実施後から再び密着が発生するまでの時間を計測した。この場合、洗浄後すぐにゴム組成物の密着が発生した(密着までの時間0分間)。
【0048】
[比較例7]
実施例1において、上記洗浄剤による洗浄の代わりにアセトン溶液(和光純薬(株)製)で洗浄した以外は実施例1と同様にして、該洗浄実施後から再び密着が発生するまでの時間を計測した。この場合、洗浄後すぐにゴム組成物の密着が発生した(密着までの時間0分間)。
【0049】
《金属ローラ表面のシリカ濃度》
実施例1〜2及び比較例1〜2で使用された圧延ローラについて、未使用状態時、密着発生時(洗浄前)、洗浄後における圧延ローラ表面におけるシリカ濃度(atomic%)を、「Quantum2000」アルバック・ファイ(株)製を用いて元素分析にて測定した。結果を下記表1に示す。
【0050】
【表1】

【0051】
上記表1の結果からわかるように、本発明の洗浄方法を施した実施例では、圧延ロール表面のシリカ濃度が、ほぼ未使用時の状態にまで回復しており、その後十分に継続使用できたことがわかる。一方、本発明の洗浄方法以外の手段によって、圧延ロール表面を洗浄した比較例においては、圧延ロール表面のシリカ濃度が洗浄(除去)後においても十分に低減しておらず、その後継続使用することが困難であった。
【0052】
以上のように、本発明の金属部材の洗浄方法によれば、金属部材表面に付着したシリカ及びシランカップリング剤を十分に除去できることがわかる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも、塩化水素とフッ化アンモニウムと水とを含む洗浄剤によって金属部材の表面を洗浄する工程を含む金属部材の洗浄方法。
【請求項2】
前記金属部材は、ゴム成分とシリカとシランカップリング剤とを含むゴム組成物の加工に用いられた部材である請求項1に記載の金属部材の洗浄方法。
【請求項3】
前記金属部材は、金属ローラである請求項1又は2に記載の金属部材の洗浄方法。
【請求項4】
前記洗浄剤中の前記塩化水素の含有量が、0.1〜20質量%である請求項1〜3のいずれか1項に記載の洗浄方法。
【請求項5】
前記洗浄剤中の前記フッ化アンモニウムの含有量が、0.1〜10質量%である請求項1〜4のいずれか1項に記載の洗浄方法。
【請求項6】
前記洗浄剤中における前記塩化水素(x)と前記フッ化アンモニウム(y)との質量比(x:y)が、1:1〜1:5である請求項1〜5のいずれか1項に記載の洗浄方法。

【公開番号】特開2013−49007(P2013−49007A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−187805(P2011−187805)
【出願日】平成23年8月30日(2011.8.30)
【出願人】(000005278)株式会社ブリヂストン (11,469)
【Fターム(参考)】