説明

金属酸化物分散体

界面張力が30mNm-1未満である少なくとも1種の極性材料と界面張力が30mNm-1より大きい少なくとも1種の非極性材料との混合物を含む媒体中に分散させた、体積メジアン粒径が24〜42nmの範囲の金属酸化物粒子を含む分散体。この分散体は日焼け止め製品に混合することができ、その日焼け止め製品は効果的なUV防護性、透明性、改良された皮膚感触を示す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は金属酸化物粒子分散体に関し、特に日焼け止め製品におけるその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
二酸化チタン、酸化亜鉛及び酸化鉄のような金属酸化物は、日焼け止めにおいて紫外線減衰剤として使用されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
紫外線と皮膚ガンの関連についての意識が高まってきているため、日常のスキンケア製品及び化粧品における、紫外線防護への要求が増してきている。日焼け止め製品中に組み入れたときに、効果的なUV吸収特性を示し、使用時に透明であり、かつ心地よい皮膚感触を有する形態の金属酸化物が必要とされている。これら全ての特性を備えた製品を提供することは非常に難しい課題であり、これらの特性を改良すること、特に透明性と皮膚感触を改良することが、市場において常に必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
驚くべきことに、我々は前述の問題の少なくとも1つを克服する又は顕著に軽減する、改良された金属酸化物分散体を発見した。
【0005】
従って、本発明は、体積メジアン粒径が24〜42nmの範囲の金属酸化物粒子を、界面張力が30mNm-1未満である少なくとも1種の極性材料と界面張力が30mNm-1より大きい少なくとも1種の非極性材料との混合物を含む媒体中に分散させてなる分散体を提供する。
【0006】
また本発明は、体積メジアン粒径が24〜42nmの範囲の金属酸化物粒子を、(i)安息香酸アルキル(C12−15)、トリ(カプリル/カプリン酸)グリセリル、イソノナン酸セテアリル、イソステアリン酸エチルヘキシル、パルミチン酸エチルヘキシル、イソノナン酸イソノニル、イソステアリン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、イソステアリン酸イソステアリル、ネオペンタン酸イソステアリル、オクチルドデカノール、テトライソステアリン酸ペンタエリスリチル、PPG−15ステアリルエーテル、トリエチルヘキシルトリグリセリド(triethylhexyl triglyceride)、炭酸ジカプリリル、ステアリン酸エチルヘキシル、ヒマワリ種子油、パルミチン酸イソプロピル及びネオペンタン酸オクチルドデシルからなる群から選択される少なくとも1種の極性材料と、(ii)C13−14イソパラフィン、イソヘキサデカン、鉱物油、スクワラン、スクワレン、水素化ポリイソブテン及びポリデセンからなる群から選択される少なくとも1種の非極性材料との混合物を含む媒体中に分散させてなる分散体を提供する。
【0007】
さらに本発明は、界面張力が30mNm-1未満である少なくとも1種の極性材料と界面張力が30mNm-1より大きい少なくとも1種の非極性材料との混合物を含む媒体中に分散させた、体積メジアン粒径が24〜42nmの範囲の金属酸化物粒子を含む分散体から形成される日焼け止め製品を提供する。
【0008】
さらに本発明は、体積メジアン粒径が24〜42nmの範囲の金属酸化物粒子と、(i)トリエチルヘキシルトリグリセリド、安息香酸アルキル(C12−15)、トリ(カプリル/カプリン酸)グリセリル、イソノナン酸イソノニル、ネオペンタン酸イソステアリル及びネオペンタン酸オクチルドデシルからなる群から選択される少なくとも1種の極性材料、並びに(ii)イソヘキサデカン、水素化ポリイソブテン及びスクワランからなる群から選択される少なくとも1種の非極性材料を含む日焼け止め製品を提供する。
【0009】
さらに本発明は、改良された皮膚感触を有する日焼け止めを製造するために、界面張力が30mNm-1未満である少なくとも1種の極性材料と界面張力が30mNm-1より大きい少なくとも1種の非極性材料との混合物を含む媒体中に分散させた、体積メジアン粒径が24〜42nmの範囲の金属酸化物粒子を含む分散体の使用を提供する。
【0010】
さらに本発明は、改良された皮膚感触を有する透明な日焼け止めの製造における、界面張力が30mNm-1未満である少なくとも1種の極性材料と界面張力が30mNm-1より大きい少なくとも1種の非極性材料との混合物を含む媒体中に分散させた、体積メジアン粒径が24〜42nmの範囲の金属酸化物粒子を含む分散体の使用を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
好ましくは、本発明に使用される金属酸化物は、チタン、亜鉛又は鉄の酸化物を含み、最も好ましい金属酸化物は二酸化チタンである。
【0012】
好ましい二酸化チタン粒子は、アナターゼ及び/又はルチル結晶形を含む。粒子中の二酸化チタンは、好ましくは主要部がルチルで構成され、より好ましくは60質量%より多く、特に70質量%より多く、とりわけ80質量%より多くがルチルで構成される。粒子中の二酸化チタンは、好ましくは0.01〜5質量%、より好ましくは0.1〜2質量%、特に0.2〜0.5質量%の範囲がアナターゼで構成される。加えて、粒子中の二酸化チタンは、好ましくは40質量%未満、より好ましくは30質量%未満、特に25質量%未満がアモルファス二酸化チタンで構成される。基となる粒子は、塩化物プロセスを用いるか、硫酸塩プロセスによるか、二塩化酸化チタン又は有機もしくは無機チタネートのような適当なチタン化合物の加水分解によるか、又は酸化可能なチタン化合物、例えば蒸気状態のチタン化合物の酸化によるなどの、標準的な手順によって調製することができる。二酸化チタン粒子は、好ましくはチタン化合物、特に二塩化酸化チタンの加水分解によって調製される。
【0013】
本発明に使用される金属酸化物粒子は、好ましくは疎水性である。金属酸化物の疎水性は、本技術分野で知られている標準的な手法により、金属酸化物粉末の円盤をプレスし、その上に置かれた一滴の水の接触角を測定することによって決定できる。疎水性金属酸化物の接触角は、好ましくは50°より大きい。
【0014】
金属酸化物粒子は、それらを疎水性とするために好ましくは被覆される。適した被覆材料は撥水性、好ましくは有機系であって、脂肪酸、好ましくはラウリン酸、ステアリン酸及びイソステアリン酸のような炭素原子10〜20個を含む脂肪酸、ナトリウム塩及びアルミニウム塩のような前述の脂肪酸塩、ステアリルアルコールのような高級アルコール、ポリジメチルシロキサン及び置換ポリジメチルシロキサンのようなシリコーン、メチルヒドロシロキサンのような反応性シリコーン、並びにこれらのポリマー及びコポリマーを含む。ステアリン酸及び/又はその塩が特に好ましい。有機被覆剤は任意の従来法を用いて適用できる。通常は、金属酸化物粒子を水中に分散し、50℃〜80℃の範囲の温度に加熱する。その後、例えば、脂肪酸塩(例えばステアリン酸ナトリウム)を分散体に添加し、続いて酸を添加することによって、脂肪酸を金属酸化物粒子上に堆積する。その代わりに、金属酸化物粒子を撥水性材料の有機溶剤溶液と混合し、その後溶剤を蒸発させてもよい。本発明の別の実施態様においては、疎水性被覆がその場で形成するように、組成物の調製中に撥水性材料を本発明の組成物に直接添加してもよい。粒子の処理には、金属酸化物のコア粒子に関して計算したときに、通常は25質量%以下、より好ましくは3質量%〜20質量%、特に6質量%〜17質量%、とりわけ10質量%〜15質量%の範囲の有機材料、好ましくは脂肪酸を用いる。
【0015】
その代わりに又は付加的に、金属酸化物粒子が無機被覆を有していてもよい。例えば、アルミニウム、ジルコニウムもしくはシリコンの酸化物のような他元素の酸化物、又はGB−2205088に開示されているアルミナ及びシリカのようなこれらの混合物を用いて、二酸化チタンのような金属酸化物粒子を被覆してもよく、その教示されている内容は参照することによって本明細書の一部とする。無機被覆剤の好ましい量は、金属酸化物のコア粒子の質量に関して計算したときに、2質量%〜25質量%、より好ましくは4質量%〜20質量%、特に6質量%〜15質量%、とりわけ8質量%〜12質量%の範囲である。無機被覆剤は本技術分野で知られている手法を用いて適用できる。典型的な方法は、その酸化物が被覆を形成することになる無機元素の可溶性塩の存在下、金属酸化物粒子の水性分散体を形成することを含む。この分散体は選択した塩の性質により通常酸性又は塩基性であって、必要に応じ酸又はアルカリを添加して分散体のpHを調節することにより、無機酸化物の析出が行われる。
【0016】
本発明の好ましい実施態様においては、無機及び有機被覆剤の両方を、逐次的に用いるか又は混合物として用いることのいずれかによって、無機酸化物粒子を被覆する。無機被覆剤、好ましくはアルミナを最初に適用し、続いて有機被覆剤、好ましくは脂肪酸及び/又はその塩を適用することが好ましい。このように、本発明において使用される好ましい金属酸化物粒子は、(i)金属酸化物、好ましくは二酸化チタンを、粒子の総質量に対して、60質量%〜98質量%、より好ましくは65質量%〜95質量%、特に70質量%〜80質量%、とりわけ72質量%〜78質量%の範囲の量、(ii)無機被覆剤、好ましくはアルミナを、粒子の総質量に対して、0.5質量%〜15質量%、より好ましくは2質量%〜12質量%、特に5質量%〜10質量%、とりわけ6質量%〜9質量%の範囲の量、及び(iii)有機被覆剤、好ましくは脂肪酸及び/又はそれらの塩を、粒子の総質量に対して、1質量%〜21質量%、より好ましくは4質量%〜18質量%、特に7質量%〜15質量%、とりわけ9質量%〜12質量%の範囲の量で含む。そのような金属酸化物粒子は、驚くべきことに光安定性及び分散性の両方が改良されるという組み合わせを提供する。
【0017】
個々の、すなわち一次の金属酸化物粒子は、好ましくはその形状が針状であり、長軸(最大寸法すなわち長さ)及び短軸(最小寸法すなわち幅)を有している。粒子の第3軸(すなわち奥行き)は好ましくは幅とほぼ同じ寸法である。一次の金属酸化物粒子の数平均長さ(mean length by number)は、適切には50〜90nm、好ましくは55〜77nm、より好ましくは55〜73nm、特に60〜70nm、とりわけ60〜65nmの範囲である。粒子の数平均幅(mean width by number)は、適切には5〜20nm、好ましくは8〜19nm、より好ましくは10〜18nm、特に12〜17nm、とりわけ14〜16nmの範囲である。二酸化チタンの一次粒子の平均アスペクト比d1:d2(d1及びd2はそれぞれ粒子の長さ及び幅)は、好ましくは2.0〜8.0:1、より好ましくは3.0〜6.5:1、特に4.0〜6.0:1、とりわけ4.5〜5.5:1の範囲である。一次粒子の粒度は、電子顕微鏡検査によって適切に測定することができる。透過型電子顕微鏡を用いて得られた画像から選択した、フィラー粒子の長さ及び幅を測定することにより粒度を決定できる。
【0018】
金属酸化物粒子の平均結晶大きさ(ここで記載するようにX線回折によって測定される)は、適切には4〜10nm、好ましくは5〜9nm、より好ましくは5.5〜8.5nm、特に6〜8nm、とりわけ6.5〜7.5nmの範囲である。金属酸化物粒子の結晶大きさの分布は重要な場合があり、適切には少なくとも30質量%、好ましくは少なくとも40質量%、より好ましくは少なくとも50質量%、特に少なくとも60質量%、とりわけ少なくとも70質量%の金属酸化物粒子の結晶大きさは、平均結晶大きさについて前述した好ましい範囲のうちの1つ又はそれ以上の範囲に収まっている。
【0019】
本発明に従い粒子状金属酸化物が分散体へと形成される場合、ここに記載したように測定した場合の、粒子状金属酸化物の体積メジアン粒径(全粒子の体積の50%に相当するところの球相当径であって、体積%を粒径と関連させた累積分布曲線から読み取られ、しばしば「D(v,0.5)」値と呼ばれる。)(以下分散粒径と呼ぶ)は、適切には24〜42nm、好ましくは27〜39nm、より好ましくは29〜37nm、特に31〜35nm、とりわけ32〜34nmの範囲である。
【0020】
分散体中の金属酸化物粒子の粒度分布もまた、例えば所望の特性を有する日焼け止め製品を得る上で、重要なパラメータでありうる。好ましい実施態様において、金属酸化物粒子のうち10体積%未満の体積径は、体積メジアン粒径から下回る量が、適切には13nm未満、好ましくは11nm未満、より好ましくは10nm未満、特に9nm未満、とりわけ8nm未満である。加えて、金属酸化物粒子のうち16体積%未満の体積径は、体積メジアン粒径から下回る量が、適切には11nm未満、好ましくは9nm未満、より好ましくは8nm未満、特に7nm未満、とりわけ6nm未満である。さらに、金属酸化物粒子のうち30体積%未満の体積径は、体積メジアン粒径から下回る量が、適切には7nm未満、好ましくは6nm未満、より好ましくは5nm未満、特に4nm未満、とりわけ3nm未満である。
【0021】
また、金属酸化物粒子のうち90体積%を超える体積径は、体積メジアン粒径から上回る量が、適切には30nm未満、好ましくは27nm未満、より好ましくは25nm未満、特に23nm未満、とりわけ21nm未満である。加えて、金属酸化物粒子のうち84体積%を超える体積径は、体積メジアン粒径から上回る量が、適切には19nm未満、好ましくは18nm未満、より好ましくは17nm未満、特に16nm未満、とりわけ15nm未満である。さらに、金属酸化物粒子のうち70体積%を超える体積径は、体積メジアン粒径から上回る量が、適切には8nm未満、好ましくは7nm未満、より好ましくは6nm未満、特に5nm未満、とりわけ4nm未満である。
【0022】
ここに記載する金属酸化物粒子の分散粒径は、電子顕微鏡、コールターカウンター、沈降分析及び動的又は静的光分散によって測定することができる。沈降分析に基づいた手法が好ましい。メジアン粒径は、選択した粒度未満の粒子体積の百分率を表す累積分布曲線を描き、50番目の百分位数を読み取ることによって決定できる。分散体中の金属酸化物粒子の体積メジアン粒径及び粒度分布は、ここに記載するようにBrookhavenの粒度分布測定装置を用いて測定するのが適切である。
【0023】
本発明の特に好ましい実施態様においては、ここに記載するように測定した場合の金属酸化物粒子のBET比表面積は、40m2/gより大きく、より好ましくは50〜100m2/g、特に60〜90m2/g、とりわけ65〜75m2/gの範囲である。
【0024】
本発明に用いられる金属酸化物粒子は改良された透過性を示し、ここで記載するように測定した場合の524nmにおける吸光係数(E524)は、適切には0.4〜1.2L/g/cm、好ましくは0.5〜1.1L/g/cm、より好ましくは0.6〜1.0L/g/cm、特に0.7〜0.9L/g/cm、とりわけ0.75〜0.85L/g/cmの範囲である。加えて、ここで記載するように測定した場合の、金属酸化物粒子の450nmにおける吸光係数(E450)は、適切には0.8〜2.2L/g/cm、好ましくは1.0〜2.0L/g/cm、より好ましくは1.2〜1.8L/g/cm、特に1.3〜1.7L/g/cm、とりわけ1.4〜1.6L/g/cmの範囲である。
【0025】
金属酸化物粒子は効果的なUV吸収を示し、ここで記載するように測定した場合の360nmにおける吸光係数(E360)は、適切には5〜11L/g/cm、好ましくは6〜10L/g/cm、より好ましくは6.5〜9.5L/g/cm、特に7〜9L/g/cm、とりわけ7.5〜8.5L/g/cmの範囲である。また、ここで記載するように測定した場合の、金属酸化物粒子の308nmにおける吸光係数(E308)は、適切には40〜52L/g/cm、好ましくは42〜50L/g/cm、より好ましくは43〜49L/g/cm、特に44〜48L/g/cm、とりわけ45〜46L/g/cmの範囲である。
【0026】
ここで記載するように測定した場合の、金属酸化物粒子の最大吸光係数(Emax)は、適切には57〜70L/g/cm、好ましくは58〜68L/g/cm、より好ましくは59〜66L/g/cm、特に60〜64L/g/cm、とりわけ61〜62L/g/cmの範囲である。ここで記載するように測定した場合の、金属酸化物粒子のλ(max)は、適切には270〜286nm、好ましくは272〜284nm、より好ましくは274〜282nm、特に276〜280nm、とりわけ277〜278nmの範囲である。
【0027】
適切には金属酸化物粒子は減少した白色度を示し、ここで記載するように測定した場合の、これら粒子を含む日焼け止め製品の白色度の変化ΔLは、好ましくは3未満、より好ましくは0.5〜2.5、特に1.0〜2.0の範囲である。加えて、ここで記載するように測定した場合の、これら粒子を含む日焼け止め製品の白色度指数は、好ましくは100%未満、より好ましくは10%〜80%、特に20%〜60%、とりわけ30%〜50%の範囲である。
【0028】
適切には金属酸化物粒子の光灰色化(photogreying)は減少しており、ここで記載するように測定した場合の灰色化指数は、好ましくは15未満であり、より好ましくは1〜10、特に2〜7、とりわけ3〜5の範囲である。
【0029】
本発明の分散体において、金属酸化物粒子は凝集に対して安定である。分散体中の金属酸化物粒子は比較的均一に分散しており、静置したときに沈降しにくい。仮に沈降がいくらか生じた場合であっても、簡単な攪拌によって粒子を容易に再分散することができる。
【0030】
本発明に用いられる分散媒体は、水と比較したときの界面張力が30mNm-1未満の少なくとも1種の有機極性材料と、界面張力が30mNm-1より大きい少なくとも1種の有機非極性材料との混合物を好ましくは含む。水と比較したときの極性材料の界面張力は、適切には5〜27mNm-1、好ましくは15〜25mNm-1、より好ましくは19〜24mNm-1、特に21〜23mNm-1、とりわけ21.5〜22.5mNm-1の範囲である。非極性材料の界面張力は、適切には33〜50mNm-1、好ましくは35〜45mNm-1、より好ましくは36〜43mNm-1、特に37〜40mNm-1、とりわけ38〜39mNm-1の範囲である。
【0031】
本発明の分散体中の、最も極性の低い1つの極性材料と最も非極性の低い1つの非極性材料の界面張力の差は、適切には5〜35mNm-1、好ましくは10〜25mNm-1、より好ましくは13〜20mNm-1、特に15〜18mNm-1、とりわけ16〜17mNm-1の範囲である。分散媒体全体(すなわち極性及び非極性材料の混合物)の界面張力は、適切には23〜35mNm-1、好ましくは24〜31mNm-1、より好ましくは25〜29mNm-1、特に25.5〜28mNm-1、とりわけ26〜27mNm-1の範囲である。
【0032】
分散体中に存在する極性分散媒体と非極性分散媒体の比率(質量%)は、適切には10〜90:90〜10、好ましくは20〜80:80〜20、より好ましくは30〜70:70〜30、特に40〜60:60〜40、とりわけ45〜55:55〜45の範囲である。
【0033】
適した極性材料については、安息香酸アルキル(C12−15)、トリ(カプリル/カプリン酸)グリセリル、イソノナン酸セテアリル、イソステアリン酸エチルヘキシル、パルミチン酸エチルヘキシル、イソノナン酸イソノニル、イソステアリン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、イソステアリン酸イソステアリル、ネオペンタン酸イソステアリル、オクチルドデカノール、テトライソステアリン酸ペンタエリスリチル、PPG−15ステアリルエーテル、トリエチルヘキシルトリグリセリド、炭酸ジカプリリル、ステアリン酸エチルヘキシル、ヒマワリ種子油、パルミチン酸イソプロピル及びネオペンタン酸オクチルドデシルが含まれるか、又はこれらのものからなる群から選択する。好ましい極性材料は、トリエチルヘキシルトリグリセリド、安息香酸アルキル(C12−15)、トリ(カプリル/カプリン酸)グリセリル、イソノナン酸イソノニル、ネオペンタン酸イソステアリル及びネオペンタン酸オクチルドデシルであって、特に好ましくはトリエチルヘキシルトリグリセリドである。
【0034】
適した非極性材料については、C13−14イソパラフィン、イソヘキサデカン、鉱物油、スクワラン、スクワレン、水素化ポリイソブテン及びポリデセンが含まれるか、又はこれらのものからなる群から選択する。好ましい非極性材料は、イソヘキサデカン、水素化ポリイソブテン及びスクワランであって、特に好ましくはイソヘキサデカンである。
【0035】
本発明の分散体はまた、その特性を改良するために分散剤を含んでもよい。金属酸化物粒子の総質量に対して存在する分散剤の量は、適切には1質量%〜30質量%、好ましくは2質量%〜20質量%、より好ましくは3質量%〜10質量%、特に4質量%〜8質量%、とりわけ5質量%〜7質量%の範囲である。
【0036】
適した分散剤には、置換カルボン酸、石けん用素地及びポリヒドロキシ酸が含まれる。典型的には、分散剤は式X−CO−ARを有するものであってよく、この中でAは2価の架橋基、Rは1級、2級もしくは3級アミノ基、又はこれらの酸との塩(すなわち4級アンモニウム塩基)であり、Xはポリエステル鎖の残基であって、−CO−基と合わせて式HO−R’−COOHのヒドロキシカルボン酸に由来する。典型的な分散剤の例は、リシノール酸、ヒドロキシステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸に加えて少量のステアリン酸とパルミチン酸とを含んでいる水素化したヒマシ油の脂肪酸に基づいたものである。また、1種以上のポリエステル、又はヒドロキシカルボン酸の塩とヒドロキシ基のないカルボン酸の塩に基づいた分散剤も使用できる。様々な分子量の化合物が使用できる。他の適した分散剤は、脂肪酸アルカノールアミドとカルボン酸のモノエステル、及びそれらの塩である。アルカノールアミドは、例えばエタノールアミン、プロパノールアミン又はアミノエチルエタノールアミンを基とする。別の分散剤は、アクリル酸又はメタクリル酸のポリマー又はコポリマー(例えばそのようなモノマーのブロックコポリマー)に基づいたものである。同様の一般的な形態である他の分散剤は、エトキシル化リン酸エステルに基づくもののような、成分基の中にエポキシ基を有するものである。分散剤は、超分散剤(hyper dispersant)と呼ばれて市販されているものの1つであってもよい。ポリヒドロキシステアリン酸が特に好ましい分散剤である。
【0037】
本発明の利点は、分散体の総質量に対して、金属酸化物粒子を、少なくとも35質量%、好ましくは少なくとも40質量%、より好ましくは少なくとも45質量%、特に少なくとも50質量%、とりわけ少なくとも55質量%、かつ一般的には60質量%以下の量で含む分散体を製造できる点にある。
【0038】
本発明の分散体は、特に日焼け止め製品を製造するのに用いた場合に、改良された皮膚感触を示す。従来の日焼け止め製品は、皮膚に対して「脂状(greasy)」の使用感を与える。ここに記載するように測定した場合、本発明の分散体及び日焼け止め製品の皮膚感触は驚くほどに改良されており、例えば非常に脂状でない使用感が得られる。
【0039】
ここに記載した金属酸化物粒子分散体を含む組成物、好ましくは日焼け止め製品のサンケア指数(SPF)は、ここに記載するように測定した場合、適切には10より大きく、好ましくは15より大きく、より好ましくは20より大きく、特に25より大きく、とりわけ30より大きく、かつ40以下である。
【0040】
本発明の分散体は、日焼け止め組成物、特にエマルジョン形態の日焼け止め組成物を調製するための成分として有用である。組成物には、日焼け止めに使用される従来の化粧品成分のような、意図した用途に対して使用するのに適当な、従来の添加剤がさらに含まれてもよい。ここに記載した粒子状金属酸化物が、本発明の日焼け止め製品における唯一の紫外線減衰剤であってもよいが、他の金属酸化物及び/又は他の有機材料のような、他の日焼け止め剤を添加することもできる。例えば、ここに記載した好ましい二酸化チタン粒子は、他の現在市販されている二酸化チタン及び/又は酸化亜鉛の日焼け止め剤と一緒に組み合わせて用いてもよい。本発明の組成物に用いるのに適した有機日焼け止め剤には、p−メトキシケイ皮酸エステル、サリチル酸エステル、p−アミノ安息香酸エステル、非スルホン化ベンゾフェノン誘導体、ジベンゾイルメタン誘導体及び2−シアノアクリル酸エステルが含まれる。有用な有機日焼け止め剤の具体的な例には、ベンゾフェノン−1、ベンゾフェノン−2、ベンゾフェノン−3、ベンゾフェノン−6、ベンゾフェノン−8、ベンゾフェノン−12、イソプロピルジベンゾイルメタン、ブチルメトキシジベンゾイルメタン、エチルジヒドロキシプロピルPABA、グリセリルPABA、オクチルジメチルPABA、メトキシケイ皮酸オクチル、ホモサレート、サリチル酸オクチル、オクチルトリアゾン、オクトクリレン、エトクリレン、アントラニル酸メンチル及び4−メチルベンジリデンカンフルが含まれる。
【実施例】
【0041】
この明細書中では、以下の試験法を用いている。
【0042】
(1)金属酸化物粒子の結晶大きさ測定:結晶大きさはX線回折(XRD)線の広がりにより測定した。回折パターンは、モノクロメータとして動作するSol−Xエネルギー分散検出器を備えたSiemens D5000回折装置において、CuKα線の放射を用いて測定した。プログラム制御可能なスリットを使用し、ステップサイズを0.02°、ステップ検出時間を3秒として、12mm長の試料からの回折を測定した。データの分析は、2θが22°と48°の間の回折パターンを、ルチルについての反射位置に対応する一連のピークとフィッティングすることにより行った。アナターゼが存在する場合は、それらの反射に対応する追加の一連のピークともフィッティングした。このフィッティング処理によって、装置による回折線形状の幅広化といった装置の影響を除くことができた。平均結晶大きさの質量平均値は、Stokes及びWilsonの方法原理(B.E.Warren,”X−Ray Diffraction”,Addison−Wesley,Reading,Massachusetts,1969,pp254−257)に従い、ルチル(110)の反射(2θはおよそ27.4°)についてその幅を積算することに基づいて決定した。
【0043】
(2)分散体中の金属酸化物粒子の体積メジアン粒径及び粒度分布:金属酸化物粒子分散体を、ポリヒドロキシステアリン酸6gを、トリエチルヘキシルトリグリセリド47g及びイソヘキサデカン47gと混合し、その後金属酸化物100gをその溶液中に添加することにより作製した。およそ2100回転/分で動作し、粉砕媒体としてジルコニアビーズを含む水平型ビーズミルに混合物を15分間通した。金属酸化物粒子分散体をミリスチン酸イソプロピルと混合して、30〜40g/Lとなるように希釈した。希釈したサンプルを、Brookhaven BI−XDC粒度分布測定装置にて遠心分離モードで分析して、体積メジアン粒径及び粒度分布を測定した。
【0044】
(3)金属酸化物粒子のBET比表面積:Micromeritics Flowsorb II 2300を用い、1点法でBET比表面積を測定した。
【0045】
(4)白色度の変化及び白色度指数:日焼け止め組成物を用いて光沢のある黒いカードの表面上を被覆し、濡れ厚さが12μmのフィルムを形成するようにNo.2のKバーを用いて引き延ばした。フィルムを10分間室温に置いて乾燥し、Minolta CR300色差計を用いて黒色表面における被覆の白色度(LF)を測定した。白色度の変化ΔLは、被覆の白色度(LF)から基材の白色度(LS)を引くことにより計算した。白色度指数は、標準の二酸化チタン(Tayca MT100T、Tayca Corporation)を100%として比較したときの、白色度の変化ΔLの百分率である。
【0046】
(5)光灰色化指数:金属酸化物分散体(安息香酸アルキル(C12−15)中に金属酸化物粒子15質量%が分散している)を、6cm×3cmのアクリルセル(2cm×1.5cmの空間を含む)の内側に入れ、その上を覆うようにガラススライドを締め付けて固定することによりセルを気密にし、気泡が存在しないことを確実にした。初期の白色度(LI)をMinolta CR300色差計を用いて測定した。その後、セルを30回転/分で回転するターンテーブルに置いて、UV光(セルから12cmに設置された4本のTL29D,16/09チューブを含むUVランプ)に2時間曝し、その後白色度(LT)を再測定した。灰色化指数ΔLはΔL=LI−LTとした。
【0047】
(6)サンケア指数:日焼け止め組成物のサンケア指数(SPF)は、Diffey及びRobsonによるJ.Soc.Cosmet.Chem.Vol.40,pp127−133,1989の体外法を用いて決定した。
【0048】
(7)吸光係数:金属酸化物分散体0.1gのサンプルをシクロヘキサン100mLで希釈した。その後、この希釈したサンプルを、サンプル:シクロヘキサンの比が1:19になるようにシクロヘキサンを用いてさらに希釈した。全体で希釈は1:20000となった。その後希釈したサンプルを光路長1cmの分光光度計(Perkin−Elmer Lambda 2 UV/VIS分光光度計)に置き、UV及び可視光の吸光度を測定した。吸光係数は式A=Ecl(A=吸光度、E=吸光係数[L/g/cm]、c=濃度[g/L]及びl=光路長[cm])から計算した。
【0049】
(8)界面張力:極性又は非極性分散媒体と水との間の界面張力は、Du Nuoy Ring法により、25℃にて測定した。
【0050】
(9)皮膚感触:皮膚感触は、一連の官能特性について試験サンプルに点数を百分率で割り付ける手順を用いて、訓練された評価者によって測定した。金属酸化物分散体又は日焼け止めのエマルジョン2mLを、前腕内側のおよそ直径5cmの円形の領域に塗り広げた。塗り広げた後に、皮膚上にある試験サンプルの使用感(直後及び20分後)を、「油状(oily)」皮膚感触−−%、「ろう状(waxy)」皮膚感触−−%、「脂状(greasy)」皮膚感触−−%及び「シリコーン状(silicone-like)」皮膚感触−−%と表現して特徴付けた。
【0051】
以下の例により本発明を説明するが、これらに限定されるものではない。
【0052】
例1:二塩化酸化チタン1モルの酸性溶液をNaOH3モルの水溶液と反応させた。初期の反応時間が経過した後、温度を70℃より高く上げて攪拌を続けた。反応混合物にNaOH水溶液を添加して中和し、70℃より低くなるまで放置して冷却した。その後、TiO2の質量に対してAl2310.5質量%に相当する量の、アルミン酸ナトリウムのアルカリ溶液を添加した。添加中は温度を70℃より低く維持した。温度を70℃より高く上げて、TiO2の質量に対してステアリン酸ナトリウム13.5質量%に相当する量のステアリン酸ナトリウムを添加した。塩酸溶液を添加して分散体を中和した。得られたスラリーを濾過し、純水で洗浄し、オーブン中で乾燥し、その後ミクロ粉砕して粒子状二酸化チタンを生成した。
【0053】
ポリヒドロキシステアリン酸6gを、トリエチルヘキシルトリグリセリド47g及びイソヘキサデカン47gと混合し、その後、上で生成した二酸化チタン100gを溶液中に添加することにより分散体を生成した。およそ2100回転/分で動作し、粉砕媒体としてジルコニアビーズを含む水平型ビーズミルに混合物を15分間通した。
【0054】
ここに記載した試験手順で分散体を試験したところ、この二酸化チタンは以下の特性を示した。
i)平均結晶大きさ=7nm
ii)体積メジアン粒径=33nm
粒子のうち16体積%の体積径は、体積メジアン粒径より8nm下回った。
粒子のうち30体積%の体積径は、体積メジアン粒径より4.5nm下回った。
粒子のうち70体積%の体積径は、体積メジアン粒径より6nm上回った。
粒子のうち84体積%の体積径は、体積メジアン粒径より15nm上回った。
iii)吸光係数
524=0.8、E450=1.5、E308=45.1、E360=7.1、E(max)=61.4、λ(max)=277
【0055】
例2:例1で生成した二酸化チタン分散体を使用して、以下の組成の日焼け止め製品を調製した(単位はw/w%)。
相A:
ARLACEL P135(Uniqema) 2.0
ESTOL 1512(Uniqema) 16.7
Candelillaワックス(Eggar&Co Chemicals Ltd) 1.0
上で生成した二酸化チタン分散体 15.0
相B:
PRICERINE 9091(Uniqema) 4.0
硫酸マグネシウム 0.7
純水 60.1
相C:
Germaben II 0.5
【0056】
油相Aの成分を混合し、75〜80℃に加熱した。水相Bの成分を混合し、75〜80℃に加熱し、激しく攪拌しながら徐々に相Aに添加し、その後Silverson攪拌機で2分間攪拌した。混合物を激しく攪拌しながら45℃に冷却し、防腐剤相Cを添加した。混合物を攪拌しながらさらに室温まで冷却した。
【0057】
ここに記載した試験手順で日焼け止め製品を試験したところ、以下の特性を示した。
i)脂状皮膚感触 30%(直後、従来の日焼け止めは43%)
38%(20分後、従来の日焼け止めは47%)
ii)白色度の変化ΔL 1.1
白色度指数 39%
iii)SPF 25
【0058】
上の例は、本発明の分散体及び日焼け止め製品の特性が改良されたことを説明するものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
体積メジアン粒径が24〜42nmの範囲の金属酸化物粒子を、界面張力が30mNm-1未満である少なくとも1種の極性材料と界面張力が30mNm-1より大きい少なくとも1種の非極性材料との混合物を含む媒体中に分散させてなる分散体。
【請求項2】
前記金属酸化物粒子の平均結晶大きさが4〜10nmの範囲である、請求項1に記載の分散体。
【請求項3】
金属酸化物粒子の少なくとも40質量%の結晶大きさが5〜9nmの範囲内にある、請求項1又は2のいずれか1つに記載の分散体。
【請求項4】
金属酸化物粒子のうち16体積%未満の体積径の、前記体積メジアン粒径から下回る量が9nm未満である、前記請求項のいずれか1つに記載の分散体。
【請求項5】
金属酸化物粒子のうち30体積%未満の体積径の、前記体積メジアン粒径から下回る量が5nm未満である、前記請求項のいずれか1つに記載の分散体。
【請求項6】
金属酸化物粒子のうち84体積%を超える体積径の、前記体積メジアン粒径から上回る量が17nm未満である、前記請求項のいずれか1つに記載の分散体。
【請求項7】
金属酸化物粒子のうち70体積%を超える体積径の、前記体積メジアン粒径から上回る量が6nm未満である、前記請求項のいずれか1つに記載の分散体。
【請求項8】
前記金属酸化物粒子の524nmにおける吸光係数が、0.4〜1.2L/g/cmの範囲である、前記請求項のいずれか1つに記載の分散体。
【請求項9】
前記金属酸化物粒子の360nmにおける吸光係数が、5〜11L/g/cmの範囲である、前記請求項のいずれか1つに記載の分散体。
【請求項10】
前記金属酸化物粒子の308nmにおける吸光係数が、40〜52L/g/cmの範囲である、前記請求項のいずれか1つに記載の分散体。
【請求項11】
前記金属酸化物粒子について、(i)体積メジアン粒径が29〜37nmの範囲であり、及び/又は(ii)粒子のうち10体積%未満の体積径の、体積メジアン粒径を下回る量が11nm未満であり、及び/又は(iii)粒子のうち16体積%未満の体積径の、体積メジアン粒径を下回る量が8nmであり、及び/又は(iv)粒子のうち30体積%未満の体積径の、体積メジアン粒径を下回る量が5nm未満であり、及び/又は(v)粒子のうち90体積%を超える体積径の、体積メジアン粒径を上回る量が27nm未満であり、及び/又は(vi)粒子のうち84体積%を超える体積径の、体積メジアン粒径を上回る量が17nm未満であり、及び/又は(vii)粒子のうち70体積%を超える体積径の、体積メジアン粒径を上回る量が6nm未満である、前記請求項のいずれか1つに記載の分散体。
【請求項12】
前記金属酸化物粒子について、524nmにおける吸光係数が0.5〜1.1L/g/cmの範囲であり、450nmにおける吸光係数が1.0〜2.0L/g/cmの範囲であり、360nmにおける吸光係数が6〜10L/g/cmの範囲であり、308nmにおける吸光係数が44〜48L/g/cmの範囲であり、最大吸光係数が60〜64L/g/cmの範囲であり、さらにλ(max)が274〜282nmの範囲である、前記請求項のいずれか1つに記載の分散体。
【請求項13】
前記極性材料の界面張力が10〜25mNm-1の範囲である、前記請求項のいずれか1つに記載の分散体。
【請求項14】
前記非極性材料の界面張力が35〜45mNm-1の範囲である、前記請求項のいずれか1つに記載の分散体。
【請求項15】
前記極性材料と前記非極性材料の界面張力の差が13〜20mNm-1の範囲である、前記請求項のいずれか1つに記載の分散体。
【請求項16】
極性材料と非極性材料の比が、質量%で30〜70:70〜30の範囲である、前記請求項のいずれか1つに記載の分散体。
【請求項17】
前記極性材料が、トリエチルヘキシルトリグリセリド(triethylhexyl triglyceride)、安息香酸アルキル(C12−15)、トリ(カプリル/カプリン酸)グリセリル、イソノナン酸イソノニル、ネオペンタン酸イソステアリル及びネオペンタン酸オクチルドデシルからなる群から選択される、前記請求項のいずれか1つに記載の分散体。
【請求項18】
前記非極性材料が、イソヘキサデカン、水素化ポリイソブテン及びスクワランからなる群から選択される、前記請求項のいずれか1つに記載の分散体。
【請求項19】
体積メジアン粒径が24〜42nmの範囲の金属酸化物粒子を、(i)安息香酸アルキル(C12−15)、トリ(カプリル/カプリン酸)グリセリル、イソノナン酸セテアリル、イソステアリン酸エチルヘキシル、パルミチン酸エチルヘキシル、イソノナン酸イソノニル、イソステアリン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、イソステアリン酸イソステアリル、ネオペンタン酸イソステアリル、オクチルドデカノール、テトライソステアリン酸ペンタエリスリチル、PPG−15ステアリルエーテル、トリエチルヘキシルトリグリセリド、炭酸ジカプリリル、ステアリン酸エチルヘキシル、ヒマワリ種子油、パルミチン酸イソプロピル及びネオペンタン酸オクチルドデシルからなる群から選択される少なくとも1種の極性材料と、(ii)C13−14イソパラフィン、イソヘキサデカン、鉱物油、スクワラン、スクワレン、水素化ポリイソブテン及びポリデセンからなる群から選択される少なくとも1種の非極性材料との混合物を含む媒体中に分散させてなる分散体。
【請求項20】
界面張力が30mNm-1未満である少なくとも1種の極性材料と界面張力が30mNm-1より大きい少なくとも1種の非極性材料との混合物を含む媒体中に分散させた、体積メジアン粒径が24〜42nmの範囲の金属酸化物粒子を含む分散体から形成される日焼け止め製品。
【請求項21】
体積メジアン粒径が24〜42nmの範囲の金属酸化物粒子と、(i)トリエチルヘキシルトリグリセリド、安息香酸アルキル(C12−15)、トリ(カプリル/カプリン酸)グリセリル、イソノナン酸イソノニル、ネオペンタン酸イソステアリル及びネオペンタン酸オクチルドデシルからなる群から選択される少なくとも1種の極性材料、並びに(ii)イソヘキサデカン、水素化ポリイソブテン及びスクワランからなる群から選択される少なくとも1種の非極性材料を含む日焼け止め製品。
【請求項22】
改良された皮膚感触を有する日焼け止めを製造するための、界面張力が30mNm-1未満である少なくとも1種の極性材料と界面張力が30mNm-1より大きい少なくとも1種の非極性材料との混合物を含む媒体中に分散させた、体積メジアン粒径が24〜42nmの範囲の金属酸化物粒子を含む分散体の使用。
【請求項23】
改良された皮膚感触を有する透明な日焼け止めの製造における、界面張力が30mNm-1未満である少なくとも1種の極性材料と界面張力が30mNm-1より大きい少なくとも1種の非極性材料との混合物を含む媒体中に分散させた、体積メジアン粒径が24〜42nmの範囲の金属酸化物粒子を含む分散体の使用。

【公表番号】特表2007−529483(P2007−529483A)
【公表日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−503393(P2007−503393)
【出願日】平成17年3月4日(2005.3.4)
【国際出願番号】PCT/GB2005/000847
【国際公開番号】WO2005/089704
【国際公開日】平成17年9月29日(2005.9.29)
【出願人】(506352278)クローダ インターナショナル パブリック リミティド カンパニー (24)
【Fターム(参考)】