説明

金属錯体化合物及びこれを含む有機発光ダイオード素子

【課題】発光効率を高め、駆動電圧を下げることができる金属錯体化合物、及び、前記金属錯体化合物を含む有機発光ダイオード素子を提供する。
【解決手段】下記の金属錯体化合物、そしてこれを含む有機発光ダイオード素子。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属錯体化合物及びこれを含む有機発光ダイオード素子に関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近、表示装置及び照明装置として有機発光ダイオード素子(organic light emitting diode device、OLED device)が注目されていている。
【0003】
有機発光ダイオード素子は、二つの電極とその間に位置する発光層を含み、一つの電極から注入された電子(electron)と他の電極から注入された正孔(hole)が発光層で結合して励起子(exciton)を形成し、励起子がエネルギーを放出しつつ発光する。
【0004】
有機発光ダイオード素子は自体発光型であって別途の光源が必要でないので、消費電力の側面から有利であるだけでなく、応答速度、視野角及びコントラスト比(contrast ratio)においても優れている。
【0005】
このような有機発光ダイオード素子は、発光効率を高め、駆動電圧を下げることが重要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の一側面は、発光効率を高め、駆動電圧を下げることができる金属錯体化合物を提供することである。
【0007】
本発明の他の一側面は、前記金属錯体化合物を含む有機発光ダイオード素子を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一側面は、下記の化学式1で表される金属錯体化合物を提供する。
【化1】

(前記化学式1で、
Mは、2族または3族の金属イオンであり、
ないしRは、互いに同一であるかまたは相違しており、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、置換されたまたは非置換のC1ないしC20のアルキル基であり、置換されたまたは非置換のC2ないしC20のアルケニル基、置換されたまたは非置換のC2ないしC20のアルキニル基、置換されたまたは非置換のC1ないしC20のアルコキシ基、置換されたまたは非置換のC3ないしC30のシクロアルキル基、置換されたまたは非置換のC3ないしC30のシクロアルケニル基、置換されたまたは非置換のC3ないしC30のシクロアルキニル基、置換されたまたは非置換のC2ないしC30のヘテロシクロアルキル基、置換されたまたは非置換のC2ないしC30のヘテロシクロアルケニル基、置換されたまたは非置換のC2ないしC30のヘテロシクロアルキニル基、置換されたまたは非置換のC6ないしC30のアリール基、置換されたまたは非置換のC6ないしC30のアリールオキシ基、置換されたまたは非置換のC3ないしC30のヘテロアリール基、アミン基、エステル基、カルボキシル基、ニトロ基またはシアノ基であることができ、
或いは、選択的に、RとR、RとR、RとR、及びRとRは、各々互いに結合して、置換されたまたは非置換のC6ないしC30のアリール基、置換されたまたは非置換のC6ないしC30のアリールオキシ基、または置換されたまたは非置換のC3ないしC30のヘテロアリール基を形成することもでき、
ないしAは、互いに同一であるかまたは相違しており、炭素原子または窒素原子であり、
yは、2または3である。)
【0009】
前記化学式1において、RないしRは、互いに同一であるかまたは相違しており、水素原子、ハロゲン原子、置換されたまたは非置換のC1ないしC20のアルキル基であり、置換されたまたは非置換のC6ないしC30のアリール基、置換されたまたは非置換のC6ないしC30のアリールオキシ基、置換されたまたは非置換のC3ないしC30のヘテロアリール基、アミン基、エステル基、ニトロ基またはシアノ基であることができ、或いは、選択的に、RとR、RとR、RとR、及びRとRは、各々互いに結合して、置換されたまたは非置換のC6ないしC30のアリール基、置換されたまたは非置換のC6ないしC30のアリールオキシ基、または置換されたまたは非置換のC3ないしC30のヘテロアリール基を形成することができる。
【0010】
前記化学式1でのMは、Be、Zn、Mg、Ca、Y、B、Al、Ga、In、またはこれらの組み合わせであることができる。
【0011】
前記金属錯体化合物は、下記の化学式2−1ないし2−147のうちのいずれか一つで表される。
【0012】
【化2A】

【化2B】

【化2C】

【化2D】

【化2E】

【化2F】

【化2G】

【化2H】

【化2I】

【化2J】

【化2K】

【化2L】

【化2M】

【化2N】

【化2O】

【化2P】

【化2Q】

(前記化学式2−1ないし2−147で、
ないしA18は、互いに同一であるかまたは相違しており、炭素原子または窒素原子であり、AないしA18のうちの少なくとも一つは窒素原子であり、
Mは、BeまたはZnである。)
【0013】
本発明の他の一側面は、第1電極;前記第1電極と対向する第2電極;及び前記第1電極と前記第2電極との間に位置する有機層を含み、前記有機層は前記化学式1で表される金属錯体化合物を含む有機発光ダイオード素子を提供する。
【0014】
前記有機層は、前記第1電極上に順に位置する正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、及び電子注入層のうちの少なくとも一つの層を含むことができ、前記金属錯体化合物は前記発光層または前記電子輸送層に含まれる。
【0015】
その他の本発明の側面の具体的な事項は以下の詳細な説明に含まれている。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、発光効率を高め、駆動電圧を下げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】一実施形態による有機発光ダイオード素子を概略的に示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施形態について本発明が属する技術分野にて通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳しく説明する。しかし、本発明は多様な相違した形態に具現することができ、ここで説明する実施形態に限られない。
【0019】
図面において、多様な層及び領域を明確に表現するために厚さを拡大して示した。明細書全体を通じて類似した部分については同一な図面符号を付けた。層、膜、領域、板などの部分が他の部分の「上」にあるとすれば、これは他の部分の「直上」にある場合だけでなく、その中間にまた他の部分がある場合も含む。反対に、ある部分が他の部分の「直上」にあるとすれば中間に他の部分がないことを意味する。
【0020】
本明細書で特別な言及がない限り、「置換された」とは、少なくとも一つの水素原子が、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、C1ないしC20のアルキル基、C2ないしC20のアルケニル基、C2ないしC20のアルキニル基、C1ないしC20のアルコキシ基、C3ないしC30のシクロアルキル基、C3ないしC30のシクロアルケニル基、C3ないしC30のシクロアルキニル基、C2ないしC30のヘテロシクロアルキル基、C2ないしC30のヘテロシクロアルケニル基、C2ないしC30のヘテロシクロアルキニル基、C6ないしC30のアリール基、C6ないしC30のアリールオキシ基、C3ないしC30のヘテロアリール基、アミン基、エステル基、カルボキシル基、ニトロ基またはシアノ基により置換されたものを意味する。
【0021】
本明細書で特別な言及がない限り、「ヘテロシクロアルキル基」、「ヘテロシクロアルケニル基」、「ヘテロシクロアルキニル基」、及び「ヘテロアリール基」は、各々、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、シクロアルキニル基、及びアリール基の環内に窒素原子(N)、酸素原子(O)、硫黄原子(S)、及び燐原子(P)のうちの少なくとも一つのヘテロ原子を含むヘテロシクロアルキル基、ヘテロシクロアルケニル基、ヘテロシクロアルキニル基、及びヘテロアリール基を意味する。
【0022】
一実施形態による金属錯体化合物は下記の化学式1で表されることができる。
【化3】

(前記化学式1で、
Mは、2族または3族の金属イオンであり、
ないしRは、互いに同一であるかまたは相違しており、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、置換されたまたは非置換のC1ないしC20のアルキル基であり、置換されたまたは非置換のC2ないしC20のアルケニル基、置換されたまたは非置換のC2ないしC20のアルキニル基、置換されたまたは非置換のC1ないしC20のアルコキシ基、置換されたまたは非置換のC3ないしC30のシクロアルキル基、置換されたまたは非置換のC3ないしC30のシクロアルケニル基、置換されたまたは非置換のC3ないしC30のシクロアルキニル基、置換されたまたは非置換のC2ないしC30のヘテロシクロアルキル基、置換されたまたは非置換のC2ないしC30のヘテロシクロアルケニル基、置換されたまたは非置換のC2ないしC30のヘテロシクロアルキニル基、置換されたまたは非置換のC6ないしC30のアリール基、置換されたまたは非置換のC6ないしC30のアリールオキシ基、置換されたまたは非置換のC3ないしC30のヘテロアリール基、アミン基、エステル基、カルボキシル基、ニトロ基またはシアノ基であることができ、
或いは、RとR、RとR、RとR、及びRとRは、各々互いに結合して、置換されたまたは非置換のC6ないしC30のアリール基、置換されたまたは非置換のC6ないしC30のアリールオキシ基、置換されたまたは非置換のC3ないしC30のヘテロアリール基を形成することもでき、
ないしAは、互いに同一であるかまたは相違しており、炭素原子または窒素原子であり、
yは2または3である。)
【0023】
前記化学式1でのRないしRは、互いに同一であるかまたは相違しており、水素原子、ハロゲン原子、置換されたまたは非置換のC1ないしC20のアルキル基であり、置換されたまたは非置換のC6ないしC30のアリール基、置換されたまたは非置換のC6ないしC30のアリールオキシ基、置換されたまたは非置換のC3ないしC30のヘテロアリール基、アミン基、エステル基、ニトロ基またはシアノ基であることができ、RとR、RとR、RとR、及びRとRは、各々互いに結合して、置換されたまたは非置換のC6ないしC30のアリール基、置換されたまたは非置換のC6ないしC30のアリールオキシ基、置換されたまたは非置換のC3ないしC30のヘテロアリール基を形成することができる。
【0024】
また、前記化学式1でのMは、Be、Zn、Mg、Ca、Y、B、Al、Ga、In、またはこれらの組み合わせであることができる。
【0025】
前記金属錯体化合物のより具体的な例は、下記の化学式2−1ないし2−147のうちのいずれか一つで表されることができるが、必ずしもこれに限定されるわけではない。
【0026】
【化4A】

【化4B】

【化4C】

【化4D】

【化4E】

【化4F】

【化4G】

【化4H】

【化4I】

【化4J】

【化4K】

【化4L】

【化4M】

【化4N】

【化4O】

【化4P】

【化4Q】

(前記化学式2−1ないし2−147で、
ないしA18は、互いに同一であるかまたは相違しており、炭素原子または窒素原子であり、AないしA18のうちの少なくとも一つは窒素原子であり、
Mは、BeまたはZnである。)
【0027】
また他の一実施形態による有機発光ダイオード素子について、図1を参照して説明する。
【0028】
図1は、一実施形態による有機発光ダイオード素子を概略的に示した断面図である。
【0029】
図1を参照すれば、一実施形態による有機発光ダイオード素子は、基板100、前記基板上に位置する第1電極110、前記第1電極110の上に位置する有機層120、前記有機層120の上に位置する第2電極130を含む。
【0030】
前記基板100は、通常の有機発光ダイオード素子に使用される基板を用いることができ、具体的には、ガラス基板、プラスチック基板などを使用することができる。
【0031】
前記第1電極110はアノード(anode)電極であることができ、透明導電体または不透明導電体に形成されることができる。前記透明導電体の例としては、酸化インジウム錫(ITO;indium tin oxide)、酸化インジウム亜鉛(IZO;indium zinc oxide)、酸化錫(TO;tin oxide)、酸化亜鉛(ZnO;zinc oxide)またはこれらの組み合わせであることができ、前記不透明導電体の例としては、銀(Ag)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、金(Au)、ニッケル(Ni)、ネオジム(Nd)、イリジウム(Ir)、クロム(Cr)またはこれらの組み合わせであることができる。前記第1電極110が透明導電体に形成される場合、下部に光を出す背面発光(bottom emission)であることができる。
【0032】
前記有機層120は前記第1電極上に位置する順序で、正孔注入層121、正孔輸送層123、発光層125、電子輸送層127、及び電子注入層129のうちの少なくとも一つの層を含む。
【0033】
前記有機層120を形成する物質には、具体的には、前記正孔注入層121、前記正孔輸送層123、前記発光層125、前記電子輸送層127、及び前記電子注入層129のうちの少なくとも一つの層を形成する物質には前述の金属錯体化合物が使用される。より具体的には、前記発光層125または前記電子輸送層127を形成する物質に使用されることができる。
【0034】
前記第2電極130はカソード(cathode)電極であることができ、透明導電体または不透明導電体に形成されることができる。前記透明導電体の例としては、酸化インジウム錫(ITO;indium tin oxide)、酸化インジウム亜鉛(IZO;indium zinc oxide)、酸化錫(TO;tin oxide)、酸化亜鉛(ZnO;zinc oxide)またはこれらの組み合わせであることができ、前記不透明導電体の例としては、銀(Ag)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、金(Au)、ニッケル(Ni)、ネオジム(Nd)、イリジウム(Ir)、クロム(Cr)またはこれらの組み合わせであることができる。前記第2電極130が透明導電体に形成される場合、前記有機層120で放出される光を上部に出す前面発光(top emission)であることができる。
【0035】
このように有機層を形成する物質として前記金属錯体化合物を使用する場合、有機発光ダイオード素子の発光効率を高め、駆動電圧を下げることができる。
【実施例】
【0036】
以下の実施例を通して、本発明をより詳細に説明する。ただし、下記の実施例は単に説明の目的のためのものであり、本発明の範囲を制限するわけではない。
【0037】
(金属錯体化合物の製造)
実施例1−1
下記反応式1−1によって、下記の化学式3−1で表される化合物を製造した。
【化5】

【0038】
実施例1−2
下記反応式1−2によって、下記の化学式3−2で表される化合物を製造した。
【化6】

【0039】
実施例1−3
下記反応式1−3によって、下記の化学式3−3で表される化合物を製造した。
【化7】

【0040】
実施例1−4
下記反応式1−4によって、下記の化学式3−4で表される化合物を製造した。
【化8】

【0041】
実施例1−5
下記反応式1−5によって、下記の化学式3−5で表される化合物を製造した。
【化9】

【0042】
実施例1−6
下記反応式1−6によって、下記の化学式3−6で表される化合物を製造した。
【化10】

【0043】
実施例1−7
下記反応式1−7によって、下記の化学式3−7で表される化合物を製造した。
【化11】

【0044】
実施例1−8
下記反応式1−8によって、下記の化学式3−8で表される化合物を製造した。
【化12】

【0045】
実施例1−9
下記反応式1−9によって、下記の化学式3−9で表される化合物を製造した。
【化13】

【0046】
実施例1−10
下記反応式1−10によって、下記の化学式3−10で表される化合物を製造した。
【化14】

【0047】
実施例1−11
下記反応式1−11によって、下記の化学式3−11で表される化合物を製造した。
【化15】

【0048】
実施例1−12
下記反応式1−12によって、下記の化学式3−12で表される化合物を製造した。
【化16】

【0049】
実施例1−13
下記反応式1−13によって、下記の化学式3−13で表される化合物を製造した。
【化17】

【0050】
実施例1−14
下記反応式1−14によって、下記の化学式3−14で表される化合物を製造した。
【化18】

【0051】
比較例1−1
下記の化学式4−1で表される化合物である(4,4’−bis(N−カルバゾイル)−1,1′−ビフェニル)(CBP)を使用した。
【化19】

【0052】
比較例1−2
下記の化学式4−2で表される化合物である(アルミニウム(III)ビス(2−メチル−8−キノリナト)4−フェニルフェノレート)(BAlq)を使用した。
【化20】

【0053】
(有機発光ダイオード素子の製作)
実施例2−1
ガラス基板上に、下部電極としてAg/ITOを積層してパターニングした後、その上に正孔注入層として下記の化学式5−1で表される化合物を70nmの厚さで蒸着し、その上に中間層(interlayer)として下記の化学式5−2で表される化合物を5nmの厚さで蒸着し、その上に正孔輸送層として下記の化学式5−3で表される化合物を100nmの厚さで蒸着した。次に、その上にドーパントとして下記の化学式5−4で表される化合物、及びホストとして前記実施例1−1で製造された前記化学式3−1で表される化合物を含む燐光緑色発光層を40nmの厚さで蒸着した。次いで、その上に電子輸送層として下記の化学式5−5で表される化合物を30nmの厚さで蒸着し、その上に電子注入層として下記の化学式5−6で表される化合物を0.5nmの厚さで蒸着した。次に、その上に上部電極としてMgAgを200nmの厚さで蒸着して有機発光ダイオード素子を製作した。この時、前記燐光緑色発光層は、前記ドーパントを前記発光層総量に対して12重量%含んでおり、前記電子注入層は前記電子輸送層及び前記電子注入層の総量に対して50重量%に含んでいる。
【化21A】

【化21B】

【0054】
実施例2−2
実施例2−1において、ホストとして前記実施例1−2で製造された前記化学式3−2で表される化合物を使用したことを除いては、実施例2−1と同一な方法で有機発光ダイオード素子を製作した。
【0055】
実施例2−3
実施例2−1において、ホストとして前記実施例1−3で製造された前記化学式3−3で表される化合物を使用したことを除いては、実施例2−1と同一な方法で有機発光ダイオード素子を製作した。
【0056】
実施例2−4
実施例2−1において、ホストとして前記実施例1−4で製造された前記化学式3−4で表される化合物を使用したことを除いては、実施例2−1と同一な方法で有機発光ダイオード素子を製作した。
【0057】
実施例2−5
実施例2−1において、ホストとして前記実施例1−5で製造された前記化学式3−5で表される化合物を使用したことを除いては、実施例2−1と同一な方法で有機発光ダイオード素子を製作した。
【0058】
実施例2−6
実施例2−1において、ホストとして前記実施例1−6で製造された前記化学式3−6で表される化合物を使用したことを除いては、実施例2−1と同一な方法で有機発光ダイオード素子を製作した。
【0059】
実施例2−7
実施例2−1において、ホストとして前記実施例1−7で製造された前記化学式3−7で表される化合物を使用したことを除いては、実施例2−1と同一な方法で有機発光ダイオード素子を製作した。
【0060】
実施例2−8
実施例2−1において、ホストとして前記実施例1−8で製造された前記化学式3−8で表される化合物を使用したことを除いては、実施例2−1と同一な方法で有機発光ダイオード素子を製作した。
【0061】
実施例2−9
実施例2−1において、ホストとして前記実施例1−9で製造された前記化学式3−9で表される化合物を使用したことを除いては、実施例2−1と同一な方法で有機発光ダイオード素子を製作した。
【0062】
実施例2−10
実施例2−1において、ホストとして前記実施例1−10で製造された前記化学式3−10で表される化合物を使用したことを除いては、実施例2−1と同一な方法で有機発光ダイオード素子を製作した。
【0063】
実施例2−11
実施例2−1において、ホストとして前記実施例1−11で製造された前記化学式3−11で表される化合物を使用したことを除いては、実施例2−1と同一な方法で有機発光ダイオード素子を製作した。
【0064】
実施例2−12
実施例2−1において、ホストとして前記実施例1−12で製造された前記化学式3−12で表される化合物を使用したことを除いては、実施例2−1と同一な方法で有機発光ダイオード素子を製作した。
【0065】
実施例2−13
実施例2−1において、ホストとして前記実施例1−13で製造された前記化学式3−13で表される化合物を使用したことを除いては、実施例2−1と同一な方法で有機発光ダイオード素子を製作した。
【0066】
実施例2−14
実施例2−1において、ホストとして前記実施例1−14で製造された前記化学式3−14で表される化合物を使用したことを除いては、実施例2−1と同一な方法で有機発光ダイオード素子を製作した。
【0067】
比較例2
実施例2−1において、ホストとして前記比較例1−1で製造された前記化学式4−1で表される化合物を使用したことを除いては、実施例2−1と同一な方法で有機発光ダイオード素子を製作した。
【0068】
実施例3−1
ガラス基板上に、下部電極としてAg/ITOを積層してパターニングした後、その上に正孔注入層として前記化学式5−1で表される化合物を70nmの厚さで蒸着し、その上に中間層(interlayer)として前記化学式5−2で表される化合物を5nmの厚さで蒸着し、その上に正孔輸送層として前記化学式5−3で表される化合物を155nmの厚さで蒸着した。次に、その上にドーパントとして下記の化学式5−7で表される化合物、及びホストとして前記実施例1−1で製造された前記化学式3−1で表される化合物を含む燐光赤色発光層を40nmの厚さで蒸着した。次いで、その上に電子輸送層として前記化学式5−5で表される化合物を30nmの厚さで蒸着し、その上に電子注入層として前記化学式5−6で表される化合物を0.5nmの厚さで蒸着した。次に、その上に上部電極としてMgAgを200nmの厚さで蒸着して有機発光ダイオード素子を製作した。この時、前記燐光赤色発光層は、前記ドーパントを前記発光層総量に対して10重量%含んでおり、前記電子注入層は前記電子輸送層及び前記電子注入層の総量に対して50重量%に含んでいる。
【化22】

【0069】
実施例3−2
実施例3−1において、ホストとして前記実施例1−2で製造された前記化学式3−2で表される化合物を使用したことを除いては、実施例3−1と同一な方法で有機発光ダイオード素子を製作した。
【0070】
実施例3−3
実施例3−1において、ホストとして前記実施例1−3で製造された前記化学式3−3で表される化合物を使用したことを除いては、実施例3−1と同一な方法で有機発光ダイオード素子を製作した。
【0071】
実施例3−4
実施例3−1において、ホストとして前記実施例1−4で製造された前記化学式3−4で表される化合物を使用したことを除いては、実施例3−1と同一な方法で有機発光ダイオード素子を製作した。
【0072】
実施例3−5
実施例3−1において、ホストとして前記実施例1−5で製造された前記化学式3−5で表される化合物を使用したことを除いては、実施例3−1と同一な方法で有機発光ダイオード素子を製作した。
【0073】
実施例3−6
実施例3−1において、ホストとして前記実施例1−6で製造された前記化学式3−6で表される化合物を使用したことを除いては、実施例3−1と同一な方法で有機発光ダイオード素子を製作した。
【0074】
実施例3−7
実施例3−1において、ホストとして前記実施例1−7で製造された前記化学式3−7で表される化合物を使用したことを除いては、実施例3−1と同一な方法で有機発光ダイオード素子を製作した。
【0075】
実施例3−8
実施例3−1において、ホストとして前記実施例1−8で製造された前記化学式3−8で表される化合物を使用したことを除いては、実施例3−1と同一な方法で有機発光ダイオード素子を製作した。
【0076】
実施例3−9
実施例3−1において、ホストとして前記実施例1−9で製造された前記化学式3−9で表される化合物を使用したことを除いては、実施例3−1と同一な方法で有機発光ダイオード素子を製作した。
【0077】
実施例3−10
実施例3−1において、ホストとして前記実施例1−10で製造された前記化学式3−10で表される化合物を使用したことを除いては、実施例3−1と同一な方法で有機発光ダイオード素子を製作した。
【0078】
実施例3−11
実施例3−1において、ホストとして前記実施例1−11で製造された前記化学式3−11で表される化合物を使用したことを除いては、実施例3−1と同一な方法で有機発光ダイオード素子を製作した。
【0079】
実施例3−12
実施例3−1において、ホストとして前記実施例1−12で製造された前記化学式3−12で表される化合物を使用したことを除いては、実施例3−1と同一な方法で有機発光ダイオード素子を製作した。
【0080】
実施例3−13
実施例3−1において、ホストとして前記実施例1−13で製造された前記化学式3−13で表される化合物を使用したことを除いては、実施例3−1と同一な方法で有機発光ダイオード素子を製作した。
【0081】
実施例3−14
実施例3−1において、ホストとして前記実施例1−14で製造された前記化学式3−14で表される化合物を使用したことを除いては、実施例3−1と同一な方法で有機発光ダイオード素子を製作した。
【0082】
比較例3
実施例3−1において、ホストとして前記比較例1−2で製造された前記化学式4−2で表される化合物を使用したことを除いては、実施例3−1と同一な方法で有機発光ダイオード素子を製作した。
【0083】
評価1
実施例2−1ないし2−14及び比較例2による有機発光ダイオード素子の発光効率及び色特性を評価して、その結果を下記表1に示した。
【0084】
【表1】

【0085】
表1を参照すれば、実施例2−1ないし2−14による有機発光ダイオード素子は比較例2による有機発光ダイオード素子と比較して効率が高く、類似した程度の色座標を示したことが分かる。
【0086】
評価2
実施例3−1ないし3−14及び比較例3による有機発光ダイオード素子の発光効率及び色特性を評価して、その結果を下記表2に示した。
【0087】
【表2】

【0088】
表2を参照すれば、実施例3−1ないし3−14による有機発光ダイオード素子は比較例3による有機発光ダイオード素子と比較して効率が高く、類似した程度の色座標を示したことが分かる。
【0089】
以上、本発明の望ましい実施例について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されるわけではなく、特許請求の範囲で定義している本発明の基本概念を利用した当業者の多様な変形及び改良形態もまた本発明の権利範囲に属する。
【符号の説明】
【0090】
100 基板
110 第1電極
120 有機層
121 正孔注入層
123 正孔輸送層
125 発光層
127 電子輸送層
129 電子注入層
130 第2電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の化学式1で表される金属錯体化合物。
【化1】

(前記化学式1で、
Mは、2族または3族の金属イオンであり、
ないしRは、互いに同一であるかまたは相違しており、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、置換されたまたは非置換のC1ないしC20のアルキル基であり、置換されたまたは非置換のC2ないしC20のアルケニル基、置換されたまたは非置換のC2ないしC20のアルキニル基、置換されたまたは非置換のC1ないしC20のアルコキシ基、置換されたまたは非置換のC3ないしC30のシクロアルキル基、置換されたまたは非置換のC3ないしC30のシクロアルケニル基、置換されたまたは非置換のC3ないしC30のシクロアルキニル基、置換されたまたは非置換のC2ないしC30のヘテロシクロアルキル基、置換されたまたは非置換のC2ないしC30のヘテロシクロアルケニル基、置換されたまたは非置換のC2ないしC30のヘテロシクロアルキニル基、置換されたまたは非置換のC6ないしC30のアリール基、置換されたまたは非置換のC6ないしC30のアリールオキシ基、置換されたまたは非置換のC3ないしC30のヘテロアリール基、アミン基、エステル基、カルボキシル基、ニトロ基またはシアノ基であることができ、
或いは、選択的に、RとR、RとR、RとR、及びRとRは、各々互いに結合して、置換されたまたは非置換のC6ないしC30のアリール基、置換されたまたは非置換のC6ないしC30のアリールオキシ基、または置換されたまたは非置換のC3ないしC30のヘテロアリール基を形成することもでき、
ないしAは、互いに同一であるかまたは相違しており、炭素原子または窒素原子であり、
yは、2または3である。)
【請求項2】
前記化学式1において、RないしRは、互いに同一であるかまたは相違しており、水素原子、ハロゲン原子、置換されたまたは非置換のC1ないしC20のアルキル基であり、置換されたまたは非置換のC6ないしC30のアリール基、置換されたまたは非置換のC6ないしC30のアリールオキシ基、置換されたまたは非置換のC3ないしC30のヘテロアリール基、アミン基、エステル基、ニトロ基またはシアノ基であることができ、或いは、選択的に、RとR、RとR、RとR、及びRとRは、各々互いに結合して、置換されたまたは非置換のC6ないしC30のアリール基、置換されたまたは非置換のC6ないしC30のアリールオキシ基、または置換されたまたは非置換のC3ないしC30のヘテロアリール基を形成することができる、請求項1に記載の金属錯体化合物。
【請求項3】
前記化学式1でのMは、Be、Zn、Mg、Ca、Y、B、Al、Ga、Inまたはこれらの組み合わせである、請求項1に記載の金属錯体化合物。
【請求項4】
前記金属錯体化合物は下記の化学式2−1ないし2−147のうちのいずれか一つで表される、請求項1に記載の金属錯体化合物。
【化2A】

【化2B】

【化2C】

【化2D】

【化2E】

【化2F】

【化2G】

【化2H】

【化2I】

【化2J】

【化2K】

【化2L】

【化2M】

【化2N】

【化2O】

【化2P】

【化2Q】

(前記化学式2−1ないし2−147で、
ないしA18は、互いに同一であるかまたは相違しており、炭素原子または窒素原子であり、AないしA18のうちの少なくとも一つは窒素原子であり、
Mは、BeまたはZnである。)
【請求項5】
第1電極;
前記第1電極と対向する第2電極;及び
前記第1電極と前記第2電極との間に位置する有機層
を含み、前記有機層は下記の化学式1で表される金属錯体化合物を含む、有機発光ダイオード素子。
【化3】

(前記化学式1で、
Mは、2族または3族の金属イオンであり、
ないしRは、互いに同一であるかまたは相違しており、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、置換されたまたは非置換のC1ないしC20のアルキル基であり、置換されたまたは非置換のC2ないしC20のアルケニル基、置換されたまたは非置換のC2ないしC20のアルキニル基、置換されたまたは非置換のC1ないしC20のアルコキシ基、置換されたまたは非置換のC3ないしC30のシクロアルキル基、置換されたまたは非置換のC3ないしC30のシクロアルケニル基、置換されたまたは非置換のC3ないしC30のシクロアルキニル基、置換されたまたは非置換のC2ないしC30のヘテロシクロアルキル基、置換されたまたは非置換のC2ないしC30のヘテロシクロアルケニル基、置換されたまたは非置換のC2ないしC30のヘテロシクロアルキニル基、置換されたまたは非置換のC6ないしC30のアリール基、置換されたまたは非置換のC6ないしC30のアリールオキシ基、置換されたまたは非置換のC3ないしC30のヘテロアリール基、アミン基、エステル基、カルボキシル基、ニトロ基またはシアノ基であることができ、
或いは、選択的に、RとR、RとR、RとR、及びRとRは、各々互いに結合して、置換されたまたは非置換のC6ないしC30のアリール基、置換されたまたは非置換のC6ないしC30のアリールオキシ基、または置換されたまたは非置換のC3ないしC30のヘテロアリール基を形成することもでき、
ないしAは、互いに同一であるかまたは相違しており、炭素原子または窒素原子であり、
yは、2または3である。)
【請求項6】
前記有機層は、前記第1電極上に順に位置する正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、及び電子注入層のうちの少なくとも一つの層を含む、請求項5に記載の有機発光ダイオード素子。
【請求項7】
前記金属錯体化合物は前記発光層に含まれる、請求項6に記載の有機発光ダイオード素子。
【請求項8】
前記金属錯体化合物は前記電子輸送層に含まれる、請求項6に記載の有機発光ダイオード素子。
【請求項9】
前記化学式1において、RないしRは、互いに同一であるかまたは相違しており、水素原子、ハロゲン原子、置換されたまたは非置換のC1ないしC20のアルキル基であり、置換されたまたは非置換のC6ないしC30のアリール基、置換されたまたは非置換のC6ないしC30のアリールオキシ基、置換されたまたは非置換のC3ないしC30のヘテロアリール基、アミン基、エステル基、ニトロ基またはシアノ基であることができ、
或いは、選択的に、RとR、RとR、RとR、及びRとRは、各々互いに結合して、置換されたまたは非置換のC6ないしC30のアリール基、置換されたまたは非置換のC6ないしC30のアリールオキシ基、または置換されたまたは非置換のC3ないしC30のヘテロアリール基を形成することができる、請求項5に記載の有機発光ダイオード素子。
【請求項10】
前記化学式1でのMは、Be、Zn、Mg、Ca、Y、B、Al、Ga、Inまたはこれらの組み合わせである、請求項5に記載の有機発光ダイオード素子。
【請求項11】
前記金属錯体化合物は下記の化学式2−1ないし2−147のうちのいずれか一つで表される、請求項5に記載の有機発光ダイオード素子。
【化4A】

【化4B】

【化4C】

【化4D】

【化4E】

【化4F】

【化4G】

【化4H】

【化4I】

【化4J】

【化4K】

【化4L】

【化4M】

【化4N】

【化4O】

【化4P】

【化4Q】

(前記化学式2−1ないし2−147で、
ないしA18は、互いに同一であるかまたは相違しており、炭素原子または窒素原子であり、AないしA18のうちの少なくとも一つは窒素原子であり、
Mは、BeまたはZnである。)

【図1】
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【公開番号】特開2012−20986(P2012−20986A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−280380(P2010−280380)
【出願日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【出願人】(308040351)三星モバイルディスプレイ株式會社 (764)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Mobile Display Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】San #24 Nongseo−Dong,Giheung−Gu,Yongin−City,Gyeonggi−Do 446−711 Republic of KOREA
【Fターム(参考)】