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金属顔料組成物
説明

金属顔料組成物

【課題】本発明の目的は、塗料組成物もしくはインキ組成物等、特に水性塗料もしくは水性インキ等に使用可能で塗料の貯蔵安定性に優れており、なおかつ塗膜にしたときの光輝性や隠蔽性、フリップフロップ感などの低下が少ない金属顔料組成物を提供することである
【解決手段】本発明は、少なくとも一種以上のタングステン化合物と、シリコン含有化合物の加水分解物および/またはその縮合物と、金属粒子とを含有する金属顔料組成物である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗料組成物もしくはインキ組成物等、特に水性塗料もしくは水性インキ等に適する金属顔料組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、塗料分野においては、省資源、無公害化対策として、有機溶剤を極めて少量しか含まないか、あるいは全く含まない水性塗料を使用することが益々多くなってきている。また、水性塗料の目覚ましい技術的進歩により、従来、溶剤型塗料でしか達し得なかった高級な仕上がり外観が、水性塗料でも実現可能な状況になってきた。しかしながら、アルミニウムや亜鉛等の金属顔料を含むメタリック塗料においては、未だ、実用可能な水性塗料の例は少ない。この理由として、金属顔料は水性塗料中で腐食しやすいという点がある。水性塗料中に金属粉末が存在する場合には、各種金属の性質に基づいて、酸性、中性、塩基性のいずれか、あるいは複数の領域において水による腐食が起こり、水素ガスが発生する。これは塗料メーカーやインキメーカーにおける塗料やインキの製造工程や、自動車、家電メーカー、印刷メーカー等における塗装工程や印刷工程において、安全上極めて重大な問題である。
なお、以下では水や水性塗料もしくは水性インキ中における金属顔料の耐腐食性を、「貯蔵安定性」と記載する。
【0003】
特許文献1では、アルミニウムコアに対し、化学的湿式酸化することで酸化/水酸化アルミニウム含有層を形成し、その上に酸化物層として二酸化珪素含有層で、更にその上に高屈折性金属カルコゲニド層として酸化タングステン及びその水和物等から選ばれる物質で被覆するエフェクト顔料が開示されている。また、特許文献2では、ハイブリッド無機/有機層コーティングを有する金属効果顔料が開示されている。
しかしながら、特許文献1は特殊な色彩効果を求めたものであり、水性塗料中での貯蔵安定性を改良するものではない。また、特許文献2では具体的に示された例は酸化鉄を用いてコーティングされたアルミニウム顔料に対する更なるコーティング技術のみであり、通常のアルミニウム顔料に適用するには水性塗料中での貯蔵安定性の改良や、塗膜にしたときの光輝性や隠蔽性、フリップフロップ感などの低下防止には不十分であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2005/049739号パンフレット
【特許文献2】国際公開第2007/017195号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記従来技術の欠点を克服した金属顔料組成物を提供すること、すなわち塗料組成物もしくはインキ組成物等、特に水性塗料もしくは水性インキ等に使用可能で塗料の貯蔵安定性に優れており、なおかつ塗膜にしたときの光輝性や隠蔽性、フリップフロップ感などの低下が少ない金属顔料組成物を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、タングステン化合物と、シリコン含有化合物の加水分解物および/またはその縮合物と、金属粒子とを含有する金属顔料組成物を用いることにより、優れた貯蔵安定性と、優れた色調を両立し得る金属顔料組成物を得ることが可能となることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
即ち、本発明は下記の通りである。
(1)少なくとも一種以上のタングステン化合物と、シリコン含有化合物の加水分解物および/またはその縮合物と、金属粒子とを含有する金属顔料組成物。
(2)金属粒子がアルミニウムである(1)に記載の金属顔料組成物。
(3)タングステン化合物が、リンタングステン酸、ケイタングステン酸、及びそれらの水和物から選ばれる少なくとも一種である、(1)または(2)に記載の金属顔料組成物。
(4)タングステン化合物が、タングステン酸、リンタングステン酸、ケイタングステン酸よりなる群から選ばれる少なくとも一種と、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニアよりなる群から選ばれる少なくとも一種との塩である、(1)または(2)に記載の金属顔料組成物。
【0008】
(5)タングステン化合物が、タングステン酸、リンタングステン酸、ケイタングステン酸よりなる群から選ばれる少なくとも一種と、下記一般式(1)で表されるアミン化合物から選ばれる少なくとも一種との塩である、(1)または(2)に記載の金属顔料組成物。
【化1】


(式中、R1、R2およびR3は同じでも異なってもよく、水素原子、または炭素原子数1から30の、任意にエーテル結合、エステル結合、水酸基、カルボニル基、チオール基を含んでもよい1価もしくは2価の炭化水素基であり、任意にR1とR2は一緒になって5員もしくは6員のシクロアルキル基を形成するか、または任意にR1とR2は窒素原子と一緒になって、架橋員として付加的に窒素もしくは酸素原子を含むことができる5員もしくは6員環を形成するか、または任意にR1、R2およびR3は一緒になって、1個以上の付加的な窒素原子および/または酸素原子を架橋員として含むことができる多員の多重環組成物を形成する。R1、R2およびR3は同時に水素原子にはならない。nは1から2の数を表す。)
【0009】
(6)シリコン含有化合物が、下記一般式(2)または(3)または(4)または(5)で表される化合物、およびそれらの部分縮合物から選ばれる少なくとも一種である、(1)から(5)のいずれかに記載の金属顔料組成物。
【化2】


(式中、R6は水素原子、または炭素原子数1から30の、任意にハロゲン基を含んでもよい炭化水素基であり、R7は水素原子、または炭素原子数1から8の炭化水素基である。R6とR7は同一でも異なってもよく、R6とR7が2つ以上ある場合は、それぞれが、すべて同一でも、一部同一でも、すべて異なっていてもよい。1≦m≦3である。)
【化3】


(式中、R8は他の官能基と化学結合し得る反応基を含む基であり、R9は水素原子、または炭素原子数1から30の、任意にハロゲン基を含んでもよい炭化水素基であり、R10は水素原子、または炭素原子数1から8の炭化水素基である。R8とR9とR10が2つ以上ある場合は、それぞれが、すべて同一でも、一部同一でも、すべて異なっていてもよい。1≦p≦3であり、0≦q≦2であり、1≦p+q≦3である。)
【化4】


(式中、R11は水素原子、または炭素原子数1から8の炭化水素基であり、R11は、すべて同一でも、一部同一でも、すべて異なっていてもよい。)
【化5】


(式中、R12は水素原子、または炭素原子数1から30の、任意にハロゲン基を含んでもよい炭化水素基であり、R12が2つ以上ある場合は、すべて同一でも、一部同一でも、すべて異なっていてもよい。0≦r≦3である。)
(7)シリコン含有化合物が、下記一般式(6)または(7)で表される化合物、およびそれらの部分縮合物から選ばれる少なくとも一種である、(6)に記載の金属顔料組成物。
【化6】


(式中、R6は水素原子、または炭素原子数1から30の、任意にハロゲン基を含んでもよい炭化水素基であり、R7は水素原子、または炭素原子数1から8の炭化水素基である。R6とR7は同一でも異なってもよく、R6とR7が2つ以上ある場合は、それぞれが、すべて同一でも、一部同一でも、すべて異なっていてもよい。1≦m≦3である。)
【化7】


(式中、R11は水素原子、または炭素原子数1から8の炭化水素基であり、R11は、すべて同一でも、一部同一でも、すべて異なっていてもよい。)
【0010】
(8)タングステン化合物が、金属粒子100重量部に対し、0.01から10重量部存在する、(1)から(7)のいずれかに記載の金属顔料組成物。
(9)シリコン含有化合物の加水分解物および/またはその縮合物が、金属粒子100重量部に対し、0.01から50重量部存在する、(1)から(8)のいずれかに記載の金属顔料組成物。
(10)更に酸化防止剤、光安定剤、及び重合禁止剤の中から選ばれる少なくとも1種を金属粒子100重量部に対し、0.01から5重量部含有する、(1)から(9)のいずれかに記載の金属顔料組成物。
(11)更に界面活性剤を金属粒子100重量部に対し、0.01から30重量部含有する、(1)から(10)のいずれかに記載の金属顔料組成物。
(12)金属粒子を、溶媒中で、タングステン化合物と、シリコン含有化合物の加水分解物および/またはその縮合物とによって、別工程もしくは同一工程で混合処理する、(1)から(9)のいずれかに記載の金属顔料組成物の製造方法。
(13)(1)から(11)のいずれかに記載の金属顔料組成物を含む、塗料組成物。
(14)(1)から(11)のいずれかに記載の金属顔料組成物を含む、インキ組成物。
【発明の効果】
【0011】
本発明の金属顔料組成物を塗料組成物もしくはインキ組成物等、特に水性塗料もしくは水性インキ等に用いた場合、良好な貯蔵安定性と、光輝性、隠蔽性、およびフリップフロップ性の優れた塗膜を得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明について、特にその好ましい態様を中心に、詳細に説明する。
本発明に用いる金属顔料としては、アルミニウム、亜鉛、鉄、マグネシウム、銅、ニッケルのような卑金属の粒子、及びそれらの合金の粒子を好ましく用いることができる。
形状としては、平均粒径(d50)が2から40μmであり、平均厚み(t)が0.01から10μmの範囲であることが好ましく、平均アスペクト比が1から2500の範囲であることが好ましい。ここで、平均アスペクト比は、金属粒子の平均粒径(d50)を平均厚み(t)で割った値である。
【0013】
顔料として用いる場合は、鱗片状のものが好ましい。
特に好適なのはメタリック用顔料として多用されているアルミニウムフレークである。本発明に用いるアルミニウムフレークとしては、表面光沢性、白度、光輝性等メタリック用顔料に要求される表面性状、粒径、形状を有するものが適している。
アルミニウムフレークは、通常ペースト状態で市販されており、これをそのまま用いてもよいし、予め有機溶剤等で表面の脂肪酸等を除去して用いてもよい。また、平均粒径(d50)が3から30μm、平均厚み(t)が5から50nmのいわゆるアルミニウム蒸着箔も使用可能である。
【0014】
本発明に用いるタングステン化合物としては、リンタングステン酸、ケイタングステン酸、及びそれらの水和物、塩化タングステン及びその酸化物等が挙げられる。
【0015】
また、タングステン酸、リンタングステン酸、ケイタングステン酸から選ばれる少なくとも一種と塩を構成する成分としては、例えばリチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウムなどのアルカリ金属;マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムなどのアルカリ土類金属;マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、銀、カドミウム、鉛などの金属;アンモニア等の無機成分、および有機成分であるアミン化合物などから選ばれる少なくとも一種が挙げられる。有機アミン塩を構成するアミン成分は、下記一般式(8)で表される。
【化8】


(式中、R1、R2およびR3は同じでも異なってもよく、水素原子、または炭素原子数1から30の、任意にエーテル結合、エステル結合、水酸基、カルボニル基、チオール基を含んでもよい1価もしくは2価の炭化水素基であり、任意にR1とR2は一緒になって5員もしくは6員のシクロアルキル基を形成するか、または任意にR1とR2は窒素原子と一緒になって、架橋員として付加的に窒素もしくは酸素原子を含むことができる5員もしくは6員環を形成するか、または任意にR1、R2およびR3は一緒になって、1個以上の付加的な窒素原子および/または酸素原子を架橋員として含むことができる多員の多重環組成物を形成する。R1、R2およびR3は同時に水素原子にはならない。nは1から2の数を表す。)
【0016】
例えば、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、ラウリルアミン、トリデシルアミン、ステアリルアミンのような直鎖一級アミン類;イソプロピルアミン、イソブチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、分岐トリデシルアミンのような分岐一級アミン類;ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ジヘキシルアミン、ジオクチルアミン、ジラウリルアミン、ジトリデシルアミン、ジステアリルアミンのような直鎖二級アミン類;ジイソプロピルアミン、ジイソブチルアミン、ジ−2−エチルヘキシルアミン、ジ分岐トリデシルアミンのような分岐二級アミン類;N−メチルブチルアミン、N−エチルブチルアミン、N−エチル・ヘキシルアミン、N−エチル・ラウリルアミン、N−エチル・ステアリルアミン、N−イソプロピル・オクチルアミン、N−イソブチル・2−エチルヘキシルアミンのような非対称二級アミン類;トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリオクチルアミン、トリラウリルアミン、トリトリデシルアミン、トリステアリルアミンのような直鎖三級アミン類;トリイソプロピルアミン、トリイソブチルアミン、トリ−2−エチルヘキシルアミン、トリ分岐トリデシルアミンのような分岐三級アミン類;N,N−ジメチルオクチルアミン、N,N−ジメチルラウリルアミン、N,N−ジメチルステアリルアミン、N,N−ジエチルラウリルアミンのような混合炭化水素基を有する三級アミン類などの他に、アリルアミン、ジアリルアミン、トリアリルアミン、N,N−ジメチルアリルアミンなどアルケニル基をもつアミン類、シクロヘキシルアミン、2−メチルシクロヘキシルアミンのような脂環一級アミン類;アニリン、ベンジルアミン、4−メチルベンジルアミンのような芳香環置換基を持つ一級アミン類;N,N−ジシクロヘキシルアミン、N,N−ジ−2−メチルシクロヘキシルアミンのような脂環二級アミン類;ジベンジルアミン、N,N−ジ−4−メチルベンジルアミンのような芳香環置換基を持つ二級アミン類;N−シクロヘキシル・2−エチルヘキシルアミン、N−シクロヘキシル・ベンジルアミン、N−ステアリル・ベンジルアミン、N−2−エチルヘキシル・ベンジルアミンのような非対称二級アミン類;N,N−ジメチルベンジルアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、トリシクロヘキシルアミンのような脂環三級アミン類;トリベンジルアミン、トリ−4−メチルベンジルアミンのような芳香環置換基を持つ三級アミン類;モルホリン、3−メトキシプロピルアミン、3−エトキシプロピルアミン、3−ブトキシプロピルアミン、3−デシルオキシプロピルアミン、3−ラウリルオキシプロピルアミンのようなエーテル結合を有するアミン類;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、モノプロパノールアミン、ブタノールアミン、トリエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルエタノールアミン、N−プロピルエタノールアミン、N−イソプロピルエタノールアミン、N−ブチルエタノールアミン、N−シクロヘキシル−N−メチルアミノエタノール、N−ベンジル−N−プロピルアミノエタノール、またはN−ヒドロキシエチルピロリジン、N−ヒドロキシエチルピペラジン、N−ヒドロキシエチルモルホリンのようなアルカノールアミン類;エチレンジアミン、N−メチルエチレンジアミン、N,N’−ジメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、1,2−プロパンジアミン、1,3−プロパンジアミン、N,N−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、N−シクロヘキシル−1,3−プロパンジアミン、N−デシル−1,3−プロパンジアミン、N−イソトリデシル−1,3−プロパンジアミンのようなジアミン類;N,N’−ジメチルピペラジン、N−メトキシフェニルピペラジン、N−メチルピペリジン、N−エチルピペリジン、キヌクリジン、ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセンのような環状アミン類;ピリジン、キノリンのような芳香族アミン類等、もしくはこれらの任意の混合物が例示される。
【0017】
これらの中で好ましい例としては、炭素原子数4から20の直鎖または分岐アルキルの一級、二級または三級のアミン類、またはアルカノールアミン類から選ばれる少なくとも一種が挙げられ、例えばブチルアミン、ヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、オクチルアミン、トリデシルアミン、ステアリルアミン、ジヘキシルアミン、ジ−2−エチルヘキシルアミン、直鎖または分岐ジトリデシルアミン、ジステアリルアミン、トリブチルアミン、トリオクチルアミン、直鎖または分岐トリトリデシルアミン、トリステアリルアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モルホリン等が具体例として挙げられる。
【0018】
タングステン化合物は、金属粒子100重量部に対し、0.01から10重量部、好ましくは0.01から5重量部添加する。
本発明に使用されるタングステン化合物は、原料金属粉をボールミルで粉砕もしくは展延する時に添加してもよいし、金属粒子に溶媒を加えたスラリー状態で混合してもよいし、溶媒の量を少なくしたペースト状態で混練してもよい。また、タングステン化合物は、金属粒子にそのまま加えてもよいし、溶媒で希釈して加えてもよい。均一な混合状態を得るためには、溶媒であらかじめ希釈して加える方が好ましい。希釈に用いる溶媒は、例えば、水や、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソプロパノール、オクタノール等のアルコール類、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル等のエーテルアルコール類及びそのエステル類、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3―ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、エチレンプロピレングリコールのグリコール類などが挙げられる。また、酸やアルカリで溶解して加えてもよい。
【0019】
本発明に用いるシリコン含有化合物は、下記一般式(9)または(10)または(11)または(12)で表される化合物から選ばれる。
【化9】


(式中、R6は水素原子、または炭素原子数1から30の、任意にハロゲン基を含んでもよい炭化水素基であり、R7は水素原子、または炭素原子数1から8の炭化水素基である。R6とR7は同一でも異なってもよく、R6とR7が2つ以上ある場合は、2つ以上あるR6は、すべて同一でも、一部同一でも、すべて異なっていてもよいし、2つ以上あるR7は、すべて同一でも、一部同一でも、すべて異なっていてもよい。1≦m≦3である。)
【化10】


(式中、R8は他の官能基と化学結合し得る反応基を含む基であり、R9は水素原子、または炭素原子数1から30の、任意にハロゲン基を含んでもよい炭化水素基であり、R10は水素原子、または炭素原子数1から8の炭化水素基である。R8とR9とR10が2つ以上ある場合は、2つ以上あるR8は、すべて同一でも、一部同一でも、すべて異なっていてもよいし、2つ以上あるR9は、すべて同一でも、一部同一でも、すべて異なっていてもよいし、2つ以上あるR10は、すべて同一でも、一部同一でも、すべて異なっていてもよい。1≦p≦3であり、0≦q≦2であり、1≦p+q≦3である。)
【化11】


(式中、R11は水素原子、または炭素原子数1から8の炭化水素基であり、4つのR11は、すべて同一でも、一部同一でも、すべて異なっていてもよい。)
【化12】


(式中、R12は水素原子、または炭素原子数1から30の、任意にハロゲン基を含んでもよい炭化水素基であり、R12が2つ以上ある場合は、すべて同一でも、一部同一でも、すべて異なっていてもよい。0≦r≦3である。)
【0020】
式(9)のR6における炭化水素基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル、オクチル、デシル、ドデシル、オレイル、ステアリル、シクロヘキシル、フェニル、ベンジル、ナフチル等が挙げられ、これらは分岐していても直鎖状であっても、フッ素、塩素、臭素等のハロゲン基を含んでいてもよい。これらの中でも、とくに炭素数が1から18の炭化水素基が好ましい。また、R6が2つ以上ある場合には、すべて同一でも、一部同一でも、すべて異なっていてもよい。分子中のR6の数は、式(9)において、m=1から3であるが、m=1または2がより好ましい。
【0021】
式(9)のR7における炭化水素基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル、オクチル等が挙げられ、これらは分岐していても直鎖状であってもよい。これらの炭化水素基の中でも、とくにメチル、エチル、プロピル、ブチルが好ましい。また、R7が2つ以上ある場合には、すべて同一でも、一部同一でも、すべて異なっていてもよい。
【0022】
このような式(9)のシリコン含有化合物としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリブトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジブトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、n−プロピルトリブトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、ブチルトリブトキシシラン、ジブチルジメトキシシラン、ジブチルジエトキシシラン、ジブチルジブトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、ジヘキシルジメトキシシラン、ジヘキシルジエトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、ジオクチルジメトキシシラン、ジオクチルジエトキシシラン、ジオクチルエトキシブトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、デシルトリエトキシシラン、ジデシルジメトキシシラン、ジデシルジエトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリエトキシシラン、ジオクタデシルジメトキシシラン、ジオクタデシルジエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリメトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリブトキシシラン等があげられる。
【0023】
式(10)のR8における他の官能基と化学結合し得る反応基を含む基としては、ビニル基、エポキシ基、スチリル基、メタクリロキシ基、アクリロキシ基、アミノ基、ウレイド基、メルカプト基、ポリスルフィド基、イソシアネート基等が挙げられる。
また、R8が2つ以上ある場合には、すべて同一でも、一部同一でも、すべて異なっていてもよい。分子中のR8の数は、式(10)において、p=1から3であるが、p=1がより好ましい。
式(10)のR9の炭化水素基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル、オクチル、デシル、ドデシル、オレイル、ステアリル、シクロヘキシル、フェニル、ベンジル、ナフチル等が挙げられ、これらは分岐していても直鎖状であっても、フッ素、塩素、臭素等のハロゲン基を含んでいてもよい。これらの中でも、とくに炭素数が1から18の炭化水素基が好ましい。また、R9が2つ以上ある場合には、すべて同一でも、一部同一でも、すべて異なっていてもよい。
式(10)のR10における炭化水素基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル、オクチル等が挙げられ、これらは分岐していても直鎖状であってもよい。これらの炭化水素基の中でも、とくにメチル、エチル、プロピル、ブチルが好ましい。また、R10が2つ以上ある場合には、すべて同一でも、一部同一でも、すべて異なっていてもよい。
【0024】
このような式(10)のシリコン含有化合物としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニル−トリス(2−メトキシエトキシ)シラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−メチル−3−アミノプロピル−トリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(ビニルベンジル)−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピル−トリエトキシシラン、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等があげられる。
【0025】
式(11)のR11における炭化水素基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル、オクチル等が挙げられ、これらは分岐していても直鎖状であってもよい。これらの炭化水素基の中でも、とくにメチル、エチル、プロピル、ブチルが好ましい。また、4つのR11は、すべて同一でも、一部同一でも、すべて異なっていてもよい。
このような式(11)シリコン含有化合物としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン等があげられる。この中でも特に、テトラエトキシシランが好ましい。
【0026】
式(12)のR12における炭化水素基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル、オクチル、デシル、ドデシル、オレイル、ステアリル、シクロヘキシル、フェニル、ベンジル、ナフチル等が挙げられ、これらは分岐していても直鎖状であっても、フッ素、塩素、臭素等のハロゲン基を含んでいてもよい。これらの中でも、とくに炭素数が1から12の炭化水素基が好ましい。また、R12が2つ以上ある場合には、すべて同一でも、一部同一でも、すべて異なっていてもよい。分子中のR12の数は、式(12)において、r=0から3であるが、r=1から3がより好ましい。
このような式(12)のシリコン含有化合物としては、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、オクチルジメチルクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ビニルトリクロロシラン、テトラクロロシラン等があげられる。
【0027】
本発明の上記一般式(9)および(10)および(11)および(12)は、それぞれ1種または2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0028】
シリコン含有化合物の加水分解物および/またはその縮合物は、シリコン含有化合物と、加水分解反応を行うのに必要な量の水と、必要に応じて加水分解触媒とともに攪拌混合することにより得られる。その際、必要に応じて親水性溶剤を使用することもできる。加水分解反応の時間は、シリコン含有化合物の種類、加水分解時の温度、加水分解触媒の種類やその濃度に応じて調整する。
シリコン含有化合物の加水分解反応および/またはその縮合反応の触媒は、例えば、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸等の無機酸類;安息香酸、酢酸、クロロ酢酸、サリチル酸、シュウ酸、ピクリン酸、フタル酸、マロン酸等の有機酸類;ビニルホスホン酸、2−カルボキシエタンホスホン酸、2−アミノエタンホスホン酸、オクタンホスホン酸等のホスホン酸類等を用いることができる。これらの加水分解触媒は、1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、例えば、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機アルカリ類;炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等の無機アルカリ塩類;モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、エチレンジアミン、ピリジン、アニリン、コリン、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、グアニジン等のアミン類;蟻酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、蟻酸モノメチルアミン、酢酸ジメチルアミン、乳酸ピリジン、グアニジノ酢酸、酢酸アニリン等の有機酸の塩類を用いることもできる。これらの加水分解触媒は、1種を単独で用いても、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
【0029】
シリコン含有化合物の加水分解反応および/または縮合反応の原料として、予め一部縮合したオリゴマーを用いてもよい。
シリコン含有化合物の加水分解物の縮合反応は、シリコン含有化合物の加水分解反応と同時に行ってもよいし、工程を分けて、かつ必要であれば触媒を変えて行ってもよい。その際、必要に応じて加温してもよい。
また、シリコン含有化合物の加水分解反応および/または縮合反応は、金属粒子およびタングステン化合物に添加した後に行ってもよいし、添加する前に行ってもよい。完全に加水分解されていなくてもよい。
【0030】
シリコン含有化合物の加水分解反応および/またはその縮合反応は、溶媒を用いた方が好ましい。希釈に用いる溶媒は、例えば、水や;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソプロパノール、オクタノール等のアルコール類;エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル等のエーテルアルコール類及びそのエステル類;エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3―ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、エチレンプロピレングリコールのグリコール類などが挙げられる。溶媒にアルコール類、エーテルアルコール類を用いた場合は、シリコン含有化合物のアルコキシ基と溶媒の交換反応が起こり得るが、そのまま加水分解反応に用いてよい。
シリコン含有化合物の加水分解物および/またはその縮合物は、金属粒子100重量部に対し、0.01から50重量部、好ましくは1から30重量部添加する。
本発明に使用されるシリコン含有化合物の加水分解物および/またはその縮合物は、原料金属粉をボールミルで粉砕もしくは展延する時に添加してもよいし、金属粒子に溶媒を加えたスラリー状態で混合してもよいし、溶媒の量を少なくしたペースト状態で混練してもよい。
また、予定添加量を初期に一括して添加してもよいし、所定の時間をかけて連続的に添加してもよい。これらは、タングステン化合物を金属粒子に添加する前に添加してもよいし、予めタングステン化合物と混合させておいてから添加してもよいが、タングステン化合物を添加後にシリコン含有化合物の加水分解物および/またはその縮合物を添加する方が好ましい。
【0031】
本発明の金属顔料組成物調製の際に用いられる溶媒は、親水性溶剤でも疎水性溶剤でもよい。親水性溶剤としては、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソプロパノール、オクタノール等のアルコール類;エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル等のエーテルアルコール類、及びそのエステル類;プロピレングリコール、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、エチレンプロピレングリコールのグリコール類などが挙げられる。また、疎水性溶剤としては、ミネラルスピリット、ソルベントナフサ、LAWS(Low Aromatic White Spirit)、HAWS(High Aromatic White Spirit)、トルエン、キシレン等が挙げられる。更には酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサン等のケトン類も使用可能である。これらを単独または混合して使用することができる。
【0032】
スラリー状態で調製する場合は、金属粒子のスラリー中濃度は1から50重量%、好ましくは10から30重量%の状態で行い、ペースト状態で混練する場合は、金属粒子の濃度は50から95重量%、好ましくは60から85重量%の状態で行う。
また、本願発明の金属顔料組成物にはタングステン化合物と、シリコン含有化合物の加水分解物および/またはその縮合物に加えて更に酸化防止剤、光安定剤、重合禁止剤、界面活性剤の少なくとも一種を添加できる。
【0033】
酸化防止剤としては、フェノール系化合物、リン系化合物、イオウ系化合物に代表される。好適な化合物としては、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、2,4−ジメチル−6−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチル−フェノール、2,4,6−トリ−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−s−ブチルフェノール、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、トコフェロール、2,6−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシメチルフェノール、n−オクタデシル−β−(4’−ヒドロキシ3’5’−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネート、2−t−ブチル−4−(N,N−ジメチルアミノメチル)フェノール、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート−ジエチルエステル、プロピルガレート、オクチルガレート、ラウリルガレート、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)、2,2’−ジヒドロキシ−3,3’−ジ(α−メチルシクロヘキシル)−5,5’−ジメチルジフェニルメタン、2,2’−ジメチレン−ビス−(6−α−メチル−ベンジル−p−クレゾール)、2,2’−エチリデン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2’−ブチリデン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、トリエチレングリコール−N−ビス−3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート、1,6−ヘキサンジオールビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ビス[2−t−ブチル−4−メチル−6−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシベンジル)フェニル]テレフタラート、3,9−ビス[2−{3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、4,4’−チオビス(6−t−ブチル−m−クレゾール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)スルフィド、4,4’−ジおよびトリ−チオビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2−チオジエチレンビス−[3(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,4−ビス(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ3’,5’−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、N,N’−ヘキサメチレンビス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナミド、N,N’−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヒドラジン、カルシウム(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルモノエチルホスフォネート)、アルキル化ビスフェノール、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)イソシアヌレート、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス2[3(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]エチルイソシアネート、テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ブチル酸,3,3−ビス(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)エチレンエステル、トリフェニルホスファイト、ジフェニルノニルフェニルホスファイト、トリス−(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、トリスノニルフェニルホスファイト、トリス−(モノおよびジ混合ノニルフェニル)ホスファイト、ジフェニルイソオクチルホスファイト、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、ジフェニルモノ(トリデシル)ホスファイト、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェノール)フルオロホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、フェニルジ(トリデシル)ホスファイト、トリス(2−エチルヘキシル)ホスファイト、トリス(イソデシル)ホスファイト、トリス(トリデシル)ホスファイト、ジブチルハイドロゲンホスファイト、トリラウリルトリチオホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)4,4’−ビフェニレンジホスフォナイト、4,4’−イソプロピリデンジフェノールアルキル(C12〜C15)ホスファイト、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニル)ジ−トリデシルホスファイト、ジステアリル−ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、環状ネオペンタンテトライルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニルホスファイト、フェニル−ビスフェノールAペンタエリスリトールジホスファイト、テトラフェニルジプロピレングリコールジホスファイト、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ジ−トリデシルホスファイト−5−t−ブチルフェニル)ブタン、テトラフェニルテトラ(トリデシル)ペンタエリスリトールテトラホスファイト、ジアルキルジチオりん酸亜鉛(ZnDTP)、3,4,5,6−ジベンゾ−1,2−オキサホスファン−2−オキシド、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスファイト−ジエチルエステル、水素添加ビスフェノールAホスファイトポリマー、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオン酸エステル(DLTTDP)、ジトリデシル−3,3’−チオジプロピオン酸エステル、ジミリスチル−3,3’−チオジプロピオン酸エステル(DMTDP)、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオン酸エステル(DSTDP)、ラウリルステアリル−3,3’−チオジプロピオン酸エステル、ペンタエリスリトールテトラ(β−ラウリル−チオプロピオネート)エステル、ステアリルチオプロピオンアミド、ビス[2−メチル−4−(3−n−アルキル(C12〜C14)チオプロピオニルオキシ)−5−t−ブチルフェニル]スルフィド、ジオクタデシルジスルフィド、2−メルカプトンベンズイミダゾール、2−メルカプト−6−メチルベンズイミダゾール、1,1’−チオビス(2−ナフトール)、アスコルビン酸等が例示される。
【0034】
光安定剤としては、先述した酸化防止剤として使用されるものもあるが、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物、サリチレート系化合物、シアノアクリレート系、蓚酸誘導体、ヒンダードアミン系化合物(HALS)、ヒンダードフェノール系化合物に代表される。好適な化合物としては、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、3'',4'',2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−t−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−ドデシル−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニルベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3’−(3'',4'',5'',6''−テトラフタルイミドメチル)−5’−メチルフェニル]ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール、メチル−3−[3−t−ブチル−5−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシフェニルプロピオネートとポリエチレングリコール(分子量約300)との縮合物、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−ドデシルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ベンジロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシ−5−ソジウムスルホキシベンゾフェノン、ビス(5−ベンゾイル−4−ヒドロキシ−2−メトキシフェニル)メタン、4−(2−アクリロイロキシエトキシ)−2−ヒドロキシベンゾフェノンのポリマー、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノンと他の4置換ベンゾフェノンとの混合品、フェニルサリチレート、2,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ安息香酸−n−ヘキサデシルエステル、4−t−ブチルフェニルサリチレート、4−t−オクチルフェニルサリチレート、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンゾエート、エチル(β,β−ジフェニル)シアノアクリレート、2−エチルヘキシル(β,β−ジフェニル)シアノアクリレート、2−エトキシ−2’−エチル蓚酸ビスアニリド、2−エトキシ−5−t−ブチル−2’−エチル蓚酸ビスアニリド、蓚酸アニリド誘導体、インドール系、フェニル−4−ピペリジニルカーボネート、[4−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオニル]−N−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)メチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1,1’−(1,2−エタンジイル)ビス(3,3,5,5−テトラメチルピペラジンオン)、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケート、ビス−[N−メチル−2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジニルセバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロネート、1,2,3,4−ブタンカルボン酸と2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノールとトリデシルアルコールとの縮合物、1,2,3,4−ブタンカルボン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノールとトリデシルアルコールとの縮合物、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ポリ[[6−(1,1,3,3−テトラメチルブチルアミノ)−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル][(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン)イミノ]ヘキサメチレン[(2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)イミノ]]、ポリ[6−モルフォリノ−s−トリアジン−2,4−ジイル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジルイミノ−ヘキサメチレン][2,2,6,6−テトラメチルピペリジルイミノ]]、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノールとβ,β,β’,β’−テトラメチル−3,9−(2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン)ジエタノールとの縮合物、1,6−ヘキサメチレンビス(N,N−ジメチルセミカルバジド)、1,1,1’,1’−テトラメチル−4,4’−(メチレン−ジ−p−フェニレン)ジセミカルバジド等が挙げられる。
【0035】
重合禁止剤としては、フェノール類、キノン類、ニトロ化合物、ニトロソ化合物、アミン類、スルフィド類に代表される。好適な化合物としては、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル、モノ−tert−ブチルヒドロキノン、カテコール、p−tert−ブチルカテコール、p−メトキシフェノール、p−tert−ブチルカテコール、2,6−ジ−tert−ブチル−m−クレゾール、ピロガロール、β−ナフトール、4−メトキシ−1−ナフトール等のフェノール類;ベンゾキノン、2,5−ジフェニル−p−ベンゾキノン、p−トルキノン、p−キシロキノンなどのキノン類;ニトロメタン、ニトロエタン、ニトロブタン、ニトロベンゼン、ニトロベンゼンスルホン酸化合物、m−ジニトロベンゼン、2−メチル−2−ニトロソプロパン、α−フェニル−tert−ブチルニトロン、5,5−ジメチル−1−ピロリン−1−オキシドなどのニトロ化合物又はニトロソ化合物;クロラニル−アミン、ジフェニルアミン、ジフェニルピクリルヒドラジン、フェノール−α−ナフチルアミン、ピリジン、フェノチアジンなどのアミン類;ジチオベンゾイルスルフィド、ジベンジルテトラスルフィドなどのスルフィド類等が挙げられる。
【0036】
本発明に使用される界面活性剤は、例えばポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテルなどのポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルなどのポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルアミノエーテル、ポリオキシエチレンステアリルアミノエーテルなどのポリオキシアルキレンアルキルアミノエーテル、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエートなどのソルビタン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートなどのポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル;ポリエチレングリコールモノラウレート、ポリエチレングリコールモノオレエート、ポリエチレングリコールモノステアレート、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレートなどのポリアルキレングリコール脂肪酸エステル;ラウリン酸モノグリセライド、ステアリン酸モノグリセライド、オレイン酸モノグリセライドなどのグリセリン脂肪酸エステルに代表される非イオン性界面活性剤が挙げられ、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム、ラウリル硫酸アンモニウムなどの硫酸エステル塩;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキルナフタレンスルフォン酸ナトリウム、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウムなどのスルホン酸塩;アルキルリン酸カリウムなどのリン酸エステル塩に代表される陰イオン性界面活性剤が挙げられ、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、セチルトリメチルアンモニウムクロライドなどの四級アンモニウム塩に代表される陽イオン性界面活性剤などが挙げられ、これらから選ばれた1種もしくは2種以上が使用できる。これらの中で特に好ましい例としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテルまたはそれらの混合物が例示される。
【0037】
本発明に使用される酸化防止剤、光安定剤、及び重合禁止剤は、原料金属粉をボールミルで粉砕もしくは展延する時に添加してもよいし、金属粒子に溶媒を加えたスラリー状態で混合してもよいし、溶媒の量を少なくしたペースト状態で混練してもよい。これらは金属粒子をタングステン化合物で処理した後に添加してもよいし、タングステン化合物と同時に添加してもよいが、タングステン化合物で処理した後に添加する方が好ましい。また、金属顔料組成物を、水を主とする媒体中に塗膜形成成分である樹脂類が溶解または分散している水性塗料、水性インキに配合する際に添加してもよい。また、均一な混合状態を得るためには、溶媒であらかじめ希釈して加える方が好ましい。希釈に用いる溶媒は、水や、メタノール、イソプロパノール等のアルコール類;エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のエーテルアルコール類;及びそのエステル類;ヘキサン、オクタン、イソオクタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、テトラリン、デカリン等の炭化水素溶剤;ミネラルスピリット、ソルベントナフサ等の工業用ガソリン;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサン等のケトン類;鉱物油等が挙げられる。
【0038】
本発明に使用される界面活性剤は、原料金属粉をボールミルで粉砕もしくは展延する時に添加してもよいし、金属粒子に溶媒を加えたスラリー状態で混合してもよいし、溶媒の量を少なくしたペースト状態で混練してもよい。これらは金属粒子をタングステン化合物で処理した後に添加してもよいし、タングステン化合物と同時に添加してもよいが、タングステン化合物で処理した後に添加する方が好ましい。また、金属顔料組成物を、水を主とする媒体中に塗膜形成成分である樹脂類が溶解または分散している水性塗料、水性インキに配合する際に添加してもよい。また、均一な混合状態を得るためには、溶媒であらかじめ希釈して加える方が好ましい。希釈に用いる溶媒は、水や、メタノール、イソプロパノール等のアルコール類;エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のエーテルアルコール類;及びそのエステル類;ヘキサン、オクタン、イソオクタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、テトラリン、デカリン等の炭化水素溶剤;ミネラルスピリット、ソルベントナフサ等の工業用ガソリン;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサン等のケトン類;鉱物油等が挙げられる。
【0039】
酸化防止剤、光安定剤、及び重合禁止剤は、金属粒子中の金属成分100重量部に対し、0.01から10重量部、好ましくは0.01から5重量部添加する。これらは予め溶媒に溶解または分散させておいてから添加するのが好ましい。
界面活性剤は、金属粒子中の金属成分100重量部に対し、0.01から30重量部、好ましくは0.01から20重量部添加する。これらは予め溶媒に溶解または分散させておいてから添加するのが好ましい。
これらを添加する順序に特に制限は無いが、金属粒子をタングステン化合物で処理すると同時またはその後に、シリコン含有化合物の加水分解物および/またはその縮合物を添加し、最後に酸化防止剤、光安定剤、及び重合禁止剤、界面活性剤を添加することが好ましい。
【0040】
この混合物は10から200℃、好ましくは20から160℃の温度で10分から72時間、好ましくは20分から48時間の範囲で攪拌混合する。溶剤が多い場合は除去し、最終の金属顔料含量を所望の40から90%とする。得られた金属顔料組成物は40℃から120℃、好ましくは50℃から110℃で6時間から3ヶ月間、好ましくは1日から30日間の間エージングさせてもよい。
本発明によって得られる金属顔料組成物は、水を主とする媒体中に塗膜形成成分である樹脂類が溶解または分散している水性塗料もしくは水性インキに加えることによりメタリック水性塗料もしくはメタリック水性インキとすることができる。また、樹脂等と混練して耐水性のバインダー、フィラーとして用いることもできる。酸化防止剤、光安定剤、及び重合禁止剤と界面活性剤は、金属顔料組成物を水性塗料、水性インキまたは樹脂等に配合する際に添加してもよい。
【0041】
金属顔料組成物は、塗料やインキに用いる場合は、そのまま水性塗料もしくは水性インキに加えてもよいが、予め溶媒に分散させてから加える方が好ましい。使用する溶媒としては、水や、テキサノール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどが挙げられる。また、これらの樹脂類としては例えば、アクリル樹脂類、ポリエステル樹脂類、ポリエーテル樹脂類、エポキシ樹脂類、フッ素樹脂類、ロジン樹脂類などが挙げられる。
【0042】
アクリル樹脂類としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸−n−ブチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリルなどの(メタ)アクリル酸エステル類;(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸−3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸−4−ヒドロキシブチル等の活性水素を持つ(メタ)アクリル酸エステル類;アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸類;アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド等の不飽和アミド類;及びメタクリル酸グリシジル、スチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、アクリロニトリル、フマル酸ジブチル、p−スチレンスルホン酸、アリルスルホコハク酸等のその他の重合性モノマー類等から選ばれた単独または混合物を重合させて得られるアクリル樹脂類が挙げられる。
【0043】
その重合方法としては、乳化重合が一般的であるが、懸濁重合、分散重合、溶液重合でも製造できる。乳化重合では段階的に重合することもできる。
【0044】
ポリエステル樹脂類としては、例えばコハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等のカルボン酸の群から選ばれた単独または混合物と、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、2−メチル−1,2−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2,3−ジメチル−2,3−ブタンジオール、2−エチル−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール、1,2−デカンジオール、2,2,4−トリメチルペンタンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2、2−ジエチル−1,3−プロパンジオールなどのジオール類、例えばグリセリン、トリメチロールプロパンなどのトリオール類、例えばジグリセリン、ジメチロールプロパン、ペンタエリトリトールなどのテトラオール類の群から選ばれた多価アルコールの単独または混合物との縮合反応によって得られるポリエステル樹脂類、及び例えば低分子量ポリオールの水酸基にε−カプロラクトンを開環重合して得られるようなポリカプロラクトン類等が挙げられる。
【0045】
ポリエーテル樹脂類としては、多価ヒドロキシ化合物の単独または混合物に、例えばリチウム、ナトリウム、カリウムなどの水酸化物、アルコラート、アルキルアミンなどの強塩基性触媒を使用して、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、シクロヘキセンオキサイド、スチレンオキサイドなどのアルキレンオキサイドの単独または混合物を付加して得られるポリエーテルポリオール類、更にエチレンジアミン類等の多官能化合物にアルキレンオキサイドを反応させて得られるポリエーテルポリオール類及び、これらポリエーテル類を媒体としてアクリルアミド等を重合して得られる、いわゆるポリマーポリオール類等が含まれる。
【0046】
これらの樹脂類は水に乳化、分散あるいは溶解することが好ましい。そのために、樹脂類に含まれるカルボキシル基、スルホン基などを中和することができる。
カルボキシル基、スルホン基などの中和するための中和剤としては、例えばアンモニア、水溶性アミノ化合物である例えばモノエタノールアミン、エチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、プロピルアミン、ジプロピルアミン、イソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリエタノールアミン、ブチルアミン、ジブチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、メチルエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、モルホリンなどから選択される1種以上を用いることができる。好ましくは、第三級アミンであるトリエチルアミン、ジメチルエタノールアミン等が挙げられる。
好ましい樹脂類は、アクリル樹脂類、ポリエステル樹脂類である。
必要に応じて、メラミン系硬化剤、イソシアネート系硬化剤、ウレタンディスパージョンなどの樹脂を併用することができる。更には一般的に塗料に加えられる無機顔料、有機顔料、体質顔料、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、分散剤、沈降防止剤、レべリング剤、増粘剤、消泡剤と組み合わせてもよい。塗料への分散性を良くするために、更に界面活性剤を添加してもよいし、塗料の保存安定性を良くするために、更に酸化防止剤、光安定剤、及び重合禁止剤を添加してもよい。
【実施例】
【0047】
以下に、本発明の実施例を示す。
[実施例1]
市販のアルミペースト(旭化成ケミカルズ株式会社製、商品名商品名「GX−3100(平均粒径10.5μm、不揮発分74%)」)135gにエチレングリコールモノブチルエーテルを465g加えて分散したスラリーを攪拌しながら、ケイタングステン酸の水和物1.0gをエチレングリコールモノブチルエーテル30gに溶解した液を徐々に加え、スラリー温度を70℃に保ちながら2時間攪拌した。その後更に10.0gのテトラエトキシシランを添加した後、3.2gの25%アンモニア水と5.2gの精製水を添加し、2時間攪拌した。その後、140℃に昇温し、4時間攪拌を行った。反応終了後、冷却してからスラリーを濾過し、不揮発分62%のアルミニウム顔料組成物を得た。得られたアルミニウム顔料組成物を1モル/Lの塩酸に溶解し、ICP発光分析により各元素の含有量を測定した結果、Al:100重量部に対し、W:0.52重量部、Si:1.02重量部であった。
[実施例2]
市販のアルミペースト(旭化成ケミカルズ株式会社製、商品名商品名「GX−3100(平均粒径10.5μm、不揮発分74%)」)135gにエチレングリコールモノブチルエーテルを465g加えて分散したスラリーを攪拌しながら、リンタングステン酸の水和物2.0gをイソプロパノール30gに溶解した液を徐々に加え、スラリー温度を40℃に保ちながら2時間攪拌した。その後、5.0gのN,N−ジメチルエタノールアミンを添加し、1時間攪拌した後、5.0gのテトラエトキシシランと、5.0gのヘキシルトリメトキシシランと、5.5gの精製水を添加し、2時間攪拌した。その後、140℃に昇温し、6時間攪拌を行った。反応終了後、冷却してからスラリーを濾過し、不揮発分61%のアルミニウム顔料組成物を得た。更に、該アルミニウム顔料組成物のアルミニウム金属成分100重量部に対し、0.5重量部の2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾールを添加し、混練した。得られたアルミニウム顔料組成物は、50℃で1週間エージングを行った。このアルミニウム顔料組成物中の各成分を実施例1と同様に測定すると、Al:100重量部に対し、W:1.03重量部、Si:1.10重量部であった。
[実施例3]
市販のアルミペースト(旭化成ケミカルズ株式会社製、商品名商品名「GX−3100(平均粒径10.5μm、不揮発分74%)」)135gにエチレングリコールモノブチルエーテルを465g加えて分散したスラリーを攪拌しながら、メタタングステン酸アンモニウムの水和物1.0gを精製水30gに溶解した液を徐々に加え、スラリー温度を70℃に保ちながら2時間攪拌した。その後更に5.0gのテトラエトキシシランと、5.0gのフェニルトリメトキシシランを、1モル/Lの酢酸水溶液で予め加水分解しておいた状態で添加し、130℃に昇温し、12時間攪拌した。反応終了後、冷却してからスラリーを濾過し、不揮発分55%のアルミニウム顔料組成物を得た。このアルミニウム顔料組成物中の各成分を実施例1と同様に測定すると、Al:100重量部に対し、W:0.60重量部、Si:1.08重量部であった。
[実施例4]
市販のアルミペースト(旭化成ケミカルズ株式会社製、商品名「GX−3100(平均粒径10.5μm、不揮発分74%)」)135gにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを465g加えて分散したスラリーを攪拌しながら、リンタングステン酸ナトリウムの水和物1.5gを精製水30gに溶解した液を徐々に加え、スラリー温度を40℃に保ちながら2時間攪拌した。その後、10.0gのテトラエトキシシランを添加した後、3.2gの25%アンモニア水と5.2gの精製水を添加し、更に2時間攪拌した。その後、5.0gのトリフルオロプロピルトリメトキシシランを、1モル/Lの酢酸水溶液で予め加水分解しておいた状態で添加し、130℃に昇温し、12時間攪拌した。反応終了後、冷却してからスラリーを濾過し、不揮発分58%のアルミニウム顔料組成物を得た。このアルミニウム顔料組成物中の各成分を実施例1と同様に測定すると、Al:100重量部に対し、W:0.77重量部、Si:1.55重量部であった。
[実施例5]
市販のアルミペースト(旭化成ケミカルズ株式会社製、商品名「GX−3100(平均粒径10.5μm、不揮発分74%)」)135gにエチレングリコールモノブチルエーテルを465g加えて分散したスラリーを攪拌しながら、リンタングステン酸アンモニウムの水和物2.0gを精製水30gに分散させた状態で加え、スラリー温度を40℃に保ちながら30分間攪拌した。その後、16.0gの25%アンモニア水を添加し、1時間攪拌した。更にその後、10.0gのテトラエトキシシランと、5.0gの3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを添加し、2時間攪拌した。その後、150℃に昇温し、6時間攪拌を行った。反応終了後、冷却してからスラリーを濾過し、不揮発分60%のアルミニウム顔料組成物を得た。このアルミニウム顔料組成物中の各成分を実施例1と同様に測定すると、Al:100重量部に対し、W:0.99重量部、Si:1.43重量部であった。
【0048】
[製造例1]
市販のアルミペースト(旭化成ケミカルズ株式会社製、商品名「GX−3100(平均粒径10.5μm、不揮発分74%)」)135gに、ケイタングステン酸ジトリデシルアミン塩と2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾールを、該アルミペースト中のアルミニウム金属成分100重量部に対し、それぞれ3.0重量部、0.5重量部となるように添加し、70℃で6時間攪拌した。
[製造例2]
市販のアルミペースト(旭化成ケミカルズ株式会社製、商品名「GX−3100(平均粒径10.5μm、不揮発分74%)」)135gに、リンタングステン酸N,N−ジメチルエタノールアミン塩とアスコルビン酸を、該アルミペースト中のアルミニウム金属成分100重量部に対し、それぞれ1.0重量部、0.5重量部となるように添加し、70℃で6時間攪拌した。
【0049】
[実施例6]
製造例1で得られたアルミニウム顔料組成物135gにプロピレングリコールモノメチルエーテルを465g加え、スラリー温度を40℃に保ちながら30分間攪拌した。その後、10.0gのテトラメトキシシランを添加した後、5.0gのトリエタノールアミンと6.0gの精製水を添加し、1時間攪拌した。その後、100℃に昇温し、12時間攪拌を行った。更に、1モル/Lの酢酸水溶液で予め加水分解しておいた5.0gの3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを添加し、8時間攪拌を行った。反応終了後、冷却してからスラリーを濾過し、不揮発分53%のアルミニウム顔料組成物を得た。このアルミニウム顔料組成物中の各成分を実施例1と同様に測定すると、Al:100重量部に対し、W:1.65重量部、Si:1.50重量部であった。
[実施例7]
製造例2で得られたアルミニウム顔料組成物135gにエチレングリコールモノブチルエーテルを465g加え、スラリー温度を70℃に保ちながら2時間攪拌した。その後更に10.0gのテトラエトキシシランを添加した後、3.2gの25%アンモニア水と5.2gの精製水を添加し、2時間攪拌した。その後、140℃に昇温し、4時間攪拌を行った。反応終了後、冷却してからスラリーを濾過し、不揮発分63%のアルミニウム顔料組成物を得た。このアルミニウム顔料組成物中の各成分を実施例1と同様に測定すると、Al:100重量部に対し、W:0.60重量部、Si:1.01重量部であった。
【0050】
[比較例1]
テトラエトキシシランを添加する工程を省いた以外は、実施例1と同様に行い、不揮発分74%のアルミニウム顔料組成物を得た。このアルミニウム顔料組成物中の各成分を実施例1と同様に測定すると、Al:100重量部に対し、W:0.50重量部、Si:0.00重量部であった。
[比較例2]
ケイタングステン酸の水和物を添加する工程を省いた以外は、実施例1と同様に行い、不揮発分60%のアルミニウム顔料組成物を得た。このアルミニウム顔料組成物中の各成分を実施例1と同様に測定すると、Al:100重量部に対し、W:0.00重量部、Si:0.40重量部であった。
[比較例3]
ケイタングステン酸の水和物1.0gに代えて、予め1Nの水酸化ナトリウム水溶液で溶解しておいた約7倍モルの酸化タングステン(VI)0.5gを添加した以外は、実施例1と同様に行い、不揮発分65%のアルミニウム顔料組成物を得た。このアルミニウム顔料組成物中の各成分を実施例1と同様に測定すると、Al:100重量部に対し、W:0.30重量部、Si:0.96重量部であった。
[比較例4]
市販のアルミペースト(旭化成ケミカルズ株式会社製、商品名「GX−3100(平均粒径10.5μm、不揮発分74%)」)をそのまま用いて、以下のようにメタリック塗料を作製した。
【0051】
[実施例8]
市販のアルミペースト(旭化成ケミカルズ株式会社製、商品名「GX−3160(平均粒径16μm、不揮発分74%)」)135gにエチレングリコールモノブチルエーテルを465g加えて分散したスラリーを攪拌しながら、タングステン酸ナトリウム・二水和物0.7gを精製水30gに溶解した液を徐々に加え、スラリー温度を70℃に保ちながら2時間攪拌した。その後、5.0gのテトラエトキシシランを添加した後、8時間攪拌した。その間、20%に希釈したリン酸水溶液5.0gを、2時間かけて連続的に添加した。反応終了後、冷却してからスラリーを濾過し、不揮発分58%のアルミニウム顔料組成物を得た。このアルミニウム顔料組成物中の各成分を実施例1と同様に測定すると、Al:100重量部に対し、W:0.35重量部、Si:0.60重量部であった。
[実施例9]
市販のアルミペースト(旭化成ケミカルズ株式会社製、商品名「GX−3160(平均粒径16μm、不揮発分74%)」)135gに、トルエンを465gとN,N−ジメチルベンジルアミン4.0gを加え、スラリー温度を50℃に保ちながら30分間攪拌した。その後、2.0gのジメチルジクロロシランを添加し、18時間攪拌した。その後、ケイタングステン酸の水和物1.5gをイソプロパノール30gに溶解した液を徐々に加え、1時間攪拌した。その後、100℃に昇温し、1モル/Lの塩酸で予め加水分解しておいた5.0gのテトラエトキシシランと2.5gのN−メチル−3−アミノプロピル−トリメトキシシランを添加し、6時間攪拌した。反応終了後、冷却してからスラリーを濾過し、不揮発分65%のアルミニウム顔料組成物を得た。このアルミニウム顔料組成物中の各成分を実施例1と同様に測定すると、Al:100重量部に対し、W:0.80重量部、Si:1.12重量部であった。
[実施例10]
市販のアルミペースト(旭化成ケミカルズ株式会社製、商品名「GX−3160(平均粒径16μm、不揮発分74%)」)135gに、タングステン酸ジトリデシルアミン塩を、該アルミペースト中のアルミニウム金属成分100重量部に対し、2.0重量部となるように、また、アルコキシオリゴマー(信越化学工業株式会社製、商品名「KR−213」)を5.0重量部添加し、70℃で12時間混練し、アルミニウム顔料組成物を得た。このアルミニウム顔料組成物中の各成分を実施例1と同様に測定すると、Al:100重量部に対し、W:0.55重量部、Si:0.89重量部であった。
【0052】
[比較例5]
タングステン酸ナトリウム・二水和物0.7gに代えて、予め1Nの水酸化ナトリウム水溶液で溶解しておいた同モル数の酸化タングステン(VI)0.5gを添加した以外は、実施例8と同様に行い、不揮発分57%のアルミニウム顔料組成物を得た。このアルミニウム顔料組成物中の各成分を実施例1と同様に測定すると、Al:100重量部に対し、W:0.27重量部、Si:0.50重量部であった。
[比較例6]
市販のアルミペースト(旭化成ケミカルズ株式会社製、商品名「GX−3160(平均粒径16μm、不揮発分74%)」)をそのまま用いて、以下のようにメタリック塗料を作製した。
【0053】
[実施例11から20][比較例7から12]
実施例1から10で得られたアルミニウム顔料組成物、および比較例1から6で得られたアルミニウム顔料組成物に対し、下記の組成で水性メタリック塗料を作製した。
【0054】
[水性メタリック塗料の調整]
アルミニウム顔料組成物:アルミニウム分として10.5g
ジエチレングリコールモノブチルエーテル:6.8g
ポリオキシエチレンラウリルエーテル(非イオン性界面活性剤)
(松本油脂製薬株式会社製、商品名「アクチノールL5」):2.1g
精製水:42g
水溶性アクリル樹脂
(オリジン電気株式会社製、商品名「水性プラミーズ#300」):175g
増粘剤(日本エヌエスシー株式会社製、商品名「ヨドゾールKA10」):2.0g
作製した水性メタリック塗料を用いて、以下の評価を行った。
[評価1(貯蔵安定性評価)]
水性メタリック塗料200gをフラスコに採取し、40℃の恒温水槽で168時間まで水素ガス累積発生量を観察した。ガスの発生量に応じて下記のように評価し、塗料中の貯蔵安定性の指標とした。
○:1.0ml未満
△:1.0以上3.0ml未満
×:3.0ml以上5.0ml未満
××:5.0ml以上
上記の塗料を用いて塗膜を作製し、輝度、フリップフロップ感、隠蔽性、粒子感の評価を行った。
【0055】
輝度は、関西ペイント株式会社製のレーザー式メタリック感測定装置アルコープLMR−200を用いて評価した。光学的条件は、入射角45度のレーザー光源と受光角0度と−35度に受光器をもつ。測定値としては、レーザーの反射光のうち、塗膜表面で反射する鏡面反射領域の光を除いて最大光強度が得られる受光角−35度でIV値を求めた。IV値は塗膜からの正反射光強度に比例するパラメーターであり、光輝度の大小を表す。判定方法は以下の通りである。
[実施例11から17][比較例7、8、10]
◎:比較例9より10以上高いもの
○:比較例9との差異が10未満のもの
×:比較例9より10以上低いもの
[実施例18から20][比較例12]
◎:比較例11より10以上高いもの
○:比較例11との差異が10未満のもの
×:比較例11より10以上低いもの
【0056】
フリップフロップ感は、スガ試験機株式会社製の変角測色計を用いて評価した。入射角45度の光源に対して観察角度(受光角)30度と80度における反射光強度(L値)の対数の傾きからF/F値を求めた。F/F値は、金属顔料の配向度合いに比例するパラメーターであり、顔料のフリップフロップ感の大小を表す。判定方法は以下の通りである。
[実施例11から17][比較例7、8、10]
◎:比較例9より0.05以上高いもの
○:比較例9との差異が0.05未満のもの
×:比較例9より0.05以上低いもの
[実施例18から20][比較例12]
◎:比較例11より0.05以上高いもの
○:比較例11との差異が0.05未満のもの
×:比較例11より0.05以上低いもの
【0057】
隠蔽性は、目視で観察した。判定方法は以下の通りである。
[実施例11から17][比較例7、8、10]
◎:比較例
9より良好なもの
○:比較例9と同等のもの
×:比較例9より劣るもの
[実施例18から20][比較例12]
◎:比較例11より良好なもの
○:比較例11と同等のもの
×:比較例11より劣るもの
評価1、2の結果を表1、表2に示す。
【表1】


【表2】

【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明は、塗料組成物もしくはインキ組成物等、特に水性塗料もしくは水性インキ等に使用可能で塗料の貯蔵安定性に優れており、なおかつ塗膜にしたときの光輝性や隠蔽性、フリップフロップ感などの低下が少ない金属顔料組成物を提供することが可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一種以上のタングステン化合物と、シリコン含有化合物の加水分解物および/またはその縮合物と、金属粒子とを含有する金属顔料組成物。
【請求項2】
金属粒子がアルミニウムである請求項1に記載の金属顔料組成物。
【請求項3】
タングステン化合物が、リンタングステン酸、ケイタングステン酸、及びそれらの水和物から選ばれる少なくとも一種である、請求項1または2に記載の金属顔料組成物。
【請求項4】
タングステン化合物が、タングステン酸、リンタングステン酸、ケイタングステン酸よりなる群から選ばれる少なくとも一種と、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニアよりなる群から選ばれる少なくとも一種との塩である、請求項1または2に記載の金属顔料組成物。
【請求項5】
タングステン化合物が、タングステン酸、リンタングステン酸、ケイタングステン酸よりなる群から選ばれる少なくとも一種と、下記一般式(1)で表されるアミン化合物から選ばれる少なくとも一種との塩である、請求項1または2に記載の金属顔料組成物。
【化1】


(式中、R1、R2およびR3は同じでも異なってもよく、水素原子、または炭素原子数1から30の、任意にエーテル結合、エステル結合、水酸基、カルボニル基、チオール基を含んでもよい1価もしくは2価の炭化水素基であり、任意にR1とR2は一緒になって5員もしくは6員のシクロアルキル基を形成するか、または任意にR1とR2は窒素原子と一緒になって、架橋員として付加的に窒素もしくは酸素原子を含むことができる5員もしくは6員環を形成するか、または任意にR1、R2およびR3は一緒になって、1個以上の付加的な窒素原子および/または酸素原子を架橋員として含むことができる多員の多重環組成物を形成する。R1、R2およびR3は同時に水素原子にはならない。nは1から2の数を表す。)
【請求項6】
シリコン含有化合物が、下記一般式(2)または(3)または(4)または(5)で表される化合物、およびそれらの部分縮合物から選ばれる少なくとも一種である、請求項1から5のいずれかに記載の金属顔料組成物。
【化2】


(式中、R6は水素原子、または炭素原子数1から30の、任意にハロゲン基を含んでもよい炭化水素基であり、R7は水素原子、または炭素原子数1から8の炭化水素基である。R6とR7は同一でも異なってもよく、R6とR7が2つ以上ある場合は、それぞれが、すべて同一でも、一部同一でも、すべて異なっていてもよい。1≦m≦3である。)
【化3】


(式中、R8は他の官能基と化学結合し得る反応基を含む基であり、R9は水素原子、または炭素原子数1から30の、任意にハロゲン基を含んでもよい炭化水素基であり、R10は水素原子、または炭素原子数1から8の炭化水素基である。R8とR9とR10が2つ以上ある場合は、それぞれが、すべて同一でも、一部同一でも、すべて異なっていてもよい。1≦p≦3であり、0≦q≦2であり、1≦p+q≦3である。)
【化4】


(式中、R11は水素原子、または炭素原子数1から8の炭化水素基であり、R11は、すべて同一でも、一部同一でも、すべて異なっていてもよい。)
【化5】


(式中、R12は水素原子、または炭素原子数1から30の、任意にハロゲン基を含んでもよい炭化水素基であり、R12が2つ以上ある場合は、すべて同一でも、一部同一でも、すべて異なっていてもよい。0≦r≦3である。)
【請求項7】
シリコン含有化合物が、下記一般式(6)または(7)で表される化合物、およびそれらの部分縮合物から選ばれる少なくとも一種である、請求項6に記載の金属顔料組成物。
【化6】


(式中、R6は水素原子、または炭素原子数1から30の、任意にハロゲン基を含んでもよい炭化水素基であり、R7は水素原子、または炭素原子数1から8の炭化水素基である。R6とR7は同一でも異なってもよく、R6とR7が2つ以上ある場合は、それぞれが、すべて同一でも、一部同一でも、すべて異なっていてもよい。1≦m≦3である。)
【化7】


(式中、R11は水素原子、または炭素原子数1から8の炭化水素基であり、R11は、すべて同一でも、一部同一でも、すべて異なっていてもよい。)
【請求項8】
タングステン化合物が、金属粒子100重量部に対し、0.01から10重量部存在する、請求項1から7のいずれかに記載の金属顔料組成物。
【請求項9】
シリコン含有化合物の加水分解物および/またはその縮合物が、金属粒子100重量部に対し、0.01から50重量部存在する、請求項1から8のいずれかに記載の金属顔料組成物。
【請求項10】
更に酸化防止剤、光安定剤、及び重合禁止剤の中から選ばれる少なくとも1種を金属粒子100重量部に対し、0.01から5重量部含有する、請求項1から9のいずれかに記載の金属顔料組成物。
【請求項11】
更に界面活性剤を金属粒子100重量部に対し、0.01から30重量部含有する、請求項1から10のいずれかに記載の金属顔料組成物。
【請求項12】
金属粒子を、溶媒中で、タングステン化合物と、シリコン含有化合物の加水分解物および/またはその縮合物とによって、別工程もしくは同一工程で混合処理する、請求項1から9のいずれかに記載の金属顔料組成物の製造方法。
【請求項13】
請求項1から11のいずれかに記載の金属顔料組成物を含む、塗料組成物。
【請求項14】
請求項1から11のいずれかに記載の金属顔料組成物を含む、インキ組成物。

【公開番号】特開2011−231212(P2011−231212A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−102463(P2010−102463)
【出願日】平成22年4月27日(2010.4.27)
【出願人】(303046314)旭化成ケミカルズ株式会社 (2,513)
【Fターム(参考)】