説明

金油の塗装方法

【課題】金油の塗装方法の提供。
【解決手段】本発明は金油の塗装方法に関するものである。この方法はいずれの市販アクリル系のPU金油にも適用する。そのプロセスがとても簡単で、そのステップは下記の通りである。(a)一層目のペンキを塗ってある底材料及び硬化剤とPU金油を混合する金油混合液を用意する。(b)金油混合液を底材料の表面に塗装して、60−75℃で0.5−2時間を乾燥する。及び(c)金油混合液を塗装してある底材料を置く。この発明の方法で塗装する金油層を−20℃〜60℃のような繰り返し温度が変化する環境に置いても、塗装した後の明るさを維持できる。更に、金油が柔らかくなり、その上に覆う材料と相互にぶつかるため、製品の表面に押される跡が残らず、製品外観の品質に影響が出ないのである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は金油の塗装方法に関するものである。特に金油層が高温のため製品の外観に影響が出ない塗装方法を指すものである。
【背景技術】
【0002】
3Cの製品に綺麗な外観を持たせるため、たくさんのメーカーが商品の表面にペンキ塗装を完了した後、全面的又は部分的に透明ペンキ(金油)を塗装することで、製品がもっと素晴らしくなるが、その製品を長距離で運送したら、製品の表面にある金油層がダンボールの内部10に温度が高すぎるため柔らかくなり、更に、製品の表面にその柔らかくなった金油層と包装材料の間に緊密でぶつかるため粘着な現象が生じて、製品の表面に押される跡が形成される。又、金油層を部分だけ塗装する製品であれば、包装する場合の設計によって、金油を塗装してある表面を避けることができるが、製品に全面的に金油層を塗装する場合、包装の設計だけで、金油層が柔らかくなったため、製品の表面に形成される包装の押される跡を完全に避けることができない。
【0003】
従来使用する方法の中に、一つの二次加工プロセスがあり、それはUV金油を製品のケースの表面にスプレーで塗装してから、UVライトで照射した後、製品に耐磨き及び明るさ効果をもたらすが、UV金油自体が一定の制限があるので、製品の設計に凹みスロット又は凸スロットがあり、又はその製品は非平面の設計であるため、その製品が完全にUVライトに照射されない場合、その隙間又は曲面の中でのUV金油が固体化にならないので、その二次加工プロセスが製品の形に制限されて、広く製品に使うことができない。
【0004】
又、消費性の電子製品は殆どプラスチックを主要な底材料として使うので、そのケースの材料はABS又はABSとPCの混合材料を使うほうが多いので、プラスチック材料が柔らかくなって変形することを避けるため、その製造プロセスに高温処理を避けることが必要である。そのため、金油を選ぶ場合、よく工業用PU明るいタイプ金油(その明るさは70度以上を超える)を選んで透明塗料として使う。このようなPU樹脂を主剤として使う場合のコストがより低いし、その乾燥温度は40−60℃の間であるので、使用する場合、低温で乾燥すれば、プラスチック材料の外観に影響が出ないため、広くてプラスチック材料で作ったケースに使われる。製品の上での金油層が包装材料例えば真珠袋(膜付き袋)と接触する場合、その包装材料の熱変形温度は約40度ので、40度を超える場合、酸を釈放して金油層と粘着の現象が生じて、製品の外観への影響が出て、製品の表面に押される跡を生じるため、それを産業上に応用する場合、同時にローコスト及び耐高温の金油塗料、その塗料に適合する使用方法を開発することが必要である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は金油の塗装方法に関するものである。それによって、一般の3C製品のケースに一層目のペンキを塗装しても、金油層と相互に密着できる。更に、この発明の説明で実施する金油の塗装方法は、いずれの市販アクリル系のPU金油にも適用する。そのプロセスがとても簡単であるし、実験によって、この発明の方法で塗装する金油層を−20℃〜60℃のような繰り返し温度が変化する環境に置いても、塗装した後の明るさを維持できる。更に、金油が柔らかくなり、その上に覆う材料と相互にぶつかるため、製品の表面に押される跡が残らず、製品外観の品質に影響が出ないのである。
【0006】
本発明の金油の塗装方法は下記のステップを含む。(a)一層目のペンキを塗ってある底材料及び硬化剤とPU金油を混合する金油混合液を用意する。(b)金油混合液を底材料の表面に塗装して、60−75℃で0.5−2時間を乾燥する。及び(c)金油混合液を塗装してある底材料を置く。
【0007】
本発明に適用する金油にアクリルポリアルコール樹脂を含んでも良い。更に、実際の状況によって、PU金油に平坦剤、泡消し剤、又は密着剤を入れても良い。普通PU金油を使用する場合、直接それを底材料に塗装しても良いが、硬化剤と一緒に使っても良い。その硬化剤を使用する目的は、金油の固体化を遅らせるのである。この発明に適用する硬化剤の種類が制限されないが、イソシアン酸塩を使うのがベターである。更に、この発明に使用するPU金油及び硬化剤にそれぞれ一つの溶剤を含んでも良い。その溶剤の種類も制限されないが、キシレン、ブチルアセテート、芳香族溶剤又はその他の組合を使うのがベターである。
【0008】
金油を塗装する前に、先ず、そのPU金油と硬化剤を混合して金油混合液にする。その混合物の粘度が制限されないが、塗装ステップを進行しやすいため、一般的の状態でそのベターの流れ速度は10−15秒である。又、PU金油と硬化剤の混合比率も制限されなく、その場の環境条件によってベスト比率の混合を行ってよいが、一般の状態でPU金油と硬化剤の混合比率は、2−6:1のほうが良いのである。
【0009】
本発明で使用する金油混合液の粘度はシンナーで制御する。その適用するシンナーが制限されないが、キシレン、エチルアセテート、ブチルアセテート、芳香族溶剤又はその他の組合を使うのがベターである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1の発明は、金油の塗装方法のステップは下記の通りであり、
(a)一層目のペンキを塗ってある底材料及び硬化剤とPU金油を混合する金油混合液を用意し、
(b)金油混合液を底材料の表面に塗装して、60−75℃で0.5−2時間を乾燥する、及び、 (c)金油混合液を塗装してある底材料を置くことを特徴とする、金油の塗装方法としている。
請求項2の発明は、そのPU金油にアクリルポリアルコール樹脂を含むことを特徴とする請求項1記載の金油の塗装方法としている。
請求項3の発明は、そのPU金油に更に平坦剤、泡消し剤、又は密着剤を含むことを特徴とする請求項1記載の金油の塗装方法としている。
請求項4の発明は、そのPU金油及び硬化剤にそれぞれ一つの溶剤を含むことを特徴とする請求項1記載の金油の塗装方法としている。
請求項5の発明は、その溶剤はキシレン、ブチルアセテート、芳香族溶剤又はその他の組合を使うのであることを特徴とする請求項4記載の金油の塗装方法としている。
請求項6の発明は、その硬化剤にイソシアン酸塩を含むことを特徴とする請求項1記載の金油の塗装方法としている。
請求項7の発明は、金油混合液の粘度は、その金油混合液の流れ速度は10−15秒であることを特徴とする請求項1記載の金油の塗装方法としている。
請求項8の発明は、PU金油と硬化剤の混合比率は2:1−6:1であることを特徴とする請求項1記載の金油の塗装方法としている。
請求項9の発明は、その金油混合液の粘度はシンナーで調製することを特徴とする請求項1記載の金油の塗装方法としている。
請求項10の発明は、そのシンナーはキシレン、エチルアセテート、ブチルアセテート、芳香族溶剤又はその他の組合を使うのであることを特徴とする請求項9記載の金油の塗装方法としている。
【発明の効果】
【0011】
本発明は金油の塗装方法に関するものである。それによって、一般の3C製品のケースに一層目のペンキを塗装しても、金油層と相互に密着できる。更に、この発明の説明で実施する金油の塗装方法は、いずれの市販アクリル系のPU金油にも適用する。そのプロセスがとても簡単であるし、実験によって、この発明の方法で塗装する金油層を−20℃〜60℃のような繰り返し温度が変化する環境に置いても、塗装した後の明るさを維持できる。更に、金油が柔らかくなり、その上に覆う材料と相互にぶつかるため、製品の表面に押される跡が残らず、製品外観の品質に影響が出ないのである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本実施方式は、交通工具に良く使われるアクリル樹脂を主剤として使う明るいタイプ金油、及び従来の素材(ABS又はABSとPCの混合材料)を範例として説明する。従来の底材料に一層目のペンキを塗装した後、金油層に適合して結合できるかどうかは、実験を行うことが必要であるが、この例に、一層目のペンキを塗装するプロセスに、すでに金油層を塗装する条件に適合するまで調整されたのでる。
【0013】
先ず、一つの底材料を用意して、それは特殊な外観を持つLCDケースであり、次、底材料の基本的の掃除を行うことで、塗装効果に影響が出る塵、粒子又は素材自体の屑などを除去した後、一層目のペンキ塗装を行え、その塗装温度及び時間をそれぞれ55℃及び30分に設定する。又、塗装完了した底材料を置いて、ペンキを十分乾燥することが必要である。又、金油を一層目のペンキと完全に結合するため、それを置いて乾燥する時間は24時間超えを避けることが必要である。普通のプロセスで一層目のペンキを完了した後、素材の温度を室温までに低下すれば、直ちに金油の塗装を行うが、その置く時間が多くても30分ぐらいのである。
【0014】
次、塗装する前、先ず、両液型PU金油(#0225 PU金油 広発会社)の中での主剤及び硬化剤を混合して金油混合液にする。ただ、混合液の粘着度がますます増えてプロセスに影響が出るため、2剤を混合する時間は6時間超えを避けることが必要である。主剤と硬化剤の混合比率は約2:1−6:1であれば良いのである。
【0015】
又、作業しやすい粘度に調整するため、普通シンナー(PU3Tシンナー広発会社)で粘度を薄くして調整する。液体の流れ速度によって定める場合、この金油混合液の粘度は流れ速度10−15秒の間である。若し、主剤と硬化剤の比率は6:1であれば、その流れ速度が11−13秒にある場合はベターの粘度である。若し、主剤と硬化剤の比率は2:1であれば、その流れ速度が12−14秒にある場合はベターの粘度である。
【0016】
一層目のペンキを含む底材料に十分金油を塗装して、異なる温度、異なる時間に乾燥してから、その乾燥した底材料をそれぞれ異なる日数に置いて、金油とHDPEプラスチック膜との粘着様子を観察する。
【0017】
金油を塗装して置く粘着テストを完了するほか、上述の例で金油塗装を行う製品を高温、低温が繰り返し出る環境に置いても安定できるかどうかを理解するため、もう一つの保存した後の粘着テストを行う。
【0018】
このテストで両面に膜付き袋、包装実施形態2で置いた底材料、を使う。テスト条件はそれぞれ60℃・39%湿度、40℃・90%湿度、−20℃、テスト時間は168時間である。テスト設備はHitachi Walk-in Chamber ER-35MHP(小型恒湿恒温マシン)を使用する。
【0019】
テストステップ:テストする前、サンプルの外観を詳しく検査して写真を撮りリストに記録する。検査を完了した後、それぞれ 異なるテスト条件のテスト設備に入れてテストを行い、テストを完了した後、そのサンプルを取り出して、直ちに外観の変化を観察する。しかも、それをテストする前の写真と比較してから、その結果を記録する。
【0020】
判定標準:前上の蓋、前下の蓋、後ろの蓋をチェックして、亀裂、色褪め、ペンキ脱落又は粘着などの問題がないことを確認し、照度1000Lux、垂直30度の照度方向を使って、検査部品を距離30センチ、目と部品の視角は左右60度、上下45度の条件で目視検査を行う。
【0021】
テスト結果は表1の通り、そのテストする一層目のペンキの材料及び塗装条件、包装はすべて同じであり、異なるのは金油を塗装する場合の乾燥時間及び置く時間だけである。表1の結果によって、実施形態1−3に使用する乾燥温度は55−70℃で、乾燥時間は30−2時間であるので、すべて粘着現象を避けられる。図1に表示される実施形態2のテスト結果をご参照ください。このテストによって、置く時間に大きい制限がないことがわかった。上述の乾燥した状況で、3−7日の置く状態を行うことも粘着する現象を避けられる。
【表1】

【0022】
又、比較例1−3の結果によって、乾燥温度が55℃より低く、又は70℃より高い場合、その乾燥時間の長さと関係なく、その製品にすべて粘着現象を生じられる。又、温度が高すぎると、ケースを変形する恐れがあるので、テストの変化可能もアップする。テスト後の粘着現象は図2及び図3をご参照してください。それはそれぞれ比較例1及び2の結果である。
【0023】
異なる時間の乾燥及び置くことを行った後、塗料の中での溶剤を完全に発揮させる場合、その乾燥時間が短かったらその置く時間を長くするのが必要である。換言すれば、その乾燥時間をアップすれば、その置く時間を短縮しなければならない。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施形態2の製品を温度変化の環境にテストした後、粘着現象、押される跡が生じていない製品の表面の写真である。
【図2】本発明の比較例1の製品を温度変化の環境にテストした後、粘着現象、押される跡が生じた製品の表面の写真である。
【図3】本発明の比較例2の製品を温度変化の環境にテストした後、粘着、押される跡が生じた製品の表面の写真である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金油の塗装方法のステップは下記の通りであり、
(a)一層目のペンキを塗ってある底材料及び硬化剤とPU金油を混合する金油混合液を用意し、
(b)金油混合液を底材料の表面に塗装して、60−75℃で0.5−2時間を乾燥する、及び、 (c)金油混合液を塗装してある底材料を置くことを特徴とする、金油の塗装方法。
【請求項2】
そのPU金油にアクリルポリアルコール樹脂を含むことを特徴とする請求項1記載の金油の塗装方法。
【請求項3】
そのPU金油に更に平坦剤、泡消し剤、又は密着剤を含むことを特徴とする請求項1記載の金油の塗装方法。
【請求項4】
そのPU金油及び硬化剤にそれぞれ一つの溶剤を含むことを特徴とする請求項1記載の金油の塗装方法。
【請求項5】
その溶剤はキシレン、ブチルアセテート、芳香族溶剤又はその他の組合を使うのであることを特徴とする請求項4記載の金油の塗装方法。
【請求項6】
その硬化剤にイソシアン酸塩を含むことを特徴とする請求項1記載の金油の塗装方法。
【請求項7】
金油混合液の粘度は、その金油混合液の流れ速度は10−15秒であることを特徴とする請求項1記載の金油の塗装方法。
【請求項8】
PU金油と硬化剤の混合比率は2:1−6:1であることを特徴とする請求項1記載の金油の塗装方法。
【請求項9】
その金油混合液の粘度はシンナーで調製することを特徴とする請求項1記載の金油の塗装方法。
【請求項10】
そのシンナーはキシレン、エチルアセテート、ブチルアセテート、芳香族溶剤又はその他の組合を使うのであることを特徴とする請求項9記載の金油の塗装方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−855(P2007−855A)
【公開日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−345371(P2005−345371)
【出願日】平成17年11月30日(2005.11.30)
【出願人】(504353981)瀚斯寶麗股▲ふん▼有限公司 (2)
【Fターム(参考)】