説明

金精鉱の回収方法

【課題】低コストで安全な物理分離法である比重選鉱によって、鉱石から直接精錬可能な高品位の精鉱を分離・濃縮する方法を提供する。
【解決手段】複数のリッフルが設けられた盤を備える揺動テーブルと、該揺動テーブルにより分散された鉱粒を異なる貯槽に分離して排出するための仕切り板と、該揺動テーブルの盤の上方に設置されるカメラと、該カメラが撮像した画像を2値化処理する画像解析装置と、該画像解析装置により得られた2値化処理データに応じて、前記仕切り板の配置位置を移動させるための駆動装置とを備える、テーブル比重選鉱機を用いて、前記カメラにより前記盤上に給鉱された鉱粒を撮像し、得られた画像を2値化処理し、得られた2値化処理データに応じて、前記駆動装置により前記仕切り板の配置位置を移動させて、精鉱と尾鉱を異なる貯槽に分離回収する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉱石から精鉱を得る選鉱方法、特に、脈石鉱物や硫化鉱物を含有する金鉱石から直接精製可能な金精鉱を得る選鉱方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から金鉱石の選鉱方法としては、金鉱石を破砕した後、適当な粒度に微粉砕し、得られた鉱粒をシアン化物水溶液中に懸濁させて金を浸出するいわゆる青化法によって金を脈石鉱物や硫化鉱物から分離・濃縮する方法、比重選鉱および浮遊選鉱によって金鉱物を脈石鉱物や硫化鉱物から分離・濃縮した後に、さらに青化法により金を分離・濃縮する方法が採られている。
【0003】
これらの方法で用いられる青化法には、毒物であるシアン化物を使用するなど、取扱い時の安全性の点で問題があるとされる。
【0004】
そこで、比重選鉱のみによって、直接精製可能な高品位の金精鉱を回収する方法として、米国特許第6818042号公報(特許文献1)に記載されているような、テーブル比重選鉱(揺動薄流選鉱ともいう)が提案されている。
【0005】
テーブル比重選鉱には、ウィルフレー・テーブルやジェームス・テーブルなどの揺動テーブルが用いられる。揺動テーブルは、揺動方向に沿って形成されたリッフルを有する盤と、盤に揺動運動を与えるための揺動機構を備える。盤上には、盤の揺動方向とは異なる方向に流れる水流と共に、金鉱石の鉱粒が給鉱される。これにより、比重の重い金粒子は、リッフルに沿って揺動方向に前進し、精鉱として回収され、比重の軽い脈石鉱物や硫化鉱物の粒子は、水流方向にリッフルを乗り越えて運搬され、尾鉱として排出される。精鉱と尾鉱とは、たとえば揺動テーブルに沿って移動可能な仕切り板によって分離され、それぞれの貯槽に回収される。
【0006】
このように、比重が異なる鉱粒を揺動テーブルに給鉱することにより、精鉱と脈石鉱物や硫化鉱物とが分離して回収されることになる。
【0007】
しかしながら、単に揺動テーブルを用いただけでは、精鉱と尾鉱が明確に分離される訳ではない。また、給鉱される鉱石の種類、特に金鉱石のうちでも産地や状況(あらかじめ他の選鉱がなされているか否かなど)に応じて、精鉱と尾鉱の分離状況が異なってくる。さらに、テーブル比重選鉱を繰り返し行うことがあるが、それぞれのバッチごとに、同様に精鉱と尾鉱との境界位置が異なってくることとなる。
【0008】
このため、操業ごとに、精鉱と尾鉱の区分けは作業者の目視によって決定され、かつ、手動により仕切り板の位置を調整する必要があるため、適確な選鉱については作業者の経験に頼らざるを得ないのが実情である。
【0009】
特許文献1においても、金精鉱の品位をどの程度まで上昇させることができるかについては示されていないように、単にテーブル比重選鉱を用いただけでは、一概に高品位の金精鉱のみを回収できるわけではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許第6818042号公報
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】「鉱山読本」第5巻第27集 選鉱編 物理選鉱 1962年 技術書院
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、上記の問題に鑑み、低コストで安全な物理分離法である比重選鉱によって、特に、金鉱石から直接精錬可能な高品位の金精鉱を分離・濃縮する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明のテーブル比重選鉱機は、複数のリッフルが設けられ、該リッフルの伸長方向に揺動運動可能となっている盤を備え、水流と共に給鉱された鉱粒を比重により分散させる揺動テーブルと、前記揺動テーブルの盤の端縁に沿って配置され、前記分散された鉱粒を異なる貯槽に分離して排出するための仕切り板と、該揺動テーブルの盤の上方に設置され、該盤上を撮像するカメラと、該カメラが撮像した画像を2値化処理し、得られた2値化処理データを出力する画像解析装置と、該画像解析装置から出力された前記2値化処理データに応じて、前記仕切り板の配置位置を移動させるための仕切り板駆動装置、および/または、前記画像解析装置から出力された前記2値化処理データに応じて、前記揺動テーブルの盤の傾斜角を調整するための盤駆動装置と、を備えることを特徴とする。前記仕切り板駆動装置および前記盤駆動装置の両方を備えることが好ましい。
【0014】
単一波長照明または光学フィルタをさらに備えることが好ましい。あるいは、前記カメラとして、近赤外線カメラを用いることが好ましい。
【0015】
一方、本発明の比重選鉱方法は、上記のテーブル比重選鉱機を用いて、鉱粒を揺動テーブルの盤上に水流と共に給鉱し、前記カメラにより鉱粒を撮像し、得られた画像を前記画像解析装置により2値化処理し、得られた2値化処理データに応じて、前記仕切り板駆動装置を駆動させて、2値画像の境界に対応する位置に前記仕切り板の配置位置を所定範囲内で移動させ、または、得られた2値化処理データに応じて、前記盤駆動装置を駆動させて、2値画像の境界が前記異なる貯留の境界に対応して位置するように、前記揺動テーブルの盤の傾斜角を所定範囲内で調整することにより、比重により分散された鉱粒を異なる貯槽に分離回収することを特徴とする。
【0016】
好ましくは、テーブル比重選鉱機が前記仕切り板駆動装置および前記盤駆動装置の両方を備えるようにして、鉱粒を揺動テーブルの盤上に水流と共に給鉱し、前記カメラにより鉱粒を撮像し、得られた画像を前記画像解析装置により2値化処理し、得られた2値化処理データに応じて、前記仕切り板駆動装置を駆動させて、2値画像の境界に対応する位置に、前記仕切り板の配置位置を所定範囲内で移動させ、比重により分散された鉱粒を異なる貯槽に分離回収するとともに、前記2値画像の境界に対応する位置が、前記仕切り板が移動可能な所定範囲の70〜90%の中間域を超えて両端域に達した場合に、前記得られた2値化処理データに応じて、前記盤駆動装置を駆動させて、前記2値画像の境界に対応する位置が、前記中間域に位置するように、前記揺動テーブルの盤の傾斜角を調整できるようにする。
【0017】
本発明は、さまざまな鉱石に関して、精鉱を比重選鉱により分離回収する際に適用できるが、特に、選鉱に供される鉱石が、脈石鉱物、硫化鉱物およびその他の不純物を含有する金鉱石である場合に好適に適用される。
【0018】
この場合、あらかじめ該金鉱石を粉砕し、得られた粉砕産物を比重選別して、高比重産物と低比重産物とに分離し、得られた高比重産物を前記鉱粒として前記テーブル比重選鉱機に給鉱しておくことが好ましく、これにより、金精鉱と脈石鉱物、硫化鉱物およびその他の不純物とに適確に分離することが可能となる。
【発明の効果】
【0019】
本発明により、特別な薬品を使用することなく、また、作業者の経験に頼ることなく、鉱石から高品位の精鉱を適切に分離回収することができる。特に、金鉱石から直接精製可能な高品位の金精鉱を回収することが可能となり、金製品の製造に際してのコスト低減に大きく寄与できる。
【0020】
特に、仕切り板駆動装置と盤駆動装置の両方を備えるようにして、仕切り板を制御することに加えて、揺動テーブルの盤の傾斜角を制御することにより、より広範囲かつ精度よく比重選鉱を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】図1は、本発明のテーブル比重選鉱機を概略的に示す概念図である。
【図2】図2は、本発明のテーブル比重選鉱機の仕切り板の、代替的な実施態様を概略的に示す図である。
【図3】図3は、テーブル比重選鉱機で、高比重鉱物(精鉱)と低比重鉱物(尾鉱)の分離状態を示す模式図である。
【図4】図4は、図3の状態を2値化データ化したイメージ図である。
【図5】図5は、本発明の比重選鉱方法を用いて金鉱石を選鉱する工程のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1に、本発明のテーブル比重選鉱機の概念図を示す。本発明のテーブル比重選鉱機1の基本的な構造は、従来から知られているテーブル比重選鉱機と同様である。揺動テーブル2としては、ウィルフレー・テーブルおよびジェームス・テーブルとして知られているタイプの揺動テーブルをいずれも適用することができる。図1においては、ウィルフレータイプのものを示している。揺動テーブル2は、いずれのタイプでも、複数のリッフル4が設けられた盤3を備える。この盤3は、通常、支持台(図示せず)の上にレールなどの手段を介して載置され、別体の揺動機構5により、揺動運動が可能となっている。なお、このような揺動テーブル2の揺動機構5は周知であるので、その説明は省略する。
【0023】
ウィルフレータイプとジェームスタイプでは、盤3の形状およびリッフル4の取付けおよび配置において異なるが、盤3は、リッフル4の伸長方向に揺動運動するように構成されている点では共通する。すなわち、揺動テーブル2の盤3上に給鉱された鉱粒12のうち、高い比重を有する高比重鉱粒は、リッフル4の伸長方向に沿って、盤3の前進運動にともなって移動する。一方、低い比重を有する低比重鉱粒は、盤3の揺動運動とは無関係に、盤面の傾斜に沿って、リッフル4の伸長方向とは直交する方向に流れる水流の抵抗を受けて、水流と同様の方向にリッフル4を乗り越えて移動する。なお、同様に同じ比重の鉱粒間では、より細粒のものが盤3の揺動運動にともない前進移動する傾向が強く、より粗粒のものが水流方向に移動する傾向が強くなる。したがって、高比重鉱粒である精鉱のほとんどは、盤の揺動運動の方向である前進方向において盤3の端縁(精鉱側端縁)から脱落して、回収される。一方、低比重鉱粒である尾鉱のほとんどは、水流方向である盤3の側面側において盤3の端縁(尾鉱側端縁)から脱落して、回収される。これによって、精鉱と尾鉱が分離回収される。なお、上述のように鉱粒の大きさの影響もあるため、精鉱と尾鉱は明確に分離される訳ではなく、両者が混在する片刃と呼ばれるゾーンが存在し、高比重鉱粒のうちの粗粒の一部が尾鉱側端縁から脱落し、低比重鉱粒のうちの細粒の一部が精鉱側に入り込む場合がある。
【0024】
なお、この分離に際しては、盤3の端縁(精鉱側端縁)に沿って所定の可動範囲内を移動可能な仕切り板6により、精鉱が盤3より脱落するゾーンと、尾鉱が盤3より脱落するゾーンとに分割し、それぞれのゾーンの盤下に設けられた貯槽7、8に水流と共にそれぞれ回収されることとなる。
【0025】
この仕切り板6は、ポリ塩化ビニル製で、揺動テーブル2の盤3と接触する部分の形状が三角柱状となっている。このような材質および形状を用いることによって、精鉱と尾鉱の分離時に、仕切り板6を揺動テーブル上でスムーズに移動させることができる。本発明では、この仕切り板6は、仕切り板駆動装置11により駆動可能に構成されている。このような仕切り板駆動装置11としては、クランク機構などを介して、サーボモータなどの仕切り板6の支点を揺動テーブル2に対して前後運動させることができ、かつ、該支点を中心に仕切り板6を回動させて、支点と逆側の端縁を揺動テーブル2の盤3の精鉱側端縁に接触させつつ、仕切り板6を盤3の精鉱側端縁に沿って所定範囲の水平移動可能とする、既存の駆動機構を用いることができる。
【0026】
なお、仕切り板の形状や可動手段等については、上記の実施態様に限定されるものではなく、たとえば、図2に示すようなものを用いることができる。仕切り板6aは、テーブル2の盤3と隙間なく密接可能な内曲面を備え、逆L字状に伸長しており、また、盤3と接触する部分の形状は三角柱状となっている。なお、スラリーの流れを妨げ、鉱石が仕切り板6aと盤3との接触部分に堆積しないように、仕切り板6aが盤3と接触する部分から、この仕切り板6aが盤3の表面に沿った方向に伸長する部分の先端までの長さLは、20〜80mm程度とすることが好ましい。本実施態様の場合、この仕切り板6aを駆動装置11aにより所定の位置に移動させた後、前記内曲面を盤3の表面に接触させるとともに、精鉱側端縁14を軽く押圧させることにより、精鉱と尾鉱を分離して排出することを可能としている。この場合、駆動装置11aとしては、仕切り板6aが精鉱側端縁14に沿って移動可能なものであれば特に限定されることはなく、既存の駆動機構を用いることができる。
【0027】
ウィルフレータイプの揺動テーブル2においては、リッフル4は、盤3の揺動方向に沿って等間隔に配置される。リッフル4の長さは、尾鉱排出側では盤3の全長に及ぶが、給鉱側では給鉱される部分に限られており、尾鉱排出側に向けて、それぞれのリッフル4の長さが漸増していくようになっている。また、リッフル4により形成される溝の深さは、揺動機構5側から精鉱排出側にかけて漸次浅くなり、かつ、給鉱側から尾鉱排出側にかけて徐々に深くなるようになっている。なお、通常、リッフル4を含む盤3の上は、リノリウムなどの材料により被覆されている。
【0028】
揺動テーブル2の盤3は、基本的に、給鉱側から尾鉱排出側に傾斜するように、0°〜10°程度の傾きで配置される。本発明では、この盤3の傾斜角が0.5°〜9°の角度範囲で調整されるように構成されており、また、揺動テーブル2の給鉱側で盤3の下方に、この盤3の傾斜角を調整するための盤駆動装置13が備えられている。この盤駆動装置13としては、揺動テーブル2の盤3の給鉱側を所定範囲で昇降させることができる、アクチュエータなどの既存の駆動機構を用いることができる。
【0029】
鉱粒12の給鉱位置も含めて、揺動テーブル2に関する、その他の作用については公知のものと同様であり、その詳細な説明は本明細書では省略する。また、揺動テーブル2における盤3の形状、リッフル4および溝の形状、構造および配置などは、鉱石の種類などに応じて、さまざまなものがあり、給鉱される鉱粒の大きさなどにも考慮して、適宜選択されることとなる。
【0030】
本発明では、該揺動テーブル2の盤3の上方にカメラ9が設置されている。カメラとしては、既存の2値化画像処理システムに用いるものであれば任意のものが採用でき、デジタルカメラなどの静止画撮像機やデジタルビデオカメラなどの動画撮像機など、撮像した画像をデータとして出力できるものを例示することができる。
【0031】
かかるカメラ9は、画像解析装置10と電気的な接続がなされており、カメラ9は撮像データを画像解析装置10に出力する。画像解析装置10としては、既存のサーバ、パーソナルコンピュータなどのハードウェアと、2値画像処理用のソフトウェアなどの組合せのほか、専用の2値化画像処理装置などを用いることができる。かかる画像解析装置10は、入力した撮像データを2値化処理して、盤上の状況に基づいて白黒(0または1)の2値画像データを得る。この2値画像データを画像解析装置10のモニタもしくは外部モニタを通じて表示させることもできる。
【0032】
2値化の際における閾値は、選鉱される鉱石の種類、精鉱における高比重鉱粒の含有率(精鉱の回収率)などに応じてあらかじめ適切に設定ないしは選択される。通常は、既存の選鉱において、精鉱とされる範囲と片刃とされる範囲の境界に、この閾値が設定されるように調整することが好ましい。また、操業開始前にテストを行い、操業ごとに画像解析装置10により適宜閾値を調整できるようにしておくことが好ましい。
【0033】
本発明においては、必要に応じて、単一波長照明により鉱粒を照射するようにしたり、前記カメラに光学フィルタを備えたり、あるいは、前記カメラとして、近赤外線カメラを用いたりすることができる。たとえば、光の反射率が近似する2種以上の鉱粒が混在している場合には、閾値の調整が困難となる可能性がある。このような場合でも、上記の構成を採ることで、目的とする鉱粒のみを選択的に強調して撮影することが可能となり、閾値の調整が容易となる。
【0034】
より具体的には、鉱粒に、自然金と黄鉄鋼や硫砒鉄鉱が混在している場合、これらの光の反射率は近似しているものの、その吸収波長の比較では、自然金は800nm以上の長波長を反射しやすいのに対し、黄鉄鉱や硫砒鉄鉱はこのような長波長の光を吸収しやすいという傾向がある。したがって、たとえば、850nmの波長を有するLED光源などを用いて鉱粒に照射することで、自然金のみを明りょうに撮影することが可能となる。同様の効果は、光学フィルタをカメラに取り付けたり、カメラ自体を長波長の光に対して感度の良好な近赤外線カメラを用いたりすることによっても得ることができる。
【0035】
次に、本発明のテーブル比重選鉱機を用いた、2値化処理および精鉱の分離回収の工程について具体的に説明する。
【0036】
図3に示すように、揺動テーブル2の盤3に給鉱されると、鉱粒がその比重や大きさによって分離し、揺動テーブル2の盤3の上では、精鉱のみが存在する、ないしは精鉱が主として存在する精鉱ゾーンと、尾鉱のみが存在する、ないしは尾鉱が主として存在する尾鉱ゾーンと,両者が混在する片刃ゾーンに概ね分離される。通常、選鉱においては、精鉱ゾーンと片刃ゾーンとの境界線が、盤3の精鉱側端縁と尾鉱側端縁の交点となる盤3の角に向けて伸長するように、すなわち、精鉱が精鉱側端縁から脱落し、尾鉱(片刃を含む)が尾鉱側端縁から脱落するように、比重選鉱機の運転条件があらかじめ設定されることになる。
【0037】
したがって、本発明では、上記の閾値を精鉱ゾーンと片刃ゾーンの輝度の間に設定すると、精鉱ゾーンのみが数値1として処理され、それ以外の部分は数値0として処理され、たとえば、これを白黒で表現すると、図4のようなデータが得られることになる。画像処理装置10は、この精鉱ゾーンと片刃ゾーンの間に境界があると認定し、2値化処理データとしての位置情報データを出力する。
【0038】
本発明では、この画像処理装置10は、仕切り板駆動装置11と電気的に接続されており、画像処理装置10から出力された位置情報データに基づいて、仕切り板駆動装置11は、盤3の精鉱側端縁に沿って、所定範囲内で仕切り板6を水平移動させることが可能となっている。
【0039】
実際の操業では、給鉱量の変動など変動条件の変動に応じて、この精鉱ゾーンと片刃ゾーンの境界が移動することになる。従来の操業では、この変動が盤3の精鉱側端縁に沿って移動するように操業条件が設定され、目視によって、その変動を確認しつつ、運転条件を変更するなどして、精鉱排出位置と尾鉱排出位置が所定範囲内で一定となるようにしている。これに対して、本発明では、カメラ9により鉱粒の状態を撮像し、得られた画像を画像解析装置10により2値化処理し、得られた2値化処理データ(位置情報データ)に応じて、仕切り板駆動装置11を駆動させて、2値画像の境界に対応する位置に、仕切り板6の配置位置を所定範囲内で移動させている。これにより、本発明では、仕切り板6の位置が、精鉱ゾーンと片刃ゾーンとの境界となるように、自動的に調整されることになる。
【0040】
ただし、操業条件によっては、給鉱量の増加に伴い、図3あるいは図4に示す精鉱ゾーンと片刃ゾーンの境界位置(2値画像の境界)が給鉱側に移動し、さらに、この境界位置が、仕切り板6の移動可能な範囲を超えて移動してしまう傾向となる場合がある。すなわち、この境界が仕切り板6の可動範囲を超えて移動してしまうと、精鉱側の回収ゾーンに、片刃ゾーンの一部が含まれてしまい、最終的に得られる金の分配率が低下することとなる。
【0041】
このようなことを防止するため、本発明では、2値画像の境界に対応する位置(精鉱ゾーンと片刃ゾーンの境界位置)が、仕切り板6が移動可動な所定範囲である中間域を超えて両端域に達した場合に、得られた2値化処理データ(位置情報データ)に応じて、盤駆動装置13を駆動させて、2値画像の境界に対応する位置が、その可動範囲の中間域に位置するように、揺動テーブル2の盤3の傾斜角を調整することを可能としている。
【0042】
このような構成を採ることにより、鉱粒12が斜面方向に下向きに受ける力を増減させることができるため、前記境界の位置を、仕切り板6の移動可能な所定範囲の中間域に維持することができ、金の分配率の低下をさらに効果的に防止することができる。
【0043】
盤3の傾斜角を調整する際の基準となる前記境界の位置(前記中間域の範囲)は、鉱粒12の供給量の変動、鉱粒12が水流から受ける圧力、その他の諸条件に応じて適宜設定されるものであるが、一般的には、前記境界の位置が仕切り板6の可動範囲の70〜90%、好ましくは75〜85%である中間域を超えて両端域に進入した場合に、自動的に調整されるように設定することが好ましい。
【0044】
なお、仕切り板駆動装置11による仕切り板6の配置位置の制御に代替して、盤駆動装置13による揺動テーブル2の盤3の傾斜角を制御することにより、仕切り板6の配置位置を変動させずとも、2値画像の境界に対応する位置に仕切り板6の配置位置を一致させたり、2値画像の境界に対応する位置を盤3の精鉱側端縁と尾鉱側端縁の交点となる盤3の角に一致させたりすることも可能である。ただし、仕切り板駆動装置11による仕切り板6の制御と、盤駆動装置13による盤3の傾斜角を併せて制御することにより、粗制御と粗制御の2段階制御として、より広範囲かつ精度よく比重選鉱を行うことが好ましい。
【0045】
揺動テーブル2の盤3の下側には、精鉱排出側と尾鉱排出側とにそれぞれ貯槽が配置されており、仕切り板を境界にして、仕切り板より精鉱排出側では、給鉱された鉱粒12のうち、精鉱ゾーンに存在する鉱粒のみが精鉱側貯槽7に、片刃ゾーンおよび尾鉱ゾーンに存在する鉱粒は尾鉱側貯槽8に、それぞれ分離回収されることとなる。
【0046】
なお、閾値を変更することにより、精鉱側および尾鉱側のいずれにも分離条件を変更させることは可能であり、状況に応じて、精鉱ないしは尾鉱もしくは両方について、さらに本発明のテーブル比重選鉱機による比重選鉱を繰り返したり、別の選鉱手段により、さらなる選鉱を行ったりして、得られる精鉱の品位をより高めることも可能である。
【0047】
なお、本発明は、精鉱と脈石鉱物などの除去されるべき物質とを比重選鉱により分別でき、かつ、選鉱機の盤上で両者に十分な輝度の相違が生じる金属鉱石を選鉱することにより精鉱を得るための操業に広く適用することができる。ただし、本発明では、特に比重が重く、比重選鉱による分別に適切な金鉱石に適用されることが好ましい。
【0048】
金鉱石は、脈石鉱物、硫化鉱物およびその他の不純物を含有する。図5に示すように、金鉱石の選鉱の場合、あらかじめ該金鉱石を粉砕し、得られた粉砕産物を比重選別して、高比重産物と低比重産物とに分離し、得られた高比重産物を前記鉱粒として前記テーブル比重選鉱機に給鉱することが好ましい。これにより、本発明によるテーブル比重選鉱を実施する際に、より適切に高品位の金精鉱を分離・濃縮して回収することが可能となる。
【0049】
なお、本発明が原料とする金を含む金鉱石については、その種類については特に制限されず、金の含有量についても特に限定されない。また、あらかじめ行われる粉砕工程においては、一般的な破砕機や粉砕機を使用して金鉱石を粉砕する。この際の粉砕粒度は金鉱石に含有されている金の形態から適宜最適値を選択すればよい。粉砕産物の粒度が細かすぎると、その次の予備的な比重選別の効率が低下するため、一般的には0.08mm以上10mm以下の範囲に、好ましくは、0.1mm以上5mm以下の範囲に調整する。
【0050】
予備的な比重選別に用いる装置としては、テーブル選鉱機、ジグ選鉱機、各種の遠心式比重選鉱機など、市販の比重選鉱機から粉砕物の粒度に応じて最適なものを選択することができる。本発明のテーブル比重選鉱機をこの予備的な比重選別に用いてもよく、この場合に本発明の選鉱方法を適用するか否かは任意である。また、本発明の選鉱方法の後に、同様にさらなる選鉱工程を設けてもよい。
【0051】
このように、本発明による選鉱方法によれば、一度の選鉱により適切な選鉱がなされ、高品位の金精鉱からなる金濃縮物が得られる。また、選鉱工程の繰り返し回数を低減させることもでき、かつ、人手による調整などを省略でき、操業時間を大幅に短縮できる。よって、得られる金濃縮物の金品位が大幅に向上されるのみならず、従来から行われている種々の方法を用いて、容易かつ低コストに金を精製することが可能となる。なお、上述の通り、金以外にも本発明の2値化処理を適用可能な範囲において他の金属鉱石の選鉱にも本発明を適用できる。
【実施例】
【0052】
(実施例1)
以下の実施例では、金分析値は試金法を用いて求めた。また、金鉱石にはアメリカ産の金鉱石を使用した。金鉱石試料の平均金品位は15g/tであった。
【0053】
最初に、この金鉱石を破砕し、得られた鉱粒に水を加えてスラリーとして、得られたスラリーを、従来から行われている一般的な比重選鉱であるネルソン選鉱に付して、鉱粒を高比重産物と低比重産物とに分離した。
【0054】
次に、得られた高比重産物1800g(金品位0.39%)について、ウィルフレータイプの揺動テーブルを備える本発明のテーブル比重選鉱機(三菱金属株式会社製)に、スラリーの状態で給鉱した。
【0055】
使用した揺動テーブルの概要は次の通りであった。盤は、長さ約1200mm、幅約460mmの略矩形形状であった。リッフルは、盤の長さ方向に伸長し、等間隔で18本設けられていた。最も給鉱側にあるリッフルの長さは、駆動機構側から約380mmであり、その駆動機構側における高さは3.1mmで、前方側における高さは0.3mmであった。また、最も尾鉱排出側にあるリッフルは、盤の長さ全体に伸長し、駆動機構側の高さは7.3mmで、精鉱排出側の高さは0.9mmであった。それぞれの中間のリッフルの長さと高さは、これらの間で漸増・漸減するように構成されていた。また、盤は、給鉱側から尾鉱排出側に向けて、傾斜角5°で下方に傾斜していた。
【0056】
この揺動テーブルを、駆動機構により、ストローク数355回/分、ストローク8.5mmで揺動運動させた。鉱粒スラリーを、水量4L/minの水流と共に、給鉱側から盤上に給鉱した。
【0057】
テーブル比重選鉱機には、盤上から高さ500mmの位置にデジタルカメラ(パナソニック株式会社製、BB−HCM581)が配置されており、また、デジタルカメラと、2値化処理ソフトウェア(自社製)を内蔵したパーソナルコンピュータ(日本電気株式会社製、MY18X/A−5)からなる画像解析装置と、サーボモータ(GWServo社製、S677−2BB)と、テーブル比重選鉱機の仕切り板とが、それぞれケーブルにより信号の出力・入力可能に電気的に接続されていた。また、本実施例では、図2に示すような仕切り板6aを使用して精鉱と尾鉱の分離を行った。このとき、仕切り板6aが盤3の精鉱側端縁14と接触する部分から、この仕切り板6aの盤3の表面に沿った方向に伸長する部分の先端までの長さLを30mmとしたが、スラリーの流れが妨げられたり、鉱石が仕切り板6aと盤3との接触部分に堆積したりすることはなかった。
【0058】
給鉱が開始されると、テーブル比重選鉱機の作用により、鉱粒が盤上に分散し、精鉱排出側および尾鉱排出側のそれぞれに拡散していった。金精鉱は主としてリッフルに沿って前進し、リッフルの存在しない部分に移動し、精鉱排出側の盤縁に到達した。その際に、デジタルカメラによって盤上に分布された鉱粒を撮影し、画像解析装置によりその画像データを2値化処理した。この2値化処理によって得られた2値化処理データに応じて、駆動装置が作動し、仕切り板の先端部を、精鉱排出側の盤縁であって、尾鉱排出側から約0〜200mmのところで揺動テーブルと共に揺動可能に接触して、排出される鉱粒をその位置において分離させ、それぞれの貯槽に鉱粒を排出させた。なお、2値化の際における閾値は、テーブル運転時の照明条件において、撮影画像における金粒が、黄鉄鉱や硫砒鉄鉱等の硫化鉱物と最も明瞭に識別できる値に任意に調整した。
【0059】
すべての鉱粒が分離・回収された後、操業開始から15分の時点で、操業を停止し、精鉱側の貯槽に回収された鉱粒の質量を測定すると共に、金品位を求めたところ、それぞれ11.3g、54.7%であった。この測定値より計算した試験に使用した高比重産物から得られた高品位金精鉱の質量割合は0.6%であり、99%以上の物量を除外することができた。一方、得られた高品位金精鉱中に分布する金の分配率は88.0%であり、本発明により効果的に高品位の金精鉱を回収できることが理解される。
【0060】
(比較例1)
本発明による2値化画像処理システムを作動させずに、仕切り板の先端部を精鉱排出側の盤縁であって、尾鉱排出側から約100mmのところに固定した状態で、操業したこと以外は、実施例1と同様にテーブル比重選鉱を行った。
【0061】
操業開始から15分の時点で、操業を停止し、精鉱側の貯槽に回収された鉱粒の質量を測定すると共に、金品位を求めたところ、それぞれ142.2g、3.6%であった。このとき高比重産物から得られた高品位金精鉱の質量割合は7.9%であり、92%以上の物量を除外することができた。一方、得られた高品位金精鉱中に分布する金の分配率は72.9%であった。
【0062】
(実施例2)
盤の傾斜角を、0.5°〜9°の範囲で調整可能としたものを用い、かつ、この盤の昇降を可能なようにアクチュエータ(オリエンタルモーター株式会社製、ステッピングモーター)を盤の給鉱側下部に配置し、盤と接続するとともに、画像解析装置との間でケーブルにより信号の出力・入力可能に電気的に接続させたこと、鉱粒スラリーの給鉱量を変動させ、2値化処理をした際の精鉱ゾーンと片刃ゾーンの境界が仕切り板の移動可能な所定範囲の80%を超えた場合に、揺動テーブルが設置された盤の傾斜角を自動的に調整できるようにしたこと以外は、実施例1と同様にして、テーブル比重選鉱を行った。
【0063】
本実施例では、鉱粒の給鉱量が増加した場合に、前記境界の位置が上方に移動したが、この位置が、尾鉱排出側から約160mm(仕切り板の可動域の80%)に達した時点で、アクチュエータが作動し、盤の傾斜角を5.5°まで増加させた。また、鉱粒の給鉱量の減少に応じて、前記境界の位置が下方に移動したが、この位置が、尾鉱排出側から約40mm(仕切り板の可動域の80%)に達した時点で、アクチュエータが作動し、盤の傾斜角を5°に戻した。このようにして、操業開始から終了までを通じて、前記境界位置が尾鉱排出側から約40〜160mm(仕切り板の可動域の80%以下の中間域)に維持されていたことを確認した。
【0064】
操業開始から15分の時点で、操業を停止し、精鉱側の貯槽に回収された鉱粒の質量を測定すると共に、金品位を求めたところ、それぞれ15.3g、41.8%であった。このとき高比重産物から得られた高品位金精鉱の質量割合は0.9%であり、99%以上の物量を除外することができた。一方、得られた高品位金精鉱中に分布する金の分配率は91.2%であった。
【0065】
(比較例2)
揺動テーブルの調整を行わなかったこと以外は、実施例2と同様にして、テーブル比重選鉱を行った。
【0066】
本比較例では、鉱粒の給鉱量が増加した場合に、前記境界の位置が上方に移動し、最大で尾鉱排出側から約215mm(仕切り板の可動域の108%)の位置まで移動したことが確認された。
【0067】
操業開始から15分の時点で、操業を停止し、精鉱側の貯槽に回収された鉱粒の質量を測定すると共に、金品位を求めたところ、それぞれ80.7g、7.2%であった。このとき高比重産物から得られた高品位金精鉱の質量割合は4.5%であり、95%以上の物量を除外することができた。一方、得られた高品位金精鉱中に分布する金の分配率は82.6%であった。
【0068】
【表1】

【符号の説明】
【0069】
1 テーブル比重選鉱機
2 揺動テーブル
3 盤
4 リッフル
5 揺動機構
6 仕切り板
7 精鉱側貯槽
8 尾鉱側貯槽
9 カメラ(デジタルカメラ)
10 画像解析装置
11 駆動装置(サーボモータ)
12 鉱粒
13 駆動装置
14 精鉱側端縁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のリッフルが設けられ、該リッフルの伸長方向に揺動運動可能となっている盤を備え、水流と共に給鉱された鉱粒を比重により分散させる揺動テーブルと、前記揺動テーブルの盤の端縁に沿って配置され、前記分散された鉱粒を異なる貯槽に分離して排出するための仕切り板と、該揺動テーブルの盤の上方に設置され、該盤上を撮像するカメラと、該カメラが撮像した画像を2値化処理し、得られた2値化処理データを出力する画像解析装置と、該画像解析装置から出力された前記2値化処理データに応じて、前記仕切り板の配置位置を移動させるための仕切り板駆動装置、または、前記画像解析装置から出力された前記2値化処理データに応じて、前記揺動テーブルの盤の傾斜角を調整するための盤駆動装置と、を備える、テーブル比重選鉱機。
【請求項2】
単一波長照明または光学フィルタをさらに備える、請求項1に記載のテーブル比重選鉱機。
【請求項3】
前記カメラが、近赤外線カメラである、請求項1に記載のテーブル比重選鉱機。
【請求項4】
前記仕切り板駆動装置および前記盤駆動装置の両方を備える、請求項1〜3のいずれかに記載のテーブル比重選鉱機。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載のテーブル比重選鉱機を用いて、鉱粒を揺動テーブルの盤上に水流と共に給鉱し、前記カメラにより鉱粒を撮像し、得られた画像を前記画像解析装置により2値化処理し、得られた2値化処理データに応じて、前記仕切り板駆動装置を駆動させて、2値画像の境界に対応する位置に、前記仕切り板の配置位置を所定範囲内で移動させ、または、得られた2値化処理データに応じて、前記盤駆動装置を駆動させて、2値画像の境界が前記異なる貯留の境界に対応して位置するように、前記揺動テーブルの盤の傾斜角を所定範囲内で調整することにより、比重により分散された鉱粒を異なる貯槽に分離回収する、比重選鉱方法。
【請求項6】
請求項4に記載のテーブル比重選鉱機を用いて、鉱粒を揺動テーブルの盤上に水流と共に給鉱し、前記カメラにより鉱粒を撮像し、得られた画像を前記画像解析装置により2値化処理し、得られた2値化処理データに応じて、前記仕切り板駆動装置を駆動させて、2値画像の境界に対応する位置に、前記仕切り板の配置位置を所定範囲内で移動させ、比重により分散された鉱粒を異なる貯槽に分離回収するとともに、前記2値画像の境界に対応する位置が、前記仕切り板の移動可能な所定範囲の70〜90%の中間域を超えて両端域に達した場合に、前記得られた2値化処理データに応じて、前記盤駆動装置を駆動させて、前記2値画像の境界に対応する位置が、前記中間域に位置するように、前記揺動テーブルの盤の傾斜角を調整する、比重選鉱方法。
【請求項7】
選鉱に供される鉱石が、脈石鉱物、硫化鉱物およびその他の不純物を含有する金鉱石であり、あらかじめ該金鉱石を粉砕し、得られた粉砕産物を比重選別して、高比重産物と低比重産物とに分離し、得られた高比重産物を前記鉱粒として前記テーブル比重選鉱機に給鉱し、金精鉱と脈石鉱物、硫化鉱物およびその他の不純物とに分離する、請求項5または6に記載の比重選鉱方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−139675(P2012−139675A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−271340(P2011−271340)
【出願日】平成23年12月12日(2011.12.12)
【出願人】(000183303)住友金属鉱山株式会社 (2,015)
【Fターム(参考)】