説明

金融手段を確認するためのシステムおよび方法

【課題】金融手段または金融手段を使用するユーザの認可を確認するためのシステムおよび方法を提供すること。
【解決手段】取引プロセッサは、ある取引から別の取引まで変更し得る詳細(例えば、取引のタイプ(例えば、預金、借方記入、貸方記入)、取引の金額、取引の数、取引に関する商人または売人の名前または口座など)とともに、手段に関する一つ以上の確認取引を開始する。選択された詳細(特に変更可能なもの)は、システムに蓄えられる。ユーザは、オンライン、電話、月次計算書などでアクセスすることにより、取引に関する情報にアクセスする。次いで、ユーザは要求された詳細をユーザインターフェイスを介してシステムに提示する。要求された詳細は、格納された詳細と比較される。それらが一致すると、ユーザは(例えば、購入、送金のために)手段を使用することが許可され得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(背景)
本発明は、コンピュータシステムおよびデータ通信の分野に関する。より詳細には、金融手段または金融口座(例えば、クレジットカード、デビットカード、銀行預金口座など)を確認するためのシステムおよび方法が提供される。
【背景技術】
【0002】
現代の金融システムは、物理的な通貨を使用することなく、金融取引を実行することを容易にしている。例えば、クレジットカードおよびACH(自動手形交換所)取引(すなわち、電子小切手)は、購入、送金、または他の金融取引における約束のために現金に代わってますます使用されている。
【0003】
しかし、これらの従来の手段は、盗難および詐欺の使用を受けやすい。盗難により、盗まれたクレジットカードを使用するために必要な情報のすべてをそのクレジットカード自体から取得することが可能である。一方、(例えば、当座預金口座から現金を引き出すために)ACH取引を実行するために必要な情報のすべては、銀行預金口座および小切手のルーティング番号である。窃盗者または詐欺師にとって、クレジットカードまたは銀行預金口座の正当な所有者または保有者として装うことは簡単なことである。詐欺に対する既存の防衛手段(例えば、盗難されたカードのリストに対するクレジットカードの照合、ACH取引を終える前の当座預金口座の名前の照合)は、しばしば不十分である。一般に、商人、売人、銀行またはクレジットカードもしくは電子手形取引を引き受ける他のものは、正当な所有者または保有者に過失がない場合に盗難または横領された金額について責任を負う。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
(要旨)
従って、本発明の一つの実施形態では、金融手段または金融口座(例えば、クレジットカード、デビットカード、銀行預金口座など)を確認するためのシステムおよび方法が提供される。このシステムおよび方法では、上記の手段を用いることを試みる人が取引を行うことを認可されることは保証される。
【0005】
顧客またはユーザが、(例えば、購入または送金を行うために)ある手段を使用する願望を表明すると、本システムは、その手段を用いて一つ以上の確認取引を開始する。選択された取引(単数または複数)の詳細(特に、ある取引から別の取引まで変化し得る詳細)が蓄えられる。このような変化可能な詳細は、実行された取引の数、取引の金額、取引のタイプ(例えば、クレジット、デビット、預金、払い戻し)、商人の名前、またはその取引についてシステムにより用いられる口座などを含み得る。
【0006】
ユーザは、自分の金融機関から取引(単数または複数)の証拠を取り出す。これは、オンライン、電話、月次計算書などで達成され得る。そして、ユーザは、要求した詳細をシステムに提示する。提示された詳細は格納された詳細と比較され、それらが一致した場合、ユーザはその手段を使用することを許可される。確認が失敗した場合、ユーザは、例えば再度挑戦したり、異なる確認または追加の確認を提供したりすることが可能となり得る。ユーザの口座は制限されてもよい。
例えば、本発明は以下の項目を提供する。
(項目1) 金融手段を使用する顧客の認可を確認するための方法であって、
顧客により識別された金融手段を用いて一つ以上の取引を開始するステップと、
該一つ以上の取引の一つ以上の属性を格納するステップと、
提供された属性のセットを受け取るステップと、
該提供された属性と該格納された属性とを比較するステップと、
該提供された属性が該格納された属性と一致した場合、該顧客による該金融手段の使用を認めるステップと
を包含する、方法。
(項目2) 上記開始するステップの後に、上記顧客から上記提供された属性を求めるステップをさらに包含する、項目1に記載の方法。
(項目3) 上記開始するステップは、
第1の属性のセットで該金融手段に関する第1の取引を開始するステップと、
該第1の属性のセットとは異なる第2の属性のセットで該金融手段に関する第2の取引を開始するステップと
を包含する、項目1に記載の方法。
(項目4) 上記属性を格納するステップは、上記一つ以上の取引における第1の取引の値を格納するステップを包含する、項目1に記載の方法。
(項目5) 上記属性を格納するステップは、上記一つ以上の取引における第1の取引の商人IDを格納するステップを包含する、項目1に記載の方法。
(項目6) 上記属性を格納するステップは、上記一つ以上の取引の数を格納するステップを包含する、項目1に記載の方法。
(項目7) 上記属性を格納するステップは、上記一つ以上の取引のうちの一つのタイプを格納するステップを包含する、項目1に記載の方法。
(項目8) 上記開始するステップは、上記取引を電子的に開始するための取引プロセッサを動作させるステップを包含する、項目1に記載の方法。
(項目9) 上記受け取るステップは、上記提供された属性を電子的に受け取るステップを包含する、項目8に記載の方法。
(項目10) 上記金融手段は、クレジットカードである、項目1に記載の方法。
(項目11) 上記金融手段は、デビットカードである、項目1に記載の方法。
(項目12) 上記金融手段は、銀行預金口座である、項目1に記載の方法。
(項目13) 金融口座を使用するユーザの認可を確認するコンピュータで実行するための方法であって、
金融口座を識別するユーザ情報を受け取るステップと、
該金融口座に関する一連の取引を開始するステップと、
該一連の取引の第1の詳細のセットを格納するステップと、
テストの詳細のセットを受け取るステップと、
該テストの詳細のセットと該第1の詳細のセットとを比較するステップと、
該第1の詳細のセットが該テストの詳細のセットに対応する場合、該金融口座を用いて取引を実行することを該ユーザに認可するステップと
を包含する、方法。
(項目14) 上記開始するステップの後に、上記ユーザから上記テストの詳細のセットを求めるステップをさらに包含する、項目13に記載の方法。
(項目15) 上記金融口座は、クレジットカード口座である、項目13に記載の方法。(項目16) 上記金融口座は、デビットカード口座である、項目13に記載の方法。
(項目17) 上記金融口座は、当座預金口座である、項目13に記載の方法。
(項目18) 上記金融口座は、普通預金口座である、項目13に記載の方法。
(項目19) 上記金融口座は、銀行預金口座である、項目13に記載の方法。
(項目20) 上記第1の詳細のセットは、第1の取引の商人IDを含む、項目13に記載の方法。
(項目21) 上記第1の詳細のセットは、第1の取引の金額を含む、項目13に記載の方法。
(項目22) 上記第1の詳細のセットは、第1の取引のタイプを含む、項目13に記載の方法。
(項目23) 上記第1の詳細のセットは、上記取引の数を含む、項目13に記載の方法。
(項目24) 上記第1の詳細のセットは、上記金融口座以外の上記取引に関連した口座のIDを含む、項目13に記載の方法。
(項目25) クレジットカードを確認するための方法であって、
ユーザが資金源として使うことを望むクレジットカードを識別する口座番号および名前をユーザから受け取るステップと、
該クレジットカードに関する一つ以上の取引を開始するステップと、
該取引の第1の詳細のセットを格納するステップと、
該取引の詳細を識別するように該ユーザを促すステップと、
第2の詳細のセットを該ユーザから受け取るステップと、
該第2の詳細のセットが該第1の詳細のセットと一致した場合、該ユーザが資金源として該クレジットカードを使用することを認可するステップと
を包含する、方法。
(項目26) 上記第2の詳細のセットは、上記一つ以上の取引のうちの一つに関する商人の識別子を含む、項目25に記載の方法。
(項目27) 銀行預金口座を確認するための方法であって、
ユーザが資金源として使うことを望む銀行預金口座を識別する口座番号およびルーティング番号をユーザから受け取るステップと、
該銀行預金口座に関する一つ以上の取引を開始するステップと、
該取引の第1の詳細のセットを格納するステップと、
該取引の詳細を識別するように該ユーザを促すステップと、
第2の詳細のセットを該ユーザから受け取るステップと、
該第2の詳細のセットが該第1の詳細のセットと一致した場合、資金源として該銀行預金口座を使用することを該ユーザに認可するステップと
を包含する、方法。
(項目28) 上記第2の詳細のセットは、上記一つ以上の取引のうちの一つの金額を含む、項目27に記載の方法。
(項目29) コンピュータにより実行される場合、該コンピュータが金融手段を使用する顧客の認可を確認するための方法を実行する命令を格納するコンピュータ読み出し可能格納媒体であって、該方法は、
顧客により識別された金融手段を用いて一つ以上の取引を開始するステップと、
該一つ以上の取引の一つ以上の属性を格納するステップと、
提供された属性のセットを受け取るステップと、
該提供された属性と該格納された属性とを比較するステップと、
該提供された属性が該格納された属性と一致した場合、該顧客による該金融手段の使用を認めるステップと
を包含する、コンピュータ読み出し可能格納媒体。
(項目30) 外部の金融口座を使用するユーザの認可を確認するためのシステムであって、
ユーザにより識別された外部の金融口座に関する一つ以上の取引を開始するように構成された取引プロセッサと、
該取引の第1の詳細のセットを格納するように構成されたメモリと、
テストの詳細のセットを受け取るように構成されたユーザインターフェイスと、
該第1の詳細のセットと該テストの詳細のセットとを比較するように構成されたプロセッサと
を備える、システム。
(項目31) 上記プロセッサは、上記テストの詳細のセットが上記第1の詳細のセットのうちの所定のサブセットと一致した場合、上記ユーザが上記外部の金融口座を使用することを認可するようにさらに構成される、項目30に記載のシステム。
(項目32) 上記取引プロセッサは、ACH(自動手形交換所)取引ハンドラに接続される、項目30に記載のシステム。
(項目33) 上記取引プロセッサは、クレジットカードサービスプロバイダに接続される、項目30に記載のシステム。
(項目34) 上記クレジットカードサービスプロバイダは、商人取得人である、項目33に記載のシステム。
(項目35) 上記クレジットカードサービスプロバイダは、クレジットカードゲートウェイプロバイダである、項目33に記載のシステム。
(項目36) 上記取引プロセッサは、上記一つ以上の取引をそれらの開始前に構築するように構成される、項目30に記載のシステム。
(項目37) 上記ユーザインターフェイスを動作させるためのコンピュータサーバをさらに備える、項目30に記載のシステム。
(項目38) 上記コンピュータサーバは、上記一つ以上の取引をそれらの開始前に上記取引プロセッサにより構築するようにさらに構成される、項目37に記載のシステム。
(項目39) 金融手段を使用する顧客の認可を確認するための装置であって、
顧客から金融手段を識別する情報を受け取る手段と、
該金融手段に関する一つ以上の取引を開始する取引手段と、
該一つ以上の取引の選択された詳細を格納する格納手段と、
詳細の確認セットを受け取るインターフェイス手段と、
該詳細の確認セットと該選択された詳細とを比較する比較手段と
を備え、
該詳細の確認セットが該選択された詳細に対応する場合、該顧客は該金融手段を使用する該認可を有すると考えられる、装置。
(項目40) 上記詳細の確認セットを提供するように上記顧客を促す促進手段をさらに備える、項目39に記載の装置。
(項目41) 上記インターフェイス手段は、上記促進手段を備える、項目40に記載の装置。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】図1は、本発明の実施形態による金融手段を使用する可能性のあるユーザの認可を確認するためのシステムのブロック図である。
【図2】図2は、本発明の実施形態による金融手段を使用する人の認可を確認するための一つの方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(詳細な説明)
以下の説明は、任意の当業者が本発明を構築および使用することが可能となるように示され、本発明およびそれらの要件の特定の用途の状況において提供される。開示された実施形態に対する種々の変更は、当業者に容易に明らかとなる。本明細書中で規定される一般的な原理は、本発明の範囲から逸脱することなく他の実施形態および用途に適用可能である。従って、本発明は、示した実施形態に限定されることは意図されず、本明細書中に開示された原理および特徴と合致した最も広い範囲に従うことが意図される。
【0009】
本発明の実施形態が例示的に実施されるプログラム環境は、汎用コンピュータまたは特定の目的のデバイス(例えば、携帯型コンピュータ)と一体となる。このようなデバイス(例えば、プロセッサ、メモリ、データ格納装置、ディスプレイ)の詳細は、分かり易くするために省略され得る。
【0010】
本発明の技法が、種々の技術を用いて実行され得ることはまた、理解されたい。例えば、本明細書中に記載される方法は、コンピュータシステム上で実行するソフトウェアでインプリメントされてもよいし、マイクロプロセッサまたは他の特別に設計されたアプリケーション専用集積回路の組み合わせ、プログラマブル論理デバイス、あるいはそれらの種々の組み合わせのいずれかを利用するハードウェアでインプリメントされてもよい。特に、本明細書中に記載される方法は、適切なコンピュータ読み出し可能媒体に存在する一連のコンピュータ実行可能命令によってインプリメントされ得る。適切なコンピュータ読み出し可能媒体は、揮発性メモリ(例えば、RAM)および/または不揮発性メモリ(例えば、ROM、ディスク)、搬送波、および伝送媒体(例えば、銅線、同軸ケーブル、光ファイバ媒体)を含み得る。搬送波の例は、ローカルネットワークまたは公共のアクセス可能なネットワーク(例えば、インターネット)によってディジタルデータストリームを搬送する電気信号、電磁信号、または光信号の形態をとり得る。
【0011】
本発明の一つの実施形態では、金融手段または金融口座を確認するためのシステムおよび方法、あるいは金融手段または金融口座を使用するユーザの認可を確認するためのシステムおよび方法が提供される。金融手段または金融口座は、クレジットカード、デビットカード、銀行預金口座、仲買業務口座、金融市場口座など(これらは、電子的に交換された価値のソースまたは宛先として使用され得る仮想的な任意のものである)を含むように規定される。
【0012】
より詳細には、本発明のシステムおよび方法は、ユーザにより識別された金融手段(例えば、資金源)が、ユーザにより実際に所有されるか、またはコントロールされることを保証するために提供され得る。従って、ユーザがこの手段を盗み、そしてその手段を詐欺的に使用することを試みようとする可能性または危険性は、従って確認が実行されなかった場合よりも低くなると判定され得る。
【0013】
本発明の実施形態では、一連の取引は、ユーザによって識別された金融手段を用いて実行される。取引は、クレジットカードへの借方記入もしくは貸方記入、銀行預金口座への預金、または銀行預金口座からの引き出し等を含み得る。取引の特定の詳細(例えば、総計、取引のタイプ、商人ID、取引の日付または時間)が記録される。ユーザは、(例えば、口座計算書からその手段の保有者または発行者を呼び出すことにより)特定の詳細を取り出し、そしてその特定の詳細をシステムに対して識別するように求められる。ユーザが特定の詳細を正しく識別すると、確認プロセスは成功する。ユーザが失敗すると、ユーザは正しい詳細を入力するためのさらなる機会の回数は制限され、なお失敗すると、この手段を使用することができなくなり得る。この実施形態では、取引に必要な詳細を取得するために、ユーザは、自分の金融機関の自分自身の確認/認可プロセスをパスし、それにより自分が不正なユーザであるらしいということがほとんどないようにすることが要求される。
【0014】
本発明の実施形態は、種々の理由または種々の状況で使用されてもよいし、適用されてもよい。例えば、顧客が購入することを望むとき(例えば、新規の顧客の場合、または購入額が比較的大きい場合)、商人は確認プロセスを開始または実行し得る。顧客は、オンライン(例えば、顧客のクレジットカード発行業者または銀行のウェブサイトによる)または電話でそれらにアクセスすることで、確認取引の必要な情報を迅速に取り出すことができる。
【0015】
本発明の別の実施形態は、金融手段を使用するユーザの認可を将来を見越して確認するために適用され得る。例えば、オンラインシステムにより、ユーザはオンラインで資金の振替および/または購入を行うことが可能となる。ユーザは自分が使用することを望む金融手段を識別し得るが、オンラインシステムはその金融手段、またはユーザがシステムにおいてその手段を使用することが可能になる前に確認されるべき、その手段を使用するためのユーザの認可を要求する。
【0016】
図1は、本発明の一つの実施形態に従って、金融手段を使用するためのユーザの管理または認可を確認するためのシステムを示す。本実施形態では、システム100は、ユーザインターフェイス102、データベース104、および取引プロセッサ106を備える。ユーザインターフェイス102は、ウェブサーバ、アプリケーションサーバ、データサーバ、または他の演算デバイス上で動作し得る。本発明の代替の実施形態では、ユーザは、ユーザインターフェイス102に加えて、またはそれに代えて、システムの代理人もしくは代表者、双方向音声レコーダ、または他の手段により、システムと相互通信することができる。データベース104は、ユーザインターフェイス102またはユーザインターフェイスが実行するコンピュータシステムから分離されていてもよいし、あるいはそれらと統合されていてもよい。取引プロセッサ106は、一つ以上の異なるタイプの金融手段で取引を開始するように構成されてもよく、あるいはシステム100は、複数の取引プロセッサを備えていてもよい。この場合、取引プロセッサのそれぞれの性能は重複してもよいし、重複しなくてもよい。
【0017】
ユーザインターフェイス102は、例えばユーザ110からユーザ接続を受け取るように構成され、そしてユーザの状況によって異なって動作し得る(例えば、異なるウェブページ、フォーム、またはメニューを表示する)。例えば、新規のユーザからの接続では、インターフェイス102は、ユーザに登録フォーム、システム(例えば、電子商取引、資金の振替)などにより提供されたサービスに関する情報などを提示し得る。登録フォームは、ユーザが一つ以上の金融手段を識別することを要求し得る。次いで、その金融手段のうちのいくつかは、本発明の実施形態に従って変更され得る。登録されたユーザまたは他の経験のあるユーザについては、インターフェイス102は、カスタマイズされたページまたは表示、電子商取引の機会などを提示し得る。このようなユーザは、金融手段あるいは資金源もしくは宛先としての今すぐまたは将来の使用のための口座を識別するように求められ得る。ユーザインターフェイス102は、公共の利用可能なネットワーク(例えば、インターネット)、個人ネットワーク、および他の専用リンクまたは共用リンク(これらは有線であってもよいし、無線であってもよい)を介した接続を受け取るように構成され得る。
【0018】
取引プロセッサ106は、一つ以上の金融システム、または金融取引を処理するためのものに接続される。従って、金融システム120は、ACH(自動手形交換所)売人(例えば、電子小切手および預金のようなACH取引を処理するように構成された資金管理サービス)、クレジットカードおよび/またはデビットカード取引を取り扱う商人取得人または資金管理サービス、あるいはいくつかの他のものを含み得る。上で具体的に挙げたように、システム100は、複数の取引プロセッサを含み得る。それぞれの取引プロセッサは、異なるタイプの金融手段のために構成され、異なる金融システムまたは要素と相互に通信し得る。取引プロセッサ106は、別個のものであってもよいし、システム100の特別な要素(例えば、コンピュータサーバ)であってもよく、あるいはシステムの別の要素(例えば、データサーバ、ウェブサーバ)に組み込まれてもよい。
【0019】
金融システム120は、確認されている金融手段に対応するユーザの金融手段に接続される。従って、金融手段130は、ユーザの銀行、クレジットカード発行業者、仲買業者、投資管理者などであり得る。本発明の実施形態では、金融システム120は、金融機関の集合、および特定のフォーマット(例えば、クレジットカード、デビットカード、および/またはACH取引に関する)で互いに通信するものを表す。従って、金融システム120は、金融機関130を含み得る。
【0020】
システム100によってユーザの金融手段または金融口座を確認する一つの方法では、ユーザ110はシステム100に接続し、そして(例えば、購入または送金用の資金源として)ユーザが使用することを望む手段または口座を識別する。ユーザインターフェイス102またはユーザインターフェイスを動作させるサーバは、識別情報を取引プロセッサ106に渡す。取引プロセッサ106は、変更可能な詳細(例えば、取引の総額、取引のタイプ(例えば、預金、引き出し、借方記入、貸方記入)、種々の売人の名前またはID、あるいは手段の正当なユーザまたは所有者に報告され得る他の詳細または手段の正当なユーザまたは所有者により取り出され得る他の詳細)を用いて一つ以上の取引を開始する。取引は、ユーザインターフェイス102、取引プロセッサ106、またはシステム100内のいくつかの他の要素(例えば、アプリケーションまたはデータサーバ)により発生または構成され得る。この発生する要素はまた、選択された取引(単数または複数)の詳細をデータベース104に蓄える。
【0021】
次いで、取引プロセッサ106は、適切な金融システムまたは要素(例えば、金融システム120)によって、一連の取引を開始する。適切な金融システムまたは要素は、ユーザの金融機関130と関連して取引(単数または複数)を実行する。従って、取引プロセッサは、取引(単数または複数)に関する情報を取得し、それを金融システム120が理解または使用し得る形態に変更し、次いで相互通信し、さもなければそれを金融システムに通す。
【0022】
ユーザ110は、金融機関130からの計算書から、金融機関により提供されるオンラインシステムから、金融機関を呼び出すことによって等により、取引(単数または複数)の詳細を取得する。次いで、ユーザ110は、(例えば、ユーザインターフェイス102を介して)システム100に再接続し、要求された詳細を提供する。システムは、ユーザ110により提供された詳細と格納された詳細とを比較し、それらが一致した場合、認可するか、またはユーザが手段を使用することが可能になる。あるいは、そうでなく防止または拒否され得る他の所望の行動をとることが可能になる。本発明のより包括的な方法は、図2とともに以下に説明される。
【0023】
本発明の実施形態を実施する一つの結果は、商人または他のものに関する仕事上のコストを低減するために、詐欺の割合、入金取り消し、拒絶などを減少させることであり得る。クレジットカード、デビットカード、電子小切手、または本発明の方法により変更され得る他の手段を受け取る商人は、すべてのユーザ、リスクが高いようなユーザのみ、ユーザのいくつかの他のグループについてこのような確認を実行し得る。例えば、商人が計算を行う場合、あるいはユーザにより提示されたレベルのリスクを取得する場合、そのレベルは、確認が不必要な十分低いリスクをユーザが提示するか、確認を保証するために十分高いか、またはユーザの選択した手段を確認しようとすることさえもなく拒絶されるべきであるほど高いかをユーザは判定し得る。
【0024】
金融取引に関する売人(例えば、商人)のIDは、通常ユーザに報告されるので、確認取引を実行するために使用される特定の売人口座または名前は、金融手段を確認するためにユーザの要求された詳細の一つとなり得る。従って、本発明の方法を実行またはインプリメントする要素(例えば、商人、売人、オンラインサービス)は、その商人取得人、クレジットカード発行業者、あるいは銀行またはACHおよび/もしくは他の取引を開始する他の金融機関と共に、多くの売人口座を確立し得る。あるいは、別個の口座を必要とする代わりに、その要素の銀行、商人取得人、または他の金融システムパートナーは、その要素が商人の名前、口座、または取引の一部となる他の詳細を特定することを可能にする。
【0025】
有利には、変更可能な商人の名前または異なる商人の名前の使用により、本発明の実施形態を国際的に使用することを容易にする。特に、確認取引が一つの通貨で開始され、そしてユーザエンドにて別の通貨に交換される場合でさえ、商人の名前または他の変化可能なIDは、確認詳細としてなお使用され得る。
【0026】
取引が取り扱われる様式により、いくつかの取引情報が切り捨てられるか、または断ち切られると、確認システム(例えば、図1のシステム100)はそれに従って取引を構成し、あるいはユーザにより提供された詳細に対して格納された取引の詳細を比較する場合の口座へのその取り扱いを取得し得る。例えば、売人の名前または口座の一部が切り捨てられそうである場合、取引の一部は、(例えば、“AcmeCorporation2468”の代わりに“2468AcmeCorporation”という売人名を使用することにより)曖昧さを除いている情報の切り捨てを防止することがある程度報告され得る。それから、ユーザが“2468Acme”部分を提供し得る限り、これは口座の名前と一致すると考えられ得る。
【0027】
図2は、本発明の一つの実施形態に従って、ユーザの特定の金融手段を確認する一つの方法、またはその手段を使用するためのユーザの認可を確認する一つの方法を示す。この実施形態では、ユーザは、クレジットカード、デビットカード、銀行預金口座、または電子小切手もしくは預金を申し込む他の口座を選択し、購入、送金、または商人(または他のもの)における他の取引の資金源とする。
【0028】
(上記のように)取引を確認するための変更可能な商人または売人の名前/口座あるいは異なる商人または売人の名前/口座を使用するために、商人は、示された方法の以前に、そのクレジットカード発行業者またはACH売人の複数の口座を設立し得る。
【0029】
図2の方法の状況202では、ユーザ(または、ユーザの代理人)は、確認システムに接続する。この確認システムは、オンラインまたは伝統的な商人の一部として、あるいは物理的な通貨以外の形態で支払いを受ける別のものとして実行され得る。この接続は、ユーザのシステムとの最初の接触となり得る。この場合、ユーザは、登録プロセスの一部として資金源を確認し得る(または、確認することが要求され得る)。あるいは、これは、多くの訪問のうちのちょうど一つとなり得るが、ユーザは、確認を要求する取引(例えば、購入または送金)を求めていてもよい。
【0030】
状況204では、ユーザは一つ以上の金融手段(例えば、クレジットカード、デビットカード、銀行預金口座、チャージカード)または資金の他のソースを識別する。このような手段またはソースは、ユーザが特定の取引について使用することを試みる、または使用することを望むものとはなり得ない。特に、任意の金融手段またはユーザに関連した資金源を確認することにより、そのユーザが不正なユーザであるというリスクを低減し得る。実例として、ユーザは、(適用可能である場合)口座の名前または番号、登録した所有者/ユーザの名前、手段または口座に関連した物理アドレス(例えば、通り)、電話番号、パスワードまたはPINなどを提供することを要求され得る。本発明のこの実施形態では、金融データまたは個人データを含むシステムに関する電子通信の一部またはすべては暗号化され、そうでない場合は保護され得る。
【0031】
状況206では、システムは、ユーザが識別された金融手段を使用し得る前に確認が必要とされるか否かを判定する。この判定は、種々の危険因子および不正なプロファイルに基づいて行われ得る。種々のリスク因子および不正なプロファイルは、本発明の種々の実施形態で異なり得る。例えば、ユーザにより提供される情報のいくつかが識別された手段に対応しない場合、これは、より高いリスクおよび確認の必要性を示し得る。いくつかの他のリスク因子は、以下を含み得る:その手段に関連する最近変更された住所または電話番号、ユーザが接続中である日時、ユーザが実行することを望む取引の数および金額、ユーザの電子アドレス(例えば、IP−インターネットプロトコル)およびそれがユーザの主張する物理アドレスに対応するか否か、ならびに危険性のあるユーザまたは不正なユーザを示し得る実質的に任意の他の活性度。実例として、すべての国際的なユーザは確認を必要とするのに対して、国内(例えば、アメリカ合衆国)のクレジットカードのユーザは、本発明の一つの実施形態では、自分のクレジットカードの確認を受けなくてもよい。同様に、すべての銀行預金口座または電子小切手またはデビットの他のソースは、確認を必要とするようであり得る。確認が要求されると、この示した方法は、状況208に続く。そうでない場合は、この方法は終了する。
【0032】
状況208では、システム(例えば、ユーザインターフェイス、ウェブまたはアプリケーションサーバ、取引プロセッサ)は、識別された金融手段に関する一連の一つ以上の確認取引を発生させる。確かな詳細は、ある取引から別の取引まで変更し、それによりユーザがそれらの取引を推測する可能性を低減し得る。例示の変更可能な詳細は、取引の数、取引のタイプ(例えば、預金または引き出し、借方記入または貸方記入)、取引の金額、その取引で用いられる商人の名前または口座などを含む。
【0033】
本発明の一つの実施形態では、典型的な一連の変更取引は、(銀行預金口座への)二つの預金、または(クレジットカードへの)二つの貸方記入を含み得る。これらのそれぞれは、0.01ドル〜0.99ドルの値であり、異なる商人ID(例えば、1234XYZCorporation、5160XYZCorporation)を含み得る。本実施形態において取引を実行するコストを低減するために、借方記入/貸方記入の金額の一方または両方は、この値の下限の方に偏り得る。
【0034】
状況210では、取引の選択した詳細(例えば、変更可能な詳細のすべてまたはサブセット)は蓄えられ(例えば、データベースに格納され)、そして(例えば、適切な金融システムまたは要素に接続された取引プロセッサによって)取引が開始される。確認取引は、すべてが同時に開始されてもよく、時間を別々にしてもよいし、あるいは異なる金融システムまたは要素を介して送られてもよい。さらに、確認取引は、他の取引と結合されてもよい(例えば、確認預金は、ユーザに請求されている資金と結合され得る)。この場合、結合された取引の詳細は、ユーザにより報告された詳細との比較のために蓄えられる。
【0035】
任意の状況212では、ユーザは、自分が取引の証拠を待つまたは取り出すべきであることが(例えば、電子メールにより)通知される。取引が開始された時またはその直後に、ユーザに通知され得る。あるいは、取引が完了するために十分な時間が経過した後に、ユーザに通知され得る。
【0036】
取引(単数または複数)の詳細のすべてまたはサブセットを含むユーザの取引(単数または複数)の証拠は、ユーザの金融機関からユーザに送られる月次計算書の形態であり得る。あるいは、ユーザはより予防性のあるアプローチをとり、自分の手段または口座の状態にオンラインまたは電話でアプローチすることができる。いくつかの様式では、ユーザは取引(単数または複数)に関する情報を取得する。
【0037】
状況214では、ユーザ(または、ユーザの代理人)はシステムに接続し、状況216において、確認取引(単数または複数)の想定される詳細を申し出るかまたは提供する。実例として、システム(例えば、ユーザインターフェイス)は、ユーザが、それぞれの取引の金額、商人の名前(または、その変更可能な部分)、取引のタイプ、および/または格納された任意の他の詳細を入力することを促し得る。
【0038】
本実施形態では、システムは、ユーザインターフェイスを介してユーザと通信するように構成される。しかし、代替の実施形態では、ユーザは、確認プロセスのすべてまたは任意の一部について、人であるオペレータと相互通信することが可能であり得る。
【0039】
状況218では、システムは、格納された詳細とユーザにより提供された詳細とを比較する。それらが一致した場合(例えば、格納された詳細が提供された詳細を含む場合)、示した方法は状況220に続く。そうでない場合は、方法は状況222に進行する。
【0040】
状況220では、システムは識別された金融手段のユーザの使用を承認するか、または疑わしいリスクレベルのために以前は不許可であったいくつかのアクションを許可し、この方法は終了する。
【0041】
状況222では、確認は失敗し、この場合、ユーザは想定される詳細を(ある最大回数まで)再入力することが可能になるか、または(例えば、ユーザの金融機関から手段に関する計算書(例えば、月次計算書)のコピーを提示することにより)種々の確認を提供する必要があり得る。あるいは、システムは、確認プロセスを再スタートしてもよく、ユーザの活性度または手段の使用などを制限してもよい。従って、この方法は終了するか、または以前の状況に戻り得る。
【0042】
本発明の一つの実施形態では、一連の確認取引が開始されるユーザが、所定の期間(例えば、5日間、2週間、1ヶ月間)内に取引の詳細を提示するためにシステムに戻らない場合、ユーザは(例えば、電子メールおよび/または電話により)接触され、プロセスを完了するように促され得る。
【0043】
本発明の実施形態の上記の説明は、例示および説明の目的のみで提示される。これらは完全であること、すなわち本発明を開示された形態に限定することは意図されない。従って、上記の開示は本発明を限定することを意図せず、本発明の範囲は特許請求の範囲によって規定される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本願明細書に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−77337(P2013−77337A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2013−15590(P2013−15590)
【出願日】平成25年1月30日(2013.1.30)
【分割の表示】特願2012−76621(P2012−76621)の分割
【原出願日】平成13年7月10日(2001.7.10)
【出願人】(501416254)ペイパル, インコーポレイテッド (6)