説明

金車付き吊架金物およびケーブル架設工法

【課題】ケーブル架設作業時間の大幅な短縮化が図れる金車付き吊架金物およびケーブル架設工法を提供する。
【解決手段】金車付き吊架金物10は、金車11が取り付けられたかつ金車11を電柱に取り付けられた腕金2に取り付けるための金車取付手段として機能する金車支持部材12、支持軸13、固定用ボルト14および固定用ナット15と、電柱間に架設されたメッセンジャワイヤ1を金車11と共に挟んで固定するためのメッセンジャワイヤ固定手段として機能する押え板16、押えボルト17およびロックナット18とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケーブル架設工事などで使用するのに好適な金車付き吊架金物およびケーブル架設工法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、通信ケーブルなどのケーブルを電柱(支持物)間に架設するケーブル架設工法は、ロープおよびメッセンジャワイヤに傷を付けずにかつスムーズにロープおよびメッセンジャワイヤの延線を行えるように金車を利用しており、以下に示す作業手順で行われている(図6(b)参照)。
なお、500mの通信ケーブルを10本の電柱間に架設する際の各作業手順における作業時間をかっこ書で示す。
(手順1)装柱金物の取付作業(100分=10分/本×10本)
自在バンド、腕金およびL型金物などの装柱金物を各電柱に取り付ける作業
(手順2)金車の取付作業(10分=1分/本×10本)
各電柱へ取り付けた腕金に金車を取り付ける作業
(手順3)ロープの延線作業(15分)
ロープを各金車に通しながら延線する作業
(手順4)メッセンジャワイヤの延線作業(15分)
メッセンジャワイヤをロープの末端に取り付けたのち、ロープの先端を引っ張ってメッセンジャワイヤを延線する作業
(手順5)メッセンジャワイヤの固定作業(100分=10分/本×10本)
メッセンジャワイヤを各金車から取り外したのち、シメラー(工具)を用いてメッセンジャワイヤを仮止めしたのちに各L型金物に固定する作業
(手順6)コイル状ハンガーなどの取付作業(45分=5分/径間×9径間)
コイル状ハンガーなどをメッセンジャワイヤに沿わせて延していくことによりコイル状ハンガーなどをメッセンジャワイヤに取り付ける作業
(手順7)通信ケーブル延線・処理作業(120分=延線60分×2)
通信ケーブルをコイル状ハンガーに通して延線したのち、余長処理などを行う作業
(手順8)金車の取外し作業(50分=5分/本×10本)
各金車を腕金から取り外す作業
【0003】
なお、下記の特許文献1には、安全に作業の安全化などを図るために、架渉された支持線または既設ケーブルを電柱に係留させた係留部を中央にして電柱の両側に跨がるように架設し、支持線または既設ケーブルに係着する係着部を有した支持体と、支持体に着脱自在に連結支持される金車装置とを有し、金車装置には第1嵌合体が設けられるとともに第1嵌合体近傍には牽引索条が接続され、支持体側には牽引索条が通係し、かつ、第1嵌合体と着脱可能に嵌合ロックする第2嵌合体が設けられている、金車装置の支持装置が開示されている。
下記の特許文献2には、高所作業での危険度を少なくするために、電柱上部に略水平に張り出して取り付けられた断面角形の腕金上に装着される上部中央水平板および上部中央水平板の左右両側から略直角に下向きに平行に折曲された側部垂直板と、左右の側部垂直板の下端を外方側に向けて略水平にそれぞれ折曲された下部水平片とからなり、上部中央水平板に上下方向に螺子運動するネジ棒を有する締め付けネジ部を設け、左右の下部水平片に、架設の途中で架空ケーブルを通して一時的に吊持するために使用される金車の左右上部のフックを下方から上向きに挿通して引っ掛けて吊り下げる引掛孔を形成した腕金用金車取付具が開示されている。
下記の特許文献3には、ケーブル架設作業を地上から遠隔操作する機械化に適するように、電柱に固定された棒状突起と、2個の半割り円筒状の把持体を有する突起把持部と、2個の突起把持部をそれぞれ開閉する2個のグリップ部と、突起把持部およびグリップ部の開閉動作が相反するように構成した連結部と、2個のグリップ部を外向きに開くバネとを具え、2個のグリップ部を挟み、バネを圧縮できるグリッパを具えたマニピュレータを用いて操作できる金車固定金具が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−094125号公報
【特許文献2】特開2000−134741号公報
【特許文献3】実開平07−036519号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のケーブル架設工法では、金車を利用しているため、金車の取付けおよび取外し作業を必要とするので、上述した手順1〜8に従って行われているため、合計作業時間が455分(=100分+10分+15分+15分+100分+45分+120分+50分)かかっている。そのため、ケーブル架設作業に時間を要するという問題があった。
特に、緊急復旧時などでは、早期復旧を図るため、作業時間をできる限り短縮したいという要望がある。
【0006】
本発明の目的は、ケーブル架設作業時間の大幅な短縮化が図れる金車付き吊架金物およびケーブル架設工法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の金車付き吊架金物は、メッセンジャワイヤ(1)を支持物間に架設したのちにケーブルを該支持物間に架設するために用いられる金車付き吊架金物(10)であって、金車(11)が取り付けられた、かつ、該金車を前記支持物に取り付けられた装柱金物(2)に取り付けるための金車取付手段(12〜15)と、前記支持物間に架設された前記メッセンジャワイヤを前記金車と共に挟んで固定するためのメッセンジャワイヤ固定手段(16〜18)とを具備することを特徴とする。
ここで、前記金車取付手段が、上板部および2つの側板部とからなる、かつ、横断面形状がコの字形状を有する金車支持部材(12)と、該金車支持部材の前記2つの側板部の下端部付近に両端がそれぞれ固定された支持軸(13)と、下端が前記金車支持部材の前記上板部に固定された固定用ボルト(14)と、該固定用ボルトと螺合する、かつ、前記金車支持部材の上板部と共に前記装柱金物を挟んで前記金車付き吊架金物を該装柱金物に取り付ける固定用ナット(15)とを備え、前記金車が、前記金車支持部材の前記2つの側板部の間に前記支持軸の周りを回転可能に取り付けられていてもよい。
前記メッセンジャワイヤ固定手段が、前記金車支持部材の前記2つの側板部の間の該金車支持部材の前記上板部と前記金車との間の空間に設けられた押え板(16)と、下端が前記押え板の上面に固定された、かつ、上端にボルト頭を有する、かつ、前記押え板を軸方向に沿って移動させて前記金車に近づけたり遠ざけたりさせる押えボルト(17)と、該押えボルトの前記固定用ボルトの上端面よりも上側に取り付けられた、かつ、前記金車と前記押え板とで前記メッセンジャワイヤを把持したのちに該押えボルトを固定するロックナット(18)とを備え、前記固定用ボルトが円筒形状をしており、前記押えボルトが前記固定用ボルトを貫通しており、前記固定用ボルトの内周面に、前記押えボルトと螺合する螺子溝が切られていてもよい。
前記押えボルトの前記ボルト頭および前記ロックナットの外径が、前記固定用ボルトの外径よりも小さくされていてもよい。
前記金車の外周面および前記押え板の下面の形状が半円筒面状とされていてもよい。
本発明のケーブル架設工法は、本発明の金車付き吊架金物を用いてメッセンジャワイヤ(1)を支持物間に架設したのちにケーブルを該支持物間に架設するためのケーブル架設工法であって、前記金車取付手段(12〜15)を前記装柱金物に取り付ける第1のステップと、前記メッセンジャワイヤを前記金車に通して前記支持物間に架設する第2のステップと、前記支持物間に架設された前記メッセンジャワイヤを前記金車と前記メッセンジャワイヤ固定手段(16〜18)とで挟んで固定する第3のステップと、前記支持物間に架設された前記メッセンジャワイヤにコイル状ハンガーを取り付ける第4のステップと、前記ケーブルを前記コイル状ハンガーに通しながら前記支持物間に架設する第5のステップとを具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明の金車付き吊架金物およびケーブル架設工法は、以下の効果を奏する。
(1)金車が取り付けられたかつ金車を支持物に取り付けられた装柱金物に取り付けるための金車取付手段を具備することにより、装柱金物および金車付き吊架金物の取付作業時間を短縮することができ、また、支持物間に架設されたメッセンジャワイヤを金車と共に挟んで固定するためのメッセンジャワイヤ固定手段を具備することにより、メッセンジャワイヤの固定作業時間を短縮できるとともにケーブル延線後の金車取外し作業をなくすことができるため、ケーブル架設作業時間の大幅な短縮化を図ることができる。
(2)災害復旧時などにおいて迅速にケーブルを架設することができるため、疎通障害時間の短縮化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施例による金車付き吊架金物10の構成を示す図であり、(a)は正面図、(b)は右側面図である。
【図2】図1に示した金車付き吊架金物10の使用方法について説明するための図であり、(a)は正面図、(b)は右側面図である。
【図3】図1に示した金車付き吊架金物10の使用方法について説明するための図であり、(a)は正面図、(b)は右側面図である。
【図4】図1に示した金車付き吊架金物10の使用方法について説明するための図であり、(a)は正面図、(b)は右側面図である。
【図5】図1に示した金車付き吊架金物10の使用方法について説明するための図であり、(a)は正面図、(b)は右側面図である。
【図6】図1に示した金車付き吊架金物10を使用したときと従来の金車を使用したときの作業時間の比較を示す図であり、(a)は図1に示した金車付き吊架金物10を使用したときの作業手順および作業時間を示す図、(b)は従来の金車を使用したときの作業手順および作業時間を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
上記の目的を、金車が取り付けられた金車支持部材を腕金に取り付けるとともに、金車に通して架設されたメッセンジャワイヤを金車と押え板とで挟んで固定することにより実現した。
【実施例1】
【0011】
以下、本発明の金車付き吊架金物およびケーブル架設工法の実施例について図面を参照して説明する。
本発明の一実施例による金車付き吊架金物10は、図1(a),(b)に示すように、金車11と、金車支持部材12と、支持軸13と、固定用ボルト14と、固定用ナット15と、押え板16と、押えボルト17と、ロックナット18とを具備する。
【0012】
ここで、金車支持部材12、支持軸13、固定用ボルト14および固定用ナット15は、金車11が取り付けられた、かつ、金車11を電柱(支持物)に取り付けられた装柱金物(腕金2など)に取り付けるための金車取付手段として機能する。
また、押え板16、押えボルト17およびロックナット18は、電柱(支持物)間に架設されたメッセンジャワイヤ1を金車11と共に挟んで固定するためのメッセンジャワイヤ固定手段として機能する。
【0013】
金車支持部材12は、上板部および2つの側板部とからなり、横断面形状(図1(a)に一点鎖線で示すメッセンジャワイヤ1の長手方向に沿って見たときの形状)がコの字形状をしている。
【0014】
金車11は、金車支持部材12の2つの側板部の間に、両端が金車支持部材12の2つの側板部の下端部付近にそれぞれ固定された支持軸13の周りを回転可能に取り付けられている。
金車11の外周面の形状は、メッセンジャワイヤ1との接触面を大きくするため、半円筒面状にされている。
【0015】
金車支持部材12の上板部の中央部には、固定用ボルト14の下端が固定されている。
図1(a)に破線で示す腕金2の上面および下面には、固定用ボルト14を貫通するための貫通孔が形成されている。これにより、固定用ボルト14を腕金2の下面の貫通孔を貫通させたのち腕金2の上面の貫通孔を貫通させ、その後、固定用ボルト14と螺合する固定用ナット15を締めて固定用ナット15と金車支持部材12の上板部とで腕金2を挟むことにより、金車付き吊架金物10を腕金2に取り付けることができる。
【0016】
また、固定用ボルト14は円筒形状をしており、固定用ボルト14の内周面には、押えボルト17と螺合する螺子溝が切られている。
【0017】
押え板16は、金車支持部材12の2つの側板部の間の金車支持部材12の上板部と金車11との間の空間に設けられている。また、押え板16の上面の中央部には、押えボルト17の下端が固定されている。
これにより、押えボルト17を回すことによって押え板16を押えボルト17の軸方向に沿って(すなわち、図1(a)図示上下に)移動させて金車11に近づけたり遠ざけたりさせることができる。
また、押え板16の横断面形状(図1(a)に一点鎖線で示すメッセンジャワイヤ1の長手方向に沿って見たときの形状)は、メッセンジャワイヤ1との接触面を大きくするため、半円筒面状とされている(図1(b)参照)。なお、押え板16の下面の形状が半円筒面状であればよく、押え板16の上面の形状は半円筒面状でなくてもよい。
【0018】
ロックナット18は、押えボルト17の固定用ボルト14の上端面よりも上側に取り付けられており、押え板16を下方に移動させて金車11と押え板16とでメッセンジャワイヤ1を把持したのちに、ロックナット18を回して固定用ボルト14の上端面をロックナット18で締め付けることによって押えボルト17を固定するためのものである。
【0019】
押えボルト17のボルト頭およびロックナット18の外径は、押えボルト17およびロックナット18を固定用ボルト14と共に腕金2の上面および下面の貫通孔を貫通させることができるとともに、押えボルト17およびロックナット18を通過させて固定用ボルト14に固定用ナット15を螺合させることができるように、固定用ボルト14の外径よりも小さくされている。
【0020】
次に、金車付き吊架金物10の使用方法について、図2〜5を参照して説明する。
まず、作業員は、図2に矢印で示すように、電柱に取り付けた腕金2の下面に形成された貫通孔に押えボルト17のボルト頭から挿入していくことにより、腕金2の下面および上面に形成された貫通孔に固定用ボルト14を金車支持部材12の上面が腕金2の下面に接触するまで貫通させていく。
【0021】
続いて、作業員は、図3に示すように、固定用ナット15を押えボルト17のボルト頭およびロックナット18を通過させたのち、固定用ナット15を回して固定用ナット15の下面が腕金2の上面に接触するまで固定ボルト14と螺合させていくことにより、金車付き吊架金物10を腕金2に取り付ける。
【0022】
続いて、作業員は、メッセンジャワイヤ1を金車11に通して延線したのち、図4に矢印で示すように、押えボルト17を回して押え板16を金車11に向かって移動させることにより、金車11と押え板16とでメッセンジャワイヤ1を挟んで固定する。
【0023】
続いて、作業員は、図5に示すように、ロックナット18をその下面が固定用ボルト14の上面に接触するまで回していくことにより、押えボルト17を固定する。
【0024】
次に、金車付き吊架金物10を使用して通信ケーブルを電柱間に架設するケーブル架設作業を行うときの手順について、図6(a)を参照して説明する。
なお、500mの通信ケーブルを10本の電柱間に架設する際の各作業手順における作業時間をかっこ書で示す。
(手順1)装柱金物および金車付き吊架金物10の取付作業(100分=10分/本×10本)
自在バンドおよび腕金などの装柱金物と金車付き吊架金物10とを各電柱に取り付ける作業
(手順2)ロープの延線作業(15分)
ロープを金車付き吊架金物10に通しながら延線する作業
(手順3)メッセンジャワイヤの延線作業(15分)
メッセンジャワイヤ1をロープの末端に取り付けたのち、ロープの先端を引っ張ってメッセンジャワイヤ1を延線する作業
(手順4)メッセンジャワイヤの固定作業(30分=3分/本×10本)
メッセンジャワイヤ1を金車付き吊架金物10に固定する作業
(手順5)コイル状ハンガーなどの取付作業(45分=5分/径間×9径間)
コイル状ハンガーなどをメッセンジャワイヤ1に沿わせて延していくことによりコイル状ハンガーなどをメッセンジャワイヤ1に取り付ける作業
(手順6)通信ケーブル延線・処理作業(120分=延線60分×2)
通信ケーブルをコイル状ハンガーに通して延線したのち、余長処理などを行う作業
【0025】
このように、金車付き吊架金物10を使用した場合には、従来の金車を使用した場合に比べて装柱金物および金車付き吊架金物10の取付作業時間とメッセンジャワイヤ1の固定作業時間とを短縮できるとともに、ケーブル延線後の金車取外し作業をなくすことができるので、合計作業時間は325分で済み、従来の金車を使用した場合の合計作業時間455分に比べて130分ほど作業時間を短縮することができる。
【符号の説明】
【0026】
1 メッセンジャワイヤ
2 腕金
10 金車付き吊架金物
11 金車
12 金車支持部材
13 支持軸
14 固定用ボルト
15 固定用ナット
16 押え板
17 押えボルト
18 ロックナット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
メッセンジャワイヤ(1)を支持物間に架設したのちにケーブルを該支持物間に架設するために用いられる金車付き吊架金物(10)であって、
金車(11)が取り付けられた、かつ、該金車を前記支持物に取り付けられた装柱金物(2)に取り付けるための金車取付手段(12〜15)と、
前記支持物間に架設された前記メッセンジャワイヤを前記金車と共に挟んで固定するためのメッセンジャワイヤ固定手段(16〜18)と、
を具備することを特徴とする、金車付き吊架金物。
【請求項2】
前記金車取付手段が、
上板部および2つの側板部とからなる、かつ、横断面形状がコの字形状を有する金車支持部材(12)と、
該金車支持部材の前記2つの側板部の下端部付近に両端がそれぞれ固定された支持軸(13)と、
下端が前記金車支持部材の前記上板部に固定された固定用ボルト(14)と、
該固定用ボルトと螺合する、かつ、前記金車支持部材の上板部と共に前記装柱金物を挟んで前記金車付き吊架金物を該装柱金物に取り付ける固定用ナット(15)とを備え、
前記金車が、前記金車支持部材の前記2つの側板部の間に前記支持軸の周りを回転可能に取り付けられている、
ことを特徴とする、請求項1記載の金車付き吊架金物。
【請求項3】
前記メッセンジャワイヤ固定手段が、
前記金車支持部材の前記2つの側板部の間の該金車支持部材の前記上板部と前記金車との間の空間に設けられた押え板(16)と、
下端が前記押え板の上面に固定された、かつ、上端にボルト頭を有する、かつ、前記押え板を軸方向に沿って移動させて前記金車に近づけたり遠ざけたりさせる押えボルト(17)と、
該押えボルトの前記固定用ボルトの上端面よりも上側に取り付けられた、かつ、前記金車と前記押え板とで前記メッセンジャワイヤを把持したのちに該押えボルトを固定するロックナット(18)とを備え、
前記固定用ボルトが円筒形状をしており、
前記押えボルトが前記固定用ボルトを貫通しており、
前記固定用ボルトの内周面に、前記押えボルトと螺合する螺子溝が切られている、
ことを特徴とする、請求項2記載の金車付き吊架金物。
【請求項4】
前記押えボルトの前記ボルト頭および前記ロックナットの外径が、前記固定用ボルトの外径よりも小さくされていることを特徴とする、請求項3記載の金車付き吊架金物。
【請求項5】
前記金車の外周面および前記押え板の下面の形状が半円筒面状とされていることを特徴とする、請求項3または4記載の金車付き吊架金物。
【請求項6】
請求項1乃至5いずれかに記載の金車付き吊架金物を用いてメッセンジャワイヤ(1)を支持物間に架設したのちにケーブルを該支持物間に架設するためのケーブル架設工法であって、
前記金車取付手段(12〜15)を前記装柱金物に取り付ける第1のステップと、
前記メッセンジャワイヤを前記金車に通して前記支持物間に架設する第2のステップと、
前記支持物間に架設された前記メッセンジャワイヤを前記金車と前記メッセンジャワイヤ固定手段(16〜18)とで挟んで固定する第3のステップと、
前記支持物間に架設された前記メッセンジャワイヤにコイル状ハンガーを取り付ける第4のステップと、
前記ケーブルを前記コイル状ハンガーに通しながら前記支持物間に架設する第5のステップと、
を具備することを特徴とする、ケーブル架設工法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−157218(P2012−157218A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−16619(P2011−16619)
【出願日】平成23年1月28日(2011.1.28)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【出願人】(503320061)株式会社エネルギア・コミュニケーションズ (92)
【出願人】(591080678)株式会社中電工 (64)
【Fターム(参考)】