説明

釣り用リールのリール本体及び釣り用リール

【課題】釣り用リールのリール本体において、カバー部材の外観を高く維持しながら、内側部材を金属製のカバー部材から離反しにくくする。
【解決手段】サムレスト8は、プレス加工により形成されたアルミニウム合金製の部材であって、サムレスト8の裏面8aには、アルミニウム合金製の第1部材9が突出するようにスタッド溶接されており、サムレスト8及び第1部材9には、成型加工によって第1部材9の全部が覆われるように合成樹脂製の第2部材10が一体的に形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、釣り用リールのリール本体及び釣り用リール、特に、カバー部材を有する釣り用リールのリール本体及び釣り用リールに関する。
【背景技術】
【0002】
釣竿に装着されて釣り糸の巻き取り及び繰り出しを行う釣り用リールには、主にスピニングリールと、両軸受リールとがある。この種の釣り用リールは、釣竿に装着されるリール本体と、リール本体に支持されるスプール軸と、スプール軸に装着された糸巻き用のスプールとを有している。両軸受リールでは、スプールはリール本体に回転自在に支持され、スピニングリールでは、スプールはリール本体に前後移動自在に装着されている。
【0003】
このような釣り用リールでは、リール本体は、開口部を有し内部に各種の機構が装着される本体部材と、本体部材の開口部を閉塞するカバー部材とを有している。このようなカバー部材は、たとえば、合成樹脂や、アルミニウム合金やマグネシウム合金等の軽金属によって薄く形成されている。また、カバー部材の裏面には、合成樹脂製の内側部材が接着固定されている(たとえば、特許文献1参照)。また、それ以前には、内側部材をかしめ固定やねじ止めによってカバー部材に固定したものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−82612号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記従来のカバー部材は、カバー部材の裏面に合成樹脂製の内側部材が接着固定されているだけであるので、たとえば、経年劣化等によって内側部材とカバー部材との接合力が低下し、内側部材がカバー部材から離反してしまうおそれが生じる。
【0006】
また、内側部材をかしめ固定やねじ止めによってカバー部材に固定したものでは、かしめ固定用の孔やねじ孔がカバー部材の表面に露出してしまうので、カバー部材の外観を損ねてしまうおそれがある。
【0007】
本発明の課題は、釣り用リールのリール本体において、カバー部材の外観を高く維持しながら、内側部材を金属製のカバー部材から離反しにくくすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
発明1に係る釣り用リールのリール本体は、釣り用リールのリール本体であって、カバー部材と、第1部材と、第2部材とを備えている。カバー部材は、金属板製の部材である。第1部材は、カバー部材の内側に突出するように溶接された金属製の部材である。第2部材は、カバー部材及び第1部材に少なくとも第1部材の一部が覆われるように成型加工された合成樹脂製の部材である。
【0009】
このリール本体では、金属製のカバー部材の内側に、第1部材を突出するように溶接し、合成樹脂製の第2部材をカバー部材及び第1部材に少なくとも第1部材の一部が覆われるように成型加工している。ここでは、第1部材はカバー部材の内側に突出するように溶接され、第2部材は第1部材を覆うようにカバー部材及び第1部材に成型加工されているので、第1部材の固定部がカバー部材の表面に露出することがなくなり、このため、カバー部材の外観を高く維持しながら、第2部材がカバー部材から離反しにくくなる。
【0010】
発明2に係るリール本体は、発明1のリール本体において、第2部材は、第1部材の全体を覆うように成型加工されている。この場合、第2部材は第1部材の全体を覆うようにカバー部材及び第1部材に成型加工されているので、第2部材がカバー部材からより離反しにくくなる。
【0011】
発明3に係るリール本体は、発明1又は2のリール本体において、第1部材は、第2部材を成型加工したときに第2部材が第1部材に係止可能な形状になるように形成されている。この場合、第2部材はカバー部材及び第1部材に成型加工したときに、第2部材が第1部材に係止され、第1部材が第2部材のアンカーとして機能することによって、第2部材がカバー部材からさらに離反しにくくなる。
【0012】
発明4に係るリール本体は、発明3のリール本体において、第1部材は、本体部と、大径部とを有するピン部材である。本体部は、一端がカバー部材に溶接される部分である。大径部は、本体部の他端側に本体部より大径に形成され、第2部材が係止可能な部分である。この場合、第2部材はカバー部材及び第1部材に成型加工したときに、第2部材が第1部材の大径部に係止されるようになっているので、第1部材の大径部が第2部材のアンカーとして機能することによって、第2部材がカバー部材からさらに離反しにくくなるとともに、第1部材の工具や治具への設置が容易になる。
【0013】
発明5に係るリール本体は、発明1から4のいずれかのリール本体において、カバー部材は、プレス加工により形成されたアルミニウム合金製の板部材である。この場合、カバー部材の形成が容易になる。
【0014】
発明6に係るリール本体は、発明1から5のいずれかのリール本体において、第1部材は、アルミニウム合金製である。この場合、第1部材をカバー部材に容易に溶接できる。
【0015】
発明7に係るリール本体は、発明1から6のいずれかのリール本体において、第1部材は、カバー部材にスタッド溶接されている。この場合、第1部材であるスタッド(ピン)を専用ガンに取り付け、カバー部材である母材に押し当ててスイッチを入れると、短時間で自動的に溶接が行われる溶接方法であるスタッド溶接によって、第1部材をカバー部材に簡単に溶接できる。
【0016】
発明8に係るリール本体は、発明1から7のいずれかのリール本体において、フレームと、第1側カバー及び第2側カバーとをさらに備えている。フレームは、上部にカバー部材が着脱可能に装着される部材である。第1側カバー及び第2側カバーは、フレームの両側方に装着される部材である。第1部材は、カバー部材のフレームと対向する内側面に突出するように溶接されている。この場合、フレームの上部に装着されるサムレストであるカバー部材にも本発明を適用できる。
【0017】
発明9に係る釣り用リールは、発明1から8のいずれかに記載のリール本体を備えている。この場合、発明1から8のいずれかのリール本体を有する釣り用リールにも本発明を適用できる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、釣り用リールのリール本体において、第1部材はカバー部材の内側に突出するように溶接され、第2部材は第1部材を覆うようにカバー部材及び第1部材に成型加工されているので、カバー部材の外観を高く維持しながら、第2部材がカバー部材から離反しにくくなる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施形態を採用した両軸受リールの斜視図。
【図2】前記両軸受リールの断面図。
【図3】前記両軸受リールのサムレストを裏面から見た斜視図。
【図4】前記サムレストに第1部材を溶接したときの斜視図。
【図5】前記サムレスト及び前記第1部材に第2部材を成型加工したときの斜視図。
【図6】前記サムレストに前記第1部材を溶接したときの拡大断面図。
【図7】前記サムレスト及び前記第1部材に前記第2部材を成型加工したときの拡大断面図。
【図8】前記サムレストの製造工程を示す図。
【図9】他の実施形態の図7に相当する図。
【図10】他の実施形態の図7に相当する図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の一実施形態による釣り用リールは、図1に示すように、ベイトキャスト用のロープロフィール型の両軸受リールである。この両軸受リールは、リール本体1と、リール本体1の側方に配置されたスプール回転用ハンドル2と、ハンドル2のリール本体1側に配置されたドラグ調整用のスタードラグ3とを備えている。
【0021】
リール本体1は、図2に示すように、フレーム5と、フレーム5の両側方に装着された第1側カバー6a及び第2側カバー6bとを有している。また、リール本体1は、図1に示すように、前方を覆う前カバー7と、上部を覆うサムレスト8とを有している。リール本体1の内部には糸巻き用のスプール12が回転自在かつ着脱自在に装着されている。
【0022】
フレーム5は、所定の間隔をあけて互いに対向するように配置された1対の第1側板5a、第2側板5bと、第1側板5aと第2側板5bと連結する図示しない複数の連結部とを有している。
【0023】
サムレスト8は、図1に示すように、フレーム5の上部を覆うカバー部材であって、第1側板5aの後部から前部にわたって、前側の連結部の上部を連なって、第2側板5bの前部から後部にわたるように一体的に形成され、フレーム5の全体を覆う略U字状のカバー部材である。
【0024】
サムレスト8は、図3から図5に示すように、プレス加工により形成されたアルミニウム合金製の部材であって、サムレスト8の裏面8aには、図4及び図5に示すように、アルミニウム合金製の第1部材9がサムレスト8に突出するように溶接されており、サムレスト8及び第1部材9には、図5に示すように、成型加工によって第1部材9の全部が覆われるように合成樹脂製の第2部材10が一体的に形成されている。ここでは、アルミニウム合金製のサムレスト8の裏面8aに、第1部材9を突出するように溶接し、合成樹脂製の第2部材10をサムレスト8及び第1部材9に第1部材9の全部が覆われるように成型加工している。
【0025】
第1部材9は、図4及び図5に示すように、サムレスト8の裏面8aの2箇所にスタッド溶接されるアルミニウム合金製の2つのピン部材である。スタッド溶接は、第1部材9(スタッド、ピン)を専用ガンに取り付け、サムレスト8に押し当ててスイッチを入れると、短時間で自動的に溶接が行われる溶接方法であって、CD方式(Capacitor Discharge Method)とよばれるスタッド溶接によって溶接されている。CD方式は、大容量コンデンサを比較的小容量の交流電源から充電し、第1部材9とサムレスト8との間で瞬間的に放電させて溶接する方式のスタッド溶接である。
【0026】
第1部材9は、図6及び図7に示すように、第2部材10を成型加工したときに第2部材が第1部材9に係止可能な形状になるように形成されている。第1部材9は、一端がサムレスト8に溶接される本体部9aと、本体部9aの他端側に本体部9aより大径に形成され第2部材10が係止可能な1つの大径部9bとを有するピン部材である。ここでは、第2部材10はサムレスト8及び第1部材9に成型加工したときに、第2部材10が第1部材9の大径部9bに係止されるようになっているので、第1部材9の大径部9bが第2部材10のアンカーとして機能している。
【0027】
第2部材10は、図5に示すように、サムレスト8の裏面8aにポリアミド(PA)の射出成型によって形成された略三日月形状の部材であって、サムレスト8をフレーム5に取り付けるための部材である。
【0028】
このようなサムレスト8を製造する工程を図8に示す。
【0029】
まず、ステップS1において、アルミニウム合金製の板状部材をプレス加工によってサムレスト8を形成する(図3参照)。次に、ステップS2において、サムレスト8の裏面8aに、2つのアルミニウム合金製の第1部材9をサムレスト8に突出するようにスタッド溶接する(図4及び図6参照)。そして、ステップS3において、ポリアミド(PA)の射出成型によって第1部材9の全部が覆われるように第2部材10を一体形成する(図5及び図7参照)。
【0030】
フレーム5内には、図2に示すように、釣竿と直交する方向に配置されたスプール12と、スプール12内に均一に釣り糸を巻くためのレベルワインド機構15と、サミングを行う場合の親指の当てとなるクラッチレバー17とが配置されている。このスプール12は、第1側板5aの開口5dを通過可能である。また、フレーム5と第2側カバー6bとの間には、ハンドル2からの回転力をスプール12及びレベルワインド機構15に伝えるためのギア機構18と、クラッチ機構13と、クラッチレバー17の操作に応じてクラッチ機構13の係脱及び制御を行うためのクラッチ係脱機構19と、ドラグ機構21と、スプール12の回転時の抵抗力を調整するためのキャスティングコントロール機構22とが配置されている。また、フレーム5と第1側カバー6aとの間には、キャスティング時のバックラッシュを抑えるための遠心ブレーキ機構23が配置されている。
【0031】
スプール12は、図3に拡大して示すように、アルミニウム合金を切削加工することによって形成されており、外周に釣り糸が巻き付けられる筒状の糸巻胴部12bと、糸巻胴部12bの両端にそれぞれ径方向外方に突出して設けられたフランジ部12aと、糸巻胴部12bの内周部に形成され内周にスプール軸16に固定されるボス部12cとを有している。糸巻胴部12b、フランジ部12a及びボス部12cは、アルミニウム合金の部材によって一体成形されている。スプール12は、スプール軸16にたとえばセレーション結合により回転不能に固定されている。この固定方法はセレーション結合等の凹凸による固定法に限定されず、接着やインサート成形等、種々の結合方法を用いることができる。
【0032】
スプール軸16は、図2に示すように、ステンレス合金を切削加工することによって棒状に形成されており、第2側板5bを貫通して第2側カバー6bの外方に延びている。その延びた一端は、第2側カバー6bに形成されたボス部6cに軸受24aにより回転自在に支持されている。またスプール軸16の他端は、遠心ブレーキ機構23内で軸受24bにより回転自在に支持されている。これらの軸受24a、軸受24bはシールドボールベアリングである。スプール軸16の大径部分16aの右端は、第2側板5bの貫通部分に配置されており、そこにはクラッチ機構13を構成する係合ピン16bが固定されている。係合ピン16bは、直径に沿って大径部分16aを貫通しており、その両端が径方向に突出している。
【0033】
ギア機構18は、図2に示すように、ハンドル軸30と、ハンドル軸30に固定されたメインギア31と、メインギア31に噛み合う筒状のピニオンギア32とを有している。このギア機構18のハンドル軸30の上下位置は、サムレスト8の高さを低くするために、従来の位置より低い。このため、ギア機構18を収納する第2側板5b及び第2側カバー6bの下部は、第1側板5a及び第1側カバー6aの下部より下方に位置している。
【0034】
ピニオンギア32は、図2に示すように、第2側板5bの外方から内方に延び、中心にスプール軸16が貫通する筒状部材であり、スプール軸16に軸方向に移動自在に装着されている。また、ピニオンギア32の図2左端部は、軸受43により第2側板5bに回転自在かつ軸方向移動自在に支持されている。この図2に示すように、もシールドボールベアリングである。
【0035】
ピニオンギア32は、図2右端側外周部に形成されメインギア31に噛合する歯部32aと、他端側に形成された噛み合い部32bと、歯部32aと噛み合い部32bとの間に形成されたくびれ部32cとを有している。噛み合い部32bは、ピニオンギア32の端面に直径に沿って形成された凹溝からなり、そこにスプール軸16を貫通して固定された係合ピン16bが係止される。ここではピニオンギア32が外方に移動してその噛み合い部32bとスプール軸16の係合ピン16bとが離脱すると、ハンドル軸30からの回転力はスプール12に伝達されない。この噛み合い部32bと係合ピン16bとによりクラッチ機構13が構成される。係合ピン16bと噛み合い部32bとが係合すると、スプール軸16より大径のピニオンギア32からスプール軸16にトルクが直接伝達されるので、ねじれ変形がより少なくなり、トルク伝達効率が向上する。
【0036】
クラッチレバー17は、図2に示すように、1対の第1側板5a及び第2側板5b間の後部でスプール12後方に配置されている。
【0037】
クラッチ係脱機構19は、図2に示すように、クラッチヨーク40を有している。クラッチヨーク40は、スプール軸16の外周側に配置されており、2本のピン41(一方のみ図示)によってスプール軸16の軸心と平行に移動可能に支持されている。またクラッチヨーク40はその中央部にピニオンギア32のくびれ部32cに係合する係合部40aを有している。またクラッチヨーク40を支持する各ピン41の外周で、クラッチヨーク40と第2側カバー6bとの間にはスプリング42が配置されており、クラッチヨーク40はスプリング42によって常に内方に付勢されている。
【0038】
このような構成で、通常状態では、ピニオンギア32は内方のクラッチ係合位置に位置しており、その噛み合い部32bとスプール軸16の係合ピン16bとが係合してクラッチオン状態となっている。一方、クラッチヨーク40によってピニオンギア32が外方に移動した場合には、噛み合い部32bと係合ピン16bとの係合が外れクラッチオフ状態となる。
【0039】
ドラグ機構21は、メインギア31に押圧される摩擦プレート45と、スタードラグ3の回転操作によって摩擦プレート45をメインギア31に所定の力で押圧するための押圧プレート46とを有している。
【0040】
キャスティングコントロール機構22は、スプール軸16の両端を挟むように配置された複数の摩擦プレート51と、摩擦プレート51によるスプール軸16の挟持力を調節するための制動キャップ52とを有している。左側の摩擦プレート51は、ブレーキケース65内に装着されている。
【0041】
遠心ブレーキ機構23は、図2に示すように、ブレーキケース65に固定された制動部材68と、制動部材68の内周側に同芯に配置されスプール軸16に固定された回転部材66と、回転部材66に径方向に移動自在に装着された6つの移動部材67とを備えている。
【0042】
このような構成の両軸受リールでは、アルミニウム合金製のサムレスト8の裏面8aに、アルミニウム合金製の第1部材9を突出するようにスタッド溶接し、合成樹脂製の第2部材10をサムレスト8及び第1部材9に第1部材9の全部が覆われるように成型加工している。ここでは、第1部材9はサムレスト8の裏面8aに突出するように溶接され、第2部材10は第1部材9の全部を覆うようにサムレスト8及び第1部材9に成型加工されているので、サムレスト8の外観を高く維持しながら、第2部材10がサムレスト8から離反しにくくなる。
【0043】
〔他の実施形態〕
(a) 本発明に係る釣り用部品は、両軸受リールのサムレスト8を例にあげて説明したが、これに限定されるものではなく、第1側カバー6a、第2側カバー6b、前カバー7等のリール本体にも本発明を適用できる。また、両軸受リールのリール本体だけでなく、スピニングリールの蓋部材等のリール本体にも本発明を適用できる。
【0044】
(b) 前記実施形態では、サムレスト8及び第1部材9は、アルミニウム合金製であったが、マグネシウム合金等の金属製であってもよい。また、第2部材10は、ポリアミド(PA)の射出成型によって形成されていたが、ポリエチレン(PE)、ポリアセタール(POM)等の合成樹脂製であってもよい。
【0045】
(c) 前記実施形態では、第1部材9は、CD方式のスタッド溶接によってサムレスト8に溶接されていたが、電力アーク方式やショートサイクル方式等のスタッド溶接によってサムレスト8に溶接してもよい。
【0046】
(d) 前記実施形態では、第2部材10は、第1部材9の全体を覆うようにサムレスト8及び第1部材9に成型加工されていたが、第1部材9の一部を覆うようにサムレスト8及び第1部材9に成型加工してもよい。この場合、前記実施形態では、サムレスト8の外形自体を第2部材10の金型に挿入する際の位置決めにしていたが、第1部材9の第2部材10で覆われない部分を金型挿入時の位置決めに用いることができる。
【0047】
(e) 前記実施形態では、第1部材9は、サムレスト8の2箇所に2つ溶接されていたが、第1部材9の数はこれに限定されるものではなく、1つ又は3つ以上であってもよい。
【0048】
(f) 前記実施形態では、第1部材9は、1つの大径部9bを有していたが、図9に示すように、複数(図9では3つ)の大径部9bを設けてもよい。
【0049】
(g) 前記実施形態では、第1部材9は、本体部9aより大径の大径部9bを有していたが、図10に示すように、本体部9aより小径の小径部9cを設けてもよい。
【0050】
(h) 前記実施形態では、第1部材9は、ピン形状に形成されていたが、第1部材9を係止部として外周面に孔を有するブロック形状に形成してもよい。
【符号の説明】
【0051】
1 リール本体
2 ハンドル
3 スタードラグ
5 フレーム
5a 第1側板
5b 第2側板
5d 開口
6a 第1側カバー
6b 第2側カバー
6c ボス部
7 前カバー
8 サムレスト
8a 裏面
9 第1部材
9a 本体部
9b 大径部
9c 小径部
10 第2部材
12 スプール
12a フランジ部
12b 糸巻胴部
12c ボス部
13 クラッチ機構
15 レベルワインド機構
16 スプール軸
16a 大径部分
16b 係合ピン
17 クラッチレバー
18 ギア機構
19 クラッチ係脱機構
21 ドラグ機構
22 キャスティングコントロール機構
23 遠心ブレーキ機構
24a 軸受
24b 軸受
30 ハンドル軸
31 メインギア
32 ピニオンギア
32a 歯部
32b 噛み合い部
32c くびれ部
40 クラッチヨーク
40a 係合部
41 ピン
42 スプリング
43 軸受
45 摩擦プレート
46 押圧プレート
51 摩擦プレート
52 制動キャップ
65 ブレーキケース
66 回転部材
67 移動部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
釣り用リールのリール本体であって、
金属板製のカバー部材と、
前記カバー部材の内側に突出するように溶接された金属製の第1部材と、
前記カバー部材及び前記第1部材に少なくとも前記第1部材の一部が覆われるように成型加工された合成樹脂製の第2部材と、
を備えた釣り用リールのリール本体。
【請求項2】
前記第2部材は、前記第1部材の全体を覆うように成型加工されている、請求項1に記載の釣り用リールのリール本体。
【請求項3】
前記第1部材は、前記第2部材を成型加工したときに前記第2部材が前記第1部材に係止可能な形状になるように形成されている、請求項1又は2に記載の釣り用リールのリール本体。
【請求項4】
前記第1部材は、一端が前記カバー部材に溶接される本体部と、前記本体部の他端側に前記本体部より大径に形成され前記第2部材が係止可能な大径部とを有するピン部材である、請求項3に記載の釣り用リールのリール本体。
【請求項5】
前記カバー部材は、プレス加工により形成されたアルミニウム合金製の板部材である、請求項1から4のいずれか1項に記載の釣り用リールのリール本体。
【請求項6】
前記第1部材は、アルミニウム合金製である、請求項1から5のいずれか1項に記載の釣り用リールのリール本体。
【請求項7】
前記第1部材は、前記カバー部材にスタッド溶接されている、請求項1から6のいずれか1項に記載の釣り用リールのリール本体。
【請求項8】
上部に前記カバー部材が着脱可能に装着されるフレームと、
前記フレームの両側方に装着された第1側カバー及び第2側カバーとをさらに備え、
前記第1部材は、前記カバー部材の前記フレームと対向する内側面に突出するように溶接されている、請求項1から7のいずれか1項に記載の釣り用リールのリール本体。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか1項に記載の前記リール本体を備えた釣り用リール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−81388(P2013−81388A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−221582(P2011−221582)
【出願日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【出願人】(000002439)株式会社シマノ (1,038)
【Fターム(参考)】