釣竿及びその製造方法
【課題】熟練した技能及び時間を要することなく、ガイド部材を竿杆に強固に取付け可能な釣竿及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】釣竿1は、竿杆7の外周面に固定される脚部11を備え、釣り糸をガイドするガイド部材9と、第1の面部22と、第2の面部23とを備え、第1の面部22から第2の面部23まで貫通する第1の貫通孔25が形成された板状部材と、ガイド部材9の脚部11を竿杆7の内周方向に押圧した状態で竿杆7の外周面に巻回される帯状部材31とを備える。帯状部材31は、板状部材21に固定される第1の端部32と、帯状部材31を竿杆7の外周面に巻回した後に第1の貫通孔25に第2の面部23側から第1の面部22側へ挿通され、貫通孔25より第2の面部23側への移動が規制されている第2の端部33とを備える。
【解決手段】釣竿1は、竿杆7の外周面に固定される脚部11を備え、釣り糸をガイドするガイド部材9と、第1の面部22と、第2の面部23とを備え、第1の面部22から第2の面部23まで貫通する第1の貫通孔25が形成された板状部材と、ガイド部材9の脚部11を竿杆7の内周方向に押圧した状態で竿杆7の外周面に巻回される帯状部材31とを備える。帯状部材31は、板状部材21に固定される第1の端部32と、帯状部材31を竿杆7の外周面に巻回した後に第1の貫通孔25に第2の面部23側から第1の面部22側へ挿通され、貫通孔25より第2の面部23側への移動が規制されている第2の端部33とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、魚釣りに用いられる釣竿及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に釣竿は、竿杆と、竿杆に取り付けられ、釣り糸をガイドするガイド部材とを備える。ガイド部材は、竿杆の外周面に固定される板状の脚部と、脚部から竿杆の外周方向に突設される環状部とを備える。環状部の内周方向側にはガイドリングが固定され、ガイドリングの内周面により、釣り糸が挿通される挿通孔が規定されている。脚部は竿杆の外周面に釣竿の長手方向に沿って設けられている。そして、脚部の外側を覆う状態に、竿杆の外周面を糸巻きにする。これより、脚部が竿杆に固定され、ガイド部材が竿杆に取り付けられる。
【0003】
特許文献1には、ガイド部材の脚部の外側を覆う状態に、竿杆の外周面にテープが巻回された釣竿が開示されている。この釣竿では、巻回されたテープの端同士が加熱により接合されている。これにより、脚部が竿杆に固定され、ガイド部材が竿杆に取り付けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭50−40392号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
糸巻きによりガイド部材を竿杆に取り付ける際、糸が撓むことがあるため、糸巻きの作業には熟練した技能が必要となり、時間を要する。また、巻き付けた糸の端の処理にも、熟練した技能が必要である。
【0006】
また、上記特許文献1の釣竿では、テープの端同士が加熱により接合されるため、接合部での強度が低下する。このため、ガイド部材をテープにより竿杆に強固に取り付けることは、難しい。
【0007】
本発明は上記課題に着目してなされたものであり、その目的とするところは、熟練した技能及び時間を要することなく、ガイド部材を竿杆に強固に取付け可能な釣竿及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明のある態様では、竿杆と、前記竿杆の外周面に固定される脚部を備え、釣り糸をガイドするガイド部材と、第1の面部と、第2の面部とを備え、前記第1の面部から前記第2の面部まで貫通する貫通孔が形成された板状部材と、前記ガイド部材の前記脚部を前記竿杆の内周方向に押圧した状態で前記竿杆の前記外周面に巻回される帯状部材であって、前記板状部材に固定される第1の端部と、前記帯状部材を前記竿杆の前記外周面に巻回した後に前記貫通孔に第2の面部側から第1の面部側へ挿通され、前記貫通孔より前記第2の面部側への移動が規制されている第2の端部とを備える帯状部材と、を具備することを特徴とする釣竿を提供する。
【0009】
この釣竿では、前記帯状部材は、前記竿杆の外周方向から前記内周方向に押圧する押圧部を備えることが好ましい。
また、前記板状部材は、前記ガイド部材の前記脚部の外側面に配置され、前記帯状部材の前記押圧部での押圧により前記ガイド部材の前記脚部を前記竿杆の前記内周方向に押圧する板状部材を含むことが好ましい。
また、前記第2の端部は、前記帯状部材の他の部分より厚さが厚い肉厚部を備えることが好ましい。
また、この釣竿は、前記帯状部材の外周面に被覆される合成樹脂層をさらに具備することが好ましい。
【0010】
本発明の別のある態様では、ガイド部材の脚部を竿杆の外周面に配置することと、第1の面部及び第2の面部を備え、前記第1の面部から前記第2の面部まで貫通する貫通孔が形成された板状部材に、帯状部材の第1の端部となる帯状部材準備体の一端を固定することと、前記ガイド部材の前記脚部を覆う状態に、前記帯状部材準備体を前記竿杆の前記外周面に巻回することと、前記帯状部材準備体の他端を前記板状部材の前記貫通孔に第2の面部側から第1の面部側に挿通することと、前記帯状部材準備体を前記帯状部材と切除部とに切断し、前記貫通孔より前記第2の面側への移動が規制される状態に、前記帯状部材の第2の端部を形成することと、を具備することを特徴とする釣竿の製造方法を提供する。
この釣竿の製造方法は、前記貫通孔に挿通された前記帯状部材準備体の前記他端を前記板状部材の前記第1の面部側に引張り、前記帯状部材準備体により前記ガイド部材の前記脚部を前記竿杆の前記内周方向に押圧することをさらに具備することが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
帯状部材の第1の端部が板状部材に固定され、貫通孔より第2の面部側への第2の端部の移動が規制されるため、ガイド部材の脚部を竿杆の内周方向に押圧する状態で帯状部材が保持される。これにより、ガイド部材を竿杆に強固に取り付けることができる。
また、押圧部を設けることにより、板状部材が帯状部材により竿杆の内周方向に押圧され、板状部材が固定される。このため、ガイド部材の脚部を竿杆の内周方向に押圧する状態で帯状部材がより強固に保持される。これにより、ガイド部材を竿杆により強固に取り付けることができる。
また、板状部材がガイド部材の脚部の外側面上に配置されるため、ガイド部材の脚部の外側面が帯状部材の内周面と接触する場合に比べ、ガイド部材の脚部が竿杆の内周方向により大きい力で押圧される。このため、ガイド部材を竿杆により強固に取り付けることができる。
また、合成樹脂層を設けることにより、貫通孔より第2の面部側への第2の端部の移動がより確実に規制されている。これにより、ガイド部材の脚部を竿杆の内周方向に押圧する状態で帯状部材をより確実に保持することができる。したがって、ガイド部材を竿杆により強固に取り付けることができる。
さらに、板状部材及び帯状部材を用いて、ガイド部材が竿杆の外周面に取り付けられる。したがって、糸巻きにより取り付ける場合と異なり、熟練した技能を必要とすることなく、容易にガイド部材を竿杆に取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る釣竿を示す正面図。
【図2】第1の実施形態に係る釣竿の、ガイド部材の竿杆への取付け構造を示す斜視図。
【図3】第1の実施形態に係る釣竿の、ガイド部材の竿杆への取付け方法を説明する斜視図。
【図4】第1の実施形態に係る釣竿の、ガイド部材の竿杆への取付け方法を説明する断面図。
【図5】第1の実施形態に係る釣竿の、ガイド部材の竿杆に取り付けられた状態を示す断面図。
【図6】第1の実施形態の第1の変形例に係る釣竿の、ガイド部材の竿杆への取付け構造を示す断面図。
【図7】第1の実施形態の第2の変形例に係る釣竿の、ガイド部材の竿杆への取付け構造を示す斜視図。
【図8】第1の実施形態の第2の変形例に係る釣竿の、ガイド部材の竿杆への取付け構造を示す断面図。
【図9】第1の実施形態の第3の変形例に係る釣竿の、ガイド部材の竿杆への取付け構造を示す斜視図。
【図10】第1の実施形態の第3の変形例に係る釣竿の、ガイド部材の竿杆への取付け構造を示す断面図。
【図11】本発明の第2の実施形態に係る釣竿の、ガイド部材の竿杆への取付け構造を示す斜視図。
【図12】第2の実施形態に係る釣竿の、ガイド部材の竿杆への取付け構造を示す断面図。
【図13】本発明の第3の実施形態に係る釣竿の、ガイド部材の竿杆への取付け構造を示す斜視図。
【図14】第3の実施形態に係る釣竿の、ガイド部材の竿杆への取付け構造を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態について、図1乃至図5を参照して説明する。図1は、本実施形態の釣竿1を示す図である。図1に示すように、釣竿1は、先端と基端とを有し、長手方向に延設されている。釣竿1は、基端部に設けられるグリップ3と、グリップ3より先端方向側に設けられるリール取付け部5と、リール取付け部5より先端方向側に設けられる竿杆7とを備える。釣り人はグリップ3を握持して、釣りを行う。また、リール取付け部5には、リール(図示しない)が取り付けられる。竿杆7には、金属、合成樹脂等から形成される複数のガイド部材9が取り付けられている。ガイド部材9は、長手方向に並設されている。ガイド部材9により、リールから延出される釣り糸(図示しない)がガイドされる。
【0014】
図2は、ガイド部材9の竿杆7への取付け構造を示す図である。図2に示すように、ガイド部材9は、竿杆7の外周面に固定される板状の脚部11と、脚部11から竿杆7の外周方向に突出する環状部12とを備える。脚部11は、長手方向に延設されている。脚部11と環状部12との間には、環状部12を脚部11に対して竿杆7の外周方向に屈曲させる屈曲部13が設けられ、屈曲部13により環状部12が竿杆7から立ち上がる状態に竿杆7から離して設けられている。環状部12は内周面と、外周面とを有し、環状部12の内周面にはガイドリング15が固定されている。ガイドリング15の内周面により、釣り糸が挿通される挿通孔17が規定されている。
【0015】
また、竿杆7の外周面上には、板状部材21がガイド部材9と同一の数だけ設けられている。それぞれの板状部材21は、対応するガイド部材9から竿杆7の周方向に離れて配置されている。板状部材21は、合成樹脂、金属等から形成され、可撓性を有する。板状部材21は、竿杆7の外周方向を向く第1の面部22と、竿杆7の内周方向を向く第2の面部23とを備え、長手方向に延設されている。板状部材21には、第1の面部22から第2の面部23まで貫通する第1の貫通孔25が形成されている。また、板状部材21には、第1の面部22から第2の面部23まで貫通する第2の貫通孔26が、竿杆7の周方向について第1の貫通孔25に並設した状態で形成されている。第1の貫通孔25及び第2の貫通孔26は、長手方向に沿って長孔状に形成されている。
【0016】
竿杆7の外周面には、帯状部材31がガイド部材9と同一の数だけ設けられている。それぞれの帯状部材31は、対応するガイド部材9の脚部11を覆う状態で、竿杆7の外周面に巻回されている。この際、ガイド部材9の脚部11は、帯状部材31により竿杆7の内周方向に押圧されている。これにより、ガイド部材9の脚部11が、竿杆7の外周面に固定される。帯状部材31は、合成樹脂シート、合成樹脂繊維、ケブラー繊維等の織布から形成されている。帯状部材31は、巻始め方向側の端部である第1の端部32と、巻終り方向側の端部である第2の端部33とを備える。
【0017】
第1の端部32は、第1の貫通孔25に第1の面部22側から第2の面部23側(竿杆7の外周方向から内周方向)に挿通され、板状部材21の第2の面部23と竿杆7の外周面との間で挟持される巻始め側挟持部35を備える。また、巻始め側挟持部35は、帯状部材31の内周面に止着される止着部37を備える。巻始め側挟持部35及び止着部37により、帯状部材31の第1の端部32が、板状部材21に固定されている。
【0018】
第2の端部33は、帯状部材31を竿杆7の外周面に巻回した後、第2の貫通孔26に第1の面部22側から第2の面部23側に挿通され、第1の貫通孔25に第2の面部23側から第1の面部22側(竿杆7の内周方向から外周方向)に挿通される。第2の端部33は、帯状部材31の他の部分より厚さが厚い厚肉部39を備える。厚肉部39により、第1の貫通孔25より第2の面部23側への第2の端部33の移動が規制されている。
【0019】
また、帯状部材31は、巻終り方向側に第2の端部33が連続し、板状部材21の第2の面部23と竿杆7の外周面との間で挟持される巻終り側挟持部41を備える。巻終り側挟持部41は、帯状部材31を竿杆7の外周面に巻回した後、第2の貫通孔26に第1の面部22側から第2の面部23側に挿通される。巻始め側挟持部35、止着部37、厚肉部39及び巻終り側挟持部41を設けることにより、ガイド部材9の脚部11を竿杆7の内周方向に押圧する状態で帯状部材31が保持される。これにより、ガイド部材9を竿杆7に強固に取り付けることができる。
【0020】
帯状部材31は、巻始め方向側に第1の端部32が連続し、板状部材21を竿杆7の外周方向から内周方向に押圧する巻始め側押圧部43を備える。また、帯状部材31は、巻終り方向側に巻終り側挟持部41が連続し、板状部材21を竿杆7の外周方向から内周方向に押圧する巻終り側押圧部45を備える。巻始め側押圧部43及び巻終り側押圧部45を設けることにより、板状部材21が帯状部材31により竿杆7の内周方向に押圧され、板状部材21が竿杆7の外周面に移動が規制された状態で保持される。このように板状部材21が保持されることにより、ガイド部材9の脚部11を竿杆7の内周方向に押圧する状態で帯状部材31がより強固に保持される。これにより、ガイド部材9を竿杆7により強固に取り付けることができる。
【0021】
図3乃至図5は、ガイド部材9の竿杆7への取付け方法を示す図である。図3に示すように、ガイド部材9を竿杆7に取り付ける際は、まず、ガイド部材9の脚部11を竿杆7の外周面上に配置する。そして、板状部材21を、ガイド部材9から竿杆7の周方向に離れた状態で、竿杆7の外周面上に配置する。そして、帯状部材準備体31Aを竿杆7の外周面に巻回する。帯状部材準備体31Aの一部により帯状部材31が形成される。帯状部材準備体31Aの帯状部材31を形成する部分以外の部分は、ガイド部材9を竿杆7の外周面に取り付けた後に切除される切除部31Bとなっている(図5参照)。
【0022】
帯状部材準備体31Aの一端は、帯状部材31の第1の端部32となる。図3及び図4に示すように、帯状部材準備体31Aを巻回する際には、まず、第1の端部32を板状部材21の第1の貫通孔25に、第1の面部22側から第2の面部23側へ挿通する。これにより、ガイド部材9が竿杆7に取り付けられた際に板状部材21の第2の面部23と竿杆7の外周面との間で挟持される巻始め側挟持部35が、形成される。そして、巻始め側挟持部35を帯状部材準備体31A(帯状部材31)の内周面に止着し、止着部37を形成する。これにより、第1の端部32が板状部材21に固定される。この際、ガイド部材9が竿杆7に取り付けられた際に板状部材21を竿杆7の外周方向から内周方向に押圧する巻始め側押圧部43が、で形成される。
【0023】
そして、板状部材21を手等で保持し、ガイド部材9の脚部11を覆う状態に、帯状部材準備体31Aを竿杆7の外周面に巻回する。そして、帯状部材準備体31Aの他端を、第2の貫通孔26に第1の面部22側から第2の面部23側へ挿通する。これにより、ガイド部材9が竿杆7に取り付けられた際に板状部材21の第2の面部23と竿杆7の外周面との間で挟持される巻終り側挟持部41が、形成される。そして、帯状部材準備体31Aの他端を、第1の貫通孔25に第2の面部23側から第1の面部22側へ挿通する。これにより、ガイド部材9が竿杆7に取り付けられた際に板状部材21を竿杆7の外周方向から内周方向に押圧する巻終り側押圧部45が、で形成される。
【0024】
この状態で、帯状部材準備体31Aの他端を、板状部材21の第1の面部22側(竿杆7の外周方向)に引張る(図4の矢印A)。これにより、帯状部材準備体31A(帯状部材31)が、竿杆7に張った状態で巻回され、ガイド部材9の脚部11及び竿杆7の外周面を竿杆7の内周方向に押圧する(図4の矢印B)。このため、ガイド部材9の脚部11が竿杆7の外周面に移動が規制された状態で保持され、ガイド部材9が竿杆7に取り付けられる。この際、図5に示すように、巻始め側押圧部43及び巻終り側押圧部45により、板状部材21が竿杆7の外周方向から内周方向に押圧され、板状部材21が竿杆7の外周面に保持される。また、巻始め側挟持部35及び巻終り側挟持部41が、板状部材21の第2の面部23と竿杆7の外周面との間で挟持されている。
【0025】
そして、帯状部材準備体31Aを帯状部材31と切除部31Bとに切断する。この際、帯状部材31の切断された端部により、第2の端部33が形成される。帯状部材準備体31Aの切断は、加熱部材47を用いて加熱された状態で行われる。帯状部材31は合成樹脂シート等から形成されるため、加熱された部分では樹脂が溶ける。そして、溶けた樹脂が硬化した後、第2の端部33に帯状部材31の他の部分より厚さが厚い厚肉部39が形成される。厚肉部39により、第1の貫通孔25より第2の面部23側への第2の端部33の移動が規制され、抜け止めされる。この際、第1の端部32が板状部材21に固定され、第2の端部33の第1の貫通孔25より第2の面部23側への第2の端部33の移動が規制されるため、ガイド部材9の脚部11を竿杆7の内周方向に押圧する状態で帯状部材31が保持される。
【0026】
以上のように、板状部材21及び帯状部材31を用いて、ガイド部材9が竿杆7の外周面に取り付けられる。したがって、糸巻きにより取り付ける場合と異なり、熟練した技能を必要とすることなく、容易にガイド部材9を竿杆7に取り付けることができる。
【0027】
(第1の実施形態の変形例)
次に、第1の実施形態の変形例について図6乃至図10を参照して説明する。なお、第1の実施形態と同一の部分及び同一の機能を有する部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0028】
図6は、第1の実施形態の第1の変形例の釣竿1のガイド部材9の竿杆7への取付け構造を示す図である。図6に示すように、本変形例では、帯状部材31の外周面にエポキシ、ウレタン等の合成樹脂層49が被覆されている。合成樹脂層49を設けることにより、第1の貫通孔25より第2の面部23側への第2の端部33の移動がより確実に規制されている。これにより、ガイド部材9の脚部11を竿杆7の内周方向に押圧する状態で帯状部材31をより確実に保持することができる。したがって、ガイド部材9を竿杆7により強固に取り付けることができる。
【0029】
また、板状部材21は、竿杆7の周方向について、ガイド部材9の脚部11が取り付けられる位置の、反対側に位置している。このため、ガイド部材9の挿通孔17に挿通される釣り糸が、板状部材21と干渉し難い。
【0030】
また、合成樹脂層49は、帯状部材31を竿杆7の内周方向に押圧している。このため、帯状部材31が、竿杆7の外周面と合成樹脂層49との間で挟持される。これにより、ガイド部材9の脚部11を竿杆7の内周方向に押圧する状態で帯状部材31をより確実に保持することができる。
【0031】
なお、合成樹脂層49では、帯状部材31の外周面に取り付ける際に、加熱により樹脂が溶け、帯状部材31の内部に流入してもよい。また、合成樹脂層49の樹脂が溶けて帯状部材31より竿杆7の内周方向側に流入し、流入した樹脂により帯状部材31を竿杆7及びガイド部材9の脚部11に接着してもよい。さらに、合成樹脂層49の樹脂が溶けて板状部材21より竿杆7の内周方向側に流入し、流入した樹脂により板状部材21を竿杆7に接着してもよい。
【0032】
図7及び図8は、第1の実施形態の第2の変形例の釣竿1のガイド部材9の竿杆7への取付け構造を示す図である。図7及び図8に示すように、本変形例の板状部材21は、第1の実施形態と同様に、竿杆7の外周方向を向く第1の面部22と、竿杆7の内周方向を向く第2の面部23とを備える。板状部材21には、第1の面部22から第2の面部23まで貫通する貫通孔25が1つのみ形成されている。
【0033】
帯状部材31の第1の端部32は、第1の実施形態と同様に、巻始め側挟持部35及び止着部37により、板状部材21に固定されている。また、帯状部材31は、第1の実施形態と同様に、巻始め方向側に第1の端部32が連続し、板状部材21を竿杆7の外周方向から内周方向に押圧する巻始め側押圧部43を備える。
【0034】
帯状部材31の第2の端部33は、帯状部材31を竿杆7の外周面に巻回した後、貫通孔25に第2の面部23側から第1の面部22側に挿通される。第2の端部33は、帯状部材31の他の部分より厚さが厚い厚肉部39を備える。厚肉部39により、第1の貫通孔25より第2の面部23側への第2の端部33の移動が規制されている。第2の端部33及び厚肉部39の形成については、第1の実施形態と同様である。また、帯状部材31は、巻終り方向側に第2の端部33が連続し、板状部材21の第2の面部23と竿杆7の外周面との間で挟持される巻終り側挟持部41を備える。
【0035】
以上、第2の変形例から、第1の実施形態では、板状部材21に2つの貫通孔25、26が形成されているが、これに限るものではない。すなわち、板状部材21が第1の面部22及び第2の面部23を備え、第1の面部22から第2の面部23まで貫通する少なくとも1つの貫通孔25が形成されていればよい。そして、帯状部材31を竿杆7の外周面に巻回した後、第2の端部33が貫通孔25に第2の面部23側から第1の面部22側に挿通され、貫通孔25より第2の面部23側への第2の端部33の移動が規制されていればよい。この場合、第1の面部22が竿杆7の外周方向を向き、第2の面部23が竿杆7の内周方向を向いた状態で板状部材21を配置することにより、巻終り方向側に第2の端部33が連続し、板状部材21の第2の面部23と竿杆7の外周面との間で挟持される巻終り側挟持部41が、帯状部材31に形成される。
【0036】
図9及び図10は、第1の実施形態の第3の変形例の釣竿1のガイド部材9の竿杆7への取付け構造を示す図である。図9及び図10に示すように、本変形例では、竿杆7の周方向について板状部材21の一端に、溝状部51が設けられている。帯状部材31の第1の端部32は、溝状部51に挿入され、板状部材21に止着される止着部52を備える。溝状部51及び止着部52により、帯状部材31の第1の端部32が板状部材21に固定される。
【0037】
以上、第3の変形例より、第1の実施形態では、巻始め側挟持部35及び止着部37により、帯状部材31の第1の端部32が板状部材21に固定されているが、これに限るものではない。すなわち、帯状部材31の第1の端部32が板状部材21に固定されていればよい。例えば、第1の実施形態で止着部37を設けず、板状部材21の第2の面部23と竿杆7の外周面との間で挟持される巻始め側挟持部35のみにより、第1の端部32が板状部材21に固定してもよい。
【0038】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について図11及び図12を参照して説明する。なお、第1の実施形態と同一の部分及び同一の機能を有する部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0039】
図11及び図12は、第2の実施形態の釣竿1のガイド部材9の竿杆7への取付け構造を示す図である。図11及び図12に示すように、本実施形態の板状部材21は、竿杆7の周方向について互いに対して反対方向を向く第1の面部22及び第2の面部23を備える。板状部材21には、第1の面部22から第2の面部23まで竿杆7の周方向に貫通する貫通孔25が形成されている。
【0040】
また、板状部材21は、貫通孔25より竿杆7の内周方向側に位置し、竿杆7の外周面に固定される固定部55と、貫通孔25より竿杆7の外周方向側に位置し、長手方向について一端を支点として固定部55に対して開閉可能な可動部56(図11の矢印C)とを備える。長手方向について可動部56の開閉動作の支点と反対側の端部には、可動部56と固定部55との間を係脱可能に係合する係合部58が設けられている。竿杆7の外周面にガイド部材9が取り付けられた状態では、可動部56は固定部55に対して閉じられている。そして、係合部58により、固定部55と可動部56とが係合している。
【0041】
帯状部材31の第1の端部32は、貫通孔25に第1の面部22側から第2の面部23側に挿通されている。また、第1の端部32は、板状部材21の固定部55と可動部56との間で挟持される巻始め側挟持部61を備える。巻始め側挟持部61により、第1の端部32が板状部材21に固定されている。
【0042】
また、帯状部材31の第2の端部33は、帯状部材31が竿杆7の外周面に巻回された後に、貫通孔25に第2の面部23側から第1の面部22側に挿通されている。第2の端部33は、帯状部材31の他の部分より厚さが厚い厚肉部39を備える。また、帯状部材31は、巻終り方向側に第2の端部33が連続し、板状部材21の固定部55と可動部56との間で挟持される巻終り側挟持部62を備える。巻終り側挟持部62及び厚肉部39により、第1の貫通孔25より第2の面部23側への第2の端部33の移動が規制されている。
【0043】
以上のように、第1の端部32が板状部材21に固定され、貫通孔25より第2の面部23側への第2の端部33の移動が規制されるため、ガイド部材9の脚部11を竿杆7の内周方向に押圧する状態で帯状部材31が保持される。これにより、ガイド部材9を竿杆7に強固に取り付けることができる。
【0044】
また、第1の端部32の巻始め側挟持部61は、板状部材21の固定部65を竿杆7の外周方向から内周方向に押圧する巻始め側押圧部となっている。同様に、巻終り側挟持部62は、板状部材21の固定部55を竿杆7の外周方向から内周方向に押圧する巻終り側押圧部となっている。このため、板状部材21の固定部55が帯状部材31により竿杆7の内周方向に押圧され、板状部材21が竿杆7の外周面に固定される。板状部材21が固定されることにより、ガイド部材9の脚部11を竿杆7の内周方向に押圧する状態で帯状部材31がより強固に保持される。これにより、ガイド部材9を竿杆7により強固に取り付けることができる。
【0045】
ガイド部材9を竿杆7に取り付ける際には、可動部56を固定部55に対して開いた状態で、帯状部材31の第1の端部32となる帯状部材準備体31Aの一端を板状部材21の貫通孔25に第1の面部22側から第2の面部23側に挿通する。そして、板状部材21及び第1の端部32を手等で保持し、ガイド部材9の脚部11を覆う状態に、帯状部材準備体31A(帯状部材31)を竿杆7の外周面に巻回する。そして、帯状部材準備体31Aの他端を、板状部材21の貫通孔25に第2の面部23側から第1の面部22側に挿通する。
【0046】
この状態で、可動部56を固定部55に対して閉じて、係合部58により固定部55と可動部56との間を係合する。そして、帯状部材準備体31Aを加熱した状態で帯状部材31と切除部31Bとに切断する。これにより、厚肉部39を備える第2の端部33が形成される。以上のように、可動部56が固定部55に対して開いた状態で第2の端部33が板状部材21の貫通孔25に挿通されるため、第2の端部33を貫通孔25に容易に挿通することが可能となる。これにより、ガイド部材9を竿杆7の外周面に取り付ける際の作業性が、向上する。
【0047】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について図13及び図14を参照して説明する。なお、第1の実施形態と同一の部分及び同一の機能を有する部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0048】
図13及び図14は、第3の実施形態の釣竿1のガイド部材9の竿杆7への取付け構造を示す図である。図13及び図14に示すように、本実施形態の板状部材21は、ガイド部材9の脚部11の外側面上に配置されている。板状部材21は、竿杆7の内周方向を向く第1の面部22と、竿杆7の外周方向を向く第2の面部23とを備える。また、板状部材21には、第1の面部22から第2の面部23まで貫通する第1の貫通孔25及び第2の貫通孔26が、竿杆7の周方向に並設されている。
【0049】
帯状部材31の第1の端部32は、第1の貫通孔25に第1の面部22側から第2の面部23側(竿杆7の内周方向から外周方向)に挿通され、第2の貫通孔26に第2の面部23側から第1の面部22側(竿杆7の外周方向から内周方向)に挿通されている。また、第1の端部32は、板状部材21の第1の面部22と竿杆7の外周面との間で挟持される巻始め側挟持部71を備える。巻始め側挟持部71により、第1の端部32が板状部材21に固定されている。
【0050】
また、帯状部材31の第2の端部33は、帯状部材31が竿杆7の外周面に巻回された後に、第2の貫通孔26の第1の面部22側から第2の面部23側へ挿通され、第1の貫通孔25に第2の面部23側から第1の面部22側に挿通されている。第2の端部33は、帯状部材31の他の部分より厚さが厚い厚肉部39を備える。また、帯状部材31は、巻終り方向側に第2の端部33が連続し、板状部材21の第1の面部22と竿杆7の外周面との間で挟持される巻終り側挟持部72を備える。巻終り側挟持部72及び厚肉部39により、第1の貫通孔25より第2の面部23側への第2の端部33の移動が規制されている。
【0051】
帯状部材31は、巻始め方向側に第1の端部32が連続し、板状部材21を竿杆7の外周方向から内周方向に押圧する巻始め側押圧部75を備える。また、帯状部材31は、巻終り方向側に巻終り側挟持部72が連続し、板状部材2を竿杆7の外周方向から内周方向に押圧する巻終り側押圧部76を備える。このため、板状部材21が帯状部材31により竿杆7の内周方向に押圧され、ガイド部材9の脚部11の外側面に固定される。また、板状部材21が竿杆7の内周方向に押圧されることにより、ガイド部材9の脚部11が竿杆7の内周方向に押圧される。これにより、ガイド部材9の脚部11が竿杆7の外周面に固定され、ガイド部材9が竿杆7に取り付けられる。
【0052】
上述ように、帯状部材31は、第1の端部32が板状部材21に固定され、第1の貫通孔25より第2の面部23側への第2の端部33の移動が規制されるため、板状部材21及びガイド部材9の脚部11を竿杆7の内周方向に押圧する状態で帯状部材31が保持される。これにより、ガイド部材9を竿杆7に強固に取り付けることができる。
【0053】
また、上述のように板状部材21が固定されることにより、板状部材21及びガイド部材9の脚部11を竿杆7の内周方向に押圧する状態で帯状部材31がより強固に保持される。これにより、ガイド部材9を竿杆7により強固に取り付けることができる。さらに、板状部材21がガイド部材9の脚部11の外側面上に配置されるため、ガイド部材9の脚部11の外側面が帯状部材31の内周面と接触する場合に比べ、ガイド部材9の脚部11が竿杆7の内周方向により大きい力で押圧される。このため、ガイド部材9を竿杆7により強固に取り付けることができる。
【0054】
ガイド部材9を竿杆7に取り付ける際には、ガイド部材9の脚部11の外側面上に板状部材21を配置する。そして、帯状部材31の第1の端部32となる帯状部材準備体31Aの一端を板状部材21の第1の貫通孔25に第1の面部22側から第2の面部23側に挿通し、第2の貫通孔26に第2の面部23側から第1の面部22側に挿通する。この状態で、板状部材21及び第1の端部32を手等で保持し、帯状部材準備体31A(帯状部材31)を竿杆7の外周面に巻回する。そして、帯状部材準備体31Aの他端を、板状部材21の第2の貫通孔26に第1の面部22側から第2の面部23側に挿通氏、第1の貫通孔25に第2の面部23側から第1の面部22側に挿通する。そして、帯状部材準備体31Aを加熱した状態で帯状部材31と切除部31Bとに切断する。これにより、厚肉部39を備える第2の端部33が形成される。
【0055】
(第3の実施形態の変形例)
第3の実施形態では、帯状部材31の第1の端部32が、第1の貫通孔25に第1の面部22側から第2の面部23側に挿通され、第2の貫通孔26に第2の面部23側から第1の面部22側に挿通されていて、第2の端部33が、第2の貫通孔26に第1の面部22側から第2の面部23側へ挿通され、第1の貫通孔25に第2の面部23側から第1の面部22側に挿通されているが、これに限るものではない。すなわち、板状部材21が、ガイド部材9の外側面上に配置されていればよい。例えば、ガイド部材9の外側面上に、第1の面部22が竿杆7の外周方向を向き、第2の面部23が竿杆7の内周方向を向く状態で、板状部材21が配置されてもよい。この場合、第1の実施形態と同様に、帯状部材31の第1の端部32は、第1の貫通孔25に第1の面部22側から第2の面部23側(竿杆7の外周方向から内周方向)に挿通され、帯状部材31の内周面に止着される。また、帯状部材31を竿杆7の外周面に巻回された後、第2の端部33が第2の貫通孔26に第1の面部22側から第2の面部23側に挿通され、第1の貫通孔25に第2の面部23側から第1の面部22側(竿杆7の内周方向から外周方向)に挿通される。
【0056】
(その他の変形例)
上述の実施形態では、竿杆7にガイド部材9を取り付ける構造について説明したが、板状部材21は、第1の面部22から第2の面部23まで貫通する貫通孔25が形成されていればよい。また、帯状部材31は、第1の端部32が板状部材21に固定されていればよい。そして、帯状部材31を竿杆7の外周面に巻回した後、第2の端部33が貫通孔25に第2の面部23側から第1の面部22側に挿通され、貫通孔25より第2の面部23側への第2の端部33の移動が規制されていればよい。
【0057】
また、第1の実施形態では巻始め側押圧部43及び巻終り側押圧部45により、第2の実施形態では巻始め側挟持部61及び巻終り側挟持部62により、第3の実施形態では巻始め側押圧部75及び巻終り側押圧部76により、板状部材21が竿杆7の外周方向から内周方向に押圧されているが、これに限るものではない。すなわち、帯状部材31が、竿杆7の外周方向から内周方向に板状部材21を押圧する押圧部を備えればよい。
【0058】
また、竿杆7にガイド部材9が移動が規制された状態で保持される構成であれば、合成樹脂層49を必ずしも設ける必要はない。
【0059】
さらに、釣竿1では、少なくとも1つのガイド部材9が、上述のように板状部材21及び帯状部材31により竿杆7に取り付けられていればよく、他のガイド部材9は例えば糸巻きにより竿杆7に取り付けられてもよい。
【0060】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形ができることは勿論である。
【符号の説明】
【0061】
1…釣竿、7…竿杆、9…ガイド部材、11…脚部、21…板状部材、22…第1の面部、23…第2の面部、25…第1の貫通孔(貫通孔)、31…帯状部材、32…第1の端部、33…第2の端部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、魚釣りに用いられる釣竿及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に釣竿は、竿杆と、竿杆に取り付けられ、釣り糸をガイドするガイド部材とを備える。ガイド部材は、竿杆の外周面に固定される板状の脚部と、脚部から竿杆の外周方向に突設される環状部とを備える。環状部の内周方向側にはガイドリングが固定され、ガイドリングの内周面により、釣り糸が挿通される挿通孔が規定されている。脚部は竿杆の外周面に釣竿の長手方向に沿って設けられている。そして、脚部の外側を覆う状態に、竿杆の外周面を糸巻きにする。これより、脚部が竿杆に固定され、ガイド部材が竿杆に取り付けられる。
【0003】
特許文献1には、ガイド部材の脚部の外側を覆う状態に、竿杆の外周面にテープが巻回された釣竿が開示されている。この釣竿では、巻回されたテープの端同士が加熱により接合されている。これにより、脚部が竿杆に固定され、ガイド部材が竿杆に取り付けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭50−40392号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
糸巻きによりガイド部材を竿杆に取り付ける際、糸が撓むことがあるため、糸巻きの作業には熟練した技能が必要となり、時間を要する。また、巻き付けた糸の端の処理にも、熟練した技能が必要である。
【0006】
また、上記特許文献1の釣竿では、テープの端同士が加熱により接合されるため、接合部での強度が低下する。このため、ガイド部材をテープにより竿杆に強固に取り付けることは、難しい。
【0007】
本発明は上記課題に着目してなされたものであり、その目的とするところは、熟練した技能及び時間を要することなく、ガイド部材を竿杆に強固に取付け可能な釣竿及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明のある態様では、竿杆と、前記竿杆の外周面に固定される脚部を備え、釣り糸をガイドするガイド部材と、第1の面部と、第2の面部とを備え、前記第1の面部から前記第2の面部まで貫通する貫通孔が形成された板状部材と、前記ガイド部材の前記脚部を前記竿杆の内周方向に押圧した状態で前記竿杆の前記外周面に巻回される帯状部材であって、前記板状部材に固定される第1の端部と、前記帯状部材を前記竿杆の前記外周面に巻回した後に前記貫通孔に第2の面部側から第1の面部側へ挿通され、前記貫通孔より前記第2の面部側への移動が規制されている第2の端部とを備える帯状部材と、を具備することを特徴とする釣竿を提供する。
【0009】
この釣竿では、前記帯状部材は、前記竿杆の外周方向から前記内周方向に押圧する押圧部を備えることが好ましい。
また、前記板状部材は、前記ガイド部材の前記脚部の外側面に配置され、前記帯状部材の前記押圧部での押圧により前記ガイド部材の前記脚部を前記竿杆の前記内周方向に押圧する板状部材を含むことが好ましい。
また、前記第2の端部は、前記帯状部材の他の部分より厚さが厚い肉厚部を備えることが好ましい。
また、この釣竿は、前記帯状部材の外周面に被覆される合成樹脂層をさらに具備することが好ましい。
【0010】
本発明の別のある態様では、ガイド部材の脚部を竿杆の外周面に配置することと、第1の面部及び第2の面部を備え、前記第1の面部から前記第2の面部まで貫通する貫通孔が形成された板状部材に、帯状部材の第1の端部となる帯状部材準備体の一端を固定することと、前記ガイド部材の前記脚部を覆う状態に、前記帯状部材準備体を前記竿杆の前記外周面に巻回することと、前記帯状部材準備体の他端を前記板状部材の前記貫通孔に第2の面部側から第1の面部側に挿通することと、前記帯状部材準備体を前記帯状部材と切除部とに切断し、前記貫通孔より前記第2の面側への移動が規制される状態に、前記帯状部材の第2の端部を形成することと、を具備することを特徴とする釣竿の製造方法を提供する。
この釣竿の製造方法は、前記貫通孔に挿通された前記帯状部材準備体の前記他端を前記板状部材の前記第1の面部側に引張り、前記帯状部材準備体により前記ガイド部材の前記脚部を前記竿杆の前記内周方向に押圧することをさらに具備することが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
帯状部材の第1の端部が板状部材に固定され、貫通孔より第2の面部側への第2の端部の移動が規制されるため、ガイド部材の脚部を竿杆の内周方向に押圧する状態で帯状部材が保持される。これにより、ガイド部材を竿杆に強固に取り付けることができる。
また、押圧部を設けることにより、板状部材が帯状部材により竿杆の内周方向に押圧され、板状部材が固定される。このため、ガイド部材の脚部を竿杆の内周方向に押圧する状態で帯状部材がより強固に保持される。これにより、ガイド部材を竿杆により強固に取り付けることができる。
また、板状部材がガイド部材の脚部の外側面上に配置されるため、ガイド部材の脚部の外側面が帯状部材の内周面と接触する場合に比べ、ガイド部材の脚部が竿杆の内周方向により大きい力で押圧される。このため、ガイド部材を竿杆により強固に取り付けることができる。
また、合成樹脂層を設けることにより、貫通孔より第2の面部側への第2の端部の移動がより確実に規制されている。これにより、ガイド部材の脚部を竿杆の内周方向に押圧する状態で帯状部材をより確実に保持することができる。したがって、ガイド部材を竿杆により強固に取り付けることができる。
さらに、板状部材及び帯状部材を用いて、ガイド部材が竿杆の外周面に取り付けられる。したがって、糸巻きにより取り付ける場合と異なり、熟練した技能を必要とすることなく、容易にガイド部材を竿杆に取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る釣竿を示す正面図。
【図2】第1の実施形態に係る釣竿の、ガイド部材の竿杆への取付け構造を示す斜視図。
【図3】第1の実施形態に係る釣竿の、ガイド部材の竿杆への取付け方法を説明する斜視図。
【図4】第1の実施形態に係る釣竿の、ガイド部材の竿杆への取付け方法を説明する断面図。
【図5】第1の実施形態に係る釣竿の、ガイド部材の竿杆に取り付けられた状態を示す断面図。
【図6】第1の実施形態の第1の変形例に係る釣竿の、ガイド部材の竿杆への取付け構造を示す断面図。
【図7】第1の実施形態の第2の変形例に係る釣竿の、ガイド部材の竿杆への取付け構造を示す斜視図。
【図8】第1の実施形態の第2の変形例に係る釣竿の、ガイド部材の竿杆への取付け構造を示す断面図。
【図9】第1の実施形態の第3の変形例に係る釣竿の、ガイド部材の竿杆への取付け構造を示す斜視図。
【図10】第1の実施形態の第3の変形例に係る釣竿の、ガイド部材の竿杆への取付け構造を示す断面図。
【図11】本発明の第2の実施形態に係る釣竿の、ガイド部材の竿杆への取付け構造を示す斜視図。
【図12】第2の実施形態に係る釣竿の、ガイド部材の竿杆への取付け構造を示す断面図。
【図13】本発明の第3の実施形態に係る釣竿の、ガイド部材の竿杆への取付け構造を示す斜視図。
【図14】第3の実施形態に係る釣竿の、ガイド部材の竿杆への取付け構造を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態について、図1乃至図5を参照して説明する。図1は、本実施形態の釣竿1を示す図である。図1に示すように、釣竿1は、先端と基端とを有し、長手方向に延設されている。釣竿1は、基端部に設けられるグリップ3と、グリップ3より先端方向側に設けられるリール取付け部5と、リール取付け部5より先端方向側に設けられる竿杆7とを備える。釣り人はグリップ3を握持して、釣りを行う。また、リール取付け部5には、リール(図示しない)が取り付けられる。竿杆7には、金属、合成樹脂等から形成される複数のガイド部材9が取り付けられている。ガイド部材9は、長手方向に並設されている。ガイド部材9により、リールから延出される釣り糸(図示しない)がガイドされる。
【0014】
図2は、ガイド部材9の竿杆7への取付け構造を示す図である。図2に示すように、ガイド部材9は、竿杆7の外周面に固定される板状の脚部11と、脚部11から竿杆7の外周方向に突出する環状部12とを備える。脚部11は、長手方向に延設されている。脚部11と環状部12との間には、環状部12を脚部11に対して竿杆7の外周方向に屈曲させる屈曲部13が設けられ、屈曲部13により環状部12が竿杆7から立ち上がる状態に竿杆7から離して設けられている。環状部12は内周面と、外周面とを有し、環状部12の内周面にはガイドリング15が固定されている。ガイドリング15の内周面により、釣り糸が挿通される挿通孔17が規定されている。
【0015】
また、竿杆7の外周面上には、板状部材21がガイド部材9と同一の数だけ設けられている。それぞれの板状部材21は、対応するガイド部材9から竿杆7の周方向に離れて配置されている。板状部材21は、合成樹脂、金属等から形成され、可撓性を有する。板状部材21は、竿杆7の外周方向を向く第1の面部22と、竿杆7の内周方向を向く第2の面部23とを備え、長手方向に延設されている。板状部材21には、第1の面部22から第2の面部23まで貫通する第1の貫通孔25が形成されている。また、板状部材21には、第1の面部22から第2の面部23まで貫通する第2の貫通孔26が、竿杆7の周方向について第1の貫通孔25に並設した状態で形成されている。第1の貫通孔25及び第2の貫通孔26は、長手方向に沿って長孔状に形成されている。
【0016】
竿杆7の外周面には、帯状部材31がガイド部材9と同一の数だけ設けられている。それぞれの帯状部材31は、対応するガイド部材9の脚部11を覆う状態で、竿杆7の外周面に巻回されている。この際、ガイド部材9の脚部11は、帯状部材31により竿杆7の内周方向に押圧されている。これにより、ガイド部材9の脚部11が、竿杆7の外周面に固定される。帯状部材31は、合成樹脂シート、合成樹脂繊維、ケブラー繊維等の織布から形成されている。帯状部材31は、巻始め方向側の端部である第1の端部32と、巻終り方向側の端部である第2の端部33とを備える。
【0017】
第1の端部32は、第1の貫通孔25に第1の面部22側から第2の面部23側(竿杆7の外周方向から内周方向)に挿通され、板状部材21の第2の面部23と竿杆7の外周面との間で挟持される巻始め側挟持部35を備える。また、巻始め側挟持部35は、帯状部材31の内周面に止着される止着部37を備える。巻始め側挟持部35及び止着部37により、帯状部材31の第1の端部32が、板状部材21に固定されている。
【0018】
第2の端部33は、帯状部材31を竿杆7の外周面に巻回した後、第2の貫通孔26に第1の面部22側から第2の面部23側に挿通され、第1の貫通孔25に第2の面部23側から第1の面部22側(竿杆7の内周方向から外周方向)に挿通される。第2の端部33は、帯状部材31の他の部分より厚さが厚い厚肉部39を備える。厚肉部39により、第1の貫通孔25より第2の面部23側への第2の端部33の移動が規制されている。
【0019】
また、帯状部材31は、巻終り方向側に第2の端部33が連続し、板状部材21の第2の面部23と竿杆7の外周面との間で挟持される巻終り側挟持部41を備える。巻終り側挟持部41は、帯状部材31を竿杆7の外周面に巻回した後、第2の貫通孔26に第1の面部22側から第2の面部23側に挿通される。巻始め側挟持部35、止着部37、厚肉部39及び巻終り側挟持部41を設けることにより、ガイド部材9の脚部11を竿杆7の内周方向に押圧する状態で帯状部材31が保持される。これにより、ガイド部材9を竿杆7に強固に取り付けることができる。
【0020】
帯状部材31は、巻始め方向側に第1の端部32が連続し、板状部材21を竿杆7の外周方向から内周方向に押圧する巻始め側押圧部43を備える。また、帯状部材31は、巻終り方向側に巻終り側挟持部41が連続し、板状部材21を竿杆7の外周方向から内周方向に押圧する巻終り側押圧部45を備える。巻始め側押圧部43及び巻終り側押圧部45を設けることにより、板状部材21が帯状部材31により竿杆7の内周方向に押圧され、板状部材21が竿杆7の外周面に移動が規制された状態で保持される。このように板状部材21が保持されることにより、ガイド部材9の脚部11を竿杆7の内周方向に押圧する状態で帯状部材31がより強固に保持される。これにより、ガイド部材9を竿杆7により強固に取り付けることができる。
【0021】
図3乃至図5は、ガイド部材9の竿杆7への取付け方法を示す図である。図3に示すように、ガイド部材9を竿杆7に取り付ける際は、まず、ガイド部材9の脚部11を竿杆7の外周面上に配置する。そして、板状部材21を、ガイド部材9から竿杆7の周方向に離れた状態で、竿杆7の外周面上に配置する。そして、帯状部材準備体31Aを竿杆7の外周面に巻回する。帯状部材準備体31Aの一部により帯状部材31が形成される。帯状部材準備体31Aの帯状部材31を形成する部分以外の部分は、ガイド部材9を竿杆7の外周面に取り付けた後に切除される切除部31Bとなっている(図5参照)。
【0022】
帯状部材準備体31Aの一端は、帯状部材31の第1の端部32となる。図3及び図4に示すように、帯状部材準備体31Aを巻回する際には、まず、第1の端部32を板状部材21の第1の貫通孔25に、第1の面部22側から第2の面部23側へ挿通する。これにより、ガイド部材9が竿杆7に取り付けられた際に板状部材21の第2の面部23と竿杆7の外周面との間で挟持される巻始め側挟持部35が、形成される。そして、巻始め側挟持部35を帯状部材準備体31A(帯状部材31)の内周面に止着し、止着部37を形成する。これにより、第1の端部32が板状部材21に固定される。この際、ガイド部材9が竿杆7に取り付けられた際に板状部材21を竿杆7の外周方向から内周方向に押圧する巻始め側押圧部43が、で形成される。
【0023】
そして、板状部材21を手等で保持し、ガイド部材9の脚部11を覆う状態に、帯状部材準備体31Aを竿杆7の外周面に巻回する。そして、帯状部材準備体31Aの他端を、第2の貫通孔26に第1の面部22側から第2の面部23側へ挿通する。これにより、ガイド部材9が竿杆7に取り付けられた際に板状部材21の第2の面部23と竿杆7の外周面との間で挟持される巻終り側挟持部41が、形成される。そして、帯状部材準備体31Aの他端を、第1の貫通孔25に第2の面部23側から第1の面部22側へ挿通する。これにより、ガイド部材9が竿杆7に取り付けられた際に板状部材21を竿杆7の外周方向から内周方向に押圧する巻終り側押圧部45が、で形成される。
【0024】
この状態で、帯状部材準備体31Aの他端を、板状部材21の第1の面部22側(竿杆7の外周方向)に引張る(図4の矢印A)。これにより、帯状部材準備体31A(帯状部材31)が、竿杆7に張った状態で巻回され、ガイド部材9の脚部11及び竿杆7の外周面を竿杆7の内周方向に押圧する(図4の矢印B)。このため、ガイド部材9の脚部11が竿杆7の外周面に移動が規制された状態で保持され、ガイド部材9が竿杆7に取り付けられる。この際、図5に示すように、巻始め側押圧部43及び巻終り側押圧部45により、板状部材21が竿杆7の外周方向から内周方向に押圧され、板状部材21が竿杆7の外周面に保持される。また、巻始め側挟持部35及び巻終り側挟持部41が、板状部材21の第2の面部23と竿杆7の外周面との間で挟持されている。
【0025】
そして、帯状部材準備体31Aを帯状部材31と切除部31Bとに切断する。この際、帯状部材31の切断された端部により、第2の端部33が形成される。帯状部材準備体31Aの切断は、加熱部材47を用いて加熱された状態で行われる。帯状部材31は合成樹脂シート等から形成されるため、加熱された部分では樹脂が溶ける。そして、溶けた樹脂が硬化した後、第2の端部33に帯状部材31の他の部分より厚さが厚い厚肉部39が形成される。厚肉部39により、第1の貫通孔25より第2の面部23側への第2の端部33の移動が規制され、抜け止めされる。この際、第1の端部32が板状部材21に固定され、第2の端部33の第1の貫通孔25より第2の面部23側への第2の端部33の移動が規制されるため、ガイド部材9の脚部11を竿杆7の内周方向に押圧する状態で帯状部材31が保持される。
【0026】
以上のように、板状部材21及び帯状部材31を用いて、ガイド部材9が竿杆7の外周面に取り付けられる。したがって、糸巻きにより取り付ける場合と異なり、熟練した技能を必要とすることなく、容易にガイド部材9を竿杆7に取り付けることができる。
【0027】
(第1の実施形態の変形例)
次に、第1の実施形態の変形例について図6乃至図10を参照して説明する。なお、第1の実施形態と同一の部分及び同一の機能を有する部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0028】
図6は、第1の実施形態の第1の変形例の釣竿1のガイド部材9の竿杆7への取付け構造を示す図である。図6に示すように、本変形例では、帯状部材31の外周面にエポキシ、ウレタン等の合成樹脂層49が被覆されている。合成樹脂層49を設けることにより、第1の貫通孔25より第2の面部23側への第2の端部33の移動がより確実に規制されている。これにより、ガイド部材9の脚部11を竿杆7の内周方向に押圧する状態で帯状部材31をより確実に保持することができる。したがって、ガイド部材9を竿杆7により強固に取り付けることができる。
【0029】
また、板状部材21は、竿杆7の周方向について、ガイド部材9の脚部11が取り付けられる位置の、反対側に位置している。このため、ガイド部材9の挿通孔17に挿通される釣り糸が、板状部材21と干渉し難い。
【0030】
また、合成樹脂層49は、帯状部材31を竿杆7の内周方向に押圧している。このため、帯状部材31が、竿杆7の外周面と合成樹脂層49との間で挟持される。これにより、ガイド部材9の脚部11を竿杆7の内周方向に押圧する状態で帯状部材31をより確実に保持することができる。
【0031】
なお、合成樹脂層49では、帯状部材31の外周面に取り付ける際に、加熱により樹脂が溶け、帯状部材31の内部に流入してもよい。また、合成樹脂層49の樹脂が溶けて帯状部材31より竿杆7の内周方向側に流入し、流入した樹脂により帯状部材31を竿杆7及びガイド部材9の脚部11に接着してもよい。さらに、合成樹脂層49の樹脂が溶けて板状部材21より竿杆7の内周方向側に流入し、流入した樹脂により板状部材21を竿杆7に接着してもよい。
【0032】
図7及び図8は、第1の実施形態の第2の変形例の釣竿1のガイド部材9の竿杆7への取付け構造を示す図である。図7及び図8に示すように、本変形例の板状部材21は、第1の実施形態と同様に、竿杆7の外周方向を向く第1の面部22と、竿杆7の内周方向を向く第2の面部23とを備える。板状部材21には、第1の面部22から第2の面部23まで貫通する貫通孔25が1つのみ形成されている。
【0033】
帯状部材31の第1の端部32は、第1の実施形態と同様に、巻始め側挟持部35及び止着部37により、板状部材21に固定されている。また、帯状部材31は、第1の実施形態と同様に、巻始め方向側に第1の端部32が連続し、板状部材21を竿杆7の外周方向から内周方向に押圧する巻始め側押圧部43を備える。
【0034】
帯状部材31の第2の端部33は、帯状部材31を竿杆7の外周面に巻回した後、貫通孔25に第2の面部23側から第1の面部22側に挿通される。第2の端部33は、帯状部材31の他の部分より厚さが厚い厚肉部39を備える。厚肉部39により、第1の貫通孔25より第2の面部23側への第2の端部33の移動が規制されている。第2の端部33及び厚肉部39の形成については、第1の実施形態と同様である。また、帯状部材31は、巻終り方向側に第2の端部33が連続し、板状部材21の第2の面部23と竿杆7の外周面との間で挟持される巻終り側挟持部41を備える。
【0035】
以上、第2の変形例から、第1の実施形態では、板状部材21に2つの貫通孔25、26が形成されているが、これに限るものではない。すなわち、板状部材21が第1の面部22及び第2の面部23を備え、第1の面部22から第2の面部23まで貫通する少なくとも1つの貫通孔25が形成されていればよい。そして、帯状部材31を竿杆7の外周面に巻回した後、第2の端部33が貫通孔25に第2の面部23側から第1の面部22側に挿通され、貫通孔25より第2の面部23側への第2の端部33の移動が規制されていればよい。この場合、第1の面部22が竿杆7の外周方向を向き、第2の面部23が竿杆7の内周方向を向いた状態で板状部材21を配置することにより、巻終り方向側に第2の端部33が連続し、板状部材21の第2の面部23と竿杆7の外周面との間で挟持される巻終り側挟持部41が、帯状部材31に形成される。
【0036】
図9及び図10は、第1の実施形態の第3の変形例の釣竿1のガイド部材9の竿杆7への取付け構造を示す図である。図9及び図10に示すように、本変形例では、竿杆7の周方向について板状部材21の一端に、溝状部51が設けられている。帯状部材31の第1の端部32は、溝状部51に挿入され、板状部材21に止着される止着部52を備える。溝状部51及び止着部52により、帯状部材31の第1の端部32が板状部材21に固定される。
【0037】
以上、第3の変形例より、第1の実施形態では、巻始め側挟持部35及び止着部37により、帯状部材31の第1の端部32が板状部材21に固定されているが、これに限るものではない。すなわち、帯状部材31の第1の端部32が板状部材21に固定されていればよい。例えば、第1の実施形態で止着部37を設けず、板状部材21の第2の面部23と竿杆7の外周面との間で挟持される巻始め側挟持部35のみにより、第1の端部32が板状部材21に固定してもよい。
【0038】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について図11及び図12を参照して説明する。なお、第1の実施形態と同一の部分及び同一の機能を有する部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0039】
図11及び図12は、第2の実施形態の釣竿1のガイド部材9の竿杆7への取付け構造を示す図である。図11及び図12に示すように、本実施形態の板状部材21は、竿杆7の周方向について互いに対して反対方向を向く第1の面部22及び第2の面部23を備える。板状部材21には、第1の面部22から第2の面部23まで竿杆7の周方向に貫通する貫通孔25が形成されている。
【0040】
また、板状部材21は、貫通孔25より竿杆7の内周方向側に位置し、竿杆7の外周面に固定される固定部55と、貫通孔25より竿杆7の外周方向側に位置し、長手方向について一端を支点として固定部55に対して開閉可能な可動部56(図11の矢印C)とを備える。長手方向について可動部56の開閉動作の支点と反対側の端部には、可動部56と固定部55との間を係脱可能に係合する係合部58が設けられている。竿杆7の外周面にガイド部材9が取り付けられた状態では、可動部56は固定部55に対して閉じられている。そして、係合部58により、固定部55と可動部56とが係合している。
【0041】
帯状部材31の第1の端部32は、貫通孔25に第1の面部22側から第2の面部23側に挿通されている。また、第1の端部32は、板状部材21の固定部55と可動部56との間で挟持される巻始め側挟持部61を備える。巻始め側挟持部61により、第1の端部32が板状部材21に固定されている。
【0042】
また、帯状部材31の第2の端部33は、帯状部材31が竿杆7の外周面に巻回された後に、貫通孔25に第2の面部23側から第1の面部22側に挿通されている。第2の端部33は、帯状部材31の他の部分より厚さが厚い厚肉部39を備える。また、帯状部材31は、巻終り方向側に第2の端部33が連続し、板状部材21の固定部55と可動部56との間で挟持される巻終り側挟持部62を備える。巻終り側挟持部62及び厚肉部39により、第1の貫通孔25より第2の面部23側への第2の端部33の移動が規制されている。
【0043】
以上のように、第1の端部32が板状部材21に固定され、貫通孔25より第2の面部23側への第2の端部33の移動が規制されるため、ガイド部材9の脚部11を竿杆7の内周方向に押圧する状態で帯状部材31が保持される。これにより、ガイド部材9を竿杆7に強固に取り付けることができる。
【0044】
また、第1の端部32の巻始め側挟持部61は、板状部材21の固定部65を竿杆7の外周方向から内周方向に押圧する巻始め側押圧部となっている。同様に、巻終り側挟持部62は、板状部材21の固定部55を竿杆7の外周方向から内周方向に押圧する巻終り側押圧部となっている。このため、板状部材21の固定部55が帯状部材31により竿杆7の内周方向に押圧され、板状部材21が竿杆7の外周面に固定される。板状部材21が固定されることにより、ガイド部材9の脚部11を竿杆7の内周方向に押圧する状態で帯状部材31がより強固に保持される。これにより、ガイド部材9を竿杆7により強固に取り付けることができる。
【0045】
ガイド部材9を竿杆7に取り付ける際には、可動部56を固定部55に対して開いた状態で、帯状部材31の第1の端部32となる帯状部材準備体31Aの一端を板状部材21の貫通孔25に第1の面部22側から第2の面部23側に挿通する。そして、板状部材21及び第1の端部32を手等で保持し、ガイド部材9の脚部11を覆う状態に、帯状部材準備体31A(帯状部材31)を竿杆7の外周面に巻回する。そして、帯状部材準備体31Aの他端を、板状部材21の貫通孔25に第2の面部23側から第1の面部22側に挿通する。
【0046】
この状態で、可動部56を固定部55に対して閉じて、係合部58により固定部55と可動部56との間を係合する。そして、帯状部材準備体31Aを加熱した状態で帯状部材31と切除部31Bとに切断する。これにより、厚肉部39を備える第2の端部33が形成される。以上のように、可動部56が固定部55に対して開いた状態で第2の端部33が板状部材21の貫通孔25に挿通されるため、第2の端部33を貫通孔25に容易に挿通することが可能となる。これにより、ガイド部材9を竿杆7の外周面に取り付ける際の作業性が、向上する。
【0047】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について図13及び図14を参照して説明する。なお、第1の実施形態と同一の部分及び同一の機能を有する部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0048】
図13及び図14は、第3の実施形態の釣竿1のガイド部材9の竿杆7への取付け構造を示す図である。図13及び図14に示すように、本実施形態の板状部材21は、ガイド部材9の脚部11の外側面上に配置されている。板状部材21は、竿杆7の内周方向を向く第1の面部22と、竿杆7の外周方向を向く第2の面部23とを備える。また、板状部材21には、第1の面部22から第2の面部23まで貫通する第1の貫通孔25及び第2の貫通孔26が、竿杆7の周方向に並設されている。
【0049】
帯状部材31の第1の端部32は、第1の貫通孔25に第1の面部22側から第2の面部23側(竿杆7の内周方向から外周方向)に挿通され、第2の貫通孔26に第2の面部23側から第1の面部22側(竿杆7の外周方向から内周方向)に挿通されている。また、第1の端部32は、板状部材21の第1の面部22と竿杆7の外周面との間で挟持される巻始め側挟持部71を備える。巻始め側挟持部71により、第1の端部32が板状部材21に固定されている。
【0050】
また、帯状部材31の第2の端部33は、帯状部材31が竿杆7の外周面に巻回された後に、第2の貫通孔26の第1の面部22側から第2の面部23側へ挿通され、第1の貫通孔25に第2の面部23側から第1の面部22側に挿通されている。第2の端部33は、帯状部材31の他の部分より厚さが厚い厚肉部39を備える。また、帯状部材31は、巻終り方向側に第2の端部33が連続し、板状部材21の第1の面部22と竿杆7の外周面との間で挟持される巻終り側挟持部72を備える。巻終り側挟持部72及び厚肉部39により、第1の貫通孔25より第2の面部23側への第2の端部33の移動が規制されている。
【0051】
帯状部材31は、巻始め方向側に第1の端部32が連続し、板状部材21を竿杆7の外周方向から内周方向に押圧する巻始め側押圧部75を備える。また、帯状部材31は、巻終り方向側に巻終り側挟持部72が連続し、板状部材2を竿杆7の外周方向から内周方向に押圧する巻終り側押圧部76を備える。このため、板状部材21が帯状部材31により竿杆7の内周方向に押圧され、ガイド部材9の脚部11の外側面に固定される。また、板状部材21が竿杆7の内周方向に押圧されることにより、ガイド部材9の脚部11が竿杆7の内周方向に押圧される。これにより、ガイド部材9の脚部11が竿杆7の外周面に固定され、ガイド部材9が竿杆7に取り付けられる。
【0052】
上述ように、帯状部材31は、第1の端部32が板状部材21に固定され、第1の貫通孔25より第2の面部23側への第2の端部33の移動が規制されるため、板状部材21及びガイド部材9の脚部11を竿杆7の内周方向に押圧する状態で帯状部材31が保持される。これにより、ガイド部材9を竿杆7に強固に取り付けることができる。
【0053】
また、上述のように板状部材21が固定されることにより、板状部材21及びガイド部材9の脚部11を竿杆7の内周方向に押圧する状態で帯状部材31がより強固に保持される。これにより、ガイド部材9を竿杆7により強固に取り付けることができる。さらに、板状部材21がガイド部材9の脚部11の外側面上に配置されるため、ガイド部材9の脚部11の外側面が帯状部材31の内周面と接触する場合に比べ、ガイド部材9の脚部11が竿杆7の内周方向により大きい力で押圧される。このため、ガイド部材9を竿杆7により強固に取り付けることができる。
【0054】
ガイド部材9を竿杆7に取り付ける際には、ガイド部材9の脚部11の外側面上に板状部材21を配置する。そして、帯状部材31の第1の端部32となる帯状部材準備体31Aの一端を板状部材21の第1の貫通孔25に第1の面部22側から第2の面部23側に挿通し、第2の貫通孔26に第2の面部23側から第1の面部22側に挿通する。この状態で、板状部材21及び第1の端部32を手等で保持し、帯状部材準備体31A(帯状部材31)を竿杆7の外周面に巻回する。そして、帯状部材準備体31Aの他端を、板状部材21の第2の貫通孔26に第1の面部22側から第2の面部23側に挿通氏、第1の貫通孔25に第2の面部23側から第1の面部22側に挿通する。そして、帯状部材準備体31Aを加熱した状態で帯状部材31と切除部31Bとに切断する。これにより、厚肉部39を備える第2の端部33が形成される。
【0055】
(第3の実施形態の変形例)
第3の実施形態では、帯状部材31の第1の端部32が、第1の貫通孔25に第1の面部22側から第2の面部23側に挿通され、第2の貫通孔26に第2の面部23側から第1の面部22側に挿通されていて、第2の端部33が、第2の貫通孔26に第1の面部22側から第2の面部23側へ挿通され、第1の貫通孔25に第2の面部23側から第1の面部22側に挿通されているが、これに限るものではない。すなわち、板状部材21が、ガイド部材9の外側面上に配置されていればよい。例えば、ガイド部材9の外側面上に、第1の面部22が竿杆7の外周方向を向き、第2の面部23が竿杆7の内周方向を向く状態で、板状部材21が配置されてもよい。この場合、第1の実施形態と同様に、帯状部材31の第1の端部32は、第1の貫通孔25に第1の面部22側から第2の面部23側(竿杆7の外周方向から内周方向)に挿通され、帯状部材31の内周面に止着される。また、帯状部材31を竿杆7の外周面に巻回された後、第2の端部33が第2の貫通孔26に第1の面部22側から第2の面部23側に挿通され、第1の貫通孔25に第2の面部23側から第1の面部22側(竿杆7の内周方向から外周方向)に挿通される。
【0056】
(その他の変形例)
上述の実施形態では、竿杆7にガイド部材9を取り付ける構造について説明したが、板状部材21は、第1の面部22から第2の面部23まで貫通する貫通孔25が形成されていればよい。また、帯状部材31は、第1の端部32が板状部材21に固定されていればよい。そして、帯状部材31を竿杆7の外周面に巻回した後、第2の端部33が貫通孔25に第2の面部23側から第1の面部22側に挿通され、貫通孔25より第2の面部23側への第2の端部33の移動が規制されていればよい。
【0057】
また、第1の実施形態では巻始め側押圧部43及び巻終り側押圧部45により、第2の実施形態では巻始め側挟持部61及び巻終り側挟持部62により、第3の実施形態では巻始め側押圧部75及び巻終り側押圧部76により、板状部材21が竿杆7の外周方向から内周方向に押圧されているが、これに限るものではない。すなわち、帯状部材31が、竿杆7の外周方向から内周方向に板状部材21を押圧する押圧部を備えればよい。
【0058】
また、竿杆7にガイド部材9が移動が規制された状態で保持される構成であれば、合成樹脂層49を必ずしも設ける必要はない。
【0059】
さらに、釣竿1では、少なくとも1つのガイド部材9が、上述のように板状部材21及び帯状部材31により竿杆7に取り付けられていればよく、他のガイド部材9は例えば糸巻きにより竿杆7に取り付けられてもよい。
【0060】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形ができることは勿論である。
【符号の説明】
【0061】
1…釣竿、7…竿杆、9…ガイド部材、11…脚部、21…板状部材、22…第1の面部、23…第2の面部、25…第1の貫通孔(貫通孔)、31…帯状部材、32…第1の端部、33…第2の端部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
竿杆と、
前記竿杆の外周面に固定される脚部を備え、釣り糸をガイドするガイド部材と、
第1の面部と、第2の面部とを備え、前記第1の面部から前記第2の面部まで貫通する貫通孔が形成された板状部材と、
前記ガイド部材の前記脚部を前記竿杆の内周方向に押圧した状態で前記竿杆の前記外周面に巻回される帯状部材であって、前記板状部材に固定される第1の端部と、前記帯状部材を前記竿杆の前記外周面に巻回した後に前記貫通孔に第2の面部側から第1の面部側へ挿通され、前記貫通孔より前記第2の面部側への移動が規制されている第2の端部とを備える帯状部材と、
を具備することを特徴とする釣竿。
【請求項2】
前記帯状部材は、前記竿杆の外周方向から前記内周方向に押圧する押圧部を備えることを特徴とする請求項1に記載の釣竿。
【請求項3】
前記板状部材は、前記ガイド部材の前記脚部の外側面に配置され、前記帯状部材の前記押圧部での押圧により前記ガイド部材の前記脚部を前記竿杆の前記内周方向に押圧する板状部材を含むことを特徴とする請求項2に記載の釣竿。
【請求項4】
前記第2の端部は、前記帯状部材の他の部分より厚さが厚い肉厚部を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1に記載の釣竿。
【請求項5】
前記帯状部材の外周面に被覆される合成樹脂層をさらに具備することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1に記載の釣竿。
【請求項6】
ガイド部材の脚部を竿杆の外周面に配置することと、
第1の面部及び第2の面部を備え、前記第1の面部から前記第2の面部まで貫通する貫通孔が形成された板状部材に、帯状部材の第1の端部となる帯状部材準備体の一端を固定することと、
前記ガイド部材の前記脚部を覆う状態に、前記帯状部材準備体を前記竿杆の前記外周面に巻回することと、
前記帯状部材準備体の他端を前記板状部材の前記貫通孔に第2の面部側から第1の面部側に挿通することと、
前記帯状部材準備体を前記帯状部材と切除部とに切断し、前記貫通孔より前記第2の面側への移動が規制される状態に、前記帯状部材の第2の端部を形成することと、
を具備することを特徴とする釣竿の製造方法。
【請求項7】
前記貫通孔に挿通された前記帯状部材準備体の前記他端を前記板状部材の前記第1の面部側に引張り、前記帯状部材準備体により前記ガイド部材の前記脚部を前記竿杆の前記内周方向に押圧することをさらに具備することを特徴とする請求項6に記載の釣竿の製造方法。
【請求項1】
竿杆と、
前記竿杆の外周面に固定される脚部を備え、釣り糸をガイドするガイド部材と、
第1の面部と、第2の面部とを備え、前記第1の面部から前記第2の面部まで貫通する貫通孔が形成された板状部材と、
前記ガイド部材の前記脚部を前記竿杆の内周方向に押圧した状態で前記竿杆の前記外周面に巻回される帯状部材であって、前記板状部材に固定される第1の端部と、前記帯状部材を前記竿杆の前記外周面に巻回した後に前記貫通孔に第2の面部側から第1の面部側へ挿通され、前記貫通孔より前記第2の面部側への移動が規制されている第2の端部とを備える帯状部材と、
を具備することを特徴とする釣竿。
【請求項2】
前記帯状部材は、前記竿杆の外周方向から前記内周方向に押圧する押圧部を備えることを特徴とする請求項1に記載の釣竿。
【請求項3】
前記板状部材は、前記ガイド部材の前記脚部の外側面に配置され、前記帯状部材の前記押圧部での押圧により前記ガイド部材の前記脚部を前記竿杆の前記内周方向に押圧する板状部材を含むことを特徴とする請求項2に記載の釣竿。
【請求項4】
前記第2の端部は、前記帯状部材の他の部分より厚さが厚い肉厚部を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1に記載の釣竿。
【請求項5】
前記帯状部材の外周面に被覆される合成樹脂層をさらに具備することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1に記載の釣竿。
【請求項6】
ガイド部材の脚部を竿杆の外周面に配置することと、
第1の面部及び第2の面部を備え、前記第1の面部から前記第2の面部まで貫通する貫通孔が形成された板状部材に、帯状部材の第1の端部となる帯状部材準備体の一端を固定することと、
前記ガイド部材の前記脚部を覆う状態に、前記帯状部材準備体を前記竿杆の前記外周面に巻回することと、
前記帯状部材準備体の他端を前記板状部材の前記貫通孔に第2の面部側から第1の面部側に挿通することと、
前記帯状部材準備体を前記帯状部材と切除部とに切断し、前記貫通孔より前記第2の面側への移動が規制される状態に、前記帯状部材の第2の端部を形成することと、
を具備することを特徴とする釣竿の製造方法。
【請求項7】
前記貫通孔に挿通された前記帯状部材準備体の前記他端を前記板状部材の前記第1の面部側に引張り、前記帯状部材準備体により前記ガイド部材の前記脚部を前記竿杆の前記内周方向に押圧することをさらに具備することを特徴とする請求項6に記載の釣竿の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−29606(P2012−29606A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−171039(P2010−171039)
【出願日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【出願人】(000002495)グローブライド株式会社 (1,394)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【出願人】(000002495)グローブライド株式会社 (1,394)
【Fターム(参考)】
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