説明

鉄塔用測定装置取付台座

【課題】水平などの所望の姿勢で設置する必要のある測定装置を鉄塔上に取り付け可能にして、現地に測定装置そのものを持ち込んで測定結果を容易に得ることを実現する鉄塔用測定装置取付台座を提供すること。
【解決手段】鉄塔を構成する主柱材Aに取り付けて測量機100を水平に設置する取付台座10であって、主柱材に取り付けて相対的な姿勢を固定する固定板11と、測量機を取り付けて固定する回動板21と、固定板に回動板を回動自在に連結する蝶番31と、回動板の固定板に対する姿勢を調整する調整部32と、を備えており、固定板は、主柱材に締付部材14を圧接させて締め付けることにより位置決め固定する状態に取り付けるとともに、回動板は、測量機用の取付構造を備えて位置決め固定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄塔用測定装置取付台座に関し、詳しくは、測量機等の測定装置を水平などの所望の姿勢で鉄塔に取り付けることを実現するものに関する。
【背景技術】
【0002】
送電線は、山中に設置される鉄塔に架線されるなどしており、その自重により下方に撓んだ(弛んだ)状態であるとともに、樹木等が接近する場合もあることから、各種測定を現地で行う必要がある。
【0003】
例えば、送電線の弛度は、鉄塔間の地上の測定可能な地点に測量機を設置して行ったり(例えば、特許文献1)、また、その送電線を一定箇所からカメラで撮影して対比することによりカメラの取付角度の影響を受けずに監視することも提案されている(例えば、特許文献2)。また、送電線の樹木等との間隔は、航空機を用いる測量では大掛かりで高額であるとともに時間が掛かる一方、目視による測定では個人差があって正確ではないことから、鉄塔上に取り付けた基準棒の両端側のそれぞれにカメラを計2台設置して、その撮影画像の差異から離隔距離を測定することが提案されている(例えば、特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−133953号公報
【特許文献2】特開2002−112421号公報
【特許文献3】特開2003−97946号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載のように測量機を地上に設置するのでは、周辺の樹木が測定の邪魔になってしまい、最適な箇所での測定をすることができない場合があり、また、特許文献2、3に記載のようにカメラで撮影した画像から離隔距離などを測定するのでは、複雑な計算機処理が必要で、現地で測定結果を得るには多種の機材を持ち込まなければならない。
【0006】
そこで、本発明は、水平などの所望の姿勢で設置する必要のある測定装置を鉄塔上に取り付け可能にして、現地に測定装置そのものを持ち込んで測定結果を容易に得ることを実現する鉄塔用測定装置取付台座を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決する鉄塔用測定装置取付台座の発明は、鉄塔を構成する構造材に取り付けて測定装置を所望の姿勢に設置する取付台座であって、前記鉄塔構造材に取り付けて該鉄塔に対する相対的な姿勢を固定する第1取付部と、前記測定装置を取り付けて固定する第2取付部と、前記第1、第2取付部を回動自在に連結する連結部と、前記第2取付部の前記第1取付部に対する姿勢を調整する調整部と、を備えており、前記第1取付部は、前記鉄塔構造材を締め付けることにより位置決め固定する状態に取り付けるとともに、前記第2取付部は、前記測定装置に応じた取付構造に形成されて該測定装置を位置決め固定することを特徴とするものである。
【0008】
この発明では、測定装置を取り付ける第2取付部(取付構造)の連結部による回動面が所望の姿勢を含むように、例えば、鉛直方向など上下方向になるように、第1取付部により鉄塔構造材を締め付けて鉄塔に設置することができ、その測定装置の鉄塔に対する相対的な姿勢(回動角)を調整部により調整することができる。したがって、例えば、水平姿勢に設置することが必要な測量機を鉄塔に位置決め固定して設置することができ、また、測定の妨げが少なくなるように鉄塔の外方に測定装置が位置するように鉄塔構造材に取り付けることもできる。
【発明の効果】
【0009】
このように本発明によれば、鉛直などの姿勢にない鉄塔構造材でも第1取付部を取り付けて第2取付部を鉛直方向などに回動させることにより、その第2取付部に取り付けた測定装置を水平など所望の姿勢にして設置することができるとともに、その第1取付部を鉄塔の外側に位置するように取り付けて測定装置を設置することができる。したがって、測定装置を鉄塔上に持ち込んで測定するのに適した水平姿勢などに取り付けて測定することができ、そのまま測定結果を容易に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明に係る鉄塔用測定装置取付台座の第1実施形態の全体構成を示す図であり、(a)はその正面図、(b)はその下面図である。
【図2】その第2実施形態の要部構成を示す正面図である。
【図3】その第3実施形態の要部構成を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の実施形態としては、上記の課題解決手段のように、鉄塔を構成する構造材に取り付けて測定装置を所望の姿勢に設置する取付台座であって、前記鉄塔構造材に取り付けて該鉄塔に対する相対的な姿勢を固定する第1取付部と、前記測定装置を取り付けて固定する第2取付部と、前記第1、第2取付部を回動自在に連結する連結部と、前記第2取付部の前記第1取付部に対する姿勢を調整する調整部と、を備えており、前記第1取付部は、前記鉄塔構造材を締め付けることにより位置決め固定する状態に取り付けるとともに、前記第2取付部は、前記測定装置に応じた取付構造に形成されて該測定装置を位置決め固定することを基本構成とするのに加えて、次の構成を備えてもよい。
【0012】
第1の形態としては、前記第1取付部は、前記鉄塔構造材が断面L字アングルの場合には、当該断面L字の端部側から頂部側に向かう方向と平行にネジ構造の螺合回転で移動することにより、該断面L字端部に圧接して締め付ける締付部材を備えていてもよい。
【0013】
この形態では、第1取付部の締付部材がネジ構造の螺合回転により鉄塔構造材(断面L字アングル)の断面L字の端部に圧接して締付固定することができる。したがって、鉄塔の構造材が断面L字アングルでも確実に取り付けることができる。
【0014】
第2の形態としては、前記第1取付部は、前記鉄塔構造材が断面円形の管材の場合には、当該管材に巻き付けて内径を変更することにより、該管材を締め付ける締付部材を備えていてもよい。
【0015】
この形態では、第1取付部の締付部材が鉄塔構造材の断面円形の管材に巻き付ける内径を縮径することにより締付固定することができる。したがって、鉄塔の構造材が断面円形の管材でも確実に取り付けることができる。
【0016】
第3の形態としては、前記調整部は、前記第2取付部側に配設されて、当該第2取付部から離隔する方向にネジ構造の螺合回転で移動することにより該第2取付部からの突出距離を変更するとともに、前記鉄塔構造材または前記第1取付部に突き当てて衝止される突当部材を備えていてもよい。
【0017】
この形態では、第2取付部から離隔する方向にネジ構造の螺合回転により突出させて鉄塔側(鉄塔構造材または第1取付部)に突当・衝止させる突当部材の突出距離(離隔距離)を変更することによって、その第2取付部を鉄塔側に対して近接・離隔する方向に回動させることができ、第2取付部に取り付ける測定装置の姿勢を調整することができる。したがって、例えば、測量機を水平姿勢にして鉄塔に位置決め固定して設置することができる。
【0018】
第4の形態としては、前記第1取付部は、前記鉄塔構造材の締付位置よりも下側の当該鉄塔構造材の表面に当接して当該第1取付部が自重により回動することを制限して姿勢の固定を補助する補助部材を備えていてもよい。
【0019】
この形態では、第1取付部による鉄塔構造材の締付位置の下側に補助部材が当接することにより、その第1取付部が締付位置を中心にして自重により回動することを制限することができる。したがって、調整部が調整する鉄塔への取付姿勢を安定して維持することができ、第1取付部や調整部の強度を不必要に大きくする必要性を少なくすることができる。
【0020】
第5の形態としては、前記第2取付部は、水準器を備えていてもよい。
【0021】
この形態では、第2取付部の姿勢を水準器を基準にして水平にすることができる。したがって、第2取付部(測定装置)を水平に調整するために水準器を別途準備する必要をなくすことができ、水準器を忘れる心配をなくして確実に水平に調整することができる。
【0022】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。図1は本発明に係る鉄塔用測定装置取付台座の第1実施形態を示す図である。
【0023】
図1において、取付台座10は、鉄塔の構造材に取り付けて測量機(測定装置)100を利用可能にするものであり、例えば、断面L字アングル(山形鋼)の主柱材Aに取り付けて鉄塔における相対的な姿勢を固定する固定板(第1取付部)11と、測量機100を取り付けてその姿勢を固定する回動板(第2取付部)21と、固定板11と回動板21とを回動自在に連結する蝶番(連結部)31と、回動板21側に配設されて固定板11に対する回動角(姿勢)を調整する調整機構(調整部)32と、回動板21側に別途準備する必要がないように一体に固定されて水平レベルを表示する水準器39と、を備えている。ここで、測量機100は、例えば、測量時に視野内に測量対象外の樹木などが入ってきても測量対象の電線や樹木等を影響なく計測することができる、ノンプリズム方式を採用している。
【0024】
固定板11は、主柱材AがL字の外面を外側に向けて内面側に若干(α度)傾斜する姿勢で立設されているのに対して、蝶番31との連結箇所の反対側端辺11aがその主柱材Aの角部a1の外面に沿う凹形状に形成されており、その端辺11aのそれぞれと平行に雄ネジ13が固定部材16a、16bに固設されて、その雄ネジ13には雌ネジの蝶ネジ12が螺合している。雄ネジ13は、断面コ字形状に形成されて主柱材Aの端辺a2をそのコ字内に収容する状態にすることのできる締付部材14の貫通穴14a内に挿通されており、締付部材14を角部a1に近接離隔する方向にスライドさせるとともに蝶ネジ12を圧接させて固定することができるようになっている。
【0025】
これにより、固定板11は、締付部材14を角部a1に近接させる方向にスライドさせて蝶ネジ12を同一方向に螺合回転させることにより、その締付部材14が主柱材Aの端辺a2を両側から角部a1に向けて圧接して締め付け固定することができる。ここで、本実施形態では、雄ネジ13を固定部材16a、16bで固定するとともに蝶ネジ12を雌ネジとして螺合回転させて固定板11を主柱材Aに固定しているが、これに限らず、例えば、端辺11a側の固定部材16bを雌ネジにして、その固定部材16bに螺合する雄ネジ13を備える蝶ネジ12としてもよい。なお、この場合には、雄ネジ13を固定部材16bの1箇所で支持することになるので、本実施形態のように固定部材16a、16bの2箇所で支持する方が固定板11に対して雄ネジ13を安定した姿勢にすることができ、締付部材14を主柱材Aの端辺a2にずれることなく圧接させることができる。
【0026】
回動板21は、固定板11に回動自在に連結する蝶番31の反対側の端部に測量機100の固定機構22が設けられており、この固定機構22としては、測量機100の水平調整板101の中心付近を露出させる開口穴23が回動板21の端部側に形成されて、その水平調整板101の底面側に穿孔形成されている不図示の固定ネジ(雌ネジ)に螺合させる締付ネジ(雄ネジ)24がその開口穴23の中心に位置するように保持部材25に回転自在に保持されている。この締付ネジ24は、図1(a)に示すように、水平調整板101に対して直交する姿勢にして固定ネジに螺合させるとともに、図1(b)に示すように、水平調整板101と平行な姿勢に屈曲させることができるようになっており、保持する保持部材25も開口穴23の縁に沿って回転することができるようになっている。
【0027】
これにより、回動板21には、測量機100の水平調整板101を締付ネジ24で固定して取り付けることができ、その測量機100は、後述する回動板21の水平調整の後に、水平調整板101の水平調整機能により高精度な測量に必要な水準の水平レベルに調整することができるとともに、屈曲させた締付ネジ24で回転させて測量目的の対象物に容易に向けることができる。ここで、水平調整板101は、例えば、測量機100の底面を3点支持するネジの長さを調整することにより、その測量機100の水平レベルを調整可能になっている。
【0028】
蝶番31は、固定板11の主柱材Aから離隔する側と、回動板21の測量機100から離隔する側とを連結するように固設されており、固定板11側の主柱材Aに近接離隔する方向を回動面として回動板21を回動自在に支持している。
【0029】
これにより、蝶番31は、測量機100を取付固定する回動板21を固定板11(主柱材A)に対して回動させることができ、後述する調整機構32により固定板11に対する回動角を調整することにより測量機100の姿勢を調整することができる。
【0030】
調整機構32は、回動板21の蝶番31近傍から固定板11の下側の主柱材Aに向かって延在するように蝶ネジ形態の雄ネジの調整ネジ33が設けられている。この調整ネジ33は、回動板21の蝶番31近傍のブロック形状部34に穿孔刻設されている雌ネジ34aに螺合させて位置決めされており、また、回動板21の蝶番31近傍の下面側から下方に延長されている支持板35のブロック形状部36の貫通穴36aを貫通させて固定板11の下側の主柱材Aの角部a1に向かうように位置決めされている。また、調整ネジ33の先端には、主柱材Aの角部a1の外面に凹形状の内面を面接触させる状態にして左右にずれてしまうことを制限する突当駒(突当部材)37が相対回転自在に連結されている。
【0031】
これにより、調整機構32は、回動板21のブロック形状部34(雌ネジ34a)に螺合する調整ネジ33を蝶番31近傍から固定板11の下側の主柱材Aの角部a1に一定の姿勢で向けたまま、その蝶形状部33aを摘んで正逆方向に螺合回転させることにより、その先端の突当駒37を角部a1に突き当てたまま進退させることができ、回動板21は固定板11の一端側で回動自在に支持されていることから、その固定板11(主柱材A)に対して近接離隔する方向に回動させて水準器39で水平レベル(水平か否か)を確認しつつ測量機100の姿勢を調整することができる。
【0032】
このように本実施形態においては、取付台座10は、固定板11の締付部材14で主柱材Aの端辺a2を締め付けるようにして、回動板21に取り付ける測量機100を角部a1の外方に位置するように容易に固定することができる。この取付台座10は、調整機構32の調整ネジ33先端の突当駒37を主柱材Aの角部a1に突き当てつつ、水準器39が水平姿勢を表示するように、その調整ネジ33により回動板21の固定板11(主柱材A)に対する回動角を調整して測量機100を測量に必要な水平姿勢にすることができる。したがって、測量機100を水平姿勢に設置することが面倒な鉄塔であっても、取付台座10を主柱材Aに取り付けるだけで容易に位置決め固定して設置することができ、また、鉄塔の主柱材Aの外側に測量機100を設置して、できるだけ鉄塔の構造材が邪魔にならないようにして測量対象の電線や樹木などの位置や電線との間隔を高精度に測量することができる。
【0033】
次に、図2は本発明に係る鉄塔用測定装置取付台座の第2実施形態を示す図である。ここで、本実施形態は、上述実施形態と同様に構成されていることから、同様の構成には同一の符号を付して特徴部分を説明する(以下で説明する他の実施形態においても同様)。
【0034】
図2において、取付台座10の固定板11は、端辺11aに沿って鉛直下方に延在する補助板(補助部材)41が固設されており、その補助板41が主柱材Aの角部a1近傍に面接触する状態にしつつ、締付部材14で主柱材Aの端辺a2を圧接締付けして固定することができる。
【0035】
これにより、固定板11は、締付部材14のみで主柱材Aに固定される場合よりも、その締付部材14による固定位置を中心にして自重や測量機100の重量により回動してしまうことを補助板41により制限することができる。
【0036】
このように本実施形態においては、取付台座10は、上述実施形態と同様な作用効果を得ることができるとともに、調整ネジ33に固定板11側までも支持させる負担をなくして回動板21の姿勢を維持することができる。したがって、固定板11側の雄ネジ13や調整ネジ33などの強度を不必要に大きくすることなく、測量機100を安定した状態で取り付け固定することができる。
【0037】
次に、図3は本発明に係る鉄塔用測定装置取付台座の第3実施形態を示す図である。
図3において、取付台座10の固定板11は、断面円形の管状(ポール)の主柱材Pに取り付けて相対的な姿勢を固定することができるようになっており、主柱材Pの外面に巻き付ける一対のベルト(締付部材)51、52が固定ブロック53から延在されている。このベルト51、52は、蝶番31からの離隔方向に対して直交して互いに離隔する方向に延在することにより断面円形の主柱材Pに無理なく巻き付けることができるとともに、そのベルト51、52の端部には、締付ボルト55を貫通可能な貫通穴51b、52bの開口する直交部51a、52aが形成されることにより、その締付ボルト55に締付ナット54を螺合させて締め付けることができるようになっている。また、ベルト51、52は、長さの異ならせることにより、直交部51a、52aが取付台座10の側方側に位置して締付作業を容易にすることができるようになっている。
【0038】
これにより、固定板11は、管状の主柱材Pにベルト51、52を巻き付けて直交部51a、52aの貫通穴51b、52bに締付ボルト55を貫通させ締付ナット54を螺合させることにより、その直交部51a、52aを接近させてベルト51、52の内径を縮径して主柱材Pに締付固定することができる。
【0039】
このように本実施形態においては、取付台座10は、管状の主柱材Pの鉄塔の場合でも、上述実施形態と同様な作用効果を得ることができる。この場合にも、主柱材Pの外面に面接触させる補助板41を設けても良いことは言うまでもない。
【0040】
上述実施形態の他の態様としては、上述実施形態では主柱材に取付台座10を取り付ける場合を一例にして説明するが、これに限るものではなく、他の姿勢の鉄塔構造材に取り付けて測量機100や他の測定装置を利用可能にしても良い。また、調整機構32の調整ネジ33の先端を固定板11側に突き当てて自身で姿勢を調整可能にしても良いことは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0041】
これまで本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、その技術的思想の範囲内において種々異なる形態にて実施されてよいことは言うまでもない。
【符号の説明】
【0042】
10……取付台座 11……固定板 12……蝶ネジ 13……雄ネジ 14……締付部材 21……回動板 22……固定機構 23……開口穴 24……保持部材 24……締付ネジ 25……保持部材 31……蝶番 32……調整機構 33……調整ネジ 37……突当駒 39……水準器 41……補助板 51、52……ベルト 54……締付ナット 55……締付ボルト 100……測量機 A、P……主柱材 a1……角部 a2……端辺

【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉄塔を構成する構造材に取り付けて測定装置を所望の姿勢に設置する取付台座であって、
前記鉄塔構造材に取り付けて該鉄塔に対する相対的な姿勢を固定する第1取付部と、前記測定装置を取り付けて固定する第2取付部と、前記第1、第2取付部を回動自在に連結する連結部と、前記第2取付部の前記第1取付部に対する姿勢を調整する調整部と、を備えており、
前記第1取付部は、前記鉄塔構造材を締め付けることにより位置決め固定する状態に取り付けるとともに、
前記第2取付部は、前記測定装置に応じた取付構造に形成されて該測定装置を位置決め固定することを特徴とする鉄塔用測定装置取付台座。
【請求項2】
前記第1取付部は、前記鉄塔構造材が断面L字アングルの場合には、当該断面L字の端部側から頂部側に向かう方向と平行にネジ構造の螺合回転で移動することにより、該断面L字端部に圧接して締め付ける締付部材を備えることを特徴とする請求項1に記載の鉄塔用測定装置取付台座。
【請求項3】
前記第1取付部は、前記鉄塔構造材が断面円形の管材の場合には、当該管材に巻き付けて内径を変更することにより、該管材を締め付ける締付部材を備えることを特徴とする請求項1に記載の鉄塔用測定装置取付台座。
【請求項4】
前記調整部は、前記第2取付部側に配設されて、当該第2取付部から離隔する方向にネジ構造の螺合回転で移動することにより該第2取付部からの突出距離を変更するとともに、前記鉄塔構造材または前記第1取付部に突き当てて衝止される突当部材を備えることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の鉄塔用測定装置取付台座。
【請求項5】
前記第1取付部は、前記鉄塔構造材の締付位置よりも下側の当該鉄塔構造材の表面に当接して当該第1取付部が自重により回動することを制限して姿勢の固定を補助する補助部材を備えることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の鉄塔用測定装置取付台座。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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