説明

鉄筋の配筋装置

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、鉄筋の配筋装関し、特に、太径の鉄筋を配筋位置に配設する際に用いる鉄筋の配筋装置に関する。
【0002】
【従来の技術】各種の鉄筋コンクリート構造物を構築する際には、コンクリートを打設する作業に先立って、コンクリートの引張り強度を補ってこれを補強するための部材である鉄筋の配筋作業が行われる。すなわち、かかる配筋作業は、各鉄筋が所望の強度を発揮して有効にコンクリートを補強することができるように、設計上求められた所定の太さの鉄筋を用いて、所定の間隔及び密度で、所定の位置に精度良く配設することにより行われる。
【0003】そして、かかる鉄筋の配筋作業は、一般に、例えば熟練の鉄筋工などの作業員の手作業によって配筋箇所で各鉄筋を組立てたり、配筋箇所とは別の作業ヤードにおいて、例えば鉄筋篭として所定の形状に組み立てたものを、クレーン等の吊り重機を用いて吊り上げて、配筋箇所に運搬設置することなどにより行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる鉄筋の配筋作業は、特に、例えばLNGの地下タンクや、橋梁の基礎フーチング等の大規模なコンクリート構造物を構築する際に、径の太い鉄筋、例えば呼び径D35、D38、D41、D51程度の太い鉄筋を用いて組立て作業を行う場合には、これらの鉄筋が相当の重量を有することから、取り扱いが容易ではなく、したがって組立作業に多くの労力と時間を必要とするという問題があった。
【0005】すなわち、これらの径の太い鉄筋は、その重量が重いため、鉄筋工等の手作業によって配筋箇所まで運搬して組立作業を行う場合には、各1本の鉄筋毎に例えば6〜8人程度の多数の作業員を必要とすることになるという課題があった。また、小型のクレーン等を用いて各鉄筋を吊り上げながら運搬、組立作業を行う場合には、各鉄筋について玉掛け作業を行うのに時間がかかるとともに、クレーン1基当たりの作業半径、容量等との関係で多くのクレーン等を必要とすることになり、また配筋作業が複雑化することになるという課題があった。さらに、配筋箇所とは別の作業ヤードにおいて、予め所定の形状にブロック化して鉄筋を地組した後これを吊込む方法では、吊込み時において地組した形状を保持することが困難であるとともに、配筋箇所に設置する際に、ラップ部の取り合い等のため、所定の位置に各鉄筋を精度良く設置することが困難になるという課題があった。
【0006】そこで、この発明は、このような従来の課題に着目してなされたもので、特に径の太い鉄筋を使用して鉄筋の運搬、組立作業を行う場合に、その配筋作業を容易にして、労力及び工費、工期の低減を容易に図ることのできる鉄筋の配筋装置を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記目的を達成するためになされたもので、その要旨は、一束の鉄筋が載置される底版フレーム部と、該底版フレーム部から立設延長する支柱によって支持されることにより、該底版フレーム部の上方に鉄筋を搬入、搬出可能に載置するための収容部を形成しつつ配置されるとともに、当該配筋装置をクレーン、ウィンチ等の吊り重機によって吊り上げるための吊り具を備える上方フレーム部と、前記底版フレーム部に配設されることにより、前記底版フレーム部に載置された各鉄筋をこれの延長方向と交差する方向に順次送り出す送り出し手段と、前記底版フレーム部の前記送り出し方向先端部分に取り付けられることにより、前記送り出し手段による各鉄筋の移動を係止して一時停止させるストッパ手段と、前記底版フレーム部の前記送り出し方向先端部分に取り付けられ、送り出し方向に向かって下方に傾斜する傾斜フレーム部と、該ストッパ手段によって一時停止した各鉄筋の係止状態を解除して、前記傾斜フレーム部に滑り落とすことにより、る係止状態を解除して前記傾斜フレームに沿ってスライド移動させつつ各鉄筋を前記底版フレーム部から配筋位置に脱落配置するための解放手段とからなることを特徴とする鉄筋の配筋装置にある。
【0008】
【0009】また、この発明の配筋装置は、前記傾斜フレーム部が、これの送り出し方向先端部分に、各鉄筋のスライド移動を係止して一時停止させる傾斜フレームストッパ手段と、該ストッパ手段による係止状態を解除して前記傾斜フレーム部から各鉄筋を配筋位置に脱落配置するための傾斜フレーム解放手段とを備えるようにすることが好ましい。
【0010】
【0011】
【0012】なお、上記記載において、底版フレーム部あるいは載置手段から各鉄筋を脱落して配置するとは、底版フレーム部あるいは載置手段を、鉄筋の配筋位置の近傍まで移動した後に各鉄筋を配筋位置に落し込んで配筋する場合の他、クランプ等の把持手段により各鉄筋を把持して持ち上げつつ、各配筋位置に位置決め配設する場合をも含むものである。
【0013】そして、この発明の鉄筋の配筋装置によれば、配筋作業は、配筋すべき複数の鉄筋をひとまとめにして配筋装置の底版フレーム部に載置したまま、クレーンやウィンチ等の吊り重機により一体として吊り上げて、配筋箇所まで運搬した後、当該配筋箇所において、吊り重機によって当該配筋装置を鉄筋の配設間隔に応じて移動させながら、載置した鉄筋を送り出し手段によって順次送り出し、各鉄筋を底版フレーム部から一本づつ配筋位置に脱落させつつ行われる。
【0014】すなわち、かかる配筋作業は、鉄筋工等の作業員によって各鉄筋を配筋位置まで運搬移動する作業を要することなく行うことができるとともに、配筋すべき複数の鉄筋をひとまとめに吊り上げて配筋箇所まで運搬することにより、仮置き場から配筋箇所までの吊り重機の往復移動回数を低減し、かつ鉄筋を吊り上げるための玉掛け作業を大幅に軽減することができる。
【0015】また、前記底版フレーム部の前記送り出し方向先端部分に、送り出し方向に向かって下方に傾斜する傾斜フレーム部を取り付け、底版フレーム部から各鉄筋を脱落配置する際に、この傾斜フレーム部に沿って各鉄筋を滑り落とすようにしているので、傾斜フレーム部と配筋位置との間の落差を解消しつつ、さらに精度良く各鉄筋を配筋して行くことができる。
【0016】さらに、この傾斜フレームの先端部分に、傾斜フレームストッパ手段と傾斜フレーム解放手段とを設ければ、傾斜フレーム部に沿って滑り落ちてくる各鉄筋を一旦受けとめ、略静止状態としてから配筋位置に配設することにより、さらに精度良く各鉄筋を配置して行くことができる。
【0017】
【0018】
【0019】
【発明の実施の形態】以下、この発明の好ましい実施の形態すなわち実施例について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。この実施例は、例えば、LNG地下タンクの床版部を鉄筋コンクリート構造物として構築べく、所定の形状及び長さに加工した呼び径D41、D51程度の太い径の鉄筋を、当該床版部に配筋する際に、この発明の鉄筋の配筋装置を採用したものである。
【0020】すなわち、この実施例の配筋装置10は、図1に側面図として、図2に正面図として、及び図3に平面図として示すように、一束の鉄筋を載置するための底版フレーム部11と、この底版フレーム部11から立設延長する支柱12によって支持されることにより、底版フレーム部11の上方にこれと間隔をおいて配置される上方フレーム部13とによって構成され、また、底版フレーム部11の上面部には、送り出し機構としての送りチェーン14が設けられるとともに、この底版フレーム部11の上面先端部にはストッパー15及び解放手段としての押上アーム16が備えられている。
【0021】さらに、この実施例の配筋装置10によれば、底版フレーム部11の先端面には、これと接続連結して、傾斜フレーム部17が、例えば溶着やボルト接合などの強固な固定手段を介して取り付けられているとともに、この傾斜フレーム部17の先端部分には、回動可能な先端ストッパー18及びこの先端ストッパー18を回動させる傾斜フレーム解放手段としてのエアーシリンダ19が設けられている。
【0022】そして、上記底版フレーム部11は、例えば山形鋼や溝形鋼、H形鋼等を、溶接やボルト接合などにより縦横に組み付けて、盤状の骨組み構造として形成されたもので、一束の鉄筋を、当該底版フレーム部11上に載置する際に、当該底版フレーム部11を構成する横部材20と交差する方向に延長配置して、かかる鉄筋を複数の横部材20間に架設支持することができるように構成されている。
【0023】また、底版フレーム部11を構成する横部材20の各々には、その側面両端部分に、チェーン駆動用のスプロケット21が設けられるとともに、一方のスプロケット21に近接してチェーン駆動用モータ22が設けられることにより、両端のスプロケット21間に巻回された上記送りチェーン14を、横部材20に沿って、載置される鉄筋と交差する方向、すなわち鉄筋の送り出し方向Xに回転駆動することができるようになっている。
【0024】さらに、底版フレーム部11の上面先端部に設けれたストッパー15は、例えば、送りチェーン14による鉄筋の送り面より上方に突出するようにして、かつ鉄筋との当接面が上記送り出し方向Xと対向するようにして、溶着等により底版フレーム部11の横部材20に固定した鋼製突出片からなるとともに、押上アーム16は、一端部が横部材20の側面にピン結合されるとともに、他端部には鉄筋を持ち上げる際の引掛部を備え、押上用エアーシリンダー23の伸縮に伴ってピン結合を中心として回動することにより、ストッパー15により係止されて一時停止している各鉄筋をストッパー15を越えて押し上げ、傾斜フレーム17の傾斜部分に滑り落とすことができるようになっている。
【0025】一方、底版フレーム部11の先端面に取り付けられる傾斜フレーム部17は、例えば山形鋼や溝形鋼等の鋼材を、溶着やボルト接合等を用いて三角形断面の骨組み構造として形成したもので、上記底版フレーム部11を構成する各横部材20の延長上に、先端に向って下方に傾斜する傾斜部材24が配置されるようにして接続固定されている。
【0026】また、傾斜フレーム部17の先端部分に設けられる先端ストッパー18は、傾斜部材24の側面にピン結合されて回動可能なフック部材からなり、これの背部に連結するエアーシリンダ19を伸張することにより、フック部分を傾斜部材24の傾斜面から突出させて、傾斜面に沿って滑り落ちようとする鉄筋を係止するとともに、エアーシリンダ19を収縮することにより、上記フック部分を傾斜面から後退させて、係止した鉄筋を再びスライド落下させることができるように構成されている。
【0027】そして、底版フレーム部11から立設延長して上方フレーム部13を支持する支柱12は、例えば溝形鋼やH形鋼等の強固な鋼製部材からなり、図1に示すように、送り出し方向Xの後端部分において、溶着やボルト接合等の強固な固定手段により底版フレーム部11に固設されるとともに、図2に示すように、正面中心線を中心とした対称位置に一対設けられるものである。
【0028】また、この支柱12によって支持される上方フレーム部13は、溶着やボルト接合等の強固な固定手段を介して支柱12に固設されて、各支柱12から一体となって送り出し方向Xの前方に突出延長する、例えば溝形鋼やH形鋼等の強固な鋼製部材からなる一対の主フレーム25と、かかる一対の主フレーム25の間に架設固定されて、これらの主フレーム25を一体に連結補強する溝形鋼やH形鋼等からなる連結フレーム26とによって構成され、また、各主フレーム25の上面両端部分には、合計4箇所に、吊りワイヤ27を係着するための吊り金具28が設けられている。
【0029】すなわち、この実施例の配筋装置10によれば、底版フレーム部11と、支柱12と、上方フレーム部13とによって、断面コの字状の鉄筋の載置収容部29が形成(図1参照)され、この断面コの字状の側方開口部分から、一束の鉄筋を当該収容部29に対して容易に搬入しあるいは搬出することができるようになっている。また、吊りワイヤ27を係着するための吊り金具28は、対称位置に配置されるとともに底版フレーム部11の上方を略横断するようにして延長する主フレーム25の両端部分に設けられて、底版フレーム部11の上方にバランス良く配置されることにより、吊りワイヤ27を介して配筋装置10を吊り上げる際に、底版フレーム部11を水平状態を保持して鉄筋の吊り上げ運搬作業を安定して行うことができるように構成されている。
【0030】そして、この実施例の配筋装置10によれば、上方フレーム部13の中央部分には、さらに、連結フレーム26に架設されて、鉄筋の送り出し方向Xに延長配置された進退方向スライドガイドレール30及びこの進退方向スライドガイドレール30に沿って進退する進退方向スライドフレーム31と、この進退方向スライドフレーム31の先端部分に上下方向に延長するように固定される上下方向スライドガイドレール32及びこの上下方向スライドガイドレール32に沿って昇降する上下方向スライドフレーム33と、この上下方向スライドフレーム33に取り付けられた、把持機能及び伸縮機能を備えた鉄筋把持クランプ34とを備えている。
【0031】すなわち、進退方向スライドガイドレール30は、開口面を互いに対向配置した断面コの字状の一対の溝形鋼からなるとともに、進退方向スライドフレーム31は、これらの一対の対向する開口面の間に嵌合配置される枠状体からなり、進退方向スライドフレーム31は、これに取り付けたスライドローラ35を車輪として、駆動モータ36の駆動力によりスプロケット37を介して進退駆動し、進退方向スライドガイドレール30に沿ってスライドするように構成されている。
【0032】また、同様に、上下方向スライドガイドレール32は、開口面を互いに対向配置した断面コの字状の一対の溝形鋼からなるとともに、上下方向スライドフレーム33は、これらの一対の対向する開口面の間に嵌合配置される枠状体からなり、上下方向スライドフレーム33は、これに取り付けたスライドローラ38を車輪として、駆動モータ39の駆動力によりスプロケット40を介して昇降駆動し、上下方向スライドガイドレール32に沿ってスライドするように構成されている。
【0033】さらに、上下方向スライドフレーム33の下端部分に設けられた鉄筋把持クランプ34は、シリンダ等によりそれ自身昇降可能な構成を備えるとともに、クランプ部分を開閉して鉄筋を着脱自在に把持することができるように構成されている。
【0034】そして、上述のような構成を有するこの実施例の配筋装置10を用いて鉄筋の配筋作業を行うには、まず、図4及び図5に示すように、鉄筋の配筋箇所とは離れた作業ヤードにおいて、配筋装置10に配筋すべき一束の鉄筋41を積み込む作業を行う。すなわち、かかる積み込み作業は、クレーン等を用いて吊り上げたひとまとめの鉄筋41を、上記断面コの字状の側方開口部分から、収容部29に搬入することにより容易に行うことができる。
【0035】鉄筋41を底版フレーム部11上に載置したら、配筋装置10を、積み込んだひとまとめの鉄筋41とともに、クレーン等の大型の吊り重機により吊り上げて、鉄筋41の配筋箇所まで運搬し、当該配筋箇所において各鉄筋41を配筋位置に配設する作業を行う。
【0036】すなわち、送りチェーン14を正方向及び反方向に往復回動し、ひとまとめの鉄筋41を揺り動かして重ね合わせ部分を無くすことにより、積み込んだ鉄筋41を底版フレーム部11上に一列に整列させてから、送りチェーン14を送り出し方向Xに回動すれば、図6に示すように、各鉄筋41は、順次ストッパー15により係止されて一時停止するとともに、この係止された鉄筋41を、押上アーム16を用いてストッパー15を越えて押し上げれば、各鉄筋41は、傾斜フレーム17の傾斜部分に沿って順次滑り落ちて行く。そして、この滑り落ちようとする鉄筋41を、先端ストッパー18により一旦受けとめるとともに、吊り重機によって配筋装置10を鉄筋の配設間隔に応じて移動させながら、先端ストッパー18を後退して受けとめた各鉄筋41を解放し、底版フレーム部11から順次脱落配置してゆくことにより、容易に各鉄筋41を配筋位置に配設してゆくことができる。
【0037】そして、この実施例によれば、かかる配筋作業は、配筋すべき複数の鉄筋41をひとまとめに吊り上げて配筋箇所まで運搬しながら行われるので、鉄筋工等の作業員による配筋位置までの運搬作業を要することなく、かつ仮置き場から配筋箇所までの吊り重機の往復移動回数を低減し、また鉄筋を吊り上げるための玉掛け作業を大幅に軽減しつつ、容易に行ってゆくことが出来る。
【0038】また、この実施例の配筋装置10によれば、図7〜図9に示すように、曲筋42のような加工鉄筋についても、容易に配筋作業を行ってゆくことができる。すなわち、上述の場合と同様の工程によって、配筋装置10に積み込まれて配筋箇所まで運搬されてきた一束の曲筋42は、上述の場合と同様に、送りチェーン14により送り出し方向Xに順次送り出されて、ストッパー15により係止され一時停止することになる。そして、停止している各曲筋42を、押上アーム16により僅かに押し上げた状態を保持しつつ、上方フレーム部13に設けられた鉄筋把持クランプ34を移動してきて、この押し上げた曲筋42を把持し(図8参照)、しかる後に、進退方向スライドフレーム31や上下方向スライドフレーム33を駆動して前後及び上下にスライドさせ、把持した曲筋42がこれの配筋位置に正確に位置決めされるように移動すれば(図7、図9参照)、各曲筋42を、順次、容易かつ精度良く各配筋位置に設置してゆくことができる。なお、かかる作業もまた、配筋装置10を、吊り重機によって鉄筋の配設間隔に応じて移動させながら行うことが好ましい。
【0039】なお、この発明は、上記実施例の態様のもの限定されるものではなく、請求項により示される技術思想の範囲内で、種々変形して適用することができる。例えば、上方フレーム部13に設けられる進退方向スライドフレーム31、上下方向スライドフレーム33、鉄筋把持クランプ34等や、傾斜フレーム部17などは、必ずしも必要とされるものではなく、また、直線状の鉄筋を上記鉄筋把持クランプ34を用いて配筋してゆくこともできる。さらに、この発明の配筋装置は、D41,D51等の太い径の鉄筋の配筋作業に限定されることなく、一般に用いられる10mm〜30mm程度の径の太さの鉄筋の配筋作業にも採用することができる。
【0040】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、この発明の鉄筋の配筋装置によれば、配筋すべき複数の鉄筋をひとまとめにして吊り上げて、配筋箇所まで運搬し、この配筋箇所において、各鉄筋を送り出し手段により順次送り出して各配筋位置に脱落配置してゆくので、作業員によって各鉄筋を配筋位置まで運搬する作業を要することなく、また仮置き場から配筋位置まで鉄筋を運搬するための吊り重機の往復移動回数を低減し、かつ鉄筋を吊り上げるための玉掛け作業を大幅に軽減しつつ、容易に配筋作業を行ってゆくことができ、したがって、特に径の太い鉄筋を使用して鉄筋の組立作業を行う場合に、その配筋作業を容易にして、労力及び工費、工期の低減を容易に図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例にかかる配筋装置の構成を示す側面図である。
【図2】この発明の一実施例にかかる配筋装置の構成を示す正面図である。
【図3】この発明の一実施例にかかる配筋装置の構成を示す平面図である。
【図4】配筋装置に一束の鉄筋を積み込む状況を説明する側面図である。
【図5】配筋装置に一束の鉄筋を積み込む状況を説明する正面図である。
【図6】配筋箇所において、配筋位置に鉄筋を配筋する一実施態様を説明する側面図である。
【図7】配筋箇所において、配筋位置に鉄筋を配筋する他の実施態様を説明する平面図である。
【図8】配筋箇所において、配筋位置に鉄筋を配筋する他の実施態様を説明する側面図である。
【図9】配筋箇所において、配筋位置に鉄筋を配筋する他の実施態様を説明する側面図である。
【符号の説明】
10 配筋装置
11 底版フレーム部
12 支柱
13 上方フレーム部
14 送りチェーン(送り出し手段)
15 ストッパー(ストッパ手段)
16 押上アーム(解放手段)
17 傾斜フレーム部
18 先端ストッパー(傾斜フレームストッパ手段)
19 エアーシリンダ(傾斜フレーム解放手段)
27 吊りワイヤ
28 吊り金具
29 載置収容部
30 進退方向スライドガイドレール(進退方向スライド手段)
31 進退方向スライドフレーム(進退方向スライド手段)
32 上下方向スライドガイドレール(上下方向スライド手段)
33 上下方向スライドフレーム(上下方向スライド手段)
34 鉄筋把持クランプ
41 鉄筋
42 曲筋
X 送り出し方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】 一束の鉄筋が載置される底版フレーム部と、該底版フレーム部から立設延長する支柱によって支持されることにより、該底版フレーム部の上方に鉄筋を搬入、搬出可能に載置するための収容部を形成しつつ配置されるとともに、当該配筋装置をクレーン、ウィンチ等の吊り重機によって吊り上げるための吊り具を備える上方フレーム部と、前記底版フレーム部に配設されることにより、前記底版フレーム部に載置された各鉄筋をこれの延長方向と交差する方向に順次送り出す送り出し手段と、前記底版フレーム部の前記送り出し方向先端部分に取り付けられることにより、前記送り出し手段による各鉄筋の移動を係止して一時停止させるストッパ手段と、前記底版フレーム部の前記送り出し方向先端部分に取り付けられ、送り出し方向に向かって下方に傾斜する傾斜フレーム部と、該ストッパ手段によって一時停止した各鉄筋の係止状態を解除して、前記傾斜フレーム部に滑り落とすことにより、る係止状態を解除して前記傾斜フレームに沿ってスライド移動させつつ各鉄筋を前記底版フレーム部から配筋位置に脱落配置するための解放手段とからなることを特徴とする鉄筋の配筋装置。
【請求項2】 前記傾斜フレーム部が、これの送り出し方向先端部分に、各鉄筋のスライド移動を係止して一時停止させる傾斜フレームストッパ手段と、該ストッパ手段による係止状態を解除して前記傾斜フレーム部から各鉄筋を配筋位置に脱落配置するための傾斜フレーム解放手段とを備えることを特徴とする請求項に記載の鉄筋の配筋装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図8】
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【図7】
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【図9】
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【特許番号】特許第3053068号(P3053068)
【登録日】平成12年4月7日(2000.4.7)
【発行日】平成12年6月19日(2000.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平7−264163
【出願日】平成7年10月12日(1995.10.12)
【公開番号】特開平9−105232
【公開日】平成9年4月22日(1997.4.22)
【審査請求日】平成10年11月12日(1998.11.12)
【出願人】(000000549)株式会社大林組 (1,758)
【出願人】(000223056)東陽建設工機株式会社 (17)
【参考文献】
【文献】特開 平5−346062(JP,A)