鉄筋応力の測定方法
【課題】動体が移動するときの所定の時間にわたって、リアルタイムかつ高精度に測定対象の応力を測定することができる鉄筋応力の測定方法を提供すること。
【解決手段】測定対象のたわみ量をあらかじめ測定するたわみ量事前測定工程と、磁歪センサにより、前記測定対象の磁歪変化から前記測定対象の応力をあらかじめ測定する応力事前測定工程と、たわみ量と応力との複数の測定結果におけるタイミングを識別し、同じタイミング同士で、たわみ量と応力との測定結果を対応付けてたわみ応力特性をあらかじめ算出する事前算出工程と、前記測定対象のたわみ量を測定するたわみ量即時測定工程と、たわみ量即時測定工程による測定結果から、たわみ応力特性に基づいて、前記応力事前測定工程のサンプリング間隔よりも小さいサンプリング間隔で、前記測定対象の応力をリアルタイムに測定する応力即時測定工程とを含むことを特徴とする。
【解決手段】測定対象のたわみ量をあらかじめ測定するたわみ量事前測定工程と、磁歪センサにより、前記測定対象の磁歪変化から前記測定対象の応力をあらかじめ測定する応力事前測定工程と、たわみ量と応力との複数の測定結果におけるタイミングを識別し、同じタイミング同士で、たわみ量と応力との測定結果を対応付けてたわみ応力特性をあらかじめ算出する事前算出工程と、前記測定対象のたわみ量を測定するたわみ量即時測定工程と、たわみ量即時測定工程による測定結果から、たわみ応力特性に基づいて、前記応力事前測定工程のサンプリング間隔よりも小さいサンプリング間隔で、前記測定対象の応力をリアルタイムに測定する応力即時測定工程とを含むことを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動体の移動を支持する鉄筋応力の測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、鉄筋からなる測定対象に歪ゲージを設置して、当該歪ゲージの出力により、測定対象の応力を測定する方法が知られている。
しかし、歪ゲージの設置、撤去を行うためには、はつりなどの作業負担が大きくなるだけでなく、歪ゲージは被測定対象の歪みに応じて変位するため、当該歪ゲージを長期にわたって安定して設置することができない。
そこで、磁歪センサにより、測定対象の応力を測定する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。この磁歪センサによって、測定対象の微分透磁率を求め、この微分透磁率から応力を測定することができる。
【特許文献1】特開2003−270059号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記のような磁歪センサによる測定では、測定可能間隔が長いため、静的かつ瞬間的な測定を行うことはできるものの、移動体が移動している間において測定対象の応力を連続して直ちに測定することができないという問題がある。
【0004】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、移動体が移動するときの所定の時間にわたって、リアルタイムかつ高精度に測定対象の応力を測定することができる鉄筋応力の測定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提供する。
本発明は、移動体の移動を支持する鉄筋の応力を測定する鉄筋応力の測定方法であって、タイミング発生手段による識別可能な複数のタイミングに合わせて、第1のたわみ計により測定対象のたわみ量をあらかじめ測定するたわみ量事前測定工程と、前記タイミング発生手段による識別可能な複数のタイミングに合わせて、磁歪センサにより、前記たわみ量事前測定工程のサンプリング間隔よりも大きいサンプリング間隔で、前記測定対象の磁歪変化から前記測定対象の応力をあらかじめ測定する応力事前測定工程と、前記たわみ量事前測定工程の複数の測定結果及び前記応力事前測定工程の複数の測定結果における前記タイミングを識別し、同じタイミング同士で、前記たわみ量事前測定工程の複数の測定結果と前記応力事前測定工程の複数の測定結果とを対応付けてたわみ応力特性をあらかじめ算出する事前算出工程と、前記移動体が移動するリアルタイムに、第2のたわみ計により前記測定対象のたわみ量を測定するたわみ量即時測定工程と、前記たわみ量即時測定工程による測定結果に基づいて、前記事前算出工程によってあらかじめ算出されたたわみ応力特性から、前記応力事前測定工程のサンプリング間隔よりも小さいサンプリング間隔で、前記測定対象の応力をリアルタイムに測定する応力即時測定工程とを含むことを特徴とする。
【0006】
この発明においては、たわみ量事前測定工程により測定対象のたわみ量があらかじめ測定される。また、応力事前測定工程により、測定対象の応力があらかじめ測定される。そして、事前算出工程により、同じタイミング同士で、たわみ量事前測定工程の複数の測定結果と応力事前測定工程の複数の測定結果とが対応付けられてたわみ応力特性があらかじめ算出される。
このような状態において、たわみ量即時測定工程により、測定対象のたわみ量がリアルタイムに測定され、応力即時測定工程により、たわみ量即時測定工程による測定結果から、たわみ応力特性に基づいて、応力事前測定工程のサンプリング間隔よりも小さいサンプリング間隔で、測定対象の応力がリアルタイムに測定される。
以上より、本発明によれば、移動体が移動するときの所定の時間にわたって、リアルタイムかつ高精度に測定対象の応力を測定することができる。
【0007】
また、本発明は、前記たわみ量即時測定工程による測定結果と、前記測定対象の固有振動数又は減衰定数とに基づいて、前記移動体が移動していないときの前記測定対象のたわみ量を解析たわみ量として算出する解析たわみ量算出工程と、前記解析たわみ量算出工程による算出結果に基づいて、前記事前算出工程によってあらかじめ算出されたたわみ応力特性から、前記応力事前測定工程のサンプリング間隔よりも小さいサンプリング間隔で、前記移動体が移動していないときの前記測定対象の応力である解析応力を算出する解析応力算出工程とを含むことを特徴とする。
【0008】
この発明においては、解析たわみ量算出工程により、解析たわみ量が算出され、解析応力算出肯定により、たわみ応力特性に基づいて、応力事前測定工程のサンプリング間隔よりも小さいサンプリング間隔で、解析応力を算出する。
以上より、本発明によれば、高精度かつ容易に解析応力を算出することができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、移動体が移動するときの所定の時間にわたって、リアルタイムかつ高精度に測定対象の応力を測定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態における鉄筋応力の測定方法について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態としての鉄筋応力の測定方法における測定対象の様子を示したものである。
まず、測定対象について説明する。
地面Gから複数の橋桁1が所定の間隔をあけて設置されている。これら橋桁1の上端には、両隣の橋桁1にわたって延びる複数の桁5が設置されている。橋桁1及び桁5は、鉄筋コンクリートからなっている。桁5の上端には、これら複数の桁5にわたって延びるレール3が設置されており、このレール3の上を列車(移動体)4が移動するようになっている。
本実施形態においては、例えば桁5の応力を測定するものであり、測定対象は桁5となる。
【0011】
また、符号7は、本実施形態において利用されるたわみ計(第1のたわみ計、第2のたわみ計)を示すものである。桁5の下端からピアノ線6を下方に延ばし、このピアノ線6と地面Gに設けられたたわみ計7とが接続されている。
そして、桁5のたわみによるピアノ線6の鉛直方向の変位により、たわみ計7が所定のサンプリング間隔SP1で測定結果(たわみ量)を出力するようになっている。
なお、たわみ計7は、第1のたわみ計と第2のたわみ計とが兼用されたものである。
【0012】
次いで、図2及び図3を参照して、本実施形態において利用されるEMセンサ(磁歪センサ)10について説明する。
磁歪センサ10は、筒状の本体部16を備えている。
本体部16内には、内側に1次コイル11が巻回され、この1次コイル11の外側に2次コイル12が巻回されている。1次コイル11及び2次コイル12は、コンデンサを有する入力部14を介して、電源部15に接続されている。電源部15は、例えば24VDC/100VAC電源からなるものである。また、2次コイル12には、演算部13が接続されている。
このような構成のもと、電源部15から出力された電流が入力部14のコンデンサに充電され、コンデンサがフル充電されると、その電圧(200〜300V)が一次コイル11に供給される。一次コイル11に電圧が供給されると、鋼材の磁束密度が変化し、これにより2次コイル12に誘導電流が発生する。すると、演算部13は、2次コイル12の誘導電流の電圧を測定して、鋼材の微分透磁率を算出する。さらに、演算部13は、算出した微分透磁率から、鉄筋の応力を算定する。
【0013】
このEMセンサ10は、静的かつ瞬間的な測定を行うことはできるものの、所定の時間にわたって測定対象の応力を直ちに測定することができない。
すなわち、図3に示すように、電源部15の測定用のスイッチをオンしてから、入力部14のコンデンサに電流がフル充電されるまでに約20秒かかり、フル充電されてから1次コイル11に電圧が供給(トリガ・オン)されるため、測定可能間隔が約20秒となってしまう。すなわち、EMセンサ10によると、所定のサンプリング間隔SP2で測定可能となり、このサンプリング間隔SP2は、たわみ計7のサンプリング間隔SP1よりも大きくなっている。しかも、図4に示すように、コンデンサにフル充電されるまでの時間には、所定(1秒程度)のばらつきがあり、正確に20秒に合わせて測定することも困難である。また、コンデンサからの放電後、一瞬(10m秒程度)で微分透磁率の測定が終了するため、活荷重通過時の応力を測定することはできない。さらに、コンデンサに電流が充電された場合、安全上すぐに放電を行う必要があるため、測定タイミングの制御を行うこともできない。
このように、EMセンサ10だけでは、所定の時間にわたって測定対象の応力を直ちに測定することができない。
【0014】
次に、本実施形態における鉄筋応力の測定方法について説明する。
図5は、本実施形態における鉄筋応力の測定方法の測定フローを示すフローチャートである。
この測定方法は、あらかじめ測定する段階(ステップS1〜S5)と、リアルタイムに測定する段階(ステップS6)とを含むものである。
まず、桁5のたわみや応力をあらかじめ測定する工程について説明する。
最初に、電源部15の測定用のスイッチをオンにする(ステップS1)。すなわち、図6に示すように、桁5の短手方向の両端に一対の光電管スイッチ20を設け、これら光電管スイッチ20の間の光を、列車4が遮ることにより、光電管スイッチ20からオン信号が出力される。そして、このオン信号を制御部(不図示)が読み出すと、電源部15の測定用のスイッチをオンする。
【0015】
なお、光電管スイッチ20に代えて、図7に示すように、車軸位置検知センサ25を設け、列車4の車軸を検出してもよい。すなわち、車軸位置検知センサ25が、磁界を検知することにより、列車4の磁性体からなる車輪を検知し、これによりレール3の長手方向における車軸の位置を検知することができる。そして、車軸位置検知センサ25が、車軸位置を検知すると、オン信号を制御部に出力する。
【0016】
さらに、電源部15の測定用のスイッチがオンされると、電源部15から入力部14に電流が供給され、コンデンサに充電されていく(ステップS2)。コンデンサがフル充電されると、それがトリガとなって、EMセンサ10により、上記と同様にして桁5の応力が2〜3点分測定される(ステップS3、たわみ量事前測定工程)。このとき、GPS時計(タイミング発生手段)を利用して、測定結果(応力)と測定点の絶対時間とを対応付けて記憶部(不図示)などに記憶しておく。
そして、列車4が、例えば4台〜5台くらい通過することにより、複数点の応力が測定され、それら応力と絶対時間とが記憶部に記憶される。
【0017】
また、同じ時間に、たわみ計7により、桁5のたわみ量を測定する(ステップS4、応力事前測定工程)。すなわち、GPS時計を利用して、たわみ計7の測定結果(たわみ量)と測定点の絶対時間とを対応付けて記憶部などに記憶しておく。これにより、例えば図8又は図9に示すように、時間軸に対するたわみ量を表す波形が得られる。
さらに、EMセンサ10の測定結果に対応する絶対時間と、たわみ計7の測定結果に対応する絶対時間とを、不図示の演算部が記憶部から読み出し、それぞれの絶対時間が等しいときのそれぞれの測定結果(応力とたわみ量)を抽出する。
【0018】
すなわち、図10及び図11に示すように、演算部は、時間軸に対するたわみ量を示すたわみ波形(たわみ計7の測定結果)から、EMセンサ10と同一時刻の測定点S1−1,S1−2,S1−3,S1−4,S1−5(又はS2−1,S2−2,S2−3,S2−4,S2−5、以下「S1−1他」という。)におけるたわみ量T1−1,T1−2,T1−3,T1−4,T1−5(又はT2−1,T2−2,T2−3,T2−4,T2−5、以下「T2−1他」という。)を抽出し、それら測定点(S1−1他)とたわみ量(T2−2他)とを対応させて記憶部に記憶する。同様に、演算部は、それら測定点(S1−1他)における応力を抽出し、それら測定点(S1−1他)と応力とを対応させて記憶する。
これらの処理を、異なる列車4の4台〜5台分繰り返し、演算結果を蓄積する。
【0019】
さらに、演算部は、同一の測定点におけるたわみ量と応力とを抽出し、これらたわみ量と応力とを対応付けて記憶部に記憶する。これにより、図12に示すように、横軸をたわみ量とし、縦軸を応力とした関数であるたわみ・応力特性Lが算出される。
このようにして、たわみ量と応力との関係を示すたわみ・応力データベースがあらかじめ生成される(ステップS5、事前算出工程)。
【0020】
次いで、リアルタイムに測定する段階(ステップS6)について説明する。
列車4が桁5を移動する場合、このときの桁5の応力は、上記の通り、EMセンサ10だけでは、精度よく測定することができない。
本実施形態においては、列車4が通過する際に、たわみ計7により桁5のたわみ量をリアルタイムに測定し、これらたわみ量に基づいて、不図示の演算部が、あらかじめ生成されたたわみ・応力データベースから、各応力を抽出する。このとき、演算部は、たわみ計7のサンプリング間隔SP2ごとの応力を抽出する。これにより、図13に示すように、測定たわみ波形から、サンプリング間隔SP2ごとのリアルタイムな応力波形が得られる(ステップS6、応力即時測定工程)。
【0021】
さらに、演算部は、桁5の固有振動数又は減衰定数などを求め、構造緒元同定により、図14に示すように、測定たわみ波形(図13に示す)から、列車4が通過していないときの桁5のたわみ量である解析たわみ波形を算出する(解析たわみ量産出工程)。
そして、算出した解析たわみ波形に基づいて、たわみ・応力データベースから、各応力を抽出し、列車4が通過していないときの桁5の応力波形である解析応力波形を算出する(解析応力波形算出工程)。
【0022】
以上より、本実施形態における鉄筋応力の測定方法によれば、たわみ・応力特性Lがあらかじめ得られることから、たわみ計7により、小さなサンプリング間隔SP2でたわみ量をリアルタイムに測定することにより、同じサンプリング間隔SP2で桁5の応力をリアルタイムに測定することができる。
そのため、列車4が移動するときの所定の時間にわたって、リアルタイムかつ高精度に測定対象の応力を測定することができる。
【0023】
なお、演算部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによりリアルタイムに応力測定を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0024】
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
なお、本発明の技術範囲は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更を加えることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の実施形態としての鉄筋応力の測定方法における測定対象などの様子を示す説明図である。
【図2】本実施形態で利用されるEMセンサを示す説明図である。
【図3】本実施形態で利用されるEMセンサの測定手順を示すフローチャートである。
【図4】EMセンサの測定開始時間のばらつきを示すグラフである。
【図5】本実施形態における鉄筋応力の測定方法の全体の流れを示すフローチャートである。
【図6】桁に光電管スイッチが設けられ、車両により、光が遮られる様子を示す説明図である。
【図7】レールに車軸位置検知センサが設けられた様子を示す平面図である。
【図8】たわみ計によるたわみ波形を示す波形図である。
【図9】たわみ計による他のたわみ波形を示す波形図である。
【図10】EMセンサの同一の測定点において、たわみ波形から、たわみ量を抽出する様子を示す説明図である。
【図11】EMセンサの他の同一の測定点において、他のたわみ波形から、たわみ量を抽出する様子を示す説明図である。
【図12】たわみ量と応力との関係を示すたわみ・応力特性を示すグラフである。
【図13】測定たわみ波形と、この測定たわみ波形から得られた応力波形を示す波形図である。
【図14】測定たわみ波形から解析した解析たわみ波形と、この解析たわみ波形から得られた応力波形を示す波形図である。
【符号の説明】
【0026】
4 列車(移動体)
5 桁(測定対象)
7 たわみ計(第1のたわみ計、第2のたわみ計)
10 EMセンサ(磁歪センサ)
L たわみ応力特性
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動体の移動を支持する鉄筋応力の測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、鉄筋からなる測定対象に歪ゲージを設置して、当該歪ゲージの出力により、測定対象の応力を測定する方法が知られている。
しかし、歪ゲージの設置、撤去を行うためには、はつりなどの作業負担が大きくなるだけでなく、歪ゲージは被測定対象の歪みに応じて変位するため、当該歪ゲージを長期にわたって安定して設置することができない。
そこで、磁歪センサにより、測定対象の応力を測定する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。この磁歪センサによって、測定対象の微分透磁率を求め、この微分透磁率から応力を測定することができる。
【特許文献1】特開2003−270059号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記のような磁歪センサによる測定では、測定可能間隔が長いため、静的かつ瞬間的な測定を行うことはできるものの、移動体が移動している間において測定対象の応力を連続して直ちに測定することができないという問題がある。
【0004】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、移動体が移動するときの所定の時間にわたって、リアルタイムかつ高精度に測定対象の応力を測定することができる鉄筋応力の測定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提供する。
本発明は、移動体の移動を支持する鉄筋の応力を測定する鉄筋応力の測定方法であって、タイミング発生手段による識別可能な複数のタイミングに合わせて、第1のたわみ計により測定対象のたわみ量をあらかじめ測定するたわみ量事前測定工程と、前記タイミング発生手段による識別可能な複数のタイミングに合わせて、磁歪センサにより、前記たわみ量事前測定工程のサンプリング間隔よりも大きいサンプリング間隔で、前記測定対象の磁歪変化から前記測定対象の応力をあらかじめ測定する応力事前測定工程と、前記たわみ量事前測定工程の複数の測定結果及び前記応力事前測定工程の複数の測定結果における前記タイミングを識別し、同じタイミング同士で、前記たわみ量事前測定工程の複数の測定結果と前記応力事前測定工程の複数の測定結果とを対応付けてたわみ応力特性をあらかじめ算出する事前算出工程と、前記移動体が移動するリアルタイムに、第2のたわみ計により前記測定対象のたわみ量を測定するたわみ量即時測定工程と、前記たわみ量即時測定工程による測定結果に基づいて、前記事前算出工程によってあらかじめ算出されたたわみ応力特性から、前記応力事前測定工程のサンプリング間隔よりも小さいサンプリング間隔で、前記測定対象の応力をリアルタイムに測定する応力即時測定工程とを含むことを特徴とする。
【0006】
この発明においては、たわみ量事前測定工程により測定対象のたわみ量があらかじめ測定される。また、応力事前測定工程により、測定対象の応力があらかじめ測定される。そして、事前算出工程により、同じタイミング同士で、たわみ量事前測定工程の複数の測定結果と応力事前測定工程の複数の測定結果とが対応付けられてたわみ応力特性があらかじめ算出される。
このような状態において、たわみ量即時測定工程により、測定対象のたわみ量がリアルタイムに測定され、応力即時測定工程により、たわみ量即時測定工程による測定結果から、たわみ応力特性に基づいて、応力事前測定工程のサンプリング間隔よりも小さいサンプリング間隔で、測定対象の応力がリアルタイムに測定される。
以上より、本発明によれば、移動体が移動するときの所定の時間にわたって、リアルタイムかつ高精度に測定対象の応力を測定することができる。
【0007】
また、本発明は、前記たわみ量即時測定工程による測定結果と、前記測定対象の固有振動数又は減衰定数とに基づいて、前記移動体が移動していないときの前記測定対象のたわみ量を解析たわみ量として算出する解析たわみ量算出工程と、前記解析たわみ量算出工程による算出結果に基づいて、前記事前算出工程によってあらかじめ算出されたたわみ応力特性から、前記応力事前測定工程のサンプリング間隔よりも小さいサンプリング間隔で、前記移動体が移動していないときの前記測定対象の応力である解析応力を算出する解析応力算出工程とを含むことを特徴とする。
【0008】
この発明においては、解析たわみ量算出工程により、解析たわみ量が算出され、解析応力算出肯定により、たわみ応力特性に基づいて、応力事前測定工程のサンプリング間隔よりも小さいサンプリング間隔で、解析応力を算出する。
以上より、本発明によれば、高精度かつ容易に解析応力を算出することができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、移動体が移動するときの所定の時間にわたって、リアルタイムかつ高精度に測定対象の応力を測定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態における鉄筋応力の測定方法について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態としての鉄筋応力の測定方法における測定対象の様子を示したものである。
まず、測定対象について説明する。
地面Gから複数の橋桁1が所定の間隔をあけて設置されている。これら橋桁1の上端には、両隣の橋桁1にわたって延びる複数の桁5が設置されている。橋桁1及び桁5は、鉄筋コンクリートからなっている。桁5の上端には、これら複数の桁5にわたって延びるレール3が設置されており、このレール3の上を列車(移動体)4が移動するようになっている。
本実施形態においては、例えば桁5の応力を測定するものであり、測定対象は桁5となる。
【0011】
また、符号7は、本実施形態において利用されるたわみ計(第1のたわみ計、第2のたわみ計)を示すものである。桁5の下端からピアノ線6を下方に延ばし、このピアノ線6と地面Gに設けられたたわみ計7とが接続されている。
そして、桁5のたわみによるピアノ線6の鉛直方向の変位により、たわみ計7が所定のサンプリング間隔SP1で測定結果(たわみ量)を出力するようになっている。
なお、たわみ計7は、第1のたわみ計と第2のたわみ計とが兼用されたものである。
【0012】
次いで、図2及び図3を参照して、本実施形態において利用されるEMセンサ(磁歪センサ)10について説明する。
磁歪センサ10は、筒状の本体部16を備えている。
本体部16内には、内側に1次コイル11が巻回され、この1次コイル11の外側に2次コイル12が巻回されている。1次コイル11及び2次コイル12は、コンデンサを有する入力部14を介して、電源部15に接続されている。電源部15は、例えば24VDC/100VAC電源からなるものである。また、2次コイル12には、演算部13が接続されている。
このような構成のもと、電源部15から出力された電流が入力部14のコンデンサに充電され、コンデンサがフル充電されると、その電圧(200〜300V)が一次コイル11に供給される。一次コイル11に電圧が供給されると、鋼材の磁束密度が変化し、これにより2次コイル12に誘導電流が発生する。すると、演算部13は、2次コイル12の誘導電流の電圧を測定して、鋼材の微分透磁率を算出する。さらに、演算部13は、算出した微分透磁率から、鉄筋の応力を算定する。
【0013】
このEMセンサ10は、静的かつ瞬間的な測定を行うことはできるものの、所定の時間にわたって測定対象の応力を直ちに測定することができない。
すなわち、図3に示すように、電源部15の測定用のスイッチをオンしてから、入力部14のコンデンサに電流がフル充電されるまでに約20秒かかり、フル充電されてから1次コイル11に電圧が供給(トリガ・オン)されるため、測定可能間隔が約20秒となってしまう。すなわち、EMセンサ10によると、所定のサンプリング間隔SP2で測定可能となり、このサンプリング間隔SP2は、たわみ計7のサンプリング間隔SP1よりも大きくなっている。しかも、図4に示すように、コンデンサにフル充電されるまでの時間には、所定(1秒程度)のばらつきがあり、正確に20秒に合わせて測定することも困難である。また、コンデンサからの放電後、一瞬(10m秒程度)で微分透磁率の測定が終了するため、活荷重通過時の応力を測定することはできない。さらに、コンデンサに電流が充電された場合、安全上すぐに放電を行う必要があるため、測定タイミングの制御を行うこともできない。
このように、EMセンサ10だけでは、所定の時間にわたって測定対象の応力を直ちに測定することができない。
【0014】
次に、本実施形態における鉄筋応力の測定方法について説明する。
図5は、本実施形態における鉄筋応力の測定方法の測定フローを示すフローチャートである。
この測定方法は、あらかじめ測定する段階(ステップS1〜S5)と、リアルタイムに測定する段階(ステップS6)とを含むものである。
まず、桁5のたわみや応力をあらかじめ測定する工程について説明する。
最初に、電源部15の測定用のスイッチをオンにする(ステップS1)。すなわち、図6に示すように、桁5の短手方向の両端に一対の光電管スイッチ20を設け、これら光電管スイッチ20の間の光を、列車4が遮ることにより、光電管スイッチ20からオン信号が出力される。そして、このオン信号を制御部(不図示)が読み出すと、電源部15の測定用のスイッチをオンする。
【0015】
なお、光電管スイッチ20に代えて、図7に示すように、車軸位置検知センサ25を設け、列車4の車軸を検出してもよい。すなわち、車軸位置検知センサ25が、磁界を検知することにより、列車4の磁性体からなる車輪を検知し、これによりレール3の長手方向における車軸の位置を検知することができる。そして、車軸位置検知センサ25が、車軸位置を検知すると、オン信号を制御部に出力する。
【0016】
さらに、電源部15の測定用のスイッチがオンされると、電源部15から入力部14に電流が供給され、コンデンサに充電されていく(ステップS2)。コンデンサがフル充電されると、それがトリガとなって、EMセンサ10により、上記と同様にして桁5の応力が2〜3点分測定される(ステップS3、たわみ量事前測定工程)。このとき、GPS時計(タイミング発生手段)を利用して、測定結果(応力)と測定点の絶対時間とを対応付けて記憶部(不図示)などに記憶しておく。
そして、列車4が、例えば4台〜5台くらい通過することにより、複数点の応力が測定され、それら応力と絶対時間とが記憶部に記憶される。
【0017】
また、同じ時間に、たわみ計7により、桁5のたわみ量を測定する(ステップS4、応力事前測定工程)。すなわち、GPS時計を利用して、たわみ計7の測定結果(たわみ量)と測定点の絶対時間とを対応付けて記憶部などに記憶しておく。これにより、例えば図8又は図9に示すように、時間軸に対するたわみ量を表す波形が得られる。
さらに、EMセンサ10の測定結果に対応する絶対時間と、たわみ計7の測定結果に対応する絶対時間とを、不図示の演算部が記憶部から読み出し、それぞれの絶対時間が等しいときのそれぞれの測定結果(応力とたわみ量)を抽出する。
【0018】
すなわち、図10及び図11に示すように、演算部は、時間軸に対するたわみ量を示すたわみ波形(たわみ計7の測定結果)から、EMセンサ10と同一時刻の測定点S1−1,S1−2,S1−3,S1−4,S1−5(又はS2−1,S2−2,S2−3,S2−4,S2−5、以下「S1−1他」という。)におけるたわみ量T1−1,T1−2,T1−3,T1−4,T1−5(又はT2−1,T2−2,T2−3,T2−4,T2−5、以下「T2−1他」という。)を抽出し、それら測定点(S1−1他)とたわみ量(T2−2他)とを対応させて記憶部に記憶する。同様に、演算部は、それら測定点(S1−1他)における応力を抽出し、それら測定点(S1−1他)と応力とを対応させて記憶する。
これらの処理を、異なる列車4の4台〜5台分繰り返し、演算結果を蓄積する。
【0019】
さらに、演算部は、同一の測定点におけるたわみ量と応力とを抽出し、これらたわみ量と応力とを対応付けて記憶部に記憶する。これにより、図12に示すように、横軸をたわみ量とし、縦軸を応力とした関数であるたわみ・応力特性Lが算出される。
このようにして、たわみ量と応力との関係を示すたわみ・応力データベースがあらかじめ生成される(ステップS5、事前算出工程)。
【0020】
次いで、リアルタイムに測定する段階(ステップS6)について説明する。
列車4が桁5を移動する場合、このときの桁5の応力は、上記の通り、EMセンサ10だけでは、精度よく測定することができない。
本実施形態においては、列車4が通過する際に、たわみ計7により桁5のたわみ量をリアルタイムに測定し、これらたわみ量に基づいて、不図示の演算部が、あらかじめ生成されたたわみ・応力データベースから、各応力を抽出する。このとき、演算部は、たわみ計7のサンプリング間隔SP2ごとの応力を抽出する。これにより、図13に示すように、測定たわみ波形から、サンプリング間隔SP2ごとのリアルタイムな応力波形が得られる(ステップS6、応力即時測定工程)。
【0021】
さらに、演算部は、桁5の固有振動数又は減衰定数などを求め、構造緒元同定により、図14に示すように、測定たわみ波形(図13に示す)から、列車4が通過していないときの桁5のたわみ量である解析たわみ波形を算出する(解析たわみ量産出工程)。
そして、算出した解析たわみ波形に基づいて、たわみ・応力データベースから、各応力を抽出し、列車4が通過していないときの桁5の応力波形である解析応力波形を算出する(解析応力波形算出工程)。
【0022】
以上より、本実施形態における鉄筋応力の測定方法によれば、たわみ・応力特性Lがあらかじめ得られることから、たわみ計7により、小さなサンプリング間隔SP2でたわみ量をリアルタイムに測定することにより、同じサンプリング間隔SP2で桁5の応力をリアルタイムに測定することができる。
そのため、列車4が移動するときの所定の時間にわたって、リアルタイムかつ高精度に測定対象の応力を測定することができる。
【0023】
なお、演算部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによりリアルタイムに応力測定を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0024】
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
なお、本発明の技術範囲は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更を加えることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の実施形態としての鉄筋応力の測定方法における測定対象などの様子を示す説明図である。
【図2】本実施形態で利用されるEMセンサを示す説明図である。
【図3】本実施形態で利用されるEMセンサの測定手順を示すフローチャートである。
【図4】EMセンサの測定開始時間のばらつきを示すグラフである。
【図5】本実施形態における鉄筋応力の測定方法の全体の流れを示すフローチャートである。
【図6】桁に光電管スイッチが設けられ、車両により、光が遮られる様子を示す説明図である。
【図7】レールに車軸位置検知センサが設けられた様子を示す平面図である。
【図8】たわみ計によるたわみ波形を示す波形図である。
【図9】たわみ計による他のたわみ波形を示す波形図である。
【図10】EMセンサの同一の測定点において、たわみ波形から、たわみ量を抽出する様子を示す説明図である。
【図11】EMセンサの他の同一の測定点において、他のたわみ波形から、たわみ量を抽出する様子を示す説明図である。
【図12】たわみ量と応力との関係を示すたわみ・応力特性を示すグラフである。
【図13】測定たわみ波形と、この測定たわみ波形から得られた応力波形を示す波形図である。
【図14】測定たわみ波形から解析した解析たわみ波形と、この解析たわみ波形から得られた応力波形を示す波形図である。
【符号の説明】
【0026】
4 列車(移動体)
5 桁(測定対象)
7 たわみ計(第1のたわみ計、第2のたわみ計)
10 EMセンサ(磁歪センサ)
L たわみ応力特性
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体の移動を支持する鉄筋の応力を測定する鉄筋応力の測定方法であって、
タイミング発生手段による識別可能な複数のタイミングに合わせて、第1のたわみ計により測定対象のたわみ量をあらかじめ測定するたわみ量事前測定工程と、
前記タイミング発生手段による識別可能な複数のタイミングに合わせて、磁歪センサにより、前記たわみ量事前測定工程のサンプリング間隔よりも大きいサンプリング間隔で、前記測定対象の磁歪変化から前記測定対象の応力をあらかじめ測定する応力事前測定工程と、
前記たわみ量事前測定工程の複数の測定結果及び前記応力事前測定工程の複数の測定結果における前記タイミングを識別し、同じタイミング同士で、前記たわみ量事前測定工程の複数の測定結果と前記応力事前測定工程の複数の測定結果とを対応付けてたわみ応力特性をあらかじめ算出する事前算出工程と、
前記移動体が移動するリアルタイムに、第2のたわみ計により前記測定対象のたわみ量を測定するたわみ量即時測定工程と、
前記たわみ量即時測定工程による測定結果に基づいて、前記事前算出工程によってあらかじめ算出されたたわみ応力特性から、前記応力事前測定工程のサンプリング間隔よりも小さいサンプリング間隔で、前記測定対象の応力をリアルタイムに測定する応力即時測定工程とを含むことを特徴とする鉄筋応力の測定方法。
【請求項2】
前記たわみ量即時測定工程による測定結果と、前記測定対象の固有振動数又は減衰定数とに基づいて、前記移動体が移動していないときの前記測定対象のたわみ量を解析たわみ量として算出する解析たわみ量算出工程と、
前記解析たわみ量算出工程による算出結果に基づいて、前記事前算出工程によってあらかじめ算出されたたわみ応力特性から、前記応力事前測定工程のサンプリング間隔よりも小さいサンプリング間隔で、前記移動体が移動していないときの前記測定対象の応力である解析応力を算出する解析応力算出工程とを含むことを特徴とする請求項1に記載の鉄筋応力の測定方法。
【請求項1】
移動体の移動を支持する鉄筋の応力を測定する鉄筋応力の測定方法であって、
タイミング発生手段による識別可能な複数のタイミングに合わせて、第1のたわみ計により測定対象のたわみ量をあらかじめ測定するたわみ量事前測定工程と、
前記タイミング発生手段による識別可能な複数のタイミングに合わせて、磁歪センサにより、前記たわみ量事前測定工程のサンプリング間隔よりも大きいサンプリング間隔で、前記測定対象の磁歪変化から前記測定対象の応力をあらかじめ測定する応力事前測定工程と、
前記たわみ量事前測定工程の複数の測定結果及び前記応力事前測定工程の複数の測定結果における前記タイミングを識別し、同じタイミング同士で、前記たわみ量事前測定工程の複数の測定結果と前記応力事前測定工程の複数の測定結果とを対応付けてたわみ応力特性をあらかじめ算出する事前算出工程と、
前記移動体が移動するリアルタイムに、第2のたわみ計により前記測定対象のたわみ量を測定するたわみ量即時測定工程と、
前記たわみ量即時測定工程による測定結果に基づいて、前記事前算出工程によってあらかじめ算出されたたわみ応力特性から、前記応力事前測定工程のサンプリング間隔よりも小さいサンプリング間隔で、前記測定対象の応力をリアルタイムに測定する応力即時測定工程とを含むことを特徴とする鉄筋応力の測定方法。
【請求項2】
前記たわみ量即時測定工程による測定結果と、前記測定対象の固有振動数又は減衰定数とに基づいて、前記移動体が移動していないときの前記測定対象のたわみ量を解析たわみ量として算出する解析たわみ量算出工程と、
前記解析たわみ量算出工程による算出結果に基づいて、前記事前算出工程によってあらかじめ算出されたたわみ応力特性から、前記応力事前測定工程のサンプリング間隔よりも小さいサンプリング間隔で、前記移動体が移動していないときの前記測定対象の応力である解析応力を算出する解析応力算出工程とを含むことを特徴とする請求項1に記載の鉄筋応力の測定方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2009−243961(P2009−243961A)
【公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−88408(P2008−88408)
【出願日】平成20年3月28日(2008.3.28)
【出願人】(000173784)財団法人鉄道総合技術研究所 (1,666)
【公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年3月28日(2008.3.28)
【出願人】(000173784)財団法人鉄道総合技術研究所 (1,666)
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