鉄筋曲げ装置
【課題】先行して屈曲させる箇所における鉄筋曲げ方向と、後続して屈曲させる箇所における鉄筋曲げ方向とが互いに逆方向の場合でも、作業能率の向上を図り易くする。
【解決手段】クランプ機Bにクランプされている鉄筋aを鉄筋曲げ機Aに対して相対的に駆動昇降可能な昇降機構を設けてあるとともに、支点ローラ4と力点ローラ5とを、鉄筋を屈曲可能な突出位置と、鉄筋が支点ローラと力点ローラとの間から抜け出ている引退位置とに亘って駆動移動可能な出退機構を設けてあり、第1制御部は、クランプ機にクランプされている鉄筋の複数箇所を屈曲させる工程において、鉄筋を下向きに屈曲させる下向き曲げモードで鉄筋曲げ機を作動させる状態と、鉄筋を上向きに屈曲させる上向き曲げモードで鉄筋曲げ機を作動させる状態とに切り換え可能に、昇降機構と出退機構の作動を制御可能に設けてある。
【解決手段】クランプ機Bにクランプされている鉄筋aを鉄筋曲げ機Aに対して相対的に駆動昇降可能な昇降機構を設けてあるとともに、支点ローラ4と力点ローラ5とを、鉄筋を屈曲可能な突出位置と、鉄筋が支点ローラと力点ローラとの間から抜け出ている引退位置とに亘って駆動移動可能な出退機構を設けてあり、第1制御部は、クランプ機にクランプされている鉄筋の複数箇所を屈曲させる工程において、鉄筋を下向きに屈曲させる下向き曲げモードで鉄筋曲げ機を作動させる状態と、鉄筋を上向きに屈曲させる上向き曲げモードで鉄筋曲げ機を作動させる状態とに切り換え可能に、昇降機構と出退機構の作動を制御可能に設けてある。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄筋を略水平にクランプするためのクランプ機と、前記クランプ機にクランプされている鉄筋を曲げ加工するための鉄筋曲げ機と、前記鉄筋曲げ機の作動を制御するための第1制御部とを設けてあるとともに、前記クランプ機と前記鉄筋曲げ機とを、前記クランプ機にクランプされている鉄筋の長手方向に沿って相対移動可能に基台に設けてあり、前記鉄筋曲げ機は、支点ローラと、その支点ローラの軸芯と略同芯の回動軸芯周りで前記支点ローラの外周側を駆動回動自在な力点ローラとを、前記回動軸芯を略水平方向に沿わせて設けてあるとともに、前記鉄筋を屈曲させるに伴って発生する曲げ反力を受け止め可能な反力受け部材を設けてあり、前記クランプ機にクランプされている鉄筋を前記支点ローラと前記力点ローラとの間に入り込ませて、前記力点ローラを駆動回動させることにより、曲げ反力を前記反力受け部材で受け止めながら、その鉄筋を前記支点ローラの外周に沿って屈曲可能に構成してある鉄筋曲げ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上記鉄筋曲げ装置は、クランプ機と鉄筋曲げ機とを、クランプ機にクランプされている鉄筋の長手方向に沿って相対移動可能に基台に設けて、クランプ機にクランプされている鉄筋の所望箇所を屈曲可能に構成してある。
そして、鉄筋曲げ機は、支点ローラと、その支点ローラの軸芯と略同芯の回動軸芯周りで支点ローラの外周側を駆動回動自在な力点ローラとを設けてあって、鉄筋を支点ローラと力点ローラとの間に入り込ませて、力点ローラを駆動回動させることにより、曲げ反力を反力受け部材で受け止めながら、その鉄筋を支点ローラの外周に沿って屈曲可能に構成してあるので、力点ローラを支点ローラの軸芯に対して偏芯している回動軸芯周りで支点ローラの外周側を駆動回動自在に設けて、その力点ローラで鉄筋を屈曲させる鉄筋曲げ機、つまり、力点ローラの駆動回動に伴って、力点ローラと支点ローラとの間隔が変化する鉄筋曲げ機に比べて、鉄筋を略一定の曲率で屈曲させ易い利点がある。
このような利点を有する上記鉄筋曲げ装置では、従来、鉄筋を支点ローラの下側でその支点ローラと力点ローラとの間に入り込ませて、その鉄筋を上向きに屈曲可能に構成してある鉄筋曲げ機を装備してある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2002−143931号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このため、クランプ機にクランプされている鉄筋の複数箇所を屈曲させる工程において、先行して屈曲させる箇所における鉄筋曲げ方向と、後続して屈曲させる箇所における鉄筋曲げ方向とが互いに逆方向の場合、先行する箇所を上向きに屈曲させた後、その鉄筋のクランプ機によるクランプを解除して、鉄筋を軸芯周りで反転させてから、再度、クランプ機にクランプさせて、後続する箇所を上向きに屈曲させる必要があり、作業能率の向上を図り難い欠点がある。
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであって、クランプ機にクランプされている鉄筋の複数箇所を屈曲させる工程において、先行して屈曲させる箇所における鉄筋曲げ方向と、後続して屈曲させる箇所における鉄筋曲げ方向とが互いに逆方向の場合でも、作業能率の向上を図り易くすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1特徴構成は、鉄筋を略水平にクランプするためのクランプ機と、前記クランプ機にクランプされている鉄筋を曲げ加工するための鉄筋曲げ機と、前記鉄筋曲げ機の作動を制御するための第1制御部とを設けてあるとともに、前記クランプ機と前記鉄筋曲げ機とを、前記クランプ機にクランプされている鉄筋の長手方向に沿って相対移動可能に基台に設けてあり、前記鉄筋曲げ機は、支点ローラと、その支点ローラの軸芯と略同芯の回動軸芯周りで前記支点ローラの外周側を駆動回動自在な力点ローラとを、前記回動軸芯を略水平方向に沿わせて設けてあるとともに、前記鉄筋を屈曲させるに伴って発生する曲げ反力を受け止め可能な反力受け部材を設けてあり、前記クランプ機にクランプされている鉄筋を前記支点ローラと前記力点ローラとの間に入り込ませて、前記力点ローラを駆動回動させることにより、曲げ反力を前記反力受け部材で受け止めながら、その鉄筋を前記支点ローラの外周に沿って屈曲可能に構成してある鉄筋曲げ装置であって、
前記クランプ機にクランプされている鉄筋を前記鉄筋曲げ機に対して上下方向の昇降経路に沿って相対的に駆動昇降可能な昇降機構を設けてあるとともに、前記支点ローラと前記力点ローラとを、前記鉄筋を前記支点ローラと前記力点ローラとの間に入り込ませて、その鉄筋を屈曲可能な突出位置と、前記鉄筋が前記支点ローラと前記力点ローラとの間から抜け出ている引退位置とに亘って駆動移動可能な出退機構を設けてあり、
前記第1制御部は、前記クランプ機にクランプされている鉄筋の複数箇所を屈曲させる工程において、前記鉄筋を前記支点ローラの上側でその支点ローラと前記力点ローラとの間に入り込ませて、その鉄筋を下向きに屈曲させる下向き曲げモードで前記鉄筋曲げ機を作動させる状態と、前記鉄筋を前記支点ローラの下側でその支点ローラと前記力点ローラとの間に入り込ませて、その鉄筋を上向きに屈曲させる上向き曲げモードで前記鉄筋曲げ機を作動させる状態とに切り換え可能に、前記昇降機構と前記出退機構の作動を制御可能に設けてある点にある。
【0006】
〔作用及び効果〕
クランプ機にクランプされている鉄筋を鉄筋曲げ機に対して上下方向の昇降経路に沿って相対的に駆動昇降可能な昇降機構と、支点ローラと力点ローラとを、鉄筋を支点ローラと力点ローラとの間に入り込ませて、その鉄筋を屈曲可能な突出位置と、鉄筋が支点ローラと力点ローラとの間から抜け出ている引退位置とに亘って駆動移動可能な出退機構とを設けてあるので、支点ローラと力点ローラとを引退位置に駆動移動させた状態で、クランプ機にクランプされている鉄筋を鉄筋曲げ機に対して上下方向の昇降経路に沿って相対的に駆動昇降させることによって、その鉄筋を支点ローラの上側又は下側に相対移動させた後、支点ローラと力点ローラとを突出位置に駆動移動させて、その鉄筋を下向き又は上向きに屈曲させることができる。
そして、第1制御部は、クランプ機にクランプされている鉄筋の複数箇所を屈曲させる工程において、鉄筋を下向きに屈曲させる下向き曲げモードで鉄筋曲げ機を作動させる状態と、鉄筋を上向きに屈曲させる上向き曲げモードで鉄筋曲げ機を作動させる状態とに切り換え可能に、昇降機構と出退機構の作動を制御可能に設けてあるので、先行して屈曲させる箇所における鉄筋曲げ方向と、後続して屈曲させる箇所における鉄筋曲げ方向とが互いに逆方向の場合でも、先行する箇所を上向きに屈曲させた後、その鉄筋のクランプ機によるクランプを解除して、鉄筋を軸芯周りで反転させてから、再度、クランプ機にクランプさせて、後続する箇所を上向きに屈曲させる必要がなく、作業能率の向上を図り易い。
【0007】
本発明の第2特徴構成は、前記第1制御部は、前記鉄筋曲げ機を前記下向き曲げモードで作動させるときに、前記支点ローラと前記力点ローラとを前記引退位置に移動させた状態で、前記鉄筋が前記鉄筋曲げ機に対して相対的に上昇するように前記昇降機構の作動を制御可能に設けてあるとともに、
前記鉄筋を押し上げ可能な押し上げ部材と、前記押し上げ部材を、前記支点ローラと前記力点ローラとの間に入り込ませる鉄筋部分を前記支点ローラの上面近くに保持可能な押し上げ位置と、前記昇降経路から引退している引退位置とに亘って駆動移動可能な押し上げ機構と、前記鉄筋が前記鉄筋曲げ機に対して相対的に上昇するように前記昇降機構を作動させるときに、前記押し上げ部材が前記押し上げ位置に移動するように前記押し上げ機構の作動を制御する第2制御部とを設けてある点にある。
【0008】
〔作用及び効果〕
第1制御部は、鉄筋曲げ機を前記下向き曲げモードで作動させるときに、前記支点ローラと前記力点ローラとを前記引退位置に移動させた状態で、前記鉄筋が前記鉄筋曲げ機に対して相対的に上昇するように前記昇降機構の作動を制御可能に設けてあるので、クランプ機にクランプされている鉄筋が自重で下向きに撓み易く、支点ローラと力点ローラとの間に入り込ませる鉄筋部分が支点ローラの引退位置から突出位置への移動経路を遮って、下向き曲げモードで作動させることができないおそれがある。
そこで、支点ローラと力点ローラとの間に入り込ませる鉄筋部分が、支点ローラの引退位置から突出位置への移動経路を遮ることがないように、鉄筋を押し上げ可能な押し上げ部材と、その押し上げ部材を、支点ローラと力点ローラとの間に入り込ませる鉄筋部分を支点ローラの上面近くに保持可能な押し上げ位置と、昇降経路から引退している引退位置とに亘って駆動移動可能な押し上げ機構とを設けて、鉄筋曲げ機を下向き曲げモードで作動させるときは、押し上げ部材を押し上げ位置に駆動移動させて鉄筋を押し上げることにより、支点ローラと力点ローラとの間に入り込ませる鉄筋部分を支点ローラの上面近くに保持できるようにしてある。
そして、鉄筋が鉄筋曲げ機に対して相対的に上昇するように昇降機構を作動させるときに、押し上げ部材が押し上げ位置に移動するように押し上げ機構の作動を制御する第2制御部を設けてあるので、押し上げ部材を押し上げ位置にタイミング良く移動させることができる。
【0009】
本発明の第3特徴構成は、前記下向き曲げモードでの作動時に発生する曲げ反力を受け止め可能な下曲げ用反力受け部材を、前記鉄筋の上方で前記曲げ反力を受け止め可能な作用位置と、前記鉄筋の横側方に引退している非作用位置とに亘って移動可能に設けてあるとともに、
前記下曲げ用反力受け部材を前記作用位置と前記非作用位置とに亘って駆動移動可能な反力受け部材移動機構と、前記下向き曲げモードで作動させる状態において前記下曲げ用反力受け部材が前記作用位置に移動し、前記上向き曲げモードで作動させる状態において前記下曲げ用反力受け部材が前記非作用位置に移動するように前記反力受け部材移動機構の作動を制御する第3制御部とを設けてある点にある。
【0010】
〔作用及び効果〕
下向き曲げモードでの作動時に発生する曲げ反力を受け止め可能な下曲げ用反力受け部材を、鉄筋の上方で曲げ反力を受け止め可能な作用位置と、鉄筋の横側方に引退している非作用位置とに亘って移動可能に設けてあるとともに、その下曲げ用反力受け部材を作用位置と非作用位置とに亘って駆動移動可能な反力受け部材移動機構を設けてあるので、下向き曲げモードで作動させる状態において下曲げ用反力受け部材を作用位置に駆動移動させて曲げ反力を受け止めることができ、上向き曲げモードで作動させる状態において下曲げ用反力受け部材を非作用位置に駆動移動させて、上向きに屈曲させた鉄筋部分と下曲げ用反力受け部材との干渉を避けることができる。
そして、下向き曲げモードで作動させる状態において下曲げ用反力受け部材が作用位置に移動し、上向き曲げモードで作動させる状態において下曲げ用反力受け部材が非作用位置に移動するように反力受け部材移動機構の作動を制御する第3制御部を設けてあるので、下曲げ用反力受け部材を作用位置と非作用位置とに亘ってタイミング良く移動させることができる。
【0011】
本発明の第4特徴構成は、前記昇降機構は、前記クランプ機を前記基台に対して上下に駆動移動自在に設けて、そのクランプ機にクランプされている鉄筋を駆動昇降可能に構成してある点にある。
【0012】
〔作用及び効果〕
昇降機構は、クランプ機を基台に対して上下に駆動移動自在に設けて、そのクランプ機にクランプされている鉄筋を駆動昇降可能に構成してあるので、クランプ機を挟む両側に鉄筋曲げ機を設けて、鉄筋の中間部をクランプ機でクランプした状態で、その鉄筋の両端の夫々を各別の鉄筋曲げ機で曲げ加工する場合に、鉄筋を一つの昇降機構で各鉄筋曲げ機に対して駆動昇降させることができる。
従って、各鉄筋曲げ機を昇降させるのに比べて、少ない動力で、しかも、簡単な構造で鉄筋を各鉄筋曲げ機に対して相対的に上下移動させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、鉄筋コンクリート用異径棒鋼などの鉄筋を所定の形状に曲げ加工するために使用する本発明による鉄筋曲げ装置を示し、鉄筋aを略水平方向に沿わせてクランプするためのクランプ機Bと、クランプ機Bにクランプされている鉄筋aの両側を各別に曲げ加工するための二基の鉄筋曲げ機Aとを横長の基台1に装備してあり、鉄筋曲げ装置の運転を制御する制御装置Cを設けてある。
【0014】
前記クランプ機Bは基台1の略中央位置に設けてあり、基台1のクランプ機Bを挟む両側にガイドレール2を固定するとともに、各ガイドレール2に沿って駆動走行自在な台車3を設け、鉄筋曲げ機Aの夫々を各台車3に搭載して、クランプ機Bに対して、そのクランプ機Bにクランプされている鉄筋aの長手方向に沿って駆動移動可能に設けてある。
【0015】
前記鉄筋曲げ機Aの夫々は、左右勝手違いはあるものの同じ構成であり、図2〜図6に示すように、支点ローラ4と、その支点ローラ4の軸芯Xと同芯の回動軸芯周りで支点ローラ4の外周側を駆動回動自在な力点ローラ5とを、回動軸芯Xを略水平方向に、かつ、鉄筋aに直交する方向に沿わせて設けてある。
【0016】
また、図3,図4,図6に示すように、鉄筋曲げ機Aの夫々をガイド部材7に沿って回動軸芯Xに沿う方向に移動自在に台車3に支持するとともに、鉄筋曲げ機Aの全体をガイド部材7に沿って駆動移動させる第1空気圧シリンダ8aを台車3に取り付けて、第1空気圧シリンダ8aの伸縮作動により、図3(イ),(ロ)に示すように、支点ローラ4と力点ローラ5とを、鉄筋aを支点ローラ4と力点ローラ5との間に入り込ませて、その鉄筋aを屈曲可能な突出位置と、図4(イ),(ロ)に示すように、鉄筋aが支点ローラ4と力点ローラ5との間から抜け出ている引退位置とに亘って駆動移動可能な出退機構9を設けてある。
【0017】
そして、図5に示すように、クランプ機Bにクランプされている一本或いは複数本の鉄筋aを支点ローラ4と力点ローラ5との間に入り込ませて、力点ローラ5を図示しない電動モータで駆動回動させることにより、鉄筋aを屈曲させるに伴って発生する曲げ反力を反力受け部材10a,10bで受け止めながら、その鉄筋aを支点ローラ4の外周に沿って屈曲可能に設けてある。
【0018】
前記反力受け部材10a,10bとしては、図5(イ)に示すように、鉄筋aを支点ローラ4の上側で、その支点ローラ4と下曲げ用待機位置の力点ローラ5との間に入り込ませて、その鉄筋aを下向きに屈曲させる際の曲げ反力を受け止め可能な下曲げ用反力受け部材10aと、図5(ロ)に示すように、鉄筋aを支点ローラ4の下側で、その支点ローラ4と上曲げ用待機位置の力点ローラ5との間に入り込ませて、その鉄筋aを上向きに屈曲させる際の曲げ反力を受け止め可能な上曲げ用反力受け部材10bとを各別に設けてある。
【0019】
前記上曲げ用反力受け部材10bは台車3に固定してあり、下曲げ用反力受け部材10aは、図3(イ)に示すように、下曲げ用の鉄筋aの上方で曲げ反力を受け止め可能な作用位置と、図3(ロ)に示すように、鉄筋aの横側方に引退させる非作用位置とに亘って縦軸芯Y1周りで揺動移動可能に設けてあるとともに、この下曲げ用反力受け部材10aを駆動揺動させる第2空気圧シリンダ8bを台車3に取り付けて、第2空気圧シリンダ8bの伸縮作動で、下曲げ用反力受け部材10aを作用位置と非作用位置とに亘って駆動移動可能な反力受け部材移動機構11を設けてある。
【0020】
また、図6に示すように、クランプ機Bにクランプされている鉄筋aを押し上げ可能なアーム状の押し上げ部材12を、鉄筋長手方向に沿う横軸芯X1周りで揺動自在に台車3に支持するとともに、この押し上げ部材12を上下に駆動揺動自在な第3空気圧シリンダ8cを設けて、第3空気圧シリンダ8cの伸縮作動で、図6(イ)に示すように、支点ローラ4と力点ローラ5との間に入り込ませる鉄筋部分を支点ローラ4の上面近くに保持可能な押し上げ位置と、図6(ロ)に示すように、鉄筋aの昇降経路から下側に退避している退避位置とに亘って押し上げ部材12を駆動移動可能な押し上げ機構13を設けてある。
【0021】
尚、図2,図4に示すように、各鉄筋曲げ機Aを搭載してある台車3のうちの、一方の台車3aには、クランプ機Bに供給される鉄筋aの端部を接当させて、クランプ機Bによる鉄筋aのクランプ位置を位置決めするための位置決め機構14を設けてある。
【0022】
前記位置決め機構14は、台車3に固定してあるガイド棒15に沿ってスライド移動自在、かつ、ガイド棒15に対して位置固定自在なベース板16に、鉄筋aの端部を接当させる接当板17をアーム18を介して上下方向軸芯Y2周りで揺動自在に支持すると共に、この接当板17を駆動揺動させる第4空気圧シリンダ8dを設けて、第4空気圧シリンダ8dの伸縮作動で、図4(ロ)に示すように、鉄筋aの端部を接当可能な位置決め位置と、図4(イ)に示すように、鉄筋aの昇降経路から横方向に退避している退避位置とに亘って、接当板17を駆動移動可能に設けてある。
【0023】
前記クランプ機Bは、図7に示すように、基台1に立設してあるガイド棒19に沿って上下移動自在な基盤20に、鉄筋aを上下方向から挟持可能な固定挟持部材21と可動挟持部材22とを設けて構成してある。
【0024】
前記固定挟持部材21は基盤20に固定してあり、可動挟持部材22は、第5空気圧シリンダ8eの伸縮作動で基盤20に対してガイド棒19に沿って上下移動自在に、かつ、第6空気圧シリンダ8fの伸縮作動で鉄筋aに直交する方向に出退自在に設けてある。
【0025】
そして、第5空気圧シリンダ8e,第6空気圧シリンダ8fの伸縮作動で、鉄筋aをクランプしないときは、可動挟持部材22を、図7に示すように、固定挟持部材21から離間するように上昇していると共に、固定挟持部材21の上方から引退している待機位置に移動させ、鉄筋aをクランプするときは、可動挟持部材22を、図8(イ)に示すように、固定挟持部材21の上方に突出させた後、図8(ロ),(ハ)に示すように、固定挟持部材21側に近接するように下降している挟持位置に移動させて鉄筋aをクランプできるように構成してある。
【0026】
また、鉄筋aをクランプ機Bに供給する際に、その鉄筋aが固定挟持部材21の挟持面23に載置されるように案内するガイド部材24を基盤20に取り付けてあり、このガイド部材24は、図7に示すように、そのガイド面25が挟持面23に近接する案内位置と、図8に示すように、挟持面23から離間する非案内位置とに亘って、横軸芯Y2周りで揺動自在に支持してあるとともに、案内位置に移動するように弾性的に付勢する付勢部材(コイルスプリング)26を設けてある。
【0027】
前記ガイド部材24には、そのガイド部材24の揺動に連係して、基盤20側のガイド孔29に沿って略水平方向に出退する出退部材30をピン連結してあり、出退部材30を接当させる接当部材31を、第5空気圧シリンダ8eの伸縮作動でガイド棒19に沿って上下移動自在なガイド筒32に固定してある。
【0028】
そして、図7に示すように、可動挟持部材22を待機位置に移動させてある状態で鉄筋aをクランプ機Bに供給する際には、コイルスプリング26の付勢力で出退部材30の先端面を接当部材31に接当させた状態で、ガイド部材24を案内位置に移動させておいて、鉄筋aをガイド面25に沿って挟持面23に移載する。
【0029】
前記挟持面23に載置した鉄筋aをクランプする際には、図8(イ)に示すように、待機位置に移動している可動挟持部材22を固定挟持部材21の上方に突出移動させるに伴って、その可動挟持部材22でガイド部材24を付勢力に抗して揺動させるとともに、出退部材30の先端面を接当部材31から離間させ、図8(ロ)に示すように、その可動挟持部材22を第5空気圧シリンダ8eの収縮作動で固定挟持部材21側に近接するように下降させるに伴って、そのガイド部材24を付勢力に抗して更に揺動させて、非案内位置に強制移動させた後、図8(ロ)における仮想線や図8(ハ)に示すように、第6空気圧シリンダ8fの伸張作動で可動挟持部材22が引退操作されることで、可動挟持部材22と固定挟持部材21とによって鉄筋aが安定的にクランプされる。
【0030】
可動挟持部材22は、圧縮性流体である空気を作動流体とする第5空気圧シリンダ8eの収縮作動で鉄筋aをクランプするので、鉄筋曲げ機Aで鉄筋aを下向きに屈曲させる際の反力が可動挟持部材22に作用すると、第5空気圧シリンダ8eが強制的に伸張されて、鉄筋aのクランプが解除されてしまうおそれがあるが、図8(ロ)に示すように、可動挟持部材22で鉄筋aをクランプするに伴って、接当部材31が基盤20側に下降し、図8(ロ)における仮想線や図8(ハ)に示すように、第6空気圧シリンダ8fの伸張作動で可動挟持部材22を引退させるに伴って、出退部材30がガイド筒32側に突出して接当部材31の上部に係合するので、鉄筋aを下向きに屈曲させる際の反力が可動挟持部材22に作用しても、第5空気圧シリンダ8eの強制的な伸張を阻止することができ、鉄筋aを安定的にクランプできる。
【0031】
また、基盤20を基台1に対して上下に駆動移動させる第7空気圧シリンダ8gを設けて、第7空気圧シリンダ8gの伸縮作動でクランプ機Bを基台1に対して上下に駆動移動させることにより、クランプ機Bにクランプしている鉄筋aを左右の鉄筋曲げ機Aに対して上下方向の昇降経路に沿って、図8(ロ)に示すように、上曲げ用の下降位置と、図8(ハ)に示すように、下曲げ用の上昇位置とに駆動昇降移動可能な昇降機構27を設けてある。
【0032】
前記制御装置Cは、鉄筋aの長さや曲げ位置,曲げ角度などの予め入力してある加工データに基づいて、それらの鉄筋aが曲げ加工されるように、各鉄筋曲げ機Aやクランプ機B,反力受け部材移動機構11,押し上げ機構13,位置決め機構14,昇降機構27などの作動を制御するもので、出退機構9を含む各鉄筋曲げ機Aと昇降機構27を含むクランプ機Bの作動を制御するための第1制御部C1と、押し上げ機構13の作動を制御するための第2制御部C2と、反力受け部材移動機構11の作動を制御するための第3制御部C3とを設けてある。
【0033】
以下、図9に示すように、鉄筋aを、中央部がコの字状に屈曲しており、かつ、その両端部が更に逆向きに屈曲している左右対称形状に曲げ加工する場合を例示して、制御装置Cによる制御動作を、図10〜図12を参照しながら説明する。
尚、図10〜図12において、黒塗りの支点ローラ4及び力点ローラ5は引退位置に移動していることを示し、白抜きの支点ローラ4及び力点ローラ5は突出位置に移動していることを示している。
【0034】
鉄筋曲げ装置の運転開始前は、図10(イ)に示すように、各鉄筋曲げ機Aがクランプ機Bに近接して隣り合う状態で、各鉄筋曲げ機Aと反力受け部材移動機構11と押し上げ機構13とクランプ機Bと位置決め機構14、及び、昇降機構27が、初期状態で待機している。
【0035】
つまり、初期状態では、各鉄筋曲げ機Aは、図4(イ)に示すように、支点ローラ4と力点ローラ5とが引退位置に移動しており、かつ、反力受け部材移動機構11の下曲げ用反力受け部材10aが非作用位置に移動しており、押し上げ機構13は、図6(ロ)に示すように、押し上げ部材12が退避位置に移動している。
【0036】
また、クランプ機Bは、図7に示すように、可動挟持部材22が待機位置に移動している初期状態で待機しており、昇降機構27は、図7に示すように、基盤20が上曲げ用の下降位置に移動している初期状態で待機しており、位置決め機構14は、図4(イ)に示すように、接当板17が退避位置に移動している初期状態で待機している。
【0037】
そして、フットスイッチ28により制御装置Cに運転開始指令を入力すると、クランプ機Bに供給された鉄筋aの端部が接当板17との接当により所定位置に位置決めされるように、位置決め機構14を設けてある一方の台車3(3a)を駆動走行させて、図10(ロ)に示すように、加工データに基づいて決定された位置に停止させるとともに、接当板17を位置決め位置に移動させる。
【0038】
次に、図7,図10(ハ)に示すように、鉄筋aをその端部が接当板17に接当するように固定挟持部材21の挟持面23と各鉄筋曲げ機Aの上曲げ用反力受け部材10bと亘って載置し、再度、フットスイッチ28により運転開始指令を入力することにより、図11(ニ)に示すように、接当板17を退避位置に移動させるとともに、可動挟持部材22を挟持位置に移動させて鉄筋aをクランプさせた後、各台車3を走行させて、各鉄筋曲げ機Aを鉄筋aの所定の曲げ箇所を下向きに屈強させることができる下曲げ用の位置に移動させる。
【0039】
次に、昇降機構27と出退機構9の作動を制御して、鉄筋aを支点ローラ4の上側でその支点ローラ4と下曲げ用待機位置の力点ローラ5との間に入り込ませて、その鉄筋aを下向きに屈曲させる下向き曲げモードで各鉄筋曲げ機Aを作動させる。
【0040】
具体的には、図11(ホ)に示すように、力点ローラ5を下曲げ用待機位置に移動させた後、クランプ機Bを鉄筋aと共に上昇位置に移動させ、押し上げ部材12を押し上げ位置に移動させて、図11(ヘ)に示すように、支点ローラ4と力点ローラ5とを突出位置に移動させて、鉄筋aを支点ローラ4の上側でその支点ローラ4と力点ローラ5との間に入り込ませる。
【0041】
次に、下曲げ用反力受け部材10aを作用位置に移動させて、力点ローラ5を下向きに駆動回動させ、図11(ト)に示すように、その鉄筋aの左右両側を下向きに屈曲させた後、図11(チ)に示すように、押し上げ部材12を退避位置に移動させ、下曲げ用反力受け部材10aを非作用位置に移動させるとともに、支点ローラ4と力点ローラ5とを引退位置に移動させる。
【0042】
次に、鉄筋aを支点ローラ4の下側でその支点ローラ4と力点ローラ5との間に入り込ませて、その鉄筋aを上向きに屈曲させる上向き曲げモードで各鉄筋曲げ機Aを作動させる。
【0043】
具体的には、図12(リ)に示すように、クランプ機Bを下降位置に移動させて、鉄筋aを各鉄筋曲げ機Aの上曲げ用反力受け部材10bに載置し、図12(ヌ)に示すように、各鉄筋曲げ機Aを上曲げ用の位置に移動させた後、力点ローラ5を上曲げ用待機位置に移動させ、図12(ル)に示すように、支点ローラ4と力点ローラ5とを突出位置に移動させて、鉄筋aを支点ローラ4の下側でその支点ローラ4と力点ローラ5との間に入り込ませた後、力点ローラ5を上向きに駆動回動させて、図12(ヲ)に示すように、その鉄筋aを上向きに屈曲させる。
【0044】
尚、各鉄筋曲げ機Aを、図12(リ)に示す位置からクランプ機B側に向けて移動させる際に、鉄筋aの径が小さい(鉄筋aの曲げ剛性が小さい)場合や移動距離が長い場合は、その鉄筋aのうちの、上曲げ用反力受け部材10bよりも端部側の鉄筋部分33が自重で大きく撓んで、図12(ヌ)に示すように、各鉄筋曲げ機Aを所定の上曲げ用又は下曲げ用の位置まで移動させてから、図12(ル)に示すように支点ローラ4と力点ローラ5とを突出位置に移動させても、鉄筋aが支点ローラ4と力点ローラ5との間に入り込まないおそれがある。
【0045】
このため、図12(リ)に示す各鉄筋曲げ機Aがクランプ機B側に向けて移動を開始する位置から、鉄筋aの径や移動予定距離(例えば、直径が10mmや13mmの鉄筋aで、移動距離が1m以上の場合)に応じて予め設定してある少しの設定距離(例えば、180mm)だけ各鉄筋曲げ機Aがクランプ機B側に移動すると、その位置で支点ローラ4と力点ローラ5とを突出位置に移動させて、鉄筋aを支点ローラ4と力点ローラ5との間に入り込ませた状態で、図12(ヌ)に示すように、各鉄筋曲げ機Aを予定の上曲げ用又は下曲げ用の位置まで移動させるように構成してある。
【0046】
この後、支点ローラ4と力点ローラ5とを引退位置に移動させるとともに、可動挟持部材22を非挟持位置に移動させて、加工済みの鉄筋aを取り出し、次の鉄筋aを加工できるように、図10(ロ)に示したように、各鉄筋曲げ機Aを加工データに基づいて決定された位置に停止させるとともに、接当板17を位置決め位置に移動させて、上述と同様に作動させる。
【0047】
〔その他の実施形態〕
1.本発明による鉄筋曲げ装置は、単一の鉄筋曲げ機のみを備えていても良い。
2.本発明による鉄筋曲げ装置は、鉄筋曲げ機を昇降させることにより、クランプ機にクランプされている鉄筋を鉄筋曲げ機に対して上下方向の昇降経路に沿って相対的に駆動昇降可能な昇降機構を設けてあっても良い。
3.本発明による鉄筋曲げ装置は、支点ローラと力点ローラとを、鉄筋曲げ機本体に対して、突出位置と引退位置とに亘って駆動移動可能な出退機構を設けてあっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】鉄筋曲げ装置の概略正面図
【図2】鉄筋曲げ機の正面図
【図3】鉄筋曲げ機の平面図
【図4】鉄筋曲げ機の平面図
【図5】鉄筋曲げ機の説明図
【図6】鉄筋曲げ機の側面図
【図7】クランプ機の側面図
【図8】クランプ機の平面図
【図9】鉄筋の平面図
【図10】鉄筋曲げ加工の説明図
【図11】鉄筋曲げ加工の説明図
【図12】鉄筋曲げ加工の説明図
【符号の説明】
【0049】
1 基台
4 支点ローラ
5 力点ローラ
9 出退機構
10a 反力受け部材(下曲げ用反力受け部材)
10b 反力受け部材
11 反力受け部材移動機構
12 押し上げ部材
13 押し上げ機構
27 昇降機構
A 鉄筋曲げ機
a 鉄筋
B クランプ機
C1 第1制御部
C2 第2制御部
C3 第3制御部
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄筋を略水平にクランプするためのクランプ機と、前記クランプ機にクランプされている鉄筋を曲げ加工するための鉄筋曲げ機と、前記鉄筋曲げ機の作動を制御するための第1制御部とを設けてあるとともに、前記クランプ機と前記鉄筋曲げ機とを、前記クランプ機にクランプされている鉄筋の長手方向に沿って相対移動可能に基台に設けてあり、前記鉄筋曲げ機は、支点ローラと、その支点ローラの軸芯と略同芯の回動軸芯周りで前記支点ローラの外周側を駆動回動自在な力点ローラとを、前記回動軸芯を略水平方向に沿わせて設けてあるとともに、前記鉄筋を屈曲させるに伴って発生する曲げ反力を受け止め可能な反力受け部材を設けてあり、前記クランプ機にクランプされている鉄筋を前記支点ローラと前記力点ローラとの間に入り込ませて、前記力点ローラを駆動回動させることにより、曲げ反力を前記反力受け部材で受け止めながら、その鉄筋を前記支点ローラの外周に沿って屈曲可能に構成してある鉄筋曲げ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上記鉄筋曲げ装置は、クランプ機と鉄筋曲げ機とを、クランプ機にクランプされている鉄筋の長手方向に沿って相対移動可能に基台に設けて、クランプ機にクランプされている鉄筋の所望箇所を屈曲可能に構成してある。
そして、鉄筋曲げ機は、支点ローラと、その支点ローラの軸芯と略同芯の回動軸芯周りで支点ローラの外周側を駆動回動自在な力点ローラとを設けてあって、鉄筋を支点ローラと力点ローラとの間に入り込ませて、力点ローラを駆動回動させることにより、曲げ反力を反力受け部材で受け止めながら、その鉄筋を支点ローラの外周に沿って屈曲可能に構成してあるので、力点ローラを支点ローラの軸芯に対して偏芯している回動軸芯周りで支点ローラの外周側を駆動回動自在に設けて、その力点ローラで鉄筋を屈曲させる鉄筋曲げ機、つまり、力点ローラの駆動回動に伴って、力点ローラと支点ローラとの間隔が変化する鉄筋曲げ機に比べて、鉄筋を略一定の曲率で屈曲させ易い利点がある。
このような利点を有する上記鉄筋曲げ装置では、従来、鉄筋を支点ローラの下側でその支点ローラと力点ローラとの間に入り込ませて、その鉄筋を上向きに屈曲可能に構成してある鉄筋曲げ機を装備してある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2002−143931号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このため、クランプ機にクランプされている鉄筋の複数箇所を屈曲させる工程において、先行して屈曲させる箇所における鉄筋曲げ方向と、後続して屈曲させる箇所における鉄筋曲げ方向とが互いに逆方向の場合、先行する箇所を上向きに屈曲させた後、その鉄筋のクランプ機によるクランプを解除して、鉄筋を軸芯周りで反転させてから、再度、クランプ機にクランプさせて、後続する箇所を上向きに屈曲させる必要があり、作業能率の向上を図り難い欠点がある。
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであって、クランプ機にクランプされている鉄筋の複数箇所を屈曲させる工程において、先行して屈曲させる箇所における鉄筋曲げ方向と、後続して屈曲させる箇所における鉄筋曲げ方向とが互いに逆方向の場合でも、作業能率の向上を図り易くすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1特徴構成は、鉄筋を略水平にクランプするためのクランプ機と、前記クランプ機にクランプされている鉄筋を曲げ加工するための鉄筋曲げ機と、前記鉄筋曲げ機の作動を制御するための第1制御部とを設けてあるとともに、前記クランプ機と前記鉄筋曲げ機とを、前記クランプ機にクランプされている鉄筋の長手方向に沿って相対移動可能に基台に設けてあり、前記鉄筋曲げ機は、支点ローラと、その支点ローラの軸芯と略同芯の回動軸芯周りで前記支点ローラの外周側を駆動回動自在な力点ローラとを、前記回動軸芯を略水平方向に沿わせて設けてあるとともに、前記鉄筋を屈曲させるに伴って発生する曲げ反力を受け止め可能な反力受け部材を設けてあり、前記クランプ機にクランプされている鉄筋を前記支点ローラと前記力点ローラとの間に入り込ませて、前記力点ローラを駆動回動させることにより、曲げ反力を前記反力受け部材で受け止めながら、その鉄筋を前記支点ローラの外周に沿って屈曲可能に構成してある鉄筋曲げ装置であって、
前記クランプ機にクランプされている鉄筋を前記鉄筋曲げ機に対して上下方向の昇降経路に沿って相対的に駆動昇降可能な昇降機構を設けてあるとともに、前記支点ローラと前記力点ローラとを、前記鉄筋を前記支点ローラと前記力点ローラとの間に入り込ませて、その鉄筋を屈曲可能な突出位置と、前記鉄筋が前記支点ローラと前記力点ローラとの間から抜け出ている引退位置とに亘って駆動移動可能な出退機構を設けてあり、
前記第1制御部は、前記クランプ機にクランプされている鉄筋の複数箇所を屈曲させる工程において、前記鉄筋を前記支点ローラの上側でその支点ローラと前記力点ローラとの間に入り込ませて、その鉄筋を下向きに屈曲させる下向き曲げモードで前記鉄筋曲げ機を作動させる状態と、前記鉄筋を前記支点ローラの下側でその支点ローラと前記力点ローラとの間に入り込ませて、その鉄筋を上向きに屈曲させる上向き曲げモードで前記鉄筋曲げ機を作動させる状態とに切り換え可能に、前記昇降機構と前記出退機構の作動を制御可能に設けてある点にある。
【0006】
〔作用及び効果〕
クランプ機にクランプされている鉄筋を鉄筋曲げ機に対して上下方向の昇降経路に沿って相対的に駆動昇降可能な昇降機構と、支点ローラと力点ローラとを、鉄筋を支点ローラと力点ローラとの間に入り込ませて、その鉄筋を屈曲可能な突出位置と、鉄筋が支点ローラと力点ローラとの間から抜け出ている引退位置とに亘って駆動移動可能な出退機構とを設けてあるので、支点ローラと力点ローラとを引退位置に駆動移動させた状態で、クランプ機にクランプされている鉄筋を鉄筋曲げ機に対して上下方向の昇降経路に沿って相対的に駆動昇降させることによって、その鉄筋を支点ローラの上側又は下側に相対移動させた後、支点ローラと力点ローラとを突出位置に駆動移動させて、その鉄筋を下向き又は上向きに屈曲させることができる。
そして、第1制御部は、クランプ機にクランプされている鉄筋の複数箇所を屈曲させる工程において、鉄筋を下向きに屈曲させる下向き曲げモードで鉄筋曲げ機を作動させる状態と、鉄筋を上向きに屈曲させる上向き曲げモードで鉄筋曲げ機を作動させる状態とに切り換え可能に、昇降機構と出退機構の作動を制御可能に設けてあるので、先行して屈曲させる箇所における鉄筋曲げ方向と、後続して屈曲させる箇所における鉄筋曲げ方向とが互いに逆方向の場合でも、先行する箇所を上向きに屈曲させた後、その鉄筋のクランプ機によるクランプを解除して、鉄筋を軸芯周りで反転させてから、再度、クランプ機にクランプさせて、後続する箇所を上向きに屈曲させる必要がなく、作業能率の向上を図り易い。
【0007】
本発明の第2特徴構成は、前記第1制御部は、前記鉄筋曲げ機を前記下向き曲げモードで作動させるときに、前記支点ローラと前記力点ローラとを前記引退位置に移動させた状態で、前記鉄筋が前記鉄筋曲げ機に対して相対的に上昇するように前記昇降機構の作動を制御可能に設けてあるとともに、
前記鉄筋を押し上げ可能な押し上げ部材と、前記押し上げ部材を、前記支点ローラと前記力点ローラとの間に入り込ませる鉄筋部分を前記支点ローラの上面近くに保持可能な押し上げ位置と、前記昇降経路から引退している引退位置とに亘って駆動移動可能な押し上げ機構と、前記鉄筋が前記鉄筋曲げ機に対して相対的に上昇するように前記昇降機構を作動させるときに、前記押し上げ部材が前記押し上げ位置に移動するように前記押し上げ機構の作動を制御する第2制御部とを設けてある点にある。
【0008】
〔作用及び効果〕
第1制御部は、鉄筋曲げ機を前記下向き曲げモードで作動させるときに、前記支点ローラと前記力点ローラとを前記引退位置に移動させた状態で、前記鉄筋が前記鉄筋曲げ機に対して相対的に上昇するように前記昇降機構の作動を制御可能に設けてあるので、クランプ機にクランプされている鉄筋が自重で下向きに撓み易く、支点ローラと力点ローラとの間に入り込ませる鉄筋部分が支点ローラの引退位置から突出位置への移動経路を遮って、下向き曲げモードで作動させることができないおそれがある。
そこで、支点ローラと力点ローラとの間に入り込ませる鉄筋部分が、支点ローラの引退位置から突出位置への移動経路を遮ることがないように、鉄筋を押し上げ可能な押し上げ部材と、その押し上げ部材を、支点ローラと力点ローラとの間に入り込ませる鉄筋部分を支点ローラの上面近くに保持可能な押し上げ位置と、昇降経路から引退している引退位置とに亘って駆動移動可能な押し上げ機構とを設けて、鉄筋曲げ機を下向き曲げモードで作動させるときは、押し上げ部材を押し上げ位置に駆動移動させて鉄筋を押し上げることにより、支点ローラと力点ローラとの間に入り込ませる鉄筋部分を支点ローラの上面近くに保持できるようにしてある。
そして、鉄筋が鉄筋曲げ機に対して相対的に上昇するように昇降機構を作動させるときに、押し上げ部材が押し上げ位置に移動するように押し上げ機構の作動を制御する第2制御部を設けてあるので、押し上げ部材を押し上げ位置にタイミング良く移動させることができる。
【0009】
本発明の第3特徴構成は、前記下向き曲げモードでの作動時に発生する曲げ反力を受け止め可能な下曲げ用反力受け部材を、前記鉄筋の上方で前記曲げ反力を受け止め可能な作用位置と、前記鉄筋の横側方に引退している非作用位置とに亘って移動可能に設けてあるとともに、
前記下曲げ用反力受け部材を前記作用位置と前記非作用位置とに亘って駆動移動可能な反力受け部材移動機構と、前記下向き曲げモードで作動させる状態において前記下曲げ用反力受け部材が前記作用位置に移動し、前記上向き曲げモードで作動させる状態において前記下曲げ用反力受け部材が前記非作用位置に移動するように前記反力受け部材移動機構の作動を制御する第3制御部とを設けてある点にある。
【0010】
〔作用及び効果〕
下向き曲げモードでの作動時に発生する曲げ反力を受け止め可能な下曲げ用反力受け部材を、鉄筋の上方で曲げ反力を受け止め可能な作用位置と、鉄筋の横側方に引退している非作用位置とに亘って移動可能に設けてあるとともに、その下曲げ用反力受け部材を作用位置と非作用位置とに亘って駆動移動可能な反力受け部材移動機構を設けてあるので、下向き曲げモードで作動させる状態において下曲げ用反力受け部材を作用位置に駆動移動させて曲げ反力を受け止めることができ、上向き曲げモードで作動させる状態において下曲げ用反力受け部材を非作用位置に駆動移動させて、上向きに屈曲させた鉄筋部分と下曲げ用反力受け部材との干渉を避けることができる。
そして、下向き曲げモードで作動させる状態において下曲げ用反力受け部材が作用位置に移動し、上向き曲げモードで作動させる状態において下曲げ用反力受け部材が非作用位置に移動するように反力受け部材移動機構の作動を制御する第3制御部を設けてあるので、下曲げ用反力受け部材を作用位置と非作用位置とに亘ってタイミング良く移動させることができる。
【0011】
本発明の第4特徴構成は、前記昇降機構は、前記クランプ機を前記基台に対して上下に駆動移動自在に設けて、そのクランプ機にクランプされている鉄筋を駆動昇降可能に構成してある点にある。
【0012】
〔作用及び効果〕
昇降機構は、クランプ機を基台に対して上下に駆動移動自在に設けて、そのクランプ機にクランプされている鉄筋を駆動昇降可能に構成してあるので、クランプ機を挟む両側に鉄筋曲げ機を設けて、鉄筋の中間部をクランプ機でクランプした状態で、その鉄筋の両端の夫々を各別の鉄筋曲げ機で曲げ加工する場合に、鉄筋を一つの昇降機構で各鉄筋曲げ機に対して駆動昇降させることができる。
従って、各鉄筋曲げ機を昇降させるのに比べて、少ない動力で、しかも、簡単な構造で鉄筋を各鉄筋曲げ機に対して相対的に上下移動させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、鉄筋コンクリート用異径棒鋼などの鉄筋を所定の形状に曲げ加工するために使用する本発明による鉄筋曲げ装置を示し、鉄筋aを略水平方向に沿わせてクランプするためのクランプ機Bと、クランプ機Bにクランプされている鉄筋aの両側を各別に曲げ加工するための二基の鉄筋曲げ機Aとを横長の基台1に装備してあり、鉄筋曲げ装置の運転を制御する制御装置Cを設けてある。
【0014】
前記クランプ機Bは基台1の略中央位置に設けてあり、基台1のクランプ機Bを挟む両側にガイドレール2を固定するとともに、各ガイドレール2に沿って駆動走行自在な台車3を設け、鉄筋曲げ機Aの夫々を各台車3に搭載して、クランプ機Bに対して、そのクランプ機Bにクランプされている鉄筋aの長手方向に沿って駆動移動可能に設けてある。
【0015】
前記鉄筋曲げ機Aの夫々は、左右勝手違いはあるものの同じ構成であり、図2〜図6に示すように、支点ローラ4と、その支点ローラ4の軸芯Xと同芯の回動軸芯周りで支点ローラ4の外周側を駆動回動自在な力点ローラ5とを、回動軸芯Xを略水平方向に、かつ、鉄筋aに直交する方向に沿わせて設けてある。
【0016】
また、図3,図4,図6に示すように、鉄筋曲げ機Aの夫々をガイド部材7に沿って回動軸芯Xに沿う方向に移動自在に台車3に支持するとともに、鉄筋曲げ機Aの全体をガイド部材7に沿って駆動移動させる第1空気圧シリンダ8aを台車3に取り付けて、第1空気圧シリンダ8aの伸縮作動により、図3(イ),(ロ)に示すように、支点ローラ4と力点ローラ5とを、鉄筋aを支点ローラ4と力点ローラ5との間に入り込ませて、その鉄筋aを屈曲可能な突出位置と、図4(イ),(ロ)に示すように、鉄筋aが支点ローラ4と力点ローラ5との間から抜け出ている引退位置とに亘って駆動移動可能な出退機構9を設けてある。
【0017】
そして、図5に示すように、クランプ機Bにクランプされている一本或いは複数本の鉄筋aを支点ローラ4と力点ローラ5との間に入り込ませて、力点ローラ5を図示しない電動モータで駆動回動させることにより、鉄筋aを屈曲させるに伴って発生する曲げ反力を反力受け部材10a,10bで受け止めながら、その鉄筋aを支点ローラ4の外周に沿って屈曲可能に設けてある。
【0018】
前記反力受け部材10a,10bとしては、図5(イ)に示すように、鉄筋aを支点ローラ4の上側で、その支点ローラ4と下曲げ用待機位置の力点ローラ5との間に入り込ませて、その鉄筋aを下向きに屈曲させる際の曲げ反力を受け止め可能な下曲げ用反力受け部材10aと、図5(ロ)に示すように、鉄筋aを支点ローラ4の下側で、その支点ローラ4と上曲げ用待機位置の力点ローラ5との間に入り込ませて、その鉄筋aを上向きに屈曲させる際の曲げ反力を受け止め可能な上曲げ用反力受け部材10bとを各別に設けてある。
【0019】
前記上曲げ用反力受け部材10bは台車3に固定してあり、下曲げ用反力受け部材10aは、図3(イ)に示すように、下曲げ用の鉄筋aの上方で曲げ反力を受け止め可能な作用位置と、図3(ロ)に示すように、鉄筋aの横側方に引退させる非作用位置とに亘って縦軸芯Y1周りで揺動移動可能に設けてあるとともに、この下曲げ用反力受け部材10aを駆動揺動させる第2空気圧シリンダ8bを台車3に取り付けて、第2空気圧シリンダ8bの伸縮作動で、下曲げ用反力受け部材10aを作用位置と非作用位置とに亘って駆動移動可能な反力受け部材移動機構11を設けてある。
【0020】
また、図6に示すように、クランプ機Bにクランプされている鉄筋aを押し上げ可能なアーム状の押し上げ部材12を、鉄筋長手方向に沿う横軸芯X1周りで揺動自在に台車3に支持するとともに、この押し上げ部材12を上下に駆動揺動自在な第3空気圧シリンダ8cを設けて、第3空気圧シリンダ8cの伸縮作動で、図6(イ)に示すように、支点ローラ4と力点ローラ5との間に入り込ませる鉄筋部分を支点ローラ4の上面近くに保持可能な押し上げ位置と、図6(ロ)に示すように、鉄筋aの昇降経路から下側に退避している退避位置とに亘って押し上げ部材12を駆動移動可能な押し上げ機構13を設けてある。
【0021】
尚、図2,図4に示すように、各鉄筋曲げ機Aを搭載してある台車3のうちの、一方の台車3aには、クランプ機Bに供給される鉄筋aの端部を接当させて、クランプ機Bによる鉄筋aのクランプ位置を位置決めするための位置決め機構14を設けてある。
【0022】
前記位置決め機構14は、台車3に固定してあるガイド棒15に沿ってスライド移動自在、かつ、ガイド棒15に対して位置固定自在なベース板16に、鉄筋aの端部を接当させる接当板17をアーム18を介して上下方向軸芯Y2周りで揺動自在に支持すると共に、この接当板17を駆動揺動させる第4空気圧シリンダ8dを設けて、第4空気圧シリンダ8dの伸縮作動で、図4(ロ)に示すように、鉄筋aの端部を接当可能な位置決め位置と、図4(イ)に示すように、鉄筋aの昇降経路から横方向に退避している退避位置とに亘って、接当板17を駆動移動可能に設けてある。
【0023】
前記クランプ機Bは、図7に示すように、基台1に立設してあるガイド棒19に沿って上下移動自在な基盤20に、鉄筋aを上下方向から挟持可能な固定挟持部材21と可動挟持部材22とを設けて構成してある。
【0024】
前記固定挟持部材21は基盤20に固定してあり、可動挟持部材22は、第5空気圧シリンダ8eの伸縮作動で基盤20に対してガイド棒19に沿って上下移動自在に、かつ、第6空気圧シリンダ8fの伸縮作動で鉄筋aに直交する方向に出退自在に設けてある。
【0025】
そして、第5空気圧シリンダ8e,第6空気圧シリンダ8fの伸縮作動で、鉄筋aをクランプしないときは、可動挟持部材22を、図7に示すように、固定挟持部材21から離間するように上昇していると共に、固定挟持部材21の上方から引退している待機位置に移動させ、鉄筋aをクランプするときは、可動挟持部材22を、図8(イ)に示すように、固定挟持部材21の上方に突出させた後、図8(ロ),(ハ)に示すように、固定挟持部材21側に近接するように下降している挟持位置に移動させて鉄筋aをクランプできるように構成してある。
【0026】
また、鉄筋aをクランプ機Bに供給する際に、その鉄筋aが固定挟持部材21の挟持面23に載置されるように案内するガイド部材24を基盤20に取り付けてあり、このガイド部材24は、図7に示すように、そのガイド面25が挟持面23に近接する案内位置と、図8に示すように、挟持面23から離間する非案内位置とに亘って、横軸芯Y2周りで揺動自在に支持してあるとともに、案内位置に移動するように弾性的に付勢する付勢部材(コイルスプリング)26を設けてある。
【0027】
前記ガイド部材24には、そのガイド部材24の揺動に連係して、基盤20側のガイド孔29に沿って略水平方向に出退する出退部材30をピン連結してあり、出退部材30を接当させる接当部材31を、第5空気圧シリンダ8eの伸縮作動でガイド棒19に沿って上下移動自在なガイド筒32に固定してある。
【0028】
そして、図7に示すように、可動挟持部材22を待機位置に移動させてある状態で鉄筋aをクランプ機Bに供給する際には、コイルスプリング26の付勢力で出退部材30の先端面を接当部材31に接当させた状態で、ガイド部材24を案内位置に移動させておいて、鉄筋aをガイド面25に沿って挟持面23に移載する。
【0029】
前記挟持面23に載置した鉄筋aをクランプする際には、図8(イ)に示すように、待機位置に移動している可動挟持部材22を固定挟持部材21の上方に突出移動させるに伴って、その可動挟持部材22でガイド部材24を付勢力に抗して揺動させるとともに、出退部材30の先端面を接当部材31から離間させ、図8(ロ)に示すように、その可動挟持部材22を第5空気圧シリンダ8eの収縮作動で固定挟持部材21側に近接するように下降させるに伴って、そのガイド部材24を付勢力に抗して更に揺動させて、非案内位置に強制移動させた後、図8(ロ)における仮想線や図8(ハ)に示すように、第6空気圧シリンダ8fの伸張作動で可動挟持部材22が引退操作されることで、可動挟持部材22と固定挟持部材21とによって鉄筋aが安定的にクランプされる。
【0030】
可動挟持部材22は、圧縮性流体である空気を作動流体とする第5空気圧シリンダ8eの収縮作動で鉄筋aをクランプするので、鉄筋曲げ機Aで鉄筋aを下向きに屈曲させる際の反力が可動挟持部材22に作用すると、第5空気圧シリンダ8eが強制的に伸張されて、鉄筋aのクランプが解除されてしまうおそれがあるが、図8(ロ)に示すように、可動挟持部材22で鉄筋aをクランプするに伴って、接当部材31が基盤20側に下降し、図8(ロ)における仮想線や図8(ハ)に示すように、第6空気圧シリンダ8fの伸張作動で可動挟持部材22を引退させるに伴って、出退部材30がガイド筒32側に突出して接当部材31の上部に係合するので、鉄筋aを下向きに屈曲させる際の反力が可動挟持部材22に作用しても、第5空気圧シリンダ8eの強制的な伸張を阻止することができ、鉄筋aを安定的にクランプできる。
【0031】
また、基盤20を基台1に対して上下に駆動移動させる第7空気圧シリンダ8gを設けて、第7空気圧シリンダ8gの伸縮作動でクランプ機Bを基台1に対して上下に駆動移動させることにより、クランプ機Bにクランプしている鉄筋aを左右の鉄筋曲げ機Aに対して上下方向の昇降経路に沿って、図8(ロ)に示すように、上曲げ用の下降位置と、図8(ハ)に示すように、下曲げ用の上昇位置とに駆動昇降移動可能な昇降機構27を設けてある。
【0032】
前記制御装置Cは、鉄筋aの長さや曲げ位置,曲げ角度などの予め入力してある加工データに基づいて、それらの鉄筋aが曲げ加工されるように、各鉄筋曲げ機Aやクランプ機B,反力受け部材移動機構11,押し上げ機構13,位置決め機構14,昇降機構27などの作動を制御するもので、出退機構9を含む各鉄筋曲げ機Aと昇降機構27を含むクランプ機Bの作動を制御するための第1制御部C1と、押し上げ機構13の作動を制御するための第2制御部C2と、反力受け部材移動機構11の作動を制御するための第3制御部C3とを設けてある。
【0033】
以下、図9に示すように、鉄筋aを、中央部がコの字状に屈曲しており、かつ、その両端部が更に逆向きに屈曲している左右対称形状に曲げ加工する場合を例示して、制御装置Cによる制御動作を、図10〜図12を参照しながら説明する。
尚、図10〜図12において、黒塗りの支点ローラ4及び力点ローラ5は引退位置に移動していることを示し、白抜きの支点ローラ4及び力点ローラ5は突出位置に移動していることを示している。
【0034】
鉄筋曲げ装置の運転開始前は、図10(イ)に示すように、各鉄筋曲げ機Aがクランプ機Bに近接して隣り合う状態で、各鉄筋曲げ機Aと反力受け部材移動機構11と押し上げ機構13とクランプ機Bと位置決め機構14、及び、昇降機構27が、初期状態で待機している。
【0035】
つまり、初期状態では、各鉄筋曲げ機Aは、図4(イ)に示すように、支点ローラ4と力点ローラ5とが引退位置に移動しており、かつ、反力受け部材移動機構11の下曲げ用反力受け部材10aが非作用位置に移動しており、押し上げ機構13は、図6(ロ)に示すように、押し上げ部材12が退避位置に移動している。
【0036】
また、クランプ機Bは、図7に示すように、可動挟持部材22が待機位置に移動している初期状態で待機しており、昇降機構27は、図7に示すように、基盤20が上曲げ用の下降位置に移動している初期状態で待機しており、位置決め機構14は、図4(イ)に示すように、接当板17が退避位置に移動している初期状態で待機している。
【0037】
そして、フットスイッチ28により制御装置Cに運転開始指令を入力すると、クランプ機Bに供給された鉄筋aの端部が接当板17との接当により所定位置に位置決めされるように、位置決め機構14を設けてある一方の台車3(3a)を駆動走行させて、図10(ロ)に示すように、加工データに基づいて決定された位置に停止させるとともに、接当板17を位置決め位置に移動させる。
【0038】
次に、図7,図10(ハ)に示すように、鉄筋aをその端部が接当板17に接当するように固定挟持部材21の挟持面23と各鉄筋曲げ機Aの上曲げ用反力受け部材10bと亘って載置し、再度、フットスイッチ28により運転開始指令を入力することにより、図11(ニ)に示すように、接当板17を退避位置に移動させるとともに、可動挟持部材22を挟持位置に移動させて鉄筋aをクランプさせた後、各台車3を走行させて、各鉄筋曲げ機Aを鉄筋aの所定の曲げ箇所を下向きに屈強させることができる下曲げ用の位置に移動させる。
【0039】
次に、昇降機構27と出退機構9の作動を制御して、鉄筋aを支点ローラ4の上側でその支点ローラ4と下曲げ用待機位置の力点ローラ5との間に入り込ませて、その鉄筋aを下向きに屈曲させる下向き曲げモードで各鉄筋曲げ機Aを作動させる。
【0040】
具体的には、図11(ホ)に示すように、力点ローラ5を下曲げ用待機位置に移動させた後、クランプ機Bを鉄筋aと共に上昇位置に移動させ、押し上げ部材12を押し上げ位置に移動させて、図11(ヘ)に示すように、支点ローラ4と力点ローラ5とを突出位置に移動させて、鉄筋aを支点ローラ4の上側でその支点ローラ4と力点ローラ5との間に入り込ませる。
【0041】
次に、下曲げ用反力受け部材10aを作用位置に移動させて、力点ローラ5を下向きに駆動回動させ、図11(ト)に示すように、その鉄筋aの左右両側を下向きに屈曲させた後、図11(チ)に示すように、押し上げ部材12を退避位置に移動させ、下曲げ用反力受け部材10aを非作用位置に移動させるとともに、支点ローラ4と力点ローラ5とを引退位置に移動させる。
【0042】
次に、鉄筋aを支点ローラ4の下側でその支点ローラ4と力点ローラ5との間に入り込ませて、その鉄筋aを上向きに屈曲させる上向き曲げモードで各鉄筋曲げ機Aを作動させる。
【0043】
具体的には、図12(リ)に示すように、クランプ機Bを下降位置に移動させて、鉄筋aを各鉄筋曲げ機Aの上曲げ用反力受け部材10bに載置し、図12(ヌ)に示すように、各鉄筋曲げ機Aを上曲げ用の位置に移動させた後、力点ローラ5を上曲げ用待機位置に移動させ、図12(ル)に示すように、支点ローラ4と力点ローラ5とを突出位置に移動させて、鉄筋aを支点ローラ4の下側でその支点ローラ4と力点ローラ5との間に入り込ませた後、力点ローラ5を上向きに駆動回動させて、図12(ヲ)に示すように、その鉄筋aを上向きに屈曲させる。
【0044】
尚、各鉄筋曲げ機Aを、図12(リ)に示す位置からクランプ機B側に向けて移動させる際に、鉄筋aの径が小さい(鉄筋aの曲げ剛性が小さい)場合や移動距離が長い場合は、その鉄筋aのうちの、上曲げ用反力受け部材10bよりも端部側の鉄筋部分33が自重で大きく撓んで、図12(ヌ)に示すように、各鉄筋曲げ機Aを所定の上曲げ用又は下曲げ用の位置まで移動させてから、図12(ル)に示すように支点ローラ4と力点ローラ5とを突出位置に移動させても、鉄筋aが支点ローラ4と力点ローラ5との間に入り込まないおそれがある。
【0045】
このため、図12(リ)に示す各鉄筋曲げ機Aがクランプ機B側に向けて移動を開始する位置から、鉄筋aの径や移動予定距離(例えば、直径が10mmや13mmの鉄筋aで、移動距離が1m以上の場合)に応じて予め設定してある少しの設定距離(例えば、180mm)だけ各鉄筋曲げ機Aがクランプ機B側に移動すると、その位置で支点ローラ4と力点ローラ5とを突出位置に移動させて、鉄筋aを支点ローラ4と力点ローラ5との間に入り込ませた状態で、図12(ヌ)に示すように、各鉄筋曲げ機Aを予定の上曲げ用又は下曲げ用の位置まで移動させるように構成してある。
【0046】
この後、支点ローラ4と力点ローラ5とを引退位置に移動させるとともに、可動挟持部材22を非挟持位置に移動させて、加工済みの鉄筋aを取り出し、次の鉄筋aを加工できるように、図10(ロ)に示したように、各鉄筋曲げ機Aを加工データに基づいて決定された位置に停止させるとともに、接当板17を位置決め位置に移動させて、上述と同様に作動させる。
【0047】
〔その他の実施形態〕
1.本発明による鉄筋曲げ装置は、単一の鉄筋曲げ機のみを備えていても良い。
2.本発明による鉄筋曲げ装置は、鉄筋曲げ機を昇降させることにより、クランプ機にクランプされている鉄筋を鉄筋曲げ機に対して上下方向の昇降経路に沿って相対的に駆動昇降可能な昇降機構を設けてあっても良い。
3.本発明による鉄筋曲げ装置は、支点ローラと力点ローラとを、鉄筋曲げ機本体に対して、突出位置と引退位置とに亘って駆動移動可能な出退機構を設けてあっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】鉄筋曲げ装置の概略正面図
【図2】鉄筋曲げ機の正面図
【図3】鉄筋曲げ機の平面図
【図4】鉄筋曲げ機の平面図
【図5】鉄筋曲げ機の説明図
【図6】鉄筋曲げ機の側面図
【図7】クランプ機の側面図
【図8】クランプ機の平面図
【図9】鉄筋の平面図
【図10】鉄筋曲げ加工の説明図
【図11】鉄筋曲げ加工の説明図
【図12】鉄筋曲げ加工の説明図
【符号の説明】
【0049】
1 基台
4 支点ローラ
5 力点ローラ
9 出退機構
10a 反力受け部材(下曲げ用反力受け部材)
10b 反力受け部材
11 反力受け部材移動機構
12 押し上げ部材
13 押し上げ機構
27 昇降機構
A 鉄筋曲げ機
a 鉄筋
B クランプ機
C1 第1制御部
C2 第2制御部
C3 第3制御部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉄筋を略水平にクランプするためのクランプ機と、前記クランプ機にクランプされている鉄筋を曲げ加工するための鉄筋曲げ機と、前記鉄筋曲げ機の作動を制御するための第1制御部とを設けてあるとともに、
前記クランプ機と前記鉄筋曲げ機とを、前記クランプ機にクランプされている鉄筋の長手方向に沿って相対移動可能に基台に設けてあり、
前記鉄筋曲げ機は、支点ローラと、その支点ローラの軸芯と略同芯の回動軸芯周りで前記支点ローラの外周側を駆動回動自在な力点ローラとを、前記回動軸芯を略水平方向に沿わせて設けてあるとともに、前記鉄筋を屈曲させるに伴って発生する曲げ反力を受け止め可能な反力受け部材を設けてあり、
前記クランプ機にクランプされている鉄筋を前記支点ローラと前記力点ローラとの間に入り込ませて、前記力点ローラを駆動回動させることにより、曲げ反力を前記反力受け部材で受け止めながら、その鉄筋を前記支点ローラの外周に沿って屈曲可能に構成してある鉄筋曲げ装置であって、
前記クランプ機にクランプされている鉄筋を前記鉄筋曲げ機に対して上下方向の昇降経路に沿って相対的に駆動昇降可能な昇降機構を設けてあるとともに、
前記支点ローラと前記力点ローラとを、前記鉄筋を前記支点ローラと前記力点ローラとの間に入り込ませて、その鉄筋を屈曲可能な突出位置と、前記鉄筋が前記支点ローラと前記力点ローラとの間から抜け出ている引退位置とに亘って駆動移動可能な出退機構を設けてあり、
前記第1制御部は、
前記クランプ機にクランプされている鉄筋の複数箇所を屈曲させる工程において、
前記鉄筋を前記支点ローラの上側でその支点ローラと前記力点ローラとの間に入り込ませて、その鉄筋を下向きに屈曲させる下向き曲げモードで前記鉄筋曲げ機を作動させる状態と、前記鉄筋を前記支点ローラの下側でその支点ローラと前記力点ローラとの間に入り込ませて、その鉄筋を上向きに屈曲させる上向き曲げモードで前記鉄筋曲げ機を作動させる状態とに切り換え可能に、前記昇降機構と前記出退機構の作動を制御可能に設けてある鉄筋曲げ装置。
【請求項2】
前記第1制御部は、
前記鉄筋曲げ機を前記下向き曲げモードで作動させるときに、前記支点ローラと前記力点ローラとを前記引退位置に移動させた状態で、前記鉄筋が前記鉄筋曲げ機に対して相対的に上昇するように前記昇降機構の作動を制御可能に設けてあるとともに、
前記鉄筋を押し上げ可能な押し上げ部材と、
前記押し上げ部材を、前記支点ローラと前記力点ローラとの間に入り込ませる鉄筋部分を前記支点ローラの上面近くに保持可能な押し上げ位置と、前記昇降経路から引退している引退位置とに亘って駆動移動可能な押し上げ機構と、
前記鉄筋が前記鉄筋曲げ機に対して相対的に上昇するように前記昇降機構を作動させるときに、前記押し上げ部材が前記押し上げ位置に移動するように前記押し上げ機構の作動を制御する第2制御部とを設けてある請求項1記載の鉄筋曲げ装置。
【請求項3】
前記下向き曲げモードでの作動時に発生する曲げ反力を受け止め可能な下曲げ用反力受け部材を、前記鉄筋の上方で前記曲げ反力を受け止め可能な作用位置と、前記鉄筋の横側方に引退している非作用位置とに亘って移動可能に設けてあるとともに、
前記下曲げ用反力受け部材を前記作用位置と前記非作用位置とに亘って駆動移動可能な反力受け部材移動機構と、
前記下向き曲げモードで作動させる状態において前記下曲げ用反力受け部材が前記作用位置に移動し、前記上向き曲げモードで作動させる状態において前記下曲げ用反力受け部材が前記非作用位置に移動するように前記反力受け部材移動機構の作動を制御する第3制御部とを設けてある請求項1又は2記載の鉄筋曲げ装置。
【請求項4】
前記昇降機構は、前記クランプ機を前記基台に対して上下に駆動移動自在に設けて、そのクランプ機にクランプされている鉄筋を駆動昇降可能に構成してある請求項1〜3のいずれか1項記載の鉄筋曲げ装置。
【請求項1】
鉄筋を略水平にクランプするためのクランプ機と、前記クランプ機にクランプされている鉄筋を曲げ加工するための鉄筋曲げ機と、前記鉄筋曲げ機の作動を制御するための第1制御部とを設けてあるとともに、
前記クランプ機と前記鉄筋曲げ機とを、前記クランプ機にクランプされている鉄筋の長手方向に沿って相対移動可能に基台に設けてあり、
前記鉄筋曲げ機は、支点ローラと、その支点ローラの軸芯と略同芯の回動軸芯周りで前記支点ローラの外周側を駆動回動自在な力点ローラとを、前記回動軸芯を略水平方向に沿わせて設けてあるとともに、前記鉄筋を屈曲させるに伴って発生する曲げ反力を受け止め可能な反力受け部材を設けてあり、
前記クランプ機にクランプされている鉄筋を前記支点ローラと前記力点ローラとの間に入り込ませて、前記力点ローラを駆動回動させることにより、曲げ反力を前記反力受け部材で受け止めながら、その鉄筋を前記支点ローラの外周に沿って屈曲可能に構成してある鉄筋曲げ装置であって、
前記クランプ機にクランプされている鉄筋を前記鉄筋曲げ機に対して上下方向の昇降経路に沿って相対的に駆動昇降可能な昇降機構を設けてあるとともに、
前記支点ローラと前記力点ローラとを、前記鉄筋を前記支点ローラと前記力点ローラとの間に入り込ませて、その鉄筋を屈曲可能な突出位置と、前記鉄筋が前記支点ローラと前記力点ローラとの間から抜け出ている引退位置とに亘って駆動移動可能な出退機構を設けてあり、
前記第1制御部は、
前記クランプ機にクランプされている鉄筋の複数箇所を屈曲させる工程において、
前記鉄筋を前記支点ローラの上側でその支点ローラと前記力点ローラとの間に入り込ませて、その鉄筋を下向きに屈曲させる下向き曲げモードで前記鉄筋曲げ機を作動させる状態と、前記鉄筋を前記支点ローラの下側でその支点ローラと前記力点ローラとの間に入り込ませて、その鉄筋を上向きに屈曲させる上向き曲げモードで前記鉄筋曲げ機を作動させる状態とに切り換え可能に、前記昇降機構と前記出退機構の作動を制御可能に設けてある鉄筋曲げ装置。
【請求項2】
前記第1制御部は、
前記鉄筋曲げ機を前記下向き曲げモードで作動させるときに、前記支点ローラと前記力点ローラとを前記引退位置に移動させた状態で、前記鉄筋が前記鉄筋曲げ機に対して相対的に上昇するように前記昇降機構の作動を制御可能に設けてあるとともに、
前記鉄筋を押し上げ可能な押し上げ部材と、
前記押し上げ部材を、前記支点ローラと前記力点ローラとの間に入り込ませる鉄筋部分を前記支点ローラの上面近くに保持可能な押し上げ位置と、前記昇降経路から引退している引退位置とに亘って駆動移動可能な押し上げ機構と、
前記鉄筋が前記鉄筋曲げ機に対して相対的に上昇するように前記昇降機構を作動させるときに、前記押し上げ部材が前記押し上げ位置に移動するように前記押し上げ機構の作動を制御する第2制御部とを設けてある請求項1記載の鉄筋曲げ装置。
【請求項3】
前記下向き曲げモードでの作動時に発生する曲げ反力を受け止め可能な下曲げ用反力受け部材を、前記鉄筋の上方で前記曲げ反力を受け止め可能な作用位置と、前記鉄筋の横側方に引退している非作用位置とに亘って移動可能に設けてあるとともに、
前記下曲げ用反力受け部材を前記作用位置と前記非作用位置とに亘って駆動移動可能な反力受け部材移動機構と、
前記下向き曲げモードで作動させる状態において前記下曲げ用反力受け部材が前記作用位置に移動し、前記上向き曲げモードで作動させる状態において前記下曲げ用反力受け部材が前記非作用位置に移動するように前記反力受け部材移動機構の作動を制御する第3制御部とを設けてある請求項1又は2記載の鉄筋曲げ装置。
【請求項4】
前記昇降機構は、前記クランプ機を前記基台に対して上下に駆動移動自在に設けて、そのクランプ機にクランプされている鉄筋を駆動昇降可能に構成してある請求項1〜3のいずれか1項記載の鉄筋曲げ装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2009−12029(P2009−12029A)
【公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−175405(P2007−175405)
【出願日】平成19年7月3日(2007.7.3)
【出願人】(000223056)東陽建設工機株式会社 (17)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年7月3日(2007.7.3)
【出願人】(000223056)東陽建設工機株式会社 (17)
【Fターム(参考)】
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